WO2004038260A1 - 自動変速制御装置 - Google Patents

Abstract

エンジンの吸気量を検出する吸気量検出手段で検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると共に、車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させる車速制限機能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可能とするクルーズ制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と、車両の走行状態に応じて変速機を制御するトランスミッション制御手段とを有する自動変速制御装置であって、車速制限機能により燃料噴射量を絞って走行し、又はクルーズ制御機能により自動走行中においても、通常の走行時と同様に変速機を自動的に制御することができるようにしたものである。

Description

明 糸田 書

自動変速制御装置

〔技術分野〕

本発明は、 車両の走行中に検出される走行状態に応じて変速機を自動的に制御 する自動変速制御装置に関し、 詳しくは、 車速制限機能により燃料噴射量を絞つ て走行し、 又はクルーズ制御機能により.自動走行中においても、 通常の走行時と 同様に変速機を自動的に制御することができる自動変速制御装置に係るものであ る。

〔背景技術〕

従来、 車両の自動、 半自動の変速制御装置における変速機制御の変速ポイント は、 アクセル開度とエンジン回転数に基づく変速マップにより決定するのが一般 的である。 これは、 アクセル開度が運転者の車両走行の加減速意思を検知するの に適することと、 定常的なアクセル開度の状態とエンジン回転数とを合わせ見る ことで車両の負荷度を推定することができるからである。 このような技術は、 例 えば、 No.9806 JSAE SYMPOSIUM 「動力伝達系の最新技術 '98」 社団法人自動 車技術会、 1998年 11月 13日、 第 30頁に記載されている。

また、 高速道路の発達などに伴う車両の高速化に対応するため、 エンジンの高 出力化や変速機の多段化が進んでいるが、 その一方で燃費の改善による運行経費 の削減も要求されている。 そのため、 燃費の改善を図る上から、 エンジン回転の 最高速度を低く制限することが考えられる。 例えば、 車速を所定の制限値以下に 抑えるよう、 ァクセル開度とエンジン回転数とから求められる通常の燃料供給量 と、 車速から求められる車速制限用の燃料供給量とを比較して、 少ない方の燃料 供給量を選択し、 エンジンへの燃料供給量を絞ることにより、 エンジン回転の最 高速度を制限するようにしたものがある。 このような技術は、 例えば、 特開平 1 0 - 2 5 2 5 2 0号公報に記載されている。

しかし、 このような従来の自動、 半自動の変速制御装置を備えた車両において 、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させ る車速制限機能を備えたエンジン制御手段を有するものにおいては、 そのェンジ ン制御手段の車速制限機能が動作中はエンジン側の制御により燃料噴射量を制限 するため、 運転者のアクセルペダルの踏込み量に応じた本来のエンジン回転状態 が得られないものとなる。 このことから、 例えば低速ギア段から加速する際に、 アクセル開度に応じた所定のシフトアップエンジン回転数に到達できず、 運転者 がアクセルペダルを踏み放しにすると、 途中のギア段でホールドされてしまいシ フトアップできないことがある。 また、 アクセルペダルを踏んでいるにも拘らず 加速が得られない状態となり、 登坂などの高負荷状態と誤認識してしまうことが める。

これらのことから、 その代用となる特性を示すものである燃料噴射量とェンジ ン回転数とから負荷度を推定するようにする自動変速判定制御部を新規に組み込 むと共に、 従来とは全く異なる概念の変速マップを作成する必要が生じる。 した がって、 車両の走行特性チューニングのパラメ一夕取りに従来の経験が適用でき ないなど、 効率が悪くなることがあった。

また、 従来の自動、 半自動の変速制御装置を備えた車両において、 車両の走行 速度を任意の一定速度に設定して自動走行 （オートクルーズ） 可能とするクルー ズ制御機能を備えたエンジン制御手段を有するものにおいては、 自動走行のクル ーズ制御中は、 運転者がアクセルペダルから足を離した状態で走行するため、 ァ クセル開度から車両の負荷度を推定することができない。 このことから、 その代 用となる特性を示すものである燃料噴射量とエンジン回転数とから負荷度を推定 するようにする自動変速判定制御部を新規に組み込むと共に、 従来とは全く異な る概念の変速マップを作成する必要が生じる。 したがって、 車両の走行特性チュ 一二ングのパラメ一夕取りに従来の経験が適用できないなど、 効率が悪くなるこ とがあった。

