WO2001057293A9 - Dispositif et procede de production de monocristal et monocristal - Google Patents

Description

明 細 書 単結晶育成装置及びそ の装置を用い た単結晶の製造方法

並びに単結晶

技術分野

本発明は、 チ ヨ ク ラ ルス キー法 （以下 C Z 法、 引上げ法 と も 称す る） に よ る シ リ コ ン単結晶な どの単結晶製造に用 い ら れる 単結晶育 成装置、 製造方法な ら びに単結晶に関す る 。 背景技術

以下、 本発明の従来例 を シ リ コ ン 単結晶の育成 を例に と っ て説明 する 。

C Z 法で シ リ コ ン単結晶 を製造す る 際 に使用 さ れる単結晶育成装 置は、 一般的に原料融液が収容さ れた昇降動可能なル ツ ボ と、 該ル ヅボ を取 り 囲む よ う に配置さ れた ヒ ータ が単結晶 を育成す る メ イ ン チャ ンノ 内に配置さ れてお り 、 該メ イ ン チ ャ ンク、の上部には育成 し た単結晶を収納 し取 り 出すた めの引上げチ ャ ンバが連設さ れて い る 。 こ の よ う な単結晶育成装置を用 い て単結晶 を製造する 際には、 種 結晶 を原料融液に浸漬 し、 回転 さ せな が ら 静かに上方に引上げて棒 状の単結晶を成長さ せ る 一方、 所望の結晶品質を得る た め融液面の 高さ が常に一定に保たれる よ う に結晶の成長に合わせル ツポ を上昇 させて レ、 る 。

そ して、 単結晶 を育成す る際 には、 種ホルダに取 り 付け ら れた種 結晶を原料融液に浸漬 した後、 引上げ機構に よ り 種結晶を所望の方 向に回転さ せな が ら 静かに ワ イ ヤ を巻き 上げ、 種結晶先端部に単結 晶棒を成長さ せて い る が、 種結晶 を 融液 に着液さ せた際に生 じ る 転 位を消滅さ せ る た め、 一旦、 成長初期の結晶 を 3 〜 5 m m程度 ま で 細 く 絞 り 、 転位が抜けた と こ ろ で径を所望の直径 ま で拡大 し て、 目 的 と する 品質の単結晶棒を成長させて い く 。

こ の と き 、 単結晶棒の一定の直径 を有す る 定径部の引上げ速度は 、 通常 0 . 5 〜 l m m / m i n程度の非常にゆ っ く り と し た も ので あ り 、 無理に速 く 引上げよ う と する と、 育成中の単結晶が変形 して 定径を有す る 円柱状製品が得 ら れな く な る 、 あ る いは単結晶棒に ス リ ッ ブ転位が発生す る、 結晶が融液か ら 切 り 離さ れて製品 と な ら な く な つ て し ま う な どの問題が生 じて し ま い、 結晶成長速度の高速化 を図る には限界があ っ た。

しか し、 前記 C Z 法に よ り 単結晶棒を製造す る において 、 生産性 の向上 を 図 り 、 コ ス ト を低減さ せ る ため には、 単結晶成長速度 を高 速化す る こ と が一つの大き な手段で あ り 、 こ れま で に も 結晶成長速 度の高速化 を達成さ せる た めに多 く の改良がなさ れて き た。

引上げ速度、 即ち結晶成長速度は、 成長中の結晶の熱収支 に よ つ て決定さ れる 。 結晶 に取 り 込ま れる 熱量は、 融液ゃ ヒ ー タ か ら 結晶 へ入る流入熱量 と、 融液が結晶化す る際に発生す る 固化潜熱 と があ り 、 育成中の結晶の熱収支 を考えた場合、 結晶表面や種結晶 を通 し て結晶の外へ放出 さ れる 流出熱量が、 流入熱量 と 固化潜熱 と の和 に 等 し い必要があ る 。 固化潜熱は、 単位時間あ た り に成長す る 結晶の 体積に依存 して い る た め、 結晶成長速度 を高速化す る には、 高速化 に よ り 増大す る 固化潜熱の増加分を、 流入熱量を 減少 し相殺す る か 、 若 し く は流出熱量 を増加 さ せ る こ と に よ っ て相殺す る 必要があ る そ こ で、 一般的には結晶表面か ら 放出 さ れ る 熱を効率的に除去 し 、 流出熱量を増加さ せ る 方法が取ら れて い る 。

その一つに メ イ ン チ ャ ン ノ、"内部に引上げ中の単結晶棒を取 り 囲む よ う に冷却手段を設け、 引 き上げ中の単結晶棒を効率良 く 冷却す る こ と に よ り 、 引上げ速度 を速 く する 装置が提案 さ れて い る 。 例 え ば 、 特開平 6 — 2 1 1 5 8 9 号公報に開示 さ れた装置があ る 。 こ の装 置は、 引 き 上げ中の単結晶棒を 同心円上 に取 り 囲む よ う に引上げチ ヤ ンノ 下部 よ り メ イ ンチ ヤ ン ノ 内部に向 か っ て、 金属製の外側冷却 筒 と黒鉛等か ら な る 内部冷却筒の二重構造を有す る 整流冷却筒を設 け、 外側冷却筒に よ り 内部冷却筒に生 じ た熱 を外へ移送す る こ と で 内部冷却筒の温度上昇 を抑 え、 結晶の冷却効率を 向上 さ せた も ので あ る。

