WO2005013868A1

WO2005013868A1 - いびき防止装置

Info

Publication number: WO2005013868A1
Application number: PCT/JP2004/011362
Authority: WO
Inventors: Masaru Iwasaki; Satoshi Komukai; Masahiko Asami; Norioki Fujimoto; Motohiko Kosano
Original assignee: Sanyo Electric Co., Ltd.
Priority date: 2003-08-08
Filing date: 2004-08-06
Publication date: 2005-02-17
Also published as: JP4236537B2; JP2005058387A

Abstract

　いびきをかいている就寝者の安眠を妨げないようにいびきを止めることができるいびき防止装置を提供する。寝具上で就寝する人の枕（１２）の下面側や、肩から腰上部にかけて左右対称的に枕空気袋（４１，４２）及び背中空気袋（６１，６２）を配置し、いびきセンサ（１５）によりいびきを検出したときの就寝者の位置を位置センサ（１６）で検出し、就寝者が左右何れかに偏って位置している側に対応する枕空気袋や背中空気袋を膨らまして、就寝している人の安眠を妨げることなく横を向かせ、いびきを止める。

Description

明細書

いびき防止装置

技術分野

[0001] 本発明は、いびきをかいている就寝者のいびきを止めるためのいびき防止装置に関する。

背景技術

[0002] 多くの人は就寝時にいびきをかいている。このいびきは同室に就寝している他者の睡眠を妨げる。そこで、このようないびきをかいている人のいびきを止めるためのいびき防止装置が開発されている。

[0003] 登録実用新案第 3063219号公報には、いびきを力べ人の頭部を左右に振動させることで、いびきを止めるようにしたいびき防止装置が開示されている。し力ながら、このようないびき防止方法は、熟睡状態から目覚める方向への刺激を就寝者に与えるため、就寝者にとっては好ましくない。

[0004] また、特開平 11-342049号公報には、別のいびき防止装置が開示されている。この装置は、マットレスを多数区分に分割し、その各区分に空気、液体又はゲル状の流体を充填する。各分割された区分には圧力、振動、及び温度を感知するセンサがそれぞれ設けられている。そして、いびき防止装置は、このセンサからの情報に基づき、寝ている人の位置、呼吸数、心拍、いびき、うめきなどを検出し、これら検出情報を基に、寝返りを誘発するようにマットレスの形状を時間的に変化させ、寝返りにより、いびきを停止させる。

[0005] し力、しながら、このいびき防止装置は、多数のセルを制御する必要があるため、構成が複雑となり、装置全体が大型化して、重量が増加することが予測されるので、一般家庭向きでない。また、特開平 11—342049号公報には、就寝者の安眠を妨げなレ、ようにマットレスの形状を変化させるという抽象的な記載はあるが、その形状変化のための具体的な方法及び装置についての詳細な内容については記載されていない

。したがって、特開平 11-342049号公報には、抽象的アイデアが記載されているだけで、就寝者の安眠を妨害せずに、いびきを防止する具体的構成については何らの開示されていない。

発明の開示

[0006] 本発明の目的は、いびきをかいている就寝者の安眠を妨げないように、いびきを止めることのできるいびき防止装置を提供することにある。

[0007] 第 1の側面の発明は、寝具上で就寝する人の肩部から背中或いは腰上部に対応して設けられ、寝具上に就寝する人の脊椎を中心として左右対称的に配置される複数の背中空気袋と、就寝している人のいびきを感知するいびきセンサと、就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、複数の背中空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、複数の背中空気袋を給排気制御する空気制御弁と、空気制御弁及び空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝してレ、る人が偏って位置しているときに、空気制御弁及び空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する背中空気袋に空気を供給するレ、びき防止装置を特徴とする。

[0008] また、第 2の側面の発明は、寝具上で就寝する人の枕の下面側に左右対称的に配置された複数の枕空気袋と、就寝している人のいびきを感知するいびきセンサと、就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、複数の枕空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、複数の枕空気袋を給排気制御する空気制御弁と、空気制御弁及び空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置しているときに、空気制御弁及び空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋に空気を供給するレ、びき防止装置を特徴とする。

[0009] なお、第 2の側面の発明において、いびき防止装置がその上に複数の枕空気袋が配置される平面状の基板と、複数の枕空気袋の上面に設けられ、枕を支持するための支持板とを更に備え、支持板は、前記複数の枕空気袋のうちの一つに空気を供給して膨張させることにより、左右何れかに傾斜するように前記基板に取り付けられていてもよレ、。また、いびき防止装置が複数の枕空気袋のうちの一つが膨張したときに、前記支持板が左右何れかに傾斜するように該支持板を支持するリンク機構を備えてあよい。

[0010] また、第 3の側面の発明は、寝具上で就寝する人の肩部から背中或いは腰上部に対応して設けられ、寝具上の所定位置に就寝する人の脊椎を中心として左右対称的に配置される複数の背中空気袋と、寝具上で就寝する人の枕の下面側に左右対称的に配置される複数の枕空気袋と、就寝している人のいびきを感知するいびきセンサと、就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、複数の背中空気袋及び複数の枕空気袋に空気を供給する空気ポンプと、左側の背中空気袋及び枕空気袋からなる第 1の空気袋群と右側の背中空気袋及び枕空気袋からなる第 2の空気袋群とを給排気制御する空気制御弁と、空気制御弁及び空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置しているときに、空気制御弁及び空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する空気袋群に空気を供給するいびき防止装置を特徴とする。

[0011] また、第 4の側面の発明は、寝具上で就寝する人の肩部から背中或いは腰上部に対応して設けられ、寝具上の所定位置に就寝する人の脊椎を中心として左右対称的に配置される複数の背中空気袋と、寝具上で就寝する人の枕の下面側に左右対称的に配置される複数の枕空気袋と、就寝している人のいびきを感知するいびきセンサと、就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、複数の背中空気袋及び複数の枕空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、複数の背中空気袋及び複数の枕空気袋を給排気制御する空気制御弁と、空気制御弁及び空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置しているときに、空気制御弁及び空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する背中空気袋及び枕空気袋を所定のタイミングで空気を供給するレ、びき防止装置を特徴とする。

