WO2002046641A1

WO2002046641A1 - Equilibreur

Info

Publication number: WO2002046641A1
Application number: PCT/JP2001/010530
Authority: WO
Inventors: Hiroaki Yamamoto
Original assignee: Akazawa Machine Co., Ltd.
Priority date: 2000-12-07
Filing date: 2001-12-03
Publication date: 2002-06-13
Also published as: US7284460B2; US20040003677A1; CN100376821C; JP4012462B2; HK1061268A1; AU2002222571A1; CN1250890C; JPWO2002046641A1; CN1815054A; KR100822997B1; KR20030062418A; EP1340928A4; EP1340928A1; US20080060472A1; HK1091254A1; CN1478182A

Description

明細書

バランサー技術分野

本発明は、例えば工作機械の主軸、その主軸に取り付けられる切削や研磨のための工具保持用ツールチャック、車両の車軸、エンジンのクランクシャフト等の回転体の振れ回りを抑制するためのパランサーに関する。背景技術

特開平 6— 1 9 8 5 6 4号公報に開示された砥石車は、砥石車の回転軸回りの重量分布の不釣り合いを補正するためのパランサー機構を備えている。すなわち、その砥石車は、収納室と、その収納室に収納されるウェイトとを備える。その収納室の内面の一部は、回転周方向にわたる案内面と、軸方向一方と他方とに配置される壁面とにより構成される。そのウェイトは、その砥石車の回転により発生する遠心力によって、その案内面に押し付けられる押し付け面を有する。その砥石車の回転時に、その案内萌に押し付け面を介して押し付けられたウェイトは、その砥石車に対して回転周方向における位置が変化することで、その砥石車の振れ回りを抑制する位置に配置される。また、そのウェイトに代えて、液体を砥石車により保持することも閲示されている。その液体を砥石車の回転時に流動させ、回転軸回りの液体の重量分布を変動させることで、その砥石車の振れ回りを抑制できる。また、特開 2 0 0 0— 1 0 2 2 1 1号公報に開示された回転駆動機構は、回転体の回転軸回りの重量分布の不釣り合いを補正するため、その回転体に一体化されるウェイトホルダーと、そのウェイトホルダーにより保持される球形のウェイトとを備える。そのウェイトホルダーに、回転周方向にわたると共に V字溝状断面を有する案内面が設けられている。その回転体の回転時に、その V字溝状断面を有する案内面に遠心力によって押し付けられた球形のウェイトは、その回転体に対して回転周方向における位置が変化することで、その回転体の振れ回りを抑制する位置に配置される。上記従来のパランサー機構を備えた砥石車に衝撃が作用した場合、ウェイトが回転軸方向に変位することで砥石車が振動し、研磨精度が低下するという問題がある。また、そのウェイトの軸方向一方と他方とに配置される壁面により、そのゥエイ卜の周方向変位を許容しつつ軸方向変位を防止しょうとすると、その壁面とウェイトとを極めて高精度に加工する必要があり、加工コストが増大する。また、たとえ高精度に加工しても公差によりウェイトの回転軸方向変位を完全になくすことはできず、研磨精度の向上が阻害される。また、上記従来の V字溝状断面を有する案内面が設けられたウェイトホルダーと一体の回転体に衝撃が作用した場合、ウェイトは球形であり、案内面の軸方向における一方側と他方側とに均一に押し付けられるため、ウェイ卜の変位により回転体が振動するという問題がある。そのため、例えば工作機械のスピンドルにツールチヤックを介して取り付けた切削工具でワークの加工を行う際に、従来のバランサ一機構によりツールチャックの振れ回りを抑制しても、加工反力や外部要因、例えば周辺道路を走行する車両の振動等による衝撃が切削工具を介してツールチャックに作用した場合、振幅が大きくなつて加工精度の向上が阻害されたり、スピンドルの軸受部からの騒音発生や軸受寿命の低下といった問題が生じる。そのようなウェイトに代えて液体を用いる場合、衝撃による砥石車の振動を液体の流勖によって減衰できるが、比重の大きな液体は高価で取り扱いが困難であるためコストが増大し、水等の比重の小さな液体では所望の性能を奏するためにはパランサーが大型化してしまう。本発明は、上記問題を解決することのできるバランサーを提供することを目的とする。発明の開示本発明は、回転体に一体化されるウェイトホルダーと、そのウェイトホルダーにより保持されるウェイトとを備え、そのウェイトホルダーは、回転周方向にわたり設けられた案内面を有し、そのウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その案内面に押し付けられる押し付け面を有し、その回転体の回転時に、その案内面に押し付け面を介して押し付けられたウェイトは、そのゥエイトホルダーに対して回転周方向における位置が変化することで、その回転体の振れ回りを抑制する位置に配置されるパランサーに適用される。本発明の第 1の特徴は、その案内面と押し付け面とは、回転軸方向一方に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜するものとされ、そのウェイトホルダーに、そのウェイトの回転軸方向一方に位置する受け部が設けられ、そのウェイトは、その遠心力における案内.面および押し付け面に沿う分力によって受け部に押し付けられる点にある。

