JP2009062060A - ガスバリア性包材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアミドフィルムを基材として用いた積層タイプのガスバリア性包材、特に、レトルト処理が施されても処理前に有していた高いガスバリア性や密着性が維持できるようにした、レトルト用途に好適に用いることができる、ガスバリア性包材の提供を目的とする。
【解決手段】透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材の片面に、少なくともアンカーコート層と、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層と、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物並びに水酸基を有する水溶性高分子を主剤とする混合溶液からなる薄膜の加熱・乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とをこの相対的順序で積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリアミドフィルムが基材として用いられている積層タイプのガスバリア性包材に関するもので、特にレトルト処理が施されてもガスバリア性や密着性等が劣化するすることがなく、しかも耐突き刺し性、耐衝撃性、耐ピンホール性等にも優れる、ガスバリア性包材に関するものである。
従来より、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌を施す必要がある食品や医薬品等の包装に用いられる包材として、積層構成のものが多く用いられている。それらの中では、アルミニウム箔からなるガスバリア層を積層した積層構成の包材が数多く用いられている。しかしガスバリア層としてアルミニウム箔を積層した積層体は、不透明で内容物の視認性が悪く、また、焼却された時にはアルミニウムが塊として残り、それが焼却炉を痛める、等々の問題点を抱えている。
そこで、アルミニウム箔を積層した積層体の代替えとして、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂コートフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂若しくはメタキシリレンアジパミド(MXD6)樹脂フィルム等を中間層として積層した共押出多層フィルムが用いられることがある。しかし、このような積層体にあっては、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを使用したものは、耐湿性が悪く、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌等の処理が施されるとガスバリア性が大きく低下する欠点があり、また高温、高湿下ではガスバリア性が大きく低下する。また、塩化ビニリデン樹脂フィルムを使用したものは、焼却時に有毒ガスを発生し、さらには耐熱性が劣る為に煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌等の処理が施されるとガスバリア性が大きく低下する欠点がある。これらの問題を解決するものとして、例えば、ポリステルフィルムからなる基材に無機酸化物の蒸着薄膜層とシーラント層を積層した積層材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような積層材料はポリエステルフィルムからなる基材が用いられているため、包材として要求される耐突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性等が確保しずらかった。耐突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性等に優れるポリアミドフィルムからなる基材を用いることが考えられるが、ポリアミドフィルムはポリエステルフィルムよりガラス転移点が低いために無機酸化物からなる蒸着薄膜層より高いバリア性を発現することは難しく、特に蒸着薄膜が酸化アルミニウムからなる場合には、その蒸着薄膜が硬くて脆い為、高いガスバリア性を要求される包材用汎用フィルムとしての使用は難しかった。そこで蒸着薄膜の上にガスバリア性のある保護層を設けることで、蒸着薄膜のガスバリア性の確保と薄膜の保護を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、特許文献2で提案されているような保護層ではレトルト処理に係る高温高圧下での熱水処理に対しては十分な保護が期待できず、ガスバリア性や密着性が大幅に劣化し、レトルト用途には使用できなかった。
特公昭63−28017号公報 特開平11−262986号公報
本発明は以上のような状況の下になされたものであって、その課題とするところは、ポリアミドフィルムを基材として用いた積層タイプのガスバリア性包材、特に、レトルト処理が施されても処理前に有していた高いガスバリア性や密着性が維持できるようにした、レトルト用途に好適に用いることができる、ガスバリア性包材を提供することにある。
以上のような課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材の片面に、少なくともアンカーコート層と、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層と、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物並びに水酸基を有する水溶性高分子を主剤とする混合溶液からなる薄膜の加熱・乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とがこのこの相対的順序で積層されていることを特徴とするガスバリア性包材である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のガスバリア性包材において、前記Si(OR14のR1がC25であることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のガスバリア性包材において、前記ガスバリア性被膜層側には接着剤を介してシーラントフィルム層が積層されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載のいずれかに記載のガスバリア性包材において、前記ガスバリア性被膜層側には接着剤を介してシーラントフィルム層が積層されていて、基材側には接着剤を介して印刷層が設けられているポリエステルフィルム層がその印刷層を挟むように積層されていることを特徴とする。
