明 細 書
硬化性樹脂組成物、 その製造方法、 及びそれを用いた塗装物 技術分野
本発明 ( i ) は、 特定のエポキシ化合物、 特定のアクリル樹脂、 及び、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒か らなる硬化性樹脂組成物、 その製造方法、 および該組成物を塗布、 硬化させてな る塗装物に関する。
本発明 (ii ) は、 脂環エポキシ基を有するエポキシ化合物、 エポキシ基含有ァ クリル樹脂、 及び熱活性化イオン重合触媒からなる車輛の塗装に使用される溶剤 系塗料組成物の関するものである。
本発明 (iii) は、 特定のイオン重合性を有するモノマー、 イオン重合性を有す る高分子化合物、 及び、 熱活性化イオン重合触媒からなる多層プリント配線板用 樹脂組成物、 および該組成物を硬化させてなる層間絶縁樹脂層を有する多層プリ ント配線板に関する。
本発明 (iv) は、 特定のエポキシ化合物及び、 熱活性化イオン重合触媒からな る硬化性樹脂組成物、 それを用いたカラーフィル夕保護膜、 カラーフィルタ、 及 び液晶表示装置に関する。
本発明 (V ) は、 特定のエポキシ化合物、 特定のォキセタン化合物、 及び、 熱 活性化イオン重合触媒からなる硬化性樹脂組成物、 又は、 さらに特定のアクリル 樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物、 並びに、 該組成物を塗布、 硬化させてなる 塗装物に関する。 背景技術
従来、 エポキシ化合物を紫外線や熱により短時間で架橋硬化させる方法として は、 イオン重合性組成物が知られている。 これらの組成物の塗膜物性を向上させ るために各種の化合物を併用する方法が検討されてきている。
このようなイオン硬化、 特にカチオン硬化の系は、 金属やプラスチックのコ一 ティングに用いることができ、 近年では、 金属缶やプラスチックフィルム被覆絞 り金属缶用の被覆用途に検討されている。
しかし、 これらのイオン触媒を配合した組成物は、 貯蔵安定性があまりよくな いためさまざまな手法が検討されている。 たとえば、 特開平 6— 73163号公報には、 有機ホスフィンをポリマーで粒子状に包んだマイクロカプセルにする方法が提案 されている。 またゼォライ卜のような空孔を有する化合物に吸着させて一液保存 性を達成する方法がある。 しかし、 これらの触媒系は、 後述する潜在性が不十分 であり、 不均一系であるため含浸などの方法に使えず用途が限定されてしまう。 また、 硬化樹脂が不均一になりやすいなどの欠点を有している。
一方、 酸触媒の活性を一時的に抑制し、 加熱硬化時にこれを開裂させることに より再び活性を示す、 熱潜在性触媒を用いる方法が広く検討されている。 このよ うな潜在性触媒としては、 たとえば、 特公昭 5 2— 7 7 0号公報に、 酸一塩基の 中和反応を利用し活性プロトンをブロックしたものや、 アルコール類とのエステ ル化反応を利用して活性プロトンをブロックしたものが知られている。 また、 特 開昭 6 2— 1 9 2 4 2 7号公報に、 ォニゥム塩の熱分解によって活性なベンジル カチオンを生成する熱潜在性触媒としてべンジルスルホニゥム塩型やベンジルピ リジニゥム塩型のものが知られている。
さらに、 市販されている熱潜在性触媒としては、 ルイス酸である三弗化ホウ素 モノェチルアミン錯体、 三弗化ホウ素ピリジニゥム錯体が挙げられる。
しかし、 酸—塩基の中和反応を利用したものや、 酸とアルコール類とのエステ ル化反応を利用したものでは、 適度な解離温度と触媒自身の熱安定性とを両立さ せた熱潜在性酸触媒を得ることが困難である。 また、 ベンジルスルホニゥム塩型 やべンジルピリジニゥム塩型ものものは、 比較的貯蔵安定性に優れるものの十分 ではなく、 特に反応性の高い脂環式エポキシ類に用いると貯蔵安定性が悪い。 このように、 エポキシ樹脂の硬化触媒に関しては、 従来の触媒を用いた場合に は、 触媒を硬化性樹脂成分としてのエポキシ樹脂に混合した直後から、 室温であ
つても反応が徐々に進行する。 そのため、 エポキシ樹脂組成物は、 保存期間が限 定されてしまい、 その期間内に使用してしまわなければならない。
一方、'カチオン重合性ビニル化合物のカチオン重合触媒に関しては、 従来より B F 3などルイス酸類が知られているが、 こうした重合触媒は、 室温程度の温度で も反応が生じて貯蔵安定性が極めて悪い。 また、 重合反応がうまく制御できず得 られた樹脂の重合度も小さい。 ビニル化合物を重合させるには、 適切な溶媒に溶 解したモノマーを所定の極低温まで冷却した後、 触媒を投入して重合させる。 し かし、 重合反応を極低温で行うには操作が煩雑であり、 費用もかかる。
また、 従来の触媒を使用すると、 本発明 ( i ) 〜 (V ) で使用するエポキシ化 合物やアクリル樹脂の硬化がイオン反応により起こるため、 反応後にイオン性触 媒が硬化樹脂中に残存し、 樹脂の電気絶縁性を大きく低下させるという問題点が ある。
また、 自動車等の車輛塗装は、 金属やプラスチックの外板に、 カチオン電着塗 料、 中塗塗料を塗装し、 上塗塗料として、 不透明着色塗料、 透明着色塗料及びク リャ塗料を塗装する。 車輛は、 屋外に放置されると、 夏期に 5 0〜7 0 °C程度に なり、 塗膜が軟化して、 劣化されやすくなる。 従って、 特に上塗り塗膜には、 耐 熱性、 耐汚染性、 耐擦傷性等が要求される。
上記上塗り塗料、 特にクリャ塗料としては、 水酸基含有アクリル樹脂とメラミ ン樹脂からなる溶剤系塗料組成物が使用されているが、 その塗膜は、 耐候性およ び仕上り外観は良いが、 耐酸性雨性が十分ではない。
耐酸性雨性を改良した塗料として、 カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有 樹脂とを主成分とする溶剤系塗料 (酸エポキシ型塗料) が使用されているが、 耐 汚染性が劣っており、 また、 土砂、 排気成分、 動植物に起因する汚染物質、 鉄粉 等が付着、 浸透したりして汚染されやすい。
一方、 エポキシ化合物を紫外線や熱により短時間で架橋硬化させる方法として は、 イオン重合性組成物が知られている。
しかし、 これらのイオン触媒を配合した組成物は、 貯蔵安定性があまりよくな
いために、 上記において詳細に説明した如く、 さまざまな方法が検討されている が、 未だ十分満足すべきものは見当たらない。
また近年、 電子 ·情報技術の進歩に伴い大型コンピューターなどの電子機器に 対する高密度化あるいは演算機能の高速化が進められている。 その結果、 プリン 卜配線板においても高密度化を目的として、 配線回路が多層に形成された多層プ リント配線板が脚光を浴びてきた。
多層プリント配線板は、 電子機器の小型化、 多機能化が進み、 更に高密度化の 方向に移行している。 即ち、 回路の細線化、 バイァホール (ビアホールともい う。 ) の小径化、 薄型化、 高多層化等の方向に進んでいる。
従来、 多層プリント配線板の製造においては、 回路作製された内層回路基板上 に、 ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸して半硬化させたプリプレダシート を 1枚以上重ね、 更にその上に銅箔を重ねて、 熱盤プレスにより加熱一体成形す るという工程を経ている。 しかし、 この工程では含浸樹脂を熱により再流動させ て一定圧力下で硬化させるため、 均一に硬化成形するには 1〜1 . 5時間は必要 であり、 製造工程が長くかかるが、 その上、 多層積層プレス及びガラスクロスプ リプレダのコス卜等により高コス卜となっている。 加えてガラスクロスに樹脂を 含浸させる方法のため層間厚の極薄化も困難であった。
近年、 これらの問題を解決するため、 熱盤プレスによる加熱加圧成形を行わず、 層間絶縁材料にガラスクロスを用いない、 ビルドアップ方式による多層プリント 配線板の技術が改めて注目されている。
一般に層間絶縁層である接着剤のフィルム化や巻物化の手法としては、 ゴム系 化合物やポリビニルプチラール、 フエノキシ樹脂、 ポリエステル樹脂などを配合 しているが、 これらの成分は多層プリント配線板としての熱的性能を著しく低下 させる。
ビルドアップ方式による多層プリント配線板において、 銅箔の粗面化面に絶縁 樹脂層を形成した銅張絶縁シートを用いた場合や、 ガラスクロス基材にエポキシ 樹脂を含浸して半硬化させたプリプレダシートの代わりに、 フィルム状の層間絶
縁樹脂層を用いた場合、 プリプレダで層間絶縁樹脂層を形成する方法と比べて作 業効率が著しく向上する。
しかし、 この方法では、 内層回路板の絶縁基板と回路との段差部分にある空気 を完全に除去することができず、 この空隙が絶縁不良やハンダ耐熱性悪化の原因 となり、 また、 層間剥離が生じることもあり問題となっている。
それを防止するためには、 減圧の環境下でラミネートを行わねばならず、 特殊 な設備が必要になってくる。 また、 ラミネートした絶縁層が内層回路基板の絶縁 基板と回路との段差に追従するため、 表面平滑性が得られず、 部品実装時にハン ダ付け不良等が発生したり、 エッチングレジスト形成工程でレジストの剥離、 パ ターン現像度低下が発生して安定したレジスト形成ができない等の問題もあった。 また、 層間の導通を担う表面バイァホールが必要となってきており表面バイァ ホールはメカニカルドリルで加工すると、 直径約 3 0 0 mのホール加工が限界 であり、 それ以下になると穴位置精度、 ドリル寿命などの問題がでてくる。
従来のように、 ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸してプリプレダを作成 し、 プレスによって加熱加圧硬化を行い、 メカニカルドリルにて表面バイァホー ルを形成する方法では、 ガラスクロスを使用するために、 高コストであることや、 極薄化できない問題、 メカニカルドリルで表面バイァホールを形成するため、 フ アイン化できない問題などがある。
これらの問題を解決するためには、 パターニングされた内層材の両面又は片面 に、 ガラスクロスを含まない感光性の層間絶縁樹脂層を形成し、 フォトイメージ ングにより微細な表面バイァホールを形成し、 その後にパネルメツキして回路を エッチングにより形成するフォトビルドアップ法が必要となってくる。 そのため、 該感光性層間絶縁樹脂は、 写真法による現像性に優れ、 かつアディティブ接着剤 としての機能を持ち合わさなくてはならない。
一般に民生用途の基板製造のためのアディティブ法では、 熱硬化型のアディテ イブ接着剤が多く使用されており、 例えば特公昭 6 3 - 1 0 7 5 2号公報、 特開 昭 6 3— 2 9 7 5 7 1号公報、 特開昭 6 4— 4 7 0 9 5公報、 特開平 3— 1 8 0
9 6号公報などのように、 接着剤層を酸化剤により粗化するものが挙げられ、 そ の内容はァクリロニ小リルブタジエンゴム等のゴム成分を含み、 酸化剤としてク ロム一硫酸水溶液でゴム成分を溶出し、 接着剤表面を粗化するものであった。 又、 エポキシ樹脂、 フエノール樹脂、 メラミン樹脂等の耐熱性に優れた樹脂マ トリクス中に、 シリカや炭酸カルシウム等の無機質微粉末を分散させて接着剤と し、 該無機質微粉末を特定の薬品にて選択的に溶出させることにより、 接着剤層 の粗化を行う方法ゃ特開平 1一 2 9 4 7 9号公報に記載されているように、 ェポ キシ樹脂マトリクス中に酸化剤に対する溶解性の異なる硬化したエポキシ樹脂微 粉末を分散させ、 酸化剤によって該エポキシ樹脂微粉末を選択的に溶出する方法 等がある。
しかし、 このような熱硬化型アディティブ接着剤を使用した場合、 フォトィメ —ジングによる表面バイァホールの形成はできなかった。 それに対し、 マトリク スにエポキシ樹脂を使用し、 その硬化剤にカチオン光開始剤を用いる方法や、 マ トリクスにフエノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型ェ ポキシ樹脂のァクリレー卜変性物を使用する方法により表面バイァホールをフォ トイメージングにより形成する手段があるが、 超高密度化と高速化に適合し、 さ らに高い信頼性が要求されるため、 より高感度、 高解像度が求められ、 低誘電率、 高耐熱性、 低線膨張係数などに優れた材料である必要があるが、 未だ十分な材料 は見出されていない。
近年、 エキシマレーザーや炭酸ガスレーザーで加工すると、 約 5 0 mの穴明 けが可能となるレーザー · ビア法が検討される。 その組成物は、 種々検討されて おり、 例えばカチオン重合性組成物が知られている。 これらの組成物の塗膜物性 を向上させるために各種の化合物を併用する方法が検討されてきている。
しかし、 これらのイオン触媒を配合した組成物は、 貯蔵安定性があまりよくな いため、 上記において詳細に説明した如く、 さまざまな方法が検討されているが、 未だ十分満足すべきものは見当たらない。
更に最近、 カラー液晶表示素子は、 コンピューター表示装置、 電話や G P S等
の情報機器、 家電製品等に広く使用されている。
カラー液晶表示素子は、 例えば、 ガラス等の透明基板上に色分解用カラーフィ ルタを設け、 この上に透明電極としてインジウムスズォキシド等の透明導電薄膜 を蒸着し、 フォトリ トグラフィ一法によって、 パターニングして透明電極を形成 した後、 液晶配向膜を設け、 さらにこの上に液晶を配置して製造される。
上記カラーフィル夕の構成は、 例えば、 透明基板上に画素を形成させ、 その上 に、 透明電極を設け、 画素面上を平坦化したりまた画素からの不純物溶出を防ぐ ために画素上に保護膜 (オーバ一コート層ともいう) を形成させた後、 その上に 透明導電薄膜を蒸着して、 フォトリ トグラフィ一法で透明電極を形成することか らなる。 したがって、 熱的、 化学的耐久性が要求されるために、 透明導電薄膜を 蒸着する前にカラーフィル夕上に保護膜を形成しておく必要がある。
上記カラーフィル夕保護膜に要求される特性としては、 透明性、 熱的、 化学的 耐久性、 透明基板やカラーフィル夕との密着性、 膜薄性、 コーティング性、 平坦 性、 硬度等が挙げられる。 保護膜上に透明電極を蒸着し、 後処理して形成する際 に、 保護膜表面が、 最高 3 0 0 °C程度まで加熱されるため、 耐熱性ゃ耐着色性が 必要である。
このようなコーティング用材料としては、 特開平 4— 2 0 2 4 1 8号公報には ポリグリシジル (メタ) ァクリレート系樹脂が開示され、 特開昭 6 3 - 1 3 1 1 0 3号公報記載にはメラミン樹脂、 エポキシ樹脂、 ポリイミド樹脂等が開示され、 特開平 1 1— 3 5 6 6 0号公報には特定の脂環エポキシアクリルエステルを 5 0 %以上含む重合体と硬化剤と官能性シランカップリング剤からなる組成物が開示 されている。 しかし、 これらのコーティング用材料は、 保存安定性を含めて、 種 々の要求特性を満足するものではなかった。
一方、 エポキシ化合物を紫外線や熱により短時間で架橋硬化させる方法として は、 イオン重合性組成物が知られている。 これらの組成物の塗膜物性を向上させ るために各種の化合物を併用する方法が検討されてきている。
このようなイオン硬化、 特にカチオン硬化の系は、 金属やプラスチック等のコ
—ティングに用いることができ、 最近では、 上記カラーフィル夕保護膜等の用途 に検討されている。
しかし、 これらのイオン触媒を配合した組成物は、 貯蔵安定性があまりよくな いために、 上記において詳細に説明した如く、 さまざまな方法が検討されている が、 未だ十分満足すべきものは見当たらない。
更にまた、 従来、 エポキシ化合物を紫外線等の活性エネルギー線や熱により短 時間で架橋硬化させる方法としては、 ラジカル重合技術ゃカチオン重合技術等が 実用化されている。
活性エネルギー線によるカチオン重合技術は、 空気中の酸素により重合が阻害 されないので、 不活性ガス雰囲気下で実施しなければならないという制限はなく、 空気中で速やかに完全な重合を行うことができる利点を有している。 今日では、 カチオン重合技術は、 エポキシ樹脂及びビニルエーテルという 2種類のモノマ一 の重合に特化していた。 特に、 光硬化型エポキシ樹脂は、 接着性に優れ、 その硬 化膜は、 耐熱性、 耐薬品性が良好である。 しかし、 従来のエポキシ樹脂は、 ァク リル酸誘導体などのラジカル重合で硬化する樹脂に比べて重合速度が遅く、 これ らを用いた製品の製造効率に問題があった。 一方、 ビニルエーテルは、 揮発性が あったり、 臭気の強いものが多く、 エポキシ樹脂と比較すると硬化時に収縮が見 られたり、 密着性が低く、 耐水性、 耐加水分解性が十分でない問題点があった。 熱によるカチオン重合技術は、 カチオン重合触媒を使用するが、 カチオン重合 触媒として、 酸触媒の活性を一時的に抑制し、 加熱硬化時にこれを開裂させるこ とにより再び活性を示す、 熱潜在性触媒を用いる方法が広く検討されている。 また、 これらの組成物の塗膜物性を向上させるために各種の化合物を併用する 方法が検討されてきている。
このようなイオン硬化、 特にカチオン硬化の系は、 金属やプラスチックのコー ティングに用いることができ、 近年では、 金属缶やプラスチックフィルム被覆絞 り金属缶用の被覆用途に検討されている。
このような潜在性触媒としては、 上記において詳細に説明した如く、 さまざま
な方法が検討されているが、 未だ十分満足すべきものは見当たらない。
一方、 J. M. S. -PURE APPL. CHEM. , A32 (10) , PP. 1699- 1707 (1995)などに記載さ れているようにォキセタンは、 単独のカチオン重合性は、 遅いが、 脂環エポキシ などを併用することで初期の反応性を大きく改善することができる。 これは、 ェ ポキシの単独のカチオン重合性よりも良好であり、 ォキセタンとエポキシの併用 は、 速硬化の面から極めて有用である。 本発明 ( i ) 及び (ii ) は、 室温より高い所定の温度以上で速やかに硬化し、 室温程度では、 硬化が余り進行せずまたは進行しない、 保存安定性に優れた塗料 用の硬化性樹脂組成物、 その製造方法、 およびそれを使用し、 耐熱性、 耐汚染性、 汚染物質除去性、 又は耐擦傷性等に優れた塗装物を提供するものである。
本発明 (iii) は、 所定の温度以上で速やかに硬化し、 室温程度では、 保存安定 性に優れ、 硬化後の体積抵抗率の温度依存性が小さく、 レーザービアに最適なビ ルドアップ用の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物及び多層プリント配線板を 提供するものである。 ,
本発明 (iv) は、 所定の温度以上で速やかに硬化し、 室温程度では、 保存安定 性に優れ、 硬化後の樹脂の電気絶縁性を大きく低下させることのない硬化性樹脂 組成物、 それを用いた透明性、 熱的、 化学的耐久性、 透明基板やカラーフィル夕 との密着性、 膜薄性、 コーティング性、 平坦性、 又は硬度等に優れたカラーフィ ル夕保護膜、 該カラーフィル夕保護膜を設けたカラーフィルタ、 及び該カラーフ ィル夕を有する液晶表示装置を提供するものである。
本発明 (V ) は、 所定の温度以上で速やかに硬化し、 室温程度では、 保存安定 性に優れ、 また初期の反応性が改善された塗料用の硬化性樹脂組成物、 その製造 方法、 及び該硬化性樹脂組成物を用いた塗装物を提供するものである。 発明の開示
本発明者らは、 特定のエポキシ化合物と官能基を有するアクリル樹脂、 及び、
加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な特殊な熱活性化ィォ ン重合触媒からなる硬化性樹脂組成物を使用することにより、 かかる問題点を解 決しうることを見い出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第 1は、 イオン重合性を有し、 25°Cにおける粘度が 1, 0 00 c P以下のエポキシ化合物 ( i-1) 、 イオン重合性の官能基を有するァクリ ル樹脂 ( i-2) 、 及び、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可 能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 2は、 エポキシ化合物 ( i- 1) 力 1分子中に 1〜 2個のエポキシ 基を持ち、 該エポキシ基のうち少なくとも 1個は、 脂環エポキシ基である本発明 の第 1に記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 3は、 アクリル樹脂 ( i- 2) 、 水酸基、 並びに、 グリシジル基及 び Z又は脂環エポキシ基を有する本発明の第 1又は 2に記載の硬化性樹脂組成物 を提供する。
本発明の第 4は、 熱活性化イオン重合触媒 ( 3 ) 力 カチオン重合触媒 (3 ' ) 及び金属化合物 (3" ) の群から選ばれる少なくとも 1種を含有するこ とを特徴とする本発明の第 1〜 3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を提供す る。
本発明の第 5は、 カチオン重合触媒 (3 ' ) は、 炭素数が 10以上の置換もし くは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭 化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する化合物であることを特 徴とする本発明の第 4に記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 6は、 カチオン重合触媒 (3 ' ) は、 下記一般式 (I一 1) で表さ れるスルホニゥム塩、 一般式 ( I一 2) で表されるョードニゥム塩、 一般式 (1 -3) で表される鉄芳香族化合物、 一般式 (I一 4) で表される有機ケィ素 化合物、 および一般式 (I一 5) で表される化合物からなる群から選択される少 なくとも 1種である本発明の第 4〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を提 供する。
0
R 11 _ ^_R12 X (I-2)
(上記一般式中、 R1' R12および R13は、 同一でも異なっていてもよく、 それ ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する。 Xは S b F6、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基で置換され たこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C 104、 ハロゲン原子、 R1— C 00、 R2— S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで、 R1および R2は、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換 されていてもよいアルキル基もしくはフエ二ル基を示す。 )
(上記一般式中、 R
14、 R'
5、 R
16、 R
17は同一でも異なっていてもよく、 それ
ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する。 p、 Qお よび rは 0〜3の整数で、 p + q + rは 3以下である。 )
(上記一般式中、 A r 1は置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基であ り、 R 1 8は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複 素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素 基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する環状 有機構造を分子内に 1つ以上有する。 kは 1ないし 7の整数、 nは 1ないし 7の 整数をそれぞれ示す。 )
本発明の第 7は、 金属化合物 (3 " ) は、 下記一般式 (I I一 1 ) で表される化 合物、 (I I一 2 ) で表される化合物、 および (I I一 3 ) で表される化合物からな る群から選択される少なくとも 1種である本発明の第 4〜 6のいずれかに記載の 硬化性樹脂組成物を提供する。
(上記一般式中、 R21、 R22、 R23および R24は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜 30の置換もしくは非置換の炭化水素基である。 ただし、 1つの配位子中において R21、 R22、 R23および R24の炭素数が 10以 上であるものを少なくとも 1つ以上含むものとする。 Mは、 A l、 T i、 C r、 Mn、 F e、 Co、 N i、 Cu、 Z r、 Z n、 B a、 C a、 Ce、 Pb、 Mg、 S nおよび Vからなる群から選択され、 nは 2〜4の整数である。 )
本発明の第 8は、 熱活性化イオン重合触媒 (3) 力 金属化合物 (3" ) と、 ケィ素原子に直接結合した水酸基を有するオルガノシラン、 ケィ素原子に直接結 合した水酸基を有するオルガノシロキサン、 フエノール化合物、 ケィ素原子に直
接結合した加水分解性基を有する有機ケィ素化合物、 および光照射によりシラノ ールを発生することが可能なケィ素化合物からなる群から選択される少なくとも 1種とを含有することを特徴とする本発明の第 1〜 7のいずれかに記載の硬化性 樹脂組成物を提供する。
本発明の第 9は、 熱活性化イオン重合触媒 (3) が、 下記一般式 (III一 1' ) 及び (III一 2) で表わされる化合物からなる群から選択された少なくとも 1種の 化合物を含有することを特徴とする本発明の第 1〜 3のいずれかに記載の硬化性 樹脂組成物を提供する。
(lil-V)
R1—— P- -R、
(上記一般式(III— 1 ' )中、 R'、 R2、 R3は、 同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以 上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1 つ以上有する。 )
(上記一般式 (III— 2) 中、 R32、 R33、 R34およびは R35同一でも異なってい てもよく、 それぞれ水素原子または炭素数 1〜 30の置換もしくは非置換の炭化 水素基である。 ただし、 R32、 R33、 R34および R35の少なくとも 2つは、 炭素 数 10以上の炭化水素基である。 )
本発明の第 10は、 熱活性化イオン重合触媒 (3) 、 下記一般式 (III一 1) 及び (III一 2) で表わされる化合物からなる群から選択された少なくとも 1種を 含有することを特徴とする本発明の第 1〜 3のいずれかに記載の樹脂組成物を提 供する。
(上記一般式 (III—1) 中、 R31は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素 原子あるいは炭素数 1〜 30の置換もしくは非置換の炭化水素基である。 ただし、 1分子中の少なくとも 1つの R31は、 炭素数が 10以上である。 h, iおよび j は、 h + i + j = 3を満たす整数であり、 mは 1〜5の整数である。 )
(上記一般式 (III— 2) 中、 R32、 R33、 R34およびは R3S同一でも異なってい てもよく、 それぞれ水素原子または炭素数 1〜 30の置換もしくは非置換の炭化 水素基である。 ただし、 R32、 R33、 R34および R35の少なくとも 2つは、 炭素 数 10以上の炭化水素基である。 )
本発明の第 11は、 前記一般式 (III一 1) で表される化合物は、 以下に示す群
から選択される少なくとも 1種であることを特徴とする本発明の第 1 0に記載の 硬化性樹脂組成物を提供する。
( )) ~~ 0-fcH2 i7CH;
本発明の第 12は、 前記一般式 (III一 2) で表される化合物は、 以下に示す群 から選択される少なくとも 1種である本発明の第 9または 10に記載の硬化性樹 脂組成物を提供する。
_nC
n2H250CH
2 CH
2OnC
2H25
HN^N
nC18H37OCH2 CH2OH
NH丫 N
C17H35
8H37
本発明の第 13は、 缶コーティングに使用される本発明の第 1〜12のいずれ かに記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 14は、 本発明の第 1〜 12のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物 中のイオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂 ( i- 2) を、 エポキシ化合 物 ( i-1) 中でアクリル樹脂 ( i- 2) を構成するモノマーを重合することによ り、 揮発性溶剤の無い状態で製造することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造
方法を提供する。
本発明の第 15は、 本発明の第 1〜 12のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物 を基板に塗布し、 硬化してなる塗装物を提供する。
本発明の第 16は、 1分子中に脂環エポキシ基を 2個以上有し、 数平均分子量 が 2, 000以下のエポキシ化合物 (ii-1) 、 数平均分子量が 2, 000〜50, 000、 水酸基価が 10〜250mgKOHZg、 およびエポキシ当量が 300 以下であるエポキシ基含有アクリル樹脂 (ii- 2) 、 並びに、 加熱、 冷却によって それぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる 溶剤系塗料組成物を提供する。
本発明の第 17は、 エポキシ基含有アクリル樹脂 (ii- 2) のエポキシ基が脂環 エポキシ基またはグリシジル (メタ) ァクリレート由来のエポキシ基である本発 明の第 16に記載の溶剤系塗料組成物を提供する。
本発明の第 18は、 エポキシ化合物 (ii- 1) 力 さらにビスフエノール型ェポ キシ樹脂、 ノポラック型エポキシ樹脂、 及びそれらの臭素化物型エポキシ樹脂か ら選ばれる少なくとも 1種を含有する本発明の第 16又は 1 7に記載の溶剤系塗 料組成物を提供する。
