JP2007200986A - 電磁コイル、その製造方法および回転電機 - Google Patents
電磁コイル、その製造方法および回転電機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、高柔軟性である電気絶縁性部材を具備する電磁コイル、その製造方法および回転電機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】導体と前記導体の外周に配置される電気絶縁性部材とからなる絶縁導体を所定形状に賦形してなる電磁コイルにおいて、前記電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物から構成されることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】導体と前記導体の外周に配置される電気絶縁性部材とからなる絶縁導体を所定形状に賦形してなる電磁コイルにおいて、前記電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物から構成されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電磁コイル、その製造方法および回転電機に関する。
従来から、高電圧機器の導体の近傍には、高電圧に耐え得る絶縁部材が使用されている。特に、回転機の絶縁には、エポキシ樹脂やポリエステルをマイカ中に含浸した絶縁部材やアスファルトとマイカを組み合わせた絶縁部材が使用されている。
しかしながら、エポキシ樹脂やポリエステルを用いた絶縁方式は、最大で155℃以下の温度で使用できるが、この温度を超えると絶縁部材が劣化するため、回転機に流す電流はこの条件で制限されるという問題がある。また、アスファルト絶縁は、アスファルトが熱可塑性の絶縁物であるため、発熱/冷却(ヒートサイクル)によって導体が伸縮した際に固定子コイルの端部、すなわち、スロット出口において、絶縁物が薄くなり絶縁破壊を起こす、ガースクラックに伴う絶縁破壊を発生するという問題がある。
このような状況下で、イミド系樹脂や多官能エポキシ樹脂を用いる絶縁方式が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、イミド系樹脂や多官能エポキシ樹脂を用いて耐熱性を改善した絶縁方式では樹脂の特性として絶縁部材が硬くなるため、ヒートサイクルによるコイル導体の伸縮や電磁振動によりクラックが入ることが懸念されるという問題がある。
特開平6−233485号公報
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであって、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、高柔軟性である電気絶縁性部材を具備する電磁コイル、その製造方法および回転電機を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて検討を進めた結果、導体の外周に配置される電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と、無機質充填剤とから構成されるものとすることで、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、高柔軟性である電気絶縁性部材を具備する電磁コイル、その製造方法および回転電機を提供できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の一実施形態である電磁コイルは、導体と前記導体の外周に配置される電気絶縁性部材とからなる絶縁導体を所定形状に賦形してなる電磁コイルにおいて、前記電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物から構成されることを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態である電磁コイルの製造方法は、無機質充填剤を分散媒中に分散させて分散液を調製する工程と、前記分散液を濾過して無機質充填剤を堆積させる工程と、前記無機質充填剤中に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物のゾル液を含浸させる工程と、前記含浸させて得られた生成物を後硬化して電気絶縁性部材を生成させる工程と、前記電気絶縁性部材を導体の外周に配置する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、高柔軟性である電気絶縁性部材を具備する電磁コイル、その製造方法および回転電機を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁コイルを概念的に示す断面図、図2は、図1の電磁コイルを構成する電気絶縁性部材の構造を示す断面図である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁コイルを概念的に示す断面図、図2は、図1の電磁コイルを構成する電気絶縁性部材の構造を示す断面図である。
図1に示されるように、この実施形態に係る電磁コイル1は、例えば絶縁被覆の施された複数の素線2aを束ねて成形した(素線)導体2と、この導体2の外周に配置される電気絶縁性部材3とからなる絶縁導体を所定形状に賦形してなるものである。
導体2の外周に配置される電気絶縁性部材(絶縁層)3は、所定形状に形成された電気絶縁性部材自体を配置しても、テープ状のもの(例えば、マイカ含有テープ)を多重巻回して形成してもよく、また、これと同一の構造を有するシート状のもの(例えば、マイカ含有シート)を巻回して形成してもよい。
導体2の外周に配置される電気絶縁性部材(絶縁層)3は、所定形状に形成された電気絶縁性部材自体を配置しても、テープ状のもの(例えば、マイカ含有テープ)を多重巻回して形成してもよく、また、これと同一の構造を有するシート状のもの(例えば、マイカ含有シート)を巻回して形成してもよい。
図2に示されるように、この実施形態における電気絶縁性部材3は、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(以下、「ゾルゲル反応生成物」という。)4と、無機質充填剤5の混合物の硬化生成物から構成される。初めにゾルゲル反応生成物4について説明する。
金属アルコキシドを構成する金属としては、金属アルコキシドを形成できる金属が挙げられる。これらのうち、電気絶縁性が良好なためケイ素及びアルミニウムが好ましい。さらに、長期間の耐熱性が良好なためケイ素がより好ましい。
また、金属アルコキシドを構成するアルコキシドの種類としては、とくに限定されるものではなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。また、金属アルコキシドは、化学修飾剤(例えば、アセト酢酸メチル)で化学修飾されていてもよい。
また、金属アルコキシドを構成するアルコキシドの種類としては、とくに限定されるものではなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。また、金属アルコキシドは、化学修飾剤(例えば、アセト酢酸メチル)で化学修飾されていてもよい。