ま た、 成長 してい る単結晶 を よ り 効果的に冷却 さ せ る た め に水等 の冷却媒体を用 い る装置 も 開示 さ れてい る 。 例え ば、 特開平 8 — 2 3 9 2 9 1 号公報に開示さ れて い る 単結晶育成装置で は、 液体冷媒 を流通さ せ る 冷却ダク ト を メ イ ンチ ャ ンノ 内 に通 し、 その下 に銀等 の高熱伝導率を有する材質 か ら な る 冷却部材 を設け、 結晶表面か ら 放出さ れる 熱を速やかに外部へ移送する こ と で効果的な結晶冷却 を 行っ て レ、 る 。 しか し、 一般的 に 冷却媒体 と し て用 い ら れる 水等の流 体が 1 0 0 0 °C を超え る よ う な高温に加熱さ れて レヽ る 融液面に近づ く こ と は、 水蒸気爆発の誘因 と も な り 危険で あ る ため、 こ の装置で は、 冷却ダク ト を融液 Sか ら 離す こ とで安全を確保 して い る 。

これ ら の装置、 例えば前記特開平 6 — 2 1 1 5 8 9 号公報に開示 されて い る 装置の よ う な二重構造の冷却筒におい て は、 金属製の外 側冷却筒 と、 黒鉛等に よ る 内部冷却筒 と の間 に熱膨張率の差があ り 、 常に完全に密着さ せ る こ と は不可能で あ る 。 開示さ れて い る装置 では、 下方 に向か っ て縮径 さ せ る こ と に よ り 接触面積 を多 く と る と あ る が、 こ の よ う な場合におい て も 実際には線接触 と な っ て し ま い 、 完全な密着は得 ら れない 。 従 っ て 、 実際に は外側冷却筒 と 内部冷 却筒 と の間に隙間が生 じ、 これが断熱層 と し て働いて し ま う 。 さ ら に、 外側冷却筒内面 と 内部冷却筒外面 と の間 には接触熱抵抗が存在 する 。 こ の接触熱抵抗は、 材質や表面状態に依存 し、 簡単に求め る こ と がで き る値ではない が、 開示さ れて い る 装置に あ る よ う な構造 では、 内部冷却筒は十分に冷却さ れる こ とはな く 、 高い結晶冷却効 果を発揮す る には至 ら ない とい う 問題があ る 。

—方、 前記特開平 8 — 2 3 9 2 9 1 号公報 に開示 さ れて い る 単結 晶育成装置では、 冷却ダク ト と融液面が離れてお り 安全面で の配慮 がな さ れて い る が、 こ の よ う な構造では メ イ ンチ ャ ンノ 内の略中央 部に冷却ダ ク ト 全体が配設される こ と に な り 、 実用上の作業性、 操 作性に問題が生 じ る 。 ま た、 構造上、 ダ ク ト の強度 を十分に確保す る こ と が難 し く 、 破損 に よ る液体冷媒漏れ等の危険性が高 ま る こ と も考え ら れ る 。

さ ら に、 冷却ダク ト と 引上げチャ ンバ との 間に結晶が冷却 さ れな い部分があ り 、 必ず し も 結晶か ら放出さ れる 前記流出熱量 を効率的 に除去で き る も のではな く 、 大 きな冷却効果を得 る には十分な も の とは言えない。 発明の開示

上記問題点に鑑み、 本発明は、 成長 し た単結晶 に対す る 冷却効果 を最大限に発揮 し、 結晶成長速度の高速化を 図 り 、 破損、 溶損等に よ る 冷却媒体の漏れが無 く 安全に単結晶 を製造で き る 単結晶育成装 置及びその装置を用 い た単結晶の製造方法 と 単結晶 を提供す る こ と を 目 的 とする。

前記目 的 を達成す る ため、 本発明の単結晶育成装置は、 少な く と も原料融液を収容す る ル ツ ボ及び原料融液を加熱す る ヒータ を格納 する メ イ ンチャ ンノヽ' と、 該メ イ ンチ ャ ンノヽ'の上部 に連設さ れ、 成長 した単結晶が引上げ ら れて収納さ れ る 引上げチ ャ ンノ、' と を有す る 単 結晶育成装置におい て、 引上げ中の単結晶を取 り 囲むよ う に前記メ ィ ンチヤ ンバの少な く と も 天井部か ら原料融液表面に向か っ て延伸 し、 冷却媒体で強制冷却さ れる 冷却筒 と 、 該冷却筒よ り 下方 に延伸 し、 円筒ま たは下方 に 向か って縮径さ れた形状の冷却補助部材を有 す る こ と を 特徴 と す る 単結晶育成装置で あ る 。

こ の よ う に 、 冷却媒体で 強制 冷却 さ れ る 冷却筒 と 、 該冷却筒 よ り 下 方 に延伸 す る 冷却補助部材 を 設 け る こ と に よ り 、 原料融液か ら 引 上 げ ら れ た 非 常 に 高温の単結晶 は、 ヒ ー タ か ら の 輻射が冷却補助部 材 に よ り 遮 ら れて 徐 々 に 冷却 さ れ、 さ ら に上 方 に 移動 し て い く に 従 つ て 冷却筒 に よ り 一層効果 的 に 冷却 さ れ る た め、 そ の 結果、 結晶 の 成長速度 を 速 め る こ と が可能 と な る 。 特 に 、 メ イ ン チ ャ ン ノ、'の 天井 部か ら 原料融液表面 に 向 か っ て 延伸 す る 冷却 筒 を 冷却媒体に よ り 強 制的 に 冷却 す る 構造 と し た こ と で 冷却能力 が 向上 し 、 さ ら に は メ イ ン チ ヤ ン バ上方 の 空間 を 有効 に 活用 し て 結晶 冷却 を行 う こ と がで き る よ う に な っ た た め、 結晶 を 強制的 に 冷却 で き る 領域 を 長 く と る こ と が可能 と な り 、 よ り 高い 結晶冷却効果 を得 る こ と がで き る 。

ま た、 冷却筒 が非常 に高温の 融液面 と 十分離れて い る た め、 原料 溶融時や、 ま れ に起 こ る 地震な どの 原 因 で 発 生 す る 融液 の 飛散 に よ り 、 冷却筒 に 融液 が触れて 破損 、 溶損等 が生 じ る こ と も 無 く 、 極め て 安全 に単結晶 の育成 を 行 う こ と が で き る 。

