受信装置及び受信方法、 並びに伝送路特性測定装置
技術分野
本発明は、 直交周波数分割多重 (以下, OFDM (orthogonal frequency div ision multiplex) と称する) 方式で伝送された信号を受信する技術に関する。
明 背景技術 田 近年、 デジタル伝送技術の急速な進展により、 衛星放送、 ケーブルテレビ放送 に続いて、 地上波放送においても、 デジタル放送が本格的な実用化段階に入ろう としている。 特に OFDM方式は、 欧州における地上デジタルテレビジョン放送 方式として既に実用化され、 また日本においても地上デジタルテレビジョン放送 方式及ぴ地上デジタル音声放送方式として、 その採用が決定している。 更に, 無 線 LAN (local area network) 等においても, その伝送方式に O F DM方式が 用いられているものがある。
OF DM伝送方式は、 互いに直交する複数のキャリアにデータを割り当てて変 復調を行なうものであり、 送信側では逆高速フーリエ変換 (以下、 I FFT (in verse fast Fourier transform) と称する) 処理を行ない、 受信側では高速フー リエ変換 (以下、 FFT (fast Fourier transform) と称する) 処理を行う。 各 キャリアには任意の変調方式を用いることが可能であり、 QP SK (quaternary phase shift keying) や QAM (quadrature amplitude modulation) とレヽっ 7こ 同期変調方式も選択可能である。
同期変調された信号を復調するために、 OF DMを用いた伝送方式には、 送信 側において所定のキャリアにパイロット信号が挿入されるものがあり、 欧州や日 本の地上デジタルテレビジョン放送に用いられる OF DM伝送方式では、 S P (scattered pilot:分散パイロット) とよばれるパイ口ット信号が挿入される。
パイロット信号とは、 その振幅と位相が受信側において既知の信号であり、 送信 信号の所定のキヤリァに対して時間軸上で所定の位置に挿入されており、 この揷 入位置もまた受信側において既知である。
受信側では、 このパイロット信号に基づいて伝送路特性を求めて受信信号に対 する等化を行い、 復調する。 すなわち、 受信したパイロット信号に対応する伝送 路特性を求め、 これを時間軸及び周波数軸方向に補間することにより、 パイロッ ト信号間のシンボルのタイミングにおける伝送路特性を推定し、 その推定結果に もとづいて受信信号に対する等化を行う。
移動体等で O F D M信号を受信する場合には、 受信信号の振幅と位相が時間的 に変化する、 フェージングとよばれる現象が発生する。 受信信号がフヱージング による妨害を受けた場合、 受信信号の波形に歪が生じる。 この歪の影響を適切に 捕償するためには、 パイロット信号に対する伝送路特性の時間軸方向の補間処理 が重要となる。
O F D M信号を受信する従来の受信装置におけるパイ口ット信号に対する伝送 路特性の補間方法について説明する。 図 2 0は、 従来の受信装置の構成の例を示 すプロック図である。 図 2 0の受信装置は、 チューナ部 1 1と、 A/D変換部 1 2と、 直交検波部 1 3と、 F F T部 1 4と、 歪み補償部 1 5と、 誤り訂正部 1 6 と、 パイロット信号発生部 2 1と、 伝送路特性算出部 2 2と、 周波数軸補間部 2 3と、 時間軸補間部 9 3 0とを備えている。 時間軸捕間部 9 3 0は、 メモリ 9 3 1と、 選択部 9 3 4とを備えている。
図 2は、 O F D M信号における、 パイロット信号を伝送するシンポルの配置の 具体例を示す説明図である。 図 2のように、 パイロット信号 P 1は 4シンボルご とに伝送されているので、 パイロット信号 P 1に対する伝送路特性は 4シンボル ごとに得られる。 このため、 パイロット信号間の 3個のデータ信号 D 1に対する 伝送路特性を、 パイ口ット信号 P 1に対する伝送路特性から求める必要がある。 時間軸補間部 9 3 0は、 パイ口ット信号が揷入されたキヤリァに対して、 パイ ロット信号に対する伝送路特性を 0次内揷 (ホールドとも呼ばれる) することに
より、 伝送路特性算出部 2 2で得られたパイロット信号に対する伝送路特性から、 パイ口ット信号間のデータ信号に対する伝送路特性を推定する。
図 2 1は、 0次内揷によって求められた伝送路特性の例を表す図である。 伝送 路特性は厳密には複素べクトルで表されるが、 この図では、 説明の便宜上、 スカ ラとして表している。 0次内揷は、 時間軸上で連続する 2個のパイロット信号に 対するそれぞれの伝送路特性のうち、 先行するパイ口ット信号に対する伝送路特 性を代表して用いることにより、 前記 2個のパイ口ット信号間の伝送路特性を推 定する方法である。
キヤリアインデックス k pのキヤリァについて、 シンボルィンデッタス sのシ ンボルにおける伝送路特性を H ( s , k p) で表すこととする。 いま、 シンボル インデックス s = 1 P— 4、 1 P、 l P+4、 … (l pは整数) の位置に 4シンボル 周期でパイ口ット信号が揷入されているキヤリァを考え、 そのキヤリアインデッ タスを k Pとする。 このキャリアについて、 シンボルィンデックス s = 1 P— 4と s = 1 pとの間、 および s = l Pと s = l P+ 4との間の補間を 0次内揷により行 う場合について説明する。 このキヤリァのシンポルインデックス s = 1 p— 4, 1 pにおけるパイロット信号に対する伝送路特性は、 それぞれ H ( l p— 4 , k P) , H ( 1 p, k p) である。 シンボルインデックス s = 1 P— 4と s = 1 pとの 間のデータ信号に対して、 0次内挿により得られる伝送路特性 H ( l p— 3, k P) , H ( l p— 2, k p) 、 H ( 1 p- 1 , kP) は、
H ( 1 p- 3, k p) =H ( 1 p-4, kP)
H ( 1 p— 1, k P) =H ( 1 p-4, kP)
となる。
同様に、 シンボルィンデッタス s = 1 pと s = 1 p+ 4との間のデータ信号に対 して、 0次内揷により得られる伝送路特性 H ( 1 p+ 1 , k P) , H ( 1 p+ 2, k ρ) , Η ( 1 ρ+ 3, k ρ) は、
Η ( 1 Ρ+ 1 , kP) =Η ( 1 ρ, kP)
H ( 1 p + 2 , k p ) = H ( 1 p , k P)
H ( 1 p + 3 , k p ) = H ( 1 p , k p )
となる。
なお、 ここではシンボルインデックス s == 1 p— 4, 1 p , 1 p + 4 , …の位置 にパイ口ット信号が挿入されているキヤリァについて説明を行ったが、 これ以外 のシンボルィンデッタスにパイ口ット信号が挿入されているキヤリァについても、 また、 これ以外のシンボルインデックス間の伝送路特性を求める場合についても、 同様にこの演算パターンによってデータ信号に対する伝送路特性が求められる。 パイ口ット信号が挿入されたキヤリァ全体にわたってこのような 0次内挿を行 う時間軸補間部 9 3 0の構成と動作について説明する。 伝送路特性算出部 2 2が 出力する、 パイ口ット信号に対する伝送路特性は、 メモリ 9 3 1及び選択部 9 3 4に入力される。 メモリ 9 3 1は、 パイロット信号に対する伝送路特性を保持す る。 図 2に示したパイロット信号の配置例では、 3本のキャリアに 1本の割合で パイロット信号が挿入されたキャリアがあるので、 メモリ 9 3 1は、 全キャリア 本数の 3分の 1の数のキヤリァに対する伝送路特性を保持する容量を有していれ ばよい。
メモリ 9 3 1は、 入力された伝送路特性を保持するとともに、 選択部 9 3 4に 出力し、 新しく伝送路特性が入力されると保持 ·出力する値を更新する。 選択部 9 3 4は、 パイロット信号が揷入されたキャリアに関して、 パイロット信号間の データ信号の期間には、 メモリ 9 3 1から出力される信号を選択し、 新しくパイ ロット信号に対する伝送路特性が更新される場合には、 伝送路特性算出部 2 2か らの新しいパイ口ット信号に対する伝送路特性を選択して出力する。
図 7のタイミングチャートは、 選択部 9 3 4に入力される値 a , bを表してい る。 選択部 9 3 4は、 インデックス k P = 0, 3, 6 , …のキャリアのそれぞれ について、 パイ口ット信号に対する伝送路特性が入力されている場合は伝送路特 性算出部 2 2の出力 (値 a ) を選択し、 パイロット信号に対する伝送路特性が入 力されていない場合にはメモリ 9 3 1の出力 (値 b ) を選択し、 出力する。 この
ような処理により、 時間軸補間部 9 3 0は、 パイ口ット信号が揷入されたキヤリ ァに対して 0次内挿された信号を求めて周波数軸補間部 2 3に出力する。
時間軸における伝送路特性の補間 ·推定方法には、 0次内挿を用いたものの他 に、 1次内揷 (直線補間とも呼ばれる) を用いた方法がある。 そこで 1次内挿に よる時間軸補間の処理を詳細に説明する。
図 2 2は、 1次内挿によって求められた伝送路特性の例を表す図である。 伝送 路特性は厳密には複素べクトルで表されるが、 この図では、 説明の便宜上、 伝送 路特性をスカラとして表している。 1次内揷は、 時間軸上で連続する 2個のパイ ロット信号に対する伝送路特性を結んだ線分を内分する値を、 前記 2個のパイ口 ット信号間の伝送路特性として推定する方法である。
0次内挿の場合と同様の OF DM信号について説明する。 キヤリアインデック ス k pのキヤリァについて、 シンポルインデックス s = 1 p— 4と s = 1 pとの間 のデータ信号に対して、 1次内揷により得られる伝送路特性 H ( 1 3, k , H ( 1 2, k p) , Η ( 1 1 , k は、
Η ( 1 — 3, k
= (3/4) · Η ( 1 4, kP) + ( 1/4) H ( 1 p, kP)
Η ( 1 2 , k
= (1/2) · Η ( 1 -4, kP) + ( /2) · H ( 1 p, kP)
Η ( 1 1 , k
= (1 /4) · Η ( 1 -4, kP) + (3/4) H ( 1 p, kP)
となる。
同様に、 シンボルインデックス s = 1 pと s = 1 P+4との間のデータ信号に対 する伝送路特性 H ( 1 1 , kP) 、 H ( l P+ 2, kp) 、 H ( l P+ 3, k P) は、
H ( 1 p+ 1 , kP)
= (3/4) · H ( 1 p, k P) + ( 1/4) · H ( 1 + 4, k P)
H ( 1 p+ 2 , k
= (1/2) · H ( 1 p, k p) + (1/2) · H ( 1 p+ 4, k P)
H ( 1 p+ 3, kP)
= (1/4) · H ( 1 p, kP) + (3/4) · H ( l P+4, k P)
となる。
なお、 ここではシンボルインデックス s = 1 p— 4, 1 p, 1 p+ 4, …の位置 にパイ口ット信号が揷入されているキヤリァについて説明を行ったが、 これ以外 のシンボルィンデッタスにパイ口ット信号が挿入されているキヤリァについても、 また、 これ以外のシンボルインデックス間の伝送路特性を求める場合についても、 同様である。
図 2 3は、 従来の受信装置における時間軸補間部の構成の他の例を示すプロッ ク図である。 パイ口ット信号が揷入されたキヤリァ全体にわたってこのような 1 次内揷を行う時間軸補間部 94 0の構成と動作について説明する。 時間軸補間部 94 0は、 メモリ 9 4 1 a, 94 1 bと、 制御部 94 2と、 演算部 944とを備 えている。
制御部 9 4 2は、 メモリ 94 1 a, 94 1 b及び演算部 944の動作の制御を 行っている。 伝送路特性算出部 2 2が出力するパイロット信号に対する伝送路特 性は、 メモリ 94 1 a及び演算部 944に入力される。 メモリ 9 4 1 a及び 94 l bは、 パイロット信号に対する伝送路特性を保持する。 図 2に示したパイロッ ト信号の配置例では、 3本のキャリアに 1本の割合でパイロット信号が揷入され たキヤリァがあるので、 メモリ 9 4 1 a, 94 1 bはそれぞれ、 全キヤリァ本数 の 3分の 1の数のキヤリァについて、 伝送路特性の値を 1個ずつ保持する容量を 有していればよレ、。
メモリ 94 1 aは、 入力された伝送路特性を保持するとともに、 メモリ 94 1 b及ぴ演算部 944に出力する。 メモリ 9 4 1 a , 9 4 1 bは、 新しく伝送路特 性が入力されると保持 ·出力する値を更新する。 演算部 944は、 パイロット信 号が挿入されたキヤリアに関して、 パイ口ット信号間のデータ信号の期間には、 メモリ 9 4 1 a, 9 4 1 bから出力される信号を選択し、 新しくパイロット信号
に対する伝送路特性が更新される場合には、 伝送路特性算出部 22からの新しい パイロット信号に対する伝送路特性からも選択して演算を行う。
演算部 944は、 パイロット信号が揷入されたキャリアに対して、 各シンボル ごとに決められた演算パターンにもとづき、 伝送路特性算出部 22、 メモリ 94 1 a, 941 bの各出力信号を適宜選択し、 選択された信号のそれぞれに係数を 乗じたものの和を求め、 得られた補間後の伝送路特性を出力する。
