WO2005014382A1

WO2005014382A1 - 自動二輪車の燃料タンクおよび自動二輪車

Info

Publication number: WO2005014382A1
Application number: PCT/JP2004/011183
Authority: WO
Inventors: Masatsugu Arimura; Toshio Iizuka
Original assignee: Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2003-08-06
Filing date: 2004-08-04
Publication date: 2005-02-17
Also published as: EP1655215B1; CN1780755A; JP4031501B2; CN100427352C; BRPI0406524B1; EP1655215A1; BRPI0406524A; JPWO2005014382A1; ES2378313T3; ATE540861T1

Abstract

【課題】　簡単な構成で、残留燃料を効率よくエンジン側に供給することができる燃料タンクを提供することを目的とする。【解決手段】　燃料タンク１は、後下方に向けて傾斜をなす左右一対のタンクレ−ル２上に配置され、燃料タンク１の底部は、左右のタンクレ−ル２の内側に位置する内側底部３と外側に位置する外側底部４とを有している。内側底部３は、燃料タンク１の前方部において、タンクレ−ル２の傾斜に沿って形成された第１の傾斜面５を有し、後方部において第１の水平面６を有している。第１の傾斜面５及び第１の水平面６は、第１の傾斜面５よりも傾斜角の大きい第２の傾斜面７を挟んで前後に連続的に形成され、内側底部の第１の水平面６に燃料ポンプ８が配置されている。

Description

明細書

自動二輪車の燃料タンクおよび自動二輪車

技術分野

[0001] 本発明は、燃料ポンプが燃料タンク内に設置された自動二輪車の燃料タンクに関し、特に、燃料タンク内の残留燃料を効率よくエンジン側に供給するようにした自動二輪車の燃料タンクに関する。背景技術

[0002] 一般に、自動二輪車の燃料タンクは、ヘッドパイプに連結するメインフレーム（タンクレール）上に設置され、その下方には、メインフレームで支持されたエンジンが搭載されている。燃料タンクは、露出面積が大きぐまた、走行時の空気抵抗や乗員のライデイングポジションを考慮した設計を行う必要があるなど、そのデザイン性が重要視される一方、燃料タンクを支持するメインフレームの下方には、エンジンが搭載され、かつ、燃料タンクの後方には乗員のシートが配置される等の種々のレイアウト上の制約を受ける。特に、自動二輪車の車体フレームの剛性を高めるために、メインフレームを左右一対のフレーム構造を採用した場合、燃料タンクの下方に位置する左右一対のフレ—ムに阻害されて、燃料ポンプの容量を確保することが難しくなつている。

[0003] 一方、燃料タンク内の燃料の残量が少なくなつたときでも、残留燃料を効率よくェンジン側に供給するために、燃料ポンプを燃料タンクの最低部に配置することが好ましいが、上記のレイアウト上の制約があるため、デザイン面と機能面の両方を充足する燃料タンクの設計は困難になりつつある。

[0004] このようなレイアウト上の制約下において、デザイン性を確保しつつ、残留燃料を効率よくエンジン側に供給するようにした燃料タンクの構成が、特許文献 1に記載されている。

[0005] 図 8及び図 9は、特許文献 1に開示された燃料タンク 100の側面図及び断面図である。図 8及び図 9に示すように、燃料タンク 100は、左右一対のタンクレール（アッパーパイプ） 101上に配置され、左右一対のタンクレールの内側に位置する燃料タンクの内側底面 102は、タンクレール 101の傾斜に沿つて後下方に向けて傾斜する傾斜面をなしている。また、燃料タンク 100のタンクレ-ル 101の外側は、オーバ-ハング部 1 03が形成されており、さらに、燃料タンク 100の最後部は、タンクレ-ル 101の上方に位置する水平面 104が形成され、当該水平面は、燃料タンク 100の最低部をなしている。

[0006] 燃料ポンプ 105は、燃料タンク 100の傾斜面をなす内側底面 102aに配置され、燃料ポンプ 105の下方には、燃料タンク 100の内側底面 102aから突出して外部に露出する突出部 106が形成されている。突出部 106は、燃料タンク 100と隔絶されており、突出部 106の底部には燃料ポンプの吸入部 107が設けられている。また、燃料タンク 100の最後部の水平面 104には、燃料の吸出部 108が設けられ、当該吸出部は、チュ—ブ 109で燃料ポンプの吸入部 107と連結している。

