JP2008201970A - 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、
空気のみ込み性、インキ垂れ下がり性、書き味が優れ、さらに筆跡が良好な水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。

【解決手段】少なくとも水、着色剤、剪断減粘性付与剤、ポリビニルピロリドン、リン酸エステル界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用し、20℃において剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、15mPa・s〜100mPa・s、1.92sec−1におけるインキ粘度が、300mPa・s〜2000mPa・sであることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。

【選択図】 なし

Description

本発明は水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としてはインキ組成物中に、特定の剪断減粘性付与剤とポリビニルピロリドンを併用した水性ボールペン用インキ組成物に関するものである。
従来より、剪断減粘性付与剤を用いた水性ボールペン用インキ組成物が多く提案されている。
このような剪断減粘性付与剤を用いた水性ボールペン用インキ組成物として、本願出願人は、特開平6-57194号「ペン体に直接供給する水性ボールペン用インク」、特開平10−25444号「水性ボールペンに使用する直詰めインキ」に、剪断減粘性付与剤を併用した水性ボールペン用インキ組成物を開示している。
「特開平6-57194号公報」 「特開平10−25444号公報」
特許文献1、2では、インキ粘度を低粘度にし、インキ吐出量を増やさせることで、良好な筆跡を得ている。
ところで、水性ボールペン用インキのような低粘度インキでは、使用中にボールペンを落としたり、ノック式ボ−ルペンにおけるノック作動等によってボールペンチップに衝撃が加えられることで、チップ先端から空気がインキ内に進入する、空気のみ込み現象が発生するという問題がある。この空気のみ込み現象が発生すると、筆跡にカスレが発生したり、インキ逆流によるインキ漏れが発生する原因となる。また、インキ粘度を低粘度にすることで、インキの垂れ下がりも発生してしまう問題も抱えていた。
そのため、インキ粘度を低粘度にする場合には、ノック作動時の衝撃を緩和する等、使用するボールペンの構造面で、空気のみ込みやインキ垂れ下がりを防止しているのが現実であった。
本発明の目的は、空気のみ込み性、インキ垂れ下がり性、書き味が優れ、さらに筆跡が良好な水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.少なくとも水、着色剤、剪断減粘性付与剤、ポリビニルピロリドン、リン酸エステル界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用し、20℃において剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、15mPa・s〜100mPa・s、1.92sec−1におけるインキ粘度が、300mPa・s〜2000mPa・sであることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記キサンタンガムの含有量と前記架橋型アクリル酸重合体の含有量の比率が、1.0:0.5〜1.0:3.0でであることを特徴とした第1項に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記キサンタンガムと前記架橋型アクリル酸重合体の総含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とした第1項または第2項に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記キサンタンガム及び前記架橋型アクリル酸重合体の総含有量と前記ポリビニルピロリドンの含有量の比率が、1.0:1.0〜1.0:10.0であることを特徴とした第1項ないし第3項の何れか1項に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
5.前記インキ組成物中にサクシノグリカンを含有することを特徴とする第1項ないし第4項の何れか1項に記載したことを特徴とする水性ボールペン。
6.前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であり、かつインキ組成物全質量に対し、0.1質量%以上、5.0質量%以下であることを特徴とした第1項ないし第5項の何れか1項に記載の水性ボールペン
7.前記リン酸エステル界面活性剤が、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系、合成アルコール系のリン酸エステル界面活性剤から選ばれる1種以上であることを特徴とするであることを特徴とする第1項ないし第6項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
8.インキ収容筒の先端部に、外径が0.5mm以下であるボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなるボールペンにおいて、第1項ないし第7項の何れか1項に記載した水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペン。」である。
