WO2002089296A1 - Coil of dynamoelectric machine, and mica tape and mica sheet used to insulate this coil - Google Patents

Description

明 細 書

回転電機の コ イ ル及びこ の コ ィ ノレの絶縁に用い られるマイ 力 テ ー プ、 マ イ 力 シー ト

技術分野

導体の周囲に絶縁層を形成 してなる回転電機の コ イ ル及び こ の コ ィノレの絶縁に用レヽ られる マイ 力テープ、 マイ カ シー ト。 背景技術

発電機や電動機等の高電圧回転電機の固定子には、 図 1 に 示すよ う に、 固定子鉄心 1 の内周側に複数のス ロ ッ ト 1 a が 形成さ れる。 こ の複数のス ロ ッ ト l a 内には、 固定子コィ ノレ 2 が収納 される。

こ の固定子コ イ ル 2 は、 上側 コィ ノレ と 下側 コ ィ ノレ力、 ら な る。 上側コ ィ ノレ及び下側 コ ィ ノレ を ス ロ ッ ト 内に収納する と き には、 ス ロ ッ ト 1 a の底部、 上側コ ィ ノレ と 下側コ ィ ノレ と の間、 ス ロ ッ ト 1 a の開 口 部に、 それぞれ絶縁ス ぺーサ 3 が挿入 される。 また、 ス ロ ッ ト 1 a の開 口側の端部には、 固定子コ ィ ノレ 2 を固定する ため の ス ロ ッ ト楔 4 が挿入 される。 こ のス ロ ッ ト 楔 4 は、 回転電機の運転時に固定子コ イ ル 2 か ら発生する電 磁振動を抑制する。

こ の よ う な高電圧回転電機の固定子において、 固定子鉄心 1 のス ロ ッ ト 1 a 内に収納 される 固定子コ ィ ノレ 2 は、 次の よ う な構成の導体に よ り 成形 される。

まず、 複数の平角絶縁素線 2 1 を束ねて レ ーベル転位 させ る。 こ の後、 図示左側列の素線束 3 0 a と 図示右側列の素線 束 3 0 b と の間に熱硬化性樹脂のプ リ プレ ダ · セパ レータ 1 1 が配置 される。 ま た素線束 3 0 a , 3 O b の レーベル転位 部には熱硬化性樹脂のプ リ プ レダ · フ ィ ラー 1 2 が配置され る。

次いで素線束 3 0 a , 3 0 b を熱プ レ ス に よ り 一体成形 し な力； ら プ リ プ レダ · セ ノ レータ 1 1 と プ リ プ レ ダ ' フ ィ ラー 1 2 の熱硬化性樹脂 を加熱 して硬化 さ せる 。 こ の プ リ プ レ グ . セ ノ レー タ 1 1 と プ リ プ レダ . フ ィ ラー 1 2 の加熱硬化 に よ り 最終的に図示の断面形状 と なる導体 2 2 に仕上げる。

こ の導体 2 2 は、 次の よ う な熱硬化性樹脂の真空加圧含浸 方式で絶縁さ れている。

導体 2 2 の周囲に、 図 2 の よ う なマイ 力ぺ一パ 5 と補強ガ ラ ス布 6 から な る マイ 力テープ 7 が複数層卷回 される。 こ の マイ 力 テープ 7 の卷回層内に熱硬化性樹脂を真空で加圧 して 含浸する。 こ の後、 固定子 コ イ ル 2 を最終的な断面形状に成 形 しなが ら熱硬化性樹脂 と マイ 力テープ 7 を熱プ レス によ り 加熱硬化 させる。 こ の熱硬化性樹脂 と マイ 力 テープ 7 の加熱 硬化に よ り 導体 2 2 の周囲に絶縁層 8 を形成する。