図 7、 図 8のタイミングチャートは、 演算部 944に入力される値 a , b, c を表している。 伝送路特性算出部 22は値 aを出力し、 メモリ 941 a, 941 bは値 b, cをそれぞれ出力する。 値 bは、 値 aに係るパイロット信号の直前の パイ口ット信号に対する伝送路特性であり、 値 cは、 値 bに係るパイ口ット信号 の直前のパイ口ット信号に対する伝送路特性である。
図 1 0のタイミングチャートは、 演算部 944における演算のパターンを示し ている。 演算部 944は、 インデックス kP=0, 3, 6, …のキャリアのそれ ぞれについて、 図 1 0の演算パターン f bに従って演算を行い、 演算結果 Hbを 出力する。 図 7、 図 8及び図 1 0から、 1次内挿による補間後の伝送路特性が得 られるまでの遅延は、 3シンボルの遅延であることがわかる。 以上のような処理 により、 時間軸補間部 940は、 パイロット信号が揷入されたキャリアに対して 1次内挿された伝送路特性を求め、 周波数軸捕間部 23に出力する。
図 24は、 F I Rフィルタによる時間軸補間処理を行う時間軸補間部の構成の 例を示すブロック図である。 時間軸における伝送路特性の補間 ·推定方法には、 以上のような 0次内揷、 1次内揷を用いたものの他に、 F I Rフィルタを用いた 方法がある。 そこで、 F I Rフィルタによる時間軸補間の処理を説明する。 図 24の時間軸捕間部 950は、 0揷入部 956と、 メモリ 95 1, 9 52, ···, 953と、 演算部 960とを備えている。 演算部 960は、 NO個 (N 0は 2以上の整数) の乗算器 96 1, 96 2, ···, 964と加算器 966とを備えて おり、 タップ数 NOの F I Rフィルタを構成している。
0揷入部 956には、 伝送路特性算出部 22が出力する、 パイロット信号に対
する伝送路特性が入力される。 0揷入部 9 5 6は、 2つのパイロット信号間に存 在する 3シンボルのデータ信号に対応して、 パイロット信号が挿入されているキ ャリアの伝送路特性に "0" を揷入する。 例えば、 2つのパイロット信号に対す る 2個の伝送路特性として、 H ( 1 p, k P) と H ( 1 p+4, k P) とが入力され ると、 その間の 3シンボルの期間を "0" で埋めることにより、 H ( 1 p, k p) , 0, 0, 0, Η ( 1 ρ+ 4, k ρ) となるように処理する。 0揷入部 9 5 6は、 このように処理された結果をメモリ 9 5 1及び乗算器 9 6 1に出力する。
メモリ 9 5 1 , ···, 9 5 3は、 それぞれ図 24に示すように直列に接続されて いる。 またメモリ 9 5 1 , ···, 9 5 3のそれぞれが保持する伝送路特性は、 全キ ャリァ本数の 3分の 1のキヤリァから求められたものである。 メモリ 9 5 1は、 パイ口ット信号が挿入されているキヤリァに関して、 入力された伝送路特性を保 持するとともに、 メモリ 9 5 2及び乗算器 9 6 2に出力し、 新しく伝送路特性が 入力されると保持 ·出力する値を更新する。 同様に他のメモリも入力された伝送 路特性を保持するとともに次段のメモリと乗算器に出力する。
演算部 9 6 0は、 伝送路特性算出部 2 2、 メモリ 9 5 1 , ···, 9 5 3のそれぞ れが出力する信号に対して線形演算を行う。 乗算器 9 6 1, 9 6 2, ···, 9 6 4 は、 それぞれ、 伝送路特性算出部 2 2、 メモリ 9 5 1, ···, 9 5 3のそれぞれが 出力する信号に対してタップ係数 A。, Ax, AN。- iとの乗算を行い、 加算器 9 6 6がそれぞれの乗算結果の総和を求めて出力する。
この結果、 パイロット信号が揷入されているキャリアにおいて、 2つのパイ口 ット信号に対する 2つの伝送路特性 H ( 1 p, kP) と H ( 1 p+ 4, kP) との間 の 3シンボルのタイミングに対して、 補間された伝送路特性として H ( 1 p+ 1 , kP) , H ( 1 p+ 2, k p) , H ( 1 p+ 3 , k p) が得られる。
以上のような処理により、 時間軸補間部 9 5 0は、 パイ口ット信号が揷入され たキャリアに対して、 F I Rフィルタにより内挿された伝送路特性を求め、 周波 数軸補間部 2 3に出力する。
このような、 1次内挿により OFDM信号の伝送路特性を求める技術及び F I
Rフィルタによる内挿方法が、 例えば日本国特開 2000— 2868 1 7号公報 に開示されている。
一解決課題一
移動体等で OF DM信号を受信する場合には、 フェージングの影響を受けるた め、 伝送路特性は時間とともに激しく変動する。 特に、 伝送路特性が高速に変動 するような受信環境の場合には、 従来の 0次内揷又は 1次内揷を用いた時間軸捕 間処理では、 推定した伝送路特性と実際の伝送路特性との間に大きな誤差が生じ る。 このような誤差があると、 受信信号に対する伝送路の影響を適切に取り除く ことができず、 復調性能の劣化を招くことにつながる。
高速に変動する伝送路特性に対する、 0次内挿による伝送路特性の推定誤差を 図 2 1に、 1次内揷による伝送路特性の推定誤差を図 22に示す。 0次内挿に比 ベると、 1次内挿の方が誤差を比較的少なくすることができるが、 それでもやは り高速に変動する伝送路特性を推定する場合には、 ある程度の大きさの誤差が生 じる。
一方、 F I Rフィルタによる時間軸捕間の処理では、 高速に変動する伝送路特 性に対しても、 0次内揷ゃ 1次内挿の場合よりも推定誤差を小さくすることがで きる。 しかしながら、 フィルタのタップ数を多くするほど、 メモリの容量を大き くする必要等があるので、 回路規模が大きくなつてしまう。 また、 F I Rフィル タによる時間軸補間の処理では、 フィルタのタップ数に応じた遅延が生じる。 N 0タップ (NOは奇数とする) の F I Rフィルタであれば、 [N0/2] シンポ ル (ここで [X] は、 Xに最も近い、 X以下の整数を示すものとする) 分に相当 する遅延が生じる。
図 20の受信装置において時間軸補間部 950を用いた場合、 歪み補償部 1 5 は、 時間軸補間部 950で得られた全キヤリァに対する伝送路特性により F F T 部 14の出力信号に対する複素除算を行うが、. F I Rフィルタを用いた時間軸補 間部 9 50で得られる伝送路特性に [N0/2] シンボル分の遅延が生じると、 これと同期を取るために、 FFT部 1 4と歪み補償部 1 5との間に [N0Z2]シ
ンボル分の遅延メモリを挿入して信号を遅延させ、 歪み補償部 1 5は、 この [N 0 / 2 ] シンボル分の遅延した信号に対して周波数軸補間部 2 3で得られる伝送 路特性で複素除算することが必要となる。 このため、 タップ数 N Oが大きくなれ ばなるほど、 遅延メモリの容量を大きくする必要があるので、 回路規模が大きく なってしまう。 発明の開示
本発明は、 受信した信号中のパイロット信号に基づいて、 回路規模をあまり増 大させることなく、 高速に変動する伝送路特性を精度よく推定する受信装置及び 受信方法を提供することを目的とする。
本発明は、 所定のパイ口ット信号を所定のシンボルにおいて伝送するキヤリァ であるノ イロットキャリアを複数有する O F D M (orthogonal frequency divis ion multiplexing) 信号を受信する装置であって、 受信した前記 O F D M信号を 周波数領域の O F D M信号に変換し、 前記周波数領域の O F D M信号を構成する 複数のキャリアのうち、 前記パイロットキャリアの各々について、 伝送されたパ イロット信号に対応する伝送路特性を求め、 同一のキヤリァで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 前記第 2 のパイロット信号と前記第 3のパイロット信号との間のシンボルにおける伝送路 特性を求め、 前記第 2のパイロット信号と前記第 3のパイロット信号との間のシ ンボルにおける伝送路特性に応じて、 前記周波数領域の O F D M信号の波形歪み を補償して出力するものである。
これによると、 3つのパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 パイ ロット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を推定するので、 2つのパ イロット信号に対応する伝送路特性に基づいて 1次内揷のみによって推定する場 合よりも、 精度のよい推定を行うことができる。 したがって、 より正確に波形歪 みを補償することができる。
本発明に係る他の受信装置は、 所定のパイロット信号を所定のシンボルにおい
て伝送するキヤリァであるパイロットキヤリァを複数有する O F DM信号を受信 する装置であって、 受信した前記 O F D M信号を周波数領域の O F D M信号に変 換して出力するフーリエ変換部と、 前記所定のパイロット信号を周波数領域の信 号として生成して出力するパイ口ット信号発生部と、 前記周波数領域の O F D M 信号を構成する複数のキヤリアのうち、 前記パイロットキヤリァの各々について、 前記周波数領域の O F DM信号と前記パイ口ット信号発生部の出力とに基づいて、 伝送されたパイロット信号に対応する伝送路特性を求めて出力する伝送路特性算 出部と、 同一のキャリアで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロッ ト信号 に対応する伝送路特性に基づいて、 前記第 2のパイロット信号と前記第 3のパイ 口ッ ト信号との間のシンポルにおける伝送路特性を求めて出力する時間軸補間部 と、 前記時間軸補間部が出力する伝送路特性に応じて、 前記周波数領域の O F D M信号の波形歪みを補償して出力する歪み補償部とを備えるものである。
これによると、 時間軸補間部が、 3つのパイロット信号に対応する伝送路特性 に基づいて、 パイロット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を推定す るので、 2つのパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて 1次内挿のみに よって推定する場合よりも、 精度のよい推定を行うことができる。 したがって、 歪み補償部において、 より正確に波形歪みを補償することができる。
本発明に係る他の受信装置は、 所定のパイロット信号を所定のシンボルにおい て伝送するキヤリァであるパイロットキヤリアを複数有する O F D M信号を受信 する装置であって、 受信した信号から O F D M信号を選局して出力するチューナ 部と、 前記チューナ部が出力する信号をベースバンド O F DM信号に変換して出 力する直交検波部と、 前記直交検波部が出力する信号を周波数領域の O F D M信 号に変換して出力するフーリエ変換部と、 前記所定のパイロット信号を周波数領 域の信号として生成して出力するパイロット信号発生部と、 前記周波数領域の O F DM信号を構成する複数のキヤリアのうち、 前記パイロットキヤリァの各々に ついて、 前記周波数領域の O F D M信号と前記パイロット信号発生部の出力とに 基づいて、 伝送されたパイロット信号に対応する伝送路特性を求めて出力する伝
送路特性算出部と、 同一のキャリアで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイ ロット信号に対応した伝送路特性に基づいて、 前記第 2のパイロット信号と前記 第 3のパイロット信号との間のシンボルにおける伝送路特性を求めて出力する時 間軸補間部と、 前記時間軸補間部が出力する伝送路特性に応じて、 前記周波数領 域の O F DM信号の波形歪みを補償して出力する歪み補償部と、 前記歪み補償部 で波形歪みを補償された信号に対して誤り訂正を行って出力する誤り訂正部と、 前記誤り訂正部で誤り訂正された信号を情報源復号化して出力する情報源復号化 部とを備えるものである。
これによると、 3つのパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 パイ ロット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を精度よく推定するので、 アンテナ等を経由して受信した信号に、 より正確に波形歪みの補償を行って、 情 報源符号化を行う前の映像信号、 音声信号等を得ることができる。
本発明に係る伝送路特性測定装置は、 所定のパイロット信号を所定のシンボル において伝送するキヤリァであるパイロットキヤリァを複数有する O F DM信号 を受信して伝送路特性を測定する装置であって、 受信した前記 O F D M信号を周 波数領域の O F D M信号に変換して出力するフーリェ変換部と、 前記所定のパイ 口ット信号を周波数領域の信号として生成して出力するパイ口ット信号発生部と、 前記周波数領域の O F D M信号を構成する複数のキヤリアのうち、 前記パイ口ッ トキャリアの各々について、 前記周波数領域の O F D M信号と前記パイロット信 号発生部の出力とに基づいて、 伝送されたパイロット信号に対応する伝送路特性 を求めて出力する伝送路特性算出部と、 同一のキヤリァで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 前記第 2のパ イロット信号と前記第 3のパイ口ット信号との間のシンボルにおける伝送路特性 を求めて出力する時間軸補間部とを備えるものである。
