WO2005044588A1

WO2005044588A1 - 塗布具

Info

Publication number: WO2005044588A1
Application number: PCT/JP2004/016344
Authority: WO
Inventors: Shigeki Yoneda; Takeshi Omatsu
Original assignee: Sakura Color Products Corporation
Priority date: 2003-11-07
Filing date: 2004-11-04
Publication date: 2005-05-19
Also published as: US20070070165A1; US7637680B2

Abstract

　本発明は、　インキ収容管内に、油性インキと当該インキに接する逆流防止体が収容された塗布具であって、　上記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、　前記界面に、ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤を含み、　前記油性インキが、着色剤、樹脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有し、　前記有機溶剤として、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤が含まれており、　前記ゲル化剤として金属石鹸が含まれ、　前記逆流防止体がジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも１種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、　上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して０．１～３重量％含まれている塗布具を提供する。

Description

明細書

塗布具

技術分野

[0001] 本発明は、油性インキを含む塗布具に関し、特に油性ゲルインキを含む修正ペンに好適に用いることができ、使用に際してインキ収容管内における油性インキ及び逆流防止体の壁面付着残りを防ぎ、セルフクリーニング性に改良を加えた塗布具に関する。

背景技術

[0002] 従来、塗布具のインキ収容管に含まれる逆流防止体の基材成分として、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンプロピレンオキサイド付加物を用いる場合、微粒子シリカを加えて粘度調整することが知られている（特許文献 1、特許文献 2)。

[0003] 特許文献 1 :特開 2000— 343875

[0004] 特許文献 2 :特開 2003—34098

[0005] しかし、この逆流防止体は全体として十分な弾性を得ることが難しく、それゆえ、ぺン先を上に向けて保存したとき、インキ収容管内で経時的に逆流防止体のタレによるインキ漏れが発生したり、インキ消費に伴い、インキ収容管の壁面に逆流防止体の付着残りが多く生じるという不具合がある。また衝撃に弱ぐインキ収容管内で逆流防止体が変形しやすぐインキ漏れしやすい。

[0006] これは、上記基材成分の場合、微粒子シリカによる構造粘性の付与 (ゲル化）が困難であること〖こよる。おそらぐ上記基材成分自身が少なからず界面活性を持っため、及び極性の高い物質であることが原因となり、ゲル形成を妨げているものと考えられる。

[0007] 一方、従来より、修正液などの油性インキが、使用とともにインキ収容管に付着することが無くセルフクリーニング性を発揮し、充填した量の総てが使用でき、更に、透明または半透明の容器を使用したときには、残量確認ができる修正具が提供されている（例えば、特許文献 3)。

[0008] この特許文献 3には、先端に内容液である修正液を塗布する塗布部を有し、前記修正液を収容するタンク内の前記塗布部側に、隠蔽剤と沸点 40— 150°Cの炭化水素系溶剤と該溶剤に可溶な被膜形成剤とより少なくともなる修正液を収容し、この修正液の後方界面と接触して、前記修正液の炭化水素系溶剤に不溶または難溶の有機溶剤及び Zまたは水と粘度調整剤と界面活性剤とより少なくともなる逆流防止体を収容配置してなる修正具であって、前記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を含有することが開示されて！ヽる。

[0009] 特許文献 3 :特開 2002—103884

[0010] しかし、この修正具は、実際には前記セルフクリーニング性が弱ぐ経時的にインキ中に逆流防止体 (インキ追従体)が修正液中に侵入しやす、。

[0011] また、特許文献 4として、先端に内容液である修正液を塗布する塗布部を有し、前記修正液を収容するタンク内の前記塗布部側に、隠蔽剤と沸点 40— 150°Cの炭化水素系溶剤と該溶剤に可溶な被膜形成剤とより少なくともなる修正液を収容し、この修正液の後方界面と接触して、粘度調整剤と前記修正液の炭化水素系溶剤に不溶または難溶の有機溶剤及び Zまたは水とより少なくともなる逆流防止体を配置し、前記修正液収容タンクの内壁に少なくとも前記修正液の炭化水素系溶剤に不溶または難溶の有機溶剤及び Zまたは水を塗布したものであることを特徴とする修正具が提供されている。

[0012] 特許文献 4:特開 2002— 127680

[0013] しかし、力かる修正具も、収容タンクの内壁に少なくとも前記修正液の炭化水素系溶剤に不溶または難溶の有機溶剤及び Zまたは水を塗布したものにすぎなヽため、経時的にコーティングされた有機溶剤及び Zまたは水がなくなり、前記セルフクリーユング性が喪失する。

[0014] 本発明の課題は、十分な弾性を保有し、インキ収容管内での経時的なタレや、インキ消費に伴う、壁面付着残りを防ぎ、衝撃に対しても変形し難い逆流防止体を備えた修正具などの塗布具を提供するところにある。また本発明の課題は、これに加えて、インキ中に逆流防止体が侵入しにくぐインキ及び逆流防止体に対するセルフクリーユング効果の持続性が良好である修正具などの塗布具を提供するところにある。発明の開示課題を解決するための手段

[0015] 本発明は、インキ収容管内に、油性インキと、当該油性インキに接し、当該油性インキの流動に追従して可動する逆流防止体が収容された塗布具であって、

上記逆流防止体力ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群カゝら選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、

上記ポリアクリル酸力前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている塗布具である。

[0016] 前記ポリアクリル酸は、平均分子量が 1, 000, 000以上のポリアクリル酸を含むことが好ましぐ前記ポリアクリル酸の平均分子量が 1, 000, 000以上であることがより好ましい。

[0017] 前記基材成分としては、前記逆流防止体の全量に対して 87— 99. 9重量％含まれていることが好ましい。

[0018] また、前記逆流防止体は、さらに微粒子シリカを含むことが好ましい。特に、前記逆流防止体の全量に対してさらに微粒子シリカを 1一 10重量％含むことが好ましい。

[0019] なお、前記逆流防止体のゲル組成物に微粒子シリカを含む場合、前記ポリアクリル酸として、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が 1, 000, 000以上、好まし <は 1, 500, 000以上、より好まし <は 2, 000, 000以上、さらに好ましくは 3, 000, 000以上のポリアクリル酸を含み、かつ平均分子量が 2, 0 00, 000以下、好ましくは 1, 500, 000以下のポリアクリル酸が含まれることが好ましい。特に、平均分子量が 2, 000, 000以上のポリアクリル酸と、平均分子量が 1, 50 0, 000以下のポリアクリル酸が含まれる逆流防止体のゲル組成物が好ま U、。

