JP2022129631A - 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022129631A
JP2022129631A JP2021028374A JP2021028374A JP2022129631A JP 2022129631 A JP2022129631 A JP 2022129631A JP 2021028374 A JP2021028374 A JP 2021028374A JP 2021028374 A JP2021028374 A JP 2021028374A JP 2022129631 A JP2022129631 A JP 2022129631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ether
ethyl
composition
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021028374A
Other languages
English (en)
Inventor
篤志 白石
Atsushi Shiraishi
祝也 福長
Noriya FUKUNAGA
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Apro KK
Original Assignee
San Apro KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Apro KK filed Critical San Apro KK
Priority to JP2021028374A priority Critical patent/JP2022129631A/ja
Publication of JP2022129631A publication Critical patent/JP2022129631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】カチオン重合開始剤として反応性及び熱安定性に優れた熱酸発生剤を含み、それによって硬化性および熱安定性に優れた熱硬化性組成物を提供し、該熱硬化性組成物を利用した硬化性、接着性および耐熱接着性に優れた接着剤ならびに絶縁信頼性および熱安定性に優れたネガ型レジスト用樹脂組成物とその硬化膜を提供する。【解決手段】一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含む熱酸発生剤と、カチオン重合性化合物とを含有する熱硬化性組成物である。TIFF2022129631000006.tif35155(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基又はアラルキル基を表し、R3はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環式炭化水素基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子などを表し、mは0~5の整数であり、Rfは水素の70%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する熱酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含有する、硬化性および熱安定性に優れた熱硬化性組成物、該熱硬化性組成物を利用した硬化性、接着性および耐熱接着性に優れた接着剤組成物ならびに絶縁信頼性および熱安定性に優れたネガ型レジスト用樹脂組成物とその硬化膜に関するものである。
硬化性樹脂組成物は、カチオン重合性樹脂組成物、ラジカル重合性樹脂組成物およびカチオン重合性組成物とラジカル重合性組成物を併用した樹脂組成物など種々の組成物が従来から提案されている。
そのうち、カチオン重合性樹脂組成物では、系内に存在するカチオン重合開始剤が熱、光(紫外線、可視光線、電子線あるいは活性エネルギー線など)を作用させることによりカチオン種(H)を生成し、それが連鎖的にエポキシ化合物などのカチオン重合性有機化合物に関与してカチオン重合性有機化合物が開環して反応が進む。Hを生成するカチオン重合開始剤は酸発生剤とも呼ばれる。カチオン重合性有機化合物をベースとする硬化性樹脂組成物を用いると、一般に、ラジカル重合性有機化合物をベースとする硬化性樹脂組成物を用いた場合に比べて、得られる硬化物の収縮率が小さく、寸法精度の良い造形物が得られる。そのためカチオン重合性樹脂組成物はディスプレイや電子機器などにおける小型構成部品間の接着剤や、半導体における層間絶縁膜、および微細な立体造形物などの微細加工分野に好適に利用されている。これらの用途では微細な加工工程に適した光照射を用いるプロセスが多く適用されている。
一方、電子部品を配線基板に実装する際、接合部に光照射できない場合も数多く存在する。このため、特定のスルホニウム塩を適用し、熱を作用させて硬化することが開示されている(特許文献1~4)。この場合においてカチオン重合時にフッ素イオンの生成量を減じて熱カチオン重合性接着剤の耐腐食性を向上することだけでなく、カチオン重合性有機化合物の重合反応は、一般にラジカル重合性有機化合物の重合反応に比べて遅く、生産性向上のためにより低温での硬化性等、硬化性に優れたカチオン重合性樹脂組成物が望まれている。
特開2006-96742号公報 特開2006-282633号公報 特開2008-303167号公報 特開2010-132614号公報
上記の背景において、本発明の目的は、カチオン重合開始剤として反応性及び熱安定性に優れた熱酸発生剤を含み、それによって硬化性および熱安定性に優れた熱硬化性組成物を提供し、該熱硬化性組成物を利用した硬化性、接着性および耐熱接着性に優れた接着剤ならびに絶縁信頼性および熱安定性に優れたネガ型レジスト用樹脂組成物とその硬化膜を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく種々研究を重ねた結果、熱酸発生剤として下記一般式(1)で表されるスルホニウム塩を用いることで優れた硬化性と熱安定性を有する熱硬化性組成物が得られることを見出した。すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含む熱酸発生剤と、カチオン重合性化合物とを含有する熱硬化性組成物である。
Figure 2022129631000001
〔式(1)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基又はアラルキル基を表し、Rはベンゼン環上の置換基であり、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールチオカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、mは、Rの個数を表し、0~5の整数である。Rfは水素の70%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。Rfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕
また本発明は、前記に記載の熱硬化性組成物を含む接着剤を提供する。
また本発明は、前記に記載の熱硬化性組成物を硬化した硬化物を提供する。
また本発明は、前記に記載の熱硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト用樹脂組成物を提供する。
また本発明は、前記に記載のネガ型レジスト用樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜を提供する。
本発明の組成物は硬化性及び熱安定性に優れ、またその硬化物は接着性、耐マイグレーション性等の電気信頼性に優れるため、電子部品等の接着剤用途や絶縁膜に好適に用いることが出来る。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
式(1)において、R~Rのうち、アルキル基としては、炭素数1~18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル及びn-オクタデシル等)、炭素数1~18の分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル及びイソオクタデシル)、及び炭素数3~18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4-デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。
式(1)において、R及びRのうち、アラルキル基としては炭素数6~10のアリール基で置換されている低級アルキル基(ベンジル、2-メチルベンジル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルコキシ基としては、炭素数1~18の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ及びオクタデシルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールオキシ基としては、炭素数6~10のアリールオキシ基(フェノキシ及びナフチルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルキルカルボニル基としては、炭素数2~18の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、2-メチルプロピオニル、ヘプタノイル、2-メチルブタノイル、3-メチルブタノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル及びオクタデカノイル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールカルボニル基としては、炭素数7~11のアリールカルボニル基(ベンゾイル及びナフトイル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アラルキルカルボニル基としては、炭素数6~10のアリール基で置換されている低級アルキルカルボニル基(ベンジルカルボニル、2-メチルベンジルカルボニル、1-ナフチルメチルカルボニル、2-ナフチルメチルカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~18の炭素数2~19の直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル及びオクタデシロキシカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7~11のアリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル及びナフトキシカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アラルキルオキシカルボニル基としては、炭素数6~10のアリール基で置換されている低級アルコキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニル、2-メチルベンジルオキシカルボニル、1-ナフチルメチルオキシカルボニル、2-ナフチルメチルオキシカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~19の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニルオキシ基(アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、テトラデシルカルボニルオキシ及びオクタデシルカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールカルボニルオキシ基としては、炭素数7~11のアリールカルボニルオキシ基(ベンゾイルオキシ及びナフトイルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アラルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数6~10のアリール基で置換されている低級アルキルカルボニル基(ベンジルカルボニルオキシ、2-メチルベンジルカルボニルオキシ、1-ナフチルメチルカルボニルオキシ、2-ナフチルメチルカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~18の炭素数2~19の直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、イソブトキシカルボニルオキシ、sec-ブトキシカルボニルオキシ、tert-ブトキシカルボニルオキシ、オクチロキシカルボニルオキシ、テトラデシルオキシカルボニルオキシ及びオクタデシロキシカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7~11のアリールオキシカルボニルオキシ基(フェノキシカルボニルオキシ及びナフトキシカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アラルキルオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数6~10のアリール基で置換されている低級アルコキシカルボニルオキシ基(ベンジルオキシカルボニルオキシ、2-メチルベンジルオキシカルボニルオキシ、1-ナフチルメチルオキシカルボニルオキシ、2-ナフチルメチルオキシカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールチオカルボニル基としては、炭素数7~11のアリールチオカルボニル基(フェニルチオカルボニル及びナフトキシチオカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールチオ基としては、炭素数6~20のアリールチオ基(フェニルチオ、2-メチルフェニルチオ、3-メチルフェニルチオ、4-メチルフェニルチオ、2-クロロフェニルチオ、3-クロロフェニルチオ、4-クロロフェニルチオ、2-ブロモフェニルチオ、3-ブロモフェニルチオ、4-ブロモフェニルチオ、2-フルオロフェニルチオ、3-フルオロフェニルチオ、4-フルオロフェニルチオ、2-ヒドロキシフェニルチオ、4-ヒドロキシフェニルチオ、2-メトキシフェニルチオ、4-メトキシフェニルチオ、1-ナフチルチオ、2-ナフチルチオ、4-[4-(フェニルチオ)ベンゾイル]フェニルチオ、4-[4-(フェニルチオ)フェノキシ]フェニルチオ、4-[4-(フェニルチオ)フェニル]フェニルチオ、4-(フェニルチオ)フェニルチオ、4-ベンゾイルフェニルチオ、4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ、4-ベンゾイル-3-クロロフェニルチオ、4-ベンゾイル-3-メチルチオフェニルチオ、4-ベンゾイル-2-メチルチオフェニルチオ、4-(4-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4-(2-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4-(p-メチルベンゾイル)フェニルチオ、4-(p-エチルベンゾイル)フェニルチオ4-(p-イソプロピルベンゾイル)フェニルチオ及び4-(p-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルキルチオ基としては、炭素数1~18の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert-ペンチルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、ドデシルチオ及びイソオクタデシルチオ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリール基としては、炭素数6~10のアリール基(フェニル、トリル、ジメチルフェニル及びナフチル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、複素環式炭化水素基としては、炭素数4~20の複素環式炭化水素基(チエニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、キサンテニル、チアントレニル、フェノキサジニル、フェノキサチイニル、クロマニル、イソクロマニル、ジベンゾチエニル、キサントニル、チオキサントニル及びジベンゾフラニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールオキシ基としては、炭素数6~10のアリールオキシ基(フェノキシ及びナフチルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルキルスルフィニル基としては、炭素数1~18の直鎖又は分枝鎖スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、tert-ペンチルスルフィニル、オクチルスルフィニル及びイソオクタデシルスルフィニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールスルフィニル基としては、炭素数6~10のアリールスルフィニル基(フェニルスルフィニル、トリルスルフィニル及びナフチルスルフィニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アルキルスルホニル基としては、炭素数1~18の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert-ペンチルスルホニル、オクチルスルホニル及びオクタデシルスルホニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、アリールスルホニル基としては、炭素数6~10のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル、トリルスルホニル(トシル基)及びナフチルスルホニル等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、下記式で表されるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基等が挙げられる。
HO(-AO)q-
〔AOはエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基、qは1~5の整数を表す。〕
式(1)において、Rにおける、アミノ基としては、アミノ基(-NH)及び炭素数1~15の置換アミノ基(メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、n-プロピルアミノ、メチル-n-プロピルアミノ、エチル-n-プロピルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、イソプロピルメチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、エチルフェニルアミノ、n-プロピルフェニルアミノ及びイソプロピルフェニルアミノ等)等が挙げられる。
式(1)において、Rにおける、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
式(1)において、R、Rは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)において、mは、Rの個数を表し、0~5の整数であり、好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0又は1である。
式(1)において、Rfは炭素数1~18のアルキル基であって、炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子で通常、70%以上置換されたものである。好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が70%未満では、本発明の硬化性組成物において重合開始能が低下する。
Rfの中でも、原料の入手しやすさから、炭素数1~8のアルキル基が好ましく、さらに炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。具体例としては、CF、CFCF、(CFCF、(CFCH、CFCFCF、CFCFCFCF、(CFCFCF、CFCF(CF)CF、CFCF(CF)CH、(CFCが挙げられ、(CFCH、(CFCF、(CFCが最も好ましい。
Rfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
本発明の式(1)で示されるスルホニウム塩のうち、好ましい具体例としては、フェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、フェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ヘキサフルオロイソプロポキシ)アルミナート、フェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ヘキサフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ベンジルオキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、フェニル-メチル-ベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ヒドロキシフェニル-メチル-p-ニトロベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-メトキシカルボニルオキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-アセトキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ベンジルオキシカルボニルオキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、フェニル-メチル-2-メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ヒドロキシフェニル-メチル-2-メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-メトキシカルボニルオキシフェニル-メチル-2-メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-アセトキシフェニル-メチル-2-メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ベンジルオキシカルボニルオキシフェニル-メチル-2-メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、フェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-ヒドロキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-メトキシカルボニルオキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート、4-アセトキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナート及び4-ベンジルオキシカルボニルオキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミナートが挙げられる。
