WO2003080485A1

WO2003080485A1 - Emballage de feuilles de papier

Info

Publication number: WO2003080485A1
Application number: PCT/JP2003/003201
Authority: WO
Inventors: Minoru Yamamoto; Keiji Seo; Koji Sugiyama
Original assignee: Brother Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2002-03-27
Filing date: 2003-03-17
Publication date: 2003-10-02
Also published as: JP3772776B2; JP2003276864A; AU2003221410A1

Description

明細書用紙パッケージ技術分野

本発明は、プリン夕にセットする用紙パッケージに関し、特に、用紙を印刷機構部に給送する際の用紙の重送を防止することが可能な用紙パッケージに関するものである。背景技術

従来から、用紙を複数枚重ねられた状態で用紙収容部に装填可能とするとともに、該用紙収容部にはピックアップローラを設けて、セットされた用紙に接触する該ピックアップローラを駆動することで、用紙を 1枚ずつ分離して印刷機構部へ供給する構成が知られている。

この構成においては、用紙に直接接触しながら、該用紙を前記ピックアツプロ一ラ側へ押し付ける方向に付勢する押圧部材が用紙収容部に設けられているのが通例である。その結果、プリン夕内に積層収容された多数枚の用紙は、その枚数の多少にかかわらず前記押圧部材により安定してピックアツプローラ側へ押し付けられる結果、用紙を最後の 1枚まで印刷機構部へ送ることが可能となっている。

前記押圧部材と用紙との間に生じる摩擦力は、ピ'ックアップローラに直接接触している用紙が該ピックアップローラの駆動によって繰り出される際に、それ以外の用紙が一緒に送り出されないよう保持する機能を果たす。従って、押圧部材と用紙との間の摩擦係数が重要な意味を持つ。

この事情から、前記押圧部材の用紙との接触部分にゴム部材を貼設する等の加工により、前記押圧部材と用紙との間の摩擦係数を調整した構成も知られている。発明の開示

しかし、押圧部材が直接用紙に接触して押圧する前記のような構成では、プリンタの長年の使用に伴って、押圧部材自体や上記ゴム部材等の加工部分が摩耗したり、該押圧部材の部分に紙粉が付着したりして、押圧部材と用紙との間の摩擦係数が低下してしまうことが避けられない。

この結果、特に用紙収容部にセットされている用紙の数が 2〜 3枚程度の少数となったときに、ピックアップローラで複数枚を同時に印刷機構部へ送つてしまう重送が問題となっており、その解決が望まれている。

本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、積層収容された用紙の残りの枚数によらず、用紙の重送を防止し安定した用紙供給を可能とする用紙パッケージを提供することを目的とする。

前記目的を達成するため、本発明の用紙パッケージは、プリンタの被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材とを有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材と共に前記プリン夕にセットできるように構成した用紙パッケージであつて、前記パッケージ材には、用紙パッケージがプリン夕にセットされたときに用紙に接する舌部を形成して、前記用紙と用紙との間の静摩擦係数を H s、前記舌部と前記用紙との間の静止摩擦係数を / とした時、 sく/ i k≤ 0 . 7の関係を満たすことを特徴としている。

これにより、舌部と用紙との間および用紙と用紙との間に適度な摩擦力が働くので、プリンタ内に積層収容された用紙の残りの枚数が何枚であっても、複数枚を一度に送ってしまう重送は生じず、用紙を 1枚ごとに確実的 · 安定的に供給することができる。図面の簡単な説明

第 1図は用紙パッケージの斜視図である。

第 2図は用紙パッケージの展開図である。

第 3図はプリン夕の斜視図である。

第 4図はプリンタの側面断面図である。

第 5図は用紙収容部に用紙をセッ卜した状態を示した側面断面図である。第 6図は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。第 7図は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。第 8図は用紙分離部に発生する静止摩擦力を説明する模式図である。

第 9図は表 1 を示す図である。

第 1 0図は表 2を示す図である。発明の実施の形態

本発明の実施の形態を第 1図ないし第 8図に基づいて以下に説明する。先ず、本実施形態において、プリン夕 1 にセットされる用紙パッケージ 9 について説明する。第 1図は用紙パッケージ 9の斜視図である。また、第 8 図は用紙パッケージの展開図である。

