技術分野
本発明は可燃性冷媒を使用した冷蔵庫の除霜に関する。
景技術 明
従来の可燃性冷媒を使用した冷蔵庫に関しては、 日本特許出願特開平 8— 5 4 田
1 7 2号公報が挙げられるものがある。 図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を 説明する。 図 3 1は従来の冷蔵庫の要部縦断面図である。
図 3 1において、 冷蔵庫本体 1の内部には冷凍室 2及び冷蔵室 3がある。 冷凍 室 2と冷蔵室 3とは仕切壁 6によって仕切られている。 冷凍室 2には冷凍室扉 4 が、 冷蔵室 3には冷蔵室扉 5がそれぞれ取り付けられている。 吸込口 7は冷凍室 2内の空気を吸い込む。 吸込口 8は冷蔵室 3内の空気を吸い込む。 吐出口 9は冷 気を冷凍室 2内に吐出する。 ファン 1 1は冷気を循環させる。 蒸発器 1 0と冷凍 室 2とは蒸発器仕切壁 1 2によって仕切られている。 除霜用ガラス管ヒー夕 1 5 はニクロム線をコイル状にしたものをガラス管で覆うことにより構成されてい る。 屋根 1 6は、 除霜水がヒータ 1 5に直接滴下して接触し蒸発音を発すること を防止している。 金属製の底板 1 7は、 絶縁保持され、 桶 1 3とヒータ一 1 5と の間に設置されている。 アキュームレータ 1 8は蒸発器 1 0の出口部に設けられ ている。
次に上記構成の従来の冷蔵庫における動作について説明する。
冷凍室 2や冷蔵室 3を冷却する場合は、 蒸発器 1 0中を冷媒が流通して蒸発器 1 0が冷却される。 これと同じくしてファン 1 1の作動により、 吸込口 7から冷 凍室 2の昇温空気を、 吸込口 8から冷蔵室 3の昇温空気を冷却室 2 0に送る。 そ
して、 それら昇温空気は蒸発器 1 0により熱交換され冷却されて、 吐出口 9から 冷却風を冷凍室 2内に送り、 また、 冷凍室 2から連通口 (図示せず) を通って冷 蔵庫に冷気を送る。 ここで、 蒸発器 1 0と熱交換する空気は、 冷凍室扉 4及び冷 蔵室扉 5の開閉による高温外気の流入や、 冷凍室 2及び冷蔵室 3の保存食品の水 分の蒸発等により高湿化された空気である。 そのため、 その空気より低温である 蒸発器 1 0に空気中の水分が霜となって着霜する。 一方、 アキュームレータ 1 8 は、 冷却運転中の冷媒不足を防止したり、 あるいは液冷媒が圧縮機に直接帰って 圧縮機を損傷することを防止したり、あるいは冷媒流音の防止を図るものである。 このように、 蒸発器 1 0が着霜するとその着霜量が増加するに従って、 蒸発器 1 0表面と熱交換する空気との伝熱が阻害される。 また、 着霜した霜が通風抵抗 となって風量が低下するために冷却不足が発生する。 このことから、 ガラス管ヒ 一夕 1 5のニクロム線に通電にすることにより、 そこから放射される熱線により 蒸発器 1 0や桶 1 3や排水口 1 4付近に着いた霜を水に融解する。
また、 このようにして融解した除霜水の一部は直接に桶 1 3に落ち、 その他は 屋根 1 6によりヒータ 1 5を避けて桶 1 3に落ちて排水口 1 4から庫外に排水さ れる。 このとき、 ヒータ 1 5から桶 1 3に放射された熱線の一部は、 底板 1 7に より反射され蒸発器 1 0方向に散乱する。
しかしながら、 上記従来の構成では、 可燃性冷媒を使用した冷凍サイクルにお いて次のような課題がある。 すなわち、 可燃性冷媒は比較的潜熱が大きいことか ら、 可燃性冷媒が溜まる蒸発器 1 0の配管部において除霜不足となり霜残りを生 じる。 その結果、 その残った霜により熱伝達が阻害され不冷が発生する。
また、 一般的にヒ一夕 1 5のニクロム線表面は言うまでもなくガラス管ヒータ の表面温度は非常に高温である。 したがって、 可燃性冷媒が蒸発器 1 0の配管等 から漏洩した場合に、 ヒータ 1 5から発生する熱により着火する虞があるという 課題を有していた。
発明の開示
本発明の冷蔵庫は、 上記課題を解決するもので、 たとえ可燃性冷媒が除霜手段 の設置雰囲気に漏洩した環境下で除霜が行われたとしても、 可燃性冷媒の着火を 防止するとともに霜残りによる不冷を防止することのできる除霜手段を備えた冷 蔵庫を提供することを目的とする。
本発明の冷蔵庫は次の構成を有する。
圧縮機と凝縮器と減圧機構と蒸発器とを順次接続してなり可燃性冷媒を封入し た冷凍サイクルと、 蒸発器を除霜するための除霜手段とを含み、 除霜手段は複数 個のガラス管ヒータで構成されている。
この構成により、 除霜時においてガラス管ヒ一夕により蒸発器及び蒸発器周辺 を加熱する場合、 個々のガラス管ヒ一夕への入力を小さくすることができる。 そ れにより、 ガラス管ヒータの表面温度を可燃性冷媒の着火温度以下に保つことが できる。 さらに着霜量の多い部分を効率的に加熱することができるので、 除霜を 均一にでき除霜効率が向上して霜残りが無くなるという利点を有する。 図面の簡単な説明
図 1は本発明の第 1の実施例による冷蔵庫の冷凍サイクルの説明図
図 2は本発明の第 1の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 3は図 2に示す冷蔵庫の要部概略図
図 4は図 2に示す冷蔵庫のガラス管ヒータの要部拡大断面図
図 5は本発明の第 2の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図 '
図 6は本発明の第 3の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 7は本発明の第 4の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 8は本発明の第 5の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 9は本発明の第 6の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図 図 1 0は本発明の第 7の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 1 1は本発明の第 8の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図
