JP6947173B2 - 積層シート、包装材料、および成形品 - Google Patents

積層シート、包装材料、および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、積層シート、包装材料および成形品に関する。
本願は、2016年5月31日に、日本に出願された特願2016−108159号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、食品および医薬品や電子部材等の非食品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、酸素、水蒸気等のガスの透過を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
食品および非食品等の包装に用いられるガスバリア性シートとして、ポリエステルフィルム等の基材の少なくとも片面に無機蒸着層を設けた無機蒸着フィルムが広く用いられている(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1で提案されているような無機蒸着フィルムは、折り曲げ、延伸等によりフィルムに応力を加えると、無機蒸着層がダメージを受け、ガスバリア性が低下しやすい。
特許文献2では、無機蒸着層の上に、水溶性高分子と、1種以上のアルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか1つとを含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥して形成されるガスバリア性被膜を設けたガスバリア性積層フィルムが提案されている。
このガスバリア性積層フィルムは、高いガスバリア性を示し、柔軟なガスバリア性被膜で無機蒸着層が被覆されていることで、折り曲げ、延伸等の後でもある程度のガスバリア性を保持する。また、耐熱性、耐湿性、耐水性を有すると開示されている。
日本国特開平9−123338号公報 日本国特許第2790054号公報
しかし、特許文献2に開示のガスバリア性被膜の耐熱湿性は十分とはいえず、高温高湿雰囲気に曝されると、ガスバリア性被膜が膨潤し、ガスバリア性が劣化してしまうことがある。また、このガスバリア性被膜の柔軟性も十分とはいえず、ガスバリア性積層フィルムに対して折り曲げや延伸等の加工を施したときに、その加工の種類や程度によっては、無機蒸着層にまで加工によるダメージが到達し、ガスバリア性が損なわれることがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、柔軟性および耐熱湿性に優れた層を備える積層シート、これを用いた包装材料および成形品の提供を目的とする。
本発明の第一態様に係る積層シートは、基材と、水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)以外の他のケイ素化合物(C)とを含む組成物から形成された層と、を備え、前記水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、前記ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、前記水酸基含有高分子化合物(A)の割合が25〜30質量%、前記エポキシ基含有シランカップリング剤化合物(B)の割合が5〜30質量%である。
上記第一態様において、前記ケイ素化合物(C)が、下記式(c1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C1)を含んでいてもよい。
Si(OR ・・・(c1)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の4つのRは同じであっても異なっていてもよい。)
上記第一態様において、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)が、下記式(b1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B1)を含んでいてもよい。
Si(OR ・・・(b1)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の3つのRは同じであっても異なっていてもよく、Rはエポキシ基を含む有機基である。)
上記第一態様に係る積層シートは、無機材料から形成されるガスバリア層をさらに備えていてもよい。
本発明の第二態様に係る包装材料は、上記第一態様に係る積層シートを含む。
上記第二態様に係る包装材料は、熱水処理用包装材料であってもよい。
本発明の第三態様に係る成形品は、上記第二態様に係る包装材料を備える。
上記第三態様に係る成形品は、縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、容器用蓋材、紙容器または真空断熱体であってもよい。
本発明の上記各態様によれば、柔軟性および耐熱湿性に優れた層を備える積層シート、これを用いた包装材料および成形品を提供できる。
本発明の第一実施形態に係る積層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る積層シートを模式的に示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る積層シートを模式的に示す断面図である。
≪積層シート≫
以下、本発明の積層シートについて、添付の図面を用い、実施形態を示して説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る積層シート10を模式的に示す断面図である。
積層シート10は、基材1と、無機材料から形成されたガスバリア層3と、以下の組成物(I)から形成された層(以下「組成物(I)の層」ともいう)5とを備える。
組成物(I):水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)以外の他のケイ素化合物(C)とを含み、前記水酸基含有高分子化合物(A)と前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と前記ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計に対し、前記水酸基含有高分子化合物(A)の割合が25〜30質量%、前記エポキシ基含有シランカップリング剤化合物(B)の割合が5〜30質量%である組成物。
ガスバリア層3は、基材1の一方の面上に積層され、組成物(I)の層5は、ガスバリア層3上に積層されている。
(基材)
基材1の材質としては、例えばプラスチック類、紙類、ゴム類等が挙げられる。
基材1としては、基材1とガスバリア層3等との密着性の観点から、プラスチック類のフィルムが好ましい。
プラスチック類としては、例えばポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリアミド(例えば66−ナイロン等)、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらの樹脂材料の1種を単独で、または2種以上をブレンドしてフィルム状に加工したものを基材1として使用できる。
プラスチック類のフィルムは、延伸、未延伸のどちらでもよく、十分な機械強度や寸法安定性を有するものが好ましい。特に、二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。
積層シート10を包装材料に使用する場合、基材1としては、価格面、防湿性、充填適性、風合い、および廃棄性を考慮すると、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムがより好ましい。
基材1の表面に、基材1とガスバリア層3等との接着性の観点から、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面活性化処理が施されていてもよい。
