WO2004065125A1

WO2004065125A1 - インク残量算出方法および装置並びにインク容器

Info

Publication number: WO2004065125A1
Application number: PCT/JP2003/015549
Authority: WO
Inventors: Manabu Iwamoto; Kenji Oshima; Masakatsu Arai
Original assignee: Riso Kagaku Corporation
Priority date: 2003-01-21
Filing date: 2003-12-04
Publication date: 2004-08-05
Also published as: EP1586457A4; EP1586457B1; EP1586457A1; US7344213B2; JP4274412B2; CN100391748C; CN1741908A; JP2004223777A; US20060109289A1; DE60336758D1

Abstract

インク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの駆動モータの回転回数に基づいてインク吐出量を求め、インク吐出量を全インク量から累積的に減算してインクの残量を算出するインク残量算出方法において、インクの種類が異なる場合においても正確なインク残量を算出する。インクの種類データをインク容器(4)の記憶手段(5)から読み出して取得し、残量算出手段(22)においてその取得されたインクの種類に基づいて予め設定された標準的なインクについての単位回転数当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に動作時間を掛け合わせた値をインク容器(4)の全インク量から累積的に減算して残量を算出する。

Description

明細書インク残量算出方法および装置並びにィンク容器 [技術分野]

本発明は、ィンク容器内のインク残量を算出するィンク残量算出装置に関するものである。

[背景技術]

従来より、スキャナなどにより原稿を読み取った画像データに基づいてサーマルヘッドなどを駆動し、孔版原紙を溶融穿孔することにより製版処理を施して版を作成し、この作成された版を印刷ドラムに巻着して印刷ドラムの内側よりインクを供給し、ローラなどによりィンキを印刷用紙に転移することにより印刷を行う孔版印刷装置が種々提案されている。

そして、上記のような孔版印刷装置においては、取り扱いが容易などの理由により、孔版印刷装置に着脱可能な構造を有するインク容器が利用されている。上記ィンク容器内のィンクを使用し終えた際には、その空のィンク容器が取り外され、ィンクが満たされている新しいィンク容器が再ぴ装着されて使用される。上記インク容器は、たとえば、インクの吐出口が先端に設けられたインクシリンダとこのィンクシリンダの側面内壁に沿って摺動可能なィンクビストンとからなり、インクシリンダとインクピストンとによって囲まれた空間にインが収容される構成となっている。そして、上記インク容器においては、インクの吐出口からインク供給ポンプによりィンクが吸引されるにつれてビストンが大気圧に押されて吐出口側に摺動する構成となっている。

ここで、上記のようなインク容器を使用する場合、インクの残量を把握していなければ、予期せぬときに不意にィンク切れを起こし、作業性が低下してしまう。ィンクの残量を把握する方法としては、目視による把握があるがィンク容器は一般に外部からは見ることができない装置内に装着されているため、ィンクの残量を把握するためには印刷動作を一旦停止させる必要があり、やはり作業性が低下してしまう。また、インク容器内のィンクの残量や使用量を直接計測したのでは、装置が複雑化、大型化するとともに精度の高い計測も困難である。

そこで、特開 2002— 8667 8号公報においては、ィンクビストンの摺動にともなってィンクシリンダ内壁に付着したィンクが搔き取られた部分とそうでない部分の光の透過率の違いを利用してインク残量を算出する方法が提案され、特開平 1 0— 1 3 3 5 2 9号公報においては、ィンクビストンの側面に金属片を取り付け、インクシリンダの側面に沿って設けられたセンサによってこの金属片を検出することにより、インクピストンの位置を認識し、その位置からインクの残量を算出する方法が提案されているが、上記特開 200 2— 8 6 6 78号公報に記載の方法では、インクビストンでィンクシリンダ内壁を搔き取った後のィンクシリンダ内壁におけるインクの付着状態にバラツキが生じ、インクが搔き取られた部分とそうでない部分を誤って検出する問題が生じる。また、特開平 1 0— 1 3 3 5 29号公報に記載の方法では、金属片をインキ容器内のビストンに取り付けるため、コストや使用後のリサイクルのし易さに問題がある。また、金属片を検出するための発光素子、受光素子の取付数に制限があるため、細かい単位でのより正確な残量を算出することが困難であり、コストアップにもなる。