[0020] また前記油性インキの粘度が、

剪断速度が 0. l (lZs)のとき 700mPa' s以上であり、

剪断速度が lOO(lZs)のとき 500mPa' s以下であることが好ましい。

[0021] また、前記油性インキが、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくとも、ずれかの有機溶剤を含むことが好ま U、。

[0022] したがって、逆流防止体としては、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群カゝら選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、平均分子量 1, 000, 000以上のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、上記ポリアクリル酸力前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている油性インキ用逆流防止体が好まし、。

[0023] またさらに、修正インキに適した収容管の榭脂としてナイロン、ポリエチレンテレフタレート榭脂が挙げられるが、これらの榭脂は修正インキ等の油性インキとの濡れがよく、逆流防止体 (インキ追従体或はインキフォロア）によるセルフクリーニング効果を出すことが困難であったことから、これを解決するには、油性インキとインキ収容管の濡れを悪くし、逆流防止体とパイプとの間の濡れを良くすることが必要であると考え、低極性のインキでの濡れが悪、極性榭脂としてポリビュルアルコール榭脂を添加し、さらに濡れを悪くする目的で選択的にフッ素系界面活性剤を追加したものを前記油性インキに少なくとも接する界面に形成することにより、上記課題を解決できることを見出した。

[0024] 本発明の好ましい塗布具は、前記構成に加えてさらに、前記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、前記界面に、ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれている塗布具であ

[0025] また、本発明のさらに好ましい塗布具は、前記界面が、前記インキ収容管の内壁面上に形成されたコーティング層で構成されており、当該コーティング層に前記ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれている塗布具である。

[0026] 前記界面には、ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれていることが好ましい。特に、前記界面にポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれてヽる塗布具であって、前記フッ素系界面活性剤としてイオン性フッ素系界面活性剤を含み、前記ポリビニルアルコールとして前記界面活性剤とイオン性が逆となる変性ポリビニルアルコールを含む塗布具が好ましい。

[0027] 本発明は、このように、前記逆流防止体として、ジグリセリンエチレンオキサイド付カロ物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群力選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物カゝらなり、

上記ポリアクリル酸力前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている逆流防止体であるため、この逆流防止体であれば十分な弾性を保有し、インキ収容管内での経時的なタレや、インキ消費に伴う、壁面付着残りを防ぎ、衝撃に対しても変形し難い逆流防止体を備えた修正具などの塗布具として提供することができる。

[0028] また本発明は、前記油性インキと前記逆流防止体に接する界面に、ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれてヽる塗布具であるので、インキ中に逆流防止体が侵入しにくぐ前記セルフクリーニング効果の持続性が良好である修正具などの塗布具を提供することができる。特に、前記界面にポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれており、かつ前記フッ素系界面活性剤としてイオン性フッ素系界面活性剤、前記ポリビニルアルコールとして前記界面活性剤のイオン性に対してその逆となるイオン性の変性ポリビニルアルコールが含まれて、る場合、前記ポリビュルアルコールと前記界面活性剤との間にイオン的相互作用を持たせることができ、常温（20°C)を超える温度環境下、具体的には 40°C以上の高温度環境下であつてもセルフクリーニング効果を更に十分に維持することができ、保存安定性に優れている。

発明を実施するための最良の形態

[0029] (逆流防止体）

逆流防止体としては、水性逆流防止体 (水性逆流止組成物など)を用いることができる。具体的には、ジクリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の少なくともいずれかを基材とする等、公知の追従体又は逆流防止組成物が用いられる力さら〖こ、ジクリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の少なくともヽずれかを基材とし、ポリアクリル酸が逆流防止体全量に対して 0. 1— 3重量％含まれているものが好ましい。

[0030] 前記ポリアクリル酸としては、平均分子量が 1, 000, 000以上力子ましく、さらに好まし <は 1, 250, 000以上、より好まし <は 2, 000, 000以上、最適には 3, 000, 00 0以上のものを使用することができる。また平均分子量の最大値としては、 10, 000, 000以下力子ましく、さらに好ましくは 4, 000, 000以下のものを使用することができる。平均分子量が 1, 000, 000未満の場合、ゲルの形成が低下し、逆流防止体の弹性が低下し、タレの傾向が生じ、衝撃に対しても変形する傾向がでてくる。また平均分子量が 10, 000, 000を超えても使用できる力硬くなる傾向が生じるため、 10, 0 00, 000以下力 S好ましく、さらに好ましく ίま 4, 000, 000以下である。

[0031] 上記ポリアクリル酸は、前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれていることが重要である。上記ポリアクリル酸が前記逆流防止体の全量に対して 0. 1重量

%未満の場合、ゲルが形成し難ぐ逆流防止体の弾性が不十分となり、タレ易ぐ衝撃に対しても変形し易、。また上記ポリアクリル酸が前記逆流防止体の全量に対して

3重量％を超えて含まれる場合、硬くなり、油性インキに追従する逆流防止体の性能が低下する。

[0032] 上記ポリアクリル酸としては、架橋型ポリアクリル酸が好ましい。具体的には BFグッドリツチ社製、商品名、カーボポール 941 (平均分子量 1, 250, 000)、カーボポール 934 (平均分子量 3, 000, 000)、カーボポール 940 (平均分子量 4, 000, 000)を用!/、ることができる。

[0033] 前記逆流防止体の基材成分としては、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンプロピレンオキサイド付加物を挙げることができる。ジクリセリンエチレンォキサイド付加物としては、例えばポリオキシエチレン (η)ジクリセリルエーテル、好ましい具体例として、阪本薬品工業社製、商品名、 SC-E2000 (エチレンオキサイド 40モル付加物）、 SC— E1500 (エチレンオキサイド 30モル付加物）を用いることができる。

[0034] また前記ジグリセリンプロピレンオキサイド付加物としては、例えばポリオキシェチレン (n)ジクリセリルエーテル、好ましい具体例として、阪本薬品工業社製、商品名、 S C-P1000 (プロピレンオキサイド 14モル付カ卩物）、 SC— P750 (プロピレンオキサイド 9モル付加物）を用いることができる。