これによりウェイトは、径方向外方に位置する案内面と、軸方向一方に位置する押し付け面とに遠心力によって押し付けられるので、回転体に作用する衝搫により軸方向変位するのが防止され、そのような衝搫による回転体の振動を抑制できる。本発明の第 2の特徴は、そのウェイトに流動状材封入室が設けられ、その流動状材封入室に、液体、粉体、多数の微小球体等の流動状材が流動状に動き得るように封入されている点にある。

これにより、ウェイトと流 »状材封入室における流動状材の双方によって回転体の振れ回りを抑制して振動を低減することができ、且つ、回転体に衝搫が作用した際に流動状材がすばやく動くことによってウェイトに変位が伝わりにくくなり、振動を減衰できる。その流動状材が多数の微小球体、液体、粉体の中の少なくとも一つによって構成されているのが好ましい。本発明の第 3の特徴は、そのウェイトに補助ウェイト収納室が設けられ、その補助ウェイ卜収納室に補助ウェイトが前記回転体の回転周方向における位置が変化し得るように収納されている点にある。

これにより、ウェイトと補助ウェイト収納室における補助ウェイ卜の双方によつて回転体の振れ回りを抑制して振動を低減することができる。その補助ウェイト収納室は、回転周方向にわたり設けられた補助案内面を有し、その補助ウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その補助案内面に押し付けられる補助押し付け面を有し、その補助案内面と補助押し付け面とは、回転軸方向一方に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜するものとされ、その補助ウェイト収納室に、その補助ウェイ卜の回転軸方向一方に位置する補助受け部が設けられ、その補助ウェイ卜は、その遠心力における補助案内面および補助抨し付け面に沿う分力によつて補助受け部に押し付けられるのが好ましい。

これにより補助ウェイトは、径方向外方に位置する補助案内面と、軸方向一方に位置する補助押し付け面とに遠心力によって押し付けられるので、回転体に作用する衝撃により軸方向変位するのが防止され、そのような衝撃による回転体の振動を抑制できる。本発明においては、上記第 1、第 2両方の特徴を備えているのが好ましい。また本発明においては、上記第 1、第 3両方の特徴を備えているのが好ましい。本発明において、その補助案内面は回転周方向における一端と他端とを有し、その補助案内面から回転体の回転中心までの距離は、その補助案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従って小さくされているのが好ましい。これにより、補助ウエイトに作用する遠心力は、補助案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくなり、補助ゥ Xィトの変位を促し、重量分布の不釣り合いを補正する位置に補助ウェイトを迅速に位置させることができる。本発明において、その案内面は回転周方向における一端と他端とを有し、その回転体の回転中心までの距離は、その案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従って小さくされているのが好ましい。

これにより、ウェイトに作用する遠心力は、案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくなり、ウェイトの変位を促し、重量分布の不釣り合いを補正する位置にウェイトを迅速に位置させることができる。本発明によれば、低コストで簡単な構造により、回転体の回転軸回りの重量分布の不釣り合いを補正し、衝搫による振動を効果的に抑制できるパランサーを提供できる。図面の簡^な説明

