JPH11345733A - 電気絶縁コイルの製造方法 - Google Patents
電気絶縁コイルの製造方法Info
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- JPH11345733A JPH11345733A JP15035798A JP15035798A JPH11345733A JP H11345733 A JPH11345733 A JP H11345733A JP 15035798 A JP15035798 A JP 15035798A JP 15035798 A JP15035798 A JP 15035798A JP H11345733 A JPH11345733 A JP H11345733A
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Abstract
加圧成形硬化工程を採ることができ、しかも硬化後に極
めて良好な耐熱性、機械的特性、電気絶縁特性等を示
す、信頼性の高い電気絶縁コイルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の電気絶縁コイルの製造方法は、
絶縁被覆が施された素線束上に、集成マイカ 100重量%
に対して、芳香族ポリアミドのパルプ状繊維 3〜5重量
%を混合抄造したマイカテープを、多重巻回してコイル
を形成する工程と、この工程で形成されたコイルを鉄心
に収納結線した後、鉄心ごとコイルに、Naイオン成分
の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、酸
無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブチ
ルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂
を、真空加圧含浸する工程と、含浸樹脂を加熱硬化させ
る工程とを備えている。
Description
製造方法に係わり、特に回転電機に使用する電気絶縁コ
イルを真空加圧含浸により絶縁処理する製造方法に関す
る。
ない、電動機や発電機などの回転電機に使用するコイル
の絶縁には、高い耐熱性と高い電気的および機械的強度
が要求されるようになっている。
ては、従来から真空加圧含浸方式が採用されている。こ
の方式では、絶縁被覆が施された素線束上に、マイカシ
ートまたはテープを巻回してコイルを形成した後、全体
を真空乾燥して溶剤、水分等を揮散させ、次いでコイル
1本ごとに、あるいはコイルを鉄心に収納結線した後鉄
心ごと、絶縁層の空隙部に、ポリエステル樹脂やエポキ
シ樹脂のような無溶剤タイプの含浸樹脂を真空・加圧含
浸し、その後樹脂を加熱硬化させることが行なわれてい
る。
および各種絶縁ワニスが焼付けされたガラス巻線が使用
されている。また、耐熱性や絶縁破壊特性等の向上のた
めに、マイカテープを巻回したマイカ巻線やポリイミド
フィルム巻線等が提案されている。
マイカを、ガラス繊維や有機繊維からなる織布や不織
布、あるいは有機高分子フィルム(例えばポリエステル
フィルム)などの基材に、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂等の接着剤により貼り合わせたも
のである。集成マイカには、単に水でマイカ細片を抄造
しただけの硬質焼成集成マイカおよび硬質無焼成集成マ
イカが用いられており、硬質焼成集成マイカは無焼成の
ものより、絶縁破壊特性は良好であるが含浸性が劣って
いる。そのため、マイカテープが多重巻きされ含浸性が
要求される高電圧機器には、硬質無焼成集成マイカが用
いられ、比較的巻回数の少ない高電圧機器には、硬質焼
成集成マイカが用いられている。また、これらの機械的
強度、耐熱性および含浸性を向上させるために、アラミ
ッドのような芳香族ポリアミドのフィブリッド(単繊
維)を集成マイカに混合して抄造(特公昭43-20421号、
特公平1-47002号公報記載)したり、ガラス短繊維を集
成マイカに混合して抄造(特開平 7-84063号公報記載)
することが提案されている。
脂としては、熱的、化学的特性および電気的、機械的特
性のバランスが優れているエポキシ系樹脂が用いられて
いる。さらに、マイカテープの接着剤に、耐熱性を付与
するために、予め硬化促進剤を添加しておく方法も提案
されている。具体的には、硬化促進剤として、アルミニ
ウムトリアセチルアセトネートのようなアルミニウム化
合物、加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、ヒドロ
キシル基を含有するシラン化合物を使用し、これらの硬
化促進剤をマイカテープの接着剤中に添加しておく(特
公昭 60-5210号、特公昭61-59644号公報記載)か、ある
いはコイル導体にマイカテープを巻回後、硬化促進剤の
溶液を浸み込ませて乾燥しておき、このようなマイカテ
ープに含浸樹脂を含浸し加熱硬化させるという方法が提
案されている。
エポキシ系樹脂が用いられているが、エポキシ系樹脂の
種類は広範囲に亘るため、硬化剤、硬化促進剤等の単な
る特性面だけの組み合わせでは、コイルの製造工程に好
適した信頼性の高い品質の良好な含浸樹脂を得ることが
難しかった。例えば、硬化剤として酸無水物を用いる
と、エポキシ系樹脂の低粘度化を図ることができるうえ
に、電気的、機械的特性の良好な絶縁コイルを得ること
ができる。そして、このような酸無水物硬化系のエポキ
シ系含浸樹脂は、低粘度のために可使時間は長いもの
の、硬化の際に比較的高い温度と長い時間とを必要とす
るため、通常硬化促進剤が配合されている。
接添加すると、含浸樹脂の粘度が上昇し、高粘度の含浸
樹脂におけるように、貯蔵期間が短くなってしまう。特
に、電気絶縁コイルの絶縁層への樹脂の含浸は、含浸樹
脂を満たしたタンクに絶縁コイルを入れて含浸し、含浸
が終了すると別の絶縁コイルを入れて含浸させるという
ように、含浸樹脂は何度も繰り返して使用されるため、
含浸樹脂として貯蔵期間の長いものが望まれている。し
たがって、硬化促進剤として、含浸樹脂の貯蔵期間に影
響を与えない潜在性のものが種々検討されている。
例えば、第4級ホスホニウム系化合物、イミダゾール系
化合物、3フッ化ホウ素アミン系化合物、第3級アミン
とエポキシとの付加反応生成物、テトラフェニルボロン
錯体、および金属アセチルアセトネート等、種々のもの
が知られている。
ための他の手段として、硬化促進剤をマイクロカプセル
化して、含浸樹脂中に分散させることが提案されてい