本発明の熱酸発生剤に含まれるスルホニウム塩の製造方法としては、公知の方法で製造することができるが、例えば以下の反応式に従って製造することができる。
Figure 2022129631000002
なお、反応式(2)中のR~R、Rfは、式(1)における定義に同じである。Xは、スルホニウム前駆体の対アニオンを表し、好ましくはハロゲンアニオン、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオンであり、反応性と精製のしやすさの観点からハロゲンアニオンがさらに好ましく、Mはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオンし、MXは反応後に生じるアルカリ金属塩を表す。
即ち、式(2)のスルホニウム前駆体(I)をジクロロメタン、アセトニトリル等の有機溶媒に溶解あるいは分散し、その溶液にアニオン前駆体(II)であるフッ素化アルコキシアルミン酸アニオンとアルカリ金属カチオンとの塩の水溶液を等モル量で混合し、得られた混合物を20~80℃の温度で1~6時間撹拌して反応させ、有機溶媒層を分液した後、有機溶媒を留去することにより式(1)のスルホニウム塩が得られる。得られたスルホニウム塩は必要に応じて適当な有機溶媒で洗浄するか、再結晶法もしくはカラムクロマトグラフィー法により精製することができる。
スルホニウム塩の化学構造は、一般的な分析手法(たとえば、H、13C、19F-NMRスペクトル、質量分析、赤外吸収スペクトル及び/又は元素分析等)によって同定することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、熱酸発生剤として一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含むことを特徴とするが、これ以外にも従来公知の他の熱酸発生剤を含有させて使用してもよい。
他の熱酸発生剤を含有する場合、他の熱酸発生剤の含有量(モル%)は、本発明の一般式(1)で表されるスルホニウム塩の総モル数に対して、0.1~100が好ましく、さらに好ましくは0.5~50である。
他の熱酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
熱酸発生剤を使用する場合は、カチオン重合性化合物やレジスト組成物への溶解を容易にするため、あらかじめ重合や架橋反応等を阻害しない溶剤に溶かしておいてもよい。
溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、β-プロピオラクトン、β―ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン及びε-カプロラクトンなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、本発明のスルホニウム塩を含んでなる熱酸発生剤100重量部に対して、15~1000重量部が好ましく、さらに好ましくは30~500重量部である。使用する溶媒は、単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性組成物は、上記熱酸発生剤とカチオン重合性化合物とを含有してなる。
硬化性組成物の構成成分であるカチオン重合性化合物としては、環状エーテル(エポキシド及びオキセタン等)、エチレン性不飽和化合物(ビニルエーテル及びスチレン等)、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート及びスピロオルトエステル等が挙げられる{(たとえば、活性エネルギー線硬化性組成物中のカチオン重合性化合物成分として、特開平11-060996号、特開平09-302269号、特開2003-026993号、特開2002-206017号、特開平11-349895号、特開平10-212343号、特開2000-119306号、特開平10-67812号、特開2000-186071号、特開平08-85775号、特開平08-134405号、特開2008-20838、特開2008-20839、特開2008-20841、特開2008-26660、特開2008-26644、特開2007-277327、フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)、技術情報協会編「UV硬化における硬化不良・阻害原因とその対策」(2003年、技術情報協会)、色材、68、(5)、286-293(1995)、ファインケミカル、29、(19)、5-14(2000)等が挙げられる。これらは光硬化性組成物中のカチオン重合性化合物成分として挙げられているが、本発明の熱硬化性組成物に使用できる。}。
エポキシドとしては、公知のもの等が使用でき、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが含まれる。
芳香族エポキシドとしては、多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステルなどを挙げることができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールZまたはこれらに更にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエーテル、トリフェノールメタンのトリグリシジルエーテル、フェノール類またはナフトール類とアルデヒド類との縮合物(例えばフェノール樹脂やノボラック樹脂)のグリシジル化物、フェノール類とイソプロペニルアセトフェノンとの縮合物のグリシジル化物、フェノール類とジシクロペンタジエンの反応物ノグリシジル化物、テレフタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジルエステル、o-フタル酸のジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いはシクロヘキセン環含有化合物またはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物などを挙げることができる。
より具体的には、脂環族エポキシ化合物として、例えば、脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールADジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールZジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル)を挙げることができる。
また、シクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物としては、例えば3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが挙げられる。
また、株式会社ダイセルから販売されている、ε-カプロラクトン変性3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシー4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物も挙げることができる。
さらに、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)エタン、アルファピネンオキサイド、カンファレンアルデヒド、リモネンモノオキサイド、リモネンジオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンジオキサイドなども挙げることができる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマーなどを挙げることができる。
代表的な化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコールのグリシジルエーテル、アルキレンジオールのジグリシジルエーテル(例えば、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルなど)、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテルを挙げることができる。
さらに、プロピレン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルなどが挙げられる。
さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジル化ポリブタジエンなどを挙げることができる。
また、エポキシアルカンとしては、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1,2-エポキシセタン、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシイコサンを挙げることができる。
オキセタンとしては、3-エチル-3 -ヒドロキシメチルオキセタン、3-(メタ)アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4-フルオロ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4-メトキシ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3-エチル-3- オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-エチルヘキシル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3- エチル-3-オキセタニルメチル エーテル、テトラヒドロフルフリル(3-エチル-3 -オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-テトラブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-トリブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシプロピル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3 -エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3-エチル- 3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等の一官能オキセタン化合物、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、3,3’-(1,3-(2-メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス-(3-エチルオキセタン)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ) メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル] エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3- オキセタニルメトキシ)メチル] プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3 -オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル) エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3- オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3- オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3 -エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3 -エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル) エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン化合物が挙げられる。