本発明は、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用することで、空気のみ込み性、インキ垂れ下がり性、書き味、さらに筆跡が良好な水性ボールペンを提供することができた。
本発明の第一の特徴は、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用することである。
剪断減粘性付与剤としては、インキ垂れ下がり性、筆跡、書き味を考慮し、キサンタンガムと架橋型アクリル酸重合体を併用する。これは、インキ垂れ下がりを抑制し、書き味を向上するには、静止時のインキ粘度を高くし、筆記時のインキ粘度を低くすることが好ましい。キサンタンガムを単独で用いることによって、静止時のインキ粘度を高くし、筆記時のインキ粘度を低くすることは可能であるが、チップ先端が乾燥することで著しく増粘し易く、書き出し性能が劣り、筆跡にカスレが発生してしまう。さらに、キサンタンガム単独では、インキ垂れ下がりを抑制するには、単純にインキ粘度を上げることで抑制するため、インキ粘度が比較的高めに設定されてしまい、筆跡にカスレが発生してしまうおそれがある。
一方、架橋型アクリル酸重合体は、水分保湿効果があるため、チップ先端が乾燥しても増粘しにくく、書き出し性能に優れる。さらに、架橋型アクリル酸重合体は、インキ中において、ポリマー粒子が分散した状態で存在しているため、インキ垂れ下がりの原因となるボールとチップ本体間の隙間をポリマー粒子が目詰まりさせる効果があるため、インキ垂れ下がり性能に優れている。しかし、静止時のインキ粘度を高くするには、キサンタンガムと比較すると、含有量を多くする必要があるため、筆跡に泣き・ボテ、中抜けが発生してしまう。その結果、インキの垂れ下がり、筆跡、書き味を考慮し、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガムと架橋型アクリル酸重合体を併用させることが重要となる。
具体的には、本発明に用いるキサンタンガムとしては、エコーガム、モナートガムGS(大日本製薬(株))、ケルザンS、ケルザンAR、ケルザンT、ケルザンRD、ケルザンST、ケルザンM、ケルザンHP、ケルザンASX(三晶(株))等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。また、架橋型アクリル酸重合体としては、ハイビスワコー103、ハイビスワコー104、ハイビスワコー105、ハイビスワコー304、ハイビスワコー204(和光純薬工業(株))、ジュンロンPW110、ジュンロンPW111、レオジック250H(日本純薬(株))等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
インキ粘度については、20℃において剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、15mPa・s未満だと、筆跡に滲みが発生し易く、100mPa・sを越えると、筆跡にカスレや線とびが発生し易いため、15mPa・s〜100mPa・sとすることが好ましい。また、20℃において剪断速度1.92sec−1におけるインキ粘度が、300mPa・s未満だとインキ垂れ下がりを防止し難く、2000mPa・sを超えると、書き出し性能が低下するため、400mPa・s〜1200mPa・sとすることが好ましい。さらに、より好ましくは、剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、25mPa・s〜70mPa・s、1.92sec−1におけるインキ粘度が400mPa・s〜1200mPa・sの範囲が好適である。
また、キサンタンガムの含有量に対する架橋型アクリル酸重合体の含有量の比率が、1.0:0.5未満だと、キサンタンガムの比率が多く、書き出し性能が劣り易く、1.0:3.0を越えると、架橋型アクリル酸重合体の含有量の比率が多く、所望のインキ粘度が得られず、インキ垂れ下がりを抑制できなくなる可能性や、筆跡に中抜けやボテが発生する傾向があるため、1.0:0.5〜1.0:3.0とすることが好ましく、1.0:1.0〜1.0:2.5が最も好ましい。
剪断減粘性付与剤の総含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、所望のインキ粘度が得られにくい。また、1.0質量%を越えると、所望のインキ粘度が得られず、書き味が劣る傾向があり、筆跡にカスレが発生してしまう可能性があるため、0.1質量%以上、1.0質量%以下とする。特に0.1質量%以上、0.6質量%が最も好ましい。
また、前述の通り、水性ボールペン用インキのような低粘度インキでは、ボールペンチップに衝撃が加えられることで、チップ先端から空気がインキ内に進入する空気のみ込み現象が発生する。そこで、ボールペンに衝撃が加わっても、インキの揺動を抑え、チップ先端から空気の進入を抑制するために、インキ組成物中に、粘着性を有し、さらには粘弾性、造膜性を有しているポリビニルピロリドンを含有する。
これは、インキ中において、キサンタンガムは分子鎖が3次元網目構造により増粘し、架橋型アクリル酸重合体はカルボキシル基(−COO)がイオン反発することによって膨潤し、厚みのある3次元網目構造をとることにより、増粘している。そこで、ポリピロリピロリドンのように粘着性のある樹脂が、厚みのある3次元網目構造を形成するキサンタンガムや架橋型アクリル酸重合体に吸着することによって、ポリビニルピロリドンの造膜時の膜厚をより厚くできるため、チップ先端部で強固な膜を形成し、インキの揺動を抑制することで空気のみ込みを抑制し、さらに、インキ垂れ下がりの抑制を向上することができるためである。