る。このような含浸樹脂では、所定の温度以上に加熱す
ることによってはじめて硬化促進剤が機能し、硬化反応
が促進される。またさらに、含浸樹脂の粘度を下げる目
的で、エポキシ系反応性希釈剤(例えば、ブチルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等)を少量添
加する方法も提案されている。
性を重視した電気機器の絶縁コイルの製造では、絶縁層
の耐熱性を向上させるために、比較的高粘度の含浸樹脂
が用いられており、マイカテープへの樹脂の含浸性を高
めるために、通常、含浸樹脂を加熱し粘度を下げて含浸
作業を行なっているが、含浸樹脂を加熱すると、貯蔵期
間(含浸樹脂の使用時間)が短くなるという問題を生じ
ていた。
系含浸樹脂は、低粘度で可使時間は長いものの、硬化の
際に比較的高い温度と長い時間とを必要とするため、通
常硬化促進剤が配合されているが、硬化促進剤を含浸樹
脂に直接添加すると、含浸樹脂の粘度が上昇し、高粘度
の含浸樹脂におけるように、貯蔵期間が短くなってしま
うという問題があった。
めに提案された、マイクロカプセル化して含浸樹脂中に
分散させる硬化促進剤は、一定の粒径を有しているた
め、絶縁層が厚い場合には、マイクロカプセルが絶縁層
内部にまで十分に浸透しないおそれがあった。そしてそ
の場合には、絶縁層の内部における硬化促進剤が不足す
るので、加熱硬化時に硬化不良を起こし、はなはだしい
場合には含浸樹脂が発泡してしまい、得られる硬化物の
電気特性が極めて劣悪なものとなっていた。
シ樹脂等の熱硬化性樹脂は、加熱硬化の際の温度上昇に
よって、一時的に粘度が低下するという粘度特性を有し
ているので、コイルの絶縁層に含浸樹脂を含浸させた
後、コイルを含浸タンクから取り出し、恒温槽内で加熱
処理を施すことにより含浸樹脂を硬化する過程におい
て、絶縁層に浸透した含浸樹脂が硬化前に流出してしま
うという問題があった。そして、このような含浸樹脂の
流出により、緻密な絶縁層の形成が困難になるばかりで
なく、絶縁層内部にボイドが生じ、コロナ特性等の電気
特性やコイルの熱放散が著しく低下してしまうという問
題があった。
コイルを製造する際に用いられる含浸樹脂には、多くの
特性が要求され、特に電気機器の生産効率を向上させる
ために、優れた含浸性と短時間硬化性を有し、かつ特性
の良好な絶縁層が形成可能であることが要求されている
が、これら全てを兼ね備えた含浸樹脂は、未だ得られて
いないのが現状であった。
で、長期貯蔵安定性、短時間硬化性および高い含浸性を
備えた含浸樹脂と、絶縁被覆素線と、マイカテープとを
効果的に組み合わせて構成することにより、多重回巻き
の高電圧機器にも適し、安定した加圧成形硬化工程を採
ることができ、しかも硬化後に極めて良好な耐熱性、機
械的特性および電気絶縁特性等を示す、信頼性の高い電
気絶縁コイルの製造方法を提供することを目的とする。
絶縁コイルの製造方法は、絶縁被覆が施された素線束上
に、集成マイカ 100重量%に対して、芳香族ポリアミド
のパルプ状繊維 3〜 5重量%を混合抄造したマイカテー
プを、多重巻回してコイルを形成する工程と、前記工程
で形成されたコイルを鉄心に収納結線した後、この鉄心
ごと前記コイルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以下
である脂環式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基を
有するアルミニウム化合物と、ブチルグリシジルエーテ
ルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸する
工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備えた
ことを特徴とする。
方法は、エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミニウム
化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とを
それぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、集成マイ
カ 100重量%に対して、芳香族ポリアミドのパルプ状繊
維 3〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、絶縁被
覆が施された素線束上に多重巻回してコイルを形成する
工程と、前記工程で形成されたコイルを鉄心に収納結線
した後、この鉄心ごと前記コイルに、Naイオン成分の
濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、酸無
水物と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブチル
グリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、
真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させ
る工程とを備えたことを特徴とする。
方法は、絶縁被覆が施された素線束上に、集成マイカ 1
00重量%に対して、無機のガラス短繊維 1〜15重量%を
混合抄造したマイカテープを、多重巻回してコイルを形
成する工程と、前記工程で形成されたコイルを鉄心に収
納結線した後、この鉄心ごと前記コイルに、Naイオン
成分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物
と、酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物
と、ブチルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含
浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加
熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする。
方法は、エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミニウム
化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とを
それぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、集成マイ