[0012] なお、第 4の側面の発明において、制御部は、関連の枕空気袋に最初に空気を供給し、その後、関連の背中空気袋に空気を供給してもよい。また、制御部は、関連の背中空気袋に最初に空気を供給し、その後、関連の枕空気袋に空気を供給してもよレ、。更に、制御部は、関連の枕空気袋及び関連の背中空気袋に所定時間の間重複して空気を供給してもよい。

[0013] なお、上記第 1、第 3及び第 4の側面の発明において、複数の背中空気袋の各々は、寝具上で就寝する人の側方に配置された空気配管接続口を有してもよい。また、上記第 2—第 4の側面の発明において、複数の枕空気袋の各々の一部が枕の下面から突出し、複数の枕空気袋の各々はその突出部分に設けられた空気配管接続口を有してもよレ、。

[0014] また、上記第 1一第 4の側面の発明において、複数の枕空気袋及び Z又は複数の背中空気袋の各々は、空気配管接続口を有し、いびき防止装置は更に前記空気配管接続口に連結され、該空気配管接続口に近づくにつれて段階的に拡径された空気配管を備えてもよい。

[0015] 第 1の側面の発明によれば、いびきセンサがいびきを検出したときに空気制御弁及び空気ポンプが制御され、就寝してレ、る人が偏って位置してレ、る側に対応する背中空気袋に空気が供給される。この結果、就寝者は、無意識に背中或いは体側部の異変を感じる反射反応を示し、大きな刺激を受けることなく横を向く或いは寝返りするなどの動きを行う。一般に、いびきをかいている人に対し、横臥姿勢で寝ている人からのレ、びきの発生及びレ、びきの音量は、仰臥してレ、る人からのレ、びきの発生及びレ、びきの音量に比較して格段に低くなることが既に知られている。したがって、本発明によれば、仰臥している就寝者を、安眠を妨げることなく横臥或いは少し斜め向きにすることでき、レ、びきを防止或いは軽減することができる。

[0016] また、第 2の側面の発明によれば、いびきセンサがいびきを検出したときに空気制御弁及び空気ポンプが制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋を膨張させることにより、就寝者の頭部に対し横向きを促すように作用する。この結果、就寝者は無意識に頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、横を向く或いは寝返りをするなどの動きをする。したがって、本発明によれば、仰臥している就寝者を、安眠を妨げることなく横臥或いは少し斜め向きにすることでき、いびきを防止或いは軽減することができる。 [0017] また、この場合において、平面状の基板上に枕空気袋を配置するとともに枕空気袋の上面に支持板を配置しているので、複数の（左右の）枕空気袋の何れかに空気を供給することにより、枕の形を崩すことなく枕を傾斜させることができる。この結果、就寝者の頭部を無理なく横向きに促すことにより、就寝者を横臥或いは少し斜め向きにすることできる。したがって、就寝者の安眠を妨げることなぐより確実にいびきを防止或いは軽減することができる。

[0018] また、第 3の側面の発明によれば、いびきセンサがいびきを検出したときに空気制御弁及び空気ポンプが制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋及び背中空気袋を膨張させる。この結果、就寝者は、背中或いは体側と頭部の両方に反射反応につながる異変を感じる。したがって、本発明によれば、仰臥してレ、る就寝者の安眠を妨げることなく、就寝者を横臥或いは少し斜め向きにすることでき、レ、びきを防止或いは軽減することができる。

[0019] また、第 4の側面の発明によれば、いびきセンサがいびきを検出したときに空気制御弁及び空気ポンプが制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋及び背中空気袋を、それぞれ別々に適切なタイミングで膨張させることができる。また、このようにタイミングを適切に設定することにより、就寝者は、無意識に背中或いは体側部と頭部に対し段階的に反射反応につながる異変を感じるようになる。また、就寝している姿勢の変化も段階的に行われる。この結果、就寝者は、横を向ぐ或いは寝返りをするなどの動きに導き易くなる。したがって、本発明によれば、仰臥している就寝者の安眠を妨げることなぐ就寝者を横臥或いは少し斜め向きにすることでき、いびきを防止或いは軽減することができる。

[0020] また、上記第 1、第 3及び第 4の側面の発明において、前記背中空気袋の空気配管接続口が寝具上に就寝する人の側方に配置されている場合は、空気配管が就寝者の身体に接触しない。したがって、空気配管が就寝者の体重などによりつぶされて、装置が作動しなくなるような事故を回避することができる。

[0021] また、上記第 2—第 4の側面の発明において、枕空気袋の空気配管接続口が枕の下面から突出する部分に設けられている場合は、空気配管が就寝者の枕に接触しなレ、。したがって、空気配管が就寝者の枕などによりつぶされて、装置が作動しなくなるような事故を回避することができる。

[0022] また、上記第 1一第 4の側面の発明において、背中空気袋及び/又は枕空気袋の空気配管接続口に接続される空気配管が、空気配管接続口に近づくにつれて段階的に拡径されている場合、背中空気袋及び Z又は枕空気袋の排気が即座に行われ、いびき防止装置による就寝者への作用を短くすることができ、就寝者の安眠をより一層妨げないようにすることができる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]マットレス、布団、ベッドなどの寝具上に設置された本発明の第 1実施形態に係るレ、びき防止装置の概略的な斜視図である。

