WO2002072706A1 - Materiau optique renfermant du fluoropolymere durcissable - Google Patents

Materiau optique renfermant du fluoropolymere durcissable Download PDF

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Yoshito Tanaka
Mihoko Ohashi
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Description

明 糸田 書 硬化性含フッ素ポリマーを含んでなる光学材料 技術分野
本発明は、 硬化性含フッ素プレボリマーを含んでなる光学材料に関する。 詳しくは光学材料として有用な組成物および光通信分野において用いられ る光増幅技術や発光現象を利用する分野に好適な材料に関する。 背景技術
光ファイバ網を用いた光通信システムは、 大容量かつ高速のデータ伝送 を可能にする。 光ファイバとしては一般的には、 石英系光ファイバが用い られている。 しかし、 近年、 プラスチック光ファイバ ( P O F: P l as t ics Opt ical Fiber) において、 広帯域 (1 0 0 m伝送で 4 0 0 M b p s ) 、 低損失な G I (Graded Index) 型と呼ばれる P〇 Fが開発され、 今後、 各 家庭内での光ネットワークの構築も考えられている。 それぞれのファイバ では伝送に用いられている光の波長帯域が異なり、 石英系では主に 1 3 0 0 nm帯域および 1 5 0 0 nm帯域が、 プラスチック (アクリル) では 6 5 0 n m帯域が主として用いられている。
ところで、 光ファイバが石英系、 プラスチック系いずれのものであって も、 光通信システムでは、 伝播、 分岐、 接続、 スイッチングの際に生ずる 損失が原因で、 光信号の減衰が生じる。 光信号の減衰は、 長距離伝送を行 う場合に特に問題となる。 そこで、 光信号の減衰を補償するため、 光増幅 器が必要になる。
石英系光ファイノ 網を用いた光通信システム用の光増幅器としては、 例 えば文献 ( 「E rドープ光ファイバによる光増幅とその応用」 、 中沢正隆、 応用物理第 59巻、 第 9号、 pp.1175-1192 (1990)) に開示されている、 い わゆるファイバ型光増幅器がある。 これは、 エルビウム (E r) 陽イオン 原子中の電子の可視〜近赤外領域の光線による励起と、 約 1500 nm帯 域の波長の蛍光発生現象を応用7 άたものである。
一方、 発光体としては、 希土類金属イオンを含有させた無機のガラスや レーザー光線用電子デバイスなどに実用化されている。 しかし、 製造が難 しく加工も困難であるため、 用途が限られているのが現状である。 また、 ポリマ一組成物に関しては特開昭 64— 26583号公報に提案がなされ ているが、 発光強度が低い。
しかし、 E rドープ光ファイバによる光増幅器 (EDFA) は 30dB (1000倍) の利得を得るために 20〜30メートルの長さの増幅用光 ファイバが必要である。 その理由は、 例えば 155 Onm帯域用のフアイ バ型光増幅器はエルビウムイオン (Er3+) を石英系ファイバにドープし たものであるが、 ドープ量を多くするとド一プイオン同士の会合によるク ラスタ一が形成され、 増幅作用が低下してしまうからである。 そのため、 ドープ量を 10〜1000 p pmと希薄にした上で、 ファイバ長を長くす ることで増幅作用を得るようにしている。 このように、 ファイバ型光増幅 器 (ガラス系) では、 光増幅器の作用長を短縮するには限界がある。 すな わち、 光増幅器の小型化、 低価格化を図るにも限界がある。
また、 ベース材料が無機ガラス材料であるため、 靱性ゃ成形加工性は必 ずしも満足できるものではなかった。
さらに、 ファイバ型光増幅器 (ガラス系) の場合、 平面型の光増幅器を 実現することが難しい。 これは、 光増幅器と他の光素子とにより光集積回 路を構築する場合などに弊害になる。
発光体としての無機系デバイスでも、 製造が難しく加工も困難であるた め、 用途が限られている。 一方、 有機高分子材料への希土類元素陽ィォンの添加も検討されている。 例えば、 特開平 5— 8 6 1 8 9号公報には、 有機基を有するクロロシラン 類と希土類元素の塩化物を原料として得られる希土類金属ィォンが、 高分 子鎖中に取り込まれたポリシロキサンが開示されている。 また、 特開平 5 - 8 8 0 2 6号公報には、 希土類金属イオンのァセチルアセトン錯体のよ うな有機溶媒への溶解性や耐酸化性に優れた錯体を、 ポリアクリレ一トゃ ポリシロキサン中に含む材料が開示されている。 さらに、 高分子学会予稿 集, Vol. 43 (1) , 29 (1994)には、 アクリル酸ゃメタクリル酸のような重合 性有機酸の希土類元素陽イオン塩を合成し、 かかる希土類陽イオン担持モ ノマーを重合または共重合させ、 陽イオン濃度を 1 0重量%程度まで高め ることができる材料が報告されている。 これらの方法により、 成形加工性 に優れる有機高分子材料に対して希土類元素陽ィオンを高濃度で添加する ことができる。 しかし、 合成法が煩雑であり、 産業上の応用において経済 的制約となり得ること、 および使用される樹脂が比較的耐熱性の低い樹脂 に限られているといつた欠点がある。
また、 希土類金属イオンの樹脂中への分散性を高めるためには、 ァクリ ル系樹脂を構成するポリマーの構造中に高い割合でカルボン酸基を含有さ せることが必要であるが、 このようなァクリル系樹脂は吸水性が大きいも のとなるため、 実用上、 水分の存在を嫌う光学材料として用いることがで きない。
また、 耐熱性も充分ではなく、 光増幅型素子の製造工程中、 あるいは使 用環境下において、 増幅特性の低下を生じていた。
さらに光源の波長として 1 3 0 0 n m帯域および 1 5 0 0 n m帯域のも のが使用される場合は、 有機材料中の炭素一水素および酸素—水素結合が この領域に吸収をもっため、 光の透過性が低下するという本質的な欠点を かかえていた。 そこで従来より、 かかる水素原子を重水素 (D) 置換した り、 フッ素置換をする検討がなされてきた。 その結果、 透明性はある程度 改善できるが、 重水素置換の場合では材料のもつ吸水性は変わらず、 また フッ素置換の場合、 透明性に効果をもたらす程度置換した場合、 希土類金 属イオンの分散性が著しく低下したり、 溶剤溶解性が低下するなどの欠点 を有している。 また、 フッ素置換では、 ガラス転移点は向上せず、 耐熱性 の問題は解決されない。 また、 こうした発光現象を利用した発光体への応 用に関しても、 使用するポリマーの耐光性などに問題がある。
このように光増幅材料や発光材料の分野における問題がすべて解決され たわけではなく、 上記の問題を解決できる新規な光増幅材料および発光材 料が望まれている。 発明の開示
本発明者らは、 かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、 特定の硬 化性含フッ素ポリマーと希土類元素を組み合わせてなるフッ素樹脂組成物 を用いることによって、 上記の目的を達成できることを見出し、 本発明を 完成するに至った。 本発明は、 優れた光学材料、 特に光増幅材料および発 光材料を与えるフッ素樹脂組成物を提供する。
本発明の第 1は、 フッ素含有率が 2 5重量%以上の非晶性ポリマーであ つてかつ、 ポリマー側鎖中および/または主鎖末端に硬化性の部位を有す る含フッ素プレボリマー (I ) と、 希土類金属イオンおよび/または希土 類金属を含む化合物 (I I) からなるフッ素樹脂組成物、 さらには光増幅材 料または発光材料に用いるフッ素樹脂組成物に関する。 このものはフッ素 含有量の多い硬化性のフッ素樹脂組成物であり、 光学材料として有用であ る。
ここで、 「ポリマー側鎖中」 とは、 ポリマーの側鎖の末端でも側鎖の途 中でも、 その両者でもよいことをいう。 本発明のフッ素樹脂組成物を硬化して得られる光増幅材料および発光材 料は、 フッ素含有量が高い硬化体であるため、 増幅率および発光強度が大 きい。 また、 耐光性や耐熱性をも併せもっているものである。 さらには、 屈折率が低いので発光体としての特性も向上している。
この含フッ素プレポリマー (I) は、 1290〜 1320 nmの波長範 囲および Zまたは 1530〜 1570 nmの波長範囲および Zまたは 60 0〜900 nmの波長範囲での吸光度係数の最大値が 1 cm— 1以下であ る含フッ素プレボリマ一がより好ましい。
含フッ素プレボリマー (I) の硬化性部位は、 炭素一炭素二重結合であ ることが好ましい。 また、 炭素一炭素二重結合はポリマー側鎖末端に有す るものが好ましく例示できる。
硬化性部位を構成する炭素一炭素二重結合は、 ラジカル反応性を有する ェチレン性炭素一炭素二重結合であっても、 力チオン反応性を有するェチ レン性炭素一炭素二重結合であつてもよい。
含フッ素プレボリマー (I) としては、 硬化性部位を有する含フッ素ェ チレン性単量体の繰り返し単位を含む重合体が例示できる。
特に好ましい含フッ素プレボリマ一 (I) としては、 式 (1) :
Figure imgf000007_0001
ぼ中、 構造単位 Mは式 (M)
I (M)
(CX4X5^ ~~ C = 0)b(0 - f
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F ; X3は H、 F、
CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 Fまたは
CF3; R f は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜1
00のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端にェ チレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜10の 1価の有機基) が 1〜 3個結合している有機基; aは 0〜 3の整数; bおよび cは同じかま たは異なり、 0または 1) で示される含フッ素エチレン性単量体に由来す る構造単位、 構造単位 Aは該構造単位 Mを与える含フッ素エチレン性単量 体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である] で示され、 構造単位 Mを 0. 1〜; L 00モル%および構造単位 Aを 0〜99. 9モル%含み、 数平均分子量が 500〜 1000000であるポリマ一があげられる。 本発明の第 2は、 前記第 1の本発明のフッ素樹脂組成物を硬化して得ら れる光増幅材料および該材料を用いて形成されたコア部を有する光増幅型 素子に関する。
本発明の第 3は、 前記第 1の本発明のフッ素樹脂組成物を硬化して得ら れる発光材料および該材料を全部または一部に用いて形成された発光素子 に関する。 図面の簡単な説明 , 図 1は、 本発明の光増幅型素子または発光素子を製造する工程図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明に用いる含フッ素プレボリマー (I) として好適なポリマ一は、 前記のとおり式 (1) :
Figure imgf000008_0001
[式中、 構造単位 Mは式 (M) :
~ ecx^2— cx3-) ~
Figure imgf000008_0002
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F ; X3は H、 F、 CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 Fまたは C F 3; R f は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜 1 00のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y11は末端にェ チレン性炭素—炭素二重結合を有する炭素数 2〜1 0©1価の有機基) が 1〜 3個結合している有機基; aは 0〜 3の整数; bおよび cは同じかま たは異なり、 0または 1) で示される含フッ素エチレン性単量体に由来す る構造単位、 構造単位 Aは該構造単位 Mを与える含フッ素エチレン性単量 体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である] で示され、 構造単位 Mを 0. 1〜100モル%および構造単位 Aを 0〜99. 9モル%含み、 数平均分子量が 500〜 1000000である含フッ素ポリマーである。 つまり、 ポリマー側鎖中および Zまたはポリマー主鎖末端に反応により 硬化可能なェチレン性炭素一炭素二重結合を与える含フッ素ェチレン性単 量体に由来する構造単位 Mのホモポリマー、 またはその構造単位 Mを必須 成分として有する共重合体である。
構造単位 Mの R f において、 Y1の少なくとも 1個は R f の末端に結合 していることが好ましい。
本発明で用いる含フッ素プレボリマ一 (I) における構造単位 Mは、 な かでも式 (Ml) :
~ fCX^2— CX ~
I (Ml)
(cx4x5^T—^o ^-R f
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F; X3は H、 F、 CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 Fまたは CF3; R f は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜1 00のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端にェ チレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜10の 1価の有機基) が 1〜 3個結合している有機基; aは 0〜 3の整数; cは 0または 1) で示 される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位 Mlが好ましい。 この構造単位 M 1を含む含フッ素プレポリマーは、 特に近赤外領域での 透明性 (以下、 「近赤外透明性」 という) が高く、 構造単位 Mlのホモポ リマーに限らず、 構造単位 M 1を増やした組成の共重合体においても近赤 外透明性を高くすることができ、 好ましいものである。
さらに構造単位 Mlのより好ましい具体例の 1つは式 (M2) :
~ CH2— CF^ ~
I (M2) CF2—— O—— R f
(式中、 R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜1
00のェ一テル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端にェ チレン性炭素—炭素二重結合を有する炭素数 2〜10の 1価の有機基) が
1〜 3個結合している有機基) で示される含フッ素エチレン性単量体に由 来する構造単位 M 2である。
この構造単位 M 2はエチレン性炭素一炭素二重結合を末端に有する含フ ッ素ァリルェ一テルの構造単位であり、 近赤外透明性を高くできるだけで なく、 重合性が良好であり、 特にホモ重合性および他の含フッ素エチレン 系単量体との共重合性が良好であるため好ましい。
また、 構造単位 Mlの別の好ましい具体例は式 (M3) :
~ CF2— CF^ ~
I (M3) O—— R f
