WO2004033345A1

WO2004033345A1 - ディスプレイユニット収納外装体およびディスプレイ

Info

Publication number: WO2004033345A1
Application number: PCT/JP2003/013028
Authority: WO
Inventors: Kenjiro Kuroda
Original assignee: Toppan Printing Co., Ltd.
Priority date: 2002-10-11
Filing date: 2003-10-10
Publication date: 2004-04-22
Also published as: JP2004131137A; JP4172244B2; AU2003271165A1

Abstract

透明性を有し、水蒸気その他のガスバリア性や密封性や機械的強度に優れ、ディスプレイユニットの性能劣化を防止するディスプレイユニットを収納する外装体およびディスプレイを提供する。本発明のディスプレイは、ディスプレイユニットの表面側を覆う、透明ガスバリア性フィルムを含む表面側バリア材と、ディスプレイユニットの裏面側を覆う、ガスバリア性フィルムを含む裏面側バリア材とからなるディスプレイユニット収納外装体に、ディスプレイユニットを密封収納して得る。

Description

明細書

ディスプレイユニット収納外装体およぴデイスプレイ

技術分野

本発明は、ディスプレイュニットを収納する外装体おょぴディスプレィに関する。さらに詳細には、透明性を有し、水蒸気その他のガスパリァ性ゃ密封性および機械的強度に優れ、ディスプレイュニットの性能劣化を防止するディスプレイュニットを収納する外装体おょぴディスプレィに関するものである。

背景技術

液晶ディスプレイ（L C D )、エレクト口ルミネッセンスディスプレィ（E L D ) 等の各種ディスプレイは、外部から侵入する水蒸気や酸素により性能が劣化し、その寿命が短くなる。通常、液晶ディスプレイや有機エレクト口ルミネッセンスディスプレイは性能劣化を防ぐためにガラス板、アルミニウム板等を使用して密封したものが使用されている力寿命をより長くさせるために、さらに外部からの水蒸気やその他のガスの侵入を防ぐ必要がある。これらを改善するためにアルミニウム箔ゃァルミニゥム蒸着フィルムを使用したガスパリア性を有する積層材料からなる包装材料を用いてディスプレイュニットを包装する方法があるが、これらの積層材料からなる包装材料が不透明であるためにディスプレイの表示画面を視認することができない等の問題があった。

また、一般に、ディスプレイユニットを収納する外装体として用いられる包装材料は、ディスプレイュニットを省スペースで収納する機能が求められている。一般に、省スペース化するために、外装体としては製袋してバウチタイプとしたり、絞り加工を施して成形タイプとしたり'するが、これらの外装体にディスプレイユニットを収納後、開口部が密封溶着される。包装材料をバウチにする場合は、ヒートシール部分では構成層が屈曲され、また、成形加工の場合は、ヒートシール部分での屈曲のみでなく、包装材料に、プレス、圧空、真空、絞り等の加工を施し容器化する必要がある。また、成形トレイと蓋とにより密封する形状も考えられる。この場合にも、ヒートシールする際の最内層樹脂の選択と、前記トレィを成形する際の、成形性の良い積層体が求められていた。しかしながら、現在、ディスプレイユニットを収納する外装体として要求される物性、機能を十分に満足し得る包装材料およぴ外装体が未だ開発されていないのが現状である。

発明の開示

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、透明性を有し、水蒸気その他のガスバリア性や密封性や機械的強度に優れ、ディスプレイュュットの性能劣化を防止するディスプレイュュットを収納する外装体およびディスプレイを提供することを目的とする。

すなわち、本発明は、ディスプレイユニットを密封収納する外装体であって、ディスプレイユニットの表面側を覆う、透明ガスバリア性フィルムを含む表面側パリア材と、ディスプレイュニットの裏面側を覆う、ガスパリア性フィルムを含む裏面側バリア材とからなるディスプレイュニット収納外装体である。

前記透明ガスバリア性フィルムは、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、（a ) 1種以上のアルコキシドまたは Zおよびその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1つを含む水溶液、あるいは水 zアルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスパリア性被膜層を第 2層として積層してなるものとすることができる。

また、前記透明ガスバリア性フィルムは、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、（a ) 1種以上のアルコキシドまたは Zおよぴその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスパリア性被膜層を第 2層として、該第 1層と第 2層とを交互に複数回繰り返し積層してなるものとすることができる。

また、前記透明ガスバリア性フィルムは、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、水溶性高分子と無機層状化合物の混合物からなるガスバリア性被膜層を積層してなるものとすることができる。

また、裏面側パリア材を構成するガスバリア性フィルムは、アルミ二ゥム箔ラミネ一ト複合フィルムとすることができ、具体的にはアルミ二ゥム箔の少なくとも片面にポリアミド系フィルムが積層され、該ポリアミド系フィルムは、ディスプレイユニットを収納した際に外側となる側に配置したものとすることができる。

また本発明のディスプレイュニット収納外装体は、裏面側バリア材が、上記アルミニウム箔複合ラミネートフィルムを成形して得られる、ディスプレイュニット収納部とディスプレイュニットから引き出されるケーブルを挟持する通路部とを備えた成形容器であり、表面側バリァ材が、上記透明ガスバリア性フィルムを含む蓋材であり、前記成形容器の周縁部を前記蓋材で密封しディスプレイュニットを収納するように構成することができる。

