WO2004025175A1 - 紫外線照射装置 - Google Patents

Abstract

　ランプハウスにねじれが生じても、ランプ自体にねじれが加わらないようにして破損を防止することができ、かつ、ランプの位置を固定維持して、ランプの放電容器の面と精密洗浄用のガラス基板等の表面との距離を一定に保つことのできる光照射装置を提供する。主として、支持部のうち一方は回転可能にランプを支持し、他方は回転を制限してランプを支持している構成とする。

Description

明 紫外線照射装置 技術分野

本発明は、 光照射装置に関するものであり、 特に、 エキシマランプ等 の紫外線ランプから放射される紫外線を照射する紫外線照射装置に関す る。 田 ' 背景技術 . エキシマランプは、 放電用ガスとして例えばキセノンが用いられた場 合、 中心波長が 1 7 2 n mの高エネルギーの真空紫外線を放射する。 こ こで、 真空紫外線とは、 波長が 2 0 0 n m以下 5 0 n m.以上の範囲の紫 外線をいう。 この真空紫外線を空気中で照射するとオゾンを発生させる ので、 このオゾンと透過した真空紫外線との相乗効果によって、 ガラス 基板等の表面の有機物等を分解飛散させて洗浄をおこなうことができる そのため、 主に 1 8 5 n mと 2 5 4 n mの波長の紫外線を放射する低圧 水銀灯に代えて、 液晶表示装置のガラス基板や半導体ウェハ等の精密洗 浄を行う紫外線照射装置の光源として用いられることが多くなつている 上記エキシマランプは、 合成石英ガラス製の放電容器内に放電用ガス を封入し、 これに高周波の高電圧を印加することにより誘電体バリァ放 電を起こさせて真空紫外線を放射するものである。

従来は、 特開 2 0 0 1— 2 4 3 9 2 0号公報に示すような二重構造の 円筒管や小径の円筒管の放電容器が使われることが多かったが、 最近で は、 特開 2 0 0 0— 2 6 0 3 9 6号公報に示すような方形箱形の放電容 器を用いたエキシマランプも開発されている。 このような方形箱形の放 電容器の方が、 放電容器から精密洗浄する液晶表示装置のガラス基盤や 半導体ウェハ等の表面までの距離を一定に保つことができるので、 空気 中で減衰しやすい真空紫外線を均一に照射することができるためである < このような放電容器を用いたエキシマランプは、 最近、 精密洗浄の対 象となる液晶表示装置のガラス基板等が 1 m角以上にまで大きくなつて いることから、 長くする必要が生じている。 そのため、 幅が数十 mm程 度であるにもかかわらず、 長さが 1 mを超えるような極めて細長い放電 容器が製作されることも少なくなく、 このような場合、 エキシマランプ を破損しやすくなつていた。

また、 第 5図に示すように、 紫外線照射装置は、 複数本のエキシマラ ンプ 1を取り付けたアルミニウム製のランプハウス 2を、 精密洗浄をす るガラス基板 3の搬送を行うコンベア 4の上方に配置して、 ヒンジ 2 a , 2 aによりこのコンベア 4上で開閉可能に設置されるものである。

したがって、 エキシマランプ 1の両端部がランプハウス 2に固定され ると、 ランプハウス 2を開閉する際に、 その自重によって枠全体にねじ れを生じるため、 エキシマランプ 1にもねじれの力が加わることになる, そのため、 エキシマランプ 1を紫外線照射装置として使用する場合には. そのねじれの力に耐えられず、 ランプハウス 2を開閉する際にランプを 破損するおそれがあるという第 1の問題が発生していた。

また、 二重構造の円筒管や小径の円筒管からなる放電容器を用いたェ キシマランプの中には、 電極の形状や配置等によって、 周囲に放射され る真空紫外線の強度分布が均一でないものがあり、 このような場合には. ランプハウスに対する放電容器の位置を固定維持しておかなければ、 液 晶表示装置のガラス基盤等を均一に洗浄できないが、 これは、 方形箱形 の放電容器を用いたエキシマランプの場合に、 特に問題となる。