図 1は本発明の実施形態のパランサーの縦断面図。図 2は本発明の実施形態のパランサーの部分破断平面図。図 3は本発明の実施形態のパランサーの作用説明図。図 4 ( 1 ) は本発明の第 1変形例のパランサ一におけるウェイトの平面図、図 4 ( 2 ) はその正面図、図 4 ( 3 ) はその側面図。図 5は本発明の第 2変形例のバランサーの縦断面図。図 6は本発明の第 2変形例のバランサーの部分破断平面図。図 7は本発明の第 2変形例のバランサーの作用説明図。図 8は本発明の第 3 変形例のパランサーの縦断面図。図 9は本発明の第 3変形例のパランサーの部分破断平面図。図 1 0は本発明の第 4変形例のバランサーの部分破断平面図。発明を実施するための最良の形態

図 1、図 2に示すバランサー 1は、工作機械のスピンドルに取り付けられるツールチャック（回転体） 2に一体化されるもので、そのツールチャック 2の外周に嵌め合わされる円環状のウェイトホルダー 3と、このウェイトホルダー 3により保持される複数のウェイト 4とを備えている。そのウェイト 4の数は本実施形態では 3つとされているが特に限定されない。そのウェイトホルダー 3は、それぞれ内外周が円筒面に沿う保持リング 6、一対の挟み込みリング 7、 8を有する。その保持リング 6の軸方向寸法は内方側が外 30 一 6—

