JP2019122099A - 回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物 - Google Patents

回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物 Download PDF

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Abstract

【課題】高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を有する回転電機用コイル及びその製造方法を提供すること。高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープ、マイカテープの硬化物及びそれを用いた絶縁物、を提供すること。【解決手段】マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の質量が110g/m2〜160g/m2であり、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である、マイカテープ、この硬化物及びそれを用いた絶縁物。上記マイカテープを用いた回転電機用コイル及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物に関する。
発電機、電動機等の回転電機に用いられるコイル(以下、単にコイルとも称する)は、一般にコイル導体と、コイル導体を外部環境から絶縁するためにコイル導体の外周に配置される絶縁層とを有している。絶縁層を形成する材料として、マイカテープと呼ばれるマイカを用いた絶縁材が知られている。マイカテープは、一般に、裏打ち材を含む裏打ち層と、マイカを含むマイカ層とから主に構成されている。マイカテープには、被絶縁体に巻き付ける前の状態か、または被絶縁体に巻き付けた後の状態で樹脂成分が含浸され、この樹脂成分を硬化することで絶縁層が形成される。
一方、コイルの外側に水素ガス又は空気を通して冷却する間接冷却の方式を採用する発電機等の分野では、コイルの外側に設けられた絶縁層の高熱伝導化が望まれている。絶縁層の熱伝導率を高める手法のひとつとして、絶縁層を形成するマイカテープの裏打ち層に無機フィラーを含有させる手法が挙げられる。例えば、特許文献1には、無機フィラーとして窒化ホウ素粒子を裏打ち層に含有させることで熱伝導性を高めたマイカテープが記載されている。
国際公開第2015−053374号
マイカ層に含まれるマイカは電気絶縁性に優れた薄片状の無機物質であり、マイカ層に含まれるマイカの量が多いほど絶縁効果は高まる傾向にある。他方、マイカの量を多くするとマイカテープの厚みが増大して被絶縁体に巻き付けにくくなったり、形成した絶縁層中に空隙、ひび等が生じたりする場合がある。
また、熱伝導性向上のために無機フィラーの含有量を増やすとマイカテープが硬くなり、コイルに巻き付けたときに皺、ひび等が発生しやすくなり、絶縁層の層間剥離、ボイドの残存等が生じて、絶縁層の絶縁信頼性が低下する場合がある。
また、電気絶縁性向上のためにマイカテープ中のマイカ層の割合を高くすると、無機フィラーが含まれる裏打ち層の割合が低下して、絶縁層の熱伝導性が低下する場合がある。
従って、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を有するコイルの開発が待たれている。また、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープの開発が待たれている。
本発明は上記事情に鑑み、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を有する回転電機用コイル及びその製造方法を提供することを課題とする。本発明はまた、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープ、マイカテープの硬化物及びそれを用いた絶縁物、を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1>コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープに由来する層であり、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の1mあたりの質量が110g/m〜160g/mであり、前記マイカテープは、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、前記マイカテープは、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である、回転電機用コイル。
<2>前記マイカテープにおいて、公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、前記マイカ層に含まれるマイカ全体の45質量%未満である、<1>に記載の回転電機用コイル。
<3>前記マイカテープが樹脂成分をさらに含む、<1>又は<2>に記載の回転電機用コイル。
<4>前記マイカテープにおいて、前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の回転電機用コイル。
<5>前記コイル導体の外周に前記マイカテープを巻き付ける工程と、前記コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する工程と、を有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の回転電機用コイルの製造方法。
<6>マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の質量が110g/m〜160g/mであり、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である、マイカテープ。
<7>公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、前記マイカ層に含まれるマイカ全体の45質量%未満である、<6>に記載のマイカテープ。
<8>前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<6>又は<7>に記載のマイカテープ。
<9>樹脂成分をさらに含む、<6>〜<8>のいずれか1つに記載のマイカテープ。
<10>前記樹脂成分を硬化して得られる、<9>に記載のマイカテープの硬化物。
<11>被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される<10>のマイカテープの硬化物を含む絶縁層と、を有する絶縁物。
本発明によれば、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を有する回転電機用コイル及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープ、マイカテープの硬化物及びそれを用いた絶縁物が提供される。