すなわち、 方形箱形の放電容器を用いたエキシマランプの場合は、 円 筒管の放電容器を用いたエキシマ ンプよりも、 ランプの端面から精密 洗浄用のガラス基盤等までの距離を一定にできるという長所はあるもの の、 その形状の特長から、 ランプ全体としての周囲に放射される真空紫 外線の強度分布は均一ではない。 したがって、 ランプハウスに対するラ ンプの位置を固定維持しておかなければ、 ガラス基盤等を均一に洗浄で きない。

しかも、 真空紫外線が空気中で減衰しやすいために、 エキシマランプ は精密洗浄用のガラス基盤等に近接して配置されるものであるが、 方形 箱形の放電容器を用いたエキシマランプの位置が固定維持されていなけ れば、 エキシマランプが精密洗浄用のガラス基盤等に接触しまうおそれ もある。

しかしながら、 放電容器の位置をランプハウスに完全に固定維持して しまうと、 前に述べたように、 エキシマランプは、 ランプハウスの開閉 の際に加わるねじれの力に耐えられず、 ランプが破損してしまうおそれ があった。 以上のように、 第 1の問題と別の第 2の問題があった。 本発明は、 このような問題に鑑みなされたものであり、 ランプハウス にねじれが加わっても、 ランプの破損を防止することができる光照射装 置を提供することを目的としている。 また、 ランプハウスにランプを固 定維持して、 均一に光を放射する光照射装置を提供することを目的とし ている。 発明の開示

請求項 1の光照射装置は、 開閉可能なランプハウスを備えた光照射装 置であって、 ランプハウスにはランプを支持する支持部が設けられ、 当 該支持部のうち少なくとも一の支持部が可動であることを特徴とするも のである。 これによつて、 ランプハウスを開閉したときに、 ランプハウスの自重 によりランプハウスにねじれが生じても、 ランプが少なくとも一方の支 持部で動くために、 ランプに生じるねじれが抑制され、 ランプの破損の おそれがなくなる。 ここで、 可動とは、 ランプハウスを開閉する際にラ ンプに対して応力が加わるとランプが動くようになつている状態をいい たとえば、 ランプがランプハウスの変形に応じて回転したり、 あそびを 大きくして固定されていたりする等の状態をいう。

請求項 2の光照射装置は、 開閉可能なランプハウスを備えた光照射装 置であって、 ランプハウスにはランプを支持する支持部が設けられ、 当 該支持部のうち一方は回転可能にランプを支持し、 他方は回転を制限し てランプを支持していることを特徵とする。

これによつて、 ランプの支持部の一方が回転し、 他方が回転を制限し てランプを支持しているので、 ランプハウスにねじれが生じても、 回転 によりねじれを吸収してランプの破損のおそれを無くしつつ、 回転を制 限することによりランプの位置を一定に固定維持できるので、 光を均一 に照射することができる。

特に、 ランプが長手方向の両端で支持部により支持され、 一端部がラ ンプの長手方向に沿った軸を中心に回転可能に支持され、 他端部が、 前 記軸を中心とする回転を制限されて支持された構造とするのが良い。 こ のような構造では、 ねじれによりランプの一端部に微少なひねりが加わ つても、 他端部が回転可能に支持されるので、 ランプ全体が微少に回転 することになり、 このランプにねじれが生じるようなことがなくなる。 また、 このねじれによりランプの他端部の支持部に微少なひねりが加 わっても、 この他端部が回転可能に支持されるので、 ランプにひねりは 伝わらない。 したがって、 いずれの場合も、 ランプ自体にねじれが加わ ることがないので、 破損のおそれもなくなる。 なお、 ここでいう 「回転 を制限する」 とは、 例えば精度誤差等によるガ夕等のような一定範囲内 の回転や移動は許容するが、 この範囲を超えた回転や移動を許容しない ことをいう。