方側よりも長くされている。図 3に示すように、両挟み込みリング 7、 8は、保持リング 6を外方側両端面を介して挟み込む。その保持リング 6と各挟み込みリング 7、 8とがポルト 9、 1 0により速結されることで、保持リング 6と挟み込みリング 7、 8は一体化されている。そのウェイトホルダ一 3の内部に、ウェイト 4と同数の複数の空間 1 1が形成されている。各空間 1 1はウェイトホルダー 3の回転周方向において等間隔で並列する。各空間 1 1内にウェイト 4が、回転周方向における位置が変化可能に配置されている。各空間 1 1は、保持リング 6の両端において開口する孔 1 2の内面と挟み込みリング 7、 8の端面 7 a、 8 aとで囲まれる。その孔 1 2の内面は、回転周方向にわたり設けられた案内面 1 2 aと、この案内面 1 2 aの径方向内方において回転周方向にわたり設けられた面 1 2 cと、ウェイトホルダー 3の回転周方向の間隔をおいて互いに対向する一対のストツバ一面 1 2 bとで構成される。本実施形態の案内面 1 2 aは、回転周方向における一端と他端とを有し、ツールチャック 2の回転中心と同心の円弧に沿う湾曲面とされている。一方の挟み込みリング 7の端面 7 aは、各ウェイト 4に対向する受け部 7 a ' を構成する。なお、そのウェイト 4の変位により振れ回りを抑制する上では、挟み込みリング 7 、 8の端面 7 a、 8 a間の距離とウェイト 4の軸方向寸法との差を小さくするのが好ましい。その保持リング 6の内方側を径方向に沿い貫通する雌ねじ孔にねじ合わされる複数の取り付けネジ 1 5が、ツールチャック 2の外周に押し付けられることで、保持リング 6はツールチャック 2に一体化される。なお、ネジ 1 5に代えて焼嵌め等により保持リング 6をツールチヤック 2に一体化してもよい。その保持リング 6に挟み込みリング 7、 8が、各孔 1 2にウェイト 4が揷入された状態でポルト 9、 1 0により一体化される。なお、保持リング 6と一方の挟み込みリング 8とを一体的に成形したり、保持リング 6をツールチャック 2と一体的に成形するようにしてもよく、ウェイトホルダー 3の形態やツールチャック 2との一体化構造は本発明の範囲内であれば特に限定されない。各ウェイト 4は、ウェイトホルダー 3の回転軸方向から視てアーチ状の中空六面体で、ウェイトホルダー 3の回転径方向の間隔をおいて互いに対向する内外周壁 4 a、 4 と、ウェイトホルダー 3の回転周方向の間隔をおいて互いに対向する一対の端部壁 4 c、 4 dと、ウェイトホルダ一 3の回転軸方向の間隔をおいて互いに対向する一対の側壁 4 e、 4 f とを有する。その内外周壁 4 a、 4 bは回転周方向にわたり設けられている。各ウェイト 4の外周壁 4 bの表面は、ッ一ルチャック 2の回転により発生する遠心力によつて上記案内面 1 2 aに押し付けられる押し付け面 4 b ' を構成する。そのウェイトホルダー 3の案内面 1 2 aとウェイト 4の押し付け面 4 b ' とは、回転軸方向一方（図 1において下方）に向かうに従い回転径方向外方に向かう i うに回転軸方向に対して傾斜するテーパ面とされている。その傾斜角度はツールチャック 2の回転数並びに使用刃物の種類等、加工条件に応じて適宜設定すればよい。そのウェイトホルダー 3における一方の挟み込みリング 7の端面 7 aにより構成される上記受け部 7 a ' は、そのウェイト 4の回転軸方向一方に位置する。なお、案内面 1 2 aと押し付け面 4 b ' とを図中上方に向かうに従い回転径方向外方に向かうようにし、受け部 7 a ' をウェイト 4の図中上方に位置させるようにしてもよい。上記のように中空とされた各ウェイト 4の内部は流動状材封入室 3 0とされている。各流動状材封入室 3 0に流動状材 3 1が流動状に動き得るように封入されている。その流動状材 3 1として本実施形態では多数の微小球体が封入されているが、液体や粉体のような他の流動状に動く材料を封入してもよい。そのツールチャック 2の回転時に、案内面 1 2 aに押し付け面 4 b ' を介して相対摺動可能に押し付けられたウェイト 4は、そのウェイトホルダー 3に対して回転周方向における位置が変化することで、ツールチャック 2の振れ回りを抑制する位置に配置される。本実施形態では、各ストッパー面 1 2 bにゴム等の弾性材が、ツールチャック 2の回転開始時や回転停止時におけるウェイト 4とストツパ一面 1 2 bとの衝突の緩衝部材 1 3として取り付けられる。また、図 3に示すように、各ウェイト 4の押し付け面 4 b ' は、遠心力 Fにおける押し付け面 4 b ' および案内面 1 2 aに直交する分力 F aによってウェイトホルダー 3の案内面 1 2 aに相対摺動可能に押し付けられ、遠心力 Fにおける押し付け面 4 b ' および案内面 1 2 aに沿う分力 F bによってウェイトホルダー 3の受け部 7 a ' に相対摺動可能に押し付けられる。

