WO2001075369A1 - Panneau pliable de chauffage au sol - Google Patents

Description

明 細 書 折畳み可能な床暖房用パネル 技 術 分 野

本発明は折畳み可能な床暖房用パネル構造に関し、 更に詳細には複数枚の小型 板状体が縦方向及び横方向に配置され、 これら各小型板状体ごとに縦方向及び横 方向に折り畳み可能であり、 従ってパネルの折り畳み作業及び展開作業が容易で、 梱包、 輸送、 保管又は敷設の際に取扱い易い、 折畳み可能な床暖房用パネルに関 する。 背 景 技 術

従来、 寒冷地の住宅の居住性、 温暖地の住宅の寒冷期における居住性を向上さ せる目的で、 住宅の床面から暖房する床暖房技術が提案され、 実用化されている。 例えば、 一戸建て住宅にあっては、 大引と床板との間、 大引の上に敷いた下地床 合板の面上などに床暖房用パネルを組み込む手法が採用されている。 また、 マン ションなどのような集合住宅にあっては、 スラブ床の上面に直接又はスラブ床の 上に敷いた下地床合板の面上などに、 この床暖房用パネルを敷設する方法が採用 されている。

この種の床暖房用パネルは、 例えば、 発泡合成樹脂製の長尺板状体を基体とし、 この基体の一方の面に溝を刻設し、 この溝に熱媒用可撓性チューブを埋設して、 その表面をアルミニウム箔などの可撓性薄板で被覆した構造のものが提案されて いる。 このような構造の床暖房用パネルは、 例えば、 敷設場所の大きさに応じて、 全体として長さ 3 0 O cmで幅 2 5 0 cm程度の長方形状を呈するようにして調製さ れる。 しかし、 長さ又は幅が 2 0 0 cm以上の場合には、 折り畳んで半分の幅又は それ以下の幅にされて梱包、 保管及び輸送などに供され、 敷設場所に搬入された 後にこの折り畳んだ状態から展開されて敷設されるのが普通である。

このように、 幅方向に折畳み可能な従来の床暖房用パネルの一例として、 溝が 刻設された板状体が少なく とも 2枚隣接させて配置され、 この溝に熱媒用可撓性 チューブが配置され、 その表面に隣接部付近を除いて可撓性薄板が貼着され、 こ の隣接部付近に刻設された溝からチューブを外した上で折り畳み可能とされてな る、 分離可能な折畳み部を有する床暖房用パネルが提案されている （実開平 5— 2 7 5 1 4号公報参照） 。

しカゝし、 このような構造によると、 板状体のチューブを外す部分には可撓性薄 板が貼着されていないので、 床暖房用パネル全体の放熱効果が低下するばかりで なく、 溝から外されたチューブが折り畳まれた板状体に挟まれて圧迫され、 潰さ れるという欠点があった。 また、 この構造の床暖房用パネルを折り畳んで保管す る際には、 チューブが座屈しないように隣接する板状体同士を相互にずらす必要 があるため保管作業が煩雑となり、 かつ敷設の際にも複数の板状体の位置合わせ 作業が必要となるため敷設作業も煩雑であるという欠点があった。

前述したような放熱効果低下の問題と、 折り畳む際のチューブの破損の問題を 解決した床暖房用パネルとして、 溝が刻設された板状体を少なく とも 2枚隣接さ せて配置されて分離可能な折畳み部が形成され、 この折畳み部を形成する板状体 の側面部の長さ方向の一端部に、 取り付け且つ取り外しの可能な嵌め込み部が設 けられてなる床暖房用パネルが提案されている （特開平 1 0— 8 9 7 1 2号公報 参照） 。 しかし、 この構造の床暖房用パネルも、 幅方向に折り畳むことはできる が長さ方向にはり折畳むことができないので、 保管作業や敷設作業が煩雑となる 問題は解決されていなかった。