カ 100重量%に対して、無機のガラス短繊維 1〜15重量
%を混合抄造したマイカテープを、絶縁被覆が施された
素線束上に多重巻回してコイルを形成する工程と、前記
工程で形成されたコイルを鉄心に収納結線した後、この
鉄心ごと前記コイルに、Naイオン成分の濃度が30ppm
以下である脂環式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機
基を有するアルミニウム化合物と、ブチルグリシジルエ
ーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸
する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備
えたことを特徴とする。
方法は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の電気絶縁
コイルの製造方法において、絶縁被覆が施された素線
が、マイカ微細粒子と合成パルプと含む集成マイカと補
強材との積層体であって、前記マイカ微細粒子相互およ
び前記集成マイカと前記補強材とが、前記合成パルプの
溶融固化物により接着された絶縁テープを、導体上に巻
回することにより形成されたものであることを特徴とす
る。
方法は、絶縁被覆が施された素線束上に、硬質無焼成集
成マイカテープを多重巻回してコイルを形成する工程
と、前記工程で形成されたコイルに、Naイオン成分の
濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、酸無
水物と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブチル
グリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、
真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させ
る工程とを備えたことを特徴とする。
方法は、エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミニウム
化合物と、ヒドロキシル基を有するシラン化合物とをそ
れぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有する硬質無焼成
集成マイカテープを、絶縁被覆が施された素線束上に多
重巻回してコイルを形成する工程と、前記工程で形成さ
れたコイルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以下であ
る脂環式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基を有す
るアルミニウム化合物と、ブチルグリシジルエーテルと
をそれぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸する工程
と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備えたこと
を特徴とする。
方法は、絶縁被覆が施された素線束上に、硬質無焼成集
成マイカ 100重量%に対して、無機のガラス短繊維 0.1
〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、多重巻回し
てコイルを形成する工程と、前記工程で形成されたコイ
ルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以下である脂環式
エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基を有するアルミ
ニウム化合物と、ブチルグリシジルエーテルとをそれぞ
れ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前記
含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備えたことを特徴と
する。
方法は、エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミニウム
化合物と、ヒドロキシル基を有するシラン化合物とをそ
れぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、硬質無焼成
集成マイカ 100重量%に対して、無機のガラス短繊維
0.1〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、絶縁被
覆が施された素線束上に多重巻回してコイルを形成する
工程と、前記工程で形成されたコイルに、Naイオン成
分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、
酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブ
チルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂
を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化
させる工程とを備えたことを特徴とする。
の製造方法においては、含浸樹脂として、イオン成分特
にNaイオン成分の濃度が30ppm 以下に調整された高純
度の脂環式エポキシ化合物と、この脂環式エポキシ化合
物と反応性の良い酸無水物硬化剤とを、適宜組み合わせ
て使用することにより、長期貯蔵安定性が良く、電気的
・機械的特性および耐熱性のバランスがとれた硬化物を
得ることができる。
は、硬化促進剤として作用するものであり、ブチルグリ
シジルエーテルは、反応性の希釈剤としての作用を有す
るものである。したがって、前記した脂環式エポキシ化
合物と酸無水物硬化剤に、有機基を有するアルミニウム
化合物とブチルグリシジルエーテルとをそれぞれ配合す
ることにより、長期貯蔵安定性、短時間硬化性および高
含浸性を備え、硬化後に極めて良好な耐熱性や機械的特
性および電気絶縁特性を示す含浸樹脂を得ることができ
る。
して、芳香族ポリアミドのパルプ状繊維 3〜5wt%を混合
抄造したマイカテープは、芳香族ポリアミドのパルプ状
繊維がマイカ細片間に配置されてマイカ細片を捕捉する
ため、単に水でマイカ細片を抄造しただけの集成マイカ
テープに比べて、機械的強度、耐熱性および含浸性など
に優れた絶縁を実現することができる。