基材1の厚さは、積層シート10の用途に応じて適宜設定できる。例えば、積層シート10を包装材料に使用する場合、特に制限を受けるものではないが、包装材料としての適性および加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmが好ましく、6〜30μmがより好ましい。
(ガスバリア層)
ガスバリア層3は、無機材料から形成される。
前記無機材料としては、積層シート10に酸素バリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性を付与するための層を構成することができる無機材料が適宜選択され、例えば金属(例えばアルミニウム等)、無機酸化物(例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫等)等が挙げられる。
ガスバリア層3としては、前記無機材料を蒸着法により基材1上に蒸着させた蒸着膜が好ましい。
酸化アルミニウムは、アルミニウム(Al)と酸素(O)との存在比が、Al:O=1:1.5〜1:2.0であることが好ましい。例えば酸化アルミニウム蒸着膜は、アルミニウムを蒸発材料にして、酸素ガスと、炭酸ガス等の不活性ガス等との混合ガスの存在下で薄膜形成を行う反応性蒸着、反応性スパッタリング、反応性イオンプレーティング等により形成することができる。この時、アルミニウムを酸素と反応させれば、化学量論的にはAlであることから、Al:O=1:1.5であるはずである。しかし蒸着方法によって、一部アルミニウムのまま存在する場合や、または過酸化アルミニウムで存在する場合もある。そのため、X線光電子分光分析装置(XPS)等を用いて蒸着膜の元素の存在比を測定すると、一概にAl:O=1:1.5とは言えないことがわかる。一般にAl:O=1:1.5より酸素が少なくアルミニウム量が多い場合は、級密な膜を形成するために良好なガスバリア性が得られるが、蒸着膜が黒く着色し、光線透過量が低くなる傾向がある。一方、Al:O=1:2.0より酸素が多くアルミニウム量が少ない場合は、疎な膜を形成し、ガスバリア性は悪いが光線透過量は高く透明な膜が得られる。
酸化ケイ素は、特に耐水性が必要とされる場合に好ましい。
ガスバリア層3の厚さは、積層シート10の用途や組成物(I)の層5の膜厚によっても異なるが、5〜300nmであることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。ガスバリア層3の厚さが前記範囲の下限値(5nm)未満であると、ガスバリア層3の連続性が損なわれるおそれがある。ガスバリア層3の厚さが前記範囲の上限値(300nm)超であると、ガスバリア層3のフレキシビリティが低下し、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により亀裂を生じるおそれがある。
(組成物(I)の層)
組成物(I)の層5は、組成物(I)から形成された層である。
組成物(I)は、水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)以外の他のケイ素化合物(C)とを含む。
水酸基含有高分子化合物(A)としては、水酸基を有する高分子化合物であれば特に限定されない。
水酸基含有高分子化合物(A)としては、ガスバリア性の点から、ビニルアルコール系重合体が好ましい。ビニルアルコール系重合体とは、ビニルアルコール単位を含む重合体である。ビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール(以下「PVA」ともいう)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性ビニルアルコール系重合体等が挙げられる。
ビニルアルコール系重合体の重合度は、500以上3000以下であることが好ましく、1000以上3000以下がより好ましい。
ビニルアルコール系重合体の中でも特に、PVAが好ましい。高分子化合物(A)がPVAであると、ガスバリア性が特に優れる。
ここで、PVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られる材料である。PVAとしては、酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAでもよく、それよりも酢酸基の残存量が多い部分ケン化PVAでもよい。ケン化度が高い場合、組成物(I)の層5の耐水性が高いため好ましく、完全ケン化PVAが特に好ましい。
PVAの重合度は300〜数千まで多種あり、どの重合度のPVAを用いてもよいが、重合度が高いPVAは耐水性が高いため好ましい。PVAの重合度は、500以上3000以下であることが好ましく、1000以上3000以下であることがより好ましい。
エポキシ基含有シランカップリング剤(B)としては、エポキシ基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されず、例えば下記式(b1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B1)、下記式(b2)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B2)等が挙げられる。これらの中でも化合物(B1)が好ましい。
Si(OR ・・・(b1)
SiR(OR ・・・(b2)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の3つのRは同じであっても異なっていてもよい。Rはエポキシ基を含む有機基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。)
式(b1)、(b2)において、Rは、CH、C、またはCOCHであることが好ましい。
としては、例えば2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
前記式(b1)で表される化合物の具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記式(b2)で表される化合物の具体例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、柔軟性と耐熱湿性とを両立する観点で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
式(b1)または(b2)で表される化合物を加水分解すると、ORがOHとなる。
式(b1)または(b2)で表される化合物の加水分解物は、公知の方法により得ることができる。式(b1)または(b2)で表される化合物の加水分解は、典型的には、酸またはアルカリ触媒とアルコールと水とを用いて行われる。加水分解が制御しやすい点では、酸触媒を用いることが好ましい。このとき、加水分解をさらに制御するために、一般的に知られている触媒等を添加してもよい。
ケイ素化合物(C)としては、例えば、下記式(c1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C1)が挙げられる。
Si(OR ・・・(c1)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の4つのRは同じであっても異なっていてもよい。)
式(c1)において、Rは、CH、C、またはCOCHであることが好ましい。式(c1)で表される化合物は1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
式(c1)で表される化合物を加水分解すると、ORがOHとなる。
式(c1)で表される化合物の加水分解物は、公知の方法により得ることができる。式(c1)で表される化合物の加水分解は、典型的には、酸またはアルカリ触媒とアルコールと水とを用いて行われる。加水分解が制御しやすい点では、酸触媒を用いることが好ましい。このとき、加水分解をさらに制御するために、一般的に知られている触媒等を添加してもよい。