本発明の第 19は、 エポキシ化合物 (ii-1) とエポキシ基含有アクリル樹脂 (ii- 2) からなる樹脂組成物のォキシラン酸素濃度が 5〜 1 1重量%である本発 明の第 16〜18のいずれかに記載の溶剤系塗料組成物を提供する。
本発明の第 20は、 熱活性化イオン重合触媒(3)力 本発明の 4〜 12に記載 された触媒であることを特徴とする本発明の第 16〜19のいずれかに記載の溶 剤系塗料組成物を提供する。
本発明の第 2 1は、 車輛の塗装に使用される本発明の第 16〜20のいずれか に記載の溶剤系塗料脂組成物を提供する。
本発明の第 22は、 本発明の第 16〜20のいずれかに記載の溶剤系塗料組成 物を、 基板に塗装し、 硬化してなる塗装物を提供する。
本発明の第 23は、 少なくとも 1個以上のイオン重合性を有する官能基を有す
るモノマー (iii-l) 、 少なくとも 1個以上のイオン重合性を有する官能基を有す る高分子化合物 (m-2) 、 及び、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行う ことが可能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる多層プリント配線板用絶縁 樹脂組成物を提供する。
本発明の第 24は、 モノマー (iii-l) が、 粘度し 000 c P/25°C以下で あり、 1分子中に 1〜2個のエポキシ基を持ち、 該エポキシ基のうち少なくとも 1個は、 脂環エポキシ基である本発明の第 23に記載の多層プリント配線板用絶 縁樹脂組成物を提供する。
本発明の第 25は、 高分子化合物 (iii- 2) が、 脂環エポキシ基を有することを 特徴とする本発明の第 23又は 24に記載の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成 物を提供する。
本発明の第 26は、 高分子化合物 (iii- 2) が、 モノマー (iii-l) 中で重合さ れた、 3, 4 _エポキシシクロへキシルメチル (メタ) ァクリレートを含むァク リル樹脂であることを特徴とする本発明の第 23〜25のいずれかに記載の多層 プリン卜配線板用絶縁樹脂組成物を提供する。
本発明の第 27は、 熱活性化イオン重合触媒(3)力 本発明の 4〜12に記載 された触媒であることを特徴とする本発明の第 23〜26のいずれかに記載の多 層プリン卜配線板用絶縁樹脂組成物を提供する。
本発明の第 28は、 本発明の第 23〜27に記載の多層プリント配線板用絶縁 樹脂組成物を基板に塗布し、 硬化させてなる層間絶縁樹脂層を有する多層プリン ト配線板を提供する。
本発明の第 29は、 イオン重合性を有するエポキシ樹脂 (iv- 1) 及び加熱、 冷 却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒
(3) からなる硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 30は、 エポキシ樹脂 (iv-1) が、 多官能性エポキシ樹脂であり、 エポキシ基のうち少なくとも 1個は、 脂環エポキシ基である本発明の第 29に記 載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 31は、 熱活性化イオン重合触媒(3)が、 本発明の 4〜12に記載 された触媒であることを特徴とする本発明の 29または 30に記載の硬化性樹脂 組成物を提供する。
本発明の第 32は、 本発明の第 29〜3 1のいずれかに記載の硬化性樹脂組成 物を基板に塗布し、 硬化させてなる塗膜を有するカラーフィル夕保護膜を提供す る。
本発明の第 33は、 本発明の第 32に記載のカラーフィル夕保護膜を用いた力 ラーフィル夕を提供する。
本発明の第 34は、 本発明の第 33に記載のカラ一フィル夕を用いた液晶表示 装置を提供する。
本発明の第 35は、 イオン重合性を有し、 25°Cにおける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物 (V- 1) 、 1分子中に 1〜 6個のォキセタン環を有する ォキセタン化合物 (v-4) 、 及び、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行 うことが可能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる硬化性樹脂組成物を提供 する。
本発明の第 36は、 イオン重合性を有し、 25でにおける粘度が 1 , 000 c P以下のエポキシ化合物 (V- 1) 、 イオン重合性の官能墓を有するアクリル樹脂 (V- 2 ) 、 1分子中に 1〜6個のォキセタン環を有するォキセタン化合物 (v-4) 、 及び加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活 性化イオン重合触媒 (3) からなる硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 37は、 エポキシ化合物 (v-1) 力 1分子中に 1〜4個のェポキ シ基を持ち、 該エポキシ基のうち少なくとも 1個は、 脂環エポキシ基である本発 明の第 35又は 36に記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 38は、 エポキシ化合物 (V- 1) が、 さらにビスフエノール型ェポ キシ樹脂、 ノポラック型エポキシ樹脂、 及びそれらの臭素化物型エポキシ樹脂か ら選ばれる少なくとも 1種を含有する本発明の第 35〜37のいずれかに記載の 硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 39は、 アクリル樹脂 (V- 2) 力 水酸基、 並びに、 グリシジル基 及びノ又は脂環エポキシ基を有する本発明の第 36〜38のいずれかに記載の硬 化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 40は、 熱活性化イオン重合触媒(3)が、 本発明の 4〜12に記載 された触媒であることを特徴とする本発明の第 35〜39のいずれかに記載の硬 化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 41は、 缶コーティングに使用される本発明の第 35〜40のいず れかに記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の第 42は、 本発明の第 35〜40のいずれかに記載の硬化性樹脂組成 物を基板に塗布し、 硬化してなる塗装物を提供する。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
[U. 発明 (i) に係わる実施の形態
本発明 ( i ) に係わる硬化性樹脂組成物は、 イオン重合性を有し、 25でにお ける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物 ( i-1) 、 及びイオン種と反応 する官能基を有するアクリル樹脂 ( i_2) 、 並びに、 加熱冷却によって溶解、 析 出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる。
上記イオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂 ( i- 2) は、 水酸基、 並 びに、 ダリシジル基及び Z又は脂環エポキシ基を有する。
以後、 加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触 媒 (3) を、 硬化触媒 (3) とも称する。
硬化触媒 (3) には、 第 1の硬化触媒と第 2の硬化触媒の 2種類がある。
第 1の硬化触媒 (3) は、 カチオン重合触媒 (3 ' ) 及び金属化合物 (3" ) の群から選ばれる少なくとも 1種の成分を含有し、 硬化触媒 (3) の成分のうち 少なくとも 1種は、 加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可能である。
カチオン重合触媒 (3' ) は、 下記一般式 (I一 1) で表されるスルホニゥム
塩、 一般式 (I一 2) で表されるョードニゥム塩、 一般式 (1—3) で表される 鉄芳香族化合物、 一般式 (I一 4) で表される有機ケィ素化合物、 および一般式 ( I 一 5) で表される化合物からなる群から選択される。 また金属化合物 (3" ) は下記一般式 (Π— 1) 〜 (II一 3) で表される化合物からなる群から 選択される。
Θ θ
R -R 12 X (Ι-2)
(上記一般式中、 R''、 R12および R13は、 同一でも異なっていてもよく、 それ ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する。 Xは S b F6、 As Fs、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基で置換され たこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C 1〇4、 ハロゲン原子、 R1— C 00、 R2— S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで、 R1および R2は、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換 されていてもよいアルキル基もしくはフエ二ル基を示す。 )
R
(上記一般式中、 R ' 4、 R 1 5、 R 1 6、 R 1 7は同一でも異なっていてもよく、 それ ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する。 p、 Qお よび rは 0〜3の整数で、 p + Q + rは 3以下である。 )
( R18¾r ArHoH)n (I-5)
(上記一般式中、 A r 'は置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基であ り、 R 1 8は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複 素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素 基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する環状 有機構造を分子内に 1つ以上有する。 kは 1ないし 7の整数、 nは 1ないし 7の 整数をそれぞれ示す。 )
(上記一般式中、 R21、 R22、 R23および R24は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基である。 ただし、 1つの配位子中において R2'、 R22、 R23および R24の炭素数が 10以 上であるものを少なくとも 1つ以上含むものとする。 Mは、 Aし T i、 C r、 Mn、 F e、 Co、 N i、 Cu、 Z r、 Z n、 B a、 C a、 Ce、 Pb、 Mg、 S nおよび Vからなる群から選択され、 nは 2〜4の整数である。 )
第 2の硬化触媒 (3) は、 一般式 (ΙΠ_ 1 ' ) 、 (III- 1) 及び (III一 2) で表わされる化合物からなる群から選択された少なくとも 1種の化合物を含有し、 硬化触媒 (3) の成分のうち少なくとも 1種は、 加熱冷却によって溶解、 析出を
行うことが可能である。
1. エポキシ化合物 ( i- 1)
本発明 ( i ) において使用するエポキシ化合物 ( i- 1) は、 イオン重合性を有 し、 25°Cにおける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物である。
エポキシ化合物 ( i- 1) は、 イオン重合性、 粘度等を考慮すると、 分子内に脂 環エポキシを 1個以上、 好ましくは 2〜 3個持ち、 数平均分子量が 2, 000以 下、 好ましくは約 100〜 1, 500の化合物であり、 エポキシ当量が 30〜 1 000、 特に 80〜400のものが好ましい。
エポキシ化合物 ( i-1) としては、 グリシジルエーテル、 グリシジルエステル などの末端エポキシを持つ化合物、 内部エポキシを持つ化合物、 脂環エポキシ基 を持つ化合物が挙げられる。
エポキシ化合物 ( i-1) は、 具体的には、 CEL— 2021 P (3, 4—ェポ キシシクロへキシルメチル 3 ' , 4 ' —エポキシシクロへキサンカルボキシレー ト、 エポキシ当量 128〜 140、 粘度 200〜350 c P/25 ) 、 CEL - 2021 A (3, 4 _エポキシシクロへキシルメチル 3 ' 4, —エポキシシク 口へキサンカルポキシレー卜、 エポキシ当量 130〜 145、 粘度 200〜45 0 c P/25°C) 、 CEL— 2000 (1—ビニル— 3, 4 _エポキシシクロへ キサン、 1. 5 c PZ25°C) 、 CEL— 3000 (1, 2, 8, 9—ジェポキ シリモネン、 エポキシ当量 93. 5以下、 粘度 5〜20 c P/25 ) 、 エボリ —ド GT— 300、 GT— 400シリーズ (テトラヒドロフタル酸テトラヒドロ ベンジルアルコールモノエステルのエポキシ化物、 ε—力プロラクトン変性テト ラヒドロフタル酸テトラヒドロべンジルアルコールモノエステルのエポキシ化 物) (以上ダイセル化学工業製) が挙げられる。
また、 デナコール ΕΧ— 421、 201 (レゾルシンジグリシジルエーテル) 、 21 1 (ネオペンチルダリコールジグリシジルエーテル) 、 91 1 (プロピレン グリコールジグリシジルエーテル) 、 701 (アジピン酸ジグリシジルエステ ル) (以上、 ナガセ化成工業製) が挙げられる。
また、 その他、 ジシクロペン夕ジェンジオキサイド、 ビス (2, 3—エポキシ シクロペンチル) エーテル、 エポキシシクロへキセンカルボン酸エチレングリコ 一ルジェステル、 ビス (3, 4—エポキシシクロへキシルメチル) アジペート、 ビス (4, 5—エポキシ一 2—メチルシクロへキシルメチル) アジペート、 ェチ レングリコール—ビス (3, 4—エポキシシクロへキサンカルボキシレート) 、 1, 2 , 5, 6—ジエポキシ一 4, 7—メタノベルヒドロインデン、 2 _ (3, 4一エポキシシクロへキシル) 一 3' , 4 ' —エポキシ一 1, 3—ジォキサン— 5—スピロシクロへキサン、 1, 2 _エチレンジォキシ一ビス (3, 4—ェポキ シシクロへキシルメタン) 、 ジ— 2, 3—エポキシシクロペンチルエーテルなど が挙げられる。
さらに、 エポキシ化合物 ( i-i) には、 イオン重合性を持つ化合物であるビ ニルエーテルや、 ォキセタンなどを併用することができる。 これらビニルエーテ ルゃ、 ォキセタンを配合する場合は、 上記エポキシ化合物 ( i-i) とアクリル樹 脂 ( i- 2) とビニルエーテルやォキセタンとの合計 100重量%に対して 30重 量%以下にすることが望ましい。
エポキシ化合物 ( i_i) とアクリル樹脂 ( i- 2) からなる樹脂組成物中のこ れらエポキシ基を持つ化合物の比率は、 20〜90重量%、 好ましくは、 40〜 80重量%でぁる。
また、 エポキシ化合物 ( i-1) としては、 エポキシ基及び反応性珪素基を分 子中に有する樹脂、 又はエポキシ基含有樹脂及び反応性珪素基含有樹脂の混合樹 脂も使用することができる。 反応性珪素基とは、 珪素原子に水酸基が直接結合し た基であるシラノール基、 又は珪素原子に加水分解性基が直接結合した基 (加水 分解によりシラノール基を生じる基) をいう。 珪素原子に直接結合する加水分解 性基としては、 例えば、 アルキル基の炭素数 1〜 5、 好ましくは炭素数 1〜3で ある、 アルコキシル基、 ァシロキシ基、 及びケトォキシム基等が挙げられる。 上 記加水分解性基の好ましい具体例としては、 例えば、 メトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基等のアルコキシル基;ァセトキシ基、 プロピオニルォキシ基等のァ
シロキシ基、 ァセトキシム基、 プロピオ二ルォキシム基等のケトォキシム基等が 挙げられる。 これらの加水分解性基の中でも、 特に、 貯蔵安定性及び低温硬化性 に優れた効果を持つ炭素数 1〜 3のアルコキシル基が好ましい。
またさらに、 エポキシ化合物 ( i - i ) には、 ビスフエノール型エポキシ化合物、 ノボラック型エポキシ化合物、 それらの臭素化物型エポキシ化合物等が添加可能 であり、 具体的には、 ビスフエノール A型エポキシ樹脂、 ビスフエノール F型ェ ポキシ樹脂、 フエノールノボラック型エポキシ樹脂、 オルソクレゾールノポラッ ク型エポキシ樹脂、 DPPノポラック型エポキシ樹脂、 トリス―ヒドロキシフエ ニルメタン型エポキシ樹脂、 その他の多官能型エポキシ樹脂、 テトラブロモビス フエノール A型エポキシ樹脂等を目的に応じて使用することができる。
これらのエポキシ樹脂は、 エポキシ化合物 ( i-1) の 100重量%中に 0〜 7 0重量%の範囲で添加することができる。
2. アクリル樹脂 ( i-2)
本発明 ( i) において使用するアクリル樹脂 ( i- 2) は、 イオン種と反応する 官能基を有するアクリル樹脂であり、 イオン種と反応する官能基とはエポキシ基 及び水酸基のことであり、 特に、 エポキシ基及び水酸基を持つアクリル樹脂が好 ましい。
エポキシ基及び水酸基を持つアクリル樹脂 ( i-2) は、 数平均分子量が 2, 0 00〜50, 000、 水酸基価が 10〜25 OmgKOHZg及びエポキシ当量 が 300以下であるエポキシ基含有アクリル樹脂である。
アクリル樹脂 ( i-2) は、 エポキシ基を有するモノマー、 水酸基を有するモノ マー、 及び 又はエポキシ基と水酸基を有するモノマー、 その他これらに共重合 できるモノマーを構成成分とする。
アクリル樹脂 ( i-2) の構成成分であるモノマーとしては、 エポキシ基として、 グリシジルエーテル基もしくは類似の末端エポキシ基を持つ (メタ) アクリル酸 エステル、 及び脂環エポキシ基などを有する (メタ) アクリル酸エステル等を使 用することが出来る。
上記モノマーとしてはたとえば、 エポキシ基を持つァクリレートとして広く使 用されているグリシジルメタクリレートの他に、 2—メチル一ダリシジルメ夕ク リレート、 ァリルグリシジルエーテル、 エポキシ化イソプレニルメ夕クリレート、 CYM M— 1 00 (エポキシ当量 1 96〜2 1 3) (3, 4—エポキシシクロ へキシルメチルメタクリレート) 、 同 A— 200 (エポキシ当量 1 82〜 1 9 5) (3, 4—エポキシシクロへキシルメチルァクリレート) 、 同 M1 0 1 (ェ ポキシ当量 326〜355) 、 3, 4—エポキシシクロへキシルメチル基と (メ 夕) ァクリレート基の間に ε—力プロラクトンを開環重合させた基を含むもの (以上ダイセル化学工業製) 、 2— (1, 2—エポキシ— 4, 7—メタノベルヒ ドロインデン _ 5 (6) 一ィル) ォキシェチル (メタ) ァクリレート、 5, 6 - エポキシ一 4, 7—メタノベルヒドロインデン _ 2—ィル一 (メタ) ァクリレー ト、 1, 2—エポキシ一 4, 7—メタノベルヒドロインデン一 5—ィル一 (メ 夕) ァクリレート等が挙げられる。
アクリル樹脂 ( i- 2) の構成成分であるモノマーとしては、 水酸基を含有する 共重合モノマーとして、 ヒドロキエチルメタクリレート、 ヒドロキエチルァクリ レート、 これら水酸基含有ァクリレートを力プロラクトン変性した PCL— FM 1、 PCL— FM3、 PCL— FM1 0、 PCL— FA 1、 PCL— FA3等 (ダイセル化学工業製) 、 その他 (メタ) アクリル酸と炭素数 3〜1 0のグリコ ールとのモノエステル化物、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレングリコー ル、 ポリブチレンダリコールなどのポリエーテルポリオールと (メタ) アクリル 酸とのモノエステル化物が挙げられる。
エポキシ化合物 ( i-1) 及びアクリル樹脂 ( i-2) からなる成分の水酸基の 量としては、 水酸基価として 1〜30 OmgKOH/g、 好ましくは、 1. 5〜 25 OmgKOHZgである。
アクリル樹脂 ( i - 2) の構成成分としては、 その他、 これに共重合させる成分 として、 通常のアルキルァクリレート単量体等が使用できる。
アルキルァクリレート単量体としては、 例えば (メタ) アクリル酸メチル、
(メタ) アクリル酸 n—ブチルなど、 アルキル部位の炭素原子数が 2〜1 0個、 好ましくは、 1〜 5個アルキルァクリレート単量体が挙げられる。
アクリル樹脂 ( i - 2 ) に使用される、 その他のモノマー成分としては、 スチレ ン、 α—メチルスチレン、 ビニルトルエン、 塩化ビニルなどを挙げることができ る他、 アクリル酸、 メタクリル酸、 クロトン酸、 ィタコン酸、 マレイン酸、 フマ ル酸などのカルボキシ基含有重合性モノマー; Ν—メチロール (メタ) アクリル アミド、 Ν—メトキシメチル (メタ) アクリルアミド、 Ν—ブトキシメチル (メ 夕) アクリルアミドなどのアミド系重合性モノマー;ェチルビニルエーテル、 プ 口ピルビニルエーテル、 ブチルビニルエーテル、 へキシルビニルエーテル、 シク 口ペンチルビニルエーテル、 シクロへキシルビニルエーテル、 フエ二ルビニルェ 一テル、 ベンジルビ二ルエーテル、 ァリルグリシジルェ一テルなどのビニルエー テル類;酢酸ビニル、 プロピオン酸ビニル、 エチレン、 プロピレン、 Ν, Ν—ジ メチルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 Ν, Ν—ジェチルアミノエチル (メ 夕) ァクリレート、 (メタ) アクリルアミド、 (メタ) アクリロニトリル、 ビニ ルピロリ ドンなども使用することができる。
また、 さらに反応性珪素基含有エチレン性不飽和モノマーやパーフルォロアル キル基又はパーフルォロアルケニル基含有エチレン性不飽和モノマー類も使用す ることができる。 反応性珪素基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、 例えば ビニルトリメトキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリス (2—メ トキシエトキシ) シラン、 ァー (メタ) ァクリロイルォキシプロビルトリメトキ シシラン、 了一 (メタ) ァクリロイルォキシプロピルトリエトキシシラン、 γ— (メタ) ァクリロイルォキシプロピルメチルジメトキシシラン、 /3 _ (メタ) ァ クリロイルォキシェチルプロピルトリメ卜キシシラン、 これらとアルコキシシラ ン (例えば、 テ卜ラアルコキシシラン、 トリアルコキシアルキルシラン等) との 共縮合物、 及び水酸基含有エチレン性不飽和モノマー (例えば、 ヒドロキシプロ ピル (メタ) ァクリレート、 ヒドロキシブチル (メタ) ァクリレート等) とテト ラアルコキシシランの低縮合物との反応物等を挙げることができ、 これらの少な
くとも一種を用いる。 ここで、 上記テトラアルコキシシランの低縮合物としては、 式アルコキシ基が、 水素原子、 メチル基、 ェチル基又はプロピル基であるテトラ アルコキシシラン同士を縮合反応させて得られる約 2〜 100量体のもの、 好ま しくは約 2〜 10量体のものが好適である。 該低縮合物としては、 例えば 「コル コート ES 40」 (コルコート社製、 商品名、 以下同様、 テトラエチルシリケー 卜の 1〜 10量体、 平均約 5量体) 「コルコート MS 51」 (テトラメチルシリ ゲートの 1〜10量体、 平均約 4量体) 等を挙げることができる。
また、 アクリル樹脂 ( i_2) の、 これに共重合できるアクリル成分として、 ァ クリル系オリゴマーも使用することができる。 具体的には、 エポキシ化油ァクリ レート系、 ウレタンァクリレート系、 ポリエステルウレ夕ンァクリレー卜系、 ポ リエーテルウレタンァクリレー卜系、 不飽和ポリエステル系、 ポリエステルァク リレー卜系、 ポリエーテルァクリレー卜系、 ビニル ァクリレート系、 ポリェン チオール系、 シリコンァクリレート系、 ポリブタジエンァクリレート系、 ポリ スチルェチルメタクリレート系、 ポリカーボネィ卜ジァクリレート系等の成分も 使用することができる。
上記アクリル樹脂 ( i-2) の構成成分を重合させる場合、 開始剤を用いるこ とができる。 開始剤としては、 過硫酸カリウム、 過硫酸アンモニゥム、 過酸化べ ンゾィル、 過酸化水素、 ジ— t一ブチルパーォキシド、 ジクミルパーォキシド、 2, 4—ジクロロベンゾィルパーォキシド、 デカノィルパーォキシド、 ラウリル パーォキシド、 クメンヒドロパーォキシド、 tーブチルヒドロパーォキシド、 ァ セチルパーオシキド、 メチルェチルケトンパーォキシド、 コハク酸パーォキシド、 ジセチルパーォキシジカーボネート、 t—プチルパーォキシアセテート、 A I B N (2 , 2 ' —ァゾビスイソプチロニトリル)、 ABN-E (2, 2 ' —ァゾビス (2—メチルブチロニトリル)) 、 ABN-V (2, 2 ' —ァゾビス(2, 4—ジメ チルバレロニトリル)) 、 パーブチル〇 ( t一ブチルパーォキシ 2—ェチルへキサ ノエート) などを使用することができる。
開始剤の使用量は、 アクリル樹脂 ( i- 2) の構成成分の合計 100重量部に対
して、 1〜10重量部、 好ましくは、 3〜6重量部である。
開始剤は、 一部あらかじめ仕込んでおいてもよいし、 単量体に配合して、 又は 配合せず別々に滴下してもよい。 また、 単量体を仕込んだ後に開始剤の追加仕込 みを行ってもよい。
アクリル樹脂 ( i-2) を合成する重合温度は、 90〜130で、 好ましくは、 100〜 120°Cである。 重合温度が 130でより高いと、 重合が不安定になり 高分子量の化合物が多く生成し、 90で未満では、 反応時間がかかりすぎ好まし くない。
アクリル樹脂 ( i-2) を重合する時に使用する溶媒は、 エポキシ化合物 ( i - 1) 又は下記の通常のイオン重合性を持たない溶剤を使用する。
また、 通常のイオン重合性を持たない溶剤を使用してアクリル樹脂を合成した 後、 脱溶剤を行ってからエポキシ化合物 ( i- 1) で希釈して樹脂組成物とするこ とができる。 上記イオン重合性を持たない溶剤としては、 トルエン、 キシレンな どの芳香族系の溶剤や、 メチルェチルケトン、 メチルイソプチルケトン、 メトキ シプロピレングリコールアセテートなどが挙げられ、 これらを単独または、 混合 して使用することができる。
アクリル樹脂 ( i - 2) 中のエポキシ基含有 (メタ) ァクリレー卜の含量として は、 例えばグリシジルメタクリレー卜として 1〜80重量%、 好ましくは、 1 5 〜60重量%である。
エポキシ化合物 ( i-1) 及びアクリル樹脂 ( i-2) からなる樹脂組成物のォ キシラン酸素濃度としては、 5〜 1 1重量%、 好ましくは、 7〜10重量%であ る。
3. 熱活性化イオン重合触媒 (3)
本発明 ( i ) 〜 (V) において使用する熱活性化イオン重合触媒 (3) 、 即ち 硬化触媒 (3) は、 以下に述べる第 1の硬化触媒及び 又は第 2の硬化触媒であ る。
以下に述べる第 1の硬化触媒及び/又は第 2の硬化触媒の配合量は、 エポキシ
化合物 ( i-1) とアクリル樹脂 ( i-2) の合計量 (即ちエポキシ基を有するも の) に対してである。 以下、 発明 (ii) 〜 (V) も同じである。
3.1. 第 1の硬化触媒
第 1の硬化触媒は、 カチオン重合触媒 (3 ' ) 及び金属化合物 (3" ) の群か ら選ばれる少なくとも 1種の成分を含有する。 これらの少なくとも 1種の成分は、 加熱、 冷却によって可逆的に溶解、 析出を行うことが可能であるという特性を有 していることが好ましい。
上記加熱とは室温以上、 具体的には 40で以上から硬化温度まで加熱すること を意味し、 冷却とは硬化温度以下、 具体的には 80 以下、 好ましくは 60°C以 下の温度範囲に冷却することを意味する。 また、 析出とは、 触媒がエポキシ化合 物 ( i-1) 及び 又はアクリル樹脂 ( i-2) 中においてコロイドゃミセル、 結 晶等の形態をとることを意味し、 触媒の活性部位がエポキシ化合物 ( i- 1) 及び Z又はアクリル樹脂 ( i- 2) 等から隔離されている状態であればよい。 以下、 発 明 (ii) 〜 (V) も同じである。
さらに硬化触媒の熱活性化 (潜在性、 熱潜在性とも言う。 ) が貯蔵安定性試験 等により確認できれば、 それらの大きさはいかなるものでもよいが、 好ましくは それらの触媒の平均粒径が 0. 1 以上のものが確認できればよい。
本発明において、 溶解とは、 上述したような形態をとる硬化触媒 (3) がー部 分でもエポキシ化合物 ( i - 1) 及び 又はアクリル樹脂 ( i - 2) に溶解すれば よいとし、 例えば、 エポキシ化合物 ( i-1) 及びノ又はアクリル樹脂 ( i - 2) 中で析出した硬化触媒を樹脂ごとガラス板状に採取し、 次いで加熱しながら顕微 鏡で観測することにより析出して濁っている触媒が溶解して透明になればよい。 さらに、 エポキシ化合物 ( i-1) 及びアクリル樹脂 ( i - 2) 中の硬化触媒の溶 解に由来する吸熱ピークが DSC (示差走査熱量測定) 等において確認されれば、 なおよい。
3.1.1.カチオン重合触媒 (3 ' )
上記第 1の硬化触媒に配合されるカチオン重合触媒成分 (3 ' ) としては、 例
えば炭素数 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数 10以 上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上 有する化合物が挙げられる。 炭素数は 16以上がより好ましい。
これらの炭化水素基、 環状有機構造は置換基として存在してもよいし、 配位子 を構成する一部として存在してもよい。 また環状有機構造としては、 芳香族、 複 素芳香族、 縮合芳香族、 縮合複素芳香族等が挙げられる。