本発明によれば、レトルト処理が施されても処理前に有していたガスバリア性や密着性が劣化することなく、しかも耐突き刺し性、耐衝撃性、耐ピンホール性等にも優れる、ポリアミドフィルムを基材として用いている積層構成のガスバリア性包材を提供することができる。
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1および図2は本発明のガスバリア性包材の概略の断面構成を示す説明図である。
図1に示すガスバリア性包材は、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材(1)の片面に、アンカーコート層(2)と、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)と、ガスバリア性被膜層(4)と、接着剤層(5)と、シーラントフィルム層(6)が順次積層されたものである。
一方、図2に示すガスバリア性包材は、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材(11)の片面に、アンカーコート層(12)と、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(13)と、ガスバリア性被膜層(14)と、接着剤層(15)と、シーラントフィルム層(16)が順次積層されていると共に、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材(11)のもう一方の面には、印刷層(18)が設けられているポリステルフィルム層(17)がその印刷層(18)を挟むように接着層(19)を介して順次積層されたものである。
このような構成になるガスバリア性包材を構成する基材(1)、(11)は、前述した
ように、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる。煮沸殺菌処理や加熱・加圧殺菌処理により収納物の長期保存ができるようにしたレトルト食品等を包装するための包材であって、無機酸化物からなる蒸着薄膜層を有する積層タイプのバリア性包材を構成する基材としては、ポリエステルフィルムを用いるものが一般的である。しかしポリエステルフィルムからなる基材では、包材として必要な所期の耐突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性等が得られ難い。本発明のガスバリア性包材においては、それを構成する基材として、耐突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性等に優れるポリアミドフィルムからなる基材を用いることで、大幅なコスト削減や、包装形態の軽量化、また印刷層からのインキ臭気を低減することが可能となる。
透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材(1)、(11)としては、プラスチック材料の中で柔軟性に優れているナイロン樹脂からなり、延伸された透明フィルムを用いる。具体的には、ε−カプロラクタムの開環重合反応で得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸塩との縮重合反応で得られるナイロン66、メタキシレンジアミンとアジピン酸を縮重合して得られるMXD6ナイロン、ナイロン11、ナイロン12等からなる汎用のフイルムである。延伸の方法は二軸延伸方法でも逐次延伸方法であってもかまわない。厚みはフイルムの製膜性や経済性等の観点から12〜25μm程度の範囲にあることが好ましい。また、この透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材(1)、(11)の表面には、種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等からなる薄膜層が設けられていてもよい。また、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、さらには薬品処理、溶剤処理等を施し、その上の層との密着性が向上するようにしておいてもよい。
このような基材(1)、(11)の片面もしくは両面に易接着層が設けられているとプライマー層との密着性が非常に向上するため、本発明のガスバリア性包材が使用される際に物理的な強いストレスがかかることが予想される場合には、この易接着層があることが望ましい。
次ぎにアンカーコート層(2)、(12)について説明する。前記した基材(1)、(11)と後述する酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)、(13)の間にこのアンカーコート層(2)、(12)を設けることで、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)、(13)が均一に形成され、その結果ガスバリア性が向上し、また密着性も飛躍的に向上し、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌等の処理が施されたとしてもこれらの諸特性を劣化させることがなくなる。
このアンカーコート層(2)、(12)を構成するアンカーコート液としては、例えば、アクリルポリオールやポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等のポリオール類とイソシアネート化合物との2液反応によって得られる有機高分子、またはポリイソシアネート化合物および水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、シランカップリング剤およびその加水分解物のような有機シラン化合物等を主剤とするものが挙げられる。
特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物、シランカップリング剤の組み合わせになるアンカーコト液からなるアンカーコート層は好ましく用いられる。