本発明の他の発明は、上記ディスプレイユニット収納外装体に、ディスプレイュニットを収納してなる、ディスプレイである。

上述した構成からなる本発明は、表面側パリア材として透明性を有するパリア性フィルムを用い、裏面側パリア材にもパリア性フィルムを用いることから、ディスプレイ表示画面の視認性も良く、長期に維持し得る水蒸気その他のガスバリア性と長期にわたって安定した密封性を得ることができ、耐内容物性およぴ機械的強度に優れるためにディスプレイュニットの性能劣化を防止可能なディスプレイュニットを収納する外装体およびディスプレイを提供することができる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明におけるディスプレイユニット収納外装体の表面側パリァ材である、透明ガスパリア性フィルムを含む積層体の一例を示す断面図である。

図 2は、本発明におけるディスプレイュニット収納外装体の表面側パリァ材である、透明ガスバリア性フィルムを含む積層体の他の例を示す断面図である。

図 3は、本発明におけるディスプレイュニット収納外装体の表面側パリァ材である、透明ガスバリア性フィルムを含む積層体のさらに他の例を示す断面図である。

図 4は、本発明におけるディスプレイュニット収納外装体の表面側パリア材である、透明ガスパリア性フィルムを含む積層体のさらに他の例を示す断面図である。

図 5は、本発明におけるディスプレイュニット収納外装体の裏面側バリァ材である、アルミニウム箔ラミネ一ト複合フィルムを含む積層体の一例を示す断面図である。

図 6は、本発明のディスプレイユニット収納外装体の一例を示すもので、（a ) はその平面図、（b ) は平面図 A-A断面図である。

図 7は、本発明のディスプレイュニット収納外装体の他の例を示すもので、（a ) はその平面図、（b ) は平面図 B -B断面図である。

図 8は、本発明のディスプレイュニット収納外装体のさらに他の例を示すもので、（a ) はその斜視図、（b ) は斜視図 C -C断面図、（c ) はフラットケーブル部の付近を拡大して示す D -D断面図である。

図 9は、本発明のディスプレイュニット収納外装体容器本体を成形するプレス工程に使用する雄雌プレス装置の概念図であり、（a ) はプレス装置のプレス前の状態を表す説明断面図、（b ) はプレス装置のプレス後の状態を表す説明断面図である。

図 1 0は、本発明のディスプレイュニット収納外装体の成形容器周縁部に蓋材を接着して成形容器を密封 ·封止する方法を示す説明図である。図 1 1は、本発明のディスプレイユニット収納外装体の成形容器周縁部に蓋材をヒートシールにより固着して成形容器を密封 ·封止する方法を示す説明図である。

図 1 2は、本発明のディスプレイュニット収納外装体の成形容器周縁部に蓋材を加熱加圧ロールを用いて固着し、成形容器を密封 ·封止する方法を示す説明図である。

発明を実施するための最良の形態

まず、本発明で用いられる材料について説明する。

本発明において用いられる表面側バリア材としては、以下に述べる透明ガスバリア性フィルムを含む積層体が用いられる。

透明ガスバリア性フィルムの第 1の例は、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、（a ) 1種以上のアルコキシドまたは Zおよぴその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスパリア性被膜層を第 2層として積層してなる透明ガスパリア性フィルムである。

透明ガスパリァ性フィルムの第 2の例は、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、（a ) 1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を第 2層として、該第 1層と第 2層とを交互に複数回繰り返し積層してなる透明ガスパリア性フィノレムである。

透明ガスバリア性フィルムの第 3の例は、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、水溶性高分子と無機層状化合物の混合物からなるガスパリア性被膜層を積層してなる透明ガスパリア性フィルムである。

上記透明ガスパリア性フィルムの基材としては、シート状またはフィノレム状のものであって、ポリオレフイン（ポリエチレン、ポリプロピレン等）、ポリエステル (ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等）、ポリアミド (ナイ口ン- 6、ナイロン- 6 6等）、ポリ塩化ビュル、ポリイミドなど、あるいはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として用いられるものが使用できる。これらのフィルムに公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を含有させたものを使用しても良い。その厚みは、特に限定されるものではないが 6〜 1 0 0 μ πιが好ましい。基材は用途に応じて上記材料から適宜選択される。

さらに、基材の表面にコロナ処理、アンカーコート処理等を施して表面改質を行い、被膜の密着性を向上させることも可能である。

第 1層である無機蒸着層は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコ二ゥム、錫、マグネシウムなどの酸化物、窒化物、弗化物の単体、あるいはそれらの複合物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法（C V D法）などの真空プロセスにより形成される。特に酸ィ匕アルミニウムは、無色透明であり、ボイル耐性、レトルト耐性等の耐熱特性にも優れており、広範囲の用途に用いることができる。

無機蒸着層の膜厚は、用途や第 2層の膜厚によって異なるが、数 n m から 5 0 0 n mの範囲が望ましいが、 5 n m以下では薄膜の連続性に問題があり、また 3 0 0 n mを越えるとクラックが発生しやすく、可撓性が低下するため、好ましくは 5〜3 0 0 n mである。

第 2層であるガスバリア性被膜層は、水溶性高分子と、（a ) 1種以上の金属等のアルコキシドまたは Z及ぴその加水分解物又は（b ) 塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子と塩化錫を水系（水あるいは水ノアルコール混合）溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属等のアルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を基材上の無機薄膜層にコーティング、加熱乾燥し、形成したものである。

コーティング剤に含まれる各成分について以下に詳述する。

本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビュルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる、とくにポリビュルアルコール（以下、 PVA.とする）を本発明のガスパリア性積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。

ここでいう P VAは、一般にポリ酢酸ビュルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十％残存している、いわゆる部分けん化 PVAから酢酸基が数％しか残存していない完全けん化 PV Aまでを含み、とくに限定されるものではない。