本実施形態のマイカテープの構造の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率又は含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
<回転電機用コイル>
本実施形態の回転電機用コイルは、コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープを含みに由来する層であり、
前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の1mあたりの質量が110g/m〜160g/mであり、前記マイカテープは、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、前記マイカテープは、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である。
なお、本明細書中において「ドライマイカテープ」とは、被絶縁体に巻き付けた後に含浸する樹脂成分を硬化させて絶縁層を形成する方法に用いられるマイカテープを意味する。また、本明細書中において「プリプレグマイカテープ」とは、被絶縁体に巻き付けた後にあらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分を硬化させて絶縁層を形成する方法に用いられるマイカテープを意味する。
本実施形態の回転電機用コイルは、絶縁層を形成するマイカテープが無機フィラーを含有しているため、熱伝導性に優れている。
また、本発明者らの検討により、絶縁層を形成するマイカテープのマイカ層の1mあたりの質量が110g/m以上であると絶縁層の電気絶縁性が良好に維持されるが、110g/mを下回ると電気絶縁性が顕著に低下することがわかった。絶縁層を形成するマイカテープのマイカ層の1mあたりの質量が160g/m以下であるとマイカテープの巻き付け性が良好に維持され、これを用いて形成される絶縁層は、ボイド、ひび等の発生が抑制されるため充分な電気絶縁性を示すに優れているが、マイカ層の1mあたりの質量が160g/mを上回るとマイカテープの巻き付け性が顕著に低下し、これを用いて形成される絶縁層は内部にボイド、ひび等が発生して充分な電気絶縁性が得られないことがわかった。
さらに、絶縁層を形成するマイカテープは、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であるとマイカテープの巻き付け性が良好に維持され、これを用いて形成される絶縁層は高い熱伝導性を示し、またボイド、ひび等の発生が抑制されるため充分な電気絶縁性を示すことがわかった。また、絶縁層を形成するマイカテープは、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下であるとマイカテープの巻き付け性が良好に維持され、これを用いて形成される絶縁層は高い熱伝導性を示し、またボイド、ひび等の発生が抑制されるため充分な電気絶縁性を示すことがわかった。
本実施形態のコイルの絶縁層の形成に用いられるマイカテープの詳細及び好ましい態様は、後述する本実施形態のマイカテープと同様である。また、本実施形態のコイルに用いられるコイル導体の材質、形状、大きさ等は特に制限されず、コイルの用途等に応じて選択できる。
<回転電機用コイルの製造方法>
本実施形態の回転電機用コイルの製造方法は、コイル導体の外周にマイカテープを巻き付ける工程と、前記コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する工程と、を有する。
コイル導体の外周にマイカテープを巻き付ける方法は特に制限されず、通常行われる方法を採用することができる。
コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、コイル導体にマイカテープを巻き付けた後にマイカテープを加圧しながら加熱(ヒートプレス)して、あらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分をマイカテープの外に流出させて重なり合うマイカテープ間を埋めるようにし、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(プリプレグマイカテープの場合)、及びコイル導体にマイカテープを巻き付けた後に真空加圧含浸法(Vacuum Pressure Impregnation、VPI)にて樹脂成分をマイカテープに含浸し、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(ドライマイカテープの場合)が挙げられる。
<マイカテープ>
本実施形態のマイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラー(マイカ以外の無機フィラーであり、以下単に「無機フィラー」と称する。)を含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の1mあたりの質量が110g/m〜160g/mであり、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である。
本発明者らの検討により、マイカテープから形成される絶縁層の電気絶縁性(特に、絶縁寿命)は、マイカ層の1mあたりの質量が110g/m以上であると良好な水準が維持されるが、110g/mを下回ると顕著に低下することがわかった。被絶縁体への巻き付け性は、マイカ層の1mあたりの質量が160g/m以下であると良好な水準が維持され、またテープ全体の厚みが小さくなるため高熱伝導性を維持できるが、マイカ層の1mあたりの質量が160g/mを上回ると、高熱伝導テープの場合、テープ全体の厚みが増すため、顕著に低下することがわかった。従って、マイカ層の1mあたりの質量が110g/m〜160g/mの範囲であると、高熱伝導性を維持しつつ電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能であることがわかった。
マイカ層の1mあたりの質量は、110g/m〜160g/mの範囲であれば特に制限されず、マイカテープに要求される特性に応じて選択できる。より良好な電気絶縁性が求められる場合には、マイカ層の1mあたりの質量は120g/m以上であることが好ましく、140g/m以上であることがより好ましい。より良好な巻き付け性が求められる場合は、マイカ層の1mあたりの質量は160g/m以下であることが好ましく、140g/m以下であることがより好ましい。
また、本発明者らの検討により、マイカテープは、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であるとマイカテープの巻き付け性が良好に維持され、これを用いて形成される絶縁層は高い熱伝導性を示し、またボイド、ひび等の発生が抑制されるため充分な電気絶縁性を示すことがわかった。また、本発明者らの検討により、マイカテープは、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下であるとマイカテープの巻き付け性が良好に維持され、これを用いて形成される絶縁層は高い熱伝導性を示し、またボイド、ひび等の発生が抑制されるため充分な電気絶縁性を示すことがわかった。