反応性有機化合物は、金属アルコキシドと反応できる有機化合物である。例えば、有機ケイ素化合物、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。反応性有機化合物のうち、金属アルコキシドと反応可能な官能基を有する有機化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、片末端または両末端シラノールポリジメチルシロキサンのような、片末端または両末端に金属のアルコキシドと反応可能な官能基を有するポリオルガノシロキサン等を使用することができる。片末端または両末端シラノールポリジアルキルシロキサンとしては、片末端または両末端シラノールポリジメチルシロキサン、片末端または両末端シラノールポリジエチルシロキサン、片末端または両末端シラノールポリジフェニルシロキサン等が挙げられる。これらのうち、片末端または両末端シラノールポリジメチルシロキサンが、反応がより容易に進行するため、好ましい。
上記片末端または両末端シラノールポリオルガノシロキサンは、一般に重量平均分子量(Mw)が1000〜60000の範囲にあるものが使用されるが、耐熱性の点からみて重量平均分子量は15000〜60000の範囲にあるものが好ましい。ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が60000を超えると、ゾル液の粘度が高くなり過ぎて作業性が悪くなる。またポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が1000未満であると、得られる反応生成物の柔軟性が劣る。
上記片末端または両末端シラノールポリオルガノシロキサンは、一般に重量平均分子量(Mw)が1000〜60000の範囲にあるものが使用されるが、耐熱性の点からみて重量平均分子量は15000〜60000の範囲にあるものが好ましい。ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が60000を超えると、ゾル液の粘度が高くなり過ぎて作業性が悪くなる。またポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が1000未満であると、得られる反応生成物の柔軟性が劣る。
ポリオルガノシロキサンの片末端または両末端に存する、金属のアルコキシドと反応可能な官能基とは、
下記のシラノール基
下記のシラノール基
金属アルコキシドと反応性有機化合物との配合比(重量比)は、2:98〜40:60である。反応性有機化合物が重合体の場合にはその重合度にもよるが、金属アルコキシドと反応性有機化合物との配合比(重量比)をモル比で表すと通常、23:77〜96:4である。金属アルコキシドと反応性有機化合物との配合比(モル比)は、1:1〜10:1が好ましい。反応性有機化合物の配合比(モル比)が10:1未満であると金属成分が粒塊を形成して、得られる複合材料にうねりや気孔が形成されるおそれがあり、また、反応生成物が硬くなる。反応性有機化合物の配合比(モル比)が1:1を超えると無機成分(金属アルコキシド)によるシナジー効果が低下し十分な効果が得られないおそれがある。
金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4の製造については、電気絶縁性部材3の製造方法とあわせて後述する。
金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4の製造については、電気絶縁性部材3の製造方法とあわせて後述する。
この実施形態に用いられる無機質充填剤5は、ゾルゲル反応生成物4と電気絶縁性部材3を構成することができるものであればいずれの無機質充填剤であってもよい。例えばマイカ、シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウム等の酸化物や窒化物が挙げられる。これらの無機質充填剤5のうち、絶縁性、耐熱性等の観点からは、マイカが好ましく、製造容易性の観点からは、シリカが好ましい。絶縁性、耐熱性等の優れるマイカがより好ましい。無機質充填剤5は、ゾルゲル反応生成物4中に分散されて存在する。
無機質充填剤5の形状は、ゾルゲル反応生成物4と電気絶縁性部材3を構成することができる形状であればいずれの形状であってもよいが、放電に対する浸食が抑制されると考えられるため、鱗片状であることが好ましい。鱗片状の充填剤としては、例えば、集成マイカ、鱗片上アルミナ、合成マイカ、窒化ホウ素、層状ケイ酸塩鉱物、等が挙げられる。
無機質充填剤5の平均粒径は、通常0.01μm〜500μmである。0.1μm〜100μmが好ましい。平均粒径はいわゆるレーザー回折法により測定できる。
無機質充填剤5のゾルゲル反応生成物4に対する配合量(配合部数)は、ゾルゲル反応生成物4の100重量部を基準にして20〜10000重量部、好ましくは100〜3000重量部である。無機質充填剤5の配合量(配合部数)が20重量部より少ないと、良好な絶縁性、耐熱性が得られなくなるおそれがあり、10000重量部より多いと十分な柔軟性が得られないおそれがある。
次に、電気絶縁性部材3の製造方法について説明する。まず、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4の製造について説明する。このゾルゲル反応生成物4は、基本的に、反応性有機化合物(例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサン)の、金属のアルコキシドと反応可能な官能基(末端シラノール基)と、金属のアルコキシドとの加水分解を伴う縮合反応によって合成される。この縮合反応は、例えば80℃以上に加熱して反応性有機化合物を低粘度化した状態で行われる。
まず、所望の金属のアルコキシドの加水分解物と反応性有機化合物とを反応させ、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料としてゾルゲル法により得られる反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4のゾル液を調製する。この反応性有機化合物は、加水分解前のアルコキシドに対して配合してもよいし、加水分解したアルコキシドに対して配合してもよい。具体的には、反応性有機化合物の溶液中に上記金属アルコキシドを滴下する。この反応性有機化合物に使用する溶液(溶媒)としては、例えばメタノール、エタノール等の各種アルコールの他、アセトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が一般的に使用される。
まず、所望の金属のアルコキシドの加水分解物と反応性有機化合物とを反応させ、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料としてゾルゲル法により得られる反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4のゾル液を調製する。この反応性有機化合物は、加水分解前のアルコキシドに対して配合してもよいし、加水分解したアルコキシドに対して配合してもよい。具体的には、反応性有機化合物の溶液中に上記金属アルコキシドを滴下する。この反応性有機化合物に使用する溶液(溶媒)としては、例えばメタノール、エタノール等の各種アルコールの他、アセトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等が一般的に使用される。
