JP2017225315A - 回転電機のコイルおよびその製造方法ならびに回転電機 - Google Patents

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史雄 澤
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聡 廣島
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崇 原川
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栄仁 松崎
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Abstract

【課題】極めて絶縁特性の高く、耐久性、特に課電寿命を著しく向上した回転電機のコイルを提供する。【解決手段】導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルであって、前記絶縁層における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m3)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・Mが、7500000(単位:kg・層/m3/m)以上であることを特徴とする回転電機のコイル、このコイルの製造方法、並びにコイルを具備してなる回転電機。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機のコイルおよびその製造方法ならびにこのコイルを具備してなる回転電機に関するものである。
高電圧回転電機におけるコイル(巻線)の絶縁においては、放電耐性が優れていることからマイカ絶縁層を採用することが一般的である。
このようなマイカ絶縁層の形成方法の一つとしては、例えばガラス繊維質基材と、微細なマイカと、この微細なマイカを分散させかつガラス繊維質基材と結合させる樹脂材料とからなるテープ状物を、コイルの導体の外周上に巻回し、その後、樹脂材料を硬化させる方法を挙げることができる。
特開2012−175799号公報
近年、回転電機の高性能化、高機能化に伴い、回転電機のコイルについても諸特性の向上、例えば絶縁特性、耐熱性、耐久性、課電寿命等の向上、が求められている。
実施形態による本発明は、絶縁特性ならびに課電寿命が特に優れた回転電機のコイルを提供するものである。
このような実施形態によるコイルを、各種の回転電機の固定子あるいは回転子に採用することによって、回転電機の性能および信頼性等を大きく向上させることができる。
本発明の実施形態による回転電機のコイルは、上記目的を達成するものである。
従って、本発明の実施形態による回転電機のコイルは、導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルであって、前記絶縁層における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・Mが、7500000(単位:kg・層/m/m)以上であること、を特徴とするものである。
そして、本発明の実施形態による他の回転電機のコイルは、導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルであって、前記コイルの軸方向に垂直な断面における前記絶縁層の内周面側角部の曲率半径の長さR(単位:mm)が0.3mm〜1mmであること、を特徴とするものである。
そして、本発明の実施形態によるもう一つの回転電機のコイルの製造方法は、導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルを製造する方法であって、前記絶縁層における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・Mが、7500000(単位:kg・層/m/m)以上となるように、前記TおよびMを制御すること、を特徴とするものである。
また、本発明の実施形態による回転電機は、上記の回転電機のコイルを具備してなること、を特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、極めて絶縁特性の高い回転電機のコイルが提供される。このことによって、より高電圧な機器に適用することができ、耐久性、特に課電寿命を著しく向上させることができる。本発明の実施形態によれば、例えば、高電圧が印加された場合であっても、最も電界の集中する導体の角部において必要な絶縁耐性が確保でき、かつ電気トリーの進展に伴う劣化促進を効果的に抑制することができる。