用紙パッケージ 9は、第 1図に示すように、例えば A 6 ~ A 7サイズ程度の小サイズのカツトシート状の感熱紙（被記録媒体。以下「用紙」と称する） 7 と、該用紙 7が内部に複数枚積層されて収納されるパッケージ材 8 とを有する。そして、パッケージ材 8から用紙 7の一部を露出させた状態で、該パッケージ材 8 と共にプリンタ 1 にセットできるように構成されている。

上記のパッケージ材 8は、用紙 7が揷入される側が開放側とされた箱形の本体 8 dと、本体 8 dの開放側の下面から延在するように設けられた蓋部 8 c とを備えている。蓋部 8 dは、用紙パッケージ 9を使用しない時は、用紙 7の上面を覆うように折り曲げてパッケージ 9を閉じることができる。また、プリン夕に用紙パッケージ 9をセットする時には、第 2図中 Aで示すラインにおいて、パッケージ材 8の下面に沿うように蓋部 8 dを折り返すことにより、用紙 7の一部を露出させる。第 1図は、蓋部 8 cがライン Aにおいて、パッケージ材の下面に沿うように折り返された状態を示す。

用紙 7は、その一面側に形成された、感熱することにより印字される印字面を下側へ向けつつ複数枚積層された状態で、本体 8 dの開放側（図中右側）から挿入される。また、パッケージ材 8には、用紙 7の露出した部分に位置する舌部 8 eが設けられている。なお、以下の記載において、用紙 7の印字面を表面、非印字面（印字面の反対側の面）を裏面とも呼ぶ。従って、用紙パッケージ 9に収納された用紙 7の上側の面は用紙 7の裏面であり、下側の面は用紙 7の表面である。

本実施形態においては、用紙と用紙との間（用紙の裏面と、積層された用紙の表面との間）の静摩擦係数を s、前記舌部と前記用紙（用紙の裏面）との間の静止摩擦係数を / とした時、 β sぐ β \ίの関係が満たされるようになっている。すなわち、用紙間の静止摩擦係数 i s が、舌部と用紙との間の静止摩擦係数^ k より小さくなつている。従って、例えば、用紙 7が 2枚残つた状態で、舌部と反対側の用紙が搬送される場合、もう一方の用紙 7は舌部との摩擦により、搬送される用紙 7 と同時に搬送されることはない。すなわち、静止摩擦係数の関係をこのように設定することにより、重送を防ぐことができる。

なお、用紙間の静止摩擦係数/ s は小さい方が好ましく、本実施形態においては、 s は 0 . 5未満となっている。また、最後の一枚の用紙 7 もスムーズに搬送される必要があることから、 k は 0 . 7以下であることが望ましい。以上の事から、静止摩擦係数と ^ k は、以下の関係を満たしていることが好ましい。

il s < 0 . 5≤ k≤ 0 . 7 本実施形態においては、パッケージ材 8 自体が、用紙 7 との間の静止摩擦係数 i kが 0 . 5以上 0 . 7以下となるような材質（本実施形態においては、厚紙材）で形成されている。すなわち、舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数を、パッケージ材 8を上記の条件を満たす材質により形成することにより設定している。

用紙 7の上面に位置する舌部 8 eは、用紙パッケージ 9 をプリン夕 fcセットしたときに、後述する押圧板 1 8 と用紙 7 との間に介在されるようになつている。

パッケージ材 8は上述したような材質で形成されているため、舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数は 0 . 5以上 0 . 7以下となっている。これにより、プリンタを駆動させた際には舌部 8 e と用紙 7 との間に適宜の静止摩擦力 F k が発生し、上述のように、用紙 7の 1枚ごとの分離がスムーズに行われる。

用紙 7 としては、加熱により発色する発色層を有する感熱発色タイプのものや、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層した感熱穿孔タイプのもの等、種々のものを使用することができる。

次に、プリン夕 1の概略構造を、第 3図〜第 8図を参照しながら説明する。第 3図はプリン夕の斜視図、第 4図は側面断面図であり、第 5図は用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図である。第 6図及び第 7図は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図であり、第 8図は用紙分離部に発生する静止摩擦力を説明する模式図である。

