JP2004097986A - 紫外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気中に配置した真空紫外線を放射するエキシマランプ1の上方に、このエキシマランプ1から放射された真空紫外線の強度を測定する紫外線強度センサ3が配置されると共に、この紫外線強度センサ3をエキシマランプ1の上方3mm程度(d1)に接近した位置と上方10mm以上(d2)に離反した位置に移動可能とするエアシリンダ4が設けられた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマランプ等の紫外線ランプから放射される真空紫外線を被処理物に照射する紫外線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエキシマランプ1は、図2に示すように、合成石英ガラス製の内管と外管を同心状に配置し、これら内外管の間隙にキセノン等の放電用ガスを充填して両端を密閉した二重円筒状の放電容器1aを用いたものが多かった(例えば、特許文献1参照。)。このエキシマランプ1は、放電容器1aの内管の内周と外管の外周に電極1b,1cを配置し、これらの電極1b,1c間に高周波の高電圧を印加することにより、放電用ガスにエキシマ発光を行わせるようにしたものであり、外管の外周の電極1cの網目の隙間から紫外線を円筒状の周囲に放射するようになっている。このようにしてエキシマランプ1から放射される紫外線は、中心波長が172nm(放電用ガスがキセノンの場合であり、以下同じ)の高エネルギーの真空紫外線となるので、主に185nmと254nmの波長の紫外線を放射する低圧水銀灯を用いた紫外線照射装置よりも効率のよい精密洗浄等を行うことができる。
【0003】
真空紫外線は、波長が200nm以下50nm以上の範囲の紫外線をいう。この真空紫外線は、空気中の酸素に吸収されてオゾンを発生させるので、この空気中で、液晶表示装置のガラス基板や半導体ウエハ等の被処理物の表面に照射することにより、発生したオゾンと透過した真空紫外線の相乗効果によって被処理物の表面の有機物等を分解飛散させて洗浄を行うことができる。ただし、この真空紫外線は、酸素に吸収されるために、空気中では直ぐに減衰して短い距離しか到達することができず、しかも、波長が短くなるほど空気中での吸収率が急激に上昇する。即ち、空気中では、例えば波長が185nmの場合には、10mm程度の距離を進む間に約10%の真空紫外線が吸収されることになるが、波長が172nmの場合には、さらに短い距離で真空紫外線のほとんどが吸収される。
【0004】
上記のように、波長が172nmの高エネルギーの真空紫外線を放射するエキシマランプ1を用いる精密洗浄用の紫外線照射装置は、空気中で搬送される被処理物の上方10mm以内の極めて短い距離から真空紫外線を照射しなければ、この真空紫外線が被処理物の表面に到達しないことになる。そこで、従来は、図3に示すように、内部を窒素ガスで満たしたランプハウス2内にエキシマランプ1を収納した紫外線照射装置を用いていた。このランプハウス2は、アルミニウム製の筐体の下面に合成石英ガラス製のガラス板2aを嵌め込んだものであり、この筐体の内部には、複数本のエキシマランプ1が並べて取り付けられると共に、各エキシマランプ1の両側上方に反射板2bが配置されている。また、このランプハウス2には、側面に貫通して取り付けられたガスポート2cを通して窒素ガス(N2)が供給され、この筐体内部を窒素ガスパージするようになっている。被処理物Aは、この紫外線照射装置の下方を搬送され、この被処理物Aの表面とランプハウス2のガラス板2aとの間隙d0が3mm程度となるようにしている。従って、エキシマランプ1から放射された真空紫外線は、筐体内部を通ってガラス板2aを透過し、空気中を通って被処理物の表面に照射される。この際、二重円筒状の放電容器1aから周囲に放射状に放射された真空紫外線は、直接又は反射板2bで反射されてガラス板2aに到達することになり、その放射角度に応じてガラス板2aに至るまでの距離がそれぞれ異なるようになるが、いずれの場合も窒素ガスパージされた筐体内部を通るので、この間に酸素に吸収されることがなく、距離が長い場合にも大幅に減衰するようなことがなくなる。そして、これにより、ガラス板2aを透過した真空紫外線は、空気中の3mm程度の間隙を通って被処理物Aの表面にほぼ均等に照射することができるようになる。
【0005】