カチオン重合触媒成分のカチオンとなる元素としては、 例えば、 S、 I、 F e、 N、 0、 P、 Mg、 Mn、 および S i等を挙げることができる。
具体的に説明する。 カチオン重合触媒成分としては、 例えば、 一般式 (I一 1) で表されるスルホニゥム塩、 一般式 (1—2) で表されるョードニゥム塩、 一般式 ( I一 3) で表される鉄芳香族化合物等のォニゥム塩、 一般式 (I一 4) で表される有機ケィ素化合物、 および一般式 (I一 5) で表される化合物が挙げ られる。
3.1.1.1.ォニゥム塩系触媒
ォニゥム塩系触媒としては、 上記スルホ二ゥム塩 (1— 1) 、 ョードニゥム塩 (1—2) 、 鉄芳香族化合物等のォニゥム塩 (I一 3) の他、 アンモニゥム塩、 ジァゾニゥム塩、 ピロリウム塩、 ピリリウム塩、 キノリウム塩、 ァニリウム塩、 ピリジゥム塩、 ベンジルアンモニゥム塩、 ベンゾチアゾリゥム化合物塩、 ベンジ ルピリジゥム塩、 ベンジルスルホニゥム塩、 ベンジルホスホニゥム塩等を用いて もよい。
〇 (1-1)
上記一般式中、 R
11 R
12および R
13は、 同一でも異なっていてもよく、 それ ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に一つ以上有する。 より具体 的には、 炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数 が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香 族基を 1つ以上有する。 Xは S bF
6、 As F
6、 PF
6、 BF
4、 少なくとも 1個 のフッ素原子が水酸基で置換されたこれらァニォン誘導体、 および C F
3 S O
3、 C 1〇
4、 ハロゲン原子、 R
1— COO、 R
2_S0
3よりなる群から選択されたァ 二オンを示す。 ここで、 R
1および R
2は、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されていてもよいアルキル基もしくはフエニル 基を示す。
上記一般式中、 R
1 4、 R
1 5、 R
1 6、 R '
7は同一でも異なっていてもよく、 それ ぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する環状有機構造を分子内に 1つ以上有する。 より具体 的には、 炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基 または複素芳香族基を 1つ以上有する。 p、 Qおよび rは 0〜3の整数で、 p + q + rは 3以下である。
上記一般式中、 A r 'は置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基であ り、 R ] 8は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複 素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素 基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する環状 有機構造を分子内に 1つ以上有する。 kは 1ないし 7の整数、 nは 1ないし 7の 整数をそれぞれ示す。
前記一般式において、 ^〜 1 8として導入される炭化水素基としては、 例え ば、 メタン、 ェタン、 プロパン、 ブタン、 ペンタン、 へキサン、 ヘプタン、 ォク タン、 ノナン、 デカン、 ゥンデカン、 ドデカン、 トリデカン、 テトラデカン、 ぺ ン夕デカン、 へキサデカン、 ヘプ夕デカン、 ォク夕デカン、 ノナデカン、 ィコサ ン、 ヘンィコサン、 ドコサン、 卜リコサン、 テトラコサン、 ペン夕コサン、 へキ サコサン、 へォゥ夕コサン、 ォク夕コサン、 ノナコサン、 トリアコサン等の分岐
あるいは直鎖状の置換基ゃコレズテロール等のステロイド骨格を有する化合物を 用いることができる。
また、 上述した炭化水素基は、 F, S i, O , N, S等のへテロ原子が含有さ れていてもよい。
前記一般式中において、 R ' '〜R 1 8として導入される置換もしくは非置換の芳 香族基または複素芳香族基としては、 例えば、 フエニル基、 ベンジル基、 メチル ベンジル基、 ジメチルペンジル基、 トリメチルベンジル基、 クロ口べンジル基、 ジクロロべンジル基、 トリクロ口べンジル基、 ニトロべンジル基、 ジニトロベン ジル基、 トリニトロべンジル基、 ナフチルメチル基;ナフチル、 アントラセニル およびフエナントレニル基のような 2ないし 3個のベンゼン環が縮合してなる縮 合芳香環基; フラニル、 チォフエニル、 ピロリル、 ピロリニル、 ピロリジニル、 ォキサゾリル、 イソォキサゾリル、 チアゾリル、 イソチアゾリル、 イミダゾリル、 イミダゾリニル、 イミ夕ゾリジニル、 ピラゾリル、 ビラゾリジニル、 卜リアゾリ ル、 フラザニル、 テトラゾリル、 ピラニル、 チイニル、 ピリジニル、 ピベリジ二 ル、 ォキサジニル、 モルホリニル、 チアジニル、 ピリダジニル、 ピリミジニル、 ピラジニル、 ピぺラジニルおよび卜リアジニル基のような単環式複素芳香環基; ベンゾフラニル、 イソベンゾフラニル、 ベンゾチォフエニル、 インドリル、 イン ドリニル、 イソインドリル、 ベンゾォキサゾリル、 ベンゾチアゾリル、 インダゾ リル、 イミダゾリル、 クロメニル、 クロマニル、 イソクロマニル、 キノリル、 ィ ソキノリル、 シンノリニル、 フタラジニル、 キナゾリニル、 キノキサリニル、 ジ ベンゾフラニル、 カルバゾリル、 キサンテニル、 ァクリジニル、 フエナントリジ ニル、 フエナント口リニル、 フエナジニル、 フエノキサジニル、 チアントレニル、 インドリジニル、 キノリジニル、 キヌクリジニル、 ナフチリジニル、 プリニルぉ よびプテリジニル基のような縮合複素芳香環基;および水素原子が 1つもしくは それ以上の置換基で置換されたそれらの基を挙げることができる。
これらの置換された芳香族基または複素芳香族基の置換基としては、 炭素数が 1以上の有機基を挙げることができ、 複数存在する場合には、 各々同一であって
も異なっていてもよい。
前記一般式 (1 — 1 ) で表されるスルホニゥム塩としては、 例えば、 卜リス ( P—ォク夕デシルォキシフエニル) スルホニゥムへキサフルォロアンチモネ一 卜、 ビス (p—才クタデシルォキシフエニル) フエニルスルホニゥムへキサフル ォロアンチモネート、 (p—ォク夕デシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニ ゥムへキサフルォロアンチモネート、 トリス (p—へキサデシルォキシフエ二 ル) スルホニゥムへキサフルォロアンチモネート、 ビス (p—へキサデシルォキ シフエニル) フエニルスルホニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 (p—へキ サデシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニゥムへキサフルォロアンチモネ一 ト、 ベンジルー 4 _ォク夕デシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥムへキサフル ォロアンチモネ一ト、 ベンジルー 4一才クタデシルォキシフエ二ルェチルスルホ ニゥムへキサフルォロアンチモネート、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキシフエ ニルスルホニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 トリス (p—ォク夕デシルォ キシフエニル) スルホニゥムへキサフルォロホスフェート、 ビス (p—ォク夕デ シルォキシフエニル) フエニルスルホニゥムへキサフルォロホスフェート、 (p —ォクタデシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニゥムへキサフルォロホスフ エート、 トリス (p—へキサデシルォキシフエニル) スルホニゥムへキサフルォ 口ホスフェート、 ビス (p—へキサデシルォキシフエニル) フエニルスルホニゥ ムへキサフルォロホスフェート、 (p _へキサデシルォキシフエニル) ジフエ二 ルスルホニゥムへキサフルォロホスフエ一卜、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキ シフエ二ルメチルスルホニゥムへキサフルォロホスフエ一卜、 ベンジルー 4ーォ クタデシルォキシフエ二ルェチルスルホニゥムへキサフルォロホスフエ一ト、 ベ ンジル一 4—ォク夕デシルォキシフエニルスルホニゥムへキサフルォロホスフエ ート、 トリス (p—ォクタデシルォキシフエニル) スルホニゥムへキサフルォロ ァルセネート、 ビス (p—才クタデシルォキシフエニル) フエニルスルホニゥム へキサフルォロアルセネート、 (p—ォク夕デシルォキシフエニル) ジフエ二ル スルホニゥムへキサフルォロアルセネート、 トリス (p—へキサデシルォキシフ
ェニル) スルホニゥムへキサフルォロアルセネート、 ビス (p _へキサデシルォ キシフエニル) フエニルスルホニゥムへキサフルォロアルセネート、 (p—へキ サデシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニゥムへキサフルォロアルセネート、 ベンジル— 4ーォクタデシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥムへキサフルォロ ァルセネート、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキシフエ二ルェチルスルホニゥム へキサフルォロアルセネート、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキシフエニルスル ホニゥムへキサフルォロアルセネート、 卜リス (p —ォク夕デシルォキシフエ二 ル) スルホ二ゥムテトラフルォロボレ一卜、 ビス (p—ォク夕デシルォキシフエ ニル) フエニルスルホニゥムテトラフルォロボレ一ト、 (p _ォク夕デシルォキ シフエニル) ジフエニルスルホニゥムテ卜ラフルォロボレート、 トリス (p—へ キサデシルォキシフエニル) スルホ二ゥムテトラフルォロボレート、 ビス (p— へキサデシルォキシフエニル) フエニルスルホニゥムテトラフルォロポレート、 ( P _へキサデシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニゥムテトラフルォロボ レート、 ベンジル— 4一才クタデシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥムテトラ フルォロボレート、 ベンジル— 4ーォクタデシルォキシフエ二ルェチルスルホニ ゥムテ卜ラフルォロボレート、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキシフエニルスル ホニゥムテトラフルォロボレート、 トリス (p—ォク夕デシルォキシフエニル) スルホニゥムトリフルォロメタンスルホネート、 ビス (p—ォクタデシルォキシ フエニル) フエニルスルホニゥムトリフルォロメタンスルホネート、 (p—ォク 夕デシルォキシフエニル) ジフエニルスルホニゥムトリフルォロメ夕ンスルホネ ート、 トリス (p—へキサデシルォキシフエニル) スルホニゥムトリフルォロメ タンスルホネート、 ビス (p—へキサデシルォキシフエニル) フエニルスルホニ ゥムトリフルォロメタンスルホネート、 (p—へキサデシルォキシフエニル) ジ フエニルスルホニゥムトリフルォロメタンスルホネート、 ベンジル一 4一ォク夕 デシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥム卜リフルォロメタンスルホネート、 ベ ンジルー 4—ォクタデシルォキシフエ二ルェチルスルホニゥムトリフルォロメタ ンスルホネー卜、 ベンジル— 4 _ォクタデシルォキシフエニルスルホニゥム卜リ
フルォロメタンスルホネート、 p—ォク夕デシルォキシベンジルテ卜ラメチレン スルホニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 (4一ォク夕デシルォキシフエ二 ル) シンナミルメチルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネート、 (4 _ォ クタデシルォキシフエニル) (3—メチル— 2—ブテニル) メチルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネ一ト、 4—ォク夕デシルォキシフエニル— (ひ一ナ フチルメチル) メチルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネ一ト、 4ーォク 夕デシルォキシフエ二ルー 9一フルォレニルメチルスルホニゥム へキサフルォ 口アンチモネート、 トリス (4—ォク夕デシルォキシフエニルメチル) スルホ二 ゥム へキサフルォロアンチモネ一ト、 o—ニトロベンジル— 4—ォク夕デシル ォキシフエ二ルメチルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネ一ト、 α _フエ ニルベンジルー 4ーォクタデシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥム へキサフ ルォロアンチモネ一ト、 α _メチルベンジルー 4—ォクタデシルォキシフエニル メチルスルホニゥム へキサフル才ロアンチモネート、 ジベンジルー 4一ォク夕 デシルォキシフエニルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネート、 および 4
—ォク夕デシルォキシフエ二ルメチルスルホニゥム へキサフルォロアンチモネ 一卜等が挙げられる。
上述したスルホニゥム塩のァニオン部分をなすへキサフルォロアンチモネ一卜 をへキサフルォロホスフェート、 へキサフルォロアルセネート、 テトラフルォロ ボレート、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基で置換されたこれらァニオン、 およびトリフルォロメタンスルホネート、 パーク口レート、 ハロゲン、 R 1— C〇 0、 R 2 _ S 03よりなる群から選択されたァニオンに変換した化合物もまた、 本 発明 ( i ) の硬化触媒成分として用いることができる。 R 1および R 2は、 アルキ ル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されていても よいアルキル基もしくはフエ二ル基を示す。
さらに、 ベンジル一 4—ォク夕デシルォキシフエニルメチルへキサフルォロア ンチモネ一卜、 ベンジル—4 _ォク夕デシルォキシフエニルメチルへキサフルォ ロアルセネート、 ベンジルー 4一才クタデシルォキシフエニルメチルへキサフル
ォロホスフェート、 ベンジル一 4一ォク夕デシルォキシフエニルメチルテトラフ ルォロボレ一卜、 およびべンジルー 4一オタ夕デシルォキシフエニルメチルトリ フルォロメタンスルホネ一ト等を用いることもできる。
前記一般式 ( 1 — 2 ) で表されるョードニゥム塩としては、 例えば、 ビス (p —ォク夕デシルォキシフエニル) ョードニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 ( P—ォクタデシルォキシフエニル) フエ二ルョ一ドニゥムへキサフルォロアン チモネート、 ビス (p—へキサデシルォキシフエニル) ョ一ドニゥムへキサフル ォロアンチモネート、 (p—へキサデシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥ ムへキサフルォロアンチモネ一卜、 ベンジル— 4—ォク夕デシルォキシフエニル メチルョードニゥムへキサフルォロアンチモネ一卜、 ベンジル— 4一ォク夕デシ ルォキシフエ二ルェチルョ一ドニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 ベンジル - 4 _ォク夕デシルォキシフエ二ルョードニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 ビス (p—ォク夕デシルォキシフエニル) ョードニゥムへキサフルォロホスフエ —ト、 (p—ォク夕デシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥムへキサフルォ 口ホスフェート、 ビス (p—へキサデシルォキシフエニル) ョードニゥムへキサ フルォロホスフェート、 (p—へキサデシルォキシフエニル) フエ二ルョ一ドニ ゥムへキサフルォロホスフェート、 ベンジル一 4—ォク夕デシルォキシフエニル メチルョードニゥムへキサフルォロホスフェート、 ベンジルー 4—ォク夕デシル ォキシフエ二ルェチルョードニゥムへキサフルォロホスフエ一ト、 ベンジル— 4 ーォクタデシルォキシフエ二ルョ一ドニゥムへキサフルォロホスフェート、 ビス ( P—ォク夕デシルォキシフエニル) ョ一ドニゥムへキサフルォロアルセネート、 ( P—ォク夕デシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥムへキサフルォロアル セネー卜、 ビス (p _へキサデシルォキシフエニル) ョードニゥムへキサフルォ ロアルセネート、 (p _へキサデシルォキシフエニル) フエ二ルョ一ドニゥムへ キサフルォロアルセネート、 ベンジル— 4 _ォク夕デシルォキシフエニルメチル ョードニゥムへキサフルォロアルセネート、 ベンジルー 4一才クタデシルォキシ フエ二ルェチルョードニゥムへキサフルォロアルセネート、 ベンジル— 4ーォク
夕デシルォキシフエ二ルョードニゥムへキサフルォロアルセネート、 ビス (p— ォク夕デシルォキシフエニル) ョ一ドニゥムテトラフルォロボレート、 (p—ォ クタデシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥムテトラフルォロボレート、 ビ ス (p—へキサデシルォキシフエニル) ョードニゥムテトラフルォロボレート、
( P—へキサデシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥムテトラフルォロボレ 一卜、 ベンジル— 4—ォクタデシルォキシフエ二ルメチルョードニゥムテトラフ ルォロボレ一ト、 ベンジル— 4—ォクタデシルォキシフエ二ルェチルョードニゥ ムテトラフルォロボレート、 ベンジルー 4—ォク夕デシルォキシフエ二ルョード 二ゥムテトラフルォロボレート、 ビス (p—ォクタデシルォキシフエニル) ョー ドニゥム卜リフルォロメチルスルホネー卜、 (p—ォク夕デシルォキシフエ二 ル) フエ二ルョードニゥムトリフルォロメチルスルホネ一卜、 ビス (p—へキサ デシルォキシフエニル) ョ一ドニゥムトリフルォロメチルスルホネート、 (p— へキサデシルォキシフエニル) フエ二ルョードニゥム卜リフルォロメチルスルホ ネート、 ベンジルー 4—ォク夕デシルォキシフエ二ルメチルョ一ドニゥムトリフ ルォロメチルスルホネー卜、 ベンジルー 4一才クタデシルォキシフエニルェチル ョードニゥムトリフルォロメチルスルホネート、 ベンジル— 4一ォク夕デシルォ キシフエ二ルョードニゥムトリフルォロメチルスルホネート、 および p _ォク夕 デシルォキシベンジルテトラメチレンョードニゥムへキサフルォロアンチモネ一 ト、 (4一才クタデシルォキシフエニル) シンナミルメチルョ一ドニゥム へキ サフルォロアンチモネート、 (4—ォクタデシルォキシフエニル) (3 _メチル 一 2—ブテニル) ョードニゥム へキサフルォロアンチモネート、 4ーォク夕デ シルォキシフエ二ルー (α—ナフチルメチル) ョ一ドニゥム へキサフルォロア ンチモネ一卜、 4 _ォクタデシルォキシフエ二ルー 9 _フルォレニルョードニゥ ム へキサフルォロアンチモネ一卜、 ビス (4一才クタデシルォキシフエニルメ チル) ョードニゥム へキサフルォロアンチモネ一卜、 o _ニトロベンジル— 4 ーォクタデシルォキシフエ二ルョードニゥム へキサフルォロアンチモネート、 «—フエニルベンジルー 4ーォクタデシルォキシフエ二ルョードニゥム へキサ
フルォロアンチモネ一ト、 ひ一メチルベンジル— 4一ォク夕デシルォキシフエ二 ルョードニゥム へキサフルォロアンチモネート、 ベンジルー 4ーォクタデシル ォキシフエ二ルョードニゥム へキサフルォロアンチモネ一卜、 および 4 _ォク 夕デシルォキシフエ二ルメチルョードニゥム へキサフルォロアンチモネ一卜等 が挙げられる。
上述したョ一ドニゥム塩のァニオン部分をなすへキサフルォロアンチモネ一ト をへキサフルォロホスフェート、 へキサフルォロアルセネート、 テトラフルォロ ボレー卜、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基で置換されたこれらァニオン、 およびトリフルォロメタンスルホネート、 パーク口レート、 ハロゲン、 R'_CO 0、 R2—S03よりなる群から選択されたァニオンに変換した化合物もまた、 本 発明の硬化触媒成分として用いることができる。 R1および R2は、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されていてもよいァ ルキル基もしくはフエ二ル基を示す。
さらに、 以下に示すようなォニゥム塩を用いることができる。
ピリリウム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
〇
上記一般式中、 Rは同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜 30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基ま たは複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭 化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有す る芳香族基または複素芳香族基である。 Rはハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基 も含む。 また、 nは 1〜5の整数である。
Xは S bF6、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C 104、 ハロゲン原子、
R— COO、 R— S〇3よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるピリリウム塩としては、 2, 6—ジメチルー 4—ォク夕 デシルォキシフエニルピリリウムへキサフルォロアンチモネート、 2, 6—ジメ チル— 3— (4一ォク夕デシルォキシフエニル) プロピルピリリウムへキサフル ォロアンチモネ一ト等を挙げることができる。
配合量は、 化合物 ( i- 1) と樹脂 ( i- 2) に対し通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合量が 0. 01重量%未満である場合は、 硬化が不十分になるおそれがある。 また、 20重量%を越えて用いることは可能 であるが、 コスト高や触媒成分の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましく はない。
ベンジルスルホニゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
上記一般式中、 R'、 R
2、 R
3、 R
4および R
5同一でも異なっていてもよく、 そ れぞれ水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もし くは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上の 置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは非 置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基である。 R
4ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基も含む。 また、 nは 1〜5の整数である。
Xは S bFfi、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S〇3、 C 104、 ハロゲン原子、 R— COO、 R— S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて
いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるベンジルホスホニゥム塩としては、 ベンジルトリス (4 一ォク夕デシルォキシフエニル) ホスホニゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 α—フエニルベンジルトリス (4—ォクタデシルォキシフエニル) ホスホニゥム へキサフルォロアンチモネ一ト等を挙げることができる。
上述したベンジルホスホニゥム塩のァニオン部分をなすへキサフルォロアンチ モネートをへキサフルォロホスフェート、 へキサフルォロアルセネート、 テトラ フルォロボレート、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基で置換されたこれらァ 二オン、 およびトリフルォロメタンスルホネート、 パーク口レート、 ハロゲン、 R 1— C〇 O、 R 2— S〇 3よりなる群から選択されたァニオンに変換した化合物も また、 本発明 ( i ) の硬化触媒成分として用いることができる。 R1および R2は アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて てもよいアルキル基もしくはフエ二ル基を示す。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i- 1) とアクリル樹脂 ( i-2) の合計 に対して通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合 量が 0. 0 1重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 ま た、 20重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高や触媒成分の分解 生成物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
ベンジルアンモニゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
前記一般式中、 R R
2、 R
3、 R
4、 R
5および R
6は同一でも異なっていても よく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基あるいは複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が
10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換 もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有 する。 さらに、 R
5、 R
6は、 両方とも水素原子、 一方が水素原子で他方がアルキ ル基もしくはハロゲン原子であるか、 または両方がアルキル基もしくはハロゲン 原子である。 R
5、 R
6が両方とも水素原子の場合には、 R'、 R
2、 R
3のうち少な くとも一つは芳香族基あるいは複素芳香族基であることが望ましい。 ただし R
4は ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基を含む。 nは 1〜5の整数である。
Xは S bF6、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S〇3、 C 104、 ハロゲン原子、 R— C〇0、 R— S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるベンジルアンモニゥム塩としては、 N— (p—才クタデ シルォキシベンジル) 一 N, N—ジメチルァニリニゥムへキサフルォロアンチモ ネート、 N_ (p—ォク夕デシルォキシベンジル) _N, N—ジメチルァニリニ ゥムへキサフルォロホスフェート、 N_ (p _ォク夕デシルォキシベンジル) 一 N, N_ジメチルァニリニゥムテトラフルォロボレ一ト、 N— (α—メチル一 p —ォク夕デシルォキシベンジル) 一 Ν, Ν—ジメチルァニリニゥムへキサフルォ 口アンチモネート、 Ν— (2—ヒドロキシェチル) 一 Ν— (ひ一メチル _ρ—ォ クタデシルォキシベンジル) _Ν, Ν—ジメチルアンモニゥムへキサフルォロア ンチモネ一卜等が挙げられる。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i-1) とアクリル樹脂 ( i- 2) の合計 に対して通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合 量が 0. 0 1重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 ま た、 20重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高や触媒成分の分解 生成物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
上記べンジルアンモニゥム塩のなかで、 R R2、 R3の一つが置換あるいは無
置換のフエニル基で表されるァニリニゥム塩が、 R R2、 R3の残りの 2個の少 なくとも 1つが窒素原子の /3位の炭素に置換基を有するアルキル基を有するもの もまた、 有効である。
ベンジルピリジニゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
Θ
(C) 上記一般式中、 R'、 R2、 R3は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原 子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の 芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水 素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する。 ただし、 R1はシァ ノ基、 R2はハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基も含む。 nは 1〜5の整数であり、 mは:!〜 7の整数である。
Xは S bF6、 As F6、 PFfi、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基
で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S〇 、 C 104、 ハロゲン原子、 R— CO〇、 R—S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるベンジルピリジニゥム塩 (A) としては、 1— (p—ォ クタデシルォキシベンジル) — 4—シァノピリジニゥムへキサフルォロアンチモ ネート、 1 _ (p—才クタデシルォキシベンジル) 一4—シァノピリジニゥムへ キサフルォロホスフェート、 1 _ (p _ォク夕デシルォキシベンジル) —4—シ ァノピリジニゥムテトラフルォロボレ一ト等が挙げられる。
前記一般式で表されれるべンジルピリジニゥム塩 (B) としては、 α—ナフチ ルメチルー (4 _ォクタデシルォキシ) ピリジニゥム へキサフルォロアンチモ ネート、 α—ナフチルメチル一 (4—ォク夕デシルォキシ) ピリジニゥム へキ サフルォロホスフェート、 ナフチルメチルー (4一才クタデシルォキシ) ピ リジニゥム テトラフルォロボレート等が挙げられる。
前記一般式で表されるベンジルピリジニゥム塩 (C) としては、 シンナミルー (4—ォクタデシルォキシ) ピリジニゥム へキサフルォロアンチモネート、 2 —ブテ二ルー (4—ォクタデシルォキシ) ピリジニゥム へキサフルォロアンチ モネート、 シンナミルー (4一才クタデシルォキシ) ピリジニゥム へキサフル ォロホスフェート、 シンナミル一 (4—ォクタデシルォキシ) ピリジニゥム テ トラフルォロボレ一ト等が挙げられる。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i- 1) 及び樹脂 ( i_2) の合計に対し て通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合量が 0. 0 1重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 また、 20 重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高ゃ触媒成分の分解生成物が 問題となる場合があり、 好ましくはない。
ベンゾチアゾリゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
上記一般式中、 R
1, R
2、 R
3は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原 子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の 芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水 素基を有する芳香族基または複素芳香族基を一つ以上有する。 R'、 R
2は二卜口 基を含む。 R
4は水素原子あるいは芳香族基あるいは複素芳香族基、 nは 1〜5の 整数、 mは 1〜4の整数である。 チアゾリゥム環の S原子が O原子で置換されて いてもよい。
Xは S b F6、 As Ffi、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C 104、 ハロゲン原子、 R— C〇0、 R—S〇3よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
また、 下記一般式で表される化合物を用いてもよい。
上記一般式中、 R1, R2、 R3は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原 子、 ハロゲン原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上
の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を一つ以上有する。 R\ R2はニトロ基を含む。 nは 1~5の整数、 mは 1〜4の整数である。 チア ゾリウム環の S原子が o原子で置換されていてもよい。
Xは S bF6、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S〇3、 C 104、 ハロゲン原子、 R-COO, R_ S〇3よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 .シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるベンゾチアゾリゥム塩としては、 3— (p—ォクタデシ ルォキシベンジル) ベンゾチアゾリゥムへキサフルォロアンチモネ一ト、 3— サフルォロアンチモネート、 3— (p—ォクタデシルォキシベンジル) ベンゾチ ァゾリゥムへキサフルォロホスフェート、 3 _ (p—ォク夕デシルォキシベンジ ル) ベンゾチアゾリゥムテトラフルォロボレ一ト等が挙げられる。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i-1) 及び樹脂 ( i- 2) の合計に対し て通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合量が 0. 01重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 また、 20 重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高ゃ触媒成分の分解生成物が 問題となる場合があり、 好ましくはない。
キノリニゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
上記一般式中、 R
1は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 ハロゲ
ン原子、 ニトロ基、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換も しくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 10以上 の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置換もしくは 非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を一つ以上有する。
R 2は芳香族基あるいは複素芳香族基で置換されたアルキル基およびエチレンゃァ セチレン等の不飽和結合で置換されているアルキル基の群より選ばれた基である。 nは 1〜7の整数である。
Xは S bFfi、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C 1〇4、 ハロゲン原子、 R— COO、 R—S〇3よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるキノリニゥム塩としては N—ベンジルー (5—才ク夕デ シルォキシ) キノリニゥム へキサフルォロアンチモネ一卜、 N— (1—ナフチ ルメチル) 一 5—ォク夕デシルォキシキノリニゥム へキサフルォロアンチモネ —卜、 N—シンナミルー 5—才クタデシルォキシキノリニゥム へキサフルォロ アンチモネ一ト等が挙げられる。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i- 1) とアクリル樹脂 ( i- 2) の合計 に対して通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合 量が 0. 0 1重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 ま た、 20重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高や触媒成分の分解 生成物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
ピロリニゥム塩としては、 下記一般式で表されるものが挙げられる。
X Θ
上記一般式中、 R R
2、 R
3は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原 子、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素 基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数 が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 10以上の置 換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を一つ以上 有する。 R
4は水素原子またはアルキル基である。 nは 1〜7の整数である。
Xは S b Ffi、 As F6、 PF6、 BF4、 少なくとも 1個のフッ素原子が水酸基 で置換されたこれらァニオン誘導体、 および CF3S03、 C l〇4、 ハロゲン原子、 R— COO、 R_S03よりなる群から選択されたァニオンを示す。 ここで Rは、 アルキル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 アルコキシ基等で置換されて いてもよいアルキル基もしくはフエニル基である。
前記一般式で表されるピロリニゥム塩としては、 N— (4一才クタデシルォキ シベンジル) 一N—メチルピロリニゥム へキサフルォロアンチモネート、 N— ベンジル一N_ 4—才クタデシルォキシフエニルピロリニゥム へキサフルォロ アンチモネート、 N_ (4—ォク夕デシルォキシベンジルー N—メチルピロリニ ゥム) へキサフルォロホスフェート等が挙げられる。
配合量は、 組成物のエポキシ化合物 ( i-1) 及びアクリル樹脂 ( i- 2) に対 して通常 0. 01〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜5重量%である。 配合量が 0. 01重量%未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 また、 20重量%を越えて用いることは可能であるが、 コスト高や触媒成分の分解生成 物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
3.1.1.2.有機ケィ素化合物系触媒
前記一般式 (I一 4) で表される有機ケィ素化合物としては、 例えば、 トリス
(P—へキサデシルォキシフエニル) シラノール、 トリス (p—ォク夕デシルォ キシフエニル) シラノール、 トリス (p—ドコシルォキシフエニル) シラノール、 トリス (m—へキサデシルォキシフエニル) シラノール、 トリス (m—ォクタデ シルォキシフエニル) シラノール、 トリス (m—ドコシルォキシフエニル) シラ
ノール、 ビス (p _へキサデシルォキシフエニル) シランジオール、 ビス (p— ォクタデシルォキシフエニル) シランジオール、 ビス (p—ドコシルォキシフエ ニル) シランジオール、 ビス (m—へキサデシルォキシフエニル) シランジオ一 ル、 ビス (m—ォクタデシルォキシフエニル) シランジオール、 ビス (m—ドコ シルォキシフエニル) シランジオール、 ビス (p—へキサデシルォキシフエ二 ル) メチルシラノール、 ビス (p _へキサデシルォキシフエニル) ェチルシラノ ール、 ビス (p _へキサデシルォキシフエニル) プロピルシラノール、 ビス (m —へキサデシルォキシフエニル) メチルシラノール、 ビス (m—へキサデシルォ キシフエニル) ェチルシラノール、 ビス (m—へキサデシルォキシフエ二ル-) プ 口ピルシラノール、 トリス (6—へキサデシルォキシナフチル) シラノール、 ト リス (6—ォク夕デシルォキシナフチル) シラノール、 卜リス (6—ドコシルォ キシナフチル) シラノール、 ビス (6—へキサデシルォキシナフチル) シランジ オール、 ビス (6—ォク夕デシルォキシナフチル) シランジオール、 および、 ビ ス (6—ドコシルォキシナフチル) シランジオール等が挙げられる。
さらに、 上記一般式 ( 1—4 ) で表される有機ケィ素化合物は、 水酸基の代わ りに加水分解性基で置換されていてもよい。 あるいは、 上記一般式 ( 1—4 ) で 表される有機ケィ素化合物は、 光照射によりシラノールを発生することが可能な 置換基が導入されていてもよい。 いずれの場合も、 本発明の第 1の硬化触媒の 1 成分として用いることができる。
ここで、 「加水分解性基」 とは、 ケィ素に直接結合する残基であって、 水の存 在下において一定温度以上で加水分解して下記化学式で表されるシラノール性水 酸基を生成する残基である。
ョ Si— OH このような基としては、 例えば、 炭素原子数 1 ~ 5個のアルコキシル基; フエ ノキシ基、 トリルォキシ基、 パラメトキシフエノキシ基、 パラニトロフエノキシ 基、 ベンジルォキシ基、 パラクロルフエノキシ基等のァリールォキシ基; ァセト
キシ基、 プロピオニルォキシ基、 ブ夕ノィルォキシ基、 ベンゾィルォキシ基、 フ ェニルァセトキシ基、 ホルミルォキシ基等のァシロキシ基; ビニルォキシ基、 ァ リルォキシ基等の炭素原子数 2〜 1 2個のアルケニルォキシ基;ベンジルォキシ 基、 フエネチルォキシ基等のァラルキルォキシ基;次式で表わされる基を挙げる ことができる。
-ON=C^
(式中、 R 'および R〃 は同一であっても異なっていてもよく、 炭素原子数 1〜 5個のアルキル基を表わす)
一方、 光照射によってシラノールを生じる置換基を有するケィ素化合物として は、 ペルォキシシラノ基、 o—二トロべンジルォキシ基、 α—ケトシリル基のい ずれかを有するケィ素化合物が好ましい。
上記ペルォキシシラノ基を有するケィ素化合物は、 下記一般式 (S I— Ρ〇) で表わすことができる。
(式中、 R 4 1, R 4 2および R 4 3は、 同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素 原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非 置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換も しくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の 炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する。 R 4 4は、 水 素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1〜 5のアルキル基、 炭素数 1〜 5のアルコキシ 基、 ァリール基またはァラルキル基を表わし、 p、 q rは各々 0〜3整数であ り、 かつ l≤p + q + r≤3である。 )
上記一般式において、 R41, R42および R43として導入され得る置換もしくは 非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基として は、 前記一般式 ( 1— 1) 〜 (1 _ 5) の R''〜R18に導入され得る基として列 挙したものが挙げられる。
また、 上記一般式において、 R44として導入され得るハロゲン原子としては、 例えば、 塩素および臭素原子を、 炭素数 1〜 5のアルキル基としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n—ブチル、 イソブチル、 sec- ブチル、 tert-ブチル、 n—ペンチル、 イソペンチルおよびネオペンチル基を、 炭 素数 1〜5のアルコキシ基としては、 例えば、 メトキシ、 エトキシ、 n—プロボ キシ、 n—ブトキシ、 sec-ブトキシ、 tert-ブトキシおよび n—ペンチルォキシ基 を、 ァリール基としては、 例えば、 フエニル、 ナフチルおよびアントラニル基を、 ァラルキル基としては、 例えば、 ベンジルおよびフエネチル基を、 それぞれ挙げ ることができる。 なお、 これらの基は、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 メ トキシ基等の置換基を有していてもよい。
ペルォキシシラノ基を有するケィ素化合物の具体的な例としては、 下記式で表 わされる化合物を挙げることができる。
/
9S
90680/00df/X3d wzw OAV
:
寸
前記 o—二トロベンジルォキシ基を有するケィ素化合物は、 下記一般式 (S I NB) で表わすことができる。
(式中、 R45、 R46および R47は、 同一でも異なっていてもよく、 それぞれ、 水
素原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは 非置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換 もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換 の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する。 R4Sは水 素原子、 炭素数 1〜 1 0の非置換もしくは置換アルキル基、 フエニル基または置 換フエ二ル基を表わし、 R49、 R" R51および R52は同一であっても異なって いてもよく、 それぞれ、 水素原子、 ニトロ基、 シァノ基、 ヒドロキシル基、 メル カプト基、 ハロゲン原子、 アセチル基、 ァリル基、 炭素数 1〜5のアルキル基、 炭素数 1〜 5のアルコキシ基、 非置換もしくは置換ァリール基またはァリールォ キシ基を表わし、 p、 qおよび rはそれぞれ 0〜 3の整数であって、 かつ 0≤p + q + r≤ 3である。 )
上記一般式において、 R45、 R46および R47として導入され得る置換もしくは 非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基として は、 前記一般式 ( I 一 1) 〜 ( 1 — 5) の R"〜R18に導入され得る基として列 挙したものが挙げられる。
上記一般式において、 炭素数 1〜 1 0 (または炭素数 1〜5) の非置換もしく は置換アルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 n —プチル基、 tert-ブチル基、 n—ペンチル基、 クロロメチル基、 クロ口ェチル基、 フルォロメチル基およびシァノメチル基が挙げられ、 炭素数 1〜 1 0 (または炭 素数 1〜5) のアルコキシ基としては、 例えば、 メトキシ基、 エトキシ基、 n— プロポキシ基および n—ブトキシ基が挙げられる。 非置換もしくは置換ァリール 基としては、 例えば、 フエニル基、 p—メトキシフエ二ル基、 p—クロ口フエ二 ル基および P—トリフルォロメチルフエニル基が挙げられ、 ァリールォキシ基と しては、 例えば、 フエノキシ基が挙げられる。
前記 o—二トロベンジルォキシ基を有するケィ素化合物の具体的な例としては、 例えば、 トリス (p—へキサデシルォキシフエニル) (o—ニトロべンジルォキ シ) シラン、 ビス (p—へキサデシルォキシフエニル) (o—ニトロベンジルォ
キシ) メチルシラン、 ビニルメチル (p—へキサデシルォキシフエニル) (o— ニトロベンジルォキシ) シラン、 t 一ブチルメチル (p—へキサデシルォキシフ ェニル) (o _ニトロベンジルォキシ) シラン、 ビス (p—へキサデシルォキシ フエニル) ビス (o _ニトロベンジルォキシ) シラン、 ビス (p—へキサデシル ォキシフエニル) ビス (o—二トロベンジルォキシ) シラン、 メチル (p—へキ サデシルォキシフエニル) ビス (o _ニトロベンジルォキシ) シラン、 t—ブチ ル (p—へキサデシルォキシフエニル) ビス (o—ニトロベンジルォキシ) シラ ン、 トリス (p—へキサデシルォキシフエニル) (3, 4 , 5—卜リメトキシ— 2—ニトロベンジルォキシ) シラン、 卜リス (p—へキサデシルォキシフエ二 ル) (4, 5 , 6 —トリメトキシ一 2—二トロベンジルォキシ) シラン、 卜リス ( P—へキサデシルォキシフエニル) (5—メチル— 4ーメトキシ— 2—ニトロ ベンジルォキシ) シラン、 トリス (p —へキサデシルォキシフエニル) (4, 5 —ジメチル— 2—ニトロベンジルォキシ) シラン、 およびトリス (p—へキサデ シルォキシフエニル) (2, 6—ジニトロベンジルォキシ) シラン等を挙げるこ とができる。
前記 α—ケトシリル基を有するケィ素化合物は、 下記一般式 (S I _ K S ) で 表すことができる。
(S卜 KS》
(式中、 R 5 3、 R 5 4および R 5 Sは、 同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素 原子、 炭素原子数 1〜3 0の置換もしくは非置換の炭化水素基、 置換もしくは非 置換の芳香族基または複素芳香族基である。 ただし、 炭素数が 1 0以上の置換も しくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の 炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する。 R 5 6は、 水 素原子、 ビニル基、 ァリル基、 炭素原子数 1〜 1 0のアルキル基、 炭素原子数 1
〜10のアルコキシ基、 ァリール基またはァリールォキシ基を表わし、 p、 Q、 rはそれぞれ 0〜 3の整数であって、 かつ l≤p + Q + r≤3である。 )
上記一般式において、 R53、 R54および R55として導入され得る置換もしくは 非置換の炭化水素基、 置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基として は、 前記一般式 (1— 1) 〜 (1 _ 5) の RH〜R18に導入され得る基として列 挙したものが挙げられる。
また上記一般式において、 R56として導入され得る炭素数 1〜10のアルキル 基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 n—ブチル基、 te rt-ブチル基、 n—ペンチル基、 ネオペンチル基、 n—へキシル基、 n—ヘプチル 基および n—才クチル基を、 炭素数 1〜10のアルコキシ基としては、 例えば、 メ卜キシ基、 エトキシ基、 n—プロポキシ基、 n—ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、 n_ペンチルォキシ基、 ネオペンチルォキシ基、 n—へキシルォキシ基、 n_へ プチルォキシ基および n—才クチルォキシ基を、 ァリール基としては、 例えば、 フエニル基およびナフチル基を、 ァリールォキシ基としては、 例えば、 フエノキ シ基およびナフチルォキシ基を、 それぞれ挙げることができる。 なお、 これらの 基は、 場合によってはハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 およびメトキシ基等 の置換基を有していてもよい。
前記 α—ケトシリル基を有するケィ素化合物のより具体的な例としては、 下記 式で表わされる化合物を挙げることができる。
上記光照射によってシラノールを発生するケィ素化合物は、 組成物中に 1種も しくは 2種以上が混合して用いられ、 その配合量は、 組成物中のエポキシ化合物 とアクリル樹脂に対して通常 0. 00 1〜20重量%、 好ましくは 0. 1〜10 重量%である。 配合量が 0. 001重量%未満である場合には、 硬化が不十分に なるおそれがあり、 また 20重量%を越えて用いることは可能ではあるが、 コス
ト高ゃ触媒成分の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
3.1.1.3.フエノール系触媒
前記一般式 (I一 5) で表される化合物としては、 例えば、 ビス (4ーヒドロ キシフエニル) スルホンモノォク夕デシルエーテル、 ビス (4—ヒドロキシ一 3 —ォク夕デシルォキシフエニル) スルホン、 ビス (4—ヒドロキシフエニル) ス ルフイ ドモノォク夕デシルエーテル、 (4—ヒドロキシフエニル) ォク夕デシル スルホン、 4. 4 ' —ジヒドロキシジフエ二ルェ一テルモノォク夕デシルエーテ ル、 およびビス (2— (6—ヒドロキシフエニル) ) スルホンモノォク夕デシル エーテルなどが挙げられる。
上記化合物は、 組成物中に 1種もしくは 2種以上が混合して用いられ、 その配 合量は、 組成物中の化合物 (i-1) と樹脂 (i-2) に対して通常 0. 01〜2, 0重量%、 好ましくは 0. 5〜 10重量%である。 配合量が 0. 01重量%未満 である場合には、 硬化が不十分になるおそれがあり、 また 20重量%を越えて用 いることは可能であるが、 コスト高ゃ触媒成分が物性に悪影響を与えるおそれが ある。
上述したようなカチオン重合触媒成分のうち、 一般式 (I一 4) で表される有 機ケィ素化合物および一般式 (I一 5) で表される化合物は、 一般式 (II一 1) 、
(II- 2) 、 (II- 3) で表される金属化合物と組み合わせて用いられ、 この場 合には成分の少なくとも一成分が加熱と冷却過程において溶解、 析出を可逆的に 繰り返せばよく、 他方の成分はその限りでない。 したがって、 この場合において、 上記一般式 (I一 4) 、 (1 -5) で表される化合物、 および一般式 (II一 1) 、
(II一 2) 、 (II一 3) で表される金属化合物 (3" ) は、 必ずしも炭素数が 1 0以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数 10以上の置換もし くは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する 必要はない。
具体的には、 一般式 (I一 4) で表される有機ゲイ素化合物としては、 ジフエ ニルシランジオール、 トリフエ二ルシラノールなどが挙げられる。
一般式 (1—5) で表される化合物としては、 ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) スルホン、 シァノフエノール、 ニトロフエノール、 2, 2—ジヒドロキシフ ェニルプロパン、 カテコール、 p, p ' —ビフエノール、 レゾルシノールなどが 挙げられる。
また一般式 (I一 3) で表される鉄芳香族化合物としては、 実施例の後で補足 説明で述べられるものが挙げられる。
また、 一般式 (I一 1) で表されるスルホニゥム塩、 および一般式 (I一 2) で表されるョードニゥム塩は、 前述の一般式 (II— 1 ) 、 (II- 2 ) 、 (II- 3) で表される金属化合物 (3" ) と組み合わせて用いることもできる。 この場合、 金属化合物は上述したように、 必ずしも炭素数 10以上の置換もしく は非置換の炭化水素基、 あるいは炭素数 10以上の置換もしくは非置換の炭化水 素基を有する芳香族基または複素芳香族基を 1つ以上有する必要はない。
上述したような一般式 (I一 1) で表されるスルホニゥム塩、 (1—2) で表 されるョードニゥム塩、 および (1—3) で表される鉄芳香族化合物は、 熱に対 して活性を上げるのみならず、 光、 電子線などの放射線に対しても活性を有して いる。 すなわち、 熱または電子線で励起されたこれらスルホニゥム塩、 ョードニ ゥム塩および鉄芳香族化合物は、 本発明に係るイオン重合性物質の重合を進行さ せる硬化触媒であり、 こうした触媒とイオン重合性物質等とを配合して本発明
( i ) の樹脂組成物が調製される。
3.1.1.4.カチオン重合触媒 (3' ) でのビニル化合物の重合反応
本発明においてカチオン重合性物質がビニルエーテルなどのビニル化合物の場 合には、 重合反応に際して通常、 触媒、 モノマーなどに不活性な溶媒を用いた溶 液重合法が行われるが、 場合によっては塊状重合法も行われる。
溶媒としては、 例えば、 トルエン、 ベンゼン、 キシレンのような芳香族炭化水 素類、 n—へキサン、 n—ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、 シクロへキサン のような脂環式炭化水素類、 石油エーテル、 リグ口インのような炭化水素混合物 類、 クロルベンゼン、 ジクロルェタンのようなハロゲン化炭化水素類などが使用
でき、 また、 これらビニル化合物の重合反応は常圧または加圧下で行われ、 反応 温度は 20で以上の温度、 好ましくは工業的に加熱が容易な 60〜150でであ る。
3.1.1.5.カチオン重合触媒 (3 ' ) と硬化性樹脂成分との混合
また、 において重合触媒として使用されるョ一ドニゥム塩、 スルホニゥム塩、 および鉄芳香族化合物は、 室温下でカチオン重合反応を開始しないため、 必要に 応じて予め樹脂組成物 (硬化性樹脂成分ともいう。 ) と触媒とを一液化して保存 しておくことも可能である。
本発明に使用されるスルホニゥム塩、 ョードニゥム塩、 および鉄芳香族化合物 は、 エポキシ化合物 100重量部に対して 0. 01〜20重量部、 好ましくは 0.