そこで、 本発明は、 このような問題点に対処し、 車速制限機能により燃料噴射 量を絞って走行し、 又はクルーズ制御機能により自動走行中においても、 通常の 走行時と同様に変速機を自動的に制御することができる自動変速制御装置を提供 することを目的とする。

〔発明の開示〕

上記目的を達成するために、 第 1の発明による自動変速制御装置は、 エンジン の吸気量を検出する吸気量検出手段と、 検出された吸気量の信号によりエンジン の駆動を制御すると共に、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料 噴射量を絞って走行させる車速制限機能及ぴ車両の走行速度を任意の一定速度に 設定して自動走行可能とするクルーズ制御機能のいずれか一方又は両方を備えた エンジン制御手段と、 車両の走行状態に応じて変速機を制御するトランスミツシ ヨン制御手段と、 を有する自動変速制御装置であって、 上記車速制限機能で車速 制限中であるか否かを判定する手段を備え、 車速制限中であると判定した場合は 、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基 づく変速マップの参照を中断し、 代わりに、 車両の走行速度を所定の制限値以下 に抑えるよう制御された燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気 量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速 マップを参照して変速機を制御するようにしたものである。

このような構成により、 車速制限中を判定する手段によりエンジンが車速制限 機能で車速制限中であるか否かを判定し、 車速制限中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づ く変速マップの参照を中断し、 代わりに、 車両の走行速度を所定の制限値以下に 抑えるよう制御された燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気量 を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速マ ップを参照して変速機を制御する。 これにより、 車速制限機能により燃料噴射量 を絞って走行しており運転者のアクセルペダルの踏込み量に応じたエンジン回転 状態でない場合でも、 通常の走行時と同様に変速機を自動的に変速制御すること ができる。 したがって、 従来とは全く異なる概念の変速マップを作成する必要が なく、 車両の走行特性チューニングのパラメータ取りに従来の経験を適用するこ とができ、 効率低下を防ぐことが可能となる。

また、 第 2の発明による自動変速制御装置は、 エンジンの吸気量を検出する吸 気量検出手段と、 検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると共 に、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞つて走行さ せる車速制限機能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可能 とするクルーズ制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と、 車両の走行状態に応じて変速機を制御するトランスミツション制御手段と、 を有 する自動変速制御装置であって、 上記クルーズ制御機能でクルーズ制御中である か否かを判定する手段を備え、 クルーズ制御中であると判定した場合は、 検出さ れた吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づく変速 マップの参照を中断し、 代わりに、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維持する ための燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気量を参照すると共 に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速マップを参照して 変速機を制御するようにしたものである。

このような構成により、 クルーズ制御中を判定する手段によりエンジンがクル ーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定し、 クルーズ制御中であると 判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量とェン ジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わりに、 クルーズ制御中に任 意の一定速度に維持するための燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的 な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用 の変速マップを参照して変速機を制御する。 これにより、 クルーズ制御機能によ り自動走行中において運転者のアクセル踏込み量を参照できない場合でも、 通常 の走行時と同様に変速機を自動的に変速制御することができる。 したがって、 従 来とは全く異なる概念の変速マップを作成する必要がなく、 車両の走行特性チュ —ニングのパラメ一夕取りに従来の経験を適用することができ、 効率低下を防ぐ ことが可能となる。

さらに、 第 3の発明による自動変速制御装置は、 エンジンの吸気量を検出する 吸気量検出手段と、 検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると 共に、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行 させる車速制限機能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可 能とするクルーズ制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と 、 車両の走行状態に応じて変速機を制御する卜ランスミッション制御手段と、 を 有する自動変速制御装置であって、 上記車速制限機能で車速制限中であるか否か を判定する手段を備え、 車速制限中であると判定した場合は、 検出された吸気量 の参照を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参 照を中断し、 代わりに、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう制御さ れた燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に 、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速マップを参照して変 速機を制御し、 上記クルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定する 手段を備え、 クルーズ制御中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照 を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中 断し、 代わりに、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維持するための燃料噴射量 とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な 吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速マップを参照して変速機を制御する ようにしたものである。

