JP6889153B2 - 回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物 - Google Patents

回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機用コイル、回転電機用コイルの製造方法、マイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物に関する。
発電機、電動機等の回転電機に用いられるコイル(以下、単にコイルとも称する)は、一般にコイル導体と、コイル導体を外部環境から絶縁するためにコイル導体の外周に配置される絶縁層とを有している。絶縁層を形成する材料として、マイカテープと呼ばれるマイカを用いた絶縁材が知られている(例えば、国際公開第2015−053374号参照)。マイカテープは、一般に、裏打ち材を含む裏打ち層と、マイカを含むマイカ層とから主に構成されている。マイカテープには、被絶縁体に巻きつける前の状態か、被絶縁体に巻き付けた後の状態で樹脂成分が含浸され、この樹脂成分を硬化することで絶縁層が形成される。
マイカ層に含まれるマイカは電気絶縁性に優れた薄片状の無機物質であり、マイカ層に含まれるマイカの量が多いほど絶縁効果は高まる傾向にある。他方、マイカの量を多くするとマイカテープの厚みが増大して被絶縁体に巻き付けにくくなったり、形成した絶縁層中に空隙、ひび等が生じたりする場合がある。従って、マイカ層に含まれるマイカの量を増やす手法によらずにマイカテープの電気絶縁性を向上する技術の開発が待たれている。
本発明は上記事情に鑑み、電気絶縁性に優れる絶縁層を備える回転電機用コイル及びその製造方法を提供することを課題とする。また、電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープ、マイカテープの硬化物及びそれを用いた絶縁物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープを含み、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、回転電機用コイル。
<2>前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上である、<1>に記載の回転電機用コイル。
<3>コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープを含み、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、回転電機用コイル。
<4>前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上である、<3>に記載の回転電機用コイル。
<5>前記マイカ層におけるマイカ量が200g/m以下である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<6>前記マイカテープの平均厚さが300μm以下である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<7>前記マイカテープの平均厚さが220μm以下である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<8>前記マイカ層の平均厚さが180μm以下である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<9>前記裏打ち層は無機フィラーをさらに含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<10>前記無機フィラーは窒化ホウ素を含む、<9>に記載の回転電機用コイル。
<11>前記マイカの見掛け体積が前記無機フィラーの体積の2.0倍〜5.0倍である、<9>又は<10>に記載の回転電機用コイル。
<12>前記無機フィラーの平均アスペクト比が1〜10である、<9>〜<11>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<13>前記無機フィラーの体積平均粒子径が1μm〜40μmである、<9>〜<12>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<14>前記無機フィラーの含有率が、前記マイカテープ中の前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<9>〜<13>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<15>前記マイカテープの平均厚さが120μm以上である、<1>〜<14>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<16>前記マイカテープが樹脂成分の硬化物をさらに含む、<1>〜<15>のいずれか1項に記載の回転電機用コイル。
<17>前記樹脂成分の硬化物の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%である、<16>に記載の回転電機用コイル。
<18>前記樹脂成分の硬化物の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の5質量%〜15質量%である、<16>に記載の回転電機用コイル。
<19>マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、マイカテープ。
<20>前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上である、<19>に記載のマイカテープ。
<21>マイカを含むマイカ層と、裏打ち材を含む裏打ち層とを有し、前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、マイカテープ。
<22>前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上である、<21>に記載のマイカテープ。
<23>前記マイカ層におけるマイカ量が200g/m以下である、<19>〜<22>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<24>前記マイカテープの平均厚さが300μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される、<19>〜<23>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<25>前記マイカテープの平均厚さが220μm以下であり、ドライマイカテープとして使用される、<19>〜<23>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<26>前記マイカ層の平均厚さが180μm以下である、<19>〜<25>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<27>前記裏打ち層は無機フィラーをさらに含む、<19>〜<26>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<28>前記無機フィラーは窒化ホウ素を含む、<27>に記載のマイカテープ。
<29>前記マイカの見掛け体積が前記無機フィラーの体積の2.0倍〜5.0倍である、<27>又は<28>に記載のマイカテープ。
<30>前記無機フィラーの平均アスペクト比が1〜10である、<27>〜<29>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<31>前記無機フィラーの体積平均粒子径が1μm〜40μmである、<27>〜<30>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<32>前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<27>〜<31>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<33>前記マイカテープの平均厚さが120μm以上である、<19>〜<32>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<34>樹脂成分をさらに含む、<19>〜<33>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<35>前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%であり、プリプレグマイカテープとして使用される、<34>に記載のマイカテープ。
<36>前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の5質量%〜15質量%であり、ドライマイカテープとして使用される、<34>に記載のマイカテープ。