このアンカーコート層(2)、(12)の厚みは、一般的には乾燥後の厚さで0.005〜5μm程度、より好ましくは0.01〜1μm程度の範囲にあることが望ましい。0.01μm未満の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難くなり、逆に1μmを越
える場合は不経済となるからである。
一方、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)、(13)は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスよりなる薄膜形成方法により設ければよい。酸化アルミニウムは、無色透明であり、材料も安価で、薄膜形成にかかるコストを大きく下げることができる。
この酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)、(13)の厚みは、本発明のガスバリア性包材の用途によってその適性値が異なってくるが、一般的には数十Åから5000Å程度の範囲にあることが望ましい。50Å未満では薄膜の連続性に問題が生じることがあり、また3000Åを超えるとクラックが発生し易いすくなり、可とう性が低下し易くなるため、50〜3000Å程度の範囲にあることがより好ましい。
他方、ガスバリア性被膜層(4)、(14)は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を主剤とする混合溶液からなる薄膜が加熱、乾燥されてなるものである。
ガスバリア性被膜としては、従来から種々のタイプのものが用いられている。例えば、Si(OR14で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した混合溶液を塗布して薄膜を形成し、それを加熱乾燥して得られるガスバリア性被膜があるが、このような構成になる被膜では耐水性が低く、熱水に溶解してしまう。それに対して、本発明のガスバリア性包材の一部を構成するガスバリア性被膜層(4)、(14)は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物を用いることで、被膜の耐熱水性が確保され、レトルト処理が施されたとしても被膜が劣化することなく、密着性も良好に保持でき、酸化アルミニウムの蒸着層(3)、(13)を保護し、延いては高いガスバリア性が保てるようになる。
特にR1Si(OR23の有機官能基(R1)が、ビニル、エポキシ、メタクリロキシ、ウレイド、イソシアネート等の非水性官能基であることが望ましい。これらの非水性官能基は疎水性であるため、耐水性はさらに向上する。
ガスバリア性被膜層(4)、(14)中のSi(OR14は、R1は、CH3,C25,C24OCH3等で表せるものであればいずれのものも使用することができる。中でも、R1がC25であるテトラエトキシシランは加水分解後に水系の溶媒中において比較的安定であるため好ましい。
また、ガスバリア性被膜層(4)、(14)中の水酸基を有する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、でんぷん、セルロース類が好ましい。特にポリビニルアルコール(以下PVA)を本発明のコーティング剤を構成する水溶性高分子として用いた場合にガスバリア性が最も優れる。なぜならPVAはモノマー単位中に最も多く水酸基を含む高分子であるため加水分解後の金属アルコキシドの水酸基と非常に強固な水素結合をもつからである。ここで言うPVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分ケン化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAまでを含む。PVAの分子量は重合度が300〜数千まであるがどの分子量のものを用いても効果に問題はない。しかし、一般的にはケン化度が高くまた重合度が高い高分子量のPVAは耐水性が高いため好ましく用いられる。
ガスバリア性被膜層(4)、(14)を構成する混合溶液には、インキや接着剤との密
着性、濡れ性、さらには、収縮によるクラック発生防止性等を付与することを考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイト等の粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤等の公知の添加剤を、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加することができる。
ガスバリア性被膜層(4)、(14)の乾燥後の厚みは特に限定されるものではないが、50μmを越えるとクラックが生じやすくなるため、0.01〜50μm程度とすることが望ましい。
ガスバリア性被膜層の形成方法としては、通常の薄膜塗布方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗布方法を用いて酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(3)、(13)の上に形成すればよい。
上記した混合溶液からなる薄膜の加熱乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射等により薄膜に熱をかけ、水分子をとばす方法であればこれらのいずれでもよいし、またこれらを2つ以上適宜組み合わせてもかまわない。
本発明のガスバリア性包材は、図にも示すように、このガスバリア性皮膜層(4)、(14)側に接着剤層(5)、(15)を介してシーラントフィルム層(6)、(16)を設けることでより実用性の高いレトルト用バリア性フィルムとして提供できる。このシーラントフィルム層(6)、(16)は、袋状包装体等を作製する際に貼り合わせに関与する部分であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂等により形成される。厚みは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μm程度の範囲にあればよい。このようなシーラントフィルム層は、基材(1)、(11)側に設けておいても一向にかまわない。
