WO2002094880A1 - Anti-trail-r antibodies - Google Patents

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Description

明 細 書 抗 TRAIL- R抗体 技術分野
本発明はアポトーシスに関与する細胞膜分子である TRAIL受容体 1 (TRAIL-R1)又 は TRAIL受容体 2 (TRAIL- R2)を認識する抗 TRAIL受容体 (TRAIL- R) 抗体に関する。 さらに本発明は、 抗 TRAIL- R抗体を有効成分とする、 TRAIL-Rを発現している細 胞に起因する疾患に対する予防又は治療剤、 特に悪性腫瘍治療剤に関する。 背景技術
生体内において、 正常な細胞交代のために生じる生理的な細胞死はアポトーシ スと呼ばれ、 病理的な細胞死である壊死 (ネクローシス) とは区別される [Ke rr, et al. (1972) Br. J. Cancer 26, 239 参照]。 アポトーシスは、 胚発生やリン パ球 (T細胞及び B細胞) の選択などの過程において一般に見られる現象である [I toh, S., e t al. (1991) Ce l l 66, 233- 243参照] 。 アポトーシスにより本来排 除されるべき細胞が排除されないと、 それが癌、 ループス、 ヘルぺスウィルス感 染などの原因になることがあると考えられている。 また、 本来生存すべき細胞が アポトーシスにより排除されてしまうと、 AIDS、 アルツハイマー病、 パーキンソ ン病、 筋萎縮性側索硬化症、 多発性硬化症、 網膜色素変性症、 再生不良性貧血、 心筋梗塞、 脳卒中、 毒性物質による肝障害などの疾患や病態の原因となる場合が ある [Kat aoka, S. , e t al. (1996) The Onco l ogi s t 1, 399- 401参照] 。
アポトーシスにおいては細胞表面の湾曲、 核クロマチンの凝縮、 染色体 DNAの 断片化、 ミトコンドリアの機能消滅等の現象が特徴的に観察される。 内因性、 外 因性の様々なシグナルがこの様な細胞の変化を引き起こしていると考えられてお り、 内因性のものとして、 myc、 卜 2などの癌遺伝子や、 p53などの癌抑制遺伝 子がアポト一シスの誘導に関わっていることが報告されている [片岡之郎ら (19
93) 実験医学 11, 17, 2324- 2328参照] 。 外因性シグナルとしては、 化学療法剤 や放射線などが、 アポ'トーシスを誘導することが知られている [片岡之郎ら (19
94) 最新医学 49, 6, 1 152- 1 157参照] 。 このようなアポトーシスに関与する分子としては、 腫瘍壊死因子 -ひ (TNF- α)、 腫瘍壊死因子 -i3 (TNF-/3)、 Fasリガンドなどの腫瘍壊死因子フアミリー(TNFファ ミリ一) に属する分子が同定されている。 TNF- α及び TNF- jSは癌細胞にアポトー シスを誘導するとの報告がある [Schmid, et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci.83,
1881参照; Dealtry et al. (1987) Eur. J. Immunol. 17, 689参照] 。 マウスの Fa s又は Fasリガンドの変異個体は自己免疫疾患の状態を呈することから、 Fasリガ ンドが末梢における自己抗原反応性のリンパ球をアポトーシスにより排除する機 能を担っていることが強く示唆されている [Krammer, et al. (1994) Curr. Op. I匪 unol. 6, 279 - 289参照; Nagata, et al. (1995) Science 267, 1449- 1456参照] 。 Fasに特異的に結合するァゴニスティックなマウスモノクローナル抗体は、 癌細 胞に対して TNF- と同程度のアポ! ^一シス誘導活性を示すことが報告されている
[Yonehara, et al. (1989) J. Exp. Med. 169, 1747-1756] 。
これらの TNFファミリ一分子は、 細胞表面の特異的受容体に結合することで細 胞内にシグナルを伝達している。 TNFファミリー分子の受容体は複数知られてお り、 TNFレセプ夕一ファミリー分子と呼称される。
TNFレセプ夕ーフアミリーの分子は、 細胞外ドメインのシスティンリツチ反復 の存在により定義されるが、 その中でも Fasリガンド及び TNF-ひの受容体である F as及び TNFR1は、 ショウジヨウバエ自殺遺伝子 reaper [Golstein, P., et al. (19 95) Cell.81, 185 - 186参照; White, K., et al. (1994) Science 264, 677-683 参照]と相同性を示す領域である 「デスドメイン」 と呼ばれるアポト一シスの.シ グナル伝達に必須の領域を細胞内に持つ。 Fasの活性化は、 デスドメインを含む アダプター分子 FADD/M0RT 1の会合を促し、 FADD/M0RT 1に結合しているカスパーゼ (Caspase)- 8の活性化を引き起こす。 活性化したカスパーゼ- 8により下流のカス パーゼ分子群を順次活性化し、 最終的に細胞をアポトーシスへと導く [Nagata, S., (1997) Cell 88, 355- 365参照]。
最近、 新規のアポトーシスを誘導する TNFファミリー分子が発見された。 Wiley ら [Immunity (1995) 3, 673 - 682参照]は、 この分子を 「TNF関連アポトーシス誘 導リガンド」 又は簡潔に 「TRAIL」 と命名した。 この分子はまた、 「Apo- 2リガン ド」 又は 「Apo_2L」 とも呼ばれている [Pitt, R. M., et al. (1996) J.Biol. Che m. 271, 12687- 12690参照]。 便宜上、 この分子は TRAILとして本明細書中では呼 ぶことにする。
Fasリガンドとは異なり、 有意なレベルの TRAILは多くのヒトの組織中で検出さ れる (例えば、 脾臓、 肺、 前立腺、 胸腺、 卵巣、 小腸、 大腸、 末梢血リンパ球、 胎盤、 腎臓) 。 そしていくつかの細胞株において恒常的に転写される。 TRAILは、 Fasによる死のシグナル伝達に類似する時間枠内で、 TNF誘導性アポトーシスより も非常に早くアポ I ^一シスを急速に活性化させることも示されている。 [Mars ter s, S. A. , e t al. (1996) Curr. B iol. 6, 750- 752参照]。
TRAILの受容体として、 現在すでに五つのタンパク質が同定されている。 TRAIL -Rl (DR4ともいう) 及び TRAIL- R2 (DR5ともいう) の二つの受容体は、ともにデス ドメインを細胞内領域にもつことが報告されている。 TRAIL- R1の転写産物は脾臓、 末梢血白血球、 小腸、 胸腺を含むヒトの多くの組織中で認められる。 TRAIL-R2の 転写産物は脾臓、 末梢血リンパ球、 卵巣をはじめとした、 多くの組織中で確認さ れている [Pan, G. , et al. (1997) Science 276, 11卜 113参照; Pan, G. , et al.
(1997) Science 277, 815-818参照; Walczak, H. , etal. (1997) EMBO J 16 (1 7) 5386- 5397参照]。
TRAIL- R2には選択的スプライシング (al ternat ive spl icing) による 2つの形態 があり、 癌細胞においては 440アミノ酸から成る TRAIL - R2の発現量が多いことが 報告されている [Screaton, G. R. , et al. (1997) Curr Biol 7 (9) , 693- 696参 照; Arai, Τ· , et al. (1998) Cancer Let ters 133, 197-204参照]。
組換え型ヒト TRAILは、 TRAILの細胞外領域からなる組換えタンパク質であり、 これまでに多種類の癌細胞にアポトーシスを誘導することが報告されている [Gr if f i th, T. S. , et al. (1998) Curr. Opin. I匪 tmol., 10, 559 - 563参照] 。
さらに、 組換え型ヒト TRAILは、 ヒトの大腸癌細胞及び乳癌細胞を用いた担癌 マウスモデルで効果を示している [Walczak, H. , e t al. (1999) Nature Medic i ne 5, 2, 157 - 163参照] 。 同じく TNFレセプ夕一ファミリーに属し、 アポトーシ ス誘導活性を持つ TNF- αや Fasリガンドとは異なり、 TRAILはマウス及び力二クイ ザルの正常組織に対して傷害を与えることはなかった [Ashkenaz i, et al. (1999) J. Cl in. Inves t. 104, 155-162参照] 。
これらの報告により、 TRAILは腫瘍選択的に細胞死を誘導すると考えられたが、 TRAILの受容体は正常細胞にも発現しており選択性の理論的裏付けは未だなされ ていない。 さらに、 最近組換えヒト TRAILがヒト正常肝実質細胞にアポトーシス を誘導することが報告され [Jo, M., e t al. (2000) Nature Medic ine 6, No. 5, 564 - 567参照] 、 また、 ヒト脳細胞にもアポトーシスを誘導することが報告され た [Ni t sch, R., e t al. (2000) The Lance t 356, 827- 828参照] 。 肝臓細胞に アポト一シスを誘導するァゴニスティックな抗 Fas抗体は、 非常に短時間で劇症 肝炎を誘発しマウスやチンパンジーを死に至らしめる事から、 TRAILの肝細胞に 対する細胞死誘導は特に大きな問題として注目を浴び、 TRAILをヒトに対し医薬 品として使用する場合の安全性に疑問が投げかけられた [Nagata, S. , (2000) Na ture Medicine 6, 5, 502- 503参照]。
TRAILの肝細胞に対する細胞死誘導活性の有無は、 組換え TRAILタンパク質の種 '類に依存しているとの報告も出されている [Lawrence, D. , e t al. (2001) Natur e Medic ine 7, 4, 383- 385参照]が、 組換え TRAILタンパク質の安全性は未だ研究 の途上である。
最近、 マウスに投与した際に肝臓傷害を誘発しない抗 Fas抗体が初めて報告さ れた CIchikawa, K. , et al. (2000) Internat ional Immunology 12, No. 4, 55 5 - 562参照] 。 肝臓傷害を誘発しないことが確認された組換え型 Fasリガンドは知 られていない。 この事は、 リガンドでは期待できない活性を持つ抗体を得ること が可能なことを示唆している。 しかし、 この抗体が T細胞にはアポトーシスを誘 導するにもかかわらず、 何故肝毒性を示さないのか理論的な背景は明らかになつ ておらず、 例えば TRAILなど抗原が異なる場合に毒性のないァゴニスティック抗 体を取得できるかどうかは定かではない。
TRAILは、 TRAIL- R1若しくは TRAIL- R2又はこれらの両方に作用してアポトーシ スを誘導するが、 TRAILが肝細胞にアポト一シスを誘導する時どのレセプターを 介してシグナルを入れるのかは明らかになっていない。 また、 ァゴニスティック 抗体に TRAIL-R1/R2選択性を付加することで肝毒性が回避できるかどうかという 着想に立つた研究は今だなされていない。
悪性腫瘍に対しては、 癌細胞を除去し、 正常組織又は細胞を保護することが有 効な治療手段となる。 組換え型ヒト TRAILによるアポトーシス誘導を作用機序と する薬物では、 癌細胞を除去できても正常組織、 特に肝臓、 脳に傷害を起こす可 能性がある。 現在、 細胞膜上に存在するレセプ夕一である CD20を標的としたキメラ抗体、 He r2/neuを標的としたヒト化抗体などのモノクローナル抗体が、 悪性腫瘍を対象疾 患として使用されており、 その治療効果が認められている。 抗体は、 血中半減期 が長く、 抗原への特異性が高いという特徴を持ち、 抗腫瘍剤として特に有用であ る。 例えば、 腫瘍特異的な抗原を標的とした抗体であれば、 投与した抗体は腫瘍 に集積することが推定されるので、 補体依存的細胞傷害や抗体依存的細胞傷害に よる、 免疫システムの癌細胞に対する攻撃が期待できる。 また、 その抗体に放射 性核種や細胞毒性物質などの薬剤を結合しておくことにより、 結合した薬剤を効 率よく腫瘍部位に送達することが可能となり、 同時に、 非特異的な他組織への該 薬剤到達量が減少することで、 副作用の軽減も見込むことができる。 腫瘍特異的 抗原に細胞死を誘導するような活性がある場合はァゴニスティックな活性を持つ 抗体を投与することで、 また、 腫瘍特異的抗原が細胞の増殖及び生存に関与する 場合は中和活性を持つ抗体を投与することで、 腫瘍特異的な抗体の集積と、 抗体 の活性による腫瘍の増殖抑制又は退縮が期待される。
抗体は、 上記のようにその特徴から抗腫瘍剤として適用するのに適切であると 考えられる。 しかも TRAILの受容体に対する抗体であれば、 組換え型ヒト TRAIL自 体では回避できない肝臓への傷害を回避し、 かつ、 癌細胞に対しては同等のアポ トーシス誘導活性をもつものが得られる可能性がある。 発明の開示
本発明の第 1の目的は、 ヒト TRAIL- R1及び/又はヒト TRAIL- R2に結合でき、 癌細 胞に対して特異的にアポト一シスを誘導し、 かつ、 組換えヒト TRAILタンパク質 では傷害を引き起こす可能性のあるヒト正常肝実質細胞に対して、 傷害を誘発し ない新規な抗体、 又はそれに類似した分子を提供することにある。 第 2の目的は、 上記抗体、 又はそれに類似した分子を有効成分として含有する、 現在治療困難な 固形腫瘍をはじめとした各種悪性腫瘍の予防又は治療剤を提供することにある。 本発明者らは、 ヒト TRAIL- R1及び R2に対する抗体の作製に関して鋭意研究した 結果、 遺伝子工学技術を用いてヒト由来の抗体を産生する能力を有するトランス ジエニックマウスをヒト TRAIL- R1又は で免疫し、 モノクローナル抗体の製造に おいて慣用されているケ一ラ一及びミルシュ夕インらの方法 [ (1975) Nature 256, 495参照]を用いることにより、 新規 TRAIL- R1及び/又は TRAIL-R2に結合するモノ クローナル抗体を産生するハイプリドーマを作出し、 その培養上清より該モノク ローナル抗体を取得する事に成功した。 そして、 この新規モノクローナル抗体は、 癌細胞の表面にある TMIL-R1及び/又は R2に結合して癌細胞特異的にアポトーシ スを誘導することを見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は以下の通りである。
(1) TRAIL-R1及び/又は TRAIL-R2に結合する抗体又はその機能的断片。
上記抗体又はその機能的断片は、 以下の(a)〜(c)から選ばれる少なくとも 1つ の性質を有するものである。
(a) TRAIL- R1及び/又は TRAIL-R2を発現している癌細胞にアポトーシスを誘導す る活性を有する '
(b) TRAIL- R1及び/又は TRAIL-R2を発現しているヒト正常細胞には影響を及ぼさ ない
(c)ヒト肝臓細胞傷害を誘発しない
本発明においては、 上記の(a)〜(c)の全ての性質を有する抗体又はその機能的 断片が好ましい。 また、 上記(a)〜(c)の少なくとも 1つの性質を有する抗体又は その機能的断片であって、 ① TRAIL-R2には結合するが TRAIL- R1には結合しないも の、 あるいは② TRAIL- R2及び TRAIL-R1の両者に結合するものも、 本発明の抗体又 はその機能的断片に含まれる。
(2) 上記抗体は、 マウス—マウスハイブリド一マ、 例えば E-1卜 13、 H- 48- 2、 L-3 0 - 10、 N - 18 - 12、 W - 40 - 5、 X - 14 - 4、 X - 5卜 、 F-4-8 、 G- 3- 10、 0304又は KMTR1に より産生されるモノクローナル抗体であり、 ヒト抗体であることが好ましい。 E - 11 - 13、 H- 48-2、 L - 30- 10、 N_18_12、 W- 40-5、 X-14 - 4、 X- 51- 12、 F- 4- 8、 0304又 は KMTR1により産生されるモノクローナル抗体のタイプはィムノグロプリン G (I g G)型であり、 G- 3 - 10により産生されるモノクローナル抗体のタイプはィムノグロ ブリン M (IgM)型である。 ここで、 上記ハイブリド一マのうち H-48 - 2、 E- 11- 13、 F -4-8, L-30- 10、 0304及び腿 TR1はそれぞれ国際寄託されており、 その寄託情報は 以下の通りである。 口
名称 ί5ΐ番 奇 乇日 口 ϊ (fLノ
H-48-2 FERM- BP- 7599 2001年 5月 18日 独立行政法人産業技術
E-ll-13 FERM BP - 7698 2001年 8月 8曰 総合研究所 特許生物
FERM BP-7770 2001年 10月 11日 寄託センター (日本国
F-4-8 FERM BP- 7699 2001年 8月 8日 茨城県つくば市東 1丁 目 1番地 1中央第 6) FERM BP- 7768 2001年 10月 11日
J τj-¾lπ U-ι 1η U FFR T3p_77nn ώυυ i 0 A30 I— 1
FERM BP - 7769 2001年 10月 11日
0304 FERM BP- 8037 2002年 5月 10日
KMTR1 FERM BP-8038 2002年 5月 10日 癌細胞としては、 大腸癌細胞 Colo205、 神経膠腫由来 U251細胞又は T細胞リンパ 腫由来 J u rka t細胞が挙げられ、 これらの細胞の中から適宜選ばれる。
(3) 本発明の抗体又はその機能的断片は.、 細胞数 7.5xl04及び反応時間 24時間の 条件において、 ヒト肝細胞に対する LD50値が 0. Ol g/ml以上、 好ましくは 0.