マイカテープの厚さとは、マイカ層と裏打ち層の厚さの合計をいう。
マイカテープがプリプレグマイカテープとして使用される場合、マイカテープの巻き付け性の観点からは、マイカテープの平均厚さは250μm以下であることが好ましく、240μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカテープの平均厚さは210μm以上であることが好ましく、220μm以上であることがより好ましく、230μm以上であることがさらに好ましい。熱伝導性の観点からは、マイカテープの平均厚さは250μmが好ましく、240μm以下であることがより好ましい。
マイカテープがドライマイカテープとして使用される場合、マイカテープの巻き付け性の観点からは、マイカテープの平均厚さは160μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカテープの平均厚さは130μm以上であることが好ましく、140μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。熱伝導性の観点からは、マイカテープの平均厚さが150μm以下であることが好ましく、140μm以下であることがより好ましい。
図1は、本実施形態のマイカテープの構造の一例を表す概略断面図である。図1に示すように、マイカテープはマイカ4を含むマイカ層6と、裏打ち材2及び無機フィラー1を含む裏打ち層5と、を有している。また、マイカ層6と裏打ち層5はそれぞれ樹脂成分3を含んでいてもよい。樹脂成分3は、マイカ層6と裏打ち層5の両方に含まれても一方のみに含まれてもよい。マイカ層6(又は裏打ち層5)が樹脂成分3を含む場合、樹脂成分3は、マイカ層6(又は裏打ち層5)の全体に含まれていても、部分的に含まれていてもよい。
本実施形態のマイカテープは、プリプレグマイカテープであっても、ドライマイカテープであってもよい。
(マイカ)
マイカ層に含まれるマイカの種類は、特に制限されない。例えば、未焼成硬質マイカ、焼成硬質マイカ、未焼成軟質マイカ、焼成軟質マイカ、合成マイカ及びフレークマイカが挙げられる。これらの中でも、マイカと樹脂成分の接着性の観点からは、未焼成硬質マイカが好ましい。
マイカは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。マイカを2種以上併用する場合としては、例えば、同じ成分で粒子径が異なるマイカを2種以上用いる場合、粒子径が同じで成分の異なるマイカを2種以上用いる場合、並びに平均粒子径及び成分の異なるマイカを2種以上用いる場合が挙げられる。
マイカの大きさ(粒子径)は、特に制限されない。電気絶縁性の観点からは、公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、マイカ層に含まれるマイカ全体の45質量%未満であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が45質量%未満である場合に電気絶縁性に優れる傾向にある理由は必ずしも明らかではないが、例えば、マイカ層が比較的小さいマイカ片を多く含むことで樹脂成分がマイカ片の間を充分に充填し、マイカ層における空隙の発生が抑制される結果、マイカテープが重なり合った状態で加圧した際にマイカ層中の空隙に起因して生じるマイカテープ間の剥離が抑制されること等が考えられる。
公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合を45質量%未満にすることで、マイカ層の1mあたり質量を増やすことなく電気絶縁性を向上させることができる。すなわち、必要な電気絶縁性を確保しつつマイカテープの厚みの増加を抑えて良好な巻き付け性を得ることができる。
充分な絶縁破壊電界強度を確保する観点からは、公称目開きが0.5mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ層に含まれるマイカ全体の40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
上記のJIS標準篩はJIS−Z−8801−1:2006に準拠し、ISO3310−1:2000に対応する。尚、ISO3310−1:2000を用いる場合には、JIS−Z−8801−1:2006と同様に篩い目の形状が正方形であるものを適用することが好ましい。
篩い分けの対象は、マイカ層を形成する前の状態のマイカ片であっても、マイカテープを形成する前のマイカ層(マイカペーパ)から得たマイカ片であっても、マイカテープにおける裏打ち層から剃刀等を用いて剥離したマイカ層から得られるマイカ片であってもよい。
マイカ層から得られるマイカ片を篩い分けする場合は、マイカ層1gをメチルエチルケトン100gに分散させ、10分間振とう後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。上澄み液を除去して残った固形分に対して、メチルエチルケトン100gを加え、10分間振とう後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。さらにもう一度、上澄み液を除去して残った固形分に対して、メチルエチルケトン100gを加え、10分間振とうした後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。上澄み液を除去して残った固形分1gにメチルエチルケトン100gを加え、ミックスローターにて30分間分散させ、さらに10分間振とうする。その後、容器を振とうさせながら、所定の目開きのJIS標準篩(JIS−Z−8801−1:2006、ISO3310−1:2000、東京スクリーン株式会社、試験用ふるい)で篩い分けする。
(裏打ち材)
裏打ち材の種類は、特に制限されない。例えば、ガラスクロスが挙げられる。裏打ち材としてガラスクロスを用いることで、ガラスクロスを構成する繊維の間に無機フィラーが取り込まれ、無機フィラーの脱落が抑制される傾向にある。また、繊維の間に浸透した樹脂成分によって隣接するマイカ層と良好に一体化し、熱伝導性が向上する傾向にある。
裏打ち材としてガラスクロスを用いる場合、その一部が有機材料で構成される繊維であってもよい。有機材料で構成される繊維は特に制限されず、アラミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル等の繊維が挙げられる。ガラスクロスの一部が有機材料で構成される繊維である場合には、縦糸、横糸又はその両方が有機材料で構成される繊維であってもよい。
裏打ち材の平均厚さは特に限定されない。例えば、30μm〜60μmであることが好ましく、45μm〜50μmであることがより好ましい。裏打ち材の平均厚さが30μm以上であれば、マイカテープを加圧した際に裏打ち層が裏打ち材の厚さに追従して薄くなりすぎるのが抑制され、熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。裏打ち材の厚さが60μm以下であれば、マイカテープが厚くなるのを抑制でき、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける工程中のマイカテープの切れ、ひび等の発生が抑制される傾向にある。