この絶縁特性の向上は、例えば、絶縁層の薄層化を可能とし、コイルの軽量化やコイルの放熱性等を向上させることができる。
本発明の実施形態による回転電機のコイルの概要を示す断面図。 図1の回転電機のコイルの角部を示す部分拡大図。
<回転電機のコイル>
以下、必要に応じて図面を参照して本発明を説明する。なお、下記ならびに各図面は、本発明の実施形態による回転電機のコイルの好ましい具体例について示すものである。従って、本発明による回転電機のコイルは、そこに具体的に開示範囲内のみに限定されないことは言うまでもない。
図1は、本発明の実施形態による回転電機のコイル1の断面図であって、コイルの軸方向に垂直な方向にコイル1を切断したときの断面を示す図である。図2は、図1の回転電機のコイルの右上の角部を示す部分拡大図である。
図1および図2に示される本発明の実施形態による回転電機のコイル1は、複数の素線2からなる導体22と、前記導体22を被覆した絶縁層3と、前記絶縁層3を被覆したコロナ防止層4とを具備してなり、前記絶縁層3がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイル1であって、前記絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)以上であるものである。
そして、この図1および図2には、複数の素線2からなる導体22と、前記導体22を被覆した絶縁層3と、前記絶縁層3を被覆したコロナ防止層4とを具備してなり、前記絶縁層3がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイル1であって、前記コイル1の軸方向に垂直な断面における前記絶縁層3のいずれかの内周面側角部の曲率半径の長さR(単位:mm)が0.3mm〜1mmである、本発明の実施形態による回転電機のコイル1が示されている。
本発明の実施形態においては、A = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)以上であることが必要である。A = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)を下まわる場合には、課電寿命特性が低下することとなり好ましくない。A = T・M は、好ましくは、8500000(単位:kg・層/m/m)以上、特に好ましくは、12000000(単位:kg・層/m/m)以上、である。
図1および図2に示される本発明の実施形態による回転電機のコイル1は、回転電気の回転子コイルならびに回転電気の固定子コイルとして特に好適なものであることから、回転電機の回転子のスロット内あるいは固定子のスロット内に効率良く収容できるように、各素線2、これらを複数結束してなる導体22、絶縁層3およびコロナ防止層4は、それぞれ、その断面において外形が四角形をしているのが一般的である。
図1には、平板状の素線2を横2列×縦9段を配列させてなる合計18本の素線2からなる導体22が示されているが、本発明の回転電機のコイルの導体は、このようなもののみに限定されることはない。
素線2は、電気的に良導体の金属、好ましくは、銅、アルミニウム、銀、ならびにこれら金属種の少なくとも1種と他の金属種を含む合金を用いることができる。なお、複数の素線2は、同一種類の金属であることが好ましく、そして、各素線の断面形状が同一であることが好ましいが、場合により、金属の種類および断面形状は異なることができる。
各素線2が配列されてなる導体22は、そのまま、あるいは必要に応じてレーベル転位(Roebel Tranposition)の工程を経て、結束された後に、その外周部に絶縁層3を被覆することができる。
また、必要に応じて、各素線2が配列されてなる導体22の外周部に内部コロナ防止層5を設けた後に、絶縁層3を形成することができる。なお、この内部コロナ防止層5としては、例えば後述するコロナ防止層4と同様なものを採用することができる。
図2において、絶縁層3の内周面側角部Xの曲率半径の長さは、Rで示されている。
本発明の実施形態においては、「絶縁層3の内周面側角部の曲率半径の長さR(単位:mm)が、0.3mmから1.0mmの範囲である必要である。Rが0.3mmを下回る場合には、角部の電界集中による効果が支配的となり好ましくない。Rが大きくなるにつれて電界集中が弱まることにより特性が良好となることが認められるものの、1.0mmを超えるものにおいては、角部形状の機械加工等の工程が必要となる場合がありコスト増加等の影響をおよぼす。