Ail以上、 さらに好ましくは 2-10 ^/πι1、 さらに好ましくは 10- 100 _ig/ml、 最も 好ましくは 10 g/ml以上 (例えば lOO/^g/ml以上) である。 一方、 本発明の抗体 又はその機能的断片は、 細胞数 2.5xl03及び反応時間 48時間の条件において、 癌 細胞 (例えば Colo205細胞、 U251細胞又は Jurkat細胞) に対する LD50値が 100 g/ ml以下、 好ましくは lO g/ml以下、 より好ましくは 0.7 g/ml以下、 さらに好ま しくは 0.02- 0. ll ig/nil、 最も好ましくは 0.02 ig/ml以下である。 そして、 細胞 数 7.5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50値が 2-100 g/ml であり、 かつ、 細胞数 2.5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50 値が 0.02-0. ll g/mlである組合せの抗体又はその機能的断片が本発明において 特に好ましい。
ここで、 本発明の抗体の上記肝細胞又は癌細胞に対する LD50は、 1反応系あた り (1ゥエルあたり) 110〜120 Uの反応容量で行われたときの測定値である。
(4) また、 本発明の抗体又はその機能的断片は、 細胞数 7.5χ104及び反応時間 24 時間におけるヒト肝細胞に対する LD50値が、 細胞数 2.5χ103及び反応時間 48時間 における癌細胞に対する LD50値の 2倍以上、 好ましくは 10倍以上、 より好ましく «:50倍以上 (例えば 50倍- 100倍) 、 さらに好ましくは 100倍以上 (例えば 100倍- 2 50倍) 、 さらに好ましくは 250倍- 1000倍、 最も好ましくは 1000倍以上である。 (5) さらに、 本発明の抗体又はその機能的断片は、 腫瘍 (例えばヌードマウスに 移植された Colo205細胞に由来するもの) の増殖を抑制し、 又は腫瘍を退縮させ ることができる。 この場合、 本発明の抗体又はその機能的断片を投与したときに 腫瘍細胞の増殖を抑制することができる期間、 又は腫瘍を退縮させることができ る期間は少なくとも 9日、 好ましくは少なくとも 11日、 さらに好ましくは少なく とも 13日であり、 以下少なくとも 30日、 少なくとも 60日の順で好ましく、 最も好 ましくは少なくとも 120日である。 また、 腫瘍を担持する被検動物 (例えば担癌 実験動物、 体重 20gとする) に本発明の抗体又はその機能的断片を投与する量は、
Figure imgf000009_0001
でぁる。 例えば、 投与量として 100 g/body又は 5mg/kg、 好ましくは 20/ g/body又は lmg/kg、 より好ましくは 4/^g/b ody又は 200 /1¾、 さらに好ましくは l g/body又は である。 また、 0.5 g/body(25 g/kg)を投与してもよい。 投与頻度としては、 1週あたり 1回- 3回 の頻度又は隔日投与などが挙げられる。
さらに、 担癌マウスにおける本発明の抗体 (例えば 0304抗体又は E- 11- 13抗 体) 又はその機能的断片の抗腫瘍効果は以下の通りである。
(a) 100龍3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 14%以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる。 この場合、 平均 1 4%以上の腫瘍の縮小を少なくとも 7日維持 することができる。
(b) 100画3の腫瘍を有する 4〜.6週齢の担癌マウスに 20 g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる。
(c) 100mm3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 _ig/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 7日後に平均 80 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる。 この場合、 平均 8 0 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 4日維持 することができる。
(d) lOOnrni3の腫瘍を有する 1 2週齢の担癌マウスに 25 g/マウス個体の濃度 で投与したときに、 初回投与 3日後に平均 45 %以上の腫瘍の縮小を引き起こす ことができる。
(e) 100廳 3の腫瘍を有する 1 2週齢の担癌マウスに 25 g/マウス個体の濃度 で投与したときに、 初回投与 5日後に平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を引き起こす ことができる。 この場合、 平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 2 7日維持 することができる。
( f ) 300腿3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 /x g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 3 9 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる。 この場合、 平均 3 9 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 1 4日維 持することができる。 腫瘍としては、 大腸癌、 結腸直腸癌、 肺癌、 乳癌、 脳腫瘍、 黒色腫、 腎細胞癌、 膀胱癌、 白血病、 リンパ腫、 T細胞リンパ腫、 多発性骨髄腫、 胃癌、 膝臓癌、 子 宮頸癌、 子宮内膜癌、 卵巣癌、 食道癌、 肝臓癌、 頭類部扁平上皮癌、 皮膚癌、 尿 路癌、 前立腺癌、 絨毛癌、 咽頭癌、 喉頭癌、 'きょう膜腫、 男性胚腫、 子宮内膜過 形成、 子宮内膜症、 胚芽腫、 線維肉腫、 力ポジ肉腫、 血管腫、 海綿状血管腫、 血 管芽腫、 網膜芽腫、 星状細胞腫、 神経線維腫、 稀突起謬腫、 髄芽腫、 神経芽腫、 神経膠腫、 横紋筋肉腫、 謬芽腫、 骨原性肉腫、 平滑筋肉腫、 甲状肉腫及びウィル ムス腫瘍等からなる群から選ばれる少なくとも 1つが挙げられる。
(6) 配列番号 1 7及び 1 9にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ E-11-13の産生 する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 1及び 2 3にそれぞれ示 される、 ハイプリドーマ L-30-10の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領 域、 配列番号 2 5及び 2 7にそれぞれ示される、 ハイプリ ドーマ H-48-2の産生 する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 9及び 3 1にそれぞれ示 される、 ハイプリド一マ 0304の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 又は配列番号 3 3及び 3 5にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ KMTR1の産生す る抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の、 マチュア部分のアミノ酸配列を有す る抗体又はその機能的断片。
上記抗体又はその機能的断片は、 例えば、 配列番号 1 6及び 1 8にそれぞれ示 される、 ハイプリ ドーマ E-11-13から単離された核酸配列にコードされる重鎖可 変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 0及び 2 2にそれぞれ示される、 ハイプリ ドーマ L-30-10から単離された核酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可 変領域、 配列番号 2 4及び 2 6にそれぞれ示される、 ハイプリ ドーマ H-48-2か ら単離された核酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 8及び 3 0にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ 0304から単離された核酸配列 にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 又は配列番号 ·3 2及び 3 4にそ れぞれ示される、 ハイプリドーマ KMTR1から単離された核酸配列にコードされる 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の、 マチュア部分のアミノ酸配列を有するもので ある。
(7) E-1 1-13, H-48-2, L-30 - 10、 Ν- 18- 12、 W - 40 - 5、 X- 14-4、 X- 5卜 12、 F- 4-8 G- 3-10、 0304及び KMTR1からなる群から選ばれる、 TRAIL- R2に結合するモノクロ一 ナル抗体を産生するハイプリドーマ。
(8) 前記ハイプリドーマを培養し、 得られる培養物から TRAIL-R2に結合する抗体 を採取することを特徴とする、 抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体の製造方法。
(9) 前記八イブリドーマからモノクローナル抗体をコードする遺伝子を単離し、 該遺伝子を有する発現ベクターを構築し、 該発現ベクターを宿主に導入して前記 モノクローナル抗体を発現せしめ、 得られる宿主、 宿主の培養上清又は宿主の分 泌物から抗 TRAIL- モノクローナル抗体を採取することを特徵とする、 抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体の製造方法。
宿主としては、 大腸菌、 酵母細胞、 昆虫細胞、 哺乳動物細胞及び植物細胞並び に哺乳動物からなる群から選ばれるいずれかのものが挙げられる。
(10) 前記抗体又はその機能的断片を有効成分として含有する、 腫瘍の予防又は 治療剤。
ここで、 腫瘍としては、 大腸癌、 結腸直腸癌、 肺癌、 乳癌、 脳腫瘍、 黒色腫、 腎細胞癌、 膀胱癌、 白血病、 リンパ腫、 T細胞リンパ腫、 多発性骨髄腫、 胃癌、 膝臓癌、 子宮頸癌、 子宮内膜癌、 卵巣癌、 食道癌、 肝臓癌、 頭頸部扁平上皮癌、 皮膚癌、 尿路癌、 前立腺癌、 絨毛癌、 咽頭癌、 喉頭癌、 きょう膜腫、 男性胚腫、 子宮内膜過形成、 子宮内膜症、 胚芽腫、 線維肉腫、 力ポジ肉腫、 血管腫、 海綿状 血管腫、 血管芽腫、 網膜芽腫、 星状細胞腫、 神経線維腫、 稀突起謬腫、 髄芽腫、 神経芽腫、 神経膠腫、 横紋筋肉腫、 謬芽腫、 骨原性肉腫、 平滑筋肉腫、 甲状肉腫 及びウィルムス腫瘍等からなる群から選ばれる少なくとも 1つが挙げられる。 以下、 本発明を詳細に説明する。 本明細書は、 本願の優先権の基礎である日本 国特許出願 2001-150213号 (2001年 5月 18日出願) 、 日本国特許出願 2001- 243040 号 (2001年 8月 9日出願) 及び日本国特許出願 2001-314489号 (2001年 10月 11日出 願) の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。 抗 TRAIL-R1及び R2モノクローナル抗体に、 癌細胞に対してアポト一シスを誘導 する活性があることは報告がなされている [Gri ii i th, T. S. , et al. (1999) J. Immunol. 162, 2597 - 2605参照; Chuntharapai, A., et al. (2001) J. Immunol. 1 66, 4891-4898参照]。 しかしながら、 これらの抗体はマウス由来のものである。 また、 組換えヒト TRAILタンパク質において問題となっている、 ヒト正常肝実 質細胞に対する傷害性について危惧される。
驚くべきことに、 本発明の新規ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体は、 ヒト正 常組織由来の細胞に対してのみならず、 組換えヒト TRAILタンパク質による細胞 傷害性が危惧される正常肝実質細胞に対しても、 傷害を誘発する副作用が無いこ とが判明した。 本発明者らは、 新規抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を取得するこ とにより、 安全性及び治療効果の向上の可能性という利点を備えた抗体を作製す ることに世界に先んじて初めて成功し、 本発明を完成させた。 該モノクローナル 抗体は好ましくはヒト抗体であり、 マウス由来の抗体では常に問題となる抗原性 については、 すでに回避されている。
該抗体としてはィムノグロブリン G (IgG)、 同 A (IgA)、 同 E (IgE)及び同 M (I gM)の いずれの型も好適に用いられうるが、 通常は IgGがより好適である。
以下、 本発明で用いる語句の意味を明らかにすることにより、 本発明を詳細に 説明する。
1 . TRAIL及びその抗体
本発明の抗体は、 腫瘍壊死因子 (TNF) 関連アポトーシス誘導リガンド (TRAI L) の受容体(TRAIL- R)に対する抗体であり、 ① TRAIL- R1に反応する抗体、 ② TRAI L - R2に反応する抗体、 及び③ TRAIL-R1と TRAIL- R2の両者に反応する抗体が存在す る。 本発明では、 ①の抗体を 「抗 TRAIL- R1抗体」 、 ②及び③の抗体を 「抗 TRAIL - R2抗体」 ということもある。 また、 本明細書において TRAIL- R1と TRAIL- R2の両方 の TRAIL受容体を便宜的に合わせて説明する場合は、 「TRAIL-R1及び R2」 という こともある。 従って、 例えば 「TRAIL-R1及び R2発現ベクター」 のように記載した 場合は (後述の実施例 1参照) 、 TRAIL- R1の発現ベクターと、 TRAIL- R2の発現べ クタ一の 2つを説明することを意味する。
本発明における 「抗体」 とは、 前記に定義したようなヒト TRAIL- R1及び R2又は その一部に反応性を有する抗体又は抗体の一部であり、 これらの抗体の機能的断 片も含む。 「機能的断片」 とは、 抗体の一部分 (部分断片) であって、 抗体の抗 原への作用を 1つ以上保持するものを意味し、 具体的には F (ab' ) 2 、 Fab'、 Fab, Fv、 ジスルフイド結合 Fv、 一本鎖 Fv (scFv)、 及びこれらの重合体等が挙げられる
(D. J. King. , Appl icat ions and Engineering of Monoc lonal Ant ibodies. , 1998
T. J. Internat ional Ltd) 。
本発明で 「ヒト抗体」 とは、 ヒト由来の抗体遺伝子の発現産物である抗体を意 味する。
本発明の抗体としては、 例えば、 後述の実施例 7に記載される、 ヒト TRAIL- R1 及び R2の発現する癌細胞にアポト一シスを誘導する特性を有する各種の抗体、 を 挙げることができる。
本発明の抗体には、 抗体を構成する重鎖及び/又は軽鎖の各々のアミノ酸配列 において、 1又は数個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列 を有する重鎖及び/又は释鎖からなるモノクローナル抗体も包含される。 本発明 の抗体のアミノ酸配列中に、 前記のようなアミノ酸の部分的改変 (欠失、 置換、 挿入、 付加) を施すには、 そのアミノ酸配列をコードする塩基配列を部分的に改 変することが方法として挙げられる。 この塩基配列の部分的改変は、 既知の部位 特異的変異導入法 (s i te spec i f ic mut agenes i s) を用いて定法により導入する ことができる (Proc Nat l Acad Sc i USA. , 1984 Vol 81 : 5662) 。 ここで、 抗体と は、 ィムノグロブリンを構成する重鎖可変領域及び重鎖定常領域、 並びに軽鎖の 可変領域及び軽鎖の定常領域を含む全ての領域が、 ィムノグロブリンをコードす る遺伝子に由来するィムノグロプリンである。
本発明の抗体には、 いずれのィムノグロプリンクラス及びアイソタイプを有す る抗体をも包含する。 本発明の抗 TRAIL- Rl及び R2抗体は、 下記のような製造方法によって製造するこ とができる。 即ち、 例えば、 前記で定義したようなヒト TMIL-R1及び R2又はその 一部と、 抗原の抗原性を高めるための適当な物質 (例えば、 bovine serum album in等) との結合物を、 必要に応じて免疫賦活剤 (フロインドの完全又は不完全ァ ジュバント等) とともに、 ヒト抗体産生トランスジエニックマウス等を含む非ヒ ト哺乳動物に免疫する。 あるいは、 ヒト TRAIL- R1をコードする遺伝子、 又はヒト TRAIL- R2をコードする遺伝子を導入し、 TRAIL- R1Xは TRAIL- R2を細胞表面に過剰 に発現している動物細胞を投与することにより、 免疫感作を行うことができる。 モノクローナル抗体は、 免疫感作動物から得た抗体産生細胞と、 自己抗体産生能 のない骨髄腫系細胞 (ミエローマ細胞) を融合することにより得られるハイプリ ドーマを培養し、 免疫に用いた抗原に対して特異的親和性を示すモノクローナル 抗体を産生するクローンを選択することによって取得することができる。
本発明の抗体は、 当業者に周知である遺伝子工学的改変により異なるサブクラ スのものに変換されたものも包含する。 例えば、 本発明の抗体のサブクラスを Ig G2又は IgG4に変換することにより、 Fcレセプ夕一に対する結合度の低い抗体を取 得することができる。 逆に、 本件発明の抗体のサブクラスを IgGl又は IgG3に変換 することにより、 Fcレセプターに対する結合度の高い抗体を取得することができ る。 さらに、 本発明の抗体の定常領域のアミノ酸配列を人為的に改変すること、 あるいはそのような配列を有する定常領域配列と結合することにより、 Fcレセプ 夕一に対する結合度を変化させることも可能である。 また、 本発明の抗体に、 ョ ード、 イットリウム、 インジウム、 テクネチウム等の放射性核種 (L W. Goding, Momoclonal Ant ibodies: principles and pract ice. , 1993 AcademicPress) 、 緑膿菌毒素、 ジフテリアトキシン、 リシン等の細菌毒素、 メトトレキセート、 マ イトマイシン、 カリキアマイシン等の化学療法剤 (D. L King, Appl icat ions and Engineering of Monoclonal Ant ibodies. , 1998 T. J. Internat ional Ltd.; M. L. Grossbard. , Monoclonal Ant ibody-BasedTherapy of Cancer. , 1998 Marcel Dek ker Inc) 、 さらに、 Maytansinoid等のプロドラッグ (Cliari et al. , Cancer Re s., 1992 Vol. 52 : 127 ; Liu et al. , Proc. Nat l. Acad. Sc i. USA, 1996 Vol. 93 : 8681) などを結合させることにより癌などの疾患の治療効果をさらに増強するこ とも可能である。 また、 発明者らは、 本発明の抗体において、 TRAIL- R2に結合し、 TRAIL- R1には 結合しない性質を有するものに、 ヒト肝臓細胞に傷害を誘発しないものが含まれ ることを発見した。 従って、 本発明は、 TRAIL- R2に結合する抗体の集団から、 TR AIL- R1には結合しないものを選抜する工程を含むことを特徴とする、 肝細胞傷害 性を有しない抗 TRAIL- R2抗体の製造方法をも提供する。 しかしながら、 肝細胞傷 害性を有しない本発明の抗体は、 TRAIL- R2に結合し、 TRAIL- R1には結合しない性 質を有するものに限定されるものではない。
本発明において、 モノ.クローナル抗体の製造にあたっては、 下記の作業工程を 包含する。 すなわち、 (1)生体高分子の精製及び/又は抗原タンパク質を細胞表面 に過剰に発現している細胞の作製 (これらの生体高分子及び/又は細胞は免疫原 として使用される) 、 (2)抗原を動物に注射することにより免疫した後、 血液を 採取しその抗体価を検定.して脾臓等の摘出の時期を決定してから、 抗体産生細胞 を調製する工程、 (3)骨髄腫細胞 (以下 「ミエローマ」 という) の調製、 (4)抗体 産生細胞とミエ口一マとの細胞融合、 (5)目的とする抗体を産生するハイプリド 一マ群の選別、 (6)単一細胞クローンへの分割 (クローニング) 、 (7)場合によつ ては、 モノクローナル抗体を大量に製造するためのハイプリドーマの培養、 又は ハイプリ ドーマを移植した動物の飼育、 (8)このようにして製造されたモノクロ —ナル抗体の生理活性及びその認識特異性の検討、 あるいは標識試薬としての特 性の検定、 等である。
以下、 抗 TRAIL-R1及び R2モノクローナル抗体の作製法を上記工程に沿って詳述 するが、 該抗体の作製法はこれに制限されず、 例えば脾細胞以外の抗体産生細胞 及びミエローマを使用することもできる。
(1) 抗原の精製
抗原としては、 ヒト TRAIL- R1及び R2の細胞外領域とヒ卜 IgGの Fc領域との融合 タンパク質 (以下 TRAIL- RWiFc及び TRAIL- R2-hFcという) を用いることができる c TRAIL- Rl_hFc及び TRAIL- R2-hFcは、 TRAIL- Rl又は R2とヒト IgGの Fc領域との融合 タンパク質をコ一ドする DNAを動物細胞用発現べクタ一に組み込み、 該発現べク 夕一を動物細胞に導入し、 取得した形質転換株の培養上清から精製することによ り取得できる。 あるいは、 ALEXIS社等から市販されている TRAIL- R卜 hFc及び TRAI L - R2-hFcを用いる事もできる。 また、 ヒト細胞株の細胞膜上に存在する TRAIL- R1 及び R2そのものを精製したものも、 抗原として使用することができる。 さらに、 TRAIL- R1及び R2の一次構造は公知である [Pan, G. , e t al. ( 1997) Sc ience 276, 1 11-113 及び Sc ience 277, 815- 818参照; Wal czak, H., et al. (1997) EMBO J 16 (17) 5386- 5397参照] ので、 当業者に周知の方法により、 TRAIL-R1及び R2の アミノ酸配列からペプチドを化学合成し、 これを抗原として使用することもでき る。
また、 免疫原としては、 ヒト TRAIL-M及び R2の全長から細胞内領域のデスドメ ィン及びデスドメインより C末端側のアミノ酸を除いたヒト TRAIL- R1及び R2 (以 下 「TRAIL- R1及び R2de l ta」 という) を有する発現ベクター pEF-TRAIL- Ridel ta及 び pEF- T IL_R2de l taを L929細胞に導入し、 細胞表面に TRAIL- R1及び R2del taを過 剰に発現している細胞も有効である。 pEF- TRAIL-Rldel ta及び pEF-TMIL- R2del ta は、 それぞれ、 ヒト TRAIL- Rldel taタンパク質をコードする DNA及ぴヒト TRAIL- R2 del taタンパク質をコードする DNAを、 動物細胞用発現べクタ一 pEFneo [O ashi. H. , et al. (1994) Proc. Nat l. Acad. Sc i. 91, 158 - 162参照] に組み込むこと により作製できる。 ただし、 TRAIL- R1及び R2をコードする DNA、 ベクタ一、 宿主 等はこれらに限定されない。
具体的には、 pEF- TRAIL- R1及び R2de l taで L929細胞を形質転換して得られた形 質転換株を培養し、 pEFneoベクターが挿入された細胞に獲得されるネオマイシン 耐性の形質、 及びャギ抗 TRML-R1及び R2ポリクローナル抗体 (DAK0社製) を用い た TRAIL- R1及び R2del ta発現の確認を指標に、 ヒト TRAIL- R1及び R2del t aをその細 胞表面に過剰に発現している L929細胞を作製することができる。 ,
(2)抗体産生細胞の調製工程
(1)で得られた抗原と、 フロインドの完全若しくは不完全アジュバント、 又は カリミヨウバンのような助剤とを混合し、 免疫原として実験動物に免疫する。 実 験動物としては、 ヒト由来の抗体を産生する能力を有するトランスジエニックマ ウスが最も好適に用いられるが、 そのようなマウスは富塚らの文献 [Tofflizuka. et al. , Proc Nat l Acad Sc i USA. , 2000 Vol 97 : 722] に記載されている。
マウス免疫の際の免疫原投与法は、 皮下注射、 腹腔内注射、 静脈内注射、 皮内 注射、 筋肉内注射、 足躕注射などいずれでもよいが、 皮下注射、 腹腔内注射、 足 踱注射又は静脈内注射が好ましい。
免疫は、 一回、 又は、 適当な間隔で (好ましくは 3日間から 1週間あるいは 2週 間間隔で) 複数回繰返し行なうことができる。 その後、 免疫した動物の血清中の 抗原に対する抗体価を測定し、 抗体価が十分高くなつた動物を抗体産生細胞の供 給原として用いれば、 以後の操作の効果を高めることができる。 一般的には、 最 終免疫後 3〜5日後の動物由来の抗体産生細胞を、 後の細胞融合に用いることが好 ましい。