また、塩化錫は塩化第一錫（S n C l ₂)、塩化第二錫（S n C l₄)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。

さらに、アルコキシドは金属等のアルコキシドである、テトラエトキシシラン [S i (OC₂H₅) 4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔A 1 (0-2 ' -C₃H₇) ₃〕などの、一般式

M (OR) _n

(M： S i、 T i、 A 1、 Z r等の金属等、 R ： CH₃、 C₂H₅等のァルキル基）

で表せるものである。なかでもテトラエトキシシラン、トリイソプロボキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。

上述した各成分を単独またはいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシァネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができる。例えば、コーティング剤に加えられるイソシァネート化合物は、その分子中に 2個以上のイソシァネート基（NCO基）を有するものであり、例えばトリレンジイソシァネート（以下、 T D I とする）、トリフエ二ルメタントリイソシァネート（T T I )、テトラメチルキシレンジイソシァネート（TMX D I ) などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。

コーティング剤の塗布方法には、通常用いられる、デイツビング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いられる。被膜の厚さはコーティング剤の種類によって異なる力乾燥後の厚さが約 0 . 0 1〜1 0 0 μ mの範囲であればよいが、 5 0 μ πι以上では、膜にクラックが生じやすくなるため、 0 . 0 1〜5 0 μ πιとすることが望ましい。

なお、詳細は不明なところが多いが、この第 1層としての無機蒸着層と第 2層としての上記コーティング剤からなる被膜との間に、何らかの反応層が形成されるか、あるいは第 2層が第 1層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成され、これがガスバリア性の向上と第 1層である蒸着薄膜層の保護層としての役割を果たす。またコーティング剤の組成が、金属等のアルコキシドあるいは塩化錫からなる無機成分と P V A等の水溶性高分子を主剤とするものであることから、ガスバリア性の向上が図れるものである。すなわち金属等のアルコキシドあるいは塩化錫からなる無機成分は溶液中で加水分解、重縮合反応して鎖状あるいは三次元樹枝状のポリマーを形成し、乾燥加熱にともなう溶媒の蒸発によってさらに重合が進行する、反応性に富む無機成分であり、水溶性高分子とは分子レベルの複合体を形成していると考えられる。

したがって、特定の粒子径からなるシリカ ( S i〇₂) などの微粒子や珪酸ソーダ (水ガラス) から得られるシリカゾル (コロイダルシリ力) など単に微粒子を分散したものとは異なるものである。

ガスバリァ性被膜層の他の例として、水溶性高分子と無機層状化合物の混合物からなるガスパリア性被膜層をあげることができる。

このガスパリア性被膜層は、ポリビニルアルコール樹脂と無機層状化合物との混合物からなっており、前記ポリビニルアルコール樹寧と無機層状化合物の配合比は、重量％比でポリビニルアルコール樹脂無機層状化合物が 6 0 Z 4 0〜4 0 Z 6 0の範囲にすることにより、高い酸素ガスパリア性を得ることができる。

前記無機層状化合物は、力オリナイト族、スメクタイト族、及びマイ力族が挙げられる。この中で、モンモリロナイト、ヘクトライト、及びサボナイトなどのスメクタイト族が好適で、無機層状化合物の層間に樹脂を取り込み、複合体を形成し易い。特に、この族の中でも、モンモリ口ナイトを選定することにより、さらに高い酸素ガスバリア性を付与することができる。

このガスパリア性被膜層は、グラビアコート法、ロールコート法等の公知の手段で形成することができる。その塗布量は乾燥状態で 0 . 1〜 3 . 0 g Zm²の範囲が良い。

表面側バリア材は、上記した透明ガスパリア性フィルムを含むものであり、ディスプレイ外装体としてディスプレイを密封するために、シーラント層を備えることが好ましい。

本発明において用いられるシーラント層としては、ヒートシール性を有するものであれば特に限定されないが、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン ' _α -ォレフィン共重合体樹脂などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン 'エチレンランダム共重合体、プロピレン 'エチレンプロック共重合体、プロピレン . ひ-ォレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などの選択が可能であり、また、これらのォレフィン系樹脂をグラフト重合などにより酸変成した変成ポリオレフイン樹脂も使用可能である。上述したポリオレフイン系樹脂の単体又は 2種以上からなるプレンド物でもかまわない。厚みは 2 0〜： L 00 μ mの範囲が良い。

シーラント層の形成は、反応硬化型接着剤を使用するドライラミネ一ション、必要に応じてプライマーを設けて溶融押出しした接着樹脂層を介して積層するサンドィツチラミネーションなど通常の方法を用いて材料や用途によって適宜に選択して使用する。

さらに必要に応じて、表面側バリア材には、防汚層、防傷層、反射防止層等を設けることもできる。

防汚層は、表面に指紋などを付き難くする為に設けるものであり、フッ素含有シラン化合物を主成分とするコーティング剤を塗布、乾燥させて形成することができる。

フッ素含有シラン化合物としては CF₃ (CH₂) ₂S i (OCH₃) 3、 CF₃CF₂ (CH₂) ₂S i (O CH3) ₃、 CF₃ (CF₂) ₂ (CH₂) ₂S i

(OCH3) ₃、 CF₃ (C F₂) 3 (CH₂) ₂S i (OCH3) ₃、 CF₃ (C F₂) ₄ (CH₂) ₂S i (O CH3) ₃、 CF₃ (CF₂) ₅ (CH₂) ₂S i (O CH₃) ₃、 CF₃ (CF₂) ₆ (CH₂) ₂S i (OCH3) ₃、 CF₃ (CF₂) 7 (CH₂) ₂S i (OCH3) ₃、 CF₃ (CF₂) 8 (CH₂) ₂S i (OCH₃ ) ₃、 CF₃ (CF₂) ₉ (CH₂) ₂S i (O CH3) ₃、 C F₃ (CH₂) ₂S i