なお、反応性有機化合物溶液は、過剰に存在する水分や低分子量成分を除去するために加熱・蒸留処理することが望ましい。水分除去を行えば、反応性有機化合物溶液中に金属アルコキシドを添加した場合、この金属アルコキシドの残存水分による加水分解が防止でき、金属アルコキシドの滴下速度を早めてゾルゲル反応生成物4のゾル液の合成を短時間に行うことができ、また低分子量成分の残存による複合材料のべたつき、機械的強度の劣化等の不具合を効果的に解消することができる。
反応性有機化合物溶液は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸等を添加して酸処理されることが望ましい。これらの酸は、通常、反応性有機化合物溶液のpHが4〜7の範囲になるように反応性有機化合物溶液に添加される。
反応性有機化合物溶液は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸等を添加して酸処理されることが望ましい。これらの酸は、通常、反応性有機化合物溶液のpHが4〜7の範囲になるように反応性有機化合物溶液に添加される。
上記のようにして得られたゾルゲル反応生成物のゾル液100重量部に対して、金属系触媒を1〜20重量部程度添加し、無機質充填剤5を20〜10000重量部程度添加する。このようにして得られた混合物を混練機(例えば、遊星型混練機)を用いて1分〜2時間程度攪拌し、表面処理した金属板に挟んで所定の厚さ、例えば1mm程度に成型した後、硬化させる。このようにして電気絶縁性部材3を製造することができる。硬化の条件は、通常100〜300℃、1〜10時間程度である。金属触媒としては、アルコキシド系触媒(例えば、CR12、CR13、CR15(GE東芝シリコーン製)等が挙げられる。なお、金属系触媒を添加する代わりに、150℃以上、好ましくは200℃以上で、1〜24時間加熱することによっても電気絶縁性部材を製造することができる。
次に、電気絶縁性部材3の形状について説明する。電気絶縁性部材3の形状は、絶縁層を形成できるものであればいずれの形状であってもよい。電気絶縁性部材3の形状は、テープ状又はシート状に形成したものが、巻返しの際に密着できるため好ましい。
また、電気絶縁性部材3は、図3に示されるように、ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されるものからなることが好ましい。ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面に硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されるので、そのテープ若しくはシートの破断強度が向上する。
次に、電気絶縁性部材3が、ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面、好ましくは両面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物が生成された、いわゆる無機質充填剤(マイカ)含有テープ若しくは無機質充填剤(マイカ)含有シートの製造方法について説明する。
また、電気絶縁性部材3は、図3に示されるように、ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されるものからなることが好ましい。ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面に硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されるので、そのテープ若しくはシートの破断強度が向上する。
次に、電気絶縁性部材3が、ガラスクロス若しくは不織布6の少なくとも片面、好ましくは両面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物が生成された、いわゆる無機質充填剤(マイカ)含有テープ若しくは無機質充填剤(マイカ)含有シートの製造方法について説明する。
この電気絶縁性部材テープ(マイカ含有テープ)は、無機質充填剤(例えば、マイカ)からなる無機質充填剤層(マイカ含有層)と基材(例えば、ガラスクロス、不織布)層と、これらを接合する接合層を含むものである。
まず、無機質充填剤層(マイカ含有層)としては、上記の金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料としてゾルゲル法により得られる反応生成物(ゾルゲル反応生成物)のゾル液100重量部に対して、金属系触媒を1〜20重量部程度添加し、さらに、無機質充填剤5を20〜10000重量部程度添加する。このようにして得られた生成物を混練機(例えば、遊星型混練機)を用いて1分〜1時間程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで所定の厚み(例えば、0.5mm)に成形して、無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)を得ることができる。
また、上記の金属触媒を添加する代わりに、150℃以上、好ましくは250℃以上で、1〜24時間加熱を行ってもよい。
まず、無機質充填剤層(マイカ含有層)としては、上記の金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料としてゾルゲル法により得られる反応生成物(ゾルゲル反応生成物)のゾル液100重量部に対して、金属系触媒を1〜20重量部程度添加し、さらに、無機質充填剤5を20〜10000重量部程度添加する。このようにして得られた生成物を混練機(例えば、遊星型混練機)を用いて1分〜1時間程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで所定の厚み(例えば、0.5mm)に成形して、無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)を得ることができる。
また、上記の金属触媒を添加する代わりに、150℃以上、好ましくは250℃以上で、1〜24時間加熱を行ってもよい。
このようにして得られた無機質充填剤層(マイカ含有層)と、裏打ち材として所定の厚さのガラスクロス若しくは不織布に熱硬化性樹脂(例えば、ゾルゲル反応生成物やシリコーン系樹脂)を主成分とする接着剤をロールコータにより塗布し、これに上記無機質充填剤基材箔を接合して、シート状の無機質充填剤を作製し、テープ状に裁断して電気絶縁テープを作製する。
ここで、無機質充填剤層の厚さは、0.01〜0.50mm程度であり、0.05〜0.20mmがより好ましい範囲である。また、裏打ち材(基材)としては、ガラスクロス、不織布、ポリエステルフィルム等が挙げられる。ガラスクロスは、目的に応じてガラスクロスの糸を太くしたり、縦糸の本数を多くしたり、またその逆をすることができる。不織布は、例えばガラス繊維不織布、ポリエステル繊維不織布が挙げられる。裏打ち材(基材)の厚さとしては0.02mm〜0.08mmが適当である。接着剤としては、エポキシ−酸無水物−アミン系樹脂(例えば、エピコート828(油化シエルエポキシ社製エポキシ樹脂))、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