[図 2]図 1のいびき防止装置図の空気配管回路図である。

[図 3]図 1のいびき防止装置の概略的な平面図である。

[図 4]図 1のいびき防止装置の概略的な平面図であって、就寝者といびき防止装置との位置関係を示す平面図である。

[図 5]図 1のいびき防止装置の空気袋の空気配管接続口へ接続される空気配管の断面図である。

[図 6]図 1のいびき防止装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。

[図 7]本発明の第 2実施形態に係るいびき防止装置の空気配管回路図である。

[図 8]第 2実施形態のいびき防止装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。

[図 9]本発明の第 3実施形態に係るいびき防止装置に含まれる枕昇降装置の正面図であって、左右の枕空気袋とも膨張していない状態を示す正面図である。

[図 10]図 9の枕昇降装置の正面図であって、右側枕空気袋が膨張した状態を示す正面図である。

[図 11]本発明の第 2実施形態に係るいびき防止装置の変形例についての空気配管回路図である。

発明を実施するための最良の形態

[0024] 以下各実施形態について図面に基づいて説明する。

(第 1実施形態）まず、本発明の第 1実施形態に係るいびき防止装置ついて図 1一図 7に基づいて説明する。なお、図 1はマットレス、布団、ベッドなどの寝具上に設置された第 1実施形態のいびき防止装置の概略的な斜視図である。図 2は同いびき防止装置の空気配管回路図である。図 3はマットレス、布団、ベッドなどの寝具上に設置されたいびき防止装置の概略的な平面図である。図 4は同いびき防止装置の概略的な平面図であって、いびき防止装置と就寝者との位置関係を示す平面図である。図 5は同いびき防止装置の空気袋の空気配管接続口へ接続される空気配管の断面図である。図 6 は同いびき防止装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。

[0025] 図 1一図 6に示されるように、いびき防止装置 1は、操作盤 2、一組の枕空気袋 4、基板 5、一組の背中空気袋 6、空気ポンプ 7、三方弁 8、空気配管 9、センサ 15、及び位置センサ 16を含む。操作盤 2は、就寝者 10が仰臥するマットレス、布団、ベッドなどの寝具 11の横に配置されている。一組の枕空気袋 4は、寝具 11の上であって枕 12 の下面の左右位置に設置されている。基板 5は、枕空気袋 4を設置するときの平面を形成するために使用される。一組の背中空気袋 6は、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人 10の脊椎を中心として左右に 1個ずつ対称的に配置される。いびきセンサ 15は、背中空気袋 6上に配置される。位置センサ 16は、背中空気袋 6上又は下に配置される。空気ポンプ 7は、枕空気袋 4及び背中空気袋 6に空気を供給する。三方弁 8は、枕空気袋 4及び背中空気袋 6を給排気制御するための空気制御弁として機能する。空気配管 9は、空気ポンプ 7を三方弁 8、枕空気袋 4及び背中空気袋 6に接続する。

[0026] なお、以下の説明における左右は就寝者から見た方向をいう。したがって、例えば、図 3における右方は左方として説明し、図 3における左方は右方として説明する。枕空気袋 4は、ポリエチレンやポリウレタンなどから形成されたシートから構成されている。また、枕空気袋 4は、左枕空気袋 41と右枕空気袋 42とから構成されている。左枕空気袋 41及び右枕空気袋 42は、基板 5上において、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人 10の枕 12の下面に接触するように左右対称的に配置されている。各枕空気袋 41、 42の幅は、枕空気袋 41、 42の一方を膨張させることにより、枕 12を所定角度に傾斜させるのに適した寸法を有する。各枕空気袋 41、 42は、その幅方向と直交する方向に沿った寸法が枕 12の幅方向と直交する方向の寸法より大きくなるように形成さて、寝具 11の端部に近接する各枕空気袋 41、 42の端部が枕 12の端部より突出している（図 1参照）。そして、各枕空気袋 41、 42の突出した部分に空気配管接続口 4aが形成され、一組の空気配管 9は一組の接続口 4aから左右に延びるように形成されている（図 3参照）。このように各枕空気袋 4は、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人の枕 12の下面を避けた位置に設けられた空気配管接続口 4a を有している。

[0027] 基板 5は、枕空気袋 4の下面に平面を形成して枕空気袋 4を支持し、アルミ板などの剛性材料から形成されてレ、る。

背中空気袋 6は、左背中空気袋 61と右背中空気袋 62とからなる。左背中空気袋 6 1と右背中空気袋 62とは、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人の脊椎を中心として左右に対称的に配置されている。各背中空気袋 61、 62は、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人の肩から腰上部に至る長さに対応する長さを有している。また、各背中空気袋 61、 62は、枕 12と近接する端部において、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人 10の頭部の側方に配置された空気配管接続口 6aを有する。

[0028] 空気配管 9は、各空気袋 41、 42、 61、 62の空気配管接続口 4a、 6aに接続され、図 5に示すように、空気配管 9は、空気配管接続口 4a、 6aに近づくにつれて段階的に径が大きくなるように構成されてレ、る。

[0029] 空気ポンプ 7は、ダイヤフラム型ポンプが用いられている。このダイヤフラム型ポンプは、吐出側圧力の最高値が一定圧力に到達すると圧力がその最高圧力以上には上昇しないように構成されている。なお、空気ポンプ 7が空気袋に空気を供給する運転を行っている場合であって、空気袋の圧力がこの空気ポンプ 7の最高圧力に達した場合、空気ポンプ 7の運転をそのまま継続しても、空気ポンプ 7自体は支障をきたさないように構成されている。

[0030] 空気ポンプ 7の吐出側は、空気配管 9により、空気制御弁としての三方弁 8を構成する 1個の左三方弁 81及び 1個の右三方弁 82を介して枕空気袋 4に接続されている。より具体的には、空気ポンプ 7の吐出側は、空気配管 9により 1個の左三方弁 81を介して左枕空気袋 41及び左背中空気袋 61に接続され、 1個の右三方弁 82を介して右枕空気袋 42及び右背中空気袋 62に接続されている。したがって、左枕空気袋 41 及び左背中空気袋 61は、同時に膨張収縮する第 1の空気袋群を構成し、また、右枕空気袋 42及び右背中空気袋 62は、同時に膨張収縮する第 2の空気袋群を構成している。

[0031] 左三方弁 81及び右三方弁 82は、同一のものを用いることができる。左三方弁 81及び右三方弁 82の各々は、空気ポンプ 7の吐出側と枕空気袋 4及び背中空気袋 6とを接続する給気位置と、空気ポンプ 7の吐出側を閉塞して枕空気袋 4及び背中空気袋 6を外気に接続する排気位置と、枕空気袋 4及び背中空気袋 6の出口を閉鎖する閉鎖位置とを備える。すなわち、各三方弁 81、 82は、給気位置にしたときは空気ポンプ 7からの空気を枕空気袋 4及び背中空気袋 6に供給することができ、排気位置にしたときは枕空気袋 4及び背中空気袋 6内の空気を外部に放出することができ、閉鎖位置にしたときは枕空気袋 4及び背中空気袋 6内に供給された空気をそのまま枕空気袋 4及び背中空気袋 6内に維持することができる。なお、この第 1実施形態では、閉鎖位置を有しなレ、三方弁 8が用いられてもよレ、。

