明 細 書 カプセル投薬システム、 カプセル投薬システムを用いる投薬方法、
カプセル投薬システムの制御方法 技術分野
本発明は、 生体内の表在疾患等の患部に対して投薬を行うカプセル投薬システ ムに関する。
本発明は、 生体内の表在疾患等の目的部位に、 容易且つ直接的にアプローチす ることができるカプセル投薬システムを用いる投薬方法、 カプセル投薬システム の制御方法に関する。
本願は、 2004年 5月 27日に出願された日本国特許出願第 2004- 1 5 7590号、 2003年 9月 29日に出願された日本国特許出願第 2003— 3 38260号、 よび 2003年 1 0月 29日に出願された日本国特許出願第 2 003- 36891 8号について優先権を主張し、 その内容をここに援用する。 背景技術
患者に対して薬剤の過剰投与、 副作用を抑制して、 より安全且つ効果的に薬物 を投与する手段として、 薬剤送達システム (DDS ; Drug Delivery System) が注 目されている。
該薬剤送達システムは、 医薬品の生物活性、 副作用、 患部への標的指向 (夕一 ゲティング)、 薬剤の放出制御 (コントロールドリリース)、 薬剤の吸収改善、 薬 剤の化学的安定性及び代謝活性等を調整して、 生体内の表在疾患に対して、 必要 な量の薬剤を必要な時間だけ作用させ、薬剤をより効果的に使用するものである。 この薬剤送達システムは、 疾患種類に応じて、 利用される技術が異なるものであ り、 例えば、 患部である表在疾患が悪性腫瘍の場 'には、 夕ーゲティング、 コン トロ一ルドリリース等の技術が求められる。
また、 上述したような表在疾患を特定するには、 例えば、 X線 CT装置、 MR I装置(磁気共鳴撮像装置)、核医学装置(ガンマカメラ、 SPECTや PET)、
超音波診断装置、 内視鏡装置等の各種診断装置で得られる情報に基づいて医師等 が患部を特定しているのが一般的である。
更に、 患者に負担を与えずに上述した表在疾患や健康状態を検査するものとし て、 生体内に経口投入されるカプセル型医療装置が知られている。 この種のカブ セル型医療装置は、 様々なものが提供されており、 例えば、 生体内の各部を無作 為的に撮影するものや、 生体内からサンプル等を採取するものや、 薬剤を放出す るもの等が知られている。 その 1つとして、 体内の所望する位置 (大腸) で発泡 剤を放出して生体内の管腔部分を拡張した後、 撮像を行うカプセル内視鏡も知ら れている (例えば、 特開 2 0 0 3— 3 8 4 2 4号公報 (段落番号 0 0 0 6〜0 0 4 9段落、 第 1〜5図) 参照のこと)。
上記カプセル内視鏡は、 一方の端面側に透明且つ半球状の透明部材を有し、 他 方の端面側に半球状のメッシュ部材を有するカプセル状に形成されたカプセル枠 体を有している。
また、 カプセル枠体の内部であって透明部材の内側には、 生体内に照明光を照射 する L E D及び生体内を撮像する撮像光学系を有している。
また、カプセル枠体には、外表面に露出するように p Hセンサが設けられている。 この p Hセンサで検出された p H値は、 制御処理回路に送られ、 p H値の変化か ら大腸に達したと判断されたときに、 送信アンテナから体外に向けて送信される ようになつている。 また、 上記撮像光学系で撮像した画像データも、 所定処理さ れた後、 送信アンテナから体外に送信されるようになっている。 更に、 メッシュ 部材の内側には、 超音波の照射により破壊される複数のマイクロカプセルが内蔵 されており、 該マイクロカプセル内には水と反応してガスを発生する発泡剤が内 蔵されている。
このカプセル内視鏡により検査を行う場合には、 患者は、 まずカプセル内視鏡 を飲み込んで体内に投入する。 投入されたカプセル内視鏡は、 p Hセンサで体内 の p H値を検出しながら消化器官を移動する。 ここで、 大腸に達すると、 制御処 理回路は、 p Hセンサで検出された p H値の変化により大腸に達したと判断して、 送信アンテナかち体外にその旨を知らせる。 この送信された信号を、 体外にて医 療スタッフ等が受信すると、 医療スタッフ等は、 超音波発生器により体内に向け
て超音波を照射する。 超音波が照射されると、 マイクロカプセルが破壌されるの で、 内部の発泡剤がメッシュ部材から大腸内に放出される。
そして、発泡剤は、大腸内の水分と反応してガスを発生して、大腸内を拡張する。 これにより、 撮像光学系で拡張された大腸内を広範囲にわたって撮像することが 可能となる。
このように、 上述したカプセル内視鏡は、 体内の所望する位置 (大腸) でマイ クロカプセルから発泡剤を放出するという上述したターゲティング、 コントロー ルドリリースの機能を有しているものである。 特に、 このようなカプセル型医療 装置は、 簡便に患者の体内に投入できるため、 上記薬剤送達システムの 1つの手 段として新たに注目されている。
ところで、 上記文献に記載されているようなカプセル内視鏡は、 簡便に体内を 検査することができるが、 該カプセル内視鏡により取得した生体情報、 例えば、 生体サンプルや撮像画像等に基づいて、 生体内のどの位置に患部が存在している のか、 或いは、 該患部に対して投薬が必要か否か等の診断を正確に行うのが困難 であった。 そのため、 上述したような X線 C T装置等の実績のある診断装置を用 いて医師等が生体内を診断すると共に患部の特定を一般的に行っている。
しかしながら、 上記診断装置により生体内の患部の位置等を正確に診断したと しても、 該診断結果をカプセル内視鏡に反映させることが困難であり、 診断装置 及びカプセル内視鏡を組み合わせて使用することが難しかった。
また、 上記文献に記載されているカプセル内視鏡は、 生体内の所定位置である 大腸に達したときに生体外にその旨の信号を送り、 該信号を受けて生体外から送 られてきた超音波により発泡剤を大腸内に放出するので、 所定位置に達してから 発泡剤を放出するまでに時間を要するものであった。 このカプセル内視鏡におい ては、 発泡剤を放出する被対象物が長さを有する大腸であるため、 大腸に達して から発泡剤を放出する時間の影響をシビアに考慮しなくても良いが、 例えば、 生 体内の表在疾患付近という限られた範囲内で作動させたい場合には、 表在疾患を 発見してから反応するまでに時間がかかるので、 作動したときには所望する範囲 を通り過ぎてしまうという不都合があった。
さらに、 上記文献に記載されているカプセル内視鏡は、 生体内の所定位置であ
る大腸に達したときに生体外にその旨の信号を送り、 該信号を受けて生体外から 送られてきた超音波により発泡剤を大腸内に放出するので、 所定位置に達してか ら発泡剤を放出するまでに時間を要するものであった。 このカプセル内視鏡にお いては、 発泡剤を放出する被対象物が長さを有する大腸であるため、 大腸に達し てから発泡剤を放出する時間の影響をシビアに考慮しなくても良いが、 例えば、 生体内の表在疾患付近という限られた範囲内で作動させたい場合には、 表在疾患 を発見してから反応するまでに時間がかかるので、 作動したときには所望する範 囲を通り過ぎてしまうという不都合があった。 そのため、 発泡剤の代わりに薬剤 を採用したとしても、 生体内の表在疾患に対して直接投薬を行うには困難なもの であった。
本発明は、 このような事情を考慮してなされたもので、 実績のある診断装置等 による診断結果を活用し、 生体内の表在疾患等の所望する部位に対して直接的に 投薬をすることができるカプセル投薬システム、 カプセル投薬システムを用いる 投薬方法、 カプセル投薬システムの制御方法を提供することを目的とする。 発明の開示
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 薬剤保持部と、 該薬剤保持部で保 持した薬剤を放出する薬剤放出部と、 外部と信号の送受信を行う通信部とを有す るカプセル型医療装置と;該カプセル型医療装置と信号の送受信を行う外部通信 部を有する外部装置と;該外部装置に前記薬剤放出部を動作させる条件を入力す る条件入力部と;前記条件入力部で入力した条件と比較するための情報を取得す る情報取得部と;該情報取得部で得た情報と、 前記条件入力部で入力した条件と を比較する比較部と;を備え、 前記条件入力部に、 投薬が必要な部位を判断する ためのデータを提供する投薬位置特定装置が接続され、 前記薬剤放出部は、 前記 比較部の比較結果に基づいて制御されるカプセル投薬システムを提供する。 本発明においては、前記比較部が、前記外部装置に設けられることが望ましい。 本発明においては、 前記カプセル型医療装置が、 筐体内に、 生体情報を取得す る観察部と、 前記通信部により生体情報取得信号を受信したときに前記観察部を 作動させる制御部とを備え、 前記外部通信部が、 前記比較部の比較判断結果を受
けて前記カプセル型医療装置に向けて前記生体情報取得信号を送信する機能を有 し、前記通信部が、前記生体情報取得信号を受信する機能を有し、前記通信部が、 前記観察部により取得した前記生体情報を生体外に送信する機能を有し、 前記外 部通信部が、 前記生体情報を受信する機能を有し、 前記比較部が、 前記外部通信 部により受信された前記生体情報に基づいて投薬するか否かを判断すると共に、 投薬すると判断したときに前記カプセル型医療装置に向けて放出信号を送信する よう前記外部通信部を制御する機能を有することが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端 に体内を撮像する画像取得装置を有する挿入部を備えた内視鏡装置であり、 前記 画像取得装置により撮像した撮像画像に基づいて患部を特定すると共に、 前記揷 入部を生体内に挿入する間の該揷入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置 による画像情報とに基づいて前記患部の位置を特定し、 前記カプセル型医療装置 の前記情報取得部が、 生体内を撮像する撮像部を備え、 前記通信部が、 生体内に 経口投入されてからの経過時間とこれに対応した前記撮像部により撮像した画像 情報とに基づいて前記自己の位置情報として送信することが望ましい。
本発明においては、 前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を 撮像する画像取得装置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 前記画像取得 装置により撮像した撮像画像に基づいて患部を特定すると共に、 前記揷入部を生 体内に揷入する間の該揷入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画 像情報とに基づいて前記患部の位置を特定し、 前記カプセル型医療装置の前記情 報取得部が、 生体内を撮像する撮像部と、 生体内の移動距離を計測する計測部と を備え、 前記通信部が、 前記計測部により計測した移動距離とこれに対応した前 記撮像部により撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報として送信す ることが望ましい。
本発明においては、 前記比較部が、 前記カプセル型医療装置に設けられること が望ましい。
本発明においては、 前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を 撮像する画像取得装置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 前記画像取得 装置により撮像した撮像画像に基づいて患部を特定すると共に、 前記揷入部を生
体内に挿入する間の該揷入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画 像情報とに基づいて前記患部の位置を特定し、 前記カプセル型医療装置の前記情 報取得部が、 生体内を撮像する撮像部を有し、 生体内に経口投入されてからの経 過時間と、 これに対応した前記撮像部により撮像した画像情報とに基づいて前記 自己の位置情報を検出する検出部が設けられることが望ましい。
本発明においては、 前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を 撮像する画像取得装置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 前記画像取得 装置により撮像した撮像画像に基づいて患部を特定すると共に、 前記揷入部を生 体内に挿入する間の該挿入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画 像情報とに基づいて前記患部の位置を特定し、 前記カプセル型医療装置の前記情 報取得部が、 生体内を撮像する撮像部と、 生体内の移動距離を計測する計測部と を備え、 前記計測部により計測した移動距離と、 これに対応した前記撮像部によ り撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報を検出する検出部が設けら れることが望ましい。
本発明においては、 前記カプセル型医療装置の前記情報取得部が、 生体内を移 動する際に接触した生体の硬さを測定するセンサを備え、 前記比較部が、 自己の 位置情報及び患部の位置情報に加え、 更に前記センサが測定した生体の硬さに基 づいて前記患部の位置に達したか否かを比較判断することが望ましい。
本発明においては、 カプセル投薬システムが、 生体内に経口投入される前記力 プセル型医療装置と、 投薬が必要な患部と該患部の位置とを特定する特定装置と を備え、 該特定装置が、 特定された前記患部の位置にマーカを施すマーカ手段を 備え、 前記カプセル型医療装置の前記情報取得部が、 前記マーカを検出するマ一 力検出部を備え、 該マーカ検出部により前記マ一力を検出したときに前記薬剤放 出部を作動させる放出制御装置を備えることが望ましい。
本発明においては、 前記特定装置が、 生体内に挿入される揷入部を有する内視 鏡装置であり、 前記マーカ手段が、 前記揷入部の先端部を用いて前記患部に前記 マーカを施すことが望ましい。
本発明においては、 前記マーカ手段が、 生体外から生体内に向けて指向性を有 して該生体内を透過する超音波又は電磁波を前記患部に照射する照射装置であり、
前記マーカ検出部が、 前記超音波又は前記電磁波を検出することが望ましい。 本発明においては、 前記投薬位置特定装置の情報より管腔内の走行距離を求め る走行距離算出手段を有し、 前記情報取得部が、 移動距離検出手段であることが 望ましい。
本発明においては、 前記条件入力部が、 前記投薬位置特定装置からの情報を簡 略化、 あるいは近似化することが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置が、 体外から生体内情報を取得する 経体外生体内情報取得装置を備えることが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置に、 生体内部位と体外部位との相対 位置を検出するための体外マ一力が備えられることが望ましい。
本発明においては、 前記経体外生体内情報取得装置が、 体外から生体内の透視 像を取得する透視像取得装置であることが望ましい。
本発明においては、 前記透視像取得装置が、 X線観察装置であることが望まし い。
本発明においては、前記透視像取得装置が、 P E T装置であることが望ましい。 本発明においては、 前記経体外生体内情報取得装置が、 体外から生体内の断層 像を取得する断層像取得装置であることが望ましい。
本発明においては、 前記断層像取得装置が、 複数の断層像から生体内の三次元 画像を取得可能であることが望ましい。
本発明においては、 前記断層像取得装置が、 C T装置であることが望ましい。 本発明においては、前記断層像取得装置が、 M R I装置であることが望ましい。 本発明においては、 前記断層像取得装置が、 超音波断層観測装置であることが 望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置が、 体内へ挿入する体内揷入部を持 つことが望ましい。
本発明においては、 前記体内揷入部に、 体内に指標を置いてくる体内指標装置 が備えられることが望ましい。
本発明においては、 前記体内指標装置が、 体内 指標となる指標液体を吐出あ るいは局注してくる指標液体留置装置であることが望ましい。
本発明においては、 前記指標液体が、 色素あるいは蛍光色素であることが望ま しい。
本発明においては、 前記指標液体が、 放射性体あるいは磁性体であることが望 ましい。
本発明においては、 前記指標が、 生体体腔内組織に対し反射率の差がある指標 であることが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置が、 体内揷入部を持つ内視鏡装置で あることが望ましい。
本発明においては、 前記内視鏡装置に、 前記体内挿入部の体内への挿入長さを 検出する挿入量検出装置が設けられることが望ましい。
本発明においては、 前記内視鏡装置に、 体内に指標を置いてくる体内指標装置 が設けられ、 前記指標が金属製のクリップあるいはステン卜であることが望まし い。
本発明においては、 前記体内挿入部が、 生体内情報を取得する生体情報取得装 置を備えた生体情報取得用カプセル型医療装置であることが望ましい。
本発明においては、 前記生体情報取得用カプセル型医療装置に、 前記生体情報 取得装置により取得した生体内腔壁の表面情報の経時的変化に基づいて移動距離 を算出する移動距離算出装置が設けられることが望ましい。
本発明においては、 前記生体情報取得用カプセル型医療装置が、 カプセル状の 筐体に、 生体内での移動距離を計測する観察用計測手段と、 該観察用計測手段に より計測された移動距離と前記生体情報取得装置により取得された生体情報とを 関連付けて記録するメモリと、 該メモリに記録された生体情報に基づいて投薬が 必要な患部と該患部までの移動距離とを特定する特定手段とを有し、 前記薬剤保 持部と前記薬剤放出部とを備えた投薬用の前記力プセル型医療装置が、 力プセル 状の筐体に、 生体内での移動距離を計測する投薬用計測手段と、 該投薬用計測手 段により計測された移動距離が前記特定手段により特定された移動距離であるか 否かを判断する判断手段と、 該判断手段が前記特定された移動距離であると判断 したときに前記薬剤放出部を作動させる制御手段とを有することが望ましい。 本発明においては、 前記生体情報取得用カプセル型医療装置が、 カプセル状の
筐体に、 生体内での移動距離を計測する観察用計測手段と、 該観察用計測手段に より計測された移動距離と前記生体情報取得装置により取得された生体情報とを 関連付けて前記外部装置に向けて送信する送信装置とを有し、 前記外部装置が、 前記外部通信装置により前記生体情報を取得し、 受信された前記生体情報に基づ いて投薬が必要な患部と該患部までの移動距離とを特定する特定手段を有し、 前 記薬剤保持部と前記薬剤放出部とを備える投薬用の前記カプセル型医療装置が、 カプセル状の筐体に、 生体内での移動距離を計測する投薬用計測手段と、 該投薬 用計測手段により計測された移動距離が前記特定手段により特定された移動距離 であるか否かを判断する判断手段と、 該判断手段が前記特定された移動距離であ ると判断したときに前記薬剤放出部を作動させる制御手段とを有することが望ま しい。
本発明においては、 前記生体情報取得用カプセル型医療装置が、 カプセル状の 筐体に、 自己の位置情報を生体外に送信する位置送信装置を備え、 前記外部装置 が、 前記位置通信装置により送信された前記位置情報を検出する位置検出装置を 備え、 前記外部通信部により受信された前記生体情報と前記位置検出装置により 検出された前記位置情報とに基づいて投薬が必要な患部と該患部までの移動距離 とを特定する特定手段を有し、 前記薬剤保持部と前記薬剤放出部とを備える投薬 用の前記カプセル型医療装置が、 カプセル状の筐体に、 生体内での移動距離を計 測する投薬用計測手段と、 該投薬用計測手段により計測された移動距離が前記特 定手段により特定された移動距離であるか否かを判断する判断手段と、 該判断手 段が前記特定された移動距離であると判断したときに前記薬剤放出部を作動させ る制御手段とを有することが望ましい。
本発明においては、 前記生体情報取得用カプセル型医療装置に、 生体内での移 動距離を計測する観察用計測手段が設けられることが望ましい。
本発明においては、 前記生体内情報取得用カプセル型医療装置が、 生体内情報 取得装置として生体内を撮像する撮像手段と生体内を照明する照明手段とを備え ることが望ましい。
本発明においては、 前記生体内情報取得用カプセル型医療装置が、 生体内情報 取得装置として生体内の出血を検出する血液センサを備えることが望ましい。
本発明においては、 前記生体内情報取得用カプセル型医療装置に、 体内に指標 を置いてくる体内指標装置が備えられることが望ましい。
本発明においては、 前記体内指標装置が、 前記指標を体内に間欠的に置いてく ることが望ましい。
本発明においては、 前記体内指標装置が、 前記指標を一定時間間隔で吐出ある いは局注することが望ましい。
本発明においては、 前記体内指標装置が、 前記指標を一定距離間隔で吐出ある いは局注することが望ましい。
本発明においては、 前記体内指標装置が体腔内に残した指標を検出する指標検 出手段と、 前記指標検出手段の情報に基づいて前記薬剤放出部を制御する放出制 御装置とを有するカプセル型医療装置を有することが望ましい。
本発明においては、 前記生体内情報取得用カプセル型医療装置が、 前記生体情 報取得装置で取得した生体情報と前記体内指標装置の動作情報とを外部に伝達す る外部通信部を有し、 前記外部通信部で外部に伝達された情報を受信する外部装 置とで構成されることが望ましい。
本発明においては、 カプセル投薬システムが、 生体内に経口投入されるカプセ ル状の筐体内に、 薬剤を保持する薬剤保持部と;前記薬剤保持部に保持された前 記薬剤を放出する薬剤放出部と;前記薬剤放出部を動作させる放出制御装置と; 薬剤放出位置を示す指標を検出する指標検出手段と; を備え、 前記指標検出手段 が、 生体内に施された複数のマ一キングを検出するものであり、 前記放出制御装 置が、 前記特定のマ一キングを前記マーキングの数として予め記憶するメモリを 有し、 前記検出手段によって検出された前記マ一キングをカウントすることによ り、 前記メモリに記憶されている数と一致したときに前記放出手段を動作させる ことが望ましい。
本発明においては、 カプセル投薬システムが、 生体内に経口投入されるカプセ ル状の筐体と;前記生体情報取得装置で取得した生体情報と前記体内指標装置で 体腔内に残した前記指標とを前記筐体の外部に伝達する伝達手段と;前記生体情 報取得装置で取得した生体情報と、 前記マーキング手段で生体内に残した指標情 報とを関連付ける情報処理部と;を有することが望ましい。
本発明においては、 カプセル投薬システムが、 前記情報処理部で処理された情 報を記憶する記憶手段を有することが望ましい。
本発明は、 カプセル投薬システムを用いる投薬方法であって、 投薬位置特定装 置から条件入力部に投薬が必要な部位を判断するためのデータを提供し;前記条 件入力部を介して外部装置に薬剤放出部を動作させる条件を入力し;前記外部装 置に入力された薬剤放出部を動作させる条件と、 情報取得部によって取得された 情報とを、 比較部において比較し;前記比較部の比較結果を外部装置の外部通信 部およびカプセル型医療装置の通信部を介して前記カプセル型医療装置に送信 し;薬剤保持部で保持した薬剤を薬剤放出部から放出させる、 カプセル投薬シス テムを用いる投薬方法を提供する。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置に具備される経体外生体内情報取得 装置によって体外から生体内情報を取得することが望ましい。
本発明においては、 投薬位置特定装置に具備される体内揷入部を体内に挿入す ることが望ましい。
本発明においては、 前記体内揷入部に具備される体内指標装置によって体内に 指標を置いてくることが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置として、 体内揷入部を持つ内視鏡装 置を使用することが望ましい。
本発明においては、 前記内視鏡装置を使用して生体情報を取得するとともに、 前記内視鏡装置を使用して生体内に指標をつけることが望ましい。
本発明においては、 前記投薬位置特定装置として、 体内揷入部を持つ生体情報 取得装置を備えたカプセル型医療装置を使用することが望ましい。
本発明は、 カプセル投薬システムの制御方法であって、 生体内の情報を得るス テツプと;生体内での投薬位置を決定するステップと;前記投薬位置近傍に指標 をつけるステップと;前記指標を検出する手段と、薬剤保持部と、薬剤放出部と、 放出制御装置とを有する投薬用カプセルを体腔内に挿入するステップと;前記指 標を検出するステップと;前記薬剤放出部の制御を行うステップと;を有する、 カプセル投薬システムの制御方法を提供する。
本発明は、 カプセル投薬システムの制御方法であって、 生体内の情報を得るス
テツプと;指標を生体内に残すステップと;生体内の情報を得るステップで得た 生体情報と、 指標を生体内に残すステップを行ったことを関連付けて生体情報と して記録するステップと;前記生体情報から投薬位置を決定するステップと;前 記指標を検出する手段と、 薬剤保持部と、 薬剤放出部と、 放出制御装置とを有す る投薬用カプセルに投薬位置を指定するステップと;投薬用カプセルを体腔内に 挿入するステップと;前記指標を検出するステップと;前記投薬位置を検出する ステップと;前記薬剤放出部の制御を行うステップと; を有する、 カプセル投薬 システムの制御方法を提供する。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 経口投入されたカプセル型医療装 置が生体内を移動しながら通信部により外部装置との間で信号の送受信を行う。 一方、 情報取得部は、 生体から各種の情報の取得を行う。 ここで、 比較部は、 情 報取得部で取得された情報と、 条件入力部により外部装置に薬剤放出部を動作さ せるために入力された条件とを比較し、 例えば、 取得された情報と入力された条 件とがー致したときに、 投薬が必要な患部の位置にカプセル型医療装置が達した と判断を行う。 これを受けて外部装置は、 カプセル型医療装置に信号を送信し、 薬剤放出部を作動させて薬剤を放出させる。 これにより、 条件入力部で入力した 位置にて薬剤を放出でき、 所望する患部に対して直接的に投薬を行うことができ る。 さらに、 条件入力部に投薬位置特定装置が接続されているので、 外部装置に 投薬が必要な部位を判断するためのデータを入力することができる。 従って、 投 薬が必要な部位に対して高精度に投薬を行うことができる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 1実施形態を示す概念図であ る。