このような構成により、 車速制限中を判定する手段によりエンジンが車速制限 機能で車速制限中であるか否かを判定し、 車速制限中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づ く変速マップの参照を中断し、 代わりに、 車両の走行速度を所定の制限値以下に 抑えるよう制御された燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的な吸気量 を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づく専用の変速マ ップを参照して変速機を制御し、 クルーズ制御中を判定する手段によりエンジン がクルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定し、 クルーズ制御中で あると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸気量 とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わりに、 クルーズ制御 中に任意の一定速度に維持するための燃料噴射量とエンジン回転数から算出した 擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン回転数に基づ く専用の変速マップを参照して変速機を制御する。 これにより、 車速制限機能に より燃料噴射量を絞って走行しており運転者のアクセルペダルの踏込み量に応じ たエンジン回転状態でない場合でも、 通常の走行時と同様に変速機を自動的に変 速制御することができる。 また、 クルーズ制御機能により自動走行中において運 転者のアクセル踏込み量を参照できない場合でも、 通常の走行時と同様に変速機 を自動的に変速制御することができる。 したがって、 従来とは全く異なる概念の 変速マツプを作成する必要がなく、 車両の走行特性チューニングのパラメータ取 りに従来の経験を適用することができ、 効率低下を防ぐことが可能となる。 なお、 上記吸気量検出手段は、 エンジンのアクセル開度を検出するものとして もよい。

また、 上記吸気量検出手段は、 エンジンの吸気系の吸入圧力を検出するものと してもよい。

〔図面の簡単な説明〕

図 1は、 本発明による自動変速制御装置の実施の形態を、 エンジンを含む全体 構成として示す斜視説明図である。

図 2は、 図 1に示すエンジンコントロールュニッ卜の車速制限機能によるェン ジンの制御動作を示すフロ一チャートである。

図 3は、 上記車速制限機能によるエンジンの制御動作時において、 図 1に示す トランスミッションコントロールュニットによるトランスミッションの制御動作 を示すフローチヤ一トである。

図 4は、 図 1に示すエンジンコントロールュニットのクルーズ制御機能による エンジンの制御動作を示すフローチャートである。

図 5は、 上記クルーズ制御機能によるエンジンの制御動作時において、 図 1に 示すトランスミッションコントロールュニットによるトランスミッションの制御 動作を示すフロ一チヤ一卜である。

図 6は、 エンジンの燃料噴射量の算出を行う燃料噴射量演算部の内部構成を示 すブロック図である。

図 7は、 擬似アクセル開度の算出を行う擬似アクセル開度演算部の内部構成を 示すブロック図である。

〔発明を実施するための最良の形態〕

以下、 本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。

図 1は本発明による自動変速制御装置の実施の形態を、 エンジンを含む全体構 成として示す斜視説明図である。 この自動変速制御装置 1は、 トラック、 バス、 乗用車等の車両の走行中に検出される走行状態に応じて変速機を自動的に制御す るもので、 図 1において、 エンジン 2にはクラッチ 3を介してトランスミツショ ン （変速機） 4が取り付けられている。 このトランスミッション 4には、 トラン スミッションコントロールュニット 5が電気配線によって接続されている。 また 、 上記エンジン 2には、 エンジンコントロールユニット 6が電気配線によって接 続されており、 このエンジンコントロールユニット 6には、 アクセル開度センサ 7を介してアクセルペダル 8が接続されている。

上記アクセル開度センサ 7は、 運転者のアクセルペダル 8の操作により開閉さ れるアクセルの開度を検出するもので、 吸気量検出手段に相当するものである。 なお、 この吸気量検出手段は、 上記アクセル開度センサ 7に限られず、 エンジン 2の吸入空気量に比例する量を検出する手段であるならば他のものであってもよ く、 例えばェンジンの吸気系の吸入圧力を検出するものであってもよい。