プリンタ 1 は第 3図に示すように、平面視で長方形状（A 6〜A 7サイズ程度の大きさ）で、かつ、厚みが略 2 c mあるいはそれ以下となる、コンパクトな構成となっている。プリンタ 1の本体ケース 2は、枠体 3の下面を下カバ一 4で覆うとともに、上面の一部を上カパ一 5で覆って形成されている。枠体 3の上面側のうち前記上カバ一 5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、第 4図に示すように用紙収容部（給紙部） 6が形成される。この用紙収容部 6には、上述した用紙パッケージ 9が、第 5図に示すように収容可能となっている。

前記用紙収容部 6の上方は蓋体 1 0にて覆われ、この蓋体 1 0は第 4図に示すように二点鎖線で示す開放位置と実線で示す閉塞位置との間で回動自在とされる。本体ケース 2側には図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部 6に用紙パッケージ 9をセットした状態で、第 5図に示すように蓋体 1 0 を閉じて（閉塞位置に位置させ）ロックできるようになつている。

用紙収容部 6の一側の端部には、用紙分離部 1 1 としてのピックアップ口ーラ 1 2および分離ブロック 1 3等が配置されている。また、上カバ一 5の下方には、後に詳述する印刷機構部 1 4としてのサ一マルヘッド 1 5、ブラテンローラ 1 6、ペーパーガイド 1 7が配置される。

用紙分離部 1 1について説明する。

第 6図に示すように、前記用紙収容部 6の、前記印刷機構部 1 4に近い側の端部には、ピックアップローラ 1 2 と分離プロック 1 3 とが設けられている。前記蓋体 1 0の用紙収容部 6側を向く内面には、押圧板（押圧部材） 1 8が回動自在に支持されている（第 4図、第 6図参照）。この押圧板 1 8 と蓋体 1 0 との間にはコイル状の付勢バネ 1 9が介在され、押圧板 1 8 に対し、該押圧板 1 8を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。

上述した用紙パッケージ 9は、第 5図に示すように、印字面を下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙 7のうち、最も下側に位置する用紙 7の下面をパッケージ材 8から一部露出させた状態で、用紙収容部 6にセットされる。そして、前記蓋体 1 0を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ 1 9により下方へ付勢される押圧板 1 8が、パッケージ材 8の舌部 8 eを介して、用紙 7の前記露出した部分をピックアツプロ一ラ 1 2側へ押し付け、該用紙 7の下面を該ピックアップローラ 1 2に当接させる。このピックアップローラ 1 2はゴムローラであり、該ローラ 1 2 と用紙 7 との間の静止摩擦係数を、舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数〃 k よりも大きく、かつ、用紙 7同士の間の静止摩擦係数 U s よりも大きく設定している（ p > k> s )。

第 6図に示すように、前記ピックアップローラ 1 2に近接させて分離プロック 1 3が設けられ、この分離ブロック 1 3は、ピックアップローラ 1 2の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面 1 3 aを備えている。

この構成でピックアップローラ 1 2が回転駆動することにより、該ピックアップローラ 1 2 と、該ローラ 1 2に接触する最下層の用紙 7 との間に静止摩擦力が発生し、該最下層の用紙 7に搬送力が加えられる。

そして、前記分離プロック 1 3の分離案内面 1 3 aの分離作用とあいまつて、最下層に位置する 1枚の用紙 7のみが分離されて、印刷機後部 1 4へ送り出される。

次に、印刷機構部 1 4について説明する。

分離プロック 1 3に隣接してプラテンローラ 1 6が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてぺ一パーガイド 1 7が配置される。第 6図の拡大図に示すように、このペーパーガイド 1 7には、前記プラテンローラ 1 6の外周面に沿うように、断面が横向き略「U」字状となるような凹湾曲状の摺接面 1 7 aが形成されている。該ぺ一パ一ガイド 1 7 と本体ケース 2 との間には押圧コイルバネ 2 0が設けられており、前記摺接面 1 7 aをプラテンローラ 1 6の外周面に向けて付勢するようになっている。