そこで、特開平 200 1 - 1 8 507号公報においては、インク供給ポンプの動作時間またはインク供給ポンプの駆動モータの回転回数を計測し、その動作時間等からインク容器から吐出されたインクの吐出量を算出し、そのィンク吐出量をィンク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算することによりインクの残量を算出する方法が提案されている。

しかしながら、特開平 200 1— 1 8 50 7号公報に記載の方法では、たとえば、インク供給ポンプの動作時間に基づいてインクの残量を算出する場合には、インクの種類や使用環境温度によってィンクの粘度が変化するため、ィンクが及ぼすィンク供給ポンプへの負荷が変化し、ィンク供給ポンプにおける駆動モータの回転速度などが変化するため、同じインク供給ポンプの動作時間であってもィンクの種類や使用環境温度によってインク容器から吐出されるインク吐出量が異なり、正確なインク残量を算出することができない。

また、たとえば、粘度の低いインクをインク容器に収容する場合には、インク容器の吐出口からインクが流れ出るおそれがあるため、吐出口の小さいィンク容器が使用される場合がある。このよラにインクの種類によって吐出口の大きさが異なるとィンク供給ポンプの単位作動回数ひいては駆動モータの単位回転数当りのインク吐出量がィンクの種類によって異なるため、ィンク供給ポンプの駆動モータ.の回転回数に基づいてィンクの残量を算出した場合、正確なィンク残量を算出することができない。

本発明は、上記のような事情に鑑み、上記のようなインク供給ポンプの動作時間またはインク供給ポンプの駆動モータの回転回数に基づいてィンクの残量を算出する場合において、ィンクの種類や使用環境温度が異なる場合においても正確なィンク残量を算出することができるインク残量算出方法および装置並びにィンク容器を提供することを目的とするものである。

[発明の開示]

本発明の第 1のィンク残量算出方法は、ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量またはィンク供給ポンプの駆動モータの回転回数と単位回転数当りの吐出量に基づいてィンク容器内から吐出されたインク吐出量を求め、そのインク吐出量をインク容器內に収容された全ィンク量から累積的に減算してィンク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出方法において、インクの種類を取得し、その取得されたインクの種類に基づいて単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出することを特徴とする。

ここで、上記「インクの種類を取得する」とは、たとえば、装置の操作者が種類を所定の入力手段により装置本体に直接入力することにより取得するようにしてもよいし、インク容器にメモリーなどを設け、このメモリーに種類データを記憶しておき、これを読み出すようにしてもよい。

また、上記「インクの種類」としては、たとえば、インクの種類の情報そのものでもよいし、インクの種類を示す所定のパラメータでもよいし、インクの粘度ゃィンクの粘度を示すパラメータでもよく、ィンクの種類の情報を示すデータであれば如何なるものでもよい。

また、上記「インクの種類に基づいて単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を補正し、その捕正済吐出量に基づいて残量を算出する」とは、たとえば、予め標準的なインクについて求めた単位動作時間当りまたは単位回転数当りの吐出量にィンクの種類毎に異なる所定の補正率を掛け合わせて補正済吐出量を算出し、その補正済吐出量に上記動作時間または上記回転回数を掛け合わせた値を上記全インク量から累積的に減算して残量を算出するようにすればよいが、予め標準的なインクについて求めた単位動作時間当りまたは単位回転数当りの吐出量に上記動作時間または上記回転回数を掛け合わせた後に、その値にィンクの種類毎に異なる所定の補正率を掛け合わせた値を上記全ィンク量から累積的に減算して残量を算出するようにしてもよい。つまり、間接的に単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を捕正するような方法としてもよい。また、インクの種類毎に予め単位動作時間当りまたは単位回転数当りの吐出量を実験などにより取得し、該取得した吐出量を補正済吐出量とし、その補正済吐出量に上記動作時間または上記回転回数を掛け合わせた値を上記全インク量から累積的に減算して残量を算出するようにしてもよい。また、予め標準的なインクについて求めた単位動作時間当りまたは単位回転数当りの吐出量に上記動作時間または上記回転回数を掛け合わせた値を上記全インク量から累積的に減算した後に、予め標準的なィンクについて求めた単位動作時間当りまたは単位回転数当りの吐出量と上記補正済吐出量の比に基づいて上記減算値に所定の割合を掛け合わせて残量を算出するようにしてもよい。要は、実質的に、単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出する方法と同等の方法であれば、その計算方法は如何なる計算方法でもよい。本発明の第 2のィンク残量算出方法は、ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量に基づいてィンク容器内から吐出されたィンク吐出量を求め、そのインク吐出量をィンク容器內に収容された全ィンク量から累積的に減算してィンク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出方法において、使用環境温度を検出し、その検出された使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出することを特徴とする。