ここで、無機質充填剤層の厚さは、0.01〜0.50mm程度であり、0.05〜0.20mmがより好ましい範囲である。また、裏打ち材(基材)としては、ガラスクロス、不織布、ポリエステルフィルム等が挙げられる。ガラスクロスは、目的に応じてガラスクロスの糸を太くしたり、縦糸の本数を多くしたり、またその逆をすることができる。不織布は、例えばガラス繊維不織布、ポリエステル繊維不織布が挙げられる。裏打ち材(基材)の厚さとしては0.02mm〜0.08mmが適当である。接着剤としては、エポキシ−酸無水物−アミン系樹脂(例えば、エピコート828(油化シエルエポキシ社製エポキシ樹脂))、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
上記のようにして作成した電気絶縁性部材(又は電気絶縁テープ)を(素線)導体の外周に配置して絶縁導体とし、所定形状に賦形することによって電磁コイルが作成できる。
電磁コイル1としては、例えば、回転電機固定子コイル、変圧器コイル等が挙げられる。
固定子コイルの場合には、導体2と、この導体2の外周(導体2の全長のうち固定子鉄心のスロット内へ実際に収容される対応部分)に、電気絶縁性部材を配置又は電気絶縁テープを多重巻回して形成される絶縁層と、後述のように場合によりこの絶縁層のさらに外周に半導電性テープ(コロナ防止テープ)を巻回して形成される半導電性層(コロナ防止層)を有する絶縁導体(巻線体)が、固定子鉄心のスロット内に収容されるとともに各素線2aの端部が電気的に結線される。
固定子コイルの場合には、導体2と、この導体2の外周(導体2の全長のうち固定子鉄心のスロット内へ実際に収容される対応部分)に、電気絶縁性部材を配置又は電気絶縁テープを多重巻回して形成される絶縁層と、後述のように場合によりこの絶縁層のさらに外周に半導電性テープ(コロナ防止テープ)を巻回して形成される半導電性層(コロナ防止層)を有する絶縁導体(巻線体)が、固定子鉄心のスロット内に収容されるとともに各素線2aの端部が電気的に結線される。
電磁コイル1は種々の回転電機に用いることができる。回転電機としては、例えば、高電圧電動機(例えば、同期機、誘導電動機)、発電機等が挙げられる。
例えば、高電圧電動機は、回転子軸を有する回転子鉄心と回転子コイルとを備えた回転子が、固定子を含む固定構造部分に軸受機構を介して支持されている。この高電圧電動機は、回転子軸の両端にそれぞれ対称的に設けられたファンや、通風ダクトなどを備えて構成される冷却構造を有していてもよい。また、上記した固定子は、固定子コイルと固定子鉄心とから主に構成される。
例えば、高電圧電動機は、回転子軸を有する回転子鉄心と回転子コイルとを備えた回転子が、固定子を含む固定構造部分に軸受機構を介して支持されている。この高電圧電動機は、回転子軸の両端にそれぞれ対称的に設けられたファンや、通風ダクトなどを備えて構成される冷却構造を有していてもよい。また、上記した固定子は、固定子コイルと固定子鉄心とから主に構成される。
このように本実施形態の電磁コイルによれば、電磁コイルを構成する電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物から構成されるので、絶縁破壊強度が向上し、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、また高柔軟性であるため電磁振動やコイル導体の伸びに追従できかつガースクラックが発生しない、信頼性の高い電気絶縁性部材を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4に示されるように、この実施形態では、テープ状又はシート状の電気絶縁性部材3を製造することができる。以下に詳細に説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4に示されるように、この実施形態では、テープ状又はシート状の電気絶縁性部材3を製造することができる。以下に詳細に説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電磁コイルを電気絶縁性部材の製造方法を示すフローチャート図である。図4に示されるように、まず、無機質充填剤5(例えば、マイカ鱗片)を分散媒(例えば、水)中に分散させ、混合、濾過することによって堆積した無機質充填剤層を形成させる。この堆積した無機質充填剤層(例えば、マイカ紙)中に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)を主体としたゾル液を含浸させる。その後、後硬化、乾燥することによって電気絶縁性部材を得ることができる。
無機質充填剤5を分散させる分散媒は、無機質充填剤を分散できるものであればいずれのものであってもよい。例えば、水、水溶液、例えば極性溶媒(例えば、アルコール類など)又は溶媒、例えば有機溶媒(例えば、四塩化炭素、メチルエチルケトンなど)等が挙げられる。
また、堆積した無機質充填剤(例えば、マイカ紙)の量は、無機質充填剤(マイカ)の量が通常50〜500g/m2となるように調整する。100〜300g/m2が好ましい。
ゾルゲル反応生成物を主体としたゾル液を含浸させるときゾル液の温度は、通常は常温又はそれ以上であるが、60℃以上が好ましい。ゾル液の温度が高ければゾル液の粘性が低下して、堆積した無機質充填剤層に含浸されやすくなるからである。
また、ゾルゲル反応生成物4のゾル液の含浸は、常圧で行なうことができる。
また、ゾルゲル反応生成物4のゾル液の含浸は、常圧で行なうことができる。
このようにして得られた電気絶縁性部材は、図5に示すように無機質充填剤(例えば、マイカ鱗片)がそのシート面に対して平行して配列し、その結果高い絶縁破壊強度を得ることができる。
また、堆積した無機質充填剤層の表面から、ゾルゲル反応生成物4を主体としたゾル液を含浸させる際に、堆積した無機質充填剤層の上下面に圧力差をかけて行なうこともできる。圧力差は、例えば吸引により発生させることができる。この場合、圧力差をかけて含浸させたシートは圧力差をかけない(常圧)で含浸したシートと比較して引張強度が向上する。なぜなら、圧力差をかけることによって無機質充填剤層中に均一にゾルゲル反応生成物のゾル液が含浸するからである。
後硬化する温度条件は、所望の硬化度に応じて適宜きめることができるが、100〜300℃、1〜10時間程度の範囲内で決められる。通常150℃、5時間程度である。
また、本実施の形態におけるテープ又はシート状に形成された電気絶縁性部材は、ガラスクロス若しくは不織布6と組み合わされることができる。すなわち、電気絶縁性部材は、ガラスクロス若しくは不織布の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されてなるものである。この場合、特に小さい半径の曲線状のコイルに巻きつけても破断を起こさない電気絶縁性部材を得ることができる。
次に、電気絶縁性部材が、ガラスクロス若しくは不織布の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されてなる、電気絶縁テープ(マイカ含有テープ)若しくは電気絶縁シート(マイカ含有シート)を製造する方法について説明する。