ここで用いられる抗体価の測定法としては、 放射性同位元素免疫定量法 (以下 「RIA法」 という) 、 固相酵素免疫定量法 (以下 「ELISA法」 という) 、 蛍光抗体 法、 受身血球凝集反応法など種々の公知技術があげられるが、 検出感度、 迅速性、 正確性、 及び操作の自動化の可能性などの観点から、 RIA法又は ELISA法がより好 適である。
本発明における抗体価の測定は、 例えば ELISA法によれば、 以下に記載するよ うな手順により行うことができる。 まず、 精製又は部分精製した組換えヒト TRAI L - R1及び R2を ELI SA用 96穴プレート等の固相表面に吸着させ、 さらに抗原が吸着 していない固相表面を抗原と無関係なタンパク質、 例えばゥシ血清アルブミン (以下 「BSA」 という) により覆い、 該表面を洗浄後、 一次抗体として段階希釈 した試料 (例えばマウス血清) に接触させ、 上記抗原に試料中の抗 TRAIL-R1及び 抗体を結合させる。 さらに二次抗体として酵素標識されたヒ卜抗体に対する抗 体を加えてヒト抗体に結合させ、 洗浄後該酵素の基質を加え、 基質分解に基づく 発色による吸光度の変化等を測定することにより、 抗体価を算出する。 )ミエローマの調製工程
ミエ口一マとしては、 マウス、 ラット、 モルモット、 ハムスター、 ゥサギ又は ヒ卜等の哺乳動物に由来する自己抗体産生能のない細胞を用いることが出来るが、 一般的にはマウスから得られた株化細胞、 例えば 8 -ァザグァニン耐性マウス (BA LB/c由来) ミエローマ株 P3X63Ag8U. 1 (P3-U1) [Ye I t on, D. E. e t al. Current To pics in Microbiology and Immunology, 81, 1-7 ( 1978) ] 、 P3/NSI/1- Ag4_l (N S - 1) [Kohler, G. et al. European J. Immunology, 6, 511-519 (1976) ] 、 Sp2/0-Agl4 (SP-2) [Shulman, M. et al. Nature, 276, 269-270 (1978) ] 、 P3 X63Ag8. 653 (653) [Kearney, J. F. e t al. J. I醒 uno logy, 123, 1548-1550 ( 19 79) ] 、 P3X63Ag8 (X63) [Horibata, K. and Harri s, A. W. Nature, 256, 495-4 97 ( 1975) ] などを用いることが好ましい。 これらの細胞株は、 適当な培地、 例えば 8-ァザグァニン培地 [グルタミン、 2-メルカプトエタノール、 ゲン夕マイ シン及びゥシ胎児血清 (以下 「FCS」 という) を加えた RPMI- 1640培地に 8-ァザグ ァニンを加えた培地] 、 イスコフ改変ダルベッコ培地 (Iscove' s Modi f ied Dulb ecco' s Medium;以下 「IMDM」 という) 、 又はダルベッコ改変イーグル培地 (Dul becco' s Mod i f ied Eagl e Med ium;以下 「DMEM」 という) で継代培養するが、 細 胞融合の 3〜4日前に正常培地 (例えば、 10% FCSを含む DMEM培地) で継代培養し、 融合当日に 2 X 107以上の細胞数を確保しておく。
(4)細胞融合
抗体産生細胞は、 形質細胞、 及びその前駆細胞であるリンパ球であり、 これは 個体のいずれの部位から得てもよく、 一般には脾、 リンパ節、 骨髄、 扁桃、 末梢 血、 又はこれらを適宜組み合わせたもの等から得ることができるが、 脾細胞が最 も一般的に用いられる。
最終免疫後、 所定の抗体価が得られたマウスから抗体産生細胞が存在する部位、 例えば脾臓を摘出し、 抗体産生細胞である脾細胞を調製する。 この脾細胞と工程 (3)で得られたミエローマを融合させる手段として現在最も一般的に行われてい るのは、 細胞毒性が比較的少なく融合操作も簡単な、 ポリエチレングリコールを 用いる方法である。 この方法は、 例えば以下の手順よりなる。
脾細胞とミエローマとを無血清培地 (例えば丽 EM) 、 又はリン酸緩衝生理食塩 液 (以下 「PBS」 という) でよく洗浄し、 脾細胞とミエローマの細胞数の比が 5 : 1 〜10 : 1程度になるように混合し、 遠心分離する。 上清を除去し、 沈澱した細胞群 をよくほぐした後、 撹拌しながら lmlの 50% (w/v)ポリエチレングリコール (分子 量 1000〜4000) を含む無血清培地を滴下する。 その後、 10mlの無血清培地をゆつ くりと加えた後遠心分離する。 再び上清を捨て、 沈澱した細胞を適量のヒポキサ ンチン ·アミノプテリン ·チミジン (以下 「HAT」 という) 液及びヒトインター ロイキン- 6 (以下 「IL-6」 という) を含む正常培地 (以下 「HAT培地」 という) 中に懸濁して培養用プレート (以下 「プレート」 という) の各ゥエルに分注し、
5 %炭酸ガス存在下、 37°Cで 2週間程度培養する。 途中適宜 HAT培地を補う。
(5)ハイプリドーマ群の選択
上記ミエローマ細胞が、 8-ァザグァニン耐性株である場合、 すなわち、 ヒポキ サンチン ·グァニン ·ホスホリポシルトランスフェラーゼ (HGPRT) 欠損株であ る場合、 融合しなかった該ミエローマ細胞、 及びミエローマ細胞どうしの融合細 胞は、 HAT含有培地中では生存できない。 一方、 抗体産生細胞どうしの融合細胞、 あるいは、 抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマは生存することが できるが、 抗体産生細胞どうしの融合細胞には寿命がある。 従って、 HAT含有培 地中での培養を続けることによって、 抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイプ リドーマのみが生き残り、 結果的にハイプリドーマを選択することができる。 コロニー状に生育してきたハイプリドーマについて、 HAT培地からアミノプテ リンを除いた培地 (以下 「HT培地」 という) への培地交換を行う。 以後、 培養上 清の一部を採取し、 例えば、 ELISA法により抗 TRAIL- R1及び R2抗体価を測定する。 ただし、 ELISA用の抗原として上記融合タンパク質を用いる場合は、 ヒト IgGの Fc 領域に特異的に結合する抗体を産生するクローンを選択しないように、 該クロー ンを除外する操作が必要である。 そのようなクローンの有無は、 例えばヒト I gG の; Fc領域を抗原とした ELI SA等により確認することができる。
以上、 8-ァザグァニン耐性の細胞株を用いる方法を例示したが、 その他の細胞 株もハイプリド一マの選択方法に応じて使用することができ、 その場合使用する 培地組成も変化する。
(6)クローニング工程
(2)の記載と同様の方法で抗体価を測定することにより、 特異的抗体を産生す ることが判明したハイブリドーマを、 別のプレートに移しクローニングを行う。 このクロ一ニング法としては、 プレートの 1ゥエルに 1個のハイプリドーマが含 まれるように希釈して培養する限界希釈法、 軟寒天培地中で培養しコロニーを回 収する軟寒天法、 マイクロマ二ュピレ一ターによって 1個ずつの細胞を取り出し 培養する方法、 セルソー夕一によって 1個の細胞を分離する 「ソ一夕クローン」 などが挙げられるが、 限界希釈法が簡便であり、 よく用いられる。
抗体価の認められたゥエルについて、 例えば限界希釈法によるクローニングを
2〜4回繰返し、 安定して抗体価の認められたものを抗 TRAIL - R1及び R2モノク口一 ナル抗体産生ハイプリドーマ株として選択する。
なお、 本発明のヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体の産生細胞であるマウス一 マウスハイプリ ドーマ H- 48- 2は、 平成 13年(2001年) 5月 18日付けで独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託セン夕一 (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番 地 1 中央第 6 ) に国際寄託されている。 国際寄託番号は、 FERM BP-7599である。 また、 ハイプリド一マ E- 1卜 13は受託番号が FE丽 BP- 7698として、 ハイプリ ド一 マ F-4- 8は受託番号が FERM BP- 7699として、 ハイプリ ドーマ L- 30- 10は受託番号が FERM BP- 7700として、 平成 13年(2001年) 8月 8日付けで国際寄託されている。 また、 ハイブリドーマ 0304は受託番号が FERM BP- 8037として、 ハイプリドーマ KMTR1は 受託番号が FERM BP- 8038として、 平成 14年(2002年) 5月 10日付けで国際寄託され ている。 したがって、 例えばマウス-マウスハイプリ ドーマを用いて抗体を調製 する場合は、 工程(6)までを省略して、 以下に記載する工程(7)から抗体の調製を 行うことができる。 また、 マウスの腹水中等でのインビポで培養し、 腹水から単 離することもできる。
(7)ハイプリドーマ培養によるモノクローナル抗体の調製
クローニングを完了したハイプリドーマは、 培地を HT培地から正常培地に換え て培養される。 大量培養は、 大型培養瓶を用いた回転培養、 あるいはスピナ一培 養で行われる。 この大量培養における上清を、 ゲル濾過等、 当業者に周知の方法 を用いて精製することにより、 本発明の予防又は治療剤を有効成分として含有す る抗 TRAIL- R1及び R2モノクローナル抗体を得ることができる。 また、 同系統のマ ウス (例えば BALB/c) 若しくは Nu/Nuマウス、 ラット、 モルモット、 ハムスター 又はゥサギ等の腹腔内で該ハイプリドーマを増殖させることにより、 本発明の予 防又は治療剤を有効成分として含有する抗 TRAIL- R1及び R2モノクローナル抗体を 大量に含む腹水を得ることができる。 精製の簡便な方法としては、 市販のモノク ローナル抗体精製キット (例えば、 MAbTrap GI Iキット ;
ァバイオテク社製) 等を利用することもできる。 かくして得られるモノクローナル抗体は、 ヒト TRAIL - R1及び R2に対して高い抗 原特異性を有する。
(8)モノクローナル抗体の検定
かくして得られたモノクローナル抗体のアイソ夕ィプ及びサブクラスの決定は 以下のように行うことができる。 まず、 同定法としてはォクテルロニ一 (Ouchte rl ony) 法、 ELISA法、 又は RIA法が挙げられる。 ォクテルロニ一法は簡便ではあ るが、 モノ.クローナル抗体の濃度が低い場合には濃縮操作が必要である。
一方、 EUSA法又は RIA法を用いた場合は、 培養上清をそのまま抗原吸着固相と 反応させ、 さらに二次抗体として各種ィムノグロブリンアイソタイプ、 サブクラ スに対応する抗体を用いることにより、 モノクローナル抗体のアイソタイプ、 サ ブクラスを同定することが可能である。
さらに、 タンパク質の定量は、 フォーリンロウリー法、 及び 280Mにおける吸 光度 [1. 4 (0D280) =ィムノグロブリン lmg/ml] より算出する方法により行うこと ができる。
モノクローナル抗体の認識ェピトープの同定は以下のようにして行なうことが できる。 まず、 モノクローナル抗体の認識する分子の様々な部分構造を作製する。 部分構造の作製にあたっては、 公知のオリゴペプチド合成技術を用いてその分子 の様々な部分ペプチドを作成する方法、 遺伝子組換え技術を用いて目的の部分ぺ プチドをコードする DNA配列を好適な発現プラスミドに組み込み、 大腸菌等の宿 主内外で生産する方法等があるが、 上記目的のためには両者を組み合わせて用い るのが一般的である。 例えば、 抗原タンパク質の C末端又は N末端から適当な長さ で順次短くした一連のポリペプチドを当業者に周知の遺伝子組換え技術を用いて 作製した後、 それらに対するモノクローナル抗体の反応性を検討し、 大まかな認 識部位を決定する。
その後、 さらに細かく、 その対応部分のオリゴペプチド、 又は該ペプチドの変 異体等を、 当業者に周知のオリゴペプチド合成技術を用いて種々合成し、 本発明 の予防又は治療剤が有効成分として含有するモノクローナル抗体のそれらべプチ ドに対する結合性を調べるか、 又は該モノクローナル抗体と抗原との結合に対す るペプチドの競合阻害活性を調べることによりェピトープを限定する。 多種のォ リゴペプチドを得るための簡便な方法として、 市販のキット (例えば、 SPOTsキ ット (ジエノシス ·バイオテクノロジーズ社製) 、 マルチピン合成法を用いた一 連のマルチピン ·ペプチド合成キット (カイロン社製) 等) を利用することもで きる。
また、 ハイプリドーマ等の抗体産生細胞からヒトモノクローナル抗体をコード する遺伝子をクローニングし、 適当なベクターに組み込んで、 これを宿主 (例え ば哺乳類細胞細胞株、 大腸菌、 酵母細胞、 昆虫細胞、 植物細胞など) に導入し、 遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体を調製することもできる (P. J. De lves. , ANTIBODY PRODUCTION ESSENTIAL TECHNIQUES. , 1997 WILEYゝ P. S ep herd and C. Dean. , Monoc lonal Ant ibod i es. , 2000 OXFORD UNIVERSITY PRESS, J. W. God ing. , Monoc lonal Ant ibod i es : pr inc iples and prac t i ce. , 1993 ACADEM I C PRESS) 。
ハイプリドーマからモノクローナル抗体をコードする遺伝子を調製するには、 モノクローナル抗体の軽鎖可変領域、 軽鎖定常領域、 重鎖可変領域及び重鎖定常 領域をそれぞれコードする DNAを PCR法等により調製する方法が採用される。 ブラ イマ一は、 抗 TRAIL - R抗体遺伝子又はアミノ酸配列から設計したオリゴ DNAを、 铸 型としてはハイプリドーマから調製した DNAを使用することができる。 これらの D NAを 1つの適当なベクターに組み込み、 これを宿主に導入して発現させるか、 あ るいはこれらの DNAをそれぞれ適当なベクターに組み込み、 共発現させる。
ベクターには、 宿主微生物で自律的に増殖し得るファージ又はプラスミドが使 用される。 プラスミド DNAとしては、 大腸菌、 枯草菌又は酵母由来のプラスミド などが挙げられ、 ファージ DNAとしては λファージが挙げられる。
形質転換に使用する宿主としては、 目的の遺伝子を発現できるものであれば特 に限定されるものではない。 例えば、 細菌 (大腸菌、 枯草菌等) 、 酵母、 動物細 胞 (COS細胞、 CH0細胞等) 、 昆虫細胞が挙げられる。
宿主への遺伝子の導入方法は公知であり、 任意の方法 (例えばカルシウムィォ ンを用いる方法、 エレクト口ポレーシヨン法、 スフエロプラスト法、 酢酸リチウ ム法、 リン酸カルシウム法、 リポフエクシヨン法等) が挙げられる。 また、 後述 の動物に遺伝子を導入する方法としては、 マイクロインジェクション法、 ES細胞 にエレクトロポレーションゃリポフエクシヨン法を使用して遺伝子を導入する方 法、 核移植法などが挙げられる。
本発明において、 抗 TRAIL-R抗体は、 形質転換体を培養し、 その培養物から採 取することにより得ることができる。 「培養物」 とは、 (a)培養上清、 (b)培養細 胞若しくは培養菌体又はその破碎物、 (c)形質転換体の分泌物のいずれをも意味 するものである。 形質転換体を培養するには、 使用する宿主に適した培地を用い、 静置培養法、 ローラーボトルによる培養法などが採用される。
培養後、 目的タンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、 菌体又は 細胞を破砕することにより抗体を採取する。 また、 目的抗体が菌体外又は細胞外 に生産される場合には、 培養液をそのまま使用するか、 遠心分離等により菌体又 は細胞を除去する。 その後、 タンパク質の単離精製に用いられる各種クロマトグ ラフィ一を用いた一般的な生化学的方法を単独で又は適宜組み合わせて用いるこ とにより、 前記培養物中から目的の抗体を単離精製することができる。
さらに、 トランスジエニック動物作製技術を用いて、 目的抗体の遺伝子が内 在性遺伝子に組み込まれた動物宿主、 例えばトランスジエニックゥシ、 トランス ジエニックャギ、 トランスジエニックヒッジ又はトランスジエニックブタを作製 し、 そのトランスジエニック動物から分泌されるミルク中からその抗体遺伝子に 由来するモノクローナル抗体を大量に取得することも可能である(Wr i ght, G., e t al. ( 1991) B i o/Technology 9, 830-834)。 ハイプリドーマをインビトロで培 養する場合には、 培養する細胞種の特性、 試験研究の目的及び培養方法等の種々 条件に合わせて、 ハイプリドーマを増殖、 維持及び保存させ、 培養上清中にモノ クローナル抗体を産生させるために用いられるような既知栄養培地、 あるいは既 知の基本培地から誘導調製されるあらゆる栄養培地を用いて実施することが可能 である。
(9) 抗体の性質
本発明の抗体は下記の a)乃至 c)の機能的特性を有し、 それぞれの特性は例えば 各項目に記載の方法により確認することができる:
a) ヒト癌細胞を培養し、 本発明の抗体を培地に含有せしめた時の該細胞の生 存率を調べた結果、 TRAIL- R1及び/又は R2を発現している癌細胞にアポト 一シスを誘導する活性を有する。 b) ヒト正常組織由来細胞を培養し、 本発明の抗体を培地に含有せしめた時の 該細胞の生存率を調べた結果、 TRAIL- R1及び/又は R2を発現している正常 細胞には影響を及ぼさない。
c) ヒト肝実質細胞を培養し、 本発明の抗体を培地に含有せしめた時の該細胞 の生存率を調べた結果、 肝臓細胞傷害を誘発しない。
本発明の抗体のアポトーシス誘導活性は、 LD50値(所定の実験条件において、 細胞の半分に死をもたらす抗体の濃度)を指標として表すことができる。 LD50値 は、 後述する実験条件において 100 z g/ml以下、 好ましくは 10 g/inl以下、 より 好ましくは 0. 7 g/ml以下、 さらに好ましくは 0. 02-0. 11 g/ml、 最も好ましくは 0. 02 i g/ml以下である。
また、 「正常細胞に影響を及ぼさない」 又は 「肝臓細胞傷害を誘発しない」 と は、 本発明の抗体の正常細胞 (ヒト肝細胞) に対するアポトーシス誘導活性が顕 著に高くないことを意味する。 LD50値を指標とした場合、 後述する実験条件にお いて 0. O l i g/ml以上、 好ましくは 0. 1 /x g/ml以上、 より好ましくは 2-10 g/ml、 さらに好ましくは 10- 24 ^ 8/ηι1、 最も好ましくは 24 ^ g/ml以上である。
本発明の抗体は、 上記 a)〜c)のいずれかの活性を有するものであるが、 好まし くは上記 a)記載の活性、 すなわち癌細胞に対してアポトーシスを誘導する活性と、 上記 b)及び c)記載の活性、 すなわち正常細胞、 特に正常肝実質細胞には傷害を誘 発しない活性とを併せ持つ、 新規な特性を有する物質である。 従って、 本発明の 抗体は悪性腫瘍に対する予防又は治療剤に含有させるための成分として有用であ る。
正常細胞又は癌細胞に対するアポトーシス誘導活性は LD50値を指標として表す ことができる。 本発明における LD50値は以下のように算出できる。 正常細胞 (例 えばヒト肝細胞) 又は癌細胞 (例えばヒ卜大腸癌細胞株 Co lo205 ; ATCC CCL-22 2) を培養し、 本発明の抗体を培地に添加し、 一定時間経過後の該細胞の生存率 を MTTアツセィ (Green, L. M. et al., munological Methods, 70 : 257-268 (1 984) ) 又は LDHアツセィなどにより測定する。
生存率と添加された抗体の濃度をプロッ卜したグラフから、 生存率 50%に相当 する抗体濃度を LD50値とする。
LD50値はグラフから読み取ることも、 回帰計算によりグラフ曲線の式を求める ことにより算出することもできる。
癌細胞 Co l o205に対する試験では、 96穴平底プレートの 1穴あたり 100 1の培地 に 2. 5x l 03の細胞を播種し、 37°C、 5¾ C02存在下で培養し、 抗体を翌日添加し、 前記環境下に 48時間置いた後に細胞の生存率を測定した (反応液の全量: 1 10〜1 20 1 ) 。 本発明においては、 前記条件を 「細胞数 2. 5xl 03及び反応時間 48時間」 と記載する。
正常細胞 (肝細胞) に対する試験では、 96穴平底プレートの 1穴あたり の培地に 7. 5xl 04の細胞を播種し、 37°C、 5% C02存在下で培養し、 抗体を翌日添 加し、 前記環境下に 24時間置いた後に細胞の生存率を測定した (反応液の全量: 1 10〜120 1) 。 本発明においては、 前記条件を 「細胞数 7. 5xl 04及び反応時間 24 時間」 と記載する。
本発明の抗体には、 上記の条件で LD50を測定したときに、 正常細胞 (ヒト肝細 胞) に対して LD50値が例えば 0. 01 ^ g/ml (10ng/ml)以上、 好ましくは 0. 1 g/ml以 上の性質を有するものが含まれる。 正常細胞に対する LD50は高いほど安全性が高 いといえるため、 2- lOO g/mlの LD50値を有する抗体がさらに好ましい。 また、 本発明の抗体には、 上記の条件で LD50を測定したときに、 癌細胞に対して LD50値 が例えば 100 /z g/ml以下、 好ましくは 0. 7 z g/nil以下の性質を有するものが含まれ る。 癌細胞に対する LD50は低いほど殺腫瘍細胞活性が強いといえるため、 0. 02-0. l l g/mlの LD50を有するものがさらに好ましい。 特に、 本発明の E - 11-13抗体、 L - 30- 10抗体及び KM T R 1抗体は、 そのヒト肝細胞に対する LD50値が 2- lOO i g/m 1 以上 (例えば 2 - 24 g/ml、 好ましくは 100 g/ml) 、 かつ、 癌細胞に対する LD5 0値が 0. 02-0. 11 / g/mlの性質を有しており、 正常細胞に対する安全性と腫瘍細胞 に対するアポトーシス誘導効果を併せ持つている。 さらに驚くべきことに、 本件 発明の抗体は、 マウス担癌モデルにおける腫瘍細胞の増殖を顕著に抑制した。
ここで、 「細胞数 7. 5χ104及び反応時間 24時間」 の条件で測定したときの正常 細胞に対する LD50値と、 「細胞数 2. 5χ103及び反応時間 48時間」 の条件で測定し たときの癌細胞に対する LD50値との比について検討してみる。 前記の通り、 正常 細胞に対する LD50は高いほど安全性が高く、 癌細胞に対する LD50は低いほど殺腫 瘍細胞活性が強いため、 正常細胞に対する LD50値は、 癌細胞に対する LD50と比較. して、 その比は大きいほど有用であるといえる (安全性が高く、 癌細胞に対する アポトーシス誘導活性が強い) 。 癌細胞に対する正常細胞の LD50の比 (正常細胞 に対する LD50が癌細胞に対する LD50の何倍あるか) を N/C比とすると、 本発明の 抗体は、 N/C = 2以上、 すなわち正常細胞に対する LD50が癌細胞に対する LD50の 2 倍以上の性質を有するものである。 好ましくは、 正常細胞に対する LD50が癌細胞 に対する LD50の 10倍以上(N/C= 10以上)、 より好ましくは N/C= 10- 25であり、 以 下、 順に好ましい範囲が N/C= 50、 N/C- 50以上、 N/C-50から 100、 N/C= 100以上、 N/C= 100から 1000となり、 さらに好ましくは N/C = 250から 1000であり、 そして最 も好ましくは N/C = 1000以上である。 医薬組成物
本発明のヒト抗 TRAIL- R1及び R2抗体の精製された製剤を含有する製剤もまた、 本発明の範囲内に含まれる。 このような製剤は、 好ましくは、 抗体に加えて、 生 理学的に許容され得る希釈剤又はキヤリアを含んでおり、 他の抗体又は抗生物質 のような他の薬剤との混合物であってもよい。 適切なキャリアには、 生理的食塩 水、 リン酸緩衝生理食塩水、 リン酸緩衝生理食塩水グルコース液、 及び緩衝生理 食塩水が含まれるが、 これらに限定されるものではない。 或いは、 抗体は凍結乾 燥 (フリーズドライ) し、 必要とされるときに上記のような緩衝水溶液を添加す ることにより再構成して使用してもよい。 かかる予防又は治療剤は、 種々の形態 で投与することができ、 それらの投与形態としては、 錠剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤、 シロップ剤等による経口投与、 又は、 注射剤、 点滴剤、 坐薬等による非経 口投与を挙げることができる。
その投与量は、 症状、 年齢、 体重などによって異なるが、 通常、 経口投与では、 成人に対して、 1日約 0. Olmg乃至 lOOOmgであり、 これらを 1回、 又は数回に分けて 投与することができる。 また、 非経口投与では、 1回約 0. O lfflg乃至 lOOOnigを皮下 注射、 筋肉注射又は静脈注射によって投与することができる。
本発明の抗体又は医薬組成物は、 TRAIL- R1及び 2を発現している細胞に起因する 可能性を有する種々の疾患又は症状の治療又は予防への適用が可能である。 その 疾患又は症状としては、 各種悪性腫瘍が挙げられる。
腫瘍の種類は、 大腸癌、 結腸直腸癌、 肺癌、 乳癌、 脳腫瘍、 黒色腫、 腎細胞癌、 膀胱癌、 白血病、 リンパ腫、 T細胞リンパ腫、 多発性骨髄腫、 胃癌、 膝臓癌、 子 宮頸癌、 子宮内膜癌、 卵巣癌、 食道癌、 肝臓癌、 頭頸部扁平上皮癌、 皮膚癌、 尿 路癌、 前立腺癌、 絨毛癌、 咽頭癌、 喉頭癌、 きょう膜腫、 男性胚腫、 子宮内膜過 形成、 子宮内膜症、 胚芽腫、 線維肉腫、 力ポジ肉腫、 血管腫、 海綿状血管腫、 血 管芽腫、 網膜芽腫、 星状細胞腫、 神経線維腫、 稀突起謬腫、 髄芽腫、 神経芽腫、 神経膠腫、 横紋筋肉腫、 謬芽腫、 骨原性肉腫、 平滑筋肉腫、 甲状肉腫又はウィル ムス腫瘍等であり、 本発明の抗体を適用する際の腫瘍は 1種類に限られず、 複数 種類の腫瘍が併発したものでもよい。 製剤例
