JP4957322B2 - 蓋材 - Google Patents

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本発明は、容器の開口部を密封するための蓋材に関するものである。さらに詳しくは、煮沸殺菌や加熱・加圧殺菌などを施す必要がある内容物を収納する容器の密封に好適に用いられる、ガスバリア性や密着性に優れる蓋材に関するものである。
食品、医療・医薬品、精密電子部品などの包装に用いられる包装材料のなかで、煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理を施す必要のある容器やその開口部を密閉するための蓋材は、内容物の変質、とくに食品においては蛋白質や油脂などの酸化・変質を抑制し、風味や鮮度を長期に亘って保持させるため、また、無菌状態での取扱いが必要とされる医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持させるために、そこを透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体を遮断する高いガスバリア性と煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理に対する耐性を具備していることが市場のニーズとして求められている。
そのような中、容器の蓋材としては、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理などに対する処理耐性を有し、水蒸気や酸素などのバリア性に優れたガスバリア層を含んだ多層構成のものが多く用いられている。このような蓋材を構成するガスバリア層としては、例えば、アルミニウム箔などの金属箔、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体けん化物(EVOH)、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応により得られるポリアミド(MXD−6ナイロン)などからなる薄膜層が用いられている。しかしながら、これらのガスバリア層を含んだ蓋材は、比較的高いガスバリア性を示すものの、何らかの短所を有していた。
金属箔を含んだ蓋材は、温度や湿度などの環境による影響が少なく、高いガスバリア性を示すが、不透明なためにそれを介して内容物を視認できない、品質検査の際に金属探知器が使用できない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならず分別の手間がかかる、さらには焼却の際に金属箔が塊として焼却炉に残り、焼却炉を傷めるなどの弊害があった。またさらに、金属箔を含んだ蓋材で包装された内容物は、電子レンジなどでのマイクロ波加熱に不向きである。
また、PVDCを含んだ蓋材は、安価で、比較的高いガスバリア性を有するが、焼却時に有毒ガスを発生する可能性があるという問題があった。さらに、EVOH、MXD−6ナイロンを含んだ蓋材は、ガスバリア性の環境依存性が大きく、特に高温高湿度環境下では著しくガスバリア性が劣化するため、煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理によりガスバリア性が大幅に低下する。
これらの欠点を克服したガスバリア性フィルムとして、例えば特許文献1、2には、真空蒸着法やスパッタリング法などの気相堆積法により、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムからなる無機酸化物の薄膜を高分子フィルム上に形成してなるガスバリアフィルムが記載されている。このガスバリアフィルムは、透明に形成することができるとともに、ガスバリア性に優れており、包装材料への使用が近年伸びている。
一方で、煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理が施される蓋材の基材フィルムには、強靭性、耐衝撃性、耐突き刺しピンホール性、耐摩耗性などに優れる点、さらには、加熱殺菌処理時の熱収縮により、製品として店頭に置かれた際の見栄えを良くし、商品価値を向上させるようにする点などを考慮し、ポリアミド樹脂からなるものが汎用的に用いられている。
しかしながら、上述したガスバリアフィルムが蓋材などに適するフィルムであっても、それが単独で用いられることはなく、通常、その表面に文字・絵柄などを印刷したり、他のフィルムを貼合せたりと、さまざまな後加工が施される上に、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理などがさまざまな工程を経て施されるために、包装材料としての設計にはこのような点を十分配慮して行わなければならない。因みに、本発明者らは、上述したガスバリア性フィルムを蓋材として用い、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理を行ったところ、殺菌後にシール部にデラミネーションの発生やガスバリア性の大幅に低下が確認された。
このような問題を解決するために、特許文献4、5では、ポリアミド樹脂よりなる基材フィルムと無機酸化物層との密着性を向上させるために、基材フィルムの上にアンカーコート層を設ける試みがなされている。
しかしながら、上記の構成のガスバリアフィルムは、アンカーコート層の十分な接着性がないため、あるいはアンカーコート層の凝集力が弱いために、特に煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理などの高温熱水処理や高温多湿環境下での長期保存では、密着力が低下し、蓋材として用いるには問題があった。
また特許文献6には、特定のポリアミド樹脂からなる基材フィルム上に密着性向上のための易接着層を介して金属酸化物薄膜層からなるガスバリア層、ポリオレフィンフィルムを順次積層し、熱水中での伸び率を特定したガスバリア性積層フィルムが提案されている
しかしながら、ここに提案されているガスバリア性積層フィルムは、ポリアミド樹脂よりなる基材フィルムに、特殊な樹脂組成からなるポリアミド樹脂からなるものを用いているため、コストが高く、また、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理後のガスバリア性の点でもまだ不十分であり、蓋材としての使用には不向きであった。
さらに特許文献7で、本発明者らは、ポリアミド樹脂からなる基材フィルムの上にアンカーコート層を介して気相堆積法により積層した無機酸化物層の上に、ガスバリア性被覆層をさらに形成したガスバリアフィルムを用いた蓋材を提案している。このガスバリアフィルムを蓋材に採用した場合、ガスバリア性被覆層を形成しなかった場合に比べて、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理後のガスバリア性や密着性はより高度なものとなる。しかしながら、このような構成になる蓋材によって得られるガスバリア性は、必ずしも十分ではなく、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理した後、高温高湿下で保管された場合に、経時によりガスバリア性が大幅に低下する課題を抱えており、改善が望まれていた。
米国特許第3442686号明細書 特開昭49−041469号公報 特開2001−81217号公報 特開2004−202843号公報 特開2000−6341号公報 特開2005−231701号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺
菌処理などを施す前に高いガスバリア性、高い透明性、高い密着性を有しているだけでなく、煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理を施した後の長期にわたる保存においても高いガスバリア性、高い密着性を有するようにした、容器を密封する蓋材を提供するものである。
以上のような課題を達成するためになされ、請求項1記載の発明は、容器の開口部を密封する為の蓋材であって、ポリアミド系樹脂からなる基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に形成され、ジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンまたはアジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂またはそれらの混合物ビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいる易接着層と、前記易接着層上に形成され、水酸基価が30mgKOH/g以上のアクリルポリオールとイソシアネート化合物とを含んでいる組成物の反応生成物を含んでいるアンカーコート層と、前記アンカーコート層上に気相堆積法によって形成された無機酸化物層と、前記無機酸化物層上に金属アルコキシド又はその加水分解生成物とを含有してなる溶液の塗膜を乾燥してなるガスバリア性被膜とを具備した透明ガスバリアフィルムを少なくとも一層含み、熱接着性樹脂層が積層された積層体からなることを特徴とする蓋材である。
又、請求項2記載の発明は、請求項1記載の蓋材において、前記易接着層が、水分散性ポリエステルポリウレタン樹脂又は水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂を含んでいることを特徴とする。
さらに又、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の蓋材において、前記基材フィルムは、その上に前記易接着層の構成材料の薄膜を塗布した後に二軸延伸されていることを特徴とする。
