JP2009255408A - 透明ガスバリア性積層体および包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂からなる基材フィルムに対する無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の密着力の低下を防止する透明ガスバリア性積層体、及びこの積層体を用いた包装体の提供。
【解決手段】ポリアミド系樹脂からなる基材フィルム111の片面側に、易接着層112、アンカーコート層113、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114、塗布によるガスバリア性被覆層115とを順次、積層してなり、他の片面側に撥水性被膜116がコーティングされた透明ガスバリア性フィルム11の該ガスバリア性被覆層上に、接着剤層12を介して、ヒートシール性樹脂層13を積層してなる透明ガスバリア性積層体であって、前記ヒートシール性樹脂層を熱融着させ、水浸漬させた後にJISZ1707に規定された方法に基づいて測定したヒートシール強度の最大エネルギー値が0.05N・m以上である透明ガスバリア性積層体10。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性フィルム、包装材料、及び包装体に係り、特には、透明ガスバリア性積層体、及びこの積層体を用いた包装体に関する。
食品、医薬品及び精密電子部品の包装には、ガスバリア性に優れた包装材料を使用することがある。たとえば、高ガスバリア性包装材料で食品を包装した場合には、食品が含むタンパク質及び油脂の変質などを抑制し、風味や鮮度を長期にわたって維持することができる。また、高ガスバリア性包装材料で医薬品を包装した場合には、有効成分の変質及び散逸などを防止でき、高ガスバリア性包装材料で電子部品を包装した場合には、金属の腐食及び絶縁不良等を防止できる。
高ガスバリア性包装材料は、ガスバリア層を含んだ多層構造を有している。このガスバリア層としては、たとえば、アルミニウム箔などの金属箔、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体けん化物(EVOH)層、及びメタキシレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応により得られるポリアミドであるナイロンMXD6からなる層が使用されている。これら高ガスバリア性包装材料は、比較的高いガスバリア性を示すものの、何らかの欠点を有している。
たとえば、金属箔を含んだ高ガスバリア性包装材料は、温度及び湿度などの環境の如何に関わらず、優れたガスバリア性を示す。しかしながら、この包装材料を用いて形成した包装体には、内容物を視認できない、廃棄の際に不燃物として扱わなければならない、内容物を入れた後の異物検査に金属探知機を使用できないなどの欠点がある。また、この包装体で内容物を包装してなる包装品は、マイクロ波加熱には不向きである。
PVDC層を含んだ高ガスバリア性包装材料は、安価であり、比較的高いガスバリア性を有している。しかしながら、この包装材料は、焼却した際に有害ガスを発生する可能性がある。
EVOH層またはナイロンMXD6層を含んだ高ガスバリア性包装材料は、そのガスバリア性の環境依存度が大きい。特に、高温高湿度環境では、ガスバリア性が著しく劣化する。
特許文献1及び2には、真空蒸着やスパッタリングなどの気相堆積法により、プラスチック基材フィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウム、又は酸化マグネシウムからなる無機酸化物層を形成してなるガスバリア性フィルムが記載されている。このガスバリア性フィルムは、透明に形成することができると共に、ガスバリア性に優れている。したがってこのガスバリア性フィルムは、高ガスバリア性包装材料として適している。
ところで、このガスバリア性フィルムは、単独で使用されることは殆どない。通常、このガスバリア性フィルムには、他のフィルムをラミネートするか、又は、印刷層を形成する。たとえば、ガスバリア性フィルムとヒートシール性樹脂層とを、プラスチック基材フィルムとヒートシール性樹脂層との間に無機酸化物層が介在するようにラミネートすることがある。本発明者は、本発明を為すに際し、たとえば、このような構造を採用した包装材料は、ポリアミド樹脂からなるプラスチック基材フィルムを使用した場合、以下の問題を生じ得ることを見出している。
ポリアミド樹脂フィルムは、じん性、耐衝撃性、耐突刺性、耐屈曲疲労性、耐摩耗性などに優れている。そのため、先のガスバリア性フィルムを含んだ包装材料では、ポリアミド樹脂からなる基材フィルムを使用することが有利である。
但し、ポリアミド樹脂からなる基材フィルムと無機酸化物層とは、密着性、特には湿潤時の密着性が低い。そのため、たとえば、先のガスバリア性フィルムにおいてポリアミド樹脂からなる基材フィルムを使用し、このガスバリア性フィルムを含んだ包装材料で液体含有内容物を包装した場合、フィルム間の密着力が低下して、デラミネーションを生じることがある。
特許文献3には、この問題を解決するべく、ポリアミド樹脂からなる基材フィルムと無機酸化物層との間にアンカーコート層を介在させることが記載されている。この構成を採用した場合、基材フィルム上に直に無機酸化物層を形成した場合と比較すれば、より高い密着性を達成できる。しかしながら、この構成を採用して得られる密着性は、必ずしも十分ではない。
また、ガスバリア性フィルムを含んだ包装材料で液体含有内容物を包装した場合には、フィルム間の密着力が低下して、デラミネーションを生じるだけでなく、輸送時の振動や衝撃、あるいは流通途上の落下などにより包装体が破断してしまうことがある。
包装体の破断には、シール部の強度(ヒートシール強度 )のみならず、破断にいたるまでの伸びが大きく影響する。したがって、シール部が伸びれば、輸送時等における衝撃が分散されるため、包装体の破袋を防止することができる。すなわち、ヒートシールエネルギー が小さいということは、シール部が伸びにくいことを意味しており、このような場合には衝撃を分散することができず、シール部に局所的に負荷が加わるため、かかる積層フィルムで重量物を包装した場合には破袋が発生し易くなる。
ここで、ヒートシールエネルギーとは、積層フィルムのシール部に作用する応力に対する抵抗力を示すもので、フィルムのヒートシール強度 測定の際にフィルムが破断にいたるまでのヒートシール強度とフィルムの伸びとの関係から導き出されるものであり、シール部が破断(あるいは降伏)するまでのフィルム吸収エネルギーを意味するものである。
ポリアミド樹脂からなる基材フィルムと無機酸化物層とは、密着性、特には湿潤時の密着性が低い。そのため液体含有内容物を包装した場合には特にフィルム間の密着力が低下し、低下した箇所から剥離しやすくなるため積層フィルム全体が伸びにくくなり、破断を生じやすくなる。従って、包装材料のフィルムの伸びやすさの指標であるヒートシールエネルギーが小さければ、包装の破袋が生じやすく、大きければ生じにくいといえる。
また、フィルム間の密着力の低下が湿潤時に生じやすいことから、無機酸化物層に対する防水性を高めることが、密着力の低下を抑制し、ならびに包装の破袋が発生しにくくなることを意味する。
米国特許第3442686号明細書 特開昭49−041469号公報 特開2001−81217号公報
本発明の目的は、透明ガスバリア性積層体、及びこの積層体を用いた包装体において、ポリアミド系樹脂からなる基材フィルムに対する無機酸化物層の密着力の低下を防止することにある。
請求項1の発明は、ポリアミド系樹脂からなる基材フィルムの片面側に、易接着層、アンカーコート層、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層、塗布によるガスバリア性被覆層とを