上記エキシマランプ1は、使用に伴う劣化によって、放射する真空紫外線の強度が徐々に低下し、被処理物Aの表面を洗浄する効果も低下するので、この真空紫外線の強度を随時検査して、強度が所定値以下に低下するとエキシマランプ1を交換する必要がある。このため、従来は、各エキシマランプ1の上方のランプハウス2の天井面にそれぞれ開口部2dを設け、この開口部2dの上に紫外線強度センサ3を取り付けることにより、各エキシマランプ1が放射する真空紫外線の強度を随時測定するようにしていた。紫外線強度センサ3は、洗浄に必要となる短波長の真空紫外線だけを透過するフィルタ3aと、このフィルタ3aを透過した真空紫外線の強度を測定するフォトダイオード3bとからなる。また、フィルタ3aに代えて、洗浄に必要となる短波長の真空紫外線を可視光に変換する蛍光体を用い、この可視光の強度をフォトダイオード3bで測定する場合もある。ただし、このフォトダイオード3bやフィルタ3a又は蛍光体は、長期間真空紫外線の照射を受けると劣化するので、紫外線強度センサ3の光路の入り口には、検査時以外はエキシマランプ1からの真空紫外線を遮断することができるシャッタ3cが設けられる場合もある。
【0006】
また、ランプハウス2に上記紫外線強度センサ3を取り付ける代わりに、治具にセットした紫外線強度センサを手作業で被処理物Aの搬送路に通し、この搬送路に照射される真空紫外線の強度を検査する場合もあった。
【0007】
上記二重円筒状の放電容器1aに代えて、方形箱形の放電容器1aを用いたエキシマランプ1も開発されている(例えば、特許文献2参照。)。図4に薄く細長い方形箱形の放電容器1aを用いたエキシマランプ1の例を示す。このエキシマランプ1は、放電容器1aの下面が平坦であるため、この下面を被処理物Aの表面の上方に3mm程度の間隙を開けて配置することにより、周囲を窒素ガス等の不活性ガスでガスパージすることなく直接空気中に配置することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−243920号公報(図4)
【特許文献2】
特開2000−260396号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図4に示すように、エキシマランプ1を空気中に配置した場合には、紫外線強度センサ3のフォトダイオード3bを放電容器1aの上方の極めて近い位置に配置しなければならず、このエキシマランプ1とフォトダイオード3bとの間にシャッタ3cのような機械構造を配置するスペースの余裕がなくなるので、このフォトダイオード3bやフィルタ3a又は蛍光体が長期間真空紫外線の照射を受けることにより劣化するおそれがあるという問題があった。しかも、エキシマランプ1の発熱によって、極めて近い位置に配置されるこのフォトダイオード3bが異常な高温になるのを防止するための熱対策が必要になるという問題も生じていた。
【0010】
また、紫外線強度センサを手作業で被処理物Aの搬送路に通す場合には、検査のたびにラインを一旦止めてこの紫外線強度センサを治具にセットし搬送路に載置する必要があるので、検査作業が面倒なものになるという問題があった。
【0011】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、検査時以外は紫外線強度センサを紫外線ランプから離反させることにより、この紫外線強度センサの真空紫外線による劣化を防止すると共に熱の影響も受けないようにすることができる紫外線照射装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の紫外線照射装置は、真空紫外線を放射する紫外線ランプの近傍の空気中に、放射された真空紫外線の強度を測定する紫外線強度センサが配置されると共に、この紫外線強度センサを紫外線ランプに接近した位置と離反した位置に移動可能とするセンサ移動機構が設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によれば、センサ移動機構により、紫外線強度センサを紫外線ランプに接近させたり離反させたりすることができる。従って、紫外線ランプが放射する真空紫外線の強度を検査する場合には、センサ移動機構により紫外線強度センサを紫外線ランプに接近させることができるので、この真空紫外線が紫外線強度センサに達する前に空気中で減衰してしまうようなことがなくなる。また、検査時以外は、センサ移動機構により紫外線強度センサを紫外線ランプから離反させておけば、真空紫外線が空気中で減衰して紫外線強度センサに到達することがなくなるので、センサ素子等の劣化を防止することができるようになる。しかも、紫外線ランプが発した熱が紫外線強度センサに直接伝わることもなくなるので、この紫外線強度センサに特別の熱対策を施す必要もなくなる。