図 1 2は本発明の第 9の実施例による冷蔵庫の部分斜視図
図 1 3は図 1 2に示す Bから見た矢視正面図
図 1 4は本発明の第 9の実施例による冷蔵庫の他の蒸発器とガラス管ヒータの 部分斜視図
図 1 5は図 1 4に示す Cから見た矢視正面図
図 1 6は本発明の第 1 0の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒータの部 分斜視図
図 1 7は図 1 6に示す Dから見た矢視正面図
図 1 8は本発明の第 1 1の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒータの部 分斜視図 -ノ
図 1 9は図 1 8に示す Eから見た矢視正面図
図 2 0は本発明の第 1 2の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒ一夕の部 分斜視図
図 2 1は図 2 0に示す Fから見た矢視正面図
図 2 2は本発明の第 1 3の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒータの部 分斜視図
図 2 3は図 2 2に示す Gから見た矢視図
図 2 4は図 2 2に示す冷蔵庫のガラス管ヒータの拡大部分断面図
図 2 5は本発明の第 1 4の実施例による冷蔵庫の冷凍サイクル図
図 2 6は本発明の第 1 4の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒ一夕の部分断面図 図 2 7は本発明の第 1 4の実施例による冷蔵庫の他のガラス管ヒータの部分断 面図
図 2 8は本発明の第 1 5の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒ一夕の部分断面図 図 2 9は本発明の第 1 6の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒータの部分断面図 図 3 0は本発明の第 1 7の実施例によるガラス管ヒータの部分断面図 図 3 1は従来の冷蔵庫の要部縦断面図 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施例について、 図面を用いて説明する。
(第 1の実施例)
図 1は本発明の第 1の実施例による冷蔵庫の冷凍サイクルの説明図、 図 2は本 発明の第 1の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図、 図 3は図 2に示す冷蔵庫の要 部概略図であり、 図 4は図 2に示す冷蔵庫のガラス管ヒータの要部拡大断面図で ある。
図 1において、 冷凍サイクル 3 0 1は、 圧縮機 3 0 2と凝縮器 3 0 3と減圧機 構 3 0 5と蒸発器 3 0 6とを順次接続して構成されている。 また、 その冷凍サイ クル 3 0 1には可燃性冷媒が封入されている。 さらに、 蒸発器 3 0 6の近傍には 除霜手段 3 0 7が配設されている。
図 1に示す冷凍サイクルを有した具体的な冷蔵庫の構成を図 2から図 4を用い て説明する。
図 2から図 4において、 本第 1の実施例における冷蔵庫は、 図 1に示す除霜手 段の具体例として、 2つのガラス管ヒータ 1 9 a , 1 9 bを備えている。 その各 ヒータは、 図 3に示すようにガラス管 2 3内に金属材料、 例えばニッケルクロム などからなるヒータ線 2 4をスパイラル状に成形して設けている。 そして、 それ らヒ一夕 1 9 a , 1 9 bは、 蒸発器 1 0の下方に並べて配置されている。 一方の ヒータ 1 9 aを蒸発器 1 0の最下位配管 2 1の近傍に配置している。 なお、 後述 する中で、 各ガラス管ヒータ 1 9 a , 1 9 bを総称して説明する際にはガラス管
ヒ一夕 1 9と述べる。
図 2に示すように冷却室 2 0には、 蒸発器 1 0、 ファン 1 1、 屋根 1 6、 ガラ ス管ヒ一夕 1 9等が設置されている。 図 3に示す一対の保持部品 2 2は、 ヒー夕 1 9の両端に設けられ、 ヒ一タ 1 9 a及び 1 9 bを一体に固定している。
以上のように構成された本第 1の実施例における冷蔵庫について、 その動作を 説明する。
ある時間が経過すると蒸発器 1 0に着いた霜を除霜するために、 ファン 1 1が 停止し、 そして、 蒸発器 1 0内の冷媒流通が停止する。 その後、 ガラス管ヒータ 1 9が通電され、 そのヒータ 1 9から発生する熱により蒸発器 1 0に着いた霜を 除霜する。 除霜完了検知手段 (図示せず) により除霜完了を検知するとヒー夕 1 9への通電を停止して除霜動作は終了する。
ここで、 ファン 1 1の停止により蒸発器 1 0内の可燃性冷媒の液は自重により 蒸発器 1 0の最下位配管 2 1に最も多量に溜まる。 その後、 第 1のガラス管ヒ一 夕 1 9 aの作動により、 最下位配管 2 1内に多量に溜まっている潜熱の大きい可 燃性冷媒は配管内で蒸発する。
このとき、 ヒー夕 1 9 aは最下位配管 2 1の近傍にあることから、 蒸発器 1 0 の下部の配管内部に溜まった多量の可燃性冷媒は蒸発が促進される。 このように 蒸発した可燃性冷媒は、 蒸発器 1 0の上部の配管へ高温気体となって移動する。 蒸発器 1 0の上部の配管へ移動した可燃性冷媒の高温気体は、 蒸発器 1 0上部の 配管は着霜により低温であることから、 配管及びフィンによって冷やされ液化す る。 この高温気体は液化に必要な熱を蒸発器 1 0上部の霜へ放熱することで除霜 が行われる。 このとき、 可燃性冷媒は潜熱が大きいので、 液化するために大きな 熱量を霜に放熱することとなるから除霜が促進される。 このように、 サ一モサイ フォン現象により蒸発器 1 0の除霜が行われる。 また、 サ一モサイフォンによる 除霜に加えて、 ヒー夕 1 9からの直接受熱により、 蒸発器 1 0や周辺の部品及び
壁の霜が融けると共に周辺の空気が暖められて対流することで、 蒸発器 1 0全体 の除霜が行われる。