順次、積層してなり、他の片面側に撥水性被膜がコーティングされた透明ガスバリア性フィルムの該ガスバリア性被覆層上に、接着剤層を介して、ヒートシール性樹脂層を積層してなる透明ガスバリア性積層体であって、前記ヒートシール性樹脂層を熱融着させ、水浸漬させた後にJIS Z1707に規定された方法に基づいて測定したヒートシール強度の最大エネルギー値が0.05N・m以上であることを特徴とする透明ガスバリア性積層体である。
請求項2の発明は、前記撥水性被膜が、水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するフッ素含有官能基を有するフッ素系処理剤の塗膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項3の発明は、前記撥水性被膜が、フッ素樹脂又はフッ素を主骨格と側鎖の少なくともいずれかに有するフッ素系塗膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層体である。
本明細書において、「フッ素系処理剤」とは、水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するフッ素含有官能基を有するもののことであり、「フッ素を含有するフッ素系塗膜材料」とは、フッ素樹脂又はフッ素を主骨格と側鎖の少なくともいずれかに有する塗料のことである。
請求項4の発明は、前記易接着層が、窒素原子とアジピン酸とビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1項に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項5の発明は、前記アンカーコート層が、アクリルポリオールとイソシアネート化合物と金属アルコキシド又はその加水分解生成物との反応生成物を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項6の発明は、前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項7の発明は、前記ガスバリア性被覆層が透明樹脂と無機物とを含んだ混合物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項8の発明は、前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子とテトラアルコキシシランまたはその加水分解生成物とトリアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有した溶液を前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項9の発明は、前記トリアルコキシシランの珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする請求項8に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項10の発明は、前記ガスバリア性被覆層が、水と、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解生成物、及び塩化錫からなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを含有した溶液を前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の透明ガスバリア性積層体である。
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体からなる包装体である。
本発明によると、透明ガスバリア性積層体、及びこの積層体を用いた包装体において、ポリアミド樹脂からなる基材フィルムに対する無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の密着力の低下を防止することができる。
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る透明ガスバリア性積層体を概略的に示す断面図である。
この透明ガスバリア性積層体10は、透明ガスバリア性フィルム11と、接着剤層12と、ヒートシール性樹脂層13とを含んでいる。
透明ガスバリア性フィルム11は、基材フィルム111と、易接着層112と、アンカーコート層113と、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114と、ガスバリア性被覆層115と撥水性被膜層116を含んでいる。なお、用語「フィルム」と用語「シート」とは厚さに応じて使い分けることがあるが、ここでは、厚さの大小とは無関係に用語「フィルム」を使用している。
基材フィルム111は、ポリアミド樹脂からなる透明フィルムである。ポリアミドとしては、ホモポリアミド、コポリアミド、又はそれらの混合物を使用することができる。
ホモポリアミドとしては、たとえば、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンジアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサエチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリへキサメチレンデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミンアジパミド(ナイロンMXD6)を使用することができる。
コポリアミドとしてはたとえば、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体を使用することができる。
基材フィルム111は、ポリアミド以外の材料を含んでいても良い。たとえば、可塑剤、低弾性率のエラストマー、ラクタム類、又はそれらの混合物をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、たとえば芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、又はエステル類の可塑剤を使用することができる。低弾性率のエラストマーとしては、たとえば、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、又は変性エチレンプロピレンゴムを使用することができる。
基材フィルム111の厚さに制限はないが、基材フィルム111は、基材として十分な強度を達成しうる厚さを有している必要がある。また、基材フィルム111が厚い場合、透明ガスバリア性積層体10又は透明ガスバリア性フィルム11の柔軟性が不十分となることがある。基材フィルム111の厚さは、10μmないし100μmの範囲内が好適に
使用出来る。
易接着層112は、基材フィルム111の一方の面上に形成された透明層である。易接着層112は、アンカーコート層113と共に、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114と基材フィルム111との密着性を向上させる。そして、易接着層112は、アンカーコート層113と共に、透明ガスバリア性積層体を用いて液体を含有した内容物を長期保存した場合に、基材フィルム111に対する無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114の密着性が低下するのを抑制する。
易接着層112は、窒素原子とアジピン酸とビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいる。窒素原子は、たとえば、ウレタン基および又はアミド基に由来している。