ここで、上記「使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出する」とは、たとえば、予め常温について求めた単位動作時間当りの吐出量に使用環境温度毎の異なる所定の補正率を掛け合わせて補正済吐出量を算出し、その補正済吐出量に上記動作時間を掛け合わせた値を上記全ィンク量から累積的に減算して残量を算出するようにすればよい力その他の方法については、上記インクの種類に基づく残量の算出の場合と同様である。

また、上記第 2のインク残量算出方法においては、インクの種類を取得し、その取得されたィンクの種類および使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するようにすることができる。

本発明の第 1のインク残量算出装置は、インク容器内からインクを吸引して吐出するィンク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量またはィンク供給ポンプの駆動モータの回転回数と単位回転数当りの吐出量に基づいて求められたィンク容器内から吐出されたィンク吐出量をィンク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算してィンク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出装置において、インクの種類を取得するインク種類取得手段と、インク種類取得手段により取得されたィンクの種類に基づいて単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を捕正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出する残量算出手段とを有することを特徴とするものである。

本発明の第 2のィンク残量算出装置は、ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量に基づいて求められたィンク容器内から吐出されたィンク吐出量をインク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算してィンク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出装置において、使用環境温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出する残量算出手段とを有することを特徴とするものである。

上記第 2のィンク残量算出装置においては、ィンクの種類を取得するインク種類取得手段を有するものとし、残量算出手段を、インク種類取得手段により取得されたィンクの種類および使用環境温度に基づいて単位動作時問当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するものとすることができる。本発明の第 1のィンク容器は、上記第 1およぴ第 2のィンク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であって、ィンクの種類に応じた種類データを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするものである。

ここで、上記「インクの種類に応じた種類データを記憶する記憶手段」としては、たとえば、インク種類を示すデータを記憶するメモリやインクの種類を示すバーコードなどがあるがインクの種類に応じた情報を記憶するものであれば如何なるものでもよい。

本発明の第 2のインク容器は、上記第 1のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であって、インクの種類に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするものである。

ここで、上記「パラメータ」としては、たとえば、上記補正率などがあるが、上記補正済吐出量そのものでもよい。

本発明の第 3のィンク容器は、上記第 2のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であって、使用環境温度に基づく捕正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするものである。

本発明の第 4のィンク容器は、上記第 2のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であって、インクの種類および使用環境温度に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするものである。

本発明の第 1のィンク残量算出方法および装置によれば、ィンクの種類を取得し、その取得されたィンクの種類に基づいて単位動作時間当りの吐出量または単位回転数当りの吐出量を捕正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するようにしたので、異なる種類のィンクが収容されたィンク容器が使用された場合においても、各インク容器について正確な残量を算出することができる。

本発明の第 2のィンク残量算出方法および装置によれば、使用環境温度を検出し、その検出された使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するようにしたので、使用環境温度によつてィンクの粘度が変化した場合においても、正確な残量を算出することができる。

また、上記第 2のインク残量算出方法において、インクの種類を取得し、その取得されたインクの種類および使用環境温度に基づいて単位動作時間当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するようにした場合には、使用環境温度の変化だけでなく、さらにインクの種類が変化した場合においても、正確な残量を算出することができる。

本発明の第 1のィンク容器によれば、ィンクの種類に応じた種類データを記憶する記憶手段を有するものとしたので、記憶手段からインクの種類データを読み出すことにより、インクの種類を自動的に取得することができる。