本発明 に係 る 単結晶育成装置 で は 、 前記冷却筒 が、 鉄、 ニ ッ ケ ル 、 ク ロ ム 、 銅、 チ タ ン 、 モ リ ブデ ン 、 タ ン グ ス テ ン 、 若 し く は こ れ ら の金属 を含む合金、 ま た は前記金属若 し く は合金 を チ タ ン 、 モ リ ブデ ン 、 タ ン グ ス テ ン 、 若 し く は 白 金族金属 で 被覆 し て な る こ と が 好 ま し い 。

上記金属 は耐熱性、 熱伝 導性 に優 れて お り 、 こ れ ら の金属 を 本発 明の装置 に用 い れば、 ヒ ー 夕 及 び融液面 か ら の輻射熱 を 吸収 し て 効 率良 く 水等の冷却媒体に 伝 え る こ と が で き る 。

ま た、 前記冷却補助部材 が、 黒鉛、 モ リ ブ デ ン 、 ま た は タ ン グ ス テ ン か ら な る こ と が好 ま し レ、 。

上記材料は 、 非常 に 耐熱性 に 優れ て い る の で 、 融液及び ヒ 一 夕 か ら の輻射熱 を 効果 的 に 遮 る と と も に 、 融液面 か ら 引 上 げ ら れた 直後 の非常に 高温の単結晶棒を冷却 する のに適 し て い る 。 ま た、 こ の よ う な材料で 冷却補助部材を構成すれば耐久性 に も 優れた冷却補助部 材 と な り 、 高温下で 変形や歪が生 じ る こ と が少な く 、 長時間使用 す る こ と がで き る の と 同時に、 機械的強度 も高い の で 、 単結晶育成装 置の解体や清掃時の取扱い が容易 と な り 作業性も 向上す る 。

さ ら に、 前記冷却補助部材に遮熱部材が設け ら れて い る こ と が好 ま しい 。

こ の よ う に冷却補助部材に遮熱部材を設け る こ と で 、 ヒ ー タ 及び 融液か ら の輻射熱を よ り 効果的 に遮 り 、 ひい て は結晶の成長速度 を よ り 一層向上さ せる こ と がで き る 。

前記冷却筒の先端が、 ル ツボ 内に満た さ れた原料融液の表面か ら 1 0 c m以上離れて い る こ と が好ま しい。

こ の よ う に原料融液面か ら所定の距離 を設けて 冷却筒 を配置す る こ と に よ り 、 融液が冷却筒に付着す るおそれ がほ と ん ど無 く な り 、 よ り 安全に単結晶 を育成す る こ と がで き る 。 ま た、 融液面 と 冷却筒 下端の距離を 1 0 c m以上あ け る こ と で、 冷却筒 に特別な加工 を施 すこ と な く 、 容易 に結晶育成部の照環 （ フ ュ ージ ョ ン リ ン グ） を単 結晶育成装置の外か ら観察で き る よ う に な り 、 結晶直径制御等のた めの検出窓 を、 加工の簡単な冷却補助部材に設け る だ けで よ く 、 装 置が簡略化 され安定 した操業を行 う こ と がで き る よ う に な る 。

前記冷却筒の外側 に、 黒鉛ま たは金属 か ら な る 保護部材が設け ら れてい る こ とが好ま しい。

冷却筒の外側 に耐熱性のあ る 保護部材を設け る こ と で、 原料溶融 時な どに飛散す る 融液が冷却筒へ付着 し た り 、 あ る い は操業中 に原 料融液か ら 蒸発 し た蒸発物が冷却筒表面に析 出す る の を抑制す る こ と がで き る 。 こ れに よ り 、 長時 間に わた り 安定 し た操業を行 う こ と が可能 と な る 。 ま た、 ヒー 夕 や原料融液表面 か ら の輻射熱が直接冷 却筒へあ た る こ と も 防 ぐ こ と がで き る の で、 よ り 一層効率的な冷却 効果を得 ら れる よ う にな る 。

そ して、 前記冷却筒の内側表面 を、 黒化処理 し て あ る こ と が望 ま しい。

冷却筒の 内側表面に黒鉛等 を塗布あ る いは蒸着す る な どの表面 を 黒色化する 黒化処理を施す こ と で、 結晶か ら 輻射さ れ る熱の吸収効 率を さ ら に 向上さ せ る こ と がで き る 。 黒化処理に よ り 冷却筒の熱吸 収効率が高め ら れた こ と で 、 よ り 速い結晶成長を実現す る こ と が可 能と な る。

さ ら に、 本発明に よれば、 前記単結晶育成装置 を用 いて単結晶 を 育成す る こ と を特徴 と する 単結晶の製造方法が提供 さ れ、 ま た、 前 記単結晶育成装置 を用 いて 育成 した こ と を特徴 と す る 単結晶 も 提供 される 。

本発明に係 る単結晶育成装置 を用 い る こ と で、 変形する こ と な く 円柱状の シ リ コ ン単結晶を よ り 速い結晶成長速度で安全に育成す る こ と がで き る 。 し た が っ て 、 結果的に製造コ ス ト を 引 き下げる こ と も 可能 とな る 。