(式中、 R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜1 00のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端にェ チレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜10の 1価の有機基) が 1〜 3個結合している有機基) で示される含フッ素エチレン性単量体に由 来する構造単位 M 3である。
この構造単位 M 3はエチレン性炭素一炭素二重結合を末端に有する含フ ッ素ビニルエーテルの構造単位であり、 近赤外透明性を高くでき、 また他 の含フッ素ェチレン系単量体との共重合性が良好である点で好ましい。 本発明で使用する式 (1) の含フッ素プレボリマ一 (I) において構造 単位 M、 Ml、 M 2および M 3に含まれる Y1は、 前記のとおり、 末端に エチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 10の 1価の有機基で ある。
この Υ 1中の炭素一炭素二重結合は重縮合反応などを起こす能力を有し、 硬化 (架橋) 体を与えることができるものである。 詳しくは、 たとえばラ ジカルゃカチオンの接触によって、 含フッ素プレボリマー (I) 分子間で、 または含フッ素プレボリマー (I) と必要に応じて加えられる硬化 (架橋 ) 剤との間で重合反応や縮合反応を起こし、 硬化 (架橋) 物を与えること ができるものである。
好ましい Υ1の第 1としては、
~ ^o^— c=o)e― Y2
(式中、 Y2は末端にエチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 5のアルケニル基または含フッ素アルケニル基; dおよび eは同じかまた は異なり、 0または 1) である。
好ましい Y2としては、
-cx6 = cx7x8
(式中、 X6は H、 F、 CH3または CF3; X7および X8は同じかまたは 異なり、 Hまたは F) であり、 この基はラジカルゃカチオンの接触による 硬化反応性が高く、 好ましいものである。
好ましい Y2の具体例としては、
CH3
一 CH=CH2、 一 CF = CH2、 一 C = CH2、 — CF = CF2
などがあげられる。
またより好ましい Y 1としては、
一 0 (c = o) CX6 = CX7X8 (式中、 X6は H F CH3または CF3; X7および X8は同じかまたは 異なり、 Hまたは F) があげられ、 この基は特にラジカルの接触による硬 化反応性がより高い点で好ましく、 光硬化などにより容易に硬化物を得る ことができる点で好ましい。
上記のより好ましい Y1の具体例としては、
CH3 一〇C一 CH=CH 一〇C一 C = CH -OC-CF = CH ,
〇 〇 0
CF 一〇C一 C = CH2、 一〇C一 CF = CF
II II
o o
などがあげられる。
その他の好ましい γ1の具体例としては、
一 CH=CH2、 一 CH2CH=CH2、 一〇CH2CH = CH2. 一〇CH=CH2、 一〇CF = CF2
— C一〇CH = CHつ、 -C一 OCH2CH=CH2
〇 O
X
-CH-CH?OC-C = CH (X: H F CH J
OH O
O
CH-CH2OCCX=CH2 (X : H F CH3)
I
OCCX=CH9
II
o -CHCH2OCH2CH=CH2 、 -CHCH2OCH2CH=CH2
I I
OH OCH2CH=CH2
などがあげられる。
Y1のなかでも、 一 O (C =〇) CF = CH2の構造を有するものが近 赤外透明性を高くでき、 さらに硬化 (架橋) 反応性が特に高く、 効率よく 硬化物を得ることができる点で好ましい。
なお、 前述の側鎖中に炭素一炭素二重結合を有する有機基 Y1は、 ポリ マー主鎖末端に導入してもよい。
本発明で用いる含フッ素プレボリマー (I) において、 構造単位 M、 M 1、 M 2および M 3に含まれる一 R ί— (前記一 R fから Υ1を除いた基 ) は、 炭素数 1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数 2〜100の ェ一テル結合を有する含フッ素アルキレン基である。 この R ί基は含まれ る炭素原子にフッ素原子が結合していればよく、 一般に、 炭素原子にフッ 素原子と水素原子または塩素原子が結合した含フッ素アルキレン基、 エー テル結合を有する含フッ素アルキレン基であるが、 フッ素原子をより多く 含有する (フッ素含有率が高い) ものが好ましく、 より好ましくはパーフ ルォロアルキレン基またはエーテル結合を有するパ一フルォロアルキレン 基である。 含フッ素プレポリマー (I) 中のフッ素含有率は 25重量%以 上、 好ましくは 40重量%以上である。 これらによって、 含フッ素プレボ リマ一 (I) の近赤外透明性を高くすることが可能となり、 特に硬化物の 耐熱性や弾性率を高くする目的で硬化度 (架橋密度) を高くしても近赤外 透明性を高く維持できるため好ましい。
一 R f _基の炭素数は大きすぎると、 含フッ素アルキレン基の場合は溶 剤への溶解性を低下させたり透明性が低下することがあり、 またエーテル 結合を有する含フッ素アルキレン基の場合はポリマ一自身やその硬化物の 硬度や機械特性を低下させることがあるため好ましくない。 含フッ素アル キレン基の炭素数は、 好ましくは 1〜20、 より好ましくは 1〜10であ る。 エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基の炭素数は好ましくは 2
〜30、 より好ましくは 2〜20である。
R ίの好ましい具体例としては、
CF3
4CF2^(CH 、 - CF^F^CH^ , CH2CF2 CH2
CF3
I
-(CH^C- (以上、 m : 1~10、 n : 0〜5) 、
I
CF3
CF3
I
4c F 2 C F 2H"" F 2 C F C H 、 -CF^F^CH^F^CH^,
CF3 CF3 、 CH2CF2) -(CF2CF½r-(CH2 r,
Figure imgf000014_0001
CF3
(以上、 l : l〜10、 m: l〜10、 n : 0〜5)
-CFCF2O CF2O CX10 2CF2CF2O (CX11) <CF^ (CH2
X9 X12 または
-CF2CFO CF2O CF2CF2CX10 2O CF2(CF CH2
X9 X12
(以上、 X9、 X12は Fまたは CF3 ; X1Q、 X11は Hまたは F ;
o + p + qは 1〜 30 ; rは 0または 1 ; s、 tは 0または 1 ) などがあげられる。 前述のとおり、 本発明で用いる含フッ素プレボリマー (I) を構成する 構造単位 Mは構造単位 M 1が好ましく、 構造単位 M 1としてはさらに構造 単位 M 2または構造単位 M 3が好ましい。 そこで、 つぎに構造単位 M2お よび構造単位 M 3の具体例について述べる。
構造単位 M 2を構成する単量体として好ましい具体例としては、 CH2=CFCF2〇CF - Y1 、 CH2=CFCF2OCFCH2-Y1
C 3 Cr 3
CH2=CFCF2OCFCH20-Y\
I
CF3
CH2=CFCF20-(CFCF20)-nCF-Y\
CF3 CF3
CH2 = CFCF20(CFCF2O CFCH2-Y1
CF3 CF3
CH2=CFCF20(CFCF20-nCFCH9OCH2CHCH2-Y\
I I I
CF3 CF3 Y1
CH2 = CFCF20-(CF2CF2O CF2-Y1
CH2=CFCF20弋 CF2CF2〇)~nCF2CH2— Y1
CH2 = CFCF20-(CF2CF2CF20)^CF2CF2-Y1
CH2=CFCF20-(CF2CF2CF2O CF2CF2CH2-Y1
CH2 = CF CF 2OiCH2CF 2CF 2OhCH2CF 2-Y
CH2=CFCF20-(CH2CF2CF20) ;CH2CF2CH2-Y1
CH2 = CFCF20- CF2CF2>-nY1
CF3
CH2 = CFCF20(CF2CF CH2-Y1
(以上、 nは 1〜30の整数; Y1は前記と同じ)
があげられる。 より詳しくは、
CH2=CFCF20-(CFCF2O CFCH2OCCX=CH2
I I II
CF3 CF3 O
CH2
Figure imgf000016_0001
CH2=CFCF20-(CFCF2O CFCH2OCH=CH2
CF3 CF3
CH2 = CFCF20-(CFCF2O CFCH2OCH2CHOCH=CH2
CF3 CF3 〇CH=CH2
CH2=CFCF20-(CFCF20 CF=CF2
I
CF3
CH, = C F C F 20- C F CFzO C F COOCH==CH2
CF3 CF3
CH2 = CFCF20-(CFCF2O CFCH2OCH2CH=CH2
CF3 CF3
CH2 = CFCF20-(CFCF2O CFCH2OCH2CHCH2OCH2CI-I=CH2
CF3 CF3 OCH2CH=CH2
Figure imgf000016_0002
CH2CH=CH2
(以上、 R i 1 R f 2は炭素数 1〜 5のパーフルォロアルキル基; nは
0〜30の整数; は?1、 CH3、 Fまたは CF3)
などがあげられる。 構造単位 M 3を構成する単量体として好ましい具体例としては、 CF2
Figure imgf000017_0001
CF2 = CFOCF2CF2CH2OCH2CHCH2-Y1
Figure imgf000017_0002
CF2 = CFO^CF2CF) Y1
I
CF3
CF2=CFO-(CF2CFO)lCF2CF2CH2-Y1,
CF3
CF2=CFO-CF2CFO>rCF2CF2CH2OCH2CHCH2-Y1
I I CF3 Y1
CF2 = CFO-CF2- Y1 、 CF2 = CFC CF2hCH2 - Y1
CF2 = CFOCF2CF2OCF2-Y
CF2 = CFOCF2CF2OCF2CH2-Y
CF2 = CFOCF2CF2OCF2CH2OCH2CHCH2-Y
Y1
CF2 = CFOCF2CF2CH2OCF2CF2-Y1
CF2 = CFOCF2CF2CH2OCF2CF2CH2-Y1
(以上、 Ylは前記と同じ; nは 1〜30の整数)
などがあげられる。
さらに詳しくは、
CF2=CFO(CF9CFO)15r(CF2>rCH2OCCX = CH2,
Ί II
CF3 O
Figure imgf000017_0003
o CF2=CFO-(CF2CFO CF2)irCH2OCH = CH2,
CF3
CF2=CFO-(CF2CFO r(CF2)rCH2OCH2CHOCH = CH2,
I I
CF3 OCH = CH2
CF2=CFO"(CF2CFO>^CF2 C〇OCH=CH2
I
CF3
C F 2= C F CXC F 2 C F F CH2 O CH2 C H = CH2
I
CF3
CF2 = CF〇"CF2CF〇J^ICF J CH2OCH2CHCH2OCH2CH = CH2
Figure imgf000018_0001
(以上、 R f R f 2は炭素数 1〜5のパ一フルォロアルキル基; mは 0〜30の整数; nは 1〜3の整数; Xは H、 CH3、 Fまたは CF3) などがあげられる。
これらの構造単位 M 2および M 3以外に、 含フッ素プレボリマ一 (I) の構造単位 Mを構成する単量体の好ましい具体例としては、 たとえば、
CF2=CFCF2-0-R f-Y\ CF2=CFCF20-R f-CH2CHCH2-Y\
Y1
CF2 = CF-R f -Y CF2 = CF-R f-CH2CHCH2-Y1,
Y1
CH2 = CH-R f 一 Y CH2 = CH-R f-CH2CHCH,-Y1,
I "
Y1 CH2 = CH〇一 R f —Y CH2 = CHO - R f— CH2CHCH2 - Y1
Y1
(以上、 Y1および R f は前述の例と同じ)
などがあげられる。
より具体的には、
CF2=CFCF2OCF2CF2CF2-Y\ CF2=CFCF2OCF2CF2CF2CH2-Y\
CF2=CFCF2OCF2CF-Y1, CF2=CFCF。〇CF2CFCH2— Y
I I CF3 CF3
CF2=CFCF2OCF2CFCH2OCH2CHCH2-Y1
CF3 Y1
CF2 = CFCF2-Y1 、 CF2 = CFCF2CH2 - Y1
CF2=CFCF2CH2OCH2CHCH2— Y1
I
Y1
CH2=CHCF2CF2CH2CH2 - Y1 、 CH2=CHCF2CF2-Y1
CH2=CHCF2CF2CH2-Y1、 CH2=CHCF2CF2CF2CF2— Y1
CH2=CHCF2CF2CF2CF2CH2-Y1
CH2=CHCF2CF2CF2CF2CH2OCH2CHCH2— Y1
I
Y1
CH2=CH〇CH2CF2CF2— Y1 、 CH2=CHOCH2CF2CF2CH2-Y1
(以上、 Y1は前記と同じ)
などがあげられる。
本発明で用いる含フッ素プレボリマー (I) において、 構造単位 Aは任 意成分であり、 構造単位 M、 Ml、 M 2または M 3と共重合し得る単量体 であれば特に限定されず、 目的とする含フッ素プレボリマー (I) やその 硬化物の用途、 要求特性などに応じて適宜選択すればよい。 構造単位 Aとしては、 たとえばつぎの構造単位が例示できる。
①官能基を有する含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位
この構造単位①は、 含フッ素プレボリマー (I) およびその硬化物の近 赤外透明性を高く維持しながら、 基材への密着性や溶剤、 特に汎用溶剤へ の溶解性を付与できる点で好ましく、 そのほか Y1が関与する以外の架橋 性などの機能を付与できる点で好ましい。
官能基を有する好ましい含フッ素エチレン性単量体の構造単位①は、 式
(3) :
~- C XnX12— C χ13^ ~
(3)
Figure imgf000020_0001
(式中、 X11、 X12および X13は同じかまたは異なり Hまたは F ; X"は H、 F、 CF3; hは 0〜2の整数; iは 0または 1 ; R f4は炭素数 1〜4 0の含フッ素アルキレン基または炭素数 2〜100のエーテル結合を有す る含フッ素アルキレン基; Z1は一〇H、 — CH2OH、 一 C〇〇H、 カル ボン酸誘導体、 一 S03H、 スルホン酸誘導体、 エポキシ基およびシァノ 基よりなる群から選ばれる官能基) で示される構造単位であり、 なかでも、
Figure imgf000020_0002
(式中、 R f 4および Z1は前記と同じ) から誘導される構造単位が好ま しい。
より具体的には、
CH2 = CFCF2OCF— Z1 、 CH2 = CFCF OCFCF2OCF— Z1
I I I
CF3 CF3 CF3
CH9 = CFCF2O^CFCF20 2CF— Z1
" I I
CF3 CF3
CH2 = CFCF2OCH2CF2-Z1. CH2=CFCF2OCH2CF2CF2OCF-Z1,
I
CF3
CH2=CFCF2OCF2CF2OCF2-Z1,
CH2 = CFCF2C CF2CF2〇)~2CF2— Z1
(以上、 Z1は前記と同じ) などの含フッ素エチレン性単量体から誘導さ れる構造単位が好ましくあげられる。
また、
CF2=CFOR f 4一 Z1
(式中、 R f 4および Z1は前記と同じ) から誘導される構造単位も好ま しく例示でき、 より具体的には、
CF2 = CF〇CF2CF2 - Z 1 、 CF2 = CFOCF2CF2CH2-Z1 、 CF2 = CFOCF2CFOCF2CF2-Z1
CF3
CF2=CF〇CF2CF〇CF2CF2CH2— Z1
I
CF3
CF2 = CFO-(CF2-hZ1 、 CF2 = CFO-CF2 CH2-Z1
CF2 = CFOCF2CF2OCF2-Z
CF2=CFOCF2CF2OCF2CH2-Z1,
CF2 = CFOCF2CF2CH2〇CF2CF2 - Z1
CF2 = CFOCF2CF2CH2OCF2CF2CH2-Z1
(以上、 Z1は前記と同じ) などの単量体から誘導される構造単位があげ られる。