上記実施形態によれば、ツールチャック 2の回転中にあっては、ウェイト 4は、径方向外方に位置する案内面 1 2 aと、軸方向一方に位置する押し付け面 4 b ' とに遠心力によって押し付けられるので、ツールチャック 2に作用する衝撃により軸方向変位するのが防止され、そのような衝撃によるツールチャック 2の振動を抑制できる。さらに、ウェイト 4と流動状材封入室 3 0における流動状材 3 1 の双方によってツールチャック 2の振れ回りを抑制して振動を低減することができ、且つ、ツールチャック 2に衝搫が作用した際に流動状材 3 1がすばやく！/くことによってウェイト 4に変位が伝わりにくくなり、振動を減衰できる。これにより、コンパクトなバランサー 1により、ツールチャック 2に加工工具を取り付けて行う加工の精度並びに面粗度を向上し、また、ツールチャック 2を取り付ける工作機械スピンドルの軸受部からの音の発生を低減して静音化を図ると共に軸受の長寿命化を図ることができる。例えば、ツールチャック 2に加工工具を取り付けて 1 0 0 0 0 r p m以上の回転数で回転させた時に、共振点においても振幅を 1 m未満に抑制することができた。図 4 ( 1 ) 、図 4 ( 2 ) 、図 4 ( 3 ) は本発明の第 1変形例を示す。この第 1変形例においては、ウェイト 4の外周壁 4 bの表面を 4つの領域に区画する溝 4 h を設け、その溝 4 hによって区画される各領域それぞれを押し付け面 4 b ' を構成するものとして案内面 1 2 aに押し付てもよい。これにより、押し付け面 4 b ' を案内面 1 2 aに安定して押し付けることができる。この場合、押し付け面 4 b ' を構成する各領域の面積を微小なものとしてもよい。また、ウェイトホルダ一が一体化される回転体はツールチヤック 2に限定されず、例えば工作機械のスピンドル、車両の車軸、エンジンのクランクシャフト等回転するものであれば全てよく、その回転体の回転軸方向も上下方向に限定されず、水平方向や斜め方向でもよい。他は上記実施形態と同様とされている。図 5〜図 7は本発明の第 2変形例のパランサー 10 1を示す。この第 2変形例においては、上記実施形態のウェイトホルダー 3およびウェイト 4と相違するゥェイトホルダー 10 3およびウェイト 104を有し、また、上記実施形態の流動状材 3 1に変えて補助ウェイト 1 3 1を有する。ウェイト 104の数と補助ウェイト 1 3 1の数は、第 2変形例では 3つとされているが特に限定されない。そのウェイトホルダー 103ほ、ツールチャック 2の外周部と一体成形される保持部 106と、カバーリング 107とを有する。その力パーリング 10 7は保持部 1 06にボル卜 109により連結されている。そのウェイトホルダ一 1 03に、ウェイト 104と同数の空間 1 1 1が形成される。各空間 1 1 1はウェイトホルダー 10 3の回転周方向において等間隔で並列する。各空間 1 1 1は、一端において開口するように保持部 106に形成された孔 1 12の内面と、カバーリング 1 07の端面 1 07 aとで囲まれる。その孔 1 1 2の内面は、回転周方向にわたり設けられた案内面 1 12 aと、この案内面 1 1 2 aの径方向内方において回転周方向にわたり設けられた面 1 1 2じと、回転周方向の間隔をおいて互いに対向する一対のストツバ一面 1 1 2 bと、カバーリング 107の端面 107 aに対向する面 1 12 dとで構成される。その案内面 1 1 2 aは、回転周方向における一端と他端とを有し、ツールチャック 2の回転中心と同心の円弧に沿う湾曲面とされている。その力パーリング 107の端面 107 aに対向する面 1 1 2 dが受け部 1 1 2 d' を構成する。そのウェイトホルダー 1 03により保持される各ウェイト 104は、中空とされている。各ウェイト 1 04は、ウェイトホルダー 103の回転径方向の間隔をおいて互いに対向する内外周壁 104 a、 104 bと、ウェイトホルダー 103の回転周方向の間隔をおいて互いに対向する一対の端部壁 104 c、 1 04 dと、ウェイトホルダー 103の回転軸方向における一端側に位置する側壁 1 04 eとを有する。その内外周壁 104 a、 104 bは回転周方向にわたり設けられている。各ウェイト 104は、ウェイトホルダー 103の回転軸方向における他端側で開口する。各ウェイト 104の外周壁 104 bの表面は、ツールチヤック 2の回転により発生する遠心力によって上記案内面 1 1 2 aに押し付けられる押し付け面 104 b ' を構成する。その案内面 1 1 2 aと、その案内面 1 1 2 aに対向する面 1 1 2 cと、押し付け面 104 b' と、ウェイト 104の内周壁 104 aの表面は、互いに平行であつて、回転軸方向一方（図 5において上方）に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜する。上記受け部 1 1 2 d' は、押し付け面 1 04 ' に直交し、且つ、ウェイト 104の回転軸方向一方に位置する。各ウェイト 104の内部は補助ウェイト収納室 1 30とされている。各補助ゥェィト収納室 1 30に補助ウェイト 1 3 1がツールチャック 2の回転周方向における位置が変化し得るように収納されている。その補助ウェイト収納室 130は、回転周方向にわたり設けられた補助案内面 1 30 aと、この案内面 1 30 aの径方向内方において回転周方向にわたり設けられた面 1 30 cと、回転周方向の間隔をおいて互いに対向する一対のストツバ一面 1 30 bと、カバーリング 1 07 の端面 107 aに対向する面 1 30 dとで囲まれる。本変形例の補助案内面 1 3 0 aは、回転周方向の一端と他端とを有し、ツールチャック 2の回転中心と同心の円弧に沿う湾曲面とされている。そのカバーリング 107の端面 107 aに対向する面 1 30 dが補助受け部 130 d' を構成する。各袖助ウェイト 1 3 1は、回転周方向にわたり設けられた内外周面 1 3 1 a、 1 3 1 bと、回転周方向における両端に位置する一対の端部 1 3 1 c、 1 3 1 dと、回転軸方向における両端に位置する一対の側面 1 3 1 e、 1 3 1 f とを有する。各補助ウェイト 1 3 1の外周面 1 3 1 bは、ツールチャック 2の回転により発生する遠心力によって上記補助案内面 1 30 aに押し付けられる補助押し付け面 1 3 1 b' を構成する。その補助案内面 1 30 aと、その補助案内面 1 30 aに対向する面 1 30 cと、補助押し付け面 1 3 1 b' と、補助ウェイト 1 3 1の内周面 1 3 1 aは、互いに平行であって、回転軸方向一方（図 5において上方）に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜する。上記補助受け部 1 30 d' は、補助押し付け面 1 3 l b' に直交し、且つ、補助ウェイト 1 3 1の回転軸方向一方に位置する。ツールチャック 2の回転時に、案内面 1 1 2 aに押し付け面 1 04 b ' を介して相対摺勖可能に押し付けられたウェイト 1 04は、ウェイトホルダー 103に対して回転周方向における位置が変化することで、ツールチャック 2の振れ回りを抑制する位置に配置される。本変形例では、ツールチャック 2の回転開始時や回転停止時に、ウェイト 104の動きをストッパー面 1 1 2 bにより阻止できる。図 7に示すように、各ウェイト 104の押し付け面 104 b ' は、ウェイト 10 に作用する遠心力 Fにおける押し付け面 104 b' および案内面 1 1 2 aに直交する分力 F aによって案内面 1 1 2 aに相対摺動可能に押し付けられ、遠心力 Fにおける押し付け面 104 b' および案内面 1 1 2 aに沿う分力 F bによって受け部 1 1 2 d' に相対摺動可能に押し付けられる。