本発明の第 2のィンク容器によれば、ィンクの種類に基づく補正に使用されるパラメータを記憶するものとしたので、インク容器が設置される装置に予めそのィンクの種類が設定されてなくても、上記パラメータに基づいて上記ィンクの種類に基づく補正を行うことができる。

本発明の第 3のィンク容器によれば、使用環境温度に基づく捕正に使用されるパラメータを記憶するものとしたので、ィンク容器が設置される装置に予め使用環境温度に基づく補正に使用されるパラメータを記憶しておく必要がないので、上記装置のメモリの領域の消費を節約することができる。

本発明の第 4のィンク容器によれば、ィンクの種類および使用環境温度に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものとしたので、ィンク容器が設置される装置に予めそのィンクの種類が設定されてなくても、上記パラメータに基づいて上記ィンクの種類および使用環境温度に基づく補正を行うことができる。

[図面の簡単な説明]

図 1は、本発明のィンク残量算出装置の一実施形態を利用した孔版印刷装置の一部概略構成図

図 2は、図 1に示す孔版印刷装置におけるインク容器の装着態様を示す概略斜視図

図 3は、図 1に示す孔版印刷装置におけるインク供給ポンプの縦断面図図 4は、図 1に示す孔版印刷装置における残量算出手段に設定された温度依存補正テーブルを示す図 ·

[発明を実施するための好ましい態様]

以下、図面を参照しながら本発明のィンク残量算出方法を実施するインク残量算出装置およびィンク容器の一実施形態を利用した孔版印刷装置について説明する。図 1は、本実施形態の孔版印刷装置の一部概略構成図である。また、図 2はインク容器の孔版印刷装置への装着態様を示す概略斜視図である。

本孔版印刷装置 1は、装置本体 2に、図 2に示すような、外周に製版された孔版原紙 Mが取り付けられる印刷ドラム 3を備え、この印刷ドラム 3の内部には一方の端部の中心部からインクが収容されたィンク容器 4が矢印 Aの方向に出し入れされ、固定部材 3 1が矢印 B方向に可動することにより交換可能に装着される。そして、インク容器 4の先端部にはインクが吐出される開口部 4 1が設けられており.、この開口部 4 1が印刷ドラム 3内に設置されたインク供給ポンプ 2 1 (図 1参照）に接続され、このインク供給ポンプ 2 1によりインク容器 4内のインクを吸引することによりインクがインク容器 4から吐出され、印刷に使用される。そして、印刷に伴なつてインク容器 4の内部のインクが供給されて消費され、ィンクがなくなった際にはィンク容器 4は取り外され、新たなインク容器 4が装着される。

インク容器 4には、その先端部に、インク容器 4内に収容されたインクの種類に応じて予め設定された補正率および未使用時のインク容器 4に収容された全ィンク量を記憶する記憶手段 5が配置されている。この記憶手段 5は電源を供給しなくても一定期間データを記憶できる不揮発性メモリー（E E P R O Mなど）を構成するメモリー I C 5 1を備え、このメモリー I C 5 1が取り付けられた基板 5 2の先端に接点 5 3が設けられている。なお、上記補正率の詳細については後述する。

また、本孔版印刷装置 1のインク供給ポンプ 2 1の近傍には、インク容器 4の記憶手段 5の接点 5 3と電気的に接続するコネクター 6が設置されている。

インク供給ポンプ 2 1は、図 3に示すようなピストンポンプである。図 3はィ. ンク供給ポンプ 2 1の縦断面図である。インク供給ポンプ 2 1は、図 3に示すように、ピストン 6 1 と、ピストン 6 1が内部で往復運動するポンプ室 6 2と、ピストン 6 1が内部で摺動するシリンダ 6 3 と、ィンク容器 4の開口部 4 1が取り付けられているインク吸引口 6 4と、印刷ドラム 3内にインクを供給するインク吐出口 6 5とからなり、シリンダ 6 3の一端にはィンク容器 4からポンプ室 6 2 内へのインクの流入のみを許容する逆止弁として機能する吸入側ポンプ弁 6 6が設けられ、ポンプ弁 6 6はコイルばね 6 7によって通路を閉じる方向に付勢されている。一方、ロッドシャフト 6 8の端部にはピストン弁 6 9が、またロッドシャフト 6 8の所定の位置にはビストン 6 1を反矢印方向に押すためのピン 7 0が設けられており、さらにシリンダ 6 3の外側であって口ッドシャブト 6 8の他端には、ピストン 6 1を往復運動させる機構が設けられている。ピストン 6 1を往復運動させる機構は、図示しない駆動モータによって回転するギア 7 1 と、このギアの回転中心に対して所定距離 dだけ偏心してギア 7 1に固定された偏心カム 7 2と、この偏心カム 7 2に係合する溝 7 3を備えている。