本発明の分子は、 水又はそれ以外の薬理学的に許容し得る溶液に溶解した無菌 性溶液又は懸濁液のアンプルとして使用に供される。 また、 無菌粉末製剤 (本発 明の分子を凍結乾燥するのが好ましい) をアンプルに充填しておき、 使用時に薬 理学的に許容し得る溶液で希釈してもよい。 図面の簡単な説明
図 1は、 ヒト抗 TRAIL- R1モノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの培養 上清中の Colo205に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 2は、 ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養 上清中の Colo205に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 3は、 ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養 上清中の Colo205に対する細胞死誘導活性を示す図 (ャギ抗ヒ卜 IgG ( T )特異的ポ リクローナル抗体 無添加) 。
図 4は、 ヒト抗 TRAIL- Πモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの培養 上清中の HUVECに対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 aは、 ヒト組換え型 TRAIL (陽性コントロール) の Col o205及び正常ヒト肝 実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 bは、 精製ヒト抗 TMIL-R2モノクローナル抗体 (H- 48-2) の Col o205及び 正常ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 cは、 精製ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体(E - 1卜 13)の Colo205及び正 常ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。 図 5 dは、 精製ヒト抗 TRAIL- モノクローナル抗体 (L - 30- 10)の Col o205及び正 常ヒ卜肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 eは、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体(F-4-8)の Col o205及び正常 ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 f は、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体(W- 40-5)の Col o 205及び正 常ヒ卜肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 gは、 精製ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体(0304)の Col o205及び正常 ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 hは、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体(0322)の Col o205及び正常 ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 iは、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体(KMTR1)の Col o205及び正常 ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 jは、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノク口一ナル抗体(DIM)の Co l o205及び正常ヒ ト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。
図 5 kは、 精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体(0304、 ャギ抗ヒト IgG抗体 無添加)の Co lo205及び正常ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。 図 5 1は、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体(KMTR1、 ャギ抗ヒト IgG抗 体無添加)の Colo205及び正常ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す図。 図 6は、 精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体 E-1卜 13、 F- 4- 8、 H-48- 2、 L - 30-10、 W-40- 5を、 l g/マウス個体で 3回隔日投与したときの腫瘍の大きさを測 定した結果を示す図。 '
図 7は、 精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体 E- 1 1- 13を 4、 20、 l OO g/マ ウス個体で 4回投与したときの腫瘍の大きさを測定した結果を示す図。
図 8は、 300匪3の担癌マウスに対し、 精製ヒト抗 TRML-R2モノクローナル抗体 E - 1卜 13を 20 2 g/マウス個体で 3回隔日投与したときの腫瘍の大きさを測定した結 果を示す図。
図 9は、 100匪3の担癌マウスに対し、 精製ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体 0304を 20 z g/マウス個体で 3回隔日投与したときの腫瘍の大きさを測定した結果 を示す図。
図 1 0は、 100匪3の担癌マウスに対し、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗 体 0304を 25 g/マウス個体で 3回投与したときの腫瘍の大きさを測定した結果を 示す図。
図 1 1 aは、 組換え型精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体の Colo205細胞 に対する細胞死誘導活性 (ャギ抗ヒト IgG抗体無添加) を示す図。
図 1 l bは、 組換え型精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体の Col o205細胞 に対する細胞死誘導活性 (ャギ抗ヒト IgG抗体添加) を示す図。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例を以て本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明がその実施例に 記載される態様のみに限定されるものではない。 実施例 1 抗原の調製
ヒ卜 TRAIL - R1及び R2が細胞膜上に過剰発現している細胞を得るため、 ヒト TRAI L - R1及び R2の全長アミノ酸から細胞内領域のデスドメイン及びデスドメインより C末端側のアミノ酸を除いたヒト TRAIL - R1及びヒト TRAIL- R2 (以下 「TRAIL- R1及 び R2del ta」 という) 発現プラスミドベクターを作製した。 TRAIL- 及び R2del ta をコードする DNAは、 PCR法により作製した。 a)全長ヒト TRAIL- R1及び R2発現ベクターの調製
铸型 PCRを行うにあたり、 铸型として用いたのは、 ヒト TRAIL-R1及び R2をコー ドする cDNAを保持するプラスミドベクタ一 PCDNA3- TRAIL-R1及び PCDNA3- TRAIL-R2 である。 PCDNA3- TRAIL- R1及び PCDNA3- TRAIL- R2は以下の方法で作製された。 完全 長ヒト TRML-R1 MA及び TRAIL- R2 丽 A.を、 その 5 ' 末端に EcoRI配列を、 その 3 ' 末端に Not l配列と終止コドンを付加する為のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い 修飾した。 ヒト胎盤由来 cDNA (Clontech社製) を鎵型として、 TRAIL- R1について はプライマーとして: 5' -CACGAATTCACCATGGCGCCACCACCAGCT-3' (配列番号 1 )及び 5' -TTTCTCGAGGCGGCCGCTTATCACTCCAAGGACACGGCAGAGCCTGTG-3' (配列番号 2 ) を、 TRAIL-R2についてはプライマーとして: 5' -CACGAATTCGCCACCATGGAACAACGGGGACAG -3' (配列番号 3 ) 及び 5' -TTTCTCGAGGCGGCCGCTCATTAGGACATGGCAGAGTCTGCATTACCT -3' (配列番号 4 ) を合成し、 プラチナ PfxDNAポリメラーゼ (ギブコ ■ ビーァー ルエル社製) を使用して、 (94° (:、 20秒; 60° (:、 30秒; 68°C、 90秒間) X 30サイ クルの PCR反応を行った。 修飾された TRAIL-R1及び TRAIL- R2配列を、 EcoRI-Not l 断片として単離し、 同一酵素で解裂されていた pcDNA3 (Invi t rogen社製) ベクタ 一に連結した。 得られたプラスミドを PCDNA3- TRAIL- R1及び PCDNA3- TRAIL- R2と命 名した。 PCDNA3- TRAIL- R2に組み込まれた TRAIL- R2は、 選択的スプライシングに より形成された 2つの断片の中で、 1320bpの cDNAにコードされる 440アミノ酸か ら成るものである。 以下、 実施例中のすべての PCRの反応温度調節は、 ジーンァ ンプ PCRシステム 9700; (株) パーキンエルマ一 ·ジャパン社製を使用した。 b)ヒト TRAIL- R1及び R2de l ta発現ベクターの調製
ヒト TRAIL- R1及び R2de l ta発現ベクターを以下の方法にて調製した。 卜 351のァ ミノ酸配列を持つ TRAIL-R1部分ペプチド、 及び、 卜 348のアミノ酸配列を持つ TRA IL-R2部分ペプチドからなる発現プラスミドを作製するために、 TRAIL-R1及び R2 部分ペプチドの 5 ' 末端に EcoRI配列、 3 ' 末端に No t l配列と終止コドンを付加す る為の PCR反応を行った。 PCRは、 TRAIL- R1についてはオリゴヌクレオチドプライ マー 5' - CACGAATTCACCATGGCGCCACCACCAGCT- 3' (配列番号 1 ) 及び 5' -TTCTACGAGCG GCTTATCACAGCCTCCTCCTCTGAGA-3' (配列番号 5 ) を、 TRAIL- R2についてはオリゴ ヌクレオチドプライマー 5' -CACGAATTCGCCACCATGGAACAACGGGGACAG-3' (配列番号 3 ) 及び 5' - TTCTACGAGCGGCCGCTTATCACAAGTCTGCAAAGTCATC- 3' (配列番号 6 ) を、 プラチナ PixDNAポリメラーゼ (ギブコピーァ一ルエル社製) 、 及び PCDNA3-TRAIL -Rl、 pcDNA3_TRAIL- R2を使用して、 (94°C、 20秒; 65°C、 30秒;及び 68^、 75秒 間) X 25サイクルの条件で行った。 修飾された TRAIL- R1及び R2の部分ペプチドを、 EcoRI-Not l断片として単離した。 そしてこの EcoRI- Not l断片を EcoRIと Not l酵素 で解裂した pEFneoベクターに連結した。 得られたプラスミドを pEF- TRAIL-Rlde l t a及び pEF- TRAIL-R2de 11 aと命名した。 c)ヒト TMIL-R1及び R2del ta発現細胞の作製
b)で作製した pEF-TRAIL- Rldel ta及び pEF- TRAIL_R2del t aを、 L ipoiectAMINE PI us (ギブコピーアールエル社製) を用いて、 L929細胞 (American Type Cul ture Col lect ion No. CCL-1) に導入した。 遺伝子導入はマニュアルの方法にて行った。 細胞培養用フラスコ (培養面積 75cm2) 中で 37°C、 5. 0 %炭酸ガス下で 24時間培養 した後、 G418 (ギブコビ一アールエル社製) を lmg/mlになるように加え、 1週間 培養した。 次いで、 ャギ抗ヒト TRAIL- R1ポリクローナル抗体及びャギ抗ヒト TRAI L - R2ポリクローナル抗体 (DAK0社製) を用いた FACS解析を行い、 遺伝子導入され た細胞で G418耐性の形質を獲得したものは、 351アミノ酸からなる TRAIL- Rldel ta 及び 348アミノ酸からなる TRAIL_R2de l taを細胞膜表面上に発現していることを確 認した。
PCR用プライマー等のオリゴヌクレオチドの合成は、 全て DNA自動合成機 (モデ ル 3948; (株) パーキンエルマ一 ·ジャパン ·アプライドバイオシステムズ事業 部製) を用いて、 そのマニュアルに従って行った [Mat teucc i, M. D. and Caruthe rs, M. H. (1981) J. Am. C ei. Soc. 103, 3185-3191 参照] 。 各オリゴヌクレオチドは 合成終了後、 支持体から開裂させ脱保護を行い、 得られた溶液を乾固した後蒸留 水に溶解し、 使用するまで- 20°Cで凍結保存した。 実施例 2 ヒト抗体産生マウスの作製
免疫に用いたマウスは、 内因性 I g重鎖及び κ軽鎖破壊の両者についてホモ接合 体の遺伝的背景を有しており、 かつ、 ヒト Ig重鎖遺伝子座を含む 14番染色体断片 (SC20)及びヒト Ig /鎖トランスジーン (KCo5) を同時に保持する。 このマウスは ヒト Ig重鎖遺伝子座を持つ系統 Aのマウスと、 ヒト Ig /c鎖トランスジーンを持つ 系統 Bのマウスとの交配により作製した。 系統 Aは、 内因性 Ig重鎖及び/ c軽鎖破壊 の両者についてホモ接合体であり、 子孫伝達可能な 14番染色体断片 (SC20)を保 持するマウス系統であり、 例えば富塚らの報告 (Tomizuka. e t al. , Proc Nat l Acad Sc i USA. , 2000 Vol97 : 722) に記載されている。 また、 系統 Bは内因性 Ig重 鎖及び κ軽鎖破壊の両者についてホモ接合体であり、 ヒト Ig κ鎖トランスジーン (KCo5) を保持するマウス系統 (卜ランスジエニックマウス) であり、 例えば Fi shwi ldらの報告 (Nat Biotechnol. , 1996 Vol l4 : 845) に記載されている。
系統 Aの雄マウスと系統 Bの雌マウス、 あるいは系統 Aの雌マウスと系統 Bの雄マ ウスの交配により得られる子マウスを富塚らの報告 (Tomizuka e t al. , Proc Na t l Acad Sci USA. , 2000 Vol97 : 722) に記載された方法で解析し、 血清中にヒト Ig重鎖及び κ軽鎖が同時に検出される個体 (ヒト抗体産生マウス) を選抜し(Ish ida&Lonberg, IB s 11 th Ant ibody Engineering, Abs t rac t 2000; Is ida, I. et al. , Cloning & Stem Cel ls 4, 85-96 (謂2) )、 以下の免疫実験に用いた。 免疫実験には、 上記マウスの遺伝的背景を改変したマウスなど (石田 功 (2002) 実験医学 20, 6, 846-851) も用いた。 なお、 前記ヒト抗体産生マウスは、 契約 'を結ぶことによって、 麒麟麦酒株式会社より入手可能である。 実施例 3 ヒト TRAIL-R1及び R2に対するヒトモノクローナル抗体の調製 本実施例におけるモノクローナル抗体の作製は、 単クローン抗体実験操作入門 (安東民衛ら著作、 講談社発行 1991) 等に記載されるような一般的方法に従つ て調製した。 免疫原としてのヒト TRAIL-R1及び R2は、 実施例 1で調製した TRAIL- R1及び R2del ta発現 L929細胞、 又はヒト TRAIL- R1及び R2の細胞外領域とヒト IgGl の Fc領域とが融合したタンパク質を用いた。 被免疫動物は、 実施例 2で作製した ヒト免疫グロプリンを産生するヒト抗体産生マウスを用いた。
ヒト TRAIL- R1に対するヒ卜モノクローナル抗体の調製を目的として、 ヒト抗体 産生マウスに、 実施例 1で作製した TRAIL- R lde l t a発現 L929細胞 (3 X 106細胞/ 匹) を右足躕に初回免疫した。 初回免疫から以降、 同細胞を左右足躕交互に、 3 日間毎に 10回免疫した。 さらに以下に述べる脾臓及ぴリンパ節の取得 3日前に同 細胞を両足躕に免疫した。 ヒト TRAIL-R2に対するヒトモノクローナル抗体の調製 を目的として、 ヒト抗体産生マウスに、 実施例 1で作製した TRAIL-R2de l ta発現 L9 29細胞 (I X 107細胞/匹) を腹腔内に初回免疫した。 初回免疫から以降、 同細胞 を腹腔内に、 1週間毎に 5回または 6回免疫した。 さらに以下に述べる脾臓の取得 3 日前に同細胞、 またはヒ卜 TRAIL- R2の細胞外領域とヒト IgGlの Fc領域とが融合し たタンパク質を尾静脈に免疫した。 また、 ヒト抗体産生マウスにヒト TRAIL- の 細胞外領域とヒト IgGlの Fc領域とが融合したタンパク質を完全フロイントアジュ バンドと混合して皮下に初回免疫し、 以降同タンパク質を不完全フロイントアジ ュパンドと混合して皮下に 2週間毎に 2回免疫し、 さらに以下に述べる脾臓の取 得 3日前に同タンパク質を尾静脈に免疫した。
免疫されたマウスから脾臓及び/又はリンパ節を外科的に取得し、 350mg/ml 炭 酸水素ナトリウム、 50単位/ ml ペニシリン、 50 g/ml ストレプトマイシンを含 む無血清 DMEM培地 (ギブコピーアールエル社製) (以下 「無血清丽 EM培地」 とい う) 10ml中に入れ、 メッシュ (セルストレイナ一: ファルコン社製) 上でスパー テルを用いてつぶした。 メッシュを通過した細胞懸濁液を遠心して細胞を沈澱さ せた後、 この細胞を無血清應 EM培地で 2回洗浄してから、 無血清 DMEM培地に懸濁 して細胞数を測定した。一方、 10 % FCS (シグマ社製) を含む皿 EM培地 (ギブ コ · ビ一ァ一ルエル社製) (以下 「血清入り DMEM培地」 という) にて、 37°C、 5 %炭酸ガス存在下で細胞濃度が I X 108細胞/ mlを越えないように培養したミエ口 一マ細胞 SP2/0 (ATCC No. CRL-1581) を同様に無血清 DMEM培地で洗浄し、 無血清 EM培地に懸濁して細胞数を測定した。 回収した細胞の懸濁液とマウスミエロー マ懸濁液とを細胞数 5 : 1で混合し、 遠心後、 上清を完全に除去した。 このペレツ トに、 融合剤として 50% (w/v) ポリエチレングリコール 1500 (ベーリンガ一マン ハイム社製) 1mlを、 ピペットの先でペレットを撹拌しながらゆっくり添加した 後、 予め 37°Cに加温しておいた無血清 DMEM培地 lmlを 2回に分けてゆつくり添加し、 さらに 7mlの無血清丽 EM培地を添加した。 遠心後、 上清を除去して得られた融合 細胞.を、 以下に記載する限界希釈法によるスクリーニングに供した。 ハイプリド 一マの選択は、 10%のゥシ胎児血清 (Fetal Ca l f Serum, FCS) とヒポキサンチ ン(H)、 ァミノプテリン(A)、 チミジン(T) (以下 「HAT」 という。 :シダマ社製) を含有する DMEM培地中で培養することにより行った。 さらに、 10% FCSと HT (シ ダマ社製) とを含有する DMEM培地を用いて限界希釈法によりシングルクローンに した。 培養は、 96穴マイクロタイ夕一プレート (べクトンディッキンソン社製) 中で行った。 抗ヒト TRAIL- R1及ぴ R2ヒトモノクローナル抗体を産生するハイプリ ドーマクローンの選択 (スクリーニング) 及び各々のハイブリドーマが産生する ヒトモノクローナル抗体の特徴付けは、 後述する酵素標識免疫吸着アツセィ(ELI SA)及び蛍光活性化セルソー夕一(FACS)、 あるいは癌細胞に対する細胞死誘導活 性を測定することにより行った。 実施例 4及び実施例 5に述べる ELISA、 並びに実施例 6で記載する FACS解析により、 ヒト免疫グロブリンァ鎖(lilgァ)及ぴヒト免疫グ nプリン軽鎖 κを有し、 かつヒ ト TRAIL-R1及び/又は R2に特異的な反応性を有するヒトモノクロ一ナル抗体を産 生する多数のハイブリド一マを得た。 なお、 本実施例を含め以下のいずれの実施 例中、 並びに実施例における試験結果として示した表又は図中においては、 各々 の本発明のヒト抗ヒト TRAIL- R1及び R2モノクローナル抗体を産生するハイプリ ド 一マクロ一ンは記号を用いて命名した。 また、 当該記号の前後に 「抗体」 を付し たものは、 それぞれのハイプリドーマにより産生される抗体、 または当該ハイブ リ ドーマから単離された抗体遺伝子 (全長あるいは可変領域) を保持する宿主細 胞により生産された組換え抗体を意味する。 また文脈上明らかな範囲において、 ハイプリドーマクローンの名称が抗体の名称をあらわす場合がある。 以下のハイ プリドーマクローンはシングルクロ一ンを表す: 卜 13、 1-18、 1-32、 卜 40、 1-43, 2-6, 2-11、 2 - 12、 2-18、 2-47、 2 - 52、 3-1、 3-7、 3 - 10、 3 - 23、 3 - 33、 3-42、 3-5 3、 1-13-6, 1-32-9, 1—40-4、 1—43-43、 2-6-48、 2-11-5、 2-12-10, 2-47-1 K 2 - 52-12、 3-10-19、 3-23-8, 3-33-7, 3-42-3、 3-53-15, 2-18-2, 3—1-7、 E - 11、 E- 14、 L-30 N-18, X— 14、 E— 1卜 13、 E- 14— 4、 F—4— 2、 F— 4— 8、 H— 48— 2、 L— 30— 10、 N— 18-12、 W - 40 - 5、 X— 14-4、 X - 51- 4、 X- 51- 12、 A - 11、 G— 3、 H - 34、 ト 22、 1—35、 J-2 1、 J- 26、 K一 8、 K_16、 Κ- 57、 L— 4、 Ρ - 28、 Ρ - 36、 W - 42、 X - 13、 X - 60、 1- 、 卜 39、 Α-4 - 27、 Α - 4-29、 G- 3-10、 H- 34-2、 K - 57-12 W - 42-2、 0304、 0322、 KMTR1及ぴ)1Μ。 それらのうち Η- 48- 2は、 平成 13年(2001年) 5月 18日付けで独立行政法人産業技術 総合研究所 特許生物寄託センター (日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1中央 第 6 ) に国際寄託した。 国際寄託番号は、 FERM ΒΡ-7599である。 また、 E-l l-13、 F - 4-8及び L - 30- 10は、 平成 13年(2001年) 8月 8日付けで上記寄託センターに国際 寄託した。 国際寄託番号は、 E-11-13が FERM BP- 7698であり、 F-4- 8が FERM BP - 76 99であり、 L-30-10が FERM BP-7700である。 また、 E - 11-13、 F- 4- 8および L- 30 - 10 は、 平成 13年(2001年) 10月 11日付けで上記寄託センターに国際寄託した。 国際寄 託番号は、 E- 11 - 13が FERM BP-7770であり、 F - 4- 8が FERM BP- 7768であり、 L-30-1 0が FERM BP-7769である。 また、 0304ぉょび 111は、 平成 14年(2002年) 5月 10日 付けで上記寄託センタ一に国際寄託した。 国際寄託番号は、 0304が FERM BP-8037 であり、 KMTR1が FERM BP- 8038である。 実施例 4 ヒト免疫グロプリン軽鎖 κ (Ig /c )を有する、 ヒト抗 TRAIL- Mモノク ローナル抗体又はヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体の検出