また、各補助ウェイト 13 1の補助押し付け面 1 3 1 b ' は、補助ウェイト 1 3 1に作用する遠心力 F' における補助押し付け面 1 3 l b' および補助案内面 1 30 aに直交する分力 F a ' によって補助案内面 1 30 aに相対摺動可能に押し付けられ、遠心力 F' における補助押し付け面 1 3 1 b ' および補助案内面 1 3 0 &に沿ぅ分カ 1) ' によって補助受け部 1 30 d ' に相対摺動可能に押し付けられる。上記第 2変形例によれば、ツールチャック 2の回転中にあっては、ウェイト 10 4は、径方向外方に位置する案内面 1 1 2 aと、軸方向一方に位置する押し付け面 104 b ' とに遠心力によって押し付けられるので、ツールチャック 2に作用する衝撃により軸方向変位するのが防止され、そのような衝撃によるツールチヤック 2の振動を抑制できる。さらに、ウェイト 104と補助ウェイト 1 3 1の双方によってツールチャック 2の振れ回りを抑制して振動を低減することができる。また、補助ウェイト 13 1は、径方向外方に位置する補助案内面 1 30 aと、軸方向一方に位置する補助押し付け面 1 3 1 b' とに遠心力によって押し付けられるので、ツールチャック 2に作用する衝撃により軸方向変位するのが防止され、そのような衝撃によるツールチャック 2の振動を抑制できる。これにより、コンパクトなパランサー 10 1により、ツールチャック 2に加工工具を取り付けて行う加工の精度並びに面粗度を向上し、また、ツールチャック 2を取り付けるェ作機械スピンドルの軸受部からの音の発生を低減して静音化を図ると共に軸受の長寿命化を図ることができる。例えば、ツールチャック 2に加工工具を取り付けて 10000 r pm以上の回転数で回転させた時に、共振点においても振幅を 1 im未満に抑制することができた。さらに上記第 2変形例においては、案内面 1 1 2 aと、その案内面 1 1 2 aに対向する面 1 1 2 cとは互いに平行であるので孔 1 1 2の加工が容易であり、また、ウェイト 104や捕助ウェイト 1 3 1の形状も単純化されて形成容易であるので、高精度な寸法に仕上げることが可能になり、ツールチャック 2の振勖を高精度に抑制することができる。図 8、図 9は本発明の第 3変形例を示す。この第 3変形例においては、案内面 1