まず、上記のように、無機質充填剤5(例えば、マイカ鱗片)を分散媒(例えば、水)中に分散させ、濾過することによって堆積した無機質充填剤層を形成させる。この堆積した無機質充填剤層(例えば、マイカ紙)中に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4を主体とするゾル液を含浸させる。ここで、堆積した無機質充填剤(例えば、マイカ紙)の量は、無機質充填剤(マイカ鱗片)の量が通常50〜500g/m2となるように調整する。
さらに、上記のように所定の温度(常温、好ましくは60℃以上)、所定の圧力下(常圧、好ましくは上下面の差圧下)においてゾルゲル反応生成物4を主体とするゾル液を含浸させて、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで所定の厚み(例えば、0.08mm)に成形して、無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)を得ることができる。裏打ち材(基材)及び裏打ち材と無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)との接合および接合層は第1の実施形態と同様である。
まず、上記のように、無機質充填剤5(例えば、マイカ鱗片)を分散媒(例えば、水)中に分散させ、濾過することによって堆積した無機質充填剤層を形成させる。この堆積した無機質充填剤層(例えば、マイカ紙)中に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)4を主体とするゾル液を含浸させる。ここで、堆積した無機質充填剤(例えば、マイカ紙)の量は、無機質充填剤(マイカ鱗片)の量が通常50〜500g/m2となるように調整する。
さらに、上記のように所定の温度(常温、好ましくは60℃以上)、所定の圧力下(常圧、好ましくは上下面の差圧下)においてゾルゲル反応生成物4を主体とするゾル液を含浸させて、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで所定の厚み(例えば、0.08mm)に成形して、無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)を得ることができる。裏打ち材(基材)及び裏打ち材と無機質充填剤(マイカ含有)層(基材箔)との接合および接合層は第1の実施形態と同様である。
このように本実施形態の電磁コイルによれば、電気絶縁性部材において、無機質充填剤を高含有量とすることができ、また、無機質充填剤が、そのシート面に対して平行して配列し、高い絶縁破壊強度を得ることができる。その結果、絶縁破壊強度が向上し、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、また高柔軟性であるため電磁振動やコイル導体の伸びに追従できかつガースクラックが発生しない、信頼性の高い電気絶縁性部材を具備する電磁コイルを得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6に示されるように、電磁コイルを構成する電気絶縁性部材が、テープ状若しくはシート状に形成された、ゾルゲル反応生成物4と無機質充填剤5との混合物の硬化生成物の少なくとも片面に、ゾルゲル反応生成物4の半硬化物7を塗布し、その後硬化するものである。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6に示されるように、電磁コイルを構成する電気絶縁性部材が、テープ状若しくはシート状に形成された、ゾルゲル反応生成物4と無機質充填剤5との混合物の硬化生成物の少なくとも片面に、ゾルゲル反応生成物4の半硬化物7を塗布し、その後硬化するものである。
上記の第1及び2の実施の形態における電気絶縁性部材は完全硬化させて硬化生成物とした後、配置又は巻回しされて絶縁層を形成するものであるため、テープが巻回しされた後に、テープ同士の間に界面が形成される。この実施の形態では、完全硬化させたテープ表面に接着層として、ゾルゲル反応生成物の半硬化物を塗布し、その後硬化することにより、界面の剥離がない電気絶縁性部材を得ることができる。以下に図7に基づいて、電気絶縁性部材の製造について説明する。
まず、完全硬化された電気絶縁性部材の表面に、接着層としてゾルゲル反応生成物の半硬化物を塗布したテープ状若しくはシート状の電気絶縁性部材を(素線)導体に巻きつける。(素線)導体の周囲にさらに離型性のテープ/シート材を巻きつける。その表面に所定の鉄板をあて、その周囲を熱収縮性のテープ(例えば、熱収縮ルミラー)を巻回(例えば1/2ラップ)する。これを真空引きした後、ポリエチレンワックスを加温して液状にしたものを周囲に流し込む。これを周囲から所定の気圧(例えば、7気圧)で加圧する。液状になったポリエチレンワックスにより静水圧によりコイル絶縁がプレスされる。この状態で加温(例えば、160℃)し、所定時間(例えば、5時間)硬化させる。その後、液状のポリエチレンワックスを抜き、常温常圧に戻して絶縁処理したコイルを得る。このようにして得られた電気絶縁性部材は、ゾルゲル反応生成物の半硬化物が、完全硬化した樹脂と無機質充填剤(例えば、集成マイカ)で形成されたテープの内部にある空隙を埋めることで欠陥の少ない電気絶縁性部材を得ることができる。
また、図8に示されるように、上記のゾルゲル反応生成物の半硬化物7が、無機質充填剤5を含むことが好ましい。なぜなら、ゾルゲル反応生成物の半硬化物7に無機質充填剤5を含ませて塗布することによって、より多くの半硬化物をテープ中に保持することができるからである。また、無機質充填剤5の存在によってゾルゲル反応生成物の半硬化物7の表面の粘着が押さえられるため未硬化のテープ同士がくっついてしまうことを防ぐことができるからである。また、無機質充填剤5の配合量は、無機質充填剤5と半硬化物7との合計量100重量%に基づいて、20〜95重量%である。
この実施の形態における無機質充填剤5としては、上記の本発明の第1の実施形態の無機質充填剤と同様であるが、さらに、無機質充填剤として窒化ホウ素を用いることによって熱伝導性を増加させることが可能になる。その結果、コイル導体に通電する電流密度を上げることが可能になり、電気機器を小型化することが可能になる。
このように、本実施形態によれば、完全硬化させたテープ若しくはシート表面に接着層としてゾルゲル反応生成物の半硬化物を塗布し、その後硬化することにより、界面の剥離がない電気絶縁性部材を得ることができ、このテープラップ界面の絶縁破壊強度の向上が得られ、長期的に加電劣化した際に界面に進展する電気トリーの発生を抑制し、その結果十分な絶縁破壊強度を得ることができる。よって、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、また高柔軟性であるため電磁振動やコイル導体の伸びに追従できかつガースクラックが発生しない、信頼性の高い電気絶縁性部材を具備する電磁コイルを得ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図9に示されるように、電気絶縁性部材(絶縁層)のさらに外周に、低抵抗層8を巻回するものである。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図9に示されるように、電気絶縁性部材(絶縁層)のさらに外周に、低抵抗層8を巻回するものである。
この低抵抗層8は、具体的には半導電性テープ(コロナ防止テープ)から構成される。コロナ防止テープは、カーボンなどの導電性材料を配合した導電性の樹脂を含浸して硬化させたガラス繊維テ−プ、又は上記導電性の樹脂を高分子フィルム上に塗布して硬化させたテ−プなどからなる。