一方、 第 2のガラス管ヒ一夕 1 9 bは、 蒸発器 1 0の下方にヒー夕 1 9 aと並 ベて配置されているので、 従来に比べ個々のガラス管ヒータへの入力を小さくす ることができる。 それにより、 ガラス管ヒ一夕の表面温度を可燃性冷媒の着火温 度、 例えば可燃性冷媒としてイソブタンを採用した場合では 4 6 0 °C以下に保つ ことができる。 一般的に輻射は発熱体の表面積に比例する。 したがって、 ヒ一夕 1 9を複数個で構成する方が、 1つで構成するのに比べ、 表面積が増大するので 蒸発器 1 0への伝熱が速くなる。 さらに着霜量の多い蒸発器下部を効率的に加熱 することができるので、除霜を均一にでき除霜効率が向上して霜残りが無くなる。 このように、 蒸発器 1 0及びその周辺は、 配管内の可燃性冷媒のサーモサイフ オン効果と、 複数個のヒー夕 1 9 a , 1 9 bの直接的な受熱とにより、 蒸発器 1 0全体が均一に除霜され、 除霜効率が向上し霜残りが無くなる。 また、 ガラス管 ヒ一タ (1 9 a , 1 9 b ) を複数配設することにより、 各ヒー夕 1 9 a, 1 9 b の動作時間が短縮化される。 それによりそれらの発熱時間が短縮し、 ヒー夕 1 9 a , 1 9 bの表面温度が、 より確実に可燃性冷媒の着火温度以下に抑えられる。 さらに、 2つのガラス管ヒータ 1 9 a, 1 9 bを一対の保持部品にて一体に構成 しているので、 構造が簡単になり組み立ても容易となる。
以上のように本第 1の実施例における冷蔵庫は、 蒸発器を除霜するための除霜 手段としてガラス管ヒータを複数個設けることにより、 個々のガラス管ヒータに おける通電時の温度を可燃性冷媒の着火温度未満となるように引き下げることが できる。 つまり、 除霜能力を従来と同等に維持しつつ可燃性冷媒の着火温度未満 で除霜を行うことができる。 したがって、 たとえ可燃性冷媒が除霜手段の設置雰 囲気に漏洩した環境下で除霜が行われた場合であっても、 可燃性冷媒の着火を防 止するとともに、 霜残りによる不冷を防止することができる。
(第 2の実施例)
図 5は本発明の第 2の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図である。
本第 2の実施例が上記第 1の実施例と異なる点は次の点である。 . 図 5において、 複数個のガラス管ヒータは、 蒸発器 1 0を挟んで相対向する位 置に配置されている。 すなわち、 蒸発器 1 0の下方に第 1のガラス管ヒータ 2 5 aが設置されるとともに、 蒸発器 1 0の上部には第 2のガラス管ヒ一夕 2 5 が 設置されている。 そして、 同ヒータ 2 5 bは、 アキュームレータ 1 8の近傍に設 置される。
以上のように構成された冷蔵庫について、 以下にその動作を説明する。
上記第 1の実施例で説明したように、 除霜時において、 蒸発器 1 0内の可燃性 冷媒の液は自重により蒸発器 1 0の最下位配管 2 1に最も多量に溜まる。そして、 ヒー夕 2 5 aの作動により、 最下位配管付近の冷媒液は、 配管内で蒸発して蒸発 器 1 0の上部の配管へ移動する。 上部配管へ移動した可燃性冷媒の高温気体は、 配管及びフィンによって冷やされ液化する。 この高温気体は液ィヒに必要な熱を蒸 発器 1 0上部に着霜している霜へ放熱することで除霜が行われる。 そして、 液化 された冷媒は、 再び最下位配管 2 1に戻るサーモサイフォン現象を繰り返すこと により、 蒸発器全体を除霜する。
蒸発器 1 0の仕様によっては、 アキュームレータ一 1 8に滞留して、 一部の可 燃性冷媒は最下位配管 2 1には戻らないことが起こり、 その滞留部分が除霜時の 最も除霜が遅い部位と成りやすい。 この場合、 蒸発器 1 0の上部に設けたヒータ 2 5 bからの輻射により、 その滞留部分の除霜時間が短縮される。 その結果、 よ り均一に蒸発器及びその周辺の除霜を行い、' 除霜効率が向上するので霜残りが無 く、 さらに、 短い時間のガラス管ヒー夕の動作により除霜が完了できるので省ェ ネルギーにもつながる。
以上のように本第 2の実施例の冷蔵庫は、 複数個のガラス管ヒータの配置位置 を、 蒸発器を挟んで相対向する位置である蒸発器の上下としたので、 蒸発器を上 下両面から効率的に加熱することができる。 個々のガラス管ヒータの発熱量を小 さくできるので、 表面温度を可燃性冷媒の着火温度以下に保つことができる。 さ らに、 除霜を均一にでき除霜効率が向上するので省エネルギーにもつながる。 さ らに蒸発器上部に配したアキュームレータの除霜も確実にでき、 霜残りが無くな る。 したがって、 可燃性冷媒が除霜手段の設置雰囲気に漏洩した環境下で除霜が 行われた場合でも、 可燃性冷媒の着火を防止するとともに、 霜残りによる不冷を 防止することができる。
なお、 蒸発器の仕様に依っては、 他の部分が最も除霜に時間が掛かる場合も考 えられるが、 その場合は、 第 2のガラス管ヒー夕をその近傍に配置すればよい。 さらに、 蒸発器の前後方向に相対向して、 それぞれガラス管ヒ一夕を設置する ことも可能であり、 この場合、 蒸発器 1 0の除霜水が、 ガラス管ヒ一夕 2 5 aに 直接かからないので屋根 1 6を省略することも可能となる。
(第 3の実施例)
図 6は本発明の第 3の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図である。
本第 3の実施例が上記各実施例と異なる点は次の点である。
図 6において、 第 1のガラス管ヒータ 2 6 aが蒸発器 1 0の下方に設けられる とともに、 蒸発器 1 0の中部に第 2のガラス管ヒータ 2 6 bが設けられている。 以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
除霜時はヒ一夕 2 6 aに通電されるとともにヒータ 2 6 bにも通電される。 ヒ 一夕 2 6 aの通電による発熱は、 大部分は輻射熱となり直接蒸発器 1 0を加熱す る。 また、 ヒータ 2 6 aのガラス管表面からの伝熱に依って熱せられた空気は、 暖められ上昇気流となって蒸発器 1 0に沿って上部へと移動する。その移動の際、
途中の蒸発器 1 0及び蒸発器 1 0に付着した霜を昇温させる。 こうして蒸発器 1 0は下部から上部にかけて順次加熱される。 さらに、 蒸発器 1 0の中部に設けた ヒータ 2 6 bによって、 蒸発器 1 0の中部から上部にかけての昇温の遅い部分が 加熱できる。