図 2は、 図 1に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示す断 面図である。
図 3は、 図 1に示すカプセル投薬システムで使用する体外装置に三次元マーカ を取り付けつけた状態で、 患者に装着した状態を示す斜視図である。
図 4は、 図 3に示す体外装置の構成図である。
図 5は、 カプセル投薬システムの特定装置により患部の特定及び該患部の位置 を特定する場合のフローチャートである。
図 6は、 投薬用カプセルを経口投入して患部に対して投薬を行う場合のフロー チヤ一卜である。
図 7は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 2実施形態を示す概念図であ る。
図 8は、 図 7に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示す断 面図である。
図 9は、図 7に示すカプセル投薬システムで使用する体外装置の構成図である。 図 1 0は、 投薬用カプセルを経口投入して患部に対して投薬を行う場合のフロ —チヤ一卜である。
図 1 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 3実施形態を示す概念図で ある。
図 1 2は、 図 1 1に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 1 3は、 図 1 1に示すカプセル投薬システムの特定装置による患部の位置倩 報及び変換後のデータの一例を示す図である。
図 1 4は、 図 1 1に示すカプセル投薬システムにより患部 Xに対して投薬を行 う場合のフローチャートである。
図 1 5は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 4実施形態を示す概念図で ある。 ,
図 1 6は、 図 1 5に示すカプセル投薬システムで使用する、 本発明に係るカブ セル医療装置を示す断面図である。
図 1 7は、 図 1 5に示すカプセル投薬システムで使用する、 本発明に係る医療 装置の構成品であるパーソナルコンピュータの構成図である。
図 1 8は、 図 1 7に示すパーソナルコンピュータの観察情報受信機を示す構成 図である。
図 1 9は、 図 1 5に示すカプセル投薬システムで使用する、 本発明に係る投薬 用カプセルを示す外観図である。
図 2 0は、 図 1 9に示す投薬用カプセルの断面図である。
図 2 1 A、図 2 1 8は、図1 9に示す投薬用カプセルのセンサの構成図である。 図 2 2は、 カプセル型医療装置により体内にマーキングを施している状態を示 す図である。
図 2 3は、 1 0番目のマーキングと 1 1番目のマーキングとの間に患部が位置 している状態を示す図である。
図 2 4は、 投薬用カプセルが、 1 0番目のマ一キング (特定のマーキング) を 検出し、 薬剤を放出している状態を示す図である。
図 2 5は、 一定の移動距離間隔でマーキングを施す場合に取り付けるものであ つて、 図 1 6に示すカプセル型医療装置の筐体内に取り付ける観察用計測手段の 一構成図である。
図 2 6は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 5実施形態で使用する投薬 用カプセルを示す断面図である
図 2 7は、 図 2 6に示す投薬用カプセルの計測部の構成図である。
図 2 8は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 5実施形態の変形例を示す 概念図である。
図 2 9は、 図 2 8に示すカプセル投薬システムで使用する観察用カプセルを示 す断面図である。
図 3 0は、 図 2 8に示すカプセル投薬システムで使用する体外ユニットの構成 図である。
図 3 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 6実施形態を示す概念図で の 0
図 3 2は、 図 3 1に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 3 3は、 図 3 1に示すカプセル投薬システムにより患部 Xに対して投薬を行 ぅ塲合のフローチャートである。
図 3 4は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 6実施形態の変形例を示す 概念図である。
図 3 5は、 図 3 4に示すカプセル投薬システムで使用する観察用カプセルを示
す断面図である。
図 3 6は、 図 3 5に示す観察用カプセルの観察用計測手段の構成図である。 図 3 7は、 図 3 4に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 3 8は、 観察用カプセルを経口投入し、 患部の位置を示す移動距離を特定し た状態を示す図である。
図 3 9は、 カプセル投薬システムにより、 患部に対して投薬を行う場合のフロ —チャートである。
図 4 0は、 図 3 9のフローチャートの続きを示すフローチヤ一小である。 図 4 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 7実施形態で使用する投薬 用カプセルを示す断面図である。
図 4 2は、 図 4 1に示す投薬用カプセルが消化管内を移動している状態を示す 図である。
図 4 3は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 8実施形態で使用する投薬 用カプセルを示す断面図である。
図 4 4は、 図 4 3に示す揷入部 1 0 2の先端を示す図であって、 マ一力手段に より消化管内腔壁にクリップを施している状態を示す図である。
図 4 5は、 図 4 3に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 4 6は、 他のマーカ検出部 (蛍光センサ) を有する投薬用カプセルが消化管 内を移動している状態を示す図である。
図 4 7は、 マーカ手段の他の例を示した図であって、 体外から体内の患部に向 けて超音波又は赤外線レーザ等の電磁波を照射している状態を示した図である。 図 4 8は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 8実施形態の変形例を示す 概念図である。
図 4 9は、 図 4 8に示すカプセル投薬システムで使用する、 本発明に係る投薬 用カプセルを示す断面図である。
図 5 0 A、 図 5 0 Bは、 図 4 8に示すカプセル型医療装置で使用する処置具を 用いて、 体腔内に内視鏡用クリップを施す状態を示す図である。
図 5 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 8実施形態のもうひとつの 変形例を示す構成図である。
図 5 2は、 図 5 1に示すカプセル投薬システムで使用する観察用カプセルを示 す断面図である。
図 5 3は、 特定装置の他の一例である P E T装置を示す構成図である。
図 5 4は、 図 5 3に示す P E T装置の放射線検出回路を示す図である。
図 5 5は、 図 5 3に示す P E T装置を使用する際に経口投入する投薬用カプセ ルを示す断面図である。
図 5 6は、 特定装置の他の一例である三次元 C T装置を使用するときに、 患部 の三次元画像を得るためのサ一フェイスレンダリング法の手順を示す図である。 図 5 7は、 投薬用カプセルにマーキング剤あるいは薬液吐出用の注射針を設け た例を示す外観図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明のカプセル投薬システムの第 1実施形態を、 図 1から図 6を参照 して説明する。
本実施形態のカプセル投薬システム 1は、 図 1及び図 2に示すように、 投薬用 カプセル (カプセル型医療装置) 1 0と、 体外ユニット 3 0とを備えている。 投 薬用カプセル 1 0は、 生体内に経口投入された後に生体内での自己の位置情報を 体外に送信する情報送信部 1 2を有している。 体外ユニット 3 0は、 投薬が必要 な患部 X (図 3参照) と、 患部 Xの位置とを特定する特定装置 (投薬位置特定装 置) 3 1を有している。 本実施形態においては、 特定装置 3 1として X線コンビ ユータ断層撮影装置 (以下、 X線 C T装置) が採用されている。 なお、 特定装置 3 1としては、 本実施形態の X線 C T装置に限らず、 M R I 、 P E T、 X線観察 装置、 超音波観測装置等の様々な医療診断装置を適用することができる。
投薬用カプセル 1 0は、 図 2に示すように、 カプセル状の筐体 1 1の内部に、 情報送信部 1 2と、 薬剤 Aを保持するリザーパ (薬剤保持部) 1 3と、 リザーバ 1 3に保持された薬剤 Aを放出する放出部 (薬剤放出部) 1 4と、 体外ュニット 3 0から送信された放出信号を受信する受信部 1 5と、 受信部 1 5が放出信号を
受信したときに放出部 1 4を作動させる制御部 1 6と、 これら各構成品に電力を 供給する電池 1 7とを備えている。 情報通信部 1 2および受信部 1 5は、 通信部 を構成している。
筐体 1 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成されており、 一端側 の内部には、 壁部 1 1 aと筐体 1 1の内周面とで囲まれた上記リザーバ 1 3が設 けられている。 リザーバ 1 3には、 体液取込管路 2 1と、 薬剤放出管路 2 3とが 接続されている。 体液取込管路 2 1は、 筐体 1 1の外表面に開口する体液取込口 2 0を有し、 薬剤放出管路 2 3は、 筐体 1 1の外表面に開口する薬剤放出口 2 2 を有している。 体液取込口 2 0及び薬剤放出口 2 2は、 筐体 1 1の一端側の周囲 に、 複数形成されている。 体液取込管路 2 1には、 管路に対して接近離間するこ とで管路を開閉する開閉弁 2 4が設けられている。 薬剤放出管路 2 3にも、 同様 の開閉弁 2 5が設けられている。 体液取込口 2 0、 体液取込管路 2 1、 薬剤放出 口 2 2、 薬剤放出管路 2 3、 及び両開閉弁 2 4、 2 5は、 上記の放出部 1 4を構 成している。
リザーバ 1 3の内部には、 薬剤 Aに加え、 水分に触れると反応して膨張する性 質を有する発泡剤等の膨張性薬剤 Bが収納されている。 薬剤 Aは、 薬剤放出管路 2 3側に収納され、 膨張性薬剤 Bは、 薬剤 Aに隣接するように、 体液取込管路 2 1側に収納されている。 薬剤 Aは、 開閉弁 2 4, 2 5を開き、 筐体 1 1の外部か らリザーバ 1 3の内部に体液 Fを取り込んで膨張性薬剤 Bと反応させ、 膨張性薬 剤 Bを膨張させてリザーバ 1 3内部の圧力を高めることによって筐体 1 1の外部 に放出される。
なお、 リザ一パ 1 3の内部に薬剤 Aを収納する際には、 最初に膨張性薬剤 Bを 入れ、 その後、 薬剤 Aを薬剤放出口 2 2から導入して膨張性薬剤 Bを体液取込口 2 0から溢れさせることで、 リザーパ 1 3の内部に薬剤 Aを高密度に収納するこ とが可能である。
制御部 1 6は、 放出信号を受けて開閉弁 2 4、 2 5を作動させる。 なお、 両開 閉弁 2 4、 2 5は、 初期状態においては両管路 2 1、 2 3を閉塞する位置に配置 されている。
情報送信部 1 2は、 投薬用カプセル 1 0の位置情報を含む電波を体外に送信す
る。
特定装置 3 1は、 図 1に示すように、 寝台 3 2と、 検出器 3 3と、 パーソナル コンピュータ (以下、 P C ) 3 4とを備えている。 寝台 3 2は、 患者 Pを乗せた 状態で前後に移動可能である。 検出器 3 3は、 寝台 3 2に乗って移動する患者 P に対して X線を照射すると共に照射した X線を検出して患者 Pの断層像等の画像 情報を取得する。 なお、 検出器 3 3は、 患者 Pの断層像だけでなく、 立体的な三 次元像を取得することも可能である。
P C 3 4は、 検出器 3 3により取得された画像情報について画像処理等の所定 の処理を行うとともに、 寝台 3 2の移動及び検出器 3 3の作動等を総合的に制御 する機能を有している。 また、 P C 3 4は、 所定の処理を行った後の画像を表示 する表示モニタ 3 4 aを有している。 医師等は、 表示モニタ 3 4 aに表示された 画像に基づいて診断し、 患部 Xを特定することが可能である。
体外ユニット 3 0は、 図 1及び図 3に示すように、 患者 Pの体外に装着される 体外装置 (外部装置) 3 5を備えている。 体外装置 3 5は、 ベルト 3 5 a等に取 り付けられており、 このベルト 3 5 aを患者 Pに装着することによって患者 Pの 体外に装着される。 体外装置 3 5の外部には、 着脱可能な三次元マーカ 4 0が取 り付けられる (なお、 三次元マーカ 4 0は、 体外装置 3 5の内部に配置しても良 い)。 三次元マ一力 4 0は、 3つの軸部材、 即ち Z軸部材 4 1、 X軸部材 4 2、 及 び Y軸部材 4 3と、 4つの球状体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7とを有している。 4つ の球状体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7は、 X線非透過材料により形成されており、 そ れぞれ径の大きさが異なっている。
Z軸部材 4 1は、 患者 Pに沿う方向に設けられている。 Z軸部材 4 1の略中央 には球状体 4 4が設けられ、 Z軸部材 4 1の先端には球状体 4 4よりも径の小さ い球状体 4 5が設けられている。 球状体 4 4には、 Z軸部材 4 1に直交する方向 に向けて X軸部材 4 2が接続されている。 X軸部材 4 2の先端には、 球状体 4 5 よりも径の小さい球状体 4 6が設けられている。 更に、 球状体 4 4には、 Z軸部 材 4 1及び X軸部材 4 2のいずれにも直交する方向に向けて Y軸部材 4 3が接続 されている。 Y軸部材 4 3の先端には、 球状体 4 6よりも径の小さい球状体 4 7 が設けられている。
三次元マーカ 4 0は、 特定装置 3 1を使って患部 Xを特定する際に体外装置 3 5に取り付けられる。 医師等は、 特定装置 3 1を使って患部 Xを特定した後、 患 部 Xと三次元マ一力 4 0の各球状体 4 4、 4 5、 4. 6、 4 7との相関位置に基づ いて患部 Xの位置を特定することができる。
また、 三次元マーカ 4 0は、 体外装置 3 5に投薬用カプセル 1 0の放出部 1 4 を作動させるための条件を入力する条件入力部としての機能を有している。 患部 Xの位置の特定については、 後に詳細に説明する。
体外装置 3 5は、 図 4に示すように、 体外受信部 5 0と、 判断部 5 1と、 体外 送信部 5 2とが設けられている。 体外受信部 5 0は、 投薬用カプセル 1 0の情報 送信部 1 2から送信された位置情報を含む電波を受信する。 判断部 5 1は、 体外 受信部 5 0が受信した電波の受信方向及び電波レベル、 ならびに特定装置 3 1に よって特定された患部 Xの位置情報に基づいて投薬用カプセル 1 0が患部 Xの位 置に達したか否かを判断する。 体外送信部 5 2は、 投薬用カプセル 1 0が患部 X の位置に達したと判断されたときに投薬用カプセル 1 0に向けて放出信号を送信 する。
体外受信部 5 0及び体外送信部 5 2は、 投薬用カプセル 1 0と各種の信号の送 受信を行う外部通信部を構成している。 判断部 5 1は、 条件入力部から入力され た条件と比較するための情報を取得する情報取得部として機能すると共に、 取得 した情報と条件入力部で入力された条件とを比較する比較部として機能する。 更に、 体外装置 3 5は、 特定装置 3 1によって特定された患部 Xの位置情報を 記録するメモリ 5 3を備えている。 メモリ 5 3には、 P C 3 4によって患部 Xの 位置情報を入力することができる。 これにより、 判断部 5 1は、 メモリ 5 3に記 録されている患部 Xの位置情報に基づいて上述した判断をすることができる。 上記のように構成されたカプセル投薬システム 1を使って、 患者 Pの体内の患 部 Xに薬剤 Aを投与する作業を、 図 5及び図 6を参照して説明する。
まず、 患者 Pは、 医療機関等にて図 1及び図 3に示すように、 医師等の指示に 従って体外装置 3 5を装着する (S 1 )。次に、体外装置 3 5に三次元マーカ 4 0 を取り付け (S 2 )、 寝台 3 2上に横になる。 医師等は、 P C 3 4を使って寝台 3 2を検出器 3 3内に入れるように移動させると共に、 検出器 3 3を作動させて患
者 Pの X線撮影を行う。この際、少なくとも異なる 2方向から X線撮影を行う(S 3 )。好ましくは、 C Tスキャニングを行い、 3次元画像を得られるように撮影す る。 また、 この 3次元画像から、 前記 2方向からの X線透過像と同等の画像を抽 出するようにしても良い。 撮影後、 医師等は、 検出器 3 3によって撮影した画像 情報を P C 3 4に取り込み(S 4 )、 画像処理等の所定の処理を行った後に、 その 画像を表示モニタ 3 4 aに表示させる。
この際、 表示モニタ 3 4 aに表示された画像には、 三次元マーカ 4 0の各球状 体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7が同時に表示されており、 その径の違いにより各球状 体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7が認識される (S 5 )。 各球状体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7が認識されたら、 各球状体 4 4、 4 5、 4 6、 4 7の中心位置、 中心間距離に 基づいて患者 Pのどの方向から撮影したのかが算出される (S 6 )。 医師等は、 表 示モニタ 3 4に表示された画像に基づいて体内の診断を行い、 投薬が必要な患部 Xを特定する (S 7 )。
患部 Xの特定後、 医師等は、 該患部 Xの位置の特定を行う。 即ち、 図 3に示す ように、 少なくとも 2方向から撮影を行っているので、 各球状体 4 4、 4 5、 4 6 , 4 7と上記患部 Xとの相関関係により三次元マーカ 4 0を基準とした患部 X の位置が特定される (S 8 )。 また、 三次元マーカ 4 0と体外装置 3 5との相対的 な位置関係に基づいて、体外装置 3 5に対する患部 Xの位置が特定される(S 9 )。 医師等は、 上述したように、 患部 Xと患部 Xの位置とを特定した後、 患部 Xの 位置情報を、 P C 3 4を使って体外装置 3 5のメモリ 5 3に入力して記録する(S 1 0 )。 即ち、 俸外装置 3 5に放出部 1 4を動作させる条件の入力を行う。 一方、 患者 Pは、 特定装置 3 1による X線撮影が終了した後、 三次元マ一力 4 0を体外 装置 3 5から取り外すと共に、 投薬用カプセル 1 0を医師等から入手して経口投 入する (S 1 1 )。 なお、 投薬用カプセル 1 0の入手後、 患者 Pは、 医療機関を離 れても構わない。
患者 Pは、 投薬用カプセル 1 0を経口投入する際、 投薬用カプセル 1 0の図示 しないスィッチを入れ、 投薬用カプセル 1 0を作動状態にする。 投薬用カプセル 1 0を作動状態にすると、 電池 1 7から各構成品に電力が供給される。 投薬用力 プセル 1 0は、 情報送信部 1 2から体外に電波を送信しながら体内を移動する。
情報送信部 1 2から送信された電波は、 体外装置 3 5の体外受信部 5 0で受信さ れ、 判断部 5 1に送られる。 判断部 5 1は、 送信されてきた電波の受信方向及び 受信レベル等により、 体外装置 3 5に対する投薬用カプセル 1 0の位置を算出す る(S 1 2 )。また、判断部 5 1は、算出された投薬用カプセル 1 0の位置情報と、 メモリ 5 3に記録されている患部 Xの位置情報とから、 投薬用カプセル 1 0が患 部 Xの位置に達したか否かを判断する (S 1 3 )。 ここで、 判断部 5 1は、 投薬用 カプセル 1 0の位置情報と患部 Xの位置情報とがー致したときに、 体外送信部 5 2から体内に向けて放出信号を送信する。 即ち、 判断部 5 1は、 放出信号を介し て放出部 1 4の制御を行う。 ,
体外送信部 5 2から送信された放出信号は、 投薬用カプセル 1 0の受信部 1 5 で受信され、 制御部 1 6に送られる。 制御部 1 6は、 放出信号を受けて開閉弁 2 4、 2 5を作動させ、 体液取込管路 2 1及び薬剤放出管路 2 3を開く。 体液取込 管路 2 1及び薬剤放出管路 2 3が開かれると、 体液 Fが体液取込口 2 0から体液 取込管路 2 1を通じてリザーバ 1 3の内部に流入し、 膨張性薬剤 Bに染み込む。 体液 Fが染み込むことで膨張性薬剤 Bが膨張し、 その膨張圧力によつて薬剤 Aが リザ一パ 1 3から押し出され、 薬剤 Aが薬剤放出管路' 2 3を通じて薬剤放出口 2 2から筐体 1 1の外部に放出される (S 1 4 )。 これにより、特定装置 3 1によつ て特定された患部 Xの位置に、 薬剤 Aが放出されるので、 患部 Xに対して直接的 に投薬することができる。
特定装置 3 1が、 複数の患部 Xを特定した場合は、 それぞれの患部 Xの位置を メモリ 5 3に記録しておき、 全ての患部 Xの位置に、 薬剤 Aを投与する。 この場 合には、 判断部 5 1は、 投薬用カプセル 1 0が全ての患部 Xの位置に達したか否 かを判断する。 そして、 全ての患部 Xの位置で投薬が終了したと判断した場合に は、 作動を停止する (S 1 5 )。 その後、 投薬用カプセル 1 0は排出されて回収さ れる (S 1 6 )。
上述したカプセル投薬システム 1によれば、 体外ユニット 3 0が、 特定装置 3 1として採用した X線 C T装置によって患部 Xと患部 Xの位置とを特定する。 患 部 Xと患部 Xの位置とを特定した後、 判断部 5 1は、 体外受信部 5 0が受信した 投薬用カプセル 1 0の位置情報と、 特定装置 3 1によって特定された患部の位置
情報とに基づいて、 投薬用カプセル 1 0が患部 Xの位置に達したか否かを判断す る。 投薬用カプセル 1 0は、 判断部 5 1の判断結果に基づいて、 患部 Xの位置に 薬剤 Aを放出する。 つまり、 特定装置 3 1として採用した X線 C T装置で特定し た患部 Xの位置情報を、 投薬用カプセル 1 0に反映させることができ、 患部 の 位置に薬剤 Aを放出することができるので、 患部 Xに対して確実且つ直接的に投 薬を行うことができる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 2実施形態を、 図 7から図 1 0を参 照して説明する。 なお、 第 1実施形態と同一の構成要素については、 同一の符号 を付しその説明を省略する。
第 1実施形態では、 判断部 5 1が、 投薬用カプセル 1 0が患部 Xの位置に達し たと判断したときに、 投薬用カプセル 1 0に放出信号を送信して投薬を行なわせ る。 これに対し第 2実施形態では、 判断部 5 1が、 投薬用カプセル (カプセル型 医療装置) 1 1 0が患部 Xの位置に達したと判断したときに、 体外装置 3 5から 投薬用カプセル 1 1 0に生体情報取得信号を送信し、 投薬用カプセル 1 1 0に生 体情報を取得させ、 その生体情報に基づいて投薬が必要と判断したときに投薬用 カプセル 1 1 0に放出信号を送信して投薬を行わせる。
本実施形態のカプセル投薬システム 1 0 1は、 図 7に示すように、 投薬用カブ セル 1 1 0と、 体外ュニット 1 3 0とを備えている。
投薬用カプセル 1 1 0は、 図 8に示すように、 筐体 1 1の内部に、 体内の生体 情報である撮像画像を取得する観察装置 (観察部) 6 1を備えている。 観察装置 6 1は、 対物レンズ 6 2と、 C M O Sイメージャ等の撮像素子 6 3と、 L E D 6 4とを有している。 対物レンズ 6 2は、 筐体 1 1の一端側に設けられた透明カバ 一 1 1 bの内側に配設されている。 撮像素子 6 3は、 対物レンズ 6 2の結像位置 に設けられている。 L E D 6 4は、 対物レンズ 6 2の周囲に設けられており、 照 明光を照射して対物レンズ 6 2の視野範囲を照明する。
投薬用カプセル 1 1 0に具備される受信部 1 5は、 放出信号に加えて生体情報 取得信号を受信する機能を有している。 同じく投薬用カプセル 1 1 0に具備され る制御部 1 6は、 受信部 1 5が生体情報取得信号を受信したときに観察装置 6 1 を作動させる機能を有している。 同じく投薬用カプセル 1 1 0に具備される情報
送信部 1 2は、 観察装置 6 1が取得した生体情報 (撮像画像) を生体外 (体外装 置 3 5 ) に送信する機能を有している。