(OC₂H₅) ₃、 C F₃C F₂ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 CF₃ (CF₂ ) 2 (CH2) 2S i (O C2H5) 3、 C F3 (C F2) 3 (CH2) 2S i

(OC₂H₅) ₃、 CF₃ (C F₂) ₄ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 CF₃ ( CF₂) 5 (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 C F₃ (C F₂) ₆ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 CF₃ (C F₂) ₇ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 CF₃ ( CF₂) ₈ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃、 C F₃ (C F₂) ₉ (CH₂) ₂S i (OC₂H₅) ₃等が例示でき、それらを単独あるいは 2種類以上混合して用いてもよい。特に、パーフルォロポリエーテル基を含有するシランカツプリング剤が好ましい。

前記防汚層は、グラビアコート法、ロールコート法等の公知の手段で形成する。その厚みは特に限定されないが、防汚性、耐摩擦性等の点から 1〜 5 μ mが好ましい。

防傷層は、表面が傷つくのを防止する為に設けるものであり、紫外線硬化型ァクリル樹脂を主成分とするものが好適に用いられ、グラビアコート法、ロールコート法等の公知の手段で形成することができる。その塗布量は乾燥状態で 0. 2〜3. O gZm²の範囲が良い。

反射防止層は、表面の反射を防ぐ為に設けるものであり、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ハフニゥム、酸化セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、酸化珪素のいずれか、あるいはこれらを主材料とする物質からなる多層蒸着薄膜からなる。例えば、波長; = 5 20 nmの光の反射率を下げる場合、酸化チタン（屈折率： 2. 0〜 2. 3、膜厚：； L Z 8 ) /酸化珪素（屈折率： 1. 4 5 〜 1. 4 8、膜厚： λ / 8 ) / 酸化チタン（屈折率： 2. 0〜 2. 3、膜厚： λ/4) 酸化珪素（屈折率： 1. 4 5〜1. 4 8、膜厚：

4 ) の様な膜厚構成にすると優れた反射防止機能を得ることができる。積層方法は上記物質を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相析出法（CVD) で積層する。

これらの層は、通常、表面側バリア材の外表面側に設ける。本発明で用いることのできる表面側バリァ材の具体例を以下に示す。図 1に示した表面側バリア材 2は、基材 4 1上に、第 1層である無機蒸着層 4 2、第 2層であるガスパリア性被膜層 4 3を形成し、さらに、ガスバリア性被膜層 4 3の表面にシーラント層 5を形成した、透明ガスバリア性フィルム 4を含む積層体である。

図 2に示した表面側バリァ材 2は、上記の第 1層である無機蒸着層 4 2と第 2層であるガスバリア性被膜層 4 3とを交互に 2回繰り返し積層してなる透明ガスパリア性フィルム 4のガスバリア性被膜層 4 3の表面にシーラント層 5が形成された構成の、透明ガスパリァ性フィルム 4を含む積層体である。

また、図 3に示した表面側バリア材 2は、上記の第 1層である無機蒸着層 4 2と第 2層であるガスパリア性被膜層 4 3とを交互に 2回繰り返し積層してなる透明ガスパリア性フィルム 4を 2枚用いて、ガスパリア性被膜層 4 3どうしを積層した透明ガスバリア性フィルム 4の基材 4 1 表面にシーラント層 5が形成された構成の透明ガスバリァ性フィルム 4 を含む積層体である。

また、図 4に示した表面側バリア材 2は、基材 4 1上に、水溶性高分子と無機層状化合物の混合物からなるガスパリァ性被膜層 4 5を形成し、さらに、ガスバリア性被膜層 4 5の表面にシーラント層 5を形成した、透明ガスバリア性フィルム 4を含む積層体である。

本発明の裏面側パリア材 3としては、上述した表面側バリア材 2に用いられるものと同じ材料を使用することができる。また、裏面側バリア材 3は必ずしも透明である必要がないので、アルミニウム箔ゃアルミ二ゥム蒸着フィルムなどの不透明な材料を含んでいてもよい。

アルミニウム箔を含むアルミニウム箔ラミネート複合フィルムは、絞り成形などの加工を施すことにより、ディスプレイュニットを収納する容器として成形することができる。

本発明の裏面側パリア材 3として用いることのできるアルミニウム箔ラミネート複合フィルムとしては、アルミニウム箔の少なくとも片面に機械的強度に優れる熱可塑性樹脂からなる延伸または無延伸のフィルム基材を積層した複合フィルムが例示できる。例えば、図 5に示すように、アルミニウム箔 6 2の片面に熱可塑性樹脂フィルム 6 1を積層したアルミニゥム箔ラミネ一ト複合フィルム 6のアルミニウム箔 6 2側にシーラント層 5を設けた構成の積層体を、裏面側パリア材 3として用いることができる。

上記の機械的強度に優れる熱可塑性樹脂からなるフィルム基材 6 1の素材としては、例えば、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン、エチレン .酢酸ビニル共重合体ケン化物からなるフィルムなどがあげられる。特に、ナイロンなどのポリアミド系フィルムが望ましい。