また、 折畳み可能な床暖房用パネルの他の例として、 内部に中空部が設けられ た長尺狭幅の板状体が可撓性薄板によつて複数枚連結され、 連結部付近のチュ一 ブ配置用の中空部が幅広く形成されて、 これら板状体の中空部に蛇行させて熱媒 用可撓性チューブが配置されてなる折畳み （巻回） 可能とされた床暖房用パネル が提案されている （特開平 8 - 2 6 1 4 8 5号公報、 特開平 1 0— 3 2 1 3 4 4 号公報参照） 。 しかし、 この構造の場合にも、 長さ方向又は幅方向のいずれか一 方に卷回して折り畳むことはできても他方には折り畳み （巻回） ができず、 梱包、 保管、 輸送又は敷設の際には依然として取り扱いにくいという欠点があった。 本発明者は、 上述した従来の状況に鑑み、 かかる欠点を解消した折畳み可能な 床暖房用パネルを提供すべく鋭意研究を重ねた結果、 本発明を完成するに至った ものである。

従って、 本発明の目的は、 各小型板状体ごとに縦方向及び横方向に折畳み可能 とされて折り畳み作業および展開作業が容易で、 従って梱包、 輸送、 保管又は敷 設の際に極めて取り扱い易い、 折畳み可能な床暖房用パネルを提供することにあ る。 発 明 の 開 示

本発明は折畳み可能な床暖房用パネルであり、 前述した技術的課題を解決する ため以下のような構成とされている。 すなわち、 第 1の発明は、 平面形状が長方 形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向及び横方向に各々複数枚隣 接させて配置し、 この小型板状体の溝に熱媒用可撓性チューブが埋設され、 これ ら複数枚の小型板状体の上面に貼着された可撓性薄板をヒンジとして各小型板状 体ごとに縦方向及び横方向に折畳み可能とされてなる、 全体の平面形状が四角形 状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、 縦方向の折畳み部分は、 切り 欠いたチューブの通路が設けられた小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄 板とによって構成され、 横方向の折畳み部分は、 小型板状体の対向する広幅側面 部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材（A， B)と可撓性薄 板とによって構成され、 横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させ る折畳み代部材（A)には、 隣接する双方の小型板状体が可撓性薄板によって連結さ れ、 この折畳み代部材（A)にはチューブの通路が設けられ、 横方向の他方に相互に 隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材（B)には、 隣接する一方の小型板 状体のみが可撓性薄板によって連結されてなることを特徴とする。

また、 第 2の発明は、 平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板 状体を縦方向及び横方向に各々複数枚隣接させて配置し、 この小型板状体の溝に 熱媒用可撓性チユーブが埋設され、 これら各々の小型板状体の上面には可撓性薄 板が貼着され、 各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてな る、 全体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、 縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側面部、 及び横方向の一方に 相互に隣接する小型板状体の対向する広幅側面部には切り欠いたチューブの通路 が設けられ、 この各チューブの通路には、 取り付け且つ取り外しの可能な嵌め込 み部材が設けられてなり、 この嵌め込み部材の一方の面に、 隣接する双方の小型 板状体の溝と連接する溝が刻設され、 この嵌め込み部材の溝には各チューブの通 路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされてなることを特徴とする。 図面の簡単な説明

図 1は、 第 1の発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例について 1構成 要素の一部を破断して示す平面図である。

図 2は、 図 1に示した折畳み可能な床暖房用パネルの一部を拡大して示す斜視 図である。

図 3は、 図 1に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折り畳んだ状態 の斜視図である。

図 4は、 第 2の発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一例について 1構成 要素の一部を破断して示す平面図である。

図 5は、 図 4に示した折畳み可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材 の一例を示す平面図である。

図 6は、 図 4に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折り畳んだ状態 の斜視図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の折畳み可能な床暖房用パネルを最良の形態について更に詳細に説明す る。 第 1の発明に係る折畳み可能な床暖房用パネル （以下、 「 I型パネル」 とい うことがある） は、 平面形状が長方形状を呈する小型板状体を縦方向及び横方向 に各々複数枚隣接させて配置し、 全体の平面形状が四角形状を呈するものである。 四角形の種類としては、 縦方向及び横方向に折畳み可能な形状であればよく、 四 つの角がほぼ直角とされた正方形、 長方形などの矩形や台形のほか、 これら矩形 •台形の角に丸みを付けたものなどを挙げることができる。 I型パネルの大きさ は、 6畳対応用 （ 2 2 5 O mm X 3 0 0 O mm) 、 8畳対応用 （3 0 0 0 mm X 3 0 0 O mm) など敷設場所の大きさに応じて適宜決めることができる。 小型板状体は、 縦方向には原則的に 2枚、 横方向には少なく とも 2枚配置する ものとする。 I型パネルは、 縦方向及び横方向に折り畳まれ、 ほぼ小型板状体一 枚分の面積とされて梱包、 輸送、 保管又は敷設に供されるので、 この小型板状体 —枚分の面積はこれら梱包、 輸送、 保管並びに敷設の際に取り扱い易い大きさと するのがよく、 例えば、 7 5 0瞧 X 1 5 0 O mm程度とすることができる。 小型板 状体の溝と溝との間には、 補強用の小根太を埋設することもできる。