絶縁被覆が施された素線束上に、前記した芳香族ポリア
ミドのパルプ状繊維を混合抄造したマイカテープを、多
重巻回したコイルを、鉄心に収納結線した後、この鉄心
ごとコイルに、前記した含浸樹脂を真空加圧含浸処理
し、次いで含浸樹脂を加熱硬化させることにより、極め
て良好な耐熱性、機械的特性および電気絶縁特性を示
す、品質が良好で信頼性の高い電気絶縁コイルを製造す
ることができる。
シ樹脂と、硬化促進剤として作用する有機基を有するア
ルミニウム化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ素
化合物とをそれぞれ必須成分として含む樹脂組成物を、
マイカテープの接着剤として使用している。そして、絶
縁被覆が施された素線束上に、前記樹脂組成物を接着剤
として用い前記芳香族ポリアミドのパルプ状繊維を混合
抄造したマイカテープを、多重巻回してコイルを形成
し、このコイルを鉄心に収納結線した後、鉄心ごとコイ
ルに前記含浸樹脂を真空加圧含浸処理し、次いで樹脂を
加熱硬化させることにより、前記した有機基を有するア
ルミニウム化合物と加水分解性基を有する有機ケイ素化
合物とが、著しい硬化促進作用を示すため、あまり高く
ない温度で短時間で硬化して、極めて良好な耐熱性と機
械的特性および電気絶縁特性を示す、品質が良好で信頼
性の高い電気絶縁コイルを製造することができる。
ラス短繊維 1〜 15wt%を混合抄造したマイカテープは、
マイカ細片間にガラス短繊維が配置され、このガラス短
繊維によりマイカ細片間に連続した一定長さの隙間が生
じるため、樹脂がマイカ細片間に浸透しやすくなり、含
浸性が向上する。そのため、含浸時間の短縮、低粘度含
浸および絶縁層の厚い高電圧用絶縁コイルへの含浸が、
それぞれ可能となる。
絶縁被覆が施された素線束上に、前記した無機ガラス短
繊維を混合抄造したマイカテープを多重巻回したコイル
を、鉄心に収納結線した後、この鉄心ごとコイルに、前
記含浸樹脂を真空加圧含浸処理し、次いで加熱硬化させ
ることにより、絶縁厚の厚いものまで含浸可能で、多重
回巻きの高電圧機器にも好適しており、硬化後極めて良
好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特性を示す、品
質が良好で信頼性の高い電気絶縁コイルを製造すること
ができる。
2の発明と同様に、マイカテープの接着剤として、エポ
キシ樹脂と、硬化促進剤として作用する有機基を有する
アルミニウム化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ
素化合物とをそれぞれ必須成分とする樹脂組成物を使用
している。そして、絶縁被覆が施された素線束上に、前
記樹脂組成物を接着剤として用い前記無機ガラス短繊維
を混合抄造したマイカテープを、多重巻回したコイル
を、鉄心に収納結線した後、この鉄心ごとコイルに、前
記含浸樹脂を真空加圧含浸処理し、次いで加熱硬化させ
ることにより、絶縁厚の厚いものまで含浸可能で、多重
回巻きの高電圧機器にも好適しており、かつ前記した有
機基を有するアルミニウム化合物と加水分解性基を有す
る有機ケイ素化合物とが、著しい硬化促進作用を示すた
め、あまり高くない温度で短時間で硬化し、硬化後、極
めて良好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特性を示
す、信頼性の高い電気絶縁コイルを製造することができ
る。
を含む集成マイカと補強材との積層体であって、マイカ
微細粒子相互および集成マイカと補強材とが、前記合成
パルプの溶融固化物により接着された絶縁テープは、接
着剤を用いることなく、マイカに混抄された合成パルプ
を加熱溶融するだけで貼り合わせることができるので、
素線へのテーピング時にマイカの剥離や飛散がなく、樹
脂の含浸性や絶縁耐力および耐熱性に優れている。すな
わち、耐熱性や絶縁破壊特性の向上等を目的に、集成マ
イカをポリエステルフィルム等の基材にエポキシ樹脂、
シリコーン樹脂等の接着剤により貼り合わせたマイカテ
ープを用いたマイカ巻線では、接着剤の塗布量の多少に
より、樹脂の含浸性や素線へのテーピング時のマイカの
剥離や飛散、およびマイカの貼り込み量が制限を受け
る。しかし、前記した絶縁テープでは、接着剤が一切使
用されていないので、樹脂の含浸性や絶縁耐力および耐
熱性に優れてる。
請求項1乃至4の電気絶縁コイルの製造方法において、
絶縁被覆が施された素線として、前記した絶縁テープが
巻回された素線が使用されているので、樹脂の含浸性に
優れ、しかも極めて良好な耐熱性と機械的特性および電
気絶縁特性を示す、品質の良好な信頼性の高い電気絶縁
コイルを製造することができる。
された素線束上に、硬化無焼成集成マイカテープを多重
巻回したコイルに、前記した含浸樹脂を真空加圧含浸処
理した後、加熱硬化させることにより、極めて良好な耐
熱性と機械的特性および電気絶縁特性を示す、品質の良
好な信頼性の高い電気絶縁コイルを製造することができ
る。
覆が施された素線束上に、エポキシ樹脂と有機基を有す
るアルミニウム化合物とヒドロキシル基を有するシラン
化合物とを必須成分とする樹脂組成物を、接着剤として
用いた硬質無焼成集成マイカテープを、多重巻回してコ
イルを形成し、このコイルに前記含浸樹脂を真空加圧含
浸処理した後、加熱硬化させることにより、有機基を有
するアルミニウム化合物と加水分解性基を有する有機ケ
イ素化合物とがそれぞれ著しい硬化促進作用を示すた
め、あまり高くない温度で短時間で硬化して、極めて良
好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特性を示す、品
質の良好な信頼性の高い電気絶縁コイルを製造すること
ができる。
被覆が施された素線束上に、硬質無焼成集成マイカ100w
t%に対して無機のガラス短繊維 0.1〜5wt%を混合抄造し
たマイカテープを、多重巻回してコイルを形成し、この
コイルに前記含浸樹脂を真空加圧含浸処理した後、加熱
硬化させることにより、極めて良好な耐熱性と機械的特
性および電気絶縁特性を示す、品質の良好な信頼性の高
い電気絶縁コイルを製造することができる。なお、硬質
無焼成集成マイカにガラス短繊維を混合抄造すること
で、マイカ細片間にガラス短繊維が配置され、このガラ
ス短繊維によりマイカ細片間に連続した一定長さの隙間
が生じるため、樹脂がマイカ細片間に浸透しやすくな
り、含浸性が向上する。そのため、含浸時間の短縮、低
粘度含浸および絶縁層の厚い高電圧用絶縁コイルへの含
浸が、それぞれ可能となる。