この低抵抗層(半導電性テープ)の電気抵抗率は、1Ω〜100MΩの範囲が好ましく、10Ω〜1MΩの範囲がより好ましい。電気抵抗率が100MΩを超えると鉄心との電位を安定的に同電位とできないからであり、1Ω未満では界磁コイルによって発生した磁束が通ることによってコイル表面に渦電流が発生するためである。なお、電気抵抗率は2端子法あるいは4端子法によって測定される。
このように本実施形態によれば、絶縁層の外側にコロナ防止テープ(低抵抗層)8が配置されるので、鉄心内の放電発生を抑制することができる。また、耐電圧性に優れ、耐熱性が高く、また高柔軟性であるため電磁振動やコイル導体の伸びに追従できかつガースクラックが発生しない、信頼性の高い電気絶縁性部材を具備する電磁コイルを得ることができる。
以上、本発明を各実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明を回転子側のコイルに適用してもよいし、さらには、遮断器用ロッド、ケーブル被覆材料などの各種用途に本発明の半導電性テープ又は半導電性シートを適用することが可能である。
次に、本発明の具体的な実施例及び従来技術である比較例をそれぞれ示すとともに、これらの実施例及び比較例を対比することで、本発明の作用効果についてさらに詳しく説明する。
(実施例1)
この実施例1では、金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)と無機質充填剤との混合物の硬化生成物である電気絶縁部材を製造する方法を説明する。
テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)5重量%と、両末端シラノールポリジメチルシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社製、XF3905、重量平均分子量20000)38重量%とを、2−エトキシエタノール(和光純薬工業株式会社製)を溶媒として、酢酸(和光純薬工業株式会社製)を酸触媒として、テトラエトキシシランの加水分解用として脱イオン水を用いて、90℃、30分間、混合してゾルゲル反応によりゾル液を得た。
このようにして得られたゾル液に、アルコキシド系触媒(CR15)(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ゾル液100重量部に対して10重量部添加し、さらに平均粒径1μmのシリカ(和光純薬株式会社製)を50重量部入れ、遊星型混練機を用いて10分程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで1mmの厚みに成形した後、200℃、5時間の硬化条件で硬化させた。比較としてシリカを含まない材料についても作製した。このようにして得た絶縁板の交流絶縁破壊電圧を測定した。
この実施例1では、金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物(ゾルゲル反応生成物)と無機質充填剤との混合物の硬化生成物である電気絶縁部材を製造する方法を説明する。
テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)5重量%と、両末端シラノールポリジメチルシロキサン(GE東芝シリコーン株式会社製、XF3905、重量平均分子量20000)38重量%とを、2−エトキシエタノール(和光純薬工業株式会社製)を溶媒として、酢酸(和光純薬工業株式会社製)を酸触媒として、テトラエトキシシランの加水分解用として脱イオン水を用いて、90℃、30分間、混合してゾルゲル反応によりゾル液を得た。
このようにして得られたゾル液に、アルコキシド系触媒(CR15)(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ゾル液100重量部に対して10重量部添加し、さらに平均粒径1μmのシリカ(和光純薬株式会社製)を50重量部入れ、遊星型混練機を用いて10分程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで1mmの厚みに成形した後、200℃、5時間の硬化条件で硬化させた。比較としてシリカを含まない材料についても作製した。このようにして得た絶縁板の交流絶縁破壊電圧を測定した。
図10は、実施例1および比較例1の絶縁破壊強度を示す。比較例1では、絶縁破壊強度が25kV/mm程度であるのに対して、シリカを充填することによって1割程度絶縁破壊強度が向上した。
(実施例2)
実施例2として、シリカの代わりに集成マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を充填した試料を作製したが、この場合は35kV/mmと更に絶縁破壊強度が向上した。充填剤を入れることによって放電に対する浸食が抑制されたと考えられ、さらに、鱗片状の集成マイカではその効果が高いと考えられる。
実施例2として、シリカの代わりに集成マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を充填した試料を作製したが、この場合は35kV/mmと更に絶縁破壊強度が向上した。充填剤を入れることによって放電に対する浸食が抑制されたと考えられ、さらに、鱗片状の集成マイカではその効果が高いと考えられる。
(実施例3)
この実施例3では、図4に示されるように、無機質充填剤を水中に分散させ濾過することによって堆積した無機質充填剤の層中に、金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物のゾル液を含浸した後、硬化することによって得られるものである。
この実施例3では、図4に示されるように、無機質充填剤を水中に分散させ濾過することによって堆積した無機質充填剤の層中に、金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物のゾル液を含浸した後、硬化することによって得られるものである。
マイカ鱗片をゾル液中に分散させる方法では、高充填することが難しく、さらに、マイカ鱗片がランダムに配置するため電気絶縁破壊強度の向上の割合が小さいことが予想された。そこで、本実施例では、下記の方法で電気絶縁性部材を得ることにした。
鱗片状である焼成(集成)マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を水中に分散し、濾過することによってマイカ紙を得た。その後、上記のゾル液を80℃に加熱し、マイカ紙の上部よりゾル液を常圧でマイカ表面にゾル液を塗布して含浸させた後、200℃、5時間の条件で硬化処理することによって、シート状のゾル液を含有したマイカ電気絶縁性部材を得た。ここで、マイカ紙はマイカ量が140g/m2となるように量を調整した。
このようにして得られた電気絶縁性部材は、図5に示されるようにマイカ鱗片がシート面に対して平行して配列され、その結果高い絶縁破壊強度を得ることができる。実施例1記載と同様の絶縁破壊強度の測定を行った結果、40kV/mmであった。
また、常圧でマイカ紙表面にゾル液を塗布してゾル液を含浸させるかわりに、マイカの上下面に圧力差をかけてゾル液をマイカ表面に含浸させて、シート状のゾル液を含有したマイカ電気絶縁性部材を得た。具体的には、図11に示される治具(アスピレータ)を用いて、下面の空気を吸引しながらゾル液を含浸させてシート状のゾル液が含有したマイカ電気絶縁性部材を得た。