[0007] 上記構成によれば、燃料ポンプ 105を燃料タンク 100の最低部に配置させなくても、常に燃料タンクの最低部から燃料の吸出しが可能となり、残留燃料を効率よくェンジン側に供給することができる。また、燃料ポンプの配置自由度が増すので、燃料タンクのデザイン性を損なうこともなレ、。さらに、燃料タンク 100のタンクレ一ル 101の外側は、オーバ-ノヽング部 103が形成されているので、燃料タンク 100の容量を拡大すること力 Sできる。

特許文献 1 :特開 2002 - 293281号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] し力ながら、上記特許文献 1に記載された燃料タンク 100においては、燃料タンクとは別個に、燃料タンクの外部に露出した突出部 106を形成しなければならなレ、。また、燃料タンクの最低部に燃料の吸出部 108を設ける必要があり、さらに、当該吸出部 108と突出部 106に設けられた燃料ポンプの吸入部 107とをチューブ 109で連結させなければならなレ、。力かる構成は、燃料タンクの部品数を増加させるだけでなぐ作業工数の増加にもつながり、その結果、生産性の低下を引き起こし、ひいてはコストアップを招くという新たな課題が生じる。

[0009] 本発明は力かる点に鑑みてなされたもので、部品数を増加させることなぐ簡単な構成で、残留燃料を効率よくエンジン側に供給することができる燃料タンクを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明の自動二輪車の燃料タンクは、自動二輪車の車体フレームを構成する左右一対のタンクレーノレ上に配置された燃料タンクであって、前記左右一対のタンクレールは、後下方に向けて傾斜をなしており、前記燃料タンクの底部は、前記左右一対のタンクレール間の領域に位置する内側底部と、前記左右一対のタンクレールの外側の領域に位置する外側底部とを有し、前記内側底部は、前記燃料タンクの前方部において、前記タンタレ-ノレの傾斜に沿って形成された第 1の傾斜面を有すると共に、前記燃料タンクの後方部において第 1の水平面を有し、前記第 1の傾斜面及び前記第 1 の水平面は、前記第 1の傾斜面よりも傾斜角の大きい第 2の傾斜面を挟んで前後に連続的に形成され、前記内側底部の第 1の水平面と前記外側底部の間の領域に、前記タンクレ-ルを跨ぐ左右一対の突条体が形成され、前記内側底部の第 1の水平面に燃料ポンプが配置されている。

[0011] ある好適な実施形態において、前記燃料タンクの底部は、一体成型されている。

[0012] ある好適な実施形態において、前記左右一対のタンクレールは、その中間部においてクロスメンバで連結されており、前記第 2の傾斜面は、前記クロスメンバの後方近傍に形成されている。

[0013] ある好適な実施形態において、前記外側底部は、前記内側底部の第 1の水平面と略同一高さに位置する第 2の水平面を有する。

[0014] また、前記燃料タンクの最後部において、前記内側底部の第 1の水平面、及び前記外側底部の第 2の水平面が互いに連結されて形成された第 3の水平面を有し、前記第 3の水平面は、前記タンクレールの後方に位置することが好ましレ、。

[0015] ある好適な実施形態において、前記第 1の水平面は、前記燃料タンクの最低部位をなしている。

[0016] また、前記第 2の傾斜面は、前記自動二輪車が減速したときに、前記燃料タンク内の燃料が該燃料タンクの前方に流動することを阻止する機能を有する。

[0017] 本発明の自動二輪車は、上記燃料タンクを搭載した自動二輪車である。

[0018] 本発明の実施形態における燃料タンクは、車体フレームを構成して前後方向に延びる左右一対のタンクレールと、前記車体フレームに支持されるエンジンと、このェンジン側に供給される燃料を貯留可能として前記左右タンクレールの上方に配置され、これらタンクレールに支持される燃料タンクと、この燃料タンク内に設置され、この燃料タンク内の燃料を吸入する一方、前記エンジン側に供給可能とする燃料ポンプとを備えた鞍乗型車両において、前記燃料タンクの底板に、上方に向かって膨出すると共に前後方向に延び前記各タンクレールにその上方からそれぞれ外嵌する左右一対の突条体を形成し、これら左右突条体の間で、かつ、前記底板上面のほぼ最低部位の近傍に上記燃料ポンプにおける燃料の吸入部を配置している。