この構成において、前述の用紙分離部 1 1で分離された用紙 7は、ピックァップロ一ラ 1 2により搬送されて、分離プロック 1 3の下端と、用紙の向きをプラテンローラ 1 6側へ向けるためのガイド板 2 1 との間を通過する。用紙 7はこのガイド板 2 1 により案内され、プラテンローラ 1 6の下面側から、該プラテンローラ 1 6 とぺ一パーガイド 1 7 との間に送られる。そして用紙 7は、プラテンローラ 1 6の外周面とペーパーガイド 1 7の搢接面 1 7 aとの間で保持されつつ、プラテンローラ 1 6の回転駆動により横向き U 字状に反転されながら搬送され、印字面を上側に向けながらプラテンローラ 1 6の上面側に至る。

プラテンローラ 1 6の上面側に位置する前記サーマルへッド 1 5は、印字部たる発熱体部 1 5 aを有している。該サ一マルへッド 1 5は回動軸 1 5 b まわりに回動可能に設けられて、前記発熱体部 1 5 aがプラテンローラ 1 6 の上面に接離可能とされている。

なお、このようにサーマルヘッド 1 5 を回動自在に構成したのは、前記プラテンローラ 1 6 とペーパーガイド 1 7 との間で用紙 7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サ一マルヘッド 1 5が作業の邪魔にならないようにするためである。

サ一マルヘッド 1 5には捩りコイルバネタイプのスプリング 2 2の一端が係止されて、これにより該サーマルヘッド 1 5の発熱体部 1 5 aがプラテンローラ 1 6上面に近接する方向の付勢力が常時加えられている。

この構成で、プラテンローラ 1 6 により送られてくる用紙 7の表面にサーマルへッド 1 5の発熱体部 1 5 aが接触し、この接触する箇所において用紙 7に印字がなされる。

サ一マルへッド 1 5はラインへッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙 7 に対し、該用紙 7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにっき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙 7の幅に略等しく設定されている。

このようにサーマルへッド 1 5を印刷へッドとして用いるため、被記録媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリポンなどの消耗品が不要とできる。さらに、インクの供給のための機構などを省略でき、プリンタ 1 をコンパクトに構成することができる。

前記分離ブロック 1 3の'上面には、プラテンローラ 1 6の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面 1 3 bが形成されている。

この構成において、サ一マルへッド 1 5の発熱体部 1 5 aにより印字がなされた後の用紙 7は、この排紙ガイド面 1 3 bにより案内されて、第 3図に示すように、本体ケース 2の上カバ一 5 と前記蓋体 1 0 とがなす隙間から、蓋体 1 0の上側へ排紙される。

以上で説明したように、本実施形態の用紙パッケージ 9は、プリンタ 1の被印刷媒体としての用紙 7 と、積層された状態の該用紙 7の外側を覆うパッケージ材 8 とを有し、パッケージ材 8から用紙 7の一部を露出させた状態で、パッケージ材 8 と共にプリン夕 1 にセットできるように構成されている。このパッケージ材 8には舌部 8 eを設けて、舌部 8 eが、用紙パッケージ 9 をプリンタ 1 にセットした時に、用紙 7の露出された部分をプリンタ 1のピックアップローラ 1 2 に押付けるために押圧するプリンタ側の押圧板 1 8 と、用紙 7 との間に位置するように構成する。

プリンタ 1 においては、用紙パッケージ 9の積層された用紙 7がピックァップローラ 1 2により搬送されて残りの枚数が減少しても、重送や空送等を防止して、常に 1枚ずつ搬送されることが要求される。

本実施形態の用紙パッケージ 9は、用紙 7同士の静止摩擦係数 μ s が 0 . 5未満に、舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数 k が 0 . 5以上 0 . 7 以下にされているので、舌部 8 e と用紙 7 との間に適度な摩擦力が働き、プリン夕 1内に積層収容された用紙 7の残りの枚数が何枚であっても、複数枚を一度に送ってしまう重送や、用紙 7がピックアツプローラ 1 2により搬送されない空送等を防止することができ、安定した用紙供給が可能となる。この効果を、用紙 7の残枚数で場合を分けて、更に詳しく説明する。

第 6図に示すように用紙 7が用紙収容部 6内に多数枚残っている場合は、上述したように用紙 7 とピックアップ口一ラ 1 2 との間の静止摩擦係数 p が用紙 7同士の静止摩擦係数 x _s よりも大きいため、最下層の用紙 7は、その上面に重ねられた用紙 7 との間に滑りを生じながら、ピックアップローラ 1 2の回転に伴い移動する。そのため、用紙 7は 1枚ずつ分離されて搬送され、重送されることはない。