1〜5重量部である。 0. 01重量部未満の場合には充分な重合物が得られない。 一方、 20重量部を越える添加量では、 重合後の物性において好ましいものが得 られず、 コスト面においても好ましくない。
3.1.2.金属化合物 (3" )
次に、 本発明の第 1の硬化触媒の他の成分である金属化合物 (3" ) について、 詳細に説明する。 配合され得る金属化合物 (3" ) の代表的なものとしては、 下 記一般式 (II一 1) 、 (II- 2) および (II一 3) で表される化合物が挙げられ る。
(I卜 2)
(上記一般式中、 R21、 R22、 R23および R24は同一でも異なっていてもよく、 それぞれ水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の炭化水素基である。 ただし、 1つの配位子中において R21、 R22、 R23および R24の炭素数が 10以 上であるものを少なくとも 1つ以上含むものとする。 Mは、 Aし T i、 C r、 Mn、 Fe、 Co、 N Cu、 Z r、 Zn、 B a、 C a、 C e、 Pb、 Mg、 S n、 および Vからなる群から選択され、 nは 2〜4の整数である。 )
前記一般式 (II一 1) 、 (II一 2) 、 (II- 3) で表される化合物としては、 例えば、 トリス (ォク夕デシルァセトアセテート) アルミニウム、 トリス (へキ サデシルァセトアセテート) アルミニウム、 トリス (テトラデシルァセトァセテ 一卜) アルミニウム、 トリス (ドデシルァセトアセテート) アルミニウム、 トリ
ス (ォクチルサリチルアルデヒド) アルミニウム、 トリス (3 —ォク夕デシルァ セチルアセテート) アルミニウム、 および下記化学式で表わされる化合物が挙げ られる。
■CH-CHz
89
じ CH3、
さらに、 上述した化学式におけるアルミニウムを、 T i, C r、 Z r, Mn、 F e、 Co、 N i、 Cu、 Z rまたは Z n原子に変更したキレート化合物もまた、 本発明 ( i) の第 1の硬化触媒の金属化合物 (3" ) 成分として用いることがで さる。
なお、 上述した一般式 (II 1) 、 (II一 2) 、 (II一 3) で表される化合物 においては、 金属原子 (M) の結合手が全て配位子と結合している必要はなく、 配位子の代わりに 1個のアルコキシ基、 フエノキシ基、 ァシロキシ基と結合して
いてもよい。 また、 全ての結合手がこれらの基と結合していてもよい。
これらの金属化合物 (3 " ) は、 組成物中に 1種または 2種以上が混合して用 いられ、 その添加量は、 組成物中のエポキシ化合物等の樹脂に対して通常 0 . 0 1〜2 0重量%、 好ましくは 0 . 5〜 1 0重量%である。 配合量が 0 . 0 1重量 %未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがある。 また、 2 0重量%を 越えて用いることは可能であるが、 コスト高ゃ触媒成分が物性に悪影響を与える 場合があり、 好ましくない。 これらの金属化合物 (3 " ) を用いた場合には、 硬 化後の樹脂中にイオン性物質を残留させることがほとんどない。
3. 1. 3.金属化合物 (3 " ) と組み合わせて用い得る化合物
本発明の第 1の硬化触媒は、 上述したようなカチオン重合触媒成分および金属 化合物 (3 " ) の少なくとも 1種を含有するものであり、 いずれか一方の成分が 含まれない場合もあり得る。
例えば金属化合物 (3 " ) は、 次のような他の成分と組み合わせて、 本発明の 第 1の硬化触媒を構成することができる。 金属化合物 (3 " ) と混合して用い得 る化合物としては、 ケィ素原子に直接結合した水酸基を有するオルガノシラン、 ケィ素原子に直接結合した水酸基を有するオルガノシロキサンおよびフエノール 化合物からなる群から選択された少なくとも 1種の化合物が挙げられる。
なお、 ケィ素原子に直接結合した加水分解性基を有する有機ケィ素化合物、 ま たは光照射によりシラノールを発生することが可能なケィ素化合物もまた、 上述 したような金属化合物 (3 " ) と組み合わせて第 1の硬化触媒を得ることができ る。
ここで、 「加水分解性基」 とは、 一般式 ( 1—4 ) に導入され得る基としてす でに説明したようなケィ素に直接結合する残基であり、 前述と同様の基が挙げら れる。
3. 1. 3. 1.水酸基を有するオルガノシラン、 水酸基を有するオルガノシロキサン 用い得るオルガノシランは、 下記一般式 (S— 1 ) で表わすことができる。
(
(S-1)
(X3)r
(式中、 R 'は水酸基または前記加水分解性基を意味し、 X 1、 X 2および X 3は同 一であっても異なっていてもよく、 各々、 炭素原子数 1〜 1 2個のアルキル基; フエニル基、 トリル基、 パラメトキシフエ二ル基、 パラクロルフェニル基、 パラ ニトロフエニル基等のァリール基;ベンジル基、 フエネチル基、 パラメトキシべ ンジル基、 パラメチルベンジル基等のァラルキル基; ビニル基、 ァリル基、 プロ ぺニル基、 ブテニル基等のアルケニル基; またはァセチル基、 ベンゾィル基、 ト リフルォロアセチル基等のァシル基を表わし、 p、 Qおよび rは各々 0〜3の整 数であって、 p + q + rは 3以下である)
前記オルガノシランのうち、 第 1の硬化触媒においてより好ましいものの具体 例としては、 ジフエ二ルシランジオ一ル、 トリフエ二ルシラノール、 ジフエニル
(メチル) シラノール、 フエニル (ビニル) シランジオール、 トリ (パラメトキ シフエ二ル) シラノール、 トリァセチルシラノール、 ジフエ二ル (ェチル) シラ ノール、 ジフエ二ル (プロピル) シラノール、 トリ (パラニトロフエニル) シラ ノール、 フエ二ルジビ二ルシラノール、 2—ブテニルジフエ二ルシラノール、 ジ
( 2—ペンテニル) フエ二ルシラノール、 フエニルジプロピルシラノール、 パラ メチルベンジルジメチルシラノール、 トリェチルシラノール、 トリメチルシラノ ール、 トリプロピルシラノール、 卜リブチルシラノール、 トリイソブチルシラノ ールのようなシラノール類を挙げることができる。 また、 加水分解性基を有する オルガノシランの具体例としては、 卜リフエニル (メトキシ) シラン、 ジフエ二 ルジメトキシシラン、 トリフエニル (エトキシ) シラン、 ジフエニル (メチル) メトキシシラン、 フエニル (ビニル) (メチル) (メトキシ) シラン、 ジフエ二 ルジェトキシシラン、 トリ (パラメトキシフエニル) メトキシシラン、 トリァセ チル (メトキシ) シラン、 ジフエニル (ェチル) (エトキシ) シラン、 ジフエ二
ル (プロピル) (エトキシ) シラン、 ジフエニル (メチル) (ァセトキシ) シラ ン、 ジフエニルジプロピオニルォキシシラン、 ジフエニル (メチル) (卜リフエ 二ルァセトキシ) シラン、 トリ (パラニトロフエニル) (メトキシ) シラン、 ト リアセチル (メ卜キシ) シラン、 フエニルジビニル (プロボキシ) シラン、 2— ブテニルジフエニル (メトキシ) シラン、 ジ (2—ペンテニル) (フエニル)
(エトキシ) シラン、 フエニルジプロピル (メトキシ) シラン、 トリ (パラメト キシフエニル) (エトキシ) シラン、 パラメチルベンジル卜リメトキシシラン、 トリフルォロアセチルトリメトキシシラン、 ジ (パラクロルフエニル) ジェトキ シシラン、 トリェチル (メトキシ) シラン、 トリメチル (メトキシ) シラン、 ト リプロピル (メトキシ) シラン、 トリブチル (エトキシ) シラン、 トリイソプチ ル (ァセトキシ) シラン、 および下記化学式で表わされる化合物を挙げることが できる。
Φ
CH3、 I /CH3
CH3ノ I 、CH3
Φ
(φ -フエニル)
さらに、 前記例の他に、 水酸基と加水分解性基との両方を有するオルガノシラ ンも勿論用いることができる。
上述したようなケィ素原子に直接結合した水酸基または加水分解性基を有する オルガノシランは、 組成物中に 1種もしくは 2種以上が混合して用いられる。 その配合量は、 組成物中のエポキシ化合物 ( i - 1 ) とアクリル樹脂 ( i - 2 ) に対して、 通常 0 . 0 0 1〜2 0重量%、 好ましくは 0 . 0 1〜 1 0重量%でぁ る。 配合量が 0 . 0 0 1 %未満である場合には、 硬化が不十分になるおそれがあ る。 また、 2 0重量部を超えて用いることは可能であるが、 コスト高や触媒成分
の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましくない。
本発明 ( i ) の第 1の硬化触媒に好適に用いることができるオルガノシロキサ ンは、 下記式 (S— 2 ) で表わされる二官能性単位および Zまたは下記式 (S— 3 ) で表わされる三官能性単位からなる、 分岐を有することもある直鎖状または 環状のシロキサンであり、 場合によっては下記式 (S— 4 ) で表わされる四官能 性単位を含んでいてもよい。 さらに、 このオルガノシロキサンは、 シロキサン鎖 が末端を有する場合には、 下記式 (S— 5 ) で表わされる一官能性単位によって 封じられたものであり、 特に、 構成単位の少なくとも 1つが水酸基または加水分 解性基を少なくとも 1つ含む。
(S1O2) ·~ (S-4) Y5— (Si01/2)— (S-5)
Y6
(式中、 Y Y 2、 Υ 3、 Υ 4、 Υ 5および Υ 6は同一であっても異なっていてもよ く、 各々、 水酸基もしくは加水分解性基;炭素原子数 1〜1 2個のアルキル基; フエニル基、 トリル基、 パラメトキシフエ二ル基、 パラクロルフェニル基、 パラ シァノフエニル基等のァリール基;ベンジル基、 フエネチル基、 パラメトキシべ ンジル基、 パラメチルベンジル基等のァラルキル基; ビニル基、 ァリル基、 プロ ぺニル基、 ブテニル基等のアルケニル基;ァセチル基、 ベンゾィル基、 トリフル ォロアセチル基等のァシル基を表わす)
前記オルガノシロキサンのうち、 重合度が 5 0以下で、 水酸基および Ζまたは 加水分解性基の当量が 1, 0 0 0以下のものがより好ましく、 さらには当量が 5 0〜5 0 0であるものが好ましい。
このような好ましいオルガノシロキサンの具体例としては、 水酸基を有するも のとして、 1, 3—ジヒドロキシ一 1, 3—ジメチル一 1 , 3—ジフエ二ルジシ
ロキサン、 1, 5—ジヒドロキシ一 1, 3, 5—トリメチルー 1, 3, 5_トリ フエニル卜リシロキサン、 1, 7—ジヒドロキシ一 1, 3, 5, 7—テトラメチ ルー 1, 3, 5, 7—テトラフエ二ルテ卜ラシロキサン、 1, 3—ジヒドロキシ テトラフエニルジシロキサン、 1, 5—ジヒドロキシへキサフエニル卜リシロキ サン、 1, 7—ジヒドロキシォクタフエニルテトラシロキサン、 1, 5—ジヒド 口キシー 3, 3—ジメチル一 1, 1, 5, 5—テトラフェニルトリシロキサン、 1, 3—ジヒドロキシテトラ (ジメチルフエニル) ジシロキサン、 1, 5—ジヒ ドロキシへキサェチルトリシロキサン、 1, 7—ジヒドロキシォクタプロピルテ トラシロキサン、 1, 3, 5—トリヒドロキシ— 3—ェチル一 1 , 1, 5, 5 - テ卜ラメチルトリシロキサン、 1, 5—ジヒドロキシ _ 1, 1, 5, 5—テトラ フエ二ルー 3, 3—ジ— p—トリルトリシロキサン、 および下記化学式で表わさ れる化合物を挙げることができる。
また、 SH60 18 (トーレシリコーン (株) 製:水酸基当量 400、 分子量 1, 600のメチルフエ二ルポリシロキサン) などの商品名で入手し得るシリコ ーン樹脂も用いることができる。
一般に、 下記一般式で表わされるポリシロキサンも使用することができる。
しヒ記一般式中、 R
fil、 R
62、 R
63、 R
64、 R
65および R
66は同一でも異なって いてもよく、 それぞれ水酸基もしくは加水分解性基;炭素原子数 1〜12個のァ ルキル基; フエニル基、 トリル基、 パラメトキシフエ二ル基、 パラクロルフエ二
ル基、 パラシァノフエニル基等のァリール基;ベンジル基、 フエネチル基、 パラ メトキシベンジル基、 パラメチルベンジル基等のァラルキル基; ビニル基、 ァリ ル基、 プロぺニル基、 ブテニル基等のアルケニル基; ァセチル基、 ベンゾィル基、 トリフルォロアセチル基等のァシル基を表わす。 )
上述したようなケィ素原子に直接結合した水酸基を有するオルガノシロキサン は、 組成物中に 1種もしくは 2種以上が混合して用いられる。
その配合量は、 組成物中のエポキシ化合物 ( i - 1 ) 及びアクリル樹脂 ( i -2) に対して、 通常 001〜20重量%、 好ましくは 0. 01〜10重 量%である。 配合量が 0. 001 %未満である場合には、 硬化が不十分になるお それがある。 また、 20重量部を超えて用いることは可能であるが、 コスト高や 触媒成分の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましくない。
3.1.3.2.光照射によりシラノールを発生することが可能なケィ素化合物
配合され得る光照射によってシラノールを生ずるケィ素化合物としては、 ペル ォキシシラノ基、 o—ニトロべンジルォキシ基、 α—ケトシリル基のいずれかを 有するケィ素化合物が好ましい。
ペルォキシシラノ基を有するケィ素化合物は、 一般式 ( I一 4) においてすで に説明したような一般式 (S I— ΡΟ) で表される化合物である。 ただし、 この 場合には、 前記一般式中の R4', R42, および R43としては、 水素原子、 ハロゲ ン原子、 炭素数 1〜5のアルキル基、 炭素数 1〜 5のアルコキシ基、 ァリール基 またはァラルキル基が導入される。 これらは、 同一であっても異なっていてもよ い。
ハロゲン原子、 炭素数 1〜5のアルキル基等としては、 R44に導入され得る基 として列挙したものが挙げられる。
ペルォキシシラノ基を有するケィ素化合物の具体的な例としては、 下記式で表 わされる化合物を挙げることができる。
前記 o—二トロペンジルォキシ基を有するケィ素化合物は、 一般式 (I一 4) においてすでに説明したような一般式 (S I— NB) で表される化合物である。 ただしこの場合には、 R
4'
s, R
46, および R
47としては、 水素原子、 ハロゲン原 子、 ビニル基、 ァリル基、 炭素数 1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、 炭素数 1〜 10のアルコキシ基、 置換もしくは非置換のァリール基、 ァリールォ キシ基またはシロキシ基が導入される。 これらは同一であっても異なっていても よい。
ハロゲン原子としては、 例えば塩素原子および臭素原子を、 炭素数 1〜10の 置換もしくは非置換アルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プ 口ピル基、 n—ブチル基、 tert-ブチル基、 n_ペンチル基、 クロロメチル基、 ク ロロェチル基、 フルォロメチル基およびシァノメチル基が挙げられ、 炭素数 1〜 10のアルコキシ基としては、 例えば、 メトキシ基、 エトキシ基、 n_プロポキ シ基および n _ブトキシ基が挙げられる。 非置換もしくは置換ァリール基として は、 例えば、 フエニル基、 p—メトキシフエ二ル基、 p—クロ口フエニル基およ び P—卜リフルォロメチルフエニル基が挙げられ、 ァリールォキシ基としては、 例えば、 フエノキシ基が挙げられる。
また、 前記 o—二トロベンジルォキシ基を有するケィ素化合物は、 o—二卜口 ベンジルォキシ基を末端基とし、 主鎖が次式で表わされる基からなる化合物であ つてもよい。
(式中、 sは 1以上の整数を表わし、 R67および R68は同一であっても異なって いてもよく、 それぞれ、 水素原子、 ハロゲン原子、 ビニル基、 ァリル基、 炭素数 1〜10の非置換もしくは置換アルキル基、 炭素数 1〜10のアルコキシ基、 非 置換もしくは置換ァリール基、 ァリールォキシ基又はシロキシ基を表わし、 X4は 酸素原子、 アルキレン基またはァリールジィル基を表わす。 )
前記 o—二トロベンジルォキシ基を有するケィ素化合物の具体的な例としては、 卜リメチル (o—二トロベンジルォキシ) シラン、 ジメチルフエニル (o—ニト 口ベンジルォキシ) シラン、 ジフエニルメチル (o—ニトロベンジルォキシ) シ ラン、 卜リフエニル (o _二卜口ベンジルォキシ) シラン、 ビニルメチルフエ二 ル (o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 t一ブチルメチルフエニル (o—ニト 口ベンジルォキシ) シラン、 トリェチル (o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 トリ (2—クロロェチル) 一 o—ニトロベンジルォキシシラン、 トリ (p—トリ フルォロメチルフエ二ルー o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 トリメチル [α - (ο—二トロフエニル) _ ο—ニトロベンジルォキシ] シラン、 ジメチルフエ ニル [α— (ο_ニトロフエニル) 一ο—二トロベンジルォキシ] シラン、 メチ ルフエニルジ [α.— (ο_ニトロフエニル) — ο—二トロベンジルォキシ] シラ ン、 卜リフエニル (α—ェチルー ο—二卜口ベンジルォキシ) シラン、 トリメチ ル (3—メチル— 2—二トロベンジルォキシ) シラン、 ジメチルフエニル (3,
4, 5_トリメ卜キシ一 2—ニトロベンジルォキシ) シラン、 トリフエニル (4,
5, 6—トリメトキシー 2—ニトロベンジルォキシ) シラン、 ジフエ二ルメチル
( 5 _メチル一 4ーメトキシ一 2 —ニトロベンジルォキシ) シラン、 トリフエ二 ル (4, 5 _ジメチルー 2 _ニトロベンジルォキシ) シラン、 ビニルメチルフエ ニル (4 , 5 —ジクロロ一 2—ニトロベンジルォキシ) シラン、 トリフエニル
( 2, 6 —ジニトロベンジルォキシ) シラン、 ジフエニルメチル (2 , 4—ジニ トロベンジルォキシ) シラン、 トリフエニル (3 —メトキシー 2 —ニトロべンジ ルォキシ) シラン、 ビニルメチルフエニル (3, 4 —ジメトキシー 2 —ニトロべ ンジルォキシ) シラン、 ジメチルジ (o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 メチ ルフエニルジ (o _ニトロベンジルォキシ) シラン、 ビニルフエニルジ (o—二 トロベンジルォキシ) シラン、 t 一ブチルフエニルジ (o—二トロべンジルォキ シ) シラン、 ジェチルジ (o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 2—クロロェチ ルフエ二ルジ (o—ニトロベンジルォキシ) シラン、 ジフエ二ルジ (o—二トロ ベンジルォキシ) シラン、 ジフエニルジ (3 —メトキシ一 2—二トロベンジルォ キシ) シラン、 ジフエ二ルジ (3 , 4—ジメトキシ一 2 _ニトロべンジルォキ シ) シラン、 ジフエニルジ (2, 6 —ジニトロベンジルォキシ) シラン、 ジフエ ニルジ (2, 4ージニトロベンジルォキシ) シラン、 メチルトリ (o—ニトロべ ンジルォキシ) シラン、 フエニルトリ (o—二トロベンジルォキシ) シラン、 p —ビス (o—ニトロべンジルォキシジメチルシリル) ベンゼン、 1 , 1, 3 , 3 —テトラフエニル— 1, 3—ジ (o _ニトロベンジルォキシ) ジシロキサン、 1, 1 , 3 , 3, 5 , 5—へキサフエニル— 1 , 5—ジ (o—ニトロべンジルォキ シ) トリシロキサン、 および S i C 1含有シリコーン樹脂と o—ニトロべンジル アルコールとの反応により生成するケィ素化合物を挙げることができる。
前記ひーケトシリル基を有するケィ素化合物は、 一般式 ( I 一 4 ) においてす でに説明したような一般式 (S I - K S ) で表される化合物である。 ただしこの 場合には、 前記一般式中の R 5 3、 R 5 4および R 5 5としては、 水素原子、 ビニル基、 ァリル基、 炭素原子数 1〜1 0のアルキル基、 炭素原子数 1〜1 0のアルコキシ 基、 ァリール基またはァリルォキシ基が導入される。 これらは同一であっても異 なっていてもよい。
R53、 R54および R55に導入され得る炭素数 1〜10のアルキル基、 炭素数 1 〜10のアルコキシ基等としては、 R56に導入され得る基として列挙したものが 挙げられる。
α—ケトシリル基を有するケィ素化合物の具体的な例としては、 下記化学式で 表わされる化合物を挙げることができる。
上述したような光照射によってシラノールを発生するケィ素化合物は、 組成物 中に 1種もしくは 2種以上が混合して用いられ、 その配合量はエポキシ化合物と アクリル樹脂に対し通常 0. 001〜20重量%、 好ましくは 0. 01〜10重 量%である。 配合量が 0. 001重量%未満である場合には、 硬化が不十分にな るおそれがある。 また、 20重量%を越えて用いることは可能ではあるが、 コス
ト高ゃ触媒成分の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましくはない。
3.1.3.3.フエノール化合物
用い得るフエノール化合物としては、 例えば、 下記一般式 (Ph— 1) で表さ れるものが挙げられる。
. - Ar OH) n (Ph-1)
(上記一般式 (Ph— 1) 中、 A r 2は置換もしくは非置換の芳香族基または複素 芳香族基を表わし、 nは 1〜10の整数である。 )
前記一般式 (Ph— 1) において、 Ar 2で表わされる置換もしくは非置換の芳 香族基または複素芳香族基としては、 前記一般式 (I一 1) 〜 (I一 5) の R11 〜R 18に導入され得るとして列挙したような基を挙げることができる。 これらの 置換された芳香族基または複素芳香族基の置換基としては、 炭素数が 1以上の有 機基を挙げることができ、 複数存在する場合には、 各々同一であっても異なって いてもよい。 このような置換基の具体的な例としては、 以下に示す有機基を挙げ ることができる。
一 C
4H
9 一 C
5H 11 ~ 6H13 GH
2-
- '
(Buはブチル基を表わす) (Hexはへキシル基を表わす)
(J§d—般式 (Ph— 1) で表わされる化合物のより具体的な例としては、 以下 に示す化合物を挙げることができる。
98
OH
これらのフエノール化合物は、 単独でまたは複数種を組み合わせて用いること ができる。
本発明 ( i ) に係わる第 1の硬化触媒において上述したようなフエノール化合 物を配合する場合には、 その配合量は、 エポキシ化合物 ( i-1) とアクリル樹脂 ( i -2) に対して 0. 1〜50重量%程度とすることが好ましい。 0. 1重量% 未満の場合には、 硬化反応を十分に進行させることが困難となる。 一方、 50重 量%を越えると、 コスト高ゃ硬化物の機械的強度が低下する傾向にある。
3.1.3.4.加水分解性基を有する有機ケィ素化合物
ケィ素原子に直接結合した加水分解性基を有する有機ケィ素化合物としては、 炭素原子数 1〜 5個のアルコキシル基; フエノキシ基、 トリルォキシ基、 パラメ トキシフエノキシ基、 パラニトロフエノキシ基、 ベンジルォキシ基、 パラクロル フエノキシ基等のァリールォキシ基;ァセトキシ基、 プロピオニルォキシ基、 ブ
夕ノィルォキシ基、 ベンゾィルォキシ基、 フエ二ルァセトキシ基、 ホルミルォキ シ基等のァシロキシ基; ビニルォキシ基、 ァリルォキシ基等の炭素原子数 2〜 1 2個のアルケニルォキシ基;ベンジルォキシ基、 フエネチルォキシ基等のァラル キルォキシ基;次式で表わされる基を有する有機ケィ素化合物を挙げることがで きる。
(式中、 R 'および R〃 は同一であっても異なっていてもよく、 炭素原子数 1〜 5個のアルキル基を表わす)
上述したようなケィ素原子に直接結合した加水分解性基を有する有機ケィ素化 合物は、 組成物中に 1種もしくは 2種以上が混合して用いられる。 配合量は、 ェ ポキシ化合物とアクリル樹脂に対して、 通常 0. 001〜20重量%、 好ましく は 0. 01〜 10重量%である。 配合量が 0. 00 1 %未満である場合には、 硬 化が不十分になるおそれがあり、 20重量部を超えて用いることは可能であるが、 コスト高ゃ触媒成分の分解生成物が問題となる場合があり、 好ましくない。
3.2. 第 2の硬化触媒
次に、 本発明 ( i ) に係る第 2の硬化触媒について説明する。
本発明 ( i ) に係る第 2の硬化触媒は、 前記一般式 (III一 1 ' ) および (III -2) で表わされる化合物からなる群から選択された少なくとも 1種の化合物を 含有する。
前記一般式 (III一 1 ' ) において R'、 R2および R3として導入され得る炭化 水素基としては、 前記一般式 (I一 1) 〜 (1 _ 5) の RM〜R18に導入され得 るとして列挙したような基を挙げることができる。 なお、 R R2、 R3がいずれ も炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基あるい は複素芳香族基であれば、 より好ましい。
具体的には、 前記一般式 (III一 1 ' ) で表される化合物としては、 ビス (p— ォク夕デシルォキシフエニル) ブチルホスフィン、 ビス (m—才クタデシルォキ