ヒト TRAIL- R1及び の細胞外領域とヒト IgGlの Fc領域とが融合したタンパク質 (以下、 それぞれ 「TRAIL- R卜 hFc」 、 「TRAIL- R2_hFc」 という。 (ALEXIS社製。 TRAIL - R2- liFcに関しては、 TRAIL- R2の細胞外領域として卜 183アミノ酸からなる ものも使用) ) を 0. 5 z g/ml リン酸緩衝生理食塩水 (以下 「PBS」 という。 ) に 調製したものを 50 1ずつ、 ELISA用 96穴マイクロプレート (Maxi sorp、 ヌンク社 製) の各ゥエルに加え、 室温で 1時間あるいは 4でで一晚インキュベートし、 TRAI L-iU-hFc又は TRAIL- R2-hFcをマイクロプレートに吸着させた。 次いで、 上清を捨 て、 各ゥエルにブロッキング試薬 (SuperBlock (登録商標) Blocking Buiier、 PIERCE社製) を加え、 室温で 30分間インキュベートし、 TRAIL-M-hFc又は TRAIL- R2 - hFcが結合していない部位をブロックした。 このようにして、 各ゥエルを TRAI L-Rl-hFc又は TRAIL- R2 hFcでコーティングしたマイクロプレートを作製した。 各ゥエルに、 各々のハイプリドーマの培養上清(50 i l)を加え、 室温下で 1時間 反応させた後、 各ゥエルを 0. 1 % Tween20含有 PBS (PBS- T)で 2回洗浄した。 次いで、 西洋ヮサビペルォキシダ一ゼで標識されたャギ抗ヒト Ig K抗体 (50 /i l/ゥエル、 B iosource Int ernat ional社製) を 10 %プロックエース (大日本製薬株式会社 製) 含有 PBS-Tで 2000倍に希釈した溶液を、 各ゥエルに 50 i l加え、 室温下 30分ィ ンキュペートした。 マイクロプレートを、 PBS- Tで 3回洗浄後、 TMB発色基質液 (D AK0社製) を各ゥエルに 100 1ずつ加え、 室温下で 20分間インキュベートした。 各ゥエルに 0. 5M硫酸 (I OO I/ゥエル) を加え、 反応を止めた。 波長 450 I ('参照 波長 570nra) での吸光度をマイクロプレートリーダー (MTP- 300、 コロナ電気社 製) で測定した。 また、 ハイプリドーマ 0304、 0322、 KMTR1及び D IMの作製する抗 体は、 実施例 10に記載の方法を用いて取得した精製抗体により上記実験を行った その結果、 得られた抗ヒト TRAIL- R1及び R2抗体のうち一部の抗体の性質を表 1 及び表 2に示す。 表 1は、 取得したヒト抗 TRAIL-R1モノクローナル抗体のサブク ラス及び交差反応性を示す表である。 表 2は、 取得したヒト抗 TRAIL- R2モノクロ ーナル抗体のサブクラス及び交差反応性を示す表である。 ヒ卜抗 TRAI L— R1 サブクラス 交差反応性
+抗i"体 ft- TRAIL-Rl T AIL-R2
1-13 I g G 4 + ―
1-18 I g G 4 +
1-32 I gG 1 + 1 ~~
1-40 I gG 1 + ―
1-43 I gG 1 + ―
2-6 I gG 1 + ―
2-11 I gG 1 , + ―
2-12 I gG 1 + 一
2-18 I gM + ―
2-47 I gG4 + 一
2-52 I gG 1 +
3-1 I gM +
3-7 I gM +
3-10 I gG4 +
3-23 I gG4 +
3-33 I gG4 +
3-42 I gG2 +
3-53 I gG 1 +
+ :反応性あり
一:反応性なし
表 2
Figure imgf000037_0001
- :反応性なし 実施例 5 各モノクローナル抗体のサブクラス同定
実施例 4と同様の方法により、 各ゥエルを TRAIL-IU-hFc又は TRAIL- R2- liFcでコ 一ティングしたマイクロプレートを作製した後に、 各ゥエルを PBS-Tで 2回洗浄し た。 TRAIL- R卜 hFc又は TRAIL- R2- hFcをコ一ティングしたマイクロプレートの各ゥ エルに、 実施例 4で取得した各々のハイプリドーマの培養上清(50^1)を加え、 1 時間反応させた後、 各ゥエルを PBS-Tで 2回洗浄した。 次いで、 各ゥヱルにそれぞ れ西洋ヮサピペルォキシダーゼで標識されたヒッジ抗ヒト IgGl抗体、 ヒッジ抗ヒ ト IgG2抗体、 ヒッジ抗ヒト IgG3抗体又はヒッジ抗ヒト IgG4抗体 (各 2000倍希釈、 50 zl/ゥエル、 The Binding Site社製) を加え、 室温下で 1時間インキュベート した。 PBS-Tで 3回洗浄後、 基質緩衝液 (TMB、 100 il/ゥエル、 DAK0社製) を各ゥ エルに加え、 室温下で 20分間インキュベートした。 次いで、 0.5M硫酸 (100 1/ ゥエル) を加え、 反応を止めた。 波長 450MI (参照波長 570nm) での吸光度をマイ クロプレートリーダー (MTP- 300,コロナ電気社製) で測定した。 また、 ハイプリ ドーマ 0304、 0322, KMTR1及び DIMの作製する抗体は、 実施例 10に記載の方法を用 いて取得した精製抗体により上記実験を行った。 その結果を前記表 1及び表 2に示 す。 実施例 6 TRAIL-R1及び R2発現細胞に対する各モノクローナル抗体の反応試験 実施例 1で調製した TRAIL-Rldelta発現 L929細胞及び TRAIL- R2delta発現 L929細 胞に対する、 実施例 4で取得した各モノクローナル抗体の反応性の検討を、 FACS 解析で行った。 2xl0Vmlの濃度で、 L929細胞、 TRAIL- Rldelta発現 L929細胞、 TR AIL- R2delta発現 L929細胞を、 1%ゥサギ血清入り、 0. l%NaN3、 1%FCS含有 PBSの Staining Buffer (SB)に浮遊させた。 細胞浮遊液 (100 1/ゥェル) を 96穴丸底プ レート (べクトンディッキンソン社製) に分注した。 遠心分離 (2000rpm、4° (:、 2 分) した後、 上清を除去し、 実施例 3で培養したハイプリドーマの培養上清(50 1)を加えて撹拌し、 氷温下 30分間静置してから、 遠心分離(2000rpm、4°C、 2分) して上清を除去した。 ペレットを 100 zl/ゥエルの SBで 2回洗浄した後、 0.0125mg /mlの RPE蛍光標識ゥサギ抗ヒト IgK F(ab')2抗体 (DAK0社製) 30 1を加え、 氷 温下 30分間インキュベートした。 SBで 2回洗浄した後、 300 lの SBに懸濁し、 FAC S (FACScan, べクトンディッキンソン社製) で各細胞の蛍光強度を測定した。 そ の結果、 いずれの抗体も TRAIL-Rldelta発現 L929細胞又は TRAIL- R2delta発現 L929 細胞にのみ強い結合活性を有し、 L929細胞への結合活性は認められなかったこと から、 TRAIL - R1及び TRAIL - R2と特異的に結合する抗体であることがわかった。 実施例 7 癌細胞に対する細胞死誘導活性
実施例 3または実施例 4乃至実施例 6から得られたヒト抗 TRAIL-R1モノクローナ ル抗体又はヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの培養 上清を用いて、 大腸癌細胞である Colo205 (ATCC No. CCL-222) に対する細胞死 誘導活性を測定した。 10%FCSを含む RPMI培地で培養していた Colo205細胞を 2.5 xlOVmlの濃度に調製し、 各ゥエル 100 1ずつを 96穴平底プレート (べクトンデ イツキンソン社製) に分注した。 37° (:、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養した後、 ハイプリドーマ培養上清を 50 1/ゥエルで加え、 さらに、 ヒト抗 TRAIL-R1モノク ローナル抗体又はヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体が IgGの場合、 終濃度 5 j g/ mlになるようにャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクロ一ナル抗体 (シグマ社製) を 各ゥエルに ずつ加えた。 取得したハイプリ ドーマの一部について、 ャギ抗 ヒト IgG (了)特異的ポリクロ一ナル抗体を添加しないゥエルも作製した。 陽性コ ントロールとして、 ヒト組換え TRAILタンパク質 (DAK0社製) を終濃度 100ng/ml で使用した。 陰性コントロールとして、 ビト IgG (Biogenesis社製) を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 48時間培養した後、 MTS試薬 (Cell Titer 96 AQUE0US N on-Radioactive Cell Proliferation Assay:プロメガ社製) を説明書の方法に 従い調製し、 各ゥエルに 20 ^ 1ずつ添加した。 さらに 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 2 時間培養した後、 波長 490nm (参照波長 630nm) での吸光度をマイクロプレートリ ーダー (1420 ARV0 マルチラベルカウンター: WALLAC社製) で測定し、 ミトコン ドリアの還元能を指標として、 細胞の生存率を算定した。 各ゥエルの細胞の生存 率を、 下記式により算出した:生存率 (%) =100x (a-b)/(c-b) (式中、 aは被 検ゥエルの測定値を、 bは無細胞ゥエルの測定値を、 cは陰性コントロールのゥェ ルの測定値をそれぞれ表わす) 。 結果を図 1〜 3並びに表 3及び 4に示す。 表 3 は、 ヒト抗 TRAIL-R1モノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの培養上清中 の、 Colo205及びヒト正常肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す表であり、 表 4は、 ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの培養上 清中の、 Colo205及びヒ卜正常肝実質細胞に対する細胞死誘導活性を示す表であ る。 表 3
Figure imgf000040_0001
+ +:生存率 8 0 %以上
+:生存率 2 1〜7 9 %
一:生存率 2 0 %以下
表 4
Figure imgf000041_0001
+ :生存率 2 1 7 9 %
一 :生存率 2 0 %以下 その結果、 ヒト抗 TRAIL-R1及び R2モノクローナル抗体は、 陰性コントロールと 比較して明らかに C 010205細胞に細胞死を誘導する活性があることが明らかとな つた。 さらに、 IgGである一部のヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体では、 ャギ 抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクローナル抗体非存在下 (ヒ卜抗 TRAILHR2モノクロ一 ナル抗体のクロスリンクが無い状態) においても細胞死を誘導する活性があるこ とが示された。 実施例 8 正常細胞に対する細胞死誘導活性
実施例 4乃至 6から得られた、 ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を産生するハ イブリドーマの培養上清を用いて、 正常ヒト臍帯静脈内皮細胞である HUVEC (Bio whi t t aker社製) に対する細胞死誘導活性を測定した。 EGM- 2培地 (Biowhi i t aker 社製) で培養していた HUVEC細胞を 5 x lOVmlの濃度に調製し、 各ゥエル I OO Iず つを 96穴平底プレート (べクトンディッキンソン社製) に分注した。 37° (:、 5. 0%炭酸ガス下で 24時間培養した後、 ハイプリ ドーマ培養上清を 50 I/ゥエルで 加え、 さらに、 ヒト抗 TRAIL-R1モノクローナル抗体又はヒト抗 TRAIL- R2モノクロ ーナル抗体が IgGの場合、 終濃度 5 g/mlになるようにャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的 ポリクローナル抗体 (シグマ社製) を各ゥエルに 10 lずつ加えた。 陰性コント ロールとして、 ヒト IgG (Biogenesis社製) を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下 で 48時間培養した後、 MTS試薬 (Cell Titer 96 AQ漏 s Non-Radioactive Cell P roliferation Assay:プロメガ社製) を説明書の方法に従い調製し、 各ゥエルに 20 1ずつ添加した。 さらに 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 2時間培養した後、 波長 490 mi (参照波長 630mn)での吸光度をマイクロプレートリーダー(1420 ARV0 マルチラ ベルカウンター: WALLAC社製) で測定し、 ミトコンドリアの還元能を指標として、 細胞の生存率を算定した。 各ゥエルの細胞の生存率は実施例 7と同様な式により 算出した。
結果を図 4に示す。 ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体と陰性コントロールと の結果はほぼ同一となり、 ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体が HUVEC細胞に対 して傷害性を示さないことが明らかとなった。 · 実施例 9 ヒト正常肝実質細胞に対する細胞死誘導活性
実施例 4乃至 6から得られたヒト抗 TRAIL - R1及び R2モノクローナル抗体を産生す るハイプリドーマの培養上清を用いて、 正常ヒト肝実質細胞 Human Hepatocyte (以下 「HH細胞」 という) (Tissue Transformation Technologies社製) に対す る細胞死誘導活性を測定した。 まず凍結皿細胞を 37°Cで融解し、 CM5300培地 (CE DRA社製) を用いて 7.5X10Vnilの濃度に調製した後に、 各ゥエル 100 1ずつをコ ラーゲンタイプ Iがコートされている 96穴平底プレート (べクトンディツキンソ ン社製) に分注した。 37t:、 5.0%炭酸ガス下で 4.5時間培養した後、 培地の交換 を行った。 さらに 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養し、 再度培地の交換を行 つた。 その後、 ハイプリドーマ培養上清を 50 1/ゥエルで加え、 さらに、 終濃度 5/zg/mlになるようにャギ抗ヒト IgG )特異的ポリクローナル抗体 (シグマ社 製) を各ゥエルに 10 1ずつ加えた。 陰性コントロールとして、 ヒト IgG (Biogen esis社製) を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養した後、 顕微鏡下 で HH細胞の形態的変化を観察した。 その結果、 ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗 体と陰性コントロールとの結果はほぼ変わりないことから、 ヒト抗 TRAIL- R2モノ クローナル抗体が HH細胞に対しても傷害性を示さないことが明らかとなった。 実施例 10 各抗体の調製
実施例 4または実施例 6乃至 7から得られたハイプリ ドーマの培養上清からのヒ ト抗 TRAIL- R1及び R2モノクローナル抗体の精製は以下の方法で行った。 ヒト抗 TR AIL-R1及び R2モノクローナル抗体を含む培養上清を rmp Prot e in A (アマシャム フアルマシアバイオテク社製) 及び 0. 8 X 40cmカラム (バイオラッド社製) を用 い、 吸着緩衝液として PBS、 溶出緩衝液として 0. 02M グリシン緩衝液 (pH 3) を 用いてァフィ二ティ一精製した。 溶出画分は 1M Tri s (pH 9. 0)を添加して pH7. 2 付近に調整した。 調製された抗体溶液は、 透析膜 (10000カット、 Spect rum Labo ratories社製) を用いて PBSに置換し、 孔径 0. 22 ΠΙ のメンブランフィルター MIL LEX-GV (ミリポア社製) でろ過滅菌し、 精製ヒト抗 TRAIL - R1及び R2モノクローナ ル抗体を得た。 精製抗体の濃度は 280nmの吸光度を測定し、 lmg/ml を 1. 4 0D と して算出した。
ヒト抗 TRAIL- R1及び R2モノグローナル抗体を含む培養上清の調製は以下の方法 にて行った。 まず、 ヒト抗 TRAIL- R1及び R2モノクローナル抗体産生ハイプリドー マを lOng/nil Recombinant Human IL-6 (R&D Sys tems社製)、 10% Low IgG Fet al B ovine Serum (HyClone社製) 含有 eRDF培地 (極東製薬社製) に馴化した。 この馴 化したハイプリドーマを凍結保存した。 次に、 その一部を抗体精製を目的として、 ゥシインシュリン (S ^ g/nil ギブコピーァ一ルエル社製) 、 ヒトトランスフエ リン (5 z g/ml、 ギブコピーアールエル社製) 、 エタノールァミン (0. 01mM、 シ ダマ社製) 、 亜セレン酸ナトリウム (2. 5xlO-¾M、 シグマ社製) 、 10ng/ml Reco mbinant Human IL-6 (R&D Sys tems社製)、 1% Low IgG Fe tal Bovine Serum (HyC l one社製) 含有 eRDF培地 (極東製薬社製) に馴化した。 フラスコにて培養し、 ハ ィプリド一マの生細胞率が 9 0 %になった時点で培養上清を回収した。 回収した 上清は、 Ι Ο ΠΙ と 0. のフィルター (ゲルマンサイエンス社製) に供し、 ハイ プリドーマ等の雑排物を除去した。 実施例 11 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体による、 癌細胞及びヒト 正常肝実質細胞に対する細胞死誘導活性
実施例 10から得られた精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を用いて、 大腸 癌細胞である Colo205 (ATCC No. CCL-222) に対する細胞死誘導活性を測定した。 10% FCSを含む RPMI培地で培養していた Colo205細胞を 2.5 X lOVmlの濃度に調製 し、 各ゥエル ずつを 96穴平底プレート (べクトンディッキンソン社製) に 分注した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養した後、 精製抗体を終濃度 10、 1 00、 1000ng/mlになるように 10/ i/ゥエルで加え、 さらにャギ抗ヒト IgG (ァ)特異 的ポリクローナル抗体 (シグマ社製) を終濃度 10 g/mlになるように、 各ゥエル に 10 1ずつ加えた。 取得したハイプリ ドーマの一部について、 ャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクローナル抗体を添加しないゥエルを作製した。 陽性コント口一 ルとして、 ヒト組換え TRAILタンパク質 (R&D SYSTEMS社製) を終濃度 0.1、 1、 10 ng/mlで使用した。 陰性コントロールとして、 ヒト抗 HSA抗体を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 48時間培養し、 抗体と細胞表面の受容体を反応させた。 ひと つの反応系あたりの容量は 1 20 1であった。 なお、 0304と KMTR 1に ついては、 クロスリンカ一であるャギ抗ヒト IgG (r) 特異的モノクローナル抗 体を加えない実験 (表 5において (単独) と記載) も行った。 この場合のひとつ の反応系あたりの容量は 1 1 0 1であった。 培養の後、 MTS試薬 (Cell Titer 96 AQ画 s Non-Radioactive Cell Proliferation Assay:プロメガ社製) を説明 書の方法に従い調製し、 各ゥエルに 20 _ilずつ添加した。 さらに 37°C、 5.0%炭酸 ガス下で 2時間培養した後、 波長 490nm (参照波長 630nm) での吸光度をマイクロ プレートリーダー (1420 ARV0 マルチラベルカウンター: WALLAC社製) で測定し、 ミトコンドリアの還元能を指標として、 細胞の生存率を算定した。 各ゥエルの細 胞の生存率は実施例 7と同様な式により算出した。
次に、 実施例 10から得られたヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体を用いて、 HH 細月包 (Tissue Transformation Technologies社製、 In Vitro Technologies社 製) に対する細胞死誘導活性を測定した。 まず凍結 HH細胞を 37°Cで融解し、 CM53 00培地 (CEDRA社製) を用いて 7.5X10Vmiの濃度に調製した後に、 各ゥエル 100 1ずつをコラーゲンタイプ Iがコートされている 96穴平底プレー卜 (べクトンデ イツキンソン社製) に分注した。 37° (:、 5.0%炭酸ガス下で 4.5時間培養した後、 培地の交換を行った。 さらに 37° (:、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養し、 培地を無 血清培地 (インシュリン (20 g/ml、 シグマ社製) 、 グルカゴン (7ng/ml、 シグ マ社製) 、 ハイド口コルチゾン (7.52g/nil、 シグマ社製) 、 ヒト EGF (20ng/niL べクトンディッキンソン社製) 含有 DMEM培地 (シグマ社製) ) 又は CM5300培地へ 交換した。 その後、 精製抗体を終濃度 0.1、 1、 10 zg/ffllになるように 10 /1/ゥェ ルで加え、 さらにャギ抗ヒト IgG (了)特異的ポリクローナル抗体 (シグマ社製) を終濃度 10、 lOO g/πιΠこなるように各ゥエルに IO Iずつ加えた。 取得したハイ プリド一マの一部について、 ャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクロ一ナル抗体を添 加しないゥエルを作製した。 陰性コントロールとしてヒト抗 HSA抗体を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 24時間培養し、 抗体と細胞表面の受容体を反応させた。 ひとつの反応系あたりの容量は 1 20 1であった。 なお、 0 3 04とKMTR 1については、 クロスリンカ一であるャギ抗ヒト IgG (r ) 特異的モノクローナ ル抗体を加えない実験 (表 5において (単独) と記載) も行った。 この場合のひ とつの反応系あたりの容量は 1 1 0 /X 1であった。 培養の後、 PBSで HH細胞を 2回 洗浄し、 各ゥエルに PBSを IOO I加え、 さらに Triton X-100を終濃度 0.8%になる ように 10 1/ゥエルで加えた。 37°Cで 1時間静置し生きている HH細胞を溶解させ、 可溶化液 50 ί /ゥエルを異なる 96穴平底プレートへ移し LDHアツセィに供した。 L DHアツセィ用試薬 (CytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay:プロメ ガ社製) を説明書の方法に従い調製し、 各ゥエルに 50/11ずつ添加した。 プレー トを遮光し、 室温で 30分間静置した後、 反応停止液 (1M 酢酸: プロメガ社製) を 50 1/ゥエルで加え、 波長 492nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー (142 0 ARV0 マルチラベルカウンター: WALLAC社製) にて測定した。 LDHの酵素活性を 指標として、 細胞の生存率を算定した。 各ゥエルの細胞の生存率は実施例 7と同 様な式により算出した。
さらに、 算出した生存率を用いて以下の方法で LD50値を計算した。 算出した生 存率を縦軸、 細胞に添加した抗体の濃度を横軸にとったグラフに、 各抗体濃度に おける生存率をプロッ卜し、 プロットした点で隣り合うものを結び曲線を引いた c この曲線を表す式を回帰計算により求め、 その式から生存率が 50%に該当する抗 体濃度を計算し、 LD50値とした。
結果を図 5 a〜1並びに表 5に示す。 図 5において、 黒丸で実線 (一書一) は 正常ヒト肝実質細胞を、 ひし形で点線 (--令一) は Co lo205細胞を表わす。 また、 図 5 k、 図 5 1はャギ抗ヒト I gG ( r )特異的ポリクロ一ナル抗体を添加しない実験 の結果を示す。 表 5は、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体の大腸癌細胞 Co 1ο205、 及び正常ヒト肝実質細胞に対する細胞死誘導活性 (LD50値) を示す表で ある。 大腸癌細胞 Col o205に対する LD50値は、 96穴平底プレートの 1穴当たり 100 1の培地に 2. 5 X 103の細胞を播種し、 翌日精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル 抗体を細胞に加え、 該抗体との反応時間が 48時間を経過した時の LD50値である。 正常ヒト肝実質細胞に対する LD50値は、 96穴平底プレートの 1穴当たり I OO Iの 培地に 7. 5 X 104の正常細胞 (ヒト肝細胞) を播種し、 翌日精製ヒト抗 TRAIL- モ ノクロ一ナル抗体を正常細胞 (ヒト肝細胞) に加え、 該抗体との反応時間が 24時 間を経過した時の LD50値である。 精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体は、 陰 性コントロールと比較して明らかに Colo205細胞に細胞死を誘導する活性がある ことが明らかとなった。 さらに、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体 E- 11-1 3、 L- 30-10、 KMTR1は、 ヒト組換え型 TRAILや精製抗体 H- 48 - 2と比較して、 ヒト正 常肝実質細胞に対する毒性が低いことが明らかとなつた。
また、 KMTR1は実施例 4の結果より TRAIL- R1と TRAIL- R2との両レセプターに結合 することが明らかとなっており、 この抗体は TRAIL-R 1と TRAIL - R2とのどちらのレ セプ夕一を介しても細胞死誘導のシグナルを入れることが期待できる。