易接着層112の材料は、たとえば、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタン、そのプレポリマー、アジピン酸をポリエステルの二塩基酸として含んだ水分散性ポリエステルポリウレタンポリ尿素樹脂、そのプレポリマー、または、それらの2以上を含んだ混合物を主成分として含有している。密着性を向上させるために、これらポリマーの主鎖または末端に、水酸基、カルボキシ基、またはアミノ基を導入してもよい。
易接着層112の材料は、ビスフェノールグリシジルエーテルをさらに含有している。ビスフェノールグリシジルエーテルは、先の主成分の硬化を促進する硬化剤である。ビスフェノールグリシジルエーテルを使用することにより架橋を生じさせ、これにより、耐水性、耐熱性、接着性及び被膜凝集性に優れた易接着層112が得られる。
ビスフェノールグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させ、その反応性生物の分子末端をエポキシ化させたものを使用することができる。ビスフェノール類としては、例えば、4,4‘−ジヒドロキシ-フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−ジフェニル)−エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−ジフェニル)−エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、またはビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル−メタンを使用することができる。これらの中でも、一般に「ビスフェノールA」と呼ばれている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンまたは一般に「ビスフェノールF」と呼ばれている4,4‘−ジヒドロキシ−フェニルメタンが好適である。
易接着層112は例えば、基材フィルム111上に、上述した成分を含有したコーティング液を塗布し、この塗膜を乾燥させることにより得られる。なお、このコーティング液は、上述した成分に加え、添加剤をさらに含有していてもよい。この添加剤としては、例えば、帯電防止剤、滑剤、消泡剤、界面活性剤を使用することができる。また、コーティング液の塗布には、例えば、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、エアーナイフ法、マイヤーバーコート法、またはリバースロール法を利用することができる。
易接着層112のコーティング液の塗布に先立ち、例えば濡れ性およびまたは密着性を改善するために、基材フィルム111の被塗布面に前処理を施しておいてもよい。この前処理としては、例えば、コロナ放電処理またはプラズマ処理を挙げることができる。
基材フィルム111を延伸する場合、易接着層112を形成するためのコーティング液は、延伸した基材フィルム111に塗布してもよく、基材フィルム111の延伸中にこれに塗布してもよい。後者の方法は、前者の方法と比較して、生産性が高く、効率的である
ため、また後者の方法は、この延伸成膜工程において易接着層112が高温で熱処理されるため、前者の方法と比較して、基材フィルム111と易接着層112との密着力を強くすることができる。
延伸成膜工程中に易接着層112を形成する方法としては、例えば、以下の方法をあげることができる。まず、ポリアミド樹脂フィルムを基材フィルム111として形成する。次いで、易接着層112を形成するためのコーティング液を基材フィルム111に塗布し、これを予熱後、塗膜と共に基材フィルム111を同時二軸延伸処理に供する。さらに、ヒートセット処理を行うことにより、基材フィルム111上に形成された易接着112を得る。
延伸成膜工程中に易接着層112を形成するほかの方法としては、例えば、逐次二軸延伸法を挙げることができる。この方法では、まず、ポリアミド系樹脂フィルムを基材フィルム111として形成する。次いで、基材フィルム111を周速度が異なる加熱ローラ間に通して縦延伸を行う。続いて、易接着層112を形成するためのコーティング液を塗布して縦延伸した基材フィルム111を横延伸処理に供する。さらに、ヒートセット処理を行うことにより、基材フィルム111上に形成された易接着層112を得る。
易接着層112の厚さは、例えば、0.01μmないし0.2μmの範囲内とする。厚さが薄い場合には接着層112を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、十分な密着性を得がたい。また、易接着層112をある程度厚くすると、その膜厚の増加に伴う密着性向上の効果が小さくなる。それゆえ、過剰に厚い易接着層112は経済的ではない。
アンカーコート層113は、易接着層112上に形成された透明層である。アンカーコート層113は、ポリオールとイソシアネート化合物を含んだ組成物の反応生成物を含んでいる。この組成物は、例えば、アクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤またはその加水分解生成物とを含んでいる。
シランカップリング剤またはその加水分解生成物は、典型的には、ポリオールの水酸基及びまたはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する有機官能基を有している。そのようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート基を有している化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有している化合物、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有している化合物、あるいはビニルトリメトキシシラン又はビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニル基を有しているシランカップリング剤にアルコール等を作用させて水酸基等を付加してなる化合物を使用することができる。これら化合物は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
このシランカップリング剤が含む官能基のうち珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は、ポリオールの水酸基及びまたはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し、これによりアンカーコート層113の凝集力を高める。また、このシランカップリング剤のアルコキシ基またはその加水分解によって生じたシラノール基は、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114が含んでいる金属や無機酸化物表面に存在している水酸基などの極性基と強い相互作用を形成し、これにより、アンカーコート層113と無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114との密着性を高める。
シランカップリング剤は、典型的には、アルコキシ基とそれ以外の有機官能基とが珪素原子に結合してなる化合物であるが、アルコキシ基がハロゲン基やアセトキシ基などで置換されたものを使用してもよい。すなわち、加水分解によりシラノール基を生ずるものであればよい。なお、シランカップリング剤は金属アルコキシドと共に、加水分解して使用してもよい。