以上説明 した よ う に、 本発明の単結晶育成装置は、 引上げ中の単 結晶 を取 り 囲む よ う に前記メ イ ン チ ャ ン バの少な く と も 天井部か ら 原料融液表面 に向か っ て延伸 し 、 冷却媒体で強制冷却さ れる 冷却筒 と、 該冷却筒よ り 下方 に延伸 し、 円筒 ま たは下方 に 向か っ て縮径 さ れた形状の冷却補助部材を有す る こ と を特徴 と して い る 。 こ の よ う な冷却筒 と 冷却補助部材を 組み合わせる こ と で冷却効果を最大限に 発揮する こ と がで き 、 引上速度 を向上さ せ単結晶の生産性を飛躍的 に高める こ と がで き る 。 ま た、 冷却筒よ り 下方に 冷却媒体等に よ つ て直接冷却さ れない冷却補助部材を配置 した ため、 冷却筒が非常に 高温の融液に接触す る おそれも 無 く 保護さ れてお り 、 安全性が一層 確保さ れる 。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の一例の概略構成を示す断 面図であ る 。

図 2 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の第 2 の態様の概略構成を 示す断面図であ る 。

図 3 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の第 3 の態様の概略構成を 示す断面図であ る 。

図 4 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の第 4 の態様の概略構成を 示す断面図であ る 。

図 5 は、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 得 ら れた結晶成長軸方向の温度 分布を示すグラ フ で あ る 。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明の実施の形態につい て 図面を参照 しなが ら 、 シ リ コ ン単結晶の育成を例 にあ げて具体的 に説明す る が、 本発明は こ れ ら シ リ コ ン単結晶の成長のみに限定さ れる も の では な い。 例えば、 本 発明の装置は化合物半導体等の他の単結晶育成において も 利用 可能 な も のであ る 。

図 1 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の一例 を 示す概略構成の断 面図であ る 。

図 1 に示 した単結晶育成装置は、 一般的な単結晶育成装置 と 同様 、 原料、 例えば原料融液 4 を収容す る ル ツボ 5 , 6 、 多結晶シ リ コ ン原料を加熱、 溶融す る た めの ヒータ Ί な どがメ ィ ンチ ヤ ン ノ、· 1 内 に格納さ れ、 メ イ ンチ ャ ンノヽ' 1 上に連設 さ れた引上げチ ャ ンノヽ' 2 の 上部には、 育成さ れた単結晶を引上げる 引上げ機構 （図示せず） が 設け ら れている 。

引上げチャ ンノ、' 2 の上部に取 り 付け ら れた 引上 げ機構か ら は引上 げワ イ ヤ 1 6 が巻 き 出 さ れてお り 、 その先端 には、 種結晶 1 7 を取 り 付け る た めの種ホルダ 1 8 が接続 され、 種ホルダ 1 8 の先に'取 り 付け ら れた種結晶 1 7 を原料融液 4 に浸瀆 し、 引上げワ イ ヤ 1 6 を 引上げ機構に よ っ て巻 き取る こ とで種結晶 1 7 の下方 に単結晶棒 3 を形成す る 。

なお、 上記ル ツボ 5 , 6 は、 内側 に原料融液 4 を直接収容す る 石 英ル ツ ボ 5 と 、 外側を該石英ル ツボ 5 を 支持する ための黒鉛ル ツ ボ 6 と か ら 構成 さ れてい る 。 ル ツ ボ 5 ， 6 は、 単結晶育成装置 2 0 の 下部に取 り 付 け ら れた回転駆動機構 （図示せず） に よ っ て 回転昇降 動自在なル ツ ボ回転軸 1 9 に支持さ れて お り 、 単結晶育成装置中 の 融液面の変化 に よ っ て結晶品質が変わ る こ と のない よ う 、 融液面 を 一定位置 に保った め、 結晶 と逆方向 に回転さ せな が ら 単結晶棒 3 の 引 き上げに応 じ て融液が減少 し た分だけル ツボを上昇さ せて い る 。

ル ツ ポ 5 ， 6 を取 り 囲む よ う に加熱 ヒ ータ 7 が配置さ れて お り 、 こ のカ卩熱 ヒ ー タ 7 の外側には、 ヒー タ 7 か ら の熱がメ イ ン チ ャ ン バ に直接輻射さ れ る のを防止する ための断熱部材 8 が周囲 を取 り 囲む よ う に設け ら れて レヽ る 。

ま た、 チ ャ ンノ、' 1 , 2 内部には、 炉内 に発生 し た不純物 を炉外に 排出す る 等 を 目 的 と し、 引上げチ ャ ンノヽ' 2 上部に設け ら れた ガス 導 入口 1 0 か ら アルゴ ン ガス 等の不活性ガス が導入さ れ、 引 き 上げ中 の単結晶棒 3 、 融液 4 上部 を通過 し てチ ャ ンノ 1 , 2 内部を流通 し 、 ガス流出 口 9 か ら排出さ れる 。

なお、 メ イ ン チ ャ ンノ 1 及び引上げチ ャ ンノ、' 2 は、 ス テ ン レ ス 等 の耐熱性、 熱伝導性に優れた金属に よ り 形成さ れてお り 、 冷却管 （ 図示せず） を通 して水冷さ れて い る 。

本発明に係 る単結晶育成装置では、 冷却筒 1 1 が、 引上げ中の単 結晶棒 3 を取 り 囲むよ う に前記 メ イ ンチ ャ ンノ の少な く と も 天井 部か ら原料融液表面に 向か っ て延伸 して い る こ と を特徴の一つ と し てい る 。 こ の時、 冷却筒の上端は、 取 り 付 けの状況ゃ炉 内の温度分布に よ つ て引上げチャ ンノ 内 ま で延長 して も良い。

図 1 に示す単結晶育成装置 2 0 の 冷却筒 1 1 内 には、 冷却媒体導 入口 1 2 か ら 冷却媒体が導入さ れ、 該冷却媒体は、 冷却筒 1 1 内 を 循環 して冷却筒 1 1 を強制冷却 した後、 外部へ排出 さ れ る 。