【0014】
請求項2の紫外線照射装置は、前記紫外線ランプが被処理物の上方に配置されたランプハウス内に取り付けられると共に、このランプハウスの上部に設けられた前記センサ移動機構が紫外線強度センサを紫外線ランプの上方で上下移動可能にしたことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によれば、被処理物の上方に配置されたランプハウスに、紫外線ランプが取り付けられると共に、この紫外線ランプの上方で紫外線強度センサを上下移動可能にするセンサ移動機構が設けられるので、被処理物の処理装置を容易に構成することができ、この被処理物が下方を搬送中にも、紫外線ランプが放射する真空紫外線の強度を上方で検査することができるようになる。
【0016】
なお、上記紫外線ランプとして、放電用ガスを密封した方形箱形の石英ガラス製の放電容器の対向する両ガラス壁表面にそれぞれ電極を設けたエキシマランプを用いることができる。本発明によれば、このように平坦な面を有する方形箱形の放電容器を用いた場合に、紫外線ランプの周囲を不活性ガスで覆うことなく、空気中で被処理物の平坦な表面の近くにこの紫外線ランプを配置することができるようになる。しかも、この紫外線ランプとして、真空紫外線を効率よく放射することができるエキシマランプを用いることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態を示すものであって、紫外線照射装置の構造を示す縦断面側面図である。なお、図2〜図4に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0019】
本実施形態は、図4に示したものと同様の方形箱形の放電容器1aを用いるエキシマランプ1を使用した紫外線照射装置について説明する。このエキシマランプ1の放電容器1aは、合成石英ガラス製の長い管を横断面が横長の薄い方形となるように成形し、内部にキセノンガスを充填して両端を密閉することにより、薄く細長い方形箱形としたものである。また、この放電容器1aは、平坦な上下のガラス壁表面にそれぞれ金属薄膜をパターン形成することにより電極1b,1cを形成している。放電容器1aの上面の電極1bは、この平坦な上面のほぼ全面に形成されているが、端部に一部だけパターンに切り欠きが設けられ、検査用に紫外線を上方に照射させるための検査窓1dとしている。放電容器1aの下面の電極1cは、網目状のパターンに形成され、この網目の隙間から下方に紫外線を照射することができるようになっている。
【0020】
本実施形態の紫外線照射装置は、図1に示すように、アルミニウム製の筐体からなるランプハウス2の下部に、上記エキシマランプ1を複数本並べて取り付けたものである。ランプハウス2は、下面が開放された筐体であり、各エキシマランプ1は、放電容器1aの下面がこの筐体の下面よりもわずかに上方に引っ込んだ高さ位置で水平となるように並べて配置されている。これらのエキシマランプ1は、実際には、それぞれ両端部に取り付けた図示しないホルダにより係止されると共に、図示しない高周波の高電圧の電源回路に電極1b,1cが接続されるようになっている。このように、ランプハウス2の筐体の内部は、窒素ガスパージされていないので、各エキシマランプ1も空気中に配置されることになる。
【0021】
上記ランプハウス2の天井面には、各エキシマランプ1の端部の上方にそれぞれ開口部2dが設けられている。また、このランプハウス2の天井面上には、エアシリンダ4が取り付けられている。エアシリンダ4は、ピストンロッドの上下動によって、各開口部2dに嵌入させた紫外線強度センサ3をそれぞれ下方に突出させたり上方に引き戻すことができるようになっている。各紫外線強度センサ3は、図3に示した従来例と同様に、下方から光路に侵入した紫外線をフィルタ3aを介しフォトダイオード3bで受光するようにしたセンサであるが、光路の入り口には従来のようなシャッタ3cは設けられていない。これらの紫外線強度センサ3が図1の1点鎖線に示すように開口部2dの下方に突出すると、各紫外線強度センサ3の光路の入り口が、それぞれ対応するエキシマランプ1の上面の検査窓1dの直ぐ上に位置するようにしている。