本発明は、剪断減粘性付与剤として、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用するのみでなく、ポリビニルピロリドンを含有することで、低粘度である水性インキにおいて、空気のみ込み、インキの垂れ下がりを抑制し、書き出し性能、書き味を向上することができる。特に、ボール径が0.5mm以下の小径ボールペンにおいては、より低いインキ粘度が望まれため、空気がのみ込み易く、小径ボールペンのためインキ消費量が少なく、書き出し性能が劣る傾向のために、本発明の効果は顕著である。
本発明に用いるポリビニルピロリドンとしては、具体的には、アイエスピー・ジャパン(株)製の商品名;PVP K−15、PVP K−30、PVP K−90、PVP K−120等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
ポリビニルピロリドンの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、所望の空気のみ込み性能やインキ垂れ下がり性能がやや劣り、また、インキ経時安定性を考慮すると、5.0質量%以下が好ましい。そのため、0.1質量%以上、5.0質量%以下が好ましい。
更にまた、キサンタンガム及び架橋型アクリル酸重合体の総含有量に対するポリビニルピロリドンの含有量の比率が、1.0:1.0未満であると、ポリビニルピロリドンの造膜時の膜厚が足りず、空気のみ込み性、インキの垂れ下がりの抑制力が劣る傾向があり、1.0:10.0を越えると、ポリビニルピロリドンの造膜時の膜厚が厚過ぎて書き出し性能が劣ってしまう可能性があるため、1.0:1.0〜1.0:10.0とすることが好ましい。さらに、インキ経時安定性を考慮すれば、1.0:1.0〜1.0:5.0の方がより好ましく、1.0:1.0〜1.0:3.5が最も好ましい。
また、インキ粘度調整剤として、水溶性樹脂や他の剪断減粘性付与剤等を含有することができる。特に、サクシノグリカンを用いることが好ましい。これは、サクシノグリカンは、キサンタンガムや架橋型アクリル酸重合体を含有するよりも、静止時のインキ粘度を高くし、筆記時のインキ粘度を低くすることが可能で、比較的少量で、粘度調整しやすくでき、固形分を少なくできるため、より良好な書き出し性能が得られるためである。サクシノグリカンとしては、メイポリ(三晶(株))が例示できる。サクシノグリカンの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01質量%未満だと、粘度調整の効果が少なく、0.50質量を超えると、所望のインキ粘度や、インキ経時安定性が得られずらいため、0.50質量%以下が好ましい。そのため、0.01質量%〜0.50質量%以下が好ましい。さらに好ましくは、0.01〜0.30質量%が好適である。
本発明において用いられるリン酸エステル界面活性剤には、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上するために用いている。特に、HLBが13以下のリン酸エステル界面活性剤は、HLB値が低いため親油性が強く、ボールの潤滑性が向上するため、書き味が向上する。そのため、HLBが13以下のリン酸エステル界面活性剤を用いるのがより好ましい。特にボール径が0.5mm以下の小径ボールを用いたボールペンは、ボールとボール座の接触面積が小さく、単位面積に掛かる荷重が高いため、より潤滑性が優れた潤滑剤が求められるため、より効果的である。
また、リン酸エステル界面活性剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、或いはその誘導体等があるが、これらのリン酸エステル界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。その中でも経時安定性を考慮して、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、リン酸ジエステルとして、(化1)のような一般式で表されるリン酸エステルを用いることが最も好ましい。
Figure 2008201970
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
また、(化1)のような一般式で表されるHLB13以下であるリン酸エステル界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C(HLB値9、トリデシルアルコール系)、同A210G(HLB値9、オクチルフェノール系)、同A207H(HLB値7、ジノニルフェノール系)、同A208B(HLB値6、ラウリルアルコール系)、同A208S(HLB値7、合成アルコール系)、同A208F(HLB値9、短鎖アルコール系)、同A212E(HLB値10、ノニルフェノール系)、同A215C(HLB値11、トリデシルアルコール系)等が挙げられる。これ等のリン酸エステル界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
さらに、(化1)のようなリン酸エステル界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系、合成アルコール系、オクチルフェノール系等が上げられるが、この中でも、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系等のフェニル基を有するリン酸エステル界面活性剤は、フェニル基が立体構造を形成しているため、他の系と比べて、立体障害を起こす効果があり、潤滑性については、やや劣り、書き味の向上が小さくなる可能性があるので、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系、合成アルコール系を用いることが好ましい。