なお、 冷却媒体 と しては、 従来冷却媒体と して使用 さ れて い る 液 体あ る いは気体を使用 する こ と がで き る が、 冷却特性のほか、 取 り 扱い性、 コ ス ト 面等か ら も 水を使用 する のが好適で あ る 。 ま た、 こ れ ら 冷却筒 1 1 内に流す冷却媒体の 流量や温度を 必要 に応 じて調節 すれば、 冷却筒 1 1 の除去熱量 を変化さ せ る こ と がで き る ので、 こ れに よ り 単結晶成長速度 に合わせた所望の冷却雰囲気を作 り 出す こ と が可能であ る。

冷却筒 1 1 の材質 と して は、 耐熱性があ り 、 熱伝導性に優れた も のであれば特に限定さ れな いが、 具体的 には、 鉄、 ニ ッ ケル、 ク ロ ム、 銅、 チ タ ン、 モ リ ブデ ン、 タ ン グス テ ン 、 若 し く は こ れ ら の金 属を含む合金か ら作製する こ と がで き る 。 ま た、 前記金属若 し く は 合金をチタ ン、 モ リ ブデ ン、 タ ン グス テ ン、 若 し く は 白 金族金属で 被覆 して構成させて も よ い。

上記の よ う な金属あ る い は合金を使用 す る こ と に よ り 、 冷却筒 1 1 の耐熱性は非常に優れて い る 上、 熱伝導性が非常に高い の で 、 単 結晶棒か ら放射さ れた熱を 吸収 し た後、 冷却筒 1 1 内部 を循環す る 水等の冷却媒体に効率良 く 伝え 、 結晶周 囲の温度 を低下さ せ る の で 、 単結晶の冷却速度 を向上 さ せ る こ と がで き る 。

本発明に係る単結晶育成装置は、 他の特徴 と し て、 前記冷却筒 よ り 下方に延伸 し、 円筒 ま た は下方 に 向か っ て縮径さ れた形状の冷却 補助部材を有 してい る 。

図 1 の単結晶育成装置 2 0 で は、 前記冷却筒 1 1 の下端部か ら 原 料融液面近傍に延伸す る 円筒状の冷却補助部材 1 3 が設け ら れて い る 。 冷却補助部材 1 3 は、 引上げ ら れた直後の高温の単結晶 3 の周 囲 を 囲んでお り 、 ヒ ー タ 7 あ る いは融液 4 等か ら の輻射熱を遮 っ て 単結晶 3 を冷却す る 効果を有す る 。 ま た、 冷却筒 1 1 が融液面の直 上 ま で近づ く こ と が防がれ安全性が確保さ れ る と と も に、 融液上方 か ら 結晶近傍を下流す る 不活性ガス の整流効果が発揮さ れる 。

上記冷却補助部材 1 3 の材質 と し て は、 耐熱性 に非常 に優れる と と も に、 高い熱伝導性 を有する も の が好 ま し く 、 具体的に は、 黒鉛 、 モ リ ブデ ン、 ま たは タ ン グス テ ン と す る の が良 い 。 特に黒鉛は、 ヒータ ゃ融液等か ら の輻射熱を効率良 く 遮蔽 し、 熱伝導率 も 比較的 高いので好適で あ る 。 ま た、 表面 を炭化 ケィ 素で被覆 し た も の を使 用 して も 良い。 こ の よ う にすれば、 冷却補助部材か ら も た ら さ れ る 不純物汚染 を よ り 抑制で き る 。

上記の よ う に耐熱性に優れる と と も に熱伝導率の高い材質か ら な る 冷却補助部材 1 3 を使用 する こ と で、 冷却補助部材 1 3 に吸収さ れた熱は冷却筒 1 1 へ と伝わ り 、 さ ら に冷却筒 1 1 内 を循環す る 冷 却媒体を通 じて外部へ放出さ れ る 。 一.,

以上の よ う な本発明に係 る単結晶育成装置 2 0 は、 前記の よ う に 冷却筒 1 1 と 冷却補助部材 1 3 を組み合わせて設け る こ と に よ り 、 融液 4 か ら 成長 した直後の非常に高温の単結晶 3 が、 ま ず冷却補助 部材 1 3 に よ っ て ヒ ー タ 7 等か ら の輻射熱が遮 ら れて効果的に 冷却 され、 単結晶 3 は さ ら に引上げ ら れ る こ とで 冷却筒 1 1 と相対 し、 少な く と も メ イ ンチ ャ ンノ 1 の天井部 ま で冷却筒 1 1 に よ り 冷却 さ れる ので、 結晶の広範囲にわた っ て効率良 く 冷却さ れる 。 そ の た め 、 結晶か ら の流出熱量 を確実に除去 し、 冷却効果 を最大限に発揮す る ので、 結晶を非常に速い成長速度で引上げる こ と が可能にな る 。 本発明に係 る単結晶育成装置の冷却補助部材の形状は、 前記円筒 状に限定さ れず、 下方 に向か っ て縮径さ れた形状 と す る こ と も で き る 。 図 2 は、 本発明に係 る単結晶育成装置の他の一例を示す概略構成 の断面図であ る 。

こ の装置 2 0 a では、 冷却補助部材 1 3 a が メ イ ンチ ャ ンノ 1 の 天井部か ら 冷却筒 1 1 の周 り を 囲む よ う に し て 下方に延伸 し、 冷却 筒 1 1 の下端部近傍か ら 、 下方 に向 か っ て縮径さ れた形状 と な っ て い る 。 原料融液面近傍では、 冷却補助部材 1 3 a の先端部が成長単 結晶棒 3 に近接 し てお り 、 原料溶融時な どに 飛散す る 融液 4 が冷却 筒 1 1 に付着す る の を防 ぎ、 ま た、 ヒー タ 7 か ら の輻射熱のほか、 融液 4 の表面か ら の輻射熱も 効果的に遮る と い う 利点も あ る 。