上記アクセル開度センサ 7には、 エンジンコントロールュニット 6が電気配線 によって接続されている。 このエンジンコントロールユニット 6は、 アクセル開 度センサ 7によって検出されたアクセル開度の信号を入力してエンジン 2の駆動 を制御するエンジン制御手段となるもので、 本発明においては車両の走行速度を 所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させる車速制限機能、 及 び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行 (オートクルーズ) 可能 とするクルーズ制御機能のいずれか一方又は両方を備えたものとされている。 な お、 このエンジンコントロールユニット 6からの出力信号は、 エンジン 2に取り 付けられた燃料噴射装置 9に送られるようになつている。 また、 車速制限機能が 作動中である信号又はクルーズ制御機能がクルーズ制御中を示す出力信号及びァ クセル開度センサ 7で検出した実アクセル開度信号は、 トランスミッションコン トロールュニット 5に送られるようになつている。

上記トランスミッション 4には、 トランスミツションコントロールュニット 5 が電気配線によつて接続されている。 このトランスミッションコント口一ルュニ ット 5は、 車両の走行状態に応じてトランスミッション 4を制御するトランスミ ッシヨン制御手段となるもので、 エンジン回転数センサ 1 0、 トランスミツショ ン 4に取り付けられたギア回転数センサ 1 1及び車速センサ 1 2からの信号を入 力すると共に、 クラッチペダル 1 3に設けられたクラッチ接スィッチ 1 4、 クラ ツチ断スィッチ 1 5からの信号を入力して制御するようになっている。 また、 ト ランスミッションコントロールュニット 5には、 トランスミッション 4のギア段 を切り換えるシフトレバーを備えたシフトタワー 1 6が接続されている。 そして、 上記トランスミッションコントロールュニット 5からの制御内容信号 は、 前述のエンジンコントロールユニット 6へ送られるようになつている。 また 、 その制御内容信号は、 表示モニタ 1 7及びブザ一 1 8に送られるようになって おり、 運転者に知らせるようになつている。

ここで、 本発明においては、 上記トランスミッションコントロールユニット 5 内に、 エンジンコントロールユニット 6の車速制限中を示す信号に基づき、 車速 制限機能で車速制限中であるか否かを判定する車速制限判定手段を備え、 車速制 限中であると判定した場合は、 アクセル開度センサ 7に基づきエンジンコント口 ールュニット 6から送られた実アクセル開度の参照を中断すると共に、 その実ァ クセル開度とエンジン回転数に基づく実アクセル開度用の変速マップの参照を中 断し、 代わりに、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう制御された燃 料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的なアクセル開度を参照すると共に 、 その擬似アクセル開度とエンジン回転数に基づく擬似アクセル開度用の変速マ ップを参照してトランスミッション 4を制御するようにしたものである。

また、 エンジンコントロールュニット 6のクルーズ制御中を示す信号に基づき 、 クルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定するクルーズ制御判定 手段を備え、 クルーズ制御中であると判定した場合は、 アクセル開度センサ 7に 基づきエンジンコントロールュニット 6から送られた実アクセル開度の参照を中 断すると共に、 その実アクセル開度とエンジン回転数に基づく実アクセル開度用 の変速マップの参照を中断し、 代わりに、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維 持するための燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似的なアクセル開度を 参照すると共に、 その擬似アクセル開度とエンジン回転数に基づく擬似アクセル 開度用の変速マップを参照してトランスミッション 4を制御するようにしたもの である。

このように構成することにより、 車両が車速制限機能により燃料噴射量を絞つ て走行しており運転者のアクセルペダルの踏込み量に応じた本来のエンジン回転 状態が得られない場合でも、 通常の走行時と同様にトランスミッション 4を自動 的に変速制御することができる。 また、 車両がクルーズ制御機能によりォ一トク ルーズ中において運転者のアクセル踏込み量を参照できない場合でも、 通常の走 行時と同様にトランスミッション 4を自動的に変速制御することができる。

次に、 このように構成された自動変速制御装置の動作について、 図 2〜図 5を 参照して説明する。 最初に、 図 2は、 図 1に示すエンジンコントロールユニット 6の車速制限機能によるエンジン 2の制御動作を示すフローチヤ一トである。 ま ず、 車速制限機能により行う車速制限の状態について、 初めは車速制限中フラグ = 0を立てておく （ステップ S l )。