シフエ二ル) ブチルホスフィン、 ビス (p—才クタデシルォキシフエニル) デシ ルホスフィン、 p _ォク夕デシルォキシフエニルジブチルホスフィン、 p—ォク 夕デシルォキシフエ二ルォク夕デシルホスフィン等が挙げられる。
また、 前記一般式 (III一 1 ' ) で表される化合物としては、 前記一般式 (III- 1 ) で表される化合物を用いることができる。
前記一般式 (III一 1) において R31として導入され得る炭化水素基、 および一 般式 (III一 2) において R32、 R33、 R34および R35として導入され得る炭化水 素基としては、 前記一般式 (1 _1) 〜 (1—5) の R 〜R18に導入され得る として列挙したような基を挙げることができる。 また、 こうした炭化水素基は、 F, S i, O, N, S等のへテロ原子が含有されていてもよい。
一般式 (III一 1) 、 (III- 2) で表わされる化合物としては、 前述のものが 挙げられる。
一般式(III— 1)あるいは一般式 (III一 2) と同様に用いられるァニオン系触 媒としては、 以下の化合物類を挙げることができる。
具体的なァニオン系化合物としては、 直鎖状第 3級ァミン、 ピぺラジン、 ピリ ジン、 ピコリン、 1, 8—ジァザビシクロ [5. 4. 0] ゥンデセン一 1、 ベン ジルァミン、 2— (アミノメチル) フエノール、 2, 4, 6—トリス (アミノメ チル) フエノール等の誘導体を用いることができる。 これら誘導体にはハロゲン 原子、 ニトロ基、 シァノ基、 水素原子、 炭素数 1〜30の置換もしくは非置換の 炭化水素基、 置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基または複素芳香 族基を有し、 さらに炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基、 ある いは炭素数が 10以上の置換もしくは非置換の炭化水素基を有する芳香族基また は複素芳香族基を 1つ以上有する。
上述したような本発明 (i) に係る第 2の硬化触媒は、 成分 (i- 1) と (i - 2) に対して 0. 01〜20重量%の割合で配合して樹脂組成物を調製すること が好ましい。 0. 01 %未満の場合には、 硬化反応を十分に進行させることが困 難となり、 一方、 20重量%を越えると、 コスト高や硬化物の機械的強度が低下
する傾向にある。
3.3.熱活性化触媒のその他の特徴
本発明 ( i ) に係る第 1の硬化触媒は、 カチオン重合触媒 (3 ' ) および金属 化合物 (3" ) の少なくとも 1種を含有し、 エポキシ化合物 ( i- 1) 及び 又は アクリル樹脂 ( i-2) 中において加熱、 冷却によって可逆的に溶解、 析出を行う ことが可能であるという特性を有している。
また第 2の硬化触媒は、 Pおよび N原子からなる群から選択された少なくとも 1種の原子を含み、 エポキシ化合物 ( i-1) 及びノ又はアクリル樹脂 ( i- 2) 中において加熱により均一に溶解し、 さらに冷却過程において析出するといぅ特 性を有している。
上記の場合の析出とは、 硬化触媒がエポキシ化合物 ( i- 1) 及び 又はァクリ ル樹脂 ( i_2) 中においてコロイドゃミセル、 結晶等の形態をとることを意味す る。 例えば、 活性部位である N原子や、 P原子部分が上記形態をとることにより、 エポキシ基やエステル基、 フエノール性水酸基等の反応活性部位から遮蔽されて いる状態を示す。 この状態を作りだすためには、 例えば、 炭素数の大きい置換ま たは非置換の炭化水素基を有する化合物などが有効である。 なお、 炭素数の大き い炭化水素基とは、 具体的には、 へキサデシル基、 ォク夕デシル基、 ドコシル基 等を表わす。
4. 他の添加剤
本発明 ( i ) に係る硬化性樹脂組成物には、 必要に応じて、 酸無水物ゃフエノ ール樹脂のようなエポキシ樹脂硬化剤、 硬化促進剤、 密着性向上のための官能性 シランカップリング剤、 体質顔料、 防鲭顔料、 着色顔料等の顔料類、 反応性希釈 剤、 有機溶媒、 沈降防止剤、 タレどめ剤、 湿潤剤、 ォキセタン基ゃヒドロキシル 基を有するエポキシ用反応促進剤 (硬化促進剤) 、 付着性付与剤、 脱水剤、 消泡 剤、 レべリング剤、 酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、 可撓性付与剤などの 通常の塗料用添加剤などを適宜含有してもよい。
上記官能性シランカップリング剤としては、 ビニル基、 (メタ) ァクリロイル
基等の二重結合;イソシァネート基、 エポキシ基等の反応性置換基;水酸基、 力 ルポキシル基、 アミノ基等の官能基を有するシランカップリング剤、 具体的には ビニルトリメトキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン、 ァー ( (メタ) ァクリ ロキシプロピル) 卜リメトキシシラン、 ァ一イソシアナ一卜プロピル卜リエトキ シシラン、 i3 _ ( 3, 4エポキシシクロへキシル) ェチルトリメトキシシラン、 アーダリシジルォキシプロビルトリメトキシシラン、 ァ—グリシドキシプロピル トリメトキシシラン、 ァ一ァミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが できる。 特にエポキシ基を有するシランカップリング剤が接着性、 耐薬品性等に 優れているため好ましい。 これらの官能性シランカップリング剤は、 1種類のみ で用いても、 2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
5 . 塗装
また、 本発明 ( i ) の硬化性樹脂組成物は塗料として使用され、 アルミ、 鉄、 亜鉛処理鋼板などの金属、 P E T、 P B T、 ポリカーボネート、 ナイロン、 塩化 ビニルなどの樹脂ライニング金属板などの基板の表面に塗装される。
さらに、 産業用又は一般用に使用されているメラミン硬化塗料、 ウレタン硬化 塗料、 アルキッド等酸化重合型の塗料で作られる塗膜の上塗りに用いることがで さる。
上記、 塗料の塗装方法には、 ロールコート、 グラビアコート、 グラビアオフセ ットコ一ト、 スピナ一コート法、 カーテンフローコート、 スロットコート、 リバ ースコート、 スクリーン印刷、 オフセット印刷、 エアレススプレー、 エアスプレ 一、 ロールコート法、 回転塗布法刷毛塗り、 ディップコート法などの従来公知の 方法が採用できる。
上記塗料を乾燥膜厚で 5〜 2 0 0 / mとなるように塗布できる。
6 . 硬化方法
本発明 ( i ) に係る硬化性樹脂組成物は、 光又は熱、 又はこれらの併用により 硬化させることができる。
たとえば、 光硬化させるための光源としては、 高圧水銀灯、 超高圧水銀灯、 メ
タルハライド灯、 ハロゲン灯、 ガリウム灯、 キセノン灯、 カーボンアーク灯など を使用することができる。 また、 電子線ゃァ線等の放射線も使用できる。
熱源としては、 赤外線、 遠赤外線、 熱風、 高周波加熱などにより硬化をさせる ことができる。 またこれらの光源と熱源を併用も可能である。
7. 用途
本発明 (i) に係る硬化性樹脂組成物は、 滑性の必要な金属、 樹脂などの表面 コートに用いることが可能であり、 缶の外側のコーティング用には特に好適であ る。
[ii]. 発明 (ii) に係る実施の形態
' 本発明 (ii) に係る溶剤系塗料組成物は、 1分子中に脂環エポキシ基を 2個以 上有し、 数平均分子量が 2, 000以下のエポキシ化合物 (ii- 1) 、 数平均分子 量が 2, 000〜 50, 000、 水酸基価が 10〜 250 mgKOHZgおよびェポキ シ当量が 300以下であるエポキシ基含有アクリル樹脂 (ii-2) 、 並びに、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒
(3) からなる。
上記エポキシ基含有アクリル樹脂 (ii-2) は、 そのエポキシ基が脂環エポキシ 基またはグリシジル (メタ) ァクリレート由来のエポキシ基である。
硬化触媒 (3) は、 前記発明 (i) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) カ^ 発明 (i) と全く同様に使用できる。
1. エポキシ化合物 (ii_l)
本発明 (ii) において使用するエポキシ化合物 (ii-1) は、 イオン重合性、 粘 度等を考慮すると、 分子内に脂環エポキシを 1個以上、 好ましくは 2〜 3個持ち、 数平均分子量が 2, 000以下、 好ましくは約 100〜 1 , 500の化合物であ り、 エポキシ当量が 30〜 1000、 特に 80〜400のものが好ましい。
上記エポキシ化合物 (ii- 1) としては、 具体的には、 前記の発明 (i) に挙げ たエポキシ化合物 (i-1) が同様に使用でき説明は省略する。
2. エポキシ基及び水酸基含有アクリル樹脂 (ii-2)
エポキシ基及び水酸基を持つアクリル樹脂 (ii- 2) は、 数平均分子量が 2, 0 00〜50, 000、 水酸基価が 10〜25 OmgKOHZg及びエポキシ当量 が 300以下であるエポキシ基含有アクリル樹脂のものが好ましい。
アクリル樹脂 (ii- 2) は、 エポキシ基を有するモノマー、 水酸基を有するモノ マー、 及び/又はエポキシ基と水酸基を有するモノマ一、 その他これらに共重合 できるモノマーを構成成分とする。 上記モノマーとしては、 前記の発明 ( i) に 挙げたアクリル樹脂 ( i-2) の構成成分であるモノマーが同様に使用でき説明は 省略する。
3. 熱活性化イオン重合触媒 (3)
本発明 (ii) において使用する熱活性化イオン重合触媒 (3) は、 前記発明 ( i) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) と、 全く同様に使用でき、 熱活 性化イオン重合触媒 (3) の説明は省略する。
4. 他の添加剤
本発明 (ii) の硬化性樹脂組成物には、 必要に応じて、 発明 ( i ) に挙げた他 の添加剤を発明 ( i ) と同様に適宜含有してもよい。
5. 溶剤系塗料組成物の調製
本発明 (ii) で使用するクリャ塗料は、 エポキシ化合物 (ii- 1) 、 アクリル樹 脂 (ii- 2) 、 及び熱活性化触媒 (3) からなり、 熱活性化触媒 (3) はエポキシ 化合物 (ii- 1) 及び 又はアクリル樹脂 (ii-2) に、 必要であれば有機溶剤を 使用して、 溶解または分散することにより調製することができる。
例えば、 エポキシ化合物 (ii- 1) とアクリル樹脂 (ii- 2) を混合して、 これ に熱活性化触媒 (3) を加熱溶解させ、 冷却して触媒を析出分散させ溶剤系塗料 組成物を調製することができる。
また、 エポキシ化合物 (ii-i) とアクリル樹脂 (ii- 2) を混合して樹脂組成 物を得た後、 これを 2分割して、 一方に熱活性化触媒 (3) の一種を加熱溶解さ せ、 冷却して触媒を析出分散させ、 残りに他の種類の熱活性化触媒 (3) を溶解 させ、 冷却して触媒を析出分散させた後、 両液を混合して溶剤系塗料組成物を調
製することができる。
あるいはまた、 エポキシ化合物 (ii- 1) に熱活性化触媒 (3) の一種を加熱溶 解させ、 冷却して触媒を析出分散させ、 一方アクリル樹脂 (ii-2) に他の種類の 熱活性化触媒 (3) を溶解させ、 冷却して触媒を析出分散させた後、 両液を混合 して溶剤系塗料組成物を調製することができる。
上記有機溶剤としては、 例えば、 前記アクリル系樹脂 (ii-2) を重合するとき の溶剤も含めて、 トルエン、 キシレン、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 メチルェチル ケトン、 メチルイソブチルケトン、 シクロへキサノン、 イソホロン、 メ卜キシプ ロピレングリコールアセテート、 酢酸カルビノール、 酢酸メトキシブチル、 セロ ソルブ、 酢酸セロソルブ、 ブ夕ノール等が挙げられるが、 これらのみに制限され るものではない。
6. 塗装
本発明 (ii) に係る溶剤系塗料組成物は、 発明 ( i ) に記載した塗装の方法で 同様に塗装することができる。
車輛等の塗装を行う方法として、 不透明着色塗料、 透明着色塗料及びクリャ塗 料を用いて複層上塗塗膜を形成する方法は、 これらの 3種類の塗料をすベて塗装 してから 1回の加熱で 3層塗膜を同時に硬化する 3コート 1ベイク方式 (3 C 1 B) や、 2つの加熱工程を採用する 3コート 2ベイク方式 (3 C 2 B) や、 それ ぞれの塗膜を加熱する 3コート 3ベイク方式 (3 C 3 B) のいずれの方式によつ て行なわれてもよい。
7. 硬化方法
本発明 (ii) に係る硬化性樹脂組成物は、 発明 ( i) に記載した硬化方法で同 様に硬化することができる。
8. 用途
本発明 (ii) に係る溶剤系塗料樹脂組成物は、 自動車、 二輪車、 電車等の車輛 用の塗料、 家電製品用の塗料、 建材用等の塗料、 好ましくは上塗塗料として使用 される。 特に自動車の上塗塗料として、 不透明着色塗料、 透明着色塗料の上に塗
装されるクリャ塗料として有効であり、 耐熱性、 耐汚染性、 耐擦傷性等に優れて いる。
また、 本発明 (ii ) に係る溶剤系塗料樹脂組成物は、 他の滑性の必要な金属、 樹脂などの表面コート類に用いることが可能であり、 例えば缶の外側のコ一ティ ング用にも使用できる。
本発明 (ii ) は、 特に自動車、 オートバイ等の道路上を走行する車両の車体表 面に、 不透明着色塗料、 透明着色塗料、 及びクリャ塗料を塗装して複層塗膜を形 成する塗装方法をも開示するものである。
ここで、 不透明着色塗料は、 ソリッドカラー塗料、 メタリック塗料、 光干渉縞 塗料などであり、 組成としては樹脂成分、 着色顔料、 溶剤等からなる熱硬化性塗 料であり、 はじめに車体上に塗装される。
透明着色塗料は、 樹脂成分、 着色顔料及び溶剤からなり、 上記不透明着色塗料 の硬化又は未硬化塗面に塗装され、 塗膜を介して透視できる程度に着色した着色 透明塗膜を形成する。
クリャ塗料は、 透明着色塗料の硬化又は未硬化塗面に塗装され、 通常は透明塗 膜形成用塗料であり、 本発明 (ii ) の溶剤系塗料樹脂組成物が好適に使用される。
[iii] . 発明 (iii) に係る実施の形態
本発明 (iii) に係る多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物は、 少なくとも 1個 以上のイオン重合性を有する官能基を有するモノマー (iii- 1 ) 、 少なくとも 1個 以上のイオン重合性を有する官能基を有する高分子化合物 (iii- 2 ) 、 及び、 加熱、 冷却によってそれぞれ溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触媒
( 3 ) からなる。
以後、 多層プリン卜配線板用絶縁樹脂組成物を硬化性樹脂組成物ともいう。
また、 加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触 媒 (3 ) を、 硬化触媒 (3 ) とも称する。
硬化触媒 (3 ) は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3 ) が、 発明 ( i ) と全く同様に使用できる。
1. モノマー (iii— 1)
本発明 (iii) において使用するモノマー (iii- 1) は、 イオン重合性を有し、 2 5°Cにおける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物であるので、 エポキシ 化合物 (iii-i) ともいう。
エポキシ化合物 (m-i) としては、 前記の発明 (π に挙げたエポキシ化合物
( i-1) が同様に使用でき説明は省略する。
ビニルエーテルや、 ォキセタンを配合する場合は、 前記発明 ( i ) と同様に、 上記エポキシ化合物 (iii- 1) とアクリル樹脂 (iii-2) とビニルエーテルゃォキ セタンとの合計 1 00重量%に対して 30重量%以下にすることが望ましい。
エポキシ化合物 (iii- 1) とアクリル樹脂 (iii- 2) からなる樹脂組成物中のこ れらエポキシ基を持つ化合物の比率は、 前記発明 ( i ) と同様に、 20〜90重 量%、 好ましくは、 40〜80重量%である。
2. 高分子化合物 (iii- 2)
本発明 (iii) において使用する高分子化合物 (iii-2) は、 例えば、 イオン種と 反応する官能基を有するアクリル樹脂であり、 イオン種と反応する官能基とはェ ポキシ基及び水酸基のことである。 したがって、 高分子化合物 (m- 2) をァクリ ル樹脂 (m- 2) と言う場合もある。
アクリル樹脂 (iii-2) の構成成分であるモノマーとしては、 エポキシ基として、 グリシジルエーテル基もしくは類似の末端エポキシ基を持つ (メタ) アクリル酸 エステル、 及び脂環エポキシ基などを有する (メタ) アクリル酸エステル等を使 用することが出来る。
上記モノマーとしてはたとえば、 前記の発明 ( i ) に挙げたアクリル樹脂 ( i - 2) の構成成分であるモノマーが同様に使用でき説明は省略する。
エポキシ化合物 (iii-l) 及びアクリル樹脂 (iii-2) からなる樹脂組成物のォ キシラン酸素濃度としては、 前記の発明 ( i ) と同じく、 エポキシ化合物 (iii - 1) 及びアクリル樹脂 (iii-2) からなる樹脂組成物中に、 5〜1 1重量%、 好ま しくは、 7〜 10重量%である。
アクリル樹脂中のエポキシ基含有 (メタ) アタリレートの含量としては、 例え ばグリシジルメ夕クリレートとして、 前記の発明 ( i ) と同じく、 1〜80重量 %、 好ましくは、 1 5〜60重量%である。
エポキシ化合物 (iii-1) 及びアクリル樹脂 (m- 2) からなる成分の水酸基の 量としては、 前記の発明 ( i ) と同じく、 水酸基価として 1〜30 OmgKOH /g、 好ましくは、 1. 5〜25 OmgKOHZgである。
アクリル樹脂 (iii-2) の構成成分としては、 その他、 これに共重合させる成分 として、 前記の発明 ( i) と同じく、 通常のアルキルァクリレート単量体等が使 用できる。
アルキルァクリレート単量体としては、 例えば、 前記の発明 ( i ) と同じく、 (メタ) アクリル酸メチル、 (メタ) アクリル酸 n—ブチルなど、 アルキル部位 の炭素原子数が 2〜 10個、 好ましくは、 1〜5個アルキルァクリレート単量体 が挙げられる。
アクリル樹脂 (iii-2) の構成成分としては、 その他、 これに共重合させる成分 として、 前記の発明 ( i) と同じく、 さらにスチレン、 ひ一メチルスチレン、 ビ ニルトルエンなども併用することができる。
上記アクリル樹脂 (iii-2) の構成成分を重合させる場合、 前記の発明 ( i) と 同じく、 開始剤を用いることができる。 開始剤としては、 前記の発明 ( i ) に挙 げた開始剤が同様に使用できる。
開始剤の使用量は、 前記の発明 ( i) と同じく、 アクリル樹脂 (iii-2) の構成 成分の合計 100重量部に対して、 1〜 10重量部、 好ましくは、 3〜 6重量部 である。
開始剤は、 前記の発明 ( i ) と同じく、 一部あらかじめ仕込んでおいてもよい し、 単量体に配合して、 又は配合せず別々に滴下してもよい。 また、 単量体を仕 込んだ後に開始剤の追加仕込みを行ってもよい。
アクリル樹脂 (m- 2)を合成する重合温度は、 前記の発明 (i)と同じく、 5 0〜 150° (:、 好ましくは 90〜 130で、 更に好ましくは、 100〜 120°C
である。 重合温度が上記範囲より高いと、 重合が不安定になり高分子量の化合物 が多く生成し、 上記範囲未満では、 反応時間がかかりすぎ好ましくない。
アクリル樹脂 (iii- 2) を重合する時に使用する溶媒は、 前記の発明 (i) と同 じく、 エポキシ化合物 (iii-l) を使用する。
また、 前記の発明 (i) と同じく、 通常のイオン重合性を持たない溶剤を使用 してアクリル樹脂を合成した後、 脱溶剤を行ってからエポキシ化合物 (iii-l) で 希釈して樹脂組成物とすることができる。 上記イオン重合性を持たない溶剤とし ては、 前記の発明 (i) に挙げた溶剤が同じく使用できる。
3. 熱活性化イオン重合触媒 (3)
本発明 (iii) において使用する熱活性化イオン重合触媒 (3) は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) と、 全く同様に使用でき、 熱活 性化イオン重合触媒 (3) の説明は省略する。
4. 他の添加剤
本発明 (iii) に係る硬化性樹脂組成物には、 必要に応じて、 発明 (i) に挙げ た他の添加剤を発明 (i) と同様に適宜含有してもよい。
5. 多層プリン卜配線板の製造方法
次に、 本発明 (iii) に係わる多層プリント配線板の製造方法について説明する。 まず、 導体回路を形成した基板上に、 上記硬化性樹脂組成物を使用して、 絶縁 層を形成する。 硬化性樹脂組成物を塗布する基板としては、 例えばプラスチック 基板、 セラミック基板、 金属基板、 フィルム基板等が使用することができ、 具体 的にはガラスエポキシ基板、 ビスマレイミドートリアジン化合物基板、 ポリイミ ド基板、 アルミニウム基板、 鉄基板等を使用することができる。
導体回路を形成した上記基板上に前記樹脂絶縁層を形成する法方としては、 上 記絶縁性樹脂組成物の溶液を、 例えば、 前記発明 (i) に挙げた塗布する方法、 あるいは上記絶縁性樹脂組成物をフィルム状に加工した、 樹脂フィルムを貼付す る方法を適用することもできる。
また、 前記樹脂絶縁層の好適な厚さは、 通常 20〜100 m程度であるが、
特に高い絶縁性が要求される場合にはそれ以上に厚くすることもできる。
6 . 硬化方法及び加工
本発明 (iii) に係る絶縁性樹脂組成物は、 光又は熱、 又はこれらの併用により、 前記発明 ( i ) と同じ方法により硬化させることができる。
多層プリント配線板を製造するには、 例えば、 上記塗布された樹脂絶縁層を 1 0 0 で熱硬化させ、 炭酸ガスレーザーを用いて微細バイァホールを作成した後、 樹脂絶縁層の表面を酸あるいは酸化剤を用いて粗面化処理する。
その後、 無電解めつき及び電解めつきを施した後、 1 5 0 °Cで熱硬化させてか らエッチングにより回路を形成する方法や、 無電解めつきを施す際に直接回路を 形成する方法などを適用することができる。
以上に述べた本発明 (iii) の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物を使用する ことによって、 従来に比べて貯蔵安定性が良く、 絶縁特性の優れる高信頼性多層 プリント配線板を得ることが可能となる。
[iv] . 発明 (iv) に係る実施の形態
本発明 (iv) の硬化性樹脂組成物は、 イオン重合性を有し、 エポキシ樹脂 (iv - 1 ) 及び加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化イオン重合触 媒 (3 ) からなる。
硬化触媒 (3 ) は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3 ) が、 発明 ( i ) と全く同様に使用できる。
1 . エポキシ樹脂 (iv- 1 )
本発明 (iv) において使用するエポキシ樹脂 (iv- 1 ) は、 イオン重合性を有す ものであれば特に制限されるものでは無いが、 エポキシ基を有するものでありさ らに水酸基を有していてもよい。
エポキシ基の種類は、 グリシジルエーテル、 グリシジルエステルなどの末端ェ ポキシを持つ化合物、 内部エポキシを持つ化合物、 脂環エポキシ基等が挙げられ る。
エポキシ樹脂 (iv- 1 ) は、 下記に具体的に例示するが、 これらは耐熱性、 接着
性、 表面硬度の点から、 混合して使用することができる。
エポキシ樹脂 (iv- 1) としては、 発明 ( i) に挙げた同じビスフエノール型、 ノボラック型、 臭素化物型等が同様に使用できる。
また、 エポキシ樹脂 (iv-1) としては、 発明 ( i ) のエポキシ基を持つァクリ ル樹脂 ( i- 2) の構成モノマーの具体例として挙げた、 脂環式型、 その他として、 エポキシ基を持つ (メタ) ァクリレート等を単独で、 又は、 他の共重合可能な重 合性単量体と共重合して用いることができる。
共重合に用いられる重合性単量体としては、 例えば、 (メタ) アクリル酸アル キルエステル、 水酸基含有 (メタ) アクリル酸アルキルエステル、 脂環式 (メ 夕) アクリル酸エステル、 アクリル酸芳香族エステル、 環内に 3級炭素を含み炭 素数が 7〜 20である脂環式メタクリル酸エステル等の不飽和脂肪酸エステル; スチレン、 ひ一メチルスチレン、 α—ェチルスチレン、 クロロスチレン、 ビニル トルエン、 t一プチルスチレン等の芳香族ビニル化合物; アクリロニトリル、 メ タクリロニトリル等のシアン化ビエル化合物; N—アルキル基置換マレイミド、 N—シクロアルキル置換マレイミド、 N—フエニルマレイミド等の N—置換マレ イミド等がある。
エポキシ基を持つ (メタ) ァクリレート等を単独で又は他の共重合可能な重合 性単量体と重合させる場合、 開始剤を用いることができる。 開始剤としては、 前 記の発明 ( i) に挙げた同じ開始剤が同様に使用できる。
上記重合温度は、 前記発明 ( i ) と同じく、 50〜150で、 好ましくは 90 〜130°C、 さらに好ましくは、 100〜 120°Cである。 重合温度が上記範囲 より高いと、 重合が不安定になり高分子量の化合物が多く生成し、 上記範囲未満 では、 反応時間がかかりすぎ好ましくない。