また、リン酸エステル界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1質量%より少ないと、インキ中で所望の潤滑性が得られないおそれがあり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるおそれがあるため、インキ組成物全量に対し、0.5〜5.0質量%とする。さらに好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.5〜3.0質量%が好適である。
着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料については、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、その他として、水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等、pH調整剤として有機アミン、保湿剤として尿素、ソルビット、防錆剤としてベンゾトリアゾール、防菌剤として1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等が含有することが好まれる。また、シリコン系、アセチレングリコール系、フッ素系等の界面活性剤も濡れ性、耐水性の向上等として含有することが可能で、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することも配合可能である。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
水 54.7質量部
水溶性有機溶剤(エチレングリコール) 20.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 5.0質量部
保湿剤(尿素) 5.0質量部
保湿剤(ソルビットL) 0.5質量部
リン酸エステル界面活性剤(プライサーフA−215C) 1.0質量部
ポリビニルピロリドン(PVP K−30) 0.8質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.5質量部
染料(ダイレクトブラック−154) 7.5質量部
剪断減粘性付与剤(キサンタンガム) 0.16質量部
剪断減粘性付与剤(架橋型アクリル酸重合体) 0.20質量部
粘度調整剤(サクシノグリカン) 0.05質量部
水、水溶性有機溶剤、pH調整剤、湿潤剤、リン酸エステル界面活性剤、ポリビニルピロリドン、防錆剤、防菌剤、染料をマグネットホットスターラーで加温撹拌してベースインキを作成した。
上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで混合攪拌した後、濾紙を用い濾過を行って、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
尚、実施例のインキ粘度は、ブルックフィールド社製 DV−II+Pro型粘度計(CPE−42コーンプレート)を用いて、20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)、剪断速度384.0sec−1(回転数100rpm)の2条件にて測定した。尚、前記ブルックフィールド社製 DV−II+Pro型粘度計にて、測定粘度範囲外になってしまったものに関しては、東京計器製EHD型粘度計(標準ローター)で、20℃の環境下、384.0sec−1(回転数100rpm)の条件で測定した。表1に測定評価結果を示す。
Figure 2008201970
Figure 2008201970
実施例2〜12
表1に示すように各成分を表1に示す配合に変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜12の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
比較例1〜9
表2に示すように各成分を表2に示す配合に変更した以外は、実施例1と同様な手順で比較例2〜9の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
Figure 2008201970
試験及び評価
試験及び評価
実施例1〜12及び比較例1〜9で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒(ポリプロピレン)に、ボール径が0.38mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ステンレス綱材)を装着したボールペン用レフィルに充填し、さらに、水性ボールペン用インキ組成物の後端にグリース状のインキ追従体を充填し、筆記試験用紙としてコピー用紙(PPC用紙)を用いて以下の試験及び評価を行った。
空気のみ込み試験:ボールペンレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のキャップ式ゲルインキボールペン(商品名:G−1)装着し、キャップを外した状態で、ボールペンの先端を上に向けて、スチールデスク(天板メラニン化粧張)上に3cmの高さから連続5回自重落下させて、筆記試験用紙に連続螺旋筆記した筆跡を観察した。
筆跡のカスレが3cm未満のもの ・・・◎
筆跡のカスレが3cm以上、5cm未満のもの ・・・○
筆跡のカスレが5cm以上のもの ・・・×
インキ垂れ下がり試験:30℃、80%RHの環境下にペン先下向きで2時間放置し、チップ先端からのインキ漏れを確認した。