これによると、 3つのパイロット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 パイ ロット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を推定するので、 精度よく 伝送路特性を測定することができる。
本発明に係る他の受信装置は、 所定のパイロット信号を所定のシンボルにおい て伝送するキヤリァであるパイロットキヤリアを複数有する O F DM信号を受信 する装置であって、 受信した前記 O F DM信号を周波数領域の O F D M信号に変 換して出力するフーリェ変換部と、 前記周波数領域の O F D M信号を構成する複 数のキヤリアのうち、 前記パイ口ットキヤリァの各々について、 伝送されたパイ ロット信号を抽出して出力するパイロット信号抽出部と、 同一のキャリアで順に 伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号に基づいて、 前記第 2のパイ口 ット信号と前記第 3のパイ口ット信号との間のシンポルにおける補間信号を求め て出力する時間軸補間部と、 前記所定のパイロット信号を周波数領域の信号とし て生成して出力するパイロット信号発生部と、 前記補間信号と前記パイロット信 号発生部の出力とに基づいて伝送路特性を求めて出力する伝送路特性算出部と、 前記伝送路特性に応じて、 前記周波数領域の O F D M信号の波形歪みを補償して 出力する歪み補償部とを備えるものである。
これによると、 3つのパイロット信号に基づいて補間信号を求め、 この補間信 号からパイ口ット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を推定するので、 2つのパイロット信号に基づいて 1次内揷のみによって補間信号を求める場合よ りも、 精度のよい推定を行うことができる。 したがって、 より正確に波形歪みを 補償することができる。
本発明に係る他の伝送路特性測定装置は、 所定のパイロット信号を所定のシン ボルにおいて伝送するキヤリァであるパイロットキャリァを複数有する O F D M 信号を受信して伝送路特性を測定する装置であって、 受信した前記 O F DM信号 を周波数領域の O F D M信号に変換して出力するフーリエ変換部と、 前記周波数 領域の O F D M信号を構成する複数のキヤリアのうち、 前記パイロットキャリア の各々について、 伝送されたパイロット信号を抽出して出力するパイロット信号 抽出部と、 同一のキャリアで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロット信 号に基づいて、 前記第 2のパイロット信号と前記第 3のパイロット信号との間の シンボルにおける補間信号を求めて出力する時間軸補間部と、 前記所定のパイ口
ット信号を周波数領域の信号として生成して出力するパイ口ット信号発生部と、 前記補間信号と前記パイ口ット信号発生部の出力とに基づいて伝送路特性を求め て出力する伝送路特性算出部とを備えるものである。
これによると、 3つのパイロット信号に基づいて補間信号を求め、 この補間信 号からパイ口ット信号を伝送しないシンボルにおける伝送路特性を推定するので、 精度よく伝送路特性を測定することができる。
一発明の効果一
本発明によると、 回路規模をあまり増大させることなく、 高速に変動する伝送 路特性を精度よく推定することができる。 このため、 受信信号を適切に等化する ことができ、 移動体で受信する場合等のフニ一ジングが激しい受信環境の下にお いても、 O F D M信号等の復調性能を大きく向上させることができる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施形態に係る受信装置の構成の例を示すプロック図 である。
図 2は、 図 1の受信装置が受信する O F D M信号における、 パイロット信号を 伝送するシンボルの配置の具体例を示す説明図である。
図 3は、 図 2のようにパイロット信号が揷入された O F DM信号に基づいて、 パイ口ット信号に対する伝送路特性が得られるキヤリァ及びタイミングを示す説 明図である。
図 4は、 図 3に示されたパイロット信号に対する伝送路特性に基づいて、 時間 軸方向に補間処理を行った結果を示す説明図である。
図 5は、 図 4に示された結果に基づいて、 周波数軸方向に補間処理を行った結 果を示す説明図である。
図 6は、 1次外挿による伝送路特性 H a ( s, k P) と、 1次内挿による伝送 路特性 H b ( s , k P) とに基づいて求めた、 伝送路特性 H e s ( s , k P) の一 例を示す図である。
図 7は、 図 1の伝送路特性算出部及びメモリが出力する伝送路特性を表す値を 示すタイミングチャートである。
図 8は、 図 1のメモリが出力することができる、 伝送路特性を表す他の値を示 すタイミングチヤ一トである。
図 9は、 図 1の演算部が行う外揷演算を説明するためのタイミングチャートで める。
図 1 0は、 図 1の演算部が行う内挿演算を説明するためのタイミングチヤ一ト である。
図 1 1は、 図 1の演算部が行う演算の結果を説明するためのタイミングチヤ一 トである。
図 1 2は、 2次内揷を説明する図である。
図 1 3は、 第 1の実施形態の第 1の変形例に係る受信装置における時間軸補間 部の構成の例を示すプロック図である。
図 1 4は、 伝送路特性の変化が単調である場合 (単調減少の場合) の例を示す 図である。
図 1 5は、 第 1の実施形態の第 2の変形例に係る受信装置における時間軸補間 部の構成の例を示すプロック図である。
図 1 6は、 第 1の実施形態の第 3の変形例に係る受信装置における時間軸補間 部の構成の例を示すプロック図である。
図 1 7は、 信号点配置の例を示す図である。
図 1 8は、 本発明の第 2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図で める。
図 1 9は、 本発明の第 3の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図で め" o。
図 2 0は、 従来の受信装置の構成の例を示すプロック図である。
図 2 1は、 0次内挿によって求められた伝送路特性の例を表す図である。
図 2 2は、 1次内挿によって求められた伝送路特性の例を表す図である。
図 2 3は、 従来の受信装置における時間軸補間部の構成の他の例を示すプロッ ク図である。
図 2 4は、 F I Rフィルタによる時間軸補間処理を行う時間軸補間部の構成の 例を示すプロック図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態について、 図面を参照しながら説明する。 本発明に おいて、 O F DM信号は、 パイロット信号を伝送するキャリア (以下では、 パイ ロットキャリアとも称する) を有する O F D M信号であり、 例えば、 地上デジタ ルテレビ、 地上デジタル音声放送及び無線 L A N等のいずれで用いられる O F D M信号であってもよい。
(第 1の実施形態)
第 1の実施形態では、 受信した O F DM信号を構成するキャリアのうち、 パイ ロットキヤリァが順に伝送する第 1、 第 2及び第 3のパイ口ット信号に基づいて、 それぞれのパイロット信号に対応する伝送路特性を求め、 これらの伝送路特性に 基づいて、 前記第 2のパイロット信号と前記第 3のパイロット信号との間のシン ボルにおける当該キャリアの伝送路特性を推定して求める受信装置について説明 する。
図 1は、 本発明の第 1の実施形態に係る受信装置の構成の例を示すプロック図 である。 図 1の受信装置は、 チューナ部 1 1と、 A/D変換部 1 2と、 直交検波 部 1 3と、 フーリエ変換部としての F F T部 1 4と、 歪み補償部 1 5と、 誤り訂 正部 1 6と、 パイ口ット信号発生部 2 1と、 伝送路特性算出部 2 2と、 周波数軸 補間部 2 3と、 時間軸補間部 3 0とを備えている。 時間軸捕間部 3 0は、 メモリ 3 1と、 制御部 3 2と、 演算部 3 4とを備えている。
図 1において、 チューナ部 1 1には、 受信アンテナ又はケーブルを経由して、 受信した信号が与えられている。 チューナ部 1 1は、 受信した信号から O F D M
信号を選局して AZD変換部 1 2に出力する。 AZD変換部 1 2は、 入力された OFDM信号に A/D変換を行ってデジタル信号に変換し、 直交検波部 1 3に出 力する。 直交検波部 1 3は、 入力された信号に対して直交検波を行い、 ベースバ ンド OF DM信号に変換して F FT部 14に出力する。 F FT部 14は、 高速フ 一リエ変換を行って、 時間領域のベースパンド OF DM信号を周波数領域の OF DM信号に変換して、 歪み補償部 1 5及び伝送路特性算出部 22に出力する。 この FFT部 1 4の出力は、 OFDM信号に含まれる複数のキャリアのそれぞ れについての位相と振幅を示すものであり、 具体的には I軸成分と Q軸成分を独 立に持つ複素信号の形で取り扱われる。 また、 複数のキャリアのうちの所定のパ ィロットキャリア (例えば 3本ごとに 1本のキヤリァ) には、 所定のタイミング に (例えば 4シンボルごとに) パイロット信号が挿入されている。
図 2は、 図 1の受信装置が受信する OF DM信号における、 パイロット信号を 伝送するシンボルの配置の具体例を示す説明図である。 図 2には、 OF DM信号 が含む複数のキャリアのそれぞれについて、 シンボルの位置が示されている。 各 シンボルは、 データ信号 D 1と、 パイ口ット信号 P 1とのうちのいずれかを伝送 する。 OFDM信号は、 K本 (Kは 2以上の整数) のキャリアを有しているもの とする。
以下では、 キヤリァ方向 (周波数軸) のインデックスをキヤリアインデックス k、 シンボル方向 (時間軸) のインデックスをシンボルインデックス s とし (k は 0 k≤K_ lを満たす整数、 sは整数) 、 シンボルィンデックス s = 0にお けるキヤリアインデックス k = 0の位置にあるキャリアにパイ口ット信号が挿入 されるものとして説明する。 また、 キャリアインデックス k = 0, 3, 6, …の キャリアは、 パイロット信号が揷入されるキャリアであるとし、 キヤリアインデ ックス k = 0のキャリアは、 インデックス s = 0, 4, 8, …のシンボルで、 k = 3のキャリアは、 インデックス s = l, 5, 9, …のシンポノレで、 パイロット 信号を伝送するものとする。
以下同様に、 パイロット信号が揷入されたキャリアが 3本ごとに 1本存在し、
このようなキヤリァには、 4シンボル周期で巡回的にパイ口ット信号が揷入され ている。 この結果、 図 2のように、 キャリア方向に 1 2キャリアを 1周期とし、 シンボル方向に 4シンボルを 1周期として同じパターンが繰り返されるシンボル 配置となる。
パイロット信号発生部 2 1は、 丁部1 4の出力に揷入されている受信した パイロット信号と同じタイミングで、 振幅及ぴ位相が既知のパイロット信号を周 波数領域の信号として生成し、 伝送路特性算出部 2 2に出力する。 伝送路特性算 出部 2 2は、 F F T^ l 4から出力された周波数領域の O F D M信号を構成する パイロットキャリアの各々について、 揷入されているパイロット信号に対し、 ノ イロット信号発生部 2 1が生成した既知のパイ口ット信号による除算等を行うこ とによって、 伝送されたパイロット信号に対する伝送路特性を推定して、 時間軸 補間部 3 0に出力する。
図 3は、 図 2のようにパイ口ット信号が揷入された O F DM信号に基づいて、 パイ口ット信号に対する伝送路特性が得られるキャリア及びタイミングを示す説 明図である。 図 3において、 記号 C 1は、 パイ口ット信号に対する伝送路特性が 得られるキャリア及びタイミングを示す。 記号 C Oは、 伝送路特性が得られない キャリア及びタイミングを示す。 図 3よりわかるように、 時間軸に沿って見ると、 パイ口ット信号が挿入されたキヤリアについて、 パイロット信号に対する伝送路 特性は 4シンボルごとに得られるので、 パイロット信号間のデータ信号に対する 伝送路特性を補間等して求める必要がある。
時間軸補間部 3 0は、 パイロット信号が挿入されたキャリアに対して、 所定の シンボルにおいて伝送された 3個のパイ口ット信号に対する伝送路特性に基づい て、 シンボル方向 (時間軸方向) に補間を行い (図 3の矢印参照) 、 パイロット 信号を伝送しないシンボルのタイミングにおける伝送路特性を求めて周波数軸補 間部 2 3に出力する。
言い換えると、 時間軸補間部 3 0は、 同一のキヤリァで順に伝送された第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号に対する伝送路特性に基づいて、 第 2のパイロッ
ト信号の時点と第 3のパイ口ット信号の時点との間のシンボルに対する伝送路特 性 (データ信号に対する伝送路特性) を求めて周波数軸補間部 2 3に出力する。 ここで、 3個のパイロット信号のうち、 伝送された時刻が早いものから順に第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号としている。 なお、 各パイロット信号の間の間隔 は、 等間隔であってもよいし、 異なる間隔であってもよい。 また、 第 1〜第 3の パイロット信号は、 隣り合ったパイロット信号であってもよいし、 第 1〜第 3の パイロット信号の間に他のパイロット信号が挿入されていてもよい。