絶縁被覆が施された素線束上に、エポキシ樹脂と有機基
を有するアルミニウム化合物とヒドロキシル基を有する
シラン化合物とを必須成分とする樹脂組成物を接着剤と
して用い、硬質無焼成集成マイカに無機ガラス短繊維を
混合抄造したマイカテープを、多重巻回してコイルを形
成し、このコイルに前記含浸樹脂を真空加圧含浸処理し
た後、加熱硬化させることにより、絶縁厚の厚いものま
で含浸可能で、多重回巻きの高電圧機器にも好適し、か
つ有機基を有するアルミニウム化合物と加水分解性基を
有する有機ケイ素化合物とがそれぞれ著しい硬化促進作
用を示すため、あまり高くない温度で短時間で硬化し
て、極めて良好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特
性を示す、品質の良好な信頼性の高い電気絶縁コイルを
製造することができる。
イオン成分特にNaイオン成分の濃度が 30ppm以下に調
整された高純度の脂環式エポキシ化合物として、セロキ
サイド 2021P(ダイセル化学株式会社の商品名)、ビス
フェノ一ルF形エポキシ樹脂のエピコート 806(油化シ
ェル株式会社の商品名)、酸無水物硬化剤として、常温
液体で耐熱性に優れ低粘度である QH200(日本ゼオン株
式会社の商品名)と MH700(新日本理化株式会社の商品
名)、および硬化促進剤として、有機基を有するアルミ
ニウム化合物てあるアルミニウムトリスアセチルアセト
ナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート
(いずれも川研ファインケミカル株式会社製)と 2E4MZ
(四国化成工業株式会社の商品名)、反応性の希釈剤と
してブチルグリシジルエーテル(和光純薬株式会社製)
を、それぞれ表1に示す割合で配合し、樹脂組成物(含
浸樹脂A〜D)をそれぞれ調製した。そして、得られた
含浸樹脂の貯蔵安定性、ゲル化時間、電気絶縁性および
粘度を、それぞれ以下に示す方法で調べた。それらの結
果を、表1下欄にそれぞれ示す。
ュー瓶に採取し、30℃で保管して貯蔵安定性を調べた。
なお、貯蔵安定性は、粘度が500cpsに達するまでの時間
(日数)で表わした。
試験管に70± 2mmの深さまで採取し、ガラス棒を挿入し
て、所定の温度の恒温槽内に収納した。ガラス棒を持ち
上げ、試験管がガラス棒とともに容易に持ち上がるよう
になったときを、ゲル化時間とした。
間加熱し硬化させることにより、厚さ 2mmの樹脂板を作
製し、得られた樹脂板の電気絶縁性試験( tanδの測
定)を行なった。
25℃における粘度を測定した。
貯蔵安定性を有しているのに対して、含浸樹脂C、Dで
は、短いもので 3日、最大でも30日を経過すると粘度が
500cpsに達してしまい、貯蔵安定性が不足していること
がわかった。なお、貯蔵安定性が30日である含浸樹脂C
は、ゲル化時間が 180分と著しく長いのに対して、ゲル
化時間が 5分以下と著しく短い含浸樹脂Dの場合は、貯
蔵安定性が極めて悪く、長期にわたる貯蔵安定性と短い
ゲル化時間とを両立させることが不可能であることが、
明確に示されている。それに対して、後述する本発明の
実施例で使用する含浸樹脂A、Bは、前記したように優
れた貯蔵安定性を有しており、しかもゲル化時間はいず
れも80分以下と大幅に短縮されていることがわかった。
また、初期粘度も30cps と、含浸樹脂C、Dの 1/2以下
であり、電気絶縁コイルの製造において、良好な含浸性
を示すことが期待される。
エポキシ化合物として、ERL 4221(U.C.C.社の商
品名)を使用し、表2に示す組成の樹脂組成物(含浸樹
脂E、F、G)を調製し、得られた含浸樹脂の貯蔵安定
性をそれぞれ調べた。結果を、イオン不純物濃度ととも
に表2に示す。
が低いほど、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性がよいこ
とがわかった。
水物硬化剤と硬化促進剤および反応性希釈剤を、それぞ
れ組み合わせて調製することで、長期貯蔵安定性、短時
間硬化性、および高含浸性をそれぞれ備え、硬化後に極
めて良好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特性を示
す含浸樹脂を得ることができる。
て、芳香族ポリアミドのパルプ状繊維5wt%を混合抄造し
たマイカ紙と、ガラス織布とを、エポキシ樹脂系接着剤
(例えば、シェル化学社製のエピコート 828または100
1)で貼り合わせたマイカテープを、マイカ巻線束上に
1/2重ね巻き4回して、コイルを製作した。そして、こ
のコイルを模擬鉄心に入れた後、鉄心ごと含浸タンク内
に入れ、 0.3mmHgで 5時間減圧してから、減圧下で前記
した含浸樹脂Aを送り込み、7kg/cm2 で10時間加圧後含
浸タンクから取り出し、オーブン中において 150℃で 5
時間加熱硬化させて、電気絶縁コイルを得た。
樹脂系接着剤100wt%に対して、有機基を有するアルミニ
ウム化合物であるアルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート3wt%と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合物
であるジフェニルジエトキシラン(東芝シリコーン株式
会社製)4wt%を、それぞれ加えて調製したマイカテープ
を使用し、実施例1と同様にして電気絶縁コイルを製造
した。
の良い繊維径 6μm 、長さ 3mmのガラス短繊維(例え
ば、日本電気硝子株式会社製のECS031-33G)を5wt%の割
合で混合抄造したマイカ紙と、ガラス織布とを、エポキ
シ樹脂系接着剤(例えばエピコート 828または1001)で
貼り合わせたマイカテープを、マイカ巻線束上に 1/2重
ね巻き4回して、コイルを製作した。そして、このコイ
ルを用いて、実施例1と同様にして真空加圧含浸処理を
行ない、電気絶縁コイルを得た。なお、集成マイカに対
するガラス短繊維の混合割合は、混合抄造後のマイカ紙
の段階で、最も集成マイカへのガラス短繊維の分散状態
が均一で、絶縁破壊電圧(BDV)の高い、5wt%とし
た。
樹脂系接着剤100wt%に対して、アルミニウムトリスエチ
ルアセトアセテート3wt%とジフェニルジエトキシラン4w
t%を、それぞれ加えて調製したマイカテープを使用し、
実施例1と同様にして電気絶縁コイルを製造した。
mmのポリプロピレンパルプ(例えば、三井石油化学工業
株式会社製のY600)を5wt%の割合で混合抄造した後、こ
のマイカ紙をポリエステルフィルムの片面に積層し加熱