ここで、絶縁層3の「内周面」とは、具体的には、絶縁層3の導体22側の側面であって、回転電機のコイルの形態において、導体22(あるいは導体22と等電位となる導体あるいは半導体)と接触する面を言う。従って、例えば、(イ)絶縁層3が導体22を直接被覆しているとき(即ち、絶縁層3が、他の材料等を何ら介することなく、導体22の表面と直接接触しているとき)は、導体22と直接接触している側面を言い、(ロ)例えば、絶縁層3が、導体22の電位と等電位となる導体あるいは半導体を介して導体22を被覆しているとき(即ち、絶縁層3が、導体22の等電位面と接触しているとき)は、絶縁層3が導体22の等電位面と接触している側面を言う。よって、絶縁層3の「内周面」とは、上記(イ)のように、導体22と直接接触している絶縁層3の側面とを言い、例えば、等電位面(例えば、内部コロナ防止層5)が形成されている場合には、上記(ロ)のように、等電位面(例えば、内部コロナ防止層5)と接触している絶縁層3の側面となる。
本発明の実施形態においては、Rは好ましくは0.3〜1.0mm、特に好ましくは0.4〜0.8mm、であることから、Rがこの範囲内になるように定めることが好ましい。Rが0.3mmより小さい場合、電界集中の効果が顕著となる傾向があり、一方、Rが大きくなるにつれて、効果が限定的となる傾向がある。
ここで、Rの測定方法については、適当なぬきとり間隔においてサンプルを抽出し、そのサンプルコイルのコロナ防止層の長さについて等間隔で切断する。間隔は概ね5から10等分が適当である。その切断面のRを画像によって測定する。なお、その方法に限ったものではなく、例えばX線等の画像測定によって切断をすることなしに求めることも可能である。
本発明の実施形態による回転電機のコイルは、絶縁層3の4つの内周面側角部Xの全てにおいてT・M≧7500000が成立していることが好ましい。しかし、本発明の実施形態による回転電機のコイルは、これのみに限定されることはない。また、本発明の実施形態による回転電機のコイルでは、連続したコイルの全ての切断面において、T・M≧7500000が常に成立しているもののみに限定されない。したがって、本発明の実施形態による回転電機のコイル1は、連続したコイルのうち、絶縁層3で被覆された部分における、いずれかの切断面における内周面側角部XでT・M≧7500000が成立しているもの、を包含する。
絶縁層3は、マイカを必須成分とし、好ましくは、更に樹脂材料およびガラスを含有してなるものである。
マイカは、その優れた耐熱性と耐放電性に着目されて、従来から例えば各種の高電圧機器、特に高電圧回転電機の絶縁材料として利用されている。本発明の絶縁層3におけるマイカとしては、従来の高電圧回転電機の絶縁材料として用いられてきたものを、適宜選択して用いることができる。
本発明において、特に好ましいマイカとしては、硬質焼成集成マイカ、軟質焼成集成マイカ、硬質未焼成集成マイカ、軟質未焼成集成マイカ、合成マイカ、特に硬質焼成集成マイカを挙げることができる。
この絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mは、導体22の内周面側角部Xの曲率半径Rとの関連を考慮して、上記「A = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)以上」となるように定めることができる。本発明の実施形態においては、単位体積あたりのマイカ量Mは、好ましくは800〜1200kg/m、特に好ましくは900〜100kg/mであることから、単位体積あたりのマイカ量がこの範囲内になり、かつ T・M ≧7500000が成立するように、絶縁層における単位体積あたりのマイカ量Mを調整することができる。
絶縁層3を形成している樹脂材料は、前記のマイカを分散させるとともに、絶縁層3中にガラスが含まれている場合には、前記のマイカとガラスとの両者に結合して両者を保持するものであると同時に、前記のマイカやガラスと複合して絶縁層3に良好な絶縁特性を付与するものである。例えば、絶縁特性が20kV以上の樹脂材料が好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂およびイソシアネート樹脂のいずれか1種あるいは複数種を用いることができる。これらの中では、特にエポキシ樹脂が好ましい。