こ の よ う な構成の固定子コ イ ル 2 において、 導体 2 2 は回 転電機の運転時の負荷電流に よ り 発熱する。 発熱の一部は絶 縁層 8 を経由 して固定子鉄心 1 の横断面に設け られ軸方向に 適切な間隔で配置 された通風ダク 卜 から直接的に外部の冷却 気体に伝達される。 残 り の発熱の大部分は絶縁層 8 を経由 し て固定子鉄心 1 に伝達された後、 間接的に外部の冷却気体に 伝達される。 こ の よ う に発熱が冷却気体に伝達される場合に、 導体 2 2 か ら発生する全ての熱は、 固定子 コ イ ル 2 の絶縁層 8 を経由 して冷却 される。 こ のため冷却経路の熱伝導性が非 常に重要であ る。

冷却経路の熱抵抗が大き い場合、 導体 2 2 の内部に発生 し た熱が冷却気体に伝わ り 難く なっ て固定子 コ ィ ノレ 2 は過大に 温度上昇する。 固定子コ イ ル 2 の過大な温度上昇は、 長期間 運転が行われる う ちに、 絶縁層 8 を構成する有機材料の電気 的、 機械的な性能劣化を促進する。

上記絶縁層 8 は、 主 と してマイ カペーパ 5 、 補強ガラ ス布 6 、 および熱硬化性樹脂等で構成 される。 これ ら の材料の熱 伝導率は、 大略マイ 力 力 S O . 5 W / m · K , ガラ ス 力 S i . 0 W Z m · K 、 ま た代表的な熱硬化性樹脂であ るエポキシ樹脂 が 0 . 2 W/ m ' K程度である。

こ の こ と 力ゝ ら 、 絶縁層 8 の熱伝導性を向上 させるためには、 最も熱伝導率の低い熱硬化性樹脂の容積を低減する こ と が有 効である。

ま た補強ガラ ス布 6 の織 り 目 やマイ カペーノ 5 内には、 含 浸 された熱硬化性樹脂が貯留 し易い。 こ の熱硬化性樹脂の貯 留を防ぐため、 極力薄い補強ガラ ス布 6 を採用 した り 、 加熱 硬化時に適当 な成形圧力を加えて含浸樹脂を絞 り 出 した り す る な どの対策が実施 される。

と こ ろで、 固定子コ イ ル 2 の絶縁層 8 の熱伝導率を積極的 に改善する従来技術と しては、 特開昭 5 5 — 5 3 8 0 2 号公 報 （前者） や米国特許 U S P — 4 8 0 6 8 0 6 号公報 （後 者） があ る。

前者の改善技術の場合は、 樹脂よ り 優れた熱伝導率を有す る酸化アル ミ ニ ウ ムゃ窒化ボ ロ ン等の無機粉体を、 ポ リ ア ミ ド繊維等の合成繊維 と と も にマイ カ箔 と 混抄する。 こ の無機 粉体は粒径が 3 0 〜 1 0 0 μ mの粒子の も のが使用 される。 合成繊維は混抄 されたマイ カペーパの補強材 と して作用する 後者の改善技術の場合は、 高熱伝導性の無機粉体をマイ 力 ぺーパ内のみな らず、 マイ 力 テープ 7 の層間に も配置する。

具体的には、

( 1 ) 導体にマイ 力テープを卷回 した後に、 無機粉体を添加 した樹脂を含浸 し、 成形治具内で加熱硬化する

( 2 ) 無機粉体を添加 した樹脂を、 あ ら か じめマイ 力テープ に含浸 した、 所謂プ リ プ レダマイ 力テープを導体に卷回 した 後に、 成形治具内で加熱硬化する

( 3 ) 樹脂をあ ら か じめマイ 力 テープに含浸 した、 所謂プ リ プ レダマイ 力 テープの表面に無機粉体を コ 一 ト し、 導体に卷 回 した後に、 成形治具内で加熱硬化する

( 4 ) 無機粉体を コー ト した薄い絶縁テープを、 マイ カテー プと と も に導体に巻回 し、 主絶縁層を形成する

等である。

しか し、 前述 した よ う な真空加圧含浸方式で絶縁される 固 定子 コ イ ルに従来の熱伝導性向上の改善策を適用する には、 い く つかの問題があっ た。