[0035] 前記ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及び前記ジグリセリンプロピレンォキサイド付加物は、それぞれ選択的に用いることもできるが、混合して用いることもできる。力かる基材成分は、前記逆流防止体の全量に対して 87— 99. 9重量％含まれていることが好ましい。当該基材成分が前記逆流防止体の全量に対して 87重量％未満である場合は、硬くなり、油性インキの流動に追従する逆流防止体の性能が低下する。当該基材成分が前記逆流防止体の全量に対して 99. 9重量％を超える場合、ポリアクリル酸の添加量が少なくなり、逆流防止体の弾性が不十分となり、タレ易ぐ衝撃に対しても変形し易い。

[0036] (微粒子シリカ）

本発明では、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンォキサイド付加物との関係において、微粒子シリカに代えて、前記ポリアクリル酸を用いることが重要である。すなわち、微粒子シリカをジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物と併用すると、既述の通り、上記基材成分の場合、微粒子シリカによる構造粘性の付与 (ゲル化）が困難であることによる。上記基材成分自身が少な力ゝらず界面活性を持っため、及び極性の高ヽ物質であることが原因となり、ゲル形成を妨げているものと考えられる。これに対して、ジグリセリンェチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物に対して、微粒子シリカに代えて、前記ポリアクリル酸を用いると、用いるポリアクリル酸の平均分子量が大きいこともあり、前記基材の粘性を著しく増力！]させ、そしてゲル化させるため、逆流防止体は十分な弾性を保有し、インキ収容管内での経時的なタレや、インキ消費に伴う、壁面付着残りを防ぎ、衝撃に対しても変形し難くなる。

[0037] この点で、微粒子に代えて、前記ポリアクリル酸を単独で使用することが好ま、が、微粒子シリカを、前記ポリアクリル酸及び前記基材成分と特定含有量において併用することで、逆流防止体として十分な弾性を保有しつつ、任意に粘弾性をコントロールすることができることを見出した。これにより、インキ粘度、要求されるインキ流出量にあわせた逆流防止体を得ることができる。具体的には、上記ポリアクリル酸を前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％、前記基材成分を前記逆流防止体の全量に対して 87— 99. 9重量％、微粒子シリカを前記逆流防止体の全量に対して 1一 10重量％含ませることが望まし、。

[0038] 本発明で使用できる微粒子シリカとしては、親水性シリカ、疎水性シリカを!、ずれも使用することができる力具体的には、日本ァエロジル社製、商品名「ァエロジル # 3 80」（親水性シリカ、 1次粒子平均粒径 7 /ζ πι)、「ァエロジル # 200」（親水性シリカ、 1次粒子平均粒径 12 m)、「ァエロジル R— 972」（疎水性シリカ、ジメチルジクロロシランによる表面処理、 1次粒子平均粒径 16 m)、「（疎水性シリカ、ァエロジル R— 97 6」（（疎水性シリカ、ジメチルジクロロシランによる表面処理、 1次粒子平均粒径 7 m )、「ァエロジル R— 812」（（疎水性シリカ、へキサメチルジシラザンによる表面処理、 1 次粒子平均粒径 7 μ m)を挙げることができる。

[0039] なお、ゲル組成物中に、カゝかる微粒子シリカを含ませる前記逆流防止体の場合では、本発明に使用する前記ポリアクリル酸としては、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成し、平均分子量が 1, 000, 000以上、好ましくは 1, 500, 000 以上、より好ましくは 2, 000, 000以上、最適には 3, 000, 000以上のポリアクリノレ酸を含むと共に、これらのそれぞれのポリアクリル酸に対してそれより分子量が低、ポリアクリル酸を含ませることが好ましい。具体的には、平均分子量が 2, 000, 000以下、好ましくは 1, 500, 000以下、さらに好ましくは 1,250,000以下、より好ましくは 1, 000, 000以下のポリアクリル酸を含ませることが好ましい。このような平均分子量の組み合わせにおいて、複数の平均分子量を持つポリアクリル酸を使用して、複数のピーク或は合成された 1つのピークを有する分子量分布を示すポリアクリル酸で逆流防止体を構成すると、前記又は後述の基材が、既述した本発明の逆流防止体のゲル組成物 (逆流防止体組成物)力ゝら離ショウ (経時で基材が逆流防止体組成物から滲み出す現象)することを防止することができる。離ショウが生じると、ペン先を上に向けた状態の場合、逆流防止体が痩せてインキが洩れたり、粘度が上昇して追随不良を起こすものである。力かる基材の逆流防止体組成物からの離ショウは、当該逆流防止体 (組成物）中に微粒子シリカが含まれている場合に生じていると認められる力おそらく上記のような低分子量のポリアクリル酸をさらにカ卩えることにより、当該ポリアタリル酸が分散剤として働いて、微粒子シリカの凝集を妨げ、上記離ショウの発生を抑制しているものと推測される。

[0040] なお、前記ポリアクリル酸が、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が 2, 000, 000以上のポリアクリル酸と、平均分子量が 1, 500, 0 00以下のポリアクリル酸が含まれるゲル組成物 (逆流防止体組成物）が最も好まヽ

[0041] 逆流防止体にはその他の添加成分として、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、防力ビ剤等を必要に応じて任意に配合することかできる。

[0042] 逆流防止体の製造方法としては、例えば、上記所定の各成分をロールミルにより分散して本発明に係る逆流防止体を得る。

[0043] (油'性インキ）

前記油性インキとしては、着色剤、榭脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有する塗布具が好ましいが、限定されない。

[0044] そして、修正ペンなどの修正具の場合、油性インキには着色剤（隠蔽材)として酸化チタンが含まれていることが望ましぐまた油性インキには脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤を含むことが好ましい。

[0045] さらに、上記ゲル化剤としては、上記有機溶剤に対する溶解度（20°C)が 0. 1— 20 重量％の溶解性ゲル化剤であり、インキの粘度は、剪断速度が 0. l (lZs)のとき 70