また、 蒸発器 1 0の下方に設けたヒー夕 2 6 aでは、 輻射熱の内、 上向きの熱 は直接蒸発器 1 0を加熱できる。 一方、 下向きの熱は、 一旦、 桶 1 3に当たって 反射されることにより蒸発器 1 0を加熱することになる。 それに比べ、 ヒー夕 2 6 bは、蒸発器 1 0の中部に設けているので、上下方向、 あるいは前後方向より、 蒸発器 1 0を直接加熱できる。 したがって、 蒸発器の除霜がすばやく均一に行え るので、 ガラス管ヒータの表面温度は、 可燃性冷媒の着火温度以下に抑えること ができる。 その結果、 可燃性冷媒が除霜手段の設置雰囲気に漏洩した環境下で除 霜が行われた場合でも、 可燃性冷媒の着火を防止するとともに、 霜残りによる不 冷を防止することができる。 (第 4の実施例)
図 7は本発明の第 4の実施例による冷蔵庫の要部縦断面図である。
本第 4の実施例が上記各実施例と異なる点は次の点である。
図 7において、 第 1のガラス管ヒータ 2 7 aは蒸発器 1 0の下方に設置され、 一方、 第 2のガラス管ヒータ 2 7 bは蒸発器 1 0の前後いずれか一方に設置して いる。 ヒータ 2 7 bを設置するために蒸発器 1 0のフィンの一部に切欠部 2 8を 設けている。 また、 蒸発器 1 0の下方に配置したヒ一タ 2 7 aの容量を、 それよ りも上方に配置したヒータ 2 7 bより大きく設定している。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
除霜時にヒータ 2 7 a及びヒー夕 2 7 bが通電されると、 蒸発器 1 0下方に設 けたヒータ 2 7 aによって蒸発器 1 0の下部から除霜が行われる。 蒸発器 1 0に
おけるサーモサイフォン効果による昇温が遅い蒸発器部分を、 蒸発器 1 0の前後 いずれかに設けたヒータ 2 7 bによって、 加熱することにより蒸発器 1 0に付着 した霜を効率的に除霜することができる。 そして、 蒸発器 1 0の下方に配置した ヒー夕 2 7 aの容量を、 それより上方に配置したヒータ 2 7 bより大きく設定し ているので、 霜が最も多く付着する蒸発器下部を確実に除霜でき、 より効率的な 除霜ができる。 したがって、蒸発器 1 0の除霜がよりすばやく均一に行えるので、 ガラス管ヒータ 2 7 a , 2 7 bの表面温度を、 可燃性冷媒の着火温度以下に抑え ることができる。 その結果、 可燃性冷媒が除霜手段の設置雰囲気に漏洩した環境 下で除霜が行われた場合でも、 可燃性冷媒の着火を防止するとともに、 霜残りに よる不冷を防止することができる。
また、 蒸発器 1 0のフィンの一部に切欠部 2 8を設けており、 蒸発器 1 0の前 後のいずれか一方に配置するヒ一夕 2 7 bは、 その切欠部 2 8に配設されている ので、 ヒータ 2 7 b設置のための生じる無効空間を小さくできる。
また、 蒸発器 1 0の前後いずれに設置しても、 蒸発器 1 0に付着した霜を解か した水はヒータ 2 7 bにかかりにくい。 その結果、 ファン 1 1の作動時に風路を 阻害する要因となる屋根を、 ヒータ 2 7 bに対して新たに設置する必要が無くな るという利点も有する。
(第 5の実施例)
図 8は本発明の第 5の実施例による冷蔵庫の要部拡大図である。
本第 5の実施例が上記各実施例と異なる点は次の点である。
図 8において、温度センサー 2 9はガラス管ヒータ 1 9の表面温度を検知する。 制御手段 3 0はそのヒータ 1 9の電圧印加を ON/O F F制御する。 ヒー夕 1 9 の内部にはヒータ線 3 1が配設されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
除霜時にはヒ一夕 1 9内部のヒータ線 3 1に通電が行われる。 そして、 ガラス 管の表面温度を検知する温度センサ一 2 9、 及び制御手段 3 0により、 ヒ一夕 1 9の電圧印加を O N/O F F制御し、 確実にヒー夕 1 9の表面温度を可燃性冷媒 の着火温度未満に制御しながらで除霜が行われる。 可燃性冷媒としては R 6 0 0 a (イソブタン) などが知られるが、 その着火温度は 4 6 0 °Cであり、 ヒータ 1 9の表面温度を可燃性冷媒の着火温度未満の例えば 4 5 0 °C以下保つ様に通電時 間制御して除霜を行う。
したがって、 何らかの原因でガラス管ヒ一夕への印加電圧が変動して高くなつ たり、 霜取り終了検知が働かず、 空焚き状態になった時に、 可燃性冷媒が除霜手 段の設置雰囲気に漏洩した環境下で除霜が行われた場合でも、 可燃性冷媒の着火 を防止できる。
(第 6の実施例)
図 9は本発明の第 6の実施例による冷蔵庫の要部拡大図である。
本第 6の実施例が上記各実施例と異なる点は次の点である。
図 9において、温度センサー 2 9はガラス管ヒー夕 1 9の表面温度を検知する。 制御手段 3 2はそのヒー夕 1 9の印加電圧を高低制御する制御手段である。 ヒー 夕 1 9の内部にはヒータ線 3 1が配設されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
除霜時にはヒ一タ 1 9内部のヒータ線 3 1に通電が行われる。 そして、 ガラス 管の表面温度を検知する温度センサー 2 9及び制御手段 3 2により、 ヒータ 1 9 の印加電圧を高低制御し、 確実にヒータ 1 9の表面温度を可燃性冷媒の着火温度 未満に制御しながら除霜が行われる。 可燃性冷媒としては R 6 0 0 a (イソブタ ン) などが知られるが、 その着火温度は 4 6 0 °Cであり、 ヒータ 1 9の表面温度 を可燃性冷媒の着火温度未満の例えば 4 5 0 °C以下保つ様に印加電圧を高低制御
して除霜を行う。
したがって、 何らかの原因でガラス管ヒ一夕への印加電圧が変動して高くなつ たり、 霜取り終了検知が働かず、 空焚き状態になった時に、 可燃性冷媒が除霜手 段の設置雰囲気に漏洩した環境下で除霜が行われた場合でも、 可燃性冷媒の着火 を防止できる。 さらに、 印加電圧の高低制御を行うことで、 ヒー夕線の温度変化 を小さくでき、 断線を防止する事ができるので、 断線時に発生する火花による着 火をも防止することができる。
(第 7の実施例) .