上記重合時に使用する溶媒は、 他のエポキシ樹脂 (iv-1) を使用することもで きる。 また、 通常のイオン重合性を持たない溶剤を使用して重合体を合成した後、 脱溶剤を行ってからエポキシ樹脂 (iv-1) で希釈して樹脂組成物とすることがで きる。 上記イオン重合性を持たない溶剤としては、 前記の発明 ( i) に挙げた溶
媒が同様に使用できる。
上記エポキシ樹脂には、 例えば、 前記発明 ( i ) のエポキシ化合物 ( i-l) の 具体的例として挙げた、 CEL_ 2021 P、 CEL-2021 A, CEL— 2
000、 CEL— 3000や、 デナコール EX— 42 1、 201、 21 1、 91
1、 701等を添加することができる。
さらに、 エポキシ樹脂 (iv- 1) には、 前記発明 ( i ) と同じく、 イオン重合性 を持つ化合物であるビニルエーテルや、 ォキセタンなどを併用することができる。 これらビニルエーテルや、 ォキセタンを配合する場合は、 前記発明 ( i) と同じ く、 上記エポキシ樹脂 (iv- 1) とビニルエーテルやォキセタンとの合計 100重 量%に対して 30重量%以下にすることが望ましい。
エポキシ樹脂 (iv-1) からなる樹脂組成物中のこれらエポキシ基を持つ化合物 の比率は、 前記発明 ( i ) と同じく、 20〜90重量%、 好ましくは、 40〜8 0重量%である。
3. 熱活性化イオン重合触媒 (3)
本発明 (iv) において使用する熱活性化イオン重合触媒 (3) は、 前記発明 ( i) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) と、 全く同様に使用でき、 熱活 性化イオン重合触媒 (3) の説明は省略する。
4. 他の添加剤
本発明 (iv) の硬化性樹脂組成物には、 必要に応じて、 発明 ( i ) に挙げた他 の添加剤を発明 ( i ) と同様に適宜含有してもよい。
5. 塗膜の形成、 加工、 およびカラ一フィルタ保護膜
上記硬化性樹脂組成物は、 通常、 溶媒に溶解し硬化性樹脂組成物溶液にして、 基材に塗布し、 加熱硬化させることによって保護膜を形成させることができる。 用いられる溶媒としては、 本発明 (iv) の硬化性樹脂組成物を溶解し、 かっこ れらの成分と反応しないものであれば、 特に制限はない。 具体的には、 本発明
(iv) に係るエポキシ樹脂 (iv- 1) の中で、 前記の二重結合を有するエポキシ化 合物を重合させる際の溶媒として例示した溶媒が使用できる。 これらの溶媒のう
ちエステル系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく、 単独でまたは 2種類以上を混 合して使用することができる。
上記硬化性樹脂組成物溶液を調製する方法としては、 特に制限はなく、 各成分 を同時に溶媒に溶解して硬化性樹脂組成物溶液を調製してもよく、 各成分のいく つかを混合して、 使用時にこれらの溶液を混合してもよい。
溶媒の使用量は、 最終的な硬化性樹脂組成物溶液の中の 4 0〜9 0重量%とす る。 上記範囲内であると、 塗膜の平坦 (レべリングともいう。 ) 性、 透明性、 耐 薬品性が良好である。
硬化性樹脂組成物又はその溶液を塗布する方法としては特に制限はなく、 例え ば、 前記発明 ( i ) に挙げた塗布する方法により基材に塗布することができる。 本発明 (iv) の硬化性樹脂組成物の加熱硬化条件は各成分の具体的種類、 配合 割合等によって適宜選択されるが、 通常、 5 0〜2 5 0でで 1分〜 1 0時間、 好 ましくは 1 5 0〜 2 0 0 で 1〜 5時間程度であるが、 基板にプラスチック等の 耐熱性に制限のあるものを用いる場合には、 1 8 0で以下の温度で十分硬化が可 能である。
本発明 (iv) の硬化性樹脂組成物は、 発明 ( i ) に記載した光又は熱、 又はこ れらの併用により同様に硬化させることができる。
一般に、 上記により形成されるカラーフィル夕保護膜は、 一般に塗膜として、 ガラス、 金属、 プラスチック等の種々の材料に対して優れた密着性を示し、 平滑、 強靱で耐光性、 耐熱性、 耐水性、 耐薬品性、 透明性、 耐傷性に優れているため、 各種物品の塗膜としても有用である。
6 . 保護膜の形成されたカラーフィル夕
種々のカラ一フィル夕 (ゼラチン、 グルー、 ポリビニルアルコール、 アクリル 系樹脂等の種々のバインダー樹脂を染料による染色や、 顔料分散によって着色し て得られる。 ) の表面に、 スピンコート法、 印刷法等により前記硬化性樹脂組成 物又はその溶液を塗布し、 加熱等により硬化させて、 保護膜の形成されたカラー フィル夕が得られる。
保護膜は、 画素やブラックマトリックスの保護膜として、 液晶表示装置の製造 工程で発生する傷つき防止や、 防染保護層等として機能する。 硬化後の保護膜の 膜厚は好ましくは 0. 005〜30 m、 さらに好ましくは 0. 1〜: L 0 m程 度である。
7. 液晶表示装置
上記保護膜付きカラーフィル夕は液晶表示装置として利用され、 コンピュータ 一表示装置、 電話や GPS等の情報機器、 家電製品等に広く使用されている。 力ラ一液晶表示装置は、 上記力ラーフィル夕の設けられた基板と透明基板上に 導電膜を形成した対向基板からなる。 カラーフィル夕は、 透明基板上にブラック マトリックス、 次いで赤、 緑、 青の 3原色の画素を形成させ、 この上に上記保護 塗膜を設け、 加熱硬化してカラーフィル夕保護膜を形成させる。 カラーフィルタ 保護膜形成後、 液晶を電界で駆動させるために必要な導電膜が形成される。
この場合、 カラーフィル夕保護膜は、 上記表面保護、 防染保護としての他に、 画素の段差の平坦化、 表面平滑化に機能し、 液晶分子の配向の乱れを抑制し、 表 示時のコントラス卜比の向上をもたらし、 セルへの液晶注入後の画素から液晶へ の不純物拡散防止に有効である。 特に、 低消費電力や高速応答性に伴うセルギヤ ップの短間隔化が要求される液晶表示装置や、 高精度のセルギヤップ制御が要求 される液晶表示装置では、 液晶表示装置が基板に平行な向きの電界で駆動される ので、 保護膜の平坦化が必要であり、 本発明 (iv) の上記保護膜付きカラーフィ ル夕が好適に使用できる。
[V] . 発明 (V) に係る実施の形態
本発明 (V) に係るの硬化性樹脂組成物は、 イオン重合性を有し、 25 にお ける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物 (v-1) 、 :!〜 6個のォキセ夕 ン環を有する化合物 (v-4) 、 及び加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可 能な熱活性化イオン重合触媒 (3) からなる。
また、 本発明 (V) の硬化性樹脂組成物は、 イオン重合性を有し、 25°Cにお ける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物 (v-1) 、 及びイオン重合性の
官能基を有するアクリル樹脂 (V- 2) 、 1〜6個のォキセタン環を有する化合物 (V- 4) 、 並びに、 加熱冷却によって溶解、 析出を行うことが可能な熱活性化ィ オン重合触媒 (3) からなる。
上記イオン重合性の官能基 有するアクリル樹脂 (V- 2) は、 水酸基、 並びに、 ダリシジル基及び 又は脂環エポキシ基を有する。
硬化触媒 (3) は、 前記発明 ( i) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) が、 発明 ( i) と全く同様に使用できる。
1. エポキシ化合物 (v-1)
本発明 (V) において使用するエポキシ化合物 (v-1) は、 イオン重合性を有 し、 25°Cにおける粘度が 1, 000 c P以下のエポキシ化合物である。
エポキシ化合物 (V- 1) としては、 グリシジルエーテル、 グリシジルエステル などの末端エポキシを持つ化合物、 内部エポキシを持つ化合物、 脂環エポキシ基 を持つ化合物が挙げられる。
これらのうちでイオン重合性、 粘度等を比較すると、 分子内に 1〜4個の脂環 エポキシを持つ化合物が望ましい。 例えば、 前記発明 ( i ) に挙げた CEL—2 021 P、 CEL- 202 1 A, CEL— 2000、 CEL— 3000等が挙げ られる。
また、 脂環エポキシ以外にも次のような脂肪族エポキシ化合物を併用すること ができる。 例えば、 前記発明 ( i) に挙げたデナコール EX— 421、 201、 2 1 1、 9 1 1、 70 1等が挙げられる。
また更に、 エポキシ化合物 (v-1) には、 ビスフエノール型エポキシ化合物、 ノポラック型エポキシ化合物、 それらの臭素化物型エポキシ化合物等が添加可能 であり、 具体的には、 前記発明 ( i) に挙げたエポキシ化合物 ( i- 1) 等を目的 に応じて使用できる。
これらのエポキシ樹脂は、 前記発明 (i ) と同様に、 エポキシ化合物 (V- 1) の 100重量%中に 0〜70重量%の範囲で添加することができる。
さらに、 エポキシ化合物 (v-1) には、 イオン重合性を持つ化合物であるビ
ニルエーテルなどを併用することができる。 これらビニルエーテルなどを配合す る場合は、 上記エポキシ化合物 (v-1) と、 ォキセタン化合物 (v-4) と、 あ るいは更に加えられるアクリル樹脂 (V- 2) と、 必要に応じて加えられるビニル エーテルとの合計 100重量%に対して 30重量%以下にすることが望ましい。 エポキシ化合物 (V- 1) と、 ォキセタン化合物 (V- 4) と、 あるいは更に加 えられるアクリル樹脂 (v-2) と、 必要に応じて加えられるビニルエーテルとか らなる樹脂組成物中のこれらエポキシ基を持つ化合物の比率は、 20〜90重量 %、 好ましくは、 40〜80重量%である。
2. ォキセタン化合物 (V- 4)
1分子中に 1〜6個のォキセタン環を有するォキセタン化合物 (V- 4) として は、 明細書末尾に化学式を記載した、 式 [1]〜式 [24]、 並びに、 実施例で使用 される具体的化合物 0XE- 1、 0XE-2および 0XE- 3等が挙げられる。
これらのォキセタン化合物 (v-4) は、 エポキシ化合物 (V- 1) と、 熱活性 化イオン重合触媒 (3) の存在下に共重合することにより、 硬化性樹脂の反応性 が改善される。
ォキセタン化合物 (v-4) のエポキシ化合物 (v-1) 100重量部に対する 比率は 1〜50重量部、 好ましくは 5〜40重量部である。
2. アクリル樹脂 (v-2)
本発明 (V) において使用するアクリル樹脂 (V- 2) は、 イオン重合性の官能 基を有するアクリル樹脂であり、 イオン重合性の官能基とはエポキシ基及び水酸 基のことであり、 特に、 エポキシ基及び水酸基を持つアクリル樹脂が好ましい。 アクリル樹脂 (v-2) の構成成分であるエポキシ基を有するモノマーとしては、 前記発明 ( i) に挙げた、 グリシジルエーテル基もしくは類似の末端エポキシ基 を持つ (メタ) アクリル酸エステル、 及び脂環エポキシ基などを有する (メタ) ァクリル酸エステル等を使用することが出来る。
エポキシ化合物 (V- 1) と、 ォキセタン化合物 (V- 4) と、 あるいは更に加 えられるアクリル樹脂 (v-2) からなる樹脂組成物中のエポキシ基に由来するォ
キシラン酸素濃度としては、 前記発明 ( i ) と同様に、 該樹脂組成物中に、 5〜 1 1重量%、 好ましくは、 7〜: 10重量%である。
アクリル樹脂中のエポキシ基含有 (メタ) アタリレートの含量としては、 前記 発明 ( i) と同様に、 例えばグリシジルメ夕クリレ一卜として 1〜80重量%、 好ましくは、 15〜60重量%である。
アクリル樹脂 (v-2) の構成成分である水酸基を有する共重合モノマーとして は、 前記発明 ( i ) に挙げた水酸基を有する共重合モノマーが使用できる。
エポキシ化合物 (v-1) と、 ォキセタン化合物 (v-4) と、 あるいは更に加 えられるアクリル樹脂 (v-2) からなる樹脂組成物中の水酸基の量としては、 水 酸基価として 1〜20 OmgKOHZg、 好ましくは、 1. 5〜180mgKO H_/gである。
アクリル樹脂 (v-2) 中の水酸基を有する共重合モノマーの配合量としては、 0. 1〜40重量部、 好ましくは、 1〜35重量部である。
アクリル樹脂 (v-2) の構成成分としては、 その他、 これに共重合させる成分 として、 通常のアルキルァクリレート単量体等が使用できる。
アルキルァクリレート単量体としては、 前記発明 ( i) に挙げたアルキルァク リレート単量体等が同様に使用できる。
例えば、 (メタ) アクリル酸メチル、 (メタ) アクリル酸 n—ブチルなど、 ァ ルキル部位の炭素原子数が 2〜 10個、 好ましくは、 1〜5個アルキルァクリレ 一ト単量体が挙げられる。
アクリル樹脂 (V- 2) の構成成分としては、 その他、 これに共重合させる成分 として、 さらにスチレン、 ひ一メチルスチレン、 ビニルトルエンなども併用する ことができる。
上記アクリル樹脂 (v-2) の構成成分を重合させる場合、 前記発明 ( i ) に 挙げた開始剤を同様に用いることができる。
開始剤の使用量は、 前記発明 ( i ) と同様、 アクリル樹脂 (V- 2) の構成成分 の合計 100重量部に対して、 1〜10重量部、 好ましくは、 3〜6重量部であ
る。
アクリル樹脂 (V-2) を合成する重合温度は、 前記発明 ( i ) と同様、 90 〜 130 、 好ましくは、 100〜 120 である。 重合温度が 130でより高 いと、 重合が不安定になり高分子量の化合物が多く生成し、 90で未満では、 反 応時間がかかりすぎ好ましくない。
アクリル樹脂 (V- 2) を重合する時に使用する溶媒は、 エポキシ化合物 (V - 1) 及び 又はォキセタン化合物 (v-4) を使用する。
また、 通常のイオン重合性を持たない溶剤を使用してアクリル樹脂を合成した 後、 脱溶剤を行ってからエポキシ化合物 (v-1) 及び 又はォキセタン化合物
(V- 4) で希釈して樹脂組成物とすることができる。 上記イオン重合性を持たな い溶剤としては、 前記発明 1に挙げたイオン重合性を持たない溶剤が同様に用い られる。
3. 熱活性化イオン重合触媒 (3)
本発明 (V) において使用する熱活性化イオン重合触媒 (3) は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触媒 (3) と、 全く同様に使用でき、 熱活 性化イオン重合触媒 (3) の説明は省略する。
4. 他の添加剤
本発明 (V) に係る硬化性樹脂組成物には、 必要に応じて、 発明 ( i ) に挙げ た他の添加剤を発明 ( i ) と同様に適宜含有してもよい。
5. 硬化性樹脂組成物の調製
本発明 (V) に係る硬化性樹脂組成物は、 エポキシ化合物 (v-1) 、 ォキセ夕 ン化合物 (v-4) 及び熱活性化触媒 (3) からなるか、 又はさらにアクリル樹脂 (v-2) からなり、 熱活性化触媒 (3) はエポキシ化合物 (V- 1) 、 ォキセ夕 ン化合物 (V- 4) 、 及びノ又はアクリル樹脂 (V- 2) に、 必要であれば有機溶 剤を使用して、 溶解または分散することにより調製することができる。
例えば、 前記発明 (ii) の溶剤系塗料組成物の調製と同じ方法で、 溶剤系塗料 組成物を調製することができる。
上記有機溶剤としては、 例えば、 アクリル系樹脂 (V- 2) を重合するときの溶 剤も含めて、 前記発明 (ii) の溶剤系塗料組成物の調製に挙げた有機溶剤等が用 いられるが、 これらのみに制限されるものではない。
6. 塗装
本発明 (V) に係る溶剤系塗料組成物は、 発明 ( i ) に記載した塗装の方法で 同様に塗装することができる。
7. 硬化方法
本発明 (V) に係る硬化性樹脂組成物は、 発明 ( i ) に記載した硬化方法で同 様に硬化することができる。
8. 用途
本発明 (V) の硬化性樹脂組成物は、 滑性の必要な金属、 樹脂などの表面コー トに用いることが可能であり、 缶の外側のコーティング用には特に好適である。 実施例
以下、 実施例により本発明 ( i ) 〜 (V) を具体的に説明するが、 本発明はこ れらに限定されるものではない。
なお、 部及び%は、 それぞれ重量部及び重量%を示す。
[i]. 発明 ( i) に係る実施例
[合成例 i - 1 ]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ろうと、 温度計を備えたフラスコに CEL— 202 1を所定量仕込み、 エアを吹き込みながら 105〜1 10 に加熱昇温を行い、 表 i -1に示す所定のモノマーと開始剤を 3時間かけて滴下した。
滴下終了後、 1時間反応を継続させて反応を終了として、 樹脂組成物を合成した。
[合成例 i - 5 ]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ろうと、 温度計を備えたフラスコにトルエン 400 重量部を所定量仕込み、 エアを吹き込みながら 105〜1 10 に加熱昇温を行 い、 表 i-1に示す所定のモノマーと開始剤を 3時間かけて滴下した。 滴下終了後、
1時間反応を継続させて反応を終了した。 反応終了後、 80 2 Otorrで脱ト ルェンを行った後、 表 i - 1に示す所定量の CEL— 202 1で希釈した。
[合成例ト 2〜 i -4および i -6]
表 i -1に示すモノマー組成にして、 合成例 i-1と同様にして樹脂組成物を合 成した。 なお、 合成例 i -6は、 アクリル樹脂中にカチオン種と反応する官能基 (エポキシ基) が含まれていない例である。
表 i— 1
表 i- 1〜表 v-5では、 原料組成の単位は重量部であり、 他の単位、 略号等は つぎのとおりである。
n— BMA: n _ブチルメタクリレート
B A: n—ブチルァクリレー卜
HEMA: 2—ヒドロキシェチルメタクリレート
HE A: 2—ヒドロキシェチルァクリレート
PCL-FM1 : ε—力プロラクトン変性ヒドロキシェチルメタクリル酸エス テル (分子量 2 14)
PCL-FM3 : ε—力プロラクトン変性ヒドロキシェチルメタクリル酸エス テル (分子量 472)
P CL-FM5 : ε _力プロラクトン変性ヒドロキシェチルメタクリル酸エス テル (数平均分子量 700)
GMA: ダリシジルメタクリレート
M-GMA: 2—メチルダリシジルメ夕クリレート
A I ΒΝ: ァゾビスイソブチロニ卜リル
ME HQ:パラメトキシフエノール
CD- 10 12 : ョードニゥム塩系のカチオン触媒 (サートマ一社製)
UV I - 6974 :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (UCC社製)
S I - 100 L :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (三新化学社製)
水酸基価: KOHmgZg
ォキシラン酸素濃度:重量%
[実施例ト 1〜ト 9]
合成例 i-l〜 i -6で得られた樹脂組成物を重量比で 2分割し、 その一方に硬 化触媒 A— 1〜A— 3を、 他方に硬化触媒 B— 1〜B_ 4を表 i - 2に示す重量比 率で配合し、 それぞれ別々に 80°Cで溶解させる。 それぞれの溶液を室温に冷却 しながら撹拌して硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合して充分に撹拌し 硬化性樹脂組成物とした。
[比較例ト 1〜ト 2 ]
合成例 i- 5で得られた樹脂組成物に、 従来のォニゥム塩系硬化触媒を実施例 i _1と同様な方法で、 表 i -2に示す重量比率で加えて硬化性樹脂組成物を得た。
[比較例ト 3〜ト 4]
合成例 i -6で得られた樹脂組成物に、 固有な硬化触媒 A— 1〜A— 3及び/又 は硬化触媒 B— 1〜B— 4を実施例 i - 1と同様な方法で、 表 i - 2に示す重量比 率で加えて硬化性樹脂組成物を得た。
硬化触媒 A— 1 硬化触媒 A— 2 硬化触媒 A— 3 硬化触媒 B— 1 硬化触媒 B— 2 硬化触媒 B— 3
硬化触媒 B— 4
表 i— 2
CD- 1 0 1 2 : ョ一ドニゥム塩系のカチオン触媒 (サートマ一社製)
UV I — 6974 :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (UCC社製)
S I - 1 00 L :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (三新化学社製) 得られた硬化性樹脂組成物を、 PETフィルム (実施例 i - 1〜 i - 5、 比較例 i - l〜 i- 4) 又はアルミ板 (実施例 i - 6〜 i -9) にバーコ一夕一 # 8で、 厚さ約 20 mに塗布し、 下記の条件で硬化させた。 評価結果を表 i - 3に示す。
硬化条件
実施例 i-:!〜 i- 5、 比較例 i- 1〜 i-4 : 1 20V/ 1 0分で硬化させた。 実施例 i - 6〜 i- 9は、 200°CZ1分で硬化させた。
表 i一 3
保存安定性:組成物を 40でで 14日間保存し、 初期粘度の 2倍以下なら〇、 2倍以 上なら△、 ゲル化していると Xとした。
鉛筆硬度: J I S K 5 4 0 0に基づき鉛筆硬度を測定した。
密着性: J I S K 5 4 0 0に基づき碁盤目テープ剥離試験を行った。
耐溶剤性:塗膜をメチルェチルケトンでラビングテストを 10回行い、 塗膜にキ ズの無いものを〇、 表面にキズのあるものを△、 表面の無くなつたものを Xとし た。
なお、 発明 ( i ) の詳細な説明における熱活性化触媒の補足として、 具体例を 下記に示す。
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Alァセチルァセ 卜 ン it体
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本発明 ( i ) によれば、 室温より高い温度で速やかに反応して硬化性樹脂組成 物を硬化させ、 室温程度では、 反応が余り進行せずまたは進行しないので、 保存 安定性に優れた塗料用の硬化性樹脂組成物が得られる。
[ii]. 発明 (ii) に係る実施例
溶剤系塗料樹脂組成物の原料として下記のものを使用した。
成分 1一 1 : CEL— 2021 P (ダイセル化学工業 (株) 製) エポキシ当量
1 52
成分 1一 2 :ェポリード GT_ 302 (ダイセル化学工業 (株) 製) エポキシ 当量 235
成分 1— 3 :ェピコート 806 (以下 EP— 806と記載する。 油化シェル社 製) エポキシ当量 177
エポキシ基含有アクリル樹脂 (2-2) :
合成例 ii- 1 (成分 2— 1の合成) : グリシジルメタクリレート 650部、 ヒド
ロキシェチルァクリレート 1 16部、 N-ブチルアタリレート 100部、 N-ブチル メタクリレート 134部をトルエン 1, 000部中で、 常法により溶液重合して アクリル樹脂溶液を得た後、 トルエンを留去した。 得られたアクリル樹脂は、 ェ ポキシ当量 2 18、 水酸基価 56mgKOHZg、 数平均分子量 15, 000、 ォキシラン酸素 7. 33%であった。
合成例 ii- 2 (成分 2— 2の合成) : 3, 4一エポキシシクロへキシルメチルァ クリレート 850部、 ヒドロキシェチルメ夕クリレート 65部、 N—ブチルァク リレート 85部をトルエン溶液中で成分 2— 1と同様にして溶液重合し、 ァクリ ル樹脂溶液を得た後、 トルエンを留去した。 得られたアクリル樹脂は、 エポキシ 当量 216、 水酸基価 2 SmgKOHZg, 数平均分子量 5 , 000、 ォキシラ ン酸素 7. 41 %であった。
[実施例 ii - 1 ~ ϋ - 9 ]
上記エポキシ化合物として成分 1一 1〜成分 1一 3、 及び必要により ΕΡ— 8 06を使用し、 エポキシ基含有アクリル樹脂として成分 2— 1〜成分 2 _ 2を使 用し、 これらを表 ii-1に示す比率で使用して均一に混合し、 得られた樹脂組成物 の溶液を重量比で 2分割し、 熱活性化触媒としてその一方に硬化触媒 A—:!〜 A 一 3を、 他方に硬化触媒 B— 1〜B_4を表 ii- 1に示す重量比率で配合し、 それ ぞれ別々に 80°Cで溶解させた。 それぞれの溶液を室温に冷却しながら撹拌して 硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合して充分に撹拌し溶剤系塗料樹脂組 成物とした。
発明 (ii) に用いられる熱活性化イオン重合触媒の硬化触媒 A—:!〜 A— 3及 び硬化触媒 B— 1〜B_4は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触 媒と同一である。
また、 実施例 ii- 7〜ii- 9では、 硬化剤として、 ユーバン 2 O S E— 60 (三 井化学 (株) 製ブチルエーテル化メラミン樹脂 (固形分 60重量%) ) を表 ii- 1 に示す比率で使用した。
結果を表 ii- 1に示す。 なお、 表 ii- 1においては、 各成分の配合量は、 固形分
重量である。
[比較例 ii- 1〜ii-2]
従来のォニゥム塩系硬化触媒、 又は前記ユーバン 20 S E_ 60を、 表 ii-1に 示す重量比率で加えた以外は、 実施例 ii-iと同様にして溶剤系塗料樹脂組成物を 得た。
従来のォニゥム塩系硬化触媒として、 UV 1— 6974 (ユニオンカーバイド 社製) を使用した。 表 ii_ 1
表 ii— 1 (つづき)