[0032] いびきセンサ 15は、いびき音やいびきにより身体から伝わる振動を捉えて、いびきの有無を検出するものであって、従来から公知のものを用いることができる。

位置センサ 16は、就寝者 10の体重が寝具 11上で左右何れの側に多く掛かっているかを相対的に比較して、就寝者 10の就寝位置が左右何れ力を判定するものであつて、従来から公知のものを適宜選択すればよい。

[0033] 操作盤 2は、就寝する人によって操作される運転スィッチや、運転時間を設定するボタンを備えた操作部 2aと、操作部 2aの操作がなされた後に、いびき防止装置 1を自動運転制御する制御部 2bとを備えている。制御部 2bは、いびきセンサ 15及び位置センサ 16に接続され、それらセンサからの情報に基づいて、就寝者 10のいびきを防止するように予め設定されたプログラムに基づき空気制御弁としての三方弁 8、空気ポンプ 7など各機器を制御するマイクロコンピュータを備える。

[0034] 次に、上記のように構成されたいびき防止装置 1が、操作盤 2に内蔵された制御部 2bにより、どのように制御されるかについて、図 6のフローチャートに基づき説明する図 6に示すように、就寝者 10により運転スィッチが投入され、運転時間が設定される。運転時間は、運転タイマの時間をセットすることにより設定される。運転スィッチが投入されて運転が開始されると、運転タイマが ONする (ステップ Sl)。次いで、いびきセンサ 15により、いびきが検知され (ステップ S2)、いびきの有無が判定される（ステツプ S3)。いびき無しと判定されたときは、前のステップに戻りいびき検出が継続される。いびき有りと検出された場合は、次に、位置センサ 16により就寝位置が検出され (ステップ S4)、就寝位置が左か右か判定される (ステップ S5)。判定の結果、例えば就寝位置が左と判定された場合は、左側の第 1の空気袋群を膨張させるように制御する。

[0035] そこで、先ずポンプタイマが〇Nして空気ポンプ 7の運転を開始する（ステップ S6—1 )。ポンプタイマは空気ポンプ 7の運転時間を設定するものである。次いで、左三方弁タイマを ONして左三方弁 81を給気位置にセットする（ステップ S7_l)。左三方弁タイマは、左三方弁 81の給気位置維持時間を設定するものである。左三方弁 81が給気位置に制御されることにより、左枕空気袋 41及び左背中空気袋 61が所定時間かけて膨張する。

[0036] 第 1実施形態に係るいびき防止装置 1では、このようにいびきの発生を検知すると、いびき防止機能として就寝位置側 (この場合、左側）の第 1の空気袋群を予め設定した時間をかけて膨張させている。この設定された膨張時間は、空気ポンプ 7の性能、三方弁 8の口径によって影響を受ける膨張速度に対し、就寝者の眠りを妨げることなく空気袋群 (この場合、第 1の空気袋群）を膨張させるようにするための制御パラメ一タであり、就寝者の好みや体質により適当に可変できる。

[0037] 左側の第 1の空気袋群に空気が供給されると、左背中が持ち上げられるとともに枕

12が右に傾けられるため、就寝者 10は無意識に背中、体側部及び頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、横を向くように挙動するので、いびきの防止或いはいびき軽減効果を得ることができる。

[0038] 就寝者 10が右横を向いて一定時間経過するといびきが止まる。そこで、ポンプタイマが OFFになることにより空気ポンプ 7の運転を終了する（ステップ S8_l)。また、一定時間後に、左三方弁タイマが OFFになり左三方弁 81が排気位置に設定される。この結果、左枕空気袋 41及び左背中空気袋 61内の空気が速やかに排気され、左枕空気袋 41及び左背中空気袋 61が速や力に収縮する（ステップ S 9— 1 )。

[0039] なお、前述の位置センサ 16による就寝位置検知において、就寝位置が右と判定された場合は (ステップ S5)、右側の第 2の空気袋群を膨張させるように制御する。この場合は、前述の左側の場合と同様の動作をするように制御が行われる。

[0040] すなわち、先ずポンプタイマ（前述のものと同一）を〇Nして空気ポンプ 7の運転を開始する（ステップ S6_2)。次いで、右三方弁タイマを〇Nして右三方弁 82を給気位置に設定する (ステップ S7_2)。右三方弁タイマは、右三方弁 82の給気位置維持時間を設定するものである。右三方弁 82が給気位置に制御されることにより、右枕空気袋 42及び右背中空気袋 62が所定時間かけて膨張する。この膨張により、就寝者 10 は無意識に背中、体側部及び頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、左横を向くように挙動する。

[0041] 就寝者 10が左横を向いて一定時間経過するといびきが止まる。そこで、ポンプタイマが OFFになることにより空気ポンプ 7の運転を終了する（ステップ S8_2)。また、略同時に、右三方弁タイマが OFFし右三方弁 82が排気位置に設定され、右枕空気袋 42及び右背中空気袋 62内の空気が速やかに排気され、右枕空気袋 42及び右背中空気袋 62が速やかに収縮される（ステップ S9-l)。なお、右三方弁タイマは、左三方弁タイマと共有としてもょレ、。

[0042] このようにして一連のレ、びき防止動作が終了する。

また、このいびき防止装置 1では、いびきの発生を一定の間隔をおいて監視し、レヽびきの発生を検出した場合には上述のようないびき防止対策を講じるようにしている。このため、上述のいびき防止動作が終了した後、監視遅延タイマが作動される (ステツプ S10)。監視遅延タイマは、いびき防止動作終了から次の監視開始までの時間を設定するものである。そして、運転タイマが OFFしていないことを確認し (ステップ S 11)、所定時間経過して監視遅延タイマが OFFしたときに (ステップ S12)、再度いびきの検出が開始される（ステップ S12→S2)。