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
筆記試験:筆記試験用紙に筆記した筆跡を観察した。
筆跡に滲み・カスレがなく、良好のもの ・・・◎
筆跡に滲み・カスレが出るが、実用上問題ないもの ・・・○
筆跡に滲み・カスレがひどく出て、実用性に乏しいもの ・・・×
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なものを ・・・◎
やや劣るものを ・・・○
重く劣るものを ・・・×
実施例1〜12では、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体、ポリビニルピロリドンを併用したため、空気のみ込み試験、インキ垂れ下がり試験、筆記試験、書き味ともに良好な結果であった。
比較例1、2では、ポリビニルピロリドンを併用しなかったため、空気のみ込みをしてしまい筆跡にひどいカスレが発生してしまった。さらにインキ垂れ下がり性能が悪かった。
比較例3、5では、架橋型アクリル酸重合体を併用しなかったため、インキ垂れ下がり性能が悪かった。
比較例4では、キサンタンガムを併用しなかったため、所望のインキ粘度にするため、架橋型アクリル酸重合体の量が多いため、筆跡に中抜けやボテが発生、書き味も悪かった。
比較例6、7では、剪断減粘性付与剤が少なかったため、所望のインキ粘度が得られず、空気のみ込み性能、インキ垂れ下がり性能が悪かった。さらに、比較例7では、筆記試験において、にじみが発生してしまった。
比較例8、9では、剪断減粘性付与剤が多かったため、粘度が高くなり過ぎ、書き味が悪く、筆記試験において、ひどいカスレが発生してしまった。
本実施例では、ボールペンチップ先端縁の内壁に、ボールを押圧するコイルスプリングを配設していないが、コイルスプリングを配設することによって、インキ垂れ下がりの抑制効果が向上するため、より好ましい。
本発明は水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては該インキ組成物中にポリビニルピロリドン、キサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用することで、空気のみ込み性、インキ垂れ下がり性、書き味が優れ、さらに筆跡が良好な水性ボールペン用インキ組成物を提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、ボールペンとして広く利用することができる、特にボール径が0.5mm以下の小径ボールにおいて、低粘度インキを用いるボールペンにおいては、本発明の効果は顕著である。

Claims (8)

  1. 少なくとも水、着色剤、剪断減粘性付与剤、ポリビニルピロリドン、リン酸エステル界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記剪断減粘性付与剤としてキサンタンガム、架橋型アクリル酸重合体を併用し、20℃において剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、15mPa・s〜100mPa・s、1.92sec−1におけるインキ粘度が、300mPa・s〜2000mPa・sであることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記キサンタンガムの含有量と前記架橋型アクリル酸重合体の含有量の比率が、1.0:0.5〜1.0:3.0でであることを特徴とした請求項1に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記キサンタンガムと前記架橋型アクリル酸重合体の総含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1質量%以上、1.0質量%以下であることを特徴とした請求項1または2に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記キサンタンガム及び前記架橋型アクリル酸重合体の総含有量と前記ポリビニルピロリドンの含有量の比率が、1.0:1.0〜1.0:10.0であることを特徴とした請求項1ないし3の何れか1項に記載した水性ボールペン用インキ組成物。
  5. 前記インキ組成物中にサクシノグリカンを含有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載したことを特徴とする水性ボールペン。
  6. 前記リン酸エステル界面活性剤のHLBが13以下であり、かつインキ組成物全質量に対し、0.1質量〜5.0質量%であることを特徴とした請求項1ないし5の何れか1項に記載の水性ボールペン。
  7. 前記リン酸エステル界面活性剤が、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系、合成アルコール系のリン酸エステル界面活性剤から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  8. インキ収容筒の先端部に、外径が0.5mm以下であるボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備してなるボールペンにおいて、請求項1ないし7の何れか1項に記載した水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたことを特徴とする水性ボールペン。
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