明 細 書
外用医薬組成物
技術分野
[0001] 本発明は、抗真菌剤を有効成分とする外用医薬組成物に関する。さらに本発明は
、抗真菌剤の殺菌力を増強する方法に関する。
背景技術
[0002] 水虫やたむし等の皮膚白癬や皮膚カンジダ症などの皮膚真菌感染性疾患の治療 には、従来より抗菌剤、特に抗真菌剤が使用されている。例えば、特許文献 1には、 イミダゾール誘導体またはトリァゾール誘導体等の抗真菌剤の使用が提案され、また 特許文献 2には、ビフォナゾールゃクロトリマゾールなどの抗真菌剤の使用が提案さ れている。し力 ながら、抗真菌剤だけでは、その治療効果は充分でなぐその一方 で、治療効果を増強するために抗真菌剤の使用量を増やすと、皮膚刺激性など、皮 膚に対して悪影響を及ぼすことがある。また抗真菌剤の作用を補助するために、複 数の薬剤を併用することも各種提案されているが (例えば、特許文献 3等参照のこと) 、その結果、皮膚に対して悪影響が生じる場合もある。特に、真菌感染によって損傷 した皮膚患部に外用剤を適用する場合は、健康な皮膚に対して用いる場合よりも、よ り高い安全性が求められる(例えば、特許文献 4等参照)。
[0003] このため、従来から、皮膚真菌感染性疾患の治療に際して、より安全な外用剤を提 供するためにも、抗真菌剤の殺菌効果を高める方法が要望されている。
特許文献 1 :特開昭 57 - 120516号公報
特許文献 2 :特開昭 61 - 282316号公報
特許文献 3:特開 2002 - 284702号公報
特許文献 4:特開平 9一 309827号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、抗真菌剤の殺菌効果 を高めることによって皮膚真菌感染性疾患の治療に有効且つ安全に使用できる、外
用医薬組成物を提供することである。さらに本発明の目的は、抗真菌剤の殺菌効果 を増強する方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、抗真菌剤にビタミ ン A類またはビタミン E類のいずれか一方もしくは両方を組み合わせて用いることによ り、抗真菌剤の殺菌効果が増強することを見いだして本発明を完成した。
[0006] 本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を有するもの である:
項 1. 抗真菌剤、並びにビタミン A類及びビタミン E類よりなる群から選択される少な くとも 1種を含有する外用医薬組成物。
[0007] 当該項 1に記載する発明には、下記の態様の発明が含まれる:
項 1-1. 抗真菌剤、及びビタミン A類を含有する外用医薬組成物。
項 1-1-1.外用医薬組成物中の抗真菌剤の割合が、 0.01— 20重量%である項 1-1 に記載する外用医薬組成物。
項 1-1-2.外用医薬組成物中のビタミン A類の割合力 ビタミン Al、ビタミン A2、ビタ ミン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、ま たはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合(2種以上含む場合はその総和 )に換算して 0.01 20重量%である項 1-1または項トト 1に記載する外用医薬組成 物。
項 1-1-3.外用医薬組成物を 100gに調整した場合に、ビタミン A類を 1000 100万 ビタミン A単位の割合で含むものである、項 1-1乃至項 1-1-2のいずれかに記載する 外用医薬組成物。
項 1-1-4.ピルビン酸またはその塩、脂肪酸アミド、及びニトロイミダゾール誘導体を 含まない項 1-1乃至項 1-1-3のいずれかに記載の外用医薬組成物。
項 1-1-5·さらにビタミン E類を含有する項 1-1乃至項 1-1-4のいずれかに記載する外 用医薬組成物。
項 1-1-6.外用医薬組成物中のビタミン E類の割合力 0.1— 20重量%未満である項 1-1-5に記載する外用医薬組成物。
項 1-2. 抗真菌剤、及びビタミン E類を含有する外用医薬組成物。
項 1-2-1.外用医薬組成物中のビタミン E類の割合力 0.1— 20重量%未満である項
1-2に記載する外用医薬組成物。
項 1-2-2.ビタミン E類が油溶性のものである項 1-2または項 1-2-1記載の外用医薬組 成物。
項 1-2-3.ビタミン E類がビタミン Eトコフェリル誘導体以外のものである項 1-2乃至項 1-2-2のレ、ずれかに記載の外用医薬組成物。
項 1-2-4.スクヮラン、ピルビン酸またはその塩、及びニトロイミダゾール誘導体を含ま なレ、項 1-2乃至項 1_2_3のレ、ずれかに記載の外用医薬組成物。
項 1-2-5.さらにビタミン A類を含有する項 1-2乃至項 1-2-4のいずれかに記載する外 用医薬組成物。