組成物(I)は、必要に応じて、ガスバリア性や耐熱湿性を損なわない範囲で、水酸基含有高分子化合物(A)、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)、およびケイ素化合物(C)以外の他の成分をさらに含んでもよい。
他の成分としては、例えば、可塑剤、樹脂、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、アンチブロッキング剤、膜形成剤、粘着剤、酸素吸収剤、粘度鉱物等の添加剤が挙げられる。
組成物(I)において、水酸基含有高分子化合物(A)の含有量は、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、25〜30質量%であり、27〜30質量%であることが好ましい。つまり、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量およびケイ素化合物(C)のSiO換算量の合計と、の質量比((A)/[(B)+(C)])が、25/75〜30/70の範囲内であることが好ましい。水酸基含有高分子化合物(A)の含有量が前記範囲の下限値(25質量%)以上であると、組成物(I)の層5のガスバリア性が優れる。また、組成物(I)の層5の柔軟性にも優れ、積層シート10に折り曲げ、延伸等の物理的刺激(虐待)を加えたときに、積層シート10のガスバリア性が損なわれにくい。水酸基含有高分子化合物(A)の含有量が前記範囲の上限値(30質量%)以下であると、組成物(I)の層5の耐熱湿性が優れ、高温高湿条件下でもガスバリア性が劣化しにくい。
ケイ素化合物(C)のSiO換算量とは、ケイ素化合物(C)に含まれるケイ素原子が全てSiOになったと仮定した場合のSiOの質量であり、ケイ素化合物(C)が有するケイ素原子の量から算出される。
エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量は、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、5〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が前記範囲内であると、組成物(I)の層5の柔軟性を損なわずに耐熱湿性を高めることができる。エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が前記範囲の下限値(5質量%)未満であると、耐熱湿性が不十分になるおそれがあり、前記範囲の上限値(30質量%)超であると、組成物(I)の層5の柔軟性が低下したり、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)が有する官能基が孔となってガスバリア性が低下したりするおそれがある。
エポキシ基含有シランカップリング剤(B)として、式(b1)または(b2)で表される化合物の加水分解物を用いる場合、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量は、加水分解前の化合物の質量に基づいて算出される。また、ケイ素化合物(C)として、式(c1)で表される化合物の加水分解物を用いる場合、ケイ素化合物(C)のSiO換算量は、加水分解前の化合物の質量に基づいて算出される。
組成物(I)中、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量は、全固形分の質量に対し、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。該含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
組成物(I)の層5の厚さは、積層シート10の用途によっても異なるが、5〜300nmであることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
組成物(I)の層5の厚さが前記下限値(5nm)以上であると、耐熱湿性に優れる。前記上限値(300nm)以下であると、柔軟性に優れる。
(積層シートの製造方法)
積層シート10は、例えば、以下の(α1)および(α2)の工程を含む製造方法により製造できる。
(α1):基材1の一方の面上に、無機材料から構成されるガスバリア層3を形成する工程。
(α2):基材1のガスバリア層3が形成された側の面に、水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、ケイ素化合物(C)と、溶媒とを含むコーティング液(a)を塗工して前記コーティング剤(a)から構成される塗膜を形成し、前記塗膜を乾燥して組成物(I)の層5を形成する工程。
[工程(α1)]
ガスバリア層3を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えばガスバリア層3が蒸着膜である場合、公知の蒸着方法を用いることができる。蒸着方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法等が挙げられる。
真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が好ましい。蒸着膜の基材1への密着性および蒸着膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために、蒸着の際、酸素ガス等を吹き込んだりする反応蒸着を行ってもよい。
[工程(α2)]
コーティング液(a)は、溶媒を含むこと以外は、組成物(I)と同様である。
コーティング液(a)の溶媒としては、水、または、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく、水と炭素数1〜5の低級アルコールとの混合溶媒がより好ましい。
コーティング液(a)の塗工方法としては、特に限定は無く、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
塗膜の乾燥方法としては、特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられる。乾燥は、これらの方法のいずれかを単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には、通常、50〜160℃が好ましい。また、乾燥の際の圧力は、通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
なお、組成物(I)の層5を2層以上積層する場合(例えば基材1の両面上に積層する場合)、各層を形成するためのコーティング液(a)の塗工および乾燥は、連続的に行ってもよく、巻取り工程や養生工程を経て、不連続的に行ってもよい。
(作用効果)
積層シート10は、基材1上に無機材料から形成されたガスバリア層3および組成物(I)の層5を備えるため、酸素バリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性に優れる。
また、組成物(I)の層5は、柔軟性に優れる。そのため、積層シート10の耐虐待性が高く、折り曲げ、延伸といった虐待後もガスバリア性が劣化しにくい。
また、組成物(I)の層5は、耐熱湿性に優れる。そのため高温高湿下でも高いレベルでガスバリア性を発揮することができる。また、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理後においても高いレベルでガスバリア性を維持することができる。
<第二実施形態>
図2は、本発明の第二実施形態に係る積層シート20を模式的に示す断面図である。なお、以下に示す実施形態において、前出の第一実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