[0019] ある実施形態においては、前記底板上面のほぼ最低部位の近傍における前記底板の部分に前記燃料ポンプを支持させることが好ましい。

[0020] ある実施形態においては、前記左右突条体の間に位置する前記底板の中途部分の前部を前上方に向かって延びるよう傾斜させていることが好ましい。

[0021] ある実施形態においては、前記各突条体の少なくとも前部をそれぞれ前上方に向力て延びるよう傾斜させることが好ましい。

[0022] ある実施形態においては、前記各突条体の後端を前記底板上面の後端から前方に離間させることが好ましい。

[0023] ある実施形態においては、前記各突条体よりも外側方に位置する前記底板上面の外側部分と、前記底板上面のほぼ最低部位とを互いに連続するほぼ水平面上に位置させることが好ましい。

発明の効果

[0024] 本発明の自動二輪車の燃料タンクによれば、燃料ポンプを、燃料タンクの前方部に設けた第 1の傾斜面の後下方に位置した第 1の水平面に配置したことにより、燃料ポンプが配置された箇所に燃料が溜まり易くなる。また、第 1の水平面の前方には、第 1 の傾斜面よりも傾斜角の大きな第 2の傾斜面が形成されてレ、るので、自動二輪車が減速したときに、燃料が燃料タンクの前方に流動するのを阻止することができる。さらに、左右一対のタンクレールの外側に位置する外側底部と第 1の水平面との間に、タンクレールを跨ぐ左右一対の突条体が形成されているので、自動二輪車が走行中に左右にバンクしたとき、第 1の水平面に溜まった燃料が横方向に流動するのを阻止すること力 Sできる。

[0025] これらの作用により、燃料タンク内の燃料の残量が減っても、燃料タンクの配置された近傍に残留燃料を留めておくことができるので、残留燃料を効率よくエンジン側に供給すること力 Sできる。

[0026] また、燃料タンクの底部を構成する上記第 1の傾斜面、第 2の傾斜面、第 1の水平面、及び外側底部は、燃料タンク底部の一体成型により形成することができるので、余計な部品を必要とせず、かつ作業工数も増やすことなぐ簡易な構成で燃料タンクを製造すること力 Sできる。

[0027] さらに、タンクレールの外側に位置する外側底部に、第 1の水平面と略同一の高さを有する第 2の水平面が設けられ、燃料タンクの最後部において、第 1の水平面と第 2 の水平面が連結された第 3の水平面が形成されてレ、るので、自動二輪車が加速したとき、外側底部から後方に流動してきた燃料を、燃料タンクの最後部に位置する第 3 の水平面で合流して、燃料ポンプが配置された第 1の水平面の近傍に集めることができる。これにより、燃料タンク内の燃料の残量が減っても、残留燃料を効率よくェンジン側に供給することができる。

[0028] 加えて、左右一対の突条体の間に位置する燃料タンクの底部は、左右一対のタンクレーノレ間の空間を利用した凹部を形成しているので、燃料タンクの全高や全幅を大きくすることなぐ燃料タンクの容量を拡大することができる。

[0029] なお、第 1の水平面を、燃料タンクの最低部位にすることにより、燃料をより燃料ポンプの近傍に集めやすくなり、残留燃料をさらに効率よくエンジン側に供給することができる。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1]本発明に係る燃料タンク 1の構成を示す図である。

[図 2] (a)は、図 1の燃料タンク 1の Ila— Ila線に沿った断面図、（b)は IIb_IIb線に沿つた断面図である。

[図 3] (a)は、燃料タンク 1の平面図、（b)は燃料タンク 1の nib— Illb線に沿った断面図である。

[図 4]本発明の実施形態における車両 61の部分側面図である。 [図 5]本発明の実施形態における燃料タンク 1の側面図である。

[図 6]本発明の実施形態における燃料タンク 1の平面図である。

[図 7]図 5の燃料タンク 1の VII -VII線に沿つた断面図である。

[図 8]従来の燃料タンク 100の構成を示す図である。

[図 9] (a)は、図 8の燃料タンク 100の IXa-IXa線に沿った断面図、（b)は、 IXb—IXb線に沿った断面図である。

符号の説明

1 燃料タンク

2 タンクレーノレ

3 内側底部

4 外側底部

5 第 1の傾斜面

6 第 1の水平面

7 第 2の傾斜面

8 燃料ポンプ

9 突条体

10 クロスメンノ

11 第 2の水平面

12 第三の水平面

15 燃料

26 オイルタンク

33 ヘッドパイプ

36 ダウンチューブ

37 ガセット

38 リャアームブラ

51 吸入部

52 フイノレタ

61 車两 62 車体

63 車体フレーム

67 シート

70 駆動装置

71 エンジン

100 燃料タンク

101 タンクレーノレ

102 内側底面

103 オーバハング部

104 水平面

105 燃料ポンプ

106 突出部

107 吸入部

108 吸出部

109 チューブ

発明を実施するための最良の形態

[0032] 本願発明者は、レイアウト上の制約下において、如何にコストアップとならずに簡単な構成で、燃料を効率よくエンジン側に供給することができるかについて検討を行なつた結果、以下のような知見を得た。