アンカーコート層113に含まれるアクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオール、または、アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られるものである。アクリルポリオールとしては、例えば、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーとを重合させてなるアクリルポリオールや、このアクリル酸誘導体モノマーとスチレンなどのその他のモノマーとを共重合させてなるアクリルポリオールを使用することができる。
アクリルポリオールは、イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させる。イソシアネート基との反応性及びシランカップリング剤との相溶性を考慮すると、アクリルポリオールとして、水酸基価が例えば20mgKOH/gないし350mgKOH/gの範囲内にあるものを使用してもよい。
アクリルポリオールとシランカップリング剤との配合比は、質量比で、例えば2/1ないし100/1の範囲とする。
更にイソシアネート化合物は、アクリルポリオールなどのポリオールと反応してできるウレタン結合によりプラスチック基材や無機酸化物との密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。前記機能を発揮するイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシリレンジイソシアネート(XDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類、これらの重合体、もしくは誘導体の1種、またはこれらの2種以上用いることができる。
ここで、アクリルポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。そこでアクリルポリオールとイソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がアクリルポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
アンカーコート層113は、例えば上述したアクリルポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とを含有したコーティング液を易接着層112上に塗布し、塗膜を乾燥硬化させることにより得られる。このコーティング液は例えば、シランカップリング剤とアクリルポリオールとを混合し、この混合物に溶媒を加え、さらに、イソシアネート化合物と混合することにより得られる。あるいは、シランカップリング剤とアクリルポリオール溶媒とを混合してシランカップリング剤とアクリルポリオールとを反応させ、この混合液に溶媒を加え、さらに、この混合液とイソシアネート化合物を混合することにより得られる。またあるいは、2種類以上のシランカップリング剤のみからなる混合液に溶媒を加えることにより得られる。
このコーティング液の溶媒としては、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどのエステル、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール、メチルエチルケトンなどのケトン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、またはそれらの混合物を使用することができる。シランカップリング剤を加水分解するために塩酸水溶液などの水溶液を使用する場合、共溶媒としてイソプロピルアルコールなどのアルコールと極性溶媒である酢酸エチルとの混合液を使用してもよい。
このコーティング液は、添加剤をさらに含有することができる。この添加剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩などの硬化促進剤、フェノール系、硫黄系及びホスファイト系の酸化防止剤、レベリング剤、レオロジー調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤、またはそれらの混合物を使用することができる。
このコーティング液の易接着層112への塗布には、一般的な方法を利用することが出来る。たとえば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、またはグラビアオフセット法を利用することができる。
コーティング液の塗布に先立ち、たとえば濡れ性及びまたは密着性を改善するために易接着層112の表面に前処理を施しておいてもいい。この前処理としては、例えばコロナ放電処理またはプラズマ処理を挙げることができる。
アンカーコート層113が薄い場合、アンカーコート層113を厚さが均一な連続膜として形成することは難しく、十分な密着性が得られないことがある。厚いアンカーコート層113は柔軟性が低く、透明ガスバリア性フィルム11を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性がある。アンカーコート層113の厚さは、例えば0.01μmないし1μmの範囲内とし、典型的には0.05μmないし0.5μmの範囲内とする。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの金属酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が好ましい。ただし本発明の無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114は、上述した金属酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114の厚さは、用いられる無機化合物の種類、構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114をアンカーコート層113上に形成する手段としては各種手段が可能であるが、真空蒸着法により形成することが一般的である。この真空蒸着法以外の手段としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。この真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかを適宜用いればよい。また無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層とプラスチック基材の密着性及び無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなどを吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
ガスバリア性被覆層115の形成材料としては、例えば水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及び/又はその加水分解物からなるもの、さらには前記金属アルコキシドが、たとえば、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、またはこれらの混合物のいずれかからなる溶液を塗布形成したものである。高いガスバリア性を付与する被膜層の他の例としては、水溶性高分子と塩化錫からなるもの、さらには前記水溶性高分子
が、ポリビニルアルコールからなる溶液を塗布形成したものがある。具体的には、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いは前記溶液に金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。ガスバリア性被覆層115を形成する各成分について更に詳細に説明する。