項 1-2-6.外用医薬組成物中のビタミン A類の割合力 S、ビタミン Al、ビタミン A2、ビタ ミン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、ま たはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合(2種以上含む場合はその総和 )に換算して 0.01— 20重量%である項ト 2-5に記載する外用医薬組成物。
項 1-2-7.外用医薬組成物を 100gに調整した場合に、ビタミン A類を 1000— 100万 ビタミン A単位の割合で含むものである、項 1-2-5または項 1-2-6に記載する外用医 薬組成物。
[0008] 項 2.抗真菌剤が、モルホリン系化合物、ベンジルァミン系化合物、イミダゾール系 化合物、及びァリルアミン系化合物よりなる化合物群から選択される少なくとも 1つで ある項 1のいずれかに記載の外用医薬組成物。
項 3.抗真菌剤が、塩酸ァモロルフイン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及 び塩酸テルビナフインよりなる群から選択される少なくとも 1種である項 1に記載の外 用医薬組成物。
項 4. 白癬、皮膚カンジダ症、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、癜風、乾癬及び脂漏 性皮膚炎よりなる群から選択される皮膚真菌感染症の治療薬である項 1乃至 3のい ずれかに記載の外用医薬組成物。
[0009] 項 5.抗真菌剤に、ビタミン A類及びビタミン E類よりなる群から選択される少なくとも
1種を配合することを特徴とする、抗真菌剤の殺菌力増強方法。
当該項 5に記載する発明には、下記の態様の発明が含まれる:
項 5-1.抗真菌剤 100重量部に対してビタミン A類を、ビタミン Al、ビタミン A2、ビタミ ン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、また はこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその 総和として)、 0.05 200000重量部の割合で配合する項 5に記載する殺菌力増強 方法。
項 5-2.抗真菌剤 lgに対して、ビタミン A類を、 50— 10000万ビタミン A単位となるよ うな割合で配合する項 5または項 5-1に記載する殺菌力向上方法。
項 5-3.抗真菌剤 100重量部に対してビタミン E類を 0. 5— 200000重量部未満の割 合で配合する項 5又は項 5-1に記載する殺菌力増強方法。
項 5-4.抗真菌剤が、モルホリン系化合物、ベンジルァミン系化合物、イミダゾール系 化合物、及びァリルアミン系化合物よりなる化合物群から選択される少なくとも 1つで ある項 5乃至項 5-3のいずれかに記載する殺菌力増強方法。
項 5-5.抗真菌剤が、塩酸ァモロルフイン、塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、 及び塩酸テルビナフインよりなる群から選択される少なくとも 1種である項 5乃至 5-4の いずれかに記載の殺菌力増強方法。
項 5-6. 白癬、皮膚カンジダ症、膣カンジダ症、膣トリコモナス症、癜風、乾癬及び脂 漏性皮膚炎よりなる群から選択される皮膚真菌感染症の治癒効果を向上する方法で ある、項 5乃至 5-5のレ、ずれかに記載の殺菌力増強方法。
[0010] 以下に、本発明を詳細に説明する。
I.外用医薬組成物
本発明の外用医薬組成物は、抗真菌剤に加えて、ビタミン A類またはビタミン E類 のレ、ずれか一方、またはそれらの両方を含有することを特徴とするものである。
[0011] ここで抗真菌剤としては、真菌の生育を阻止あるいは該病原菌を致死させる性質を 有する物質のことであり、例えばクロトリマゾール、ェコナゾール、ミコナゾール、スル コナゾール、テルコナゾール、ォキシコナゾール、ビフォナゾール、イソコナゾール、ィ トラコナゾール、フェンチコナゾール、ジノコナゾール、チォコナゾール、クロコナゾ一
ノレ、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ナイスタチン、及びアンホテリシン B等のイミダゾ ール系化合物:ァモロルフイン等のモルホリン系化合物;テルビナフイン等のァリルァ ミン系化合物:ブテナフィン等のベンジルァミン系化合物:シクロピロタスオラミン等の ピリミジン系化合物:その他、ゥンデシレン酸、ゥンデシレン酸亜鉛、モクタール、シッ 力ニン、トリコマイシン、ピロール二トリン、ェキサラミド、トルシクラート、トルナフタート、 ハロプロジン、並びにこれらの薬学上許容される酸付加塩を挙げることができる。これ らは 1種または 2種以上を混合して用いることもできる。
[0012] 酸付加塩としては、上記化合物の塩酸塩、硝酸塩または酢酸塩等の無機酸塩、並 びに乳酸、酒石酸またはマレイン酸などの有機酸塩を挙げることができる。具体的な 酸付加塩としては、例えば塩酸クロコナゾール、塩酸ネチコナゾール、塩酸ァモロル フィン、塩酸テルビナフイン、及び塩酸ブテナフィン等の塩酸付加塩;硝酸イソコナゾ ール、硝酸ィコナゾール、硝酸ェコナゾール、硝酸ォキシコナゾール、硝酸スルコナ ゾール、及び硝酸ミコナゾール等の硝酸付加塩を例示することができる。