<37><19>〜<36>のいずれか1項に記載のマイカテープの硬化物。
<38>被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される<37>に記載のマイカテープの硬化物である絶縁層と、を有する絶縁物。
本発明によれば、電気絶縁性に優れる絶縁層を備える回転電機用コイル及びその製造方法が提供される。また、電気絶縁性に優れる絶縁層を形成可能なマイカテープ、マイカテープの硬化物及びそれを用いた絶縁物が提供される。
本実施形態のマイカテープの構造の一例を表す概略断面図である。 マイカテープを被絶縁体に巻きつける方法の一例を模式的に示す図である。 マイカテープを用いて形成した絶縁層の断面の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
<回転電機用コイル(第1実施形態)>
本実施形態の回転電機用コイルは、コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープを含み、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材を含む裏打ち層とを有し、前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である。
<回転電機用コイル(第2実施形態)>
本実施形態の回転電機用コイルは、コイル導体と、前記コイル導体の外周に配置された絶縁層と、を有し、前記絶縁層はマイカテープを含み、前記マイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、回転電機用コイル。
各実施形態のコイルの絶縁層の形成に用いられるマイカテープの詳細及び好ましい態様は、後述する。コイル導体の材質、形状、大きさ等は特に制限されず、コイルの用途等に応じて選択できる。
<回転電機用コイルの製造方法>
本実施形態の回転電機用コイルの製造方法は、上述した実施形態の回転電機用コイルの製造方法であって、コイル導体の外周にマイカテープを巻き付ける工程と、前記コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する工程と、を有する。
コイル導体の外周にマイカテープを巻き付ける方法は特に制限されず、通常行われる方法を採用することができる。
コイル導体の外周に巻き付けられた前記マイカテープから絶縁層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、コイル導体にマイカテープを巻き付けた後にマイカテープを加圧しながら加熱(ヒートプレス)して、あらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分をマイカテープの外に流出させて重なり合うマイカテープ間を埋めるようにし、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(プリプレグマイカテープの場合)、及びコイル導体にマイカテープを巻きつけた後に真空加圧含浸法(Vacuum Pressure Impregnation、VPI)にて樹脂成分をマイカテープに含浸し、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(ドライマイカテープの場合)が挙げられる。
<マイカテープ(第1実施形態)>
本実施形態のマイカテープは、マイカを含むマイカ層と、裏打ち材を含む裏打ち層とを有し、前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である。
また、前記JIS標準篩はJIS−Z−8801−1:2006に準拠し、ISO3310−1:2000に対応する。尚、ISO3310−1:2000を用いる場合には、JIS−Z−8801−1:2006と同様に篩い目の形状が正方形であるものを適用することが好ましい。
本発明者らの検討により、本実施形態のマイカテープを用いて形成した絶縁層は、裏打ち層から剥離したマイカ層から得られるマイカ片における粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が45質量%以上であるマイカテープを用いて形成した絶縁層に比べ、電気絶縁性に優れていることがわかった。その理由は明らかではないが、マイカ層が比較的小さいマイカ片を多く含むことで樹脂成分がマイカ片の間を充分に充填し、マイカ層における空隙の発生が抑制される結果、マイカテープが重なり合った状態で加圧した際にマイカ層中の空隙に起因して生じるマイカテープ間の剥離が抑制されること等が考えられる。
本実施形態のマイカテープは、マイカの量を増やすことなく絶縁層の電気絶縁性を向上することができるため、必要な電気絶縁性を確保しつつマイカテープの厚みを低減することが可能になる。その結果、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける際の作業性に優れるマイカテープを提供することが可能になる。また、本実施形態のマイカテープによれば、マイカ層中の空隙とマイカテープ間の剥離の発生が抑制されて信頼性に優れる絶縁層を形成することが可能になる。
本実施形態のマイカテープは、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた後にあらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分を硬化させて絶縁層を形成する方法に用いられるマイカテープ(プリプレグマイカテープ)であっても、被絶縁体に巻きつけた後に樹脂成分で含浸し、これを硬化させて絶縁層を形成する方法に用いられるマイカテープ(ドライマイカテープ)であってもよい。
図1は、本実施形態のマイカテープの構造の一例を表す概略断面図である。図1に示すように、マイカテープは無機フィラー1と裏打ち材2を含む裏打ち層5と、マイカ4を含むマイカ層6と、を有していてもよい。また、裏打ち層5とマイカ層6はそれぞれ樹脂成分3を含んでいてもよい。裏打ち層5は、無機フィラー1を含んでいなくてもよい。図1に記載のマイカテープは、裏打ち層5の全体とマイカ層6の全体が樹脂成分3を含んだ状態(プリプレグマイカテープ)となっているが、マイカ層6の全体又は一部が樹脂成分3を含まない状態(ドライマイカテープ)であってもよい。
(マイカ層)
マイカ層はマイカを含み、裏打ち層から剥離したマイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である。電気絶縁性向上の観点からは、粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合は、マイカ片全体の30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
充分な絶縁破壊電界強度を確保する観点からは、裏打ち層から剥離したマイカ層から得られるマイカ片におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
裏打ち層から剥離したマイカ層から得られるマイカ片におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合、及び粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合は、例えば、以下のようにして確認することができる。
マイカテープの裏打ち層とマイカ層の界面に剃刀を差し込み、裏打ち層からマイカ層を剥離する。剥離したマイカ層1gをメチルエチルケトン100gに分散させ、10分間振とう後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。上澄み液を除去して残った固形分に対して、メチルエチルケトン100gを加え、10分間振とう後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。さらにもう一度、上澄み液を除去して残った固形分に対して、メチルエチルケトン100gを加え、10分間振とうした後、8000回転/分(rpm)で5分間遠心分離する。上澄み液を除去して残った固形分1gにメチルエチルケトン100gを加え、ミックスローターにて30分間分散させ、さらに10分間振とうする。その後、容器を振とうさせながら、目開き2.8mmから目開き0.5mmの順にJIS標準篩(JIS−Z−8801−1:2006、ISO3310−1:2000、東京スクリーン株式会社、試験用ふるい)で篩い分けする。
篩い分けの結果、目開き2.8mmの篩いの目を通らずに残った残渣分の、篩い分けする前のマイカ片の全量中の割合(質量%)を「JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合」とする。