本発明のガスバリア性被覆層を形成するために用いられる水溶性高分子の具体例として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAという)がガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
更に金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2'−C3 7 3 〕などの一般式、M(OR)n (M:Si、Ti、Al、Zr等の金属、R:CH3 、C2 5 等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分の単独又はいくつかを組み合わせてガスバリア性被覆層を形成することができ、さらに被覆層のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの添加剤を加えてもよい。
例えばガスバリア性被覆層115に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下TDIという)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下TTIという)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下TMXDIという)などのモノマー類と、これらの重合体、または誘導体などがある。
ガスバリア性被覆層115を形成するためのコーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。また被膜層の厚さは、被膜層を形成するコーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μm以上では膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
撥水性被膜層116は、基材フィルム111の易接着層の無い面に形成された層である
撥水性被膜層116は、易接着層112とアンカーコート層113と共に、透明ガスバリア性積層体を用いて液体を含有した内容物を長期保存した場合に、水が包材中へ浸透しにくくなる(断面からだけでなく、表基材を通過するものも含め)ことにより、蒸着層、バリア層が水と接触する頻度、割合が減って、劣化を減らすことで基材フィルム111に対する無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114の密着性が低下するのを抑制する。
撥水性被膜層116を形成するためのコーティング剤としては、従来公知の各種のコーティング材料を用いることができる。このようなコーティング材料としては、たとえばフ
ッ素系処理剤や、フッ素を含有するフッ素系塗膜材料や、アクリル系樹脂材料などを用いることができる。本明細書において、「フッ素系処理剤」とは、水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するフッ素含有官能基を有するもののことであり、「フッ素を含有するフッ素系塗膜材料」とは、フッ素樹脂又はフッ素を主骨格と側鎖の少なくともいずれかに有する塗料のことである。
フッ素系処理剤としては、たとえばパーフルオロアルキルシランなどを使用することができる。シラン化合物はゾルゲル反応と同じく、加水分解により脱水や脱アルコールによる重縮合が起きてネットワーク化する。微粒子にシリカを用いた場合は表面にシラノール基が存在するので、直接コートしても分子間結合をする。これらは最初にアルコキシ基が表面のシラノール基と反応して脱アルコールして固定化され、さらにその後空気中の水分などによって加水分解が進み、縮合によって三次元的に結合したシロキサン結合ができて強固さが増し、表面の摩擦や磨耗等に対する機械的な耐久性に優れた特性を持つ。また、表面にフッ素を主成分とする疎水基が存在するため高い撥水性を示すため好ましい。この場合の撥水性被膜の形成方法としては、たとえばスプレー方式、ディップ方式、フローコート、ロールコート、グラビアコートなどを用いることができる。
フッ素を含有するフッ素系塗膜材料としては、たとえばテトラフロロエチレン樹脂などのフッ素樹脂などを使用することができる。この場合の撥水性被膜の形成方法としては、たとえばスプレー方式、ディップ方式、フローコート、ロールコート、グラビアコートなどを用いることができる。
アクリル系樹脂材料も撥水性を有していれば従来公知の各種の材料を使用することができ、この場合の撥水性被膜の形成方法としても、たとえばスプレー方式、刷毛塗り、ロールコート、ディップコート、グラビアコートなどの方法を用いることができる。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層114、またはガスバリア性被覆層115上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層、介在フィルム、ヒートシール層等である。印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
また介在フィルムはボイルおよびレトルト殺菌時の破袋強度を高めるために設けられるもので、一般的には機械強度及び熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれる一種である。厚さは、材質や要求品質等に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。形成方法としては2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方法により積層できる。
またヒートシール性樹脂層は袋状包装体などを形成する際に熱接着により内容物を密封するための層として設けられるものである。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体またはそれらの金属架橋物等の樹脂の1種からなるフィルムが用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。形成方法としては、ヒートシール層を形成するフィルムを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
以下に本発明をいくつかの形態の実施例により具体的に説明する。
<コーティング液A1の調製>
アジピン酸をポリエステルの二塩基酸成分とした水分散性ポリエステルポリウレタンとビスフェノールAグリシジルエーテルとを100:6の固形分質量比で含有した水溶液を調製した。以下、この水溶液を「コーティング液A1」と呼ぶ。
<コーティング液B1の調製>
水酸基価が140mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%の濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と0.5gのγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して固形分濃度を20質量%とした。この溶液を7g計量し、これに、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した1.5gの混合物を混合した。次いで、この溶液を、固形分濃度が2質量%となるように酢酸エチルで希釈し、さらに、10分間攪拌した。以下、このようにして得られた溶液を、「コーティング液B1」と呼ぶ。
<コーティング液B2の調製>