図 3 は、 本発明に係 る単結晶育成装置のさ ら に他の一例 を 示す概 略構成の断面図であ る 。

こ の装置 2 O b で は 、 前記図 2 の装置 2 0 a と 同様、 冷却筒 1 1 の下端部近傍か ら 下方に向か っ て縮径さ れた形状 と な っ て い る 冷却 補助部材 1 3 b の先端に厚みの あ る 遮熱部材 1 4 が設け ら れて い る 。 こ の よ う に冷却補助部材 1 3 b に遮熱部材 1 4 を設け る こ と で、 特に高温の融液面近傍において ヒ ー タ 7 及び融液 4 か ら の輻射熱 を よ り 効果的に遮 り 、 ひいて は成長速度 を よ り 一層 向上さ せ る こ と が で き る 。

なお、 遮熱部材 1 4 の材質 と して は、 特に耐熱性に優れ、 高い熱 伝導性を有する も の を使用 で き 、 例 えば、 冷却補助部材 1 3 b の材 料と して例示 した黒鉛、 モ リ ブデ ン、 ま たは タ ン グス テ ン、 あ る い は、 炭化ケィ 素、 あ る いは黒鉛の表面 を炭化 ケィ 素で被覆 し た も の を使用 する のが好 ま し い 。 こ の よ う な材料を用 い れば、 ヒータ ゃ融 液表面からの輻射熱を よ り 良 く 遮る こ と が可能 と な る 。

図 4 は、 本発明 に係 る 単結晶育成装置のさ ら に他の一例 を示す概 略構成の断面図であ る 。

こ の装置 2 0 c で は、 前記図 1 の装置 2 0 と 同様、 引上げチ ャ ン ノヽ - 2 の内側下部か ら メ イ ン チ ャ ンノ、" 1 内へ と延伸 した冷却筒 1 1 が 配置さ れて い る 。 冷却筒 1 1 下部の 内側 か ら 原料融液面近傍に延伸 する 円筒状の 冷却補助部材 1 3 c が設け ら れ、 該冷却補助部材 1 3 c の先端外周部 には遮熱部材 1 4 c が設け ら れて い る 。

上記冷却補助部材 1 3 c と遮熱部材 1 4 c は、 前掲 し た装置 2 0 ， 2 0 a , 2 0 b に設け ら れた も の と そ れそれ形状は多少異な る も のの、 前記同様、 冷却補助部材 1 3 c に 関 し ては、 融液面近傍 と 冷 却筒 1 1 と の 間 におけ る ヒ ータ 7 か ら の輻射熱を遮 っ て成長単結晶 3 を冷却す る 効果を発揮 し、 ま た、 遮熱部材 1 4 c は、 融液 4 と ヒ 一夕 7 に対向す る 面 を有 し、 よ り 効果的 に輻射熱を遮る こ と がで き る 。

図 4 の装置 2 0 c は、 さ ら に 冷却筒 1 1 の外側 に保護部材 1 5 が 設け ら れて い る 。 該保護部材 1 5 は、 メ イ ン チャ ンノヽ' 1 の天井部か ら延伸 し、 メ イ ンチ ャ ンノ 1 内の冷却筒 1 1 の下端面 を含む外周面 を覆 う よ う に し て配置さ れて レヽ る 。

こ の よ う な保護部材 1 5 を設け る こ と で原料溶融時な どに飛散す るおそれのあ る 融液 4 が冷却筒 1 1 に付着す る こ と を 防 ぐ こ と がで き る し、 ま た、 ヒ ータ 等か ら の輻射熱が、 直接冷却筒 1 1 にあ た る のを軽減で き る た め、 冷却筒 1 1 の除熱効果 も 向上す る 。

なお、 保護部材 1 5 の材質に 関 し ては、 黒鉛ま たは耐熱性のあ る 金属 を使用 で き る 。

前記いずれの態様において も 、 冷却筒 1 1 の先端は、 原料融液面 か ら 1 0 c m以上離れてレヽ る こ と が好ま しい 。 冷却筒 1 1 が融液面 に近いほ ど結晶 を急冷する効果は向上す る が、 融液面近傍は 1 0 0 0 °C を超え る 高温であ る た め、 冷却筒 1 1 の先端が融液面か ら 1 0 c m未満で あ る と、 冷却筒 1 1 自体も非常に高温に加熱さ れて 劣化 し、 破損等が生 じ る おそれがあ る 。 ま た、 冷却筒 1 1 と融液面 と の 距離が近過 ぎ る と、 該冷却筒 1 1 よ り 下方に延伸す る 冷却補助部材 を装着 して も 長さ が極端に短 く な っ た り 、 あ る いは装着す る こ と が で き な く な る ので、 冷却補助部材に よ る 冷却筒の保護効果 を得難 く な る 。 従 っ て、 冷却筒 1 1 の先端は、 融液面か ら 1 0 c m以上離れ てい る こ と が好ま し い。

そ して、 メ イ ン チ ヤ ン ノ 1 の 天井部か ら原料融液面に 向か っ て延 伸 し た冷却筒 1 1 の長さ は、 5 c m以上であ る のが望 ま し レ、。 冷却 筒 1 1 の長さ が 5 c m未満では、 所望の冷却効果 を得 る こ と が難 し く 、 ま た、 結晶 3 が引上げチ ャ ンクく 2 内 に入れば引上げチ ャ ンノ 2 に よ る 除熱効果が期待で き る の で、 冷却筒 1 1 は メ イ ン チ ャ ンノ 1 の天井部か ら原料融液面に 向か っ て 5 c m以上、 原料融液表面 に延 伸 して レ、 る のが良レ、。