[0013] 好ましくは、イミダゾール系化合物、モルホリン系化合物、ァリルアミン系化合物及 びペンジノレアミン系化合物のいずれかに属する化合物である。より具体的には、例え ば塩酸ネチコナゾール(イミダゾール系化合物)、塩酸ァモロルフイン(モルホリン系 化合物)、塩酸テルビナフイン(ァリルアミン系化合物)、及び塩酸ブテナフィン (ベン ジノレアミン系化合物)を挙げること力 Sできる。
[0014] 本発明の医薬組成物におけるこれらの抗真菌剤の含有量は、真菌の生育を阻止 あるいは該病原菌を致死する効果がある限り特に制限されないが、通常 0.01— 20 重量%、好ましくは 0.1— 10重量%、より好ましくは 0.1— 5重量%の範囲である。
[0015] 本発明の外用医薬組成物は、大きく分けて、上記抗真菌剤に加えてビタミン A類を 含有する外用医薬組成物、及び上記抗真菌剤に加えてビタミン E類を含有する外用 医薬組成物の 2つに分類することができる。以下、これらの外用医薬組成物について 説明する。
[0016] (1-1)抗真菌剤及びビタミン A類を含有する外用医薬組成物
本発明においてビタミン A類とは、ビタミン Al、ビタミン A2、ビタミン A3、ビタミン A 酸、 3,4_ジデヒドロレチノール、及びこれらの薬学的に許容される塩、並びにこれらの
薬学的に許容される誘導体を意味する。なお、ビタミン A類は単品(例えば、純品)で あっても、また上記成分を含有する組成物 (例えば、混合物または粗精製物)の形態 であってもよい。ここで誘導体としては、ビタミン A類に属するものであって薬学的に 許容されるものであればよぐ具体的には、薬学上許容されるレチノールの C1一 C30 エステル、好ましくはレチノールの C2— C20エステルが含まれる。 日本薬局方に収載 されているビタミン A類としては、例えば肝油、強肝油、ビタミン A油、酢酸レチノール 及びパルミチン酸レチノール等を挙げることができる。
[0017] 本発明の外用医薬組成物におけるこれらのビタミン A類の含有量は、上記抗真菌 剤の殺菌効果を増強する効果を有する範囲であれば、特に制限されない。通常、最 終の外用医薬組成物を 100gに調整した場合、その中にビタミン A類が 1000— 100 万ビタミン A単位、好ましくは 1万一 50万ビタミン A単位、より好ましくは 5万一 50万ビ タミン A単位の割合で含まれていることが好ましい。この限りにおいて、特に制限され ないが、外用医薬組成物 100重量%中に配合するビタミン A類の割合は、ビタミン A 1、ビタミン A2、ビタミン A3、ビタミン A酸、 3, 4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的 に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種 以上含む場合はその総和として)、 0.01— 20重量%の範囲を挙げることができる。 好ましくは 0.02— 10重量%、より好ましくは 0.05— 2重量%の範囲である。
[0018] なお、本発明の外用医薬組成物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、 所望の他の薬効成分を含むこともできる。これらの薬効成分としては、例えば塩酸ク 口ルへキシン、塩化ベンザルコニゥム、フエノール及び液状フエノールなどの殺菌.消 毒剤;例えばジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及びマレイン酸クロルフエニラミ ンなどの抗ヒスタミン剤;例えばクロタミトンなどの鎮痒剤;例えばサルチル酸などの角 質軟化剤;例えばリドカイン、塩酸リドカイン及び塩酸ジブ力イン等の局所麻酔剤;例 えばグリチルレチン酸、及び β—ダリチルレチン酸等の抗炎症剤;例えば 1一メントール 等の局所刺激剤;酸化亜鉛などの収斂保護剤;グリセリン、ラノリン、プロピレングリコ ール、 1,3 -ブチレングリコール、及びヒアルロン酸ナトリウム等の保湿斉 1J ;その他、畐 IJ 腎皮質ホルモン、サルファ剤、抗アレルギー剤、抗生物質、抗ウィルス剤、組織修復 促進剤、免疫抑制剤、清涼化剤、ビタミン D3類、止血剤などを例示することができる
[0019] 本発明の外用医薬組成物は、後述するように、その他、製剤化並びにその安定化 の為に、薬学上許容される各種の担体並びに添加剤を配合することもできる。但し、 ピルビン酸またはその塩、脂肪酸アミド、及びニトロイミダゾール誘導体に属する化合 物を含まないことが望ましい。
[0020] 本発明の外用医薬組成物は、ビタミンとして上記ビタミン A類を配合するものであつ て、他のビタミン (例えば、ビタミン E類)を含有する必要はない。但し、配合を制限す るものではなぐ例えばビタミン E類を組み合わせて用いる場合には、ビタミン E類を 0 .1一 20重量%未満の範囲で配合することができる。好ましくは 0.1— 15重量%、さら に好ましくは 0.1 10重量%の範囲である。なお、ビタミン E類としては、後述するも のを挙げることができる。