その他、 官能基含有含フッ素エチレン性単量体としては、
CF2=CFCF2 - O - R f - Z1 、 CF2 = CF-R f -Z1
CH2 = CH— R f— Z1 、 CH2 = CHO-R f — Z1 (以上、 一 R f —は前記の一 R f —と同じ; Z1は前記と同じ)
などがあげられ、 より具体的には、
CF2=CFCF2OCF2CF2CF2 - Z1,
CF2=CFCF2OCF2CF2CF2CH2— Z
CF2=CFCF2OCF2CF-Z1 CF2=CFCF2OCF2CF— CH2— Z1
I I CF3 CF3
CF2 = CFCF2— Z1 CF2=CFCF2CH2-Z1
Figure imgf000022_0001
CH2=CHCF2CF2CH2 - Z1 CH2=CHCF2CF2CF2CF2-Z1 CH2=CHCF2CF2CF2CF2CH2— Z1 CH2=CHO-CH2CF2CF2-Z \
Figure imgf000022_0002
2し 2 C JT 2
(以上、 Z1は前記と同じ) などがあげられる。
ただし、 — OH基、 — COOH基、 — S03H基を有する単量体を用い る場合は、 近赤外透明性を低下させない範囲の量であることが好ましい。 ②官能基を含まない含フッ素エチレン性単量体から誘導される構造単位 この構造単位②は含フッ素プレボリマー (I) またはその硬化物の近赤 外透明性をより一層高く維持できる点で、 またさらに高透明性化すること ができる点で好ましい。 また単量体を選択することでポリマーの機械的特 性やガラス転移温度などを調整でき、 特に構造単位 Mと共重合してガラス 転移点を高くすることができ、 好ましいものである。
この含フッ素エチレン性単量体の構造単位②としては、 式 (4) :
~ k c x15x16— C X17-) "~
Figure imgf000022_0003
(式中、 X15 X16および X18は同じかまたは異なり Hまたは F X17は H
Fまたは CF3 ; h l i 1および jは 0または 1 ; Z2は H Fまたは C 1 ; R f 5は炭素数 1〜20の含フッ素アルキレン基または炭素数 2〜 100のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基) で示されるものが好 ましい。
具体例としては、
CF2 = CF2 、 CF2 = CH2 、 CF2 = CFC 1 、 CF2 = CFCF3 、 ノ CF3
CF2 = C 、 CF2 = CFO(CF2)nF 、 CH2 = C(CF3)2
CF3
(n: 1 ~ 5 )
CF2 = CFH 、 CF2 = CC 12 、 C F 2 = C F〇 C F 2 C F O— C 3 F 7
CF3
CH2 = CF- CF2½Z2 (Z2は式 (4) と同じ、 n: 1〜10) 、
CH2 = CHOCH2- CF2^Z2 (Z2は式 (4) と同じ、 n: 1〜10) 、
CH2-CHOCH2-<C F Z 2 (Z2は式 (4) と同じ、 n: :!〜 10) などの単量体から誘導される構造単位が好ましくあげられる。
③フッ素を有する脂肪族環状の構造単位
この構造単位③を導入すると、 透明性を高くでき、 また、 より近赤外透 明性を高めることが可能となり、 さらに高ガラス転移温度の含フッ素プレ ポリマー (I) が得られ、 硬化物にさらなる高硬度化が期待できる点で好 ましい。
含フッ素脂肪族環状の構造単位③としては式 (5) :
(CX23X24)n2
-{(CX19X20)nlCX21 cx22(cx25x26)n3}-
I I (5)
(o)n4 (o)n5
Rf6
(式中、 X19、 X2。、 X23、 X24、 X25および X26は同じかまたは異なり Hま たは F ; X21および X22は同じかまたは異なり H、 F、 C Iまたは CF3 ; f 6は炭素数 1〜10の含フッ素アルキレン基または炭素数 2〜10 のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基; ]12は0〜3の整数; n 1、 n 3、 n 4および n 5は同じかまたは異なり 0または 1の整数) で示 されるものが好ましい。
たとえば、
4CX21— CX22
I I
〇 0
Rf6
(式中、 R 、 X21および X22は前記と同じ) で示される構造単位があげ られる。
具体的には、
CF2
Figure imgf000024_0001
,CF2 CX23X24
- CF2CF CF-)- - CFCF CF -
I I \ I
O CF2 O-CF,
CF9 CF5
-f CX19X20-CF CF^- 、 - (- C X19X20C F - C F C F 2 - 、
CF2 - O CF2 -〇
OCF3
-^CF-C^- 、 - CF-CF^-
I I I \
o o 〇 o
\ I
CF2-CF
F F I
CF3
(式中、 X19、 X2Q、 X23および X24は前記と同じ) などがあげられる。 そのほかの含フッ素脂肪族環状構造単位としては、 たとえば
CF¾-C -
0 O
1 I
CF2-CF
CF3 などがあげられる。
④フッ素を含まないエチレン性単量体から誘導される構造単位
近赤外透明性を悪化させない範囲でフッ素を含まないエチレン性単量体 から誘導される構造単位④を導入してもよい。
構造単位④を導入することによって、 汎用溶剤への溶解性が向上したり、 添加剤、 たとえば光触媒や必要に応じて添加する硬化剤との相溶性を改善 できる。
非フッ素系ェチレン性単量体の具体例としては、
αォレフィン類:
エチレン、 プロピレン、 ブテン、 塩化ビニル、 塩化ビニリデンなど ビエルエーテル系またはビニルエステル系単量体:
CH2=CH〇R、 CH2=CHOCOR (R:炭素数 1 ~ 20の炭化水 素基) など ァリル系単量体:
CH2=CHCH2C 1 , CH2=CHCH2OH、 CH2=CHCH2COO H、 CH2=CHCH2B rなど
ァリルエーテル系単量体:
CH2 = CHCH2OR (R:炭素数:!〜 20の炭化水素基) 、
CH2 = CHCH2OCH2CH2COOH 、
=し Hし H2し CI~I2CITLし n2
\ /
o
し丄~!2 =し し H2 CI~L2 C し h2 なと
OH OH アクリル系またはメタクリル系単量体:
アクリル酸、 メタクリル酸、 アクリル酸エステル類、 メタクリル酸エス テル類のほか、 無水マレイン酸、 マレイン酸、 マレイン酸エステル類など などがあげられる。
これらの非フッ素系ェチレン性単量体の水素原子を重水素原子に一部ま たは全部置換したものは透明性の点でより好ましい。
⑤脂環式単量体から誘導される構造単位
構造単位 Mの共重合成分として、 より好ましくは構造単位 Mと前述の含 フッ素エチレン性単量体または非フッ素エチレン性単量体 (前述の③、 ④ ) の構造単位に加えて、 第 3成分として脂環式単量体構造単位⑤を導入し てもよく、 それによつて高ガラス転移温度化や高硬度化が図られる。 脂環式単量体⑤の具体例としては、
Figure imgf000026_0001
(mは 0〜3の整数; A、 B、 Cおよび Dは同じかまたは異なり、 H、 F、 C l、 C〇〇H、 C H2OHまたは炭素数 1〜5のパーフルォロアルキル 基など) で示されるノルポルネン誘導体、
'〇、
Figure imgf000027_0001
などの脂環式単量体や、 これらに置換基を導入した誘導体などがあげられ る。
本発明で用いる含フッ素プレボリマー (I ) において、 構造単位 M (M 1、 M 2、 M 3 ) と構造単位 Aの組合せや組成比率は、 構造単位 Mと構造 単位 Aの組合せが非晶性となり得る組合せの範囲、 およびフッ素含有率が 2 5重量%以上の範囲で、 上記の例示から、 目的とする用途、 物性 (特に ガラス転移温度、 硬度など) 、 機能 (透明性、 近赤外透明性) などによつ て種々選択できる。
含フッ素プレポリマ一 (I ) は、 構造単位 M (M l , M 2、 M 3 ) を必 須成分として含むものであり、 構造単位 M自体で近赤外透明性を高く維持 し、 透明性を付与する機能と硬化により硬化物に硬さ、 耐熱性、 耐摩耗性、 耐擦傷性、 耐溶剤性を付与できる機能を併せもっという特徴を有している。 また、 構造単位 Mの含有量を調整することで屈折率の制御が可能であると いう特徴をも有している。 したがって含フッ素プレボリマ一 (I ) は、 構 造単位 Mを多く含む組成、 極端には構造単位 Mのみ (1 0 0モル%) から なる重合体であっても近赤外透明性を高く維持できる。 さらに同時に硬化 (架橋) 密度の高い硬化物が得られ、 高硬度、 耐摩耗性、 耐擦傷性、 耐熱 性に優れた被膜が得られる。
またさらに、 含フッ素プレボリマー (I ) の構造単位 Mと構造単位 Aと からなる共重合体の場合、 構造単位 Aを前述の例示から選択することによ つて、 さらに高硬度で、 ガラス転移温度が高く近赤外透明性の高い硬化物 を与えるプレボリマーとすることができる。
含フッ素プレボリマー (I ) の構造単位 Mと構造単位 Aとの共重合体の 場合、 構造単位 Mの含有量は、 含フッ素プレボリマ一 (I ) を構成する全 構造単位に対し 0 . 1モル%以上であればよいが、 硬化 (架橋) により高 硬度で耐摩耗性、 耐擦傷性に優れ、 耐薬品性、 耐溶剤性に優れた硬化物を 得るためには 2 . 0モル%以上、 好ましくは 5モル%以上、 より好ましく は 1 0モル%以上とすることが好ましい。
特に耐熱性、 透明性、 低吸水性に優れた硬ィヒ被膜の形成が必要な光学材 料の用途においては、 1 0モル%以上、 好ましくは 2 0モル%以上、 さら には 5 0モル%以上含有することが好ましい。 上限は 1 0 0モル%未満で ある。
本発明で用いる硬化性含フッ素プレボリマー U ) は、 構成単位 Mの比 率を増やしても (硬ィ匕部位を増やしても) 透明性は低下しないため、 特に 近赤外領域における光増幅材料用途、 および可視光から近赤外線領域にお ける発光材料用途において好ましい特性を有している。
またさらに硬化性含フッ素プレボリマー (I ) は、 光通信用用途におけ る光増幅材料および可視光から近赤外線領域における発光材料など高い透 明性を必要とする場合、 構造単位 Mと構造単位 Aの組合せが非晶性となり 得る組合せと組成を有することが重要である。 ここで、 非晶性とは D S C 分析において、 昇温速度 1 0で/ m i nの条件で測定 (A S TM D 3 4 1 8 - 9 9 ) した際に実質的に融解に基づく吸熱ピークが観測されないか、 もしくは融解熱量が 1 J Zg以下である性質を示す。
また、 硬化性含フッ素プレボリマー (I ) のフッ素含有率は 2 5重量% 以上が好ましい。
フッ素含有率が低いと、 近赤外領域での透明性が低下する。 また、 フッ 素含有率が低いと吸水性も高くなり、 光通信用などの光学材料としては実 質的には使用できなくなる。 光増幅材料および発光材料用途としては、 最 も好ましいフッ素含有率は 40重量%以上である。 フッ素含有率の上限は 含フッ素プレボリマ一 (I) の組成によって異なるが、 水素原子が全てフ ッ素原子に置き換わったときのフッ素含有率であり、 75重量%程度であ る。
本発明で用いる硬化性含フッ素プレボリマー (I) は、 増幅の対象とな る特定の通信帯域 (1290〜 1320 nmまたは 1530〜 1570 η mまたは 600〜900nm) における吸光度係数の最大値が 1 c ιτΤ1以 下のものが好ましい。 これより高い吸光度係数を示すものは光通信に用い る光増幅材料としては適さない。
含フッ素プレボリマ一 (I) の分子量は、 たとえば数平均分子量におい て 500〜 1000000の範囲から選択できるが、 好ましくは 1000 〜 500000、 特に 2000〜 200000の範囲から選ばれるものが 好ましい。
分子量が低すぎると、 硬化後であつても機械的物性が不充分となりやす く、 特に硬化物や硬ィ匕膜が脆く強度不足となりやすい。 分子量が高すぎる と、 溶剤溶解性が悪くなつたり、 特に薄膜形成時に成膜性ゃレべリング性 が悪くなりやすく、 また含フッ素プレポリマーの貯蔵安定性も不安定とな りやすい。 光学用途としては、 最も好ましくは数平均分子量が 5000か ら 100000の範囲から選ばれるものである。
含フッ素プレボリマー (I) は、 含フッ素プレボリマー自体 (硬化前) の 1290〜 1320 nmの波長範囲および/または 1530〜 1570 nmの波長範囲および Zまたは 600〜900 nmの波長範囲で吸光度係 数の最大値が 1 cm一1以下であることが好ましく、 さらには 0. 5 cm一 1以下、 特には 0. 1 cm— 1以下であることが好ましい。 さらに屈折率と して ndで 1. 3〜1. 7の範囲のものが好ましい。 この調整は、 構造単 位 Mの種類、 含有率、 必要に応じて用いられる構造単位 Aの種類を種々決 定することによって可能である。 これらの調整によって、 光学素子の形成 の際にクラッドの選択が容易となる。
またさらに含フッ素プレポリマーでは、 汎用溶剤に可溶であることが好 ましく、 たとえばケトン系溶剤、 酢酸エステル系溶剤、 アルコール系溶剤、 芳香族系溶剤の少なくとも 1種に可溶または上記汎用溶剤を少なくとも 1 種含む混合溶剤に可溶であることが好ましい。
汎用溶剤に可溶であることは、 特に、 光学素子を形成するプロセスにお いて 3 m程度の薄膜形成が必要な際、 成膜性、 均質性に優れるため好ま しく、 光学素子の形成における生産性の面でも有利である。
本発明で用いる含フッ素プレボリマー (I ) を得るためには、 一般には、
① Y 1を有する単量体を予め合成し、 重合して得る方法
②一旦、 他の官能基を有する重合体を合成し、 その重合体に高分子反応に より官能基変換し、 官能基 Y 1を導入する方法
のいずれの方法も採用できる。
ただし①の方法では、 側鎖末端の炭素一炭素二重結合を反応 (硬化) さ せずに側鎖に炭素一炭素二重結合を有する含フッ素プレボリマ一 (I ) を 得るためには、 (共) 重合性のモノマー中の 2種の二重結合 (主鎖となる 二重結合と側鎖となる二重結合) の反応性を変えることにより、 一方の二 重結合のみ重合に関与させる必要があり、 かかる方法では、 側鎖に二重結 合を有する含フッ素プレボリマ一を得る重合条件の選択が難しいこと、 ま た、 得られる含フッ素プレボリマ一中の側鎖の二重結合自体の硬化反応性 をあまり高くしにくいので、 ②の方法が好ましい。
②の方法は、 硬化反応させずに本発明の含フッ素プレボリマ一を得るの が容易であり、 また、 硬化反応性の高い炭素一炭素二重結合も側鎖に導入 できる点で好ましい方法である。 ②の方法のなかでも、 後述するように、 たとえば一旦ヒドロキシル基ま たはヒドロキシル基を有する有機基 Y3を有する含フッ素単量体の構造単 位 Nと、 必要に応じて Nと共重合可能な単量体の構造単位 Bからなる含フ ッ素重合体を合成したのち、 不飽和カルボン酸またはその誘導体を反応さ せて、 炭素一炭素二重結合をポリマーの側鎖中および Zまたはポリマー主 鎖末端、 好ましくは側鎖末端に導入する方法が好ましく採用できる。 以下にその詳細を例示する。
まず、 式 (2) :
— fN^ ~ fB^ ~ (2)
[式中、 構造単位 Nは式 (N) :
~ cx^2— CX3^ ~
I (N)
(CX4X5½ ~~ (-C = 0)b(0)^-R f 1
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F ; X3は H、 F、
CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 Fまたは C
F3; R f 1は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜10
0のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y3 (Y3はヒドロキシル 基またはヒドロキシル基を有する炭素数 1〜 10の 1価の有機基) が 1〜
3個結合している有機基; aは 0〜3の整数; bおよび cは同じかまたは 異なり、 0または 1) で示される含フッ素エチレン性単量体に由来するヒ ドロキシル基含有構造単位、 構造単位 Bは該構造単位 Nを与えるヒドロキ シル基含有含フッ素ェチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構 造単位である] で示され、 構造単位 Nを 0. 1〜100モル%および構造 単位 Bを 0〜 99. 9モル%含むヒドロキシル基含有含フッ素重合体 ( I
V) と、 不飽和カルボン酸またはその誘導体をエステルィヒ反応させて、 含 フッ素プレボリマー (I) を製造する。
この含フッ素プレボリマ一 (I) の製造法において、 式 (2) に示した 前駆体のヒドロキシル基含有含フッ素重合体 (I V) において、 構造単位 Nは具体例としては、 前に述べた含フッ素プレボリマー (I) の構造単位 Mの具体例のそれぞれに対応する、 炭素一炭素二重結合を含む部位 Y1を OH基を含む部位 Y3に置き換えた構造のものがそれぞれ好ましく利用で き、 構造単位 Bは、 前述の構造単位 Aと同様のものが好ましく利用できる。 ヒドロキシル基含有含フッ素重合体 (IV) と反応させる不飽和力ルポ ン酸またはその誘導体としては、 末端に炭素一炭素二重結合を有するカル ボン酸またはその誘導体であればよいが、 なかでもひ, /3—不飽和力ルポ ン酸またはその誘導体が好ましい。
たとえば、
し JHL 2 =
COOH
(式中、 Rは H、 CH3、 F、 CF3または C I) で示されるカルボン酸ま たはこれらの無水物、 または 一 zR
c〇x
(式中、 Rは前記と同じ、 Xは C 1または F) で示される酸ハライドのほ 力、、 マレイン酸、 無水マレイン酸、 マレイン酸モノアルキルエステルなど があげられる。
なかでも不飽和力ルポン酸ハライドを採用するときは反応を室温で行な うことができ、 生成ポリマーのゲル化を防止することができるため好まし い。
具体的には、
CH。 F
I I
CH, = CHC〇C 1、 C H 9 = C C O C 1、 CH2 = CCOF が特に好ましいものである。
ヒドロキシル基含有含フッ素重合体 (I V) \z , ]3—不飽和カルボン 酸ハライドを反応させる方法は特に限定されるものではないが、 通常、 ヒ ドロキシル基含有含フッ素重合体 (I V) を溶剤に溶解し、 それに α, β —不飽和力ルポン酸ハライドをー 2 0 Τ〜4 0 °C程度の温度で撹拌混合し、 反応させればよい。
この反応においては、 反応によって H C 1や H Fが副生するがこれらを 捕捉する目的で適当な塩基を加えることが望ましい。 塩基としては、 ピリ ジン、 N, N—ジメチルァニリン、 テトラメチル尿素、 トリェチルァミン などの 3級ァミン;金属マグネシウムなどがあげられる。 また、 反応の際 に原料のひ, ]3—不飽和カルボン酸や得られた含フッ素プレボリマ一中の 炭素一炭素二重結合が重合反応を起こすことを禁止するための禁止剤を共 存させてもよい。
禁止剤としては、 八ィドロキノン、 t一ブチルハイドロキノン、 ハイド 口キノンモノメチルエーテルなどがあげられる。
不飽和力ルポン酸またはその誘導体を反応させる前のヒドロキシル基含 有含フッ素重合体 ( I V) は、 それぞれ構成単位に相当するヒドロキシル 基を有するエチレン性単量体 N、 使用する場合共重合成分となる単量体 B を公知の方法で (共) 重合することで得られる。 重合方法はラジカル重合 法、 ァニオン重合法、 カチオン重合法などが利用できる。 なかでもヒドロ キシル基含有重合体 ( I V) を得るために例示した各単量体はラジカル重 合性が良好である点、 さらには得られる重合体の組成や分子量などの品質 のコントロールがしゃすい点、 工業化しやすい点から、 ラジカル重合法が 好ましく用いられる。
ラジカル重合を開始するには、 ラジカル的に進行するものであれば手段 は何ら制限されないが、 たとえば有機または無機ラジカル重合開始剤、 熱、 光、 あるいは電離放射線などによって開始される。 重合の形態も溶液重合、 バルク重合、 懸濁重合、 乳化重合などを用いることができる。 また、 分子 量は重合に用いるモノマーの濃度、 重合開始剤の濃度、 連鎖移動剤の濃度、 温度などによつて制御される。 共重合体組成は仕込み単量体のモノマー組 成により制御可能である。
本発明のフッ素樹脂組成物におけるもう一方の成分である希土類金属ィ オンおよび Zまたは希土類金属含有化合物 (Π) (以下、 単に 「希土類金 属元素」 という) は、 樹脂組成物に光機能性、 すなわち光増幅作用および 発光作用を付与する機能を果たすために配合される。
本発明においては、 硬化性含フッ素プレボリマー (I) に希土類金属元 素 (Π) を含有させる。 希土類金属元素 (II) は、 フッ素樹脂組成物に光 増幅作用を付与する機能を果たす。 本発明に用いられる希土類金属元素は、 周期律表の 3 A族に含まれるスカンジウム (S c) 、 イットリウム (Y) 、 およびランタノィドとして総称される以下の元素、 すなわちランタン (L a) 、 セリウム (Ce) 、 プラセォジゥム (P r) 、 ネオジゥム (Nd) 、 プロメチウム (Pm) 、 サマリウム (Sm) 、 ユーロピウム (Eu) 、 ガ ドリニゥム (Gd) 、 テルビウム (Tb) 、 ジスプロシウム (Dy) 、 ホ ルミゥム (Ho) 、 エルビウム (E r) 、 ツリウム (Tm) 、 ィッテルビ ゥム (Yb) 、 ルテチウム (Lu) のいずれかを表す。 本発明のフッ素樹 脂組成物は、 最終的には希土類金属元素を含むが、 希土類金属元素は単独 でも、 複数種混合してもよい。
希土類金属元素は、 通常、 ハロゲン化物や塩もしくは錯体といった化合 物の形態で配合される。 具体的には、 塩化物、 臭化物、 ヨウ化物などのハ ロゲン化物;硝酸塩、 過塩素酸塩、 臭素酸塩、 酢酸塩、 硫酸塩、 リン酸塩 などの塩が硬化性含フッ素プレボリマー (I) への分散性の点で好適であ る。 また、 複硝酸塩、 複硫酸塩、 キレート化物、 錯体も使用可能である。 たとえばスルホンアミド類、 スルホンイミド類、 )3—ジケトン類、 スルホ ン酸類、 リン酸類などがあげられる。 なかでもそれらの含フッ素化合物が 好ましい。
本発明に好適な希土類金属含有化合物としては、 塩化プラセォジゥム、 臭化プラセォジゥム、 ヨウ化プラセォジゥム、 硝酸プラセォジゥム、 過塩 素酸プラセォジゥム、 臭素酸プラセォジゥム、 酢酸プラセォジゥム、 硫酸 プラセォジゥム、 リン酸プラセォジゥム等のプラセォジゥム化合物;塩化 ネオジゥム、 臭化ネオジゥム、 ヨウ化ネオジゥム、 硝酸ネオジゥム、 過塩 素酸ネオジゥム、 臭素酸ネオジゥム、 酢酸ネオジゥム、 硫酸ネオジゥム、 リン酸ネオジゥム等のネオジゥム化合物;塩化ユーロピウム、 臭化ユーロ ピウム、 ヨウ化ユーロピウム、 硝酸ユーロピウム、 過塩素酸ユーロピウム、 臭素酸ユーロピウム、 酢酸ユーロピウム、 硫酸ユーロピウム、 リン酸ュ一 口ピウム等のユーロピウム化合物;塩化ジスプロシウム、 臭化ジスプロシ ゥム、 ヨウ化ジスプロシウム、 硝酸ジスプロシウム、 過塩素酸ジスプロシ ゥム、 臭素酸ジスプロシウム、 酢酸ジスプロシウム、 硫酸ジスプロシウム、 リン酸ジスプロシウム等のジスプロシウム塩化合物;塩化エルビウム、 臭 化エルビウム、 ヨウ化エルビウム、 硝酸エルビウム、 過塩素酸エルビウム、 臭素酸エルビウム、 酢酸エルビウム、 硫酸エルビウム、 リン酸エルビウム 等のエルビウム化合物等をあげることができる。
また、 好適な希土類金属元素を含む錯体としては、 たとえばトリス (ジ ベンゾィルメチド) エルビウム (III) 、 トリス (ベンゾィルトリフルォ ロアセトナト) エルビウム (III) 、 トリス (へキサフルォロアセトナト ) エルビウム (III) 、 トリス (ジベンゾィルメチド) エルビウム (III) 、 トリス (ベンゾィルトリフルォロアセトナ卜) エルビウム (III) 、 トリ ス (へキサフルォロアセ卜ナト) エルビウム (III) 、 トリス (ジベンゾ ィルメチド) ネオジゥム (III) 、 トリス (ベンゾィルトリフルォロアセ トナト) ネオジゥム (III) 、 トリス (へキサフルォロアセトナト) ネオ ジゥム (III) 等があげられ、 また、 それらはテトラキス (へキサフルォ ロアセトナト) ネオジゥム (III) のようなテトラキス錯体であってもよ い。 そのほか、 Nd [C8F17S02NS02C8F17] 3、 Nd [C4F9 S02NS02C4F9] 3、 Nd [C6F5S02NS02C6F5] 3、 Nd [ C4F9S02NS02C6F5] 3、 Nd [C 4 F 9 S O 2N S O 2 C 8 F x 7] 3、 Nd [C6F13S02NS02C6F13] 3、 Nd [C2F 5 S 02N S 02 C 2F 5] 3、 Nd [CF3S02NS02CF3] 3、 Nd [C4F9S〇2NC OC3F7] 3、 Nd [C4F9S02NCOCF3] 3、 Nd [OsS C8F17 ] 3、 Nd [O3SCF3] 3などがあげられる。
このうち、 光増幅器の用途では、 近赤外線の蛍光発生能を有するプラセ ォジゥム塩、 ネオジゥム塩およびエルビウム塩が特に好適であり、 なかで もシリカガラス等の無機ガラスのファイバに好適な信号波長である 130 0〜 1550 nm程度の波長の蛍光発生能のあるネオジゥム塩、 プラセォ ジゥム塩およびエルビウム塩が最も好適である。 また、 有機高分子材料を 光ファイバとして用いる場合に使用される可視波長域である 65 Onm帯 域の増幅にはユーロピウム塩が最も好適である。 発光体としての用途では、 青色発光のツリウム塩、 緑色発光のテルビウム塩、 赤色発光のユーロピウ ム塩が好適である。
本発明のフッ素樹脂組成物は、 最終的に希土類金属元素として 0. 00 1〜25重量% (重量%はイオンとして) 含有することが好ましい。 使用 する含フッ素プレボリマ一 (I) および希土類金属元素 (Π) の種類など によって異なるが、 希土類金属元素 (II) 含有量が 0. 001重量%未満 であると目的とする光増幅作用や発光作用等の望ましい性質がほとんど発 揮されず、 一方、 25重量%を超えるとこの希土類金属陽元素の分散性が 悪くなることがあり、 いずれも好ましくない。 光増幅器等の光通信用部品 や発光素子としての利用とする場合には、 この希土類金属元素の含有量は、 蛍光強度の観点から 0. 01〜 20重量%の範囲で選ぶのが好ましく、 さ らに好ましくは 0. 1〜15重量%、 最も好ましくは 0. 5〜10重量% である。 なお、 希土類金属元素の含有量は、 約 600 程度の温度の電気 炉中で有機成分を燃焼してその灰分を定量するか、 または蛍光 X線分析等 の物理化学的手法等により定量的に測定することができる。
本発明で用いる硬化性含フッ素プレボリマ一 (I) は、 光通信で使用さ れる場合、 各通信帯域、 すなわち 600〜900nm、 1290〜 132 0 nm、 1530〜 1570 nmの波長領域の吸光度係数が 1 c m— 1以下 である必要がある。 この波長領域で吸光度係数が 1 cm—1を超えると光信 号そのものを吸収してしまい、 増幅器として作用することができなくなる。 なお、 希土類金属元素 (II) を含有した本発明のフッ素組成物は希土類金 属自身が鋭敏な吸収を示すため、 その波長では組成物の吸光度係数が 1 c m一1を超えることがある。 すなわち、 希土類金属の吸収波長としては、 た とえばエルビウムでは 980 nmや 1480 nm等、 ネオジゥムでは 82 0 nm等、 プラセォジゥムでは 1017 nm等である。 可視発光材料とし て用いる場合は、 可視光領域で透明であることが望ましい。
通信光の減衰を回復せしめる役目を果たす光ファイバ一増幅器などの光 増幅器においては、 通信光波長の蛍光を発生する希土類金属を有効に励起 せしめる励起光 (ポンプ光) を常時通過させ続け、 通信光パルスによる誘 導放出現象によりこのパルス波形と同一の蛍光を発生せしめ増幅作用とす る。 したがって、 本発明のフッ素樹脂組成物を光増幅器用途として用いる 場合には、 希土類金属元素 (Π) 由来の励起光における蛍光発生能を有す ることが必要である。
希土類金属元素 (II) を硬ィ匕性含フッ素プレボリマー (I) に含有させ る方法には、 特に制限はない。 希土類金属元素を含む化合物 (塩または錯 体など) を硬化性含フッ素プレボリマ一 (I ) に溶解または分散させるか、 あるいは硬化性含フッ素プレボリマ一 (I ) の主鎖またはポリマ一末端あ るいは側鎖にイオン結合、 配位結合、 包接によって担持させてよい。
たとえば、 (1 )構造単位 Mを与える炭素—炭素二重結合を有する含フッ 素モノマーに希土類金属化合物 (塩もしくは錯体など) を添加した後、 溶 融重合法ゃァニオン重合法等の公知の合成法で硬化性含フッ素プレボリマ — ( I ) を生成せしめる方法、 (2)硬化性含フッ素プレボリマ一 (I ) を 溶剤に溶解して調製した溶液に希土類金属化合物 (塩もしくは錯体) を添 加して混合した後、 溶剤を除去する方法、 または (3)硬化性含フッ素プレ ポリマ一 (I ) と希土類金属化合物 (塩もしくは錯体など) とを溶融混練 する方法、 などがあげられる。 いずれの場合も、 硬化は最終の成形品に加 ェした後に行なうことが望ましい。
これらの方法のうち、 上記(2)の方法が硬化性含フッ素プレポリマ一中 に希土類金属化合物 (塩もしくは錯体など) を均一に分散できる点で最も 好適である。 特に好適な方法は、 前記希土類金属化合物の溶液に硬化性含 フッ素プレボリマ一を溶解し、 得られた均一溶液を昇温して溶媒を留去す る方法である。 なお、 溶媒を留去せず、 溶液または分散液の状態の組成物 を光学素子形成プロセスにおける溶液の原体として使用してもよい。
本発明の硬化性フッ素樹脂組成物は、 含フッ素プレボリマー (I ) と希 土類金属元素 (Π) だけでも得られるが、 さらに活性エネルギー線硬化開 始剤 (I I I) である光ラジカル発生剤 (I I I— 1 ) または光酸発生剤 (I I I 一 2 ) を加えて光硬化型の組成物の形態としてもよい。
活性エネルギー線硬化開始剤 (Π Ι) は、 たとえば 3 5 0 n m以下の波 長領域の電磁波、 つまり紫外線、 電子線、 X線、 ァ線などの活性エネルギ 一線を照射することによって初めてラジカルゃカチオン (酸) などを発生 し、 含フッ素プレボリマ一の炭素一炭素二重結合の硬化 (架橋反応) を開 始させる触媒として働くものであり、 通常、 紫外線でラジカルゃカチオン (酸) を発生させるもの、 特にラジカルを発生するものを使用する。
本発明の光増幅材料用または発光材料用のフッ素樹脂組成物によると、 前記活性エネルギー線により容易に硬化反応を開始でき、 高温で加熱する 必要がなく、 比較的低温で硬化反応が可能であるので、 耐熱性が低く、 熱 で変形や分解、 着色が起こりやすい基材、 たとえば透明樹脂基材などにも 適応できる点で好ましい。
本発明の組成物における活性エネルギー線硬化開始剤 (I I I) は、 含フ ッ素プレポリマー (I ) 中の炭素一炭素二重結合の種類 (ラジカル反応性 力、 カチオン (酸) 反応性か) 、 使用する活性エネルギー線の種類 (波長 域など) と照射強度などによって適宜選択される。
一般に紫外線領域の活性エネルギー線を用いてラジカル反応性の炭素一 炭素二重結合を有する含フッ素プレボリマー (I ) を硬化させる開始剤 ( 光ラジカル発生剤) としては、 たとえばつぎのものが例示できる。 ァセ卜フエノン、 クロロアセトフエノン、 ジエトキシァセトフエノン、 ヒドロキシァセ卜フエノン、 ひ一アミノアセトフエノンなど ベンゾイン、 ベンゾインメチルエーテル、 ベンゾィンェチルエーテル、 ジルジメチルケタールなど