前者の無機粉体をポ リ ア ミ ド繊維等の合成繊維 と と も にマ イ カ 箔と 混抄する方法の場合、 マイ カペーパ内に無機粉体が 埋込まれた状態で散在する。 こ のため無機粉体が合成繊維 と と も にマイ カペーパ内に隙間 を作る。 したがっ て、 マイ 力テープと して導体に卷回 した後に、 樹 脂を含浸する場合、 無機粉体が作る隙間に よ り 樹脂の含浸が 容易にな る。 しか し反面導体の周面に形成された絶縁層内に 存する無機粉体に よ る隙間が電気的強度を低下 させる。

一方 （ 1 ) の方法の場合、 つま り 後者の高熱伝導性の無機 粉体を樹脂に添加 しマイ カペーパ内のみな らずマイ 力テープ の層間に も含浸配置する場合、 添加 した無機粉体が含浸樹脂 の貯蔵中に沈降 して しま う 。 ま た無機粉体が含浸プ ロ セ ス に おいてマイ 力 テープにフ ィ ルタ リ ングされる ため、 無機粉体 の分布が偏る こ と 等の恐れがあ る。

( 4 ) の方法の場合、 無機粉体を コー ト した薄い絶縁テー プを余分に卷回する。 こ のため主絶縁層の厚 さ が増加する こ と は無視でき ない。

( 2 ) 及び （ 3 ) の方法は、 プ リ プ レダマイ 力テープを用 いた、 所謂プ リ プ レダ絶縁方式に適用 されてお り 、 これを真 空加圧含浸絶縁方式に応用 し ょ う と する と 、 以下のよ う な特 有の問題が生 じ る。

真空加圧含浸絶縁用のマイ 力 テープでは、 マイ 力鱗片同士 ある いはマイ カペーパ と補強ガラ ス布 と を最低量の接着剤で 接着 している。 接着剤は含浸プ ロ セ ス において含浸さ れる含 浸樹脂 と 溶け合い、 加熱硬化の後に、 一体化 して主絶縁層 を 形成 しなければな ら ない。 したがっ て、 接着剤 と しては含浸 樹脂 と の相溶性が求め られる。 こ のため、 含浸樹脂が例えば 硬化剤を含むエポキシ樹脂であっ た場合は、 一般に接着剤 も エポキシ樹脂 （反応促進剤が含まれる場合も ある） が選ばれ る。

また （ 2 ) 及び （ 3 ) の方法に準 じたマイ 力 テープで熱伝 導性の改善を試みた場合、 マイ 力テープに配置 される無機粉 体を最低量の接着剤によ り 保持 させて、 含浸プ ロ セ ス で加熱 硬化 した後に、 一体化 して主絶縁層を形成する こ と が要求 さ れる。

しか し接着剤に よ って無機粉体を保持 したマイ 力テープを 導体に卷回 した後に含浸プ ロ セ ス で樹脂を含浸する場合、 接 着剤 と 含浸樹脂 と が溶け合 う 上、 加熱硬化の初期に樹脂粘度 が一旦低下する。 こ のた め無機粉体を含む樹脂の一部が絶縁 層外に流出する。

特に導体 2 2 を熱プ レス で成形する シス テ ム の場合、 絶縁 層に成形圧力 を加えて余分な含浸樹脂を絞 り 出すため、 熱プ レ ス に よ る含浸樹脂の絞 り 出 し と と も に、 樹脂に溶け合っ た 接着剤中の無機粉体の流出量が増える。

こ の無機粉体の流出傾向は、 特に低粘度で溶解性の高い樹 脂を含浸 しかつ高い圧力で成形する システム ほ ど顕著である。

こ の よ う に真空加圧含浸方式に よ る絶縁システムでは、 あ らか じめ所定量の無機粉体をマイ 力テープに与えておいて も 、 成形中に外部流出 して しま う 。 こ のため熱伝導性の改善効果 は期待 したほ ど得 られない。