[0043] なお、予め設定された運転希望時間が経過することにより、運転タイマが OFFしたときは、運転の必要がなくなるので、いびき防止装置 1の運転を停止する（ステップ S 13)。

[0044] 第 1実施形態のいびき防止装置 1は、以上のように構成されているので、次のような作用効果を奏することができる。

いびきセンサ 15がいびきを検出したときに空気制御弁としての三方弁 8及び空気ポンプ 7が制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋 4及び背中空気袋 6を膨張させるので、就寝者 10は、無意識のうちに背中或いは体側と頭部の両方に反射反応につながる異変を感じる。その結果、仰臥している就寝者 10 は、安眠を妨げられることなぐ横臥或いは少し斜め向きに誘導される。また、就寝者 10が横臥或いは少し斜め向きにされることにより、就寝者 10のいびきを効果的に防止或いは軽減することができる。

[0045] また、第 1実施形態のいびき防止装置 1によれば、各枕空気袋 41、 42の空気配管接続口 4aは、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人の枕 12の下面側部を避けた位置に設けられているので、空気配管 9を就寝者 10の枕 12に接触しない位置に配置することができる。したがって、空気配管 9が就寝者 10の枕 12などによりつぶされて、装置が作動しなくなるような事故を回避することができる。

[0046] また、第 1実施形態のいびき防止装置 1によれば、各背中空気袋 61、 62の空気配管接続口 6aは、枕空気袋 41、 42に近接する端部において、寝具 11上の所定位置に仰臥して就寝する人の頭部の側方に配置されている。従って、空気配管 9を就寝者 10の身体に接触しない位置に配置することができる。したがって、空気配管 9が就寝者 10の体重などによりつぶされて、装置が作動しなくなるような事故を回避することができる。

[0047] また、第 1実施形態のいびき防止装置 1によれば、各枕空気袋 41、 42及び各背中空気袋 61、 62の空気配管接続口 4aに接続される空気配管 9が、空気配管接続口 4 aに近づくにつれて段階的に拡径されている。従って、各枕空気袋 41、 42及び各背中空気袋 61、 62の排気を即座に済ませることができ、いびき防止装置 1による就寝者 10への作用を短くすることができ、就寝者 10の安眠をより一層妨げないようにすること力 Sできる。 [0048] (第 2実施形態）

次に、本発明の第 2実施形態に係るいびき防止装置 1について、図 7及び図 8に基づき説明する。図 7は第 2実施形態に係るいびき防止装置 1の空気配管回路図である。図 8は同いびき防止装置 1における制御動作を説明するためのフローチャートである。なお、図 7及び図 8において、第 1実施形態と同一または相当する個所には同一の符号を付しその説明を省略する。

[0049] 第 2実施形態のいびき防止装置 1は、いびきセンサ 15により、いびきが検出されたときに、左右の各空気袋群において、枕空気袋 4と背中空気袋 6とを段階的に膨張させる。このために、第 2実施形態のいびき防止装置 1は、各枕空気袋 41、 42、 61、 6 2にそれぞれに対応して設けられた三方弁 81a、 81b、 82a, 82bを備えている。すなわち、図 7の空気配管回路図に示すように、空気ポンプ 7の吐出側は、左枕空気袋用三方弁 81aを介して左枕空気袋 41に接続され、左背中空気袋用三方弁 81bを介して左背中空気袋 61に接続され、さらに、右枕空気袋用三方弁 82aを介して右枕空気袋 42に接続され、右背中空気袋用三方弁 82bを介して右背中空気袋 62に接続されている。

[0050] また、第 2実施形態における制御動作を除くその他の構成は、第 1実施形態と同一である。制御動作について以下に説明する。

上記のように構成されたいびき防止装置 1は、就寝者 10が操作盤 2の操作部 2aを操作して運転時間を設定すると、いびき防止装置 1の運転がスタートされ図 8の制御フローチャートに示されるような制御が行われる。

[0051] すなわち、本第 2実施形態に係るいびき防止装置 1では、運転がスタートされると、運転時間を設定するための運転タイマが〇Nする（ステップ S21)。運転タイマは第 1 実施形態と同一又は同等のものを用いることができる。次いで、いびきセンサ 15により、いびきが検知され (ステップ S22)、いびきの有無が判定される（ステップ S23)。いびき無しと判定されたときは、前のステップに戻りいびき検出が継続される。いびき有りと検出された場合は、位置センサ 16により就寝位置が検出され (ステップ S24)、就寝位置が左か右か判定される（ステップ S25)。判定の結果、例えば就寝位置が左と判定された場合は、左側の第 1の空気袋群を膨張させるように制御する。 [0052] そこで、先ずポンプタイマが ONして空気ポンプ 7の運転を開始する（ステップ S26- 1)。ポンプタイマは第 1実施形態と同一又は同等のものを用いることができる。次いで、左枕空気袋用三方弁タイマを ONして左枕空気袋用三方弁 81aを給気位置に設定する（ステップ S 27-1) ₀左枕空気袋用三方弁タイマは左枕空気袋用三方弁 81 a の給気位置維持時間を設定するものである。これにより、左枕空気袋 41が所定時間力、けて膨らまされ、枕 12が右に傾けられる。これにより、就寝者 10は無意識に頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、右横を向くように挙動する。

[0053] 次いで、左用遅延タイマが ONする（ステップ S28_l)。左用遅延タイマは、左枕空気袋 41に給気して力も左背中空気袋 61に給気するまでの時間を設定するものである。そして、左用遅延タイマが OFFすると（ステップ S29_l)、つまり、左枕空気袋 41 が膨張して所定時間経過すると、左背中空気袋用タイマを〇Nして左背中空気袋用三方弁 81bを給気位置に設定する（ステップ S30_l)。左背中空気袋用タイマは、左背中空気袋用三方弁 81bの給気位置の維持時間を設定するものである。なお、このとき左枕空気袋用三方弁 81aが閉鎖位置に設定される。