ポリアミド系フィルムとしては、好ましいホモポリアミドの具体例としては、ポリ力プロアミド（ナイロン 6 )、ポリ- ω -アミノヘプタン酸 (ナイロン 7 )、ポリ- 9 -アミノノナン酸（ナイロン 9 )、ポリゥンデ力ンアミド (ナイロン 1 1 )、ポリラウリンラクタム (ナイロン 1 2 )、ポリエチレンジァミンアジパミド（ナイロン 2， 6 )、ポリテトラメチレンアジパミド (ナイロン 4 , 6 )、ポリへキサメチレンジアジパミド ( ナイロン 6， 6 )、ポリへキサメチレンセバカミド（ナイロン 6， 1 0 )、ポリへキサメチレンドデカミド (ナイロン 6， 1 2 )、ポリオクタメチレンアジパミド (ナイロン 8， 6 )、ポリデカメチレンアジパミド ( ナイロン 1 0， 6 )、ポリデカメチレンセパカミド（ナイロン 1 0 , 1 0 )、ポリドデカメチレンドデカミド（ナイロン 1 2， 1 2 )、メタキシレンジァミン- 6ナイロン（M X D 6 ) フィルム等の延伸または無延伸のフィルムを挙げることができる。

またコポリアミドの例としては、力プロラクタム/ラウリンラタタム共重合体、力プロラタタムノへキサメチレンジアンモニゥムアジぺート共重合体、ラウリンラクタム Zへキサメチレンジアンモニゥムアジぺート共重合体、へキサメチレンジアンモニゥムアジぺート Zへキサメチレンジアンモニゥムセパケート共重合体、エチレンジアンモニゥムアジぺート _ へキサメチレンジアンモニゥムアジペート共重合 #：、力プロラクタム zへキサメチレンジアンモニゥムアジぺートへキサメチレンジァンモユウムセパケート共重合体等を挙げることができる。

これらポリアミド系フィルムには、柔軟性を付与するため芳香族スルホンアミド類、 P -ヒドロキシ安息香酸、エステル類等の可塑剤を配合したり、低弾性率のエラストマ一成分やラタタム類等を配合することも可能である。該エラストマ一成分としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフイン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックァミド、ポリエステルプロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系ェラストマー、ポリエステル系エラストマ一、変性スチレン系熱可塑性ェラストマー、変性アクリルゴム、変性エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。

上記のポリアミド系フィルム中には、必要に応じて他の添加剤、たとえば可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、耐ブロッキング剤、他の樹脂などを適量プレンドすることも可能である。また、アルミニウム箔 6 2としては、可撓性と接着剤適性などに優れたものであることが好ましく、そのために圧延後の加熱処理によって十分な脱脂 ·焼鈍を行った軟質アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔 6 2の厚みは、 1 5 m以上が好ましく、さらに好ましくは 1 5〜5 0 μ mの範囲である。

上記のアルミニウム箔 6 2と基材フィルム 6 1との接着は、反応硬化型接着剤を使用するドライラミネーシヨン、必要に応じてプライマーを設けて溶融押出しした接着樹脂層を介して積層するサンドィッチラミネーシヨンなど通常の方法を、材料や用途によって適宜に選択して使用する。

本発明のディスプレイユニット収納外装体は、上記した表面側パリア材 2および裏面側パリア材 3によりディスプレイュニット 1を密封収納し、ディスプレイ 9を構成するものである。

ディスプレイュニット収納外装体の具体的形状は、図 6に示すように、ディスプレイュニット 1の表裏それぞれの面にディスプレイュニット 1 を完全に覆うことができる大きさの表面側パリァ材 2および裏面側バリァ材 3を配置し、ディスプレイュニット 1の周囲で対向する表面側バリァ材 2およぴ裏面側パリア材 3の周縁部 1 7をヒートシールにより密封する構造が例示できる。

また、図 7に示すように、 1枚の透明なバリア材を用意し、これを 2 つ折りにして表面側パリア材 2と裏面側バリア材 3とするとともに、周縁部 1 7をシールして袋状となし、その中にディスプレイュニット 1を収納して密封する構造とすることもできる。

また、アルミニウム箔ラミネ一ト複合フィルム 6などの成形可能な材料を用いることにより、図 8に示したような、ディスプレイユニット収納部 7 1とディスプレイュニット 1から引き出されるケーブル 1 2を挟持する通路部 7 2とを備えた成形容器 7を作成し、これを裏面側パリア材 3として用い、収納部 7 1にディスプレイュニット 1を収納してその開口部を表面側バリア材 2を蓋材 8として用い密封する構造としてもよレ、。

本発明で用いるディスプレイユニット 1は、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスディスプレイなどに用いられている公知のディスプレイユニットであり、表示体部 1と該表示体部 1 1に電力や信号を供給するケーブル、一般的にはフラットケーブル 1 2を備えている。上述のフラットケーブル 1 2とは、一般に、基材フィルム、プライマ一コート層（接着性向上層）または接着剤層、熱接着樹脂層を順次積層しテープ状の熱接着性被覆材 1 3を構成し、その熱接着性樹脂層面どうしを対向させて重ね合わせ、両者の間に多数本の導体 1 4を挟持させて加熱圧着して一体化させたものである [図 8 ( c ) 参照]。

このようなフラットケーブル 1 2としては、例えば、 2軸延伸ポリェステルフィルムなどの基材フィルムの一方の面に、熱接着樹脂層として、ポリ塩化ビュル樹脂フィルムをドライラミネーション法などで積層して熱接着性被覆材 1 3を製造し、その熱接着性被覆材 1 3を、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム面を対向させて重ね合わせ、その間に多数本の導体 1 4を挟み込んだ後、加熱口ールなどにより加熱加圧してポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを溶融して多数本の導体をその中に埋め込むと共に、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムどうしを熱融着させて製造するポリ塩化ビニル製フラットケーブルが知られている。