この小型板状体を構成する材料は、 合成樹脂、 硬質ゴム、 木材、 金属又は石膏 などの中から選ぶことができる。 合成樹脂としては、 熱可塑性合成樹脂、 熱硬化 性合成樹脂のいずれでもよく、 発泡体でも非発泡体でもよい。 発泡体としては、 架橋ゴム発泡体、 熱硬化性樹脂発泡体などの剛性の高い発泡体、 非架橋ポリェチ レン、 非架橋ゴム発泡体、 ポリスチレン発泡体、 高密度ポリエチレンとポリスチ レンとの混合物の発泡体などを挙げることができる。 木材は合板であってもよく、 金属としては鉄、 アルミニウムなどを挙げることができる。

小型板状体の溝は、 熱媒用可撓性チューブ埋設用とされる。 この溝は各小型板 状体に刻設され、 小型板状体を縦方向及び横方向に隣接させた場合に、 各小型板 状体に刻設された溝が一方の小型板状体から他方の小型板状体に連接するように される。 この溝の延在する方向に直角に切断した際の断面形状は、 半円形、 U字 型、 四角形などとすることができる。 この溝の幅 ·深さは、 埋設する熱媒用可撓 性チューブの外径とほぼ同一 （例えば、 7 . 2瞧） とするのが好ましい。 こめ溝 の内壁にはアルミニウム箔などの金属箔を貼着して断熱効果を高めることもでき る。 この溝に埋設される熱媒用可撓性チューブとしては、 架橋ポリエチレン管、 ポリブテン管などを挙げることができる。 このチューブの直径はパネルを敷設す る部屋の大きさ、 小型板状体の厚さなどによって異なるが、 通常は外径が 7 . 2 mm、 内径が 5 mmの管が一般的とされる。

小型板状体は縦方向及び横方向に隣接させて複数枚配置され、 この小型板状体 の溝に熱媒用可撓性チューブが刻設され、 その上面に可撓性薄板が貼着される。 この可撓性薄板は、 隣接させて配置された小型板状体同士を連結するとともに、 I型パネルを縦方向及び横方向に折り畳む際のヒンジとして機能する。 この可撓 性薄板としては、 ァノレミニゥム箔、 錫箔、 ステンレススチール箔、 プラスチック フィルムなどを挙げることができ、 この中でも、 熱媒用可撓性チューブからの熱 の均質化、 製造の容易さ、 コストを勘案してアルミニウム箔が好ましい。 この可 撓性薄板の厚さは、 薄過ぎると強度が不十分でヒンジとしての機能を充分に果た さず、 厚過ぎると製品の重量が重くなり、 かつコス トが高くなるので、 1 0〜5 0 0 μ mの範囲で選ぶのが好ましい。

I型パネルの縦方向の折畳み部分は、 切り欠いたチューブの通路が設けられた 小型板状体の対向する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成される。 すなわち、 この縦方向の折畳み部分は、 切り欠いたチューブの通路が設けられた小型板状体 の狭幅側面部同士を当接させ、 その上面に可撓性薄板を貼着することによって構 成し、 この可撓性薄板をヒンジとして縦方向に折り畳み可能となる。 切り欠いた チューブの通路は、 熱媒用可撓性チューブの遊び、 即ち余裕をもった空間部分と することができ、 パネルを縦方向に折り畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張す ることがなく、 従って破損、 挫屈などが生じ難い。