図 1 0は本発明の第 7の実施例による冷蔵庫の要部断面図である。
図 1 0において、 冷蔵庫本体 1 0 1は、 外箱 1 0 2、 内箱 1 0 3、 その外箱 1 0 2と内箱 1 0 3と間に一体に充填発泡した硬質ポリウレタン発泡断熱材 1 0 4 を有している。 冷蔵室 1 0 5と冷凍室 1 0 6とは区画壁 1 0 7にてよって仕切ら れている。 蒸発器 1 0 8は冷凍室 1 0 6の背面に取付けられている。 ポリスチレ ン発泡体 1 0 9は、 蒸発器 1 0 8の前面に配設され、 蒸発器 1 0 8を収納する部 屋と冷凍室 1 0 6とを断熱している。 ポリスチレン発泡体 1 0 9の外側には樹脂 成形された化粧板 1 1 0が取り付けられている。 その化粧版 1 1 0には冷気吹出 し口 1 1 1がー体に形成されている。 化粧版 1 1 0の下部端面と内箱 1 0 3との 間には、 冷気吸い込み口 1 1 2が設けられている。
冷気攪拌用のファンモータ 1 1 3は、 化粧板 1 1 0の一画に取り付けられてい る。 そのファンモー夕 1 1 3は、 蒸発器 1 0 8で冷却された冷気を冷凍室 1 0 6 及び他の温度帯の室 (図示せず) へ吐出する。 除霜水受け皿 1 1 4は、 蒸発器 1 0 8の下方に位置している。 その水受け皿 1 1 4の上面開口部は、 蒸発器 1 0 8 の下面外形より若干大きく開口している。 ガラス管ヒータ 1 1 5は、 蒸発器 1 0 8と水受け皿 1 1 4との間に位置して取り付けられている。 蒸発器 1 0 8の蒸発
パイプ 1 1 6とフィン 1 1 7は、 圧入又はカシメ等により固定されている。 蒸発皿 1 1 9は、 水受け皿 1 1 4の下方に配設され、 水受け皿 1 1 4に滴下し た除霜水を溜める。 放熱パイプ 1 2 0は、 蒸発皿 1 1 9内に配置され、 蒸発皿 1 1 9に溜まった除霜水を加熱し蒸発させる。 そして、 ヒ一夕 1 1 5の外壁とフィ ン 1 1 7の端面とは常に接触した構成としている。 フィン 1 1 7は上下方向に連 続した連続フィンで構成されている。 また、 ヒータ 1 1 5のヒータ用抵抗線には N i - C r線を使用している。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
蒸発器 1 0 8で冷却された冷気は、 ファンモータ 1 1 3により冷気吹出し口 1 1 1より吐出され、 冷凍室 1 0 6内において熱交換して、 冷気吸い込み口 1 1 2 から蒸発器 1 0 8へ戻る。 この循環動作を繰り返し冷凍室 1 0 6を所定温度に冷 却する。また、蒸発器 1 0 8で冷却された冷気の一部は、ダクト及びダンパー(図 示せず) を介して、 冷蔵室 1 0 5や他の温度帯の室 (図示せず) へ送られ、 それ らを所定温度に冷却する。
そして、 時間の経過と共に蒸発器 1 0 8には徐々に霜が付着してくるが、 その 霜により冷気の流れが阻害される前に定期的にヒータ 1 1 5に通電し除霜する。 除霜された水は水受け皿 1 1 4を介して蒸発皿 1 1 9に溜まり、 放熱パイプ 1 2 0の熱により蒸発される。
ところで、 本第 7の実施例における冷蔵庫は、 圧縮機と凝縮器と減圧機構と蒸 発器とを順次接続してなる冷凍サイクルに可燃性冷媒を封入している。 そして、 ヒータ 1 1 5とフィン 1 0 8の端部とを接触させたので、 ヒー夕 1 1 5からの輻 射熱を利用した除霜に加え、 ヒータ 1 1 5からの熱伝導による除霜効果も加わり 除霜効率が向上する。 それとともに、 フィン 1 0 8への熱伝導による放熱効果に より、 ヒータ 1 1 5からの発熱量は変えずにヒータ 1 1 5のガラス管の表面温度 を低くすることができる。 それにより、 ヒ一夕 1 1 5の表面温度を可燃性冷媒の
着 温度以下 (例えばイソブタンの発火温度は 4 6 0 °C) 以下に保つことができ る。 したがって、万が一可燃性冷媒が庫内に漏洩しても着火するという虞がない。 また、 蒸発器 1 0 8に設けるフィン 1 1 7は、 上下方向に連続した連続フィン で構成されているので、 フィン 1 1 7への熱伝導による放熱効果が一層高まり、 除霜効率が向上する。 さらに、 発熱量は変えずにヒー夕 1 1 5の表面温度を低く することができ、 可燃性冷媒の着火温度以下に保つことができる。
また、 ヒータ 1 1 5のヒータ用抵抗線には N i - C r線を使用しているので、 ヒ一夕線を低温で使用しても、 F e— C rなどで 4 7 0 °C前後で生じるヒ一夕用 抵抗線の脆性が生じずヒータ線の断線を防止できる。
(第 8の実施例)
図 1 1は本発明の第 8の実施例による冷蔵庫の要部断面図である。
本第 8の実施例が上記第 7の実施例と異なる点は次の点である。
本第 8の実施例は第 7の実施例の構成に加え、 図 1 1に示すように、 複数のフ イン 1 2 1は、 ガラス管ヒータ 1 1 5の外壁に沿って半円状の切欠部 1 2 2を備 えている。 その切欠部 1 2 2がヒ一夕 1 1 5の外壁に対して連続して接触してい る。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
本第 8の実施例の動作は、 上記第 7の実施例で説明した動作に加え、 切欠部 1 2 2が、 ヒータ 1 1 5の外壁に連続して接触しているので、 その接触面積が増加 し熱伝導効率が上がる。 それにより、 さらに除霜効果が向上する。 また、 発熱量 は変えずにヒータ 1 1 5の表面温度をさらに低くすることができ、 可燃性冷媒の 着火温度以下に保つことができる。 (第 9の実施例)
図 1 2は本発明の第 9の実施例による冷蔵庫の部分斜視図、 図 1 3は図 1 2に 示す Bから見た矢視正面図、 図 1 4は本発明の第 9の実施例による冷蔵庫の他の 蒸発器とガラス管ヒ一夕の部分斜視図であり、 図 1 5は図 1 4に示す Cから見た 矢視正面図である。