これらオキセタンの中でも硬化速度の観点からオキセタン環を1又は2個有する化合物が好ましく、その具体例としては、3,7-ビス(3-オキセタニル) -5-オキサ-ノナン、3,3’-(1,3-(2-メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス-(3-エチルオキセタン)、1,4-ビス[(3-エチル- 3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4 -ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、公知のカチオン重合性単量体等が使用でき、脂肪族モノビニルエーテル、芳香族モノビニルエーテル、多官能ビニルエーテル、スチレン類及びカチオン重合性窒素含有モノマーが含まれる。
脂肪族モノビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
芳香族モノビニルエーテルとしては、2-フェノキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル及びp-メトキシフェニルビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、ブタンジオール-1,4-ジビニルエーテル及びトリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン及びp-tert-ブトキシスチレン等が挙げられる。
カチオン重合性窒素含有モノマーとしては、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロリドンの他、アジリジン、アゼチジン等環状アミンが挙げられる。
ビシクロオルトエステルとしては、1-フェニル-4-エチル-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び1-エチル-4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサビシクロ-[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
スピロオルトカーボネートとしては、1,5,7,11-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及び3,9-ジベンジル-1,5,7,11-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
スピロオルトエステルとしては、1,4,6-トリオキサスピロ[4.4]ノナン、2-メチル-1,4,6-トリオキサスピロ[4.4]ノナン及び1,4,6-トリオキサスピロ[4.5]デカン等が挙げられる。
さらに、1分子中に少なくとも1個のカチオン重合性基を有するポリオルガノシロキサンを使用することができる(特開2001-348482号公報、Journal of Polym. Sci.、Part A、Polym.Chem.、Vol.28、497(1990)等に記載)。
これらのポリオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。
これらのカチオン重合性化合物のうち、エポキシド、オキセタン及びビニルエーテルが好ましく、さらに好ましくはエポキシド及びオキセタン、特に好ましくは脂環式エポキシド及びオキセタンである。また、これらのカチオン重合性化合物は単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性組成物中の熱酸発生剤の含有量は、カチオン重合性化合物100重量部に対し、0.05~20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1~10重量部である。この範囲であると、カチオン重合性化合物の重合がさらに十分となり、硬化体の物性がさらに良好となる。なお、この含有量は、カチオン重合性化合物の性質や加熱温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等のさまざまな要因を考慮することによって決定され、上記範囲に限定されない。
本発明の熱硬化性組成物には、必要に応じて、公知の添加剤(増感剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等)を含有させることができる。
顔料としては、公知の顔料等が使用でき、無機顔料(酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック等)及び有機顔料(アゾ顔料、シアニン顔料、フタロシアニン顔料及びキナクリドン顔料等)等が挙げられる。
顔料を含有する場合、顔料の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、0.5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは10~150000重量部である。
充填剤としては、公知の充填剤等が使用でき、溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム及びケイ酸リチウムアルミニウム等が挙げられる。
充填剤を含有する場合、充填剤の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、50~600000重量部が好ましく、さらに好ましくは300~200000重量部である。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤等が使用でき、非イオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、両性型帯電防止剤及び高分子型帯電防止剤が挙げられる。
帯電防止剤を含有する場合、帯電防止剤の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、0.1~20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.6~5000重量部である。
難燃剤としては、公知の難燃剤等が使用でき、無機難燃剤{三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びアルミン酸カルシウム等};臭素難燃剤{テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン及びデカブロモビフェニルエーテル等};及びリン酸エステル難燃剤{トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等}等が挙げられる。
難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、0.5~40000重量部が好ましく、さらに好ましくは5~10000重量部である。
消泡剤としては、公知の消泡剤等が使用でき、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤及び鉱物油消泡剤等が挙げられる。
流動調整剤としては、公知の流動性調整剤等が使用でき、水素添加ヒマシ油、酸化ポリエチレン、有機ベントナイト、コロイド状シリカ、アマイドワックス、金属石鹸及びアクリル酸エステルポリマー等が挙げられる。
光安定剤としては、公知の光安定剤等が使用でき、紫外線吸収型安定剤{ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチレート、シアノアクリレート及びこれらの誘導体等};ラジカル補足型安定剤{ヒンダードアミン等};及び消光型安定剤{ニッケル錯体等}等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤等が使用でき、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
密着性付与剤としては、公知の密着性付与剤等が使用でき、カップリング剤、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤等が挙げられる。
イオン補足剤としては、公知のイオン補足剤等が使用でき、有機アルミニウム(アルコキシアルミニウム及びフェノキシアルミニウム等)等が挙げられる。
着色防止剤としては、公知の着色防止剤が使用でき、一般的には酸化防止剤が有効であり、フェノール系酸化防止剤(モノフェノール系、ビスフェノール系及び高分子フェノール系等)、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。
消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤又は、着色防止剤を含有する場合、各々の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、0.1~20000重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5~5000重量部である。
溶剤としては、カチオン重合性化合物の溶解や熱硬化性組成物の粘度調整のために使用できれば制限はなく、上記熱酸発生剤の溶剤として挙げたものが使用できる。
溶剤を含有する場合、溶剤の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、50~2000000重量部が好ましく、さらに好ましくは200~500000重量部である。
非反応性の樹脂としては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は、1000~500000が好ましく、さらに好ましくは5000~100000である(数平均分子量はGPC等の一般的な方法によって測定された値である。)。
非反応性の樹脂を含有する場合、非反応性の樹脂の含有量は、熱酸発生剤100部に対して、5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50~150000重量部である。
非反応性の樹脂を含有させる場合、非反応性の樹脂をカチオン重合性化合物等と溶解しやすくするため、あらかじめ溶剤に溶かしておくことが望ましい。
ラジカル重合性化合物としては、公知{フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)等}のラジカル重合性化合物等が使用でき、単官能モノマー、2官能モノマー、多官能モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、ラジカル重合性化合物の含有量は、本発明の熱酸発生剤100部に対して、5~400000重量部が好ましく、さらに好ましくは50~150000重量部である。
ラジカル重合性化合物を含有する場合、これらをラジカル重合によって高分子量化するために、熱又は光によって重合を開始するラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤等が使用でき、熱ラジカル重合開始剤(有機過酸化物、アゾ化合物等)及び光ラジカル重合開始剤(アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ミヒラーケトン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アシルホスフィン系開始剤等)が含まれる。