請求項 3の光照射装置は、 前記請求項 2の光照射装置において、 回転 可能にランプを支持する支持部が、 ランプに取り付けられる口金部材と ランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてなり、 当該支持部は. 口金部材と取付部材との一箇所の回転可能な嵌合機構を備えることを特 徵とする。

これによつて、 回転可能にランプを支持する支持部の回転部が、 口金 部材と取付部材との一箇所の回転可能な嵌合機構であるので、 口金部材 と取付部材との間で、 簡単に回転する支持部を具備させることができる, 嵌合機構は、 たとえば断面が円形の凸部と凹部とで構成することができ る。 また、 いずれか一方の断面の形状を多角形状とすることもできる。 請求項 4の光照射装置は、 前記請求項 2の光照射装置において、 回転 可能にランプを支持する支持部が、 ランプハウスに取り付けられる取付 部材を備えてなり、 当該支持部は、 取付部材とランプハウスとの一箇所 の回転可能な嵌合機構を備えることを特徴とする。

これによつて、 回転可能にランプを支持する支持部の回転部が、 取付 部材とランプハウスとの一箇所の回転可能な嵌合機構であるので、 取付 部材とランプハウスとの間で、 簡単に回転する支持部を具備させること ができる。

請求項 5の光照射装置は、 前記請求項 2の光照射装置において、 回転 を制限してランプを支持する支持部が、 ランプに取り付けられる口金部 材とランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてなり、 当該支持 部は、 口金部材と取付部材との二箇所以上の嵌合機構を備えることを特 徵とする。 これによつて、 口金部材と取付部材とが二箇所以上で嵌合するので、 簡単に回転を制限する機構を具備させることができる。 二箇所以上の嵌 合機構は、 それぞれ凸部と凹部とで構成することができ、 その断面形状 は円でも多角形でもよい。

請求項 6の光照射装置は、 前記請求項 2の光照射装置において、 回転 を制限してランプを支持する支持部が、 ランプに取り付けられる口金部 材とランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてなり、 当該支持 部は、 口金部材と取付部材との非円形の嵌合機構を備えることを特徴と する。

これによつて、 口金部材と取付部材とが、 断面を非円形とする形状で 嵌合するので、 簡単に回転を制限させることができる。 ここでいう 「非 円形の嵌合機構」 とは、 断面を非円形とする形状の凹部と凸部とで構成 して、 回転を制限できればよいので、 形状は、 円以外の形であればどの ような形でも良く、 たとえば、 三角形、 四角形等の多角形、 および楕円 形等がある。

請求項 7の光照射装置は、 前記請求項 1 、 2、 3、 4、 5又は 6の光 照射装置において、 ランプの形状が方形箱形であることを特徴とする。

これによつて、 ランプと精密洗浄の対象となるガラス基板等の表面と の距離を、 曲面形状たる円筒管の放電容器を用いる場合よりも一定にす ることができるという従来の発明の効果を得つつ、 ランプハウスの自重 によってランプハウスにねじれが生じても、 ランプ自体を破損すること がなくなる。 すなわち、 円筒管の放電容器を用いたランプよりも、 本発 明に係る効果を大きく得られる。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明の一実施形態を示すものであって、 エキシマランプ の取り付け構造を示す斜視図である。

第 2図は、 本発明の一実施形態を示すものであって、 エキシマランプ を取り付けた紫外線照射装置の構造を示す縦断面正面図である。

第 3図は、 本発明の一実施形態を示すものであって、 口金の形状が異 なるエキシマランプの他の例を示す斜視図である。

第 4図は、 方形箱形の放電容器を用いたエキシマランプの斜視図であ る。

第 5図は、 エキシマランプを用いた紫外線照射装置の構造を示す斜視 図である。

また、 いずれの図中においても、 1はエキシマランプ、 1 aは放電容 器、 l bは電極、 1 cは電極、 2はランプハゥス、 5は口金、 5 aは凹 部、 6は口金、 6 aは凹部、 7は取付部材、 7 aは凸部、 8は取付部材- および 8 aは凸部を示す。 発明を実施するための最良の形態