篩い分けの結果、目開き2.8mmの篩いの目を通らずに残った残渣分と、目開き0.5mmの篩いの目を通らずに残った残渣分との合計の、篩い分けする前のマイカ片の全量中の割合(質量%)を「JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合」とする。
マイカ層に含まれるマイカの種類は特に制限されない。例えば、未焼成硬質マイカ、焼成硬質マイカ、未焼成軟質マイカ、焼成軟質マイカ、合成マイカ及びフレークマイカが挙げられる。これらの中でも、マイカと樹脂成分の接着性の観点からは、未焼成硬質マイカが好ましい。
マイカは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。マイカを2種以上併用する場合としては、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なるマイカを2種以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なるマイカを2種以上用いる場合、並びに平均粒子径及び成分の異なるマイカを2種以上用いる場合が挙げられる。
マイカ層におけるマイカの量は、特に制限されない。例えば、100g/m〜200g/mの範囲が挙げられる。マイカ層中のマイカの量が100g/m以上であれば、電気絶縁性の低下が抑制される傾向にある。マイカ層中のマイカの量が200g/m以下であれば、マイカテープの厚さをより薄くでき、熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。
マイカ層は樹脂成分を含んでいても、含んでいなくてもよい。マイカ層が樹脂成分を含む場合、マイカ層に含まれる樹脂成分は、特に限定されない。マイカテープを硬化させて絶縁層を形成する観点からは、硬化性樹脂であることが好ましく、熱硬化性樹脂であることがより好ましい。硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。マイカ層と裏打ち層との接着性及び電気絶縁性の観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。樹脂成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分としてエポキシ樹脂を用いる場合のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点からは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の数平均分子量は、特に制限されない。例えば、流動性の観点からは100〜100000であることが好ましく、200〜50000であることがより好ましく、300〜10000であることがさらに好ましい。なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。エポキシ樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)を用いて、定法に従い下記の条件で測定した値である。
〔測定条件〕
ポンプ:L−6000(株式会社日立製作所)
カラム:TSKgel(登録商標)G4000HHR+G3000HHR+G2000HXL(東ソー株式会社)
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(クロマトグラフィー用安定剤不含、和光純薬工業株式会社)
試料濃度:5g/L(テトラヒドロフラン可溶分)
注入量:100μL
流速:1.0mL/分
検出器:示差屈折率計(RI−8020、東ソー株式会社)
分子量較正標準物質:標準ポリスチレン
データ処理装置:GPC−8020(東ソー株式会社)
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されない。例えば、130g/eq〜500g/eqであることが好ましく、135g/eq〜400g/eqであることがより好ましく、140g/eq〜300g/eqであることがさらに好ましい。なお、エポキシ当量は、精秤したエポキシ樹脂をメチルエチルケトン等の溶媒に溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液によって電位差滴定することにより測定される。電位差滴定には、指示薬を用いてもよい。
マイカ層が樹脂成分を含む場合、樹脂成分として硬化剤を含んでもよい。硬化剤は特に制限されず、樹脂成分として用いる樹脂の種類等に応じて選択できる。
特に、樹脂成分として用いる樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としてはエポキシ樹脂用硬化剤として通常用いられる硬化剤から適宜選択して用いることができる。具体的には、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン硬化剤;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール樹脂硬化剤;脂環式酸無水物等の酸無水物硬化剤などを挙げることができる。硬化剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤とエポキシ樹脂の割合は、当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)で0.8〜1.2とすることが硬化性及び硬化物の電気特性の観点から好ましい。
マイカ層が樹脂成分を含む場合、樹脂成分の硬化反応を加速させる目的で硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は特に制限されず、樹脂成分の種類等に応じて選択できる。硬化促進剤としては、トリメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール触媒、三フッ化ホウ素モノエチルアミン等のルイス酸のアミン錯体、有機ホスフィン化合物等の有機リン化合物などを挙げることができる。硬化促進剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
マイカ層が硬化促進剤を含む場合、その含有率は特に制限されない。例えば、樹脂成分として用いる樹脂がエポキシ樹脂である場合の硬化促進剤の含有率は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲が一般的である。
マイカ層は、必要に応じてマイカ及び上述した成分以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、各種添加剤、マイカ以外の無機フィラー等が挙げられる。添加剤としては、カップリング剤、エラストマー、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤、増粘剤等が挙げられる。
マイカ層がマイカ以外の無機フィラーを含む場合、その量は、マイカテープの柔軟性等の特性が損なわれない程度であることが好ましい。
マイカ層は、フィブリットを含まないことが好ましい。マイカ層がフィブリットを含む場合、その含有率は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。マイカ層中のフィブリットの含有率が1質量%以下であれば、熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。本明細書においてフィブリットとは、マイカ層が自立可能になるように混合される繊維状の物質であり、例えば、ポリアミド、ポリイミド等の有機繊維、ガラスファイバー等の無機繊維などが挙げられる。
(裏打ち層)
裏打ち層は、裏打ち材を含む。裏打ち材の種類は特に制限されない。例えば、ガラスクロスが挙げられる。裏打ち材としてガラスクロスを用いることで、マイカ及び必要に応じて含まれる無機フィラーのマイカテープからの脱落(粉落ち)が抑制され、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける工程中のマイカテープの切れ、ひび等が抑制される傾向にある。
裏打ち材としてガラスクロスを用いる場合、その一部が有機材料で構成される繊維であってもよい。有機材料で構成される繊維は特に制限されず、アラミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル等の繊維が挙げられる。ガラスクロスの一部が有機材料で構成される繊維である場合には、縦糸、横糸又はその両方が有機材料で構成される繊維であってもよい。
裏打ち材の平均厚さは特に限定されない。例えば、10μm〜60μmであることが好ましく、20μm〜50μmであることがより好ましい。裏打ち材の平均厚さが10μm以上であれば、マイカテープを加圧した際に裏打ち層が裏打ち材の厚さに追従して薄くなりすぎるのが抑制され、熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。裏打ち材の平均厚さが60μm以下であれば、マイカテープが厚くなるのを抑制でき、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける工程中のマイカテープの切れ、ひび等の発生が抑制される傾向にある。