ベンゾフエノン系
ベンゾフエノン、 ベンゾィル安息香酸、 ベンゾィル安息香酸メチル、 4 一フエニルベンゾフエノン、 ヒドロキシベンゾフエノン、 ヒドロキシープ 口ピルべンゾフエノン、 アクリル化べンゾフエノン、 ミヒラーケトンなど チォォキサンソン類 チォキサンソン、 クロ口チォキサンソン、 メチルキサンソン、 ジェチル チォキサンソン、 ジメチルチオキサンソンなど
その他
ベンジル、 α—ァシルォキシムエステル、 ァシルホスフィンォキサイド、 ダリオキシエステル、 3—ケ卜クマリン、 2—ェチルアンスラキノン、 力 ンファーキノン、 アンスラキノンなど
また、 必要に応じてアミン類、 スルホン類、 スルフィン類などの光開始 助剤を添加してもよい。
また、 カチオン (酸) 反応性の炭素一炭素二重結合を有する含フッ素プ レポリマー (I ) を硬化させる開始剤 (光酸発生剤) としては、 つぎのも のが例示できる。
ォニゥム塩
ョードニゥム塩、 スルホニゥム塩、 ホスホニゥム塩、 ジァゾニゥム塩、 アンモニゥム塩、 ピリジニゥム塩など
スルホン化合物
一ケトエステル、 β—スルホニルスルホンとこれらの α—ジァゾ化合 物など
スルホン酸エステル類
アルキルスルホン酸エステル、 八口アルキルスルホン酸エステル、 ァリ 一ルスルホン酸エステル、 イミノスルホネートなど
その他
スルホンイミド化合物類、 ジァゾメ夕ン化合物類など
なお、 ラジカル反応性の炭素一炭素二重結合としては、 たとえば前記式 —〇 (c = o) C X 6 = C X 7 X 8
などで示されるものが、 カチオン反応性の炭素一炭素二重結合としては、 たとえば前記式 一 O C H= C H 2、 一 C一 O C H= C H 2
II
o
などのものがあげられる。
本発明の光増幅材料または発光材料に用いるフッ素樹脂組成物は、 前記 のとおり、 含フッ素プレボリマー (I ) と希土類金属イオンおよび zまた は希土類金属を含む化合物 (I I) からなり、 さらに要すれば、 活性エネル ギ一線硬化開始剤を加えて硬化性含フッ素樹脂組成物を形成し、 さらに後 述する溶剤を含めた塗工用の含フッ素樹脂組成物塗工液に、 これらにさら に必要に応じて硬化剤を添加してもよい。
硬化剤としては、 炭素—炭素不飽和結合を 1つ以上有しかつラジカルま たは酸で重合できるものが好ましく、 具体的にはァクリル系モノマーなど のラジカル重合性の単量体、 ビニルエーテル系モノマ一などのカチオン重 合性の単量体があげられる。 これら単量体は、 炭素一炭素二重結合を 1つ 有する単官能であっても炭素一炭素二重結合を 2つ以上有する多官能の単 量体であってもよい。
これらの炭素一炭素不飽和結合を有するいわゆる硬化剤は、 本発明の組 成物中の活性エネルギー線硬化開始剤と光などの活性エネルギー線との反 応で生じるラジカルゃカチオンで反応し、 本発明の組成物中の含フッ素プ レポリマー (I ) の炭素一炭素二重結合と共重合によって架橋を達成する ことができるものである。
単官能のアクリル系単量体としては、 アクリル酸、 アクリル酸エステル 類、 メタクリル酸、 メタクリル酸エステル類、 α—フルォロアクリル酸、 ひ一フルォロアクリル酸エステル類、 マレイン酸、 無水マレイン酸、 マレ イン酸エステル類のほか、 エポキシ基、 ヒドロキシル基、 力ルポキシル基 などを有する (メタ) アクリル酸エステル類などが例示される。
なかでも硬化物の近赤外透明性を高く維持するために、 フルォロアルキ ル基を有するァクリレート系単量体が好ましく、 たとえば一般式: X
I
CH2=C-COOR f
(Xは H、 CH3または F; R f は炭素数 2〜 40の含フッ素アルキル基 または炭素数 2〜100のェ一テル結合を有する含フッ素アルキル基) で 表わされる化合物が好ましい。
具体的には、
X X CH2=C-COOCH2CH2-(CF2> F CH2=CCOOCH2CH2- CF2 TF,
X X I I CH2=C-COOCH2-(CF2 FH、 CH2=CC〇〇CH2CF3
X X CH2=C-COOCH2-(CF2irH、 CH2=CC〇〇CH2(CF2) 6 H、
X C t 3 X し ·?3
CH2=C— COOCH 、 CH2=C— C〇〇C一 CF3
CF3 CF3
X CF3
CH2=C-COOCH2-CF2- CF 、
CF3
A. C I7 C F
I I I
CH2=C - COOCH2C OCF2CF>^OC3F7
(以上、 Xは H、 CH3または F ; nは 1〜5の整数)
などがあげられる。
多官能アクリル系単量体としては、 ジオール、 トリオール、 テトラオ一 ルなどの多価アルコール類のヒドロキシル基をアタリレート基、 メタァク リレート基、 α—フルォロアクリレート基に置き換えた化合物が一般的に 知られている。
具体的には、 1, 3—ブタンジオール、 1, 4一ブタンジオール、 1, 6—へキサンジオール、 ジエチレングリコール、 トリプロピレングリコー ル、 ネオペチルグリコール、 トリメチロールプロパン、 ペンタエリスリト —ル、 ジペン夕エリスリトールなどのそれぞれの多価アルコール類の 2個 以上のヒドロキシル基がァクリレート基、 メタクリレート基、 α—フルォ ロアクリレート基のいずれかに置き換えられた化合物があげられる。 また、 含フッ素アルキル基または含フッ素アルキレン基を有する多価ァ ルコールの 2個以上のヒドロキシル基をァクリレート基、 メタァクリレー ト基、 α—フルォロアクリレート基に置き換えた多官能ァクリル系単量体 も利用でき、 特に硬ィヒ物の近赤外透明性を高く維持できる点で好ましい。 具体例としては
Rf-CH-CH2OH 、 R f-CH2OCH-CH-CH2OH
OH OH
(R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基) 、
R
HOCH2C-COOCH2CH-Rf
CH2OH OH
(R f は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基; Rは Hまたは炭素数 1〜 3のアルキル基) 、
H〇一 CH2— R f '_CH2OH 、
H〇一 CH2CH— CH2— R Γ— CH2— CHCH2〇H 、
OH OH R I I HO-CH2C-COOCH2CH- f -CHCH2OC—— CCH2OH
I I I II I
CH2OH OH OH O CH2OH (以上、 R f 'は炭素数 1〜40の含フッ素アルキレン基、 Rは Hまたは 炭素数 1〜3のアルキル基)
などの一般式で示される含フッ素多価アルコール類の 2個以上のヒドロキ シル基をァクリレート基、 メタァクリレ一ト基またはひ一フルォロアクリ レート基に置き換えた構造のものが好ましくあげられる。
また、 これら例示の単官能、 多官能アクリル系単量体を硬化剤として本 発明の組成物に用いる場合、 なかでも特に α—フルォロアクリレ一ト化合 物が硬化反応性が良好な点で好ましい。
本発明の光増幅材料用または発光材料用のフッ素樹脂組成物において、 活性エネルギー線硬化開始剤の添加量は、 含フッ素プレボリマー (I) 中 の炭素 -炭素二重結合の含有量、 硬化剤の使用の有無や硬化剤の使用量に よって、 さらには用いる開始剤、 活性エネルギー線の種類や、 照射エネル ギ一量 (強さと時間など) によって適宜選択されるが、 硬化剤を使用しな い場合では、 含フッ素プレボリマー (I) 100重量部に対して 0. 01 〜30重量部、 さらには 0. 05〜20重量部、 最も好ましくは、 0. 1 〜10重量部である。
詳しくは、 含フッ素プレボリマ、 (I) 中に含まれる炭素—炭素二重結 合の含有量 (モル数) に対し、 0. 05〜50モル%、 好ましくは 0. 1 〜20モル%、 最も好ましくは、 0. 5〜10モル%である。
硬化剤を使用する場合は、 含フッ素プレボリマー (I) 中に含まれる炭 素一炭素二重結合の含有量 (モル数) と硬化剤の炭素一炭素不飽和結合の モル数の合計モル数に対して 0. 05〜50モル%、 好ましくは 0. 1〜 20モル%、 最も好ましくは 0. 5〜10モル%でぁる。
本発明の組成物には、 前述の化合物のほかに、 必要に応じて種々の添加 剤を配合してもよい。
そうした添加剤としては、 たとえばレべリング剤、 粘度調整剤、 光安定 剤、 水分吸収剤、 顔料、 染料、 補強剤などがあげられる。
本発明の光増幅用材料または発光用材料に用いるフッ素榭脂組成物は、 後述するように、 溶剤に溶解または分散させて光増幅用または発光用の各 種部材の製造に供される。
ここで溶液の調製に使用する溶剤は、 含フッ素プレボリマ一 (I ) 、 活 性エネルギー線硬化開始剤、 および必要に応じて添加する硬化剤、 レペリ ング剤、 光安定剤などの添加剤が均一に溶解または分散するものであれば 特に制限はないが、 特に含フッ素プレボリマー (I ) を均一に溶解するも のが好ましい。
かかる溶剤としては、 たとえばメチルセ口ソルブ、 ェチルセ口ソルブ、 メチルセ口ソルブァセテ一卜、 ェチルセ口ソルブァセテー卜などのセ口ソ ルブ系溶剤;ジェチルォキサレ一ト、 ピルビン酸ェチル、 ェチルー 2—ヒ ドロキシプチレート、 ェチルァセトアセテート、 酢酸プチル、 酢酸ァミル、 酪酸ェチル、 酪酸プチル、 乳酸メチル、 乳酸ェチル、 3—メトキシプロピ オン酸メチル、 3—メトキシプロピオン酸ェチル、 2—ヒドロキシイソ酪 酸メチル、 2—ヒドロキシィソ酪酸ェチルなどのエステル系溶剤;プロピ レングリコ一ルモノメチルエーテル、 プロピレングリコールモノェチルェ 一テル、 プロピレングリコールモノブチルエーテル、 プロピレングリコー ルモノメチルエーテルアセテート、 プロピレンダリコールモノェチルェ一 テルァセテ一ト、 プロピレングリコールモノブチルエーテルァセテ一ト、 ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系 溶剤; 2—へキサノン、 シクロへキサノン、 メチルアミノケトン、 2—へ プタノンなどのケトン系溶剤;メタノール、 エタノール、 プロパノール、 イソプロパノ一ル、 ブタノ一ルなどのアルコール系溶剤; トルエン、 キシ レンなどの芳香族炭化水素類あるいはこれらの 2種以上の混合溶剤などが あげられる。 またさらに、 含フッ素プレボリマー (I) の溶解性を向上させるために、 必要に応じてフッ素系の溶剤を用いてもよい。
フッ素系の溶剤としては、 たとえば CH3CC 12F (HCFC- 14 l b) 、 CF3CF2CHC 12ZCC 1 F2CF2CHC 1 F混合物 (HC FC- 225) 、 パーフルォ口へキサン、 パーフルォロ (2—ブチルテト ラヒドロフラン) 、 メトキシーノナフルォロブタン、 1, 3—ビストリフ ルォロメチルベンゼンなどのほか、
H(CF2CF2 CH2OH (n: 1〜 3の整数) 、
F(CF2 CH2OH (n : l〜5の整数) 、
CF3CH (CF3) OH
などのフッ素系アルコール類;
ベンゾトリフルオライド、 パーフルォロベンゼン、 パーフルォロ (トリブ チルァミン) 、 C 1 CF2CFC 1 CF2CFC 12などがあげられる。 これらフッ素系溶剤は単独でも、 またフッ素系溶剤同士、 非フッ素系と フッ素系の 1種以上との混合溶剤として用いてもよい。
これらのなかでもケトン系溶剤、 酢酸エステル系溶剤、 アルコール系溶 剤、 芳香族系溶剤などが、 塗装性、 塗布の生産性などの面で好ましいもの である。
本発明のフッ素樹脂組成物は、 光硬化させることによって硬化物となり、 光増幅器などの光増幅型素子の一部または発光素子の一部を構成する。 この硬ィヒ物は、 600〜900 nmの波長範囲、 1290〜 1320 η mの波長範囲および 1530〜 1570 nmの波長範囲での吸光度係数の 最大値が 1 cm— 1以下のものである。
本発明の第 2は、 以上に説明したフッ素樹脂組成物を硬化させて得られ る光増幅材料および該材料をコア部に使用した光増幅型素子に関する。 本発明の第 3は、 前記フッ素樹脂組成物を硬化させて得られる発光材料 およぴ該材料をその一部または全部に使用した発光素子、 たとえばコア部 に前記発光材料を使用した発光素子に関する。
本発明のフッ素樹脂組成物を用いて光増幅型素子または発光素子を作製 する方法としては、 フッ素樹脂組成物を適当な溶剤に溶解させて塗布液を 調製し、 この塗布液を所定の基板上に塗布することで、 本発明のフッ素組 成物の膜を形成し、 つぎに、 この膜を定法により光増幅部または発光部の 形状にパターニングすることで光増幅部または発光部を形成した後、 硬化、 好ましくは光硬化する方法が採用できる。 活性エネルギー線開始剤を配合 するときは、 組成物が活性エネルギー線 (光) 硬化性組成物となるため、 光リソグラフィの技術を使用してのパターニングが可能になる。
この光増幅部および発光部のパターンを形成するための本発明の組成物 を含む塗布液には、 必要に応じて硬化剤、 レべリング剤、 光安定剤などの 添加剤が含まれていてもかまわない。 また、 塗布液を調製する溶剤として は本発明の組成物を均一に溶解または分散するものであれば特に制限はな く、 特に硬化性含フッ素プレボリマー (I ) を均一に溶解する前記の汎用 溶剤が好ましい。
光増幅型素子とはコア部とクラッド部を有する光導波路デバィスの一種 で、 基板上に形成された光導波路のコァ部中を光信号が通過中に信号強度 が増幅される素子のことを一般的にいう。 この光増幅型素子ではコア部を 光増幅作用をもつ材料で形成する必要がある。
本発明の光増幅型素子はそのコア部 (光増幅作用を有する光導波路の部 分) を前記の本発明の希土類金属を含むフッ素樹脂組成物で構築したもの である。
本発明のフッ素樹脂組成物を光増幅型素子のコア部として使用するには 適切なクラッド材が必要となる。 クラッド部用材料としてはコア部の材料 よりも屈折率の低いものを使用する必要があるが、 本発明のフッ素樹脂組 成物をコア部として使用する場合、 クラッド部用材料は特に制限はなく、 既存の有機材料が用いられる。 もちろん、 前記の硬化性含フッ素プレポリ マ一 (I ) をそのまま使用してもよい。
本発明の発光素子とは、 たとえば E L素子、 ポリマー発光ダイオード、 発光ダイオード、 光ファイバ一レーザ一、 レーザー素子、 光ファイバ一、 液晶バックライト、 光検知器等であり、 大型ディスプレイ、 照明、 液晶、 光ディスク、 レーザープリンター、 医療用レーザ一、 レーザ一加工、 印刷、 コピー機器等に応用される。
コア部とクラッド部とから構成される発光素子の場合、 光増幅型素子と 同様に、 コア部に本発明の発光材料を使用し、 クラッド部には既存の有機 材料、 たとえば前記の硬化性含フッ素プレボリマ一 (I ) をそのまま使用 することができる。
本発明の光増幅型素子および発光素子は、 本発明のフッ素樹脂組成物を コア部として使用する以外は、 従来公知の製法で作製できる。
光学デバイス (光増幅型素子および発光素子) の一般的な作製工程を図 1に示す。 まず基板 1上に下部クラッド層 2を形成する。 このクラッド層 2はコア層 3に対して屈折率が低い材料を用いる。 つぎに下部クラッド層 2上へ、 本発明のフッ素樹脂組成物をコア層 3として形成する。 さらにコ ァ層 3上へフォ卜マスク 4を用いフォトリソグラフ法によって光導波路の マスクパターンを形成する。 マスクパターンが形成されたコア層 3に対し て、 R I E (React ive Ion Etching) 法を用いてエッチングを行い光導波 路のコアパターン 5を形成する。 マスクを除去した後、 光導波路のコアパ ターン 5上に上部クラッド層 6を形成して光学素子デバイス (光増幅型素 子および発光素子) が形成される。