シーラントフィルム層(6)、(16)の形成方法としては、上述の樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントドライラミネート法等のいずれも公知の積層方法が適宜適用できる。
透明蒸着薄膜をその一部に有する一般的なレトルト用バリア性包材は、蒸着ポリエステルフィルム(バリア性の付与に関与)とナイロンフィルム(耐ピンホール性、耐突き刺し性の付与に関与)と、シーラントフィルム(接着性の付与に関与)の三層構成からなる。しかし本発明のガスバリア性包材は、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材が、ガスバリア性と耐ピンホール性、耐突き刺し性の両方の特性を合わせ持つため、二層構成でレトルト用バリア性包材として提供することができる。そのためこの包材から作製される包装容器のコストを大幅に下げ、また層構成を減らすことで包材の重量を減らせ、ゴミの減量化にも貢献することができる。
一方で、本発明のガスバリア性包材は、ガスバリア性被膜層(14)側に接着剤層(15)を介してシーラントフィルム層(16)を積層し、逆面側には接着剤層(19)を介して印刷層(18)のあるポリエステルフィルム層(17)を積層することで(図2参照)、印刷層からのインキ臭が収納物へ移行することを低減することができる。一般的な蒸着フィルムを用いたレトルト用バリア性フィルムでは、印刷層はその色映りが良い最外層のポリステルフィルム側に施す。しかしこの場合、印刷層はバリア層より収納物側にあるため、インキ臭は収納物に移行する。本発明では印刷層と収納物との間にポリエステルフィルム層がバリア層として介在するため、インキ臭をブロックすることができ、収納物へインキ臭が移行することが防げる。
以下、本発明のガスバリア性包材を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
まず、以下のようにして、アンカーコート液、ガスバリア性被膜層形成用の混合溶液を調整した。
<アンカーコート液の調整>
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートを、アクリルポリオールのOH基に対してNCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるよう酢酸エチルで希釈し、さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5w%添加して混合した。
<ガスバリア性被膜層形成用の混合溶液の調整>
混合溶液の調整に先立ち下記A液、B液、C液、D液を調整した。
(A液)テトラエトキシシラン(Si(OC254)17.9gとメタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
(B液)ポリビニルアルコールの5%(重量比)、水/メタノールアルコール=95/5(重量比)水溶液。
(C液)1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/IPA(イソプロプルアルコール)=1/1溶液で固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
(D液)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
上記A液〜D液を用い、下記の配合比にて混合させ、ガスバリア性被膜層形成用の混合溶液1〜4を調整した。
<混合溶液の配合比>
混合溶液1 A/B/C=70/20/10
混合溶液2 A/B/D=70/20/10
混合溶液3 E/B/C=70/20/10
混合溶液4 A/B=70/20
透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材として、片面に易接着層をもつコロナ処理済みの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)、エンブレムONM(厚み15μm))を使用し、そのコロナ処理面にグラビアコート機を用いて前記アンカーコート液の薄膜を塗布し、乾燥させ、厚みが0.1μmのアンカーコート層を積層した。次に、真空蒸着装置で酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層(厚み12nm)をアンカーコート層上に積層した。さらに、蒸着薄膜層の上にグラビアコート機にて前記混合液1の薄膜を塗布し、加熱乾燥させ、厚みが0.2μmのガスバリア性被膜層を積層して、本発明の実施例1に係るガスバリア性包材を得た。
混合溶液として前記混合溶液2を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の実施例2に係るガスバリア性包材を得た。
混合溶液として前記混合溶液3を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の実施例3に係るガスバリア性包材を得た。
ガスバリア性被膜層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例4に係るガスバリア性包材を得た。
混合溶液として前記混合溶液4を用いた以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例5に係るガスバリア性包材を得た。
基材として厚みが12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例6に係るガスバリア性包材を得た。
上記実施例1、2、3、5、6に係るこれらの包材のガスバリア性被膜層面と実施例4に係る包材の蒸着薄膜層面にポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネート機により、厚み70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムからなるシーラントフィルム層を積層し、本発明の実施例1の2、実施例2の2、実施例3の2に係る二層構成のガスバリア性包材と、比較のための実施例4の2、実施例5の2、実施例6の2に係る二層構成のガスバリア性包材を作製した。
<評価1>
実施例1の2と実施例6の2に係る二層構成のガスバリア性包材を、MIL−B131H試験に則しゲルボフレックス試験機によって1000回屈曲させ、ピンホール試験を行い、試験後の包材のピンホール数を数えた。これを5回くり返し、ピンホールの数の平均を求めた。