ラジカル重合開始剤を含有する場合、ラジカル重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100部に対して、0.01~20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1~10重量部である。
本発明の熱硬化性組成物は、カチオン重合性化合物、熱酸発生剤及び必要により添加剤を、室温(20~30℃程度)又は必要により加熱(40~90℃程度)下で、均一に混合溶解するか、又はさらに、3本ロール等で混練して調製することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、加熱することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
硬化させるための加熱方法としては、例えば、熱循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱等従来公知の方法を用いることができる。
硬化に必要な加熱温度は、硬化が十分に進行し、基材を劣化させない範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50~250℃、より好ましくは80~200℃の範囲であり、加熱時間は加熱温度に依存するものの、生産性の面から数分から数時間が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、各種被覆材料(ハードコート、耐汚染被覆材、防曇被覆材、耐触被覆材、光ファイバー等)、粘着テープの背面処理剤、粘着ラベル用剥離シート(剥離紙、剥離プラスチックフィルム、剥離金属箔等)の剥離コーティング材、印刷板、歯科用材料(歯科用配合物、歯科用コンポジット)インキ、インクジェットインキ、ポジ型レジスト(回路基板、CSP、MEMS素子等の電子部品製造の接続端子や配線パターン形成等)、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト(半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の永久膜材料等)、MEMS用レジスト、ポジ型感光性材料、ネガ型感光性材料、各種接着剤(各種電子部品用仮固定剤、HDD用接着剤、ピックアップレンズ用接着剤、FPD用機能性フィルム(偏向板、反射防止膜等)用接着剤等)、ホログラフ用樹脂、FPD材料(カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサー、リブ、液晶用配向膜、FPD用シール剤等)、光学部材、成形材料(建築材料用、光学部品、レンズ)、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、封止材、光半導体(LED)封止材、光導波路材料、ナノインプリント材料、光造形用、及びマイクロ光造形用材料等が挙げられる。
<接着剤>
より詳しくは本発明の熱硬化性組成物は、基材の表面に塗布してコーティング剤や接着剤として使用することが出来る。使用し得る基材としては、ポリカーボネート類及びポリカーボネートブレンド、ポリ(メタクリル酸メチル)を始めとするアクリル系樹脂類、ポリ(エチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンテレフタレート)のようなポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、アクリロニトリル-スチレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルのブレンド、セルロースアセテートブチレート、ポリエチレン等のポリマー基材、更に、金属基材、塗料塗布面、ガラス、セラミック、コンクリート、スレート板及び布地等が挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物からなる接着剤を基材に塗布する方法は特に限定されず、例えばバーコート、スプレーコート、カーテンコート、ロールコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等の従来公知の方法が用いられる。また、適当な粘度になるよう各種溶媒で希釈し、スピンコーター、ダイコーター等用いて塗布した後に加熱により溶媒を除去しても良い。基材上に設けられる本発明の組成物層の厚さは特に限定されないが、例えば1~500μmとすることができ、10~200μmが好ましい。
基材上に設けられた本発明の組成物からなる接着剤に、該組成物層上に基材を設置し、次いで加熱することにより基材同士の接着体を得ることが出来 る。貼り合わせる際は適当な圧力をかけてもよく、加温しながら貼り合わせてもよい。
加熱温度及び加熱時間は、組成物が熱硬化し、基材同士が接着する温度及び時間であれ
ば特に限定されないが、好ましくは80℃ 以上で5分間以上である。加熱温度及び加熱時間は、基材の耐熱温度を考慮して選択することが好ましい。
<硬化膜>
また、本発明の熱硬化性組成物は、ネガ型レジスト用樹脂組成物として利用することが出来る。
本発明のネガ型レジスト用樹脂組成物中、熱酸発生剤の含有量は、ネガ型レジスト用樹脂組成物の固形分中、0.01~10重量%とすることが好ましい。
本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。これにより、該組成物の樹脂膜における膜物性や加工性を高めることができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
上記エポキシ樹脂としては、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF 型エポキシ樹脂、ビスフェノールF ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する固形エポキシ樹脂を含むことができる。上記固形エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有しており、25℃(室温)において固形であるものを使用することができる。これにより、該組成物の樹脂膜における機械的特性を高めることができる。
また、エポキシ樹脂としては、分子内に3官能以上の多官能エポキシ樹脂(つまり、1分子中にエポキシ基が3個以上を有する多官能エポキシ樹脂)を含むことができる。
3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上のエポキシ樹脂を含むことが好ましく、ノボラック型エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、該組成物の樹脂膜の耐熱性を高めつつ、適切な熱膨張係数を実現できる。
また、エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂を含むことができる。当該液状エポキシ樹脂は、フィルム化剤として機能し、該組成物の樹脂膜の脆性を改善することができる。
上記液状エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有しており、室温25℃において液状であるエポキシ化合物を用いることができる。この液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は例えば、1mPa・s~8000mPa・sであり、好ましくは5mPa・s~1500mPa・sであり、より好ましくは10mPa・s~1400mPa・sとすることができる。
上記液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテルおよび脂環式エポキシからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、硬化物のクラック低減の観点から、アルキルジグリシジルエーテルを用いることができる。
上記液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、100g/eq以上200g/eq以下であり、好ましくは105g/eq以上180g/eq以下であり、さらに好ましくは110g/eq以上170g/eq以下である。これにより、該組成物の脆性を改善することができる。
上記液状エポキシ樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。これにより、最終的に得られる硬化膜の脆性を改善することができる。一方、液状エポキシ樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。これにより、硬化膜の膜特性のバランスを図ることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。これにより、最終的に得られる硬化膜の耐熱性や機械的強度を向上させることができる。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、90質量%以下であり、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。これにより、塗布性等作業性を向上させることができる。
本ネガ型レジスト用樹脂組成物の不揮発成分とは、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、熱硬化性樹脂組成物のうちの溶媒を除く不揮発成分全体に対する含有量を指す。
なお、本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂以外の他の熱硬化性樹脂を含有してよい。他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物等のマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン系樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等のシアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(フェノキシ樹脂)
本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、フェノキシ樹脂を含む。これにより、熱硬化性樹脂組成物の樹脂膜の可撓性を高めることができる。
上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、10000~100000であるのが好ましく、20000~80000であるのがより好ましい。このような比較的高分子量のフェノキシ樹脂が用いられることにより、樹脂膜に対して良好な可撓性を付与するとともに、溶媒への十分な溶解性を付与することができる。
なお、本ネガ型レジスト用樹脂組成物において、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法のポリスチレン換算値として測定される。
また、フェノキシ樹脂としては、分子鎖両末端または分子鎖内部にエポキシ基等の反応性基を有してもよい。フェノキシ樹脂中の反応性基は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と架橋反応可能なものである。このようなフェノキシ樹脂を使用することにより、樹脂膜中の耐溶剤性や耐熱性を高めることができる。
また、フェノキシ樹脂としては、25℃で固形であるものが好ましく用いられる。具体的には、不揮発分が90質量%以上であるフェノキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなフェノキシ樹脂を用いることにより、硬化物の機械的特性を良好にすることができる。