積層シート20は、基材1と、無機材料から形成されたガスバリア層3と、組成物(I)の層5と、以下の組成物(II)から形成された層(以下「組成物(II)の層」ともいう)7とを備える。組成物(II)の層7は、ガスバリア層3と組成物(I)の層5との間に設けられている。
組成物(II):水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)以外の他のケイ素化合物(C)とを含み、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含まない組成物。なお、組成物(II)はエポキシ基含有シランカップリング剤(B)を、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、5質量%未満含んでいてもよい。
積層シート20は、組成物(II)の層7をさらに備えること以外は第一実施形態と同様である。
(組成物(II)の層)
組成物(II)における水酸基含有高分子化合物(A)、ケイ素化合物(C)はそれぞれ組成物(I)で挙げたものと同様であり、好ましい態様も同様である。
組成物(II)は、必要に応じて、水酸基含有高分子化合物(A)、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)およびケイ素化合物(C)以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、組成物(I)で挙げたものと同様のものが挙げられる。
組成物(II)において、水酸基含有高分子化合物(A)の含有量は、水酸基含有高分子化合物(A)とケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計に対し、25〜30質量%であることが好ましく、27〜30質量%であることがより好ましい。水酸基含有高分子化合物(A)の含有量が前記範囲の下限値以上であると、組成物(II)の層7のガスバリア性、柔軟性がより優れる。水酸基含有高分子化合物(A)の含有量が前記範囲の上限値以下であると、組成物(II)の層7の耐熱湿性がより優れる。
組成物(II)が、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含有する場合、その含有量は、水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましい。
エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の含有量が前記範囲内であると、ガスバリア性がより優れる。
組成物(II)中、水酸基含有高分子化合物(A)の質量とケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量は、全固形分に対し、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。該含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
組成物(II)の層7の厚さは、積層シート10の用途によっても異なるが、5〜300nmであることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
組成物(II)の層7の厚さが前記下限値(5nm)以上であると、虐待を行っていない状態でのガスバリア性により優れる。前記上限値(300nm)以下であると、柔軟性に優れる。
(積層シートの製造方法)
積層シート20は、例えば、以下の(β1)、(β2)および(β3)の工程を含む製造方法により製造できる。
(β1):基材1の一方の面上に、無機材料から構成されるガスバリア層3を形成する工程。
(β2):基材1のガスバリア層3が形成された側の面に、水酸基含有高分子化合物(A)と、ケイ素化合物(C)と、溶媒とを含み、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含まないコーティング液(b)を塗工して前記コーティング剤(b)から構成される塗膜を形成し、前記塗膜を乾燥して組成物(II)の層7を形成する工程。
(β3):基材1のガスバリア層3および組成物(II)の層7が形成された側の面に、水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、ケイ素化合物(C)と、溶媒とを含むコーティング液(a)を塗工して前記コーティング剤(a)から構成される塗膜を形成し、前記塗膜を乾燥して組成物(I)の層5を形成する工程。
[工程(β1)]
工程(β1)は、前記工程(α1)と同様にして行うことができる。
[工程(β2)]
工程(β2)は、コーティング液(a)の代わりにコーティング液(b)を用いること以外は前記工程(α2)と同様にして行うことができる。
コーティング液(b)は、溶媒を含むこと以外は、組成物(II)と同様である。
コーティング液(b)の溶媒としては、水、または、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく、水と炭素数1〜5の低級アルコールとの混合溶媒がより好ましい。
[工程(β3)]
工程(β3)は、前記工程(α2)と同様にして行うことができる。
(作用効果)
積層シート20にあっては、基材1上に無機材料から形成されるガスバリア層3および組成物(I)の層5を備えるため、第一実施形態と同様に、ガスバリア性に優れる。また、組成物(I)の層5は柔軟性、耐熱湿性に優れる。また、組成物(II)の層7をさらに備えることで、虐待を行っていない状態でのガスバリア性がより優れる傾向がある。
<第三実施形態>
図3は、本発明の第三実施形態に係る積層シート30を模式的に示す断面図である。
積層シート30は、基材(第一の基材)1と、無機材料から形成されるガスバリア層3と、組成物(I)の層5と、他の基材(第二の基材)9とを備える。他の基材9は、組成物(I)の層5の上に、接着層11を介して積層されている。
積層シート30は、他の基材9および接着層11をさらに備えること以外は第一実施形態と同様である。
積層シート30は、ガスバリア層3と組成物(I)の層5との間に、組成物(II)の層7をさらに備えてもよい。この場合、積層シート30は、他の基材9および接着層11をさらに備えること以外は第二実施形態と同様である。
(他の基材)
他の基材9は、強度付与、シール性やシール時の易開封性付与、意匠性付与、光遮断性付与等の目的で積層されている。
他の基材9としては、目的に応じて適宜選択され、特に限定されないが、通常はプラスチックフィルム類や紙類が好ましい。プラスチックフィルム類や紙類は、1種を単独で用いても、2種以上を積層して用いてもよい。例えばプラスチックフィルム類と紙とを積層して用いてもよく、2種以上のプラスチックフィルム類を積層して用いてもよい。
積層シート30が、後述する縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、容器用蓋材、紙容器、真空断熱体等の成形品に用いられる場合、積層シート30の最表層に、他の基材9として、ヒートシール可能な層が配置されることが好ましい。これにより、積層シート30がヒートシール性を有する構成となり、成形品への加工が容易となる。
ヒートシール可能な層としては、ポリオレフィン層が好ましい。ポリオレフィンとしては、ヒートシールに適した構成であれば特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等が挙げられる。
ヒートシール可能な層の厚さは、特に限定されるものではないが、典型的には5〜300μmの範囲内、好ましくは10〜100μmの範囲内で適宜設定することができる。
(接着層)
接着層11は、組成物(I)の層5と他の基材9とを接着する層である。
接着層11の材質としては、特に限定はなく、例えばドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出しラミネート法等で用いられている公知の接着剤のなかから適宜選択できる。