図 4は、 図 3に示されたパイロット信号に対する伝送路特性に基づいて、 時間 軸方向に補間処理を行った結果を示す説明図である。 図 4において、 記号 C 2は、 時間軸方向に補間を行って伝送路特性が得られるシンボルを示す。 記号 C O , C 1は、 図 3の場合と同様のことを示す。 図 4に示されているように、 時間軸方向 の捕間により、 キヤリア 3本ごとに伝送路特性が求められる。
周波数軸補間部 2 3は、 時間軸補間部 3 0が求めたパイ口ット信号を伝送する キャリアに対する伝送路特性に基づいて、 キャリア方向 (周波数軸方向) にフィ ルタリングすることによって補間を行い (図 4の矢印参照) 、 パイロット信号を 伝送しないキヤリァに対する伝送路特性を求めて歪み補償部 1 5に出力する。 図 5は、 図 4に示された結果に基づいて、 周波数軸方向に補間処理を行った結 果を示す説明図である。 図 5において、 記号 C 3は、 周波数軸方向に捕間を行つ て伝送路特性が得られるシンボルを示す。 記号 C O , C l, C 2は、 図 4の場合 と同様のことを示す。 図 5に示されているように、 周波数軸方向の補間により、 全てのシンボルに対して伝送路特性が求められる。
歪み補償部 1 5は、 周波数軸補間部 2 3で得られた全キヤリァに対する伝送路 特性を用いて、 F F T部 1 4が出力する周波数領域の O F D M信号に対して、 複 素除算等の演算を行うことによって、 この受信した O F D M信号の波形歪みを捕 償 (等化) し、 得られた等化後の信号を誤り訂正部 1 6に出力する。 誤り訂正部 1 6は、 歪み補償部 1 5で得られた波形歪みを補償された信号 (等化後の信号) に対し、 誤り訂正を行い、 送信されたデータを求めて出力する。
以下では、 時間軸補間部 3 0の動作について詳しく説明する。 いま、 シンボル インデックス s = 1 p— N, 1 p, 1 p + N, … (l pは整数、 Nは 2以上の整数) の位置に Nシンボル周期でパイ口ット信号が挿入されているキヤリアを考え、 そ のキャリアインデックスを k pとする。 時間軸補間部 3 0は、 このキャリアに関 して、 シンボルインデックス s = 1 p— N, 1 p, 及び 1 p + Nのそれぞれにおけ る第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号に対する伝送路特性に基づいて、 シンポ ルインデックス s == 1 11と s = 1 p + Nとの間における伝送路特性を求める。 例と して、 N= 4の場合について説明する。
キヤリアインデックス k pのキヤリァのシンボルィンデックス sにおける伝送 路特性を H ( s , k p) で表すこととすると、 このキヤリァのシンボルィンデッ タス s = l P_ 4, 1 p, 1 p+ 4におけるパイロット信号に対する伝送路特性は、 それぞれ H ( 1 4 , k p) , H ( l p, k p) , H ( l p+ 4 , k P) で表わされ る。 一般に、 伝送路特性は複素べクトルで表される。
まず、 キャリアインデックス k pのキャリアについて、 シンボルインデックス s = 1 p— 4, 1 pにおけるパイロット信号に対する伝送路特性に基づいて、 シン ボルインデックス s = 1 pと s = 1 P+ 4との間のデータ信号に対する伝送路特性 H a ( s , k P) を 1次外揷 (予測) により求める。 1次外揷は、 時間的に連続 する 2個のパイ口ット信号に対する伝送路特性を表す点を結ぶ線分を外分する点 を求め、 この点が表す値を、 これらの 2個のパイロット信号の後に入力されるデ ータ信号に対する伝送路特性として推定する方法である。 1次外揷によると、 過 去の伝送路特性の変化から、 未来の伝送路特性を予測して推定することができる。
1次外揷により得られるシンボルインデックス s = 1 pと s = 1 p+ 4との間の データ信号に対する伝送路特性 H a ( s , k P) ( 1 P+ 1 ≤ s ≤ 1 p+ 3) は、 H a ( 1 p+ 1 , k p)
=H ( 1 p, k p)
+ ( 1 /4) · {H ( 1 P, k P) -H (し一 4 , k P) } … ( l a )
H a ( 1 p+ 2, k p)
=H ( 1 P, k P)
+ (2/4) · {H ( 1 k P) 一 H ( 1 p- 4 , k P) } ( l b)
H a ( 1 p+ 3 , k p)
=H ( 1 P, k p)
+ (3/4) · {H ( 1 k p) 一 H ( 1 p- 4 , k p) } ( 1 c ) となる。
次に、 キャリアインデックス k pのキャリアについて、 シンポルインデックス s = 1 p, 1 p+ 4におけるパイ口ット信号に対する伝送路特性に基づいて、 シン ボルインデッタス s = 1 Pと s = 1 p + 4との間のデータ信号に対する伝送路特性 H b ( s , k P) を 1次内揷により求める。 1次内揷は、 時間的に連続する 2個 のパイ口ット信号に対する伝送路特性を表す点を結ぶ線分を内分する点を求め、 この点が表す値を、 これらの 2個のパイロット信号間の伝送路特性として推定す る方法である。
1次内揷により得られるシンボルィンデックス s = 1 pと s = 1 p+ 4との間の データ信号に対する伝送路特性 H b ( s , k P) ( 1 p+ 1 ≤ s ≤ 1 p+ 3 ) は、 H b ( 1 p+ 1 , k p)
• H ( 1 p, k P)
+ ( 1 X4) · H ( 1 p+ 4 , k P) … (2 a )
Hb ( 1 p+ 2 , k p)
= ( 1 / 2) · H ( 1 p, k P)
+ ( 1 / 2) · H ( 1 p+ 4 , k P) (2 b )
H b ( 1 p+ 3 , k P)
二 ( 1 /4) · H ( 1 p, k P)
+ (3/4) · H ( 1 p+ 4 , k P) ( 2 c )
となる。
更に、 時間軸補間部 3 0は、 1次外挿及び 1次内揷により得られた伝送路特性 H a , H bに対して、 係数ひ ( α ≠ 0 ) , をそれぞれ乗算し、 それぞれの乗算
結果の和を求める演算 (線形演算) を行う。
すなわち、 時間軸補間部 3 0は、 1次外揷と 1次内挿とを併用して、 インデックス s = 1 pと s = 1 P+ 4との間のデータ信号に対する伝送路特性 H e s ( s , k P) ( 1 p+ 1≤ s 1 p+ 3) を、
H e s ( s , k p)
= α · H a ( s, k P) + ]3 · H b ( s, k P) … (3)
( 1 p+ 1 ≤ s ≤ 1 p+ 3 , a≠ 0)
で表される線形演算によって求める。
言い換えると、 時間軸補間部 3 0は、 パイロット信号が揷入されたキャリアに 関して、 時間軸上で所定のシンボル間隔で伝送された 3個のパイ口ット信号を、 伝送された時刻が早い順に第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号としたとき、 1 次外挿で得られる第 2及び第 3のパイロット信号間における伝送路特性と、 1次 内挿で得られる第 2及び第 3のパイ口ット信号間における伝送路特性とに、 式 ( 3) の線形演算を行って、 第 2及び第 3のパイロット信号間のデータ信号に対 する伝送路特性を求める。
ここで、 式 ( l a ) 〜 ( 1 c ) ( 2 a ) ( 2 c ) を用いて式 (3) を書き 直すと、
H e s ( 1 p+ 1 , k p)
= (- α/4) ' Η ( 1 ρ- 4 , k P)
+ { ( 5 · α + 3 · ^ ) //4 } · Η ( 1 k P)
+ (j3/4) · Η ( 1 ρ+ 4 , k P) ···· (4 a )
H e s ( 1 ρ+ 2 , k P)
= (- a/2) · Η ( 1 ρ- 4 , k P)
+ { ( 3 · α + ]3 ) /2 } . H ( 1 P, k P)
+ (j3/2) · H ( 1 p+ 4 , k P) ·· (4 b)
H e s ( 1 p+ 3 , k p)
= (- 3 - a/ ) · H ( 1 p- 4 , k P)
+ { ( 7 - α + β ) /4 } · Η ( 1 P, k P)
+ ( 3 · β /4) · Η ( 1 ρ+ 4 , k P) ··· (4 c )
(式 (4 a ) 〜 (4 c ) において、 ひ≠ 0)
となる。
式 (4 a ) 〜 (4 c ) からわかるように、 時間軸捕間部 3 0は、 時間軸上で所 定のシンボル間隔で伝送された 3個のパイロット信号を、 伝送された時刻が早い 順に第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号としたとき、 第 1、 第 2及び第 3のパ イロット信号に対する伝送路特性に線形演算を施して第 2及び第 3のパイロット 信号間の伝送路特性を得るものである、 ということができる。
このように、 時間軸補間部 3 0は、 式 (4 a ) 〜 (4 c ) に従って、 第 1〜第 3のパイロット信号に対する伝送路特性を用いて、 第 2及び第 3のパイロット信 号間の伝送路特性を直接求めるようにしてもよく、 この場合には演算に要するス テツプ数を式 ( 3) の場合よりも少なくすることができる。
以下の一般化した式においては、 パイロット信号が Nシンボル毎に挿入されて いるものとして表記する。 式 ( 1 a ) 〜 ( 1 c ) , ( 2 a ) 〜 ( 2 c ) を一般化 すると、
H a ( 1 p + m, k P)
= _m/N · H ( 1 p-N, k P) + (N + m) /N · H ( 1 P, k P)
H b ( 1 p + m, k p)
= (N-m) /N . H ( 1 p, k p) +m/N · H ( 1 P + N, k P)
(mは l ≤m≤N_ lを満たす整数)
となるので、 式 (4 a ) 〜 (4 c ) を一般化して表記すると、
H e s ( 1 p + m, k P)
=一 (ひ · m/N) · H ( 1 p-N, k P)
+ [ { a · (N + m) + β · (N-m) } /N] · H ( 1 P, k P)
+ (β · m/N) · H ( 1 p + N, k P) ··· (5)
(a , jSは o;≠ 0を満たす実数、 mは 1 ≤m^N_ 1を満たす整数)
となる。 式 (4 a) 〜 (4 c) は、 式 (5) において N=4の場合にあたる。 伝送路特性 H e s ( s , k p) 力 外揷によって求められた伝送路特性 H a (s, k p) と内挿によって求められた伝送路特性 Hb (s, kP) との間の値と なるようにするために、 式 (3) において、 a = u, i3 = 1 -u (0<u≤ 1) としてもよい。 すなわち、 伝送路特性を、
H e s ( s, κ )
=u · H a ( s, k p) + ( 1 -u) . Hb (s , k P) … (6)
( 1 p+ 1≤ s≤ 1 p+ 3 , 0 < u≤ 1 )
により求めてもよい。 この場合、 係数 uは、 伝送路特性 He sにおける 1次外揷 成分の割合を示している。
また、 1次外揷による伝送路特性 H aは、 求める際に用いたデータの時点から の時間経過とともに予測の誤差が増大するものであると考えられる。 このため、 1次外挿と 1次内挿とを併用して伝送路特性を求める際に、 予測によって求めた 伝送路特性 H aの寄与を時間の経過とともに減らすように、 すなわち、 シンボル インデックスが増加すると、 係数 α又は uを小さくするようにしてもよい。 この ようにすれば、 激しく変化する伝送路特性の推定精度を更に向上させることがで きる。
たとえば、 パイロット信号間の 3シンボルの伝送路特性を求めるに際し、 求め るシンボルに応じた固定値の係数 U U 2, u 3 (u 1 ≥ u 2≥ u 3 , u 1 ≠ 0) を あらかじめ用意しておき、 これらの係数を用いて次式のように伝送路特性 H e s ( s, k p) ( 1 p+ 1≤ s≤ 1 p+ 3) を求めてもよい。 すなわち、
He s ( 1 p+ 1, kP)
= u i · H a ( 1 p+ 1 , k p)
+ (1 -ui) · Hb (1 p+ 1, kP) … (7 a)
He s ( 1 p+ 2, kP)
= u 2 · H a ( 1 p+ 2 , k P)
+ (1 -u2) . Hb ( 1 p+ 2, k p) ··· (7 b)
He s ( 1 p+ 3 , k P)
= u 3 · H a ( 1 p + 3 , k p)
+ ( 1 - u 3) - H b ( 1 p+ 3 , k p) … ( 7 c )
(式 ( 7 a ) 〜 ( 7 c ) において、 ui≥u2≥ U 3, u i≠ 0)
としてもよレ、。
これらをまとめて、 一般化して表記すると、
H e s ( 1 p + m, k )
= u m · H a ( 1 + m, k )
+ ( 1 - um) - H b ( 1 p + m, k P) ■■· ( 8)
(umttu i≠ 0 , u t≥ u 2≥—≥ um≥〜≥ U N-丄を満たす実数、 mは l ≤m≤N - 1を満たす整数)
となる。 式 (7 a ) 〜 (7 c ) は、 式 (8 ) において N = 4の場合にあたる。 式 ( 7 a ) 〜 ( 7 c ) に式 ( l a ) 〜 ( 1 c ) , ( 2 a) 〜 ( 2 c ) を代入す ると、
He s ( 1 p+ 1 , k p)
= (- u - H ( 1 P— 4, k P)