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂とビスフェノールS型フェノキシ樹脂との共重合フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。この中でも、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂が好ましく用いられる。
上記フェノキシ樹脂の含有量の下限値は、エポキシ樹脂の含有量に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは25質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。これにより、可撓性を高めることができる。一方で、上記フェノキシ樹脂の含有量の上限値は、例えば、60質量部以下、好ましくは55質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。これにより、フェノキシ樹脂の溶解性を高め、塗布性に優れた熱硬化性樹脂組成物を実現できる。
なお、本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、上記フェノキシ樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有してよい。この熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(界面活性剤)
本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含むことにより、塗工時における濡れ性を向上させ、均一な樹脂膜そして硬化膜を得ることができる。界面活性剤は、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキル系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤等が挙げられる。
上記界面活性剤は、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含む界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、均一な樹脂膜を得られること(塗布性の向上)や、現像性の向上に加え、接着強度の向上にも寄与する。このような界面活性剤としては、例えば、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤として使用可能な市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F-251、F-253、F-281、F-430、F-477、F-551、F-552、F-553、F-554、F-555、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-562、F-563、F-565、F-568、F-569、F-570、F-572、F-574、F-575、F-576、R-40、R-40-LM、R-41、R-94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD100TS、SD670、SD850、SD860、SD882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤の含有量は、ネガ型レジスト用樹脂組成物の不揮発性成分の全量を基準として、例えば、0.001~1質量%、好ましくは0.005~0.5質量%とすることができる。
(密着助剤)
本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、密着助剤を含むことができる。これにより、無機材料との密着性を一層向上させることができる。
上記密着助剤は、とくに限定されないが、たとえばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、またはスルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシシラン(すなわち、1分子中にエポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)を用いることがより好ましい。
アミノ基含有カップリング剤としては、例えばビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノ-プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基含有カップリング剤としては、例えばγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アクリル基含有カップリング剤またはメタクリル基含有カップリング剤としては、例えばγ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト基含有カップリング剤としては、例えば3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基含有カップリング剤としては、例えばビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ウレイド基含有カップリング剤としては、例えば3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
スルフィド基含有カップリング剤としては、例えばビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
酸無水物含有カップリング剤としては、例えば3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
なお、ここではシランカップリング剤を列挙したが、チタンカップリング剤やジルコニウムカップリング剤等であってもよい。
上記密着助剤の含有量は、ネガ型レジスト用樹脂組成物の不揮発性成分の全量を基準として、例えば、好ましくは0.3~5質量%であるのが好ましく、0.4~4%であるのがより好ましく、0.5~3質量%とすることができる。
(添加剤)
本ネガ型レジスト用樹脂組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、その他の添加剤が添加されていてもよい。その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤等が挙げられる。
(溶剤)
本ネガ型レジスト用樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。溶剤として、有機溶剤を含むことができる。上記有機溶剤としては、熱硬化性樹脂組成物の各成分を溶解可能なもので、且つ、各構成成分と化学反応しないものであれば特に制限なく用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロプレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤は、ネガ型レジスト用樹脂組成物中の不揮発成分全量の濃度が、例えば、30~75質量%となるように用いられることが好ましい。この範囲とすることで、各成分を十分に溶解させることができ、また、良好な塗布性を担保することができる。また、不揮発成分の含有量を調整することにより、熱硬化性樹脂組成物の粘度を適切に制御できる。
ワニス状のネガ型レジスト用樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、10mPa・s~6000mPa・s、好ましくは20mPa・s~5000mPa・s、より好ましくは30mPa・s~4000mPa・sである。粘度を上記数値範囲内とすることにより、塗布膜の厚みを適切に制御できる。例えば、1μm~100μm、好ましくは3μm~80μm、より好ましくは5μm~50μmの厚みを実現できる。
本発明のネガ型レジスト用樹脂組成物は、たとえば、トランジスタを覆う平坦化膜、半導体装置の再配線層を被覆する層間絶縁膜としても使用できる。
さらに良好な耐熱変色性、絶縁性を活かして、顔料や色素と配合したカラーフィルターレジストやディスプレイ用層間絶縁膜などへも応用が可能である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されることは意図するものではない。なお、以下特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
〔合成例1〕
TAG-1:4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムクロライドを3.0g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのテトラキス(ノナフルオロtert-ブチロキシ)アルミン酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、微黄色固体10.8gを得た(収率90%)。H、19F-NMRよりこの微黄色固体がTAG-1であることを確認した。
〔合成例2〕
TAG-2:4-ヒドロキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-1-ナフチルメチルスルホニウムクロライドを3.18g(0.01モル)をジクロロメタン15mlに分散させ、等モルのテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミン酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、微黄色固体11.2gを得た(収率90%)。H、19F-NMRよりこの微黄色固体がTAG-2であることを確認した。
〔合成例3〕
TAG-3:4-アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
実施例1で合成した ベンジル-4-ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム テトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナート6.8g(0.01モル)をアセトニトリル100mlに溶解させ、10℃以下でトリエチルアミン1.2g(0.012モル)を加え、30分後、塩化アセチル1.0g(0.012モル)を滴下する。3時間撹拌後、副生するトリエチルアミンの塩酸塩をろ過して除き、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体7.8gを得た(収率63%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-3であることを確認した。
〔合成例4〕
TAG-4:4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド 1.9g(0.01モル)をジクロロメタン15mlに分散させ、等モルのテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミン酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体10.2gを得た(収率91%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-4であることを確認した。
〔合成例5〕
TAG-5:4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