また、第 7図に示すように用紙 7が用紙収容部 6内に 1枚のみ残っている場合は、上述したように用紙 7 とピックアップローラ 1 2 との間の静止摩擦係数^ p が用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数 ^ k よりも大きいため、用紙 7は舌部 8 e との間に滑りを生じて、ピックアップローラ 1 2の回転に伴い移動する。そのため、用紙 7が舌部 8 e との摩擦により滑らずにピックアップローラ 1 2が空転する、という空送は発生しない。

更に、用紙 7が用紙収容部 6内に少数枚（ 2〜 3枚）残っている場合の、用紙分離部に発生する静止摩擦力の関係を第 8図に示す。第 8図においては用紙 7は、最下層から 7 a、 7 b、 7 cの順に 3枚積層されている。

ピックアップローラ 1 2の回転作用により、用紙 7 a · 7 b間、用紙 7 b · 7 c間に静止摩擦力 F s が発生する。これにより、用紙 7 c において、下面で静止摩擦力 F s が発生し、上面では舌部 8 e との間に静止摩擦力 F k が発生する。

上述したように、用紙 7同士の静止摩擦係数と、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数/ X k は^ s < i k の関係があるため、（具体的には、用紙 7同士の静止摩擦係数 s は 0 . 5未満であり、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数^ k は 0 . 5以上 0 . 7以下であるため、）用紙 7 cにおいて、上面で発生する静止摩擦力 F k の方が下面で発生する静止摩擦力 F s よりも大きくなる。

この結果、用紙 7 aがピックアップローラ 1 2に搬送されるのに伴い用紙 7 cが舌部 8 e との間で滑ってしまうことはなく、用紙 7が 3枚同時に搬送されてしまう重送は起こらない。

なお、用紙 7 a · 7 b · 7 c を 1枚ずつ全て送った後は、ピックァップロ

—ラ 1 2が舌部 8 eに直接接触することになる。しかしながら、舌部 8 e と用紙との間の静止摩擦係数 i k は 0 . 7以下であるので、ピックアップ口一ラ 1 2 と舌部 8 e との間の摩擦もそれほど大きくならず、ローラ 1 2が舌部 8 e との摩擦で回転できず駆動系にトラブルが生じることやローラ 1 2 自体が摩耗することもない。

前述の用紙パッケージ 9は、パッケージ材 8に用紙 7を所定の枚数（例えば 2 0枚程度）収納した構成となっており、本実施形態では、ユーザはこのパッケージ 9の単位で用紙を購入し、プリンタ 1 にセットして使用することを想定している。プリンタ 1で当該用紙 7を全て使い切ったときには、パッケージ材 8は廃棄され、新しく購入した用紙パッケージ 9をプリンタ 1 にセットすることになる。

即ち、用紙 7 をプリンタ 1で所定の枚数使用する毎に、舌部 8 eを含むパッケージ材 8が常に新しいものに交換されることとなるから、長年の使用によってもパッケージ材 8の舌部 8 e と用紙 7 との間の摩擦係数 i k は低下することがない。この結果、使用期間が長期にわたっても、用紙 7が残り少なくなった場合の重送は起こらないのである。

なお、本実施形態においては、パッケージ材 8が、用紙 7 との間の静止摩擦係数^ k が 0 . 5以上 0 . 7以下となる材質で形成されている。この構成は、静止摩擦係数を調整するための特別な加工が不要で、加工工数が少なくて済む利点がある。

しかしながら、このような構成に限定されるものでもない。例えば、パッケージ材 8を任意の材質で形成し、舌部 8 eの用紙 7に接触する部分に印刷を施すことで、用紙 7に対する静止摩擦係数を 0 . 5以上 0 . 7以下としてもよい。具体的には、マットニス等の素材を舌部 8 eの用紙 7に接触する部分に印刷することで上記の範囲の静止摩擦係数^ k とすることができる。これにより、舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数を、必要な部分にのみ、容易に設定することができる。これにより、舌部 8 eの、用紙 7 と接触する箇所にのみ静止摩擦係数^ k が上記値となる領域が設定された合理的な構成となる。その方法も印刷によるので、パッケージ材の大量生産にも適合する。また、パッケージ材 3の種類を問わないので、低コストのパッケ一ジ材 3を採用できることになる。また、静止摩擦係数/ xk を設定するための印刷の態様を異ならせることで、どのような種類の用紙についても前記静止摩擦係数/ xkの条件を実現できるから、汎用性 ·柔軟性に優れる利点がある。更には、内部に収容する用紙の種類が変更されても、それに対応して印刷のパターンや印刷材料を変えることで舌部 8 e と用紙 7 との間の静止摩擦係数 ik を容易に調整できるため、用紙パッケージの製造時における汎用性 · 柔軟性に優れる。