インク供給ポンプ 2 1においては、ギヤ 7 1が回転することによって偏心カム 7 2を介し口ッドシャフト 6 8が往復運動し、口ッドシャフト 6 8の端部のビストン弁 6 9とピン 7 0に挟まれたピストン 6 1がシリンダ 6 3内を摺動する。口ッドシャフト 6 8が矢印方向に引かれると、ピストン弁 6 9とピストン 6 1が接触しポンプ室 6 2が閉じられ、ピストン 6 1が矢印方向に引かれると、ポンプ弁 6 6が開きィンク容器 4からインクが吸引され、ポンプ室 6 2にィンクが満たされる。次いでロッドシャフト 6 8が反矢印方向に押されると、ピン 7 0とピストン 6 1が接触し、ピストン 6 1が反矢印方向に押され、ポンプ弁 6 6は閉じビストン弁 6 9が開いてポンプ室 6 2のインクが斜線部 Sに流入する。続いて、再びピストン 6 1が矢印方向に引かれると、斜線部 Sに溜められたィンクがインク吐出口 6 5から吐出され、吐出されたインクは印刷ドラム 3内に供給される。印刷ドラム 3内のィンク量が一定以上になるとギヤ 7 1の回転が止まり、インクの供給が停止される。

また、本孔版印刷装置 1は、図 1に示すように、インク供給ポンプ 2 1における駆動モータの回転回数を力ゥントするエンコーダを有する残量算出手段 2 2を備えている。残量算出手段 2 2は、予め設定された標準的なインクの単位回転数当りの吐出量にィンク容器 4の記億手段 5から読み出された補正率を掛け合わせて補正済吐出量を求め、その補正済吐出量に上記エンコーダによりカウントされた回転回数を掛け合わせ、その値をィンク容器 4の全ィンク量から累積的に減算することによりインクの残量を算出するものである。なお、補正率は以下のようにして求められたものである。まず、予め標準的なインクで上記エンコーダによるカウント数が 1 0 0パルスに達した場合のィンク容器 4からのィンクの吐出量を調べておく。この吐出量が、たとえば、 5 m lである場合、残量算出手段 2 2 にこの値が記憶される。そして、残量算出手段 2 2はエンコーダでカウントされたパルス数とこの値に基づいてインクの使用量を算出する。しかしながら、たとえば、使用するインクが上記標準的なインクよりも粘度が低いインクである場合、インクが開口部 4 1から垂れやすくなるため、インク容器 4の開口部 4 1の開口径を小さくする。したがって、エンコーダによるカウント数が 1 0 0パルスに達した場合におけるインク容器 4からのィンクの吐出量は上記 5 m 1 よりも小さくなってしまうため、実際に吐出されたィンクの吐出量よりも残量算出手段 2 2において算出されたインクの使用量の方が多くなつてしまう。したがって、上記のように標準的なィンクよりも粘度が低いィンクが収容されたインク容器 4の記憶手段 5には、 1 0 0 %より小さい値の捕正率を記憶するようにする。つまり、たとえば、エンコーダによるカウント数が 1 0 0パルスに達した場合におけるインク容器 4からのインクの吐出量が上記 5 m 1の半分である場合には、補正率は 5 0 %とすればよい。逆に、使用するインクが上記標準的なインクよりも粘度が高いインクである場合には、上記とは逆に 1 0 0 %よりも大きい値の補正率を記憶するようにすればよい。