本発明を添付の図面にしたがって詳細に説明する。 ここで、 第 1図は- 本発明の一実施形態を示すものであって、 エキシマランプの取り付け構 造を示す斜視図である。 また、 第 2図は、 本発明の一実施形態を示すも のであって、 エキシマランプを取り付けた紫外線照射装置の構造を示す 縦断面正面図である。 また、 第 3図は、 本発明の一実施形態を示すもの であって、 口金の形状が異なるエキシマランプの他の例を示す斜視図で ある。 また、 第 4図は、 方形箱形の放電容器を用いたエキシマランプの 一例を示す斜視図である。 また、 第 5図は、 エキシマランプを用いた紫 外線照射装置の構造を示す斜視図である。

薄く細長い方形箱形の放電容器 1 aを用いるエキシマランプ 1を使用 した紫外線照射装置を例に挙げて、 これについて説明する。 このエキシ マランプ 1は、 第 4図に示すような薄く細長い方形箱形の放電容器 1 a が用いられている。 この放電容器 l aは、 横断面が横長の薄い方形とな る長尺の合成石英ガラス製の管の両端を塞ぎ、 内部にキセノンガスを充 填したものであり、 薄く細長い方形箱形である。

またこの放電容器 1 aは、 平坦な上下面にそれぞれ金属薄膜をパ夕一 ン形成することにより電極 1 b , 1 cを形成している。 放電容器 1 aの 上面の電極 l bは、 この平坦な上面のほぼ全面に形成されているが、 下 面の電極 1 cは網目状のパターンに形成され、 この網目の隙間から下方 に紫外線を照射することができるようになつている。 このような放電容 器に、 第 1図に示すように、 両端部にそれぞれセラミックス製の口金部 材 5， 6が取り付けられている。 口金部材 5， 6は、 互いに向かい合う 側面が開口した方形の容器状であり、 これらの開口部にエキシマランプ 1の端部が嵌入されるようになっている。

また、 一方 （第 1図の左下側） の口金部材 5は、 開口部とは反対側の 側面の両端部に丸穴状の凹部 5 a , 5 aが形成されていて、 他方 （第 1 図の右上側） の口金部材 6は、 開口部とは反対側の側面の中央部に丸穴 状の凹部 6 aが形成されている。 さらに、 これらの口金部材 5， 6は、 図示では省略しているが、 内部でエキシマランプ 1の電極 1 b , l cに 接続固定された配線が引き出されるようになつている。

また、 紫外線照射装置は、 第 2図に示すように、 アルミニウム製のラ ンプハウス 2の下部に、 上記エキシマランプ 1を複数本並べて取り付け たものである。 ランプハウス 2は、 エキシマランプ 1よりも十分に長い ランプハウス基板 2 bの下面の周囲を下部側壁 2 cで覆うとともに、 こ のランプハウス基板 2 bの上面の周囲も上部側壁 2 dで覆ったものであ る。 そして、 ランプハウス基板 2 bの下方の下部側壁 2 cの内側に、 複 数本のエキシマランプ 1が取り付けられるとともに、 このランプハウス 基板 2 b上の上部側壁 2 dの内側に、 これらのエキシマランプ 1の電源 部 2 e等が設置されている。 また、 このランプハウス 2は、 ランプハウ ス基板 2 bの端部に取り付けられた図示しないヒンジを介してコンベア 4の上方に取り付けられ、 このコンベア 4上で開閉可能になっている。 上記各エキシマランプ 1は、 それぞれ一対の取付部材 7 , 8を用いて ランプハウス基板 2 の下方の下部側壁 2 cの内側に取り付けられる。 一方 （第 2図の左側） の取付部材 7は、 ランプハウス基板 2 bの下方の 左端部に第 2 piの左右方向にスライド可能に配置され、 ばね 9， 9によ り右方向に付勢されている。 他方 （第 2図の右側） の取付部材 8は、 ラ ンプハウス基板 2 bの下方の右端部に固定されている。