チューブ φ通路は、 狭幅側面部の両端部近傍に切り欠き部を設け、 この切り欠 き部に連通する連通溝を設けて構成したり、 狭幅側面部の両端部近傍に深めの切 り欠き部を設け、 これらの間に延在する浅めの切り欠き部を設けて構成すること ができる。 これら切り欠き部の平面形状 （上から見た形状） は、 チューブの通路 の機能を果たせばいかなる形状でもよく、 コの字状、 くの字状、 半円形状などと することができる。 なお、 チューブの通路を、 縦方向に相互に隣接する小型板状 体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り 欠き部から形成した横長の矩形状孔とし、 このチューブの通路に、 後述する嵌め 込み部材を取り付け且つ取り外し可能に設けることもできる。

I型パネルの横方向の折畳み部分は、 小型板状体の対向する広幅側面部とこれ ら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺の折畳み代部材（Α，Β)と可撓性薄板とによ つて構成される。. すなわち、 この横方向の折畳み部分は、 小型板状体の対向させ た広幅側面部の間に折畳み代部材（Α， Β)を介在させ、 その上面に可撓性薄板を貼着 することによって構成し、 この可撓性薄板をヒンジとして横方向に二段階に折畳 み可能となる。

I型パネルの横方向の一方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材（Α)は、 相互に隣接する双方の小型板状体と可撓性薄板によって連結され、 二段階に折畳 み可能な折畳み部分として機能する。 この折畳み代部材（A)には、 熱媒用可撓性チ ユーブの遊びとして機能するチューブの通路を設ける。 このチューブの通路によ り、 I型パネルを横方向に折り畳む際に熱媒用可撓性チューブが緊張することが なく、 従って破損などが生じ難い。 このチューブの通路は、 2個の孔とこれら孔 に連通する連通溝とから形成することができる。 この孔の形状は特に限定される ものではなく、 矩形状、 円形状、 だ円形状などとすることができる。

I型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に介在させる折畳み代部材（B)は、 相互に隣接する一方の小型板状体とのみ可撓性薄板によって連結される。 このよ うに連結することにより、 折畳み代部材（B)は相互に隣接する他方の小型板状体か ら分離して、 連結された小型板状体側に可撓性薄板をヒンジとして折畳み可能と なる （後記図 2参照） 。 この折畳み代部材（B)を上述のように折り畳むことにより、 I型パネルの横方向の他方の小型板状体の間に狭幅長尺の空間ができ、 この狭幅 長尺の空間により、 縦方向に折畳まれた I型パネルをさらに横方向に容易に折畳 むことができる （後記図 3参照） 。

折畳み代部材（A, B)の長さは、 原則的に小型板状体の広幅側面部とほぼ同一の長 さとするが、 縦方向の折り畳み易さを勘案して若干短く してもよい。 また、 折畳 み代部材（A， B)の幅は、 狭すぎると、 二段階に折り畳む際に折畳みにく く {折畳み 代部材（A) } 、 横方向に相互に隣接した小型板状体間に十分な空間をつくることが できず {折畳み代部材 (B) } 、 広すぎると、 折り畳まれた状態のパネルの体積が大 きくなつて梱包、 輸送並びに保管などに供する際に嵩張るので、 この小型板状体 一枚分の厚さに、 小型板状体の総枚数から 2を減じた数を乗じた程度の厚さが好 ましい。

なお、 折畳み代部材（A)及び折畳み代部材（B)の上述した各構造により、 小型板 状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チユーブは、 縦方向に相互に隣接する小型板 状体間、 及び折畳み代部材（A)が介在された横方向の一方に相互に隣接する小型板 状体間において連続することとなり、 折畳み代部材（B)が介在された横方向の他方 に相互に隣接する小型板状体間において不連続となる。

I型パネルを折り畳むには、 以下のようにする。 まず、 折畳み代部材（B)を可撓 性薄板をヒンジとして折り畳み、 折畳み代部材（B)が介在されている横方向の小型 板状体間に狭幅長尺の空間を形成する （後記図 2参照） 。 次いで、 この狭幅長尺 の空間が設けられた横方向の小型板状体群を、 可撓性薄板をヒンジとして、 折畳 み代部材（A)が介在されている小型板状体群側に縦方向に折り畳む。 次いで、 狭幅 長尺の空間が設けられた小型板状体群側を内側にし、 折畳み代部材（A)に貼着され た可撓性薄板をヒンジとして、 横方向に二段階に折り畳む （後記図 3参照） 。 折 畳んだ I型パネルを展開するには、 上述の手順と逆の手順を採ればよい。