絶縁層3中の樹脂材料の含有量は、好ましくは20〜45重量%、特に好ましくは33〜40重量%、である。樹脂材料の含有量が、20重量%未満の場合、絶縁層中に樹脂の未充填部、いわゆる空隙が形成されることにより部分放電による絶縁層の劣化が生じる可能性が高くなることから好ましくなく、一方、45重量%超過の場合、絶縁破壊電圧が低下することから好ましくない。なお、樹脂材料の含有量が絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mに影響を与えることがあることから、単位体積あたりのマイカ量Mならびに T・M ≧7500000が成立するように、樹脂材料の含有量を調整することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、好ましくは前述のマイカを分散させた樹脂材料で、上述の導体22を被覆し(内部コロナ防止層5が形成されている場合には、この内部コロナ防止層5を介して、導体22を被覆し)、その後、樹脂材料を硬化させることによって、絶縁層3を形成することができる。
マイカを分散させた樹脂材料による被覆は、好ましくは、マイカを分散させたテープ状の樹脂材料を用意して、このテープを所定の厚さの絶縁層3が得られるように、複数回巻き回わすことによって行うことができる。特に好ましくは、ガラス繊維を含む基材と上記のマイカを分散させた樹脂材料とが複合したテープ状物を、所定の厚さの絶縁層3が得られるように、複数回巻き回わすことによって行うことができる。
絶縁層3の厚さは、本発明の実施形態による回転電機のコイルの具体的用途、目的、適用対象等に応じて適宜定めることができる。
絶縁層3中のガラスは、好ましくは、例えばガラス繊維の織物、編み物、不織布などであって、導体22をテープ状の樹脂材料で被覆する際は、マイカを分散させた樹脂材料を保持する基材(裏うち材)として機能を有するものであり、導体22を被覆後に樹脂材料が硬化された後には、絶縁層3の強度向上に寄与するものである。
絶縁層3を被覆しているコロナ防止層4は、従来の高電圧回転電機の絶縁材料として用いられてきたものを、適宜採用することができる。本発明において、好ましいコロナ防止層4としては、例えば、カーボンブラックを含む樹脂材料、ケッチェンブラックを含む樹脂材料、アセチレンブラックを含む樹脂材料、炭化ケイ素を含む樹脂材料、あるいはそれらの複合物を挙げることができる。この中でも特に好ましいものは、カーボンブラックを含む樹脂材料を主成分とするものである。コロナ防止層4の厚さは、本発明の実施形態による回転電機のコイルの具体的用途、目的、適用対象等に応じて適宜定めることができる。
また、本発明の好ましい他の実施形態においては、コロナ防止層4の外周部に、必要に応じて、他の層(図示せず)を設けることができる。
<回転電機のコイルの製造>
次に、実施形態のコイルの好ましい製造方法について説明する。
本発明の実施形態による回転電機のコイル1は、まず、導体22となる素線2を、所定の長さに切断した後、両端の絶縁被覆を取り除く。その後に、素線2を所定本数束ねて、必要に応じて、レーベル転位(Roebel Tranposition)の工程を行うことができる。次に、ヒートプレスにより成型し、所定のコイル形状に成型することができる。この後、必要に応じて、内部コロナ防止層5の形成を行い、さらに例えばテーピングマシンによって絶縁層3を形成し、次いで外部コロナ防止層4のテーピングを行う。さらに、必要に応じて、形状を整えるための当て板を設置し、真空加圧処理を行うことで固定子コイルを製造することが好ましい。
絶縁層3は、マイカを含有するテープ材を複数回巻き回して形成される積層体を加熱固化させることによって形成することができる。好ましくは、マイカを分散させた樹脂材料を予めガラス繊維基材に含浸させて半硬化させたテープ状物を導体22の外周部(場合により内部コロナ防止層5の外周部)に巻き回した後、真空処理した後(あるいは真空処理と共に)、加圧によって前記樹脂材料を溶融させてテープ間に浸透させ、その後に樹脂材料を加熱硬化させることによって行うことができる。
<回転電機の回転子、固定子、回転電機>
上記の本発明緒の実施形態によるコイルを、各種の回転電機の固定子あるいは回転子に採用することによって、回転電機の性能および信頼性等を大きく向上させることができる。
従って、実施形態による回転電機の回転子は、上記の回転電機のコイルを具備してなることを特徴とするもの、具体的には、回転電機の回転子を形成している鉄心のスロット内に配置されているもの、である。
また、実施形態による回転電機の固定子は、上記の回転電機のコイルを具備してなることを特徴とするもの、具体的には、回転電機の固定子を形成している鉄心のスロット内に配置されているもの、である。とするものである。
そして、実施形態による回転電機は、上記の回転電機のコイルを具備してなることを特徴とするもの、具体的には、回転電機の回転子または固定子のいずれか片方あるいは両方のスロット内に配置されているもの、である。
本発明の実施形態による回転電機は、好ましくは揚水発電機、特に好ましくは可変速揚水発電機、である