体外ュニット 1 3 0の体外装置 3 5に具備される体外送信部 5 2は、 図 9に示 すように、 判断部 5 1の判断結果、 即ち投薬用カプセル 1 1 0が患部 Xの位置に 達したと判断したときに生体情報取得信号を送信する機能を有している。 同じく 体外装置 3 5に具備される体外受信部 5 0は、 位置情報に加えて生体情報を受信 する機能を有している。 同じく体外装置 3 5に具備される判断部 5 1は、 体外受 信部 5 0が受信した生体情報に基づいて投薬するか否かを判断すると共に、 投薬 すると判断したときに投薬用カプセル 1 1 0に向けて放出信号を送信するように 体外送信部 5 2を制御する機能を有している。 また、 判断部 5 1は、 投薬の判断 の際、 送られてくる撮像画像である生体情報を評価して、 例えば、 赤色を検出す ると共にそ,の検出量を予め設定されている閾値と比較して、 該閾値以上である場 合には、 その箇所が投薬の必要な出血部位 (患部 X) であると判断する。
上記のように構成されたカプセル投薬システム 1 0 1を使って、 患者 Pの体内 の患部 Xに薬剤 Aを投与する作業を、 図 1 0を参照して説明する。
まず、 医師等は、 特定装置 3 1を使って投薬が必要な患部 Xと患部 Xの位置と を特定した後、 患部 Xの位置情報を、 P C 3 4を使って体外装置 3 5のメモリ 5 3に入力して記録する。 その後、 患者 Pは、 投薬用カプセル 1 1 0を経口投入す る (S 2 0 )。
経口投入された投薬用カプセル 1 1 0は、 情報送信部 1 2から体外に電波を送 信しながら体内を移動する。 情報送信部 1 2から送信された電波は、 体外装置 3 5の体外受信部 5 0に受信され、 判断部 5 1に送られる。 判断部 5 1は、 情報送 信部 1 2から送信されてきた電波の受信方向及び受信レベル等により、 体外装置 3 5に対する投薬用カプセル 1 1 0の位置の算出を行う (S 2 1 )。次に、判断部 5 1は、 算出された投薬用カプセル 1 1 0の位置情報と、 メモリ 5 3に記録され ている患部 Xの位置情報とから、 投薬用カプセル 7 0が患部 Xの位置に達したか 否かを判断する (S 2 2 )。判断部 5 1は、 投薬用カプセル 1 1 0の位置情報と患 部 Xの位置情報とがー致したときに、 体外送信部 5 2から体内に向けて生体情報 取得信号を送信する。
体外送信部 5 2から送信された生体情報取得信号は、 投薬用カプセル 1 1 0の 受信部 1 5で受信され、 制御部 1 6に送られる。 制御部 1 6は、 これを受けて観 察装置 7 1を作動させて生体情報を取得する (S 2 3 )。観察装置 6 1は、 L E D 6 4によって対物レンズ 6 2の視野範囲に照明光を照射し、 対物レンズ 6 2及び 撮像素子 6 3によって患部 X付近を撮像する。 また観察装置 6 1により取得され た生体情報は、 情報送信部 1 2より体外に送信される (S 2 4 )。
送信された生体情報は、 体外装置 3 5の体外受信部 5 0で受信され、 判断部 5 1に送られる。判断部 5 1は、送られてくる撮像画像である生体情報に基づいて.、 患部 Xを認識する (S 2 5 )。 そして、 例えば、 撮像画像に含まれる赤色を検出す ると共に、 その検出量を予め設定されている閾値と比較し、 検出量が閾値以上で ある場合には、 その箇所が投薬の必要な患部 Xであると判断する (S 2 6 )。 判断部 5 1は、 投薬が必要な患部 Xであると判断すると、 体外送信部 5 2から 体内に向けて放出信号を送信する。 体外送信部 5 2から送信された放出信号は、 投薬用カプセル 1 1 0の受信部 1 5に受信され、 制御部 1 6に送られる。 制御部 1 6は、 放出信号を受けて開閉弁 2 4、 2 5を作動させ、 薬剤 Aを放出する (S 2 7 )。
特定装置 3 1が、 複数の患部 Xを特定した場合は、 それぞれの患部 Xの位置を メモリ 5 3に記録しておき、 全ての患部 Xの位置に、 薬剤 Aを投与する。 この場 合、 判断部 5 1は、 投薬用カプセル 1 0が全ての患部 Xの位置に達したか否かを 判断する。 そして、 全ての患部 Xの位置で投薬が終了したと判断すると、 作動を 停止する (S 2 8 )。 その後、 投薬用カプセル 1 1 0は排出されて回収される (S 2 9 )。
上述したカプセル投薬システム 1によれば、 投薬用カプセル 1 1 0が患部 Xの 位置に達した後、 判断部 5 1が、 患部 Xの位置において観察装置 6 1によって取 得された撮像画像である生体情報に基づいて投薬するか否かの判断を行うので、 より正確に、 患部 Xに対して投薬することができる。
また、 観察装置 6 1は、 常時作動しているのではなく、 患部 Xの位置に達して 体外装置 3 5から生体情報取得信号を受信したときのみ作動するので、 省電力化 を図ることができる。 また、 観察装置 6 1により生体情報の取得が行えるので、
投薬による経過観察も行うことができる。
なお、 本実施形態においては、 観察部として生体內を撮像する観察装置 6 1を 採用したが、 観察部には、 これに限らず p Hや血液等の生体情報を検出するセン サを採用しても構わない。 この場合、 判断部は、 取得した p H値や血液中の成分 等に基づいて患部であるか否かを判断することになる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 3実施形態を、 図 1 1から図 1 4を 参照して説明する。 なお、 第 1実施形態と同一の構成要素については、 同一の符 号を付しその説明を省略する。
第 1実施形態では、 体外ュニッ卜 3 0の特定装置 3 1として X線 C T装置を採 用した。 これに対し第 2実施形態では、 体外ユニット 2 3 0の特定装置 (投薬位 置特定装置) 2 3 1として内視鏡装置を採用している。
本実施形態のカプセル投薬システム 2 0 1は、 図 1 1に示すように、 投薬用力 プセル (カプセル型医療装置) 2 1 0と、 特定装置 2 3 1として内視鏡装置を有 する体外ュニット 2 3 0とを備えている。
投薬用カプセル 2 1 0は、 図 1 2に示すように、 体内を撮像する撮像装置 (撮 像部) 7 1を備えている。 撮像装置 7 1は、 対物レンズ 7 2と、 C M O Sィメー ジャ等の撮像素子 7 3と、 L E D 7 4とを有している。 対物レンズ 7 2は、 筐体 1 1の一端側に設けられた透明カバー 1 1 bの内側に配置されている。 撮像素子 7 3は、 対物レンズ 7 2の結像位置に設けられている。 L E D 7 4は、 対物レン ズ 7 2の周囲に設けられており、 照明光を照射して対物レンズ 7 2の視野範囲を 照明する。 また、 撮像装置 7 1は、 撮像した画像情報を情報送信部 1 2に送る。 投薬用カプセル 2 1 0に具備される情報送信部 1 2は、 夕イマ機能を有してお り、 撮像装置 7 1によって撮像した画像情報を、 体内に経口投入されてから撮影 時点までの経過時間と対応付けて自己の位置情報を特定すると共に、 撮像した画 像情報を体外に送信する。
特定装置 2 3 1には、 上述のように内視鏡装置が採用されている。 図 1 1に示 すように、 内視鏡装置本体 7 5には、 体腔内に挿入される揷入部 7 6と、 画像取 得装置 7 7と、 操作部 7 8とが設けられている。 画像取得装置 7 7は、 内視鏡装 置本体 7 5の体腔内に挿入される一端部 (端部 1 ) に設けられている。 操作部 7
8は、 内視鏡装置本体 7 5の、 画像取得装置 7 7が設けられた一端部 (端部 1 ) とは反対側の他端部 (端部 2 ) に設けられている。
内視鏡装置本体 7 5は、 光源装置 7 9及び画像プロセッサ装置 8 0に接続され ている。 光源装置 7 9で発生した光は、 内視鏡装置本体 7 5の内部に揷通された 図示しない光ファイバを通じて内視鏡装置本体 7 5の一端部まで伝送され、 照明 光として体腔内に放射される。 内視鏡装置本体 7 5の一端部には、 図示しない撮 像素子 (C C D ) が設けられている。 C C Dで取得された信号は、 内視鏡装置本 体 7 5内部に設けられた配線材料を伝播し、 画像プロセッサ装置 8 0に伝送され る。 画像プロセッサ装置 8 0では、 撮像素子からの信号を受けて体腔内の画像を 生成する。 生成された画像は、 表示モニタ 8 1に表示される。
患者 Pの口には、 マウスピース 8 2が装着される。 マウスピース 8 2には、 揷 入部 7 6の体腔内への挿入量を検出する挿入量検出装置 8 2 aが取り付けられて いる。 挿入量検出装置 8 2 aの出力は、 パーソナルコンピュータ (以後、 P Cと 略記) 8 3にも伝送される。
生成された画像デ一夕は、 P C 8 3にも伝送される。 P C 8 3では、 生成され た画像デ一タと揷入量検出装置 8 2 aのデータを関連付けて記録すると共に、 後 述する図 1 3で示す項目に代表される画像処理等を行う。
上記のように構成されたカプセル投薬システム 2 0 1を使って、 患者 Pの体内 の患部 Xに薬剤 Aを投与する作業を、 図 1 1、 図 1 3及び図 1 4を参照して説明 する。
まず、 患者 Pは、 医療機関等にて、 図 1 1に示すように、 内視鏡検査を受ける ( S 3 0 )。 医師等は、 特定装置 2 3 1を使って得られた画像を元に診断を行い、 投薬が必要な患部 Xを特定する (S 3 1 )。患部 Xを特定する作業としては、 P C 8 3を使って画像の確認を行い、 患部 Xが写っている画像データにフラグを付加 することで記録を残す。
上述のようにして患部 Xを特定した後、 医師等は、 図 1 3に示すように、 特定 した患部 Xの画像デ一夕を、 P C 8 3を使って変換する (S 3 2 )。 この変換の内 容についての詳細は後述する。 さらに、 医師等は、 変換されたデータを、 P C 8 3を使って体外装置 3 5のメモリ 5 3に入力して記録する。
次に、 患者 Pは、 体外装置 3 5を装着する (S 3 3 ) と共に、 投薬用カプセル 2 1 0を経口投入する (S 3 4 )。 投薬用カプセル 2 1 0は、 経口投入される際、 図示しないスィッチを入れることによつて電池 1 7から各構成品に電力が供給さ れ、 情報送信部 1 2の夕イマ機能が作動すると共に撮像装置 7 1が作動する。 経口投入された投薬用カプセル 2 1 0は、 撮像装置 7 1によって体内を撮像し ながら移動する。 撮像装置 7 1によって撮影された画像は、 情報送信部 1 2に送 られる。 情報送信部 1 2は、 経口投入されてからの経過時間とその時点で撮影さ れた画像とを一組の情報として体外装置 3 5に送信する。
体外装置 3 5の体外受信部 5 0は、 情報送信部 1 2から送信されてきた情報を 受信し、 判断部 5 1に送信する。 判断部 5 1は、 S 3 2で行った P C 8 3での処 理と同様の処理を行い、 メモリ 5 3に格納された画像データを P C 8 3で変換し たデータと比較する (S 3 5 )。 ,
比較した結果が、 同一若しくは極めて近いと判断される場合、 判断部 5 1は、 撮影された部分が投薬部位 (患部 X) であると判断し、 体外送信部 5 2から体内 に向けて放出信号を送信する (S 3 6 )。
体外送信部 5 2から送信された放出信号は、 投薬用カプセル 2 1 0の受信部 1 5で受信され、 制御部 1 6に送られる。 制御部 1 6は、 放出信号を受けて開閉弁 2 4、 2 5を作動させ、 薬剤 Aを放出する (S 3 7 )。
特定装置 (内視鏡装置) 2 3 1が、 複数の患部 Xを特定した場合、 判断部 5 1 は、 投薬用カプセル 2 1 0が全ての患部 Xに対して投薬を行ったか否かを判断す る (S 3 8 )。 そして、 全ての患部 Xに対して投薬が終了したと判断すると、 作動 を停止する。 その後、 投薬用カプセル 2 1 0は排出されて回収される。
上述したカプセル投薬システムによれば、 特定装置 2 3 1として採用した内視 鏡装置によって正確に患部 Xの情報を得、 その情報と投薬用カプセル 2 1 0によ つて得た情報とを比較することにより、 患部 Xを特定するので、 確実な投薬を行 うことできる。
また、特定装置 2 3 1によって得た画像をそのまま比較に利用するのではなく、 変換したデータ、 即ち簡略化したデータを使用して比較することにより、 比較演 算の総量が少なく抑えられるので、 容易にデータの比較を行うことができる。
ここで、 図 1 3に示したデータの変換の詳細に付いて記述する。
図 1 3は、 左側が特定装置 2 3 1として採用した内視鏡装置によって得られる 画像、 及び同時に得られる揷入部 7 6の挿入長情報である。 挿入長情報には、 例 えば、 挿入部 7 6の体腔内への挿入長データなどが示されている。 表の右側は、 デ一夕変換後のデータが示されている。
まず、 第 1の例として、 表の (1 ) 及び (2 ) について説明する。
( 1 ) 及び (2 ) においては、 内視鏡装置によって得られた画像と、 内視鏡装 置の揷入部 7 6の体腔内への挿入長を関連付けて変換を行い、 変換後のデータを メモリ 5 3に記録している。 メモリ 5 3に記録されている変換後のデータは、 内 視鏡の体腔内への挿入量から選択した患部 Xの位置及び画像デ一夕である。(( 2 ) の場合は、 単純化された画像のパターンである)。
ここで、 位置を表す情報は、 投薬用カプセル 2 1 0を経口投入した後、 患部 X に到達するまでの推定到達時間情報でも良い。 また、 変換は行わず内視鏡装置の 揷入部 7 6の揷入量を記録しておいても良い。
. 投薬用カプセル 2 1 0では、 情報送信部 1 2に設けられた夕イマ機能により、 一定時間間隔で患者 Pの体腔内消化管の撮影を行う。 撮影された画像データは、 アナログ—デジタル変換、 データ圧縮変換など無線送信に適したデ一夕形式に変 換され、 情報送信部 1 2から体外に送信される。 送信されたデータは、 体外装置 3 5の体外受信部 5 0に受信される。
体外受信部 5 0に受信されたデ一夕は、判断部 5 1に送られる。判断部 5 1は、 投薬用カプセル 2 1 0で撮影された画像を、 メモリ 5 3に記録されたデ一夕と同 様のフォーマット ((2 ) の場合は単純化された画像パターン) に変換する。 また、 撮影された画像の履歴 (現在撮影されている部位 (小腸、 大腸等) と、 その部位に投薬用カプセル 2 1 0が存在している時間) から現在の投蕖用カプセ ル 2 1 0の位置を推定する。 ここでの変換は、 到達時間と到達推定時間を比較す る形式でも良いし、 挿入部 7 6の挿入量と投薬用カプセル 2 1 0の挿入距離との 比較する形式でも良い。
メモリ 5 3に記録されている患部 Xの位置情報と、 判断部 5 1で推定された位 置情報が近い場合には、 メモリ 5 3に記録されている患部 Xの画像((2 ) の場合
は画像パターン) と、 判断部 5 1で投薬用カプセル 2 1 0からの画像データによ り生成した画像 ((2 ) の場合は画像パターン) との比較を行う。 比較には、 相関 関数を求める処理を行う。 相関関数を求める処理には、 異なる画像処理の技術を 用いることもできる。
求められた相関関数が、 ある設定された閾値より大きくなつた場合には、 判断 部 5 1は、 現在の位置が患部 Xの近傍であると判断し、 体外送信部 5 2から放出 信号を送信するように指示を出す。
次に、 (3 ) の場合においては、 内視鏡装置で観察時に挿入長と撮影された画像 の平均輝度の変化と画像データとが、 変換後のデータとしてメモリ 5 3に記録さ れている。 ここで、 内視鏡装置に調光機能がある場合には、 画像の平均輝度では なく、 調光量変化を記録しても良い。
投薬用カプセル 2 1 0で撮影された画像についても'、 上記と同様に画像の平均 輝度を判断部 5 1で求め、 平均輝度を随時メモリ 5 3に書き込むことで、 投薬用 カプセル 2 1 0の進行に伴う平均輝度変化を求めることができる。 メモリ 5 3に 記録されている患部 Xに到達するまでの平均輝度の変化曲線と、 投薬用カプセル 2 1 0により得られた画像からの平均輝度変化とを比較して、 比較結果が近い場 合には、 投薬用カプセル 2 1 0の現在の位置が患部 Xの近傍と評価する。 その後 の処理については、 上述した (1 ) 及び (2 ) の塲合と同様である。 なお、 平均 輝度等の変化曲線は、 Bスプライン曲線や Nベジエ曲線等により近似 ·簡略化し てもよい。
また、 (4 ) の場合においては、 (3 ) の場合の平均輝度変化の代わりに、 カラ 一バランスの変化を活用する。 それ以外の部分ついては (3 ) の場合と同様であ る。
なお、 本実施形態においては特定装置 2 3 1として内視鏡装置を採用したが、 挿入長を元に投薬位置を検出する方法には、 内視鏡を用いた方法のみならず、 X 線観察装置、 C T、 M R I、 超音波観測装置等を用いて管腔の長さを求める方法 を採用しても良い。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 4実施形態を、 図 1 5から図 2 4を 参照して説明する。 なお、 上記の各実施形態に含まれる同一の構成要素について
は、 同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のカプセル投薬システム 3 0 1は、 図 1 5に示すように、 患者 Pの 体内 (生体内) に経口投入される投薬用カプセル (カプセル型医療装置) 3 1 0 と、 医療装置 3 2 0とを備えている。 医療装置 3 2 0は、 体腔内の生体情報であ る撮像画像を得る観察系(生体情報取得手段) 3 2 1と、体腔内にマーキング(指 標) Mを残す吐出機構 (マーキング手段) 3 2 2とを有している。
医療装置 3 2 0は、 図 1 5及び図 1 6に示すように、 カプセル型医療装置 (第 2のカプセル型医療装置) 3 2 3と、 パーソナルコンピュータ (以下 P C ) (受信 装置) 3 2 4とを備えている。 カプセル型医療装置 3 2 3は、 カプセル状に形成 された筐体 (外装部) 1 1の内部に、 観察系 3 2 1と、 吐出機構 3 2 2と、 無線 送信手段 (伝達手段、 情報伝達部) 3 2 3 aとを有している。 無線送信手段 3 2 3 aは、 観察系 3 2 1によって取得した生体情報及び吐出機構 3 2 2の動作情報 を筐体 3 2 3 bの外部に伝達する。 P C 3 2 4は、 無線送信手段 3 2 3 aによつ て筐体 3 2 3 bの外部に伝達された情報を受信する観察情報受信機 3 2 5を有し ている。
カプセル型医療装置 3 2 3の筐体 3 2 3 bは、 プラスチック等で内部を密閉す るように形成され、 一端側に透明カバー 3 2 3 cが設けられている。 透明カバー 3 2 3 cの内側には、 体内の各部を撮像する対物レンズ 3 2 6が配されている。 対物レンズ 3 2 6の結像位置には、 例えば、 C M O Sイメージャゃ C C D等の撮 像素子 3 2 7が配されている。 対物レンズ 3 2 6の周囲には、 照明光を照射して 対物レンズ 3 2 6の視野範囲を照明する L E D 3 2 8が配設されている。 即ち、 これら対物レンズ 3 2 6、 撮像素子 3 2 7及び L E D 3 2 8は、 観察系 3 2 1を 構成している。
筐体 3 2 3 bの一部には、 微小な吐出口 3 2 9が形成されている。 吐出口 3 2 9の内側には、 染料、 磁性体、 放射線体等のマーキング剤 Wを収納するリザ一バ 3 3 0が配されている。 リザーパ 3 3 0の一部は弹性変形可能であり、 その弾性 変形可能な部分には、 ピエゾ素子 3 3 1が設けられている。 ピエゾ素子 3 3 1に 作動信号等を送ると、 ピエゾ素子 3 3 1が伸張してリザーバ 3 3 0を押圧し、 マ —キング剤 Wを吐出口 3 2 9から筐体 3 2 3 bの外部に向けて吐出する。 こうす
ることで、 生体内に点墨のようなマーキング Mが施される。 吐出口 3 2 9、 リザ —バ 3 3 0及びピエゾ素子 3 3 1は、 吐出機構 3 2 2を構成している。 なお、 マ 一キング剤 Wは、 生体内にマ一キング Mとして施されてから所定時間経過すると 自然に消えてしまう。 例えば、 小腸においてマーキング Mを施した場合、 マ一キ ング Mは、 組織の代謝によって腸組織と共に管壁からはがれる。
また、 筐体 3 2 3 bの内部には、 制御処理部 3 3 2と、 制御処理部 3 3 2で処 理した生体情報等を記憶するメモリ 3 3 3と、 上述した各構成品に電力を供給す る電池 3 3 4とが内蔵されている。 制御処理部 3 3 2は、 観察系 3 2 1及び吐出 機構 3 2 2を制御すると共に、観察系 3 2 1で取得した生体情報を所定処理する。 制御処理部 3 3 2は、 体内に投入された後、 ピエゾ素子 3 3 1に作動信号を送 り、 体内を移動している間に、 定期的、 例えば、 5分に 1回毎にマ一キング Mを 体内に施すように吐出機構 3 2 2を作動させる機能を有している。 また、 同時に 観察系 3 2 1を制御し、 体内を、 例えば 1秒に 2回毎に無作為的に撮像して生体 情報を取得させる機能を有している。 更に、 制御処理部 3 3 2は、 観察系 3 2 1 から送られてきた生体情報を所定処理すると共に、 生体情報を、 ピエゾ素子 3 3 1を作動させたタイミングと関連付けてメモリ 3 3 3に逐次記憶させる機能を有 している。つまり、体内に施したマーキング Mの位置と生体情報とを関連付けて、 メモリ 3 3 3に記憶させる機能を有している。
また、 カプセル型医療装置 3 2 3は、 患者 Pの体内から排出され、 回収された 後、 P C 3 2 4にメモリ 3 3 3内に記憶されている生体情報を出力する。 これに より、 医師は、 P C 3 2 4に入力された生体情報に基づいて診断を行うことがで さる。
即ち、 P C 3 2 4は、 図 1 7及び図 1 8に示すように、 カプセル型医療装置 3
2 3と無線通信を行って、 生体情報を得る観察情報受信機 3 2 5を備えている。 観察情報受信機 3 2 5は、 P C 3 2 4とケーブル 3 3 5によって接続されており、 カプセル型医療装置 3 2 3を内部に収納する容器 3 3 6を設置する容器設置部 3
3 7と、 容器 3 3 6に収納されたカプセル型医療装置 3 2 3に電力を供給する電 力供給手段 3 3 8と、 無線受信手段 3 3 9とを備えている。
電力供給手段 ·3 3 8は、 例えば、 容器設置部 3 3 7を取り囲むように配置され
たコイル 3 3 8 aと、 コイル 3 3 8 aに交流電流を流すドライバ 3 3 8 と、 ド ライバ 3 3 8 bの電源を O NZ O F Fするスィツチ 3 3 7 aとから構成されてい る。 スィッチ 3 3 7 aは、 容器設置部 3 3 7の底面に配された設置検知スィッチ 3 3 7 bに接続されており、 容器 3 3 6が容器設置部 3 3 7に配置されたことを 設置検知スィッチ 3 3 7 bが検知したときに作動する。 即ち、 容器 3 3 6を容器 設置部 3 3 7に設置したときに、 ドライバ 3 3 8 bからコイル 3 3 8 aに交流電 源が流れる。
また、 無線受信手段 3 3 9は、 カプセル型医療装置 3 2 3から送信される信号 を受信すると共に、 ケーブル 3 3 5を介して P C 3 2 4に伝達する。
更に、図 1 6に示すように、カプセル型医療装置 3 2 3は、筐体 3 2 3 b内に、 観察情報受信機 3 2 5の無線受信手段 3 3 9に信号を送信する無線送信手段 3 2
3 a及び電力供給手段 3 3 8から電力を受信する電力受信手段 3 4 0を備えてい る。
電力受信手段 3 4 0は、 受信用コイル 3 4 0 aと A C— D Cコンバータ 3 4 0 bとから構成されている。 電力受信手段 3 4 0は、 電力供給手段 3 3 8から電力 の供給を受けると、 無線送信手段 3 1 3及びメモリ 3 3 3に電力を分配し、 メモ リ 3 3 3に格納された生体情報を、 無線送信手段 3 1 3から無線受信手段 3 3 9 に送る。 無線受信手段 3 3 9に送られた生体情報は、 P C 3 2 4に送られる。 これにより、 上述したように、 P C 3 2 4に、 メモリ 3 3 3内に記憶されてい る生体情報を出力することができる。
次に、 投薬用カプセル 3 1 0を、 図 1 9及び図 2 0に示す。 図 1 9は投薬用力 プセル 3 1 0の外観を示し、 図 2 0は断面図を示している。 投薬用カプセル 3 1 0は、 患者 Pの体内 (生体内) に経口投入されるカプセル状の筐体 (外装部) 3 4 .1の内部に、 薬剤 Aを保持するリザーバ (薬剤保持部) 3 4 2と、 リザ一パ 3
4 2に保持された薬剤 Aを放出する放出手段 (薬剤放出部) 3 4 3と、 放出手段 3 4 2を作動させる制御部 (放出制御手段) 3 4 4と、 体内に施された薬剤放出 位置を示すマーキング Mを検出するセンサ(検出手段、指標検出手段) 3 4 5と、 これら各構成品に電力を供給する電池 3 4 6とを備えている。
筐体 3 4 1は、' プラスチック等で内部を密閉するように形成されており、 一端
側の内部には、 壁部 3 4 1 aと筐体 3 4 1の内周面とで囲まれたリザ一バ 3 4 2 が設けられている。 リザーバ 3 4 2の周囲であって筐体 3 4 1の外表面には、 複 数の薬剤口 3 4 7が筐体 3 4 1の周囲に形成されている。 薬剤口 3 4 7には、 図 示していない薄膜が形成されており、 リザ一バ 3 4 2内に保持された薬剤 Aが薬 剤口 3 4 7から漏れないようになつている。 また、 リザーバ 3 4 2内には、 ヒー 夕 3 4 8が設けられている。 ヒー夕 3 4 8は、 瞬間的な加熱により気泡を発生さ せ、 その圧力で薬剤口 3 4 7の薄膜を破り、 薬剤 Aを薬剤口 3 4 7から放出させ る機能を有している。 即ち、 これら薬剤口 3 4 7及びヒ一夕 3 4 8は、 放出手段 3 4 2を構成している。