本実施形態において裏打ち材の平均厚さは、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いてマイカテープの厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値とする。
裏打ち材は、必要に応じて表面処理されたものでもよい。裏打ち材の表面処理の方法としては、例えば、シランカップリング剤による処理が挙げられる。
裏打ち層は、無機フィラーを含んでもよい。無機フィラーとしては、シリカ、窒化ホウ素、アルミナ等が挙げられる。熱伝導率の観点からは、窒化ホウ素が好ましい。窒化ホウ素は、他の無機フィラー(例えば、アルミナ)よりも高い熱伝導性を示す。そのため、裏打ち層が窒化ホウ素を含むことで、マイカテープから形成される絶縁層の熱伝導性が向上する傾向にある。
窒化ホウ素の種類は特に限定されず、六方晶窒化ホウ素(h−BN)、立方晶窒化ホウ素(c−BN)、ウルツ鉱型窒化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、六方晶窒化ホウ素(h−BN)が好ましい。窒化ホウ素は、鱗片状に形成されている窒化ホウ素の一次粒子であっても、一次粒子が凝集して形成された二次粒子であってもよい。
無機フィラーの平均粒子径は、特に限定されない。例えば、体積平均粒子径の場合、1μm〜40μmが好ましく、5μm〜20μmがより好ましい。無機フィラーの体積平均粒子径が1μm以上であると、熱伝導率及び絶縁耐電圧がより向上する傾向にある。無機フィラーの体積平均粒子径が40μm以下であると、粒子形状の異方性による熱伝導率の異方性が抑制される傾向にある。
無機フィラーの体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱方式粒度分布測定装置(日機装株式会社、「マイクロトラック MT3000II」)を用いることで測定可能である。具体的には、純水中に無機フィラーを投入した後に、超音波分散機で分散する。この分散液の粒子径分布を測定することで、無機フィラーの粒子径分布が測定される。この粒子径分布に基づいて、小径側からの体積累積50%に対応する粒子径(D50)を体積平均粒子径として求める。
無機フィラーは、平均アスペクト比が1〜10の範囲内であることが好ましく、1〜5の範囲内であることがより好ましい。無機フィラーの平均アスペクト比は、20個の代表的な粒子についてそれぞれ短径に対する長径の長さの比(長径/短径)を測定し、得られた測定値の算術平均値とする。
無機フィラーの平均アスペクト比の測定方法は特に制限されない。例えば、無機フィラーを含むマイカテープの硬化物を厚み方向に切断し、切断面をイオンミリング処理により平滑化した後、白金を蒸着して得られた切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:3000倍)により観察し、ミクロメーターを用いて測定することができる。
無機フィラーは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。無機フィラーを2種以上併用する場合としては、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なる無機フィラーを2種以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なる無機フィラーを2種以上用いる場合、並びに平均粒子径及び種類の異なる無機フィラーを2種以上用いる場合が挙げられる。
裏打ち層が無機フィラーを含む場合、その含有率は特に限定されない。例えば、マイカテープ中のマイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%であることが好ましく、25体積%〜35体積%であることがより好ましい。無機フィラーの含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%以上であると、マイカテープから形成される絶縁層の熱伝導率がより向上する傾向にある。無機フィラーの含有率が、マイカと裏打ち材を除く不揮発分の総体積の50体積%以下であると、無機フィラーの樹脂成分への充填が容易となる傾向にある。
無機フィラーは、必要に応じてカップリング剤の付与、熱処理、光処理等によって表面処理されたものを含んでもよい。例えば、熱処理の場合、無機フィラーを適切な高温(例えば、250℃〜800℃)で1時間〜3時間加熱することにより、無機フィラーの表面の不純物が除去される。そのため、無機フィラーと樹脂成分とを混合した際の親和性が向上し、無機フィラーと樹脂成分との混合物(ワニス)の粘度が下がり、塗布が容易になる傾向にある。また、ワニスの塗布面における塗り斑、凹凸等の発生が抑制され、平坦性が向上する傾向にある。
裏打ち層は樹脂成分を含んでいても、含んでいなくてもよい。裏打ち層が樹脂成分を含む場合、その種類は特に制限されない。例えば、上述したマイカ層に含まれてもよい樹脂成分が挙げられ、好ましい態様も同様である。
裏打ち層は、必要に応じて裏打ち材、樹脂成分及び無機フィラー以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、硬化促進剤、各種添加剤等が挙げられる。添加剤としては、カップリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤、増粘剤等が挙げられる。
(マイカテープの全体構成)
マイカテープの平均厚さ(マイカ層と裏打ち層の厚さの合計)は特に制限されず、用途等に応じて選択できる。例えば、マイカテープの平均厚さは400μm以下であってよく、350μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
マイカテープがプリプレグマイカテープとして使用される場合、マイカテープの巻きつけやすさの観点からは、マイカテープの平均厚さは300μm以下であることが好ましく、290μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカテープの平均厚さは120μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、160μm以上であることがさらに好ましい。
マイカテープがドライマイカテープとして使用される場合、マイカテープの巻きつけやすさの観点からは、マイカテープの平均厚さは220μm以下であることが好ましく、190μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカテープの平均厚さは120μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、180μm以上であることがさらに好ましい。
マイカ層の平均厚さは、特に制限されない。マイカテープの巻き付けやすさの観点からは、マイカ層の平均厚さは180μm以下であることが好ましく、170μm以下であることがより好ましい。電気絶縁性の観点からは、マイカ層の平均厚さは80μm以上であることが好ましく、90μm以上であることがより好ましい。
裏打ち層の平均厚さは、特に制限されない。マイカテープの巻き付けやすさの観点からは、裏打ち層の平均厚さは60μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。マイカテープの強度の観点からは、裏打ち層の平均厚さは10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。
本実施形態においてマイカテープの平均厚さ(マイカ層と裏打ち層の厚さの合計)は、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いてマイカテープの厚さを計10箇所で測定し、得られた測定値の算術平均値とする。
本実施形態においてマイカテープ中のマイカ層及び裏打ち層の厚さは、マイカテープの断面におけるマイカ層及び裏打ち層の厚さを実体顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社、「BX51」)のミクロメーターにて3箇所観察し、その算術平均値とする。
本実施形態においてJIS−C−2116:2011に準拠して測定されるマイカテープの柔軟性は、200N/m以下であることが好ましく、180N/m以下であることがより好ましく、160N/m以下がさらに好ましい。マイカテープの柔軟性が200N/m以下であると、マイカテープを導体に巻きつけて形成した絶縁層に皺、ひび割れ等が発生しにくく、電気絶縁性及び熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。
マイカテープは、マイカの見掛け体積が無機フィラーの体積の2.0〜5.0倍であることが好ましい。