本発明の実施形態による回転電機のコイルは、回転電機の回転子のスロットあるいは固定子のスロットに組み込む前に、絶縁層3を構成している樹脂材料を予め硬化させ、その硬化物を回転子のスロットあるいは固定子のスロットに組み込むことができるし、絶縁層3を構成している樹脂材料を未硬化(あるいは一部硬化)状態で固定子または回転子のスロットに組み込んでスロット内で樹脂材料の硬化を進めることができる。
<実施例1>
導体となる銅製の素線(断面形状:縦3.4mm×横7.7mm)を4本を、図1のように配置した。次に、ヒートプレスにより成型して、回転電機の固定子用のコイルに適する形状に成型して、導体22を得た。
その後、導体22の外周上に、厚さ0.1mmの内部コロナ防止層をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
次いで、ガラス繊維質基体と、その上に硬質焼成集成マイカ紙を配置し、半硬化状のエポキシ樹脂材料にて一体化した、幅32mmのマイカテープを、導体22の内部コロナ防止層の上に、テープ幅の1/2が重なる様に螺旋状に巻き回し、テープ層数が26層の巻き回し体を得た。
更に、上記の巻き回し体の外周上に、厚さ0.15mmのコロナ防止層4をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
上記のコロナ防止層4が形成された巻き回し体を、形状を整えるために加圧しながら、真空加熱処理(加熱温度150℃)に付すことによって、エポキシ樹脂を硬化させて、本発明の実施形態による回転電機のコイル1を得た。
この回転電機のコイル1は、絶縁層3の厚さが3.3mmであり、絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mが1080kg/mであり、絶縁層3における層数が7711層/mであり、従って、T・M が8327880kg/m/mのものである。絶縁層3中の樹脂材料の含有量は、37重量%である(実施例1の1)。
T・M を表1記載のように変更した以外は上記と同様にして、回転電機のコイルを得た(実施例1の2〜4)。
この本発明の実施形態による回転電機のコイルの絶縁特性を下記方法によって評価した。
評価方法
実施例にしたがい試作したコイルについて、コロナ防止層外周に錫箔を巻いた上で接地した。一方、導体側に高電圧を印加して長時間保持し、コイルが絶縁破壊するまでの時間を計測した。この方法は一般には課電寿命試験と呼ばれるものである。この時、試験電圧を絶縁層の厚さで除算した値(kV/mm)
評価結果は、表1に示される通りである。
<比較例1>
実施例1と同じ製造方法により、導体22を得た。
その後、導体22の外周上に、厚さ0.1mmの内部コロナ防止層をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
次いで、ガラス繊維質基体と、その上に硬質焼成集成マイカ紙を配置し、半硬化状のエポキシ樹脂材料にて一体化した、幅32mmのマイカテープを、導体22の内部コロナ防止層の上に、テープ幅の1/2が重なる様に螺旋状に巻き回し、テープ層数が24層の巻き回し体を得た。
更に、上記の巻き回し体の外周上に、厚さ0.15mmのコロナ防止層4をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
上記のコロナ防止層4が形成された巻き回し体を、形状を整えるために加圧しながら、真空加熱処理(加熱温度150℃)に付すことによって、エポキシ樹脂を硬化させて、コイルを得た。
この回転電機のコイルは、絶縁層3の厚さが3.4mmであり、絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mが847kg/mであり、絶縁層3における層数が7059層/mであり、従って、T・M が5978973kg/m/mのものである。絶縁層3中の樹脂材料の含有量は、37重量%である(比較例1の1)。
T・M を表1記載のように変更した以外は上記と同様にして、回転電機のコイルを得た(比較例1の2)。
<実施例2>
実施例1と同じ製造方法により、導体22を得た。
その後、導体22の外周上に、厚さ0.1mmの内部コロナ防止層をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
次いで、ガラス繊維質基体と、その上に硬質焼成集成マイカ紙を配置し、半硬化状のエポキシ樹脂材料にて一体化した、幅32mmのマイカテープを、導体22の内部コロナ防止層の上に、テープ幅の1/2が重なる様に螺旋状に巻き回し、テープ層数が26層の巻き回し体を得た。