センサ 3 4 5は、 筐体 3 4 1の他端側の外表面であって、 筐体 3 4 1の軸回り に複数形成されており、 生体内を移動中にマーキング Mを検出して制御部 3 4 4 に送る機能を有している。 即ち、 センサ 3 4 5は、 図 2 1 A, 図 2 1 Bに示すよ うに、 L E D等で構成された発光素子 3 4 5 aと、 光ディティクタ 3 4 5 bと、 プリズム 3 4 5 cとで構成されている。 なお、 マ一キング Mが点墨であるとして センサ 3 4 5を説明する。 発光素子 3 4 5 aで発した光は、 プリズム 3 4 5じで 反射され、 筐体 3 4 1に形成された窓 3 4 1 bを通し生体に照射される。 照射さ れた光は、 生体で反射され、 窓 3 4 1 b及びプリズム 3 4 5 cを透過して光ディ ティクタ 3 4 5 bに入射されるようになっている。 また、 光ディティクタ 3 4 5 bは、 入射した光のレベルを検出するようになっている。
ここで、 点墨されていない組織の位置でセンサ 3 4 5を動作させた場合には、 照射された光は、 生体組織で反射され、 光ディテイク夕 3 4 5 cにより反射光が 検出される。
一方、 点墨された組織の位置でセンサ 3 4 5を動作させた場合には、 生体組織 が点墨されているため、 光は生体組織で吸収されてしまい (または、 点墨されて いない組織に比べ反射率が大幅に低くなる)、光ディテイク夕 3 4 5 cでは反射光 より弱い光を検出する。
また、 光ディテイク夕 3 4 5 cは、 入射された光のレベルに対応した電圧出力を 制御部 3 4 4に伝達するようになっている。 制御部 3 4 4は、 前記電圧出力が点 墨の施された組^!からの信号か、 点墨されていない組織からの信号化を判断する
ようになつている。 ここで、 制御部 3 4 4が、 点墨の施された組織からの信号で あると判断した場合には、 制御部 3 4 4に内蔵された図示しないカウン夕を 1進 める。 これにより、 マーキング Mのカウン卜ができるようになつている。
また、 本実施例では、 点墨を採用したが、 検出可能であればいかなる色素を使 用しても同様の効果が得られる。 一例としては、 メチレンブル一等の内視鏡検査 に使用される色素がある。 また、 その際には、 光ディテイク夕 3 4 5 cの検出波 長領域を最適になるように選択すれば良い。 また、 マーキング Mとしては、 蛍光 発生材料を含有する薬剤を使用しても良い。 この場合には、 蛍光を励起する波長 の光を発生させる発光素子 3 4 5 aを使用し、 発生する蛍光の波長の光を検出す る光ディテイク夕 3 4 5 cを使用すれば良い。
また、 マーキング Mとしては、 放射性同位元素を含有する薬剤を使用しても良 い。 この場合には、 センサ 3 4 5としてシンチレ一夕等を使用すれば良い。 また、 マーキング Mとしては、 磁性材料を含有する薬剤を使用しても良い。 ま た、 磁性体そのものを薬剤の代わりに使用しても良い。 この場合には、 センサ 3 4 5として磁気センサを使用すれば良い。
また、 マーキング Mとしては、 金属材料を使用しても良い。 この場合の動作に ついては、 後述する実施形態にて説明する。
また、制御部 3 4 4は、患部 Xの位置を示す指標である特定のマ一キング Mを、 マーキング Mの数として予め記憶されているメモリ 3 4 4 aを有しており、 セン サ 3 4 5によって検出されたマーキング Mをカウントし、 メモリ 3 4 4 aに記憶 されている数と一致したときにヒー夕 3 4 8を作動させて加熱させる機能を有し ている。 つまり、 制御部 3 4 4は、 センサ 3 4 5により検出されたマーキング M が特定のマーキングであるか否かを判断している。
このように構成されたカプセル投薬システム 3 0 1、 投薬用カプセル 3 1 0及 びカプセル型医療装置 3 2 3により、 患者 Pの体内の患部 Xに対して薬剤 Aを投 薬する場合について以下に説明する。
まず、 患者 Pは、 病院等の医療機関にて医師の指示のもとカプセル型医療装置 3 2 3を飲み込んで経口投入する。 この際、 カプセル型医療装置 3 2 3は、 投入 時に図示しないスィッチが入るようになつており、 電池 3 3 4から電力供給され
た制御処理部 3 3 2が作動し始める。 経口投入されたカプセル型医療装置 3 2 3 は、 図 2 2に示すように、 患者 Pの体内を移動する間に、 制御処理部 3 3 2が吐 出機構 3 2 2を作動させて、 体内の消化器官に対して、 例えば、 5分に 1回毎に マーキング Mを施す。 即ち、 制御処理部 3 3 2は、 ピエゾ素子 3 3 1に作動信号 等を送って伸張させる。 これにより、 リザーバ 3 3 0が押圧されて吐出口 3 2 9 からマーキング剤 Wが吐出されるので、 消化器官にマ一キング Mが施される。 ま た、 同時に制御処理部 3 3 2は、 観察系 3 2 1を作動させて、 体内各部を、 例え ば、 1秒に 2回毎に撮像して生体情報を取得する。 更に、 制御処理部 3 3 2は、 観察系 3 2 1で取得された生体情報とマーキング Mの位置とを関連付けて、 逐次 メモリ 3 3 3に記憶する。
そして、 カプセル型医療装置 3 2 3の排泄により体内の観察が終了した後、 力 プセル型医療装置 3 2 3を回収する。 回収後、 メモリ 3 3 3に記憶されているマ 一キング Mの位置に関連付けられた生体情報を、 図 1 Ίに示す P C 3 2 4に入力 する。
即ち、 患者 Pの体内から排出された観察用カプセル 1 0を回収した後、 容器 3 3 6に収納する。 容器 3 3 6に収納することにより、 その後操作する人が不潔感 をもつことなく操作を行うことができる。 そして、 容器 3 3 6を容器設置部 3 3 7に設置すると、 設置検知スィッチ 3 3 7 bが O Nになる。 これにより、 スイツ チ 3 3 7 aが O Nになり、 電力供給手段 3 3 8及び無線受信手段 3 3 9が駆動さ れる。 電力供給手段 3 3 8が動作すると、 カプセル型医療装置 3 2 3に向けて電 力を供給する。 カプセル型医療装置 3 2 3の電力受信手段 3 4 0は、 この供給さ れた電力を受け、 無線送信手段 3 1 3及びメモリ 3 3 3に分配して供給する。 こ の電力を受けて無線送信手段 3 1 3は、 メモリ 3 3 3に蓄えられた生体情報を観 察情報受信機 3 2 5に向けて無線送信する。 そして、 無線送信手段 3 6は、 送信 された生体情報を受信すると共に、 ケーブル 3 3 5を介して P C 3 2 4に伝達す る。
P C 3 2 4で受けた生体情報は、 操作者が確認し投薬位置を決定する。 また、 生体情報は、マーキング Mの位置(個数)と関連付けられて保存されているため、 投薬位置を決定すると、 直ちにマーキング Mの何個目で投薬を開始すればよいか
判断することができる。マーキング] V [の個数を判断するのは、操作者でも良いが、 P C 3 2 4が自動的にマーキング Mの個数を認識し、 後述するように、 投薬用力 プセル 3 1 0に設定するように構成しても構わない。
なお、 本実施形態では、 無線送信手段 3 1 3は、 電磁波を使用した通信方式を 採用しているが、 通信方式は電磁波以外の方法で実施しても良く、 例えば、 カブ セル型医療装置 3 2 3及び容器 3 3 6を、赤外線透過型の材料で構成すると共に、 容器 3 3 6を容器設置部 3 3 7に設置したときに、 観察情報受信機 3 2 5に設け られた赤外線センサと、 カプセル型医療装置 3 2 3に設けられた赤外線発光素子 とが対向するように配置すれば、 赤外線通信にて生体情報を伝達することが可能 となる。
また、 医師等の操作者は、 P C 3 2 4に入力された生体情報である撮像画像に 基づいて、 体内に異常がないか診断を行う。 その結果、 撮像画像に病変等を発見 した場合には、 病変等から投薬が必要な表在疾患等の患部 Xを特定する。 患部 X を特定した後、 医師は、 患部 Xの位置を示すマーキング Mを特定する。 即ち、 生 体情報とマーキング Mの位置とが関連付けられて送られてくるので、 患部 Xを特 定した生体情報から生体情報に関連したマ一キング Mの特定が行える。 つまり、 特定のマ一キング Mを、 何番目のマ一キング Mであるというようなマーキング M の数で特定する。
なお、 本実施形態の説明においては、 図 2 3に示すように、 患部 Xの位置が、 1 0番目のマーキング Mと 1 1番目のマーキング Mとの間に位置しているものと し、患部 Xの位置を示す特定のマーキング Mを 1 0番目のマーキングとしている。 次いで、 医師は、 図 1 7に示すように、 投薬用カプセル 3 1 0を P C 3 2 4に 接続された通信機 3 4 6に載置して、 P C 3 2 4からメモリ 3 4 4 aに特定のマ 一キング Mの情報を設定値として入力する。 即ち、 1 0番目のマーキング Mが特 定のマーキング Mであることを示すデ一夕を P C 3 2 4から通信機 3 4 6を介し て、 通信機 3 4 6に載置された投薬用カプセル 3 1 0に送信する。 入力後、 患者 Pは、 医師等から投薬用カプセル 3 1 0を入手する。 なお、 患者 Pは、 投薬用力 プセル 3 1 0の入手後、 医療機関等を離れても構わない。
その後、 患者 Pは、 決められた投薬時間に従って、 投薬用カプセル 3 1 0を飲
み込んで経口投入する。 経口投入された投薬用カプセル 3 1 0は、 体内を移動す る間に、 カプセル型医療装置 3 2 3によって施されたマーキング Mをセンサ 3 4 5が検出する。 センサ 3 4 5は、 管腔の情報を取得し、 制御部 3 4 4でマーキン グ Mの有無を判断する。
制御部 3 4 4は、 マーキング Mの情報と、 メモリ 3 4 4 aに予め設定されてい る特定のマーキング Mの情報とを比較して判断する。 即ち、 制御部 3 4 4は、 送 られてくるマ一キング Mの数をカウントすることにより、 特定のマーキング Mで あるか否かを判断する。 例えば、 特定のマーキングが 1 0番目のマーキング Mで あると予め設定されているので、 最初に検出されたマーキング Mは、 特定のマー キング Mではないと判断する。 また、 次に送られてくるマーキング Mは、 カウン ト数により 2番目のマーキング Mであるので、 特定のマーキング Mではないと判 断する。
このように、 投薬用カプセル 3 1 0は、 各マーキング Mを検出しながら生体内 を移動する。
ここで、投薬用カプセル 3 1 0が、 1 0番目のマ一キング Mを検出した場合には、 制御部 3 4 4は、 カウント数により送られてきたマ一キング Mが 1 0番目のマー キング M、 即ち、 特定のマ一キング Mであると判断してヒータ 3 4 8を作動させ る。 ヒータ 3 4 8は、 制御部 3 4 4からの信号を受けて、 瞬間的に加熱して気泡 を発生させ、 気泡の圧力により薬剤口 3 4 7の薄膜を破る。
薬剤口 3 4 7の薄膜が破れると、 図 2 4に示すように、 リザーバ 3 4 2内の薬 剤 Aが薬剤口 3 4 7から筐体 3 4 1外部に放出される。 即ち、 特定のマーキング Mは、 患部 Xの位置を示しているので、 患部 Xに対して直接的に投薬を行うこと ができる。
上述したカプセル投薬システム 3 0 1、 投薬用カプセル 3 1 0及びカプセル型 医療装置 3 2 3によれば、 カプセル型医療装置 3 2 3を経口投入することで、 体 腔内にマ一キング Mを残しながら生体情報の取得を行え、 無線送信手段 3 1 3を 介して P C 3 2 4にて、 生体情報とマーキング Mの情報との受信が行える。 これ らの情報から、体内の患部 Xをマーキング Mにより容易に検出することができる。 また、 その後経口投入された投薬用カプセル 3 1 0により、 投薬を行う特定のマ
一キング Mの位置で薬剤 Aの放出を行える。 このように、 体腔内の所望する部位 (患部) に、 容易且つ直接的にアプローチすることができると共に、 投薬を行う ことができる。 また、 患部 Xを検出してから投薬を行うのではなく、 特定のマー キング Mを検出して投薬を行うので、 投薬を行う前に患部 Xを通過することがな く、 患部 Xに対して効率良く投薬を行うことができる。
また、 患部の位置を示す指標を、 生体内の特徴のある形状や色等の部位ではな く、 カプセル型医療装置 3 2 3によって施されたマーキングとしているので、 よ り明確な指標とすることできる。 従って、 センサ 3 4 5が、 確実且つ高精度にマ 一キング (特定のマーキング) の検出を行うので、 投薬の信頼性を向上すること ができる。
更に、 医療装置 3 2 0をカプセル型医療装置 3 2 3により構成するので、 簡便 に患者 Pに経口投入することができる。
また、 制御部 3 4 4は、 センサ 3 4 5によって検出されたマーキングの数を力 ゥントし、 メモリ 3 4 4 aに予め記憶されている数と一致したときに、 いま検出 したマーキング Mが特定のマ一キングであると判断して薬剤 Aの放出を行なって いる。 このように、 制御部 3 4 4は、 特定のマーキング Mを単なるマーキング M のカウン卜によって判断するので、 複雑な判断回路等を備える必要がなく、 構成 を容易にすることができると共に、 検出ミスが低減されて信頼性を向上すること ができる。
また、 本実施例では、 カプセル型医療装置 3 2 3を体内から排出されてから回 収してメモリ 3 3 3に蓄えられた生体情報を取り出したが、 生体観察中に随時無 線通信手段を使い、 カプセル外部に伝達する構成としても構わない。
'また、本実施では、一定時間間隔で間欠的にマ一キング Mを施すこととしたが、 一定時間間隔でなくても構わない。 例えば、 体内での一定移動距離間隔でマーキ ング Mを施すようにしても構わない。 この場合には、 例えば、 図 2 5に示すよう に、 筐体 3 2 3 b内に、 観察用計測手段 (移動量検出手段) 3 4 7を設ければ良 い。 観察用計測手段 3 4 7は、 体内の消化管内腔壁の表面情報である表面画像を 取得する情報取得手段 3 4 8と、 情報取得手段 3 4 8により取得した表面情報の 経時的変化に基づいて移動距離を算出する画像処理部 3 4 9とを備えている。 ま
た、 情報取得手段 3 4 8は、 消化管内腔壁の表面に光 Lを照射する L E D 3 5 0 と、 消化管内腔壁の表面で反射された光 Lの画像、 即ち、 表面画像を読み取る光 学センサ 3 5 1とを有している。 L E D 3 5 0は、 筐体 3 2 3 bの軸方向に光 L を照射するように例えば、 水平配置されている。 また、 照射された光 Lは、 反射 ミラ一 3 5 2 a , 3 5 2 bによって照射方向が変更され、 消化管内腔壁の表面に 向けて斜めに照射できるようになつている。
また、 光学センサ 3 5 1は、 反射した光 Lを受光できる位置に配されている。 な お、 光学的に光 Lを透過できるように、 情報取得手段 3 4 8近傍の筐体 3 2 3 b には、 透明カバ一 3 2 3 cを設ければ良い。
画像処理部 3 4 9は、 光学センサ 3 5 1で読み取った消化管内腔壁の表面画像 を、 例えば、 毎秒 1 5 0 0〜6 0 0 0回の高速で撮影 (スキャン) すると共に、 撮影した各画像の色や形状等の特徴に着目し、 これらの経時的変化から移動距離 を算出するようになっている。 そして、 算出した移動距離を制御処理部 3 3 2に 知らせるように構成すれば良い。 こうすることで、 制御処理部 3 3 2は、 上述し たように、 体内の一定移動距離毎に吐出機構 3 2 2を作動させて、 マーキング M を施すことができる。
このように、 一定移動距離でマーキング Mを施すことで、 マーキング M同士が 接近しすぎることがなく、 体腔内にマ一キング Mを施すことができる。
更に、 筐体 3 2 3 b内に、 位置センサを設けて、 位置センサの出力に基づいて 一定間隔毎にマ一キング Mを施しても構わない。この場合には、位置センサには、 例えば、 N D I社の A U R O R A等が使用することができる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 5実施形態を、 図 2 6及び図 2 7を 参照して説明する。 なお、 上記の各実施形態と同一の構成要素については、 同一 の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態の投薬用カプセル (カプセル型医療装置) 4 1 0は、 図 2 6に示す ように、 筐体 1 1に、 撮像装置 7 1に加え、 体内での移動距離を計測する計測部 4 2 0を備えている。
計測部 4 2 0は、 図 2 7に示すように、 体内の消化管内腔壁の表面画像を取得 する画像取得部 4 2 1と、 画像取得部 4 2 1により取得した表面情報の経時的変
化に基づいて移動距離を算出する (走行距離算出手段) 画像処理部 4 2 5とを備 えている。
画像取得部 4 2 1は、 画像処理部 4 2 5と、 消化管内腔壁の表面に光を照射す る L E D 4 2 2と、 消化管内腔壁の表面で反射された光の画像、 即ち、 表面画像 を読み取る光学センサ 4 2 3とを有している。 L E D 4 2 2は、 筐体 1 1の軸方 向に光を照射するように水平配置されている。 また、 筐体 1 1の軸方向に向けて 照射された光は、 反射ミラー 4 2 4 a, 4 2 4 bによって照射方向が変更され、 消化管内腔壁の表面に向けて斜めに照射されるようになっている。 また、 光学セ ンサ 4 2 3は、 反射した光を受光できる位置に配置されている。 なお、 画像取得 部 4 2 1近傍の筐体 1 1には、 光学的に光を透過するように透明カバー 1 1 じが 設けられている。
画像処理部 4 2 5は、 光学センサ 4 2 3で読み取った消化管内腔壁の表面画像 を、 例えば、 毎秒 1 5 0 0〜6 0 0 0回の高速で撮影すると共に、 撮影した各画 像のパターン変化より移動量を算出できるようになつている。 また、 画像処理部 4 2 5は、 算出した移動量を情報送信部 1 2に送るようになつている。 また、 本 実施形態の情報送信部 1 2は、 計測部 4 2 0により計測された移動量と、 撮像装 置 7 1により撮像された撮像画像とを対応させて体外に向けて送信する。 送信さ れたデ一夕は、 体外装置 3 5の体外受信部 5 0で受信され、 判断部 5 1に送られ る。 判断部 5 1では、 随時送られてくる移動量を積算することにより、 投薬用力 プセル 4 1 0の経口投入されてからの移動距離を求める。
このように構成された投薬用カプセル 4 1 0を経口投入することで、 体外装置 3 5の判断部 5 1が、 患部 Xの位置情報、 即ち、 揷入部 7 6の挿入長さに対応し た画像情報の変化と、 投薬用カプセル 4 1 0の位置情報、 即ち、 計測部 4 2 0に より計測された移動量より判断部 5 1にて求められた移動距離に対応した撮像装 置 7 1による画像情報の変化とを比較して、 両情報が高く類似していると判断し たときに、 投薬用カプセル 4 1 0が患部 Xの位置の近傍に達したと判断する。 そ の後の動作については、 前述のとおりである。
このように、 特定装置 2 3 1として採用した内視鏡装置により正確に特定され た患部 Xの画像倩報と位置情報とを関連付けて記録し、 また投薬用カプセル 4 1
0の移動距離と画像情報とを関連付けて記録することで、 両情報を比較すること を容易にしている。
これにより、 投薬用カプセル 4 1 0による投薬位置に対して患部 Xの情報を容 易に反映させることができ、 内視鏡装置により正確に特定された患部 Xで投薬を 確実に行うことができる。
また、 本実施例では、 計測部 4 2 0を設けることにより、 さらに正確に投薬用 カプセル 4 1 0の移動距離を求めることができる。 これにより、 より効果的に薬 剤 Aの放出を行うことができる。
次に、 本実施形態の変形例を、 図 2 8から図 3 0を参照して説明する。 本変形 例では、 図 2 8に示すように、 経口投入される観察用カプセル 4 3 0及び投薬用 カプセル 4 4 0に加え、 体外に配される体外ュニット 4 5 0が設けられている。 観察用カプセル 4 3 0は、 図 2 9に示すように、 送信アンテナ (送信手段) 4 3 1を備えている。 送信アンテナ 4 3 1は、 筐体 1 1内に、 観察手段 4 3 2によ り取得された生体情報と観察用計測手段 4 3 3により計測された移動距離とを関 連付けて体外ュニッ卜 4 5 0に向けて送信する。 即ち、 制御部 4 3 4は、 観察手 段 4 3 2から送られてきた生体情報を所定処理すると共に、 その生体情報と画像 処理部から送られてきた移動距離とを関連付けて送信アンテナ 4 3 1から送信す る。
体外ユニット 4 5 0は、 図 2 8及び図 3 0に示すように、 患者 Pの体外に装着 可能な本体 4 5 1に、 投薬用カプセル 7 0の送信アンテナ 4 3 1から送信された 情報を受信する受信アンテナ (受信手段) 4 5 2と、 受信アンテナ 4 5 2により 受信された情報に基づいて投薬が必要な患部 Xと患部 Xまでの移動距離とを特定 する特定部 (特定手段) 4 5 3とを備えている。
本体 4 5 1は、 患者 Pのベルト等に装着することにより体外に装着できるよう になっている。 受信アンテナ 4 5 2は、 例えば、 本体 4 5 1から突出するように 設けられており、 受信した情報を特定部 4 5 3に送る機能を有している。 また、 特定部 4 5 3は、 送られてきた生体情報である撮像画像から、 例えば、 赤色を検 出すると共にその検出量を予め設定されている閾値と比較し、 比較した結果、 閾 値以上である場合には、 投薬が必要な出血部位 (患部 X) であると特定するよう
になっている。 また、 特定部 4 5 3は、 患部 Xを示す生体情報と、 受信アンテナ 4 5 2を介して送られてきた生侔情報に関連付けられた移動距離とから、 患者 P の口から患部 Xの位置までの移動距離の特定を行うようになっている。
なお、 本実施形態において、 体外ュニット 4 5 0の特定部 4 5 3で特定された 移動距離は、 投薬用カプセル 4 4 0のメモリに記録されるようになっている。 このように構成されたカプセル投薬システムにより、 患者 Pの体内の患部 Xに 対して薬剤 Aを投薬する場合について、 以下に説明する。
患者 Pに経口投入された観察用カプセル 4 3 0は、 体内を移動する際、 観察手 段 4 3 2により撮像画像である生体情報を取得すると共に、 観察用計測手段 4 3 3により体内の移動距離の計測を行う。 また、 制御部 4 3 4は、 生体情報と移動 距離とを関連付けて送信アンテナ 4 3 1から体外ュニット 4 5 0に向けて送信す る。
体外ュニット 4 5 0の受信アンテナ 4 5 2は、 送信アンテナ 4 3 1から送信さ れた生体情報を受信すると共に特定部 4 5 3に送る。 特定部 4 5 3は、 送られて きた撮像画像から赤色のみを検出すると共に、 その検出量を予め設定されている 閾値と比較することにより投薬が必要な患部 Xを特定すると共に、 患部 Xの特定 後、 患者 Pの口から患部 Xの位置までの移動距離の特定を行う。
次いで、 投薬用カプセル 4 4 0のメモリに特定部 4 5 3で特定された移動距離 を記憶させる。 入力後、 患者 Pは、 観察用カプセル 4 3 0を経口投入してから所 定時間の経過後、 又は観察用カプセル 4 3 0の排泄等により、 観察用カプセル 4
3 0による観察が終了した後、 決められた投薬時間に従って、 投薬用カプセル 4
4 0を経口投入する。 この投薬用カプセル 4 4 0の経口投入により、 特定された 移動距離、 即ち患部 Xの位置で薬剤 Aの放出が行え、 確実に患部 Xに対して投薬 することができる。 特に、 体外ユニット 4 5 0が、 患部 Xの特定及び患部 まで の移動距離の特定を行うので、 観察用カプセル 4 3 0を容易な構成にでき、 小型 化を図ることができる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 6実施形態を、 図 3 1から図 3 3を 参照して説明する。 なお、 上記の各実施形態と同一の構成要素については、 同一 の符号を付しそ.の説明を省略する。
本実施形態のカプセル投薬システム 5 0 .1は、 図 3 1に示すように、 投薬用力 プセル 5 1 0と、 特定装置 2 3 1としての内視鏡装置とを有する体外ュニッ卜 5 2 0を備えている。
投薬用カプセル 5 1 0は、 図 3 2に示すように、 特定装置 2 3 1によって特定 された患部 Xの情報を記録するカプセル内メモリ (メモリ) 5 1 1と、 体内での 投薬用カプセル 5 1 0自身の移動量を検出することで自己の位置を検出する移動 量検出部 (検出部) 5 1 2と、 体内を撮像する撮像装置 7 1と、 投薬を行うか否 かを判断するカプセル内判断部 (判断部) 5 1 3と、 夕イマ回路 5 1 4と、 体外 と通信を行いカプセル内メモリ 5 1 1に書き込む情報を受信するカプセル内受信 部 5 1 5を備えている。
また、 特定装置 2 3 1としての内視鏡装置に接続された P C 8 3には、 図 3 1 に示すように、 P C内無線送信部 5 1 6が設けられており、 カプセル内受信部 5 1 5にデータを送信できる構成になっている。
撮像装置 7 1及び移動量検出部 5 1 2は、 タイマ回路 5 1 4のクロック信号に より一定時間間隔で動作する。 撮像装置 7 1で得られた画像情報、 移動量検出部 5 1 2で得られた移動量情報は、 カプセル内判断部 5 1 3に送られる構成になつ ている。 内視鏡装置で得られた患部 Xに関する情報は、 P C 8 3で図 1 3に示し たような変換処理が行われ、 その状態でカプセル内受信部 5 1 5に送信されカブ セル内メモリ 5 1 1に記録される。
移動量検出部 5 1 2は、 図 1 8に示すように、 計測部 5 1 7及び積算部 5 1 8 で構成されており、 短い時間間隔での移動量を計測部 5 1 7で求め、 その移動量 を積算部 5 1 8で積算することで、 投薬用カプセル 1 1 0の体腔内での全移動量 を検出することができる構成になっている。 .