[0054] このような制御により、左枕空気袋 41が膨張した状態に維持されるとともに、左背中空気袋 61に空気が所定時間かけて供給されて左背中空気袋 61が膨張される。その結果、就寝者 10は、時間差でもって左背中部が持ち上げられる。したがって、就寝者 10は、頭部と、背中部及び体側部とに対し時間的に段階を付けて反射反応につながる異変を感じることになる。また、就寝姿勢も時間的に段階を付けて右向きに変化するので、いびきの防止或いは軽減効果がより高められる。

[0055] このようにして、就寝者 10が右横を向いて一定時間経過すると、いびきが止まる。

ポンプタイマ、左枕空気袋用三方弁タイマ及び左背中空気袋用三方弁タイマの時間は、この経過時間を考慮して予め設定されている。そこで、ポンプタイマが OFFになることにより空気ポンプ 7の運転を終了する (ステップ S31— 1)。また、ほぼ同時に、左枕空気袋用三方弁タイマが OFFになり、左枕空気袋用三方弁 81aが排気位置に設定される（ステップ S32— 1)。この制御により、左枕空気袋 41内の空気が速やかに排気され、左枕空気袋 41が速やかに収縮される。また、ほぼ同時に、左背中空気袋用三方弁タイマが OFFして左背中空気袋用三方弁 81bが排気位置に設定され (ステツプ S33— 1)、左背中空気袋 61内の空気が速やかに排気されて、左背中空気袋 61が速やかに収縮する。

[0056] また、前述の位置センサ 16による就寝位置検知において、就寝位置が右と判定された場合は (ステップ S25)、右側の第 2の空気袋群を膨張させるための制御が行われる。この場合は、前述の左側の場合と同様の制御が行われる。

[0057] すなわち、先ず、ポンプタイマを ONして空気ポンプ 7の運転を開始する（ステップ S 26— 2)。次いで、右枕空気袋用三方弁タイマを〇Nして右枕空気袋用三方弁 82aを給気位置に設定する (ステップ S27— 2)。右枕空気袋用三方弁タイマは右枕空気袋用三方弁 82aの給気位置維持時間を設定するものである。右枕空気袋用三方弁 82 aが給気位置に設定されることにより、右枕空気袋 42が所定時間かけて膨らまされ、枕 12が左に傾けられる。このような制御により、就寝者 10は無意識に頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、左横を向くように挙動する。

[0058] 次いで、右用遅延タイマを ONする（ステップ S28-2)。右用遅延タイマは、右枕空気袋 42に給気してから右背中空気袋 62に給気するまでの時間を設定するものである。そして、右用遅延タイマが OFFした後（ステップ S29-2)、つまり、右枕空気袋 42 が膨張して所定時間経過した後、右背中空気袋用タイマを ONして右背中空気袋用三方弁 82bを給気位置に設定する（ステップ S30-2)。右背中空気袋用タイマは、右背中空気袋用三方弁 82bの給気位置維持時間を設定するものである。なお、このとき右枕空気袋用三方弁 82aが閉鎖位置に設定される。

[0059] このような制御により、右枕空気袋 42が膨張した状態に維持されるとともに、右背中空気袋 62に空気が所定時間かけて供給されて膨張される。その結果、就寝者 10は、時間差でもって右背中部が持ち上げられる。したがって、就寝者 10は、頭部と、背中部及び体側部とに対し時間的に段階を付けて反射反応につながる異変を感じることになる。また、就寝姿勢も時間的に段階を付けて左向きに変化するので、いびきの防止或いは軽減効果がより高められる。

[0060] このようにして、就寝者 10が左横を向いて一定時間経過すると、いびきが止まる。

ポンプタイマ、右枕空気袋三方弁タイマ及び右背中空気袋用センサの時間は、この経過時間を考慮して予め設定されている。したがって、ポンプタイマが OFFになり、空気ポンプ 7の運転が終了する (ステップ S31— 2)。また、略同時に、右枕空気袋用三方弁タイマが OFFになり、右枕空気袋用三方弁 82aが排気位置に設定される（ステツプ S32-2)。この制御により右枕空気袋 42内の空気が速やかに排気され、右枕空気袋 42が速やかに収縮する。また、略同時に、右背中空気袋用三方弁タイマが O FFになり、右背中空気袋用三方弁 82bが排気位置に設定され (ステップ S33-2)、右背中空気袋 62内の空気が速やかに排気され、右背中空気袋 62を収縮させる。

[0061] このようにして一連のレ、びき防止動作が終了する。

第 2実施形態に係るいびき防止装置 1は、第 1実施形態の場合と同様、いびきの発生を一定の間隔をおいて監視し、いびきの発生を検出した場合には上述のようないびき防止対策を講じるように構成されている。このため、上述のいびき防止動作が終了した後、監視遅延タイマを作動させる（ステップ S34)。そして、運転タイマが OFFしていないことを確認し (ステップ S35)、所定時間経過して監視遅延タイマが OFFしたときに (ステップ S36)、再度いびきの検出が開始される（ステップ S36→S22)。

[0062] なお、予め設定された運転希望時間が経過することにより、運転タイマが OFFしたときは、運転の必要がなくなるので、いびき防止装置 1の運転を停止する（ステップ S 37)。

[0063] 本第 2実施形態のいびき防止装置 1は、以上のように構成されているので、いびきセンサ 15がいびきを検出したときに空気制御弁（三方弁 8)及び空気ポンプ 7が制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋及 41、 42及び背中空気袋 61、 62を、それぞれ別個の適切なタイミングで膨張させることができる。したがって、このタイミングを適切に設定することにより、就寝者 10は、無意識に背中或いは体側部と頭部に対し段階的に反射反応につながる異変を感じるようになる。また

、就寝している姿勢の変化も段階的に行われるので、横を向ぐ或いは寝返りをするなどの挙動により導き易くなる。この結果、本発明によれば、より効果的に、仰臥してレ、る就寝者 10の安眠を妨げることなぐ就寝者 10を横臥或いは少し斜め向きにすることができ、いびきを防止或いは軽減することができる。