水酸基価が140mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%の濃度で含有した6gのアクリルポリオール溶液を準備した。このアクリルポリオール溶液と0.6gのγ−アミノプロピルトリエトキシシランとを混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して固形分濃度を20質量%とした。この溶液を7g計量し、これに、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した1.5gの混合物を混合した。次いで、この溶液を、固形分濃度が2質量%となるように酢酸エチルで希釈し、さらに、10分間攪拌した。以下、このようにして得られた溶液を、「コーティング液B2」と呼ぶ。
<コーティング液B3の調製>
水酸基価が7mgKOH/gのポリエステル樹脂を20質量%の濃度で含有した7gの酢酸エチル溶液を準備した。この溶液に、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを60:40の質量比で含有した1.5gの混合物を混合した。次いで、この溶液を、固形分濃度が2質量%となるように酢酸エチルで希釈し、さらに、10分間攪拌した。以下、このようにして得られた溶液を、「コーティング液B3」と呼ぶ。
<コーティング液C1の調製>
10gのテトラエトキシシランに、90gの0.1N塩酸水溶液を添加した。次いで、この混合液を30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、SiO2換算で固形分を3質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。
PVAと水とイソプロピルアルコールとを混合して、65gのPVA溶液を調整した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は90:10とした。また、このPVA溶液のPVA濃度は、4質量%とした。
これら加水分解溶液とPVA溶液とを混合して、コーティング液を調製した。以下、このコーティング液を、「コーティング液C1」と呼ぶ。
<コーティング液C2の調製>
17.9gのテトラエトキシシランと10gのメタノールと72.1gの0.1N塩酸水溶液とを混合した。次いで、この混合液を30分間攪拌して、テトラエトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、SiO2換算で固形分を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を「溶液S1」と呼ぶ。
PVAと水とイソプロピルアルコールとを混合して、PVA溶液を調整した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は95:5とした。また、このPNA溶液の固形分濃度、すなわち、PVA濃度は5質量%とした。以下、このPVA溶液を、「溶液S2」と呼ぶ。
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートと水とイソプロピルアルコールとを混合した。水とイソプロピルアルコールとの質量比は50:50とした。また、この混合液における1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートの濃度は、R2Si(OH)3換算濃度で5質量%とした。次いで、この混合液を30分間攪拌して、1,3,5,−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートの加水分解を生じさせた。これにより、R2Si(OH)3換算で固形分を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を「溶液S3」と呼ぶ。
その後、溶液S1と溶液S2と溶液S3とを、それらの固形分の質量比が70:20:10となるように混合した。以下、この混合液を、「コーティング液C2」と呼ぶ。
<コーティング液C3の調製>
γ−グリシドキシプロビルトリメトキシシランのイソプロピルアルコール溶液に、1N塩酸水溶液を徐々に加えた。水とイソプロピルアルコールとの質量比は50:50とした。また、この混合液におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの濃度は、R2Si(OH)3換算濃度で5質量%とした。次いで、この混合液を30分間攪拌して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解を生じさせた。これにより、R2Si(OH)3換算で固形分を5質量%の濃度で含有した加水分解溶液を得た。以下、この加水分解溶液を、「溶液S4」と呼ぶ。
その後、溶液S1と溶液S2と溶液S4とを、それらの固形分の質量比が70:20:10となるように混合した。以下、この混合液を、「コーティング液C3」と呼ぶ。
<コーティング液D1の調製>
アルコキシ基を持ったパーフルオロシラン類フッ素化合物を、単独で用いた。以下、この液を「コーティング液D1」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF1及び透明包装材料PM1の製造>
まず、Tダイ法により、ナイロン6からなる厚さが150μmの未延伸基材フィルムを成膜した。
次に、この基材フィルムの一方の主面上に、マイヤーバーコート法によりコーティング液A1を塗布した。この塗膜を乾燥させた後、基材フィルムを、基材フィルムを縦方向に3.0倍に及び横方向に3.3倍に同時二軸延伸した。さらに、210℃の温度でヒートセット処理を行った。このようにして、基材フィルムの厚さを15μmとすると共に、その上に厚さが0.05μmの易接着層を形成した。
その後、易接着層上に、グラビアコート法によりコーティング液B1を塗布した。この塗膜を乾燥させることにより、厚さが0.05μmのアンカーコート層を得た。
続いて、電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により、易接着層上に、酸化アルミニウムからなる厚さが15nmの無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層を形成した。
次に、グラビアコート法により、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層上に、コーティング液C1を塗布した。
この塗膜を加熱乾燥させることにより、厚さが0.3μmのガスバリア性被覆層を得た。
更に、マイヤーバーコート法により、基材フィルムの非易接着面上に、コーティング液D1を塗布した。
以上のようにして、透明ガスバリア性フィルムを完成した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF1」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1とヒートシール性樹脂層とを、ヒートシール性樹脂層がガスバリア性被覆層と向き合うように、ドライラミネーション法により貼り合わせた。
ヒートシール性樹脂層としては、厚さが50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製、TUX−FCS)を使用し、接着剤としては、二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井化学ポリウレタン社製、A515/A50)を使用した。接着剤は、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるようにガスバリア性被覆層上に塗布した。