ここで、 L - 30- 10は 10 ;ii g/mlを肝細胞に添加しても生存率 50%以上を示したこと から、 L - 30 - 10の LD50は lO ^ g/ml以上である。 抗体濃度及び生存率をプロットし たグラフから回帰計算により LD50を求めたところ、 24 g/mlと算出された。 また、 F - 4 - 8は 0. 1 g/mlを肝細胞に添加した時点で生存率が 50%以下であったことから、 F - 4- 8の LD50は 0. l g/ml以下である。 L- 30- 10と同様に回帰計算に基づいて LD50 を計算した結果、 0. 002 x g/mlと算出された。 KMTR1及び D IMの LD50は、 ともに 10 /i g/ml以上であることを確認した。 また、 ャギ抗ヒト IgG ( r )特異的ポリクロ一 ナル抗体を添加していない時 (以下 「単独の時」 とする) 、 KMTR1は 100 g/mlの 抗体量を添加しても肝臓細胞の生存率が 50%を下回ることは無かったことから、 単独の時の LD50は 100 2 g/ml以上であることを確認した。
次に、 正常ヒト肝細胞の LD50が Colo205細胞の LD50の何倍であるか、 その比 (N /C比) を求めた。 その結果、 精製抗体 E- 11-3は N/C = 25. 45 (10倍以上)、 DIMは N/C =67以上(10倍以上)、 0304単独の時は N/C=50 (10倍以上) 、 L- 30 -脆 N/C = 240 (1 00倍以上)、 KMTR1単独の時は N/C= 1000倍以上であり、 いずれの抗体も有効性及 び安全性に優れていることが分かった (表 5) 。 表 5
Figure imgf000047_0001
同様の方法で、 精製ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体による細胞死誘導活性 を、 U251細胞 (神経膠腫由来、 理研ジーンバンク No. RCB0461) 、 Jurkat細胞 (T細胞リンパ腫由来、 大日本製薬株式会社製) について検討した。 U251細胞に 対する試験では、 96穴平底プレートの 1穴あたり 10021の培地に 1. OxlO4の細胞を 播種し、 37°C、 5% C02存在下で培養し、 抗体を翌日添加し、 前記環境下に 48時間 置いた後に細胞の生存率を測定した。 Jurkat細胞に対する試験では、 96穴平底プ レー卜の 1穴あたり 100 1の培地に 4. OxlO4の細胞を播種し、 抗体を添加し、 37°C、 5% C02存在下で 48時間培養した後に細胞の生存率を測定した。 以下、 各抗体の LD 50値 (単位は 2g/inl) を示す。
E- 1卜 13の U251細胞に対する LD50:0.3、 Jurkat細胞に対する LD50:0.1。
L - 30- 10の U251細胞に対する LD50:0.17、 Jurkat細胞に対する LD50:0.13。
H-48- 2の U251細胞に対する LD50:0.24、 Jurkat細胞に対する LD50:0.07。
F- 4- 8の U251細胞に対する LD50:0.03、 Jurkat細胞に対する LD50:0.004。
W - 40- 5の U251細胞に対する LD50:1.0、 Jurkat細胞に対する LD50:0.48。 なお、 U251細胞に対しては終濃度 4 g/mlのシスブラチン注射液 (日本化薬株 式会社製) を抗体と同時に添加した系でアツセィを行った。 実施例 1 2 マウス担癌モデルに対する精製ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体 の効果
実施例 10から得られたヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗体の効果を、 以下に記 載する方法に従ってマウス担癌モデルを用いて検討した。
4〜 6週令の Balb/cヌードマウス (日本クレア (株) 社より購入) の背部皮下 に、 大腸癌細胞 Colo205を 5 X 106 /マウス個体で移植した。 移植 1週間〜 10日後に、 生着した腫瘍の大きさを測定し、 平均して腫瘍の大きさが約 100腿3又は 300mm3と なる担癌マウス 5あるいは 7匹を 1群として群分けした。 担癌マウスの腹腔内に、 精製抗体 1、 4、 20、 25、 l OO g/マウス個体 (200 1の PBSに溶解したもの) を 投与し、 腫瘍の大きさを測定した。 抗体の陰性コントロール (Cont rol) として、 同量のヒ卜抗 HSA抗体を使用した。
以上の実験の結果を図 6〜 1 0に示す。 精製ヒト抗 TRAIL-R2モノクローナル抗 体 E- 11- 13、 F- 4- 8、 H- 48- 2、 L- 30- 10、 W- 40- 5を マウス個体で投与した群で は、 H - 48 - 2に退縮効果が見られ、 E-11 - 13、 L - 30-10、 F- 4 - 8、 W- 40-5の順で抗腫 瘍効果が弱くなつていた(図 6 )。 図 6において、 3回隔日投与した時に、 初回投 与時から計算して少なくとも 13日間は増殖抑制〜退縮効果が観察された (H-48 - 2 クローン) 。
E - 1 1- 13を 4、 20、 100 x g/マウス個体で投与した群では、 投与したマウス全て において抗腫瘍効果が確認された。 20 g/マウス個体の投与量において最も腫瘍 退縮効果が見られた(図 7 )。 図 7において、 4回隔日投与した時に、 初回投与時 から計算して少なくとも 1 1日間は増殖抑制〜退縮効果が観察された。 20 /2 g/マウ ス個体で 4回隔日投与 (移植 7日後、 9日後、 1 1日後、 1 3日後に投与) した 群における腫瘍体積の経時変化は以下の通りであった。
初回投与 2日後 (図 7の 9日に該当) の腫瘍体積の平均は 109. 5匪3
初回投与 4日後 (図 7の 1 1日に該当) の腫瘍体積の平均は 85. 1廳 3、 初回投与 6日後 (図 7の 1 3日に該当) の腫瘍体積の平均は 64. 3腿3、 初回投与 8日後 (図 7の 1 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 61. 8腿3。 初回投与 1 1日後 (図 7の 1 8日に該当) の腫瘍体積の平均は 78. 9mm 投与開始 4日後の腫瘍体積は約 85. 1mm3であり、 14%以上の腫瘍の縮小が認め られた。 この縮小は投与 1 1日後でも維持されており、 本発明の抗体は高い抗腫 瘍効果を有することが示された。
さらに、 平均して約 300匪3となる担癌マウス 7匹を 1群として、 E- 1卜 13を 20 g/マウス個体で投与した結果、 顕著な腫瘍退縮が観察された (図 8 ) 。 図 8にお いて、 3回隔日投与した時に、 初回投与時から計算して少なくとも 1 8日間は増 殖抑制〜退縮効果が観察された。 20 z g/マウス個体で 3回隔日投与 (移植 9日後、 1 1日後、 1 3日後に投与) した群における腫瘍体積の経時変化は以下の通りで めった。
初回投与 2日後 (図 8の 1 1日に該当) の腫瘍体積の平均は 246. 9ιηηι3
初回投与 4日後 (図 8の 1 3日に該当) の腫瘍体積の平均は 181. 8MI3
初回投与 5日後 (図 8の 1 4日に該当) の腫瘍体積の平均は 146. 2塵3、 初回投与 6日後 (図 8の 1 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 1 10. 8nmi3
初回投与 7日後 (図 8の 1 6日に該当) の腫瘍体積の平均は 82. 7mm3
初回投与 9 日後 (図 8の 1 8日に該当) の腫瘍体積の平均は 57. 5匪3
初回投与 1 1日後 (図 8の 2 0日に該当) の腫瘍体積の平均は 81. 3mm3
初回投与 1 3日後 (図 8の 2 2日に該当) の腫瘍体積の平均は 108. 1匪3
初回投与 1 5日後 (図 8の 2 4日に該当) の腫瘍体積の平均は 127. 8πιπι3
初回投与 1 8日後 (図 8の 2 7日に該当) の腫瘍体積の平均は 163. 3nim3
投与開始 4 日後の腫瘍体積は約 181. 8腿3であり、 39 %以上の腫瘍の縮小が認め られた。 この縮小は投与 1 8日後でも維持されており、 本発明の抗体は高い抗腫 瘍効果を有することが示された。
0304抗体の活性評価は以下の様に行った。 6週令の Balb/cヌードマウス (日本 クレア (株) 社より購入) の背部皮下に、 大腸癌細胞 Co l o205を 5 X 106 /マウス個 体で移植した。 移植 8日後に、 生着した腫瘍の大きさを測定し、 腫瘍の大きさが 平均して約 100匪3になるように担癌マウス 5匹を 1群として群分けした。 担癌マウ スの腹腔内に、 精製抗体 20 x g/マウス個体 (200 Uの PBSに溶解したもの) を投 与し、 腫瘍の大きさを測定した。 0304を 20 ^ g/マウス個体で 3回隔日投与 (移植 8日後、 1 0日後、 1 2日後に投与) した群では、 投与したマウス全てにおいて 抗腫瘍効果が確認された (図 9 ) 。 腫瘍体積の経時変化は以下の通りであった。 初回投与 2 日後 (図 9の 1 0日に該当) の腫瘍体積の平均は 142. 092匪3、 初回投与 4日後 (図 9の 1 2日に該当) の腫瘍体積の平均は 34. 138mni3、 初回投与 7日後 (図 9の 1 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 18. 641讓 3、 初回投与 1 1日後 (図 9の 1 9日に該当) の腫瘍体積の平均は 9. 339龍3
投与開始 4日後の腫瘍体積は約 34. 138腿3であり、 65 %以上の腫瘍の縮小が認 められた。 この縮小は投与 1 1日後でも維持されており、 本発明の抗体は極めて 高い抗腫瘍効果を有することが示された。
次いで、 1 2週令の Balb/cヌードマウス (日本クレア (株) 社より購入) の 背部皮下に、 大腸癌細胞 Colo205を 5 X 106/マウス個体で移植した。 移植 1 0日後 に生着した腫瘍の大きさを測定し、 腫瘍の大きさが平均して約 100匪3になるよう に担癌マウス 5匹を 1群として群分けした。 担癌マウスの腹腔内に、 精製抗体 25 g/マウス個体 (200 x lの PBSに溶解したもの) を投与し、 腫瘍の大きさを測定 した。 抗体の陰性コントロール (Control) として、 同量のヒト抗 HSA抗体を使用 した。 0304を 25 g/マウス個体で 3回投与 (移植 1 0日後、 1 3日後、 1 5日後 に投与) した群では、 投与したマウス全てにおいて抗腫瘍効果が確認された (図 1 0 ) 。 腫瘍体積の経時変化は以下の通りであった。
初回投与 3日後 (図 1 0の 1 3日に該当) の腫瘍体積の平均は 54. 626mm3, 初回投与 5日後 (図 1 0の 1 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 32. 357mm3、 初回投与 8日後 (図 1 0の 1 8日に該当) の腫瘍体積の平均は 15. 895mm3、 初回投与 1 2日後 (図 1 0の 2 2日に該当) の腫瘍体積の平均は 14. 377匪3、 初回投与 1 5日後 (図 1 0の 2 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 26. 654mni3、 初回投与 1 9日後 (図 1 0の 2 9日に該当) の腫瘍体積の平均は 27. 565πιπι3、 初回投与 2 5日後 (図 1 0の 3 5日に該当) の腫瘍体積の平均は 30. 802IM3、 初回投与 2 9日後 (図 1 0の 3 9日に該当) の腫瘍体積の平均は 27. 092IM3、 初回 与 3 2日後 (図 1 0の 4 2日に該当) の腫瘍体積の平均は 32· 92 1讓 3。 初回投与 1 2日後 (図 1 0の 2 2日に該当) に、 5匹中 3匹で腫瘍の消失が確 認された。
初回投与 3日後の腫瘍体積は平均 54. 626mm3であり、 45 %以上の腫瘍の縮小が 認められた。 さらに、 投与 5日後の腫瘍体積の平均は 32. 357腿3であり、 65 %以 上の腫瘍の縮小が認められた。 この縮小は投与 3 2日後でも維持されており、 少 なくとも 2 7日は 6 5 %以上の縮小が維持されていた。 したがって、 本発明の抗 体は極めて高い抗腫瘍効果を有することが示された。
さらに、 図 1 0において、 初回投与時から計算して少なくとも 3 2日間は増 殖抑制〜退縮効果が観察された。
なお、 図 9及び 1 0において、 「Vehiclej は 抗体を投与するにあたり溶解す る為の媒体として使用した PBS (200 ^ 1) を示す。
0304、 KMTR1は実施例 1 1において示されているように、 抗体単独の時におい ても細胞死誘導活性を示す抗体であり、 さらに 0304は本実施例で示されるように マウス担癌モデルにおいても顕著な抗腫瘍効果が確認されている。 この様に単独 で細胞死誘導活性及び抗腫瘍活性を示す抗体は、 TRAIL- R1及び Z又は TRAIL-R2を 発現している細胞に起因する疾患に対する予防又は治療剤、 特に悪性腫瘍治療薬 を投与する対象となる患者の生理的状況 (例えば免疫細胞の種類、 数など) に依 存することなく抗腫瘍活性を示す可能性が期待される。
実施例 1 3 精製ヒト抗 TRAIL-R1及び TRAIL- R2モノク口一ナル抗体の TRAIL- 及び TRAIL- R2に対する結合親和性
実施例 10から得られた精製ヒト抗 TRAIL- Rモノクローナル抗体の TMIL-Rに対す る結合親和性を、 以下に記載する方法に従って BIAC0RE 2000 (ビアコア株式会社 製) を用いて検討した。
1 ) TRAIL-Rl-hFc, TRAIL- R2- hFcの固定化
TRAIL- R卜 hFc又は TRAIL-R2- hFcを 10mM Ace t ic Ac id (pH4. 0) で終濃度 10 /x g/m 1になるよう希釈し、 ァミンカツプリング法でセンサーチップ CM5に固定化した。 固定化条件は下記の通りであり、 NHS活性化、 エタノールァミンブロッキングは 取扱説明書記載の方法に従つた。 TRML- R1- hFc及び TRAIL- R2- hFcの力ップリング は、 取扱説明書に記載のあるマニュアルィンジェクシヨンにより実施した。
(固定化条件) 流速 5 n 1/分
NHS活性化 7分間
カップリング マニュアルインジェクション
エタノールァミンブロッキング 7分間
上記条件により、 センサーチップ上に TRAIL-R1- hFcが 377. 4RUが固定化され、 T RAIL- R2-hFcが 495. 4RUが固定化されたことが確認された。
2 ) 再生条件及び再現性の確認
20 g/mlの精製ヒト抗 TRAIL- R1モノクローナル抗体 2- 6を、 TRAIL- iU-hFc を固 定化したセンサーチップ上に 2分間添加し、 抗体が TRAIL- ΙΠ- hFcと結合したこと を確認した。 その後、 50 mM NaOHを 15秒間添加し、 結合した抗体が TRAIL- Rl-hFc から完全に解離した (以下、 完全に解離したことを 「再生」 という) ことを確認 した。 次いで、 再生した TRAIL - R卜 hFcに対し、 流速 20 1/分で精製ヒト抗 TRAIL - R1モノクローナル抗体 2- 6を KINJECT法 (1分間結合、 1分間解離) で添加した 後に 50 NaOHを 15秒間添加し、 TRAIL- IU-hFcを再生させる、 というサイクルを 9回繰返した。 前記サイクルを 9回繰返した後も、 センサーチップ上に固定化し た TRAIL- ΐα - hFc量および抗体の結合量に変化は認められかったことから、 50 mM NaOHの 15秒間添加で、 TRAIL-IU - hFcが失活することなく再生されることが明らか となった。 同様の検討を、 TRAIL-R2- hFc を固定化したセンサ一チップと 20 g/m 1の精製ヒト抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体 E-1卜 13を用いて行い、 同じ再生条 件で TRAIL-R2- hFcが再生可能であることを確認した。
3 ) 相互作用検討
精製ヒト抗 TRAIL-R1モノクローナル抗体 1-13、 2-6、 2- 12をそれぞれ HBS - EP (ビアコア株式会社製) で、 2. 1、 4. 2、 8. 4、 16. 8、 33. 5、 67. 0、 134. OnMに段階 希釈し、 各抗体の希釈系列を流速 20 1/分で KINJECT法 (2分間結合、 6分間解 離) を用いて順に添加し、 センサーグラムを取得した。 同様に、 精製ヒト抗 TRAI L - R2モノクローナル抗体 E- 11- 13、 L - 30 - 10、 H - 48 - 2、 F - 4- 8、 W-40-6, X - 14-4を それぞれ HBS - EP (ビアコア株式会社製) で、 0. 52、 1. 05、 2. 1、 2. 09、 4. 19、 8. 3 8nMに段階希釈し、 各抗体の希釈系列を流速 20 i l/分で KINJECT法 (2分間結合、 2分間解離) を用いて順に添加し、 センサ一グラムを取得した。 各抗体について、 それぞれのセンサーグラムを用いて、 BIAevaluat ionソフト ver3. 2 (ビアコア株 式会社製) により kinetics解析を行った。 Fitting modelとして Bivalent model を用いて Global fittingを行い、 結合速度定数、 解離速度定数を求めた。 また、 この二つの定数から算出される解離定数 (Kd値) を算出した。 なお、 fittingに 用いたセンサーグラムはコントロールセルを差し引き、 さらに buffer補正したも のである。 結果を表 6及び表 7に示す。 表中の kassは結合速度定数を、 kdissは 解離速度定数を、 KDは解離定数を示す。
表 6
Figure imgf000053_0001
表 7
Figure imgf000053_0002
実施例 14 モノクローナル抗体をコ一ドする遺伝子の調製及び組換え抗体 発現ベクターの構築
(1) E- 11- 13、 L- 30- 10、 H- 48- 2抗体遺伝子の cDNAクロ一ニングと発現べクタ 一作製
ハイプリドーマ E- 1卜 13、 L - 30- 10、 H-48-2を 10ng/ml Recombinant Human IL-6 歸 Systems社製)、 10% Low IgG Fetal Bovine Serum (HyClone社製) 含有 eRDF 培地 (極東製薬社製) で培養し、 遠心分離により細胞を集めた後 TRIZOL (ギブコ ビーアールエル社製) を添加し、 取扱説明書にしたがって Total RNAを抽出した。 抗体 cDNAの可変領域のクローニングは、 SMART RACE c丽 A amplification Kit (クローンテック社製) を用い、 添付の説明書にしたがって行った。 5 gの total RNAを錶型として、 1st strand cDNAを作製した。
1) 1st strand cDNA の合成
Total RNA 5 g/3 l
5'CDS Ιμΐ
SMART oligo Ιμΐ 上記組成の反応液を 70°Cで 2分間ィンキュペートした後、
5XBuffer 2μ1
DTT Ιμΐ
DNTP mix Ιμΐ
Superscript II Ιμΐ
を加え 42°Cで 1.5時間ィンキュベートした。 - さらに、 ΙΟΟμΙの Tricine Bufferを加えた後、 72°Cで 7分間インキュベートし、 1st strand cDNAを取得した。
2) PCRによる重鎖遺伝子、 軽鎖遺伝子の増幅及び組換え抗体発現べクタ一の構
cDNAの増幅には、 Takara社の Z- Tatiを用いた cDNA 2μ1 ■
10xZ-Ta Buffer 5μ1
dNTP mix 4μ1
Z-Taa Ιμΐ
プライマー 1
プライマ一 2 上記組成の反応液を再蒸留水にて最終容量 50μ1とし、 PCRに供した。 重鎖の増幅には、 UMP (SMART RACE cDNA amplification Kit; クロ一
社製) と hh- 6プライマー (5'-GGT CCG GGA GAT CAT GAG GGT GTC CTT-3') '(配列 番号 7) を用い、 98°C 1秒、 68°C30秒のサイクルを 30回繰り返した。 さらに、 こ の反応液 1 μΐを錶型とし、 NUMP (SMART RACE cDNA amplification Kit;クロー ンテック社製) と hh- 3 プライマー (5'-GTG CAC GCC GCT GGT CAG GGC GCC TG- 3') (配列番号 8) を用いて、 98°C 1秒、 68°C30秒のサイクルを 20回繰り返した。 この後、 増幅した PCR産物を PCR purification kit (キアゲン社製) により精 製し, hh- 4 (5'-GGT GCC AGG GGG AAG ACC GAT GG-3') (配列番号 9) をプライ マーとして、 塩基配列の決定を行った。 配列情報から、 E- 11-13、 L-30-10, H - 48 - 2の 3クローンは N末領域の配列が一致していることが分かったため、 サブク ローニング及び塩基配列決定には共通のプライマーを使用した。 配列情報を基に、 tnH48KBgl(5'-ATA TAG ATC TCT CAG TTA GGA CCC AGA GGG AAC C-3') (配列番号 10) を合成し、 このプライマーを用いて反対方向からも配列を決定し た。 特異的プライマ一と tnCHNhe (5'-GAT GGG CCC TTG GTG CTA GCT GAG GAG ACG G-3') (配列番号 11) を用いて PCRを行い (98°C 1秒、 60°C30 秒、 72°C30秒) 、 重鎖増幅 cDNA断片を Sall、 Nhelで消化し、 同一酵素で解裂され ていた N5KG卜 Val Larkベクタ一 (IDEC Pharmaceuticals, N5KG1 (US patent 6001358) の改変ベクター) に導入した。 揷入された配列が direct seduenceに よって決定されたものと同一であることを、 ベクターを錶型として配列を決定す ることにより確認した。
軽鎖は、 UMP (SMART RACE cDNA amplification Kit;クローンテック社製) と hk-2 (5'- GTT GAA GCT CTT TGT GAC GGG CGA GC -3') (配列番号 12) プライマ一を使って、 98で1秒、 68°C30秒のサイクルを 30回繰り返して増幅した。 さらに、 この反応液 1 μΐを铸型とし、 NUMP (SMART RACE cDNA amplification Kit;クロ一ンテック社製) と hk - 6 (5'- T GGC GGG AAG ATG AAG ACA GAT GGT G-3') (配列番号 13) を用いて、 98°C 1秒、 68°C30秒のサイクルを 20回繰 り返した。 この後、 増幅した PCR産物を PCR purification kit (キアゲン社 製) fこより精製し、 k-6 (5'-tggc ggg aag atg aag aca gat ggt g-3') プライマー を用いて塩基配列を決定した。 配列情報から、 3クローン全てにおいて N末領域 の配列が一致していることがわかったため、 サブクロ一ニングには共通のプライ マ一を使用した。 配列情報を基に、 tnH48Hsal (5'_ATA TGT CGA CTA CGG GGG GGC TTT CTG AGA GTC-3') (配列番号 14) を合成し、 このプライマー を用いて、 反対方向からも配列を決定した。 特異的プライマーと tnCkBsi (5'- AAG ACA GAT GGT GCA GCC ACC GTA CGT TTG AT-3') (配列番号 15) を 用いて PGRを行い (98°C 1秒、 60°C 30秒、 72°C 30秒) 、 軽鎖増幅 cDNA断片を Bgl I I、 Bs iWIで消化し、 同一酵素で解裂されていた N5KG卜 Val Larkベクターに導 入した。 挿入された配列が d i rec t seduenceによって決定されたものと同一であ ることを、 ベクターを鐯型として配列を決定することにより確認した。
E-11-13重鎖可変領域、 及び軽鎖可変領域をコードする DNA並びに重鎖可変領域 及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列をそれぞれ以下に示す。
<E-11-13 重鎖可変領域 > (配列番号 16)
Figure imgf000056_0001
GCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGC
<E-11-13 重鎖可変領域 > (配列番号 17) <E-11-13 軽鎖可変領域 > (配列番号 18)
Figure imgf000057_0001
GCAGCGTAGCAACTGGCCTCTCACTTTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAACGTACG
<E-11-13 軽鎖可変領域 > (配列番号 19)
Figure imgf000057_0002
YCQQRSNWPLTFGPGTKVDIKRT 重鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 16の 5'末端から 30番目のアデニン (A) から はじまる ATGコドンであり、 抗体可変領域と定常領域の境界は 5'末端から 461番目 のアデニン (A) と 462番目のグァニン (G) 間に位置する。 アミノ酸配列におい て、 重鎖可変領域は配列番号 Πの N末端から 144番目のセリン (S) 残基までであ り、 145番目のァラニン (A) 以降が定常領域である。 精製された重鎖蛋白質の N 末端分析により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 17の N末端より 26番目のセリン (S) までであり、 成熟体の N末端は配列番号 Πの 27番目のグルタミン (Q) であ ることが明らかとなった。