次に、本孔版印刷装置 1においてインク残量を算出する際の作用について説明する。

まず、インク供給ポンプ 2 1にインク容器 4が接続される。そして、このことによりィンク供給ポンプ 2 1の近傍に設けられたコネクタ 6とインク容器 4に設けられた記憶手段 5の接点 5 3とが電気的に接続され、記憶手段 5に記憶された補正率と全ィンク量が残量算出手段 2 2により読み出され、残量算出手段 2 2に設けられたメモリ 2 3に記憶される。

一方、インク供給ポンプ 2 1が動作することによりインク容器 4からインクが吸引され、印刷ドラム 3内に吐出される。印刷ドラム 3内には、ィンキセンサ（不図示）が設けられており、このインキセンサにインクが接するまでインクが吐出される。そして、上記のようにインク供給ポンプ 2 1が動作するとともに、残量算出手段 2 2におけるエンコーダによりインク供給ポンプ 2 1の駆動モータの回転回数がパルス数としてカウントされる。残量算出手段 2 2は、予め設定された標準的なィンクに対する 1 0 0パルス当りの吐出量にメモリ 2 4から読み出された捕正率を掛け合わせて補正済吐出量を算出し、その補正済吐出量に上記カウントされたパルス数を 1 0 0で割った値を掛け合わせてィンク容器 4から吐出されたインク吐出量を算出する。そして、残量算出手段 2 2は、上記インク吐出量をメモリ 2 4から読み出された上記全ィンク量から減算することによりインクの残量を算出し、メモリ 2 4に記憶する。そして、このメモリ 2 4に記憶されたインクの残量は、コネクタ 6および接点 5 3を介して記憶手段 5に記憶される。そして、孔版印刷装置 1において製版された孔版原紙 Mが印刷ドラム 3に巻着され、印刷処理が行われて.印刷ドラム 3内のインクが消費され、印刷ドラム 3内のインキセンサがインクを検出しなくなった際には、再びインク供給ポンプ 2 1 が動作し、インク容器 4内のインクが印刷ドラム 3内に吐出される。一方、残量算出手段 2 2は記憶手段 5に記憶されたィンクの残量および補正率を読み出し、上記と同様にして残量算出手段 2 2においてインク吐出量を算出し、インク吐出量を上記記憶手段 5から読み出されたィンクの残量から減算することにより、再びィンク容器 4内のインクの残量を算出し、メモリ 2 4に記憶するとともに、ィンク容器 4の記憶手段 5に記憶する。

上記実施形態の孔版印刷装置によれば、インクの種類を取得し、その取得されたィンクの種類に基づいて単位回転数当りの吐出量を補正し、その補正済吐出量に基づいて残量を算出するようにしたので、異なる種類のィンクが収容されたィンク容器が使用された場合においても、各インク容器について正確な残量を算出することができる。

また、上記実施形態においては、インク容器 4の記憶手段 5に補正率を記憶するようにしたが、記憶手段 5にはインクの種類データを記憶し、残量算出手段 2 2にはィンクの種類と補正率とを対応付けたテーブルを記憶し、残量算出手段 2 2が記憶手段 5に記憶されたィンクの種類データを読み出し、上記テーブルを参照することにより補正率を求めるようにしてもよい。

また、上記実施形態においては、残量算出手段 2 2によりインク供給ポンプ 2 1の駆動モータの回転回数に基づいてィンク吐出量を算出するようにしたが、残量算出手段 2 2にタイマーを設け、インク供給ポンプ 2 1の動作時間を計測し、この動作時間に基づいてィンク吐出量を算出するようにしてもよい。具体的には、残量算出手段 2 2に、予め標準的なィンクについての単位動作時間当りの吐出量を記憶し、その吐出量に捕正率を掛け合わせて補正済吐出量を算出し、その補正済吐出量にタイマーにより計測した動作時間と掛け合わせてインク吐出量を算出するようにすればよい。