次に、 エンジン 2の燃料噴射暈について、 現在の制御噴射量が、 運転者のァク セルペダル 8の操作によりアクセル開度センサ 7で検出された実アクセル開度か ら算出した噴射量と同一又はそれより小さいか否かを判定する （ステップ S 2 ) ここで、 エンジン 2の燃料噴射量の算出は、 図 6に示す燃料噴射量演算部 1 9 で行われる。 すなわち、 図 1に示すエンジン回転数センサ 1 0からのエンジン回 転数の信号と、 アクセル開度センサ 7からの実アクセル開度の信号とを取り込み 、 これらの信号を、 上記エンジン回転数と実アクセル開度とを可変要素とする予 め作成された燃料噴射量マップ 2 0に適用し、 これらの関係を演算器 2 1で演算 して燃料噴射量を算出するようになっている。 なお、 この演算結果は常に外部に 向かって出力されている。

上記のように演算して求められた燃料噴射量の値を用いて、 現在の制御噴射量 が、 実アクセル開度から算出した噴射量よりも大きいと判定された場合は、 車速 復帰の制御をしている状態であり、 "NO"側に進んでステップ S 4に跳ぶ。 そし て、 前述のステップ S 1で立てられた車速制限中フラグ = 0をそのまま出力する (ステップ S 4 )。

一方、 ステップ S 2で、 現在の制御噴射量が実アクセル開度から算出した噴射 量以下であると判定された塲合は、 制御噴射量が絞られている状態であり、 " YES"側に進んでステップ S 3に入る。 そして、 車速制限機能により行う車速制 限の状態について、 車速制限中フラグ = 1を立てる。 その後、 ステップ S 4に進 み、 ステップ S 3で立てられた車速制限中フラグ = 1を出力する。

次に、 図 3は、 上記車速制限機能によるエンジンの制御動作時において、 図 1 に示すトランスミッションコントロールュニット 5によるトランスミッション 4 の制御動作を示すフローチャートである。 まず、 図 2のステップ S 4で出力され る車速制限中フラグを入力する （ステップ S 1 1 )。次に、実アクセル開度を入力 する （ステップ S 1 2 )。 これは、 図 1に示すアクセル開度センサ 7で検出された 実アクセル開度の信号をエンジンコントロールュニッ卜 6から入力して読み込む ものである。

そして、 擬似アクセル開度を入力する （ステップ S 1 3 )。 これは、予め演算し て求められた擬似アクセル開度のデータを記憶しておくメモリ等から、 そのデ一 夕を読み込むものである。

ここで、 擬似アクセル開度の算出は、 図 7に示す擬似アクセル開度演算部 2 2 で行われる。 すなわち、 図 1に示すエンジン回転数センサ 1 0からのエンジン回 転数の信号と、 車速制限機能が作動中であれば車両の走行速度を所定の制限値以 下に抑えるよう制御された燃料噴射量の信号とが取り込まれ、 これらの信号を、 上記エンジン回転数と燃料噴射量とを可変要素とする予め作成された擬似ァクセ ル開度マップ 2 3に適用し、 これらの関係を演算器 2 4で演算して擬似アクセル 開度を算出するようになっている。 なお、 この演算結果は常に外部に向かって出 力されている。

次に、 車速制限中フラグ = 1か否かを判定する （ステップ S 1 4 )。 すなわち、 車速制限機能により車速制限中であるか否かを判定する。 車速制限中フラグ = 1 でない （車速制限中でない） 場合は、 "NO" 側に進んでステップ S I 5に入り、 アクセル開度センサ 7で検出した実アクセル開度を参照した後、 予め作成された 実アクセル開度用の変速マップを参照する （ステップ S 1 6 )。そして、後述のス テツプ S 1 9に進む。

一方、 ステップ S 1 4において車速制限中フラグ = 1の場合 （車速制限中） は 、 "YES" 側に進んでステップ S 1 7に入り、 図 7に示す擬似アクセル開度演算 部 2 2で求めた擬似アクセル開度を参照した後、 上記求めた擬似アクセル開度を 用いて作成された擬似アクセル開度用の変速マップを参照する （ステップ S 1 8 )。 そして、 後述のステップ S 1 9に進む。