また、 第 1図に示すように、 一方 （第 1図の左下側） の取付部材 7の 内側を向く面には、 エキシマランプ 1の一方の端部に取り付けられた上 記口金部材 5の凹部 5 a， 5 aに嵌合する 2箇所の凸部 7 a , 7 aが突 設され、 他方 （第 1図の右上側） の取付部材 8の内側を向く面には、 ェ キシマランプ 1の他方の端部に取り付けられた上記口金部材 6の凹部 6 aに嵌合する 1箇所の凸部 8 aが突設されている。 そして、 口金部材 6 と取付部材 8、 および口金部材 5及び取付部材 7が支持部の一部を構成 している。 さらに、 取付部材 8のランプハウスへの取付部分を含めて一 方の支持部を構成し、 また、 取付部材 7のランプハウスへのばね 9， 9 を介した取付部分を含めて他方の支持部を構成する。

上記構成の紫外線照射装置にエキシマランプ 1を取り付けるには、 ェ キシマランプ 1の一方の端部をランプハウス 2に対して傾けつつ、 端部 の口金部材 5をランプハウス 2の一方の取付部材 7に押し当てるととも に、 凹部 5 a， 5 aに凸部 7 a , 7 aを嵌合させる。 次に、 エキシマラ ンプ 1を一方の側に押すことにより取付部材 7をスライ ドさせてばね 9 9を圧迫する。 そして、 エキシマランプ 1の他方の端部の口金部材 6を、 取付部材 8 の手前側に配置させ、 ばね 9 , 9の付勢に従ってエキシマランプ 1を他 方側に移動させることにより、 口金部材 6の凹部 6 aに取付部材 8の凸 部 8 aを嵌合させる。 また、 これらの口金部材 5 , 6から引き出された 図示しない配線をランプハウス 2のランプハウス基板 2 b上に配置され た電源部 2 eに接続することにより取り付けが完了する。

上記のようにして紫外線照射装置に取り付けられた各エキシマランプ 1は、 電源部 2 eから供給される高周波の高電圧を電極 1 b , l c間に 印加されることにより、 放電容器 1 aの下面から下方に向けて真空紫外 線を放射する。 そして、 紫外線照射装置の下方のコンベア 4上にガラス 基板 3を載置して搬送することにより、 このガラス基板 3の表面に真空 紫外線を照射して精密洗浄を行うことができる。

この際、 エキシマランプ 1が放射する波長 1 7 2 n mの高エネルギー の真空紫外線は、 空気中で直ちに減衰するので、 放電容器 l aの下面と ガラス基板 3の表面との間が 3 mm以下の極めて短い一定の間隔となる ようにする必要がある。 すなわち、 ガラス基板 3が水平に搬送されるの であれば、 エキシマランプ 1の放電容器 1 aの下面も所定高さ位置で水 平状態を保つ必要があり、 このエキシマランプ 1の両端部のいずれかが 水平状態からずれたり、 回転を生じたりすることがないように、 エキシ マランプ 1をランプハウス 2に支持しなければならない。

従って、 エキシマランプ 1の両端部の水平状態からのずれに対しては. 口金部材 5， 6の凹部 5 a , 5 a , 6 aに取付部材 7 , 8の凸部 7 a， 7 a， 8 aを嵌合させることにより上下位置の制限を行い、 エキシマラ ンプ 1の長軸中心の回転に対しては、 一方の口金部材 5の 2箇所の凹部 5 a , 5 aに取付部材 7の 2箇所の凸部 7 a , 7 aを嵌合させることに より回転の制限を行う。 上記ランプハウス 2は、 ヒンジによってコンベア 4上で開閉可能とな るので、 この開閉操作の際に、 長尺で比較的薄いランプハウス基板 2 b がランプハウス 2の自重により撓んで両端部間にねじれが生じることが ある。 このため、 一方の取付部材 7にねじれが伝わり、 2箇所の凸部 7 a , 7 aと凹部 5 a， 5 aの嵌合によりエキシマランプ 1がー方の端部 からねじられたとしても、 他方の端部では口金部材 6が取付部材 8に対 して 1箇所の凹部 6 aと凸部 8 aの円形の嵌合により回転可能となるの で、 このエキシマランプ 1自体が少しの角度だけ長軸中心に回転し、 こ のエキシマランプ 1が両端部間でねじれることはない。