(積層シートの製造方法)
積層シート30は、例えば、以下の(γ1)、(γ2)および(γ3)の工程を含む製造方法により製造できる。
(γ1):基材1の一方の面上に、無機材料から構成されるガスバリア層3を形成する工程。
(γ2):基材1のガスバリア層3が形成された側の面に、水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、ケイ素化合物(C)と、溶媒とを含むコーティング液(a)を塗工して前記コーティング剤(a)から構成される塗膜を形成し、前記塗膜を乾燥して組成物(I)の層5を形成する工程。
(γ3):基材1のガスバリア層3および組成物(I)の層5が形成された側の面に、接着層11を介して他の基材9を積層する工程。
[工程(γ1)]
工程(γ1)は、前記工程(α1)と同様にして行うことができる。
[工程(γ2)]
工程(γ2)は、前記工程(α2)と同様にして行うことができる。
[工程(γ3)]
他の基材9の積層方法としては、接着剤を用いてラミネート法により積層する方法が挙げられる。具体的なラミネート法としては、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出しラミネート法等が挙げられる。
(作用効果)
積層シート30にあっては、基材1上に無機材料から形成されるガスバリア層3および組成物(I)の層5を備えるため、第一実施形態と同様に、ガスバリア性に優れる。また、組成物(I)の層5は柔軟性、耐熱湿性に優れる。また、他の基材9によって、強度、シール性やシール時の易開封性、意匠性、光遮断性等の特性を付与することができる。
以上、実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
本発明の積層シートは、無機材料から形成されるガスバリア層3を有さなくてもよい。ガスバリア性、特に水蒸気バリア性、組成物(I)の層5を設けることの有用性の点では、ガスバリア層3を有することが好ましい。
第一〜第三実施形態では、基材1の一方の面上にガスバリア層3、組成物(I)の層5がこの順に積層した例を示したが、各層の配置はこれに限定されない。例えばガスバリア層3および組成物(I)の層5をそれぞれ基材1の両面に設けてもよく、基材1の一方の面上にガスバリア層3を設け、他方の面上に組成物(I)の層5を設けてもよい。耐虐待性の点では、基材1と組成物(I)の層5との間にガスバリア層3が設けられていることが好ましい。
第二実施形態における組成物(II)の層7や第三実施形態における他の基材9を、基材1の両面に設けてもよい。
本発明の積層シートは、基材1とガスバリア層3との間に、それらの密着性を高める目的で、アンカーコート層をさらに有していてもよい。
アンカーコート層を構成する材料としては、例えばウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、用途に応じてこれらに硬化剤、シランカップリング剤等、他の添加物が添加されていてもよい。特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物、シランカップリング剤の組み合わせが好ましい。この組み合わせから構成されるアンカーコート層を用いると、基材と蒸着層の間に、安定した高い密着性を得ることができる。
アンカーコート層の厚さは、基材1の面上における厚みが均一になる範囲であれば特に限定されないが、0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。アンカーコート層の厚さが前記範囲の下限値(0.01μm)以上であれば、アンカーコート層の厚さの均一性が高く、基材1に対するガスバリア層3の密着性がより優れる。アンカーコート層の厚さが前記範囲の上限値(2μm)以下であれば、アンカーコート層が十分なフレキシビリティを保持し、虐待等の外的要因による亀裂が生じにくい。
本発明の積層シートは、ガスバリア層3と組成物(I)の層5との間に、組成物(II)の層7以外の他の層を、組成物(II)の層7に代えて、又は組成物(II)の層7とともに、さらに有していてもよい。また、本発明の積層シートは、組成物(I)の層5の上(基材1側とは反対側)に、他の基材9および接着層11以外の他の層をさらに有していてもよい。
他の層としては、例えば、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与等の目的で、印刷層や蒸着層を設けることができる。
<用途>
本発明の積層シートの用途としては、包装材料が好ましい。本発明の積層シートは、上記のように、高温高湿下でも高いガスバリア性を発揮でき、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理後においても高いレベルでガスバリア性を維持することができる。また、虐待後もガスバリア性が劣化しにくいため、本発明の積層シートを用いて印刷工程やドライラミネート、溶融押し出しラミネート、熱圧着ラミネートなどの後加工を行い、食品、医薬品等の包装分野に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能である。
ただし本発明の積層シートの用途はこれに限定されるものではなく、包装材料以外の用途に用いることができる。包装材料以外の用途としては、例えばLCD用基板フィルム、有機EL用基板フィルム、電子ペーパー用基板フィルム、電子デバイス用封止フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、ICタグ用フィルム、太陽電池用バックシート、太陽電池用保護フィルムなどの電子デバイス関連フィルム、光通信用部材、電子機器用フレキシブルフィルム、燃料電池用隔膜、燃料電池用封止フィルム、各種機能性フィルムの基板フィルム等が挙げられる。
≪包装材料≫
本発明に係る包装材料は、前述の本発明の積層シートを含む。
本発明の包装材料は、本発明の積層シートのみから構成されていてもよく、本発明の積層シートと他の材料とを含む構成であってもよい。他の材料としては、例えば熱可塑性樹脂フィルム、紙等が挙げられる。
本発明の包装材料が適用される用途に特に限定はなく、様々な物品の包装材料として用いることができる。
本発明の積層シートがガスバリア性を有する場合、本実施形態の包装材料は、酸素、水蒸気等の影響により劣化しやすい物品の包装材料として好ましく用いられ、なかでも、食品用包装材料として好ましく用いられる。食品用包装材料以外にも、非食品用、例えば農薬や医薬などの薬品、医療用具、機械部品、精密材料等のための包装材料として好ましく用いることができる。
本発明の積層シートは耐熱湿性に優れており、熱水処理を施したときに、ガスバリア性や層間密着性が劣化しにくい。そのため、本発明の包装材料は、熱水処理用包装材料として有用である。
熱水処理としては、例えばボイル処理、レトルト処理等が挙げられる。
ボイル処理は、食品等を保存するため湿熱で殺菌する方法である。ボイル処理としては、内容物にもよるが、食品等を包装した包装材料を60〜100℃、大気圧下で、10〜120分の条件で殺菌処理を行う方法が挙げられる。
ボイル処理は、熱水槽を用いて行うことが好ましく、一定温度の熱水槽の中に浸漬し、一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式がある。
レトルト処理は、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法である。レトルト処理としては、食品等を包装した包装材料を、105〜140℃、0.15〜0.3MPaで、10〜120分の条件で加圧殺菌処理する方法が挙げられる。
レトルト処理に用いられるレトルト装置には、加熱蒸気を利用する蒸気式、加圧過熱水を利用する熱水式等があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分けられる。