発明の開示

次の よ う に回転電機の コ ィ ノレ と こ の コ ィ ノレの絶縁に用い ら れる マイ 力テープ、 マイ 力 シー ト を構成する。

回転電機の コ イ ルは、 複数の平角素線を束ねて レーベル転 位させなが ら コ イ ル状に集積 し、 その外周にマイ カペーパ と 補強ガラ ス布か ら構成される マイ 力テープを複数層卷回する と と も に、 その各卷回層間に樹脂を含浸硬化 させて絶縁層を 形成 して構成する。 前記マイ 力 テープには、 無機粉体を前記 含浸樹脂に不溶な糊剤を成分 と して含有する接着剤に よ って 前記マイ 力 テープに担持させる。

回転電機の コ ィ ノレの絶縁に用い られるマイ 力 テープは、 マ ィ カペーパ と 補強ガラ ス布 と を備え、 且つ前記補強ガラ ス布 には含浸樹脂に不溶な糊剤を必須成分と して含む接着剤に よ り 無機粉体を担持させて構成する。

回転電機の コ イ ルの絶縁に用い られるマイ カ シー ト は、 マ ィ カペーパ と 補強ガラ ス布 と を備え、 且つ前記補強ガラ ス布 には含浸樹脂に不溶な糊剤を必須成分 と して含む接着剤に よ り 無機粉体を担持させて構成する。

図面の簡単な説明

図 1 は、 高電圧回転電機の固定子鉄心ス ロ ッ ト に収納 され た固定子 コ ィ ノレの断面図。

図 2 は、 従来の固定子コ イ ルの導体周囲に形成される絶縁 層 を構成するマイ 力テープを示す断面図。

図 3 は、 第 1 実施例乃至第 3 実施例を説明する ためのマイ 力テープ （マイ 力 シー ト） を示す断面図。

図 4 は、 第 1 実施例に よ る絶縁層の含浸時間の測定結果を 示すダラ フ。

図 5 は、 第 1 実施例に よ る絶縁層の流出無機粉体重量を示 すグラ フ。 発明 を実施する ための最良の形態

以下に実施例を説明する。

高電圧回転電機の固定子 コ イ ルにおいて、 平角絶縁素線か ら最終断面形状の導体に仕上げる までは、 背景技術の項で既 に述べている。 したがっ て導体 2 2 の周囲に形成される絶縁 層 8 について の第 1 の実施例を図 1 , 図 3 ， 図 4 , 図 5 を参 照 して説明する。

第 1 の実施例では、 導体 2 2 の周囲に図 3 に示すよ う な構 成の硬質無焼成マイ 力テープ 7 1 を複数層卷回する。 こ の硬 質無焼成マイ 力テープ 7 1 は、 マイ カペーノ、° 5 と補強ク ロ ス 材である補強ガラ ス布 6 と か ら構成される。 こ のマイ カテー プ 7 1 の補強ガラ ス布 6 には無機粉体 1 4 を接着剤 1 3 に よ り 担持 させる。

接着剤 1 3 は、 含浸樹脂に不溶な糊剤を必須の成分 と して 含む。 こ こ では無機粉体 1 4 の担持効果を発揮する ポ リ ビニ ル系高分子 と して 、 好ま し く は 4 重量 ⁰ /。の ポ リ ビュルアル コ —ルを含む接着剤 1 3 を用いる。 無機粉体 1 4 にはマイ カテ ープの好ま し く は 3 0 重量。 /。 の酸化アル ミ ニ ウ ム粒子を用い る。

接着剤 1 3 と しては、 ポ リ ビニ ノレ ア ノレ コ ー ル の他に、 ェポ キシ樹脂 （例えば、 油化シェ ル社ェ ピコー ト 8 2 8 ま たは 1 0 0 1 ) 組成物が用い られる。