さらに又、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の蓋材において、前記基材フィルムは、縦方向に一軸延伸した基材フィルム上に前記易接着層の構成材料の薄膜が塗布された後に、さらに横方向に延伸されていることを特徴とする。
さらに又、請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れかに記載の蓋材において、前記アンカーコート層が、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤又はその加水分解生成物との反応物を含んでいることを特徴とする。
さらに又、請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れかに記載の蓋材において、前記無機酸化物層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、およびそれらの二つ以上を含んでいる混合物よりなる群から選択される材料からなることを特徴とする。
さらに又、請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れかに記載の蓋材において、前記透明ガスバリアフィルムに中間フィルムが積層され、表面層を構成していることを特徴とする。
さらに又、請求項記載の発明は、請求項1から7の何れかに記載の蓋材において、前記ガスバリア性被膜に含有されている金属アルコキシド又はその加水分解生成物が、テトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシラン又はそれらの加水分解生成物であることを特徴とする。
さらに、又請求項記載の発明は、請求項記載の蓋材において、前記トリアルコキシシランの珪素原子と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする。
本発明によれば、煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理後の保存環境中においてもガスバリア性および密着性を低減させることのない蓋材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の蓋材の一実施形態の概略の断面構成示す説明図である。また、図2は、本発明の蓋材の他の実施形態の概略の断面構成示す説明図である。
本発明の蓋材200は、透明ガスバリアフィルム10、あるいは、透明ガスバリアフィルム10と中間フィルム11よりなる表面層100と、熱接着性樹脂層12とを含んでいる。
透明ガスバリアフィルム10は、基材フィルム1と、易接着層2と、アンカーコート層3と、無機酸化物層4と、ガスバリア性被覆5とを含んでいる。なお、「フィルム」と「シート」とは厚さに応じて使い分けることがあるが、ここでは厚さとは無関係に「フィルム」という用語を使用する。
基材フィルム1は、ポリアミド系樹脂からなる透明フィルムである。ポリアミドとしては、ホモポリアミド、コポリアミドあるいはこれらの混合物などが使用できる。ホモポリアミドの例としては、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリ−ω―アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリ−ω−ウンデカン酸(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンジアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサミエチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリへキサメチレンデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6)などを挙げることができる。
また、コポリアミドの例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることができる。より具体的には、蓋材の使用環境、被包装物の種類、加工性および経済性などを考慮して、これらの中から適宜のものを選択して用いればよい。
基材フィルム1は、ポリアミド以外の材料を含んでいてもよい。たとえば、可塑剤、低弾性率のエラストマー、ラクタム類、又は、それらの混合物をさらに含んでいてもよい。可塑剤としては、たとえば、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類の可塑剤を使用することができる。低弾性率のエラストマー成分としては、たとえば、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、ポリエステル系エラストマー、エチレン−アクリレート共重合体変性エチレンプロピレンゴムなどを使用することができる。
基材フィルム1の厚さに制限はないが、基材として十分な強度を達成し得る厚さを有している必要がある。また、厚さが厚い場合、透明ガスバリアフィルム10の柔軟性が不十分となることがある。基材フィルム1の厚さは、たとえば、10から100μmの範囲内とする。
易接着層2は、基材フィルム1の一方の主面上に形成された透明層である。易接着層2は、アンカーコート層3とともに、無機酸化物層4と基材フィルム1との密着性を向上させる。そして、易接着層2はアンカーコート層3とともに設けられ、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理を行なった後に長期保存を行なった場合に、基材フィルム1と無機酸化物層4との密着性が低下するのを抑制する。
易接着層2は窒素原子とアジピン酸とビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいる。窒素原子は、たとえば、ウレタン基、アミド基などに由来している。
易接着層2を構成する材料は、たとえば、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタン、そのプレポリマー、アジピン酸をポリエステルに二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂、そのプレポリマー、又はそれらの2以上を含んだ混合物を主成分として含有している。密着性を高めるために、上記ポリマーの主鎖あるいは末端に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基が導入されていてもよい。
易接着層2を構成する材料は、ビスフェノールグリシジルエーテルをさらに含んでいる。ビスフェノールグリシジルエーテルは、先の主成分の硬化を促進させる硬化剤であり、ビスフェノールグリシジルエーテルを使用することにより架橋を生じさせ、これにより耐水性、耐熱性、接着性および被膜凝集性に優れた易接着層2を得ることができる。
ビスフェノールグリシジルエーテルとしては、たとえば、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて、その反応生成物の分子末端をエポキシ化させたものを使用できる。ビスフェノール類としては、4,4’−ジヒドロキシ−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−ジフェニル)−エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル−メタンなどを使用することができる。
易接着層2は、基材フィルム1の上に、上述した成分を含有したコーティング液を塗布して塗膜を設け、この塗膜を乾燥させることにより得られる。なお、このコーティング液は、上述した成分に加え、添加剤をさらに含有してもよい。この添加剤としては、たとえば、帯電防止剤、滑剤、消泡剤、界面活性剤などを使用することができる。このコーティング液の塗布には、たとえば、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、エアーナイフ法、マイヤーバーコート法、コンマコート法、インバースロールコート法またはダイコート法を利用することができる。このコーティング液の塗布に先立ち、たとえば濡れ性や密着性を改善するために、基材フィルム1の被塗布面に前処理を施しておいても良い。この前処理としては、たとえば、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、薬品処理などを挙げることができる。
易接着層2を形成するためのコーティング液は、延伸された基材フィルム1に塗布してもよく、また基材フィルム1の延伸中に塗布してもよい。後者は前者に比較して、生産性
が高く、効率的である。さらにまた、後者は、延伸成膜工程において易接着層2が高温で熱処理をされるため、前者の方法に比べて、基材フィルム1と易接着層2との密着力をより強固にすることができる。延伸成膜工程中に易接着層2を形成する方法としては、たとえば、以下の方法を挙げることができる。
その一つの方法としては、ポリアミド系樹脂を押出機で加熱溶融してフィルム状に押出し、未延伸のポリアミド系樹脂フィルムを成膜し、次に、易接着層2を形成するためのコーティング液をフィルムの上に塗布し、これを予熱後、塗膜とともに未延伸のポリアミド系フィルムを同時二軸延伸処理し、最後にヒートセット処理を行う方法が挙げられる。
他の方法としては、まず、ポリアミド系樹脂を押出機で加熱溶融してフィルム状に押出し、未延伸のポリアミド系フィルムを基材フィルム1として形成する。次に、基材フィルム1を周速の異なる加熱ローラー間を通すことで縦延伸を行う。続いて、易接着層2を形成するコーティング液を縦延伸された基材フィルム1上に塗布し、これを予熱後、塗膜とともに基材フィルム1を横延伸処理に供する。そして、ヒートセット処理を行うことで、基材フィルム1上に形成された易接着層2を得る方法が挙げられる。