また、 本発明の光増幅型素子および発光素子は、 他の光素子と集積化す ることでより多機能な光回路を構築することができる。 他の光素子として は、 光スィッチ、 光フィルタ、 光分岐素子など任意のものをあげることが できる。 特に、 本発明の光増幅型素子と、 該光増幅型素子のコア部の出力 端に接続され該コア部と同じ材料で構成された N分岐導波路 (Nは 2以上 の整数) を含む光分岐素子とを同一基板に一体に具える光回路は、 光損失 の少ない分岐素子となり得るので、 好ましい。
つぎに合成例、 実施例をあげて本発明を説明するが、 本発明はかかる実 施例のみに限定されるものではない。
合成例 1 (OH基を有する含フッ素ァリルェ一テルのホモポリマーの合成) 撹拌装置温度計を備えた 100mlのガラス製四ッロフラスコに、 パー フルオロー (1, 1, 9, 9ーテトラハイドロー 2 5—ビストリフルォ ロメチル一 3 6—ジォキサノネノール) :
CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCH2OH
し 3 I 3
を 20. 4 gと
[Hそ CF2CF COO T
の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 21. 2 g入れ、 充分に窒素 置換を行なったのち、 窒素気流下 20 で 24時間撹拌を行なったところ、 高粘度の固体が生成した。
得られた固体をジェチルエーテルに溶解させたものをパーフルォ口へキ サンに注ぎ、 分離、 真空乾燥させ、 無色透明な重合体 17. 6gを得た。 この重合体を 19F— NMR 〖H— NMR分析、 I R分析により分析し たところ、 上記含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみからなり側鎖末端 にヒドロキシル基を有する含フッ素重合体であった。 また、 テトラヒドロ フラン (THF) を溶媒に用いる GPC分析により測定した数平均分子量 は 9000、 重量平均分子量は 22000であった。 合成例 2 (OH基を有する含フッ素ァリルエーテルの共重合体の合成) 撹拌装置温度計を備えた 100mlのガラス製四ッロフラスコに、 パー フルオロー (1 1 9 9ーテトラハイド口— 2, 5—ビストリフルォ ロメチルー 3, 6—ジォキサノネノール) :
CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCH2OH
I 3 ^ ΐ 3
を 9. 6 gと
9H 9H—パ一フルオロー 2 5一ジメチルー 3, 6—ジォキサー 8一 ノネノイツク酸メチル:
CH2 = CFCF2OCFCF2〇CFCOOCH3
CF3 CF3
を 9. 6 gいれ、 よく攪拌し、
Figure imgf000050_0001
の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 2. 0 g入れ、 充分に窒素置 換を行なったのち、 窒素気流下 20°Cで 20時間撹拌を行なったところ、 高粘度の固体が生成した。
得られた固体をァセトンに溶解させたものを、 H C F C 225/n—へ キサン =1Z1溶液に注ぎ、 分離、 真空乾燥させ、 無色透明な重合体 15
. 5 gを得た。
この重合体を 19 F— NMR lH— NMR分析、 I R分析により分析し たところ、 上記のヒドロキシル基含有含フッ素ァリルエーテルと、 メチル エステル構造を有する含フッ素ァリルエーテルの構造単位からなる含フッ 素共重合体であった。 その組成比は NMRより、 42 : 58 (モル比) と 求められた。
また、 テトラヒドロフラン (THF) を溶媒に用いる G PC分析により 測定した数平均分子量は 7200、 重量平均分子量は 11000であった。 合成例 3 ( 0!—フルォロアクリロイル基を有する硬化性含フッ素プレポリ マーの合成)
環流冷却器、 温度計、 撹拌装置、 滴下漏斗を備えた 20 Oml四ッロフ ラスコに、 ジェチルエーテル 80 m 1、 合成例 1で得たヒドロキシル基含 有含フッ素ァリルェ一テルの単独重合体 5. O gと、 ピリジン 2. O gを 仕込み 5 以下に氷冷した。
窒素気流下、 撹拌を行ないながら、 さらに α—フルォロアクリル酸フル ォライド: CH2=CFCOFの 2. 0 gをジェチルエーテル 2 Om 1に 溶解したものを約 30分間かけて滴下した。
滴下終了後、 室温まで温度を上げさらに 4. 0時間撹拌を継続した。 反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、 水洗、 2%塩酸水洗浄、 5% Na C 1水洗浄、 さらに水洗をくり返したのち、 無水硫酸マグネシウムで 乾燥しついでエーテル溶液を濾過により分離して、 硬化性含フッ素プレボ リマーを得た。
このエーテル溶液を 19 F— NMR分析により調べたところ、 転化率は ほぼ 100 %であった。
NaC 1板に塗布し、 室温にてキャスト膜としたものを I R分析したと ころ、 炭素一炭素二重結合の吸収が 1661 cm—1 に、 C =〇基の吸収 が 1770 cm— 1 に観測された。
合成例 4 ( —フルォロアクリロイル基を有する硬化性含フッ素プレポリ マーの合成)
合成例 2で得たヒドロキシル基含有含フッ素ァリルェ一テルの共重合体 を用い、 合成例 3と同様にして、 硬化性含フッ素プレボリマー (エーテル 溶液) を合成した。
得られたプレボリマーを 19 F— NMRにより調べたところ、 転化率が ほぼ 100%であった。 I R分析において、 炭素一炭素二重結合と C =〇基の吸収がいずれも合 成例 3と同様の位置に確認された。
参考例 1〜2 (硬化物の物性)
(1) フッ素樹脂組成物の調製
合成例 3および合成例 4で得たひ一フルォロアクリロイル基を有する硬 化性含フッ素プレボリマ一 (エーテル溶液) にメチルェチルケトン (ME K) を加えたのち、 エーテルをェヴアポレーターにより留去し、 ポリマー 濃度 50重量%に調整した。
得られたポリマ一溶液 10 gに活性エネルギー線硬化開始剤として 2— ヒドロキシー 2—メチルプロピオフエノンを 0. 1 g加えた。
(2) 硬化性含フッ素プレボリマーの屈折率の測定
硬化性含フッ素プレボリマーの 8 %MEK溶液 (前述の (1) において 硬化開始剤を添加する前のポリマー溶液) をアプリケ一夕—を用いポリェ ステルフィルム上に乾燥後膜厚が約 100 mとなるように塗布し、 50 でで 10分間真空乾燥後、 得られたキャストフィルムをポリエステルフィ ルムから剥離し、 アッベ屈折計を用いて 25°Cで 55 Onmの波長の光に ついて屈折率を測定した。 結果を表 1に示す。
(3) 硬化フィルムの屈折率の測定
前記 (1) で調製した組成物をアルミ箔上にアプリケ一夕一を用いて膜 厚が約 100 xmとなるように塗布し、 50°Cで 10分間真空乾燥した。 乾燥後の未硬化フィルムに高圧水銀灯を用い、 室温にて 100 OmJZc m2Uの強度で紫外線を照射したのち、 アルミ箔を希塩酸で溶かし、 硬化 フィルムとした。 得られた硬化フィルムを前記 (2) と同様にして屈折率 を測定した。
(4) 光透過率の測定
前記 (1) で調製した組成物をアルミ箔上にアプリケ一夕一を用いて膜 厚が約 lmmとなるように塗布し、 50 で 10分間真空乾燥した。 乾燥 後の未硬化フィルムに高圧水銀灯を用い、 室温にて 1 O O OmJZcm2 Uの強度で紫外線を照射したのち、 アルミ箔を希塩酸で溶かし、 硬化フィ ルムとした。 得られた硬化フィルムの光吸収を日立製作所製の分光光度計 U 3410によって、 波長 650 nm、 1310 nmと 1550 nmにて 測定した。 結果を表 1に示す。
(5) 溶剤溶解性の測定
前記 (4) で調製した未硬化フィルムに紫外線を照射 (1 O O OmJ/ cm2U、 室温) し、 光照射の前後での溶剤溶解性を比較した。 結果を表 1に示す。
作製したフィルム状のサンプルをァセトンに浸漬し、 室温で 1時間経過 後の状態を目視で観察し、 つぎの基準で評価した。
〇:外観に変化が認められない。
X:アセトン中に溶解した。
(6) 熱的特性 (DSC) の測定
前記 (4) で調製した未硬化フィルムおよび硬化フィルムについて、 示 差熱量計 ( (株) 島津製作所製の DSC— 50) を用い、 昇温速度 10 °C Z分の条件で熱的特性を測定したところ、 いずれのフィルムにも明確な結 晶融点を示すピークがなく、 いずれのフィルムも非晶性であった。
(7) 耐熱性の評価
温度 150°Cにおいて前記 (4) で調製した硬化フィルムを 1時間保持 し、 形態の変化を観察し、 つぎの基準で評価した。 結果を表 1に示す。 〇:外観に変化が認められない。 '
X:フィルムが最初の形状を維持できなかった。
(8) 熱分解温度の測定
前記 (4) で調製した硬化フィルムについて、 熱重量計 ( (株) 島津製 作所製の T GA— 5 0 ) を用い、 窒素雰囲気の条件で昇温速度 1 0 °CZm 1 nの条件で測定し、 1 0 %重量減の温度で評価した。 結果を表 1に示す。 比較参考例 1
合成例 3で得た a一フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ポリマー の未硬化物に関し表 1に示す各物性を調べた。 結果を表 1に示す。
表 1
Figure imgf000054_0001
以上により、 本発明に用いる硬化性含フッ素樹脂は透明性が高く、 耐熱 性があり、 光硬化が可能で、 フォトリソグラフが可能な材料であることが わかる。 実施例 1 (希土類金属含有フッ素樹脂組成物の製造)
撹拌装置および温度計を備えた 100mlのガラス製四ッ口フラスコに、 合成例 3で得たひ -フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ァリルエー テルのホモポリマー 2. 00 gとメタノール 15 gを入れ、 攪拌しながら、 酢酸ユウ口ピウム (I I I) 四水和物 (Eu (CH3CO〇)3 · 4H20) 0. 60 g (1. 50 mm o 1 ) を 8 gの水に溶かしたものを、 5分間か けて滴下した。 滴下後 2時間攪拌を続けた後、 30分間静置し生成した粘 性の固体を沈殿させた。 上澄みのメタノール溶液をデカンテ一シヨンして 除き、 アセトンで 3回、 固体を洗浄した。 その後、 60°Cで 12時間真空 乾燥し、 本発明の希土類金属含有フッ素樹脂組成物を無色透明の固体とし て 1. 82 g得た。
実施例 2 (希土類金属含有フッ素樹脂組成物の製造)
撹拌装置および温度計を備えた 100mlのガラス製四ッロフラスコに、 合成例 3で得た α—フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ァリルェ一 テルのホモポリマー 1. 98 gとメタノール 15 gを入れ、 攪拌しながら、 塩化エルビウム六水和物 (E r C 13 · 6H20) 0. 61 g ( 1. 61 mmo l) を 3 gのメタノールに溶かしたものを、 5分間かけて滴下した。 滴下後 2時間攪拌を続けた後、 溶液をエバポレー夕で濃縮しながら 6 O まで加熱し、 1時間加熱を続け、 本発明の希土類金属含有フッ素樹脂組成 物を淡桃色の固体として 2. 08 g得た。
実施例 3 (希土類金属含有フッ素樹脂組成物の製造)
合成例 4で得た α—フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ァリルェ 一テルの共重合体を用いた以外は実施例 1と同様にして本発明の希土類金 属含有フッ素樹脂組成物を無色透明の固体として 1. 78 g得た。
実施例 4〜7 (I R分析による硬化反応性の確認)
(1) コーティング用フッ素樹脂組成物の調製 実施例 1〜 3で得た硬化性含フッ素プレポリマーの硬化性組成物を用い て、 参考例 1と同様な操作を行ない、 表 2に示すポリマー濃度、 活性エネ ルギ一線硬化開始剤量となるようにコーティング組成物をそれぞれ調製し た。
(2) I R分析用フィルムの作製
上記のコーティング組成物をアプリケ一ターを用いてポリエステルフィ ルムに乾燥後膜厚が約 100 mとなるように塗布し、 50 °Cで 5分間乾 燥後、 得られた未硬ィ匕フィルムをポリエステルフィルムから剥離させ、 未 硬化キャストフィルムを得た。
(3) I R分析による硬化反応性の測定
上記未硬化フィルムについて I R分析を行なったところ、 1661 cm _ 1 にポリマー中の炭素一炭素二重結合の吸収が観測された。
(4) 硬化反応率の測定
炭素一炭素二重結合の吸収に着目し、 光照射後の吸収強度の変化を観測 し、 硬化反応率を下式にしたがって算出した。
( Ί 光照射後の 1 6 6 lcm— 1のピーク高、 1 Λ Λ 0
、 光照射後の 1661 cm—1のピーク高 ) すなわち、 高圧水銀灯を用い室温にて、 表 2に示す照射量で (2) で得 られた未硬化フィルムに紫外線照射を行ない硬ィ匕フィルムを得た。 また照 射量を変化させて、 上式で表わされる硬化反応率を算出した。 結果を表 2 に示す。 表 2 実施例 4 実施例 5 実施例 6 実施例 7 含フッ素硬ィ匕性ポリマ一 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 1 一 0(C=0)CF = CH2基の含量(モル%) 40 40 40 40 溶剤 MEK MEK ΜΕΚ MEK ポリマー濃度 (重量%) 8 8 8 8
2—ヒドロキシ 2—ヒドロキシ 2—ヒドロキシ 2—ヒド、ロキシ 活件: rネルギー 硬ィ 闢 台 ¾ι| 一 2—メチノ /レ 一 2 ί— '—メチル / 一 2ー zメチノ zレ 一 2—メチノレ プロピオフエノン プロピオフエノン プロピオフエノン プロピオフエノン ポリマーに対する比率 (重量%) 4.1 2.0 1.0 0.2 硬化反応率 (%)
紫外線照射量 100 (mj/cm2) 100 (消失) 59 40 33
500 83 59 42
1500 100 (消失) 72 57
合成例 5 ( ο;—フルォロアクリル基を有する硬化性含フッ素プレポリマー の合成)
α—フルォロアクリル酸フルオライド (CH2 = CFCOF) を 2. 0 g、 ピリジンを 2. 0 g用いた以外は合成例 3と同様にして硬化性含フッ 素プレボリマー (ェ一テル溶液) を合成した。
このプレボリマ一のェ一テル溶液を 19 F— NMR分析により調べたと ころ、
一 CCF = CH2基含有含フッ素 OH基含有含フッ素 = 84Zl6
II ァリルエーテル/ ァリルエーテル _„ 0ハ
〇 (モル%) の共重合体であった。
I R分析において、 炭素一炭素二重結合と C =〇基の吸収がいずれも合 成例 3と同様の位置に確認された。 また、 フッ素含有率は 56重量%であ り、 D S Cによる分析により非晶性であることが確認された。
実施例 8 (希土類金属含有フッ素樹脂組成物の製造)
合成例 5で得た α—フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ァリルェ 一テルの共重合体を用いた以外は実施例 1と同様にして希土類金属含有フ ッ素樹脂組成物として、 無色透明の固体約 2 gを得た
実施例 9〜 11 (I R分析による硬化反応性の確認)
(1) 光硬化フッ素樹脂組成物の調製
実施例 8で得た硬化性フッ素樹脂組成物を用いて、 参考例 1と同様な操 作を行ない、 表 3に示すポリマー濃度、 活性エネルギー線硬化開始剤の種 類、 活性エネルギー線硬化開始剤量となるように組成物をそれぞれ調製し た。
(2) I R分析用フィルムの作製
実施例 4と同様にして作製した。
(3) I R分析による硬化反応率の測定 実施例 4と同様にして、 光照射量 150 OmJZcm2 照射したときの 硬化反応率を算出した。 結果を表 3に示す。
実施例 12
実施例 9で得た光硬化組成物に、 さらに硬化剤として
CH2 = CF-C~OCH C6F1 CH20-C-CF = CH.