+ { ( 3 + 2 - u x) /4 } · H ( 1 P, k P)
+ { ( 1 - u /A ] · H ( 1 p+ 4, k P) ( 9 a )
He s ( 1 p+ 2 , k P)
+ { ( 1 + 2 · u 2) /2 } · H ( 1 p, k P)
+ { ( 1一 u 2) / 2 } · H ( 1 p+ 4 , k P) (9 b )
He s ( 1 p+ 3 , k p)
+ { ( 1 + 6 · u 3) /4 } · H ( 1 p, k P)
+ { 3 · ( 1 - u 3) /4} · H ( 1 P+ 4 , k P) … ( 9 c )
となる。 伝送路特性 H e s ( s , k P) ( 1 p+ 1 ≤ s≤ 1 p+ 3 ) は、 この場合
もやはり、 3個のパイ口ット信号に対する伝送路特性に対する線形演算で求めら れる。
これらをまとめて、 一般化して表記すると、 式 (8) から、
H e s ( 1 p + m, k P)
=- (um - m/N) · Η ( 1 p-N, kP)
+ { (2 · um · m + N— m) /N} · H ( 1 P, k P)
+ { (l im) · m/N} · H ( 1 p + N, k P) … (1 0)
(umは iii^ O, u i≥ u 2≥—≥ um≥〜≥ U N- を満たす実数、 mは l≤m≤N 一 1を満たす整数)
となる。 式 (9 a) 〜 (9 c) は、 式 (1 0) において N= 4の場合にあたる。 図 6は、 1次外揷による伝送路特性 Ha ( s , kP) と、 1次内挿による伝送 路特性 Hb ( s , kP) とに基づいて求めた、 伝送路特性 He s (s, kP) の一 例を示す図である。 図 6では、 複素ベク トルである伝送路特性を説明の便宜上、 スカラとして表している。
図 6においては、 実際の伝送路特性の例が破線で表されている。 実際の伝送路 特性は、 フェージングなどの影響をうけて急激に変化する。 また、 例えば、 伝送 路特性 He s ( s , kP) を式 (8) に従って求める場合には、
He s ( 1 p + m, k P) —Ha ( 1 P + m, k P)
: Hb ( 1 p + m, k p) -He s ( 1 P + m, k P)
= 1一 Um : u m ( 1≤m^ ύ )
の関係がある。
図 6に示すように、 実際の伝送路特性との間の推定誤差は、 1次外揷による伝 送路特性 Ha ( s , kP) 及び 1次内揷による伝送路特性 Hb ( s, kP) よりも、 Ha ( s, k p) 及ぴ Hb (s , kP) に対する線形演算によって求められた伝送 路特性 He s ( s , kP) の方が小さくなる効果がある。
なお、 上記ではシンボルインデックス s = 1 p— 4, 1 p, 1 Ρ+4、 …の位置 にパイ口ット信号が揷入されているインデックス k pのキヤリァに対して、 シン
ボルインデックス s = 1 Pと 1 p+ 4との間を補間し、 H e s ( s, k P) ( 1 P + 1 ≤ s ≤ 1 p+ 3 ) を求める場合について説明を行ったが、 l P+ l≤ s ≤ l P + 3以外のシンポルインデッタスについても、 同様に伝送路特性を求めることがで きる。 また、 s = l P— 4, 1 p, 1 p+ 4 , …の位置以外のシンボルインデック スにパイ口ット信号が挿入されている、 ィンデックス k p以外のキヤリァについ ても、 同様である。
次に、 時間軸補間部 3 0の具体的な構成例と動作とを図 1を参照して説明する。 伝送路特性算出部 2 2は、 パイロット信号に対する伝送路特性を求めて、 メモリ 3 1と演算部 3 4とに出力する。 制御部 3 2は、 データの書き込み及び読み出し を行うアドレスをメモリ 3 1に指示し、 演算部 3 4の動作を制御する。 メモリ 3 1は、 入力された伝送路特性を保持し、 制御部 3 2の指示に従って、 保持する値 を演算部 3 4に出力する。 メモリ 3 1は、 新たな伝送路特性が入力されると、 保 持する伝送路特性を、 その次のシンボルのタイミングで更新する。
図 2のようにパイ口ット信号を伝送するシンボルが配置されている場合には、 3本につき 1本の割合でキヤリアにパイ口ット信号が揷入されているため、 メモ リ 3 1は、 全キヤリァ本数の 3分の 1の数のキヤリアについて、 伝送路特性の値 を 3個ずつ保持する容量を有している。
演算部 3 4は、 パイロット信号が揷入されたキャリアに関して、 各シンボルご とに、 決められた演算パターンに基づき、 伝送路特性算出部 2 2の出力及ぴメモ リ 3 1が保持する伝送路特性から適宜選択して線形演算を施すことによって、 時 間軸方向に補間後の伝送路特性を求めて周波数軸補間部 2 3に出力する。
図 7は、 図 1の伝送路特性算出部 2 2及びメモリ 3 1が出力する伝送路特性を 表す値を示すタイミングチャートである。 図 8は、 図 1のメモリ 3 1が出力する ことができる、 伝送路特性を表す他の値を示すタイミングチャートである。
図 7及び図 8においては、 キヤリアインデッタス k pのシンボルィンデックス sにおけるパイロット信号に対する伝送路特性が H ( s , k P) で表されている。 キャリアィンデックス k = 0のキャリアは、 シンボルインデックス s = 1 4
, 1 p, l p+4, 1 p+ 8 , …のシンボルでパイロッ ト信号を伝送し、 キャリア インデックス k= 3のキャリアは、 シンボルインデックス s = 1 p— 3, 1 p+ 1 , 1 p+ 5 , 1 p+ 9 , …のシンボルでパイ口ット信号を伝送している、 というよ うに、 以下、 同様にパイロット信号が巡回的に伝送されているものとする。
図 7に示されているように、 伝送路特性算出部 22は、 パイロット信号が揷入 されたインデックス k P= 0, 3, 6, …のキャリアのそれぞれについて、 パイ ロッ ト信号に対する伝送路特性 H ( s , kP) を 4シンボル周期で値 aとして出 力する。 また、 インデックス kP= 0, 3, 6, …のキヤリァのそれぞれについ て、 メモリ 3 1は、 値 aとして新たな伝送路特性 H ( s , k p) が入力されると、 これを保持し、 値 bとしてその次のシンボルのタイミングで出力する。
また、 図 8に示されているように、 インデックス kP==0, 3, 6, …のキヤ リァのそれぞれについて、 メモリ 3 1は、 値 aとして新たな伝送路特性 H ( s , k p) が入力されると、 それ以前に入力され、 保持していた伝送路特性 H ( s - 4, k p) を値 cとして、 伝送路特性 H ( s — 8, kP) を値 dとして、 その次の シンボルのタイミングで必要に応じて出力する。
例えば、 キャリアィンデックス k,,= 0のキヤリァについて、 シンボノレインデ ックス s = 1 p+ 5の期間においては、 メモリ 3 1は、 値 b, c及び dとして、 伝送路特性 H ( l p+4, 0) , 伝送路特性 H ( 1 p, 0) 及び伝送路特性 H (1 -4, 0) のそれぞれを出力することができる。
図 9は、 図 1の演算部 34が行う外揷演算を説明するためのタイミングチヤ一 トである。 図 10は、 図 1の演算部 34が行う内揷演算を説明するためのタイミ ングチャートである。 図 1 1は、 図 1の演算部 34が行う演算の結果を説明する ためのタイミングチヤ一トである。
図 9において、 1次外揷演算パターン f aは、 インデックス k P= 0, 3, 6 , …のキャリアのそれぞれについて、 演算部 34が 1次外揷を行うための演算の パターンを示している。
図 9に示されているように、 演算部 34は、 例えばインデックス k P= 0のキ
ャリアについて、 シンボルインデックス s = 1 p+ 3のときには、 メモリ 3 1力 ら伝送路特性 H ( 1 p, 0 ) を値 bとして読み出して (図 7参照) 、 これをこの キヤリァのシンボルィンデッタス s = 1 pにおける 1次外挿演算による伝送路特 性 H a ( 1 p, 0) とする。 演算部 3 4は、 s = l P+ 4のときには、 メモリ 3 1 から伝送路特性 H ( 1 P- 4 , 0) , H ( 1 p, 0) をそれぞれ値 c及び bとして 読み出して (図 7, 図 8参照) 、 値 c及ぴ bに対して一 c /4 + 5 · bZ4なる 演算を施し、 その結果を、 このキャリアのシンボルインデックス s = 1 p+ 1に おける 1次外揷演算による伝送路特性 H a ( 1 p+ 1 , 0) とする。
また、 演算部 3 4は、 s = l P+ 5のときには、 メモリ 3 1から伝送路特性 H ( 1 P- 4 , 0) , H ( 1 P, 0) をそれぞれ値 d及び cとして読み出して (図 8 参照) 、 値 d及ぴ cに対して一 dZ2 + 3 · cZ2なる演算を施し、 その結果を、 このキヤリァのシンボルィンデッタス s = 1 p+ 2における 1次外揷演算による 伝送路特性 H a ( 1 p+ 2 , 0) とする。 演算部 3 4は、 s = l P+ 6のときには、 メモリ 3 1から伝送路特性 H (し— 4, 0) , H ( 1 P) 0) をそれぞれ値 d及 びじとして読み出して (図 8参照) 、 値 d及ぴ cに対して一 3 · d/4 + 7 · c Z4なる演算を施して、 その結果をこのキャリアのシンボルインデックス s = 1 P+ 3における 1次外揷演算による伝送路特性 H a ( 1 p+ 3 , 0) とする。 以下、 同様の演算を 4シンボル周期で繰り返す。
図 1 0において、 1次内挿演算パターン f bは、 インデックス k P= 0 , 3 , 6 , …のキャリアのそれぞれについて、 演算部 3 4が 1次内挿を行うための演算 のパターンを示している。
図 1 0に示されているように、 演算部 3 4は、 例えばインデックス k P= 0の キャリアについて、 シンボルインデックス s = 1 P+ 3のときには、 メモリ 3 1 から伝送路特性 H ( 1 p, 0) を値 bとして読み出して (図 7参照) 、 これをこ のキヤリァのシンボルィンデックス s = 1 pにおける 1次内揷演算による伝送路 特性 H b ( 1 p, 0) とする。 演算部 3 4は、 s = l P+ 4のときには、 メモリ 3 1から伝送路特性 H ( 1 p, 0 ) を値 bとして読み出して、 これと伝送路特性算
出部 2 2から値 aとして入力された伝送路特性 H ( 1 p+ 4 , 0) と (図 7参 照) に対して 3 · bZ4 + aなる演算を施し、 その結果を、 このキャリアのシン ボルインデックス s = 1 P+ 1における 1次内挿演算による伝送路特性 Hb ( 1 p + 1, 0) とする。
また、 演算部 34は、 s = l P+ 5のときには、 メモリ 3 1から伝送路特性 H ( 1 p, 0) , H ( 1 p+ 4, 0) をそれぞれ値 c及ぴ bとして読み出して (図 7 , 図 8参照) 、 値 c及び bに対して c/2 + b/2なる演算を施し、 その結果を、 このキヤリァのシンポルインデッタス s = 1 p+ 2における 1次内揷演算による 伝送路特性 Hb ( l p+ 2, 0) とする。 演算部 34は、 s = l P+6のときには、 メモリ 31から伝送路特性 H ( 1 p, 0) , H ( 1 p+4, 0) をそれぞれ値 c及 び bとして読み出して (図 7, 図 8参照) 、 値 c及び bに対して c/4 + 3 · b /4なる演算を施して、 その結果を、 このキヤリァのシンボルィンデックス s = 1 p+ 3における 1次内揷演算による伝送路特性 Hb ( 1 p+ 3, 0) とする。 以 下、 同様の演算を 4シンボル周期で繰り返す。
図 9及び図 1 0のように、 1次外挿演算パターン f a及び 1次内挿演算パター ン f bは、 k P= 0以外のキャリアについても同様に、 パイロット信号を伝送す るシンボルのタイミングに応じてキヤリアごとに設定される。
図 1 1において、 係数パターン uは、 演算部 34が式 (8) の演算を行う際に 用いる係数 umのパターンを示している。 演算結果 eは、 演算部 34が出力する 値を示している。
演算部 34は、 インデックス kP=0, 3, 6, …のキャリアのそれぞれにつ いて、 式 (8) の伝送路特性 Ha, Hbに対する線形演算によって伝送路特性を 求める際に、 図 1 1のような係数 umを伝送路特性 Haに乗じ、 係数 1一 umを伝 送路特性 Hbに乗じる。 係数 umは、 シンボルインデックスに応じて u iから u 2 へ、 更に u 2から u3へと変化する。 すなわち、 演算部 34は、 インデックス kP = 0, 3, 6, …のキャリアそれぞれについて、 1次外挿による伝送路特性 Ha と、 1次内揷による伝送路特性 Hbと、 係数パターン uに示された係数 umとに
基づいて、 時間軸補間後の伝送路特性を求め、 演算結果 eとして出力する。
また、 演算結果 eより、 図 1の受信装置によって補間後の伝送路特性が得られ るまでの遅延は、 1次内揷のみによって伝送路特性を求める場合と同じく、 3シ ンボルの遅延であることがわかる。
図 9〜図 1 1の演算は、 1つのシンボルインデックスの期間において、 インデ ックス k P= 0 , 3, 6, …のキャリアのそれぞれについて順に行われ、 その後、 次のシンボルィンデックスの期間における演算が行われる。