易接着層2の厚さは、0.01μmから0.2μmの範囲内とする。易接着層2の厚さが0.01μmより薄いと均一な連続被膜を得ることが難しく、十分な密着性が得難い。また、易接着層2の厚さを0.2μmより厚くしても、その膜厚の増加に伴う密着性向上の効果が少なくなる。それゆえ、過剰に厚い易接着層は経済的ではない。
アンカーコート層3は、易接着層2上に形成された透明層である。このアンカーコート層3は、ポリオールはポリオールとイソシアネート化合物とを含んだ組成物の反応性生物を含んでいる。たとえば、この組成物は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤又はその加水分解生成物とを含んでいる。
シランカップリング剤あるいはその加水分解生成物は、典型的には、ポリオールの水酸基およびイソシアネートと反応する有機官能基を有している。そのようなシランカップリング剤の例としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を有している化合物、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を有している化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を有している化合物、またさらには、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を有している化合物や、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのようなシランカップリング剤にアルコールなどを作用させて水酸基などを付加してなる化合物を使用することができる。これら化合物は、1種ないしは2種以上を用いることができる。
このシランカップリング剤が含む官能基のうち、珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は、ポリオールの水酸基および/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し、これによりアンカーコート層3の凝集力を高める。又、このシランカップリング剤のアルコキシ基又はその加水分解によって生じたシラノール基は、無機酸化物層4を構成する金属や無機酸化物の表面に存在して水酸基などの極性基と強い相互作用を形成し、これにより、アンカーコート層3と無機酸化物層4との密着性が強固になる。
シランカップリング剤は、典型的には、アルコキシ基とそれ以外の有機官能基とが珪素原子に結合してなる化合物であるが、アルコキシ基がハロゲン基やアセトキシ基などに置
換されたものを使用してもよく、すなわち、加水分解によって、シラノール基を形成するものであればよい。なお、シランカップリング剤は、金属アルコキシドとともに、加水分解して使用してもよい。
アクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオール、又は、アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られるものである。アクリルポリオールとしては、たとえば、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを重合させてなるアクリルポリオールや、前記アクリル酸誘導体とスチレンなどのその他のモノマーと共重合させたアクリルポリオールを使用することができる。
アクリルポリオールは、イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものでもあり、イソシアネート基との反応性およびシランカップリング剤との相溶性を考慮すると、アクリルポリオールとして、水酸基価が20KOHmg/gから350KOHmg/gの範囲であるものを使用してもよい。アクリルポリオールとシランカップリング剤の配合比は、重量比で、2/1から100/1の範囲である。
イソシアネート化合物は、アクリルポリオールと反応してウレタン結合を形成して、易接着層2とアンカーコート層3および無機酸化物層4との密着性に寄与するとともに、主に架橋剤又は硬化剤として作用する。このようなイソシアネート化合物としては、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。
より具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の活性水素高分子化合物などを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物を使用すればよい。
アクリルポリオールに対するイソシアネート化合物の配合比が小さいと硬化不良となる場合があり、またこの配合比が大きいとブロッキングなどの問題を発生することがある。配合比としては、イソシアネート化合物由来のイソシアネート基がアクリルポリオール由来の水酸基の50倍以下となるように、さらにはイソシアネート基が水酸基の1.5倍で配合されるように調製する。
アンカーコート層3は、たとえば、上述したアクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とを含有するコーティング液を易接着層2上に塗布して塗膜を形成し、さらにこの塗膜を乾燥硬化させることにより得られる。このコーティング液は、たとえば、シランカップリング剤とアクリルポリオールとを混合し、この混合物に溶媒を加え、さらにイソシアネート化合物と混合することにより得られる。あるいは、シランカップリング剤とアクリルポリオールと溶媒とを加え、さらに、この混合液とイソシアネート化合物とを混合することにより得られる。
このコーティング液の溶媒としては、たとえば、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエ
ステル、メタノールやエタノールおよびイソプロピルアルコールなどのアルコール、メチルエチルケトンなどのケトン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、又はそれらの混合物を使用することができる。シランカップリング剤を加水分解するために酸やアルカリの水溶液を使用する場合、共溶媒として、イソプロピルアルコールなどのアルコールや極性溶媒である酢酸エチルを使用してもよい。
このコーティング液には、添加剤がさらに加えられていてもよい。この添加剤としては、たとえば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩などの硬化促進剤、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系などの酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤またはそれらの混合物を使用することができる。
このコーティング液の易接着層2上への塗布は、一般的な方法を利用することができる。たとえば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート、又はグラビアオフセット法などを利用することができる。
コーティング液の塗布に先立ち、たとえば濡れ性及び/又は密着性を改善するために、易接着層2の表面に前処理を施しておいてもよい。この前処理としては、たとえば、コロナ放電処理やプラズマ処理、薬品処理などを挙げることができる。
アンカーコート層3の厚さが薄い場合には、均一な連続膜で形成することは難しく、十分な密着性が得られないことがある。また、厚い場合には、層の柔軟性が低くなり、透明ガスバリアフィルム10を撓ませた場合や引張った場合に層に亀裂を生じる可能性がある。従って、アンカーコート層3の厚さは、たとえば0.01μmから1μmの範囲内とし、好ましくは0.05μmから0.5μmの範囲内である。
無機酸化物層4は、アンカーコート層3上に気相堆積法によって形成されたガスバリア性の透明な薄膜層である。無機酸化物層4を構成する材料としては、たとえば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を使用することができる。無機酸化物層4の形成には、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはプラズマ気相堆積法を利用することができる。真空蒸着法を利用する場合、蒸発材料の加熱手段としては、たとえば、電子線加熱、抵抗加熱、又は誘導加熱の方式を利用することができる。電子線加熱方式を利用した場合、蒸発材料の選択の自由度が大きい。蒸着の際に、プラズマアシスト法またはイオンビームアシスト法を利用すると、より緻密な無機酸化物層4を形成することができる。また、蒸着の際に、酸素などのガスを吹き込む反応蒸着を利用すると、透明性に優れた無機酸化物層4を形成することができる。
無機酸化物層4の厚さが薄い場合は、均一な連続膜として形成することが難しく、また十分なガスバリア性が得られない。また、厚い場合は、柔軟性が低くなり、透明ガスバリアフィルム10を撓ませた場合や引張った場合に亀裂を生じる可能性がある。また、気相堆積法は、経済的観点で厚膜の形成には適していない。無機酸化物層4の厚さは、たとえば、5nmから500nmの範囲内とする。
ガスバリア性被膜5は、無機酸化物層4上に形成された透明な薄膜であり、透明樹脂と無機酸化物などの無機物とを含んだ混合物からなる。ガスバリア性被膜5は省略することも可能であるが、ガスバリア性被膜5を設けると、より高いガスバリア性を有する透明ガスバリアフィルム10および蓋材200を得ることができる。ガスバリア性被膜5は、たとえば、無機酸化物層4上に水溶性高分子と2種以上の金属アルコキシド及び/又はその
加水分解性生物と水とを含有したコーティング液の薄膜を塗布し、乾燥することで得ることができる。なお、このコーティング液の溶媒としては、たとえば、水又は水とアルコールとの混合液を使用することができる。