[0064] (第 3実施形態）

次に、本発明の第 3実施形態に係るいびき防止装置について図 9及び図 10に基づいて説明する。なお、図 9は第 3実施形態のいびき防止装置に含まれる枕昇降装置 2 0の正面図であって、左右の枕空気袋とも膨張していない状態を示す正面図である。図 10は枕昇降装置 20の正面図であって、右側枕空気袋が膨張した状態を示す正面図である。

[0065] 第 3実施形態では、枕昇降装置 20の支持板 23上に枕が載置可能である。なお、第 3実施形態の枕昇降装置 20以外の構成については第 1又は第 2実施形態と同一である。なお、この図において第 1又は第 2実施形態の構成に対応する個所には同一の符合を付し、その説明を簡略化する。

[0066] 第 1及び第 2実施形態においては、枕空気袋 4は基板 2上に載置され、枕 12が枕空気袋 4の上面に載置されていた。したがって、枕 12は平板状の部材上に載置されていないので、一方の枕空気袋 4を膨らませた場合に、剛性材料が下面に設けられた枕でない限り、枕 12の中央部が折れ曲がり就寝者の頭部をうまく傾けることができない。第 3実施形態のいびき防止装置は、このような問題に対する改善がなされている。

[0067] 第 3実施形態に係る枕昇降装置 20は、基板 21と、基板 21上に左右対称的に取り付けられた一組の枕空気袋 41、 42と、枕空気袋 41、 42の上面で支持される支持板 23と、支持板 23を基板 21に対し傾斜可能に支持するリンク機構 24とを備える。

[0068] 基板 21は第 1実施形態の場合と同様にアルミ板から構成されている。また、基板 2 1は、平面を形成する板状部材であり、平面視長方形状を有する。

一組の枕空気袋 41、 42は、第 1実施形態と同様にポリエチレンやポリウレタンなどのシートから形成されている。また、一組の枕空気袋 41、 42は、互いに隣接する端部が基板 21の中央部に固定されている。なお、一組の枕空気袋 41、 42におけるその他の部分は、基板 21に対し固定されてレ、なレ、。

[0069] 支持板 23は、基板 21と同様のアルミ板により形成されており、基板 21と同様の長方形の平面形状を有する。また、支持板 23は、枕空気袋 41、 42上に支持され、基板 21に対しリンク機構 24を介して取り付けられている。支持板 23は、一対の枕空気袋 41、 42の何れか一方が膨張した場合に、リンク機構 24により支持されつつ、枕空気袋 41、 42と接触し、スライドしながら傾斜するように構成されている。 [0070] リンク機構 24は、一端部が基板 21の中央部に回転自在に軸支された 2本のアーム 26を備える。このアーム 26の上端部は、支持板 23の下面に取り付けられた接続具 2 7に取り付けられている。アーム 26は、この接続具 27により支持板 23に対し回転自在であり、かつ接続具 27内において支持板 23の下面に対しスライド可能となっている。

[0071] 枕 12は、枕昇降装置 20の支持板 23上に載置される。また、枕空気袋 41、 42は第 1及び第 2実施形態の場合と同様に給排気制御される。

このように構成された枕昇降装置 20は、枕空気袋 41、 42のいずれも膨張していなレ、ときは、図 9のような平板状をなし、枕空気袋 41、 42の何れか一方が膨張したときは、図 10のように支持板 23が傾斜する状態になる。したがって、いびきセンサ 15がいびきを検知して、枕空気袋 41、 42の何れか一方 (例えば、右側の枕空気袋 42)が膨張すると、図 10のように支持板 23が左側に傾斜する。

[0072] 以上のように第 3実施形態に係るいびき防止装置 1によれば、基板 21、即ち平面上に枕空気袋 41、 42を配置するとともに、枕空気袋 41、 42の上面に支持板 23を配置しているので、枕空気袋 41、 42の何れか一方に空気を供給することにより、枕 12の形を崩すことなく枕 12を傾斜させることができる。この結果、就寝者 10の頭部を無理なく横向きに促すことにより、就寝者 10を横臥状態或いは少し斜め向きにすることできる。したがって、就寝者 10の安眠を妨げることなぐより確実にいびきを防止或いは軽減すること力できる。

[0073] 本発明は、次のように変更することもできる。

上記第 1実施形態において、枕空気袋 4を省略して背中空気袋のみを使用してもよレ、。ただし、この場合、第 1実施形態よりも効果が劣ることになるが、いびき防止の効果は発揮させることができる。すなわち、いびきセンサ 15がいびきを検出したときに空気制御弁（三方弁 8)及び空気ポンプ 7が制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する背中空気袋 6に空気が供給されるので、就寝者 10は、無意識に背中或いは体側部の異変を感じる反射反応を示し、大きな刺激を受けることなく横を向く或いは寝返りするなどの挙動を示すことができる。

[0074] また、上記第 1実施形態において、左背中空気袋 61及び右背中空気袋 62を省略してもよい。この場合、第 1実施形態よりも効果が劣ることになるが、いびき防止の効果は発揮させることができる。すなわち、いびきセンサ 15がいびきを検出したときに空気制御弁（三方弁 8)及び空気ポンプ 7が制御され、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋 4を膨張させることにより、就寝者 10の頭部に対し横向きを促すように作用する。その結果、就寝者 10は無意識に頭部の環境の異変を感じる反射反応を示し、横を向く或いは寝返りをするなどの挙動を示す。したがって、背中空気袋 6を省略して枕空気袋 4のみとした場合でも、仰臥している就寝者 10を、安眠を妨げることなぐ横臥或いは少し斜め向きにすることができ、いびきを防止或いは軽減すること力 Sできる。

[0075] 上記第 1一第 3実施形態において、左枕空気袋 41、右枕空気袋 42、左背中空気袋 61及び右背中空気袋は、それぞれ 1個で形成されていたが、これを複数にすることもできる。例えば、それぞれの空気袋 41、 42、 61、 62を就寝者の身長方向に沿つて複数の袋に分割されてもよい。