OmPa' s以上であり、剪断速度が lOO(lZs)のとき 500mPa' s以下であることが望ましぐ具体的なゲル化剤として金属石鹼を含むことが望ましい。特に、 2ェチルへキサン酸アルミニウムを含むことが望まし!/、。

[0046] なお、この粘度の測定条件は、先端が 1. Omm径のボールを 60 μ mの隙間を持たせて保持したペン先を有する修正ペンを用いて、ボールの回転によってインキに剪断力を付与した際の粘度 (mPa' s)を基準に示している。なお、本発明で示される油

'性インキの粘度は、 HAAKE社製レオメーター RS— 75を用い、 20°Cで、 Z20DIN口一ターをもって測定した値である。

[0047] 前記逆流防止体の構造粘性とこの油性インキ (修正インキ)の粘度との組み合わせによって、インキの流出性とこれに弾性を保持しながら追従するさらに好ましい逆流防止体が含まれた塗布具を得ることができる。

[0048] (インキ収容管）

本発明に用いるインキ収容管としては、油性インキ中に含まれる脂肪族、脂環族炭化水素系溶剤に侵されない（吸液しない)こと、及び逆流止め基材 (極性物質）に侵されないことが重要である。

これらのことを満たすインキ収容管は、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂の群力選ばれる榭脂で構成されていることが好ましい。具体的には、 4, 6—ナイロン、 6 ナイロン、 6, 6 ナイロン、 6, 10 ナイロン、 6, 12—ナイロン、 11 ナイロン、 12 ナイロン、 PET (ポリエチレンテレフタレート）、 PBT (ポリブチレンテレフタレート）を例示することができる。外から残量が確認できるという点では、ナイロン榭脂ゃ PET (ポリエチレンテレフタレート）が好ましい。後述の様に、油性インキに少なくとも接するインキ収容管の界面にポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤を含む場合は、インキ収容管をナイロン榭脂ゃ PET (ポリエチレンテレフタレート）或は PBT (ポリブチレンテレフタレート）で構成することにより、経時的にインキの筋 (通り道）がインキ収容管内に形成することを防ぎ、当該インキの筋 (通り道)からインキが外部に漏れたり、溶剤が飛んでインキの保存性が喪失することを防ぐことができる。かかる点で、前記インキ収容管が、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂の群力選ばれる榭脂で構成されて、ることが望まし、。

[0049] 本発明では、前記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール (PVA)及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれている塗布具が好ましい。さらに好ましくは、前記界面に、ポリビニルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれている塗布具が好ましい。

[0050] 前記 PVA (ポリビュルアルコール）としては、 OH基 (水酸基）を多く含有し、極性力 Sかなり高い（水溶性)ものが望ましい。その意味で、より好ましくは完全ケンィ匕型又は完全ケンィ匕型に近、PVAが望ましヽが、部分ケン化型の PVAも使用することができる。より好ましい PVAとしては、完全ケンィ匕型又は完全ケンィ匕型に近い PVAであり、例えばケンィ匕度 98. 0以上が好ましい。具体的には、完全ケンィ匕品が好ましぐクラレネ土製の商品名「クラレポバール」シリーズの PVA— 102、 PVA— 103、 PVA— 104A 、 PVA— 105、 PVA— 110、 PVA— 117、 PVA— 117H、 PVA— 120、 PVA— 124、 P VA-135、 PVA-HCを用いることができる。中でも、クラレネ土製の商品名「クラレポバール PVA105」（ケン化度 98— 99mol%、重合度 500)が好ましい。その他、日本合成化学社製、 NH—の商品名「ゴーセノール N型ポバール」シリーズの NH— 26、 N H— 20、 NH-18, N— 300、 NM— 14、 NM— 11、 NL— 05力 ^好まし!/ヽ。また日本醉ビ 'ポバール社製の商品名「Vシリーズ」である VC— 20、 V、 VC— 10や、「Jシリーズ」である JC— 25、 JF— 20、 JF— 17、 JF— 17L、 JF— 10、 JF— 05、 JF— 04を用いることができる。

[0051] PVAは、油性インキに接触する界面を構成するコーティング層を基準とすると、当該コーティング液全量に対して 0. 05wt%— 20wt%、好ましくは 0. 5wt%— 10wt %である。 PVAがコーティング液全量に対して 0. 05wt%未満の場合は、前記油性インキに対してセルフクリーニング性が低下する。一方、 PVAがコーティング液全量に対して 20wt%を超える場合は、粘度が高くなりすぎ、コーティングし難い。

[0052] また本発明では、未変性 PVA (未変性のポリビュルアルコール）のほか、常温を超える温度環境下、具体的には 40°C以上の高温度環境下であってもセルフクリーニング効果を更に十分に維持できるところの保存安定性を確保するために、カチオン性又はァ-オン性を持つ変性 PVA (ポリビュルアルコール）を用いることができる。すなわち、 OH基 (水酸基)を多く含有し、極性が高い（水溶性) PVA (ポリビュルアルコール）が好ましぐ完全ケンィ匕型又は完全ケンィ匕型に近いカチオン変性又はァ-オン変性の PVA (ポリビニルアルコール）が好ましぐ例えばケンィ匕度 86. 0以上が好ましい。より好ましい PVAとしては、具体的には、クラレネ土製の商品名「クラレポバール K L 118」（ァ-オン変性ポリビュルアルコール、ケン化度 95— 99mol%)、同社製の商品名「クラレポバール CM— 318」（カチオン変性ポリビュルアルコール、 4級アンモ -ゥム変性 PVA、ケンィ匕度 86— 91mol%)、日本合成化学社製、商品名「ゴーセフアイマー K210」（カチオン変性ポリビュルアルコール）などのイオン変性ポリビ- ルアルコールが挙げられる。

[0053] これらのイオン変性 PVAは、油性インキに接触する界面を構成するコーティング層を基準とすると、当該コーティング液全量に対して 0. 05wt%— 10wt% (未変性 PV Aと合わせて 20wt%以下）、好ましくは 0. lwt%— 5wt%である。 PVAがコーティング液全量に対して 0. 05wt%未満の場合は、前記油性インキに対してセルフクリーユング性が低下する。一方、 PVAがコーティング液全量に対して 20wt%を超える場合は、粘度が高くなりすぎ、コーティングし難い。