マイカの見掛け体積が無機フィラーの体積の5.0倍以下であると、熱伝導率が良好となる。一方、マイカの見掛け体積が無機フィラーの体積の2.0倍以上であると、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた際に、マイカテープのひび割れ、皺等が発生しにくくなり、ボイドの発生及び熱伝導率の低下が充分に抑制される傾向にある。さらに、無機フィラーを相対的に多く含むことで相対的に高い熱伝導率を示す裏打ち層がマイカテープ全体の熱伝導率に寄与する割合が大きくなる傾向にある。マイカの見掛け体積は、無機フィラーの体積の3.0倍〜4.8倍であることがより好ましく、3.2倍〜4.0倍であることがさらに好ましい。
無機フィラーの体積は、例えば、下記方法によって算出される。
ホットプレート上で無機フィラーを含むマイカテープ(1cm分)を硝酸水溶液中でマイクロウェーブを照射しながら分解し、測定用の試料溶液を調製する。この試料溶液をプラズマ中に噴霧し、プラズマ中で生成するホウ素イオンを質量分析計で分離及び定量し、無機フィラー(例えば、窒化ホウ素)の量に換算することで、その質量を求める。得られた質量を無機フィラー(例えば、窒化ホウ素)の比重で割ると、マイカテープ1cmあたりの無機フィラーの体積(cm)が求められる。
マイカの見掛け体積は、例えば、下記方法によって算出される。
面積が1cmのマイカテープにおけるマイカ層の厚さ(cm)を求め、得られた厚さ(cm)×1cmとすることで、マイカテープ1cmあたりのマイカの見掛け体積(cm)となる。
マイカテープにおけるマイカ層の平均厚さは、例えば、マイカテープの断面を幅方向に対して実体顕微鏡(オリンパス株式会社、「BX51」)のミクロメーターにて3箇所観察し、その算術平均値として求められる。
マイカテープ中の樹脂成分の含有率は特に制限されず、マイカテープの用途等に応じて選択できる。例えば、樹脂成分の含有率は、裏打ち層とマイカ層の合計質量の40質量%以下であってよく、5質量%〜33質量%であることが好ましい。
マイカテープがプリプレグマイカテープとして使用される場合、樹脂成分の含有率は、例えば、裏打ち層とマイカ層の合計質量の25質量%〜33質量%であることが好ましく、25質量%〜30質量%であることがより好ましい。樹脂成分の含有率が25質量%以上であると、マイカテープからのマイカ及び必要に応じて含まれる無機フィラーの脱落(粉落ち)が抑制され、被絶縁体にマイカテープを巻き付ける際のマイカテープのひび割れ、切れ、皺等の発生が抑制される結果、絶縁信頼性の低下及び熱伝導率の低下が抑制される傾向にある。一方、樹脂成分の含有率が33質量%以下であると、マイカテープの厚さの増大が抑制されて良好な巻き付け性が維持される傾向にある。さらに、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた状態で重なり合ったマイカテープ間の空隙を埋めるために必要な体積以上に樹脂が流出することが抑制される傾向にある。その結果、ボイドの発生が低減し、絶縁信頼性の低下が抑制される傾向にある。
マイカテープがドライマイカテープとして使用される場合、マイカテープ中の樹脂成分の含有率は、例えば、裏打ち層及びマイカ層の合計質量の5質量%〜15質量%であることが好ましく、5質量%〜12質量%であることがより好ましく、8質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。樹脂成分の含有率が裏打ち層及びマイカ層の合計質量の5質量%以上であると、裏打ち層とマイカ層との接着性が充分に確保される傾向にある。一方、樹脂成分の含有率が裏打ち層及びマイカ層の合計質量の15質量%以下であると、高い熱伝導率が達成される傾向にある。
マイカテープ中の樹脂成分の含有率は、例えば、下記方法によって算出される。
幅30mm及び長さ50mmの大きさに切断したマイカテープを電気炉にて600℃及び2時間の条件で加熱し、加熱前後の質量減少率(%)を下記式により求める。以上の工程を3回行い、得られた値の算術平均値として求める。
樹脂成分の含有率={(加熱前の質量−加熱後の質量)/加熱前の質量}×100
(マイカテープの製造方法)
本実施形態のマイカテープの製造方法は特に制限されず、公知の製造方法を適用することができる。
<マイカテープの硬化物>
本実施形態のマイカテープの硬化物は、上述したマイカテープを硬化して得られる。より具体的には、被絶縁体に巻きつける前又は被絶縁体に巻き付けた後のマイカテープに含まれる樹脂成分を硬化して得られる。硬化の方法は特に制限されず。通常の方法から選択できる。
<絶縁物>
本実施形態の絶縁物は、被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される本実施形態のマイカテープの硬化物である絶縁層と、を有する。本実施形態のマイカテープを用いて絶縁層を形成する方法は特に制限されず、従来から公知の製造方法を適用することができる。例えば、被絶縁体にマイカテープを巻き付けた後にマイカテープを加圧しながら加熱(ヒートプレス)して、あらかじめマイカテープに含まれている樹脂成分をマイカテープの外に流出させて重なり合うマイカテープ間を埋めるようにし、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(プリプレグマイカテープの場合)、被絶縁体にマイカテープを巻きつけた後に真空加圧含浸法(Vacuum Pressure Impregnation、VPI)にて樹脂成分をマイカテープに含浸し、これを硬化させて絶縁層を形成する方法(ドライマイカテープの場合)などが挙げられる。
絶縁物における被絶縁体の種類は特に限定されず、コイル、棒、板等の形状を有する金属材料(銅等)などが挙げられる。
被絶縁体にマイカテープを巻き付けて絶縁層を形成する場合、その方法は特に制限されない。例えば、図2に示すようにマイカテープ10を被絶縁体20の周囲にらせん状に巻きつけてもよい。
<マイカテープ(第2実施形態)>
本発明には、下記の第2実施形態のマイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物も包含される。第2実施形態において、マイカテープ、マイカテープの硬化物並びに絶縁物の詳細及び好ましい態様は、第1実施形態に記載した事項を参照することができる。
<1>マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の45質量%未満である、マイカテープ。
<2>前記マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上である、<19>に記載のマイカテープ。
<3>前記マイカ層におけるマイカ量が200g/m以下である、<1>又は<2>に記載のマイカテープ。
<4>前記マイカテープの平均厚さが300μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用される、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<5>前記マイカテープの平均厚さが220μm以下であり、ドライマイカテープとして使用される、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<6>前記マイカ層の平均厚さが180μm以下である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<7>前記裏打ち層は無機フィラーをさらに含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<8>前記無機フィラーは窒化ホウ素を含む、<7>に記載のマイカテープ。
<9>前記マイカの見掛け体積が前記無機フィラーの体積の2.0倍〜5.0倍である、<7>又は<8>に記載のマイカテープ。
<10>前記無機フィラーの平均アスペクト比が1〜10である、<7>〜<9>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<11>前記無機フィラーの体積平均粒子径が1μm〜40μmである、<7>〜<10>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<12>前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<7>〜<11>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<13>前記マイカテープの平均厚さが120μm以上である、<1>〜<12>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<14>樹脂成分をさらに含む、<1>〜<13>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<15>前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%であり、プリプレグマイカテープとして使用される、<14>に記載のマイカテープ。
