WO2000076401A1

WO2000076401A1 - Vacuum sample collecting tube and method of collecting sample under vacuum

Info

Publication number: WO2000076401A1
Application number: PCT/JP1999/003195
Authority: WO
Inventors: Hideo Anraku; Ryusuke Okamoto
Original assignee: Sekisui Chemical Co.,Ltd.
Priority date: 1997-12-19
Filing date: 1999-06-16
Publication date: 2000-12-21
Also published as: AU4288899A; EP1216663B1; KR100606998B1; CA2377327A1; DE69932956T2; JP3872893B2; DE69932956D1; JPH11235329A; AU773161B2; EP1216663A4; EP1216663A1; KR20020019086A; US6821785B1

Description

明細書

真空検体採取管および真空検体採取方法技術分野

本発明は、管内外の気圧差を利用して吸引採取可能な検体の採取のための、いわゆる真空検体採取システムにおいて用いられる真空検体採取管、および該真空検体採取管を使用する真空検体採取方法に関し、なかんずく血液を検体とする臨床検査において用いられる真空採血管、および該採血管を使用する真空採血方法に関する。背景技術

典型的な真空採血システムは、特開昭 6 2 - 2 2 7 3 1 6号公報に記載されているが、システムの基本的な構成は、

1 ) 図 1 2に示した、有底の管状容器 3 2の開放端を針穴シール性、且つガスバリヤー性を備えた栓体 3 1で気密に封止し、内部を陰圧に保った真空採血管 3 0

2 ) 図 1 3に示した、 1本の金属製針管からなり、両末端に針先 4 1、 4 2を有し、栓体刺通側に雄ネジ部 4 4を併設したハブ 4 3を有する真空採血針 4 0

3 ) 図 1 4に示した、上記ハブ 4 3に併設した雄ねじに螺合する雌ネジを設けた採血針保持孔 5 1を有し、上記真空採血管 3 0を内腔 5 2に挿入可能な真空採血用ホルダー 5 0

からなつている。

採血にあたっては、真空採血針 4 0を真空採血用ホルダー 5 0の採血針保持孔 5 1にネジ止めする。次いで、真空採血管 3 0を該ホルダー 5 0に挿入し、真空採血針 4 0の針先 4 2に栓体 3 1を貫通しない程度に押し込んで、針先 4 2を一旦封止する。これは、針先 4 1を血管に刺入したときに、針先 4 2から血液が漏出するのを防ぐためである。

採血者は、図 1 5に示すように、該採血針 Z該ホルダー Z該採血管組み立て体の全体を被採血者の血管軸に沿った方向に寝かせるように手に保持し、血管刺通側の針先 4 1を血管に刺通する。ついで、該採血管 3 0を該ホルダ一 5 0内にさらに押し込むと、栓体刺通側の針先 4 2が栓体 3 1を貫通し、採血管側と血管側の気圧差に応じて血液が該採血管に流入するようになっている。両側の気圧差がなくなれば、血液の流入は止むので、組立体全体を血管から抜去し、採血作業を終る。

通常、上記採血管の中には、検査目的に応じて、血液検体の前処理剤として血液の凝固促進剤、抗凝固剤、除蛋白剤、血液成分の安定化剤などが収容されている。しかし、これらの薬剤は、血液が体内にあつたときとは異なる非生理的な状態に変性させるものであるため、これらの薬剤が採血中に誤つて体内に逆流してしまったときの危険性が従来問題となっていた。

かかる逆流防止については、特開昭 4 9一 5 1 7 8 4号公報、特開昭 5 0— 1 2 8 9 2号公報において、弾力性のある逆流防止弁を設けた真空採血針が、また、特開昭 5 4— 4 1 9 1号公報において、同じく弾力性のある逆流防止弁を設けた真空採血管の栓体が提案されている。これらの提案によれば、血管側と採血管側との間に気圧差がある間は、勢いよく流入してくる血液によって、弾性弁が開口し、採血ができるが、気圧差がなくなると弁が閉じて逆流を阻止するというものである。しかしながら、採血針ゃ栓体の構造が極めて複雑になる上に、採血管の容量に比べて設定採血量が少ない場合には、上記気圧差は元々小さいために、弾性弁の閉止力にばらつきがあると採血量のばらつきも顕著になるという問題がある。発明の要約