熱水処理用包装材料で包装される内容物としては、特に限定されず、食品でも非食品でもよい。食品としては、例えばカレーや料理用調味ソース、食肉の加工品等が挙げられる。非食品としては、例えば輸液製剤等の医療品、半導体、精密材料等の産業品等が挙げられる。
≪成形体≫
本発明に係る成形品は、前述の本発明の包装材料を備える。
成形品としては、例えば、容器、容器の一部を構成する部材等が挙げられ、具体例としては、縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、容器用蓋材、紙容器、真空断熱体等が挙げられる。
本発明の成形品は、公知の方法により製造できる。例えば縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、容器用蓋材、紙容器、真空断熱体等の製造においては、通常、包装材料のヒートシールが行われる。そのため、これらの成形品を構成する包装材料としては、通常、一方または両方の最外層にヒートシール可能な層が配置されているものが好ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。後述する実施例1〜11は参考例である。
(調製例1)
重合度2400のPVA(クラレ製、PVA124、完全ケン化PVA)を固形分濃度が5質量%となるように水/メチルアルコール=90/10(質量比)の混合溶媒にて希釈し、PVA溶液を調製した。
次に、テトラエトキシシラン(Si(OC、以下「TEOS」と称す。)に0.1N塩酸を加え、30分間攪拌し加水分解させて固形分3質量%(SiO換算)のTEOS加水分解溶液を調製した。
別途、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下「GPTMS」と称す。)に0.1N塩酸を加え、30分間攪拌し加水分解させて固形分3質量%のGPTMS加水分解溶液を調製した。
PVA溶液とGPTMS加水分解溶液とTEOS加水分解溶液とを、固形分質量比でPVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)が25/5/70となるように混合し、コーティング液(a1)を調製した。
(調製例2)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を25/15/60としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a2)を調製した。
(調製例3)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を25/25/50としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a3)を調製した。
(調製例4)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を25/30/45としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a4)を調製した。
(調製例5)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を27.5/5/67.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a5)を調製した。
(調製例6)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を27.5/7/65.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a6)を調製した。
(調製例7)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を27.5/30/42.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a7)を調製した。
(調製例8)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を30/5/65としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a8)を調製した。
(調製例9)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を30/17.5/52.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a9)を調製した。
(調製例10)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を30/30/40としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a10)を調製した。
(調製例11)
GPTMSを3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(以下「GPTES」と称す。)に変更したこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(a11)を調製した。
(調製例12)
PVA溶液とTEOS加水分解溶液とを、固形分質量比でPVA/TEOS(SiO換算)が25/75となるように混合し、GPTMS加水分解溶液を加えなかったこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(b1)を調製した。
(調製例13)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を20/17.5/62.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(b2)を調製した。
(調製例14)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を35/17.5/47.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(b3)を調製した。
(調製例15)
PVA/GPTMS/TEOS(SiO換算)を27.5/35/37.5としたこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(b4)を調製した。
(調製例16)
GPTMSを3−アミノプロピルトリメトキシシラン(以下「APTMS」と称す。)に変更したこと以外は調製例1と同様にしてコーティング液(b5)を調製した。
(実施例1)
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:東レ製、ルミラー(登録商標)P60、厚さ12μm、内側コロナ処理)上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの蒸着膜(ガスバリア層)を形成した。