このようにして得られたシートを10mmx50mmの短冊状に切り出し、引っ張り試験機で引張強度を測定した。その結果、圧力差をかけて含浸したシートは圧力差をかけないで含浸したシートと比較して引張強度が向上した。これは、圧力差をかけることによってマイカ中に均一にゾル液が含浸したことを示している。
(実施例4)
この実施例では、図3に示されるようにテープ状又はシート状の電気絶縁性部材とガラスクロスまたは不織布と組み合わせてなるものである。例えば、回転機のコイル絶縁は、(素線)導体にテープを巻きつけることによって形成される。この際、テープに十分な強度がないと導体角部でテンションをかけた際にテープが破断する。実施例2記載の方法によりある程度の強度向上が見られたが、特に小さい半径の曲線状のコイルに巻きつけた際にはテープが破断してしまった。
そこで実施例4では、テープ状の電気絶縁性部材をガラスクロスと張り合わせたテープを製造した。
この実施例では、図3に示されるようにテープ状又はシート状の電気絶縁性部材とガラスクロスまたは不織布と組み合わせてなるものである。例えば、回転機のコイル絶縁は、(素線)導体にテープを巻きつけることによって形成される。この際、テープに十分な強度がないと導体角部でテンションをかけた際にテープが破断する。実施例2記載の方法によりある程度の強度向上が見られたが、特に小さい半径の曲線状のコイルに巻きつけた際にはテープが破断してしまった。
そこで実施例4では、テープ状の電気絶縁性部材をガラスクロスと張り合わせたテープを製造した。
まず、上記の実施例3のように、鱗片状である焼成(集成)マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を水中に分散し、濾過することによってマイカ紙を得た。その後、上記のゾル液を80℃に加熱し、マイカ紙の上部よりゾル液を常圧でマイカ表面にゾル液を塗布して含浸させ、110℃10分の条件で加熱し、0.08mmの厚さのマイカ層としてのゾル液含有の集成マイカ基材箔を作製した。裏打ち材として厚さ0.046mmのガラスクロス(株式会社有沢製作所製、ガラスクロスM0.04)にエポキシ−アミン系の熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤(エピコート828(油化シエルエポキシ社製エポキシ樹脂)100重量部とBF3 モノエチルアミン3重量部からなる)100重量部をロールコータにより塗布し、これに上記集成マイカ基材箔を接合し、マイカ基材シート状体(マイカシート)を作製した。
(実施例5)
また、常圧でマイカ紙表面にゾル液を塗布してゾル液を含浸させるかわりに、マイカの上下面に圧力差(0.05Torr程度)をかけてゾル液をマイカ表面に含浸させる以外は、実施例5と同様の方法で、ゾル液含有集成マイカ基材箔を作製し、さらにこの基材箔と裏打ち材とを接合しマイカ基材シート状体を作製した。
また、常圧でマイカ紙表面にゾル液を塗布してゾル液を含浸させるかわりに、マイカの上下面に圧力差(0.05Torr程度)をかけてゾル液をマイカ表面に含浸させる以外は、実施例5と同様の方法で、ゾル液含有集成マイカ基材箔を作製し、さらにこの基材箔と裏打ち材とを接合しマイカ基材シート状体を作製した。
(実施例6)
この実施例6では、実施例1の方法で得られたゾル液に、金属触媒(CR15)(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ゾル液100重量部に対して10重量部添加し、さらに、シリカの代わりに、鱗片状である焼成(集成)マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を50重量部入れ、遊星型混練機を用いて10分程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで0.08mmの厚みに成形して、ゾル液含有集成マイカ基材箔を作製した。さらに実施例5及び6と同様の方法で、このゾル液含有集成マイカ基材箔と裏打ち材とを接合しマイカ基材シート状体を作製した。
この実施例6では、実施例1の方法で得られたゾル液に、金属触媒(CR15)(GE東芝シリコーン株式会社製)を、ゾル液100重量部に対して10重量部添加し、さらに、シリカの代わりに、鱗片状である焼成(集成)マイカ(株式会社日本マイカ製作所)を50重量部入れ、遊星型混練機を用いて10分程度攪拌し、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレス(SUS309)板に挟んで0.08mmの厚みに成形して、ゾル液含有集成マイカ基材箔を作製した。さらに実施例5及び6と同様の方法で、このゾル液含有集成マイカ基材箔と裏打ち材とを接合しマイカ基材シート状体を作製した。
これらの実施例4−6のマイカテープは、特に小さい半径の曲線状のコイルに巻きつけても破断を起こさない電気絶縁性部材を得ることができた。
(実施例7)
この実施例では、図6に示されるように、完全硬化したテープの片面にゾルゲル反応生成物の半硬化物を塗布し、その後硬化して電気絶縁性部材を製造するものである。
この実施例では、図6に示されるように、完全硬化したテープの片面にゾルゲル反応生成物の半硬化物を塗布し、その後硬化して電気絶縁性部材を製造するものである。
図7に従って、電気絶縁性部材(コイル絶縁部材)を硬化した。実施例4と同様の方法により得られた完全硬化させたテープ(テープ状の硬化生成物)の表面上に、実施例1と同様の方法で得られたゾルゲル反応生成物のゾル液を、180℃、10分の硬化条件で、半硬化物とした。完全硬化させたテープの表面上に、半硬化物を、30g/m2で塗布した。その後、このテープを素線導体に巻きつけた。その表面に所定の鉄板をあて、その周囲を熱収縮性のテープ、ここでは、熱収縮ルミラーを1/2ラップで巻回した。これを真空引きした後、ポリエチレンワックスを加温して液状にしたものを周囲に流し込んだ。これを周囲から7気圧で加圧した。液状になったポリエチレンワックスにより静水圧によりコイル絶縁がプレスされた。この状態で160℃に加温し、5時間硬化させた。液状のポリエチレンワックスを抜き、常温常圧に戻して絶縁処理したコイルを得た。このようにして得られた絶縁部材は、半硬化状態の樹脂は完全硬化した樹脂と集成マイカで形成されたテープの内部にある空隙を埋めることで欠陥の少ない、界面の剥離がない電気絶縁性部材となった。
(実施例8)
この実施例8では、図8に示されるように、ゾルゲル反応生成物の半硬物中に無機質充填剤を含む電気絶縁性部材を製造するものである。
この実施例8では、図8に示されるように、ゾルゲル反応生成物の半硬物中に無機質充填剤を含む電気絶縁性部材を製造するものである。
上記の実施例7で示した半硬化物を塗布した方法では、金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法により得られる反応生成物の半硬化物の塗布量が十分に保持できないか、保持するためには半硬化の状態を進めて流れにくい状態にする必要があった。そこで、ゾルゲル反応生成物の半硬化物中に無機質充填剤(平均粒径1μmのシリカ(和光純薬株式会社製))を、半硬化物とシリカ無機質充填剤との合計100重量%に基づいて、50重量%含ませて塗布した。