本実施形態において裏打ち材の平均厚さは、マイクロメーター(MDC−SB、株式会社ミツトヨ)を用いて裏打ち材の厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値とする。
裏打ち材は、必要に応じて表面処理されたものでもよい。裏打ち材の表面処理の方法としては、例えば、シランカップリング剤による処理が挙げられる。
(無機フィラー)
無機フィラーの種類は、特に制限されない。例えば、シリカ、窒化ホウ素及びアルミナが挙げられる。熱伝導性の観点からは、窒化ホウ素が好ましい。窒化ホウ素は、他の無機フィラー(例えば、アルミナ)よりも高い熱伝導性を示す。そのため、裏打ち層が窒化ホウ素を含むことで、マイカテープから形成される絶縁層の熱伝導性がより向上する傾向にある。無機フィラーが窒化ホウ素と窒化ホウ素以外の無機フィラーとを含む場合、無機フィラー中の窒化ホウ素の割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
窒化ホウ素の種類は特に限定されず、六方晶窒化ホウ素(h−BN)、立方晶窒化ホウ素(c−BN)、ウルツ鉱型窒化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、六方晶窒化ホウ素(h−BN)が好ましい。窒化ホウ素は、鱗片状に形成されている窒化ホウ素の一次粒子であっても、一次粒子が凝集して形成された二次粒子であってもよい。
無機フィラーの平均粒子径は、特に限定されない。例えば、体積平均粒子径の場合、1μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜20μmであることがより好ましく、5μm〜10μmであることがさらに好ましい。
無機フィラーの体積平均粒子径が1μm以上であると、熱伝導率及び絶縁耐電圧がより向上する傾向にあり、また、マイカテープを樹脂成分で含浸する樹脂含浸工程において微小な無機フィラーの粒子の流出が抑制される傾向にある。無機フィラーの平均粒子径が40μm以下であると、粒子形状の異方性による熱伝導率の異方性が抑制される傾向にあり、また、無機フィラーの粒子のテープ表面からの突出が抑制され、樹脂含浸工程において無機フィラーの流出が抑制される傾向にある。
無機フィラーの体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱方式粒度分布測定装置(日機装株式会社、「マイクロトラック MT3000II」)を用いることで測定可能である。具体的には、純水中に無機フィラーを投入した後に、超音波分散機で分散する。この分散液の粒子径分布を測定することで、無機フィラーの粒子径分布が測定される。この粒子径分布に基づいて、小径側からの体積累積50%に対応する粒子径(D50)を体積平均粒子径として求める。
無機フィラーは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。無機フィラーを2種以上併用する場合としては、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なる無機フィラーを2種以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なる無機フィラーを2種以上用いる場合、並びに平均粒子径及び種類の異なる無機フィラーを2種以上用いる場合が挙げられる。
必要に応じ、無機フィラーはカップリング剤、熱処理又は光処理により表面処理されたものであってもよい。
例えば、熱処理の場合、無機フィラーを適切な温度(例えば、250℃〜800℃)で1時間〜3時間加熱することにより、無機フィラー表面の不純物が除去される。そのため、無機フィラーを樹脂成分と混合したときの親和性が向上し、無機フィラーと樹脂成分を含む組成物の粘度が下がり、塗布しやすくなる傾向にある。また、組成物の塗布面は塗り斑や凹凸が少なく平滑性が向上する傾向にある。
(樹脂成分)
マイカテープは、樹脂成分を含んでもよい。樹脂成分として用いる樹脂の種類は特に制限されない。マイカテープを硬化させて絶縁層を形成する観点からは、硬化性樹脂であることが好ましく、熱硬化性樹脂であることがより好ましい。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。マイカ層と裏打ち層との接着性及び電気絶縁性の観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
樹脂成分としてエポキシ樹脂を用いる場合のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点からは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されない。例えば、130g/eq〜500g/eqであることが好ましく、135g/eq〜400g/eqであることがより好ましく、140g/eq〜300g/eqであることがさらに好ましい。なお、エポキシ当量は、精秤したエポキシ樹脂をメチルエチルケトン等の溶媒に溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液によって電位差滴定することにより測定される。電位差滴定には、指示薬を用いてもよい。
樹脂成分として用いる樹脂の数平均分子量は、特に制限されない。例えば、流動性の観点からは100〜100000であることが好ましく、200〜50000であることがより好ましく、300〜10000であることがさらに好ましい。樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)を用いて、定法に従い下記の条件で測定した値である。
〔測定条件〕
ポンプ:L−6000(株式会社日立製作所)
カラム:TSKgel(登録商標)G4000HHR+G3000HHR+G2000HXL(東ソー株式会社)
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(クロマトグラフィー用安定剤不含、和光純薬工業株式会社)
試料濃度:5g/L(テトラヒドロフラン可溶分)
注入量:100μL
流速:1.0mL/分
検出器:示差屈折率計(RI−8020、東ソー株式会社)
分子量較正標準物質:標準ポリスチレン
データ処理装置:GPC−8020(東ソー株式会社)
マイカテープが樹脂成分として硬化性樹脂を含む場合、硬化剤を樹脂成分として含んでもよい。硬化剤は特に制限されず、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択できる。硬化剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としてはエポキシ樹脂用硬化剤として通常用いられる硬化剤から適宜選択して用いることができる。具体的には、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン硬化剤;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール樹脂硬化剤;脂環式酸無水物等の酸無水物硬化剤などを挙げることができる。硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤とエポキシ樹脂の割合は、当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)で0.8〜1.2とすることが硬化性及び硬化物の電気特性の観点から好ましい。