このように構成されたカプセル投薬システム 5 0 1により、 患者 Pの体内の患 部 Xに対して薬剤 Aを投薬する場合について、 図 3 3を参照して説明する。 . 特定装置 2 3 1により、 投薬が必要な患部 X及び患部 Xの位置の特定を行うと 共に、 患部 Xの情報のデータ変換を行った後、 投薬用カプセル 5 1 0のカプセル 内メモリ 5 1 1に、 P C内無線送信部 5 1 6とカプセル内受信部 5 1 5との間の データ伝送等に.より記録する (S 5 0 )。
その後、 患者 Pは、 投薬用カプセル 5 1 0を経口投入する (S 5 1 )。 また、 投 薬用カプセル 5 1 0は、 経口投入される際、 図示しないスィッチを入れることに より、 電池 1 7から各構成品に電力が供給され、 タイマ回路 5 1 4の動作夕イミ ングに基づき投薬用カプセル 5 1 0の動作が開始される。
経口投入された投薬用カプセル 5 1 0は、 撮像装置 7 1により体内を撮像しな がら移動する (S 5 2 )。 この撮像装置 7 1により撮像された撮像画像は、 カプセ ル内判断部 5 1 3に送られる。 移動量検出部 5 1 2は、 移動量情報をカプセル内 判断部 5 1 3に送る。 カプセル内判断部 5 1 3は、 送られてきた自己 (投薬用力 プセル 5 1 0自身) の 動量情報を所定処理し、 その移動量情報とカプセル内メ モリ 5 1 1に記録されている変換された患部 Xの撮像画像情報とを比較して、 患 部 Xの近傍に投薬用カプセル 5 1 0が達したか否かを判断する(S 5 3 )。例えば、 判断部 1 3 3は、 特定装置 2 3 1の画像取得装置 7 7及び撮像装置 7 1により撮 像された画像が類似しており、 投薬用カプセル 5 1 0の移動量と内視鏡装置 1 0 0の挿入量とが近い場合や、 画像取得装置 7 7及び撮像装置 7 1により撮像され た撮像画像の輝度の経時的変化又は色バランスの経時的変化が類似した場合には、 患部 Xの近傍に投薬用カプセル 5 1 0が達したと判断して、 その旨を制御部 1 6 に送る。 制御部 1 6は、 これを受けて両開閉弁 2 4、 2 5を作動させて薬剤 Aの 放出を行う (S 5 4 )。
なお、 特定装置 2 3 1が、 複数の患部 Xを特定した場合には、 カプセル内判断 部 5 1 3は全ての患部 Xに対して投薬を実施したか否かを判断する(S 5 5 )。判 断した結果、 全ての患部 Xに対して投薬が終了したと判断した場合には、 作動を 停止する。 その後、 投薬用カプセル 5 1 0は排出されて回収される。
上述したように、 投薬用カプセル 5 1 0の内部で薬剤 Aの放出の制御を行うた め、 患者 Pは、 体外装置を装着する必要がない。 従って、 上述した各実施形態の 効果に加え、 患者 Pの自由度が向上するという効果がある。
なお、 本実施例においては、 移動量検出部 5 1 2の代わりに撮像装置 7 1で取 得した画像を複数比較して、 フレーム間の投薬用カプセル 5 1 0の移動量を算出 し、 それを積算することにより、 投薬用カプセル 5 1 0の全移動量を求める構成 にしても構わない。
本実施形態の変形例を、 図 3 4から図 4 0を参照して説明する。
本変形例のカプセル投薬システムは、 図 3 4に示すように、 患者 Pの体内 (生 体内) に経口投入される生体情報取得用の観察用カプセル (第 1のカプセル) 5 3 0と、 投薬用の投薬用カプセル (第 2のカプセル) 5 4 0とを備えている。 観察用カプセル 5 3 0は、 図 3 5に示すように、 カプセル状の筐体 1 1内に、 体内各部を撮像することにより生体情報である撮像画像を取得する観察手段 (取 得手段) 5 3 2と、 体内での移動距離を計測する観察用計測手段 5 3 3と、 観察 用計測手段 5 3 3により計測された移動距離と観察手段 5 3 2により取得された 生体情報とを関連付けて記録するメモリ 5 3 4と、 メモリ 5 3 4に記録された生 体情報に基づいて投薬が必要な患部 Xと患部 Xまでの移動距離とを特定する特定 部 5 3 5とを有している。
筐体 1 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成され、 一端側に透明 カバー 1 1 aが設けられている。 この透明カバ一 1 1 aの内側には、 対物レンズ 5 3 6が配されており、 対物レンズ 5 3 6の結像位置には、 C M O Sイメージャ 等の撮像素子 5 3 7が配されている。 この対物レンズ 5 3 6及び撮像素子 5 3 7 は、 体内を撮像する撮像手段 5 3 8を構成している。 また、 対物レンズ 2 1の周 囲には、 照明光を照射して対物レンズ 5 3 6の視野範囲を照明する L E D (照明 手段) 5 3 9が配されている。即ち、これら撮像手段 5 3 8及び L E D 5 3 9は、 観察手段 5 3 2を構成している。
観察用計測手段 5 3 3は、 図 3 6に示すように、 体内の消化管内腔壁 Wの表面 情報である表面画像を取得する情報取得手段 5 4 0と、 情報取得手段 5 4 0によ り取得した表面情報の経時的変化に基づいて移動距離を算出する画像処理部 (算 出手段) 5 4 1とを備えている。
情報取得手段 5 4 0は、 消化管内腔壁 Wの表面に光 Lを照射する L E D 5 4 2 と、 消化管内腔壁 Wの表面で反射された光 Lの画像、 即ち、 表面画像を読み取る 光学センサ 5 4 3とを有している。 ,
L E D 5 4 2は、 筐体 1 1の軸方向に光 Lを照射するように水平配置されてい る。 また、 筐体 1 1の軸方向に向けて照射された光 Lは、 反射ミラ一 5 4 4 a、 5 4 4 bによって照射方向が変更され、 消化管内腔壁 Wの表面に向けて斜めに照
射されるようになつている。 また、 光学センサ 5 4 3は、 反射した光 Lを受光で きる位置に配されている。 なお、 情報取得手段 5 4 0近傍の表面筐体 1 1には、 光学的に光 Lを透過するように透明カバー 1 1 aが設けられている。
画像処理部 5 4 1は、 光学センサ 5 4 3で読み取った消化管内腔壁 Wの表面画 像を、例えば、毎秒 1 5 0 0〜6 0 0 0回の高速で撮影(スキャン)すると共に、 撮影した各画像の色や形状等の特徴に注目し、 これらの経時的変化から移動距離 を算出するようになっている。 また、 画像処理部 5 4 1は、 算出した移動距離を 制御部 5 4 5に送るようになつている。
制御部 5 4 5は、 体内に投入された後、 L E D 5 4 2に信号を送って作動させ ると共に、 観察手段 5 3 2を制御して体内を、 例えば、 1秒に 2回毎無作為的に 撮像して生体情報を所得させる機能を有している。 また、 制御部 5 4 5は、 観察 手段 5 3 2から送られてきた生体情報を所定処理すると共に、 その生体情報と画 像処理部 5 4 1から送られてきた移動距離とを関連付けてメモリ 5 3 4に記録す るようになっている。
特定部 5 3 5は、 メモリ 5 3 4に記録されている生体情報から、 例えば、 赤色 を検出すると共にその検出量を予め設定されている閾値と比較して、 その閾値以 上である場合には、 投薬が必要な出血部位 (患部 X) であると特定するようにな つている。 また、 特定部 5 3 5は、 特定した患部 Xを示す生体情報と、 メモリ 5 3 4に記録されている生体情報に関連付けられた移動距離とから、 患部 Xの位置 までの移動距離を特定するようになっている。
更に、 筐体 1 1内には、 各構成品に電力を供給する電池 5 4 6が内蔵されてい る。
投薬用カプセル 5 5 0は、図 3 7に示すように、カプセル状の筐体 5 5 1内に、 薬剤 Aを保持するリザーバ (薬剤保持部) 5 5 2と、 リザーバ 5 5 2に保持され た薬剤 Aを放出する放出手段 5 5 3と、 体内での移動距離を計測する投薬用計測 手段 5 5 4と、 投薬用計測手段 5 5 4により計測された移動距離が観察用カプセ ル 5 3 0の特定部 5 3 5により特定された移動距離であるか否かを判断する判断 部 (判断手段) 5 5 5と、 判断部 5 5 5が特定された移動距離であると判断した ときに放出手段 5 5 3を作動させる制御部 (制御手段) 5 5 6と、 観察用カプセ
ル 5 3 0の特定部 5 3 5で特定された移動距離を記憶するメモリ 5 5 7と、 各構 成品に電力を供給する電池 5 5 8とを備えている。
筐体 5 5 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成されており、 一端 側の内部には、 壁部 5 5 1 aと筐体 5 5 1の内周面とで囲まれたリザ一バ 5 5 2 が設けられている。 リザーバ 5 5 2には、 筐体 5 5 1の外表面に形成された体液 取込口 5 5 9を有する体液取込管路 5 5 2 aと、 筐体 5 5 1の外表面に形成され た薬剤放出口 5 6 0を有する薬剤供給管路 5 5 2 bとが接続されている。 なお、 体液取込口 5 5 9及び薬剤放出口 5 6 0は、 筐体 5 5 1の一端側に軸回りに複数 形成されている。 また、両管路 5 5 2 a , 5 5 2 bには、それぞれ管路 5 5 2 a , 5 5 2 bを開閉するように移動可能な開閉弁 5 6 1, 5 6 2が設けられている。 また、 リザーバ 5 5 2内には、 薬剤 Aに加え、 水分に触れると反応して膨張す る性質を有する発泡剤等の膨張性薬剤 Bが、 体液取込管路 5 5 2 a側に収納され ている。 まこ、 薬剤 Aは、 膨張性薬剤 Bに隣接して薬剤供給管路 5 5 2 b側に収 納されている。 つまり、 開閉弁 5 6 1 , 5 6 2を作動させることで、 筐体 5 5 1 外部からリザーバ 5 5 2内に体液 Fを取り込んで膨張性薬剤 Bを膨張させ、 その 圧力によって薬剤 Aを筐体 5 5 1外部に放出できるようになつている。
即ち、 これら体液取込管路 5 5 2 a , 体液取込口 5 5 9、 薬剤供給管路 5 5 2 b、 薬剤放出口 5 6 0及び両開閉弁 5 6 1 , 5 6 2は、 放出手段 5 5 3を構成し ている。
なお、 リザーバ 5 5 2内に薬剤 Aを収納させる際、 最初に膨張性薬剤 Bを充填 し、 その後、 膨張性薬剤 Bが体液取込口 5 5 9から溢れるように薬剤 Aを薬剤放 出口 5 6 0から導入することで、 リザーバ 5 5 2内に薬剤 Aを高い密度で収納す ることができる。
また、投薬用計測手段 5 5 4は、図 3 6に示す観察用計測手段 5 3 3と同様に、 情報取得手段 5 4 0及び画像処理部 5 4 1を有している。 また、 画像処理部 5 4 1は、 算出した移動距離を判断部 5 5 5に送るようになつている。 判断部 5 5 5 は、 送られてきた移動距離を、 メモリ 5 5 7に記録されている特定の移動距離と 比較して、 その特定の移動距離と一致したときに、 その旨を制御部 5 5 6に送る ようになつている。 これを受けて制御部 5 5 6は、 両開閉弁 5 6 1 , 5 6 2を作
動させるようになつている。 なお、 初期状態においては、 両開閉弁 5 6 1, 5 6 2は、 両管路 5 5 2 a、 5 5 2 bを閉塞する位置に設定されている。
このように構成されたカプセル投薬システムにより、 患者 Pの体内の患部 Xに 対して薬剤 Aを投薬する場合について、 図 3 8から図 4 0を参照して以下に説明 する。
まず、 患者 Pは、 病院等の医療機関等にて観察用カプセル 5 3 0を入手し、 観 察用カプセル 5 3 0を経口投入する(S 6 1 )。この際、観察用カプセル 5 3 0は、 投入時に図示しないスィッチが入るようになつており、 電池 3 1から各構成品に 電力が供給される。 経口投入された観察用カプセル 5 3 0は、 患者 Pの体内を移 動する間に、 観察手段 5 3 2を作動させて体内各部を、 例えば、 1秒に 2回毎撮 像して生体情報を取得する (S 6 2 )。
また、 制御部 5 4 5は、 観察用計測手段 5 3 3を作動させ、 経口投入されてか らの移動距離を計測する。 即ち、 制御部 5 4 5は、 図 3 6に示すように、 L E D 5 4 2に信号を送り、 光 Lを照射させる。 照射された光 Lは、 反射ミラー 5 4 4 a、 5 4 4 bで反射されて消化管内腔壁 Wの表面に対して斜めに照射される。 消 化管内腔壁 Wの表面で反射した光 Lは、 光学センサ 5 4 3に入射する。 光学セン サ 5 4 3は、 入射してきた光 Lの画像、 即ち、 消化管内腔壁 Wの表面画像の読み 取りを行う。 そして、 画像処理部 5 4 1が、 この表面画像を毎秒 1 5 0 0〜6 0 0 0回の高速で撮影を行うと共に画像解析等の所定処理を行い、 表面画像の中か ら、 例えば、 組織の凹凸形状等 (小腸においては絨毛組織) の特徴に注目して経 時的な各画像の比較を行う。 画像処理部 5 4 1は、 各画像の経時的変化により、 移動方向や移動距離の算出を行うと共に制御部 5 4 5に知らせる。 つまり、 観察 用計測手段 5 3 3は、 消化管内腔壁 Wの表面画像の経時的変化に基づいて体内移 動距離の計測を行っている (S 6 3 )。
制御部 1 3は、 画像処理部 5 4 1から送られてきた移動距離と、 観察手段 5 3 2で取得された生体情報とを関連付けてメモリ 5 3 4に順次記録する (S .6 4 )。 すると、 特定部 5 3 5が、 メモリ 5 3 4に記録された生体情報である撮像画像か ら、 赤色のみを検出すると共にその検出量を予め設定されている閾値と比較し、 閾値以上である場合には、投薬が必要な出血部位(患部 X)であると特定する(S
6 5 )。 また、 患部 Xの特定後、 特定部 5 3 5は、 患部 Xを示す生体情報と、 メモ リ 5 3 4に記録されている生体情報に関連付けられた移動距離とから、 図 3 8に 示すように、患者 Pの口から患部 Xの位置までの移動距離の特定を行う(S 6 6 )。 次いで、 患者 Pから排泄された観察用カプセル 5 3 0を回収し、 特定部 5 3 5 により特定された移動距離を入手して投薬用カプセル 5 5 0のメモリ 5 5 7に記 憶させる (S 6 7 )。 その後、 患者 Pは、 決められた投薬時間等に従って投薬用力 プセル 5 5 0を経口投入する (S 6 8 )。 なお、 投薬用カプセル 5 5 0も観察用力 プセル 5 3 0と同様に、 投入時に図示しないスィツチが入るようになつており、 電池 5 5 8から各構成品に電力が供給される。 また、 患者 Pは、 医師等から投薬 用カプセル 5 5 0を入手後、 医療機関等を離れても構わない。
一方、 経口投入された投薬用カプセル 5 5 0は、 投薬用計測手段 5 5 4により 移動距離の計測を行いながら体内移動を行う (S 6 9 )。 この際、 画像処理部 5 4 1は、計測した移動距離を判断部 5 5 5に送っている。すると、判断部 5 5 5は、 送 れてくる移動距離がメモリ 5 5 7に記憶されている特定の移動距離であるか 否かを判断する (S 7 0 )。 ここで、 判断部 5 5 5は、 投薬用計測手段 5 5 4から 送られてきた距離が特定の距離に一致した場合には、 患部 Xの位置に達したと判 断すると共に、 制御部 5 5 6にその旨を知らせる (S 7 1 )。
制御部 5 5 6は、 これを受けて両開閉弁 5 6 1 , 5 6 2を作動させて、 体液取 込管路 5 5 2 a及び薬剤供給管路 5 5 2 bを開状態にする (S 7 2 )。すると、体 液 Fが、 体液取込口 5 5 9及び体液取込管路 5 5 2 aを介してリザーバ 5 5 2内 に入り、 膨張性薬剤 Bに染み込み始める。
これにより、 膨張性薬剤 Bは、 体液 Fの水分に反応して膨張し始める (S 7 3 )。 膨張性薬剤 Bが膨張すると、 その圧力により薬剤 Aがリザーバ 5 5 2から薬剤供 給管路 5 5 2 b及び薬剤放出口 5 6 0を介して筐体 5 5 1外部に押し出されるよ うにして放出される (S 7 4 )。
つまり、 患部 Xの位置を示す特定の移動距離で薬剤 Aの放出を行うので、 患部 X に対して直接的に投薬を行うことができる (S 7 5 )。
上述したカプセル投薬システムによれば、 観察用カプセル 5 3 0を経口投入す ることで、 観察用計測手段 5 3 3により体内の移動距離の計測を行いながら観察
手段 5 3 2により生体情報の取得が行えると共に、 診断部 1 5により投薬が必要 な患部 Xまでの移動距離の特定が行える。 その後、 投薬用カプセル 5 5 0を経口 投入することで、 投薬用計測手段 5 5 4により測定した移動距離が特定部 5 3 5 で特定した移動距離であるか否かを判断部 5 5 5が判断して、 その位置で薬剤 A を放出することができる。 つまり、 患部 Xの位置を示す特定の移動距離で薬剤 A の放出を行うので、 確実に患部 Xに対して投薬を行うことができる。 特に、 患部 Xを検出してから投薬を行うのではなく、 移動距離に基づいて投薬を行うので、 患部 Xを通りすぎることなく、 的確に薬剤 Aを投与することができる。
また、 投薬用カプセル 5 5 0自身が、 特定された移動距離であるか否かを判断 して投薬を行うので、判断のための別個の外部装置等を必要としない。そのため、 外部装置等の通信等による時間的ロスがなく、 移動距離の測定から薬剤 Aの放出 にかける時間が短時間で済むので、 患部 Xに対して高精度に薬剤 Aを投与するこ とができる。
また、 観察用カプセル 5 3 0及び投薬用カプセル 5 5 0は、 それぞれ観察用計 測手段 5 3 3及び投薬用計測手段 5 5 4により、 消化管内腔壁 Wの表面情報の経 時的変化に基づいて体内の移動距離の計測を容易且つ確実に行うことができ、 患 部 Xに対する投薬の正確性を向上させることができる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 7実施形態を、 図 4 1及び図 4 2を 参照して説明する。 なお、 上記の各実施形態と同一の構成要素には、 同一の符号 を付しその説明を省略する。
本実施形態の投薬用カプセル (カプセル型医療装置) 6 1 0では、 カプセル内 判断部 6 1 1が、 更に生体内の硬さに基づいて判断を行う。 投薬用カプセル 6 1 0は、 図 4 1に示すように、 筐体 1 1の側面に、 体内を移動する際に接触した生 体の硬さを測定する硬さセンサ (センサ) 6 1 2を備えている。 硬さセンサ 6 1 2は、 例えば、 振動型接触センサであり、 筐体 1 1の外表面であって筐体 1 1の 軸回りに複数設けられており、 図 2 1に示すように、 消化管内腔壁の硬さを測定 すると共に、 測定値をカプセル内判断部 6 1 1に送るようになつている。
このように構成された投薬用カプセル 6 1 0を経口投入すると、 図 4 2に示す ように、 硬さセ サ6 1 2が消化管内腔の硬さを測定しながら体内を移動する。
また、 カプセル内判断部 6 1 1は、 移動量検出部 1 3 2から送られてきた投薬用 カプセル 6 1 0自身の移動量情報、 撮像装置 7 1で撮影された画像情報より、 力 プセル内メモリ 1 3 1に記録された情報と比較するためのデータをデータ変換処 理により生成し、 比較を実施する。
これにより、 投薬用カプセル 6 1 0が、 患部 Xの近傍にいるかどうかを判断す る。 更に、 本実施例では、 消化管内腔の硬さ情報が入手できる。 一般に、 癌組織 などは、 正常組織に比較して硬くなる傾向があり、 対象部位固さを検出すること で、 患部 Xに対する投薬の要否情報を得ることができる。 これらの情報を総合的 に判断し投薬の要否を判断する。
本実施例では、 上述した各実施形態の効果に加えて、 生体組織の硬さ情報を得 ることができるので、 投薬個所の同定のみならず、 投薬の要否までも判断するこ とができ、 より効率的で効果的な投薬を実施することができる。
次に、 本発明のカプセル投薬システムの第 8実施形態を、 図 4 3から図 4 7を 参照して説明する。 なお、 上記の各実施形態において既に説明した構成要素には 同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のカプセル投薬システム 7 0 1では、 特定装置 2 3 1により施され たクリップ Cによるマーカ Mを、 投薬用カプセル 7 1 0に設けられた撮像装置 7 1の画像より検出し、 投薬用カプセル 7 1 0が投薬位置に達したか否かを判断す る点である。
本実施形態のカプセル投薬システム 7 0 1は、 図 4 3に示すように、 投薬用力 プセル (カプセル型医療装置) 7 1 0と、 特定装置 2 3 1を有する体外ュニッ卜 7 2 0を備えている。
特定装置 2 3 1として採用された内視鏡装置は、 図 4 4に示すように、 特定さ れた患部 Xの近傍に金属製のクリップ Cを取り付けるクリッピング装置 (マーカ 手段) 1 5 1が設けられている。 このクリッピング装置 7 2 1で患部 Xの近傍に 取り付けられたクリップ Cをマーカ Mとして使用する。
内視鏡装置本体 7 5には、 体腔内に挿入される揷入部 7 6に設けられ、 体腔内 に挿入される一端部 (端部 1 ) に開口部をもち、 反対の他端部 (端部 2 ) より本 実施例で使用するクリッビング装置 7 2 1をはじめとする内視鏡処置具を揷通し、
一端部 (端部 1 ) 側で内視鏡的処置を行うことができるように、 鉗子チャンネル 7 2 2が設けられている。
クリッピング装置 7 2 1は、 鉗子チャンネル 7 2 2に揷通される揷入部 7 2 1 aと、 クリップ Cを保持するクリップ保持部 7 2 1 bと、 クリップ保持部 7 2 1 bからクリップ Cを放出し、 生体組織に嚙み付かせる図示しないクリップ放出機 構とで構成されている。
また、 投薬用カプセル 7 1 0は、 図 4 5に示すように、 筐体 1 1内に、 クリツ プ Cを検出する金属センサ (マーキング検出手段、 マーカ検出部) 7 2 3を備え ている。 該金属センサ 7 2 3は、 筐体 1 1の外表面において、 外筐体の軸回りに 複数形成されている。 また、 金属センサ 7 2 3は、 マ一力 Mを検出すると、 その 旨を制御部 1 6に送るようになつている。
このように構成されたカプセル投薬システム 7 0 1により、 患者 Pの体内の患 部 Xに対して薬剤 Aを投薬する場合について説明する。
特定装置 2 3 1により、 医師等は、 投薬が必要な患部 Xの特定を行った後、 ク リツビング装置 7 2 1を鉗子チャンネル 7 2 2内に挿入して、 患部 Xの位置、 若 しくはその近傍にクリップ Cを取り付ける。 なお、 この際、 クリップ Cは、 患部 Xに直接施すのではなく、 図 4 4に示すように、 患部 Xに対して肛門側に施すと 良い。
その後、 体内に経口投入された投薬用カプセル 7 1 0は、 生体内を移動してい る間に、 患部 Xの位置に達すると、 金属センサ 7 2 3がクリップ Cを検知して、 その旨を制御部 1 6に知らせる。 制御部 1 6は、 これを受けて両開閉弁 2 4、 2
5を作動させて薬剤 Aの放出を行う。
これにより、 特定装置 2 3 1としての内視鏡装置で特定した患部 Xの位置にて 薬剤 Aを放出できるので、 患部 Xに対して直接的に投薬を行うことができる。 ま た、 金属センサ 7 2 3を備えるだけで、 患部 Xの位置検出が行えるので、 投薬用 カプセル 7 1 0の構成を容易にすることができる。 これにより小型化を図ること ができる。 特に、 内視鏡装置により正確に特定した患部 Xの位置を、 投薬用カブ セル 7 1 0での投薬動作に容易に反映させることができる。
' なお、 本実施形態においては、 マーカ Mとしてクリップ Cを採用したが、 これ
に限らず、 消化管を内側から押圧するように拡がる金属製のステントを使用して も構わない。 また、 マーカ検出部として、 金属センサ 7 2 3を採用したが、 これ に限られず、 クリップ Cの金属反射を画像により検知する画像センサでも構わな い。 また、 マーカ] VIとして、 上記ステント以外に、 患部 Xに付近に例えば、 アイ ソトープゃ蛍光剤や磁性流体等を注射しても良いし、 色素散布等を行っても構わ ない。 これらの場合には、 マ一力検出部を、 放射線を検知する放射線センサや、 蛍光を画像で検知する画像センサや、 磁性流体を検知する磁気センサや、 色素の 色や輝度を画像で検知する画像センサ等にすれば良い。