1 2 a、押し付け面 104 b' 、補助案内面 1 30 a、補助案内面 1 30 aに対向する面 1 30 c、補助押し付け面 1 3 1 b' 、および補助ウェイト 1 3 1の内周面 1 3 1 aが、図中下方に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜する。また、案内面 1 1 2 aに対向する面 1 12 cとウェイト 104の内周壁 104 aの表面は回転軸方向に沿う。そして、カバーリング 10 7の端面 107 aにより受け部が構成され、補助ウェイト収納室 1 30におけるカバーリング 107の端面 107 a側の面 1 30 e ' が補助受け部を構成する。また、上記第 2変形例では補助案内面 1 30 aからツールチャック 2の回転中心までの距離は、補助案内面 1 30 aが回転中心と同心の円弧に沿う湾 III!面とされることで、回転周方向における両端と両端間部分とにおいて一定とされている。これに対して本第 3変形例においては、補助案内面 1 30 aからツールチャック 2の回転中心までの距離は、補助案内面 1 30 aが回転軸方向に平行な平坦面とされることで、回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくされている。さらに、補助案内面 1 30 aに対向する面 1 30 c、衲助押し付け面

1 3 1 b' 、および補助ウェイト 1 3 1の内周面 1 3 1 aも、補助案内面 130 aに平行な平坦面とされている。他は第 2変形例と同様とされ、同一部分は同一符号で示される。これにより、袖助ウェイト 1 3 1に作用する遠心力は、補助案内面 1 3 0 aの回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくなり、補助ウェイト 1 3 1の変位を促し、重量分布の不釣り合いを補正する位置に補助ウェイト 1 3 1を迅速に位置させることができる。図 1 0は本発明の第 4変形例を示す。上記第 3変形例では案内面 1 1 2 aからッールチャック 2の回転中心までの距離は、案内面 1 1 2 aが回転中心と同心の円弧に沿う湾曲面とされることで、回転周方向における両端と両端間部分とにおいて一定とされている。これに対して本第 4変形例においては、案内面 1 1 2 からツールチヤック 2の回転中心までの距離は、案内面 1 1 2 aが回転軸方向に平行な平坦面とされることで、回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくされている。さらに、案内面 1 1 2 aに対向する面、押し付け面 1 0 b ' , およびウェイト 1 0 4の内周壁 1 0 4 aの表面も、案内面 1 1 2 aに平行な平坦面とされている。これにより、ウェイト 1 0 4に作用する遠心力は、案内面 1 1 2 aの回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従い小さくなり、ウェイト 1 0 4の変位を促し、重量分布の不釣り合いを補正する位置にゥェイト 1 0 4を迅速に位置させることができる。他は第 3変形例と同様とされ、同一部分は同一符号で示される。本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。例えば、案内面を周方向全域にわたり設けられる単一の面としてもよい。また、案内面 1 1 2 aと補助案内面 1 3 0 aを、ツールチャック 2の回転中心と同心の円弧とは逆向きに凸の湾曲面にしてもよい。また、第 2〜第 4変形例において保持部 1 0 6を実施形態と同様にツールチャック 2と別体成形されるリング状とし、実施形態と同様にネジによつてツールチャック 2に一体化したり、あるいは焼嵌めによってツールチャック 2 に一体化してもよい。また、第 2〜第 4変形例において補助案内面と補助押し付け面は回転軸に平行であってもよい。さらに、実施形態および各変形例において、案内面と押し付け面とが回転軸に対して平行であってもよい。また、実施形態、第 1変形例において流動状材をなくし、第 2〜第 4変形例において補助ウェイトをなくしてもよい。