絶縁層 8 は、 前記マイ 力 テープ 7 1 の卷回層内に熱硬化性 樹脂を真空加圧含浸 した後、 例えば 0 . 5 M P a の圧力の熱 プ レス によ り 、 最終断面形状に成形 しなが ら加熱硬化させて 形成する。

含浸樹脂 と しては、 例えば 4 5 重量％の脂環式ェポキシ化 合物、 4 5 重量％の酸無水物硬化剤、 1 0 重量％の反応性希 釈剤の組成物が用い られる。 こ の含浸樹脂は、 室温で約 4 0 m P a · s の低粘度が得られる。

試みにポ リ ビュルアルコ ールの添加量のみを変えた本実施 例の硬質無焼成マイ 力テープ 7 1 を導体 2 2 の周囲に複数層 卷回 して例えば厚さ 5 m mの絶縁層 8 を形成する。 マイ カテ ープ 7 1 に よ り 絶縁層 8 を形成 した導体 2 2 を、 真空タ ンク 内で減圧 した後に、 前記含浸樹脂を送 り 込み、 例えば 0 . 7 M P a に加圧する。

含浸樹脂の含浸が完了する ま での時間 と含浸後に、 例えば 0 . 5 M P a の圧力の熱プ レ ス で成形 した と き 、 絞 り 出 さ れ た樹脂中に含まれる無機粉体の重量と を測定 した。

図 4 及び図 5 は、 測定結果を示すグラ フである。

図 4 のグラ フ力 ら分る よ う に、 ポ リ ビニルアルコールの添 加量が 5 重量。 /₀を超え る と 、 含浸時間が急激に長 く なる。 こ れはポ リ ビュルアル コ ールが糊膜を形成 し、 含浸樹脂の含浸 を阻害する か ら である。

ま た、 図 5 の グラ フ力 ら分る よ う に、 ポ リ ビュルアルコ ー ルの添加量が 0 . 5 重量％以下では、 絶縁層 8 の成形時に熱 プ レス の圧力に よ っ て、 絶縁層 8 から無機粉体 1 4 が流出す る ために、 期待する熱伝導率の改善効果が得 られない。

したがっ て接着剤 1 3 に含まれる糊剤 と して、 ポ リ ビュル アル コ ールを好ま し く は 0 . 5 〜 5 重量。/。 の添加範囲内で添 加 し、 マイ 力 テープ 7 1 に無機粉体 1 4 を担持 させる。 こ の ポ リ ビュルア ル コ ールの添加量お よび担持効果に よ り 含浸樹 脂の含浸時間が長時間化する影響を避けつつ、 絶縁層 8 から の無機粉体 1 4 の流出を阻止する こ と ができ 、 熱伝導率の改 善効果が得 られる。

こ の第 1 の実施例に よれば、 熱プ レス に よ っ て真空加圧含 浸 した樹脂を絞 り 、 絶縁層 8 を最終断面形状に成形 した場合 で も 、 ポ リ ビニルアル コ ールの担持効果に よ り 絶縁層 8 か ら 無機粉体 1 4 が流出する こ と がない。

したがっ て絶縁層 8 の熱伝導率が改善され、 副次的にマイ 力テープを巻き付け る と き の無機粉体 1 4 の脱落も減少でき る。 ま たポ リ ビニルアル コ ールの添加量が適切なため、 樹脂 の含浸時間が長時間化する影響を小 さ く 抑える こ と ができ る。

さ ら に、 固定子コ ィ ノレを固定子鉄心のス ロ ッ ト に収納 した 固定子 と する こ と に よ り 、 導体か ら冷却気体への熱伝導性が 高め られ、 固定子コ イ ルの温度上昇を抑制でき る。 これ と と も に機器の小型化に も寄与でき る。