(硬化触媒)
マイカテープが樹脂成分として硬化性樹脂を含む場合、硬化性樹脂の硬化反応を加速させる等の目的で硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒は特に制限されず、硬化性樹脂及び必要に応じて用いられる硬化剤の種類等に応じて選択できる。硬化触媒として具体的には、トリメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、錫、亜鉛、コバルト等の有機金属塩、三フッ化ホウ素モノエチルアミン等のルイス酸のアミン錯体、有機ホスフィン化合物等の有機リン化合物などを挙げることができる。硬化促進剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
マイカテープが硬化触媒を含む場合、その含有率は特に制限されない。例えば、樹脂成分としてエポキシ樹脂を用いる場合の硬化触媒の含有率は、エポキシ樹脂及び必要に応じて含まれる硬化剤の合計量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲が一般的である。
(その他の成分)
マイカテープは、必要に応じて上述した成分以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、カップリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤、増粘剤等が挙げられる。マイカテープがこれらの成分を含む場合、その含有量は特に制限されない。
<マイカテープの全体構成>
本実施形態のマイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、必要に応じてその他の層を有していてもよい。その他の層としては、マイカテープの最表面に設けられる保護層(保護フィルム)等が挙げられる。
マイカテープの平均厚さ及びその好ましい範囲は上述した通りである。
マイカ層の平均厚さは、特に制限されない。マイカテープの巻き付け性の観点からは、マイカ層の平均厚さは180μm以下であることが好ましく、170μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカ層の平均厚さは80μm以上であることが好ましく、90μm以上であることがより好ましい。
裏打ち層の平均厚さは、特に制限されない。マイカテープの巻き付け性の観点からは、裏打ち層の平均厚さは60μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。マイカテープの強度の観点からは、裏打ち層の平均厚さは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。
本実施形態においてマイカテープの平均厚さは、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いてマイカテープの厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値とする。なお、マイカテープの厚さとは、マイカ層と裏打ち層の厚さの合計をいう。
本実施形態においてマイカテープ中のマイカ層及び裏打ち層の厚さは、マイカテープの断面におけるマイカ層及び裏打ち層の厚さを実体顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社、「BX51」)のミクロメーターにて3箇所観察し、その算術平均値とする。
マイカテープのマイカと裏打ち材を除く不揮発分における無機フィラーの含有率は、特に制限されない。例えば、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%であることが好ましく、25体積%〜35体積%であることがより好ましい。無機フィラーの含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%以上であると、マイカテープから形成される絶縁層の熱伝導率がより向上する傾向にある。無機フィラーの含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の50体積%以下であると、無機フィラーの樹脂成分への充填が容易となる傾向にある。
マイカテープは、裏打ち層が無機フィラーとして窒化ホウ素を含み、マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の2.0倍〜5.0倍であることが好ましい。
マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の5.0倍以下であると、熱伝導率が良好となる。一方、マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の2.0倍以上であると、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた際に、マイカテープのひび割れ、皺等が発生しにくくなり、ボイドの発生及び熱伝導率の低下が充分に抑制される傾向にある。さらに、窒化ホウ素を相対的に多く含むことで、相対的に高い熱伝導率を示す裏打ち層がマイカテープ全体の熱伝導率に寄与する割合が大きくなる傾向にある。マイカの見掛け体積は、窒化ホウ素の体積の3.0倍〜4.8倍であることがより好ましく、3.2倍〜4.0倍であることがさらに好ましい。
本実施形態において、窒化ホウ素の体積は、例えば、下記方法によって算出される。
ホットプレート上で窒化ホウ素を含むマイカテープ(1cm分)を硝酸水溶液中でマイクロウェーブを照射しながら分解し、測定用の試料溶液を調製する。この試料溶液をプラズマ中に噴霧し、プラズマ中で生成するホウ素イオンを質量分析計で分離及び定量し、窒化ホウ素量に換算することで、窒化ホウ素の質量を求める。得られた質量を窒化ホウ素の比重で割ると、マイカテープ1cmあたりの窒化ホウ素の体積(cm)が求められる。
本実施形態において、マイカの見掛け体積は、例えば、下記方法によって算出される。
面積が1cmのマイカテープにおけるマイカ層の厚さ(cm)を求め、得られた厚さ(cm)×1cmとすることで、マイカテープ1cmあたりのマイカの見掛け体積(cm)となる。
マイカテープのマイカ層と裏打ち層の合計質量におけるマイカと裏打ち材を除く不揮発分の含有率は、特に制限されない。例えば、マイカ層と裏打ち層の合計質量の5質量%〜45質量%であることが好ましく、10質量%〜30質量%であることがより好ましく、15質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。マイカと裏打ち材を除く不揮発分の含有率が、マイカ層と裏打ち層の合計質量の5質量%以上であると、熱伝導率がより効果的に向上する傾向にある。マイカと裏打ち材を除く不揮発分の含有率が、マイカ層と裏打ち層の合計質量の45質量%以下であると、マイカテープの厚さの増大が抑えられる傾向にある。また、マイカテープの作製の際にワニスの含浸が進みやすい傾向にある。