Claims

請求の範囲

1 . 回転体に一体化されるウェイトホルダーと、

そのウェイトホルダーにより保持されるウェイトとを備え、

そのウェイトホルダーは、回転周方向にわたり設けられた案内而を存し、そのウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その案内面に押し付けられる押し付け面を有し、

その回転体の回転時に、その案内面に押し付け面を介して押し付けられたウェイトは、そのウェイトホルダ一に対して回転周方向における位置が変化することで、その回転体の振れ回りを抑制する位置に配置されるバランサーにおいて、その案内面と押し付け面とは、回転軸方向一方に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜するものとされ、

そのウェイトホルダーに、そのウェイトの回転軸方向一方に位置する受け部が設けられ、

そのウェイトは、その遠心力における案内面および押し付け面に沿う分力によつて受け部に押し付けられることを特徴とするパランサー。

2 . そのウェイトに流動状材封入室が設けられ、

その流動状材封入室に流動状材が流動状に動き得るように封入されている請求項 1に記載のバランサー。

3 . 回転体に一体化されるウェイトホルダーと、

そのウェイトホルダーは、回転周方向にわたり設けられた案内面を有し、そのウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その案内面に押し付けられる押し付け面を有し、

その回転体の回転時に、その案内面に押し付け面を介して押し付けられたウェイトは、そのウェイトホルダーに対して回転周方向における位置が変化することで、その回転体の振れ回りを抑制する位置に配置されるバランサーにおいて、そのウェイ卜に流動状材封入室が設けられ、

その流動状材封入室に流動状材が流動状に動き得るように封入されていることを特徴とするバランサー。

4 . その流励状材が多数の微小球体、液体、粉体の中の少なくとも一つによって構成されている請求項 2または 3に記戦のバランサー。

5 . そのウェイトに補助ウェイ卜収納室が設けられ、

その補助ウェイト収納室に補助ウェイ卜が前記回転体の回転周方向における位置が変化し得るように収納されている請求項 1に記戦のパランサー。

6 . 回転体に一体化されるウェイトホルダーと、

そのウェイトホルダーにより保持されるウェイ卜とを備え、

そのウェイトホルダーは、回転周方向にわたり設けられた案内面を有し、そのウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その案内面に押し付けられる押し付け面を有し，

その回転体の回転時に、その案内面に押し付け面を介して押し付けられたウェイトは、そのウェイトホルダーに対して回転周方向における位置が変化することで、その回転体の振れ回りを抑制する位置に配置されるバランサーにおいて、そのウェイ卜に補助ウェイト収納室が設けられ、

その補助ウェイト収納室に補助ウェイトが前記回転体の回転周方向における位置が変化し得るように収納されていることを特徴とするバランサー。

7 . その袖助ウェイト収納室は、回転周方向にわたり設けられた補助案内面を有し、

その補助ウェイトは、その回転体の回転により発生する遠心力によって、その補助案内面に押し付けられる補助押し付け面を有し、

その補助案内面と補助押し付け面とは、回転軸方向一方に向かうに従い回転径方向外方に向かうように回転軸方向に対して傾斜するものとされ、

その補助ウェイ卜収納室に、その補助ウェイトの回転軸方向一方に位置する補助受け部が設けられ、

その補助ウェイトは、その遠心力における補助案内面および補助押し付け面に沿う分力によって補助受け部に押し付けられる請求項 5または 6に記載のバランサ

8 . その補助案内而は回転周方向における一端と他端とを有し、その補助案内而から回転体の回転中心までの距離は、その補助案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向か "5に従って小さくされている請求項 7に記載のバランサ一

9 . その案内面は回転周方向における一端と他端とを有し、その回転体の回転中心までの距離は、その案内面の回転周方向における両端から両端間中央に向かうに従って小さくされている請求項 1〜 8の中の何れかに記載のバランサー。