次に第 2 の実施例について説明する。

第 2 の実施例では、 糊剤 と して用い られる必須成分のポ リ ビュル系高分子剤 と して、 ポ リ ビュルァセタ ール類の一種で ある ポ リ ビニルプチラールを例えば 3 重量％含んだ接着剤 1 3 を用いる。 こ の接着剤 1 3 に よ る硬質無焼成マイ 力テープ 7 1 を導体 2 2 の周囲に複数層卷回する。 硬質無焼成マイ 力 テープ 7 1 は補強ガ ラ ス布 6 に窒化ボ 口 ン粒子の無機粉体 1 4 を担持 してな る。 上記接着剤 1 3 と しては、 ポ リ ビュルプチラールの他に、 エポキ シ樹脂 （例えば、 油化シェ ル社ェ ピコ一 ト 8 2 8 ま た は 1 0 0 1 ) の組成物が用い られる。

固定子 コ イ ル 2 は、 マ イ 力 テープ 7 1 の巻回層内に熱硬化 性樹脂を真空加圧含浸 した後に、 例えば 0 . 5 M P a の圧力 の熱プ レス に よ り 最終断面形状に成形 しなが ら加熱硬化する。 こ の熱硬化性樹脂 と マイ 力 テープ 7 1 の加熱硬化に よ り 導体 2 2 の周囲に絶縁層 8 を形成する。

含浸樹脂 と しては、 特開平 1 1 — 3 4 5 7 3 3 号公報に開 示 されている好ま し く は 4 5 重量％の脂環式エポキシ化合物、 4 0 重量％ の酸無水物硬化剤、 1 5 重量％ の反応性希釈剤の 組成物が用い られる。 こ の含浸樹脂は室温で約 3 0 m P a · s の低粘度が得 られる。

こ の よ う な第 2 の実施例に よ って も 、 第 1 の実施例 と 同様 の実施効果が得 られる。

次に第 3 の実施例について説明する。

第 3 の実施例では、 糊剤 と して用い られる必須成分のポ リ ビュル系高分子剤 と して、 ポ リ ビエルァセ タ ール類の一種で ある ポ リ ビエル フ ォ ルマールを例えば 3 重量％含んだ接着剤 1 3 を用いる。 こ の接着剤 1 3 に よ る硬質無焼成マイ カテー プ 7 1 を導体 2 2 の周囲に複数層卷回する。 硬質無焼成マイ 力テープ 7 1 は、 補強ガラ ス布 6 に窒化アル ミ ニ ウ ム粒子の 無機粉体 1 4 を担持 してなる。

上記接着剤 1 3 と しては、 ポ リ ビニル フ ォ ルマ ールの他に エポキシ樹脂 （例えばシ ェ ル化学社ェ ピコ一 ト 8 2 8 ま たは 1 0 0 1 ) の組成物が用い られる。

固定子 コ ィ ノレ 2 は、 マイ 力 テープ 7 1 の卷回層内に熱硬化 性樹脂を真空加圧含浸 した後に、 0 . 5 M P a の圧力の熱プ レ ス に よ り 最終断面形状に成形 しなが ら加熱硬化する。 こ の 熱硬化性樹脂 と マイ 力 テープ 7 1 の加熱硬化に よ り 導体 2 2 の周囲に絶縁層 8 を形成する。

含浸樹脂 と しては、 第 2 の実施例 と 同 じ く 好ま し く は 4 5 重量％の脂環式エポキシ化合物、 4 0 重量％の酸無水物硬化 剤、 1 5 重量％の反応性希釈剤の組成物が用い られる。 含浸 樹脂は、 室温で約 3 0 m P a · s の低粘度が得 られる。

こ の よ う な第 3 の実施例に よ っ て も 、 第 1 の実施例 と 同様 の効果が得 られる。

第 1 〜第 3 の実施例では、 無機.粉体 1 4 と して酸化アル ミ ニ ゥ ム （ A 1 ₂〇 ₃ ) 、 または窒化ボ ロ ン （ B N ) 、 または窒 化アル ミ ニ ウ ム （ A 1 N ) を用いる場合について述べた。 無 機粉体 1 4 は （ A 1 ₂0₃) ( B N ) ( A 1 N ) 以外に、 酸化 ベ リ リ ウ ム （ B e 〇） 、 酸化マ グネ シウム （ M g O ) 、 およ び炭化珪素 （ S i C ) のいずれか 1 種、 又は 2 種以上を用い た も の で も よ い。