更に、 上記実施形態においては、 特定装置 2 3 1として内視鏡装置を採用した が、 これに限らず、 患部 Xに集積する性質を有する蛍光薬剤を^外から注射し、 図 4 6に示すように、 該蛍光薬剤を投薬用カプセル内に設けられた蛍光センサ等 で検出すれば良く、 検出されたときに投薬を行うようにすれば良い。 特に、 患部 Xが癌等である場合には、 好適である。
更に、 マーカ手段を、 図 4 7に示すように、 体外から体内に向けて指向性を有 して体内を透過する超音波又は赤外線レーザ等の電磁波を照射する照射装置とし ても構わない。 この場合には、 投薬用カプセル 7 1 0のマーカ検出部を、 超音波 又は電磁波を検出するように構成すれば良い。 上記超音波又は電磁波は、 指向性 を有しているので、 正確に患部 Xの位置を特定することができ、 患部 Xに対して 確実に投薬することができる。
次に、 本実施形態の変形例を、 図 4 8及び図 4 9を参照して説明する。
本変形例のカプセル投薬システムでは、 内視鏡装置 (医療装置) 7 3 0により 患部 Xを特定すると共に患部 Xの位置を示す特定のマーキング Mを施し、 その特 定のマーキング Mを検出したときに投薬を行う。 なお、 本変形例において、 特定 のマ一キング Mは、 磁性体の性質を有するものである。 このマーキング Mについ ては、 磁性体薬剤の他、 内視鏡で行う処置で使用されているクリップ等が使用で さる。
本実施形態のカプセル型医療装置システムは、 図 4 8に示すように、 内視鏡装 置 7 3 0及び経口投入される投薬用カプセル 7 0を備えている。
内視鏡装置 7 3 0は、 体内に揷入可能な可撓性を有する内視鏡揷入部 7 3 1を
有しておる。
内視鏡挿入部 7 3 1は、 先端に体内を観察する図示しない観察手段 (生体情報取 得手段) を有している。 また、 内視鏡揷入部 7 3 1内には、 先端の開口から基端 側に配された図示しない処置具挿入孔に亘つて揷通するように形成された、 図示 しない処置具チヤンネルが形成されている。そして、この処置具チャンネル内に、 上記磁性体のマーキング Mを体腔内に施す処置具 (マーキング手段) 7 3 2を揷 入できるようになつている。
また、 投薬用カプセル 7 0は、 図 4 9に示すように、 筐体 3 4 1内に、 リザー バ 3 4 2、 放出手段 3 4 3、 制御部 3 4 4、 電池 3 4 5、 及び特定のマ一キング Mを検出する磁気センサ (検出手段) 3 4 5を備えている。 また、 制御部 3 4 4 は、 磁気センサ 3 4 5が、 特定のマーキング Mを検出したときに放出手段 3 4 3 を作動させるようになつている。
本変形例のカプセル投薬システムにより、 患者 Pの体内の患部 Xに対して薬剤 Aを投薬する場合について、 以下に説明する。
まず、 患者 Pは、 病院等の医療機関にて、 内視鏡検査を受診し、 体内に異常が ないか診断を受ける。 即ち、 内視鏡装置 7 3 0の内視鏡揷入部 7 3 1を体内に揷 入して、 観察系により体内を観察する。 この内視鏡検査により、 消化器官に表在 疾患等の患部 Xが発見された場合には、 医師は、 処置具 7 3 2を処置具チャンネ ル内に挿入して、 患部 Xの位置を示す磁性体である特定のマーキング Mを消化気 管内に施す。 この内視鏡検査後、 患者 Pは、 医師から投薬用カプセル 7 0を入手 する。 なお、 患者 Pは、 投薬用カプセル 7 0を入手した後、 医療機関等を離れて も構わない。
次いで、 患者 Pは、 投薬用カプセル 7 0を飲み込んで経口投入する。 経口投入 された投薬用カプセル 7 0は、 磁気センサ 3 4 5により消化器官内を観察しなが' ら移動する。 ここで、 特定のマーキング Mに到達すると、 磁気センサ 3 4 5が、 磁性体である特定のマ一キング Mに反応してその位置を検出する。 特定のマ一キ ング Mを検出すると、 磁気センサ 3 4 5は、 その旨を制御部 3 4 4に送る。 制御 部 3 4 4は、磁気センサ 3 4 5からの信号を受けて、ヒー夕 3 4 8を作動させる。 ヒータ 3 4 8は、. 制御部 3 4 4からの信号を受けて、 瞬間的に加熱して気泡を発
生させ、 その気泡の圧力により薬剤口 3 4 7の薄膜を破る。 これにより、 リザー バ 3 4 2内の薬剤 Aが薬剤口 3 4 7より筐体 3 4 1外部に放出される。 従って、 患部 Xに対して直接的に投薬を行うことができる。 また、 体内を移動している間 において、 特定マーキング Mを検出したと同時に薬剤 Aの放出が行えるので、 検 出から放出に至る時間を必要としない。 従って、 より特定のマ一キング Aの近傍 で薬剤の放出が行えるので、 高精度に患部 Xに対して投薬を行うことができる。 また、 本実施例では、 磁気センサ 3 4 5を用いたが、 上記クリップを使用した 場合では、 図 5 0 A、 図 5 0 Bに示すように、 処置具 7 3 2として、 体腔内に内 視鏡用クリップを施すことができるクリップ装着用処置具を採用すれば良い。 ま た、 投薬用カプセル 7 0に、 発光素子及び受光素子を設け、 発光素子で発した光 の反射率の変化を検出しても良い。 (クリップは、 金属でできているので、 クリツ プがあれば反射光量が増大する) また、 受光素子は、 C M O S画像センサや C C D等のイメージセンサでも良い。 その場合には、 画像処理技術を使用してマ一キ ング M (クリップ) を検出しても良い。
なお、 本発明の技術分野は、 上記実施形態に限定されるものではなく、 本発明 の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、 上記実施形態において、 制御部が、 センサから送られてきたマーキン グの数をカウン卜することにより、特定のマ一キングであるか否かを判断したが、 これに限られることはない。 例えば、 生体内にマ一キングを施す際に、 異なる形 状、 大きさや色等のマーキングを施し、 この形状、 大きさや色等の違いで特定の マ一キングを判断しても構わない。
また、 患部に位置を示す指標を特定のマーキングとしたが、 これに限られず、 例えば、 生体内の特徴のある形状や色等の部位を指標としても構わない。
また、 上記実施形態において、 ヒー夕を利用して薬剤を放出したが、 これに限 られるものではなく、 制御部によって放出手段を制御することができる構成であ れば構わない。 例えば、 カプセル型医療装置の吐出機構のようにピエゾ素子を利 用して薬剤を放出させても構わない。 また、 浸透圧を駆動力として薬剤を放出さ せても良いし、 親水性高分子等が吸水して膨潤する時に発生する膨潤圧を利用し て薬剤を放出させるようにしても構わない。
また、 特定のマーキングを 1つとしたが、 これに限られず、 患部が数個所ある 塌合には、 それぞれの患部の位置を示す特定のマ一キングを検出したときに、 投 薬するようにしても構わない。 更に、 患部を挟んで前後のマーキングを特定のマ 一キングとし、 最初の特定のマーキングで投薬を開始し、 次のマ一キングで投薬 を停止するよう設定しても構わない。 こうすることで、 薬剤を効率よく患部に対 して投与することができ、 複数の患部がある場合には有効である。
また、 投薬用カプセルに複数のリザ一バを設け、 各リザーバに異なる種類の薬 剤を収納させ、 患部に応じた投薬を行なっても構わない。
また、 第 2実施形態において、 投薬用カプセルは、 磁気センサを利用して磁性 体である特定のマーキングを検出したが、 これに限られず、 内視鏡検査等によつ て特定の形状や色等の特定のマ一キングを施し、 その特定のマーキングを検出で きるように構成されていれば良い。
更に、 上記実施形態においては、 体内の各部を撮像した撮像画像を生体情報と したが、 これに限られず、 p H値や圧力や体液等でも構わない。 この場合には、 撮像部に変えて各生体情報を取得可能とするように構成すれば良い。
また、 撮像部は、 患者の体内を一定時間の間隔で断続的且つ無作為に撮影する ものを適用したが、 これに限られず、 例えば、 ビデオ等のように体内を連続的に 撮影するものでも構わない。 この場合は、 ビデオ信号が記憶される。
また、 ビデオ等により体内を撮影するものに限定されず、 患者の体内情報を検 出して体外装置にデータ送信可能なものであれば構わない。 例えば、 へモグロビ ンセンサを内蔵した出血検査用カプセルや、 p H値、 圧力値、 温度、 微生物量、 酵素及び遺伝子異常等の体内情報を断続的に長時間取得する体内情報検査用カブ セルや、 超音波画像等の断続的に取得する超音波カプセルでも適用可能である。 次に、 本実施形態のもうひとつの変形例を、 図 5 1及び図 5 2を参照して説明す る。 本変形例のカプセル投薬システムでは、 観察用カプセル 8 3 0の移動距離を 体外ユニット 8 2 0が計測する。 即ち、 図 5 1に示すように、 経口投入される観 察用カプセル 8 3 0及び投薬用カプセル 8 1 0と、 生体外に配される体外ュニッ ト 8 2 0を備えている。
観察用カプセル 8 3 0は、 図 5 2に示すように、 筐体 1 1内に、 観察手段 1 2
により取得した撮像画像である生体情報を体外ュニット 8 2 0に向けて送信する 送信アンテナ (送信手段) 8 3 1と、 自己の位置情報を体外に送信する磁石 (位 置送信手段) 8 3 2とを有している。 即ち、 制御部 5 4 5は、 観察手段 5 3 2か ら取得した生体情報を所定処理すると共に、 送信アンテナ 8 3 1から送信するよ うになつている。 また、磁石 8 3 2は、磁力、 即ち、位置情報を体外に発する (送 信) ことで、 体外に自己位置を知らせるようになつている。
体外ユニット 8 2 0は、 図 5 1に示すように、 患者 Pを載せるベッド等の診察 台 8 2 1に取り付けられて磁石 8 3 2が発する磁力を検出する磁気センサ (位置 検出手段) 8 2 2と、 観察用カプセル 8 3 0の送信アンテナ 8 3 1から送信され た生体情報を受信する受信アンテナ (受信手段) 8 2 3と、 受信アンテナ 8 2 3 により受信された生体情報と磁気センサ 8 2 2により検出された位置情報である 磁力とに基づいて、 投薬が必要な患部 Xと患部 Xまでの移動距離とを特定する特 定部 (特定手段) 8 2 4とを有している。
また、 体外ュニット 8 2 0は、 体外磁石 8 2 5と表示モニタ 8 2 6 aを有する パーソナルコンピュータ (以下 P C ) 8 2 6とを有しており、 P C 8 2 6に磁気 センサ 8 2 2及び受信アンテナ 8 2 3が接続されると共に、 P C 8 2 6内に特定 部 8 2 4が内蔵されている。
体外磁石 8 2 5は、 診察台 8 2 1上の患者 Pに対して、 例えば、 患者 Pの腰骨 等の比較的骨格が表面近くにある部位に固定配置するようになっている。 また、 磁気センサ 8 2 2は、 複数配されており、 観察用カプセル 8 3 0の磁石 8 3 2及 び体外磁石 8 2 5の磁力を検出すると共に、 両磁石 8 3 2 , 8 3 2の差分から観 察用カプセル 8 3 0の 3次元的な位置を算出して特定部 8 2 4に送るようになつ ている。
受信アンテナ 8 2 3は、 受信した生体情報を特定部 8 2 4に送る機能 有して いる。 特定部 8 2 4は、 送られてきた生体情報である撮像画像から赤色のみを検 出すると共にその検出量を閾値と比較することにより投薬が必要な患部 Xを特定 するようになつている。 なお、 特定部 8 2 4は、 送られてきた生体情報を表示モ 二夕 8 2 6 aに表示する機能も有している。 また、 特定部 8 2 4は、 患部 Xの特 定後、 患部 Xを示す生体情報と、 磁気センサ 8 2 2から送られてきた観察用カブ
セル 8 3 0の位置とから、 患部 Xの位置までの移動距離を特定するようになって いる。
なお、 本実施形態においては、 表示モニタ 8 2 6 aに表示される生体情報に基 づいて医師等が患部 Xを診断して特定しても構わない。 また、 特定部 8 2 4で特 定された移動距離は、 投薬用カプセル 8 1 0のメモリに記録されるようになって いる。
このように構成された力プセル投薬システムにより、 患者 Pの体内の患部 Xに 対して薬剤 Aを投薬する場合について、 以下に説明する。
まず、 患者 Pは、 病院等の医療機関を訪れて医師の指示のもと、 診察台 8 2 1 上にて体外磁石 8 2 5を所定位置に位置させる。 この状態で、 患者 Pは、 観察用 カプセル 8 3 0を経口投入する。 経口投入された観察用カプセル 8 3 0は、 制御 部 3 0が観察手段 1 2より取得した生体情報を送信アンテナ 8 3 1から体外ュニ ット 8 2 0に向けて送信する。
この送信された生体情報は、 体外ュニット 8 2 0の受信アンテナ 8 2 3により 受信されて特定部 8 2 4に送られる。 特定部 8 2 4は、 送られてきた撮像画像で ある生体情報から (、 赤色のみを検出すると共にその検出量を予め設定されている 閾値と比較し、 その閾値以上である場合には、 投薬が必要な患部 Xを特定する。 一方、 磁気センサ 8 2 2は、 観察用カプ ル 8 3 0が経口投入され、 移動して いる間の磁石 8 3 2が発する磁力及び固定位置されている体外磁石 8 2 5の磁力 を検出する。 磁気センサ 8 2 2は、 この両磁石 8 3 2、 1 2 0の差分を検出する ことで、 観察用カプセル 8 3 0の位置を 3次元的に計測している。 そして、 計測 した観察用カプセル 8 3 0の位置を特定部 8 2 4に送っている。特定部 8 2 4は、 磁気センサ 8 2 2から送られてきた位置情報と、 特定した患部 Xを示す生体情報 とから投薬が必要な患部 Xの位置までの移動距離の特定を行う。
次いで、 投薬用カプセル 8 1 0のメモリに特定部 8 2 4で特定された移動距離 を記憶させる。 入力後、 患者 Pは、 投薬用カプセル 8 1 0を経口投入する。 この 投薬用カプセル 8 1 0の経口投入により、 特定された移動距離、 即ち患部 Xの位 置で薬剤 Aの放出が行え、 確実に崽部 Xに対して投薬することができる。 特に、 体外ュニット 8 2 0が、 観察用カプセル 8 3 0の位置検出を行うと共に移動距離
の特定を行うので、 観察用カプセル 8 3 0をより容易な構成にでき、 更なる小型 化を図ることができる。
本発明の技術分野は、 上記実施形態に限定されるものではなく、 本発明の趣旨 を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、 上記第 1、 第 2の各実施形態においては、 投薬位置特定装置を X線 C T装置とした例があるが、 これに限られるものではなく、 患部及び該患部の位置 を特定できるものであれば構わない。 例えば、 超音波診断装置、 内視鏡装置等で も良く、 更には、 図 5 3に示す P E T (Positron Emission Tomography) 装置 9 0 0等の核医学診断装置を用いても構わない。
上記 P E T装置 9 0 0 .は、 患者 Pの血流に放射線物質 (ラジオァイソトープ、 以下、 R I ) を注入し、 注入された R Iから放射された放射線を検出し、 画像化 するものである。
また、 上記 R Iは、 腫瘍等の患部 Xに集まる性質があるため、 該 R Iの位置検出 により患部 Xの特定及び該患部 Xの位置検出が行える。
この P E T装置 9 0 0は、 図 5 3に示すように、 患者 P等の被検者を挾んで互 いに対向する位置に配された一対の放射線検出器 9 0 1を備えており、 該放射線 検出器 9 0 1は、 対向面にそれぞれ 2次元マトリクス状に配された放射線検出素 子 9 0 2を有している。 また、 該放射線検出素子 9 0 2は、 検出した放射線を、 図 5 4に示す放射線検出回路 9 0 3を介して、 図 5 3に示す同時検出回路 9 0 4 に送るようになつている。 該同時検出回路 9 0 4は、 両放射線検出器 9 0 1にお いて、 同時にガンマ線の入射線の有無を検出しており、 同時にガンマ線が入射し た場合には、 エネルギ信号及びアドレス信号を読み出すと共に、 再構築装置 9 0 5に出力するようになっている。
上記再構築装置 9 0 5は、 送られてきたエネルギ信号及びアドレス信号を受け て、 それぞれの放射線検出器 9 0 1から出力されたエネルギ信号の示す値が、 ガ ンマ線のエネルギ値として基準値、 例えば、 5 1 1 k e V近傍にあるか否かを判 断しており、 いずれのエネルギ信号も上記基準値近傍であった場合には、 それぞ れのアドレス信号に基づいて画像の再構築を行うようになっている。 なお、 この 画像は、 モニタ 9 0 6に表示される。
なお、 P E T装置 9 0 0には、 略 1 8 0度方向に略同じ強さ (約 5 1 1 k e V) の放射線を略同時に放出する R Iが使用される。 そして、 P E T装置 9 0 0は、 放出された放射線が同時であると判断した場合に、 この 2つの放射線がそれぞれ 入射した放射線検出器 9 0 1の検出位置を結んだ直線上に R Iが存在するものと して、 画像を構成するようになっている。 即ち、 それぞれのアドレス信号が示す 位置を結んだ直線上に R Iが分布していると判断する。
また、 上記 P E T装置 9 0 0を特定装置として採用する場合には、 図 5 5に示 すように、 投薬用カプセル 9 1 0の筐体 1 1内に、 上記 R Iを内蔵すれば良い。 この P E T装置 9 0 0を利用して患部 Xに対して投薬を行う場合には、.投薬用 カプセル 9 1 0を経口投入すると、 モニタ 9 0 6に患部 Xの位置と、 投薬用カブ セル 9 1 0の位置とが R I位置表示という形で表示される。 そして、 投薬用カブ セル 9 1 0の移動 (例えば、 蠕動運動) をモニタ 9 0 6で確認しておき、 患部 X の位置と重なったとき、 又は、 近傍の位置にきたときに、 体外装置 3 5から放出 信号を送信して投薬用カプセル 9 1 0に薬剤 Aの放出を行わせることができる。 更に、 特定装置として、 三次元 C T装置や M R I装置等の診断機器を用いても 構わない。 これらの診断機器は、 例えば、 図 5 6に示すサ一フェイスレンダリン グ法、 即ち、 患者 Pの連続した C T画像について、 二値化処理を行ってポクセル データを作成し、 その後、 投影面からの距離を表す Zバッファを作成すると共に 光の反射を考慮してシエーディングを行うことで、 3次元の表面画像を構築する ことができる。 なお、 この三次元画像は、 組織内側も外側も構築することができ るものである。
三次元の表面画像の構築後、 医師等又はパーソナルコンピュータは、 モニタ等 に表示された三次元の表面画像に基づいて患部 Xの特定を行うと共に、 患部 の 三次元位置を特定する。 なお、 複数の情報がある場合には、 複数の位置を求めて も構わない。
患部 X及び該患部 Xの位置の特定後、 患部 Xの位置情報を体外装置 3 5のメモ リ 5 3にダウン口一ドして記録する。 その後、 体外装置 3 5の判断部 5 1が、 経 口投入された投薬用カプセル 9 1 0から送られてくる位置情報と、 メモリ 5 3に 記録された患部 Xの位置情報とを比較して、 患部 Xの位置情報の近傍にきたとき
に、 放出信号を送信して投薬用カプセル 9 1 0に薬剤 Aの放出を行わせることが できる。
なお、 判断部 5 1は、 投薬用カプセル 9 1 0から送られてくる位置情報が患部 Xの位置情報から遠ざかった場合には、 投薬用カプセル 9 1 0に薬剤 Aの放出を 中止するコマンドを送信しても良い。 また、 患部 Xが複数特定された場合には、 患部 Xの位置に近づく毎に上述したことが繰り返される。
また、 特定装置は、 ヘリカル C Tや超音波観測装置等の断層像を得ることがで きる診断装置であれば応用可能である。
また、 投薬用カプセルの位置情報を検出するために、 投薬用カプセルから電波 を送信したが、 これに限られるものではなく、 体外ユニットが投薬用カプセルの 位置を検出できる情報であれば良い。例えば、投薬用カプセル内に磁石等を備え、 体外ュニットが磁力の強さにより投薬用カプセルの位置を検出しても構わない。 また、 投薬角カプセル内の磁石に加え、 患者等に固定用磁石を配設して両磁石が 発する磁力の差分を測定することで、 投薬用カプセルの位置を検出しても良い。 更に、 患者は、 投薬用カプセルと通信を行うため、 複数のアンテナから構成さ れるアンテナユニットを装着しても良い。 この際、 各アンテナの位置は、 予め設 定された場所に貼り付けられている。 こうすることで、 投薬用カプセルから送信 された電波の強度を各アンテナ毎に取得できるので、 体外装置が投薬用カプセル の位置を高精度に認識することができる。 また、 投薬用カプセルと体外装置との 間で、 双方向通信を行うシステムであるので、 体外装置に接続された各アンテナ を通して送信した電波強度を投薬用カプセルで検出し、 その検出された電波強度 の差から位置を算出するシステムとしても良い。
また、 第 2実施形態において、 判断部は、 撮像画像から赤色を検出して閾値と 比較するようにしても構わない。 また、 赤色以外の他の色 (青、 緑、 蛍光、 赤外 線等) に注目すると共に、 これらの色の検出量を閾値と比較しても構わない。 ま た、 色だけではなく、 形態的な特徴を抽出し、 これに基づいて診断しても構わな い。
また、 上記第 3実施形態、 第 5実施形態、 第 6実施形態において、 特定装置、 即ち、 内視鏡装置が患部の位置情報を挿入長さに対応させた画像情報、 或いは、
移動距離に対応させた画像情報により特定したが、 これに限られることはない。 また、 投薬用カプセルのメモリに三次元情報を記録して、 投薬用カプセル自身 が患部の位置に達したか否かを判断しても良い。
また、 上記第 5実施形態において、 計測部により消化官内腔壁の表面に光を照 射して表面情報を読み取り、 該表面情報の経時的変化に基づいて移動距離を算出 したが、これに限られず、体内での移動距離を測定できる構成であれば構わない。 例えば、 撮像部が、 計測部を兼ねても構わない。 即ち、 消化官内腔壁の表面を撮 像し、 この表面情報の経時的変化に基づいて移動距離を算出しても構わない。 特 に、 消化管の中心線を求める画像処理を行うことで、 高精度に移動距離を測定す ることができる。 更には、 必要に応じて口一パスフィルタ処理を行うことで、 滑 らかな消化管の走行線を得ることができる。
また、 上記各実施形態において、 投薬用カプセルは、 膨張性薬剤を利用して薬 剤を放出させたが、 これに限られず、 リザーバ内に保持されている薬剤を放出で きる構成であれば良い。
更に、 上記各実施形態においては、 体内の各部を撮像した撮像画像を生体情報 としたが、 これに限られず、 ビデオ等のように体内を連続的に撮影するものでも 構わない。 この場合には、 ビデオ信号が記憶される。
更に、 ビデオ等により体内を撮影するものに限定されず、 患者の体内情報を検 出して体外装置にデータ送信可能なものであれば構わない。 例えば、 へモグロピ ンセンサを内蔵した出血検査用カプセルや、 p H値、 微生物量及び遺伝子異常等 の体内情報を断続的に長時間取得する体内情報検査用カプセルや、 超音波画像等 を断続的に取得する超音波カプセルでも適用可能である。
更に、 上記各実施形態において、 観察用カプセル及び投薬用カプセルは、 それ ぞれ L E Dにより消化管内腔壁の表面に光を照射して光学センサで表面情報を読 み取り、 該表面情報の経時的変化に基づいて移動距離を算出したが、 L E D等を 常に構成要素とする必要はなく、 例えば、 観察手段が観察用計測手段を兼ねても 構わない。 即ち、 対物レンズで消化管内腔壁の表面を撮像し、 この表面情報の経 時的変化に基づいて移動距離を算出しても構わない。 こうすることで、 更なる小 型化を図ることができる。
また、 観察用計測手段及び投薬用計測手段は、 表面情報の経時的変化により移 動距離を算出するようにしたが、 これに限られず、 体内の移動距離を計測できる 構成であれば構わない。
また、 観察用カプセルと同様に、 投薬用カプセル内においても観察手段を内蔵 しても良い。 この場合には、 移動距離の測定と体内の撮像が同時に可能であるの で、 患部に対する投薬の正確性が更に向上する。 更に、 上述したと同様に、 観察 手段に投薬用計測手段の機能を兼用させても構わない。