[0054] 本発明に用いられるフッ素系界面活性剤としては、水に対する溶解性を有する一方、インキ溶剤 (脂肪族 ·脂環族炭化水素の有機溶剤）に溶解しないこと、及び表面張力を顕著に下げる効果があることが重要である。イオン性フッ素系界面活性剤が好ましい。具体的には、セイミケミカル社製の商品名サーフロンシリーズの S— 111、 1 12、 113、 121、 131、 132、 141、 145を挙げ、ること力 Sできる。また、ネオス社製の商品名「フタ一ジエンド」シリーズの 100、 150、 300、 400S、三菱マテリアル社製の商品名「エフトップ」シリーズの EF— 101、 102、 104、 105、 112を挙げることができる。

[0055] 前記フッ素系界面活性剤は、油性インキに接触する界面を構成するコーティング層を基準とすると、当該コーティング液全量に対して 0. 005wt%— lwt%、好ましくは 0. 03wt%— 0. 5wt%含まれている。前記フッ素系界面活性剤がコーティング液全量に対して 0. 005wt%未満であると、表面張力を下げることが困難である一方、 lw t%を越えると、コーティング層の界面カゝら前記フッ素系界面活性剤が油性インキ中に溶出しやすくなる。

[0056] 上記コーティング層を形成するコーティング液としては、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビニルアルコールが含まれていることが重要である力水を含有するコーティング水溶液として用いることが好ましい。因って、前記 PVAを前記コーティング液全量に対して 0. 05wt%— 20wt%、前記フッ素系界面活性剤を更に加える場合はコーティング液全量に対して 0. 005wt%— lwt%含むコーテイング水溶液とすることが好ましい。コーティング液には消泡剤、表面張力調整剤、防腐剤等を添加しても良い。

[0057] 本発明の塗布具は、たとえば次の製造方法によって得られる。すなわち、成形済みの収容管を、 PVA及びフッ素系界面活性剤の水溶液にデイツビングして、前記収容管の内壁面に PVA及びフッ素系界面活性剤の水溶液のコーティング層を形成させる。次に、オーブン又は常温 1日放置によって乾燥する。次に、この収容管に油性ィンキを充填し、さらに逆流防止体 (逆流止め）を充填する。これにより、本発明の一実施態様の塗布具が得られる。

[0058] なお、本発明の塗布具において、収容管内面の界面を形成するには、上記ディッビングによってコーティング層を形成するほか、直接上記収容管内に塗装してコーテイング層を形成するほか、押出成型やインジェクション成型などの公知の成型方法によって、収容管の内面にインキ収容管の成型と同時に、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビニルアルコールを含む界面を有する内層を形成することもできる。また、インキ収容管を成形後、その内側に、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールを含む界面を有する内層を成形体として成型することもでき、或はまた、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビ- ルアルコールを含む界面を有する内層を成形体として成型後、その外側にインキ収容管の本体を成型体として成形することもできる。

[0059] あるいはまた、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリブチレンテレフタレート榭脂の群力も選ばれるインキ収容管の榭脂中に、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビニルアルコールを含有させ、油性インキや逆流防止体と接する界面を、 PVA及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールを含む界面として構成することも可能である。

[0060] 本発明の具体的態様として、インキ収容管内に、油性インキと当該インキに接する逆流防止体が収容された塗布具であって、

上記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれている塗布具が挙げられる。

[0061] そして、前記インキ収容管は、特に限定されないが、既述の通り、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂の群力も選ばれる榭脂で構成されていることが望ましい。これらは、脂肪族や脂環族炭化水素系溶剤に侵されず、吸液しない点で好まぐまた極性物質の逆流止め基材 (逆流防止体）に侵されない点で好ましい。具体的には、 4, 6—ナイロン、 6—ナイロン、 6, 6—ナイロン、 6, 10—ナイロン、 6, 12—ナイロン、 11—ナイロン、 12—ナイロン、 PET (ポリエチレンテレフタレート）、 PBT (ポリブチレンテレフタレート）が好ましい。外から残量が確認できるという点ではナイロン全般と PETが好適である。

[0062] なお、界面に少なくともポリビニルアルコールが含まれる前記インキ収容管には、前記の通りの逆流防止体、即ちジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物力なり、上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている逆流防止体を採用することが最適である力格別限定されない。インキ収容管内に油性インキが少なくとも収容された塗布具であつて、上記インキ収容管が、前記油性インキに少なくとも接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルァルコールが含まれて、る塗布具であっても、少なくとも油性インキに対してセルフタリ一二ング性と備えた塗布具として採用することができる。

[0063] 最適な塗布具は、インキ収容管内に、油性インキと当該インキに接する逆流防止体が収容された塗布具であって、

上記インキ収容管が、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリプチレンテレフタレート樹脂の群カゝら選ばれる榭脂で構成され、

上記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤を含み、

前記フッ素系界面活性剤としてイオン性フッ素系界面活性剤、前記ポリビュルアルコールとして前記界面活性剤とイオン性が逆となる変性ポリビュルアルコールを含み前記油性インキが、着色剤、榭脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有し、

前記有機溶剤として、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤が含まれており、

前記ゲル化剤として金属石鹼が含まれており、

前記逆流防止体力ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群カゝら選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、ポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、

[0064] なお、塗布具としては、外筒内にインキ収容管を装備し、インキ収容管の一端側にペン先を備え方レフィール構造の塗布具のほか、前記インキ収容管の一端側にペン先を有し、他端側に当該インキ収容管に収容された少なくとも油性インキを加圧する加圧装置を有した塗布具を用いることもできる。

実施例

[0065] 11 ナイロン榭脂で成形した口径（内径) 4mmの透明のインキ収容管の一端にボール径 lmmのペン先を組み付け、その上で、油性インキ全量に対して、酸化チタン 50重量％、ロジン榭脂 4重量％、脂肪族炭化水素系溶剤 40重量％、及びゲル化剤 (2ェチルへキサン酸アルミニウム） 1. 5重量％を含む油性インキを前記インキ収容管内に充填し、さらにその次に、前記油性インキの上から、表 1に示す組成の実施例に力かる逆流防止体の組成物を充填した。また比較のため、上記と同様にして、表 1に示す組成に代えて、表 2に示す組成の比較例に力かる逆流防止体の組成物を充填した。なお、このインキ収容管には、 PVAとフッ素系界面活性剤を含む後述のコーテイング処理は、されていない。