マイカテープのマイカと裏打ち材を除く不揮発分における樹脂成分の含有率は、特に制限されない。例えば、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総質量の35質量%〜70質量%であることが好ましく、50質量%〜65質量%であることがより好ましく、55質量%〜60質量%であることがさらに好ましい。樹脂成分の含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総質量の35質量%以上であると、裏打ち層とマイカ層との接着性が向上する傾向にある。樹脂成分の含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総質量の70質量%以下であると、熱伝導性が向上する傾向にある。
マイカテープ中の樹脂成分の含有率は特に制限されず、マイカテープの用途等に応じて選択できる。例えば、樹脂成分の含有率は、マイカ層と裏打ち層の合計質量の40質量%以下であってよく、5質量%〜33質量%であることが好ましい。
マイカテープがプリプレグマイカテープとして使用される場合、樹脂成分の含有率は、例えば、マイカ層と裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%であることが好ましく、25質量%〜30質量%であることがより好ましい。樹脂成分の含有率がマイカ層と裏打ち層の合計質量の25質量%以上であると、マイカテープからのマイカ及び無機フィラーの脱落(粉落ち)が抑制され、被絶縁体にマイカテープを巻き付ける際のマイカテープのひび割れ、切れ、皺等の発生が抑制される結果、絶縁信頼性の低下及び熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。一方、樹脂成分の含有率がマイカ層と裏打ち層の合計質量の33質量%以下であると、マイカテープの厚さの増大が抑制されて良好な巻き付け性が維持される傾向にある。さらに、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた状態で重なり合ったマイカテープ間の空隙を埋めるために必要な体積以上に樹脂成分が流出することが抑制される傾向にある。その結果、ボイドの発生が低減し、絶縁信頼性の低下が抑制される傾向にある。
マイカテープがドライマイカテープとして使用される場合、マイカテープ中の樹脂成分の含有率は、例えば、マイカ層と裏打ち層の合計質量の5質量%〜15質量%であることが好ましく、5質量%〜12質量%であることがより好ましく、8質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。樹脂成分の含有率がマイカ層と裏打ち層の合計質量の5質量%以上であると、裏打ち層とマイカ層との接着性が充分に確保される傾向にある。一方、樹脂成分の含有率がマイカ層と裏打ち層の合計質量の15質量%以下であると、高い熱伝導率が達成される傾向にある。
本実施形態において、マイカテープ中の樹脂成分の含有率は、例えば、下記方法によって算出される。
幅30mm及び長さ50mmの大きさに切断したマイカテープを電気炉にて600℃及び2時間の条件で加熱し、加熱前後の質量減少率(%)を下記式により求める。以上の工程を3回行い、得られた値の算術平均値として求める。
樹脂成分の含有率={(加熱前の質量−加熱後の質量)/加熱前の質量}×100
マイカテープがドライマイカテープとして使用される場合、マイカ層中の樹脂成分の含有率は、マイカ層の総質量の15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
電気絶縁性の観点からは、マイカ層は、無機フィラーを実質的に含まないことが好ましい。具体的には、マイカ層中の無機フィラーの含有率は、マイカ層の総質量の3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
熱伝導率の低下を抑制する観点からは、マイカ層は、フィブリットを実質的に含まないことが好ましい。具体的には、マイカ層中のフィブリットの含有率は、マイカ層の総質量の1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。本明細書においてフィブリットとは、マイカ層が自立可能になるように混合される繊維状の物質であり、ポリアミド、ポリイミド等の有機繊維、ガラスファイバー等の無機繊維などが挙げられる。
本実施形態のマイカテープは、例えば、回転電機コイル等に用いられるコイル導体等の被絶縁体の外周に設けられる絶縁層の形成に用いることができる。
<マイカテープの製造方法>
本実施形態のマイカテープは、いかなる工程を経て製造されたものであってもよく、従来から公知の製造方法を適用することができる。
マイカテープの製造方法の一例としては、裏打ち材をマイカペーパの上に配置して積層体を準備する工程と、無機フィラーと、樹脂成分と、を含む組成物(ワニス)を、前記積層体の前記裏打ち材側に付与する工程と、を含む方法が挙げられる。組成物の付与は、裏打ち材に付与した組成物が裏打ち材の他方の面側ににじみ出てマイカペーパの全体又は一部に浸透するように行ってもよい。必要に応じ、組成物は溶剤を含んでもよい。
上記方法に用いられるマイカ、裏打ち材、無機フィラー及び樹脂成分、並びに製造されるマイカテープの詳細及び好ましい態様は、上述したとおりである。マイカペーパは、マイカ片が集合して形成されたシート状の物体である。
<マイカテープの硬化物>
本実施形態のマイカテープの硬化物は、上述したマイカテープを硬化して得られる。より具体的には、マイカテープに含まれる樹脂成分を硬化して得られる。硬化の方法は特に制限されず、通常の方法から選択できる。樹脂成分は、被絶縁体に巻き付ける前のマイカテープにあらかじめ含まれているものであっても、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた後に含浸されるものであってもよい。
<絶縁物>
本実施形態の絶縁物は、被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される本実施形態のマイカテープの硬化物である絶縁層と、を有する。本実施形態のマイカテープを用いて絶縁層を形成する方法は特に制限されず、従来から公知の製造方法を適用することができる。例えば、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた後にマイカテープを加圧しながら加熱(ヒートプレス)して、あらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分をマイカテープの外に流出させて重なり合うマイカテープ間を埋めるようにし、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(プリプレグマイカテープの場合)、及び被絶縁体にマイカテープを巻き付けた後に真空加圧含浸法(Vacuum Pressure Impregnation、VPI)にて樹脂成分をマイカテープに含浸し、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(ドライマイカテープの場合)が挙げられる。