あるいは、 2軸延伸ポリエステルフィルムなどの基材フィルムの一方の面に、プライマーコート層を介して、飽和ポリエステル系樹脂と難燃剤をとを含む樹脂組成物による熱接着樹脂層を形成して熱接着性被覆材 1 3を製造し、その熱接着性被覆材 1 3を、熱接着性樹脂層面を対向させて重ね合わせ、その間に多数本の導体 1 4を挟み込んだ後、加熱ロールなどにより加熱加圧して、熱接着性樹脂層を溶融して多数本の導体 1 4をその中に埋め込むと共に、熱接着性樹脂層どうしを熱融着させて製造するポリエステル樹脂製フラットケーブルが知られている。

また、フラットケーブル 1 2と成形容器 7と蓋材 8との密封性を高めるために、フラットケーブル 1 2の周囲にタブ材 1 5を用いることが好ましい [図 8 ( b )、 ( c ) 参照]。

タブ材 1 5の素材としては、ポリエステル系熱接着樹脂フィルムが好適に用いられる。

ポリエステル系熱接着樹脂フィルムとしては、主成分であるポリエステルとしては特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ 1， 4 -シク口へキシルジメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン- 2 , 6 -ナフタレート、ポリプチレン- 2， 6 -ナフタレートポリアルキレンテレフタレート樹脂が挙げられる。これらはホモポリマーに限らず、ポリエステルの構成成分であるジカルボン酸および/または、ジォールの一部を他のジカルポン酸およぴ Zまたは他のジオールと置換したものであってもよい。

次に、裏面側パリア材 3の一例である、アルミニウム箔ラミネート複合フィルム 6を含む積層体からなる成形容器 7の成形方法について説明する。

図 9は、本発明におけるディスプレイュニット収納外装体の裏面側バリア材 3 としての成形容器 7を成形するための、プレス工程に使用する雄雌プレス装置の概念図である。図 9に示すように、絞り成形は一対のプレス用金型により行うことができる。

一対の加熱プレス用金型とは、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型の雄型金型 7 5と、凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型の雌型金型 7 6である。前記一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも片方の型が動くことによりアルミニウム箔ラミネート複合フィルムを含む積層体をプレス成形し、成形容器を得ることができる。図示の例は凸状の型を上型とし、回状の型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレスする方式であり、上型には、スプリング 8 2 を介して抑え板 8 1が設けられている。

ディスプレイユニット収納外装体の成形容器 7を構成する、アルミ二ゥム箔ラミネ一ト複合フィルムを含む積層体を加熱する方法としては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法でもよい。また、金型全体を加熱しておいてもよい。この場合、金型を加熱する手段を必要とする。金型加熱手段としては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱することが一般的である。また、電熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。

アルミニウム箔ラミネ一ト複合フィルムを含む積層体からなる成形容器 7にディスプレイュニット 1を収納した後、透明ガスパリア性フィルム 4を含む積層体からなる蓋材 8で前記成形容器 7の周縁部を密封 ·封止する方法は、例えば、図 1 0に示すように、接着剤 8 5を介して、成形容器 7の周縁部と蓋材 8を密封 ·封止する方法が挙げられる。

上記の接着剤 8 5としては、例えば、ビュル系樹脂、ォレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を主体とする接着剤を使用することができる。その形態としては、溶剤型、一液または二液硬化型、無溶剤型等のいずれのものでもよい。

また、図 1 1に示すように、シール金型 7 7， 7 8を用いて成形容器 7の周縁部と蓋材 8を密封 ·封止する方法、さらに、図 1 2に示すように、外装体の成形容器 7を金型 7 9に载置して加熱加圧ロール 7 4を用いて成形容器 7の周縁部と蓋材 8を密封 ·封止する方法等を挙げることができる。

なお、上記の密封 ·封止方法において、アルミニウム箔ラミネート複合フィルム 6を含む積層体からなる成形容器 7にディスプレイユニット 1を収納して、容器内部を脱気した後、成形容器 7の周縁部と蓋材 8を密封 ·封止することが好ましい。

<実施例 1〉

厚さ 1 2 μ mのポリエチレンテレフタレートを基材とし、その上面に S i o (酸化珪素）を蒸着源とし、電子線加熱方式による真空蒸着法により、膜厚 4 0 n mの薄膜層からなる第 1層を形成し、さらに下記組成を組み合わせ、所定の割合に混合してなるコーティング剤をバーコータ一により塗布し乾燥機で 1 2 0 °C、 1分間乾燥させ、膜厚約 0 . 3 μ πι のガスバリア性被膜層からなる第 2層を形成し、さらにその第 2層上に、順次、前記第 1層と第 2層を形成した透明ガスバリァ性フィルムのそのガスバリア性被膜層に厚さ 1 2 μ mのポリエチレンテレフタレートフィルムを 2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により透明ガスバリア性フィルムを含む積層体を得た。

一方、厚さ 3 0 μ mのアルミニウム箔の片面に、厚さ 2 5 μ πιの 2軸延伸ナイロンフィルムを、アルミニウム箔のもう一方の面に、厚さ 1 2 μ πιのポリエチレンテレフタレートフイルムをそれぞれ 2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネ一ト法によりアルミニウム箔ラミネ一トフイルムを含む積層体を得た。

上記で得られたアルミニウム箔ラミネートフィルムを含む積層体を、絞り成形により、所定のディスプレイュュット収納部とディスプレイュニットから引き出されるフラットケーブルを挟持する通路部とが形成された成形容器を作成した。