融着して、ポリプロピレンパルプとポリエステルフィル
ムとを一体化した。そして、こうして得られた絶縁テー
プが巻回された素線束を用いて、実施例1と同様にして
電気絶縁コイルを製造した。
された素線束)を用いて、実施例2と同様にして電気絶
縁コイルを製造した。
して電気絶縁コイルを製造した。
して電気絶縁コイルを製造した。
抄造しただけの硬質焼成集成マイカ紙と、ガラス織布と
を、エポキシ樹脂系接着剤で貼り合わせたマイカテー
プ、および前記した含浸樹脂Cをそれぞれ使用し、実施
例1と同様にして電気絶縁コイルを製造した(比較例
1)。またに、前記した含浸樹脂Cを用いて、実施例2
と同様にして電気絶縁コイルを製造した(比較例2)。
さらに、含浸樹脂Cを使用し、かつ硬化時間を15時間と
した以外は実施例8と全く同様にして、電気絶縁コイル
を製造した(比較例3)。
脂系接着剤(例えば、エピコート 828または1001)で貼
り合わせたマイカテープを、エポキシ樹脂系ワニスが塗
布焼付けされたガラス巻素線束上に 1/2重ね巻き8回し
て、コイルを製作した。このコイルを含浸タンク内に入
れ、 0.3mmHgで 7時間減圧してから、減圧下で前記した
含浸樹脂Aを送り込み、7kg/cm2 で15時間加圧した後、
これを含浸タンクから取り出し、当て金を取り付け熱収
縮ルミラーテープを巻回してから、オーブン中において
150℃で 5時間加熱硬化させて、電気絶縁コイルを得
た。
樹脂系接着剤100wt%に対して、有機基を有するアルミニ
ウム化合物であるアルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート3wt%と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合物
であるジフェニルジエトキシラン4wt%を、それぞれ加え
て調製したマイカテープを使用し、実施例9と同様にし
て電気絶縁コイルを製造した。
性の良い繊維径 6μm、長さ 3mmのガラス短繊維を3wt%
の割合で混合抄造したマイカ紙と、ガラス織布とを、エ
ポキシ樹脂系接着剤で貼り合わせたマイカテープを、エ
ポキシ樹脂系ワニスが塗布焼付けされたガラス巻素線束
上に 1/2重ね巻き8回して、コイルを製作した。そし
て、このコイルを用いて、実施例9と同様にして電気絶
縁コイルを製造した。
シ樹脂系接着剤100wt%に対して、アルミニウムトリスエ
チルアセトアセテート3wt%とジフェニルジエトキシラン
4wt%を、それぞれ加えて調製したマイカテープを使用
し、実施例11と同様にして電気絶縁コイルを製造し
た。
造しただけの硬質無焼成集成マイカ紙と、ガラス織布と
を、エポキシ樹脂系接着剤で貼り合わせたマイカテー
プ、および前記した含浸樹脂Cをそれぞれ使用し、実施
例9と同様にして電気絶縁コイルを製造した(比較例
4)。さらに、含浸樹脂Cを用いて、実施例12と同様
にして電気絶縁コイルを製造した(比較例5)。
5でそれぞれ得られた電気絶縁コイルの電気的絶縁特性
を評価するため、温度− tanδ特性、初期および 200℃
で40日間熱劣化させた後の短時間絶縁破壊電圧(BD
V)を、それぞれ測定した。なお、BDVは、油中で 1
kV/secの一定昇圧速度で測定した。また、硬化後の各電
気絶縁コイルの初期断面状態および熱劣化後の外観状態
を、それぞれ目視により観察し、ボイドや剥離等のない
ものを良好とした。これらの測定結果を、表3および表
4にそれぞれ示す。また、温度− tanδ特性の代表的測
定例を、図1に示す。
ルの tanδは、最高で5.2%であり、またいずれも高温に
おける誘電損失が極めて小さく、耐熱性に優れているこ
とがわかった。さらに、実施例で得られた電気絶縁コイ
ルは、いずれも比較例のものより、初期および熱劣化後
の絶縁破壊電圧が高く、電気的特性にも優れていること
がわかった。なお、初期状態でのコイル断面にはボイド
がなく、熱劣化後のコイル表面状態も良好で、剥離や膨
れはなかった。
ープの巻回数を増加し、実施例1〜12および比較例1
〜5でそれぞれ得られる電気絶縁コイルについて、同一
条件での含浸時の静電容量の変化をそれぞれ測定した。
測定結果を表3および表4にそれぞれ示す。また、含浸
時の静電容量の変化の代表的測定例を、図2および図3
にそれぞれ示す。
電気絶縁コイルは、いずれも、含浸時の静電容量が飽和
するまでの時間が比較例のものより早くなっており、特
にガラス短繊維をマイカに混合抄造したマイカテープを
用いた実施例では、単に水でマイカを抄造したマイカテ
ープを用いた比較例のものに比べて、 1/2以下の時間で
含浸できることがわかった。
2および比較例1〜5の電気絶縁コイルを、含浸終了
後、実施例および比較例に記載した加熱条件でそれぞれ
硬化させてから、絶縁層を採取し、ガラス転移温度(T
g)と曲げ強度とをそれぞれ測定した。これらの測定結
果も、表3および表4下欄にそれぞれ示す。なお、ガラ
ス転移温度(Tg)は、TMA(昇温速度 5℃/min)で、
熱膨張係数が変化する点から求めた。また、曲げ強度
は、JIS K-6910試験法に準拠して測定した。
とんどのものでガラス転移温度(Tg)が 100℃以上と、
耐熱性が良好であったのに対して、いずれの比較例で得
られた電気絶縁コイルも、Tgが90℃以下であり、実施例
と同じ 5時間硬化の比較例1、2、4、5については、
35℃以下とTgが低く、未硬化状態であった。また、実施
例の電気絶縁コイルはいずれも、 155℃の高温時の曲げ
強度が50MPa 以上であり、絶縁コイルとして申し分のな
い強度を示した。しかし、比較例3以外の比較例では、
未硬化状態であるため、曲げ強度が15MPa 以下と低かっ
た。
のではなく、含浸樹脂およびマイカテープの接着剤中の
エポキシ樹脂、酸無水物、硬化促進剤の種類や量につい
ては、その要旨を変更しない範囲で、種々組み合わせて
実施できることは勿論である。
高含浸性であまり高くない温度で短時間で硬化し、しか
も長期間保存可能な含浸樹脂と、含浸性や耐熱性および
電気絶縁特性に優れた絶縁被覆素線、並びにマイカテー
プが、効果的に組み合わされて構成されているので、多
重回巻きの高電圧機器にも適し、安定した製造工程(加
圧成形硬化工程)を採ることができる。そして、硬化後
に極めて良好な耐熱性と機械的特性および電気絶縁特性
を示す、品質の優れた信頼性の高い電気絶縁コイルを得
ることができる。
た電気絶縁コイルにおいて、温度− tanδの関係を示す
グラフ。
られる電気絶縁コイルにおいて、含浸工程での静電容量
の変化を示すグラフ。
られる電気絶縁コイルにおいて、含浸工程での静電容量