図 1 2において、 各フィン 1 2 3はフィン下端部に L型に成形した折曲部 1 2 4を備えている。 その各折曲部 1 2 4はガラス管ヒータ 1 1 5の外壁に接触して いる。 そして、 図 1 3に示すように、 折曲部 1 2 4の端面と隣合うフィンとの間 には隙間 1 2 5を有している。 また、 図 1 4に示すように、 各フィン 1 2 6の端 部にはガラス管ヒ一夕 1 1 5の外壁に沿って半円状に形成した切欠部 1 2 7を有 し、 さらに L状に曲げられた折曲部 1 2 8を有するように構成してもよい。 以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
図 1 2及び図 1 3において、 各フィン 1 2 3はヒ一夕 1 1 5の外壁に沿って L 型に曲げられているため、 各フィン 1 2 3とヒータ 1 1 5との接触部分は線状と なり熱伝導効率を向上させることができる。 また、 折曲部 1 2 4の端面と隣合う フィンとには隙間 1 2 5があるので、 ヒータ 1 1 5からの輻射熱を上方に伝える • ことができる。
図 1 4及び図 1 5に示す構成例においては、 各フィン 1 2 6の端部にはヒータ 1 1 5の外壁に沿って半円状に形成した切欠部 1 2 7を有し、 さらに L状に曲げ られた折曲部 1 2 8を有しているので、 各フィン 1 2 3とヒータ 1 1 5との接触 部分は面状となり熱伝導効率をさらに向上させることができる。
したがって、 より一層除霜効果が向上するとともに、 発熱量は変えずにヒータ 1 1 5の表面温度をさらに低くすることができ、 可燃性冷媒の着火温度以下に保 つことができる。 (第 1 0の実施例)
図 1 6は本発明の第 1 0の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒー夕の部 分斜視図であり、 図 1 7は図 1 6に示す Dから見た矢視正面図である。
図 1 6及び図 1 7において、 ガラス管ヒータ 1 1 5の両端部は固定部 1 2 9に より固定されている。 その固定部 1 2 9は、 蒸発器側面に設けた側板 1 3 0の縦 フランジ 1 3 1の一部を切り欠いて形成されている。 そして、 固定部 1 2 9にヒ —夕 1 1 5を固定した状態で、 各フィン 1 1 7の端部とヒ一夕 1 1 5の外壁とが 接触するように構成されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
ヒー夕 1 1 5の両端部を固定する際、 固定部 1 2 9は蒸発器側面に設けた側板 1 3 0の縦フランジ 1 3 1の一部を切り欠いて形成しているので、 ヒータ 1 1 5 は下方に落下することがない。 したがって、 組立時も特別な固定部材を必要とせ ず安価にできるとともに、 ヒータ 1 1 5と各フィン 1 1 7との接触を常に安定し た寸法関係で保持でき、 安定した熱伝導を確保できる。 その結果、 除霜効果が向 上するとともに、 発熱量は変えずにヒー夕 1 1 5の表面温度を低くすることがで き、 可燃性冷媒の着火温度以下に保つことができる。
(第 1 1の実施例)
図 1 8は本発明の第 1 1の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒータの部 分斜視図であり、 図 1 9は図 1 8に示す Eから見た矢視正面図である。
図 1 8及び図 1 9において、 蒸発器 1 0 8とガラス管ヒー夕 1 1 5との間に遮 蔽板 1 3 2が設置されている。 そして、 遮蔽板 1 3 2の上面と各フィン 1 1 7の 下端 1 3 3が接触するように配置されている。 遮蔽板 1 3 2の両端 1 3 4は、 両 端フィン 1 3 5にかしめ等で一体に取り付けられている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
ヒー夕 1 1 5が通電されると、 ヒータ 1 1 5の発生する熱は遮蔽板 1 3 2に伝
わる。遮蔽板 1 3 2の上面と各フィン 1 1 7の下端 1 3 3とは接触しているので、 遮蔽板 1 3 2を介してフィン 1 1 7にヒータ 1 1 5の熱を放熱できる。 したがつ て、 発熱量は変えずにヒー夕 1 1 5の表面温度を可燃性冷媒の着火温度以下に保 つことができる。 また、 蒸発器 1 0 8から解け出した除霜水は、 遮蔽板 1 3 2に 滴下する。 この遮蔽板 1 3 2により、 蒸発器 1 0 8からの除霜水が直接ヒ一夕 1 1 5に滴下することを防ぎ、 除霜水がヒータ 1 1 5に触れて急激に蒸発する時に 発生する音 (例えばジユン、 ジユンという音) を防止できる。
(第 1 2の実施例)
図 2 0は本発明の第 1 2の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒー夕の部 分斜視図であり、 図 2 1は図 2 0に示す Fから見た矢視正面図である。
図 2 0及び図 2 1において、 各々の長フィン 1 3 6はフィン下端部に L型に成 形した折曲部 1 3 8を備えている。 各折曲部 1 3 8はガラス管ヒータ 1 1 5の外 壁に接触している。 各々の短フィン 1 3 7は、 下端面が長フィン 1 3 6より短く 設定されている。 2つの長フィン 1 3 6間の寸法 aは、 長フィン 1 3 6と短フィ ン 1 3 7間の寸法 bより広く設定している。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
各々の長フィン 1 3 6はヒータ 1 1 5の外壁に沿って L型に曲げられているた め、 各々の長フィン 1 3 6とヒ一夕 1 1 5との接触部分は線状となり、 ヒータ 1 1 5から長フィン 1 3 6への熱伝導効率を向上させることができる。 また、 蒸発 器を構成する長フィン 1 3 6及び短フィン 1 3 7は、 上方より下方のフィン間寸 法を大きくした (a > b ) ので、 庫内冷気循環時、 蒸発器への着霜が下部に偏ら ない。 その結果、 着霜が蒸発器全体に均一になり除霜周期を長く設定できる。 そ れにより、 除霜に要する消費電力量を抑えることができ省エネルギーになるとい う利点がある。