ここでは、 タイミングチヤ一トを参照して、 演算部 3 4が式 (l a ) 〜 ( 1 c) , (2 a) 〜 (2 c) , (8) に従って伝送路特性 H e sを求める場合につ いて説明したが、 伝送路特性 H a, Hbを求めずに、 式 (1 0) (具体的には式 (9 a) 〜 (9 c ) ) に従って、 パイロット信号に対する伝送路特性 Hから伝送 路特性 H e sを直接求めるようにしてもよレ、。
このように、 本実施形態の受信装置によれば、 フ ージングなどの影響をうけ て急激に変化する伝送路特性を推定する場合において、 1次外挿および 1次内揷 を併用して伝送路特性を求めることにより、 小さな回路規模で実際の伝送路特性 との誤差をより小さくすることができる。
更に、 式 (8) 又は式 (1 0) において、 (tn, u 2 , u s) = (3/8, 1 /4, 1/8) とすれば、 第 1〜第 3のパイロット信号に対する伝送路特性に基 づいて、 2次内挿によって得られる伝送路特性と同じ値を得ることができる。 こ こで、 2次内挿とは、 それぞれの成分について、 第 1〜第 3のパイロット信号に 対する伝送路特性を表す点の間を 2次曲線で結び、 この 2次曲線上の点を補間さ れた伝送路特性として求めることをいう。 2次内揷によって伝送路特性を求める と、 1次內揷によって求める場合よりも、 実際の伝送路特性に近い値を推定でき ることが多い。
このように、 1次式である式 (8) 又は式 (1 0) に従って、 2次内挿した場 合と同様の伝送路特性を求めることができる根拠を解析的に説明する。 一般に伝 送路特性は、 I軸成分と Q軸成分をもつ複素ベクトルであるが、 以下では便宜上、
パイ口ット信号に対する伝送路特性をスカラとして説明する。
図 1 2は、 2次内挿を説明する図である。 図 1 2において、 横軸は時間 t、 縦 軸は伝送路特性の値 yを示している。 第 1〜第 3のパイ口ット信号に対する伝送 路特性がそれぞれ時刻 t =_4T, 0, 4 Τ (Τはシンボル間隔) において得ら れ、 これらの伝送路特性を表す点をそれぞれ t _y平面上の点 Ρ, Q, Rとする。 まず、 t— y平面上において、 点 P, Q, Rを通過する 2次曲線 gは、 g : y = q · ( t - r ) 2 (q, rは実数)
と表すことができる (t軸を 2次曲線 gに接するように移動させた) 。 次に、 点 P, Qを通る直線 h a、 点 Q, Rを通る直線 h bは、
h a : y=- 2 · q · (2 · T+ r ) · t + q · r 2
h b : y= 2 · q · (2 · T- r ) · t + q · r 2
で表される。 ここで、 直線 h aは 1次外揷 (予測) による 0≤ t≤4Tにおける 伝送路特性 H aを表しており、 直線 h bは 1次内挿 (直線補間) による 0 t≤ 4 Tにおける伝送路特性 Hbを表している。
時刻 t =Tにおける、 2次曲線 g上の点 A、 直線 h a上の点 A' 、 直線 h b上 の点 A" のそれぞれの座標は、
A (T, q - (T- r ) 2)
A, (T, 一 2 · q · Τ · (2 · Τ+ r ) + q · r 2)
A" (T, 2 · q · T · (2 · T- r ) + q · r 2)
となる。 このとき、 線分 A A' 及び線分 A A" の長さは、 それぞれ、
AA, = 5 · I q I · T2
A A" = 3. I q I · T2
となる。
これは、 q, rの値によらず、 点 Aは線分 A' A" を 5 : 3に内分する点であ ることを示している。 したがって、 時刻 t =Tにおける 2次内挿による伝送路特 性は、 この時刻における 1次外挿による伝送路特性 Haと 1次內揷による伝送路 特性 Hbとから、 線形演算によって得ることができることがわかる。
また同様にして、 時刻 t = 2 Tにおける直線 h a上の点 B' 及ぴ直線 h b上の 点 B" に関して、 B B" /B B, = 1Z3となり、 時刻 t = 3 Tにおける直線 h a上の点 C' 、 直線 h b上の点 C" に関して、 C C" ZCC, = 1/7となり、 時刻 t = 2 T, 3 Tにおける 2次内挿による伝送路特性も、 1次外揷による伝送 路特性 H aと 1次内揷による伝送路特性 Hbとから、 線形演算によって得ること ができることがわかる。
すなわち、 式 (8) 又は式 (1 0) において、 (u u 2, u 3) = (3/8 , 1/4, 1/8) とすれば、 図 1 2における線分 A, A" を 5 : 3に内分する 点 A、 線分 B' B" を 3 : 1に内分する点 B、 線分 C' C" を 7 : 1に内分する 点 Cを求めることができ、 2次内挿して得られる伝送路特性と同じ値を得ること ができる。
このように、 1次外揷による伝送路特性 H aと 1次内揷による伝送路特性 Hb とに対して、 それぞれに一意に決められた係数を乗じて線形演算を施すことによ り、 2次方程式を解くことなく、 2次内挿による伝送路特性を正確に求められる ことがわかる。 すなわち、 線形演算のみを行って、 2次内揷による伝送路特性を 求めることができる。 このため、 時間軸補間部の回路規模を抑え、 かつ、 高速に、 実際の伝送路特性に近い値を推定することができる。
また、 直線 h a, h bの他に、 点 P, Rを通る直線 h eを考え、 直線 h a, h b及ぴ h cのうちの任意の 2直線について求めた時間 T, 2 Τ, 3 Τにおける値 に基づいて、 同様にして 2次内挿して得られる伝送路特性を求めるようにしても よい。 この場合、 2直線の組み合わせに応じた配分係数 u u 2) u 3を求めて おけばよい。
そこで、 先述の式 (l a) 〜 (l c) で示した 1次外揷により得られる伝送路 特性 H a ( s , k p) ( 1 p+ 1≤ s ≤ 1 p+ 3) 、 およぴ式 (2 a ) 〜 (2 c) で示した 1次内挿により得られる伝送路特性 Hb ( s , kP) ( 1 p+ 1≤ s≤ 1 p+ 3) に加え、 新たに伝送路特性を定義する。 すなわち、 シンボルインデック ス s == 1 p—4と s = 1 P+4とにおけるそれぞれの伝送路特性を結んだ線分の内
分値から得られる伝送路特性を、 新たに 「飛び越し 1次内挿による伝送路特性」 と称することとする。
シンポルインデッタス s = 1 と s = 1 P+ 4の間のデータ信号に対する伝送路 特性として、 飛び越し 1次内揷によって得られる伝送路特性 H c ( s , k ( 1 1≤ s≤ 1 3) は次式のようになる。
He ( 1 1 , k
= (3/8) H ( 1 P_4, kp)
He ( 1 2, kP)
= ( 1/4) H ( 1 4 k
+ (3X4) H ( 1 4 kP) b)
H e ( 1 3, kP)
= (1/8) H ( 1 4 kP)
+ (7X8) H ( 1 +4, kP) (1 1 c)
これらを式 (5) と同様に、 一般化して表記すると、
H e (1 + m, k
= (N-m) / (2 · N) · H ( 1 — N, k P)
+ (N + m) / (2 · N) · H ( 1 P + N, k P) ·· (1 2)
(m、 Nは 1≤m≤N— 1を満たす整数)
となる。 式 (1 1 a) 〜式 (1 1 c) は、 式 (1 2) において N= 4の場合にあ たる。
このとき、 式 ( 8 ) で示したように、 伝送路特性 H aと H bとの線形和を伝送 路特性 He sとして求める代わりに、 上記の式 (1 1 a) 〜 (1 1 c) で得られ る伝送路特性 H eと、 伝送路特性 Haとの線形和、 又は、 伝送路特性 Heと、 伝 送路特性 Hbとの線形和を、 伝送路特性 He sとして求めてもよい。 すなわち、 H e s ( 1 + m, k P)
· H c ( 1 + m, k P)
+ (1 - um) - H a ( 1 p + m, k P) … (1 3)
(m, Nは 1≤m≤N— 1を満たす整数、 umは、 | u m | < 1を満たす実数) 又は、
H e s ( 1 p + m, k )
= u m · H e 1 p + m, k p)
+ (1 - U m) - Hb ( 1 p + m, k P) … (1 4)
(m, Nは 1≤m^N_ 1を満たす整数、 umは、 in^ O, | ひ„> | < 1を満た す実数)
として H e sを求めてもよい。
また、 式 (1 3) を展開した式、
H e s ( 1 p + m, k )
= { u m · N+ ( u m- 2) · m} / ( 2 · N) · H ( 1 P— N, k ,,)
+ (1 - U m) (N + m) ZN · H ( 1 p , k p)
+ U m - (N + m) / (2 · N) · H ( 1 p + N, k P) … (1 5)
又は、 式 (1 4) を展開した式、
He s ( 1 p + m, k P)
=um · (N-m) / (2 · N) · H ( 1 p— N, k P)
+ (1 - U m) (N-m) /N · H ( 1 P, k P)
+ U m - N+ (2 - U m) · m./ ( 2 · N) · H ( 1 P + N, k P) "- (1 6) を用いてもよい。
mの値が大きくなるのに伴い、 式 (1 3) 及ぴ (1 5) においては umの値を 大きくし、 式 (1 4) 及ぴ (1 6) においては umの値を小さくする。
なお、 N=4の場合には、 次のように umの値を選べば、 2次内挿による推定 結果が得られる。 すなわち、 式 (1 3) , ( 1 5) においては、
(u i, u 2, u 3) = (1/4, 1/2, 3/4)
とすればよく、 式 (1 4) , ( 1 6) においては、
( 1 , u 2, u 3) = (- 1/4, - 1/2, - 3/4)
とすればよい。 1
また、 線形演算によって 2次内挿による伝送路特性を求める場合について説明 したが、 同様にして、 4つのパイロット信号に対する伝送路特性を表す点を通る 3次曲線上の点で表される伝送路特性を、 線形演算によって求めることもできる。 この場合は、 まず、 同一のキャリアで順に伝送された第 1、 第 2、 第 3及び第 4のパイ口ット信号に対応する伝送路特性に基づいて、 シンボルに対する伝送路 特性を表す平面上における第 1〜第 4のパイ口ット信号に対応する伝送路特性の それぞれを表す点を求める。 求められた 4点を 2点ずつの組に分け、 それぞれが、 各組の 2点を通る 2つの直線を求め、 同一のタイミングのシンポルに対するこれ らの 2直線上の点が示す値に対して線形演算を行うようにすればよい。 すると、 第 1〜第 4のパイ口ット信号に対応する伝送路特性を表す点を通る 3次曲線上の 点で表される伝送路特性を求めることができる。 線形演算を行う際に用いる係数 は、 シンボルごとに一意に求めることができる。
以上のように、 本実施形態では、 パイ口ット信号が挿入されたキヤリァについ て、 所定のシンボル間隔で伝送される第 1〜第 3のパイロット信号に対する伝送 路特性に基づいて、 1次外揷及び 1次内挿を併用して伝送路特性を求める。 この ため、 フェージングなどの影響により伝送路特性が激しく変化する受信環境にお いても、 回路規模をあまり増大させることなく、 実際の伝送路特性との誤差が小 さい伝送路特性を求めることができる。
(第 1の実施形態の第 1の変形例)
図 1の受信装置においては、 第 2及び第 3のパイロット信号間の伝送路特性を 求める際に、 1次外揷による伝送路特性 H aと 1次内挿による伝送路特性 H bと に対して、 式 (8 ) 又は式 (1 0 ) のように、 予め定められた係数 U i , U 2 , u
3を用いて線形演算を施している。 以下の変形例では、 受信状況に応じてこれら の係数!! U 2 ) U 3の値を変えるようにした場合について説明する。
図 1 3は、 第 1の実施形態の第 1の変形例に係る受信装置における時間軸補間
部 1 3 0の構成の例を示すブロック図である。 本変形例の受信装置は、 図 1の受 信装置において時間軸補間部 3 0に代えて時間軸補間部 1 3 0を備えたものであ る。 その他の構成要素は図 1を参照して説明したものと同様であるので、 同一の 参照番号を付してその説明を省略する。 時間軸補間部 1 3 0は、 図 1の時間軸補 間部 3 0において、 伝送路特性判定部 1 3 5を更に備えたものである。 時間軸補 間部 1 3 0は、 メモリ 1 3 1と、 制御部 1 3 2と、 演算部 1 3 4と、 伝送路特性 判定部 1 3 5とを備えている。 メモリ 1 3 1及び制御部 1 3 2は、 それぞれ図 1 のメモリ 3 1及び制御部 3 2に対応している。
伝送路特性判定部 1 3 5は、 伝送路特性算出部 2 2、 メモリ 1 3 1のそれぞれ が出力する、 パイロット信号に対する伝送路特性を入力とし、 これらに基づいて、 パイ口ット信号が挿入されたキヤリアに関して、 パイ口ット信号に対する伝送路 特性の変化の程度を判定し、 判定結果を伝送路変化情報として演算部 1 3 4に出 力する。
伝送路特性判定部 1 3 5の動作について説明する。 第 1の実愈形態で説明した ように、 キヤリアインデッタス k pのキヤリァのパイ口ット信号について、 伝送 路特性算出部 2 2が出力する伝送路特性、 及びメモリ 1 3 1が保持する複数の伝 送路特性は、 それぞれパイ口ット信号の 1周期分ずつ異なるタイミングのもので ある。