なお、 上述のステップ S 1 4が、 車速制限機能で車速制限中であるか否かを判 定する車速制限判定手段となり、 車速制限中でないと判定した場合 （ステップ S 1 4の "NO" 側） は、 検出された実アクセル開度を参照すると共に、 その実ァ クセル開度とエンジン回転数に基づく実アクセル開度用の変速マップを参照する ように切り換え、 車速制限中であると判定した場合 （ステップ S 1 4の "YES" 側） は、 車両の走行速度を所定の制限値以下に抑えるよう制御された燃料噴射量 とエンジン回転数から算出した擬似アクセル開度を参照すると共に、 その擬似ァ クセル開度とエンジン回転数に基づく擬似アクセル開度用の変速マップを参照す るように切り換えるようになつている。

その後、 上記実アクセル開度及び実アクセル開度用の変速マップに従って、 又 は、 擬似アクセル開度及び擬似アクセル開度用の変速マップに従って、 自動変速 が起動される条件が成立したか否かを判定する （ステップ S 1 9 )。未だ、 自動変 速の起動条件が成立しない場合は、 "NO"側に進んでステップ S 1 1に戻り、 以 上のステップ S 1 1〜S 1 8を繰り返す。

そして、 自動変速の起動条件が成立した場合は、 "YES" 側に進んでステップ S 2 0に入り、 通常の自動変速制御により所定の変速制御を行って終了する。 このような動作により、 車両が車速制限機能により燃料噴射量を絞って走行し ており運転者のァクセルペダルの踏込み量に応じた本来のェンジン回転状態が得 られない場合でも、 通常の走行時と同様にトランスミッション 4を自動的に変速 制御することができる。

次に、 図 4は、 図 1に示すエンジンコントロールユニット 6のクル r "ズ制御機 能によるエンジン 2の制御動作を示すフローチャートである。 まず、 クルーズ制 御機能により行うクルーズ制御の状態について、 初めはクルーズ制御中フラグ = 0を立てておく （ステップ S 2 5 )。

次に、 クルーズ制御中か否かを判定する （ステップ S 2 6 )。すなわち、 クルー ズ制御機能により自動走行 （オートクルーズ） 中であるか否かを判定する。 ォー トクルーズ中でない場合は、 "NO"側に進んでステップ S 2 9に跳ぶ。 そして、 前述のステップ S 2 5で立てられたクルーズ制御中フラグ = 0をそのまま出力す る （ステップ S 2 9 )。

一方、 ステップ S 2 6でクルーズ制御中であると判定された場合は、 "YES" 側に進んでステップ S 2 7に入る。 そして、 エンジン 2の燃料噴射量について、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維持するためのクルーズ制御噴射量が、 運転 者のアクセルペダル 8の操作によりアクセル開度センサ 7で検出された実ァクセ ル開度から算出した噴射量と同一又はそれより小さいか否かを判定する。

ここで、 エンジン 2の燃料噴射量の算出は、 前述と同様に、 図 6に示す燃料噴 射量演算部 1 9で行われる。 すなわち、 図 1に示すエンジン回転数センサ 1 0か らのエンジン回転数の信号と、 アクセル開度センサ 7からの実アクセル開度の信 '号とを取り込み、 これらの信号を、 上記エンジン回転数と実アクセル開度とを可 変要素とする予め作成された燃料噴射量マップ 2 0に適用し、 これらの関係を演 算器 2 1で演算して燃料噴射量を算出するようになっている。 なお、 この演算結 果は常に外部に向かって出力されている。

上記のように演算して求められた燃料噴射量の値を用いて、 現在の制御噴射量 が、 実アクセル開度から算出した噴射量よりも大きいと判定された場合は、 ォー トクルーズの制御をしている状態であり、 ステップ S 2 7は "NO"側に進んで 、 ステップ S 2 8に入る。 そして、 クルーズ制御機能により行うクルーズ制御の 状態について、 クル一ズ制御中フラグ = 1を立てる。 その後、 ステップ S 2 9に 進み、 ステップ S 2 8で立てられたクルーズ制御中フラグ = 1を出力する。 一方、 ステップ S 2 7で、 現在の制御噴射量が実アクセル開度から算出した噴 射量以下であると判定された場合は、 運転者のアクセルペダル 8の操作による実 アクセル開度が、 設定された速度を超えて加速する指示を行っているものとして 、 "YES" 側に進んでステップ S 2 9に入り、 ステップ S 2 5で立てられたクル ーズ制御中フラグ = 0がそのまま出力される。