本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、真空採血等の真空検体採取中に、万一、血液等の検体の逆流が起こったとしても、真空検体採取管中に収容された前処理剤が血管等の中に侵入することを防止できる真空検体採取管、および該真空検体採取管を使用する真空検体採取方法を提供することである。第 1の本発明の真空検体採取管は、大きさの異なる二つの有底で他端に開口を有する管状容器が入れ子構造に組み合わされている検体採取容器であって、 1 ) 入れ子構造の内部の容器は、その開口端がガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、該容器内部が減圧状態に保持されており、 2 ) 入れ子構造の外部の容器は、上記入れ子構造の内部の容器の底部外面に実質的に接触することなく、該外部の容器の開口端にて該内部の容器の開口端近傍の外周面に実質的に液密に着脱自在に係止されており、

3 ) 上記内部の容器と、上記外部の容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする。

第 2の本発明の真空検体採取管は、有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって

1 ) 入れ子構造の内部の筒の上側の開口端は、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、

2 ) 該筒は、その上側の開口端の近傍では、上記管状容器の開口端と実質的に液密に、またその下側の開口端の近傍では上記管状容器の閉塞体部と実質的に気密に、それぞれ着脱自在に係止されており、

3 ) 該筒の内部は減圧状態に保持されており、

4 ) 該筒と上記管状容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする。

第 3の本発明の真空検体採取管は、有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって 1 ) 入れ子構造の内部の筒の上側の開口端は、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、

2 ) 該筒は、その上側の開口端の近傍では、上記管状容器の開口端と実質的に液密に、またその下側の開口端の近傍では上記容器の閉塞体部と実質的に気密に、それぞれ着脱自在に係止されており、

3 ) 上記下側の開口端部と上記閉塞体部には相補的な切り欠きが設けられており、該筒をその軸回りに回転摺動させることによって、該筒と上記容器の両者の内部空間が、可逆的に連通ノ遮断可能であり、

4 ) 該筒の内部は減圧状態に保持されており、

5 ) 該筒と、その外側を取り囲む上記容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする。

第 4の本発明の真空検体採取管は、有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって 1 ) 入れ子構造の内部の筒の上側の開口端は、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、またその下側の開口端は、少なくとも一部が突き破り破壊可能なガスバリヤ一性部材で気密に封止されて、該筒内部は減圧状態に保持されており、

2 ) 該筒は、その下側の開口端側が、上記管状容器の有底端側内側に設けられた突き破り部材と対向するようにされており、またその上側の開口端の近傍では、上記管状容器の開口端と実質的に液密に、着脱および摺動可能に係止されており

3 ) 該筒と上記管状容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする。

第 5の本発明の真空検体採取方法は、第 1の本発明の真空検体採取管を用いて、上記内部の容器内に真空検体採取した後、上記内部の容器と上記外部の容器を乖離させ、該内部の容器内の検体を該外部の容器内の前処理剤に添加することを特徴とする。

第 6の本発明の真空検体採取方法は、第 2の本発明の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒と上記管状容器とを軸方向にスライドさせて、上記閉塞体部から該筒の下側の開口端を離脱させることにより、該筒内の検体を上記管状容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする。

第 7の本発明の真空検体採取方法は、第 3の本発明の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒と上記管状容器とを軸回りに回転させて、該筒の下側の開口端と上記閉塞体部の切り欠き同士を実質的に一致させることにより、該筒と該容器の両者の内部空間を連通させ、該筒内の検体を該容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする。

第 8の本発明の真空検体採取方法は、第 4の本発明の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒を上記管状容器内に押し込み、該筒下端の突き破り破壊可能な部材を該管状容器の突き破り部材によつて破壊することにより、該筒と該容器の両者の内部空間を連通させ、該筒内の検体を該容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする。