次に、本発明を数値例によって説明するが、本発明はこれら実施例によつて限定されるものではない。

(数値例）

本実施形態の用紙パッケージ 9 において、用紙 7同士の静止摩擦係数 s を、 0. 3、 0. 3 5、 0. 4、 0. 4 5 とし、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数/•ikを、 0. 5、 0. 5 5、 0. 6. 0. 6 5、 0. 7 として、用紙パッケージ 9に収容された用紙 7の搬送印刷を行った。それぞれの場合のプリン夕 1内の用紙 7の給紙状況を表 1 (第 9図）に示す。

本実施形態において、任意の素材で形成されたパッケージ材 8の舌部 8 e に、用紙 7 と接触する面にマットニス印刷を施した後、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数 ik を測定した。そして、用紙パッケージ 9に収容された用紙 7の搬送印刷を行った。測定された静止摩擦係数 k と、プリンタ 1 内の用紙 7の給紙状況を表 2 (第 1 0図）に示す。 (実施例 1 )

本実施形態の用紙パッケージ 9 において、用紙 7同士の静止摩擦係数 ^ s を 0. 3、 0. 3 5、 0. 4、 0. 4 5、 0. 5 とし、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数を、 0. 2 5、 0. 3、 0. 3 5、 0. 4、 0. 4 5、 0. 5、 0. 5 5、 0. 6. 0. 6 5、 0. 7、 0. 7 5 として、用紙パッケージ 9に収容された用紙 7の搬送印刷を行った。この給紙状況を表 1 (第 9図）に示す。

(実施例 2 )

パッケージ材 8について、その舌部 8 e に印刷を何ら施さないもの、オフセット印刷を施すもの、通常ニス印刷を施すものの三種類を作り、それぞれのパッケージ材 8について、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数を測定した。そして、それぞれの該パッケージ材 8 に用紙 7 (用紙 7同士の静止摩擦係数/•isが 0. 4のものを代表的に用いた。）を収容して用紙パッケ一ジ 9 とし、当該パッケージ 9を使用して用紙 7の搬送印刷を行った。測定された静止摩擦係数 ik と、プリンタ 1内の用紙 7の給紙状況を表 2 (第 1 0 図）に示す。

表 1 (第 9図）に示すように、実施例 1 において、用紙同士の静止摩擦係数 s が 0. 5未満であり、かつ、用紙と舌部との間の静止摩擦係数^ k が 0. 5以上 0. 7以下であると、プリン夕 1内で用紙 7は良好に給紙された。しかし、表の最下段の左端で示すように、用紙同士の静止摩擦係数 is おょぴ用紙と舌部との間の静止摩擦係数^ kがともに 0. 5であった場合には、重送が発生した。

また、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数が 0. 3 5以上 0. 4 5以下の場合には、用紙同士の摩擦係数 sく/ の時には用紙 7は良好に給紙されたが、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数/ が 0. 5未満で合つて、上記以外の場合には、重送が発生した。一方で、静止摩擦係数/ が 0 . 7よりも大きいと、用紙を全て排出してピックアップローラ 1 2 と舌部 8 eが接触した際に、ピックァップロ一ラ 1 2が舌部 8 e に対して空回りせず負荷が過大となって、プリン夕駆動部のモータが脱調した。従って、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数が 0 . 7以下であり、かつ sくを満たすことにより、重送を防止することができる（図中〇印で示す）。これにより、本発明の用紙パッケージ 9を使用すると、プリンタ 1 に負担をかけることなく、用紙 7の重送を防止することができるという知見が得られた。

表 2 (第 1 0図）に示すように、数値例 2において、マットニス印刷により用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数が 0 . 5 2〜0 · 5 7 とされると、プリ.ンタ 1内で用紙 7は良好に給紙された。