また、 観察手段により撮像した体内の撮像画像を生体情報としたが、 撮像画像 に限られるものではない。 例えば、 体内の p H値を検出するセンサや、 出血を検 出する血液センサ等でも構わない。 この場合では、 体内での出血の有無、 量や血 液成分等の血液情報を生体情報とすることができる。 また、 血液センサと上記観 察手段とを組み合わせた取得手段にしても構わない。 こうすることで、 より正確 な体内の生体情報を取得することが可能である。
また、 投薬用カプセルは、 膨張性薬剤を利用して薬剤を放出させたが、 これに 限られず、 リザ一バ内に保持されている薬剤を放出できる構成であれば良い。 また、 特定部は、 生体情報である撮像画像から赤色を検出して閾値と比較した が、 これに限られず、 有限要素法等の手法の活用や赤色以外の他の色 (青、 緑、 蛍光、 赤外線等) に注目すると共に、 これらの色の検出量を閾値と比較しても構 わない。 また、 色だけではなく、 形態的な特徴を抽出し、 これに基づいて患部を 特定しても構わない。
また、 第 5実施形態及び第 8実施形態において、 体外ユニットの特定部は、 生 体情報を閾値と比較することで、 投薬が必要な患部を特定したが、 これに限られ ず、 医師の判断により患部を特定しても構わない。 こうすることで、 より詳細な 診断ができ確実に患部を特定することができる。
更に、 特定の移動距離を 1つとしたが、 これに限られず、 患部が複数箇所ある場 合には、 それぞれの患部までの移動距離を設定し、 各位置で投薬するようにして も構わない。 また、 投薬用カプセルに複数のリザ一バを設け、 各リザ一バに異な る種類の薬剤を収納させ、 患部に応じた投薬を行っても良い。
また、 第 8実施形態において、 観察用カプセルが磁石を内蔵し、 位置情報とし
て磁力を発する構成にしたが、 これに限らず、 電波を送信しても構わない。 この 場合には、 体外ユニットにて電波を受信すると共に、 電波強度に基づいて観察用 カプセルの位置を算出すれば良い。
更には、 観察用カプセル又は投薬用カプセル内に加速度センサを内蔵し、 通信 により体外ュニットに向けて位置情報として加速度情報を送信し、 体外ュニッ卜 がこれを受信すると共に体外に配された体外加速度センサとの差分により体内で の加速度を検出し、 該加速度を 2回積分することで、 体内での移動距離を計測し ても構わない。
また、 上記各実施形態においては、 体内の各部を撮像した撮像画像を生体情報 としたが、 これに限られず、 ビデオ等のように体内を連続的に撮影するものでも 構わない。 この場合には、 ビデオ信号が記憶される。
更に、 ビデオ等により体内を撮影するものに限定されず、 患者の体内情報を検 出して体外装置にデータ送信可能なものであれば構わない。 例えば、 へモグロビ ンセンサを内蔵した出血検査用カプセルや、 p H値、 微生物量及び遺伝子異常等 の体内情報を断続的に長時間取得する体内情報検査用カプセルや、 超音波画像等 を断続的に取得する超音波カプセルでも適用可能である。
また、 点墨によるマーキング手段あるいは投薬手段を採用している上記実施形 態においては、液体を吐出する方法として、投薬用カプセルに細く短い注射針(局 注手段) を設け、 それを消化管壁に刺し、 マーキング剤あるいは薬液を投与する 構成を採用してもよい。 この構成では、 投薬用カプセルが所望の部位に到達した ら、 図 5 7に示すように、 カプセル 1 0内に埋設された複数の微小な注射針 1 0 0 1が、 筐体 1 1の外表面から放射状に突出し、 管壁の粘膜に刺さり、 マ一キン グ剤あるいは薬液を吐出する。 注射針 1 0 0 1の突出には、 圧電ァクチユエ一夕 や導電性高分子ァクチユエ一夕等を利用することができる。 さらに、 注射針 1 0 0 1に超音波振動子を設け; これを振動させながら注射針 1 0 0 1を突出させれ ば、 注射針 1 0 0 1が粘膜により刺さり易くなる。 また、 注射針 1 0 0 1は同時 にすベてを動かすのではなく、 1本ずつ単独で動かしても良い。 これにより、 マ 一キング剤を消化管壁により確実に施すことができる。 また、 薬剤を患部により 確実に投与する.ことができ、 治癒効果をさらに高めることが期待できる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 経口投入されたカプセル型 医療装置が生体内を移動しながら通信部により外部装置との間で信号の送受信を 行う。 一方、 情報取得部は、 生体から各種の情報の取得を行う。 ここで、 比較部 は、 情報取得部で取得された情報と、 条件入力部により外部装置に薬剤放出部を 動作させるために入力された条件とを比較し、 例えば、 取得された情報と入力さ れた条件とがー致したときに、 投薬が必要な患部の位置にカプセル型医療装置が 達したと判断を行う。 これを受けて外部装置は、 カプセル型医療装置に信号を送 信し、 薬剤放出部を作動させて薬剤を放出させる。
これにより、 条件入力部で入力した位置にて薬剤を放出でき、 所望する患部に 対して直接的に投薬を行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 条件入力部に投薬位置特定 装置が接続されているので、 外部装置に投薬が必要な部位を判断するためのデー 夕を入力することができる。 従って、 投薬が必要な部位に対して高精度に投薬を 行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 C Tにより特定されたデー 夕を、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確な投薬を行うこ とができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 X線観察装置により特定さ れたデ一夕を、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確な投薬 を行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 M R Iにより特定されたデ 一夕を、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確な投薬を行う ことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 P E Tにより特定されたデ 一夕を、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確な投薬を行う ことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 超音波断層観測装置により 特定されたデータを、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確 な投薬を行うこ ができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 内視鏡装置により特定され たデータを、 カプセル型医療装置に反映させることができるので、 正確な投薬を 行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 投薬位置特定装置からの情 報を簡略するので、比較部は、比較演算の総量を小さく抑えた状態で比較が行え、 容易にデ一夕の比較を行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 マ一キング検出手段により 検出したマーキングの位置で投薬を行えるので、 患部に対して高精度に投薬を行 うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 管腔内の移動距離に基づい て、 投薬が必要な患部の位置で投薬できるので、 患部に対して高精度に投薬を行 うことができる。
本発明のカプセル投薬システムによれば、 条件入力部で入力した位置にて薬剤 を放出でき、 所望する患部に対して直接的に投薬を行うことができる。
この発明に係る投薬用カプセルにおいては、 生体内に経口投入された後、 検出 手段が指標を探しながら生体内を移動する。 そして、 移動中に検出手段が、 特徴 のある形状、 色やマーキング等の指標を検出すると、 その旨を放出制御手段に送 る。 放出制御手段は、 この検出手段の出力を受けて、 放出手段を作動させて薬剤 保持部内の薬剤を生体内に放出させる。 つまり、 患部の位置を示す指標の位置で 薬剤の放出が行える。 このように、 生体内の所望する部位 (患部) に、 容易且つ 直接的にアプローチすることができると共に、 さらに投薬を行うことができる。 特に、 患部を検出してから投薬を行うのではなく、 患部の位置を示す指標を検出 して投薬を行うので、 投薬前に患部を通過することがなく、 患部に対して効率良 く投薬を行うことができる。
この発明に係るカプセル型医療装置においては、 生体内に経口投入された後、 生体情報取得手段が生体情報を取得すると共に、 マーキング手段が体腔内に指標 を残しながら生体内を移動する。 また、 伝達手段が、 生体情報と指標とを筐体の 外部に対して伝達する。 この伝達された生体情報と指標とから、 生体内の所望す る部位を指標により容易に検出することができると共に所望する部位に対して直
接的なアプローチを行うことができる。
この発明に係るカプセル型医療装置システムにおいては、 例えば、 内視鏡装置 等の医療装置を体腔内に挿入し、 生体情報取得手段により体腔内の生体情報の取 得を行うと共に、 取得した生体情報に基づいて、 マーキング手段により患部等の 所望する部位に指標を残す。 その後、 経口投入されたカプセル型医療装置は、 指 標検出手段により体腔内に残された指標を検出しながら体腔内を移動する。 そし て、 指標検出手段が指標を検出すると、 この検出情報に基づいて制御部が薬剤放 出部を作動させて薬剤収納部内の薬剤を放出させる。
このように、 所望する部位に、 容易且つ直接的にアプローチすることができると 共にさらに投薬を行うことができる。 特に、 患部を検出してから投薬を行うので はなく、 患部の位置を示す指標を検出して投薬を行うので、 投薬前に患部を通過 することがなく、 患部に対して効率良く投薬を行うことができる。
この発明に係るカプセル型医療装置システムにおいては、 第 2のカプセル型医 療装置を経口投入することで、 情報伝達部が、 生体情報取得手段で取得した生体 情報とマ一キング手段の動作情報とを外装部の外部に対して伝達する。 また、 受 信装置が、 伝達された生体情報と動作情報とを受信すると共に、 これらの情報か ら体腔内の所望する部位を指標として検出する。 その後、 経口投入されたカプセ ル型医療装置により、 指標位置を検出して該指標位置で薬剤の放出が行える。 こ のように、 医療装置を第 2のカプセル型医療装置で構成できるので、 小型化を図 ることができ、 簡便に患者等に経口投入することができる。
この発明に係る制御方法においては、 例えば、 内視鏡装置等により、 生体内を 撮像することで生体情報を得ると共に、 得られた情報に基づいて投薬位置の決定 を行う。 また、 投薬位置の決定後、 該投薬位置近傍に指標をつける。 次いで、 投 薬用カプセル ¾、 例えば、 経口投入することで体腔内に挿入する。 揷入された投 薬用カプセルは、 体腔内を移動する際に、 投薬位置近傍につけられた指標の検出 を行う。 そして、 指標を検出したときに、 薬剤放出制御部が、 薬剤放出部を作動 するよう制御を行う。 このように、 指標を検出したことを卜リガとして、 薬剤放 出部の作動タイミングの制御を行うことができる。
この発明に係る制御方法においては、 例えば、 投薬用カプセルとは別のカプセ
ルを生体内に挿入し、 生体情報を取得すると共に指標を残しながら生体内を移動 させる。 また、 同時に生体情報と指標を付けたタイミングとを関連付けて記録を 行う。 また、 生体情報から投薬位置を決定し、 該投薬位置を投薬用カプセルに指 定した後、 投薬用カプセルを、 例えば、 経口投入することで体腔内に挿入する。 挿入された投薬用カプセルは、体腔内を移動する際に、指標を検出を行うと共に、 該指標から投薬位置の検出を行う。 そして、 投薬位置を検出したときに、 薬剤放 出制御部が、 薬剤放出部を作動するよう制御を行う。 このように、 投薬位置を検 出したことをトリガとして、 薬剤放出部の作動タイミングの制御を行うことがで きる。
本発明に係る投薬用カプセルによれば、 生体内を移動中に、 検出手段が特徴の ある形状、 色やマーキング等の指標を検出すると、 放出制御手段が放出手段を作 動させて薬剤保持部内の薬剤を生体内に放出させる。 従って、 生体内の所望する 部位 (患部) に、 容易且つ直接的にアプローチすることができると共に、 さらに 投薬を行うことができる。 特に、 患部を検出してから投薬を行うのではなく、 患 部の位置を示す指標を検出して投薬を行うので、 投薬前に患部を通過することが なく、 患部に対して効率良く投薬を行うことができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 観察用カプセルが、 患者等 の生体内に経口投入され該生体内を移動する際、 取得手段により撮像画像等の生 体情報を取得すると共に、 観察用計測手段により経口投入されてからの移動距離 の測定を行う。 この際、 取得された生体情報は、 移動距離に関連付けられてメモ リに順次記録される。 特定手段は、 メモリに記録された生体情報に基づいて、 例 えば、 生体内の撮像画像の赤色の量が閾値以上となったときに出血していると判 断して投薬が必要な患部であると特定すると共に、 該患部に示される生体情報と メモリに記録されている生体情報に関連付けられた移動距離とから投薬が必要な 患部までの移動距離を特定する。
移動距離の特定後、 経口投入された投薬用カプセルは、 投薬用計測手段により 移動距離を測定しながら体内を移動する。 ここで、 判断手段は、 計測された移動 距離と特定手段により特定された移動距離とを比較し、 特定された移動距離であ ると判断するとその旨を制御手段に知らせる。 これを受けて、 制御手段は、 放出
手段を作動させて薬剤保持部内の薬剤を放出する。
これにより、 患部の位置で薬剤を放出でき、 確実に患部に対して投薬すること ができる。 特に、 患部を検出してから投薬を行うのではなく、 移動距離に基づい て投薬を行うので、 患部を通りすぎることなく的確 (直接的) に薬剤を投与する ことができる。 また、 投薬用カプセル自身が、 特定された移動距離であるかを判 断して投薬を行うので、 判断のための別個の外部装置等を必要としない。 そのた め、 外部装置等との通信による時間的ロスがなく、 移動距離の測定から薬剤の放 出にかける時間が短時間で済むので、 患部に対して高精度に投薬を行うことがで さる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 観察用カプセルが、 患者等 の生体内に経口投入され該生体内を移動する際、 取得手段により撮像画像等の生 体情報を取得すると共に、 観察用計測手段により経口投入されてからの移動距離 の測定を行う。 この際、 取得された生体情報は、 移動距離に関連付けられて送信 手段により体外ュニットに向けて送信を行う。
送信された情報は、 体外ュニットの受信手段により受信されると共に特定手段 に送られる。 該特定手段は、 受信手段から送られてきた生体情報に基づいて、 例 えば、 生体内の撮像画像の赤色の量が閾値以上となったときに出血していると判 断して投薬が必要な患部であると特定すると共に、 該患部が示される生体情報と 受信手段から送られてきた生体情報に関連付けられた移動距離とから、 投薬が必 要な患部までの移動距離を特定する。
移動距離の特定後、 経口投入された投薬用カプセルは、 投薬用計測手段により 移動距離を測定しながら体内を移動する。 ここで、 判断手段は、 計測された移動 距離と特定手段により特定された移動距離とを比較し、 特定された移動距離であ ると判断するとその旨を制御手段に知らせる。 これを受けて、 制御手段は、 放出 手段を作動させて薬剤保持部内の薬剤を放出する。
これにより、 患部の位置で薬剤を放出でき、 確実且つ直接的に患部に対して投 薬することができる。 特に、 体外ユニットが、 診断及び移動距離の特定を行うの で、 観察用カプセルを容易な構成にでき、 小型化を図ることができる。
この発明に係 ¾カプセル投薬システムにおいては、 観察用カプセルが、 患者等
の生体内に経口投入され該生体内を移動する際、 取得手段により撮像画像等の生 体情報を取得すると共に、 送信手段により体外ユニットに向けて送信を行う。 ま た、 位置送信手段により磁力や電波等の位置情報を生体外に送信して自己の位置 を知らせる。
体外ュニットの位置検出手段は、 位置送信手段から送信された位置情報を検出 することにより、 生体内での投薬用カプセルの位置を検出する。 つまり、 経口投 入されてから生体内を移動する間の位置検出を行っている。 一方、 送信手段から 送信された生体情報は、 体外ュニッ卜の受信手段により受信されて特定手段に送 られる。該特定手段は、受信手段から送られてきた生体情報に基づいて、例えば、 生体内の撮像画像の赤色の量が閾値以上となったときに出血していると判断して 投薬が必要な患部であると特定すると共に、 位置検出手段により検出された投薬 用カプセルの位置に基づいて、 患部の位置までの移動距離の特定を行う。
移動距離の特定後、 経口投入された投薬用カプセルは、 投薬用計測手段により 移動距離を測定しながら体内を移動する。 ここで、 判断手段は、 計測された移動 距離と特定手段により特定された移動距離とを比較し、 特定された移動距離であ ると判断するとその旨を制御手段に知らせる。 これを受けて、 制御手段は、 放出 手段を作動させて薬剤保持部内の薬剤を放出する。
これにより、 患部の位置で薬剤を放出でき、 確実且つ直接器に患部に対して投 薬することができる。 特に、 体外ユニットが、 観察用カプセルの位置検出を行う と共に移動距離の特定を行うので、 観察用カプセルをより容易な構成にでき、 更 なる小型化を図ることができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 情報取得手段が、 例えば、 消化管内腔壁の表面を断続的に撮像して該表面の凹凸形状等の表面情報の取得を 行う。 そして、 算出手段が、 取得された表面情報、 即ち、 凹凸形状の経時的変化 に基づいて移動距離の算出を行う。 このように、 消化管内腔壁の表面情報に注目 することで、 容易且つ確実に移動距離を測定することができ、 患部に対する投薬 の正確性を向上させることができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 照明手段により生体を照明 することで、 撮像手段により確実に生体内の撮像が行える。 このように観察手段
で得られた撮像画像を生体情報として取得することができる。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 血液センサにより取得され た生体内の血液の有無、 量や成分等の血液情報を生体情報として取得することが できる。
本発明のカプセル投薬システムによれば、 患部の位置を示す特定の移動距離だ け移動したときに、 薬剤の放出が行えるので、 患部に対して直接的に投薬を行う ことができる。 この際、 患部を検出してから投薬を行うのではなく、 移動距離に 基づいて投薬を行うので、 患部を通り過ぎることなく、 的確に薬剤を投与するこ とができる。 特に、 投薬用カプセル自身が、 特定された移動距離であるか否かを 判断して投薬を行うので、 移動距離の計測から薬剤放出にかける時間が短時間で 済み、 患部に対して高精度に投薬することができる。
また、 本発明には、 以下のものが含まれる。
〔付記項 1 j
生体内に経口投入されて自己の位置情報を生体外に送信する情報送信部を有す る投薬用カプセルと、 投薬が必要な患部と該患部の位置とを特定する特定装置を 有する体外ュニットとを備え、
該体外ユニットが、 前記位置情報を受信する体外受信部と、 該体外受信部によ り受信した前記位置情報と前記特定装置により特定した前記患部の位置情報とか ら該患部の位置に達したか否かを判断する判断部と、 前記判断部が前記患部の位 置に前記投薬用カプセルが達したと判断したときに該投薬用カプセルに向けて放 出信号を送信する体外送信部とを備え、
前記投薬用カプセルが、カプセル状の筐体内に、薬剤を保持する薬剤保持部と、 該薬剤保持部に保持された薬剤を放出する放出部と、 前記放出信号を受信する受 信部と、 該受信部により前記放出信号を受信したときに前記放出部を作動させる 制御部とを備えることを特徴とする力プセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 X線 C T装置や内視鏡装置 等の特定装置により生体内を診断し、 生体内の患部と該患部の位置を特定する。 特定後、 生体内に経口投入された投薬用カプセルは、 情報送信部が電波等の送信 により自己の位置情報を生体外に送信しながら生体内を移動する。 この位置情報
は、 体外ユニットの体外受信部により受信され判断部に送られる。 該判断部は、 送られてきた位置情報と特定装置により特定された患部の位置情報とがー致した ときに、 投薬用カプセルが患部の位置に達したと判断を行う。 この判断により、 体外送信部が投薬用カプセルに向けて放出信号を送信する。 一方、 生体内を移動 している投薬用カプセルは、 受信部が放出信号を受信すると、 制御部が、 放出部 を作動させて薬剤保持部に保持されている薬剤を筐体外部に放出する。
これにより、 特定装置で特定した患部の位置にて薬剤を放出でき、 患部に対し て直接的に投薬を行うことができる。 特に、 患部の診断に実績のある X線 C T装 置等の特定装置により特定された患部の位置情報を、 投薬用カプセルに反映させ るので、 正確な投薬を行うことができる。
〔付記項 2〕
付記項 1に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体情報を取得する観察部を備え、 前記体外送信部が、 前記判断部の判断結果を受けて前記投薬用カプセルに向け て生体情報取得信号を送信する機能を有し、
前記受信部が、 前記生体情報取得信号を受信する機能を有し、
前記制御部が、 前記受信部により前記生体情報取得信号を受信したときに前記 観察部を作動させる機能を有し、
前記情報送信部が、 前記観察部により取得した前記生体情報を生体外に送信す る機能を有し、
前記体外受信部が、 前記生体情報を受信する機能を有し、
前記判断部が、 前記体外受信部により受信された前記生体情報に基づいて投薬 するか否かを判断すると共に、 投薬すると判断したときに前記投薬用カプセルに 向けて前記放出信号を送信するよう前記体外送信部を制御する機能を有すること を特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 体外ュニットの判断部が、 投薬用カプセルが患部の位置に達したと判断すると、 体外送信部により投薬用力 プセルに向けて生体情報取得信号を送信する。 生体内を移動している投薬用カブ セルは、 受信部によりこの生体情報取得信号を受信すると、 制御部が観察部を作
動させる。 これを受けて観察部は、 患部の位置の撮像画像、 P H値、 血液成分等 の生体情報の取得を行う。 この取得された生体情報は、 情報送信部により生体外 に送信される。 また、 送信された生体情報は、 体外ユニットの体外受信部により 受信され、 判断部に送られる。 該判断部は、 送られてきた生体情報を、 例えば、 予め設定されている閾値と比較することにより、 投薬が必要であるか否かを判断 する。 その結果、 投薬が必要であると判断したときに、 体外送信部により投薬用 カプセルに向けて放出信号を送信する。 これを受けて、 投薬用カプセルは薬剤の 放出を行う。
このように、 患部の位置に達した後、 更に、 該位置での生体情報に基づいて投 薬するか否かの判断を行うので、 特定装置により特定された患部であるかを確実 に判断して投薬することができる。 従って、 投薬の信頼性を向上することができ る。
〔付記項 3〕
付記項 1又は 2に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を撮像する画像取得装 置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 画像取得装置により撮像した撮像 画像に基づいて前記患部を特定すると共に、 該揷入部を生体内に挿入する間の該 挿入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて前 記患部の位置を特定し、