上記で得られた成形容器に、タブ材を用いないでフラットケーブルを装着した所定のディスプレイュ-ット収納した後、接着剤を用いて透明ガスバリア性フィルムを含む積層体を蓋材として、成形容器周縁部の最内層のポリエチレンテレフタレートフイルム面と蓋材ポリエチレンテレフタレートフィルム面とをエポキシ系接着剤を用い密封 ·封止して本発明のディスプレイュニット収納外装体に所定のディスプレイュニットを収納したディスプレイが得られた。

(コーティング剤の成分）

下記（A) 液と（B) 液を配合比（w t%) で 60Z40に混合したもの。

(A) テトラエトキシシラン〔S i (OC₂H₅) ₄〕 1 0. 4 gに塩酸 (0. I N) 8 9. 6 gを加え、 30分間攪拌し加水分解させた固形分

3 w t % (S i 0₂換算）の加水分解溶液。

(B) ポリビニノレアノレコールの 3. 0 w t %水 Zイソプロピノレアルコール溶液（水：ィソプロピルアルコール重量比で 90 : 1 0)

<実施例 2 >

実施例 1で得られた透明ガスバリァ性フィルムを含む積層体のポリェチレンテレフタレートフィルムの代わりに、最外層のガスパリァ性被膜層からなる第 2層面に、シーラント層として厚さ 40 μ mのエチレン · メタクリル酸共重合体（EMAA) を積層してなる透明ガスバリア性フィルムを含む積層体を得た。

一方、実施例 1で得られたアルミニウム箔ラミネートフィルムを含む積層体のポリエチレンテレフタレートフイルムの代わりに、シーラント層として厚さ 4 0 mのエチレン . メタクリル酸共重合体（E MA A) を積層してなるアルミニウム箔ラミネートフィルムを含む積層体を得た。上記で得られたアルミニウム箔ラミネートフィルムを、絞り成形により、所定のディスプレイュニット収納部とディスプレイュニットから引き出されるフラットケーブルを挟持する通路部とが形成された成形容器を作成した。

上記で得られた成形容器に、タブ材を用いないでフラットケーブルを装着した所定のディスプレイュニットを収納した後、成形容器周縁部の最内層のシーラント層と蓋材のシ一ラント層どうしをシール金型を用いて加熱加圧シール方法により密封 ·封止して本発明のディスプレイュニット収納外装体に所定のディスプレイュニットを収納したディスプレイを得た。

<実施例 3 >

実施例 2において、ポリエステル系熱接着樹脂フィルムからなるタブ材を用いたフラットケーブルを装着した所定のディスプレイュニット収納した以外は実施例 2と同様にして、本発明のディスプレイュニット収納外装体に所定のディスプレイュ-ットを収納したディスプレイを得た。

<実施例 4 >

実施例 3において、実施例 1で得られた透明ガスパリァ性フィルムを 2枚用いて、第 2層どうしを積層してなる透明ガスバリア性フィルムを含む積層体を用いた以外は実施例 3と同様にして、本発明のディスプレィュニット収納外装体に所定のディスプレイュニットを収納したディスプレイを得た。

く比較例 1 >

実施例 1〜 4で用いた所定のディスプレイユニットを外装体で覆うことなくそのまま用いた。

実施例 1〜4および比較例 1で得られたディスプレイを 8 5 °C 9 5 % の条件の環境下で放置し、ダークスポットが発生するまでの時間を測定し、評価した。その結果を表 1に示す。

<表 1〉

表 1から明らかに、実施例 1から 4で得られた本発明のディスプレイュニットを収納する外装体に収納したディスプレイは、比較としての実施例 5のディスプレイュニットそのままに比較して、ダークスポットが発生するまでの時間が長く、このことは本発明のディスプレイュ-ットを収納する外装体に収納したディスプレイが、長期に維持し得る水蒸気その他のガスバリア性と長期にわたって安定した密封性を保持するものである。さらに、本発明のディスプレイは、透明性を有することからデイスプレイ表示画面の視認性も良く、耐內容物性および機械的強度に優れるためにディスプレイユニットの性能劣化を防止可能とするものである。

<実施例 5〉厚さ 1 2 μ mの二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面に厚さ 30 nmの酸化珪素の蒸着薄膜層を積層し、その蒸着薄膜層の上に塗布量 3 g/m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚 1 5 μπιの二軸延伸ナイロンフィルムを積層し、さらにその二軸延伸ナィロンフィルム面に塗布量 3 g/m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚さ 30 μ mのの無延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、他方の面に C₃F₇— (OC₃F₆) ₂₄- O- (CF₂) ₂— C₂H₄— O— CH₂ S i (OCH₃) ₃からなるパーフルォロポリエーテル基含有シランカツプリング剤をパーフルォ口へキサンで 0. 5 w t %に希釈した塗布液を塗布、乾燥して、膜厚 3 μπιの防汚層を積層した積層材料を得た。前記積層材料を所定寸法にスリットした二枚の積層材料の無延伸ポリプロピレンフィルム面同士を重ね合わせ、三辺をヒートシールし、一辺を開口部とした三方シール袋を作成し、その三方シール袋の開口部からケープル付きの液晶ディスプレイュニットを揷入し、ケーブルの一端を袋外に出し、袋内の空気を吸引後密封シールして本発明のディスプレイを得た。

<実施例 6 >

厚さ 1 2 μ mの二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面に厚さ 30 nmの酸化珪素の蒸着薄膜層を積層し、その蒸着薄膜層の上に塗布量 3 g/m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚さ 30 μ mの無延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、他方の面に塗布量 0. 5 g/m² (乾燥状態）の紫外線硬化型アクリル樹脂を主成分とする防傷層を積層した積層材料を得た。その積層材料を用いた以外は、実施例 5と同様にして本発明のディスプレイを得た。