の変化を示すグラフ。
Claims (9)
- 【請求項1】 絶縁被覆が施された素線束上に、集成マ
イカ 100重量%に対して、芳香族ポリアミドのパルプ状
繊維 3〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、多重
巻回してコイルを形成する工程と、前記工程で形成され
たコイルを鉄心に収納結線した後、この鉄心ごと前記コ
イルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以下である脂環
式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基を有するアル
ミニウム化合物と、ブチルグリシジルエーテルとをそれ
ぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前
記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備えたことを特徴
とする電気絶縁コイルの製造方法。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミ
ニウム化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合
物とをそれぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、集
成マイカ 100重量%に対して、芳香族ポリアミドのパル
プ状繊維 3〜5重量%を混合抄造したマイカテープを、
絶縁被覆が施された素線束上に多重巻回してコイルを形
成する工程と、前記工程で形成されたコイルを鉄心に収
納結線した後、この鉄心ごと前記コイルに、Naイオン
成分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物
と、酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物
と、ブチルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含
浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加
熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする電気絶縁
コイルの製造方法。 - 【請求項3】 絶縁被覆が施された素線束上に、集成マ
イカ 100重量%に対して、無機のガラス短繊維 1〜15重
量%を混合抄造したマイカテープを、多重巻回してコイ
ルを形成する工程と、前記工程で形成されたコイルを鉄
心に収納結線した後、この鉄心ごと前記コイルに、Na
イオン成分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化
合物と、酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合
物と、ブチルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する
含浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を
加熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする電気絶
縁コイルの製造方法。 - 【請求項4】 エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミ
ニウム化合物と、加水分解性基を有する有機ケイ素化合
物とをそれぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、集
成マイカ 100重量%に対して、無機のガラス短繊維 1〜
15重量%を混合抄造したマイカテープを、絶縁被覆が施
された素線束上に多重巻回してコイルを形成する工程
と、前記工程で形成されたコイルを鉄心に収納結線した
後、この鉄心ごと前記コイルに、Naイオン成分の濃度
が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、酸無水物
と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブチルグリ
シジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、真空
加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工
程とを備えたことを特徴とする電気絶縁コイルの製造方
法。 - 【請求項5】 前記絶縁被覆が施された素線が、マイカ
微細粒子と合成パルプと含む集成マイカと補強材との積
層体であって、前記マイカ微細粒子相互および前記集成
マイカと前記補強材とが、前記合成パルプの溶融固化物
により接着された絶縁テープを、導体上に巻回すること
により形成されたものであることを特徴とする請求項1
乃至4のいずれか1項記載の電気絶縁コイルの製造方
法。 - 【請求項6】 絶縁被覆が施された素線束上に、硬質無
焼成集成マイカテープを多重巻回してコイルを形成する
工程と、前記工程で形成されたコイルに、Naイオン成
分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物と、
酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物と、ブ
チルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含浸樹脂
を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化
させる工程とを備えたことを特徴とする電気絶縁コイル
の製造方法。 - 【請求項7】 エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミ
ニウム化合物と、ヒドロキシル基を有するシラン化合物
とをそれぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有する硬質
無焼成集成マイカテープを、絶縁被覆が施された素線束
上に多重巻回してコイルを形成する工程と、前記工程で
形成されたコイルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以