しかし、比较例として示すように、舌部 8 eに印刷が施されず、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数^ k が 0 . 4 とされると、プリンタ 1内で用紙 7は重送した。なお、オフセット印刷や通常のニス印刷が施された場合でも、用紙 7 と舌部 8 e との間の静止摩擦係数/ k が 0 . 3 5〜0 . 4 5の範囲にある場合は、プリンタ 1内で用紙 7は重送した。

これにより、舌部 8 e に印刷を施すことによつても、前記摩擦係数/ x k が本発明の範囲内（ 0 . 5以上 0 . 7以下）に収まる限り、用紙 7の重送を防止することができるという知見が得られた。

これにより、舌部の用紙と接触する箇所にのみ静止摩擦係数を設定する、合理的な構成となる。その方法も印刷によるので、パッケージ材の大量生産にも適合的である。また、パッケージ材の素材が限定されないので、パッケ一ジ材を低コストで提供できる。更には、内部に収容する用紙の種類が変更されても、それに対応して印刷のパターンや印刷材料を変えることで舌部と用紙との間の静止摩擦係数を容易に調整できるから、用紙パッケージの製造時における汎用性 ' 柔軟性に優れる。産業上の利用可能性

本発明の用紙パッケージは、プリン夕の被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材とを有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材と共に前記プリンタにセットできるように構成した用紙パッケージであって、前記パッケ一ジ材には、用紙パッケージがプリン夕にセットされたときに用紙に接する舌部を形成して、前記用紙と用紙との間の静摩擦係数を s、前記舌部と前記用紙との間の静止摩擦係数をとした時、 s < kく 0 . 7の関係を満たすことを特徵としている。

これにより、舌部と用紙との間および用紙と用紙との間に適度な摩擦力が働くので、プリンタ内に積層収容された用紙の残りの枚数が何枚であっても、複数枚を一度に送ってしまう重送は生じず、用紙を 1枚ごとに確実的 · 安定的に供給することができる。

Claims

請求の範囲

1 . プリンタの被印刷媒体としての用紙と、

積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケ一ジ材とを有し、

該パッケ一ジ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材と共に前記プリン夕にセットできるように構成した用紙パッケージであって、前記パッケージ材には、用紙パッケージがプリン夕にセットされたときに用紙に接する舌部が形成され、

前記用紙と用紙との間の静止摩擦係数をとし、

前記舌部と前記用紙との間の静止摩擦係数を/ とした時、以下の条件、 s < k≤ 0 . 7

が満たされることを特徴とする用紙パッケージ。

2 . 請求項 1 に記載の用紙パッケージであって、

静止摩擦係数^ s を 0 . 5未満とし、静止摩擦係数を 0 . 5以上 0 . 7以下としたことを特徴とする用紙パッケージ。

3 . 請求項 1に記載の用紙パッケージであって、

前記舌部は、前記用紙パッケージをプリンタにセットしたときに、用紙の前記露出された部分をプリン夕のローラに押し付けるための押圧部材と、該用紙との間に位置するように形成されていることを特徴とする用紙パッケ一ン。

4 . 請求項 1 に記載の用紙パッケージであって、

前記パッケージ材が、前記用紙との間の静止摩擦係数が前記条件を満たすような素材で形成されていることを特徴とする用紙パッケージ。

5 . 請求項 4に記載の用紙パッケージであって、前記パッケージ材が、前記用紙との間の静止摩擦係数が 0 . 5以上 0 . 7以下となる素材で形成されていることを特徴とする用紙パッケージ。

6 . 請求項 1 に記載の用紙パッケージであって、前記舌部の前記用紙に接触する部分に印刷を施すことで、用紙に対する前記静止摩擦係数が前記条件を満たすよう設定されることを特徴とする用紙パッケージ。

7 . 請求項 6 に記載の用紙パッケージであって、前記舌部の前記用紙に接触する部分に印刷を施すことで、用紙に対する前記静止摩擦係数を 0 . 5以上 0 . 7以下としてあることを特徴とする用紙パッケージ。

8 . 請求項 3に記載の用紙パッケージであって、前記プリンタのローラと前記用紙との間の静止摩擦係数を i p とした時、以下の関係、

H s、 β μ. ρ

が満たされることを特徴とする用紙パッケージ。