<実施例 7〉厚さ 1 2 μ mの二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面に厚さ 30 nmの酸化珪素の蒸着薄膜層を積層し、その蒸着薄膜層の上に塗布量 3 g/m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚さ 30 μ mの無延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、他方の面に酸化チタン蒸着薄膜層/酸化珪素蒸着薄膜層ノ酸化チタン蒸着薄膜層 Z酸化珪素蒸着薄膜層の 4層構成の反射防止層を積層し、その反射防止層の上に塗布量 0. S gZm² (乾燥状態）の紫外線硬化型アクリル樹脂を主成分とする防傷層を積層し、その防傷層の上に C₃F₇— (OC₃F₆) ₂₄ -0- (CF₂) ₂-C₂H₄-0-CH₂S i (OCH₃) ₃からなるパーフルォロポリエーテル基含有シラン力ップリング剤をパーフルォ口へキサンで 0. 5 w t %に希釈した塗布液を塗布、乾燥して、膜厚 3 μπιの防汚層を積層した積層材料を得た。その積層材料を用いた以外は、実施例 5と同様にして本発明のディスプレイを得た。

<比較例 2 >

厚さ 1 5 μ mの二軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に塗布量 3 g/ m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚さ 9 μπιのアルミユウム箔を積層し、そのアルミニウム箔の上に塗布量 3 g/m² (乾燥状態）のポリウレタン系接着剤を介して厚さ 30 / mの無延伸ポリプロピレンフィルムを積層した積層材料を得た。その積層材料を用いた以外は、実施例 5と同様にして比較用のディスプレイを得た。

<評価>

実施例 5〜 7及び比較例 2のディスプレイの表示画面の視認性及び外表面の防汚性、防傷性他の機能を評価した。その結果を表 2に示す。 <表 2 >

◎

〇良好

Δ 実用上問題がない

χ 不良表 2の結果から、実施例 5のディスプレイは表示画面の視認性は良く、外表面の防汚性も良好で、防傷性も実用状問題なく、性能の持続性も良好であった。実施例 6のディスプレイは表示画面の視認性は良く、外表面の防傷性も良好で、防汚性も実用状問題なく、性能の持続性も良好であった。実施例 7のディスプレイは表示画面の視認性は反射防止層を有しているので特に優れ、外表面の防汚性、防傷性も良好で、性能の持続性も良好であつた。比較例 2のデイスプレイは表示画面の視認性が無く、外表面の防汚性、防傷性も不良であった。

産業上の利用可能性

本発明のディスプレイユニットを収納する外装体おょぴディスプレイは、透明性を有し、水蒸気その他のガスバリア性や密封性および機械的強度に優れ、ディスプレイユニットの性能劣化を防止する、液晶ディスプレイ ( L C D )、エレクトロルミネッセンスディスプレイ ( E L D ) 等の各種ディスプレイュニットを収納する外装体おょぴディスプレイとして好適に使用できるものである。

Claims

請求の範囲

ィスプレイユニットを密封収納する外装体であって、

ディスプレイュニットの表面側を覆う、透明ガスバリア性フィルムを含む表面側バリア材と、ディスプレイュニットの裏面側を覆う、ガスパリア性フィルムを含む裏面側パリア材とからなるディスプレイュニット収納外装体。

記透明ガスバリア性フィルムが、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、（a ) 1種以上のアルコキシドまたは Zおよびその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1 つを含む水溶液、あるいは水 Zァルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスパリア性被膜層を第 2層として積層してなることを特徴とする、請求項 1記載のディスプレイユニット収納外装体。

前記透明ガスバリア性フィルムが、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、無機化合物からなる蒸着層を第 1層とし、水溶性高分子と、 ( a ) 1種以上のアルコキシドまたは Zおよびその加水分解物または（b ) 塩化錫の少なくともいずれか 1 つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を第 2層として、該第 1層と第 2層とを交互に複数回繰り返し積層してなることを特徴とする、請求項 1記載のディスプレイュニット収納外装体。

前記透明ガスパリア性フィルムが、透明なプラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、水溶性高分子と無機層状化合物の混合物からなるガスバリア性被膜層を積層してなることを特徴とする、請求項 1記載のディスプレイユニット収納外装体。

面側バリア材を構成するガスパリア性フィルムが、アルミニウム箔ラミネ一ト複合フィルムであることを特徴とする請求項 1記载のディスプレイュニット収納外装体。

記アルミニウム箔ラミネート複合フィルムが、アルミニウム箔の少なくとも片面にポリアミド系フィルムが積層され、該ポリアミド系フィルムは、ディスプレイュニットを収納した際に外側となる側に配置されることを特徴とする請求項 5記載のディスプレイュニット収納外装体。

裏面側バリア材が、請求項 5または請求項 6のいずれかに記載のァルミニゥム箔ラミネ一ト複合フィルムを成形して得られる、ディスプレイュニット収納部とディスプレイュニットから引き出されるケーブルを挟持する通路部とを備えた成形容器であり、表面側パリァ材が、請求項 2ないし請求項 4のいずれかに記載の透明ガスバリア性フィルムを含む蓋材であり、前記成形容器の周縁部を前記蓋材で密封しディスプレイユニットを収納することを特徴とするディスプレイュニット収納外装体。

請求項 1ないし請求項 7のいずれかに記載のディスプレイュニット収納外装体に、ディスプレイユニットを収納してなる、ディスプレイ。