キヤリアインデッタス k pのキヤリァにおける、 シンボルィンデッタス s = 1 p 一 4, 1 p , 1 p + 4のそれぞれにおける第 1, 第 2及び第 3のパイロット信号に 対する伝送路特性として、 H ( 1 p - 4 , k p ) , H ( 1 p , k P) , Η ( 1 p + 4 , k P) が得られたとする (伝送路特性判定部 1 3 5は、 メモリ 1 3 1が保持す る複数の伝送路特性と伝送路特性算出部 2 2が出力する伝送路特性とから、 シン ボルインデックスに応じて選択を行うものであり、 選択される伝送路特性の組み 合わせは時々刻々変化する) 。
伝送路特性判定部 1 3 5は、 シンボルィンデックス s = 1 p— 4から s = 1 pを 経て s = 1 P + 4となるまでの間の伝送路特性の変化の程度を判定する。
図 14は、 伝送路特性の変化が単調である場合 (単調減少の場合) の例を示す 図である。 例えば、 図 1 4のような伝送路特性が得られた場合に、 伝送路特性判 定部 1 35は、 「シンボルインデックス s = 1 p— 4〜 1 p+ 4の間において伝送 路特性の変化が単調である」 と判定する。 また、 図 6のような伝送路特性が得ら れた場合に、 伝送路特性判定部 1 3 5は、 「シンポルインデッタス s = 1 P_ 4 〜 1 P+ 4の間において伝送路特性の変化が単調ではない」 と判定する。
伝送路特性の変化がこれらの 2つの状態のいずれであるかを判定するために、 伝送路特性判定部 1 35は、 シンボルィンデッタス s = 1 p— 4から s = 1 Pへの 伝送路特性の変化量 dH 1と、 s = 1 pカゝら s = 1 p+ 4への伝送路特性の変化量 dH2とを求め、 変化量 dH 1と dH 2との値に応じて、 さらに木目細かく伝送 路特性の変化の程度を判定して、 3以上の状態のいずれであるかを判定するよう にしてもよい。 伝送路特性は複素ベク トルで表されるので、 変化量 dHlあるい は dH2の値としては、 伝送路特性のベク トルの差分の大きさ、 又はこれが 2乗 された値を選んでもよい。
演算部 1 34は、 図 9, 図 1 0のような演算パターンに従って、 伝送路特性算 出部 22及びメモリ 1 3 1から伝送路特性を適宜選択して読み出し、 更に図 1 1 に従って、 選択された伝送路特性に例えば式 (8) 又は式 (1 0) の線形演算を 施すことによって、 第 1の実施形態と同様に 1次外揷と 1次内挿とを併用して、 パイ口ット信号が挿入されたキヤリァに対する伝送路特性を算出する。
このとき、 演算部 1 34は、 伝送路特性判定部 1 35が出力する伝送路変化情 報に基づいて 1次外挿による伝送路特性が寄与する割合を制御して、 伝送路特性 を算出する。 演算部 1 34は、 パイロット信号に対する伝送路特性が大きく変化 する場合には、 1次外揷 (予測) によって求められた伝送路特性には誤差が多く 含まれると考えられるので、 1次外挿による伝送路特性が寄与する割合を低くし、 逆に伝送路特性が大きく変化しない場合には 1次外挿による伝送路特性が寄与す る割合を高くするように制御を行う。
伝送路特性判定部 1 3 5が 「伝送路特性の変化が単調ではない」 又は 「伝送路
特性の変化が単調である」 の 2段階の伝送路変化情報を出力する場合には、 演算 部 1 34は、 1組の固定された係数 (u t, u us) を用いるのではなく、 例 ば、 2組の係数 ( U V, U U 3v) , ( U U 2W, U 3W ァこ 7こし、 U lV^
U W, U 2V U U 3V =≥ U 3W ) を用意し、 これらの係数の組から 1組を適宜選 択して用いるものとする。
すなわち、 伝送路特性の変化が単調ではない場合 (図 6のような場合) には係 数 (u lv, u 2v, usv) を用い、 変化が単調である場合 (図 1 4のような場合) には係数 (U 1W, U 2W, U aw) を用いる。 また、 伝送路の状態によっては、 1次 外挿と 1次内揷を併用するのではなく、 1次内揷のみ (又は 1次外挿のみ) を用 いるように係数を制御して伝送路特性を求めるようにしてもよレ、。
なお、 伝送路特性判定部 1 3 5が、 伝送路の 3以上の異なる状態を識別できる ように伝送路変化情報を出力する場合には、 より多くの係数の組を用意して伝送 路特性の演算に用いることにより、 伝送路特性の変化により柔軟に対応できる。 パイロット信号が Nシンボルごとに挿入されている場合であって、 伝送路特性 判定部 1 3 5が、 伝送路の異なる C種類の状態を識別できるように伝送路変化情 報を出力する場合について、 一般化して説明する (Cは 2以上の整数) 。 この場 合、 演算部 1 3 4は、 それぞれが N_ 1個の係数 u v, mを有する C組の係数の組、 すなわち、
( U 1, 1 , U 1, 2, ···, U 1, ···, U 1, , ( U 2, 1 , U 2, …, U 2, … , U 2, ( U 1, U 2, ···, U , U , ···, ( U 1 ,
U 2 , ··,, U ···, U 1 )
は 1≠ 0 ≥ U 2, …≥ mを満たす実数、 Vは
1≤ v≤Cを満たす整数)
を予め用意し、 伝送路情報に応じてこれらの C組の係数の組から.1組を選択する。 ここで、 係数 uv. mは、 第 3のパイロット信号のタイミングに近いほど小さく なるように、 すなわち、 U U 2 …≥ U m …≥ U を満たすように して、 第 3のパイロット信号のタイミングに近いほど、 1一 uv, mに対する uv, m
の比が小さくなるようにすることが望ましい。 更に、 選択した係数の組を用いて、 u m= u v, mとして式 (8 ) 又は式 (1 0 ) の演算を行い、 伝送路特性を求める。 このように、 図 1 3の時間軸補間部 1 3 0は、 パイ口ット信号に対する伝送路 特性の変化の程度に応じて、 式 (8 ) 又は式 (1 0 ) の線形演算を行う際に、 1 次外挿による伝送路特性と 1次内挿による伝送路特性との比率を制御するもので ある。 伝送路特性の変化状況に応じて 1次外揷による伝送路特性の成分を変化さ せて伝送路特性の算出ができるため、 伝送路特性の推定誤差を小さくすることが できる。
(第 1の実施形態の第 2の変形例)
本変形例では、 1次外挿と 1次内挿とを併用して伝送路特性を求める際に、 1 次外挿による伝送路特性が寄与する割合を、 フェージングによる妨害の影響の程 度に応じて制御する場合について説明する。
図 1 5は、 第 1の実施形態の第 2の変形例に係る受信装置における時間軸補間 部 2 3 0の構成の例を示すブロック図である。 本変形例の受信装置は、 図 1の受 信装置において時間軸補間部 3 0に代えて時間軸補間部 2 3 0を備えたものであ る。 時間軸補間部 2 3 0は、 図 1 3の時間軸補間部 1 3 0において、 伝送路特性 判定部 1 3 5に代えて伝送路特性判定部 2 3 5を備えたものである。 時間軸補間 部 2 3 0は、 メモリ 2 3 1と、 制御部 2 3 2と、 演算部 2 3 4と、 伝送路特性判 定部 2 3 5とを備えている。 伝送路特性判定部 2 3 5は、 差分電力算出部 2 3 7 と、 シンボル間フィルタ 2 3 8と、 平均算出部 2 3 9とを備えている。 メモリ 2 3 1及び制御部 2 3 2は、 それぞれ図 1 3のメモリ 1 3 1及ぴ制御部 1 3 2に対 応している。
図 1 5において、 差分電力算出部 2 3 7は、 伝送路特性算出部 2 2及ぴメモリ 2 3 1のそれぞれから出力される、 パイロット信号に対する伝送路特性の差分を 求め、 更にこの差分値を 2乗して差分電力を求めてシンボル間フィルタ 2 3 8に 出力する。 このとき、 制御部 2 3 2は、 伝送路特性算出部 2 2が出力する伝送路
特性に対応するパイ口ット信号の直前のパイ口ット信号から求められた伝送路特 性を出力するように、 メモリ 2 3 1を制御する。 差分電力算出部 2 3 7が出力す る差分電力は、 パイロット信号に対する伝送路特性の 1周期間 (Nシンボル間) における変動量に相当する。
シンボル間フィルタ 2 3 8は、 パイ口ット信号が揷入されたキヤリアごとに、 差分電力を積分して伝送路特性の変動量を算出し、 これを平均算出部 2 3 9に出 力する。
平均算出部 2 3 9は、 パイ口ット信号が揷入されたキヤリアごとに得られた伝 送路特性の変動量を、 これらのキャリア全体にわたって平均し、 算出した平均値 をフェージング情報として演算部 2 3 4に出力する。 このフェージング情報は、 伝送路特性についての全パイ口ット信号に基づいた平均的な変動量であり、 フエ 一ジング妨害の度合いを表したものである。 激しいフェージング妨害を受けてい る場合には、 伝送路特性の変動が大きいので、 フェージング情報は相対的に大き な値となる。
演算部 2 3 4は、 伝送路特性判定部 2 3 5が出力するフェージング情報に基づ いて 1次外挿による伝送路特性が寄与する割合を制御して、 伝送路特性を算出す る点の他は、 図 1 3の演算部 1 3 4と同様の動作を行う。
すなわち、 演算部 2 3 4は、 例えば 3個の係数を有する係数の組を複数用意し、 平均算出部 2 3 9が出力するフェージング情報の値に応じてこれらの係数の組か ら 1組を適宜選択して用いて、 式 (8 ) 又は式 (1 0 ) の演算を行って伝送路特 性を求める。
パイ口ット信号に対する伝送路特性が大きく変化してフ ージング情報の値が 大きい場合には、 1次外挿による伝送路特性には誤差が多く含まれると考えられ る。 そこで、 例えば、 演算部 2 3 4は、 フェージング情報の値が大きい場合には 1次外揷による伝送路特性が寄与する割合を低くし、 逆にフェージング情報の値 が小さい場合には 1次外挿による伝送路特性が寄与する割合を高くするように制 御を行う。
また、 時間軸補間部 2 3 0は、 1次外挿と 1次内挿とを併用して得られる結果 を常に用いるのではなく、 1次内揷、 1次外揷、 第 1〜第 3のパイロット信号の それぞれに対応した伝送路特性の相加平均、 及び 1次外挿と 1次内挿との併用、 のうちのいずれかによつて得られる結果を、 伝送路の状態に応じて選択して用い るように制御を行ってもよい。
このように、 図 1 5の時間軸補間部 2 3 0によると、 受信信号にフェージング 妨害の影響を受けた場合であっても、 受信信号から伝送路特性の推定を行う際に フェージング妨害の影響の程度に応じて伝送路特性を算出することができるため、 伝送路特性の推定誤差を小さくすることができる。
(第 1の実施形態の第 3の変形例)
本変形例では、 1次外挿と 1次内挿とを併用して伝送路特性を求める際の 1次 外揷による伝送路特性が寄与する割合を、 受信信号中の雑音電力又は C 7 N比 (雑音電力に対するキヤリァの電力の比) に応じて制御する場合について説明す る。
図 1 6は、 第 1の実施形態の第 3の変形例に係る受信装置における時間軸補間 部 3 3 0の構成の例を示すブロック図である。 本変形例の受信装置は、 図 1の受 信装置において時間軸補間部 3 0に代えて時間軸補間部 3 3 0を備えたものであ る。 時間軸補間部 3 3 0は、 図 1 3の時間軸補間部 1 3 0において、 伝送路特性 判定部 1 3 5に代えて伝送路特性判定部 3 3 5を備えたものである。 時間軸補間 部 3 3 0は、 メモリ 3 3 1と、 制御部 3 3 2と、 演算部 3 3 4と、 伝送路特性判 定部 3 3 5とを備えている。 メモリ 3 3 1及び制御部 3 3 2は、 それぞれ図 1 3 のメモリ 1 3 1及ぴ制御部 1 3 2に対応している。
図 1 7は、 信号点配置の例を示す図である。 図 1 6において、 伝送路特性判定 部 3 3 5は、 歪み補償部 1 5が出力する等化後の信号を硬判定して送信信号点を 求め、 送信信号点と等化後の受信信号の信号点との間の信号点距離 e r rを 2乗 した値から、 受信信号の雑音電力を求める (図 1 7参照) 。 伝送路特性判定部 3
3 5は、 求めた雑音電力の値を雑音情報として演算部 3 3 4に出力する。
演算部 3 3 4は、 伝送路特性判定部 3 3 5が出力する雑音情報に基づいて 1次 外挿による伝送路特性が寄与する割合を制御して、 伝送路特性を算出する点の他 は、 図 1 3の演算部 1 3 4と同様の動作を行う。
すなわち、 演算部 3 3 4は、 例えば 3個の係数を有する係数の組を複数用意し、 伝送路特性判定部 3 3 5が出力する雑音情報の値に応じてこれらの係数の組から
1組を適宜選択して用いて、 例えば式 (8 ) 又は式 (1 0 ) の演算を行って伝送 路特性を求める。
一般に、 1次内挿による伝送路特性は、 1次外挿による伝送路特性に比べて、 雑音電力の影響を受けにくい。 言い換えると、 雑音電力が大きい場合には、 1次 外揷による伝送路特性には誤差が多く含まれると考えられる。 そこで、 演算部 3 3 4は、 雑音情報の値が大きい場合には 1次外挿による伝送路特性が寄与する割 合を低くし、 逆に雑音情報の値が小さい場合には 1次外揷による伝送路特性が寄 与する割合を高くするように制御を行う。
また、 伝送路の状態によっては、 1次外挿と 1次内揷を併用するのではなく、 1次内揷のみ (又は 1次外揷のみ) によって伝送路特性を求めるように係数を制 御してもよレ、。
このように、 図 1 6の時間軸補間部 3 3 0によると、 受信信号に雑音が含まれ る場合であっても、 受信信号から伝送路特性の推定を行う際に雑音の程度に応じ て伝送路特性を算出することができるため、 伝送路特性の推定誤差を小さくする ことができる。