その後、この積層体を、40℃の恒温室で7日間養生した。以上のようにして、透明包装材料を完成した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM1」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF2及び透明包装材料PM2の製造>
アンカーコート層の厚さを0.10μmとしたこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF2」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF2を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM2」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF3及び透明包装材料PM3の製造>
コーティング液B1を用いてアンカーコート層を形成する代わりに、コーティング液B2を用いてアンカーコート層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF3」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF3を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM3」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF4及び透明包装材料PM4の製造>
コーティング液B1を用いてアンカーコート層を形成する代わりに、コーティング液B3を用いてアンカーコート層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、こ
の透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF4」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF4を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM4」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF5及び透明包装材料PM5の製造>
コーティング液C1を用いてガスバリア性被覆層を形成する代わりに、コーティング液C2を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF5」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF5を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM5」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF6及び透明包装材料PM6の製造>
コーティング液C1を用いてガスバリア性被覆層を形成する代わりに、コーティング液C2を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF3について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF6」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF6を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM6」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF7及び透明包装材料PM7の製造>
コーティング液A1を用いなかったこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF7」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF7を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM7」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF8及び透明包装材料PM8の製造>
コーティング液C1を用いてガスバリア性被覆層を形成する代わりに、コーティング液C3を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF8」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF8を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM8」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF9及び透明包装材料PM9の製造>
電子線加熱方式を用いた真空蒸着装置により酸化アルミニウムからなる厚さが15nm
の無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層を形成する代わりに、抵抗加熱方式を用いて真空蒸着装置により酸化珪素からなる厚さが50nmの無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層を形成し、コーティング液C1を用いてガスバリア性被覆層を形成する代わりにコーティング
液C2を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF9」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF9を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM9」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF10及び透明包装材料PM10の製造>
コーティング液D1を用いなかったこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF1について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF10」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF10を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM10」と呼ぶ。
<透明ガスバリア性フィルムBF11及び透明包装材料PM11の製造>
コーティング液D1を用いなかったこと以外は、透明ガスバリア性フィルムBF3について説明したのと同様の方法により、透明ガスバリア性フィルムを製造した。以下、この透明ガスバリア性フィルムを、「透明ガスバリア性フィルムBF11」と呼ぶ。
次に、透明ガスバリア性フィルムBF1の代わりに透明ガスバリア性フィルムBF11を使用したこと以外は、透明包装材料PM1について説明したのと同様の方法により、透明包装材料を製造した。以下、この透明包装材料を、「透明包装材料PM11」と呼ぶ。
<ヒートシールエネルギーの測定>
透明包装材料PM1乃至PM11の各々について、日本工業規格 JIS Z1707:1997「食品包装用プラスチックフィルム通則」で規定されている試験方法に従ってヒートシール強度を測定した。その後、測定で得られたチャートからヒートシールエネルギーを求めた。