[0076] また、上記第 2実施形態では、枕空気袋 41、 42を完全に膨張し終わってから背中空気袋 61、 62を膨張させるようにした力これを次のように変更することも可能である。すなわち、先ず、枕空気袋 41、 42を膨張し始め、この枕空気袋 41、 42の膨張が完全に終わる前に背中空気袋 61、 62を膨張し始める、或いは、逆に、背中空気袋 61、 62から膨張を始め、背中空気袋 61、 62の膨張が完全に終わる前に枕空気袋 41、 4 2を膨張し始めるようにしてもよい。つまり、一時的に両空気袋 41、 42、 61、 62への給気時間が重なるようにしてもよい。ただし、この場合、給気時間が重なっているときに、就寝者の移動などにより最初に膨張させ始めた空気袋に体重が作用して、空気袋が押圧されると、この空気袋内の空気が他の空気袋に逃げてしまい、空気袋の膨張速度制御が設定通りに行われないという恐れがある。したがって、この空気の逃げを防止するために、図 11のように各三方弁 81a、 81b、 82a、 82bよりもポンプ側の上流管路に逆支弁 91a、 91b、 9 2a、 92bを設けることカ好ましレ、。

産業上の利用可能性

[0077] 本発明のいびき防止装置は、一般家庭、宿泊施設等において、就寝時にいびきを力べ人が同室にいる場合に好適に用いられる。このいびき防止装置を用いることにより、同室者はいびきにより睡眠が妨げられることを無くすことができる。

ここで開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなぐ請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims

請求の範囲

[1] いびき防止装置であって、

寝具上で就寝する人の肩部から背中或いは腰上部に対応して設けられ、寝具上に就寝する人の脊椎を中心として左右対称的に配置される複数の背中空気袋と、就寝してレ、る人のレ、びきを感知するレ、びきセンサと、

就寝している人が寝具上で左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、

前記複数の背中空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、

前記複数の背中空気袋を給排気制御する空気制御弁と、

前記空気制御弁及び前記空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、

前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置していることが検出されたとき、前記空気制御弁及び前記空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する背中空気袋に空気を供給することを特徴とするいびき防止装置。

[2] いびき防止装置であって、

寝具上で就寝する人の枕の下面側に左右対称的に配置される複数の枕空気袋と就寝してレ、る人のレ、びきを感知するレ、びきセンサと、

就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置しているかを検知する位置センサと、

前記複数の枕空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、

前記複数の枕空気袋を給排気制御する空気制御弁と、

前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置していることが検出されたとき、前記空気制御弁及び前記空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する枕空気袋に空気を供給することを特徴とするいびき防止装置。

[3] その上に前記複数の枕空気袋が配置される平面状の基板と、前記複数の枕空気袋の上面に設けられ、枕を支持するための支持板とを更に備え、前記支持板は、前記複数の枕空気袋のうちの一つに空気を供給して膨張させることにより、左右何れかに傾斜するように前記基板に取り付けられていることを特徴とする請求項 2記載のいびき防止装置。

[4] 前記複数の枕空気袋のうちの一つが膨張したときに、前記支持板が左右何れかに傾斜するように該支持板を支持するリンク機構を備えることを特徴とする請求項 3記載のいびき防止装置。

[5] いびき防止装置であって、

寝具上で就寝する人の肩部から背中或いは腰上部に対応して設けられ、寝具上に就寝する人の脊椎を中心として左右対称的に配置される複数の背中空気袋と、寝具上で就寝する人の枕の下面側に左右対称的に配置される複数の枕空気袋と就寝してレ、る人のレ、びきを感知するレ、びきセンサと、

就寝している人が寝具上の左右何れに偏って位置している力を検知する位置センサと、

前記複数の背中空気袋及び前記複数の枕空気袋に空気を選択的に供給する空気ポンプと、

左側の背中空気袋及び枕空気袋からなる第 1の枕空気袋群と右側の背中空気袋及び枕空気袋からなる第 2の枕空気袋群とを給排気制御する空気制御弁と、前記空気制御弁及び前記空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、

前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置していることが検出されたとき、前記空気制御弁及び前記空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する空気袋群に空気を供給することを特徴とするいびき防止装置。

[6] いびき防止装置であって、

前記複数の背中空気袋及び前記複数の枕空気袋を給排気制御する空気制御弁と前記空気制御弁及び前記空気ポンプの制御を行う制御部とを備え、

前記制御部は、いびきセンサによりいびきが検出され、かつ位置センサにより就寝している人が偏って位置していることが検出されたとき、前記空気制御弁及び前記空気ポンプを制御することにより、就寝している人が偏って位置している側に対応する背中空気袋及び枕空気袋に所定のタイミングで空気を供給することを特徴とするレヽびき防止装置。

[7] 前記制御部は、関連の枕空気袋に最初に空気を供給し、その後、関連の背中空気袋に空気を供給することを特徴とする請求項 6記載のいびき防止装置。

[8] 前記制御部は、関連の背中空気袋に最初に空気を供給し、その後、関連の枕空気袋に空気を供給することを特徴とする請求項 6記載のいびき防止装置。

[9] 前記制御部は、関連の枕空気袋及び関連の背中空気袋に所定時間の間重複して空気を供給することを特徴とする請求項 7又は 8に記載のいびき防止装置。

[10] 前記複数の背中空気袋の各々は、寝具上で就寝する人の側方に配置された空気配管接続口を有することを特徴とする請求項 1及び 5 9の何れ力 4項に記載のいびき防止装置。

[11] 前記複数の背中空気袋の各々は、空気配管接続口を有し、いびき防止装置は更に前記空気配管接続口に連結され、該空気配管接続口に近づくにつれて段階的に拡径された空気配管を備えることを特徴とする請求項 1及び 5 9の何れ力 4項に記載のいびき防止装置。

[12] 前記複数の枕空気袋の各々の一部が枕の下面から突出し、前記複数の枕空気袋の各々は、その突出部分に設けられた空気配管接続口を有することを特徴とする請求項 2— 11の何れか 1項に記載のいびき防止装置。

前記複数の枕空気袋の各々は、空気配管接続口を有し、いびき防止装置は更に前記空気配管接続口に連結され、該空気配管接続口に近づくにつれて段階的に拡径された空気配管を備えることを特徴とする請求項 2 11の何れ力 4項に記載のいびき防止装置。