[0033] 一般に、自動二輪車の燃料タンクは、後下方に向けて傾斜をなすタンクレーノレ上に設置されるので、燃料タンクの底部もタンクレールの傾斜に沿って傾斜をなすことになり、燃料タンク内の燃料は、必然的に燃料タンクの後部に集まってくる。しかしながら、燃料タンクの後部には、乗員のシートが備えられるので、燃料タンクの高さは低く抑えられ、それ故、燃料の集まる燃料タンク後部には、燃料ポンプを設置することは難しい。

[0034] しかし、実際には、自動二輪車が走行しているときは、加速'減速を繰り返し行ない、また、坂を上り下りしたり、コーナを曲がったりするので、その度に、燃料タンク内の燃料は、前後 ·左右に流動しているのが常である。すなわち、燃料タンク内の燃料は、常に燃料タンク後部に留まっているとは限らない。

[0035] 故に、燃料タンク内の燃料の走行中における前後'左右への流動を阻止し、燃料をできるだけ燃料ポンプ近傍に留めておくことができれば、実際の走行中において、燃料を効率よくエンジン側に供給できることになる。

[0036] そこで、本願発明者は、燃料タンクの底部に形状変化を設けることが、燃料タンク内の燃料の前後'左右への流動を阻止するのに有効な手段になり得ることに思い至つた。力かる燃料タンク底部の形状変化は、レイアウト上の制約を受けない部位においてなされればよぐまた、燃料タンクの底部を一体成型するだけの加工で形成できるので、設計'製造が容易にでき、コストアップすることはなく実現できる。

[0037] 以下、図 1から図 3を参照しながら、本発明の実施形態に係る燃料タンクについて説明する。なお、図中において、矢印 Frは、自動二輪車の前方を示している。

[0038] 図 1は、本実施形態の燃料タンク 1の構成を模式的に示した図である。燃料タンク 1 は、自動二輪車の車体フレームを構成する左右一対のタンクレール 2上に配置され、左右一対のタンタレ-ノレ 2は、後下方に向けて傾斜をなしている。そして、燃料タンク 1の底部は、左右一対のタンクレール 2間に位置する内側底部 3と、左右一対のタンクレ-ル 2の外側に位置する外側底部 4とを有している。また、内側底部 3は、燃料タンク 1の前方部において、タンクレール 2の傾斜に沿って形成された第 1の傾斜面 5を有すると共に、燃料タンク 1の後方部において第 1の水平面 6を有している。

[0039] 第 1の傾斜面 5及び第 1の水平面 6は、第 1の傾斜面 5よりも傾斜角の大きい第 2の傾斜面 7を挟んで前後に連続的に形成されている。また、内側底部の第 1の水平面 6 と外側底部 4の間の領域に、タンクレール 2を跨ぐ左右一対の突条体 9が形成されている。そして、内側底部の第 1の水平面 6に燃料ポンプ 8が配置されている。

[0040] 図 2 (a)、（b)は、図 1に示した燃料タンク 1の前方部における Ila-IIa線に沿った断面図、及び燃料タンク 1の後方部における Ilb-IIb線に沿った断面図である。

[0041] 図 2 (a)に示すように、燃料タンク 1の前方部において、左右一対のタンクレール 2の内側に位置する内側底部 3は、第 1の傾斜面 5をなし、タンクレール 2の外側に位置する外側底部 4は、第 1の傾斜面 5よりも下方に位置するオーバハングをなしている。

[0042] また、図 2 (b)に示すように、燃料タンク 1の後方部において、タンクレーノレ 2の内側に位置する内側底部 3は、第 1の水平面 6をなし、当該第 1の水平面 6は、タンクレール 2の外側に位置する外側底部 4と、タンクレール 2を跨って形成された一対の突条体 9により連結されている。そして、燃料ポンプ 8は、第 1の水平面 6に配置されている