第 2の発明に係る折畳み可能な床暖房用パネル （以下、 「II型パネル」 という ことがある） は、 全体の形状や大きさ、 この II型パネルを構成する小型板状体の 形状や大きさ、 この小型板状体に刻設される溝の態様、 この溝に埋設される熱媒 用可撓性チュ一ブの種類や太さ、 各小型板状体の上面に貼着される可撓性薄板の 種類や厚さは、 I型パネルと同様とすることができる。 この II型パネルにおいて は、 可撓性薄板はヒンジとしての機能を持たず、 各小型板状体の表面にのみ貼着 されて熱媒用可撓性チューブが外に飛び出さないようにしたり熱が放散しないよ うにするものである。 それゆえ、 この II型パネルを構成する各小型板状体は、 熱 媒用可撓性チュ一ブのみによつて連結される。

Π型パネルにおいては、 縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向する狭幅側 面部、 及び横方向に相互に隣接する小型板状体の対向する広幅側面部に、 切り欠 いたチューブの通路が設けられる。 このチューブ'の通路は、 熱媒用可撓性チュー ブの遊びとすることができ、 11型パネルを縦方向及び横方向に折り畳む際に熱媒 用可撓性チューブが緊張することがなく、 従って破損などが生じ難い。 このチュ —ブの通路には、 後述する嵌め込み部材が取り付け且つ取り外し可能に設けられ る。 このチューブの通路は、 狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へ と延在させて切り欠き部を設け、 この切り欠き部同士を対向させて矩形状、 楕円 形状、 ひし形状などの孔とすることができる。

縦方向のチューブの通路により、 小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チ ュ一ブを、 縦方向に相互に隣接する小型板状体間において連続させる。 また、 縦 方向に折り畳んだ後の横方向の折り畳み易さを勘案して、 横方向のチューブの通 路を、 横方向のいずれか一方に相互に隣接する小型板状体間にのみ設け、 熱媒用 可撓性チューブをこの小型板状体間において連続させるようにし、 横方向の他方 に相互に隣接する小型板状体間にはチューブの通路を設けず、 熱媒用可撓性チュ ーブをこの小型板状体間において不連続とするのが好ましい。

Π型パネルの縦方向及び横方向の各チューブの通路には、 取り付け且つ取り外 し可能な嵌め込み部材が設けられる。 この嵌め込み部材の一方の面には、 隣接す る双方の小型板状体の溝と連接する溝が刻設される。 この嵌め込み部材の溝には、 チューブの通路に配置された熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされる。 この嵌 め込み部材は、 II型パネルを折り畳む際には各チューブの通路から取り外され、 Π型パネルを敷設する際には各チューブの通路に取り付けられて熱媒用可撓性チ ユーブをその溝に埋設し、 II型パネルの表面に凹凸が生じないように均一にする という機能を果たす。

嵌め込み部材の他方の面に可撓性薄板を貼着すると、 熱媒用可撓性チューブか ら放散される熱がパネル表面全体に均一に伝達されるので好ましい。 なお、 チュ ーブの通路の平面形状が縦方向と横方向とで異なる場合には、 縦方向用及び横方 向用の別々の平面形状の嵌め込み部材を調製する。 縦方向及び横方向の双方のチ ユーブの通路の平面形状が同一である場合には、 同一平面形状の嵌め込み部材を 縦方向及び横方向共用とすることができる。

Π型パネルを折り畳むには、 以下のようにする。 まず、 敷設された状態の II型 パネルから嵌め込み部材を取り外す。 次いで、 縦方向に隣接させて配置された小 型板状体群を、 可撓性薄板が貼着された面側に折り畳む。 次いで、 この縦方向に 折畳まれた小型板状体群を横方向に折り畳む。 この際には、 横方向に隣接する小 型板状体を交互に反対側に折り畳むようにする。 例えば、 小型板状体が横方向に

3枚連結されている場合には、 一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の 小型板状体の上側に折り畳み、 他方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の 小型板状体の下側に折り畳むようにする。 折り畳んだ II型パネルを展開するには、 上述と逆の手順を採ればよい。