[0066] 次に、表 1及び表 2に示した各組成の逆流防止体を含む修正用ボールペンについて、ペン先を上に向けた状態での保存性と、紙上に筆記したときの油性インキに対する逆流防止体の追従性を評価した。各表に結果を示す。

なお、保存性が良好は〇、保存性が悪くタレが発生するものを X、インキ追従性が良好であるものを〇、インキ追従性が悪いものを Xで示している。いずれも外観観察による。

なお、上記保存性は、 50°C、 1ヶ月後の状態を評価している。

[0067] [表 1]

(重量％)

注記）

• SC-E2000 ：シ'ク、リセリンエチレンォキサイに付加物、阪本薬品工業社製、エチレンすキサイ卜 " 40モル付加物

• SC-E 1500 ：シク -'リリン'エチレンォキサイト"付加物、阪本薬品工業社製、 Iチレンォキサ " 30モ 'レ付加物

• SC-P 1 000 ：シ'ク 'リセリンフ' _Dヒレンォキサイト "付加物、阪本薬品工業社製、プロ!: ' レンォキサイ卜 ' 1 4モル付加物

• SC-P750 ： Y' r'リセリン p f レンォキサイに付加物、阪本薬品工業社製、フ' 卩ヒ'レンォキサイに 9モル付加物 • カーホホ'ール 940 ：架撟型ホアクリル酸、 B Fクド！) '；>チ社製、平均分子量 4 , 000 , 000

• カーホホ''ール 934 ：架橋型ホ ' リアタリル酸、 Bドク"ッに!)ツチ社製、平均分子量 3 , 000 , 000

• ァエロシ"ル R-972 ：疎水性シリカ、日本ァ： e nシ'ル社製、 1次粒子平均粒径 1 6 μ m

• ァエロシ'ル #380 ：親水性シリカ、日本ァ I Bシ"ル社製、 i次粒子平均粒径 7 _{μ m}

表 2]

重量％)

注記）

• SC-E2000 ：シ"ク"リセリンエチレンォキサイに付加物、阪本薬品工業社製、 Iチレンォキサイに 40モル付加物

• SC-E 1500 ：シ"ク"リセリンヱチレンォキサイ付加物、阪本薬品工業社製、ヱチレンォキサイに 30モル付加物

• SC-P 1000 ：シ^ク"リセリンフ" ' Bヒ'レンォキに付加物、阪本薬品工業社製、 ' p i レンオキサイド】₄モル付加物 ■ SC-P750 ：シ-'ク"リセリンフ。 ·'レンォキサ仆'付加物、阪本薬品工業社製、フ"ロレンォキサイに 9モル付加物

■ カ-ホ"ホ -ル 940 ：架橋型ホ 1アクリル酸、 BFrッリッチ社製、平均分子量 4 , 000, 000

■ カ- ;Γホ -ル 934 ：架橋型ホ ' リアクリル酸、 BFr '; "リッチ社製、平均分子量 3, 000, 000

• ァェ tiシ"ル R-972 ：疎水性力、日本ァェ Dシ"ル社製、火粒子平均粒径 μ πι

.ァェ。シ'ル #380：親水性シリカ、日本ァェ Dシ"ル社製、次粒子平均粒径 7 /i ra

[0069] 表 1及び表 2より、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、平均分子量 1, 000, 000以上のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、

上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％である逆流防止体を備えた塗布具であれば、逆流防止体のタレが経時的に発生することもなく保存性が良好であり、またインキ収容管内における油性インキの流出に対する追従性も良好であった。

[0070] 本実施例の塗布具は、十分な弾性を保有し、インキ収容管内での経時的なタレや、インキ消費に伴う、壁面付着残りを防ぎ、衝撃に対しても変形し難い逆流防止体を備えている。

従って、インキ収容管内で経時的に逆流防止体のタレによるインキ漏れが発生したり、インキ消費に伴ってインキ収容管の壁面に逆流防止体の付着残りが多く生じるという不具合も防止され、また耐衝撃性を有し、インキ収容管内で逆流防止体が変形し難!、ため、この点でもインキ漏れを防止することができる。

[0071] 次に、微粒子シリカをさらに加え、表 3に示す組成以外は前記実施例と同様に、逆流防止体を調整し修正用ボールペンを作製して、ペン先を上に向けた状態での保存性と、紙上に筆記したときの油性インキに対する逆流防止体の追従性、及び保存時の離ショウを評価した。タレは経時で逆流防止体が変形する現象であり、ペン先を上に向けた状態での保存性で評価されるのは、既述の実施例の評価と同様である。離ショウ性は、経時で逆流防止体力基材が滲み出すものを X、滲み出さないものを〇として評価した。表 3はその結果を示す。上記保存性及び保存時の離ショウは、 50 °C、 1ヶ月後の状態を評価している。なお、表 3は、微粒子シリカを含む逆流防止体であって、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸を含み、平均分子量が 2, 00 0, 000以上のポリアクリル酸を含み、これより平均分子量が低い平均分子量 2, 000 , 000以下、 1, 500, 000以下、 1,250,000以下、 1, 000, 000以下のポジァクジノレ酸を含む逆流防止体を持つ塗布具である。表 4は平均分子量が 2, 000, 000以上のポリアクリル酸を含む塗布具である。

[0072] [表 3]

(重量％)

注記）

• SC-E2000：シ"ク'リセリン Iチレンオキサイド付加物、阪本薬品工業社製、 Iチレンォキチイ卜' 40モル付加物

•カーホ"ホ'—ル 940 ：架橋型ホ' ¹广 /クリル酸、 BF "'; "リッチ社製、平均分子量 4, 000， 000

•カ-ホ'ホ' -)1934 ：架橋型ホ'リアクリル酸、 BFク ''; ' チ社製、平均分子量 3， 000, 000

• カ-ホ'ホ' 'レ 941 ：架橋型ホ'リアクリル酸、 BF ッド'!)ツチ社製、平均分子量 1, 250， 000

• シ'ユン Dン PW-110 ：架橋型ホ' リア.クリ酸、日本純薬社製、平均分子量 1, 000, 000

• シ"ユン Dン PW-111 ：架橋型ホ' リアクリル酸、日本純薬社製、平均分子量 100, 000

• シ"ユン Dン PW-150 ：架橋型ホリアクリル'酸、日本純薬社製、平均分子量 2， 000, 000

•ァクへ' HV-501E：架橘型ホ'リアクリル'酸、住友精化社製、平均分子量】， 500, 000

•ァェ pシ"ル K - 972 ：疎水性シリカ、日本ァェ口シ Ίレ社製、 1次粒子平均粒径 16μ m

4]