次に、 図 5は、 上記クルーズ制御機能によるエンジンの制御動作時において、 図 1に示すトランスミッションコントロールュニット 5によるトランスミツショ ン 4の制御動作を示すフローチャートである。 まず、 図 4のステップ S 2 9で出 力されるクルーズ制御中フラグを入力する （ステップ S 3 1 )。次に、実アクセル 開度を入力する （ステップ S 3 2 )。 これは、 図 1に示すアクセル開度センサ 7で 検出された実ァクセル開度の信号をェンジンコント口一ルュニット 6から入力し て読み込むものである。

そして、 擬似アクセル開度を入力する （ステップ S 3 3 )。 これは、 予め演算し て求められた擬似アクセル開度のデ一夕を記憶しておくメモリ等から、 そのデ一 夕を読み込むものである。

ここで、 擬似アクセル開度の算出は、 前述と同様に、 図 7に示す擬似アクセル 開度演算部 2 2で行われる。 すなわち、 図 1に示すエンジン回転数センサ 1 0か らのエンジン回転数の信号と、 クルーズ制御中に任意の一定速度を維持するため に制御されている燃料噴射量の信号とを取り込み、 これらの信号を、 上記ェンジ ン回転数と燃料噴射量とを可変要素とする予め作成された擬似アクセル開度マツ プ 2 3に適用し、 これらの関係を演算器 2 4で演算して擬似アクセル開度を算出 するようになつている。 なお、 この演算結果は常に外部に向かって出力されてい る。

次に、 クルーズ制御中フラグ = 1か否かを判定する （ステップ S 3 4 )。すなわ ち、 クル一ズ制御機能により自動走行 （オートクルーズ） 中であるか否かを判定 する。 クルーズ制御中フラグ = 1でない （オートクルーズ中でない） 場合は、 " NO"側に進んでステップ S 3 5に入り、 アクセル開度センサ 7で検出した実ァ クセル開度を参照した後、 予め作成された実アクセル開度用の変速マップを参照 する （ステップ S 3 6 )。 そして、 後述のステップ S 3 9に進む。

一方、 ステップ S 3 4においてクルーズ制御中フラグ = 1の場合 (オートクル ーズ中） は、 "YES" 側に進んでステップ S 3 7に入り、 図 7に示す擬似ァクセ ル開度演算部 2 2で求めた擬似アクセル開度を参照した後、 上記求めた擬似ァク セル開度を用いて作成された擬似アクセル開度用の変速マップを参照する （ステ ップ S 3 8 )。 そして、 後述のステップ S 3 9に進む。

なお、 上述のステップ S 3 4が、 クルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか 否かを判定するクルーズ制御判定手段となり、 クルーズ制御中でないと判定した 場合 （ステップ S 3 4の "NO" 側） は、 検出された実アクセル開度を参照する と共に、 その実アクセル開度とエンジン回転数に基づく実アクセル開度用の変速 マップを参照するように切り換え、 クルーズ制御中であると判定した場合 （ステ ップ S 3 4の "YES"側） は、 燃料噴射量とエンジン回転数から算出した擬似ァ クセル開度を参照すると共に、 その擬似アクセル開度とエンジン回転数に基づく 擬似ァクセル開度用の変速マップを参照するように切り換えるようになっている その後、 上記実アクセル開度及び実アクセル開度用の変速マップに従って、 又 は、 擬似アクセル開度及び擬似アクセル開度用の変速マップに従って、 自動変速 が起動される条件が成立したか否かを判定する （ステップ S 3 9 )。未だ、 自動変 速の起動条件が成立しない場合は、 "NO"側に進んでステップ S 3 1に戻り、 以 上のステップ S 3 1〜S 3 8を繰り返す。