<16>前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の5質量%〜15質量%であり、ドライマイカテープとして使用される、<14>に記載のマイカテープ。
<17><1>〜<16>のいずれか1項に記載のマイカテープの硬化物。
<18>被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される<17>に記載のマイカテープの硬化物である絶縁層と、を有する絶縁物。
本発明者らの検討により、本実施形態のマイカテープを用いて形成される絶縁層は、マイカ層における粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が45質量%以上であるマイカテープを用いて形成した絶縁層に比べ、電気絶縁性に優れていることがわかった。その理由は明らかではないが、マイカ層が比較的小さいマイカ片を多く含むことで樹脂成分がマイカ片の間を充填しやすく、マイカ層中における空隙の発生が抑制されることが一因として考えられる。
さらに、本実施形態のマイカテープは、マイカの量を増やすことなく絶縁層の電気絶縁性を向上することができるため、必要な電気絶縁性を確保しつつマイカテープの厚みを低減することが可能になる。その結果、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける際の作業性に優れるマイカテープを提供することが可能になる。また、マイカテープを被絶縁体に巻きつけた後の加圧工程で、樹脂成分を重なり合うマイカテープ間に充分にいきわたらせることができ、マイカテープ間の密着性が高く信頼性に優れる絶縁層を形成することが可能になる。
電気絶縁性向上の観点からは、マイカ層における粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合は、マイカ片全体の30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
充分な絶縁破壊電界強度を確保する観点からは、マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態において、マイカ層におけるJIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合、及び粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合は、例えば、マイカ層の作製に用いるマイカ片の篩い分けをJIS標準篩を用いて行うことで確認することができる。
篩い分けの結果、目開き2.8mmの篩いの目を通らずに残った残渣分の、篩い分けする前のマイカ片の全量中の割合(質量%)を「JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合」とする。
篩い分けの結果、目開き2.8mmの篩いの目を通らずに残った残渣分と目開き0.5mmの篩いの目を通らずに残った残渣分の合計の、篩い分けする前のマイカ片の全量中の割合(質量%)を「JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合」とする。
<マイカテープ(第3実施形態)>
本発明には、下記の第3実施形態のマイカテープ、マイカテープの硬化物及び絶縁物も包含される。第3実施形態において、マイカテープ、マイカテープの硬化物並びに絶縁物の詳細及び好ましい態様は、第1実施形態に記載した事項を参照することができる。
<1>マイカを含むマイカ層と、裏打ち材とを含む裏打ち層とを有し、平均厚さが300μm以下である、マイカテープ。
<2>前記マイカ層の平均厚さが180μm以下である、<1>に記載のマイカテープ。
<3>前記マイカ層におけるマイカ量が200g/m以下である、<1>又は<2>に記載のマイカテープ。
<4>前記裏打ち層は無機フィラーをさらに含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<5>前記無機フィラーは窒化ホウ素を含む、<4>に記載のマイカテープ。
<6>前記マイカの見掛け体積が前記無機フィラーの体積の2.0倍〜5.0倍である、<4>又は<5>に記載のマイカテープ。
<7>前記無機フィラーの平均アスペクト比が1〜10である、<4>〜<6>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<8>前記無機フィラーの体積平均粒子径が1μm〜40μmである、<4>〜<7>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<9>前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、<4>〜<8>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<10>前記マイカテープの平均厚さが120μm以上である、<1>〜<9>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<11>樹脂成分をさらに含み、前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載のマイカテープ。
<12>プリプレグマイカテープとして使用される、<11>に記載のマイカテープ。
<13><1>〜<12>のいずれか1項に記載のマイカテープの硬化物。
<14>被絶縁体と、前記被絶縁体の表面の少なくとも一部に配置される<13>に記載のマイカテープの硬化物である絶縁層と、を有する絶縁物。
本実施形態のマイカテープは、マイカ層と裏打ち層の厚さの合計が300μm以下である。これにより、マイカテープを被絶縁体に巻き付ける際の作業性に優れている。また、マイカテープを被絶縁体に巻きつけた後の加圧工程で、樹脂成分を重なり合うマイカテープ間に充分にいきわたらせることができ、マイカテープ間の密着性が高く信頼性に優れる絶縁層を形成することできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)マイカペーパーの作製
未焼成硬質マイカを水中に分散してマイカ片とし、抄紙機にて抄造して、マイカ量が180g/mのマイカペーパー(未焼成硬質集成マイカ)を作製した。作製したマイカペーパーの平均厚さは150μmであった。なお、マイカペーパーの平均厚さはマイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いて18点の厚みを測定し、その算術平均値として求めた。以下、同様の方法によりマイカペーパーの平均厚さを測定した。
マイカペーパーの作製に用いたマイカ片において、JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合(質量%)と、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合(質量%)を、テープ作製前の粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合と粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合として表1に示す。
(2)樹脂ワニスの調製
樹脂成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル日本株式会社、「D.E.N.438」(「D.E.N.」は、登録商標))36.7質量%と、硬化促進剤として三フッ化ホウ素モノエチルアミン(和光純薬工業株式会社)1.1質量%と、有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)(和光純薬工業株式会社)31.1質量%とを混合した。その後、無機フィラーとして窒化ホウ素(体積平均粒子径5μm、電気化学工業株式会社)を31.1質量%加え、さらに混合して樹脂ワニスを調製した。
なお、樹脂ワニスの不揮発分(有機溶剤以外の成分)に対する窒化ホウ素の含有率は、25体積%であった。
(3)プリプレグマイカテープの作製
マイカペーパーの上に裏打ち材としてガラスクロス(株式会社双洋、「WEA 03G 103」、平均厚さ0.030mm)を重ね、このガラスクロスの上面に、樹脂ワニスをロールコーターにより塗布し、ガラスクロスに樹脂ワニスを含浸させた。含浸は、樹脂ワニスの樹脂成分がマイカペーパーにも浸透するように実施した。この際、ロールコーターとガラスクロスとの間のギャップ幅を調整することで、マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の4.65倍となるようにした。乾燥後、マイカ層とガラスクロス層(裏打ち層)の積層体を、長さが合計で100m、幅が30mmとなるように切断して、プリプレグマイカテープを作製した。
(マイカテープ作製後のマイカ片の粒子径)