水溶性高分子としては、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を使用することができる。特に、PVAを使用した場合、最もガスバリア性に優れたガスバリア性被膜5を形成することができる。なお、ここでいうPVAとは、典型的には、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものである。このPVAとしては、アセチル基が数10%残存している部分鹸化PVAからアセチル基が数%しか残存していない完全PVAまで様々な鹸化PVAを使用することができる。PVAの分子量に制限はなく、たとえば、重合度が300から数千の範囲内にあるものを使用することができる。なお、一般に鹸化度が高く、かつ重合度が高い高分子量のPVAは優れた耐水性を得ることができる。
金属アルコキシドは、一般式M(OR)nで表される化合物である。ここで、MはTi,Al,Zrなどの金属又はSiを示し、Rは、CH3基 ,C25基などのアルキル基を示している。また、nは、元素Mの価数を示している。
金属アルコキシドとしては、たとえば、テトラエトキシシラン〔Si(OC254 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373 〕などが挙げられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水を含んだ溶液中で比較的安定に存在することができる。
金属アルコキシドとしてアルコキシシランを使用する場合、このアルコキシシランとしては、たとえば、Si(OR1)4またはR2Si(OR3)3で表される化合物又はそれらの混合物を使用することができる。ここで、R1およびR3はCH3基,C25基,C24OCH3基などの加水分解性基を示し、R2は有機官能基を示している。
なお、金属アルコキシドを加水分解物および縮合させることにより得られる金属酸化物膜は硬いため、外力や縮合が加わった時の体積縮小によるひずみに起因してクラックが生じ易い。それゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは非常に困難である。
これに対し、高分子と金属アルコキシド及び/又はその加水分解物と水とを含有したコーティング液を用いて形成した膜は、金属酸化物膜と比較して柔軟性が高いため、クラックを発生し難い。但し、この膜は、微視的には金属酸化物が均一に分散しておらず、高いガスバリア性が得られないことがある。この高分子として、水溶性高分子を使用した場合には、高分子の水酸基と金属アルコキシドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、縮合の際に金属酸化物を高分子中に均一に分散させることができる。それゆえ、金属酸化物膜に近いガスバリア性を達成することができる。したがって、このようなガスバリア性被膜5を無機酸化物層4上に形成すると、それらを単独で使用した場合と比較して、はるかに高いガスバリア性を発現させることができる。
上述の金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水酸基を有する水溶性高分子と水とを含有したコーティング液を用いて得られるガスバリア性被膜5は、水素結合を形成しているため、苛酷な環境で使用した場合に、水の浸入により膨潤して、最終的には溶解を生じることがある。そのため、このガスバリア性被膜5は、無機酸化物層4とガスバリア性被膜5とを積層することにより、高いガスバリア性を達成することができたとしても、高温多湿環境などの過酷な条件下では、密着性やガスバリア性が容易に劣化する可能
性がある。
金属アルコキシドとして、たとえば、R2Si(OR3)3で示されるアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤し難く、耐水性に優れたガスバリア性被膜5を得ることができる。特に、有機官能基R2が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、およびイソシアネート基などの非水溶性官能基である場合、より高い耐水性を達成できる。有機官能基R2が、ビニル、メタクリロキシである場合は製造過程で紫外線または電子線などの電離放射線の照射を行なう。また、金属アルコキシドの加水分解の反応促進剤として、一般に水と触媒(酸、アルカリ)を用いているが、この反応触媒の代わりに、光酸発生剤を使用することもできる。光酸発生剤は、紫外線照射によって酸を発生する化合物であり、金属アルコキシドの加水分解反応は紫外線を照射することによって開始される。したがってコーティング液中では加水分解が進行せず、時間の経過によって物性が変化する心配がない。光酸発生剤は、公知の光カチオン開始剤を使用することができる。 光カチオン開始剤としては、たとえば、オニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、光反応し、ルイス酸を放出する化合物である。
金属アルコキシドが、一般式Si(OR1)4で表されるテトラアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるトリアルコキシシランの2種を使用する場合、これらのアルコキシシランの比は、たとえば、Si(OR1)4のSiO2換算質量とR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量との和に対するR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量の割合が、1%から50%の範囲内となるように設定してもよい。1%より小さくすると耐水性が低くなり、50%を超えると有機官能基R2がガスバリアの孔となり、ガスバリア性が低下する。一般式Si(OR1)4で表されるテトラアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるトリアルコキシシランとの混合比は、上述の割合が、5%から30%の範囲内となるように設定してもよい。この場合、液体内容物または水分含有内容物を煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理し、さらに高温多湿環境中で長期保存する際にも十分な耐水性およびハイバリア性を確保することができる。
Si(OR1)4はSiO2換算質量をM1とし、R2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量をM2とし、水溶性高分子の質量をM3とした場合、比率M1/(M2/M3)は、たとえば、100/100から100/30の範囲内に設定してもよい。この場合、長期保存や煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理の際に十分なバリア性が確保できるのに加え、柔軟性に優れたガスバリア性被膜5が確保できる。それゆえ、包装材として使用する上で有利である。
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランのうち、テトラエトキシシランは加水分解生成物が水系の溶媒中で比較的安定に存在し得るため、これを使用した場合、製造条件の制御が比較的容易である。
ガスバリア性被膜5を形成するためのコーティング液の各成分である、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランと水溶性高分子は、どの順番で混合してもよい。たとえば、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとを別々に加水分解し、その後、水溶性高分子を含んだ溶液中にこれらを添加してもよい。この方法は、シリコン酸化物の分散性や加水分解の効率の点で優れている。
ガスバリア性被膜5を形成するためのコーティング液には、ガスバリア性被膜5のインキまたは接着剤に対する濡れ性の向上や密着性の向上、さらにはガスバリア性被膜5の収縮によるクラック発生の防止などを考慮して、添加物を添加してもよい。この添加物としては、たとえば、イソシアネート化合物、コロイダルシリカ、スメクタイトなどの粘土鉱
物、安定化剤、着色剤、レオロジー調整剤、及びそれらの混合物を使用することができる。
ガスバリア性被膜5の厚さは、薄い場合はガスバリア性被膜5を均一な連続膜として形成することが難しく、十分なガスバリア性が得られない。また、厚い場合は膜に亀裂を生じ易い。従って、ガスバリア性被膜5の厚さは、たとえば、0.01μmから50μmの範囲内とする。
ガスバリア性被膜5を形成するためのコーティング液は、たとえば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法などにより塗布することができる。このコーティング液を塗布して設けられた塗膜は、たとえば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、UV照射法、またはそれらの組み合わせにより乾燥させる。
中間フィルム層11は、透明ガスバリアフィルム10のガスバリア被膜5と熱接着樹脂層12との間に設けられる透明なフィルム層であり、この中間フィルム層11と透明ガスバリアフィルム10とにより蓋材200の表面層100を形成する。蓋材200は、容器を密封している状態のものを開封する際に、容易に開封できるようにするために十分なコシを持つことが求められる。密封しようとする容器の形態により、求められるコシは様々であるが、透明ガスバリアフィルム10の1層でこのコシが満足されない場合は、中間フィルム層11を積層してコシを向上させることができる。