下である脂環式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基
を有するアルミニウム化合物と、ブチルグリシジルエー
テルとをそれぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸す
る工程と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備え
たことを特徴とする電気絶縁コイルの製造方法。 - 【請求項8】 絶縁被覆が施された素線束上に、硬質無
焼成集成マイカ 100重量%に対して、無機のガラス短繊
維 0.1〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、多重
巻回してコイルを形成する工程と、前記工程で形成され
たコイルに、Naイオン成分の濃度が30ppm 以下である
脂環式エポキシ化合物と、酸無水物と、有機基を有する
アルミニウム化合物と、ブチルグリシジルエーテルとを
それぞれ含有する含浸樹脂を、真空加圧含浸する工程
と、前記含浸樹脂を加熱硬化させる工程とを備えたこと
を特徴とする電気絶縁コイルの製造方法。 - 【請求項9】 エポキシ樹脂と、有機基を有するアルミ
ニウム化合物と、ヒドロキシル基を有するシラン化合物
とをそれぞれ必須成分とする樹脂組成物を含有し、硬質
無焼成集成マイカ 100重量%に対して、無機のガラス短
繊維 0.1〜 5重量%を混合抄造したマイカテープを、絶
縁被覆が施された素線束上に多重巻回してコイルを形成
する工程と、前記工程で形成されたコイルに、Naイオ
ン成分の濃度が30ppm 以下である脂環式エポキシ化合物
と、酸無水物と、有機基を有するアルミニウム化合物
と、ブチルグリシジルエーテルとをそれぞれ含有する含
浸樹脂を、真空加圧含浸する工程と、前記含浸樹脂を加
熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする電気絶縁
コイルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15035798A JP2908431B1 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 電気絶縁コイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15035798A JP2908431B1 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 電気絶縁コイルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2908431B1 JP2908431B1 (ja) | 1999-06-21 |
JPH11345733A true JPH11345733A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15495229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15035798A Expired - Lifetime JP2908431B1 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 電気絶縁コイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2908431B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002089296A1 (en) | 2001-04-27 | 2002-11-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Coil of dynamoelectric machine, and mica tape and mica sheet used to insulate this coil |
JP2008016659A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Hitachi Ltd | 永久電流スイッチ、その製造装置及び方法 |
JP2010518549A (ja) * | 2007-01-23 | 2010-05-27 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | マイカ材料中の微細孔の処理 |
JP2011159793A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Murata Mfg Co Ltd | 巻線コイル部品の製造方法 |
-
1998
- 1998-05-29 JP JP15035798A patent/JP2908431B1/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002089296A1 (en) | 2001-04-27 | 2002-11-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Coil of dynamoelectric machine, and mica tape and mica sheet used to insulate this coil |
JP2008016659A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Hitachi Ltd | 永久電流スイッチ、その製造装置及び方法 |
JP2010518549A (ja) * | 2007-01-23 | 2010-05-27 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | マイカ材料中の微細孔の処理 |
JP2011159793A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Murata Mfg Co Ltd | 巻線コイル部品の製造方法 |
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---|---|
JP2908431B1 (ja) | 1999-06-21 |
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