[0043] ここで、燃料タンク 1の底部を構成する第 1の傾斜面 5、第 2の傾斜面 7、第 1の水平面 6、外側底部 4、及び一対の突条体 9は、それぞれ連続した面を構成しているので、同一部材による一体成型により形成することができる。

[0044] なお、左右一対にタンクレ―ル 2は、その強度を補強するために、タンクレーノレの中間部において、クロスメンバ 10で連結される場合がある力その場合は、第 2の傾斜面 7は、クロスメンバ 10の前方に形成することは困難である。燃料タンク 1をタンタレ- ル 2の上方から設置する場合に、第 2の傾斜面 7がクロスメンバ 10の前方に形成されていると、燃料タンク 1の底部がクロスメンバ 10に当たってしまレ、、燃料タンク 1を所定の位置に配置できないからである。従って、第 1の水平面 6の領域を広く確保するためには、第 2の傾斜面 7は、可能な限りクロスメンバ 10の後方近傍に形成しておくのが好ましい。

[0045] また、図 2 (b)に示すように、燃料タンク 1の後方部において、タンクレ-ル 2の外側に位置する外側底部 4は、第 1の水平面 6と略同一の高さに位置する第 2の水平面 1 1を有していてもよいし、さらに、第 2の水平面 11は、燃料タンク 1の前方部における外側底部 4まで延在してレ、てもよレ、。

[0046] 図 3 (a)、 (b)は、燃料タンク 1の平面図、及び mb-IIIb線に沿った燃料タンク 1の断面図である。

[0047] 図 3 (a)に示すように、燃料タンク 1の底部は、その最後部において、内側底部 3の第 1の水平面 6と、外側底部 4の第 2の水平面 11が互いに連結し、その連結部において第 3の水平面 12を形成している。もちろん、当該第 3の水平面 12は、燃料タンク 1の底部を構成する他の面と一体成型により形成することができる。

[0048] また、図 3 (b)に示すように、第 3の水平面 12は、第 1の水平面 6よりも若干上方に位置するように形成されていてもよい。この場合、第 1の水平面 6は、燃料タンク 1の最低部位をなしている。すなわち、燃料ポンプ 8は、燃料タンク 1の最低部位に配置される。

[0049] 本実施形態の燃料タンク 1によれば、燃料ポンプ 8を、燃料タンク 1の前方部に設けた第 1の傾斜面 5よりも低い位置にあって、燃料タンク 1の後方部に設けられた第 1の水平面 6に配置したことにより、燃料ポンプ 8が配置された箇所に燃料が溜まり易くなる。

[0050] また、第 1の水平面 6の前方には、第 1の傾斜面 5よりも傾斜角の大きな第 2の傾斜面 7が形成されているので、自動二輪車が減速したときに、燃料が燃料タンク 1の前方に流動するのを阻止することができる。

[0051] さらに、左右一対のタンクレール 2の外側に位置する外側底部 4と第 1の水平面 6との間に、タンクレール 2を跨ぐ左右一対の突条体 9が形成されているので、第 1の水平面 6に溜まった燃料が横方向に流動するのを阻止することができる。

[0052] これらの作用により、燃料タンク 1内の燃料の残量が少なくなつても、燃料ポンプ 8が配置された近傍に残留燃料を留めておくことができるので、残留燃料を効率よくェンジン側に供給することができる。

[0053] なお、本実施形態における燃料タンク 1の底部を構成する第 1の傾斜面 5、第 2の傾斜面 7、第 1の水平面 6、及び外側底部 4は、一体成型されているので、余計な部品を必要とせず、かつ作業工数も増やすことなぐ簡易な構成で燃料タンクを製造すること力 Sできる。

[0054] さらに、左右一対の突条体 9の間に位置する燃料タンク 1の底部は、左右一対のタンクレール 2間の空間を利用した凹部を形成しているので、燃料タンク 1の全高や全幅を大きくすることなぐ容量を拡大することができる。

[0055] カロえて、タンクレール 2の外側に位置する外側底部 4に、第 1の水平面 6と略同一の高さを有する第 2の水平面 11を設けられ、燃料タンク 1の最後部において、第 1の水平面 6と第 2の水平面 11が連結された第 3の水平面 12が形成されているので、自動二輪車が加速したとき、外側底部 4から後方に流動してきた燃料は、燃料タンク 1の最後部に位置する第 3の水平面 12に流れ込むことによって、燃料ポンプ 8が配置された第 1の水平面 6の近傍に集めることができる。これにより、燃料タンク 1内の燃料の残量が少なくなつても、残留燃料を効率よくエンジン側に供給することができる。 [0056] なお、第 1の水平面 6を、燃料タンク 1の最低部位にすることにより、燃料をより燃料ポンプ 8の近傍に集めやすくなり、残留燃料をさらに効率よくエンジン側に供給することができる。