II II
〇 0
をポリマーに対して 20重量%となるように添加し、 光硬化性フッ素樹脂 組成物を製造した。
この樹脂組成物を用いて実施例 9と同様にして I R分析用フィルムを作 製し、 硬化反応率の測定を行なった。 結果を表 3に示す。
表 3
0
Figure imgf000060_0001
1) 多官能アクリル: CH2 = CF (C = 0) OCH2— (CF9) 6— CH20 (C = 0) CF = CH2
合成例 6 (OH基を有する含フッ素ァリルェ一テルのホモポリマーの合成) 合成例 1において、 パーフルオロー (1, 1, 9, 9ーテトラハイド口 一 2, 5—ビストリフルォロメチルー 3, 6—ジォキサノネノール) を 2 0. 0 gと
Figure imgf000061_0001
の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 10. 0 gを用いた以外は合 成例 1と同様にして合成し、 得られたポリマーの精製を行ない、 無色透明 な重合体 18. 2 gを得た。
この重合体を 19F— NMR、 — NMR分析、 I R分析により分析し たところ、 上記含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみからなり側鎖末端 にヒドロキシル基を有する含フッ素重合体であった。 また、 テトラヒドロ フラン (THF) を溶媒に用いる GPC分析により測定した数平均分子量 は 30000、 重量平均分子量は 59000であった。
合成例 7 (ΟΗ基を有する含フッ素ァリルエーテルとフッ化ピ二リデンの 共重合体の合成)
バルブ、 圧力ゲージ、 温度計を備えた 300m 1内容量のステンレスス チール製オートクレ一ブに、 パ一フルォロ (1, 1, 9, 9ーテトラハイ ドロー 2, 5—ビストリフルォロメチルー 3, 6—ジォキサノネール) を 34. 2 gと CH3CC 12 F (HCFC - 141 b) を 200 g、 ジノ ルマルプロピルパーォキシカーボネート (NPP) の 50重量%メタノー ル溶液を 0. 16 g入れ、 ドライアイスノメタノール溶液で冷却しながら 系内をチッ素ガスで充分置換した。 ついでバルブからフッ化ビニリデン ( VdF) を 5. 8 g仕込み、 40°Cにて振とうさせながら反応を行なった。 反応の進行とともに、 系内のゲージ圧が反応前の 4. 4MP aG (4. 5 k g f / c m2 G) から 12時間後に 0. 98MP aG (1. 0 k g f / cm2G) まで低下した。 この時点で未反応モノマーを放出し、 析出した固形物を取り出し、 ァセ トンに溶解させ、 ついでへキサンとトルエンの混合溶剤 (50/50) で 再沈殿させることにより共重合体を分離した。 この共重合体を恒量になる まで真空乾燥し、 共重合体 31. 2 gを得た。
この共重合体の組成比は、 — MNR分析および l9F— NMR分析に より分析したところ、 VdF/OH基含有含フッ素ァリルエーテルが 55 /45 (モル%) であった。 また、 THFを溶媒として用いる GPC分析 により測定した数平均分子量は 12000、 重量平均分子量は 18000 であった。
合成例 8 (含フッ素活性エネルギー線硬化開始剤の合成)
環流冷却器、 温度計、 撹拌装置、 滴下漏斗を備えた 200ml四ッロフ ラスコに、 2—ヒドロキシ一 2—メチルプロピオフエノンを 2. 0 g、 ピ リジンを 1. 0 g、 CF3CF2 CHC 1 /CC 1 F2 C F2 CHC 1 F混 合物 (HCFC-225) を 20 g仕込み 5 °C以下に氷冷した。
窒素気流下、 撹拌を行ないながら、
FC-CgFi -CF
II II
o 〇
の 2. 5 gを 1時間かけて滴下した。 滴下終了後、 さらに 4. 0時間撹拌 を継続した。
反応後のェ一テル溶液を分液漏斗に入れ、 2%塩酸水洗浄、 5%NaC 1水洗浄を行なって有機層を分取し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥したの ち蒸留により生成物 2. 6 gを単離した (収率 62%) 。
得られた生成物を - NMR分析、 19F— NMR分析および I R分析 により調べたところ、
Figure imgf000063_0001
であった。
合成例 9 (Qi—フルォロアクリロイル基を有する硬化性含フッ素プレポリ マーの合成)
環流冷却器、 温度計、 撹拌装置、 滴下漏斗を備えた 200ml四ッロフ ラスコに、 メチルェチルケトン (MEK) 40ml, 合成例 2で得たヒド 口キシル基含有含フッ素ァリルエーテルの単独重合体 5. 0 gと、 ピリジ ン 2. 0 gを仕込み 5 °C以下に氷冷した。
窒素気流下、 撹拌を行ないながら、 さらに a—フルォロアクリル酸フル ォライド 1. 2 gを約 30分間かけて滴下した。 滴下終了後、 室温まで温 度を上げさらに 4. 0時間撹拌を継続した。
反応後の ME K溶液を分液漏斗に入れ、 水洗、 2%塩酸水洗浄、 5%N aC l水洗浄、 さらに水洗をくり返し、 有機層を分取したのち、 無水硫酸 マグネシウムで乾燥して硬化性含フッ素プレボリマ一を得た。 濾過後のポ リマ一濃度は 10. 7重量%であった。
このプレボリマーの MEK溶液を 19 F— NMR分析により調べたとこ ろ、
— CCF = CH2基含有含フッ素 //OH基含有含フッ素 = 89Zll
II ァリルエーテル Z ァリルエーテル ^„ 0/
〇 (モル%) であった。
また合成例 3と同様にして I R分析を行なったところ、 炭素一炭素二重 結合の吸収が 1660 cm—1 に、 C =〇の吸収が 1770 cm—1 に観測 された。 また、 フッ素含有率は 56重量%であり、 DSCによる分析によ り非晶性であることが確認された。 合成例 10 ( a—フルォロアクリロイル基を有する硬化性含フッ素プレボ リマーの合成)
合成例 7で得た OH基含有含フッ素ァリルエーテルと V d Fの共重合体 を 5. O gとピリジンを 2. 2g、 ひ一フルォロアクリル酸フルオライド を 2. 0 g用いた以外は合成例 9と同様にして硬化性含フッ素プレボリマ ― (MEK溶液) を合成した。 ポリマー濃度は 9. 9重量%であった。 このプレボリマ一を 19 F— NMRにより調べたところ、 転化率はほぼ 100%であった。 また、 フッ素含有率は 56重量%であり、 DSCによ る分析により非晶性であることが確認された。
実施例 13
(1) 希土類金属含有光硬化性フッ素樹脂組成物の調製
合成例 9で得た硬化性含フッ素ポリマー (ME K溶液) にさらに M E K を加えてポリマ一濃度を 8重量%に調整した。 さらに E u—ァセチルァセ トン錯体を溶解させその錯体濃度を 1重量%になるように調整し、 溶液と した。
この希土類金属含有フッ素樹脂組成物の M E K溶液に活性エネルギー線 硬化開始剤として 2—ヒドロキシー 2—メチルプロピオフエノンをポリマ 一に対して 2. 0重量%となるように添加したところ、 白濁して相溶しな 力、つた。
そこで、 2—ヒドロキシー 2—メチルプロピオフエノンに代えて合成例 8で得た含フッ素活性エネルギー線硬化開始剤をポリマーに対して 3. 6 重量%となるように添加したところ相溶し、 無色透明の溶液になった。 こ れを本発明の希土類金属含有光硬化性フッ素樹脂組成物とした。
(2) 光硬化性組成物の評価
前記 (1) で調製した活性エネルギー線硬化開始剤配合の光硬化性フッ 素樹脂組成物をアプリケーターを用いて種々の厚さの未硬化フィルムを作 製し、 高圧水銀灯を用い、 室温にて 3000m JZcm2Uの強度で紫外 線を照射して、 硬化フィルムを得た。 得られた硬化フィルムに関し、 つぎ の測定を行なった。
①蛍光スぺクトルの測定
自記分光光度計 ( (株) 日立製作所製の U— 34110) により、 30 0〜1700 nmの波長領域の吸光スぺクトルを測定し、 P及光度のピーク に相当する吸光波長を求め、 つぎの蛍光測定の励起波長とした。 ユーロピ ゥムを含む試料では、 上記の吸光スぺクトル測定で得られたユーロピウム 由来の吸光波長を励起波長とし、 蛍光光度計 ( (株) 日立製作所製の F— 3040) により、 300〜700 nmの波長領域の蛍光スペクトルを測 定した。 エルビウムを含む試料では、 150 Onm付近の近赤外領域の蛍 光を発生することが知られているので、 近赤外カメラ (浜松ホトニクス ( 株) 製の C一 5840) により、 近赤外蛍光の有無を観察した。 結果を表 4に示す。
②屈折率の測定
アッベ屈折計を用いて 25°Cで 550 nmの波長の光について屈折率を 測定した。 結果を表 4に示す。
③希土類金属陽イオンの含有量
試料約 2 gを精秤し、 600°Cの電気炉内で完全に灰化させた残差の重 量分率より算出した。 結果を表 4に示す。
④蛍光寿命の測定
硬化フィルムの発光寿命 (パルス励起直後の発光強度が、 その 37 % まで減少するのに要する時間) を測定したところ、 約 0. 8msであった。 この発光寿命は、 通常の色素系化合物 (例えばフルォレセイン、 ローダミ ン等) の場合に比べ、 104〜: L 0s倍程度長いことから、 光増幅作用を起 こすのに必要な反転分布状態を容易に形成できることを示している。 ⑤耐久試験
硬化フィルムを温度 8 0 °C、 湿度 8 5 %の環境下で 1週間保存したが、 透明性は全く低下しなかった。
実施例 1 4
( 1 ) 希土類金属含有光硬化性フッ素樹脂組成物の調製
合成例 1 0で得た硬化性含フッ素プレボリマー (ME K溶液) にさらに ME Kを加えてポリマー濃度を 8重量%に調整した。 さらに E r—ァセチ ルアセトン錯体を溶解させその錯体濃度を 1重量%になるように調整し、 溶液とした。 この硬化性含フッ素プレポリマ一の ME K溶液に活性エネル ギ一線硬化開始剤として 2—ヒドロキシー 2—メチルプロピオフエノンを ポリマ一に対して 6 . 7重量%となるように添加したところ相溶し、 無色 透明の溶液となった。 これを本発明の希土類金属含有光硬化性フッ素樹脂 組成物とした。
( 2 ) 光硬化用組成物の評価
活性エネルギー線硬化開始剤配合の光硬化性フッ素樹脂組成物をアプリ ケーターを用いて種々の厚さの未硬化フィルムを作製し、 高圧水銀灯を用 い、 室温にて 3 0 0 0 m J / c m2 Uの強度で紫外線を照射して、 硬化フ イルムを得た。 得られた硬化フィルムに関し、 実施例 1 3と同様な試験を 行なった。 結果を表 4に示す。
表 4
Figure imgf000067_0001
実施例 1 5 (光増幅型素子の作製)
光増幅型素子の形成は以下の手順で行なつた。
コア部用材料として実施例 1で調製したフッ素樹脂組成物を用い、 クラ ッド部用材料として合成例 1で調製した含フッ素プレボリマーを用いて光 増幅型素子を作製した。
これら 2種の材料をそれぞれメチルイソプチルケトンに溶かし溶液とし た。 まず、 クラッド部用材料をプラスチック基板あるいはシリコン基板上 に約 1 5 mの厚さに塗布した。 これをべークし、 乾燥処理した後、 クラ ッド部用材料の膜上にコア部用材料を約 8 mの厚さに塗布した。 つぎに、 ホトマスクを介して光照射を行い、 コア部用の膜を硬化させた。 その後、 コア部用膜の未硬化の部分を溶剤で洗い流し、 コア部として長さ 5 O mm、 幅 8 / m、 高さ 8 の直線矩形パターンに加工した。 加工後、 クラッド 部を図 1にしたがって説明したように、 コア部上に塗布して光増幅型素子 を作製した。
つぎに、 作製した光増幅型素子の伝播損失の測定を、 コア部に波長 6 3 3 n mの光を通すことによって、 伝播損失の測定を行った。 その結果、 0 • 3 d B / c mであった。 また、 このように形成した光増幅型素子に紫外線ランプを照射し光増幅 型素子の主面上方より観察したところ、 コァ部に対応する線状の E uィォ ンに特有な赤色発光パターンが観察できた。 このことはコア部にのみ、 光 増幅作用に必要な希土類 Euイオンが含有されていることを示している。 合成例 11 (Eu (HFA) 3の合成)
酢酸ユーロピウム (Eu (CHgCOO) 3 · 4Η20の 2. 0 g (5m mo 1 ) とへキサフルォロアセチルアセトン (CF3COCH2OCCF3 ) HFAの 4. 53 g ( 30 mm o 1 ) を水メタノール混合溶媒(水 8m 1、 メタノール 3m 1)中、 50でで 4時間攪拌した。 反応途中に、 溶液 の pHを中性にするために、 アンモニア水を pHが 7になるまで滴下した。 反応溶液が中性に近づくにつれて、 沈殿量は増加した。 得られた粗生成物 をクロ口ホルム、 エタノールで 2回再結晶した。 再結晶後の錯体を 2日間 減圧乾燥し、 DTGAの結果より水和数は 2と決定した。 続いて元素分析 を行い、 目的の錯体が合成されていることを確認した。 以後、 これを Eu
(HFA) 3と略する。
合成例 12 (ヒドロキシル基を有する含フッ素ァリルエーテルのコポリマ 一の合成)
撹拌装置および温度計を備えた 100mlのガラス製四ッロフラスコに、 パ一フルオロー (1, 1, 9, 9ーテトラハイドロー 2, 5—ビストリフ ルォロメチル一 3, 6—ジォキサノネノール)
CH2=CFCF2OCFCF2OCFCH2OH
I I
し t 3 C F 3
を 20. 0 g入れ、 よく撹拌し、
Figure imgf000068_0001
の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 12. 9 g入れ、 充分に窒素 置換を行なったのち、 窒素気流下 30°Cで 5時間撹拌を行なったところ、 高粘度の固体が生成した。
得られた固体をアセトンに溶解させたものを HCFC— 141 b (CH 3CC 12F) Zへキサン混合溶媒 (HCFC- 141 bZへキサン = 1 /9容量%) に注ぎ、 分離、 真空乾燥させ、 無色透明な重合体 18. 0 g を得た。
この重合体を l9F— NMR、 — NMR分析、 I R分析により分析し たところ、 上記含フッ素ァリルエーテルの構造単位のみからなり側鎖末端 にケトン基およびヒドロキシル基を有する含フッ素重合体であった。 また、 テトラヒドロフラン (THF) を溶媒に用いる GPC分析により測定した 数平均分子量は 6700、 重量平均分子量は 9200であった。
合成例 13 (α—フルォロアクリロイル基を有する含フッ素ァリルェ一テ ルのコポリマーの合成)
環流冷却器、 温度計、 撹拌装置、 滴下漏斗を備えた 10 Omlの四つ口 フラスコに M I BK2 Om 1、 合成例 12で得たヒドロキシル基を含有す る含フッ素ァリルエーテル共重合体 5. 08とピリジン0. 94 gを仕込 み 5 以下に氷冷した。
窒素気流下、 撹拌を行いながら、 さらに α—フルォロアクリル酸フルォ ライド (CH2 = CFCOF) の 1. 0 gを M I BK2 Om 1に溶解した ものを約 15分間かけて滴下した。
滴下終了後、 室温まで温度を上げさらに 4. 5時間撹拌を継続した。 反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、 1 N炭酸水素ナトリゥム水溶液、 1N塩酸、 飽和食塩水、 さらに水洗を繰り返した後に、 無水硫酸マグネシ ゥムで乾燥し、 硬化性部位を有する含フッ素ァリルェ一テルのコポリマー を得た。
このコポリマーの M I BK溶液を19 F— NMR分析により調べたとこ ろ、 転化率はほぼ 50 %であり、 フッ素含有率は 58重量%であった。 I R分析により炭素一炭素二重結合の吸収が 1661 cm— 1に観測された。 また D S Cによる分析により非晶性であることが確認された。
実施例 16 (硬化フィルムの作製)
合成例 13で得られた硬化性部位 ( 一フルォロアクリロイル基) を有 する含フッ素プレポリマー (MI BK溶液) に MI BKを加え、 ポリマ一 濃度を 50重量%に調整した。 その溶液に合成例 11で得られた Eu (H FA) 3を加え、 ユーロピウムイオン濃度がポリマ一に対して 1重量%に なるように調整した。 次に、 この溶液 10 gに活性エネルギー線硬化開始 剤として 2—ヒドロキシー 2—メチルプロピオフエノンを 0. 1 g加えた。 溶液は無色透明であった。 また、 アルミ箔上にアプリケ一夕一を用いて 膜厚が約 100 mとなるように塗布し、 50°Cで 10分間真空乾燥した。 乾燥後の未硬化フィルムに高圧水銀灯を用い、 1000m J/cm2Uの 強度で紫外線を照射したのち、 アルミ箔を希塩酸で溶かし、 硬化フィルム とした。