(実施例）

次に、 本発明の折畳み可能な床暖房用パネルを図面の実施例に基づいて更に具 体的に説明するが、 本発明はその趣旨を超えない限り、 以下の記載例に限定され るものではない。

図 1は、 本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの一実施例について 1構成 要素の一部を破断して示す平面図であり、 図 2は、 図 1に示した折畳み可能な床 暖房用パネルの一部を拡大して示す斜視図であり、 図 3は、 図 1に示した折畳み 可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図である。

また、 図 4は、 本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルの他の実施例につい て 1構成要素の一部を破断して示す平面図であり、 図 5は、 図 4に示した折畳み 可能な床暖房用パネルに設けられる嵌め込み部材の一例の平面図であり、 図 6は、 図 4に示した折畳み可能な床暖房用パネルを縦方向に折畳んだ状態の斜視図であ る。

図 1に示した I型パネル 1 0は、 同一平面形状の小型板状体 1 1が縦方向に 2 枚、 横方向に折畳み代部材（A)又は折畳み代部材（B)を介在させて 3枚、 各々可撓 性薄板 1 2によって連結されて構成されている。 この I型パネル 1 0を構成する 小型板状体 1 1の表面には溝 1 3が刻設され、 この溝 1 3に熱媒用可撓性チュー ブ 1 4が埋設されている。 I型パネル 1 0の横方向の一方の小型板状体間に介在 させた折畳み代部材（A)は、 各々双方の小型板状体に連結されて二段階に折畳み可 能とされており、 I型パネル 1 0の横方向の他方の小型板状体間に介在させた折 畳み代部材（B)は、 各々一方の小型板状体に連結されている。

I型パネル 1 0の縦方向の折畳み部分には、 縦方向に隣接する小型板状体 1 1 の対向する狭幅側面部の両端部近傍に位置する切り欠き部 1 5とこれらに連通す る連通溝 1 3 ' とから形成される縦方向のチューブの通路が設けられており、 熱 媒用可撓性チューブ 1 4は、 縦方向に隣接する一方の小型板状体側から他方の小 型板状体側へと、 この縦方向のチューブの通路を経由させて配置されている。 ま た、 I型パネル 1 0の横方向の折畳み部分を構成する折畳み代部材（A)には、 孔 1 6が 2個とこれらに連通する連通溝 1 3〃 とから形成される横方向のチューブの 通路が設けられており、 熱媒用可撓性チューブ 1 4は、 横方向に隣接する一方の 小型板状体側から他方の小型板状体側へと、 この横方向のチューブの通路を経由 させて配置されている。

図 2は、 図 1に示した I型パネル 1 0の折畳み代部材（B)を、 可撓性薄板 1 2を 貼着した面側に折畳んだ状態を示している。 この折畳み代部材（B)を可撓性薄板 1 2をヒンジとして折り畳むことにより、 横方向に隣接する小型板状体 1 1の間に 狭幅長尺の空間が設けられる。 図 3は、 図 1に示した I型パネル 1 0を縦方向に 折り畳んだ状態を示している。 この図 3の状態とするには、 図 1の状態から折畳 み代部材（B)を折り畳んで図 2の状態とした後に、 縦方向の折畳み部分で I型パネ ル 1 0を折り畳む。 この図 3の状態から、 横方向の折畳み部分で I型パネル 1 0 を横方向に折り畳むには、 一方の横方向端部に位置する小型板状体を中央の小型 板状体側に向けて矢印の方向に折り畳んだ後に、 他方の横方向端部に位置する小 型板状体を中央の小型板状体側に向けて矢印の方向に折り畳む。

図 4に示した II型パネル 2 0は、 同一平面形状の小型板状体 2 1が縦方向に 2 枚、 横方向に 3枚配置されて構成されており、 各小型板状体 2 1には可撓性薄板 2 2が貼着されている。 各小型板状体 2 1の表面には溝 2 3が刻設され、 この溝 2 3に熱媒用可撓性チューブ 2 4が埋設されており、 この熱媒用可撓性チューブ 2 4によって、 縦方向に相互に隣接した小型板状体同士及び横方向の一方に相互 に隣接した小型板状体同士が連結されている。