実施例4で合成した 4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートを6.0g(0.01モル)をアセトニトリル100mlに溶解させ、10℃以下でトリエチルアミン1.2g(0.012モル)を加え、30分後、塩化アセチル1.0g(0.012モル)を滴下する。3時間撹拌後、副生するトリエチルアミンの塩酸塩をろ過して除き、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体7.7gを得た(収率66%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-5であることを確認した。
〔合成例6〕
TAG-6:4-ヒドロキシフェニル-4-ニトロベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミナートの合成
4-ヒドロキシフェニル-4-ニトロベンジルメチルスルホニウムクロライド 3.1g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのテトラキス(ノナフルオロtert-ブトキシ)アルミン酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、淡黄色固体10.9gを得た(収率88%)。H、19F-NMRよりこの淡黄色固体がTAG-6であることを確認した。
〔比較合成例1〕
TAG-H1:4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムクロライドを3.0g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのヘキサフルオロアンチモン酸カリウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、微黄色固体4.0gを得た(収率86%)。H、19F-NMRよりこの微黄色固体がTAG-H1であることを確認した。
〔比較合成例2〕
TAG-H2:4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムクロライドを3.0g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、微黄色固体7.5gを得た(収率82%)。H、19F-NMRよりこの微黄色固体がTAG-H2であることを確認した。
〔比較合成例3〕
TAG-H3:4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの合成
4-ヒドロキシフェニル-メチル-ベンジルスルホニウムクロライドを3.0g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのヘキサフルオロリン酸カリウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、微黄色固体3.3gを得た(収率88%)。H、19F-NMRよりこの微黄色固体がTAG-H3であることを確認した。
〔比較合成例4〕
TAG-H4:4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートの合成
4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド 1.9g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのヘキサフルオロアンチモン酸カリウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体3.6gを得た(収率91%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-H4であることを確認した。
〔比較合成例5〕
TAG-H5:4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの合成
4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド 1.9g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体7.1gを得た(収率85%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-H5であることを確認した。
〔比較合成例6〕
TAG-H6:4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートの合成
4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド 1.9g(0.01モル)をジクロロメタン50mlに分散させ、等モルのヘキサフルオロリン酸カリウムを含む水溶液30gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌した。ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、白色固体2.8gを得た(収率93%)。H、19F-NMRよりこの白色固体がTAG-H6であることを確認した。
<接着剤用熱硬化性組成物の評価>
下記表1に記載の各成分を配合組成(単位:重量部)に従って配合し、室温にて自転公転ミキサーを用いて撹拌・混合することにより、均一透明な接着剤用熱硬化性組成物(以下、接着剤と記載する)を得た(実施例1~18、比較例1~10)。尚、比較用熱酸発生剤TAG-H3及びTAG-H6はヘキサフルオロリン酸塩であり、これより発生するヘキサフルオロリン酸は、他の熱酸発生剤(TAG-1~TAG-6、および比較用TAG-H1~TAG-H6のうちTAG-H3及びTAG-H6以外)の本発明のヘキサフルオロアンチモン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩から発生する酸よりも酸強度が弱く、カチオン重合に対する活性が低いため、酸発生剤の配合量を多くした。得られた接着剤を以下の評価方法に従って評価を行った。評価結果を表1に示す。
[硬化性]
スライドガラスの両端に40μmのスペーサーを設置し、接着剤を真ん中に滴下した。スキージーを使用して40μmの厚みになるように接着剤を塗り広げ、ホットプレートにて所定の温度で5分間加熱を行った。室温で60分以上放置して硬化物を得た。得られた硬化物について、その表面のタック性を触診により判断し、下記基準により硬化性を評価した。
評価基準
○ : 表面にタック性がなく、触診しても硬化物の表面形状に変化がなかった
△ : 表面のタック性はないが、触診により硬化物の表面形状が変化した
× : 表面にタック性を有した
[接着性]
スライドガラスの両端に40μmのスペーサーを設置し、接着剤を真ん中に滴下した。スキージーを使用して30μmの厚みになるように接着剤を塗り広げ、その上にエポキシ樹脂製立方体(外径:4mm×4mm×1mm、内径:3.7mm×3.7mm×0.8mm、接着面積:2.3mm2)をセットし、上記と同様に熱硬化を行った。熱硬化後、室温で60分以上放置して得られたサンプルについて、ダイシェアテスター(商品名「4000PXY」、DAGE社製)を下記条件で使用して、前記エポキシ樹脂製立方体が剥離した加重(kgf)から接着性を評価した。サンプルは5個用意し、その平均値をもって評価した。加重が大きいほど接着性が優れることを示す。
接着性測定条件
シェア高さ:0.65mm
シェアスピード:0.5mm/s
[耐熱接着性]
上記[接着性]評価と同様のサンプルに、卓上リフロー炉(シンアペック社製)を使用して、JEDEC規格記載のリフロー温度プロファイル(最高温度:270℃)に基づく耐熱試験を連続して3回行った後、上記と同様の方法(サンプル数:5個)で接着性を評価した。耐熱試験前後での変化が小さいほど、熱安定性が良好であることを示す。
Figure 2022129631000003
※比較例3,5,8及び10は硬化が不十分のため、接着性は評価できなかった。
表1中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
<カチオン重合性化合物>
セロキサイド2021P:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
THI-DE:ジエポキシ化テトラヒドロインデン、JXTGエネルギー(株)製
jER 828:ビスフェノールAジグリシジルエーテル、三菱ケミカル(株)製
jER YX8000:水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、三菱ケミカル(株)製
TECHMORE VG3101L:2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-[2,3-エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパン、(株)プリンテック製
SR-NPG:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、阪本薬品工業(株)製
OXT-121:キシリレンビスオキセタン、東亜合成(株)製
OXT-221:3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、東亜合成(株)製
X-22-169:両末端脂環式エポキシ変性シリコーンオリゴマー、信越化学工業(株)製
デナコールEX-146:p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製
<熱酸発生剤>
TAG-1~TAG-6およびTAG-H1~TAG-H6:合成例1~6および比較製造例1~6で得られた化合物
<カップリング剤>
KBM-403:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製
<消泡剤>
BYK-1790:ビックケミージャパン社製
<レベリング剤>
LS-460:ポリエーテル変性シリコーン、楠本化成(株)製
表1からわかるように、本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる接着剤は硬化性および接着性に優れている。さらに種々のカチオン重合性化合物を用いて良好な接着性、耐熱接着性を有する接着剤として利用できることが分かる。
<ネガ型レジスト用樹脂組成物の評価>
下記表2に記載の各成分を配合組成(単位:重量部)に従って配合し、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、25℃で、粘度が約100mPa・sのワニス状のネガ型レジスト用樹脂組成物(実施例19~41、比較例11~18)を得た。樹脂組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計(TVE-25H、東機産業社製)を用いて回転速度100rpmと設定して測定を行った。
得られた樹脂組成物を以下の評価方法に従って評価を行った。尚、比較用熱酸発生剤TAG-H3及びTAG-H6はヘキサフルオロリン酸塩であり、これより発生するヘキサフルオロリン酸は、他の熱酸発生剤(TAG-1~TAG-6、および比較用TAG-H1~TAG-H6のうちTAG-H3及びTAG-H6以外)の本発明のヘキサフルオロアンチモン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩から発生する酸よりも酸強度が弱く、カチオン重合に対する活性が低いため、酸発生剤の配合量を多くした。評価結果を表2に示す。
[耐溶剤性(現像液への耐性)の評価]
上記で得られたネガ型レジスト用樹脂組成物を8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した。塗布後、大気中でホットプレートにて90℃で5分間プリベークし、膜厚約9.0μmの塗膜を得た。次いでウエハをホットプレートに置き、大気中で120℃、5分間のベーク処理を行った。その後、現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて20秒間塗膜を浸漬し、外観を顕微鏡にて観察した。その結果を下記の基準に基づき評価した。