[0057] また、本実施形態において、第 1の水平面 6、第 2水平面 11、及び第 3の水平面 12 は、必ずしも、地面に対して水平である必要はなぐ第 1の傾斜面 5及び第 2の傾斜面 7と区別することのできる同一面内にある平面であればよい。

[0058] また、左右一対の突条体 9は、タンクレール 2を跨ぐように形成されている力かかる突条体 9は、例えば、タンクレ―ル 2とのクリアランスを確保するために、タンクレーノレ 2 の上方に形成されていてもかまわなレ、。この場合においても、左右一対の突条体 9の間に位置する燃料タンクの底部は、凹部をなしている。

[0059] 以下、図 4一図 7を参照しながら、本実施形態における燃料タンクの構成を詳述する。なお、図中において、矢印 Frは、車両 61の進行方向の前方を示している。

[0060] 図 4に示すように、車両 61の車体 62は、車体フレーム 63と、この車体フレーム 63の前部に支承される前車輪 64支承用のフロントフォーク 65と、車体フレーム 63の後部に枢支される後車輪支承用のリアアーム 66と、車体フレーム 63の後部に支持されて乗員が鞍乗式に着座可能とされるシート 67とを備えている。

[0061] また、車両 61は、後車輪を走行駆動可能とさせる駆動装置 70を備えている。この駆動装置 70は、内燃機関であるエンジン 71と、このエンジン 71に連設される動力伝達装置 72を備え、これらエンジン 71と動力伝達装置 72は、支持具 13によって一体的に車体フレーム 63に支持されている。また、車両 61は、エンジン 71の吸気側に連設されるスロットル弁 14と、エンジン 71の内部に燃料 15を噴射して供給可能とする燃料噴射弁 16と、動力伝達装置 72に後車輪を連動連結させるチェーン卷掛式連動手段 (不図示）とを備えている。

[0062] 車両 61は、車体フレーム 63に緩衝機能のある支持具 19により支持されている。燃料タンク 1は、燃料噴射弁 16を介しエンジン 71に供給される燃料 15を貯留している。また、電動式の燃料ポンプ 8は、燃料タンク 1内に収容されて、燃料タンク 1に締結具 23により支持され、燃料タンク 1内の燃料 15を吸入する一方、加圧して燃料チューブ 21を通し燃料噴射弁 16に供給可能としている。オイルタンク 26は、エンジン 71 にドライサンプ式として供給される潤滑用オイル 25を貯留している。

[0063] 駆動装置 70のエンジン 71が駆動するとき、燃料タンク 1内の燃料 15が燃料ポンプ 8により燃料噴射弁 16を通しエンジン 71の内部に供給されて燃焼に供される。また、エンジン 71に連動するオイルポンプによって、オイルタンク 26内のオイル 25が駆動装置 70の各被潤滑部に供給されて潤滑がなされ、エンジン 71の駆動が続けられる。そして、エンジン 71の駆動に動力伝達装置 72を介し後車輪が連動して車両 61が走行可能とされている。

[0064] 図 5を参照しながら、車体フレーム 63にっきより詳しく説明する。ヘッドパイプ 33は、車体フレーム 63の前端部で、フロントフォーク 65を支承している。左右一対のタンクレール 2は、ヘッドパイプ 33の上部から後下方に向かって延出し、駆動装置 70の後部を支持すると共に燃料タンク 1を支持している。そして、クロスメンバ 10が、これらタンクレール 2の中途部同士を結合させてレ、る。

[0065] また、ダウンチューブ 36は、左右タンクレール 2の下方に配置されてヘッドパイプ 33 の下部から後下方に向かって延出し、駆動装置 70の前部を支持している。ヘッドパィプ 33およびダウンチューブ 36の前端部は、補強用のガセット 37によって、互いにより強固に結合されている。そして、左右一対のリャアームブラケット 38は、各タンクレール 2の延出端部から下方に向かって一体的に延出し、リアアーム 66を枢支している。シートレール 39は、各タンクレール 2の延出端部から後上方に向かって延出し、シート 67を支持している。

[0066] 図 6及び図 7に示すように、燃料タンク 1は、その下端部を構成する底板 42と、倒立の椀形状をなして底板 42をその上方から覆うタンク本体 43とを備え、これら底板 42とタンク本体 43とで燃料 15を貯留可能とする閉空間が形成される。