この中間フィルム層11としては、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、セロファン、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリ乳酸、などからなる延伸フィルムが使用できる。また、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理後に、蓋材の熱収縮によって見栄えが悪くならないようにするため、透明ガスバリアフィルム10の収縮と中間フィルム層11との熱収縮率が同程度となるよう調整するとよい。
中間フィルム層11の厚さに制限はないが、透明ガスバリアフィルム10と積層されて表面層100を形成し、さらに熱接着性樹脂層12と貼りあわされてなる蓋材が容器の開口部を密封している状態から容易に開封でき得るような十分なコシを有していることが必要である。中間フィルム層11の厚さは、たとえば、6μmから150μmの範囲内とする。
熱接着性樹脂層12は、熱接着性を有する透明な樹脂層である。熱接着性樹脂層12の構成材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその鹸化物、ポリカーボーネート樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ニトロセルロース、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物、ポリ乳酸系樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。
熱接着性樹脂層12としては、容器の開口部を密封している蓋材が容易に剥離し、開封できるように、イージーピール性を付与されたものも使用できる。このイージーピール性を付与した熱接着性樹脂層12としては、たとえば、ポリエチレン、ポリブテン系樹脂層、ポリプロピレン、ポリエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体層などを介して、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エチル共重合体などに粘着付与剤を添加した樹脂を積層してなるホットメルト層が挙げられる。
あるいは、密封させる容器の材料がスチレン系樹脂である場合には、スチレンの単独重合体、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などのスチレン系樹脂とポリオレフィンとの混合樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする樹脂などからなる層とすることにより、蓋材200にイージーピール性を付与にすることができる。
さらには、容器の材料がポリプロピレン系樹脂の場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与剤との混合物、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレンなどのポリプロピレン以外のポリオレフィンとの混合物などからなる層とすることにより、蓋材200にイージーピール性を付与することができる。
熱接着性樹脂層12の厚さは、たとえば、蓋材200の用途に応じて設定する。一般に、熱接着性樹脂層12の厚さは、10μmから200μmの範囲内とする。熱接着性樹脂層12は単層でも、あるいは共押出しによる2層構成、さらには中間樹脂層を設けた3層構成になるものであっても良い。
これらイージーピール性を付与した熱接着性樹脂層12には、必要に応じて酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤などの添加剤を配合することができる。特に、アンチブロッキング剤、スリップ剤を配合することによって、加工性やハンドリング性を向上させることができる。アンチブロッキング剤としては、たとえば、シリカ、タルク、クレー、ゼオライトなどの無機質粉末が挙げられる。スリップ剤としては、たとえば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミドや、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸など脂肪酸のメチレンビスアミドや、エチレンビスアミドなどの脂肪酸ビスアミドや、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールや、水添ひまし油や、脂肪酸金属塩などを使用できる。
熱接着性樹脂層12と表面層100との貼合せ方法としては、たとえば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、押出ラミネート法などを利用することができる。表面層100と熱接着性樹脂層12との間には、用途・要求に応じて、印刷インキ層などを介在させてもよい。
透明ガスバリアフィルム10、中間フィルム層11、熱接着性樹脂層12によって構成される蓋材200は、密着性とガスバリア性に優れている。したがって、容器に液体内容物や水分含有内容物を充填してこの蓋材200で密封すると、その後に煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理が施された場合でも、デラミネーションやガスバリア性の大幅な低下は発生しない。さらに、煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理後に、長期に亘って高温高湿環境下で保存された場合であっても、基材フィルム1と熱接着性樹脂層12の間の密着性が大幅に低下することがなく、ガスバリア性も処理直後の性能を保持することが可能である。これにより、内容物の劣化を長期にわたって防止することができる。この蓋材200を用い、内容物を充填した容器の開口部に熱接着により密封した後、95℃30分間の煮沸殺菌処理に供した場合でも、基材フィルム1と熱接着性樹脂層12と間のラミネート強度は3.0N/15mm以上を保持し、かつ酸素透過度は50cm3/m2・day・MPa以下を保持する。
さらに、この蓋材200で密閉された容器を、温度40℃、相対湿度90%の環境下に3ヶ月間に亘って保管した後でも、基材フィルム1と熱接着性樹脂層12と間のラミネート強度は2.0N/15mm以上を保持し、かつ酸素透過度は100cm3/m2・day・MPa以下を保持する。
以下に、本発明の実施例を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、下記の調製方法により、各種のコーティング液を得た。
〈易接着層コーティング液1の調製〉
アジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンとビスフェノールAグリシジルエーテルとを100:6の固形分質量比で含有した水溶液を調製した。以下、この水溶液を、「コーティング液1」とする。
〈易接着層コーティング液2の調製〉
アジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂とビスフェノールAグリシジルエーテルとを100:5の固形分質量比で含有した水溶液を調製した。以下、この水溶液を、「コーティング液2」とする。
〈易接着層コーティング液3の調製〉
アジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンを含有した水溶液を調製した。すなわり、ビスフェノールAグリシジルエーテルを省略した以外はコーティング液1と同様の組成を有する水溶液を調製した。以下、この水溶液を、「コーティング液3」とする。
〈易接着層コーティング液4の調製〉
フタル酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンとビスフェノールAグリシジルエーテルとを100:6の固形分質量比で含有した水溶液を調製した。すなわち、ポリエステルの二塩基酸成分がアジピン酸の代わりにフタル酸に変更した以外はコーティング液1と同様の組成を有する水溶液を調製した。以下、この水溶液を、「コーティング液4」とする。
〈アンカーコート層コーティング液11の調製〉
水酸基価が140mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と0.5gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して、固形分濃度を25質量%とした。この溶液を10g計量し、これにキシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した3.0gの混合物を添加混合した。次に、この溶液を固形分濃度が5質量%となるように、酢酸エチルとメチルエチルケトンが60:40の質量比である希釈溶媒を用いて希釈した後、さらに5分間攪拌して溶液を調製した。以下、この溶液を、「コーティング液11」とする。
〈アンカーコート層コーティング液12の調製〉
水酸基価が30mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と1.0gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して、固形分濃度を25質量%とした。この溶液を10g計量し、これにキシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した3.0gの混合物を添加混合した。次に、この溶液を固形分濃度が5質量%となるように、酢酸エチルとメチルエチルケトンが60:40の質量比である希釈溶媒を用いて希釈した後、さらに5分間攪拌して溶液を調製した。以下、この溶液を、「コーティング液12」とする。〈アンカーコート層コーティング液13の調製〉