また、この際、検査窓1dからフォトダイオード3bの受光部又はフィルタ3aまでの距離d1が5mm以下、好ましくは3mm以下となるように、エアシリンダ4のピストンロッドの動作を設定している。ここで、フィルタ3aとフォトダイオード3bの受光部との間に空気がある場合には、この受光部と検査窓1dとの間が5mm以下となるようにする。また、フィルタ3aと受光部との間に隙間がない場合や窒素ガス等の不活性ガスが充填されて密閉されている場合には、フィルタ3aと検査窓1dとの間を5mm以上とすることもできる。これらの紫外線強度センサ3が図1の実線に示すように開口部2dの上方に引き戻された場合には、各紫外線強度センサ3の光路の入り口が検査窓1dの上方10mm以上の距離d2に位置するようにエアシリンダ4のピストンロッドの動作を設定している。
【0022】
上記構成の紫外線照射装置は、被処理物Aの搬送路の上方に設置することにより、この搬送路を通る被処理物Aの表面の上方に3mm程度の間隔d0を開けて各エキシマランプ1の放電容器1aの下面が位置するように配置される。この状態で各エキシマランプ1の電極1b,1cに高周波の高電圧を印加すると、放電容器1aの下面から電極1cの網目の隙間を抜けて放射された真空紫外線が、空気中の3mm程度の間隙を通って被処理物Aの表面に照射されるので、この空気中の酸素に吸収されて発生したオゾンとこの間隙を透過した真空紫外線との相乗効果によって被処理物Aの表面が精密洗浄される。
【0023】
また、この紫外線照射装置の各エキシマランプ1は、劣化により真空紫外線の強度が徐々に低下して被処理物Aの表面を洗浄する効果も低下するので、その前に新しいエキシマランプ1に交換する必要がある。そこで、この紫外線照射装置は、例えば一定期間経過ごとや一定処理時間経過ごとに各エキシマランプ1が放射する真空紫外線の強度を検査する。このエキシマランプ1の検査時には、各紫外線強度センサ3がエアシリンダ4によって開口部2dの下方に突出される。すると、これらの紫外線強度センサ3の光路の入り口が、それぞれ対応するエキシマランプ1の検査窓1dの直ぐ上に配置されるので、この検査窓1dを通して放出された真空紫外線が空気中を3mm程度の距離d1だけ通過してフォトダイオード3bの受光部に到達する。従って、この真空紫外線は、空気中である程度は減衰するが、エキシマランプ1から放射されたものの一部は一定の割合で確実にフォトダイオード3bに受光されるので、このフォトダイオード3bでの受光量を測定すればエキシマランプ1が放射する真空紫外線の強度を検査することができる。そして、これにより、真空紫外線の強度が所定値以下に低下したことを検出すると、この検出したエキシマランプ1だけを交換することにより、まだ劣化していないエキシマランプ1を交換する無駄をなくすと共に、この交換が遅れて被処理物Aの精密洗浄が不十分になるおそれもなくすことができる。
【0024】
上記各紫外線強度センサ3は、検査時以外は、エアシリンダ4によってランプハウス2の天井面の開口部2dの上方に引き戻されている。このため、エキシマランプ1の検査窓1dを通して上方に放射された真空紫外線は、空気中で減衰されるために10mm以上の距離d2を離れた紫外線強度センサ3に到達することができないので、この紫外線強度センサ3のフォトダイオード3bやフィルタ3aが真空紫外線の照射により劣化されるのを防ぐことができるようになる。しかも、エキシマランプ1から十分に離れた位置に配置されるので、このエキシマランプ1の発熱により紫外線強度センサ3の温度が異常に上昇するようなこともなくなるので、フォトダイオード3b等を保護するための特別の熱対策も不要となる。
【0025】
なお、上記実施形態では、方形箱形の放電容器1aを用いたエキシマランプ1を示したが、このエキシマランプ1を空気中に配置する紫外線照射装置であれば放電容器1aはどのような形状のものであっても同様に実施可能である。例えば、極めて小径の管からなる放電容器1aを用いたエキシマランプ1をできるだけ近接させて多数並べて配置することによりほぼ面光源状に真空紫外線を放射するようにした紫外線照射装置の場合にも、窒素ガス等による不活性ガスパージが不要となり、これらのエキシマランプ1の真空紫外線の強度を本実施形態と同様の構成の紫外線強度センサ3で検査することができる。
【0026】