更に、上記の巻き回し体の外周上に、厚さ0.15mmのコロナ防止層4をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
上記のコロナ防止層4が形成された巻き回し体を、形状を整えるために加圧しながら、真空加熱処理(加熱温度150℃)に付すことによって、エポキシ樹脂を硬化させて、コイルを得た。
この回転電機のコイルは、絶縁層3の厚さが2.4mmであり、絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mが987kg/mであり、絶縁層3における層数が12346層/mであり、従って、T・M が12185502kg/m/mのものである。絶縁層3中の樹脂材料の含有量は、34重量%である(実施例2の1)。
T・M を表1記載のように変更した以外は上記と同様にして、回転電機のコイルを得た(実施例2の2〜4)。
<比較例2>
実施例1と同じ製造方法により、導体22を得た。
その後、導体22の外周上に、厚さ0.1mmの内部コロナ防止層をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
次いで、ガラス繊維質基体と、その上に硬質焼成集成マイカ紙を配置し、半硬化状のエポキシ樹脂材料にて一体化した、幅32mmのマイカテープを、導体22の内部コロナ防止層の上に、テープ幅の1/2が重なる様に螺旋状に巻き回し、テープ層数が26層の巻き回し体を得た。
更に、上記の巻き回し体の外周上に、厚さ0.15mmのコロナ防止層4をカーボンブラックを含む繊維強化材料によって形成した。
上記のコロナ防止層4が形成された巻き回し体を、形状を整えるために加圧ながら、真空加熱処理(加熱温度150℃)に付すことによって、エポキシ樹脂を硬化させて、コイルを得た。
この回転電機のコイルは、絶縁層3の厚さが2.6mmであり、絶縁層3における単位体積あたりのマイカ量Mが1108kg/mであり、絶縁層3における層数が6158層/mであり、従って、T・M が6823064kg/m/mのものである。絶縁層3中の樹脂材料の含有量は、33重量%である(比較例2の1)。
T・M を表1記載のように変更した以外は上記と同様にして、回転電機のコイルを得た(比較例2の2)。
評価結果は、表1に示される通りである。
Figure 2017225315
上記の通り、本発明の実施形態による回転電機のコイル(各実施例)は、比較例のコイルに比べて、寿命が数倍向上する。
それと同時に、寿命が向上したことにより、長期の運転においても信頼性の高い回転電機を提供することができる。
以上、本発明の一つの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことは可能である。
1:回転電機のコイル、2:素線、22:導体、3:絶縁層、4:コロナ防止層、5:内部コロナ防止層、R:曲率半径の長さ

Claims (5)

  1. 導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルであって、
    前記絶縁層における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)以上であることを特徴とする、回転電機のコイル。
  2. 導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルであって、
    前記コイルの軸方向に垂直な断面における前記絶縁層の内周面側角部の曲率半径の長さR(単位:mm)が0.3mm〜1mmであることを特徴とする、回転電機のコイル。
  3. 前記絶縁層は、樹脂材料の存在割合が33〜40重量%のものである、請求項1または2に記載の回転電機のコイル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のコイルを具備してなることを特徴とする、回転電機。
  5. 導体と、前記導体を被覆した絶縁層と、前記絶縁層を被覆したコロナ防止層とを具備してなり、前記絶縁層がマイカを含有するテープ材の積層物の加熱固化体である回転電機のコイルを製造する方法であって、
    前記絶縁層における単位体積あたりのマイカ量M(単位:kg/m)、および前記絶縁層における単位厚さ当りの前記テープ材の積層層数T(単位:層数/m)との積で表されるA = T・M が、7500000(単位:kg・層/m/m)以上となるように、前記TおよびMを制御することを特徴とする、回転電機のコイルの製造方法。
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