[0067] 燃料タンク 1の底板 42には、上方に向かって膨出すると共に前後方向に延び各タンクレール 2にその上方から外嵌する突条体 9が左右一対形成されてレ、る。これら左右突条体 9の間に位置する底板 42の中途部分 7の前部は前上方に向かって延びるよう傾斜させられている。また、各突条体 9の少なくとも前部は、各タンクレール 2に沿つて前上方に向かって延びるよう傾斜させられている。

[0068] 各突条体 9の後端は、底板 42上面の後端から前方に離間させられており、底板 42 上面の後端部が、この底板 42上面におけるほぼ最低部位 47とされている。また、各突条体 9よりもそれぞれ外側方に位置する底板 42上面の各外側部分 4と、この底板 4 2のほぼ最低部位 47とは互いに連続するほぼ水平面上に位置させられている。

[0069] 燃料ポンプ 8は、左右突条体 9の間に配置され、これら突条体 9の間で、かつ、底板 42上面のほぼ最低部位 47近傍における底板 42の部分に、燃料ポンプ 8の下端部が締結具 23により支持されている。なお、燃料ポンプ 8は、その下端部に形成され燃料 15を吸入する吸入部 51と、この吸入部 51に吸入された燃料 15を濾過するフィルタ 52とを備えている。

[0070] また、左右突条体 9の間にあって、水平方向でのほぼ最低部位 47の近傍で、かつ、上下方向でのほぼ最低部位 47の仮想延長面の上方近傍に、燃料ポンプ 8の吸入部 51が配置されている。この吸入部 51は、車両 61の幅方向におけるほぼ中央部 54 に配置されている。また、燃料ポンプ 8の吐出部は燃料チューブ 21を通し燃料噴射弁 16に連通している。

[0071] 上記構成によれば、燃料タンク 1の底板 42に、上方に向かって膨出すると共に前後方向に延び各タンクレール 2にその上方からそれぞれ外嵌する左右一対の突条体 9 が形成され、これら左右突条体 9の間で、かつ、底板 42上面のほぼ最低部位 47の近傍に燃料ポンプ 8における燃料 15の吸入部 51が配置されている。

[0072] ここで、左右突条体 9の間は凹所となることから、燃料 15が溜まり易い部分となる。

しかも、燃料ポンプ 8の吸入部 51は、底板 42上面のほぼ最低部位 47の近傍に配置されているため、燃料タンク 1における燃料 15の残量が少なくなつても、燃料ポンプ 8 により、燃料 15がエンジン 71側に十分に供給される。

[0073] また、左右突条体 9の間は、左右タンクレール 2の間の空間が利用されて凹所とされたことから、従来に比べて、燃料タンク 1の容量が増加させられる。

[0074] さらに、燃料ポンプ 8の吸入部 51は、左右タンクレール 2に対応して形成された左右突条体 9の間に配置されていて、車両 61の幅方向のほぼ中央部 54の位置することとなるため、車両 61がその走行中に左右にバンクした場合でも、燃料ポンプ 8の吸入部 51の周りには燃料 15が残りがちとなる。よって、このような車両 61の走行状態でも、燃料ポンプ 8によりエンジン 71側に供給される燃料 15の量の減少は抑制される。 [0075] 底板 42上面のほぼ最低部位 47の近傍における底板 42の部分に燃料ポンプ 8を支持させている。このため、燃料タンク 1内において、燃料ポンプ 8の上端の高さを低く抑制できることから、燃料タンク 1の高さが低いとしても、燃料ポンプ 8内への燃料タンク 1の設置がし易くなる。

[0076] また、左右突条体 9の間に位置する底板 42の中途部分 (傾斜面） 7の前部を前上方に向かって延びるよう傾斜させているため、車両 61が走行中に減速した場合には、燃料タンク 1内の燃料 15はその慣性力で燃料タンク 1内を前方に流動しょうとするが、この流動は、前上方に向かって延びるよう傾斜した中途部分 7により防止され、燃料ポンプ 8の吸入部 51の周りには燃料 15が残りがちとなる。よって、このような車両 6 1の走行状態でも、燃料ポンプ 8によりエンジン 71側に供給される燃料 15の量の減少は抑制される。