[0021] (1-2)抗真菌剤及びビタミン E類を含有する外用医薬組成物
本発明においてビタミン E類とは、トコフエロール、その薬学的に許容される塩また はその薬学的に許容される誘導体を意味する。ここで誘導体としては、ビタミン E類に 属するものであって薬学的に許容されるものであればよぐ具体的には、薬学上許容 されるトコフエロールの C1一 C30エステル、好ましくはトコフエロールの C2— C20エス テルが含まれる。 日本薬局方に収載されているものとしては、例えばコハク酸 d- α -ト コフェローノレ、コハク酸U—a—トコフエロール、コハク酸 —α—トコフェロールカノレシゥ ム、コハク酸トコフエロール、コハク酸トコフェローノレ酢酸カノレシゥム、酢酸トコフェロー ノレ、及びトコフエロール等が挙げられる。 日本薬局方収載外のものとしては、例えば 酢酸 d- -トコフエロール、酢酸 d卜 -トコフエロール、 d- δ -トコフエロール、 d卜 -ト コフェローノレ、ニコチン酸 DL—ひ-トコフェローノレ、ニコチン酸トコフェローノレ、リノ一ノレ 酸 DL-ひ-トコフエロール、 d-ひ-トコフエロール、及び天然ビタミン E等を挙げることが できる。本発明が対象とするビタミン E類は、好適には油溶性のものである。ビタミン E トコフェリル誘導体(例えば、 D -ひ-トコフェリルポリエチレングリコール- 1000-スクシナ ート等)などのように、水への溶解性が改善されたビタミン Eの水溶性誘導体である必 要は必ずしもない。
[0022] 本発明の外用医薬組成物におけるこれらのビタミン E類の含有量は、上記抗真菌
剤の殺菌効果を増強する効果を有する範囲であれば、特に制限されない。通常、 0. 1一 20重量%未満の範囲から適宜選択することができる。好ましくは 0.1— 15重量% 、より好ましくは 0.1— 10重量0 /0の範囲である。
[0023] 本発明の外用医薬組成物は、ビタミンとして上記ビタミン E類を配合するものであつ て、他のビタミンを含有する必要はなレ、。但し、配合を制限するものではなぐ例えば ビタミン A類を組み合わせて用いることもできる。この場合、最終の外用医薬組成物を 100gとした場合、その中にビタミン A類が 1000 100万ビタミン A単位、好ましくは 1 万一 50万ビタミン A単位、より好ましくは 5万一 50万ビタミン A単位の割合で含まれる ように調整することができる。この限りにおいて、特に制限されないが、外用医薬組成 物 100重量%中に配合するビタミン A類の割合としては、ビタミン Al、ビタミン A2、ビ タミン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、 またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合は その総和として)、 0.01— 20重量%の範囲を挙げることができる。好ましくは 0.02— 10重量%、より好ましくは 0.05— 2重量%の範囲である。
[0024] なお、ビタミン A類としては前述のものを挙げることができる。ビタミン E類と A類の両 方を含む製剤として、トコフエロール'ビタミン A油(lg中トコフエロール 20mg、ビタミン A油 5mg[5,000ビタミン A単位]) (ュベラ Juvela軟膏:サンノーバーエーザィ社製)を挙 げること力 Sできる。
[0025] 抗真菌剤、ビタミン E類及びビタミン A類の 3成分を含む本発明の外用医薬組成物 において、各成分の含有量の特に好ましい組み合わせは、抗真菌剤 0.01— 20重量 %、ビタミン E類 0.1— 20重量%未満、及びビタミン A類 0.01— 20重量% (1000— 100万ビタミン A単位 ZlOOg医薬組成物);好ましくは抗真菌剤 0.1— 10重量%、ビタ ミン E類 0.1 15重量0 /0、及びビタミン A類 0.02— 10重量0 /0 (1万一 50万ビタミン A単 位/ 100g医薬組成物);より好ましくは抗真菌剤 0.1 5重量%、ビタミン E類 0.1 1 0重量%、及びビタミン A類 0.05 2重量% (5万一 50万ビタミン A単位 ZlOOg医薬組 成物)である。
[0026] なお、本発明の外用医薬組成物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、 他の所望な薬効成分を含むこともできる。これらの薬効成分としては、例えば塩酸ク
口ルへキシン、塩化ベンザルコニゥム、フエノール及び液状フエノールなどの殺菌.消 毒剤;例えばジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及びマレイン酸クロルフエニラミ ンなどの抗ヒスタミン剤;例えばクロタミトンなどの鎮痒剤;例えばサルチル酸などの角 質軟化剤;例えばリドカイン、塩酸リドカイン及び塩酸ジブ力イン等の局所麻酔剤;例 えばグリチルレチン酸、及び β—ダリチルレチン酸等の抗炎症剤;例えば 1一メントール 等の局所刺激剤;酸化亜鉛などの収斂保護剤;グリセリン、ラノリン、プロピレングリコ ール、 1,3 -ブチレングリコール、及びヒアルロン酸ナトリウム等の保湿斉 1J ;その他、畐 IJ 腎皮質ホルモン、サルファ剤、抗アレルギー剤、抗生物質、抗ウィルス剤、組織修復 促進剤、免疫抑制剤、清涼化剤、ビタミン D3類、止血剤などを例示することができる