また、上記のようにしてィンク供給ポンプ 2 1の動作時間に基づいてィンク容器 4から吐出されたインク吐出量を算出した場合には、使用環境温度によってィンクの粘度が変化し、ィンクがィンク供給ポンプ 2 1に及ぼす負荷が異なるため、同じ動作時間でもインクの吐出量が異なる場合がある。したがって、使用環境温度を検出する温度センサなどの温度検出手段を設けるとともに、残量算出手段 2 2に図 4に示すような温度依存補正テーブルを設け、残量算出手段 2 2において、温度検出手段において検出された温度から上記温度依存テーブルを参照して補正済吐出量を求め、該補正済吐出量に上記動作時間を掛け合わせてインク吐出量を算出し、該ィンク吐出量を上記全インク量から減算することによりィンクの残量を算出するようにしてもよい。なお、図 4に示す 1、 2および 3の数値はインクの種類を示すパラメータである。このパラメータはィンク容器 4の記憶手段 5に記憶されるものであり、上記温度依存補正テーブルにより補正済吐出量を求める際にこのパラメータを読み出し、このパラメータと使用環境温度に基づいて上記補正済吐出量を求めるようにすることができる。

また、使用環境温度と補正済吐出量とを対応付けた温度依存補正テープルをィンク容器 4の記憶手段 5に記憶させ、残量算出手段 2 2がこの記憶手段 5に記憶された温度依存補正テーブルから使用環境温度に応じた補正済吐出量を読み出すようにしてもよい。この場合、インク容器 4毎にそのインクの種類に応じた温度依存補正テーブルを記憶するようにすればよい。

Claims

請求の範囲

1 . ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量または前記ィンク供給ポンプの駆動モータの回転回数と単位回転数当りの吐出量に基づいて前記ィンク容器内から吐出されたィンク吐出量を求め、該ィンク吐出量を前記ィンク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算して前記インク容器内のインクの残量を算出するインク残量算出方法において、

前記ィンクの種類を取得し、

該取得されたインクの種類に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量または前記単位回転数当りの吐出量を補正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出することを特徴とするインク残量算出方法。

2 . ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量に基づいて前記ィンク容器内から吐出されたィンク吐出量を求め、該インク吐出量を前記インク容器内に収容された全インク量から累積的に減算して前記ィンク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出方法において、

使用環境温度を検出し、

該検出された使用環境温度に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量を補正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出することを特徴とするインク残量算出方法。

3 . 前記インクの種類を取得し、

該取得されたインクの種類および前記使用環境温度に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量を補正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出することを特徴とする請求項 2記載のインク残量算出方法。

4 . インク容器内からィンクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量または前記ィンク供給ポンプの駆動モータの回転回数と単位回転数当りの吐出量に基づいて求められた前記ィンク容器内から吐出されたィンク吐出量を前記ィンク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算して前記インク容器内のィンクの残量を算出するインク残量算出装置において、前記ィンクの種類を取得するインク種類取得手段と、

該ィンク種類取得手段により取得されたィンクの種類に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量または前記単位回転数当りの吐出量を捕正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出する残量算出手段とを有することを特徴とするインク残量算出装置。

5 . ィンク容器内からインクを吸引して吐出するインク供給ポンプの動作時間と単位動作時間当りの吐出量に基づいて求められた前記ィンク容器内から吐出されたィンク吐出量を前記ィンク容器内に収容された全ィンク量から累積的に減算して前記ィンク容器內のィンクの残量を算出するインク残量算出装置において、使用環境温度を検出する温度検出手段と、

該温度検出手段により検出された使用環境温度に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量を補正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出する残量算出手段とを有することを特徴とするインク残量算出装置。

6 . 前記インクの種類を取得するインク種類取得手段を有し、

前記残量算出手段が、前記インク種類取得手段により取得されたィンクの種類および前記使用環境温度に基づいて前記単位動作時間当りの吐出量を補正し、該補正済吐出量に基づいて前記残量を算出するものであることを特徴とする請求項

5記載のインク残量算出装置。

7 . 請求項 1または 3記載のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であって、前記インクの種類に応じた種類データを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするインク容器。

8 . 請求項 1記載のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であつて、前記ィンクの種類に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするインク容器。

9 . 請求項 2記載のインク残量検出方法の実施に使用されるインク容器であつて、前記使用環境温度に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするインク容器。

1 0 . 請求項 3記載のィンク残量検出方法の実施に使用されるィンク容器であって、前記ィンクの種類および使用環境温度に基づく補正に使用されるパラメータを記憶する記憶手段を有するものであることを特徴とするィンク容器。