上記実施例 ii -:!〜 ii - 9及び比較例 ii - 1〜 ii - 2で得られた溶剤系塗料樹脂組 成物を、 カチオン電着塗装板 (日本テストパネル社製) に中塗り塗料を塗装して 加熱硬化した被塗物の上に、 バーコ一夕ー# 8で、 硬化膜厚 25 mになるよう に塗布し、 14 (TCZl 5分で硬化させた。
表 ii— 2
表 ii_ 2 (つづき)
( i ) 仕上がり外観: 目視評価の結果である。
〇: ツヤおよび平滑性などが良好、 △: ツヤおよび平滑性がかなり劣る、 X : ツヤおよび平滑性が著しく劣ることを示す。
(ii) 硬度: J I S K— 5400鉛筆硬度試験にしたがって行った。
(iii) 耐酸性:塗面に 40 %硫酸水溶液を 0. 4 m 1滴下し、 熱風乾燥機で 60 °C、 1 5分間加熱してから水洗した後、 目視評価をした結果である。
〇:全く異常を認めない、 △ :スポット跡が残る、 X : シミ、 白化またはフク レが著しいことを示す。
(iv) 耐花粉性:野外で採取したスギ花粉を脱イオン水で 0. 5重量%溶液とし、
この 0. 4m 1を塗面に滴下してオーブンで 65°C、 30分加熱した後、 水洗し た塗面を目視評価した。
〇:汚染を全く認めない、 △: シミ、 チジミが少し認められる、 X : シミ、 チ ジミ、 フクレが著しく認められる。
(V) 汚染除去性:カーボンブラック (日本粉体工業技術協会製、 試験ダスト 1 2種) 0. 25部と脱イオン水 99. 75部との混合液に硫酸を加えて pH3. 0に調整した試験液を塗板に噴霧し、 温度 20 、 湿度 70 %の雰囲気で 17時 間静置し、 80°Cの熱風乾燥機内で 6時間加熱する。 これを 4サイクル繰り返し てからスポンジで塗面を水洗し、 塗面の状況を目視で評価する。
〇:全く汚染を認めない、 △:汚染が少し認められる、 Xは、 汚染が著しく認 められることを示す。
触媒に関する化学式の追加
なお、 発明 (ii) の詳細な説明における熱活性化触媒の具体例は、 発明 ( i ) の詳細な説明における熱活性化触媒の補足として記載した具体例と同じであり、 記載を省略する。
本発明 (ii) によれば、 保存安定性に優れた塗料用樹脂組成物が得られ、 それ を使用して、 耐熱性、 耐汚染性、 汚染物質除去性、 耐擦傷性等に優れた塗装物、 特に自動車などの車体の上塗り塗膜が得られる。
[iii]. 発明 (iii) に係る実施例
[合成例 -1〜诅-6]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ロート、 温度計を備えたガラス製フラスコに、 CE L一 202 1を所定量仕込み、 窒素を吹き込みながら 105〜1 10°Cに加熱昇 温を行った後、 所定のモノマーと開始剤を 3時間かけて滴下した。 滴下終了後、 3時間熟成を行ない樹脂溶液を得た。 表 iii- 1に原料及び仕込み比率を示す。
表 iii一 1
表 iii- 1では、 原料組成の単位は重量部であり、 他の単位、 略号等は前記表 i- 1に同じである。
[実施例 iii-:! iii- 9]
合成例 iii- 1 iii- 6で得られた樹脂組成物を重量比で 2分割し、 その一方に硬 化触媒 A_ 1 A— 3を、 他方に硬化触媒 B—:!〜 B— 4を表 iii- 2に示す重量比 率で配合し、 それぞれ別々に 80°Cで溶解させる。 それぞれの溶液を室温に冷却 しながら撹拌して硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合して充分に撹拌し 硬化性樹脂組成物とした。
なお、 実施例 iii-9にはァセチルァセトンを硬化触媒 A— 3と当量添加した。 発明 (iii) に用いられる熱活性化イオン重合触媒の硬化触媒 A_ 1 A— 3及 び硬化触媒 B— 1 B_4は、 前記発明 ( i ) に記載した熱活性化イオン重合触 媒と同一である。
[比較例 iii— 1 iii— 2 ]
合成例 iii- 5で得られた樹脂組成物に、 従来のォニゥム塩系硬化触媒を実施例 iii - 1と同様な方法で、 表 iii- 2に示す重量比率で加えて硬化性樹脂組成物を得た。
表 iii一 2
CD— 10 12 : ョードニゥム塩系のカチオン触媒 (サ一トマ一社製) UV I - 6974 :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (UCC社製)
S I - 100 L :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (三新化学社製) 得られた多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物の溶液を、 導体回路を形成した ガラスエポキシ基板上にスクリーン印刷により厚さ 20 mに塗布した後、下記条 件で硬化させた。
硬化条件:実施例、 比較例とも、 150t:/l 0分で硬化させた。
評価結果を表 iii_3に示す。
表 i i i一 3
3 (つづき)
保存安定性:組成物を 4 0 °Cで 1 4日間保存し、 初期粘度の 2倍以下なら〇、
2倍以上なら△、 ゲル化していると Xとした。
体積抵抗率(G em) : 5 0 0 Vの印加電圧をかけ、 体積抵抗率を測定した。 密着性: J I S K 5 4 0 0に基づき、 碁盤目テープ剥離試験を行った。 耐溶剤性:塗膜をメチルェチルケトンでラビングテストを 1 0回行い、 塗膜に キズの無いものを〇、 表面にキズのあるものを△、 表面の無くなつたものを Xと した。
なお、 発明 (iii) の詳細な説明における熱活性化触媒の具体例は、 発明 ( i ) の詳細な説明における熱活性化触媒の補足として記載した具体例と同じであり、 記載を省略する。
本発明 (iii) によれば、 室温より高い温度で速やかに反応して多層プリント配 線板用絶縁樹脂組成物を硬化させ、 室温程度では、.反応が余り進行せずまたは進 行しないので、 保存安定性に優れたものが得られる。
[iv]. 発明 (iv) に係る実施例
[調製例 iv-1]
ェピコート 827 (油化シェルエポキシ (株) 製、 ビスフエノール A型ェポキ シ樹脂) 250 gをァ—プチロラクトン 750. 0 gに室温で溶解して、 濃度 2 5重量%のエポキシ樹脂溶液を得た。
[調製例 iv- 2]
調製例 iv- 1で得たエポキシ樹脂溶液 100 gに CEL 2021 P (ダイセル化 学工業 (株) 製、 多官能エポキシ樹脂、 3, 4 _エポキシシクロへキシルメチル 3 ' , 4' —エポキシシクロへキサンカルポキシレート、 エポキシ当量 128〜 140、 粘度 200〜350 c PZ25 ) 25 gとプロピレングリコールメチ ルエーテルアセテート 75 gを加えて、 80 で 2時間加熱攪拌後、 冷却して濃 度 25重量%のエポキシ樹脂溶液を得た。
[調製例 iv- 3]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ろうと、 温度計を備えたフラスコにエポキシ化合物 として CEL— 202 1 (3, 4—エポキシシクロへキシルメチル— 3 ' , 4, 一エポキシシクロへキサンカルボキシレート、 エポキシ当量 128〜 140、 粘 度 200〜400 c P/25°C) を 750 g仕込む。 エアを吹き込みながら 10 5〜 1 10°Cに加熱昇温した後、 メタクリル酸メチル 1 25 g、 ブタン酸 27. 8 g、 P CL-FM3 (ダイセル化学工業 (株) 製) 1 3. 9 g、 C YM-A 2 00 (ダイセル化学工業 (株) 製) 83. 3 gと開始剤であるァゾビスイソプチ ロニトリル (AIBN) を 8. 32 g、 重合禁止剤である、 パラメトキシフエノール
(MEHQ) を 0. 832 gとを 3時間かけて滴下する。 滴下終了後、 1時間反応を 継続させて終了とする。
[実施例 iv- 1〜iv-4]
上記調製例 iv- 1、 iv- 2及び iv- 3で得られたエポキシ樹脂溶液を重量比で 2分 割し、 その一方に硬化触媒 Aを、 他方に硬化触媒 Bを表 iv-1に示す重量比率で配 合し、 それぞれ別々に 80 で溶解させる。 それぞれの溶液を室温に冷却しなが ら撹拌して硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合して充分に撹拌し硬化性 樹脂組成物の溶液を製造した。
(4-3) 成分 (熱活性化イオン重合触媒) :
硬化触媒 Aは、 本発明 ( i ) における硬化触媒 (A— 1) と同じものであり、 又硬化触媒 Bは、 本発明 ( i ) における硬化触媒 (B— 3) と同じものである。
[比較例 iv- 1〜iv- 2 ]
硬化触媒として、 従来のものを使用して、 表 iv- 1に示す配合で、 実施例 iv-1 と同様な方法で、 硬化性樹脂組成物の溶液を製造した。
硬化触媒:
CD- 1012 : ョ一ドニゥム塩系のカチオン触媒 (サートマ一社製)
S I - 100 L :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (三新化学社製)
表 iv- 1
(評価結果)
硬化性樹脂組成物の溶液の保存安定性を下記により調べた。 結果を表 iv- 2に示 す。
保存安定性:組成物の溶液を 40°Cで 14日間保存し、 初期粘度の 2倍以下な ら〇、 2倍以上なら△、 ゲル化していると Xとした。
[加熱処理]
実施例 iv- 1〜 iv- 4、 比較例 iv- 1〜 iv- 2で得られた硬化性樹脂組成物の溶液 をスピンコ一夕一を用いてガラス基板上に、 硬化後の厚みが 1 x mとなるように 塗布した。
塗膜付きガラス基板を、 熱風オーブン中で 8 0 °C、 1時間、 セミキュア後に、 1 5 0 °Cで 1時間加熱処理、 又は 2 5 0 °Cで 1時間加熱処理して塗膜を硬化させ た。
得られた硬化塗膜について下記の試験を行った。
光線透過率:塗膜の 4 0 0〜8 0 0 n mにおける吸収スぺクトルを、 塗布した ものと同じガラス板をリファレンスとして測定して求めた。
体積抵抗率(Ω ) : 5 0 0 Vの印加電圧をかけ、 体積抵抗率を測定し、 セミキ ユア後の塗膜の体積抵抗率に対して、 1 5 0 で 1時間加熱処理、 又は 2 5 0で で 1時間加熱処理した硬化塗膜の体積抵抗率の比率で、 塗膜の体積抵抗率の変化 を表示した。
結果を表 iv- 2に示す。
表 iv— 2
なお、 発明 (iv) の詳細な説明における熱活性化触媒の具体例は、 発明 ( i ) の詳細な説明における熱活性化触媒の補足として記載した具体例と同じであり、 記載を省略する。
本発明 (iv) によれば、 室温より高い温度で速やかに反応して硬化性樹脂組成
物を硬化させ、 室温程度では、 反応が余り進行せずまたは進行.しないので、 保存 安定性に優れた硬化性樹脂組成物が得られる。 その硬化塗膜は高温域においても 体積抵抗率の低下が小さく優れた電気絶縁性を示し、 とくに液晶表示材料の保護 膜として優れたものとなる。
[V] . 発明 (V) に係る実施例
硬化性樹脂組成物の原料として下記のものを使用した。
エポキシ化合物:
C E L - 202 1 P : (ダイセル化学工業 (株) 製) 3, 4—エポキシシクロ へキシルメチル 3 ' 4 ' —エポキシシクロへキサンカルボキシレート、 エポキシ 当量 1 52
CEL- 202 1 (ダイセル化学工業 (株) 製) 3, 4一エポキシシクロへキ シルメチル 3 ' 4 ' 一エポキシシクロへキサンカルポキシレート、 エポキシ当量 128〜 140
CEL- 202 1A (ダイセル化学工業 (株) 製) 3, 4—エポキシシクロへ キシルメチル 3 ' 4 ' 一エポキシシクロへキサンカルボキシレート、 エポキシ当 量 1 30〜 145、 粘度 200〜450じ?ノ25
CEL- 3000 (ダイセル化学工業 (株) 製) 1, 2, 8, 9—ジエポキシ リモネン、 エポキシ当量 93. 5以下、 粘度 5〜20 c PZ25°C
CEL- 2081 (ダイセル化学工業 (株) 製) エポキシ当量 200〜2 1 5、 粘度 340 c P/25°C
ェピコート 806 (ビスフエノール F型エポキシ化合物、 以下 EP- 806と記載す る。 ) (油化シェル社製) エポキシ当量 1 77
ポリオール:
PCL- 308 :ポリカプロラクトンポリオール (ダイセル化学工業 (株) 製) 〇H価 1 95mgKOHZg
PB- 3600 :液状エポキシ化ポリブタジエン (ダイセル化学工業 (株)
製) エポキシ当量 200
ォキセタン化合物:
OXE- 1
OXE- 2
OXE- 3
なお、 上記の化学式は後に示される。
硬化触媒:硬化触媒 A_ 1〜A— 2及び B—:!〜 B— 4は、 前記発明 ( i ) の実 施例で用いた硬化触媒と同じであり説明は省略する。
[実施例 V- 1〜v- 7]
エポキシ化合物として上記脂環エポキシ化合物、 および必要により EP— 80 6を併用して、 使用し、 ォキセタン化合物として上記を使用し、 必要により上記 ポリオールを使用して、 これらを表 v-1に示す比率で均一に混合した。
得られた樹脂組成物の溶液を重量比で 2分割し、 熱活性化触媒として、 2分割 した溶液の一方に硬化触媒 A— 1〜A— 2を、 他方に硬化触媒 B— 1〜B— 4を 表 v-1に示す比率で配合し、 それぞれ別々に 80°Cで溶解させた。 それぞれの溶 液を室温に冷却しながら撹拌して硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合し て充分に撹拌し溶剤系塗料樹脂組成物とした。
[比較例 v-1]
従来のォニゥム塩系硬化触媒、 表 v-1に示す重量比率で加えた以外は、 実施例 V - 1'と同様にして溶剤系塗料樹脂組成物を得た。
従来のォニゥム塩系硬化触媒として、 UV I— 6974 (ユニオンカーバイド 社製) を使用した。
表 v— 1
(塗膜試験)
実施例 V - 1〜 V - 7及び比較例 V - 1で得られた硬化性樹脂組成物を、 アルミ板 (実施例 V- l〜v- 4、 比較例 V- 1) 又は PETフィルム (実施例 v-6〜v- 7) にバーコ一夕一 # 8で、 厚さ約 20 mに塗布し、 1 10°CX 20分の条件で硬 化させた。 評価結果を表 V- 2に示す。 表 V — 2
保存安定性:組成物を 40°Cで 14日間保存し、 初期粘度の 2倍以下なら〇、 2倍以 上なら△、 ゲル化していると Xとした。
鉛筆硬度: J I S K5400に基づき鉛筆硬度を測定した。
密着性: J I S K 5400に基づき碁盤目テープ剥離試験を行った。
耐溶剤性:塗膜をメチルェチルケトンでラビングテストを 10回行い、 塗膜にキ ズの無いものを〇、 表面にキズのあるものを△、 表面の無くなつたものを Xとし た。
[合成例 V- 1〜v- 2および V- 4]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ろうと、 温度計を備えたフラスコに CEL— 202 1を表 5-3に示す所定量仕込み、 エアを吹き込みながら 105〜 1 10でに加熱 昇温を行い、 表 V- 3に示す所定のモノマーと開始剤を 3時間かけて滴下した。 滴下終了後、 1時間反応を継続させて終了として、 エポキシ化合物を含むァク リル樹脂を合成した。
[合成例 v-3]
撹拌器、 還流冷却管、 滴下ろうと、 温度計を備えたフラスコにトルエン 400 重量部を所定量仕込み、 エアを吹き込みながら 105〜1 10でに加熱昇温を行 い、 表 V- 3に示す所定のモノマーと開始剤を 3時間かけて滴下する。 滴下終了後、 1時間反応を継続させて反応を終了した。 反応終了後、 80°C/2 Otorrで脱ト ルェンを行った後、 表 V- 3に示す所定量の CEL_ 202 1で希釈して、 ェポキ シ化合物を含むアクリル樹脂を合成した。
表 V— 3
才キシラン酸素濃度:重量%
A I BN:ァゾビスィソブチロニ卜リル
MEHQ:パラメトキシフエノール 表 v-3では、 原料 成の単位は重量部であり、 他の単位、 略号等は前記表 i - 1に同じである。
[実施例 V- 8〜v- 1 5]
合成例 V- 1〜v- 4で得られた樹脂組成物を重量比で 2分割し、 その一方に硬 化触媒 A— 1〜A— 3を、 他方に硬化触媒 B—:!〜 B— 4を表 5- 3に示す重量比 率で配合し、 それぞれ別々に 80°Cで溶解させる。 それぞれの溶液を室温に冷却 しながら撹拌して硬化触媒を析出、 分散させた後、 2液を混合して充分に撹拌し 硬化性樹脂組成物とした。
[比較例 v-2〜v- 3]
合成例 V- 1又は v-4で得られた樹脂組成物に、 従来のォニゥム塩系硬化触媒 を実施例 V- 1と同様な方法で、 表 V- 3に示す重量比率で加えて硬化性樹脂組成 物を得た。
従来のォニゥム塩系硬化触媒として、 下記のものを使用した。
CD— 10 1 2 : ョードニゥム塩系のカチオン触媒 (サ一トマ一社製)
UV I - 6974 :スルホ二ゥム塩系のカチオン触媒 (UCC社製)
表 v— 4 配合表
表 v - 4 (つづき)
(塗膜試験)
実施例 V - 8 V - 1 5及び比較例 V - 2 V - 3で得られた硬化性樹脂組成物を、 アルミ板 (実施例 V- 10 ν-15及び比較例 V- 2 ν-3) 、 又は PETフィルム (実施例 V- 8 v- 9) に、 バーコ一夕一 # 8で、 厚さ約 20 / mに塗布し、 1 00°CX 15分 + 1 50°CX 10分の条件で硬化させた。 評価結果を表 V- 5に示 す (評価方法は前記による) 。
表 v_ 5 評価結果
なお、 発明 (V) の詳細な説明における熱活性化触媒の具体例は、 発明 ( i ) の詳細な説明における熱活性化触媒の補足として記載した具体例と同じであり、 記載を省略する。 ォキセタン化合物に関する化学式の追加
以下、 1分子中に 1〜6個のォキセタン環を有するォキセタン化合物 (V— 4) として、 式 [1]〜式 [24]のものが例示される。
[1]
上記式 [ 1 ]において R 1は、 水素原子、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もし くはブチル基などの炭素数 1 ~ 6個のアルキル基、 炭素数 1〜 6個のフルォロア ルキル基、 ァリル基、 ァリール基、 フリル基、 又はチェニル基である。
R 2は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もしくはブチル基などの炭素数 1〜 6個のアルキル基、 1 _プロぺニル基、 2 _プロぺニル基、 2—メチル— 1—プ 口ぺニル基、 2—メチル— 2—プロぺニル基、 1—ブテニル基、 2—ブテニル基 もしく 3 —ブテニル基などの炭素数 2から 6個のアルケニル基、 フエニル基、 ベ ンジル基、 フルォ口べンジル基、 メトキシベンジル基あるいはフエノキシェチル 基などの芳香環を有する基、 ェチルカルボニル基、 プロピルカルボニル基もしく はブチルカルボニル基などの炭素数 2から 6個のアルキルカルボニル基、 ェトキ シカルボニル基、 プロポキシカルボニル基もしくはブトキシカルボニル基などの 炭素数 2から 6個のアルコキシカルボニル基、 又はェチルカルバモイル基、 プロ ピル力ルバモイル基、 プチルカルバモイル基もしくはペンチルカルバモイル基な どの炭素数 2から 6個の N—アルキル力ルバモイル基などである。 次に 2個のォキセタン環を有する化合物としては、 下記一般式 [ 2 ]で示される 化合物などが挙げられる。
上記式 [ 2 ]において R 1は、 前記一般式 [ 1 ]におけるものと同様の基である。 R 3は、 例えば、 エチレン基、 プロピレン基、 あるいはブチレン基などの線状 あるいは分岐状アルキレン基、 ポリ (エチレンォキシ) 基、 あるいはポリ (プロ ピレンォキシ) 基などの線状、 あるいは、 分岐状ポリ (アルキレンォキシ) 基、 プロべ二レン基、 メチルプロべ二レン基、 あるいは、 ブテニレン基などの線状あ るいは分岐状不飽和炭化水素基、 カルボニル基、 カルボ二ル基を含むアルキレン
基、 カルボキシル基を含むアルキレン基などである。
又、 R 3は、 下記式 [3]、 [4]及び [5]で示される基から選択させる多価基で もある。
上記式 [3]においては、 R4は、 水素原子、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基 もしくはブチル基などの炭素数 1から 4のアルキル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基もしくはブトキシ基などの炭素数 1から 4個のアルコキシ基、 塩素 原子あるいは、 臭素原子等のハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基、 メルカプト基、 低級アルキルカルボキシル基、 カルボキシル基、 又は力ルバモイル基である。
上記式 [4]においては、 R 5は、 酸素原子、 硫黄原子、 メチレン基、 NH、 S 〇、 S O C (CF3) 2、 または C (CH3) 2である。
R6 R7 R6
(CH27?i O-$i O- si-(CH2)r
R6 R7 R6
n
[5] 上記式 [5]において R 6は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もしくはブチル 基などの炭素数 1から 4のアルキル基、 又はァリール基である。 nは、 0から 2 000の整数である。 R 7は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もしくはブチル 基などの炭素数 1から 4個のアルキル基、 又はァリール基である。 R7は、 下記
式 [6]で示される基から選択される基でもある (
R8
R8
I
-0— (Si-O)m— Si,R8
I R8
R8
[6] 上記式 [6]において R 8は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もしくはブチル 基などの炭素数 1から 4個のアルキル基又はァリール基である。 mは、 0から 1 00の整数である。
2個のォキセ夕ン環を有する化合物の具体例としては、 下記式 [ 7 ]及び [ 8 ]で 示される化合物が挙げられる。
0
、人-
0 0
[7] 上記式 [7]で示される化合物は、 式 [2]において R 1がェチル基、 R 3がカル ボキシル基である化合物である。
上記式 [8]で示される化合物は、 一般式 [2]において R 1がェチル基、 R 3が 式 [5]で R6、 R 7がメチル基、 nが 1である化合物である。
2個のォキセタン環を有する化合物において、 上記した化合物以外に好ましい 例としては、 下記一般式 [9]で示される化合物がある。
3から 4個のォキセタン環を有する化合物としては、 下記一般式 [10]で示さ れる化合物がある。
上記式 [10]においては、 R 1は、 前記一般式 [1]におけるものと同様の基で ある。 R 9は、 例えば下記式 [1 1]から [13]で示される基等の炭素数 1から 1 2の分岐状アルキレン基、 下記式 [14]で示される基などの分岐状ポリ (アルキレ ンォキシ)基又は下記式 [1 5]で示される基などの分岐状ポリシロキサン基などが 挙げられる。 jは 3または 4である。
上記式 [1 1]においては、 R 10は、 メチル基、 ェチル基もしくはプロピル基 などの低級アルキル基である。
CHj一 -CH,一"" CH,—
上記式 [14]においては、 1は 1から 10の整数である。
[15]
3から 4個のォキセタン環を有する化合物の具体例としては、 下記式 [1 6] 1 7]で示される化合物などが挙げられる。
上記式 [1 7]においては、 R 8は式 [6]における基と同様のものである。 R 1 1は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基もしくはブチル基などの炭素数 1から 4 のアルキル基、 又はトリアルキルシリル基であり、 rは 1から 4である。
本発明で使用するォキセタン化合物の好ましい具体例としては、 以下に示す化 合物 [1 8]〜 [2 1]がある。
[21]
これら以外にも分子量 1, 000から 5, 000程度の高分子量を有する 1か ら 4個のォキセタン環を有する化合物も挙げられる。 これらの例としては以下の 化合物が挙げられる。
上記式 [22]で、 pは 20から 200である
(
上記式 [23]で、 qは 15から 100である。
上記式 ί 24]で、 sは 20から 200である,
なお、 実施例におけるォキセタン化合物の化学式を下記に示す。
本発明 (V ) によれば、 室温より高い温度で速やかに反応して硬化性樹脂組成 物を硬化させ、 室温程度では、 反応が余り進行せずまたは進行しないので、 保存 安定性に優れた硬化性樹脂組成物が得られ、 低温短時間の硬化条件でも硬度、 密 着性に優れた塗膜を得ることができる。 産業上の利用可能性
第 ( i ) の発明によれば、 保存安定性に優れた塗料用の硬化性樹脂組成物が得 られる。
第 (ii ) の発明によれば、 耐熱性、 耐汚染性、 汚染物質除去性、 耐擦傷性等に 優れた塗装物、 特に自動車などの車体の上塗り塗膜が得られる。
第 (iii) の発明によれば、 保存安定性に優れ、 室温より高い温度で速やかに反 応する多層プリン卜配線板用絶縁樹脂組成物が得られる。
第 (iv) の発明によれば、 高温域においても体積抵抗率の低下が小さく優れた 電気絶縁性を示し、 とくに液晶表示材料の保護膜として優れた硬化塗膜が得られ る。
第 (V ) の発明によれば、 保存安定性に優れ、 低温短時間の硬化条件でも硬度、 密着性に優れた塗膜を得ることができる硬化性樹脂組成物が得られる。