[0027] 本発明の外用医薬組成物は、後述するように、その他、製剤化並びにその安定化 の為に、薬学上許容される各種の担体並びに添加剤を配合することもできる。但し、 スクヮラン、ピルビン酸またはその塩、及びニトロイミダゾール誘導体に属する化合物 を含まないことが望ましい。
[0028] 前述する(1-1)及び (1-2)の外用医薬組成物はいずれも、特にその剤形が制限され るものではなぐ例えば、基材中に上記各成分 (抗真菌剤、ビタミン Α類及び/又は ビタミン E類)を溶解または混合分散させて、粉末状、クリーム状、ペースト状、ジエリ 一状、ゲル状、乳液状、液状などの形態に調製したもの (例えば、散剤、軟膏剤、坐 剤 (膣錠を含む)、リニメント剤、クリーム剤、ローション剤、噴霧剤等)、基材ゃ粘着剤 中に上記各成分を溶解または混合分散させたものを支持体上に展延したもの(例え ばハツプ剤、プラスター剤、テープ剤等)などを挙げることができる。
[0029] なお、上記基剤としては、前述する条件のもと、本発明で用いる各成分が、基剤中 に均一に融解 ·配合 ·分散されうるものであって薬学的に許容されるものであればよく 、散剤、軟膏剤、坐剤(膣錠を含む)、リニメント剤、クリーム剤、ローション剤、噴霧剤 などの基剤として従来公知のものを用いることができる。例えば、アルギン酸ナトリウム 、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシェチルセノレ ロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリ ビュルアルコール、ポリアクリノレ酸ナトリウム、メトキシエチレン—無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドンなどのポリマー;ミツロウ、ォリーブ油 、カカオ油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、アボカド油、椿油、落花生油、牛脂、豚脂、 ラノリン等、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの油脂類;白色ワセリン;流動パラフ イン、シリコーン油、揮発性シリコーン油、ペトロラタム等の鉱油;ノヽイド口カーボンゲル 軟膏 (例えば、プラスチベース(商品名;大正製薬 (株)製));ラウリン酸、ミリスチン酸 、ステアリン酸、ォレイン酸などの高級脂肪酸;乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル 、ミリスチン酸オタチルドデシル等のエステル類;セチルアルコール、オタチルドデカノ ール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコーノレ;ポリエチレン グリコール;モノステアリン酸グリセリン、モノォレイン酸グリセリン、プロピレングリコー ルモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル等の非ィ オン性界面活性剤;セチル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、 N-アシノレグノレタミ ン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤;エタノール、イソプロパノールなどの低 級アルコール;トリエタノールァミン;水などを挙げることができる。
[0030] 上記支持体は、その剤形 (例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ剤など)に応じ て適宜選択される。例えば、酢酸セルロース、ェチルセルロース、ポリエチレン、ポリ プロピレン、ポリ塩化ビエル、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合体、エチレン一酢酸ビニ ル共重合体、エチレン一酢酸ビニル一一酸化炭素共重合体、エチレン一ブチルアタリ レート -ー酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリェチ レンテレフタレート等の樹脂フィルム、アルミニウムシート、織布、不織布など、並びに これらの積層シートを挙げることができる。
[0031] 上記粘着剤は、薬学的に許容されるものであればよぐ従来公知のものを用いるこ とができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系 粘着剤等が挙げられる。