メ イ ン チ ャ ンノ ' 1 の天井部か ら 融液表面 ま での距離は、 装置の構 成や単結晶棒の育成条件に よ り 変わ る も の であ り 、 冷却筒 1 1 そ の も のの長さ は、 結晶育成装置の チ ヤ ンバの長さ や操業条件 に応 じて 決定すべ き であ る 。 し か し、 本発明の冷却筒 1 1 の効果 を得 る には 、 冷却筒 1 1 の長さ が一番長い場合で融液面 と冷却筒 1 1 の先端の 隙間が 1 0 c m以上 と な る よ う に、 最 も 短い場合では メ イ ン チ ャ ン バ天井か ら 冷却筒先端 ま で の距離が 5 c m以上 と な る よ う に長さ を 調整すれば、 前述の効果を確実 に得 る こ と がで き る 。

そ して、 こ の よ う に冷却筒 1 1 を設け る こ と で 、 冷却筒 1 1 上部 側よ り そ の 内側 を通過さ せ る ア ル ゴ ン等の不活性ガス の整流効果を 高め、 ガス に よ る 冷却効果を得 る こ と も で き る 。 さ ら に、 冷却筒 1 1 の先端部 と融液表面の間に十分な隙間が確保さ れる こ と で 、 こ の 隙間か ら 融液上の単結晶棒 3 の育成部を観察可能 と な り 、 冷却補助 部材 1 3 、 1 3 a , 1 3 b 、 1 3 c にのみ直径検出用 の検出窓や、 作業者が結晶の育成状況を把握す る ための視 き窓 を設け る だ けで支 障な く 結晶棒育成部 を観察で き る 。 これに よ り 、 装置 を簡素化で き る と と も に、 冷却筒の冷却効果 を均一に得 ら れる よ う に な る 。

ま た、 冷却筒 1 1 の 内側表面 に黒鉛を塗布あ る いは蒸着す る な ど 表面を黒色化す る黒化処理 を施せば、 冷却筒 1 1 の熱吸収効果が強 化さ れ、 よ り 効果的 に成長単結晶 3 の輻射熱 を吸収す る こ と がで き る よ う にな り 冷却効果が向上する。

そ して、 以上説明 し た本発明に係 る単結晶育成装置で は、 冷却筒 に対す る 融液表面の位置を駆動機構に よ り 変化 さ せた り 、 あ る い は 冷却補助部材の長さ を適宜選択する こ と で成長単結晶の熱履歴 を 自 在にコ ン ト ロ ールで き る 。 例えば、 冷却筒 と 融液表面 を近づ け る と と も に、 冷却補助部材 を融液面直上 ま で近づ けれ {¾. ί- 効果が得 ら れる 。 逆に、 冷却筒 と 融液表面 を遠ざけ る と と ¾ に、 冷却補助部材 も融液面か ら 遠ざければ、 徐冷効果が得 ら れ る 。 さ ら に、 冷却筒 と 融液面 を遠ざけ、 かつ冷却補助部材 を融液面直上 ま で近づければ、 グロー ン イ ン ( g r o w n — i n ) 欠陥 と呼ばれ -σ α日日欠陥の凝集 温度帯や結晶中の酸素析出 に係わる 温度帯を所望の帯域に コ ン ト 口 —ルす る こ と も 可能であ る 。

ま た、 本発明の装置は、 図 4 に示すよ う に 融液 4 を収容す る メ イ ンチ ヤ ンノ 1 の外側 に電磁石 2 1 を配設 して 、 チ ヤ ン ク、'内の融液 4 に磁場 を印加 しな が ら 単結晶 3 を育成す る磁界下引上げ法 （以下、 M C Z 法 と称す る ） の育成装置で使用す る こ と も 当然可能で あ り 、 同種の効果が得 ら れる こ と は言 う ま で も ない 。 特 に、 大型の単結晶 製造を 目 的 と し た M C Z 法単結晶育成装置に本発明の装置 を用 い れ ば、 よ り 効果的に結晶成長速度 を向上さ せ ら れる ので、 大幅な生産 性向上が期待で き る 。

以下、 実施例及び比較例 を示 して本発明を よ り 具体的に説明す る が、 本発明は こ れ ら に限定さ れる も のではな レヽ。

(実施例）

前記図 4 に示 し た単結晶育成装置 2 0 c を 用 い て、 M C Z 法 を 用 いて シ リ コ ン単結晶棒の育成を 行っ た。 こ の と き 、 冷却筒 1 1 の材 質にはス テ ン レ ス 、 冷却媒体と して は水 を用 いた 。 ま た、 冷却補助 部材 1 3 c 、 遮熱部材 1 4 c； 、 保護部材 1 5 は黒鉛材 と し た。 そ し て、 冷却筒 1 1 (長さ ： 3 0 c m ) の先端は融液面か ら 2 5 c m離 した状態 と し、 冷却補助部材 1 3 c は融液面直近 ま で近づけて操業 を行 っ た 。 一方、 シ リ コ ン融液 4 に は、 水平磁場で 中心の磁場強度 が 4 0 0 0 G と な る よ う に磁場を印加 し、 ホ ッ ト ゾー ン は直径 2 4 ィ ンチのル ツボが収容で き る も の と した。

こ の 口径 2 4 イ ン チ の ル ツ ボ に 1 5 0 k gの多結晶 シ リ コ ン原料 を入れ、 直径 8 イ ン チ、 定径部の長さ が約 1 0 0 c mの単結晶を 育 成 した。 そ の結果、 単結晶定径部の平均引上げ速度が 2 . 0 m m m i nで 変形す る こ と な く 略円柱状の シ リ コ ン単結晶 を得 る こ と が で き た。 次に、 同様の大 き さ のル ツ ポに 1 0 0 k gの原料を入れ、 直径 6 イ ンチ、 定径部の長さ が約 1 0 0 c mの結晶を育成 した。 そ の結果、 定径部の平均引上げ速度が 2 . 6 m m/ m i nの速度で変 形する こ と な く 略円柱状の シ リ コ ン単結晶を得る こ と がで き た。