すなわち、まず、透明包装材料PM1乃至PM11の各々から寸法100mm×100mmのサンプルを切り出した。次いで、前記サンプルを中央部で折り、ヒートシール試験器(テスター産業(株)製)を使用し、シールバー幅5mm・圧力2kg/cm2・温度180℃で1秒間シール後、放冷した。それらを12時間水に付けた後に水から出し、各々のサンプルから幅が15mmの短冊状の試験片を準備した。次いで、引張試験機にて30mm/minの定速でシール部を剥離し、ヒートシール強度を測定した。次に、ヒートシール強度の測定で得られたチャートからヒートシールエネルギーを導いた。本発明では、ヒートシール強度を示す曲線と、チャート移動距離とで囲まれた面積をヒートシールエネルギー(N・m)とした。以下の表1に、測定結果を纏める。
<酸素透過度の測定>
透明ガスバリア性フィルムBF1乃至BF11の各々について、日本工業規格 JIS
K7126−1987「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」で規定されているB法(等圧法)に従って酸素透過度を測定した。この測定は、温度が30℃であり相対湿度が70%の環境中で、Modern Control社製のOxtran2
/21を使用して行った。以下の表1に、測定結果を纏める。
<湿潤ラミネート強度の測定>
透明包装材料PM1乃至PM11の各々について、日本工業規格 JIS K6854−3:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T形はく離」で規定されている試験方法に従って常態ラミネート強度及び湿潤ラミネート強度を測定した。
すなわち、まず、透明包装材料PM1乃至PM11の各々から幅が15mmの短冊状の試験片を準備した。次いで、各試験片の一端でヒートシール性樹脂層と透明ガスバリア性フィルムとを互いから剥離し、これらをそれぞれ引張試験機のつかみ具に取り付けた。その後、剥離界面を水で湿潤させながら、引張応力を加えて、ヒートシール性樹脂層と透明ガスバリア性フィルムとを互いから剥離させ、剥離長さ(つかみ移動距離)と引張応力との関係を記録した。ここでは、剥離速度は300mm/minとした。そして、最初及び最後の25mmを除いた100mm以上の剥離長さに亘って、力−つかみ移動距離曲線から平均剥離力(N)を求めた。この平均剥離力(N)を湿潤ラミネート強度とした。以下の表1に、測定結果を纏める。
<煮沸処理後における酸素透過度の測定>
透明包装材料PM1乃至PM11の各々を用いて、寸法が100mm×150mmの四方シール袋を作成した。各四方シール袋には、150gの水を充填した。次に、これら包装品を95℃で30分間の煮沸処理に供した。一昼夜放置した後、上述したのと同様の方法により、酸素透過度を測定した。以下の表2に、測定結果を纏める。
<煮沸処理後における湿潤ラミネート強度の測定>
透明包装材料PM1乃至PM11の各々を用いて、寸法が100mm×150mmの四方シール袋を作成した。各四方シール袋には、150gの水を充填した。次に、これら包装品を95℃で30分間の煮沸処理に供し、その後、上述したのと同様の方法により、湿潤ラミネート強度を測定した。以下の表2に、測定結果を纏める。
<煮沸処理前の物性>
<煮沸処理後の物性>
本発明に係る透明ガスバリア性積層体の一形態を概略的に示す断面説明図
符号の説明
10…透明ガスバリア性積層体
11…透明ガスバリア性フィルム
12…接着剤層
13…ヒートシール性樹脂層
111…基材フィルム
112…易接着層
113…アンカーコート層
114…無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層
115…ガスバリア性被覆層
116…撥水性被膜層

Claims (11)

  1. ポリアミド系樹脂からなる基材フィルムの片面側に、易接着層、アンカーコート層、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層、塗布によるガスバリア性被覆層とを順次、積層してなり、他の片面側に撥水性被膜がコーティングされた透明ガスバリア性フィルムの該ガスバリア性被覆層上に、接着剤層を介して、ヒートシール性樹脂層を積層してなる透明ガスバリア性積層体であって、前記ヒートシール性樹脂層を熱融着して水浸漬させた後にJIS Z1707に規定された方法に基づいて測定したヒートシール強度の最大エネルギー値が0.05N・m以上であることを特徴とする透明ガスバリア性積層体。
  2. 前記撥水性被膜が、水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するフッ素含有官能基を有するフッ素系処理剤の塗膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層体。
  3. 前記撥水性被膜が、フッ素樹脂又はフッ素を主骨格と側鎖の少なくともいずれかに有するフッ素系塗膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層体。
  4. 前記易接着層が、窒素原子とアジピン酸とビスフェノールグリシジルエーテルとを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1項に記載の透明ガスバリア性積層体。
  5. 前記アンカーコート層が、アクリルポリオールとイソシアネート化合物と金属アルコキシド又はその加水分解生成物との反応生成物を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体。
  6. 前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体。
  7. 前記ガスバリア性被覆層が透明樹脂と無機物とを含んだ混合物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体。
  8. 前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子とテトラアルコキシシランまたはその加水分解生成物とトリアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有した溶液を前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の透明ガスバリア性積層体。
  9. 前記トリアルコキシシランの珪素と結合したアルコキシ基以外の有機官能基は疎水性有機官能基であることを特徴とする請求項8に記載の透明ガスバリア性積層体。
  10. 前記ガスバリア性被覆層が、水と、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解生成物、及び塩化錫からなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを含有した溶液を前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層上に塗布し、これにより得られた塗膜を乾燥させることにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の透明ガスバリア性積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性積層体からなる包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017218232A (ja) * 2017-09-06 2017-12-14 凸版印刷株式会社 蓋材とその製造方法
JP2018171784A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 大日本印刷株式会社 ボイル殺菌用積層体およびそれを備えるボイル殺菌用包装袋

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