[0032] さらに必要に応じて、ァスコルビン酸、トコフエロール、クェン酸、ジブチルヒドロキシ トルエン等の抗酸化剤;デヒドロ酢酸、サリチル酸、パラォキシ安息香酸メチル、パラ ォキシ安息香酸プロピル、及びチモールなどの防腐剤;ポリエチレングリコール、キサ ンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカルボキシプロピルセル口 ース等の増粘剤;クェン酸、乳酸、塩酸、及びホウ酸などの酸、またはリン酸二水素
ナトリウム、クェン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びトリエタノール ァミン等のアルカリなどの緩衝剤(pH調整剤);カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、酸 化チタン等の無機充填剤などを配合することもできる。
[0033] 本発明の外用医薬組成物は、その形態に応じて汎用の外用製剤について慣用的 に用いられる製造方法に従って調製することができる。本発明の外用医薬組成物は 、皮膚患部に塗布若しくは噴霧または挿入して使用することができる。
[0034] その使用量は、患部の症状の程度や大きさ、疾患の種類等によって異なるが、通 常、 1日あたり 0.01— 10gを、 1回若しくは複数回にわけて使用される。
[0035] 本発明の外用医薬組成物が対象とする外用疾患は、真菌によって生じる感染症( 皮膚真菌症、皮下真菌症、及び粘膜真菌症)、及びそれによつて生じる二次的疾患 であり、具体的には白癬菌によって生じる白癬(白癬菌症);カンジダ菌によって生じ る皮膚カンジダ症ゃ膣カンジダ症:トリコモナス原虫の感染によって生じる膣トリコモ ナス症;癜風菌によって生じる癜風;その他、乾癬及び脂漏性皮膚炎などを例示する こと力 Sできる。 白癬(白癬菌症)には、白癬菌によって生じる皮膚疾患である汗疱性白 癬、小水疱性斑状白癬、頭部浅在性白癬 (しらくも)、頑癬、足部白癬 ·手部白癬 (み ずむし)、体部白癬 (たむし'ぜにたむし)、陰股部白癬 (いんきんたむし)、及び毳毛 部白癬などが含まれる。
[0036] 本発明の外用医薬組成物 ((1-1)、 (1-2))は、抗真菌剤にビタミン A類または/及び ビタミン E類を組み合わせて用いることにより、抗真菌剤を単独で使用するよりも殺菌 効果に優れている。このため、 目的に応じて、抗菌力はそのままに使用量を低減する ことも可能であり、効能及び副作用の点から好ましい皮膚外用剤である。
[0037] II.抗真菌剤の殺菌力を増強する方法
本発明の方法は、抗真菌剤にビタミン A類及びビタミン E類よりなる群から選択され る少なくとも 1種を組み合わせて使用することによって実施することができる。
[0038] ここで、対象とする抗真菌剤としては、前記 (I)に記載するものを挙げることができる 。好ましくは、モルホリン系化合物、ベンジルァミン系化合物、イミダゾール系化合物 、及びァリルアミン系化合物に属するものである。具体的には、塩酸ァモロルフイン、 塩酸ブテナフィン、塩酸ネチコナゾール、及び塩酸テルビナフインを挙げることができ
る。
[0039] 当該抗真菌剤に組み合わせて用いられるビタミン A類としては、前記 (I)に記載す るものを挙げることができる。好ましくは、肝油、強肝油、ビタミン A油、酢酸レチノー ル及びパルミチン酸レチノールであり、より好ましくは肝油、ビタミン A油、及びパルミ チン酸レチノールを挙げることができる。
[0040] 抗真菌剤と組み合わせて用いられるビタミン A類の配合割合としては、抗真菌剤の 殺菌力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する 殺菌力を増強 ·向上する割合であれば特に制限されず、用いる抗真菌剤の種類に応 じて適宜選択調整することができる。例えば、抗真菌剤 lgに対して、 50— 10000万 ビタミン A単位となるような範囲でビタミン A類を用いることができる。好ましくは 1000 一 500万ビタミン A単位、より好ましくは 1万一 500万ビタミン A単位となるような範囲 での使用である。なお、この限りにおいて特に制限されないが、抗真菌剤 100重量部 に対するビタミン A類の割合は、ビタミン Al、ビタミン A2、ビタミン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学的に許容される塩、またはこれらの薬学的に 許容される誘導体の配合割合として(2種以上含む場合はその総和として)、 0.05— 200000重量部の範囲を挙げることができる。好ましくは 0.2— 10000重量部、より好 ましくは 1一 2000重量部の範囲である。
[0041] また抗真菌剤に組み合わせて用いられるビタミン E類としては、前記(I)に記載する ものを挙げること力 Sできる。好ましくはコハク酸 d- α -トコフエロール、コハク酸 dl- α -ト コフェローノレ、コハク酸 d卜 α—トコフェローノレカノレシゥム、コハク酸トコフェローノレ酢酸 カルシウム、酢酸トコフエロール、及びトコフエロールであり、より好ましくは酢酸トコフ エロール、酢酸 d -ひ-トコフエロール、及びトコフエロールを例示することができる。