水酸基価が340mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と1.0gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して、固形分濃度を25質量%とした。この溶液を10g計量し、これにキシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した3.0gの混合物を添加混合した。次に、この溶液を固形分濃度が5質量%となるように、酢酸エ
チルとメチルエチルケトンが60:40の質量比である希釈溶媒を用いて希釈した後、さらに5分間攪拌して溶液を調製した。以下、この溶液を、「コーティング液13」とする。
〈アンカーコート層コーティング液14の調製〉
水酸基価が340mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と1.0gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して、固形分濃度を25質量%とした。この溶液を10g計量し、これにキシリレンジイソシアネートを3.0g混合した。次に、この溶液を固形分濃度が5質量%となるように、酢酸エチルとメチルエチルケトンが60:40の質量比である希釈溶媒を用いて希釈した後、さらに5分間攪拌して溶液を調製した。以下、この溶液を、「コーティング液14」とする。
〈アンカーコート層コーティング液15の調製〉
水酸基価が7mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と1.0gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して、固形分濃度を25質量%とした。この溶液を10g計量し、これにキシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した3.0gの混合物を添加混合した。次に、この溶液を固形分濃度が5質量%となるように、酢酸エチルとメチルエチルケトンが60:40の質量比である希釈溶媒を用いて希釈した後、さらに5分間攪拌して溶液を調製した。以下、この溶液を、「コーティング液15」とする。
〈ガスバリア被膜コーティング液111の調製〉
17.9gのテトラエトキシシランと10gのメタノールと72.1gの0.1N塩酸水溶液とを混合し、30分間攪拌して、テトラエトキシシランを加水分解させた。これにより、SiO2換算で固形分5質量%濃度を含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S1」とする。
また、PVAを、水とイソプロピルアルコールとを95:5の質量比で含有した混合溶媒で溶解し、固形分濃度が5%質量となるように、PVA水溶液を調製した。以下、このPVA水溶液を、「溶液S2」とする。
さらに、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランのイソプロピルアルコール溶液に、1N塩酸水溶液を添加した。この際、水とイソプロピルアルコールとの質量比は50:50とした。また、この混合溶液におけるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの濃度はR2Si(OH)3換算濃度で5質量%とした。次に、この混合溶液を20分攪拌して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加水分解させた。これにより、R2Si(OH)3換算で固形分5質量%で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S3」とする。
その後、溶液S1と溶液S2と溶液S3とを、それらの固形分の質量比が、60:30:10となるように混合した。以下、この混合溶液を。「コーティング液111」とする。
〈ガスバリア被膜コーティング液112の調製〉
3−アミノプロピルトリメトキシシランのイソプロピルアルコール溶液に、水を徐々に加えて30分間攪拌し、3−アミノプロピルトリメトキシシランを加水分解させた。3−アミノトリメトキシシランの濃度はR2Si(OH)3換算濃度で5質量%とした。これにより、R2Si(OH)3換算で固形分濃度を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S4」とする。
その後、溶液S1と溶液S2と溶液S4とを、それらの固形分濃度が質量比が60:2
5:15となるように混合した。以下、この混合液を、「コーティング液112」とした。
〈ガスバリア被膜コーティング液113の調製〉
溶液S1と溶液S2と溶液S3とを、それらの固形分の質量比が30:20:60となるように混合した。以下、この混合液を、「コーティング液113」とした。
〈ガスバリア被膜コーティング液114の調製〉
溶液S1と溶液S2と溶液S3とを、それらの固形分の質量比が80:10:10となるように混合した。以下、この混合液を、「コーティング液114」とした。
〈ガスバリア被膜コーティング液115の調製〉
テトラエトキシシラン10gに、0.1N塩酸水溶液を90g添加し、この混合液を30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、SiO2換算で固形分を3質量%濃度で含有した加水分解溶液を得た。次に、PVAに、水とイソプロピルアルコールとの質量比が90:10とした混合溶媒を溶解し、65gのPVA水溶液を調製した。このPVA水溶液の固形分濃度は、4質量%とした。そして、これらの加水分解溶液とPVA溶液とを混合して、コーティング液を調製した。以下、このコーティング液を、「コーティング液115」とした。
Tダイ法にて、厚さ150μmの未延伸のポリアミド樹脂よりなる基材フィルムを成膜した。次に、この基材フィルムの一方の主面上に、マイヤーバーコート法によりコーティング液1を塗布し、塗膜を設けた。この塗膜を乾燥させた後、基材フィルムを基材フィルムの縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍に同時二軸延伸し、さらに、210℃の温度でヒートセット処理を行なった。このようにして、基材フィルムの厚さを15μmとし、その上の易接着層の厚さを0.05μmとした。
その後、易接着層上に、グラビアコート法によりコーティング液11を塗布して塗膜を設け、この塗膜を乾燥することにより、厚さが0.05μmのアンカーコート層を形成した。
続いて、アンカーコート層の上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さが15nmの酸化アルミニウムよりなる無機酸化物層を形成した。
次に、無機酸化物層上に、グラビアコート法によって、コーティング液111を塗布し、塗膜を設けた。この塗膜を加熱乾燥させることで、厚さが0.5μmのガスバリア性被膜を形成し、透明ガスバリアフィルムを得た。
次に、透明ガスバリアフィルムと熱接着性樹脂層とを熱接着性樹脂層がガスバリア性被膜と向き合うように、ドライラミネーション法により貼り合わせた。ヒートシール性樹脂としては、厚さが50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ製 TUX−FCS)を使用し、接着剤としては二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井化学ポリウレタン社製 A515/A50)を使用した。接着剤は、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるように塗布した。その後、この積層体を40℃の恒温室で7日間養生し、本発明の実施例1に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材1」とする。
Tダイ法にて、厚さ150μmの未延伸のポリアミド樹脂よりなる基材フィルムを成膜した。次に、この基材フィルムを、周速比の異なる加熱ローラー間に通して3.0倍に縦延伸を行なった。次に、この縦延伸された基材フィルムの一方の主面上に、マイヤーバーコート法によりコーティング液1を塗布し、塗膜を設けた。その後、予熱部にて塗膜を乾
燥させ、今度は横方向に3.3倍に延伸し、さらに、215℃の温度にてヒートセット処理を行なった。このようにして、基材フィルムの厚さを15μmとし、その上の易接着層の厚さを0.05μmとした。
その後、易接着層上に、グラビアコート法によりコーティング液11を塗布し、塗膜を設けた。そして、この塗膜を乾燥させることにより、厚さが0.08μmのアンカーコート層を形成した。
続いて、蓋材1について説明したのと同様の方法により、無機酸化物層、ガスバリア被膜、熱接着性樹脂層の形成を順次行ない、本発明の実施例2に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材2」とする。
コーティング液2により厚さ0.2μmの易接着層を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の操作により実施例3に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材3」とする。
易接着層の厚さを0.3μmとしたこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例4に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材4」とする。
コーティング液12で厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成したこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例5に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材5」とする。