絶縁層の形成を真空加圧含浸法により行う場合、マイカテープに含浸させる樹脂成分は特に制限されない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、脂環式酸無水物等の硬化剤を含むものが挙げられる。真空加圧含浸法における樹脂成分の含浸方法、含浸後の硬化条件、エポキシ樹脂と硬化剤との比率等は、従来から公知の方法、公知の条件等を参照できる。
絶縁物における被絶縁体の種類は特に限定されず、コイル、棒、板等の形状を有する金属材料(銅等)などが挙げられる。被絶縁体として具体的には、回転電機用コイルのコイル導体が挙げられる。
本実施形態のマイカテープを用いることで、高熱伝導性を示す絶縁層を形成することができる。従って、本実施形態の絶縁物がコイルである場合、当該コイルを冷却する際、従来では水直接冷却方式を採用されていた規模のコイルに対しても、水素冷却方式又は空冷方式を採用することができるようになり、コイルの構造を簡素化することが可能となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)マイカペーパの作製
未焼成硬質マイカを水中に分散してマイカ片とし、抄紙機にて抄造して、1mあたりの質量が110g/mのマイカペーパ(未焼成硬質集成マイカ)を作製した。
マイカペーパの作製に用いた未焼成硬質マイカを公称目開きが2.8mmのJIS標準篩を用いて篩い分けしたところ、篩い目を通過しないマイカの割合はマイカ全体の0質量%であった。
マイカペーパの作製に用いた未焼成硬質マイカを公称目開き0.5mmのJIS標準篩を用いて篩い分けしたところ、篩い目を通過しないマイカの割合はマイカ全体の63質量%であった。
(2)樹脂ワニスの調製
樹脂成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル日本株式会社、商品名「D.E.N.438」(「D.E.N.」は、登録商標))36.7質量部と、硬化触媒として三フッ化ホウ素モノエチルアミン(和光純薬工業株式会社)1.1質量部と、有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)(和光純薬工業株式会社)31.1質量部とを混合した。その後、窒化ホウ素(平均粒子径5μm、電気化学工業株式会社)を31.1質量部加え、さらに混合して樹脂ワニスを調製した。
(3)プリプレグマイカテープの作製
マイカペーパの上に裏打ち材としてガラスクロス(株式会社双洋、「WEA 03G 103」、厚さ0.030mm)を重ね、このガラスクロスの上面に、樹脂ワニスをロールコーターを用いて塗布した。塗布は、樹脂ワニスの樹脂成分がガラスクロスの下のマイカペーパの全体にも浸透するように実施した。含浸性はいずれも良好であった。
この際、ロールコーターとガラスクロスとの間のギャップ幅を調整することで、マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の4.65倍となるようにした。乾燥後、マイカ層とガラスクロス層(裏打ち層)の積層体を、幅が30mmとなるように切断して、プリプレグマイカテープを作製した。このプリプレグマイカテープの平均厚さは214μmであった。平均厚さは、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いてプリプレグマイカテープの厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値である。
(4)プリプレグマイカテープの積層硬化物の作製
上述の方法によって作製したプリプレグマイカテープを、後述する熱伝導率の測定、絶縁破壊電界強度の測定、及び課電劣化寿命の評価に必要な数(3〜16枚)重ねて、170℃で1時間のヒートプレスを行って樹脂成分を硬化させ、積層硬化物を作製した。
<実施例2〜6、比較例1〜2>
マイカペーパの1mあたり質量が表1に記載の値となるようにマイカの使用量を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜2のプリプレグマイカテープを作製し、積層硬化物を作製した。
<実施例7>
(1)ドライマイカペーパの作製
実施例1でマイカテープの作製に用いたものと同じ未焼成硬質マイカを水中に分散してマイカ片とし、抄紙機にて抄造して、1mあたりの質量が110g/mのマイカペーパ(未焼成硬質集成マイカ)を作製した。
(2)樹脂ワニスの調製
樹脂成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社、「エピコート828」(汎用エポキシ))13.1質量部と、硬化触媒として亜鉛(II)アセチルアセトナート(純正化学株式会社)3.3質量部と、有機溶剤としてメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社)46.0質量部とを混合した。その後、無機フィラーとして窒化ホウ素(平均粒子径5μm)を37.6質量部加え、さらに混合して樹脂ワニスを調製した。
(3)ドライマイカテープの作製及び評価
マイカペーパの上に裏打ち材としてガラスクロス(株式会社双洋、「WEA 03G 103」)を重ね、このガラスクロスの上面に、樹脂ワニスをロールコーターにより塗布した。塗布は、ガラスクロスの下のマイカペーパの一部にも樹脂ワニスの樹脂成分が浸透して、マイカペーパとガラスクロスとが樹脂成分で接着するように実施した。乾燥後、幅が30mmになるように切断して、ドライマイカテープを作製した。このドライマイカテープの平均厚さは130μmであった。平均厚さは、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いてドライマイカテープの厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値である。
(4)ドライマイカテープの積層硬化物の作製
上述の方法によって作製したマイカテープを、後述する熱伝導率の測定、絶縁破壊電界強度の測定、及び課電劣化寿命の評価に必要な数(3〜25枚)重ねて、含浸レジンに浸漬し、真空含浸法によりドライマイカテープに樹脂成分を浸透させた。含浸性はいずれも良好であった。その後、130℃で2時間、次いで190℃で2時間のヒートプレスを行って、積層硬化物を作製した。含浸レジンとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社、エピコート828)と硬化剤(日立化成株式会社、「HN−5500」、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)とを質量基準で1:1で混合したものを用いた。
<実施例8〜10、比較例3、4>
マイカペーパの1mあたり質量が表1に記載の値となるようにマイカの使用量を変更した以外は実施例7と同様にして、実施例8〜10及び比較例3、4のドライマイカテープを作製し、積層硬化物を作製した。
<評価>
(1)熱伝導率の測定
上記方法により作製した積層硬化物について、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社、「HC−110」)を用いて、熱伝導率(W/(m・K))を測定した。積層硬化物の積層数は、プリプレグマイカテープの場合は16層、ドライマイカテープの場合は25層とした。結果を表1に示す。