(比較例）

前記実施例で使用 し た単結晶育成装置の冷却筒 に替わ り 、 メ イ ン チャ ンバの天井か ら 黒鉛筒 を吊 り 下げた単結晶育成装置 を用い、 そ れ以外の条件は、 実施例 と 同様の条件下で単結晶の育成を行っ た 。 ま た、 育成 し た単結晶のそれそれの長さ も実施例 と略同等の長さ と した。

その結果、 定径部の直径が 8 イ ン チの結晶では、 定径部の平均引 上げ速度が 1 . 4 m m /m i n以下、 6 イ ンチの結晶では、 定径部 の平均引 き上げ速度が 1 . 8 m m / m i n以下の引上げ速度で は結 晶変形のない略円柱状の単結晶を育成す る こ とはで き たが、 それ以 上の引上げ速度 の も のは、 育成途中で結晶に変形が生 じ た り 、 ス リ ッ ブ転位が入る な どの問題が起 こ り 正常に単結晶 を育成す る こ と が で き な か っ た。

こ の理由 を調べ る ため、 F E M A G と 呼ばれる 総合伝熱解析 ソ フ ト （ F . D u p r e t , P . N i c o d e m e , Y . R y e k m a n s , P . W o u t e r s , a n d M . J . C r o c h e t , I n t . J . H e a t M a s s T r a n s f e r , 3 3 ， 1 8 4 9 ( 1 9 9 0 )) を用 い て シ ミ ュ レ — シ ョ ン を行 つ た と こ ろ 、 図 5 に示す結果が得 ら れた。 図 5 か ら 、 冷却筒 を備え た実施例の装置で は、 冷却筒の効果に よ り 比較例の装置 よ り も 急冷型の装置構造 と な つ てお り 、 成長単結晶の熱を効率良 く 冷やす こ と がで き た こ と がわ かる 。 確認の た め実施例 と 比較例の装置の炉 内温度分布 を測定 し た と こ ろ 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン とほぼ同様の温度分布が得 ら れた。 従 つ て、 本発明の装置 を用 い る こ と に よ り 、 単結晶育成装置の炉内温度 分布が急冷型 に 変化 し、 結晶冷却速度が増 し た こ と で 引上げ速度の 高速化が達成さ れた も のであ る 。

なお、 本発明は、 上記実施形態に限定 さ れ る も ので はな い 。 上記 実施形態は単な る 例示であ り 、 本発明の特許請求の範囲に記載さ れ た技術的思想 と 実質的に同一な構成を有 し、 同様な作用効果を奏す る も のは、 い か な る も のであ っ て も 本発明の技術的範囲に包含さ れ る 。

例え ば、 本発明の装置を磁場 を印加 し ない で単結晶 を育成す る C Z法単結晶育成装置、 あ る いは融液に水平磁場を 印加 し て 単結晶 を 育成す る H M C Z 法単結晶育成装置 を例 にあ げて 説明 し た が、 そ の 他の カ ス プ磁場や垂直磁場等を用い た単結晶育成装置で も 同様の効 果が得 ら れる こ と は言 う ま で も ない

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 少な く と も 原料融液 を収容す る ル ツボ及び原料融液を加熱す る ヒ 一 夕 を格納す る メ イ ンチ ャ ンノ、' と、 該メ イ ン チャ ンノ の上部に 連設さ れ、 成長 し た単結晶が引 上げ ら れて収納さ れる 引上げチ ヤ ン バ と を有す る 単結晶育成装置におい て、 引上げ中 の単結晶を取 り 囲 むよ う に前記メ イ ンチ ャ ン バ の 少な く と も 天井部か ら原料融液表面 に向か っ て延伸 し、 冷却媒体で 強制冷却 さ れる冷却筒 と、 該冷却筒 よ り 下方 に延伸 し、 円筒 ま たは 下方 に向 か っ て縮径さ れた形状の冷 却補助部材を有する こ と を特徴 と す る 単結晶育成装置。

2 . 前記冷却筒が、 鉄、 ニ ッ ケル、 ク ロ ム、 銅、 チタ ン、 モ リ ブ デ ン、 タ ン グス テ ン、 若 し く は こ れ ら の金属 を含む合金、 ま たは前 記金属若 し く は合金をチ タ ン、 モ リ ブデ ン、 タ ン グステ ン、 若 し く は 白 金族金属で被覆 して な る こ と を特徴 とす る請求項 1 に記載の単 結晶育成装置。

3 . 前記冷却補助部材が、 黒鉛、 モ リ ブデ ン、 ま たは タ ン ダス テ ンか ら な る こ と を特徴 と す る 請求項 1 ま たは請求項 2 に記載の単結 晶育成装置。

4 . 前記冷却補助部材に遮熱部材が設け ら れて い る こ と を特徴 と する 請求項 1 な い し請求項 3 の い ずれか 1 項 に記載の単結晶育成装

5 . 前記冷却筒の先端が、 ル ツボ内に満た された原料融液の表面 か ら 1 0 c m以上離れて い る こ と を特徴 と す る請求項 1 ない し請求 項 4 の いずれか 1 項に記載の単結晶育成装置。

6 . 前記冷却筒の外側に、 黒鉛ま たは金属 か ら な る保護部材が設 け ら れて い る こ と を特徴と す る請求項 1 ない し請求項 5 の い ずれか 1 項に記載の単結晶育成装置。

7 . 前記冷却筒の内側表面を、 黒化処理 し た こ と を特徴 と す る請 求項 1 ない し請求項 6 のいずれか 1 項に記載の単結晶育成装置。

8 . 請求項 1 な い し請求項 7 のい ずれか 1 項に 記載の単結晶育成 装置 を用 いて単結晶を育成する こ と を特徴と す る 単結晶の製造方法

9 . 請求項 1 ない し請求項 7 のい ずれか 1 項に記載の単結晶育成 装置を用いて育成 した こ と を特徴と す る単結晶。