前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体内を撮像する撮像部を備え、 前記情報送信部が、 生体内に経口投入されてからの経過時間とこれに対応した 前記撮像部により撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報として送信 することを特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 揷入部を生体内に挿入し、 画像取得装置による撮像画像に基づいて患部の特定が行える。 この際、 特定装置 は、 生体内での揷入部の挿入長さと、 これに対応した画像取得装置による画像情 報とに基づいて患部の位置の特定を行う。
また、 経口投入された投薬用カプセルは、 生体内を移動する際に、 撮像部によ り生体内を撮像しながら移動する。 また、 情報送信部は、 経口投入されてからの
経過時間と、 これに対応した撮像部により撮像された画像情報とに基づいて自己 の位置情報を決定すると共に生体外に送信する。 なお、 画像情報には、 輝度や色 バランス等も含まれる。 即ち、 自己の位置情報としては、 例えば撮像画像や輝度 や色バランスの経時的変化等である。
また、 体外ユニットの判断部は、 患部の位置情報、 即ち、 揷入部の挿入長さに 対応した画像情報の変化と、 投薬用カプセルの位置情報、 即ち、 経口投入されて からの経過時間に対応した画像情報の変化とを比較して、 両情報が一致したとき に投薬用力プセルが患部の位置に達したと判断する。
このように、 内視鏡装置により正確に特定された患部の位置情報を、 挿入長さ に対応させた画像情報で特定し、 また投薬用カプセルの位置情報を、 経過時間に 対応させた画像情報で特定することで、 両情報を比較し易く、 内視鏡装置により 正確に特定された患部の位置で投薬を行うことができる。
〔付記項 4〕
付記項 1又は 2に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を撮像する画像取得装 置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 画像取得装置により撮像した撮像 画像に基づいて前記患部を特定すると共に、 該揷入部を生体内に挿入する間の該 挿入部の揷入長さとこれに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて前 記患部の位置を特定し、
前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体内を撮像する撮像部と、 生体内の 移動距離を計測する計測部とを備え、
前記情報送信部が、 前記計測部により計測した移動距離とこれに対応した前記 撮像部により撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報として送信する ことを特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 揷入部を生体内に挿入し、 画像取得装置による撮像画像に基づいて患部の特定が行える。 この際、 特定装置 は、 生体内での揷入部の挿入長さと、 これに対応した画像取得装置による画像情 報とに基づいて患部の位置の特定を行う。
また、 経口投入された投薬用カプセルは、 生体内を移動する際に、 計測部によ
り生体内の移動距離を測定しながら移動を行う。 また、 情報送信部は、 計測部に より計測した移動距離と、 これに対応した撮像部により撮像された画像情報とに 基づいて自己の位置情報を決定すると共に生体外に送信する。
また、 体外ユニットの判断部は、 患部の位置情報、 即ち、 揷入部の挿入長さに 対応した画像情報の変化と、 投薬用カプセルの位置情報、 即ち、 移動距離に対応 した画像情報の変化とを比較して、 両情報が一致したときに投薬用カプセルが患 部の位置に達したと判断する。
このように、 内視鏡装置により正確に特定された患部の位置情報を、 挿入長さ に対応させた画像情報で決定し、 また投薬用カプセルの位置情報を、 移動距離に 対応させた画像情報で決定することで、 両情報を比較し易く、 内視鏡装置により 正確に特定された患部の位置で投薬を行うことができる。
〔付記項 5〕
生体内に経口投入される投薬用カプセルと、 投薬が必要な患部と該患部の位置 とを特定する特定装置とを備え、
前記投薬用カプセルが、カプセル状の筐体内に、薬剤を保持する薬剤保持部と、 該薬剤保持部に保持された薬剤を放出する放出部と、 前記特定装置により特定さ れた前記患部の位置情報を記録するメモリと、 生体内での自己の位置を検出する 検出部と、 該検出部により検出した自己の位置情報と前記メモリに記録されてい る前記患部の位置情報とから該患部の位置に達したか否かを判断する判断部と、 該判断部が前記患部の位置に達したと判断したときに前記放出部を作動させる制 御部とを備えることを特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 X線 C T装置や内視鏡装置 等の特定装置により生体内を診断し、 生体内の患部と該患部の位置を特定する。 特定後、 患部の位置情報を投薬用カプセルのメモリに記録する。 その後、 経口投 入された投薬用カプセルは、 検出部により自己の位置を検出しながら、 例えば、 生体内を撮像したり、 p H値の変化を検出したりしながら生体内を移動する。 ま た、 判断部が、 検出部により検出された自己の位置情報と、 メモリに記録されて いる患部の位置情報とに基づいて患部の位置に達したか否かを判断している。 こ こで、 患部の位置に達したと判断すると、 制御部が、 放出部を作動させて薬剤保
持部に保持されている薬剤を筐体外部に放出する。
これにより、 特定装置で特定した患部の位置にて薬剤を放出するので、 患部に 対して直接的に投薬を行うことができる。 この際、 患部の診断に実績のある X線 C T装置等の特定装置により特定された患部の位置情報が、 投薬用カプセルに反 映されるので、 正確な投薬を行うことができる。 また、 投薬用カプセル自身が、 患部の位置に達したか否かの判断を行っているので、 自己の位置の検出から薬剤 放出にかける時間を短くでき、高精度に患部の位置にて投薬を行うことができる。
〔付記項 6〕
付記項 5に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を撮像する画像取得装 置を有する挿入部を備えた内視鏡装置であり、 画像取得装置により撮像した撮像 画像に基づいて前記患部を特定すると共に、 該揷入部を生体内に挿入する間の該 揷入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて前 記患部の位置を特定し、
前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体内を撮像する撮像部を有し、 前記検出部が、 生体内に経口投入されてからの経過時間と、 これに対応した前 記撮像部により撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報を検出するこ とを特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 特定装置が、 画像取得装置 で生体内を撮像しながら掙入部の挿入が行えると共に、 画像取得装置による撮像 画像に基づいて患部の特定が行える。 この際、 特定装置は、 生体内での挿入部の 挿入長さと、 これに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて患部の位 置の特定を行う。
また、 経口投入された投薬用カプセルは、 生体内を移動する際に、 撮像部によ り生体内を撮像しながら移動する。 また、 検出部は、 経口投入されてからの経過 時間と、 これに対応した撮像部により撮像された画像情報とに基づいて自己の位 置情報を決定し、 該自己の位置情報と、 患部の位置情報、 即ち、 揷入部の挿入長 さに対応した画像情報の変化とを比較して、 両情報が一致したときに患部の位置 に達したと判断する。 なお、 画像情報には、 輝度や色パランス等も含まれる。 即
ち、 自己の位置情報としては、 例えば撮像画像や輝度や色バランスの経時的変化 等である。
このように、 内視鏡装置により正確に特定された患部の位置情報を、 挿入長さ に対応させた画像情報で決定し、 また投薬用カプセルの位置情報を、 経過時間に 対応させた画像情報で決定することで、 両情報を比較し易く、 内視鏡装置により 正確に特定された患部の位置で投薬を行うことができる。
〔付記項 7〕
付記項 5に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記特定装置が、 生体内に挿入されると共に先端に体内を撮像する画像取得装 置を有する揷入部を備えた内視鏡装置であり、 画像取得装置により撮像した撮像 画像に基づいて前記患部を特定すると共に、 該揷入部を生体内に挿入する間の該 揷入部の挿入長さとこれに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて前 記患部の位置を特定し、
前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体内を撮像する撮像部と、 生体内の 移動距離を計測する計測部とを備え、
前記検出部が、 前記計測部により計測した移動距離と、 これに対応した前記撮 像部により撮像した画像情報とに基づいて前記自己の位置情報を検出することを 特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 特定装置が、 画像取得装置 で生体内を撮像しながら挿入部の挿入が行えると共に、 画像取得装置による撮像 画像に基づいて患部の特定が行える。 この際、 特定装置は、 生体内での掙入部の 挿入長さと、 これに対応した画像取得装置による画像情報とに基づいて患部の位 置の特定を行う。
また、 経口投入された投薬用カプセルは、 生体内を移動する際に、 計測部によ り生体内での移動距離を計測しながら移動する。 また、 検出部は、 計測部により 計測された移動距離と、 これに対応した撮像部により撮像された画像情報とに基 づいて自己の位置情報を決定し、 該自己の位置情報と、 患部の位置情報、 即ち、 揷入部の挿入長さに対応した画像情報の変化とを比較して、 両情報が一致したと きに患部の位置に達したと判断する。
このように、 内視鏡装置により正確に特定された患部の位置情報を、 挿入長さ に対応させた画像情報で特定し、 また投薬用カプセルの位置情報を、 移動距離に 対応させた画像情報で特定することで、 両情報を比較し易く、 内視鏡装置により 正確に特定された患部の位置で投薬を行うことができる。
〔付記項 8〕
付記項 5から 7のいずれか 1項に記載のカプセル投薬システムにおいて、 前記投薬用カプセルが、 前記筐体内に、 生体内を移動する際に接触した生体の 硬さを測定するセンサを備え、
前記判断部が、 前記自己の位置情報及び前記患部の位置情報に加え、 更に測定 した生体の硬さに基づいて該患部の位置に達したか否かを判断することを特徴と するカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 生体内を移動する際に、 セ ンサが、 例えば、 消化管内の硬さの測定を行いながら移動する。 そして、 判断部 が、 自己の位置情報及び患部の位置情報に加え、 センサにより測定された硬さを 閾値と比較したり、 硬さの変化度合い等に基づいて患部に達したか否かの判断を 行ったりする。 従って、 より正確に患部に達したことを検出することができる。 〔付記項 9〕
生体内に経口投入される投薬用カプセルと、 投薬が必要な患部と該患部の位置 とを特定する特定装置とを備え、
該特定装置が、 特定された前記患部の位置にマーカを施すマーカ手段を備え、 前記投薬用カプセルが、カプセル状の筐体内に、薬剤を保持する薬剤保持部と、 該薬剤保持部に保持された薬剤を放出する放出部と、 前記 一力を検出するマー 力検出部と、 該マーカ検出部により前記マ一力を検出したときに前記放出部を作 動させる制御部とを備えることを特徴とするカプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 X線 C T装置や内視鏡装置 等の特定装置により生体内を診断し、 生体内の患部と該患部の位置を特定する。 特定後、 マ一力手段が、 生体内又は生体外から患部の位置にマ一力を施す。 その 後、 経口投入された投薬用カプセルは、 生体内を移動している間に、 マ一力検出 部が、 マーカ手段により施されたマーカを検出すると、 制御部が放出部を作動さ
せて薬剤保持部に保持されている薬剤を筐体外部に放出する。
これにより、 特定装置で特定した患部の位置にて薬剤を放出できるので、 患部 に対して直接的に投薬を行うことができる。 特に、 患部の診断に実績のある X線 C T装置等の特定装置により特定された患部の位置情報を、 マーカを介して投薬 用カプセルに反映させることができるので、 正確な投薬を行うことができる。 ま た、 マ一力検出部を備えるだけで、 患部の位置の検出が行えるので、 投薬用カブ セルを容易に構成でき、 小型化を図ることができる。
〔付記項 1 0〕
付記項 9に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記特定装置が、 生体内に挿入される揷入部を有する内視鏡装置であり、 前記マーカ手段が、 前記揷入部の先端部を用いて前記患部に前記マーカを施す ことを特徴とする力プセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 挿入部の先端部を用いて患部 の位置に、 例えば、 クリップを取り付けたり、 蛍光剤を付着させたり、 色素散布 を施したりしてマ一力を施せる。 これにより、 生体内を移動する投薬用カプセル は、 容易且つ直接的にマーカを検出でき、 確実に患部の位置にて投薬を行うこと ができる。
〔付記項 1 1〕
付記項 9に記載のカプセル投薬システムにおいて、
前記マーカ手段が、 生体外から生体内に向けて指向性を有して該生体内を透過 する超音波又は電磁波を前記患部に照射する照射装置であり、
前記マーカ検出部が、 前記超音波又は前記電磁波を検出することを特徴とする カプセル投薬システム。
この発明に係るカプセル投薬システムにおいては、 照射装置が、 特定した患部 の位置に向けて生体外から超音波又は電磁波を照射する。 この際、 超音波又は電 磁波は、 指向性を有して生体内を透過するので、 生体外から正確に患部に位置を 示すことができる。 これにより、 生体内を移動する投薬用カプセルは、 容易且つ 直接的にマーカを検出でき、 確実に患部の位置にて投薬を行うことができる。
〔付記項 1 2〕
生体内に経口投入されるカプセル状の筐体内に、薬剤を保持する薬剤保持部と、 前記薬剤保持部に保持された前記薬剤を放出する放出手段と、
前記放出手段を動作させる放出制御手段と、
薬剤放出位置を示す指標を検出する検出手段とを備え、
前記放出制御手段は、 前記検出手段の出力に基づき前記放出制御手段を動作さ せることを特徴とする投薬用カプセル。
〔付記項 1 3〕
付記項 1 2に記載の投薬用カプセルにおいて、
前記指標が、 生体内に施された特定のマーキングであることを特徴とする投薬 用カプセル。
〔付記項 1 4〕
付記項 1 3に記載の投薬用カプセルにおいて、
前記検出手段が、 生体内に施された複数のマ一キングを検出するものであり、 前記放出制御手段が、 前記特定のマーキングを前記マーキングの数として予め 記憶するメモリを有し、 前記検出手段によって検出された前記マーキングをカウ ントすることにより、 前記メモリに記憶されている数と一致したときに前記放出 手段を動作させることを特徴とする投薬用カプセル。
〔付記項 1 5〕
生体内に経口投入されるカプセル状の筐体と、
生体情報を取得する生体情報取得手段と、
体腔内に指標を残すマーキング手段と、
前記生体情報取得手段で取得した生体情報と前記マーキング手段で体腔内に残 した前記指標とを前記筐体の外部に伝達する伝達手段とを有することを特徴とす るカプセル型医療装置。
〔付記項 1 6〕
付記項 1 5に記載のカプセル型医療装置において、
前記生体情報取得手段で取得した生体情報と、 前記マーキング手段で生体内に 残した指標情報とを関連付ける情報処理部を有することを特徴とするカプセル型 医療装置。
〔付記項 1 7〕
付記項 1 6に記載のカプセル型医療装置において、
前記情報処理部で処理された情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とす るカプセル型医療装置。
〔付記項 1 8〕
付記項 1 4から 1 7のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置において、 前記マ一キング手段が、間欠動作を行うことを特徴とするカプセル型医療装置。
〔付記項 1 9〕
付記項 1 5に記載のカプセル型医療装置において、
前記指標が、 磁性体材料、 蛍光薬剤、 色素、 放射性同位体又は金属材料の少な くともいずれか 1つを含有することを特徴とする力プセル型医療装置。
〔付記項 2 0〕
体腔内の生体情報を得る生体情報取得手段と体腔内に指標を残すマーキング手 段とを有する医療装置と、
カプセル状の外装部と、 前記医療装置が体腔内に残した指標を検出する指標検 出手段と、 薬剤収納部と、 前記薬剤収納部内の薬剤を放出する薬剤放出部と、 前 記指標検出手段の情報に基づき薬剤放出部を制御する制御部とを有するカプセル 型医療装置とを有するカプセル型医療装置システム。
〔付記項 2 1〕
付記項 2 0に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記医療装置が、内視鏡であることを特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 2 2〕
付記項 2 1に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記マーキング手段が、 内視鏡用クリップであることを特徴とするカプセル型 医療装置。
〔付記項 2 3〕
付記項 2 0に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記医療装置が、 カプセル状の外装部に、 前記生体情報取得手段と、 前記マー キング手段と、 前記生体情報取得手段で検出した生体情報と前記マ一キング手段
の動作情報とを前記外装部の外部に伝達する情報伝達部とを有する第 2のカプセ ル型医療装置と、
前記情報伝達部で前記外装部の外部に伝達された情報を受信する受信装置とで 構成されることを特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 2 4〕
付記項 2 3に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記第 2のカプセル型医療装置が、 前記生体情報取得手段で検出した生体情報 と、 前記マーキング手段の動作情報とを関連付けて保存する記憶手段とを有して おり、
前記情報伝達部が、 前記記憶手段に記憶された情報を前記外装部の外部に伝達 することを特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 2 5〕
付記項 2 3又は 2 4に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、 前記情報伝達部が、 赤外線通信手段を有することを特徴とするカプセル型医療 装置システム。
〔付記項 2 6〕
付記項 2 3又は 2 4に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、 前記情報伝達部が、 電磁波による通信手段を有することを特徴とするカプセル 型医療装置システム。
〔付記項 2 7〕
付記項 2 3から 2 5のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置システムにお いて、
前記第 2のカプセル型医療装置が、 間欠的に指標を残すことを特徴とするカブ セル型医療装置システム。
〔付記項 2 8〕
付記項 2 0に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記マーキング手段が、 間欠的に指標を残すことを特徴とするカプセル型医療 装置システム。
〔付記項 2 9〕
付記項 2 8に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記マーキング手段が、 一定時間間隔で指標を残すことを特徴とするカプセル 型医療装置システム。
〔付記項 3 0〕
付記項 2 8に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
位置検出手段を備え、
該位置検出手段で得た位置情報を元に、 前記マ一キング手段が指標を残すこと を特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 3 1〕
付記項 2 8に記載のカプセル型医療装置システムにおいて、
前記第 2のカプセル型医療装置が、 移動量検出手段を有し、 該移動量検出手段 の出力に基づいて前記マーキング手段が指標を残すことを特徴とするカプセル型 医療装置システム。
〔付記項 3 2〕
付記項 2 8から 3 1のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置システムにお いて、
前記指標が、 生体体腔内組織に対し反射率の低い薬剤であることを特徴とする カプセル型医療装置システム。
〔付記項 3 3〕
付記項 2 8から 3 1のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置システムにお いて、
前記指標が、 生体体腔内組織に対し反射率の高い薬剤であることを特徴とする カプセル型医療装置システム。
〔付記項 3 4〕
付記項 2 8から 3 1のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置システムにお いて、
前記指標が、磁性体材料であることを特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 3 5〕
付記項 2 8から 3 1のいずれか 1項に記載のカプセル型医療装置システムにお
いて、 ,
前記指標が、 蛍光材料であることを特徴とするカプセル型医療装置システム。
〔付記項 3 6〕
生体内を観察するステップと、
生体内での投薬位置を決定するステップと、
前記投薬位置近傍に指標をつけるステップと、
前記指標を検出する手段と、 薬剤収納部と、 薬剤放出部と、 薬剤放出制御部と を有する投薬用カプセルを体腔内に挿入するステップと、
前記指標を検出するステップと、
前記薬剤放出部の制御を行うステツプとを備えることを特徴とする制御方法。
〔付記項 3 7〕
生体内を観察するステップと、
指標を生体内に残すステップと、
生体内を観察するステップで得た生体情報と、 指標を生体内に残すステップを 行ったことを関連付けて生体情報として記録するステップと、
前記生体情報から投薬位置を決定するステツプと、
前記指標を検出する手段と、 薬剤収納部と、 薬剤放出部と、 薬剤放出制御手段 とを有する投薬用カプセルに投薬位置を指定するステップと、
投薬用力プセルを体腔内に挿入するステップと、
前記指標を検出するステップと、
投薬位置を検出するステップと、.
前記薬剤放出部の制御を行うステップとを有することを特徴とする制御方法。 産業上の利用の可能性
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 薬剤保持部と、 該薬剤保持部で保 持した薬剤を放出する薬剤放出部と、 外部と信号の送受信を行う通信部とを有す るカプセル型医療装置と;該カプセル型医療装置と信号の送受信を行う外部通信 部を有する外部装置と;該外部装置に前記薬剤放出部を動作させる条件を入力す る条件入力部と .;前記条件入力部で入力した条件と比較するための情報を取得す
る情報取得部と;該情報取得部で得た情報と、 前記条件入力部で入力した条件と を比較する比較部と;を備え、 前記条件入力部に、 投薬が必要な部位を判断する ためのデ一夕を提供する投薬位置特定装置が接続され、 前記薬剤放出部は、 前記 比較部の比較結果に基づいて制御される。 本発明のカプセル投薬システムによれ ば、 条件入力部で入力した位置にて薬剤を放出でき、 所望する患部に対して直接 的に投薬を行うことができる。