(2)絶縁破壊電界強度の測定
上記方法により作製した積層硬化物を100mm×110mmの大きさに切り出し、絶縁耐力試験装置(東京変圧器株式会社、100kV、10kVAタイプ)を用いて絶縁破壊電圧を測定した。積層硬化物の積層数は、プリプレグマイカテープ、ドライマイカテープともに3層とした。測定条件はJIS C2110に準拠し、電気絶縁油(フロリナート、FC−3283)中で、周波数:商用周波数50Hz、昇圧速度:2kV/sec、遮断電流:8mA、上部球電極:φ20mm/真鍮製、下部電極:φ25mm/SUS製にて計5点測定した。
(3)課電劣化寿命の評価
上記方法により作製した積層硬化物を100mm×110mmの大きさに切り出し、V−t試験装置(京南電機有限会社、max:50kV)を用いて課電劣化寿命(V−t特性)を測定した。積層硬化物の積層数は、プリプレグマイカテープ、ドライマイカテープともに3層とした。測定は、電気絶縁油としてのシリコーンオイル(信越化学工業株式会社、KF−96−50SC)中で、周波数:商用周波数50Hz、上部電極:φ15mm/銅製、下部電極:φ20mm/銅製にて、1電圧水準あたり7箇所測定し、ワイブルプロットを作製した。このワイブルプロットの位置パラメータを0として5%確率値を計算し、電界強度が35kV/mmにおける寿命時間(h)を算出した。結果を表1に示す。
(4)巻き付け性の評価
マイカテープを、被絶縁体としての長さ200mm、幅30mm、厚さ9mmの金属板の長さ方向における一端から他端まで、テープ幅の半分が重なり合うようにしてらせん状に巻き付けた。その際に、マイカテープのひび割れ、皺等の有無を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
ひび割れ、皺等が見られない・・・A
ひび割れ、皺等が1箇所〜4箇所見られる・・・B
ひび割れ、皺等が5箇所以上見られる・・・C
表1に示すように、マイカ層の1mあたり質量が110g/m以上である実施例のマイカテープは、マイカ層の1mあたり質量が110g/m未満である比較例1、3のマイカテープに比べて電気絶縁性(特に、長期的な電気絶縁性の評価指標である課電劣化寿命時間)の評価が高かった。
一方、マイカ層の1mあたり質量が160g/m以下である実施例のマイカテープは、マイカ層の1mあたり質量が160g/mを超える比較例2、4のマイカテープに比べて被絶縁体への巻き付け性の評価が高かった。このことから、実施例のマイカテープを被絶縁体に巻き付けて形成した絶縁層は、比較例2、4のマイカテープを被絶縁体に巻き付けて形成した絶縁層に比べて内部にボイド、ひび等が生じにくく、電気絶縁性により優れていると考えられる。
また、プリプレグマイカテープとして用いた場合、平均厚さが250μm以下である実施例のマイカテープは、平均厚さが250μmを超える比較例2のマイカテープに比べて被絶縁体への巻き付け性及び熱伝導率の評価が高かった。
更に、ドライマイカテープとして用いた場合、平均厚さが170μm以下である実施例のマイカテープは、平均厚さが170μmを超える比較例4のマイカテープに比べて被絶縁体への巻き付け性及び熱伝導率の評価が高かった。
1 無機フィラー
2 裏打ち材
3 樹脂成分
4 マイカ
5 裏打ち層
6 マイカ層

Claims (11)

  1. コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープに由来する層であり、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の1mあたりの質量が110g/m〜160g/mであり、前記マイカテープは、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、前記マイカテープは、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である、回転電機用コイル。
  2. 前記マイカテープにおいて、公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、前記マイカ層に含まれるマイカ全体の45質量%未満である、請求項1に記載の回転電機用コイル。
  3. 前記マイカテープが樹脂成分をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の回転電機用コイル。
  4. 前記マイカテープにおいて、前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
  5. 前記コイル導体の外周に前記マイカテープを巻き付ける工程と、
    前記コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する工程と、を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の回転電機用コイルの製造方法。
  6. マイカを含むマイカ層と、裏打ち材及び無機フィラーを含む裏打ち層と、を有し、前記マイカ層の質量が110g/m〜160g/mであり、ドライマイカテープとして使用される場合は平均厚さが170μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される場合は平均厚さが250μm以下である、マイカテープ。
  7. 公称目開きが2.8mmであるJIS標準篩を通過しないマイカの割合が、前記マイカ層に含まれるマイカ全体の45質量%未満である、請求項6に記載のマイカテープ。
  8. 前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、請求項6又は請求項7に記載のマイカテープ。
  9. 樹脂成分をさらに含む、請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  10. 前記樹脂成分を硬化して得られる、請求項9に記載のマイカテープの硬化物。
  11. 被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される請求項10のマイカテープの硬化物を含む絶縁層と、を有する絶縁物。
JP2017254104A 2017-12-28 2017-12-28 回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物 Pending JP2019122099A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021145097A1 (ja) * 2020-01-17 2021-07-22 株式会社日立インダストリアルプロダクツ プリプレグマイカテープ、回転電機及び回転電機の製造方法
CN113472097A (zh) * 2021-07-07 2021-10-01 银川威马电机有限责任公司 高海拔变频电机
JP7498098B2 (ja) 2020-01-17 2024-06-11 株式会社日立インダストリアルプロダクツ プリプレグマイカテープ、回転電機及び回転電機の製造方法

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