コーティング液13で厚さ0.5μmのアンカーコート層を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例6に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材6」とする。
コーティング液14で厚さ1.0μmのアンカーコート層を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例7に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材7」とする。
コーティング液112で厚さ0.5μmのガスバリア性被膜を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例8に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材8」とする。
コーティング液113で厚さ1.0μmのガスバリア性被膜を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例9に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材9」とする。
コーティング液114で厚さ5.0μmのガスバリア性被膜を形成した以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例10に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材10」とする。
抵抗加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが50nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材11」とする。
電子線加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化マグネシウムからなる厚さが10nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例12に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材12」とする。
電子線加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化錫からなる厚さが20nmの無機酸化物層を形成したこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により実施例13に係る蓋材とした。以下、この蓋材を「蓋材13」とする。
透明ガスバリアフィルムと熱接着性樹脂層の間に、厚さが15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを、ドライラミネーション法により貼り合わせたこと以外は、蓋材1について説明したのと同様の方法により積層体を得た。ドライラミネーションに際して、接着剤としては二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井化学ポリウレタン社製 A515/A50)を使用し、グラビアコート法により乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるように塗布した。その後、この積層体を40℃の恒温室で7日間養生し、実施例14に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材14」とする。
透明ガスバリアフィルムと熱接着性樹脂層の間に、厚さが15μmの二軸延伸共押出ナイロンフィルム(層構成はナイロン6/MXD6ナイロン/ナイロン6、各層5μm)を、ドライラミネーション法により貼り合わせたこと以外は、蓋材14について説明したのと同様の方法により、実施例15に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材15」とする。
熱接着性樹脂層を、厚さ30μmのスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなるポリスチレン系樹脂フィルムで構成した以外は、蓋材14について説明したのと同様の方法により実施例16に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材16」とする。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有14重量%、密度0.93g/cm3、MFR3.5g/10分)97重量%とプロピレンランダム共重合体(エチレン含量3モル%、ブテン含量1.6モル%、密度0.90g/cm3、MFR7.0g/10分)3重量%をドライブレンドした樹脂組成物を熱接着層とし、ポリエチレン樹脂(密度0.925g/cm3、MFR4g/10分)からなる層を支持層として、別々の押出機に供給し、Tダイ法によって2層共押出しフィルムを作製した。この2層共押出しフィルムの厚さは60μmであり、各層の厚みは熱融着層:支持層=10:50μmであった。
熱接着性樹脂層をこの2層共押出しフィルムで構成した以外は、蓋材14について説明したのと同様の方法により、実施例17に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材17」とする。
コーティング液3を用いて厚さ0.05μmの易接着層を形成した以外は、蓋材1と同様の方法により比較のための実施例18に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材18」とする。
コーティング液4を用いて厚さ0.1μmの易接着層を形成した以外は、蓋材1と同様の方法により比較のための実施例19に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材19」とする。
易接着層を省略したこと以外は、蓋材1と同様の方法により比較のための実施例20に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材20」とする。
アンカーコート層を省略したこと以外は、蓋材1と同様の方法により比較のための実施例21に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材21」とする。
コーティング液15を用いて厚さ0.05μmのアンカーコート層を形成した以外は、蓋材1と同様の方法により、比較のための実施例22に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材22」とする。
コーティング液115を用いて厚さ0.5μmのガスバリア性被膜を形成した以外は、蓋材1と同様の方法により、比較のための実施例23に係る蓋材を作製した。以下、この蓋材を「蓋材23」とする。
続いて、実施例1〜23の蓋材について酸素透過度とラミネート強度、および煮沸殺菌処理適性として95℃30分条件での煮沸処理した後の外観、開封性、酸素透過度とラミネート強度、さらには内容物保存試験として95℃30分条件で煮沸殺菌処理後に40℃90%RH環境にて3ヶ月保存後の外観、開封性、酸素透過度とラミネート強度の測定を行い、総合的な実用性判断を行った。その評価結果を表1に示す。
<酸素透過度の測定>
蓋材1から23の各々について、日本工業規格JIS K7126−1987「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」で規定されているB法(等圧法)に従って酸素透過度を測定した。この測定は、温度30℃、相対湿度70%の環境中にて、Modern Control社製のOxtran2/21を使用して行なった。表1に結果をまとめる。
<ラミネート強度の測定>
蓋材1から23の各々について、日本工業規格JIS K6854:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T型はく離」で規定されている試験方法に従って、以下のようにしてラミネート強度の測定を行なった。
すなわち、蓋材1から23の各々から幅が15mmの短冊状の試験片を準備し、各試験片の一端で熱接着性樹脂層と透明ガスバリアフィルムとをはく離させ、これらをそれぞれ引張試験機のつかみ具に取り付けた。その後、引張応力を加えて、熱接着性樹脂層と透明ガスバリアフィルムとをさらにはく離させ、はく離長さ(つかみ移動距離)と引張応力と
の関係を記録した。はく離速度は、300mm/minとした。そして、最初および最後の25mmを除いた100mm以上のはく離長さに亘って、力−つかみ移動距離曲線から平均はく離力(N/15mm)を求めた。この平均はく離力(N/15mm)をラミネート強度とした。表1に測定結果をまとめる。
<煮沸殺菌処理後の外観の評価>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から24により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。次に、密封されたこれらの包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。そして、殺菌処理直後の蓋材の外観に関して、目視にて評価(○:蓋材に張りあり、△:蓋材に波打ち状の弛みあり、×:蓋材が容器本体よりはく離している)を行った。表1に測定結果をまとめる。
<煮沸殺菌処理後の開封性の評価>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から24により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これらの密封された包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。一昼夜放置した後、各々の蓋材の一端をつまんで、容器本体より引張速度500mm/minで開封させたときの蓋材と容器本体との熱融着部分のはく離強度を求め、開封性を評価した(○:23N以下の力で容易に開封可能、×:開封時、蓋材が破れ、容器本体に蓋材の一部が残り、包装容器より内容物を取り出すことができない状態となった。)。表1に測定結果をまとめる。