また逆に、 他方の取付部材 8にねじれが伝わった場合には、 この取付 部材 8が口金部材 6に対して 1箇所の凸部 8 aと凹部 6 aの円形の嵌合 により回転可能となるので、 エキシマランプ 1にはねじれが加わること がない。 従って、 ランプハウス 2の開閉操作によりランプハウス基板 2 が撓むようなことがあっても、 エキシマランプ 1がねじれることがな くなり、 放電容器 1 aの破損のおそれも生じない。

なお、 上記実施形態では、 方形箱形の放電容器 1 aを用いたエキシマ ランプ 1を示したが、 本発明で用いられる放電容器 1 aはどのような形 状のものであってもよい。 例えば、 二重構造の円筒管等のように、 軸中 心の回転体からなる放電容器 1 aを用いた場合には、 ランプハウス 2に 取り付けた後に、 この軸中心に回転したとしても、 真空紫外線は円周方 向に均一な強度分布で放射されるが、 このような放電容器 1 aであって も、 例えば半円筒状等の電極を使用した場合等のように電極の形状や配 置等によっては、 軸中心の回転角度位置に応じて真空紫外線の放射分布 に変化が生じることもあり、 このようなときには放電容器 1 aの回転を 制限して支持する必要が生じる。

また、 放電容器 l aは、 円筒形や角形のような直線状のものに限らず. 例えば U字管等のような曲がりのある形状のものであってもよい。 ただ し、 両端部にねじれが加わり易く破損の可能性が高い長尺な形状の放電 容器 l aほど、 本発明を効果的に実施することができる。

また、 上記実施形態では、 エキシマランプ 1を空気中に配置した開放 型の紫外線照射装置を示したが、 エキシマランプ 1の周囲を窒素ガス等 でガスパージした紫外線照射装置の場合であっても、 ランプハウス 2に 取り付けた後に、 エキシマランプ 1が軸中心に回転して真空紫外線の放 射分布に変化が生じると、 実際にガラス基板 3の表面に照射される真空 紫外線にもむらが生じる場合がある。 このような場合にも、 放電容器 1 aの回転を制限して支持する必要が生じる。

また、 上記実施形態では、 エキシマランプ 1の両端部の周囲を取り囲 むような口金部材 5， 6を用いる場合を示したが、 第 3図に示すように 縦断面がコの字形状となり、 放電容器 1 aよりも幅の狭い口金部材 5 , 6を用いることもできる。 このような口金部材 5 , 6を用いると、 放電 容器 1 aの幅方向にこれらの口金部材 5， 6が余分に突出することがな くなるので、 エキシマランプ 1をこの幅方向に隙間なく並べて配置する ことができるようになる。

また、 上記実施形態では、 エキシマランプ 1の口金部材 5 , 6に丸穴 状の凹部 5 a， 5 a , 6 aを設け、 取付部材 7 , 8に凸部 7 a , 7 a , 8 aを設ける場合を示したが、 これらの凹部と凸部を、 それぞれ逆に設 けて嵌合させてもよい。 さらに、 一方の口金部材 5と取付部材 7は、 ェ キシマランプ 1の回転を制限できればよいので、 3箇所以上の凹部と凸 部、 または多角形若しくは楕円形の凹部と凸部とを嵌合させて回転を制 限するものであってもよい。

また、 一方の口金部材 5と取付部材 7は、 エキシマランプ 1が少なく とも回転することを制限すればよいので、 凹部と凸部を嵌合させる以外 の任意の係合手段を用いてもよく、 たとえば、 ねじ止めや嵌め込み等に よって固定するようにしてもよい。 さらに、 他方の口金部材 6と取付部 材 8も、 エキシマランプ 1を回転可能にすればよいので、 凹部と凸部を 嵌合させる以外の任意の軸支手段を用いてもよい。