また、 接着剤に含まれる糊剤 と して、 ポ リ ビュルアル コ ー ル、 ポ リ ビ二ルブチ ラ ール、 ま たはポ リ ビニ ノレ フ オ ノレマ ール の中の一 ^ ^の成分を用いた。 糊剤は、 ポ リ ビニルアル コ ール、 ポ リ ビ二ルブチラール、 またはポ リ ビュルフ ォノレマールの中 の少な く と も 二つの成分を用いて も よ い。 いずれに して も糊 剤にはポ リ ビニル系の高分子の成分を用いる。 マ イ 力 テープ 7 1 は第 1 〜第 3 の実施例に限定されない。 勿論マイ 力テープ 7 1 は回転電機の回転子コ イ ルの絶縁成形 に実施でき る。

マイ 力テープ 7 1 は、 テープ状の も のだけでな く シー ト 状 に形成 したマイ カ シ一 ト 7 2 も含む。

以上の よ う に、 マイ 力テープ 7 1 (マ イ 力 シー ト 7 2 ) に 高熱伝導性の無機粉体 1 4 を配置 し、 かつそ の無機粉体 1 4 を前記含浸樹脂に不溶な糊剤を含んだ接着剤 1 3 によ っ てマ イ カテープ 7 1 ( 7 2 ) に担持 した。 したがっ て熱プ レ ス を 用いて含浸 した樹脂を絞 り 、 絶縁層 8 を最終断面形状に成形 する プ ロ セ ス において も、 糊剤の担持効果に よ り 無機粉体 1 4 の流出がない。 こ の た め絶縁層 8 の熱伝導率の改善効果が 顕著であ り 、 かつ糊剤が含浸時間に及ぼす影響を小さ く 抑え る こ と ができ る。

なお、 こ の実施例のマイ 力テープ 7 1 (マイ 力 シー ト 7 2 ) において、 マイ カペーパ 5 と組み合わされる補強基材は、 補強ガラ ス布 6 に限 ら ない。 マイ 力テープ 7 1 (マイ カ シー ト 7 2 ) の補強基材と しては、 ポ リ エステルク ロ ス， ァ ラ ミ ドク ロ ス ， ァノレ ミ ナク ロ ス な ど、 ク ロ ス状の基材であればよ レヽ

産業上の利用可能性

熱伝導性を十分に改善 した固定子コ イ ルに よ っ て、 高効率 の回転電機を実現する。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 複数の平角素線を束ねて レ ーベル転位させなが ら コ イ ル 状に集積 した導体と 、

こ の導体の外周に複数層卷回 され、 マイ カペーパ と 補強ク ロ ス材カゝ ら構成 されるマイ 力テープと 、

こ のマイ 力テープの各卷回層間に樹脂を含浸硬化 させて形 成 された絶縁層 と 、

前記マイ 力テープに前記含浸樹脂に不溶な糊剤を成分 と し て含有する接着剤に よ っ て担持 された無機粉体と 、

を備えた回転電機の コィ ノレ。

2 . 複数の平角素線を束ねて レ ーベル転位させなが ら コ イ ル 状に集積 した導体 と 、

こ の導体の外周に複数層卷回 され、 マイ カペーパ と 補強ク ロ ス材カゝ ら構成 されるマイ 力テープと 、

こ のマイ 力テープの各卷回層間に樹脂を含浸硬化 させて形 成された絶縁層 と 、

前記マイ 力テープの補強ク ロ ス材に対 し前記含浸樹脂に不 溶な糊剤を成分 と して含有する接着剤に よ っ て担持された無 機粉体と 、

を備えた回転電機の コイ ル。

3 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記接着剤に含有する糊剤は、 ポ リ ビニル系の高分子であ る。

4 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ ィ ノレにおいて、 前記接着剤に含有する糊剤は、 前記接着剤に対 して 0 . 5 〜 5 重量％である。