<煮沸殺菌処理後の酸素透過度の測定>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これらの密封した包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。一昼夜放置した後、容器本体より蓋材を開封し、上述したのと同様の方法により酸素透過度を測定した。表1に測定結果をまとめる。
<煮沸殺菌処理後のラミネート強度の測定>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。
次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これらの密封した包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。その後、容器本体より蓋材を開封した後、上述したのと同様の方法により蓋材のラミネート強度(N/15mm)を測定した。なお、ラミネート強度の測定は、煮沸殺菌処理を終了してから、1時間以内に行った。表1に測定結果をまとめる。
<内容物保存後の外観の評価>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これらの密封された包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。次に、これらの密封された包装容器を温度40℃、相対湿度90%の環境中に3ヶ月間保存した。そして、保存試験終了後の蓋材の外観に関して、目視にて評価(○:蓋材に張りあり、△:蓋材に波打ち状の弛みあり、×:蓋材が容器本体よりはく離している)を行なった。表1に測定結果をまとめる。
<内容物保存後の開封性の評価>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これらの密封された包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。次に、これらの包装容器を温度40℃、相対湿度90%の環境中に3ヶ月間保存した。そして、保存試験終了後に包装容器から蓋材を開封する際の開封強度を測定し、開封性を評価した。開封性の評価は、上述したのと同様の方法より行なった。表1に測定結果をまとめる。<内容物保存後の酸素透過度の測定>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により封緘する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これら密封された包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。次に、これらの包装容器を温度40℃、相対湿度90%の環境中に3ヶ月間保存した。そして、保存試験終了後、容器本体より蓋材を開封し、上述したのと同様の方法により酸素透過度を測定した。表1に測定結果をまとめる。
<内容物保存後のラミネート強度の測定>
蓋材1から23の各々から直径100mmの円板状の蓋材を打ち抜き加工により得た。次いで、300gの蒸留水を充填した外口径100mmの各種樹脂製容器本体を準備した。この際、蓋材1から15、および18から23により密封する容器本体としては、イージーピール性が付与された出光ユニテック製マジックトップSEM(バリアタイプ)からなるものを使用した。また蓋材16により密封する容器本体としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるものを使用した。さらにまた、蓋材17により密封する容器本体としては、ポリプロピレン樹脂からなるものを使用した。そして、これら容器本体に、前記の蓋材1から23の各々をその熱接着性樹脂層で熱融着し、容器本体の開口部を密封した。
次に、これら密封された包装容器に95℃30分間の煮沸殺菌処理を施した。次に、これらの包装容器を温度40℃、相対湿度90%の環境中に3ヶ月間保存した。そして、保存試験終了後、容器本体より蓋材を開封し、上述したのと同様の方法により蓋材のラミネート強度(N/15mm)を測定した。なお、ラミネート強度の測定は、温度40℃、相対湿度90%の環境より取り出してから、1時間以内に行った。表1に測定結果をまとめる。
Figure 0004957322
表1に示すように、本発明に係る蓋材1〜17は、酸素透過度に優れるだけでなく、ラミネート強度も高く、さらには煮沸処理前後のラミネート強度においても優れた強度物性と酸素透過度を保持しており、さらにまた内容物に水を用いた内容物保存試験前後のラミネート強度を見ても大幅な変化がなく、保存試験後に開封性試験を行っても破損するものはみられないことから、優れた強度物性を保持していることが確認できる。これら結果より、本発明の蓋材を、高い強度物性が要求される液体内容物や水分含有内容物を収納してある容器を密封する蓋材に適用した場合に、密着力の低下による剥離の問題が発生する可能性は低く、実用上の効果を十分満足しうる結果が得られていることがわかる。
これに対し、比較のための実施例に係る蓋材は、透明ガスバリア性ポリアミド系フィルムのガスバリア性は良好であるが、実施例18〜23の蓋材についてはポリアミド系樹脂フィルム上に形成された易接着層の耐水密着性が劣るために、あるいは易接着層が無いために、初期の湿潤ラミネート強度や煮沸処理後のラミネート強度、さらには内容物に水を用いた保存試験後の常態ラミネート強度において密着力不足が認められ、実用性の点で問題のある結果であった。さらに、実施例21、22については適正な蒸着アンカーコート層を選択しなかったために、あるいは蒸着アンカーコート層を積層しなかったために、無機酸化物層との間の密着力が不足しており、何れも強度物性は極めて低かった。
本発明の蓋材の概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の他の蓋材の概略の断面構成を示す説明図である。
符号の説明
1…ポリアミド系樹脂フィルム
2…易接着層
3…アンカーコート層
4…無機酸化物層
5…ガスバリア性被膜
10…透明ガスバリアフィルム
11…中間フィルム
12…熱接着性樹脂層
100…表面層
200…蓋材

Claims (9)

  1. 容器の開口部を密封する為の蓋材であって、
    ポリアミド系樹脂からなる基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に形成され、ジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンまたはアジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂またはそれらの混合物ビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいる易接着層と、前記易接着層上に形成され、水酸基価が30mgKOH/g以上のアクリルポリオールとイソシアネート化合物とを含んでいる組成物の反応生成物を含んでいるアンカーコート層と、前記アンカーコート層上に気相堆積法によって形成された無機酸化物層と、前記無機酸化物層上に金属アルコキシド又はその加水分解生成物とを含有してなる溶液の塗膜を乾燥してなるガスバリア性被膜とを具備した透明ガスバリアフィルムを少なくとも一層含み、熱接着性樹脂層が積層された積層体からなることを特徴とする蓋材。
  2. 前記易接着層が、水分散性ポリエステルポリウレタン樹脂又は水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
  3. 前記基材フィルムは、その上に前記易接着層の構成材料の薄膜を塗布した後に二軸延伸されていることを特徴とする請求項1又は2記載の蓋材。
  4. 前記基材フィルムは、縦方向に一軸延伸した基材フィルム上に前記易接着層の構成材料の薄膜が塗布された後に、さらに横方向に延伸されていることを特徴とする請求項1又は2記載の蓋材。
  5. 前記アンカーコート層が、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤又はその加水分解生成物との反応物を含んでいることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の蓋材。
  6. 前記無機酸化物層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、およびそれらの二つ以上を含んでいる混合物よりなる群から選択される材料からなることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の蓋材。
  7. 前記透明ガスバリアフィルムに中間フィルムが積層され、表面層を構成していることを
    特徴とする請求項1から6の何れかに記載の蓋材。
  8. 前記ガスバリア性被膜に含有されている金属アルコキシド又はその加水分解生成物が、テトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシラン又はそれらの加水分解生成物であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の蓋材。
  9. 前記トリアルコキシシランの珪素原子と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする請求項記載の蓋材。
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