(重量％)

分子比較例

?2流 1巧止体

組成（商品名） 10 11

(万）

SC- E2000 ― 94 .0 93.0

カーホホ。ール 940 400 1. 0 2.0

カー 934 300

カーホ'ホ。ール 941 125

シュンロン PW-110 100

シ'、ュンロン PW— 111 10

シュンロン PW-150 200

ァクへ 'ック HV-501E 150

ァエロシ"ル R— 972 5. 0 5.0

逆流防止体の保存性（タ

〇〇

レの有無）

評油性インキに対する追従

〇〇

価性

逆流防止体の保存時の

X X

離ショゥ

注記）

• SC-E2000 ： ' ク "リセリンエチレンォキサイに付加物、阪本薬品工業社製、チレンオキサイド 40モル付加物

•カ-; Γホ' ル 940：架橋型ホ'リアクリル酸、 BFr';;にリッチ社製、平均分子量 4, 000, 000

•カーホ'!Τ ル 934：架橋型ホ'！)アクリル酸、 BF ッドリッチ社製、平均分子量 3, 000 000

•カ-ホ"ホ '-ル 941 ：架橋型ホ°リアクリル酸、 BF ツリッチ社製、平均分子量 1, 250, 000

• シン pン PW- 110 ：架橋型ホ 'リアクリル酸、日本純薬社製、平均分子量 1, 000, 000

• シ"ユン Pン PW-111 ：架橘型ホ' 'jアクリル酸、日本純薬社製、平均分子量 100, 000

• シ"ユン πン PW-150 ：架橋型ホ'リアクル酸、日本純薬社製、平均分子量 2, 000, 000

•ァクへ'ック HV-501E：架橋型ホ'！)アクリル酸、住友精化社製、平均分子量 1, 500, 000

•ァェル R- 972 ：疎水性シリカ、日本ァ Dシ"; 1土製、 1次粒子平均粒径 16μ m

[0074] 表 3、表 4より、微粒子シリカを含む逆流防止体の場合、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸を含み、平均分子量が 2， 000, 000以上のポリアクリル酸を含み、これより平均分子量が低い平均分子量 2, 000, 000以下、 1, 500, 000以下、 1,250,000以下、 1, 000, 000以下のポリアクリル酸を含む逆流防止体を持つ塗布具力ペン先を上に向けた状態での保存性と、紙上に筆記したときの油性インキに対する逆流防止体の追従性を保持しながら、基材の離ショウを防止していることが認められる。

[0075] 次に、 11 ナイロン榭脂で成形した口径（内径) 4mmの透明のインキ収容管を、表 5に示す各コーティング水溶液内にディッビングした。コーティング水溶液は表 5の処理液組成で構成されており、例えば実施例 22の塗布具では、 PVAをコーティング液全量に対して 5wt%、前記フッ素系界面活性剤を固形分で 0. 15wt%含むように調製されている。次にそれぞれの同水溶液力も前記各インキ収容管を取り出し、常温 1 日間風乾して、前記各インキ収容管の内壁面に PVAとフッ素系界面活性剤を含むコ一ティング層を形成した。他の実施例、比較例も同様にして、各インキ収容管の内壁面に上記コ一ティング層を形成した。

[表 5]

!晡^〔〕¾^ ^へΜx ^i¾k0077 π、lmm, 8DYQnίri i〜1

表湖

PVA-105：クラレ¾»0商 _P¾S Γクラレポバール八105」（ケン^¾98〜991110 1 %、重合度500)

CM-318: クラレネfll 商 _B¾¾ Γクラレポバール CM— 318」（カチオン ¾14ポリビエルァノレコール、 4級アンモニゥム S4PVA、ゲン it¾86〜9 lmo 1 %)

KL-118：クラレ ί±®[、商口 ¾¾ Γクラレポノーノレ KL-118J (ァニオン ¾ttポリビュルアルコール、ケン ft¾95〜99mo 1 %)

t- 7ロン S-121N：セイミケミカル確、商ロ¾¾ 1"トフロン S— 121 N」（カチオン性フッ素系艇 30 %)、表中《¾値は固形重 *%

油性インキ全量に対して、酸ィ匕チタン 50重量％、ロジン榭脂 4重量％、脂肪族炭化水素系溶剤 40重量％、及びゲル化剤（2ェチルへキサン酸アルミニウム） 1. 5重量 %を含む油性インキを前記インキ収容管内に充填し、さらにその次に、前記油性インキの上から、ジクリセリンエチレンオキサイド付加物（阪本薬品社製、商品名「SC— E2 000」）を基材として逆流防止体全量に対して 98. 5重量％含み、分子量 1, 000, 0 00以上のポリアクリル酸 (BFグッドリッチ社製、商品名「カーボポール 940」）が逆流防止体全量に対して 0. 1— 3重量％含む逆流防止体を充填した。

[0078] この油性インキ及び逆流防止体が収容された上記インキ収容管を用いて、紙面に塗布すると、インキ中に逆流防止体が侵入しにくぐ修正液などの油性インキが使用とともにインキ収容管に付着することが無く、セルフタリ一ユング性を持続的に発揮し、更に、透明のインキ収容管であるため残量確認が明瞭にできる。また、イオン性フッ素系界面活性剤と当該界面活性剤とイオン性が逆となる変性ポリビュルアルコールを含むコーティング水溶液で処理されたインキ収容管を用いた塗布具であれば、 50 °Cの高温環境下においても、セルフクリーニング性を持続的に発揮している。なお、表 5中、セルフクリーニング性の評価において「初期」とは、ボールペン組み付け時においてインキを紙面に最初に塗布した時期を示し、「3日保存」とはボールペン組み付け時点から 3日後に紙面に塗布したときのセルフクリーニング性の状態を示している。