また、 一方の口金部材 5と取付部材 7を回転可能にし、 他方の口金部 材 6と取付部材 8の回転を制限するようにしてもよい。 さらに、 ばね 9 9は、 一方の取付部材 7に取り付ける他に、 他方の取付部材 8に取り付 けることもでき、 双方の取付部材 7， 8に取り付けるようにしてもよい しかも、 エキシマランプ 1は、 必ずしも口金部材 5 , 6を用いて支持す る必要はなく、 また、 取付部材 7 , 8を用いない取り付け方法によって 支持してもよい。

また、 このエキシマランプ 1の両端部とは、 必ずしもランプの長手方 向の両端部に限らないが、 長手方向の両端部で支持した場合の方が、 紫 外線照射装置のねじれをエキシマランプ 1が受け易くなることになるた め、 本発明の効果は大きくなる。 ここで、 回転や移動を制限するとは、 例えば精度誤差等によるガ夕等のような一定範囲内の回転や移動は許容 するが、 この範囲を超えた回転や移動を許容しないことをいう。

また、 上記実施形態では、 誘電体バリア放電によるエキシマ発光を利 用して真空紫外線を放射するエキシマランプ 1を用いた光照射装置につ いて示したが、 用いるランプはどのような種類のものでもよく、 たとえ ば、 他のエキシマ発光によるものや、 エキシマ発光以外の低圧水銀灯等 の紫外線ランプでも同様に.実施可能である。

さらに、 上記実施形態では、 紫外線ランプが放射する紫外線を精密洗 浄に用いる場合について示したが、 ランプが他の用途に用いられるもの であっても同様に実施することが可能である。 産業上の利用可能性

本発明によれば、 ランプハウスの開閉にともなうランプの破損を抑制 した紫外線照射装置を製造することが可能になる。 また、 ランプ取付位 置も、 ランプハウスに対して固定維持することが可能となる。 このよう な紫外線照射装置は、 たとえばガラス基板や半導体ウェハ等の精密洗浄 を行う紫外線照射装置等に用いることができ、 産業上利用することがで きるものである。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 開閉可能なランプハウスを備えた光照射装置であって、 ランプハウ スにはランプを支持する支持部が設けられ、 当該支持部のうち少なくと も一の支持部が可動であることを特徴とする光照射装置。

2 . 開閉可能なランプハウスを備えた光照射装置であって、 ランプハウ スにはランプを支持する支持部が設けられ、 当該支持部のうち一方は回 転可能にランプを支持し、 他方は回転を制限してランプを支持している ことを特徴とする光照射装置。

3 . 回転可能にランプを支持する前記支持部が、 ランプに取り付けられ る口金部材とランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてなり、 当該支持部は、 口金部材と取付部材との一箇所の回転可,能な嵌合機構を 備えることを特徴とする請求項 2記載の光照射装置。

4 . 回転可能にランプを支持する前記支持部が、 ランプ八ウスに取り付 けられる取付部材を備えてなり、 当該支持部は、 取付部材とランプハウ スとの一箇所の回転可能な嵌合機構を備えることを特徴とする請求項 2 記載の光照射装置。

5 . 回転を制限してランプを支持する前記支持部が、 ランプに取り付け られる口金部材とランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてな り、 当該支持部は、 口金部材と取付部材との二箇所以上の嵌合機構を備 えることを特徴とする請求項 2記載の光照射装置。

6 . 回転を制限してランプを支持する前記支持部が、 ランプに取り付け られる口金部材とランプハウスに取り付けられる取付部材とを備えてな り、 当該支持部は、 口金部材と取付部材との非円形の嵌合機構を備える ことを特徴とする請求項 2記載の光照射装置。

7 . ランプの形状が方形箱形であることを特徴とする請求項 1 、 2 、 3 4、 5又は 6に記載の光照射装置。