[0042] 抗真菌剤と組み合わせて用いられるビタミン E類の配合割合としては、抗真菌剤の 殺菌力、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する 殺菌力を増強 ·向上する割合であれば特に制限されず、用いる抗真菌剤の種類に応 じて適宜選択調整することができる。例えば、抗真菌剤 100重量部に対して、ビタミン E類を 0.5— 200000重量部未満、好ましくは 1一 20000重量部、より好ましくは 2 10000重量部の割合で配合することができる。
[0043] 前述するようにビタミン A類またはビタミン E類はそれぞれ単独で抗真菌剤と組み合 わせて用いられることによって、抗真菌剤が単独で奏する殺菌力、特に白癬菌、カン ジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強 ·向上するこ とができる力 ビタミン A類とビタミン E類とを組み合わせることもできる。この場合の、 ビタミン A類とビタミン E類との組み合わせとしては、例えばビタミン A油と酢酸トコフエ ロールとの組み合わせ、ビタミン A油と酢酸 d-ひ -トコフヱロールとの組み合わせ、ノ ルミチン酸レチノールと酢酸トコフヱロールとの組み合わせを挙げることができる。また この場合のビタミン A類の配合割合としては、抗真菌剤 lgに対して、ビタミン A類が 5 0— 10000万ビタミン A単位、好ましくは 1000— 500万ビタミン A単位、より好ましく は 1一 500万ビタミン A単位となるような割合を挙げることができる。この限りにおいて 特に制限されないが、抗真菌剤 100重量部に対するビタミン A類の割合は、ビタミン Al、ビタミン A2、ビタミン A3、ビタミン A酸、 3,4-ジデヒドロレチノール、これらの薬学 的に許容される塩、またはこれらの薬学的に許容される誘導体の配合割合として(2 種以上含む場合はその総和として)、 0.05— 200000重量部の範囲である。好ましく は 0.2— 10000重量部、より好ましくは 1一 2000重量部の範囲である。
また、抗真菌剤 100重量部に対するビタミン E類の割合としては、 0.5— 200000重 量部未満、好ましくは 1一 20000重量部、より好ましくは 2— 10000重量部の範囲を 挙げること力 Sできる。
[0044] 本発明の方法によれば、抗真菌剤にビタミン A類または/及びビタミン E類を組み 合わせて用いることにより、抗真菌剤単独の殺菌効果、特に白癬菌、カンジダ菌、トリ コモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌力を増強することができる。よって 本発明は、抗真菌剤の殺菌効果、または抗真菌剤を含む組成物の殺菌効果を増強 するために有効に利用することができる。抗真菌剤の殺菌力を増強することによって 、抗真菌剤やそれを含む組成物(外用医薬組成物)の水虫やたむし等の白癬症や力 ンジダ症などの皮膚真菌感染症の治癒効果を向上することができる。また、抗真菌剤 の殺菌力を増強することによって、有効な殺菌効果を維持しながら外用医薬組成物 に配合する抗真菌剤を減量することが可能であり、その結果、経済的であり、しかも 可能性として生じ得る副作用を防止することができる。
発明の効果
[0045] 第 1の発明である外用医薬組成物は、抗真菌剤にビタミン A類またはビタミン E類の いずれか少なくとも一方が含まれているので、真菌、特に白癬菌、カンジダ菌、トリコ モナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌効果が、抗真菌剤を単独で使用す る場合よりも高ぐまたビタミン A類またはビタミン E類のいずれか少なくとも一方とを併 用することにより、殺菌効果はそのままに抗真菌剤を減量することが可能で、その結 果、可能性として生じ得る副作用を防止することができる。ゆえに本発明の外用医薬 組成物は、より安全で、効き目の優れた白癬治療剤(例えば、水虫'たむし用治療薬 )、癜風治療剤、カンジダ症治療剤またはトリコモナス治療剤、並びに真菌感染によ つて二次的に生じる皮膚疾患の治療剤など、外用剤として有効に使用することができ る。
[0046] また第 2の発明によれば、抗真菌剤にビタミン Aまたはビタミン Eのいずれか少なくと も一方を併用することにより、抗真菌剤の真菌に対する殺菌効力、特に白癬菌、カン ジダ菌、トリコモナス原虫または癜風菌等の真菌に対する殺菌効力を増強することが できる。
発明を実施するための最良の形態
[0047] 以下、実施例等を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ れるものではない。
[0048] 実施例 1一 3及び比較例 1
表 1に示す各成分を混合して、全成分が基材に溶解するまで攪拌して、ローション 剤を調製した。
[0049] [表 1]
(重量%)
1 ) 塩酸テルビナフイン、 2 ) 100万ビタミン A単位/ g