なお、 雑音電力に強い相関を持つ値を求めて、 雑音電力に代えて用いてもよい。 例えば、 雑音電力の代わりに、 雑音電力に対するキャリアの電力の比である CZ N比を求めて用いてもよい。 また、 C ZN比に強い相関を持つ値を求めて、 CZ N比として用いてもよい。
以上のように、 第 1の実施形態の各変形例では、 伝送路の特性を判定し、 その 結果に応じて、 1次外挿による伝送路特性と 1次内挿による伝送路特性とが寄与
する割合を変えて、 データ信号に対する伝送路特性を求める。 このため、 フヱー ジング等の影響により伝送路特性が激しく変化する受信環境においても、 データ 信号に対する伝送路特性を小さな誤差で推定することができる。
(第 2の実施形態)
第 1の実施形態で説明した図 1等の受信装置は、 F F T部 1 4の出力に対して 既知のパイロット信号による演算を行って、 受信信号に含まれるパイロット信号 に対する伝送路特性を求めた後に、 これを時間軸方向に補間している。 しかし、 パイロット信号による伝送路特性の算出等と、 時間軸方向の補間との順序は、 逆 であってもよい。 これは、 日本国内の地上デジタルテレビジョン放送方式や欧州 の地上デジタルテレビジョン放送方式 (D V B— T ) 等のように、 パイロット信 号が挿入されるキヤリァのいずれにおいてもパイ口ット信号の振幅 ·位相が一定 であるように、 パイロット信号が挿入されて送信された信号を受信する場合に可 能である。 本実施形態では、 受信信号から得られたパイロット信号を時間軸方向 に補間した後に、 既知のパイロット信号による除算を行って伝送路特性を求める 受信装置について説明する。
図 1 8は、 本発明の第 2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図で ある。 図 1 8の受信装置は、 チューナ部 1 1と、 AZD変換部 1 2と、 直交検波 部 1 3と、 F F T部 1 4と、 歪み補償部 1 5と、 誤り訂正部 1 6と、 パイロット 信号発生部 4 2 1と、 伝送路特性算出部 4 2 2と、 周波数軸捕間部 2 3と、 パイ 口ット信号抽出部 4 2 5と、 時間軸補間部 4 3 0とを備えている。 時間軸捕間部 4 3 0は、 メモリ 4 3 1と、 制御部 4 3 2と、 演算部 4 3 4とを備えている。 メ モリ 4 3 1及ぴ制御部 4 3 2は、 それぞれ図 1のメモリ 3 1及び制御部 3 2に対 応している。 図 1を参照して説明したものと同様のものには、 同一の参照番号を 付してその説明を省略する。 図 1 8の受信装置には、 第 1の実施形態の場合と同 様の O F DM信号が入力されているものとする。
F F T部 1 4は、 高速フーリエ変換を行って、 時間領域のベースバンド O F D
M信号を周波数領域の O F D M信号に変換して、 歪み補償部 1 5及びパイロット 信号抽出部 4 2 5に出力する。
この F F T部 1 4の出力は、 O F D M信号に含まれる複数のキヤリァのそれぞ れについての位相と振幅を示すものであり、 具体的には I軸成分と Q軸成分を独 立に持つ複素信号の形で取り扱われる。 また、 複数のキャリアのうちの所定のキ ャリア (例えば 3本ごとに 1本のキヤリア) には、 所定のタイミングに (例えば 4シンボルごとに) パイロット信号が揷入されている。
パイロット抽出部 4 2 5は、 F F T部 1 4が出力する信号から、 所定のキヤリ ァに揷入されているパイロット信号を抽出し、 時間軸補間部 4 3 0に出力する。 抽出されたパイロット信号は、 I軸成分と Q軸成分とを独立に持つ複素信号の形 で表されている。
図 1の時間軸補間部 3 0は、 パイ口ット信号に対する伝送路特性 H ( 1 p , k P ) を時間軸方向に補間していたのに対し、 図 1 8の時間軸補間部 4 3 0は、 パ ィロット信号 P ( 1 P , k p ) そのものを時間軸方向に補間する処理を行う。
時間軸補間部 4 3 0は、 パイ口ット信号が挿入されたキヤリァに対して、 所定 のシンボル間隔で伝送された 3個のパイロット信号に基づいて、 シンボル方向 (時間軸方向) に補間を行い (図 3の矢印参照) 、 パイロット信号を伝送しない シンボルのタイミングにおける補間信号 P e s ( 1 p + m, k P ) を求めて伝送路 特性算出部 4 2 2に出力する (l≤m≤N _ l ) 。
言い換えると、 時間軸補間部 4 3 0は、 第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号 に基づいて、 第 2のパイロット信号の時点と第 3のパイロット信号の時点との間 のシンポルに対する補間信号 (データ信号のタイミングにおける補間信号) を求 めて伝送路特性算出部 4 2 2に出力する。 ここで、 3個のパイロット信号のうち、 伝送された時刻が早いものから順に第 1、 第 2及び第 3のパイロット信号として いる。 なお、 各パイロット信号の間の間隔は、 等間隔であってもよいし、 異なる 間隔であってもよい。 また、 第 1〜第 3のパイロット信号は、 隣り合ったパイ口 ット信号であってもよいし、 第 1〜第 3のパイロット信号の間に他のパイロット
信号が挿入されていてもよい。
パイ口ット信号発生部 42 1は、 各シンボルのタイミングで、 振幅及び位相が 既知のパイロット信号を生成し、 伝送路特性算出部 422に出力する。 伝送路特 性算出部 422は、 時間軸補間部 430の出力に対し、 パイロット信号発生部 4 2 1が生成した既知のパイ口ット信号による除算を行うことによって、 パイ口ッ ト信号を伝送するキヤリァの各シンボルに対する伝送路特性を推定して、 周波数 軸補間部 23に出力する。
時間軸補間部 430は、 時間軸補間部 30と同様に構成されており、 パイロッ ト信号に対する伝送路特性ではなく、 パイロット信号そのものが入力されている 点の他は、 時間軸補間部 30と同様である。 したがって、 時間軸補間部 430は、 式 (8) に代えて、
P e s ( 1 P + m, k P)
+ (1 - U m) - P b ( 1 p + m, kP) ··· (2 1)
(mは 1≤m≤N— 1を満たす整数、 umは u1≠ 0, u i≥ u 2≥…≥ u m …≥
U N- iを満たす実数)
に従って補間信号 P e sを求める。
ここで、 捕間信号 P a ( 1 p + m, kP) は、 シンボルインデックス s = 1 pと s = 1 p + Nとの間のデータ信号に対して、 パイロット信号 P ( 1 p-N, kP) 及び P ( 1 p, kP) に基づいて 1次外挿により得られる補間信号である。 補間信 号 P b ( 1 p + m, kP) は、 シンボルインデックス s = 1 pと s = 1 p + Nとの間 のデータ信号に対して、 パイロット信号 P (し, kP) 及び P ( 1 p + N, kP) に基づいて 1次内挿により得られる補間信号である。
また、 時間軸補間部 430は、 式 (9 a) 〜 (9 c) に代えて、
P e s ( 1 p+ 1 , k p)
+ { (3 + 2 · u i) /4} · P ( 1 p, kP)
+ { ( 1 - u ,) /A ] · P ( 1 p+ 4, k p) … ( 2 2 a )
P e s ( 1 p+ 2 , k p)
+ { ( l + 2 - u 2) /2 } · P ( 1 p, k p)
+ { ( 1 - u 2) / 2 } · P ( 1 p+4, k p) … ( 2 2 b)
P e s ( 1 p+ 3 , k p)
= (- 3 · u a/4) · P ( 1 p— 4, k p)
+ { ( 1 + 6 - u 3) /A ) · P ( 1 p, k P)
+ { 3 · ( 1 - u 3) /A ) · P ( 1 p+ 4 , k p) … ( 2 2 c )
に従って補間信号 P e sを求めてもよい。
式 ( 2 2 a ) 〜 ( 2 2 c ) をまとめて、 一般化して表記すると、 式 ( 2 1 ) か ら、
P e s ( 1 p + m, k P)
+ { ( 2 · Um - m + N-m) /N} · P ( 1 P, k P)
+ { ( 1 - u m) · m/N} · P ( 1 p + N, k p) … ( 2 3)
(umは m^ O , u !≥ u 2≥〜≥ um≥〜≥ U N- を満たす実数、 mは l ≤m^N 一 1を満たす整数)
が得られる。
時間軸補間部 4 3 0の動作等については、 図 7〜図 1 1を参照した説明と同様 に説明することができるので、 詳細な説明は省略する。
図 1 8の受信装置は、 パイ口ット信号に対応する伝送路特性に基づいてデータ 信号に対応する伝送路特性を求める代わりに、 パイロット信号そのものに基づい てデータ信号のタイミングにおける補間信号を求めるものであり、 時間軸方向の 補間については、 第 1の実施形態と同様に説明することができる。 特に、 図 1 8 の受信装置において、 時間軸補間部 4 3 0に代えて、 図 1 3、 図 1 5、 図 1 6の それぞれの時間軸補間部 1 3 0, 2 3 0, 3 3 0を用いるようにしてもよい。
(第 3の実施形態)
図 1 9は、 本発明の第 3の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図で ある。 図 1 9の受信装置は、 図 1の受信装置 1 0と、 情報源複号化部 5 1と、 D /A変換部 5 2 , 5 3と、 モニタ 5 4と、 スピーカ 5 5とを備えている。
受信装置 1 0の誤り訂正部 1 6は、 映像信号、 音声信号及びその他のデータを 含んだビットストリームを出力しており、 映像信号は例えば M P E G (moving p icture experts group) 方式により圧縮符号化されている。 情報源複号化部 5 1 は、 誤り訂正部 1 6の出力を、 映像信号、 音声信号及びその他のデータに分離し、 必要に応じて復号化する。 情報源復号化部 5 1は、 復号化された映像信号 V D及 び音声信号 A Uを D ZA変換部 5 2及び 5 3のそれぞれに出力し、 その他のデー タ E Dを出力端子 5 6に出力する。
0 変換部5 2, 5 3は、 入力された信号をアナログ信号に変換し、 それぞ れモニタ 5 4及びスピーカ 5 5に出力する。 モニタ 5 4は、 入力された信号に応 じた映像を表示し、 スピーカ 5 5は、 入力された信号に応じた音声を出力する。 このように、 図 1 9の受信装置によると、 O F DM信号により伝送された映像、 音声、 及びその他のデータを再生することができる。
なお、 図 1の受信装置 1 0に代えて、 図 1 8の受信装置を用いてもよい。 また、 図 1の時間軸補間部 3 0又は図 1 8の時間軸補間部 4 3 0に代えて、 図 1 3、 図 1 5、 図 1 6のそれぞれの時間軸補間部 1 3 0, 2 3 0 , 3 3 0を用いてもよい。 また、 本実施形態においては、 受信装置はモニタ 5 4、 スピーカ 5 5及び出力 端子 5 6を備えるものとして説明したが、 これらのうちの一部のみを備えるよう なお、 以上の実施形態においては、 説明の便宜上、 伝送路特性はスカラである として説明したが、 伝送路特性は複素ベクトルであるとして考えても、 全く同様 に説明することができる。 伝送路特性が複素べクトルであるとして考える場合に は、 伝送路特性を I軸成分及び Q軸成分に分解し、 これらを独立したスカラとし
て扱ってもよいし、 伝送路特性を複素べクトルのまま扱ってもよレ、。 また、 フーリエ変換部 (F F T部) が F F Tを行う場合について説明したが、 これに代えて D F T (discrete Fourier transform) を行うようにしてもよレヽ。 また、 時間軸補間部は、 メモリ、 制御部及び演算部を有するものとして説明し たが、 この構成は説明のための一例であり、 同様の処理ができるものであれば、 他の構成を有していてもよい。
また、 複数のキヤリァを有する O F D M信号を受信する場合について説明した が、 パイロット信号を用いて伝送路特性を推定するように構成された信号であれ ば、 シングルキヤリァの信号を受信する場合も同様である。
また、 受信信号に対する等化や復調処理が必要ない計測装置等に本発明を適用 してもよい。 この場合は、 図 1等における歪み捕償部 1 5及び誤り訂正部 1 6を 備えないこととしたものを伝送路特性測定装置として用い、 図 1の時間軸補間部 3 0が出力する伝送路特性、 又は図 1 8の伝送路特性算出部 4 2 2が出力する伝 送路特性を、 伝送路特性測定装置の出力とする。 また、 これらの伝送路特性測定 装置において、 時間軸補間部 3 0, 4 3 0に代えて、 図 1 3、 図 1 5、 図 1 6の それぞれの時間軸補間部 1 3 0 , 2 3 0 , 3 3 0のうちのいずれかを用いるよう にしてもよい。 更に、 図 1又は図 1 8の周波数軸補間部 2 3の出力を、 伝送路特 性測定装置の出力として用いてもよい。
また、 受信装置の用途によっては、 周波数軸方向の補間の処理が不要な場合も ある。 そこで、 図 1、 図 1 8等の受信装置において周波数軸補間部 2 3を備えな いようにしてもよい。
また、 以上で説明した受信装置及び伝送路特性測定装置等の一部又は全部の処 理を、 D S P (digital signal processor) 等のプロセッサによって行うように