次に、このガスバリア層上に、コーティング液(a1)をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmの被膜(層(a1))を形成し、[PET/ガスバリア層/層(a1)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例2)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a2)を用いて被膜(層(a2))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a2)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例3)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a3)を用いて被膜(層(a3))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a3)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例4)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a4)を用いて被膜(層(a4))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a4)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例5)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a5)を用いて被膜(層(a5))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a5)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例6)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a6)を用いて被膜(層(a6))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a6)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例7)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a7)を用いて被膜(層(a7))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a7)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例8)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a8)を用いて被膜(層(a8))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a8)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例9)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a9)を用いて被膜(層(a9))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a9)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例10)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a10)を用いて被膜(層(a10))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a10)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例11)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(a11)を用いて被膜(層(a11))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(a11)]の構成を有する積層シートを得た。
(実施例12)
コーティング液(a1)に換えてコーティング液(b1)を用いて被膜(層(b1))を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って[PET/ガスバリア層/層(b1)]の構成を有する積層体を得た。
次に、得られた積層体の層(b1)上に、バーコーターによりコーティング液(a9)を塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚0.3μmの被膜(層(a9))を形成し、[PETフィルム/ガスバリア層/層(b1)/層(a9)]の構成を有する積層シートを得た。
(比較例1)
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:東レ製、ルミラー(登録商標)P60、厚さ12μm、内側コロナ処理)上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの蒸着膜(ガスバリア層)を形成した。
次に、このガスバリア層上に、コーティング液(b1)をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.6μmの被膜(層(b1))を形成し、[PET/ガスバリア層/層(b1)]の構成を有する積層シートを得た。
(比較例2)
コーティング液(b1)に換えてコーティング液(b2)を用いて被膜(層(b2))を形成したこと以外は、比較例1と同様の操作を行って積層シートを得た。
(比較例3)
コーティング液(b1)に換えてコーティング液(b3)を用いて被膜(層(b3))を形成したこと以外は、比較例1と同様の操作を行って積層シートを得た。
(比較例4)
コーティング液(b1)に換えてコーティング液(b4)を用いて被膜(層(b4))を形成したこと以外は、比較例1と同様の操作を行って積層シートを得た。
(比較例5)
コーティング液(b1)に換えてコーティング液(b5)を用いて被膜(層(b5))を形成したこと以外は、比較例1と同様の操作を行って積層シートを得た。
(評価)
[1.ラミネートフィルムの作製]
実施例1〜12および比較例1〜5で得られた積層シートを用い、以下の手順で、ラミネートシートを作製した。
積層シートの積層面に、Ny(延伸ナイロンフィルム)と、CPP(ポリプロピレンフィルム)とを、接着剤を用いて、HIRANO TECSEED社製のマルチコーターMC350により順次貼り合わせた。その後、40℃にて3日間養生して、[積層シート/接着剤/Ny/接着剤/CPP]の構成を有するラミネートシートを得た。
別途、積層シートの積層面に、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を貼り合わせ、[積層シート/接着剤/LLDPE]の構成を有するラミネートシートを得た。
なお、積層面とは、ガスバリア層および被膜が積層された面である。
接着剤としては、三井化学社製の2液硬化型接着剤、タケラックA525(主剤)/タケネートA52(硬化剤)を用いた。
Nyとしては、ユニチカ社製の延伸ナイロンフィルム、エンブレムONMB(15μm)を用いた。
CPPとしては、東レフィルム加工社製のポリプロピレンフィルム、トレファンZK93FM(60μm)を用いた。
LLDPEとしては、三井化学東セロ社製の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、TUX−TCS(60μm)を用いた。
得られたラミネートシートについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
[2.ガスバリア性(虐待前)の評価]
ラミネートフィルム(構成:積層シート/接着剤/LLDPE)について、以下の手順で、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。各データは測定のバラつきを考慮し、N=5で測定し、上下2点を除いた上で、N=3にて平均値をとり、その値を採用した。測定結果を「原紙」の酸素透過度および水蒸気透過度として表1に示す。なお、「原紙」とは、後述する虐待試験及びレトルト滅菌処理に付されていないラミネートフィルムであることを意味する。
「酸素透過度の測定」
酸素透過試験器(OXTRAN2/20、Modern Control社製)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で、サンプルの酸素透過度を測定した。測定方法は、JIS K−7126「B法(等圧法)」、および、ASTM D3985−81に準拠して、測定値を単位:cm(STP)/(m・day・MPa)で表記した。ここで、(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