プリプレグマイカテープのガラスクロス層(裏打ち層)から剥離したマイカ層から、上述した方法によって得たマイカ片について篩い分けを行った。篩い分けの結果を、テープ作製後の粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合と粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合として表1に示す。
(硬化前後におけるマイカテープの平均厚さと厚さの最大値)
作製したプリプレグマイカテープの硬化前の平均厚さは270μmであり、厚さの最大値は276μmであった。マイカテープを170℃で1時間加熱硬化して得たプリプレグマイカテープの硬化物の平均厚さは265μmであり、厚さの最大値は273μmであった。
プリプレグマイカテープの硬化前後における平均厚さと厚さの最大値は、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ、「MDC−SB」)を用いて10点の厚みを測定し、その算術平均値と最大値として求めた。以下、同様の方法によりプリプレグマイカテープの平均厚さ、厚さ最大値を測定した。
(硬化前におけるマイカテープのマイカ層の平均厚さ)
作製したプリプレグマイカテープの硬化前におけるマイカ層の平均厚さは、147μmであった。マイカ層の平均厚さは、プリプレグマイカテープの断面を幅方向に対して実体顕微鏡(オリンパス株式会社、「BX51」)のミクロメーターにて3箇所観察し、その算術平均値として求めた。
(樹脂成分の含有率)
作製したプリプレグマイカテープについて、上述した方法により加熱前後の質量減少率を3回測定し、その算術平均値をマイカテープ中の樹脂成分の含有率とした。結果を表1に示す。以下、同様の方法によりマイカテープ中の樹脂成分の含有率を測定した。
(窒化ホウ素の体積に対するマイカの見掛け体積)
作製したプリプレグマイカテープについて、上述した方法により窒化ホウ素の体積に対するマイカの見掛け体積(マイカ/BN)を算出した。結果を表1に示す。
(マイカテープの柔軟性)
作製したプリプレグマイカテープの柔軟性を、JIS−C−2116:2011に準拠して測定した。測定値が小さいほど柔軟性に優れていることを意味する。具体的には、実施例ごとに幅30mm、長さ50mmの試験片5枚について測定した。得られた測定値の算術平均値を表1に示す。
(4)プリプレグマイカテープの積層硬化物1の作製
作製したプリプレグマイカテープを16枚重ねて、170℃で1時間のヒートプレスを行って樹脂成分を硬化させ、積層硬化物1を作製した。積層硬化物1を用いて熱伝導率とボイドの有無を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
(熱伝導率)
積層硬化物1を直径50mmの円形に切り出して試料を作製し、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社、「HC−110」)を用いて、熱伝導率(W/(m・K))を測定した。結果を表1に示す。
(ボイドの有無)
積層硬化物1を厚み方向に切断し、切断面を研磨紙により平滑化した後、白金を蒸着した。この切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:30〜40倍)により観察し、観察画面(厚み方向の長さ3mm、幅方向の長さ3mm)におけるボイドの有無を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
長さが50μm以上のボイドが見られない・・・A
長さが50μm以上のボイドが1〜4箇所見られる・・・B
長さが50μm以上のボイドが5箇所以上見られる・・・C
(窒化ホウ素の平均アスペクト比)
積層硬化物1を厚み方向に切断し、切断面をイオンミリング処理により平滑化した後、白金を蒸着した。この切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:3000倍)により観察し、ミクロメーターを用いて20個の代表的な窒化ホウ素粒子についてそれぞれ短径に対する長径の長さの比(長径/短径)を測定し、得られた測定値の算術平均値を窒化ホウ素の平均アスペクト比とした。
(5)プリプレグマイカテープの積層硬化物2の作製
作製したプリプレグマイカテープを3枚重ねて、170℃で1時間のヒートプレスを行って樹脂成分を硬化させ、積層硬化物2を作製した。積層硬化物2を用いて絶縁性(絶縁破壊電界強度)を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
(絶縁破壊電界強度)
積層硬化物2について、絶縁破壊試験装置(総研電気株式会社、「DAC−6032C」)を用いて絶縁破壊電界強度(kV/mm)を測定した。測定は、積層硬化物2を直径10mmの円筒電極ではさみ、昇圧速度500V/s、交流50Hz、カットオフ電流10mA、室温(25±1℃)、油中の条件で行った。結果を表1に示す。
(6)絶縁層の形成と評価
プリプレグマイカテープを被絶縁体としての長さ200mm、幅30mm、厚さ9mmの金属板にらせん状に巻き付けた。巻き付けは、図2に示すように、マイカテープ10を被絶縁体20に巻きつけた部分の半分が、その上に巻きつける部分の半分と重なるように行い、断面を観察したときにマイカテープ10が計10層(1層のマイカ層と1層の裏打ち層の合計を「1層」とする)となるように繰り返した。その後、170℃で1時間のヒートプレスを行って樹脂成分を硬化させて、絶縁層を形成した。
次いで、金属板から絶縁層を分離し、厚み方向に切断し、切断面を研磨紙により平滑化した後、白金を蒸着した。この切断面をSEM(倍率:30倍〜40倍)により観察し、観察画面(厚み方向の長さ:3mm、幅方向の長さ:3mm)におけるボイドの有無を調べた。その結果、長さが50μm以上のボイドは観察されなかった。図3に絶縁層の断面のSEM写真を示す。
<実施例2〜8、実施例10〜14、比較例1>
(1)プリプレグマイカテープの作製と評価
マイカペーパーの作製に用いたマイカの量、マイカテープの作製前と作製後における粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合と粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合、マイカペーパーの平均厚さ、硬化前後におけるマイカテープの平均厚さと厚さの最大値、硬化前におけるマイカテープのマイカ層の平均厚さ、樹脂成分の含有率、窒化ホウ素の平均アスペクト比及び窒化ホウ素の体積に対するマイカの見掛け体積が表1に示す値である以外は実施例1と同様にして、実施例2〜8、実施例10〜14及び比較例1のプリプレグマイカテープを作製した。作製したプリプレグマイカテープを用いて、実施例1と同様にしてテープ柔軟性、熱伝導率、ボイドの有無及び絶縁破壊電界強度を評価した。結果を表1に示す。
(2)絶縁層の作製と評価
比較例1のプリプレグマイカテープを用いて、実施例1と同様にして絶縁層を形成した。形成した絶縁層の断面のSEM写真を図3に示す。図3に示すように、絶縁層中に長さが50μm以上のボイドが観察された。
<実施例9、10>
(1)マイカペーパーの作製
未焼成硬質マイカを水中に分散してマイカ粒子とし、抄紙機にて抄造して、マイカ量とマイカ片の割合が表1に示す値であるのマイカペーパー(未焼成硬質集成マイカ)を作製した。
(2)樹脂ワニスの調製
樹脂成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社、「エピコート828」)と、硬化促進剤として亜鉛(II)アセチルアセトナート(純正化学株式会社)と、有機溶剤としてメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社)とを混合した。その後、無機フィラーとして窒化ホウ素(体積平均粒子径:5μm)を加え、さらに混合して樹脂ワニスを調製した。エポキシ樹脂と硬化促進剤との質量基準の比率(エポキシ樹脂:硬化促進剤)は、97:3であった。
なお、樹脂ワニスの不揮発分(有機溶剤以外の成分)に対する窒化ホウ素の含有率は、25体積%であった。
(3)ドライマイカテープの作製及び評価
マイカペーパーの上に裏打ち材としてガラスクロス(株式会社双洋、「WEA 03G 103」)を重ね、このガラスクロスの上面に、樹脂ワニスをロールコーターにより塗布した。塗布は、ガラスクロスの下のマイカペーパーの一部にも樹脂ワニスの樹脂成分が浸透して、マイカペーパーとガラスクロスとが樹脂成分で接着するように実施した。また、ロールコーターとガラスクロスとの間のギャップ幅を調整することで、マイカの見掛け体積が窒化ホウ素の体積の3.11倍になるようにした。乾燥後、幅が30mmになるように切断して、ドライマイカテープを作製した。
作製したドライマイカテープについて、実施例1と同様にしてテープ作製後のマイカ片の粒子径、硬化前後におけるマイカテープの平均厚さと厚さの最大値、硬化前におけるマイカテープのマイカ層の平均厚さ、テープ柔軟性、及び樹脂成分の含有率を評価した。結果を表1に示す。