その結果、より多くのゾルゲル反応生成物の半硬化物をテープ中に保持することができた。また、無機質充填剤の存在によってゾルゲル反応生成物の半硬物の表面の粘着が押さえられるため未硬化のテープ同士がくっついてしまうことを防ぐことができた。また、無機質充填剤として窒化ホウ素を用いることによって熱伝導性を付与することもできた。無機質充填剤を入れないで形成した絶縁物のアセトンベンゼン法で測定した熱伝導率は0.2W/mKであったのに対して、窒化ホウ素を充填剤として入れた絶縁物は0.4W/mKとなり、2倍の熱伝導性を得ることができた。熱伝導率を上げることができるとコイル導体に通電する電流密度を上げることができるので機器を縮小できる。
その結果、より多くのゾルゲル反応生成物の半硬化物をテープ中に保持することができた。また、無機質充填剤の存在によってゾルゲル反応生成物の半硬物の表面の粘着が押さえられるため未硬化のテープ同士がくっついてしまうことを防ぐことができた。また、無機質充填剤として窒化ホウ素を用いることによって熱伝導性を付与することもできた。無機質充填剤を入れないで形成した絶縁物のアセトンベンゼン法で測定した熱伝導率は0.2W/mKであったのに対して、窒化ホウ素を充填剤として入れた絶縁物は0.4W/mKとなり、2倍の熱伝導性を得ることができた。熱伝導率を上げることができるとコイル導体に通電する電流密度を上げることができるので機器を縮小できる。
(実施例9)
図1において本発明の電気絶縁性部材は、絶縁性部材を導体周囲に配置してなることを特徴とするものである。上述の実施例の中で導体周囲に配置する手法については記載した。これを発電機の主絶縁として適用した。すなわち、集成マイカを含む金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法により得られる反応生成物を導体周囲に配置した。図12は、このようにして得られた主絶縁層から切り出したサンプルの弾性率の温度依存性を示す。室温から300℃の範囲で弾性率は安定した特性を示しており、優れた耐熱性を有している。比較例として、図13は、現行のエポキシマイカ絶縁の弾性率の温度依存性を示す。120℃付近にガラス転移に伴う弾性率の変化が見られる。この比較から分かるように、今回開発した主絶縁層は弾性率の温度依存性がないため、室温から300℃まで幅広い範囲で安定した特性が得られる。タービン発電機のように長いコイルの場合、かつて使用されてきたアスファルトマイカ絶縁ではヒートサイクルによってコイルが伸び縮みした際にスロット出口で絶縁層が薄くなり、その結果絶縁破壊する事象、ガースクラックが発生した。本開発の主絶縁層は高温まで安定した弾性率を有しているので、ガースクラックは発生しない。
図1において本発明の電気絶縁性部材は、絶縁性部材を導体周囲に配置してなることを特徴とするものである。上述の実施例の中で導体周囲に配置する手法については記載した。これを発電機の主絶縁として適用した。すなわち、集成マイカを含む金属アルコキシドと反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法により得られる反応生成物を導体周囲に配置した。図12は、このようにして得られた主絶縁層から切り出したサンプルの弾性率の温度依存性を示す。室温から300℃の範囲で弾性率は安定した特性を示しており、優れた耐熱性を有している。比較例として、図13は、現行のエポキシマイカ絶縁の弾性率の温度依存性を示す。120℃付近にガラス転移に伴う弾性率の変化が見られる。この比較から分かるように、今回開発した主絶縁層は弾性率の温度依存性がないため、室温から300℃まで幅広い範囲で安定した特性が得られる。タービン発電機のように長いコイルの場合、かつて使用されてきたアスファルトマイカ絶縁ではヒートサイクルによってコイルが伸び縮みした際にスロット出口で絶縁層が薄くなり、その結果絶縁破壊する事象、ガースクラックが発生した。本開発の主絶縁層は高温まで安定した弾性率を有しているので、ガースクラックは発生しない。
(実施例10)
この実施例では、図9に示されるように、電気絶縁性部材を導体周囲に配置し、さらにその周囲に表面抵抗率が200Ωである半導電性テープ(有沢製作所製)を配置した。その結果、鉄心内の放電発生が有効に抑制できた。
この実施例では、図9に示されるように、電気絶縁性部材を導体周囲に配置し、さらにその周囲に表面抵抗率が200Ωである半導電性テープ(有沢製作所製)を配置した。その結果、鉄心内の放電発生が有効に抑制できた。
1…電磁コイル、2…(素線)導体、2a…素線、3…電気絶縁性部材(絶縁層)、4…ゾルゲル反応生成物、5…無機質充填剤、6…ガラスクロス(若しくは不織布)、7…半硬化物、8…低抵抗層、9…網
Claims (9)
- 導体と前記導体の外周に配置される電気絶縁性部材とからなる絶縁導体を所定形状に賦形してなる電磁コイルにおいて、
前記電気絶縁性部材が、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物から構成される
ことを特徴とする電磁コイル。 - 前記無機質充填剤が鱗片状粒子であることを特徴とする請求項1記載の電磁コイル。
- 前記電気絶縁性部材がテープ状若しくはシート状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁コイル。
- 前記電気絶縁性部材が、ガラスクロス若しくは不織布の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物と無機質充填剤との混合物の硬化生成物がテープ状若しくはシート状に形成されてなることを特徴とする請求項3記載の電磁コイル。
- 前記電気絶縁性部材が、前記硬化生成物の少なくとも片面に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物の半硬化物が形成されてなることを特徴とする請求項3又は4記載の電磁コイル。
- 前記半硬化物が、無機質充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電磁コイル。
- 前記電気絶縁性部材の外周に表面抵抗率が1Ω〜100MΩの範囲の低抵抗層をさらに配置してなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の電磁コイル。
- 無機質充填剤を分散媒中に分散させて分散液を調製する工程と、
前記分散液を濾過して無機質充填剤を堆積させる工程と、
前記無機質充填剤中に、金属アルコキシド及び反応性有機化合物を出発原料とするゾルゲル法による反応生成物のゾル液を含浸させる工程と、
前記含浸させて得られた生成物を後硬化して電気絶縁性部材を生成させる工程と、
前記電気絶縁性部材を導体の外周に配置する工程と
を含むことを特徴とする電磁コイルの製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一項記載の電磁コイルを備える回転電機。
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JP2006015117A JP2007200986A (ja) | 2006-01-24 | 2006-01-24 | 電磁コイル、その製造方法および回転電機 |
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