○ :均質な塗膜を維持していた。
△ :一部塗膜表面が荒れている部分が確認された。
× :塗膜の剥がれが見られた。
[絶縁信頼性の評価]
(評価用試験片の作製)
基材として耐熱塩化ビニル樹脂シートを準備した。その基材上に幅30μm、ピッチ20μm、厚さ10~15μmの櫛歯型のCuめっき膜(Cu電極)を形成し、Cu配線基板を得た。続いて、当該Cu配線基板上に、得られた感光性樹脂組成物をスピンコートして、スピンコート膜(液状被膜)を形成した。液状被膜を120℃で3分間加熱して乾燥させ、厚さ30μmの感光性樹脂膜を得た。続いて、Cu配線基板をPGMEA中に20秒間浸漬した。その後、Cu配線基板を窒素雰囲気において170℃、180分間加熱して、感光性樹脂膜を硬化させ、評価用試験片を得た。
(Bias-HAST試験(試験時間:100時間))
上記の評価用試験片をB-HAST装置内に配置した。続いて、B-HAST装置の配線と評価用試験のCu電極とを半田接続した。なお、B-HAST装置はバイアス付き高度加速ストレス試験装置である。
次に、装置内温度を130℃、装置内相対湿度を85%に設定し、互いに離間しているCu電極間に3.5Vのバイアスを印加した。続いて、印加開始から6分間隔で、Cu電極間の絶縁抵抗値を自動的に計測した。そして、印加開始からリーク発生(絶縁破壊)までの経過時間(リーク発生時間)を計測した。なお、リーク発生とは、計測された絶縁抵抗値が1.0×10Ω 以下に低下した場合を指す。
次に、計測したリーク発生時間を、以下の評価基準に照らして評価した。
リーク発生時間の評価基準:
◎:リーク発生時間が100時間以上である
〇:リーク発生時間が50時間以上100時間未満である
×:リーク発生時間が50時間未満である
Figure 2022129631000004
表2中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
<カチオン重合性化合物>
セロキサイド2021P:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
EPICLON 860:ビスフェノールA型固形樹脂、DIC(株)製
jER 157S70:ノボラック型固形エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製
EPPN201:フェノールノボラック型エポキシ、日本化薬(株)製
NC-3000H:フェノールアラルキル型ノボラック樹脂、日本化薬(株)製
YP-70:ビスフェノールA/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学社製
EPICLON HP4032D:ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC(株)製
TECHMORE VG3101L:2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-[2,3-エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパン、(株)プリンテック製
MA-DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成(株)製
X-22-163:側鎖エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製
エポライト70P:プロピレングリコールジグリシジルエーテル、共栄社化学(株)製
OXT-121:キシリレンビスオキセタン、東亜合成(株)製
<熱酸発生剤>
TAG-1~TAG-6およびTAG-H1~TAG-H6:合成例1~6および比較製造例1~6で得られた化合物
<界面活性剤>
R-41:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC(株)製
<密着助剤>
KBM-403:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製
表2からわかるように本発明の熱硬化性樹脂組成物からなるネガ型レジスト用樹脂組成物は硬化物の耐溶剤性及び絶縁信頼性に優れている。
本発明の熱硬化性組成物は、塗料、コーティング剤、各種被覆材料(ハードコート、耐汚染被覆材、防曇被覆材、耐触被覆材、光ファイバー等)、粘着テープの背面処理剤、粘着ラベル用剥離シート(剥離紙、剥離プラスチックフィルム、剥離金属箔等)の剥離コーティング材、印刷板、歯科用材料(歯科用配合物、歯科用コンポジット)インキ、インクジェットインキ、ポジ型レジスト(回路基板、CSP、MEMS素子等の電子部品製造の接続端子や配線パターン形成等)、レジストフィルム、液状レジスト、ネガ型レジスト(半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の永久膜材料等)、MEMS用レジスト、ポジ型感光性材料、ネガ型感光性材料、各種接着剤(各種電子部品用仮固定剤、HDD用接着剤、ピックアップレンズ用接着剤、FPD用機能性フィルム(偏向板、反射防止膜等)用接着剤等)、ホログラフ用樹脂、FPD材料(カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサー、リブ、液晶用配向膜、FPD用シール剤等)、光学部材、成形材料(建築材料用、光学部品、レンズ)、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、封止材、光半導体(LED)封止材、光導波路材料、ナノインプリント材料、光造形用、及びマイクロ光造形用材料等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含む熱酸発生剤と、カチオン重合性化合物とを含有する熱硬化性組成物。
    Figure 2022129631000005
    〔式(1)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基又はアラルキル基を表し、Rはベンゼン環上の置換基であり、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールチオカルボニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、mは、Rの個数を表し、0~5の整数である。Rfは水素の70%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。Rfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕
  2. がアルキル基で、Rがアルキル基又はアラルキル基であり、Rが水素、ヒドロキシ基、アセトキシ基、メトキシカルボニルオキシ基又はベンジルオキシカルボニルオキシ基である請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. mが0又は1である、請求項1又は2に記載の熱硬化性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の熱硬化性組成物を含む接着剤。
  5. 請求項4に記載の接着剤を硬化して得られる硬化体。
  6. 請求項1~3のいずれかに記載の熱硬化性組成物を含んでなるネガ型レジスト用樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載のネガ型レジスト用樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜。
JP2021028374A 2021-02-25 2021-02-25 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物 Pending JP2022129631A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021028374A JP2022129631A (ja) 2021-02-25 2021-02-25 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021028374A JP2022129631A (ja) 2021-02-25 2021-02-25 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022129631A true JP2022129631A (ja) 2022-09-06

Family

ID=83151262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021028374A Pending JP2022129631A (ja) 2021-02-25 2021-02-25 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022129631A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5706651B2 (ja) フッ素化アルキルリン酸スルホニウム塩、酸発生剤及び硬化性組成物
JP6924754B2 (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、光硬化性組成物、及びその硬化体
TWI764862B (zh) 組合物
CN109311915B (zh) 锍盐、热或光酸产生剂、热或光固化性组合物以及其固化体
WO2017038379A1 (ja) 硬化性組成物及びそれを用いた硬化体
TWI791629B (zh) 硬化性組成物、硬化膜,及硬化物之製造方法
WO2015111635A1 (ja) 樹脂組成物
JP6284721B2 (ja) エネルギー線感受性組成物
JP2022051490A (ja) 光硬化性組成物ならびにその硬化体
JP5699080B2 (ja) 光酸発生剤,光硬化性組成物,及びその硬化体
KR102586526B1 (ko) 경화성 조성물, 경화막, 표시 패널, 및 경화물의 제조 방법
JP2010215616A (ja) スルホニウム塩,光酸発生剤,光硬化性組成物,及びその硬化体
CN110999537A (zh) 有机电致发光元件用密封剂
WO2020149384A1 (ja) 封止剤、硬化体、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び装置の製造方法
TWI782107B (zh) 光酸產生劑、硬化性組成物、硬化體、光阻組成物以及抗蝕劑圖案的製作方法
JP5767040B2 (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、硬化性組成物およびレジスト組成物
JP5828679B2 (ja) フッ素化アルキルリン酸オニウム塩系酸発生剤
JP2022129631A (ja) 熱硬化性組成物、これを含んでなる接着剤およびネガ型レジスト用樹脂組成物
JP2019183048A (ja) 光熱併用硬化型樹脂組成物、接着剤及びその硬化物
CN115151591B (zh) 组合物、固化物及固化物的制造方法
JP2010254654A (ja) スルホニウム塩,光酸発生剤,光硬化性組成物,及びその硬化体
JP6963468B2 (ja) 熱酸発生剤及び硬化性組成物
JP6251894B2 (ja) エネルギー線感受性組成物
TW202413320A (zh) 酸產生劑、含有上述酸產生劑之硬化性組成物、及其硬化物
JP6705623B2 (ja) カチオン重合性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240618