そして、 自動変速の起動条件が成立した場合は、 "YES" 側に進んでステップ S 4 0に入り、 通常の自動変速制御により所定の変速制御を行って終了する。 このような動作により、 車両がクルーズ制御機能によりォー卜クルーズ中にお いて運転者のアクセル踏込み量を参照できない場合でも、 通常の走行時と同様に トランスミッション 4を自動的に変速制御することができる。

なお、 以上の説明においては、 自動変速の起動条件が成立するか否かの判定要 素として、 実アクセル開度及び実アクセル開度用の変速マップ、 又は、 擬似ァク セル開度及び擬似アクセル開度用の変速マップを用いるものとしたが、 本発明は これに限られず、 エンジン 2の吸入空気量に比例する量であるならば他のもので あってもよく、 例えばエンジンの吸気系の吸入圧力を用いて、 自動変速の起動条 件が成立するか否かを判定するようにしてもよい。 すなわち、 エンジン 2につい て検出した実吸入圧力及び実吸入圧力用の変速マップを参照し、 又は、 演算によ り求めた擬似吸入圧力及び擬似吸入圧力用の変速マップを参照してもよい。

Claims

請求の範囲

1 . エンジンの吸気量を検出する吸気量検出手段と、

検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると共に、 車両の走行 速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させる車速制限機 能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可能とするクルーズ 制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と、

車両の走行状態に応じて変速機を制御する卜ランスミツション制御手段と、 を有する自動変速制御装置であって、

上記車速制限機能で車速制限中であるか否かを判定する手段を備え、 車速制限 中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸 気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わりに、 車両の走 行速度を所定の制限値以下に抑えるよう制御された燃料噴射量とエンジン回転数 から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン 回転数に基づく専用の変速マップを参照して変速機を制御するようにしたことを 特徴とする自動変速制御装置。

2 . エンジンの吸気量を検出する吸気量検出手段と、

検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると共に、 車両の走行 速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させる車速制限機 能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可能とするクルーズ 制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と、

車両の走行状態に応じて変速機を制御するトランスミッション制御手段と、 を有する自動変速制御装置であって、

上記クルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定する手段を備え、 クルーズ制御中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると 共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わり に、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維持するための燃料噴射量とエンジン回 転数から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とェン ジン回転数に基づく専用の変速マップを参照して変速機を制御するようにしたこ とを特徴とする自動変速制御装置。

3 . エンジンの吸気量を検出する吸気量検出手段と、

検出された吸気量の信号によりエンジンの駆動を制御すると共に、 車両の走行 速度を所定の制限値以下に抑えるよう燃料噴射量を絞って走行させる車速制限機 能及び車両の走行速度を任意の一定速度に設定して自動走行可能とするクルーズ 制御機能のいずれか一方又は両方を備えたエンジン制御手段と、

車両の走行状態に応じて変速機を制御する卜ランスミツション制御手段と、 を有する自動変速制御装置であって、

上記車速制限機能で車速制限中であるか否かを判定する手段を備え、 車速制限 中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると共に、 その吸 気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わりに、 車両の走 行速度を所定の制限値以下に抑えるよう制御された燃料噴射量とエンジン回転数 から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とエンジン 回転数に基づく専用の変速マップを参照して変速機を制御し、

上記クルーズ制御機能でクルーズ制御中であるか否かを判定する手段を備え、 クルーズ制御中であると判定した場合は、 検出された吸気量の参照を中断すると 共に、 その吸気量とエンジン回転数に基づく変速マップの参照を中断し、 代わり に、 クルーズ制御中に任意の一定速度に維持するための燃料噴射量とエンジン回 転数から算出した擬似的な吸気量を参照すると共に、 その擬似的な吸気量とェン ジン回転数に基づく専用の変速マップを参照して変速機を制御するようにしたこ とを特徴とする自動変速制御装置。

4. 上記吸気量検出手段は、 エンジンのアクセル開度を検出するものであるこ とを特徴とする請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の自動変速制御装置。

5 . 上記吸気量検出手段は、 エンジンの吸気系の吸入圧力を検出するものであ ることを特徴とする請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の自動変速制御装置。