実施例1の2に係るガスバリア性包材ではピンホールの数は平均4.5個だったのに対し、実施例6の2に係る包材では平均38.7個であった。実施例1の2に係るガスバリア性包材のようなナイロンフィルムとシーラントフィルムの構成では屈曲をくり返してもピンホールが空きにくいのに対し、実施例6の2に係る包材のようにポリエステルフィルムとシーラントフィルムの構成のものではピンホールが開きやすく、フレキシビリティに劣るためレトルト用途には適さないことが分かった。
<評価2>
さらに、実施例1の2と実施例4の2、5の2に係る二層構成の性包材で四方パウチを作成し、そこに水道水を充填して121℃30分間のレトルト処理を行い、処理前後の包材の酸素透過度を酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。また15mm幅で180°剥離したときの剥離強度も求めた。測定装置はテンシロン(引っ張り試験機、オリエンテック社製)を用い、測定は剥離速度300mm/min、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で行った。
Figure 2009062060
表1には二層構成に係る包材に対するレトルト処理後の評価1に関する結果が示してある。
実施例4の2に係る包材は保護層がないためガスバリア性が悪く、実施例5の2に係る包材は保護コート層の耐水性が足りずに、オーブン乾燥後に被膜のひび割れが起こり、ガスバリア性が発現しなかった。一方、実施例1の2、2の2、3の2に係るガスバリア性包材は、レトルト処理の前後で高いガスバリア性を示していることが表1から分かる。
<評価3>
さらに、実施例1の2、2の2、3の2、4の2、5の2に係る包材を用いて、そのガスバリア性被膜層面にポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネート機で厚みが70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムからなるシーラントフィルム層を積層し、さらにガスバリア性被膜層の逆面にポリウレタン系接着剤を用いて、白インキ(東洋インキ製造(株)製、ニューLPスーパー白)により印刷を施したした厚みが12μmの延伸ポリエステルフィルム(東レフィルム加工(株)製、P60)をその印刷面側で接着させて三層構成の、実施例1の3、2の3、3の3、4の3、5の3に係る包材を得た。
また、実施例6に係る包材のガスバリア性被膜層面に白インキ(東洋インキ製造(株)製、ニューLPスーパー白)で印刷を施した後、ドライラミネート機で印刷面にポリウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムを積層した。そして、その上に厚み70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをポリウレタン系接着剤を用いて積層し、三層構成の比較のための実施例6の3に係る包材を得た。
続いて、上記した6種類の三層構成の包材を用いて四方パウチを作成し、その中に蒸留水を充填して121℃30分間のレトルト処理を行った。レトルト処理前後の包材の酸素透過度を酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、OXTRAN10/50)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。またレトルト処理後に内容物である蒸留水の味覚官能試験を実施し、インキ臭が強く感じられるものを×、インキ臭がそれほど感じられないものを○としてブラインド評価を行った。
Figure 2009062060
表2は三層構成の包材のレトルト処理後の評価結果が示してある。
表2より、実施例1の3、2の3、3の3に係る本発明のガスバリア性包材ではレトルト処理前後にどれも高いガスバリア性を示していることが分かる。一方、比較のための実施例4の3、5の3に係る包材はレトルト処理によりガスバリア性が大きく劣化しており、インキの臭気が収納物へと移行したため、蒸留水のインキ臭が強く感じられた。また、実施例6の3の包材では、ガスバリア性の劣化はないが、バリア層より内側に印刷層があるため、収納物へインキの臭気が移行し、蒸留水のインキ臭が強く感じられた。
本発明のガスバリア性包材の概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の他のガスバリア性包材の概略の断面構成を示す説明図である。
符号の説明
1、11…基材
2、12…アンカーコート層
3、13…蒸着薄膜層
4、14…ガスバリア性被膜層
5、15…接着剤層
6、16…シーラントフィルム層
17…ポリエステルフィルム
18…印刷層
19…接着剤層

Claims (4)

  1. 透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材の片面に、少なくともアンカーコート層と、酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜層と、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物並びに水酸基を有する水溶性高分子を主剤とする混合溶液からなる薄膜の加熱・乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とがこのこの相対的順序で積層されていることを特徴とするガスバリア性包材。
  2. 前記Si(OR14のR1がC25であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性包材。
  3. 前記ガスバリア性被膜層側には接着剤を介してシーラントフィルム層が積層されていることを特徴とする請求項1または2記載のガスバリア性包材。
  4. 前記ガスバリア性被膜層側には接着剤を介してシーラントフィルム層が積層されていていると共に、基材側には接着剤を介して印刷層が設けられているポリエステルフィルム層がその印刷層を挟むように積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリア性包材。
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