(4)ドライマイカテープの積層硬化物3の作製及び評価
作製したドライマイカテープを10枚重ねて含浸レジンに浸漬し、真空含浸法によりドライマイカテープに樹脂成分を浸透させた。その後、130℃で2時間、次いで190℃で2時間のヒートプレスを行って、積層硬化物3を作製した。
含浸レジンとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社、「エピコート828」)と硬化剤(日立化成株式会社、「HN−5500」、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)とを質量基準で1:1で混合したものを用いた。積層硬化物3を用いて、実施例1と同様の方法で熱伝導率と、ボイドの有無を評価した。結果を表1に示す。
(5)ドライマイカテープの積層硬化物4の作製及び評価
作製したドライマイカテープを3枚重ね、積層硬化物3の作製に用いたものと同じ含浸レジンに浸漬し、真空含浸法によりドライマイカテープに樹脂成分を浸透させた。その後、130℃で2時間、次いで190℃で2時間のヒートプレスを行って、積層硬化物4を作製した。積層硬化物4を用いて、実施例1と同様の方法で絶縁性(絶縁破壊電界強度)を評価した。結果を表1に示す。
(6)絶縁層の形成と評価
作製したドライマイカテープを実施例1と同様にして金属板に巻き付け、積層硬化物3の作製に用いたものと同じ含浸レジンに浸漬し、真空含浸法によりドライマイカテープに樹脂成分を浸透させた。その後、130℃で2時間、及び190℃で1時間のヒートプレスを行って樹脂成分を硬化させて、絶縁層を形成した。形成した絶縁層について、実施例1と同様の方法でボイドの有無を評価したところ、長さが50μm以上のボイドは観察されなかった。
Figure 0006889153
表1の「マイカ/BN(体積比)」は、「マイカの総見掛け体積の、窒化ホウ素の総体積に対する比率」を意味する。
表1の結果に示されるように、JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が45質量%未満である実施例のマイカテープは硬化後の絶縁破壊電界強度が高く、積層硬化物中にボイドの発生は見られなかった。
実施例の中でも、JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が60質量%以上である実施例1〜5のマイカテープは、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が60質量%未満である実施例6のマイカテープに比べて硬化後の絶縁破壊電界強度が高かった。
JIS標準篩を用いて篩い分けしたときの粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が45質量%を超えている比較例1のマイカテープは、硬化後の絶縁破壊電界強度が実施例よりも低く、積層硬化物中にボイドが観察された。
JIS−C−2116:2011に準拠し測定される柔軟性の値(N/m)は、マイカ量および粒子径が2.8mm以上のマイカ片の割合が増加するほど大きくなる(マイカテープが屈曲しにくく硬くなる)傾向がみられた。この結果から、マイカ量(g/m)が少ない、又は粒子径が2.8mm以上のマイカ片の割合が小さいほどマイカテープの柔軟性が向上すると考えられる。
表1の結果に示されるように窒化ホウ素の平均アスペクト比が1〜10の範囲内で、かつマイカ量が200g/m以下であれば熱伝導率は0.65W/(m・K)以上となり、マイカ量が225g/mの比較例1よりも熱伝導率に優れていた。
粒子径が0.5mm以上のマイカ片の割合が60質量%以上である実施例1〜5は、粒子径が0.5mm以上のマイカ片の割合が60質量%未満である実施例6に比べて積層硬化物中にボイドの発生がより少なく、絶縁破壊強度がより高かった。
なお、マイカテープ作製前のマイカ片の粒子径よりもマイカテープ作製後のマイカ片の粒子径が小さくなる傾向が認められるが、これはマイカテープの作製工程においてマイカ片の表面が疎水性の樹脂成分で被覆され水素結合が失われることで、マイカ片同士の凝集状態が抑制されるためと考えられる。

Claims (17)

  1. マイカを含むマイカ層と、裏打ち材含む裏打ち層とを有し、前記裏打ち層から剥離した前記マイカ層から得られるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、下記(1)又は(2)を満たす、マイカテープ。
    (1)粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の0質量%であり、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の46質量%以上76質量%以下である
    (2)粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の18質量%であり、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の85質量%である
  2. マイカを含むマイカ層と、裏打ち材を含む裏打ち層とを有し、マイカテープ作製後の前記マイカ層におけるマイカ片をJIS標準篩を用いて篩い分けしたときに、下記(1)又は(2)を満たす、マイカテープ。
    (1)粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の0質量%であり、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の46質量%以上76質量%以下である
    (2)粒子径が2.8mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の18質量%であり、粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の85質量%である
  3. 前記(1)を満たすマイカテープであって、さらに、前記粒子径が0.5mm以上であるマイカ片の割合が、マイカ片全体の60質量%以上である、請求項1又は請求項2に記載のマイカテープ。
  4. 前記マイカ層におけるマイカ量が200g/m以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  5. 前記マイカテープの平均厚さが300μm以下であり、プリプレグマイカテープとして使用するための、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  6. 前記マイカテープの平均厚さが220μm以下であり、ドライマイカテープとして使用するための、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  7. 前記マイカ層の平均厚さが180μm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  8. 前記裏打ち層は無機フィラーをさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  9. 前記無機フィラーは窒化ホウ素を含む、請求項8に記載のマイカテープ。
  10. マイカの見掛け体積が前記無機フィラーの体積の2.0倍〜5.0倍である、請求項8又は請求項9に記載のマイカテープ。
  11. 前記無機フィラーの平均アスペクト比が1〜10である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  12. 前記無機フィラーの体積平均粒子径が1μm〜40μmである、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  13. 前記無機フィラーの含有率が、前記マイカと前記裏打ち材を除く不揮発分の総体積の20体積%〜50体積%である、請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  14. 前記マイカテープの平均厚さが120μm以上である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  15. 樹脂成分をさらに含む、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のマイカテープ。
  16. 樹脂成分をさらに含み、前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の25質量%〜33質量%であり、プリプレグマイカテープとして使用するための、請求項1又は請求項2に記載のマイカテープ。
  17. 樹脂成分をさらに含み、前記樹脂成分の含有率が、前記マイカ層及び前記裏打ち層の合計質量の5質量%〜15質量%であり、ドライマイカテープとして使用するための、請求項1又は請求項2に記載のマイカテープ。
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