[0077] さらに、各突条体 9の少なくとも前部をそれぞれ前上方に向かって延びるよう傾斜させているため、車両 61が走行中に減速した場合には、燃料タンク 1内の燃料 15はその慣性力で燃料タンク 1内を前方に流動しょうとするが、この流動は、前上方に向かつて延びるよう傾斜した各突条体 9により防止され、燃料ポンプ 8の吸入部 51の周りには燃料 15が残りがちとなる。よって、このような車両 61の走行状態でも、燃料ボンプ 8によりエンジン 71側に供給される燃料 15の量の減少は抑制される。

[0078] 各突条体 9の後端を底板 42上面の後端から前方に離間させている。このため、車両 61が走行中に加速した場合には、燃料タンク 1内の燃料 15はその慣性力で燃料タンク 1内を後方に流動するが、各突条体 9の外側方域を後方に流動してきた各燃料 15は左右突条体 9の間を後方に流動してきた燃料 15に円滑に合流し、燃料ボンプ 8の吸入部 51の周りには燃料 15が集まりがちとなる。よって、このような車両 61の走行状態でも、燃料ポンプ 8によりエンジン 71側に供給される燃料 15の量の減少は抑制される。

[0079] また、各突条体 9よりも外側方に位置する底板 42上面の外側部分 4と、底板 42上面のほぼ最低部位 47とを互いに連続するほぼ水平面上に位置させているので、車両 61の走行状態がいずれの場合でも、燃料タンク 1内の燃料 15は全体的に底板 42 上のほぼ最低部位 47側に流入して、燃料ポンプ 8の吸入部 51の周りに集まりがちとなる。よって、燃料タンク 1における燃料 15の残量が少なくなつても、燃料ポンプ 8により、燃料 15がエンジン 71側に十分に供給される。

[0080] 以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなぐ勿論、種々の改変が可能である。なお、上記実施形態において、車両 61は自動三輪車または自動四輪車であってもよいが、燃料タンクのレイアウト上の制約が厳しい自動二輪車に適用するのがより好適である。

産業上の利用可能性

[0081] 本発明によれば、簡単な構成で、残留燃料を効率よくエンジン側に供給することができる燃料タンクを提供することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 自動二輪車の車体フレームを構成する左右一対のタンクレール上に配置された燃料タンクであって、

前記左右一対のタンクレールは、後下方に向けて傾斜をなしており、

前記燃料タンクの底部は、前記左右一対のタンクレール間の領域に位置する内側底部と、前記左右一対のタンクレールの外側の領域に位置する外側底部とを有し、前記内側底部は、前記燃料タンクの前方部において、前記タンクレールの傾斜に沿つて形成された第 1の傾斜面を有すると共に、前記燃料タンクの後方部において第 1 の水平面を有し、

前記第 1の傾斜面及び前記第 1の水平面は、前記第 1の傾斜面よりも傾斜角の大きい第 2の傾斜面を挟んで前後に連続的に形成され、

前記内側底部の第 1の水平面と前記外側底部の間の領域に、前記タンクレールを跨ぐ左右一対の突条体が形成され、

前記内側底部の第 1の水平面に燃料ポンプが配置されていることを特徴とする自動二輪車の燃料タンク。

[2] 前記燃料タンクの底部は、一体成型されていることを特徴とする請求項 1に記載の自動二輪車の燃料タンク。

[3] 前記左右一対のタンクレールは、その中間部においてクロスメンバで連結されており

、前記第 2の傾斜面は、前記クロスメンバの後方近傍に形成されていることを特徴とする自動二輪車の燃料タンク。

[4] 前記外側底部は、前記内側底部の第 1の水平面と略同一高さに位置する第 2の水平面を有することを特徴とする請求項 1に記載の自動二輪車の燃料タンク。

[5] 前記燃料タンクの最後部において、前記内側底部の第 1の水平面、及び前記外側底部の第 2の水平面が互いに連結されて形成された第 3の水平面を有し、

前記第 3の水平面は、前記タンクレーノレの後部上方に位置することを特徴とする請求項 4に記載の自動二輪車の燃料タンク。

[6] 前記第 1の水平面は、前記燃料タンクの最低部位をなしていることを特徴とする請求項 1に記載の自動二輪車の燃料タンク。前記第 2の傾斜面は、前記自動二輪車が減速したときに、前記燃料タンク内の燃料が該燃料タンクの前方に流動することを阻止する機能を有することを特徴とする請求項 1に記載の自動二輪車の燃料タンク。

請求項 1から 7の何れか一つに記載の燃料タンクを搭載した自動二輪車。