また、上記実施形態では、各エキシマランプ1ごとに紫外線強度センサ3を配置した場合を示したが、必ずしもエキシマランプ1の1本ごとに紫外線強度センサ3を配置する必要はなく、複数本のエキシマランプ1の真空紫外線の強度を1個の紫外線強度センサ3で検査するようにしてもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、誘電体バリア放電によるエキシマ発光を利用したエキシマランプ1について示したが、真空紫外線を放射する紫外線ランプであれば、他のエキシマ発光によるものやエキシマ発光以外の例えば低圧水銀灯等の紫外線ランプにも同様に実施可能である。ただし、波長が200〜50nmの範囲の真空紫外線であっても、例えば波長185nmの長波長のものは、空気中を10mm程度離れても十分に減衰しないので、検査時以外には紫外線強度センサ3をさらに遠くに離反させる必要がある。この紫外線強度センサ3の接近距離と離反距離は、使用する真空紫外線の波長に応じて適宜定めるようにする。
【0028】
また、上記実施形態では、所定波長範囲の真空紫外線を透過させるフィルタ3aと、この真空紫外線の波長範囲まで感度を有するフォトダイオード3bとからなる紫外線強度センサ3について説明したが、紫外線ランプが放射する真空紫外線、特に精密洗浄に有効な波長範囲の真空紫外線の強度を測定するものであれば、この紫外線強度センサ3の構成は限定されない。例えば、フォトダイオード3bの感度特性が所定波長範囲の真空紫外線に限られる場合には、フィルタ3aは不要となる。また、従来例でも説明したように、このフィルタ3aに代えて蛍光体を用いることもできる。さらに、フォトダイオード3b以外のセンサ素子を用いることも可能である。
【0029】
また、上記実施形態では、紫外線強度センサ3が上下方向に移動することにより、エキシマランプ1から離反したり接近する場合を示したが、この移動方向は任意であり、例えば水平方向に移動することによりエキシマランプ1から離反したり接近するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、この紫外線強度センサ3を移動させるセンサ移動機構としてエアシリンダ4を示したが、紫外線強度センサ3を移動可能にする機構であれば、どのような構成のものであってもよい。例えば油圧シリンダやリンク機構、歯車機構等を用いることもでき、エアーや油圧以外に、モータ駆動等で動作するものであってもよく、レバー等により手動で動作するものであってもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、紫外線ランプが放射する真空紫外線を精密洗浄に用いる場合について示したが、他の用途に用いるものであっても同様に実施可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の紫外線照射装置によれば、空気中に配置した紫外線ランプの真空紫外線の強度検査時に紫外線強度センサを紫外線ランプに接近させることにより、この真空紫外線の空気中での減衰を防ぐと共に、検査時以外は紫外線強度センサを離反させることにより、紫外線強度センサの劣化を防止し紫外線ランプからの熱の影響も回避させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、紫外線照射装置の構造を示す縦断面側面図である。
【図2】従来例を示すものであって、二重円筒状の放電容器を用いたエキシマランプの斜視図である。
【図3】従来例を示すものであって、紫外線照射装置の構造を示す縦断面側面図である。
【図4】方形箱形の放電容器を用いたエキシマランプの斜視図である。
【符号の説明】
1 エキシマランプ
1a 放電容器
1b 電極
1c 電極
1d 検査窓
2 ランプハウス
2d 開口部
3 紫外線強度センサ
3a フィルタ
3b フォトダイオード
4 エアシリンダ
Claims (2)
- 真空紫外線を放射する紫外線ランプの近傍の空気中に、放射された真空紫外線の強度を測定する紫外線強度センサが配置されると共に、この紫外線強度センサを紫外線ランプに接近した位置と離反した位置に移動可能とするセンサ移動機構が設けられたことを特徴とする紫外線照射装置。
- 前記紫外線ランプが被処理物の上方に配置されたランプハウス内に取り付けられると共に、このランプハウスの上部に設けられた前記センサ移動機構が紫外線強度センサを紫外線ランプの上方で上下移動可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
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