軽鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 18の 5'末端から 35番目の Aからはじまる ATG コドンであり、 可変領域は 5'末端から 415番目のアデニン (A) までである。 アミ ノ酸配列において、 可変領域は配列番号 19の N末端から 127番目のリジン (K) ま でである。 精製された軽鎖蛋白質の N末端分析により、 軽鎖のシグナル配列は配 列番号 19の N末端より 20番目のグリシン (G) までであり、 成熟体の N末端は配列 番号 19の 21番目のグルタミン酸 (E) であることが明らかとなった。
L - 30- 10重鎖可変領域、 及び軽鎖可変領域をコードする DNA並びに重鎖可変領域 及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列をそれぞれ以下に示す。 く L - 30- 10重鎖可変領域〉 (配列番号 20)
Figure imgf000058_0001
GCCAGGGAATCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGC <L-30-10重鎖可変領域 > (配列番号 21)
MDLMCKKMKHLWFFLLLVAAPRWVLSQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTV KNQFSLKLSSVTVADTAVYYCARLSVAEFDYWGQGILVTVSSAS <L-30-10軽鎖可変領域 > (配列番号 22)
Figure imgf000058_0002
CGTAGCGACTGGCCTCTCACTTTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAACGTACG
<L-30-10軽鎖可変領域〉 (配列番号 23)
AWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGSPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAV YYCQQRSDWPLTFGPGTKVDIKRT 重鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 20の 5'末端から 30番目のアデニン (A) から はじまる ATGコドンであり、 抗体可変領域と定常領域の境界は 5'末端から 461番目 のアデニン (A) と 462番目のグァニン (G) 間に位置する。 アミノ酸配列におい て、 重鎖可変領域は配列番号 21の N末端から 144番目のセリン (S) 残基までであ り、 145番目のァラニン (A) 以降が定常領域である。 遺伝子配列予測ソフトゥェ ァ (S ignal P ver. 2) により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 21の N末端より 26 番目のセリン (S) までと予測された。 精製された重鎖蛋白質の N末端分析により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 21の N末端より 26番目のセリン (S) までであり、 成熟体の N末端は配列番号 21の 27番目のグルタミン (Q) であることが明らかとな つた。
軽鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 22の 5'末端から 31番目の Aからはじまる ATG コドンであり、 可変領域は 5'末端から 411番目のアデニン (A) までである。 アミ ノ酸配列において、 可変領域は配列番号 23の N末端から 127番目のリジン (K) ま でである。 精製された軽鎖蛋白質の N末端分析により、 軽鎖のシグナル配列は配 列番号 23の N末端より 20番目のグリシン (G) までであり、 成熟体の N末端は配列 番号 23の 21番目のグルタミン酸 (E) であることが明らかとなった。
H-48- 2重鎖可変領域、 及び軽鎖可変領域をコードする DNA並びに重鎖可変領域 及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列をそれぞれ以下に示す。 く H - 48- 2重鎖可変領域〉 (配列番号 24)
Figure imgf000059_0001
CTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGC く H-48-2重鎖可変領域 > (配列番号 25)
SGGSISSSSYYWGWVRQPPGKGLEWIGSIHYSGSTFYNPSLKSRVTISVDTS
AS
<H-48-2軽鎖可変領域 > (配列番号 26)
Figure imgf000060_0001
CAGTATGGTAGCTCACCTCTGTACACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAACGTACG <H-48-2軽鎖可変領域 > (配列番号 27)
METPAQLLFLLLLWLPDTTGEIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSS YLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDF AVYYCQQYGSSPLYTFGQGTKLEIKRT 重鎖 DMの翻訳開始点は、 配列番号 24の 5'末端から 29番目のアデニン (A) から はじまる ATGコドンであり、 抗体可変領域と定常領域の境界は 5'末端から 484番目 のアデニン (A) と 485番目のグァニン (G) 間に位置する。 アミノ酸配列におい て、 重鎖可変領域は配列番号 25の N末端から 152番目のセリン (S) 残基までであ り、 153番目のァラニン (A) 以降が定常領域である。 遺伝子配列予測ソフトゥェ ァ (Signal P ver. 2) により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 25の N末端より 26 番目のセリン (S) までと予測された。 精製された重鎖蛋白質の N末端分析により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 25の N末端より 26番目のセリン (S) までであり、 成熟体の N末端は配列番号 25の 27番目のグルタミン (Q) であることが明らかとな つた。 軽鎖丽 Aの翻訳開始点は、 配列番号 26の 5'末端から 31番目の Aからはじまる ATG コドンであり、 可変領域は 5'末端から 417番目のアデニン (A) までである。 アミ ノ酸配列において、 可変領域は配列番号 27の N末端から 129番目のリジン (K) ま でである。 精製された軽鎖蛋白質の N末端分析により、 軽鎖のシグナル配列は配 列番号 27の N末端より 20番目のグリシン (G) までであり、 成熟体の N末端は配列 番号 27の 21番目のグルタミン酸 (E) であることが明らかとなった。
( 2 ) 0304抗体遺伝子の cDNAクロ一エングと発現ベクター作製
ハイブリドーマ 0304を遠心によって集め、 RNA抽出試薬 ISOGEN (二ツボン ジーン社製) を用いてプロトコ一ルに従い、 約 900 gの RNAを精製した。 次に、 300 μ§の RNAから OligotexTM-dT30く Super> (宝酒造社製) により 13 μδの polyA+RNAを得た。 得られた polyA+RNAを材料として SMART RACE cDNA Amplification Kit (クローンテックカンパ二一社製) を用いて、 その添付の説 明書に従ってクローニング実験を実施して、 抗体遺伝子の可変領域の cDNAを取 得した。 具体的には、 精製した polyA+RNAl.O gを材料として、 逆転写酵素によ るファーストストランド cDNA合成を行った。 得られた cDNAを铸型として、 ヒ ト抗体の重鎖 (以下、 重鎖は H鎖とも称す) 定常領域、 および軽鎖 (以下、 軽鎖 は L鎖とも称す) 定常領域 DNA各々に特異的な; PCR用プライマー (H鎖用 : IgGlp, L鎖用 : hk-2) と SMART EACE cDNA Amplification Kit付属の UMP プライマー (合成した cDNAの 5'末端に作製される共通配列に相補的なオリゴヌ クレオチド) をプライマーセッ卜として使用し PCRによる H鎖リーダ配列と可変 領域 (以下、 HVとも称す) 及び L鎖リーダ配列と可変領域 (以下、 LVとも称 す) の増幅を行った。 PCRは、 LA PCRffl Taq DNA Polymerase である TaKaRa LA Taq™ (宝酒造社製) を使用した。 テンプレート DNAを 1 x LA PCR Buffer II(Mg2+ plus), dNTP Mixture各 400 μΜ (最終濃度) 、 プライマ一 2種各 0.2 μΜ、 TaKaRa LA Taq 2.5 U/50 μΐを含む溶液に添加して、 夕ツチダウ ン PCR (94°C 5 秒及び 72°C 3 分 (5サイクル) →94°C 5 秒、 70で 10 秒 及 び 72°C 3 分 (5サイクル) →94°C 5 秒、 68°C 10 秒 及び、 72°C 3 分 (20サ ィクル) ) で反応した。 増幅した PCR断片は、 エタノール沈殿で回収した後、 ァガロースゲル電気泳動で回収し、 メンブランを用いる DNA精製キットである QIAquick Gel Extraction Kit (キアゲン社製) にて精製した。 精製した HVお よび LV断片について、 ABI PRISM® 3700 DNA Analyzer ( Applied Biosystems社製) を使用して DNA塩基配列を決定した。 また、 HV及び LVの増 幅断片は、 それぞれ TAクローニング法を用いる pGEM®-T Easy Vector System (プロメガ社製) にサブクローニングを行い、 得られたクロ一ンのプラスミド DNAについてィンサート DNAの塩基配列を解析して PCR産物の直接シーケンス 解析結果と比較した。 DNA塩基配列決定のために用いたプライマーの配列 (H 鎖: Mr4、 L鎖: hk-5及び hk-6、 及び pGEM®-T Easy Vector用 : SP6と T7) は 表 8に示した。 HV及び LVの各 PCR断片の直接シーケンス解析結果とサブクロ一 ニングされた複数のクローンの DNA塩基配列解析結果は完全に一致した。
0304抗体 L鎖の DNAを铸型として、 同 L鎖のリーダー配列と可変領域を、 末端 に連結のための制限酵素部位を付加するようにデザインしたプライマーを用いて PCRで増幅した。 用いたプライマ一セットは、 表 8 (C23LBCL及び C23LBsi) に配列を示した。 得られた PCR断片は、 エタノール沈殿で回収した後、 制限酵 素 Bgl IIで消化処理し、 更に BsiW Iでの切断処理を行い、 ァガロースゲル電気 泳動で約 400bpの断片を回収し、 メンブランを用いる DNA精製キットである QIA quick Gel Extraction Kit (キアゲン社製) にて精製した。 他方、 ベクターで ある N5KG4-Val Lark ( IDEC Pharmaceut ical s, N5KG1 (US patent 6001358) の改変ベクター) については同様に制限酵素 Bgl II、 BsiW I処理を順次行った 後、 脱リン酸化処理として Alkaline Phosphatase (K coli C75) (宝酒造社 製) にて処理した後に、 ァガロースゲル電気泳動と DNA精製キットで約 9kb弱の DNAを回収した。 これら 2つの断片を T4 DNA ligase を用いてライゲーション して、 大腸菌 DH5aへ導入して形質転換体を得た。 N5KG4-Val Lark に 0304抗 体 L鎖のリーダ一 +可変領域が挿入されたプラスミド; DNA、 N5KG4-0304Lを選 択して挿入断片周辺の DNA塩基配列を決定して DNA塩基配列に変異等がないこ とを確認した。 こうして得られた N5KG4-0304Lに H鎖可変領域等を挿入するた め、 本プラスミド DNAを制限酵素 Nhe I、 及び、 Sal Iで順次切断し、 さらに脱 リン酸化を行った後、 約 9.3 : kbのベクター DNAを精製した。 一方、 抗体の H鎖 のプラスミド DNAを錶型として、 0304抗体 H鎖遺伝子のリーダー配列と可変領 域を PCRで増幅した。 増幅のためのプライマーセット (T0304Sal及び T0304Nh e) の配列を表 8に示した。 得られた PCR断片について制限酵素 Nhe Iと Sal Iによる切断処理を行い、 ァ ガロースゲル電気泳動で約 450 bpの断片を精製した。 これら 2種の DNAをライ ゲーシヨンして大腸菌へ導入して形質転換体を得て、 目的とする H鎖のリーダ一 配列と可変領域が挿入されたクローンを選択した。 挿入部分の DNA塩基配列を 決定して、 PCR増幅して挿入された配列に铸型とした遺伝子配列と相違がない ことを確認した。
0304重鎖可変領域、 及び軽鎖可変領域をコードする DNA並びに重鎖可変領域及 び軽鎖可変領域のアミノ酸配列をそれぞれ以下に示す。
く 0304重鎖可変領域〉 (配列番号 28)
CTCAACAACC ACATCTGTCC TCTAGAGAAA ACCCTGTGAG CACAGCTCCT CACCATGGAC
TGGACCTGGA GGATCCTCTT CTTGGTGGCA GCAGCTACAA GTGCCCACTC CCAGGTGCAG
CTGGTGCAGT CTGGGGCTGA GATGAAGAAG CCTGGGGCCT CAGTCAAGGT CTCCTGCAAG
ACTTCTGGAT ACACCTTCAC CAATTATAAG ATCAACTGGG TGCGACAGGC CCCTGGACAA
GGACTTGAGT GGATGGGATG GATGAACCCT GACACTGATA GCACAGGCTA TCCACAGAAG
TTCCAGGGCA GAGTCACCAT GACCAGGAAC ACCTCCATAA GCACAGCCTA CATGGAGCTG
AGCAGCCTGA GATCTGAGGA CACGGCCGTG TATTACTGTG CGAGATCCTA TGGTTCGGGG
AGTTATTATA GAGACTATTA CTACGGTATG GACGTCTGGG GCCAAGGGAC CACGGTCACC GTCTCCTCA く 0304重鎖可変領域〉 (配列番号 29)
MDWTWRILFL VAAATSAHSQ VQLVQSGAEM KKPGASV VS CKTSGYTFTN YKINWVRQAP
GQGLE丽 GWM NPDTDSTGYP QKFQGRVTMT RNTSISTAYM ELSSLRSEDT AVYYCARSYG SGSYY DYYY GMDVWGQGTT VTVSS く 0304軽鎖可変領域〉 (配列番号 30)
GAGGAACTGC TCAGTTAGGA CCCAGAGGGA ACCATGGAAG CCCCAGCTCA GCTTCTCTTC
CTCCTGCTAC TCTGGCTCCC AGATACCACC GGAGAAATTG TGTTGACACA GTCTCCAGCC
ACCCTGTCTT TGTCTCCAGG GGAAAGAGCC ACCCTCTCCT GCAGGGCCAG TCAGAGTGTT
AGCAGCTACT TAGCCTGGTA CCAACAGAAA CCTGGCCAGG CTCCCAGGCT CCTCATCTAT
GATGCATCCA ACAGGGCCAC TGGCATCCCA GCCAGGTTCA GTGGCAGTGG GTCTGGGACA
GACTTCACTC TCACCATCAG CAGCCTAGAG CCTGAAGATT TTGCAGTTTA TTACTGTCAG CAGCGTAGCA ACTGGCCGCT CACTTTCGGC GGAGGGACCA AGGTGGAGAT CAAACGA く 0304軽鎖可変領域〉 (配列番号 31)
MEAPAQLLFL LLLWLPDTTG EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRASQSVS SYLAWYQQKP
GQAP LLIYD ASN ATGIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYCQQ RSNWPLTFGG GTKVEIKR
重鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 28の 5'末端から 55番目のアデニン (A) から はじまる ATGコドンであり、 5'末端から 489番目のアデニン (A) までが抗体可変 領域である。 アミノ酸配列において、 重鎖可変領域は配列番号 29の N末端から 145 番目のセリン (S) 残基までである。 遺伝子配列予測ソフトウェア (Signal P ve r. 2) により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 29の N末端より 19番目のセリン (S) までと予測された。 成熟体の N末端は配列番号 29の 20番目のグルタミン (Q) であるものと考えられる。 ' 軽鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 30の 5'末端から 34番目の Aからはじまる ATG コドンであり、 可変領域は 5'末端から 414番目のアデニン (A) までである。 アミ ノ酸配列において、 可変領域は配列番号 31の N末端から 127番目のリジン (K) ま でである。 遺伝子配列予測ソフトウェア (Signal P ver. 2) により、 軽鎖のシグ ナル配列は配列番号 31の N末端より 20番目のグリシン (G) までと予測された。 成 熟体の N末端は配列番号 31の 21番目のグルタミン酸 (E) であるものと考えられる, 表 8 合成 DNAの塩基配列
Figure imgf000065_0001
( 3 ) KMTR1抗体遺伝子の cDNAクローニング
ハイブリド一マ KMTR1細胞を遠心によって集め、 RNA抽出試薬 ISOGEN (二 ツボンジーン社製) を用いてプロトコールに従い、 約 900μδの RNAを精製した。 次に、 300 μ の RNAから OligotexTM-dT30く Super> (宝酒造社製) により 13 g の polyA+RNAを得た。 得られた polyA NAを材料として SMART RACE cDNA Amplification Kit (クロ一ンテックカンパ二一社製) を用いて、 その添付の説 明書に従ってクローニング実験を実施して、 抗体遺伝子の可変領域の cDNAを取 得した。 具体的には、 精製した polyA+RNAl.O gを材料として、 逆転写酵素によ るファーストストランド cDNA合成を行った。 得られた cDNAを錶型として、 ヒ ト抗体の重鎖 (以下、 重鎖は H鎖とも称す) 定常領域、 および軽鎖 (以下、 軽鎖 は L鎖とも称す) 定常領域 DNA各々に特異的な: PCR用プライマ一 (H鎖用 : IgGlp、 L鎖用 : hk-2) と SMART RACE cDNA Amplification Kit付属の UMP プライマー (合成した cDNAの 5'末端に作製される共通配列に相補的なオリゴヌ クレオチド) をプライマーセッ卜として使用し PCRによる H鎖リーダ配列と可変 領域 (以下、 HVとも称す) 及び L鎖リーダ配列と可変領域 (以下、 LVとも称 す) の増幅を行った。 PCRは、 LA PCR用 Taq DNA Polymerase である TaKaRa LA Taq™ (宝酒造社製) を使用した。 テンプレート DNAを 1 x LA PCR Buffer II(Mg2+ plus), dNTP Mixture各 400 μΜ (最終濃度) 、 プライマー 2種各 0.2 μΜ、 TaKaRa LA Taq 2.5 U/50 μΐを含む溶液に添加して、 夕ツチダウ ン: PCR (94°C 5 秒及び 72°C 3 分 (5サイクル) →94°C 5 秒、 70°C 10 秒 及 び 72°C 3 分 (5サイクル) →94°C 5秒、 68°C 10 秒 及び、 72°C 3 分 (20サ ィクル) ) で反応した。 増幅した PCR断片は、 エタノール沈殿で回収した後、 ァガロースゲル電気泳動で回収し、 メンブランを用いる DNA精製キットである QIAquick Gel Extraction Kit (キアゲン社製) にて精製した。 精製した HVお よび LV断片について、 ABI PRISM ® 3700 DNA Analyzer ( Applied Biosystems社製) を使用して DNA塩基配列を決定した。 また、 HV及び LVの増 幅断片は、 それぞれ TAクローニング法を用いる pGEM®-T Easy Vector System (プロメガ社製) にサブクローニングを行い、 得られたクローンのプラスミド DNAについてインサート DNAの塩基配列を解析して PCR産物の直接シーケンス 解析結果と比較した。 DNA塩基配列決定のために用いたプライマーの配列 (H 鎖: hh-4、 L鎖: hk-5及び hk-6、 及び pGEM®-T Easy Vector用: SP6と T7) は 前記表 8に示した。 HV及び LVの各 PCR断片の直接シーケンス解析結果とサブク ローニングされた複数のクローンの DNA塩基配列解析結果は完全に一致した。 決定できた KMTR1細胞に発現するヒト抗体遺伝子の H鎖及び L鎖の DNA塩基配 列とアミノ酸配列を示す。 く KMTR1重鎖可変領域〉 (配列番号 32)
GAGCTCTGAG AGAGGAGCCC AGCCCTGGGA TTTTCAGGTG TTTTCATTTG GTGATCAGGA
CTGAACAGAG AGAACTCACC ATGGAGTTTG GGCTGAGCTG GCTTTTTCTT GTGGCTATTT
TAAAAGGTGT CCAGTGTGAG GTACAGCTGT TGGAGTCTGG GGGAGGCTTG GTACAGCCTG
GGAGGTCCCT GAGACTCTCC TGTGCAGCCT CTGGATTCAC CTTTAGCAGC TATGCCATGA
GCTGGGTCCG CCAGGCTCCA GGGAAGGGGC TGGAGTGGGT CTCAGCTATT AGTGGTAGTG
GTGGTAGCAG ATACTACGCA GACTCCGTGA AGGGCCGGTT CACCATCTCC AGAGACAATT
CCAAGAACAC GCTGTATCTG CAAATGAACA GCCTGAGAGC CGAGGACACG GCCGTATATT
ACTGTGCGAA AGAGAGCAGT GGCTGGTTCG GGGCCTTTGA CTACTGGGGC CAGGGAACCC TGGTCACCGT CTCCTCA く ΚΜΊΈ1重鎖可変領域〉 (配列番号 33)
MEFGLSWLFL VAILKGVQCE VQLLESGGGL VQPGRSLRLS CAASGFTFSS YAMSWVRQAP GKGLEWVSAI SGSGGSRYYA DSVKGRFTIS RDNSKNTLYL QMNSLRAEDT AVYYCAKESS GWFGAFDYWG QGTLVTVSS く KMTR1軽鎖可変領域〉 (配列番号 34)
GATCTTAAAA GAGGTTCTTT CTCTGGGATG TGGCATGAGC AAAACTGACA AGTCAAGGCA GGAAGATGTC GCCATCACAA CTCATTGGGT TTCTGCTGCT CTGGGTTCCA GCCTCCAGGG GTGAAATTGT GCTGACTCAG TCTCCAGACT TTCAGTCTGT GACTCCAAAG GAGAAAGTCA CCATCACCTG CCGGGCCAGT CAGAGCATTG GTAGTAGCTT ACACTGGTAC CAGCAGAAAC CAGATCAGTC TCCAAAGCTC CTCATCAAGT ATGCTTCCCA GTCCTTCTCA GGGGTCCCCT CGAGGTTCAG TGGCAGTGGA TCTGGGACAG ATTTCACCCT CACCATCAAT AGCCTGGAAG CTGAAGATGC TGCAGCGTAT TACTGTCATC AGAGTAGTAG TTTACCGATC ACCTTCGGCC AAGGGACACG ACTGGAGATT AAACGA く KMTR1軽鎖可変領域〉 (配列番号 35)
MSPSQLIGFL LLWVPASRGE IVLTQSPDFQ SVTPKEKVTI TCRASQSIGS SLHWYQQKPD QSPKLLIKYA SQSFSGVPSR FSGSGSGTDF TLTINSLEAE DAAAYYCHQS SSLPITFGQG TRLEIKR 重鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 32の 5'末端から 81番目のアデニン (A) から はじまる ATGコドンであり、 5 '末端から 497番目のアデニン (A) までが抗体可変 領域である。 アミノ酸配列において、 重鎖可変領域は配列番号 33の N末端から 139 番目のセリン (S) 残基までである。 遺伝子配列予測ソフトウェア (Signal P ve r. 2) により、 重鎖のシグナル配列は配列番号 33の Ν末端より 19番目のシスティン
(C) までと予測された。 成熟体の Ν末端は配列番号 33の 20番目のグルタミン酸
(Ε) であるものと考えられる。 軽鎖 DNAの翻訳開始点は、 配列番号 34の 5'末端から 66番目の Aからはじまる ATG コドンであり、 可変領域は 5'末端から 443番目のアデニン (A) までである。 アミ ノ酸配列において、 可変領域は配列番号 35の N末端から 126番目のリジン (K) ま でである。 遺伝子配列予測ソフトウェア (Signal P ver. 2) により、 軽鎖のシグ ナル配列は配列番号 35の N末端より 19番目のグリシン (G) までと予測された。 成 熟体の N末端は配列番号 35の 20番目のグルタミン酸 (E) であるものと考えられる。 実施例 15 組換え型抗体の作製