「水蒸気透過度の測定」
水蒸気透過試験器(PERMATRAN3/31、Modern Control社製)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で、サンプルの水素透過度を測定した。
測定方法は、JIS K−7129、および、ASTM F1249−90に準拠して、測定値を単位:g(STP)/(m・day)で表記した。
[3.柔軟性の評価]
ラミネートフィルム(構成:積層シート/接着剤/LLDPE)を縦200mm×横150mmの大きさに切り出してサンプルとした。該サンプルについて、以下の虐待試験を行った。
サンプルを、東洋ボールドウィン社製のテンシロンを用いて、速度100μm/秒で縦方向に5%延伸し、その延伸状態を1分間保持した後、同様の速度でフィルムを元の位置に戻し、延伸した。
この虐待試験の後のサンプルについて、酸素透過度および水蒸気透過度を前記の測定方法により測定した。各データは測定のバラつきを考慮し、N=5で測定し、上下2点を除いた上で、N=3にて平均値をとり、その値を採用した。測定結果を「延伸後」の酸素透過度および水蒸気透過度として表1に示す。延伸後の値が原紙の値に近いほど、被膜の柔軟性が高く、延伸による積層シートのガスバリア性の劣化を抑制する効果が高いことを示す。
[4.耐熱湿性の評価]
ラミネートフィルム(構成:積層シート/接着剤/Ny/接着剤/CPP)を用いて、4辺をシール部とする縦210mm×横150mmの大きさのパウチを作製し、内容物として水を充填した。その後、121℃、30分間レトルト殺菌処理を行い、レトルト殺菌処理後の酸素および水蒸気透過度を測定した。その結果を「レトルト処理後」の酸素透過度および水蒸気透過度として表1に示す。レトルト処理後の値が原紙の値に近いほど、被膜の耐熱湿性が高く、高温高湿度条件下で被膜のガスバリア性が劣化しにくいことを示す。
Figure 0006947173
表1中、「(A)成分」は水酸基含有高分子化合物(A)、「Si剤」はシランカップリング剤、「(C)成分」はケイ素化合物(C)を示す。
上記結果に示すとおり、実施例1〜12の積層シートは、原紙の状態で高いガスバリア性を有していた。また、原紙における酸素透過度および水蒸気透過度の値と、延伸後、レトルト処理後それぞれにおける酸素透過度および水蒸気透過度の値との差が小さく、被膜の柔軟性および耐熱湿性に優れていた。
一方、被膜の形成に用いたコーティング液がエポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含まない比較例1、高分子化合物(A)とエポキシ基含有シランカップリング剤(B)とケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計に対する高分子化合物(A)の割合が25〜30質量%の範囲外である比較例2〜3、前記合計に対するエポキシ基含有シランカップリング剤(B)の割合が5〜30質量%の範囲外である比較例4、エポキシ基を含有しないシランカップリング剤を用いた比較例5の積層シートは、原紙における酸素透過度および水蒸気透過度の値と、延伸後またはレトルト処理後における酸素透過度および水蒸気透過度の値との差が大きかった。
本発明の積層シートは、高温高湿下でも高いガスバリア性を有し、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理後においても高いレベルでガスバリア性を維持することができる。また、折り曲げ、延伸といった虐待後もガスバリア性が劣化しにくい。
そのため、本発明の積層シートを用いて、印刷工程やドライラミネート、溶融押し出しラミネート、熱圧着ラミネートなどの後加工を行い、食品、医薬品等の包装分野に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能である。
本発明の積層シートは、包装材料以外の用途にも用いることができる。包装材料以外の用途としては、例えばLCD用基板フィルム、有機EL用基板フィルム、電子ペーパー用基板フィルム、電子デバイス用封止フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、ICタグ用フィルム、太陽電池用バックシート、太陽電池用保護フィルムなどの電子デバイス関連フィルム、光通信用部材、電子機器用フレキシブルフィルム、燃料電池用隔膜、燃料電池用封止フィルム、各種機能性フィルムの基板フィルム等が挙げられる。
1 基材
3 ガスバリア層
5 組成物(I)の層
7 組成物(II)の層
9 他の基材
10、20、30 積層シート
11 接着層

Claims (8)

  1. 基材と、
    水酸基含有高分子化合物(A)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(B)と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)以外の他のケイ素化合物(C)とを含む組成物(I)から形成された層と、
    組成物(II)から形成された層と、
    を備え、
    前記組成物(I)において、前記水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、前記ケイ素化合物(C)のSiO換算量との合計質量に対し、前記水酸基含有高分子化合物(A)の割合が25〜30質量%、前記エポキシ基含有シランカップリング剤化合物(B)の割合が5〜30質量%であり、
    前記組成物(II)は、前記水酸基含有高分子化合物(A)と、前記ケイ素化合物(C)とを含み、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)を含まず又は含み、前記水酸基含有高分子化合物(A)の質量と、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の質量と、前記ケイ素化合物(C)のSiO 換算量との合計質量に対し、前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)の割合が5質量%未満である、積層シート。
  2. 前記ケイ素化合物(C)が、下記式(c1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C1)を含む、請求項1に記載の積層シート。
    Si(OR ・・・(c1)
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の4つのRは同じであっても異なっていてもよい。)
  3. 前記エポキシ基含有シランカップリング剤(B)が、下記式(b1)で表される化合物およびその加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B1)を含む、請求項1または2に記載の積層シート。
    Si(OR ・・・(b1)
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、式中の3つのRは同じであっても異なっていてもよく、Rはエポキシ基を含む有機基である。)
  4. 無機材料から形成されるガスバリア層をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層シートを含む包装材料。
  6. 熱水処理用包装材料である、請求項5に記載の包装材料。
  7. 請求項5または6に記載の包装材料を備える成形品。
  8. 縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、容器用蓋材、紙容器または真空断熱体である、請求項7に記載の成形品。
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