3 ) ミリスチン酸イソプロピル、 4 ) エタノール
[0050] 試験例 1 モルモットの実験的白癬に対する治療効果 (殺菌力評価)
上記で得られたローション剤(実施例 1一 3、比較例 1)を供試剤として、逆培養試験 法に基づいて、本発明の外用医薬組成物の白癬に対する治療効果を調べた。
[0051] まず、ハートレー系雄性モルモット(8週齢 6匹:体重 400— 600g)に実験的に白癬を 発症させ、治療効果を検討した。まず、モルモットの背部 (脊柱より左右 2cm離した体 側部、各 2cm X 2cm、 5力所/匹)の毛を毛抜きで抜毛したのち、当該部位を 2cm 角の布粘着テープで 2回ストリツビングし、皮膚角質層上部を除去した。翌日(菌接種 当日)、再度抜毛部位を 2cm角の布粘着テープで 1回ストリツビングし、皮膚角質層 上部を除去し、菌接種直前に酒精綿で当該皮膚表面を消毒した。この部分に、 2 X 107分生子 Zmlに調製した接種菌(Tricophyton mentagrophytes TIMM 1189)の胞 子懸濁液 0.1mlを塗布した。
[0052] 各モルモットにっき、菌接種した皮膚表面 5部位のうち 4部位に実施例 1一 3及び比 較例 1のローション 0.3mr塗布し、残り 1部位は無処置対照箇所 (菌液接種のみ)とし た。ローションの塗布は、菌接種 5日後から 1日 1回、 10日間連続して行った。
[0053] <逆培養試験 >
(1)菌接種後 15日目にエーテル麻酔下で安楽死させる。
(2)各被験部位の皮膚を切り取る。
(3) 0.1%ゼットコンク液 20mLを加えた 50mLの遠心管に摘出した皮膚を入れ、ボルテ ックスミキサーを用いて約 30秒間攪拌し消毒する。
(4)生理食塩水 20mLを加えた 50mLの遠心管に消毒後の皮膚を入れて、約 30秒間攪 拌して消毒剤を洗浄する。
(5)皮膚を適当な大きさの 6個の小片に分割する。
(6)各小片の皮膚表皮側を下にした状態で抗生剤添加サブロー寒天平板培地上に 載せ、恒温培養装置で 27°C、 14日間培養する。培養結果の判定は培養開始後 15日 目に行う。
(7)皮膚小片の周囲に、 T. mentagrophytesのコロニー力 S、 1個でも発育したものを菌 陽性と判断する。小片別菌陰性率(%)は、被験物質群毎に下式により求める。
[0054] 小片別菌陰性率 (%) =〔菌陰性小片数/総小片数〕 X 100
[0055] [表 2]
[0056] なお、上記塩酸テルビナフインに代えて、塩酸ァモロルフイン、塩酸ブテナフィン、 または塩酸ネチコナゾール、をそれぞれ用いた場合も同様の結果が得られた。
[0057] 処方例 1
下記の処方に従って、常法によりスプレー剤を調製した。
塩酸ァモロルフイン 0. 2 (g)
ビタミン A油(100万ビタミン A単位/ g) 1. 0
リドカイン 0. 5
イソプロピルメチルフエノール 0. 06
卜メントール 0. 2
cQ-カンフノレ 0. 1
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチノレエーテノレ 1. 0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4. 0
タルク 3. 0
アルコール 29. 94
液化石油ガス 60. 0 合 計 100. 0g。
[0058] 処方例 2
下記の処方に従って、常法によりクリーム剤を調製した。 塩酸ブテナフィン 1. 0 (g) 酢酸トコフヱロール 2. 0 リドカイン 2. 0 ジフェンヒドラミン 1. 0 イソプロピルメチルフエノール 0. 1 卜メントール 0. 2 d卜カンフノレ 0. 1 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル 1. 0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4. 0 タルク 3. 0 ァノレコーノレ 25. 6 液化石油ガス 60. 0 合 計 100. 0g。
[0059] 処方例 3
下記の処方に従って、常法により液剤を調製した。
塩酸ネチコナゾール 1. 0 (g) パルミチン酸レチノール(100万ビタミン A単位/ g) 0. 5 酢酸 d-ひ-トコフヱロール 1. 0 塩化べンゼトニゥム 0. 1 卜メントーノレ 1. 0 cQ-カンフノレ 0. 1 アルコール 96. 3
100. 0g。
産業上の利用可能性
本発明によれば、殺菌力に優れ、また皮膚刺激性が緩和な外用医薬組成物を提 供すること力 Sできる。特に本発明の外用医薬組成物は、白癬菌による感染によって生 じる皮膚疾患、例えば水虫やたむし等の白癬、またカンジダ症に対して有効に使用 すること力 sできる。さらに本発明によれば、抗真菌剤の特に白癬菌に対する抗菌活性 を増強することができる。また、本発明によれば、抗真菌剤の抗菌活性の増強によつ て使用量を低減することができ、これによつて抗真菌剤が生じ得る不都合な副作用( 例えば、皮膚刺激性)を緩和低減することが可能となる。