(第 1 3の実施例)
図 2 2は本発明の第 1 3の実施例による冷蔵庫の蒸発器とガラス管ヒータの部 分斜視図、 図 2 3は図 2 2に示す Gから見た矢視図であり、 図 2 4は図 2 2に示 す冷蔵庫のガラス管ヒー夕の拡大部分断面図である。
図 2 2から図 2 4において、 二重構造のガラス管ヒータ 1 3 9は、 内管 1 4 0 及び外管 1 4 1より構成されている。 内管 1 4 0の外壁に対して所定間隔をあけ て外管 1 4 1を配し、 内管 1 4 0の内部には抵抗線ヒー夕 1 4 3を有している。 そして、 両管の両端は、 キャップ 1 4 2により所定寸法を維持し一体に固定され ている。 ここで、 ヒータ 1 3 9の外管 1 4 1と各フィン 1 1 7の下端は常に接触 した構成としている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
ヒータ 1 3 9が通電されると、 抵抗線ヒー夕 1 4 3から発する熱は、 内管 1 4 0から外管 1 4 1を介して外管 1 4 1の表面より発する。 この時、 内管 1 4 0と 外管 1 4 1との空間の断熱作用により外管 1 4 1の表面温度は内管 1 4 0のそれ より低くなる。 したがって、 除霜効果が向上するとともに、 発熱量は変えずにヒ —タ 1 1 5の表面温度を低くすることができ、 可燃性冷媒の着火温度以下に保つ ことができる。 また、 ヒー夕 1 3 9の端面を、 一体に成形したキャップ 1 4 2で 固定したので、 二重ガラス管内の隙間寸法を正しく確保でき、 ガラス管表面温度 のバラツキを小さくできるとともに組立も容易になる。
(第 1 4の実施例)
図 2 5は本発明の第 1 4の実施例による冷蔵庫の冷凍サイクル図であり、 図 2 6は同冷蔵庫のガラス管ヒータの部分断面図である。
図 2 5において、 冷凍サイクル 2 0 1は、 圧縮機 2 0 2、 凝縮器 2 0 3、 ドラ
ィャ 2 0 4、 減圧機構であるキヤビラリチューブ 2 0 5、 蒸発器 2 0 6を順次接 続して構成し、 内部には可燃性冷媒を封入している。 除霜手段であるガラス管ヒ 一夕 2 0 7は、 蒸発器 2 0 6の下方に配置され蒸発器 2 0 6に付着した霜を定期 的に除霜する。
図 2 6において、 封止部材 2 0 8は、 ゴム部材で一体に成形した内管支持部 2 0 9と外管支持部 2 1 0とを有し、 多重構造のガラス管となる内管 2 1 1の端部 と外管 2 1 2の端部をそれぞれ支持している。 ヒータ線 2 1 3は、 鉄一クロムや ニッケル—クロム等の材料からなり、 内管 2 1 1の内部に、 内管 2 1 1の内壁に 対して所定隙間をあけて配置されている。 接続部 2 1 4は、 ヒータ線 2 1 3とリ —ド線 2 1 5とをかしめている。 そして、 リード線 2 1 5は、 封止部材 2 0 8の 側面下方、 あるいは底面より外部に導出されている。
また、 図 2 7は本発明の第 1 4の実施例による冷蔵庫の他のガラス管ヒ一夕の 部分断面図である。
図 2 7において、 封止部材 2 1 6は、 ゴム部材で一体に成形した内管支持部 2 1 7と外管支持部 2 1 8とを有している。 内管支持部 2 1 7は、 内管 2 1 9とラ ップ部 2 2 1で長さ cだけラップし内管 2 1 9を支持している。 外管支持部 2 1 8は、 外管 2 2 0とラップ部 2 2 2で長さ dだけラップし外管 2 2 0を支持して いる。 そして、 ラップ部 2 2 2の先端面 2 2 4 ( I面) は、 ラップ部 2 2 1の先 端面 2 2 3 (H面) より外側に位置している。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
蒸発器 2 0 6に付着した霜を定期的に除霜するため、 ガラス管ヒータ 2 0 7の ヒ一夕線 2 1 3が通電されると、 その熱は、 内管 2 1 1から外管 2 1 2を通り上 方の蒸発器 2 0 6に達してそこに付着した霜を除霜する。 ここで、 ヒータ 2 0 7 は、 多重構造のガラス管で構成されている。 ヒータ 2 0 7の発熱量は、 従来と同 一としながら、 内管 2 1 1と外管 2 1 2との空間の空気断熱効果により、 外管 2
1 2の表面温度は可燃性冷媒の着火温度 (例えば、 イソブタンでは 4 6 0 °C) 以 下に抑えることができる。
そして、 ガラス管の端面に封止部材 2 0 8を設けたので、 二重構造のガラス管 の位置決めが確実になり、 ガラス管の隙間寸法を正しく確保でき、 ガラス管の表 面温度のバラツキを小さくできる。 そしてさらに、 封止部材 2 0 8に一体に設け た内管支持部 2 0 9と外管支持部 2 1 0により、 ガラス管内への外気の流入を抑 制でき、 万が一可燃性冷媒が漏洩しても着火の可能性を抑制できる。
また、 封止部材 2 1 6は、 内管支持部 2 1 7と外管支持部 2 1 8とを一体に形 成したので、 コストを安く抑えることができるとともに、 組立時の寸法ばらつき を小さくできる。 さらに、 内管支持部 2 1 7と外管支持部 2 1 8には、 ガラス管 の外壁端部にそれぞれラップ部 2 2 1及び 2 2 2を形成したので、 ガラス管内へ の外気の流入を確実に抑制できる。
また、 ラップ部 2 2 2の先端面 2 2 4 ( I面) をラップ部 2 2 1の先端面 2 2 3 (H面) より外側に位置するようにしたので、 内管 2 1 9から放射される輻射 熱が外管支持部 2 1 8によって妨げられにくくなる。 それにより、 効率的な除霜 が可能になるとともに、 封止部材 2 1 6への外管 2 2 0の挿入が容易になり組立 性が向上する。