産業上の利用可能性

[0079] 本発明の塗布具は、修正ペンなどの修正具その他の塗布具に用いることができる。

Claims

請求の範囲

[1] インキ収容管内に、油性インキと、当該油性インキに接し、当該油性インキの流動に追従して可動する逆流防止体が収容された塗布具であって、

上記ポリアクリル酸力前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている塗布具。

[2] 前記ポリアクリル酸は、平均分子量が 1, 000, 000以上のポリアクリル酸を含む請求の範囲 1記載の塗布具。

[3] さらに微粒子シリカを含み、かつ前記ポリアクリル酸として、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が 2, 000, 000以下のポリアクリル酸が含まれる請求の範囲 2記載の塗布具。

[4] さらに微粒子シリカを含み、かつ前記ポリアクリル酸として、異なる平均分子量を持つ複数のポリアクリル酸で構成され、平均分子量が 2, 000, 000以上のポリアクリル酸と、平均分子量が 1, 500, 000以下のポリアクリル酸が含まれる請求の範囲 2記載の塗布具。

[5] 前記基材成分が、前記逆流防止体の全量に対して 87— 99. 9重量％含まれている請求の範囲 1記載の塗布具。

[6] 前記逆流防止体が、前記逆流防止体の全量に対して微粒子シリカを 1一 10重量

%含む請求の範囲 1記載の塗布具。

[7] 前記油'性インキの粘度が、

剪断速度が 0. l (lZs)のとき 700mPa' s以上であり、

剪断速度が lOO(lZs)のとき 500mPa' s以下である

請求の範囲 1記載の塗布具。

[8] 前記油性インキが、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤を含む請求の範囲 1記載の塗布具。

[9] 前記インキ収容管が、前記油性インキ及び前記逆流防止体に接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれている請求の範囲 1記載の塗布具。

[10] 前記界面が、前記インキ収容管の内壁面上に形成されたコーティング層で構成されており、当該コーティング層に前記ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれて、る請求の範囲 9記載の塗布具

[11] 前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤が含まれている塗布具である請求の範囲 9記載の塗布具。

[12] 前記ポリビュルアルコール力ノ-オン性、カチオン性及びァ-オン性の群から選ばれた 1つまたは 2つ以上のイオン性のポリビュルアルコールを含む請求の範囲 9記載の塗布具。

[13] 前記フッ素系界面活性剤力ノ-オン性、カチオン性及びァ-オン性の群力選ばれた 1つまたは 2つ以上のイオン性のフッ素系界面活性剤を含む請求の範囲 9記載の塗布具。

[14] 前記フッ素系界面活性剤がイオン性フッ素系界面活性剤を含み、前記ポリビニルアルコールが前記界面活性剤とイオン性が逆となる変性ポリビニルアルコールを含む、請求の範囲 9記載の塗布具。

[15] 前記ポリビュルアルコールがカチオン性の変性ポリビュルアルコールで、前記フッ素系界面活性剤がァ-オン性フッ素系界面活性剤である力、又は、前記ポリビュルアルコールがァ-オン性の変性ポリビュルアルコールで、前記フッ素系界面活性剤力 Sカチオン性フッ素系界面活性剤である、請求の範囲 14記載の塗布具。

[16] 前記インキ収容管が、ナイロン榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂及びポリプチレンテレフタレート樹脂の群力選ばれる榭脂で構成されている請求の範囲 9記載の塗布具。

[17] 前記油性インキが、着色剤、榭脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有する、請求の範囲 9記載の塗布具。

[18] 着色剤が酸ィ匕チタンを含む請求の範囲 17記載の塗布具。

[19] 油性インキが、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤を含む請求の範囲 9記載の塗布具。

[20] 上記ゲル化剤は上記有機溶剤に対する溶解度（20°C)が 0. 1— 20重量％の溶解性ゲル化剤であり、インキの粘度は、剪断速度が 0. l (lZs)のとき 700mPa ' s以上であり、剪断速度が lOO(lZs)のとき 500mPa ' s以下である請求の範囲 17記載の塗布具。

[21] 油性インキが、ゲル化剤として金属石鹼を含み、有機溶剤として脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかを含む請求の範囲 17記載の塗布具。

[22] インキ収容管内に、油性インキと当該インキに接する逆流防止体が収容された塗布具であって、

前記フッ素系界面活性剤としてイオン性フッ素系界面活性剤、前記ポリビュルアルコールとして前記界面活性剤とイオン性が逆となる変性ポリビュルアルコールを含み前記油性インキが、着色剤、榭脂、有機溶剤及びゲル化剤を含有し、前記有機溶剤として、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤の少なくともいずれかの有機溶剤が含まれており、

前記ゲル化剤として金属石鹼が含まれており、

[23] インキ収容管内に油性インキが少なくとも収容された塗布具であって、

上記インキ収容管が、前記油性インキに少なくとも接する界面を有し、前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれて、る塗布具。

[24] 前記インキ収容管の一端側にペン先を有し、他端側に当該インキ収容管に収容された少なくとも油性インキを加圧する加圧装置を有してなる請求の範囲 1記載の塗布具。

[25] 上記金属石鹼が、 2ェチルへキサン酸アルミニウムである請求項 21記載の塗布具

[26] 上記金属石鹼が、 2ェチルへキサン酸アルミニウムである請求項 22記載の塗布具

[27] ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、平均分子量 1, 000, 000以上のポリアクリル酸を含むゲル組成物からなり、

上記ポリアクリル酸力前記逆流防止体の全量に対して 0. 1— 3重量％含まれている油性インキ用逆流防止体。

[28] ジグリセリンエチレンオキサイド付加物及びジグリセリンプロピレンオキサイド付加物の群から選択された少なくとも 1種以上の基材成分と、微粒子シリカと、平均分子量 2 , 000, 000以上のポリアクリル酸と、平均分子量 1, 500, 000以下のポリアクリル酸を含むゲル組成物力なり、上記ポリアクリル酸が、前記逆流防止体の全量に対して

0. 1— 3重量％含まれて、る油性インキ用逆流防止体。

[29] 油性インキに少なくとも接する界面を有し、

前記界面に、ポリビュルアルコール及びフッ素系界面活性剤の中で、少なくともポリビュルアルコールが含まれて、るインキ収容管。