この II型パネル 2 0において、 縦方向に相互に隣接する小型板状体 2 1の対向 する狭幅側面部に、 切り欠き部 2 5から形成された横長の矩形状の孔 2 6が設け られており、 この切り欠き部 2 5は、 小型板状体 2 1の狭幅側面部の一方の端部 付近から他方の端部付近へど延在させて形成されている。 熱媒用可撓性チューブ 2 4は、 縦方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へ と、 この横長の矩形状の孔 2 6を経由させて配置されている。 この横長の矩形状 の孔 2 6には、 嵌め込み部材 3 0が取り付け且つ取り外し可能に設けられている。 また、 II型パネル 2 0において、 横方向に相互に隣接する小型板状体 2 1の対 向する広幅側面部に、 切り欠き部 2 7から形成された縦長の矩形状の孔 2 8が設 けられており、 切り欠き部 2 7は小型板状体 2 1の広幅側面部の一方の端部から 長さ方向中央部へと延在させて形成されている。 熱媒用可撓性チューブ 2 4は、 横方向に相互に隣接する一方の小型板状体側から他方の小型板状体側へと、 この 縦長の矩形状の孔 2 8を経由させて配置されている。 この縦長の矩形状の孔 2 8 には、 嵌め込み部材 3 0 'が取り付け且つ取り外し可能に設けられている。 図 5は、 図 4に示した II型パネル 2 0に設けられた横長の矩形状の孔 2 7に取 り付け且つ取り外し可能に設けられる嵌め込み部材 3 0を示している。 この嵌め 込み部材 3 0の表面には溝 3 1が刻設されており、 この嵌め込み部材 3 0の溝 3 1は、 嵌め込み部材 3 0を横長の矩形状の孔 2 6に取り付けた際に、 縦方向に隣 接する双方の小型板状体 2 1に刻設された溝 2 3と連接し、 かつ、 この横長の矩 形状の孔 2 6に配置された熱媒用可撓性チューブ 2 4が埋設される。

図 6は、 図 4に示した II型パネル 2 0を縦方向に折り畳んだ状態を示している。 この図 6の状態とするには、 図 4に示した II型パネルの各矩形状の孔から嵌め込 み部材を取り外した後、 この II型パネル 2 0を縦方向に折り畳む。 この図 6の状 態から、 Π型パネル 2 0を横方向に折り畳むには、 右側に位置する小型板状体を 矢印の方向、 即ち中央の小型板状体の上側に折り畳み、 左側に位置する小型板状 体を矢印の方向、 即ち中央の小型板状体の下側に折り畳む。

本発明は、 以上詳細に説明した通りであり、 次のような特別に有利な効果を奏 し、 その産業上の利用価値は極めて大である。 すなわち、 （1 ) 本発明に係る折 畳み可能な床暖房用パネルは、 その縦方向及び横方向の折畳み部分に、 熱媒用可 橈性チューブを遊びをもたせて配置可能なチューブの通路が設けられているので、 パネルを縦方向及び横方向に容易に折り畳むことができる。 （2 ) 本発明に係る 折畳み可能な床暖房用パネルは、 縦方向及び横方向に容易に折り畳むことができ るので、 パネルの梱包、 輸送又は保管の各作業が極めて簡素化される。 （3 ) 本 発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、 縦方向及び横方向に折り畳んだ状態 から容易に展開することができるので、 敷設場所に搬入された後のパネルの敷設 作業が極めて簡素化される。 （4 ) 本発明に係る折畳み可能な床暖房用パネルは、 その縦方向及び横方向の折畳み部分に、 熱媒用可撓性チユーブを遊びをもたせて 配置可能なチューブの通路が設けられているので、 パネルを折畳む際に各折畳み 部分で熱媒用可撓性チューブが潰されたり、 破損することがない。 産業上の利用可能性