得られた硬化フィルムは無色透明で、 ユーロピウムの励起波長である 3 94 nmの光を照射したところ赤色に発光した。 また、 615nm帯の発 光の面積強度を蛍光分光器 ( (株) 日立製作所製の F— 4010) により 励起波長 394 nmにて測定したところ、 基準の塩化ユーロピウムの濃度 の水溶液中における面積強度 1に対して、 約 70という高い値を示した。 合成例 14 (CO基およびヒドロキシル基を有する含フッ素ァリルェ一テ ルのコボリマ一の合成)
撹拌装置および温度計を備えた 100mlのガラス製四ッロフラスコに、 3H, 12H, 12 H—パーフルオロー 5, 8一ジメチルー 6, 9—ジォキ サ— 3—トリフルォロアセチル— 11—ドデセン一 2, 4—ジオン (CO 基含有含フッ素ァリルエーテル) : CH2 = CFCF2OCFCF2OCFCOCH-COCF3
I I I
Figure imgf000071_0001
を 10. O gと、 パーフルオロー (1, 1, 9, 9ーテトラハイド口一 2 , 5—ビストリフルォロメチル— 3, 6—ジォキサノネノール) : CH2 = CFCF,OCFCF2OCFCH2OH
I i
CF3 CF3
を 10. 2 g入れ、 よく撹拌し、
[H- CF2CF2-— 3COO÷- - の 8. 0重量%パーフルォ口へキサン溶液を 9. 8 g入れ、 充分に窒素置 換を行なったのち、 窒素気流下 30°Cで 5時間撹拌を行なったところ、 高 粘度の固体が生成した。
得られた固体をアセトンに溶解させたものをパーフルォ口へキサンに注 ぎ、 分離、 真空乾燥させ、 無色透明な重合体 14. 7 gを得た。
この重合体を 19 F— NMR、 'Η— NMR分析、 I R分析により分析し たところ、 上記含フッ素ァリルェ一テルの構造単位のみからなり側鎖末端 にケトン基およびヒドロキシル基を有する含フッ素重合体であった。 この含フッ素重合体を19 F—NMR分析により調べたところ、
—C基含有含フッ素 /ΟΗ基含有含フッ素 =51/49
ァリルエーテリレ ァリルエーテル (モル%) であった。
また、 テトラヒドロフラン (THF) を溶媒に用いる GPC分析により 測定した数平均分子量は 3200、 重量平均分子量は 4200であった。 合成例 15 (CO基および硬化性部位を有する含フッ素ァリルエーテルの コポリマーの合成)
環流冷却器、 温度計、 撹拌装置、 滴下漏斗を備えた 200mlの四つ口 フラスコにジェチルエーテル 80mし 合成例 14で得た CO基および O H基を含有する含フッ素ァリルエーテル共重合体 5. 1 gとピリジン 2. 1 gを仕込み 5 °C以下に氷冷した。
窒素気流下、 撹拌を行いながら、 さらに α—フルォロアクリル酸フルォ ライド (CH2=CFCOF) の 2. 0 gをジェチルエーテル 2 Om 1に 溶解したものを約 30分間かけて滴下した。
滴下終了後、 室温まで温度を上げさらに 4. 5時間撹拌を継続した。 反応後のエーテル溶液を分液漏斗に入れ、 水洗、 2%塩酸水洗浄、 5% NaC l水洗浄、 さらに水洗を繰り返した後に、 無水硫酸マグネシウムで 乾燥し、 ついでエーテル溶液を濾過により分離し、 CO基および硬化性部 位を有する含フッ素ァリルエーテルのコポリマーを得た。
このエーテル溶液を 19 F— N M R分析により調べたところ、 転化率は ほぼ 100%であり、 フッ素含有率は 57重量%であった。 I R分析によ り炭素一炭素二重結合の吸収が 1661 cm— 1に観測された。 また DS Cによる分析により非晶性であることが確認された。
実施例 17 (硬化フィルムの作製)
合成例 9で得られた CO基および硬化性部位 (a—フルォロアクリロイ ル基) を有する含フッ素プレボリマ一 (エーテル溶液) に ME Kを加えた のちに、 エーテルをエバポレ一夕一により留去し、 ポリマ一濃度 50重量 %に調整した。 その溶液に塩化ユーロピウムを加え、 ユーロピウムイオン 濃度がポリマーに対して 5重量%になるように調整した。 次に、 この溶液 10 gに活性エネルギー線硬化開始剤として 2—ヒドロキシ— 2—メチル プロピオフエノンを 0. 1 g加えた。
溶液は無色透明であった。 また、 アルミ箔上にアプリケ一ターを用いて 膜厚が約 100 mとなるように塗布し、 50°Cで 10分間真空乾燥した。 乾燥後の未硬化フィルムに高圧水銀灯を用い、 1000mJZcm2Uの 強度で紫外線を照射したのち、 アルミ箔を希塩酸で溶かし、 硬化フィルム とした。
得られた硬化フィルムは無色透明で、 ユーロピウムの励起波長である 3 9 4 nmの光を照射したところ赤色に強く発光した。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 可視光から近赤外領域での透明性を維持しながら、 特 定の含フッ素ポリマ一により希土類金属ィオンと安定な構造を形成した好 適な光増幅材料および発光材料を得ることができる。 このフッ素樹脂組成 物を用いるときは、 比較的簡単な工程で優れた光増幅型素子および発光素 子を製造することができる。

Claims

言青求の範囲
1. (I) 含フッ素プレボリマーと (II) 希土類金属イオンおよび Zまた は希土類金属元素を含む化合物とからなる組成物であつて、 含フッ素プ レポリマー (I) が、
(1) フッ素含有率が 25重量%以上の非晶性ポリマーであり、 かつ
(2) ポリマーの側鎖中および Zまたはポリマ一主鎖末端に硬化性の部 位を有する
ことを特徴とするフッ素樹脂組成物。
2. (I) 含フッ素プレボリマ一と (II) 希土類金属イオンおよび Zまた は希土類金属元素を含む化合物とからなる組成物であつて、 含フッ素プ レポリマー (I) が、
(1) フッ素含有率が 25重量%以上の非晶性ポリマーであり、 かつ
(2) ポリマ一の側鎖中および/またはポリマ一主鎖末端に硬化性の部 を有する
ことを特徴とする光増幅材料に用いるフッ素樹脂組成物。
3. (I) 含フッ素プレボリマーと (II) 希土類金属イオンおよび また は希土類金属元素を含む化合物とからなる組成物であつて、 含フッ素プ レポリマー (I) が、
(1) フッ素含有率が 25重量%以上の非晶性ポリマ一であり、 かつ
(2) ポリマーの側鎖中およぴンまたはポリマー主鎖末端に硬化性の部 位を有する
ことを特徴とする発光材料に用いるフッ素樹脂組成物。
4. 含フッ素プレボリマ一 (I) のフッ素含有率が 40重量%以上である 請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
5. 含フッ素プレボリマー (I) が、 1290〜1320 nmの波長範囲 での吸光度係数の最大値が 1 cm—1以下のポリマーである請求の範囲 第 1項〜第 4項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
6. 含フッ素プレボリマー (I) が、 1530〜1570 nmの波長範囲 での吸光度係数の最大値が 1 c m_ 1以下のポリマ一である請求の範囲 第 1項〜第 5項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
7. 含フッ素プレポリマ一 (I) が、 600〜900 nmの波長範囲での 吸光度係数の最大値が 1 cm—1以下のポリマーである請求の範囲第 1 項〜第 6項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
8. 含フッ素プレボリマ一 (I) の硬化性部位が炭素—炭素二重結合であ る請求の範囲第 1項〜第 7項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
9. 含フッ素プレボリマー (I) が、 そのポリマー側鎖末端に炭素一炭素 二重結合を有する請求の範囲第 8項記載のフッ素樹脂組成物。
10. 炭素一炭素二重結合がラジカル反応性を有するエチレン性炭素一炭素 二重結合である請求の範囲第 8項または第 9項記載のフッ素樹脂組成物。
11. 炭素—炭素二重結合がカチォン反応性を有するェチレン性炭素一炭素 二重結合である請求の範囲第 8項または第 9項記載のフッ素樹脂組成物 c
12. 含フッ素プレボリマー (I) が硬化性部位を有する含フッ素エチレン 性単量体の繰り返し単位を含む重合体である請求の範囲第 1項〜第 11 項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
13. 含フッ素プレボリマー (I) が、 式 (1) :
~ ^H ~" A^— (1)
[式中、 構造単位 Mは式 (M) :
~ ecx^2— cx3^ ~
(M)
(cx4x5^ ~~ f c = o)b(o — R f
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F ; X3は H、 F、 CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 F または CF3; R f は炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素 数 2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1 は末端にエチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 10の 1価 の有機基) が 1〜3個結合している有機基; aは 0〜3の整数; bおよ び cは同じかまたは異なり、 0または 1) で示される含フッ素エチレン 性単量体に由来する構造単位、 構造単位 Aは該構造単位 Mを与える含フ ッ素ェチレン性単量体と共重合可能な単量体に由来する構造単位である ] で示され、 構造単位 Mを 0. 1〜 100モル%および構造単位 Aを 0 〜 99. 9モル%含む数平均分子量 500〜 1000000の含フッ素 ポリマ一である請求の範囲第 1項〜第 12項のいずれかに記載のフッ素 樹脂組成物。
14. 含フッ素プレボリマ一 (I) が、 式 (1) の重合体であり、 構造単位 Mが式 (Ml) :
~ ecx^2— C 3^ ~
I (Ml) (CX4X5- ~ 0)^R f
(式中、 X1および X2は同じかまたは異なり、 Hまたは F ; X3は H、 F、 CH3または CF3; X4および X5は同じかまたは異なり、 H、 F または CF3; R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素 数 2〜100のェ一テル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1 は末端にエチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 10の 1価 の有機基) が 1〜 3個結合している有機基; aは 0〜 3の整数; cは 0 または 1) で示される含フッ素エチレン性単量体に由来する構造単位 M 1である請求の範囲第 13項記載のフッ素樹脂組成物。
15. 含フッ素プレボリマ一 (I) が、 式 (1) の重合体であり、 構造単位 Mが式 (M2) : ~ ^ΟΗ2— CF^ ~
I (M2)
CF2—— O—— R f
(式中、 R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜 100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端 にェチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 10の 1価の有機 基) が 1〜 3個結合している有機基) で示される含フッ素エチレン性単 量体に由来する構造単位 M 2である請求の範囲第 13項記載のフッ素樹 脂組成物。
16. 含フッ素プレボリマー (I) が、 式 (1) の重合体であり、 構造単位
Mが式 (M3) :
Figure imgf000077_0001
(式中、 R fは炭素数 1〜40の含フッ素アルキル基または炭素数 2〜 100のエーテル結合を有する含フッ素アルキル基に Y1 (Y1は末端 にエチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2〜 10の 1価の有機 基) が 1〜 3個結合している有機基) で示される含フッ素エチレン性単 量体に由来する構造単位 M 3である請求の範囲第 13項記載のフッ素樹 脂組成物。
17. 前記式 (M) 、 (Ml) 、 (M2) および (M3) における Rf中の Y1の少なくとも 1つが、 R fの末端に結合している請求の範囲第 13 項〜第 16項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物。
18. 前記式 (M) 、 (Ml) 、 (M2) および (M3) における Rf中の Y1が、
~ ^Ο -^0 = Ο)β— Y2
(式中、 Υ2は末端にエチレン性炭素一炭素二重結合を有する炭素数 2 〜 5のアルケニル基または含フッ素アルケニル基; dおよび eは同じか または異なり、 0または 1) である請求の範囲第 17項記載のフッ素樹 脂組成物。
19. 前記式 (M) 、 (Ml) 、 (M2) および (M3) における R f 中の Y1が、
—〇 (C =〇) CX6=CX7X8
(式中、 X6は H、 F、 CH3または CF3; X7および X8は同じかまた は異なり、 Hまたは F) である請求の範囲第 18項記載のフッ素樹脂組 成物。
20. 請求の範囲第 1項〜第 19項のいずれかに記載の含フッ素プレボリマ 一 (I) と (II一 1) 希土類金属イオンからなるフッ素樹脂組成物。
21. 請求の範囲第 1項〜第 19項のいずれかに記載の含フッ素プレボリマ 一 (I) と (II— 2) 希土類有機金属錯体からなるフッ素樹脂組成物。
22. (I) 含フッ素プレボリマ一および (II) 希土類金属イオンおよび Z または希土類金属元素を含む化合物に加え、 (III) 活性エネルギー線 硬化開始剤を含む請求の範囲第 1項〜第 21項のいずれかに記載のフッ 素樹脂組成物。
23. 含フッ素プレボリマー (I) が請求の範囲第 10項記載の含フッ素プ レポリマ一であり、 活性エネルギー線硬化剤 (III) が光ラジカル発生 剤 (III一 1) である請求の範囲第 22項記載のフッ素樹脂組成物。
24. 含フッ素プレボリマ一 (I) が請求の範囲第 11項記載の含フッ素プ レポリマーであり、 活性エネルギー線硬化開始剤 (III) が光酸発生剤 である請求の範囲第 22項記載のフッ素樹脂組成物。
25. 請求の範囲第 1項〜第 24項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物に おいて、 含フッ素プレボリマ一 (I) を硬化してなる含フッ素光増幅材 料。
26. 請求の範囲第 1項〜第 24項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物に おいて、 含フッ素プレボリマー (I ) を光硬化してなる請求の範囲第 2 5項記載の含フッ素光増幅材料。
27. コア部とクラッド部を有する光増幅型素子であって、 コア部が請求の 範囲第 2 5項または第 2 6項記載の含フッ素光増幅材料からなる光増幅 型素子。
28. 請求の範囲第 1項〜第 2 4項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物に おいて、 含フッ素プレボリマー (I ) を硬化してなる含フッ素発光材料
29. 請求の範囲第 1項〜第 2 4項のいずれかに記載のフッ素樹脂組成物に おいて、 含フッ素プレボリマ一 (I ) を光硬化してなる請求の範囲第 2 8項記載の含フッ素発光材料。
30. 発光素子であって、 その発光素子の一部または全部が請求の範囲第 2 8項または第 2 9項記載の含フッ素発光材料からなる発光素子。
31. コア部とクラッド部を有する発光素子であって、 コア部が請求の範囲 第 2 8項または第 2 9項記載の含フッ素発光材料からなる発光素子。
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