実施例 14で構築した組換え型抗体発現ベクターを宿主細胞に導入し、 組換え型 抗体発現細胞を作製した。 発現のための宿主細胞には、 例えば CH0細胞の dhir欠 損株 (ATCC CRL-9096) を用いた。 宿主細胞へのベクターの導入はエレクトロボ レーシヨンにより実施した。 抗体発現ベクター約 2μ§を制限酵素で線状化し、 B i o-Rad e lect rophoreterをもちいて 350V、 500μΡの条件で、 4χ106個の CHO細胞に遺 伝子を導入し、 96wel l cul ture plateに播種した。 発現ベクターの選択マーカー に対応した薬剤を添加して培養を継続した。 コロニーを確認した後、 実施例 4に 示した方法によって、 抗体発現株を選別した。 選別した細胞からの抗体精製は、 実施例 10にしたがって行つた。 実施例 16 組換え型抗体による癌細胞に対する細胞死誘導活性
実施例 15から得られた組換え型ヒト抗 TRAIL- R2モノクローナル抗体を用いて、 大腸癌細胞である Colo205 (ATCC No. CCL-222) に対する細胞死誘導活性を測定 した。 10% FCSを含む RPMI培地で培養していた Colo205細胞を 1. O X lOVmlの濃度 に調製し、 各ゥエル I OO Iずつを 96穴平底プレート (べクトンディッキンソン社 製) に分注した。 37°C、 5. 0%炭酸ガス下で 24時間培養した後、 精製抗体 E1 UCH0 - 3)、 H48 (CH0- 3)を終濃度 10、 100、 1000、 lOOOOng/mlになるように 10 z 1/ゥエル で加え、 さらにャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクロ一ナル抗体 (シグマ社製) を 終濃度 10、 100 /i g/iiilになるように、 各ゥエルに 10 1ずつ加えた。 取得したハイ プリ ドーマについて、 ャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクローナル抗体を添加しな ぃゥエルも作製した。 陽性コントロールとして、 ヒト組換え TRAILタンパク質 (R &D SYSTEMS社製) を終濃度 1、 10ng/mlで使用した。 陰性コントロールとして、 ヒ ト抗 HSA抗体を使用した。 37°C、 5.0%炭酸ガス下で 48時間培養した後、 MTS試薬 (Cell Titer 96 AQUEOl)S Non-Radioactive Cell Proliferation Assay:プロメ ガ社製) を説明書の方法に従い調製し、 各ゥエルに ずつ添加した。 さらに 3 7°C、 5.0%炭酸ガス下で 2時間培養した後、 波長 490nm (参照波長 630nm) での吸 光度をマイクロプレートリーダー (1420 ARV0 マルチラベルカウンタ一: WALLAC 社製) で測定し、 ミトコンドリアの還元能を指標として、 細胞の生存率を算定し た。 各ゥエルの細胞の生存率は実施例 7と同様な式により算出した。 結果を図 1 1 a、 1 1 bに示す。 図 1 1 aはャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリク ローナル抗体を添加していない実験の結果を、 図 1 1 bはャギ抗ヒト IgG(T)特 異的ポリクローナル抗体を添加した実験の結果を、 それぞれ示す。
図 1 1 aより、 組換え型抗体である Ell (CH0- 3)、 H48 (CH0- 3)は抗体単独の時で も Colo205細胞に細胞死を誘導する活性があることが明らかとなった。 また、 図 l i bより、 ャギ抗ヒト IgG (ァ)特異的ポリクローナル抗体を添加した場合、 ハ イブリドーマの培養上清から精製した抗体と同等の細胞死誘導活性を示すことが 明らかとなった。
本明細書で引用した全ての刊行物、 特許及び特許出願は、 そのまま参考として 本明細書に取り入れるものとする。 産業上の利用の可能性
本発明により、 TRAIL- R1及び R2を発現している細胞に起因する疾患に対する予 防又は治療剤、 特に悪性腫瘍治療薬として有用であり、 かつ肝臓への傷害性が回 避することができる、 極めて安全性の高い分子が提供された。 配列表フリーテキス卜
配列番号 1 :合成丽 A
配列番号 2 :合成 DNA
配列番号 3 :合成 DNA 配列番号 4 :合成 DM 配列番号 5 :合成丽 A 配列番号 6 :合成 DNA 配列番号 7 :合成爾 A 配列番号 8 :合成 DNA 配列番号 9 :合成 DNA 配列番号 1 0 :合成 DNA 配列番号 1 1 :合成 DNA 配列番号 1 2 :合成 DNA 配列番号 1 3 :合成 DNA 配列番号 1 4 :合成 DNA 配列番号 1 5 :合成 DNA 配列番号 3 6 :合成 DNA 配列番号 3 7 :合成 DNA 配列番号 3 8 :合成 DNA 配列番号 3 9 :合成 DNA 配列番号 4 0 :合成 DNA 配列番号 4 1 :合成 DNA 配列番号 4 2 :合成脆 配列番号 4 3 :合成 DNA 配列番号 4 4 :合成 DNA 配列番号 4 5 :合成 DNA

Claims

請 求 の 範 囲
1 . TRAIL-R1及び/又は TRAIL- R2に結合する抗体又はその機能的断片。
2 . 以下の(a)〜(c)から選ばれる少なくとも 1つの性質を有する請求項 1記 載の抗体又はその機能的断片。
(a) TRAIL- R1及び/又は TRAIL- R2を発現している癌細胞にアポトーシスを誘導す る活性を有する
(b) TRAIL- R1及び/又は TRAIL- R2を発現しているヒト正常細胞には影響を及ぼさ ない
(c)ヒト肝臓細胞傷害を誘発しない
3 . 以下の(a)〜(c)のすベての性質を有する抗体又はその機能的断片。
(a) TRAIL-R1及び/又は TRAIL- R2を発現している癌細胞にアポトーシスを誘導す る活性を有する
(b) TRAIL- R1及び/又は TRAIL- R2を発現しているヒト正常細胞には影響を及ぼさ ない
(c)ヒト肝臓細胞傷害を誘発しない
4 . TRAIL-R2には結合するが TRAIL- R1には結合しない請求項 2又は 3記載の 抗体又はその機能的断片。
5 . TRAIL- に結合し TRAIL-R1にも結合する請求項 2又は 3記載の抗体又は その機能的断片。
6 . マウス-マウスハイプリド一マにより産生されるモノクローナル抗体で あることを特徴とする、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
7 . ヒト抗体であることを特徴とする、 請求項 1〜6のいずれかに記載の抗 体又はその機能的断片。
8 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50値 が 0. Ol z g/ffll以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
9 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50値 が 0. l /i g/ml以上である請求項 1〜7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
1 0 . 細胞数 7. 5xl 04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が 2- 10 ^ g/mlである請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 1 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が lO i g/ml以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
1 2 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が 10- 100 ^ g/mlである請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
1 3 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒ卜肝細胞に対する LD50 値が 100 g/ml以上である請求項 1〜7のいずれかに記載の抗体又はその機能的 断片。 '
1 4 . 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値が 1 OO i g/ml以下である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 5 . 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値が 1 O g/ml以下である請求項 1〜7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 6 . 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値が 0. 7 g/ml以下である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 7 . 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値が 0. 02-0. 11 _i g/mlである請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 8 . 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値が 0. 02 /2 g/ml以下である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
1 9 . 細胞数 7. 5xl04及ぴ反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が 2-100 g/mlであり、 かつ、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細 胞に対する LD50値が 0. 02-0. Π x g/mlである請求項 1〜7のいずれかに記載の抗 体又はその機能的断片。
2 0 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 2倍 以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 1 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl 03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 10倍 以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 2 . 細胞数 7. 5x l 04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 50倍 以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 3 . 細胞数 7. 5xl 04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 50倍 - 100倍である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 4 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 100倍 以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 5 . 細胞数 7. 5x l0及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 100倍 - 1000倍である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 6 . 細胞数 7. 5xl04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 250倍 -1000倍である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 7 . 細胞数 7. 5xl 04及び反応時間 24時間におけるヒト肝細胞に対する LD50 値が、 細胞数 2. 5xl 03及び反応時間 48時間における癌細胞に対する LD50値の 1000 倍以上である請求項 1〜 7のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
2 8 . 反応容量が 110〜120 i lである請求項 8 ~ 2 7のいずれかに記載の抗 体又はその機能的断片。
2 9 . 癌細胞が Colo205細胞である請求項 2、 3、 及び 1 4 ~ 2 8のいずれ かに記載の抗体又はその機能的断片。
3 0 . 癌細胞が、 Co l o205細胞、 U251細胞又は Jurkat細胞である請求項 2又 は 3記載の抗体又はその機能的断片。
3 1 . 腫瘍の増殖を抑制し、 又は腫瘍を退縮させることができる請求項 1〜 3 0のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
3 2 . 腫瘍が、 大腸癌、 結腸直腸癌、 肺癌、 乳癌、 脳腫瘍、 黒色腫、 腎細胞 癌、 膀胱癌、 白血病、 リンパ腫、 T細胞リンパ腫、 多発性骨髄腫、 胃癌、 膝臓癌、 子宮頸癌、 子宮内膜癌、 卵巣癌、 食道癌、 肝臓癌、 頭頸部扁平上皮癌、 皮膚癌、 尿路癌、 前立腺癌、 絨毛癌、 咽頭癌、 喉頭癌、 きょう膜腫、 男性胚腫、 子宮内膜 過形成、 子宮内膜症、 胚芽腫、 線維肉腫、 力ポジ肉腫、 血管腫、 海綿状血管腫、 血管芽腫、 網膜芽腫、 星状細胞腫、 神経線維腫、 稀突起謬腫、 髄芽腫、 神経芽腫、 神経膠腫、 横紋筋肉腫、 謬芽腫、 骨原性肉腫、 平滑筋肉腫、 甲状肉腫及びウィル ムス腫瘍等からなる群から選ばれる少なくとも 1つである、 請求項 3 1記載の抗 体又はその機能的断片。
3 3 . 腫瘍が、 ヌードマウスに移植された Colo205細胞に由来するものであ る請求項 3 1記載の抗体又はその機能的断片。
3 4 . 腫瘍の増殖を抑制し、 又は腫瘍を退縮させることができる期間が少な くとも 9日間である請求項 3 1〜3 3のいずれかに記載の抗体又はその機能的断 片。
3 5 . 抗体又はその機能的断片の投与量が lOO g/body又は 5mg/kgで ある請求項 3 1〜3 4のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
3 6 . 抗体又はその機能的断片の投与量が 20 _t g/body又は lmg/kgである請求 項 3 1〜 3 4のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
3 7 . 抗体又はその機能的断片の投与量が 4 z g/body又は 200 /_i g/kgである請 求項 3 1〜3 4のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
3 8 . 抗体又はその機能的断片の投与量が ί g/body又は 50 g/kgである請 求項 3 1 ~ 3 4のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
3 9 . ィムノグロブリン G型抗体であることを特徴とする、 請求項 1〜3 8 のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片。
4 0 . 100籠3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 g/マウス個体の 濃度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 1 4 %以上の腫瘍の縮小を引き起 こすことができる抗体又はその機能的断片。
4 1 . 平均 1 4 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 7日維持することができる 請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
4 2 . 100mm3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
4 3 . 100腿3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 7日後に平均 8 0 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
4 4 . 平均 8 0 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 4日維持することができる請 求項 4 3記載の抗体又はその機能的断片。
4 5 . lOOimn3の腫瘍を有する 1 2週齢の担癌マウスに 25 i g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 3日後に平均 4 5 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
4 6 . 100腿3の腫瘍を有する 1 2週齢の担癌マウスに 25 g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 5日後に平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる請求項 4 5記載の抗体又はその機能的断片。
4 7 . 平均 6 5 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 2 7日維持することができ る請求項 4 6記載の抗体又はその機能的断片。
4 8 . 300匪3の腫瘍を有する 4〜 6週齢の担癌マウスに 20 Ai g/マウス個体の濃 度で投与したときに、 初回投与 4日後に平均 3 9 %以上の腫瘍の縮小を引き起こ すことができる請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
4 9 . 平均 3 9 %以上の腫瘍の縮小を少なくとも 1 4日維持することができる 請求項 4 8記載の抗体又はその機能的断片。
5 0 . 0304抗体である請求項 4 0記載の抗体又はその機能的断片。
5 1 . E- 11- 13抗体である請求項 4 0.記載の抗体又はその機能的断片。
5 2 . ハイプリドーマ E-1ト 13、 H-48-2, L - 30 - 10、 N - 18- 12、 W - 40 - 5、 X - 14- 4、 X-51-12, F - 4- 8、 G - 3- 10、 0304又は KMTR1により産生される、 TRAIL-R1及び Z 又は TRAIL- R2に結合する抗体又はその機能的断片。
5 3 . 受託番号が FERM BP- 7599であるハイプリ ドーマ H- 48- 2、 受託番号が FE M BP- 7698若しくは FERM BP- 7770であるハイプリ ド一マ E- 1卜 13、 受託番号が FER M BP- 7699若しくは FERM BP- 7768であるハイプリドーマ F- 4-8、 受託番号が FERM B P- 7700若しくは FERM BP- 7769であるハイプリドーマ L - 30 - 10、 受託番号が FERM BP - 8037であるハイプリ ドーマ 0304又は受託番号が FERM BP- 8038であるハイプリ ド 一マ KMTR1により産生される、 TRAIL-R1及びノ又は TRAIL- R2に結合する抗体又は その機能的断片。
5 4 . 配列番号 1 7及び 1 9にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ E-11-13 の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 1及び 2 3にそれ ぞれ示され ¾、 ハイプリ ドーマ L-30-10の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖 可変領域、 配列番号 2 5及び 2 7にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ H-48-2 の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 9及び 3 1にそれ ぞれ示される、 ハイプリドーマ 0304の産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変 領域、 又は配列番号 3 3及び 3 5にそれぞれ示される、 八イブリドーマ KMTR1の 産生する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の、 マチュア部分のアミノ酸配列 を有する抗体又はその機能的断片。
5 5 . 配列番号 1 6及び 1 8にそれぞれ示される、 ハイブリドーマ E-11-13 から単離された核酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番 号 2 0及び 2 2にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ L-30-10から単離された核 酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 4及び 2 6に それぞれ示される、 ハイプリドーマ H-48-2から単離された核酸配列にコードさ れる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、 配列番号 2 8及び 3 0にそれぞれ示される、 ハイプリドーマ 0304から単離された核酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽 鎖可変領域、 又は配列番号 3 2及び 3 4にそれぞれ示される、 ハイブリ ドーマ
KMTR1から単離された核酸配列にコードされる重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の、 マチュア部分のアミノ酸配列を有する抗体又はその機能的断片。
5 6 . E-11 - 13、 H - 48 - 2、 L- 30- 10、 N- 18-12、 W - 40- 5、 X- 14 - 4、 X - 5卜 12、 F-
4 - 8、 G - 3- 10、 0304及び KMTR1からなる群から選ばれる、 TRAIL- R2に結合するモノ クローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
5 7 . 受託番号が FE西 BP-7599であるハイプリドーマ H- 48- 2、 受託番号が FE 適 BP- 7698若しくは FERM BP- 7770であるハイプリドーマ E - 1ト 13、 受託番号が FER
M BP-7699若しくは FERM BP- 7768であるハイプリド一マ F- 4- 8、 受託番号が FE履 B
P - 7700若しくは FERM BP- 7769である八イブリドーマ L- 30- 10、 受託番号が FERM BP
- 8037であるハイプリドーマ 0304又は受託番号が FE丽 BP- 8038であるハイプリ ド 一マ KMTR1から選ばれる、 TRAIL - R2に結合するモノクローナル抗体を産生するハ イブリド"マ。
5 8 . 請求項 5 6又は 5 7記載のハイプリドーマを培養し、 得られる培養物 から TRAIL - R2に結合する抗体を採取することを特徴とする、 抗 TRAIL- R2モノク口 ーナル抗体の製造方法。
5 9 . 請求項 5 6又は 5 7記載のハイプリドーマから抗 TRAIL- R2モノクロ一 ナル抗体をコードする遺伝子を単離し、 該遺伝子を有する発現べクタ一を構築し、 該発現ベクターを宿主に導入して前記モノクローナル抗体を発現せしめ、 得られ る宿主、 宿主の培養上清又は宿主の分泌物から抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体を 採取することを特徴とする、 抗 TRAIL - R2モノクローナル抗体の製造方法。
6 0 . 宿主が、 大腸菌、 酵母細胞、 昆虫細胞、 哺乳動物細胞及び植物細胞並 びに哺乳動物からなる群から選ばれるいずれかのものである請求項 5 9記載の製 造方法。 '
6 1 . 請求項 1〜5 5のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片を有効成 分として含有する、 腫瘍の予防又は治療剤。
6 2 . 腫瘍が、 大腸癌、 結腸直腸癌、 肺癌、 乳癌、 脳腫瘍、 黒色腫、 腎細胞 癌、 膀胱癌、 白血病、 リンパ腫、 T細胞リンパ腫、 多発性骨髄腫、 胃癌、 滕臓癌、 子宮頸癌、 子宮内膜癌、 卵巣癌、 食道癌、 肝臓癌、 頭頸部扁平上皮癌、 皮膚癌、 尿路癌、 前立腺癌、 絨毛癌、 咽頭癌、 喉頭癌、 きょう膜腫、 男性胚腫、 子宮内膜 過形成、 子宮内膜症、 胚芽腫、 線維肉腫、 力ポジ肉腫、 血管腫、 海綿状血管腫、 血管芽腫、 網膜芽腫、 星状細胞腫、 神経線維腫、 稀突起謬腫、 髄芽腫、 神経芽腫、 神経膠腫、 横紋筋肉腫、 謬芽腫、 骨原性肉腫、 平滑筋肉腫、 甲状肉腫及びウィル ムス腫瘍等からなる群から選ばれる少なくとも 1つである、 請求項 6 1記載の予 防又は治療剤。
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