本発明の折畳み可能な床暖房用パネルは、 住宅の床面に設置して暖房する床暖 房装置として利用可能であり、 例えばマンションなどのような集合住宅にあって は、 スラブ床の上面に直接又はスラブ床の上に敷いた下地床合板の面上など れを敷設して暖房装置として利用することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向及び横 方向に各々複数枚隣接させて配置し、 前記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チュー ブが埋設され、 これら複数枚の小型板状体の上面に貼着された可撓性薄板をヒン ジとして各小型板状体ごとに縦方向および横方向に折畳み可能とされてなる、 全 体の平面形状が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、 縦方向 の折畳み部分は、 切り欠いたチューブの通路が設けられた前記小型板状体の対向 する狭幅側面部と可撓性薄板とによって構成され、 横方向の折畳み部分は、 前記 小型板状体の対向する広幅側面部とこれら広幅側面部の間に介在させた狭幅長尺 の折畳み代部材（A， B)と可撓性薄板とによつて構成され、 横方向の一方に相互に隣 接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材（A)には、 隣接する双方の小型板状 体が可撓性薄板によって連結され、 この折畳み代部材（A)にはチューブの通路が設 けられ、 横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材 (B)には、 隣接する一方の小型板状体のみが可撓性薄板によって連結されてなるこ とを特徴とする、 折畳み可能な床暖房用パネル。

2 . 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、 縦方向に隣接する小型板状 体の対向する狭幅側面部の両端部近傍に設けられた切り欠き部と、 これらに連通 する連通溝とから形成されてなる、 請求項 1に記載の折畳み可能な床暖房用パネ ル。

3 . 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、 縦方向に隣接する小型板 状体の対向する狭幅側面部の両端部近傍に設けられた深めの切り欠き部と、 これ らの間に延在する浅めの切り欠き部とから形成されてなる、 請求項 1に記載の折 畳み可能な床暖房用パネル。

4 . 縦方向の折畳み部分におけるチューブの通路が、 縦方向に相互に隣接する 小型板状体の対向する狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在 する切り欠き部から形成された横長の矩形状孔とされ、 嵌め込み部材がこのチュ ーブの通路に取り付け且つ取り外し可能に設けられてなる、 請求項 1に記載の折 畳み可能な床暖房用パネル。

5 . 横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間に介在させる折畳み代部材 (A)に設けられたチューブの通路が、 2個の孔とこれら孔に連通する連通溝とから 形成されてなる、 請求項 1〜4のいずれかに記載の折畳み可能な床暖房用パネル。

6 . 平面形状が長方形状を呈し表面に溝が刻設された小型板状体を縦方向及び 横方向に各々複数枚隣接させて配置し、 前記小型板状体の溝に熱媒用可撓性チュ ーブが埋設され、 これら各々の小型板状体の上面には可撓性薄板が貼着され、 各 小型板状体ごとに縦方向及び横方向に折畳み可能とされてなる、 全体の平面形状 が四角形状を呈する折畳み可能な床暖房用パネルにおいて、 縦方向に相互に隣接 する前記小型板状体の対向する狭幅側面部、 及び横方向の一方に相互に隣接する 前記小型板状体の対向する広幅側面部には切り欠いたチューブの通路が設けられ、 この各チューブの通路には、 取り付け且つ取り外し可能な嵌め込み部材が設けら れてなり、 この嵌め込み部材の一方の面に、 隣接する双方の小型板状体の溝と連 接する溝が刻設され、 この嵌め込み部材の溝には前記各チューブの通路に配置さ れた熱媒用可撓性チューブが埋設可能とされてなることを特徴とする、 折畳み可 能な床暖房用パネル。

7 . 縦方向のチューブの通路が、 縦方向に相互に隣接する小型板状体の対向す る狭幅側面部の一方の端部付近から他方の端部付近へと延在する切り欠き部から 形成された横長の矩形状の孔とされてなり、 横方向のチューブの通路が、 横方向 に相互に隣接する小型板状体の対向する広幅側面部の一方の端部から長さ方向中 央部へと延在する切り欠き部から形成された縦長の矩形状の孔とされてなる、 請 求項 6に記載の折畳み可能な床暖房用パネル。

8 . 小型板状体の溝に埋設された熱媒用可撓性チューブが、 縦方向に相互に隣 接する小型板状体間及び横方向の一方に相互に隣接する小型板状体間において連 続とされ、 横方向の他方に相互に隣接する小型板状体間において不連続とされて なる、 請求項 1〜 7のいずれかに記載の折畳み可能な床暖房用パネル。