なお、 本第 1 4の実施例では、 封止部材をゴム製としたが、 耐熱性のある材料 であれば同様の効果が得られる。
(第 1 5の実施例)
図 2 8は本発明の第 1 5の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒー夕の部分断面図 Cめる。
図 2 8において、 封止部材 2 2 5は、 ゴム部材で一体に成形した内管支持部 2 2 2 6と外管支持部 2 2 7とを有している。 内管支持部 2 2 6は、 内管 2 2 8と
ラップ部 2 3 0で長さ eだけラップし内管 2 2 8を支持している。 外管支持部 2
2 7は、 外管 2 2 9とラップ部 2 3 1で同じく長さ eだけラップし外管 2 2 9を 支持している。 そして、 ラップ部 2 3 1の先端面 2 3 3 ( J面) は、 ラップ部 2
3 0の先端面 2 3 2と同一平面 (J面) に位置している。 そして、 内管 2 2 8と 外管 2 2 9は同一寸法とし、 ガラス管端面が同一平面 (K面) に位置している。 以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
ガラス管ヒ一夕は、 内管 2 2 8と外管 2 2 9とからなり、 封止部材 2 2 5の外 管支持部のラップ部先端面 2 3 3と内管支持部のラップ部先端面 2 3 2とを同一 平面状に位置するようにしている。 つまり、 内管支持部 2 2 6と外管支持部 2 2 7とを同一ラップ代で封止しているので、 各管ともに十分なラップ代 eを確保で き、 ガラス管内外のシール性が良好となる。 したがって、 ガラス管内への外気の 流入を確実に抑制できるので、 万が一可燃性冷媒が漏洩しても着火の可能性を抑 制できる。 また、 内管 2 2 8と外管 2 2 9は同一寸法としたので、 ガラス管の製 造工程が簡略化され、 ガラス管の製作が容易になる。
(第 1 6の実施例)
図 2 9は本発明の第 1 6の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒータの部分断面図 である。
図 2 9において、 封止部材 2 3 4は、 複数の支持部材から構成されている。 す なわち、 封止部材 2 3 4は、 内管支持部材 2 3 5と外管支持部材 2 3 6とを別体 構造としている。 内管支持部材 2 3 5に設けた内管支持部 2 3 7は、 内管 2 3 9 の外壁端部を支持している。 外管支持部材 2 3 6に設けた外管支持部 2 3 8は、 外管 2 4 0の外壁端部を支持している。 また、 外管支持部材 2 3 6は内管支持部 材 2 3 5の外郭の一部に圧接嵌合している。 そして、 内管支持部材 2 3 5は耐熱 性の高い材料から成形され、 外管支持部材 2 3 6は、 内管支持部材 2 3 5より耐
熱性の低い材料から成形されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
封止部材 2 3 4において、 内管支持部材 2 3 5と外管支持部材 2 3 6とを別体 構造としているので、 製造時、 異なる材料の組み合わせが可能となり、 封止部材 2 3 4の設計自由度が増す。
また、 内管支持部材 2 3 5は耐熱性の高い材料から成形され、 外管支持部材 2
3 6は、 内管支持部材 2 3 5より耐熱性の低い材料から成形されているので、 封 止部材の信頼性が高まるとともに、 コスト的に割高となる耐熱性の高い材料の使 用量を減らし、 封止部材のコストダウンが可能となる。
(第 1 7の実施例)
図 3 0は本発明の第 1 7の実施例による冷蔵庫のガラス管ヒータの部分断面図 である。
図 3 0において、 封止部材 2 4 1は、 ゴム部材で一体に成形されており、 内管 支持部 2 4 2と外管支持部 2 4 3とを有している。 内管支持部 2 4 2は、 内管 2
4 4とラップ部 2 4 6で長さ: fだけラップし、 内管 2 4 4を支持している。 外管 支持部 2 4 3は、 外管 2 4 5とラップ部 2 4 7で長さ gだけラップし、 外管 2 4 5を支持している。 そして、 外管支持部 2 4 3のラップ部 2 4 7の先端面 2 4 9
(M面) は、 内管支持部 2 4 2のラップ部 2 4 6の先端面 2 4 8 (L面) より内 側に位置している。
以上のように構成された冷蔵庫について、 その動作を説明する。
ガラス管ヒータは、 外管支持部 2 4 3のラップ部先端面 2 4 9を内管支持部 2 4 2のラップ部先端面 2 4 8の内側に位置するようにしているので、 外管 2 5 のラップ代 gを十分確保することができ、ガラス管内外のシール性が良好となる。 したがって、 ガラス管内への外気の流入を確実に抑制できるので、 万が一可燃性
冷媒が漏洩しても着火の可能性を抑制できる。
さらに、 内管支持部 2 4 2のラップ部 2 4 6のラップ代 f は比較的小さくでき るので、内管支持部 2 4 2は、 ヒータ線 2 1 3からの輻射の熱影響を小さくでき、 ガラス管通電時、 輻射熱による内管支持部の温度上昇を抑えることができる。 し たがって、 封止部材 2 4 1の材料を特別に耐熱グレードの高いものにする必要が なく、 コストダウンを図ることができる。 産業上の利用可能性
本発明の冷蔵庫は、 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの蒸発器の除霜手段と して、 複数個のガラス管ヒータを設ける。 そして、 ガラス管ヒータは、 可燃性冷 媒の発火温度未満となるように通電時間又は印加電圧を制御する。 それにより、 可燃性冷媒の発火を防止でき、 さらに霜残りによる不冷を防止できる。 また、 ガ ラス管ヒ一夕と蒸発器のフィンとを接触させガラス管ヒータの表面温度を下げる。 また、 ガラス管ヒータを多重構造とし端面に封止部材を設ける。 それにより、 た とえ可燃性冷媒が漏洩した環境下で除霜が行われたとしても着火を防止できる。