5 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記接着剤に含有する糊剤は、 ポ リ ビニル系の高分子であ り 、

前記ポ リ ビニル系の高分子は、 前記接着剤に対 して 0 . 5 〜 5 重量。 /。である。

6 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記無機粉体は、 酸化アル ミ ニ ウ ム （ A 1 ₂ O ₃) 、 酸化べ リ リ ウ ム （ B e 〇） 、 酸化マ グネシウム （M g 〇） 、 窒ィ匕ァ ル ミ ニ ゥ ム （ A 1 N ) 、 窒化ボ ロ ン （ B N ) および炭化珪素 ( S i C ) の少な く と も 1 種を含む。

7 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記接着剤に含まれる糊剤は、 ポ リ ビニルアル コ ールであ る。

8 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記接着剤に含有する糊剤は、 ポ リ ビニルアル コ ールであ り 、

前記ポ リ ビニルアル コ ールは、 前記接着剤に対 して 0 . 5 〜 5 重量％である。

9 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおいて、 前記接着剤に含まれる糊剤は、 ポ リ ビニルアルコールと ァ ルデ ヒ ド と の縮重合体で、 その分子内にァセ タール結合を有 する ポ リ ビニルァセ タ ールであ る。

1 0 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおい て、 前記接着剤に含有する糊剤は、 ポ リ ビニルアル コ ール と ァ ルデ ヒ ド と の縮重合体で、 その分子内にァセ タール結合を有 する ポ リ ビニルァ セ タ ーノレであ り 、

前記ポ リ ビエルァセ タ ールは、 前記接着剤に対 して 0 . 5 〜 5 重量。んであ る。

1 1 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおい て、

前記接着剤に含まれる糊剤は、 ポ リ ビュルアル コ ール類、 ま たはポ リ ビニルァセ タ ール類の少な く と も一種を含む。

1 2 . 請求項 1 又は請求項 2 記載の回転電機の コ イ ルにおい て、

前記接着剤に含有する糊剤は、 ポ リ ビニルアル コ ール類、 ま たはポ リ ビニルァセ タ ール類の少な く と も一種を含み、

前記糊剤は、 前記接着剤に対 して 0 . 5 〜 5 重量。 /。であ る。

1 3 . 回転電機の コ ィ ノレの絶縁に用い られる マイ 力テープに おいて、

マ イ カぺ ¹ ~ ノヽ と 、

こ のマ イ カ ペーノ の補強ガ ラ ス布 と 、

こ の補強ガ ラ ス布に含浸樹脂に不溶な糊剤を必須成分 と し て含む接着剤を用いて担持さ れた無機粉体 と 、

を備えたマイ 力 テープ。

1 4 . 請求項 1 3 記載のマイ 力テープにおいて、

前記接着剤はポ リ ビニル系高分子であ り 、

前記無機粉体は酸化アル ミ ニ ゥ ム粒子であ る。

1 5 . 請求項 1 3 記載のマイ 力テープにおいて、 前記接着剤はポ リ ビニル系高分子であ り 、

前記無機粉体は窒化ボ 口 ン粒子である。

1 6 . 回転電機の コ イ ルの絶縁に用い られる マイ 力 シー ト に おいて、

マイ カペーパ と 、

こ のマ イ カ ペーノ、。の補強ガ ラ ス布 と 、

こ の補強ガラ ス布に含浸樹脂に不溶な糊剤を必須成分 と し て含む接着剤を用いて担持された無機粉体 と 、

を備えたマイ カ シー ト。

1 7 . 請求項 1 6 記載のマイ 力 シー ト において、

前記接着剤はポ リ ビニル系高分子であ り 、

前記無機粉体は酸化アル ミ ニ ゥ ム粒子であ る。

1 8 . 請求項 1 6 記載のマイ 力 シー ト において、

前記接着剤はポ リ ビニル系高分子であ り 、

前記無機粉体は窒化ボ 口 ン粒子である。