第 1〜第 4の本発明の真空検体採取管によれば、いずれの場合も、人体に逆流する恐れのある前処理剤は、直接の真空検体採取容器とは別の容器に収容されているために、採血等の検体採取時の万一の血液等の逆流時にも危険を回避することができる。

第 5〜第 8の本発明の真空検体採取方法によれば、いずれの場合も、人体に逆流する恐れのある前処理剤は、直接の真空検体採取容器とは別の容器に収容されており、真空検体採取後に、血液等と前処理剤とが混合されるので、採血等の検体採取時の万一の血液等の逆流時にも危険を回避することができる。図面の簡単な説明

図 1は、第 1の本発明の真空検体採取管の一例の断面図である。

図 2は、第 1の本発明の真空検体採取管において、内部の容器と外部の容器を乖離させたところを示す断面図である。

図 3は、第 2の本発明の真空検体採取管の一例の断面図である。

図 4は、第 2の本発明の真空検体採取管において、筒と管状容器とを軸方向にスライドさせて、管状容器の閉塞体部から筒の下側の開口端を離脱させたところを示す断面図である。

図 5は、第 3の本発明の真空検体採取管の一例の正面図である。

図 6は、図 5の縦断面図である。

図 7は、図 5の拡大された Vl l-Vn 線断面図である。

図 8は、第 3の本発明の真空検体採取管において、筒の下側の開口端の切り欠きと閉塞体部の切り欠きを一致させたところを示す断面図である。

図 9は、第 4の本発明の真空検体採取管の一例の断面図である。

図 1 0は、第 4の本発明の真空検体採取容器において、突き破り可能且つガスバリヤ一性の部材を突き破り部材が突き破った状態を示す断面図である。

図 1 1は、第 4の本発明の真空検体採取管の他の例の断面図である。図 1 2は、従来の真空採血管を示す断面図である。

図 1 3は、真空採血針を示す断面図である。

図 1 4は、真空採血用ホルダーを示す断面図である。

図 1 5は、従来の真空採血管を用いて真空採血しょうとしているところを示す図である。

図中、 1、 1 1、 2 1及び 6 1は真空検体採取管、 2は内部の容器、 2 aは開口端、 3は外部の容器、 3 aは開口端、 4、 1 4、 2 4及び 6 4は栓体、 5、 1 5、 2 5及び 6 5は前処理剤、 1 2は筒、 1 2 aは上側の開口端、 1 2 bは下側の開口端、 1 3は管状容器、 1 3 aは開口端、 1 3 bは閉塞体部、 2 2は筒、 2 2 aは上側の開口端、 2 2 bは下側の開口端、 2 2 cは切り欠き、 2 3は管状容器、 2 3 aは開口端、 2 3 bは閉塞体部、 2 3 cは切り欠き、 6 2は筒、 6 2 a は上側の開口端、 6 2 bは下側の開口端、 6 3は管状容器、 6 3 aは開口端、 6 3 bは有底端、 6 3 cは突き破り部材、 6 6は少なくとも一部が突き破り可能且つガスバリヤ一性の部材、 6 6 aは突き破り可能部位、 6 7は筒状物、 6 8は栓体形状物、 6 8 aは突き破り部材を、それぞれ表す。発明の詳細な開示

図 1を参照して第 1の本発明の真空検体採取管 1の一例を説明する。真空検体採取管 1は、大きさの異なる二つの有底で他端に開口を有する管状容器 2および 3が入れ子構造に組み合わされている検体採取容器であって、以下の構造を有する。 1 ) 入れ子構造の内部の容器 2は、その開口端 2 aがガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体 4で気密に封止され、該容器 2内部が減圧状態に保持されており、 2 ) 入れ子構造の外部の容器 3は、上記入れ子構造の内部の容器 2の底部外面に実質的に接触することなく、該外部の容器 3の開口端 3 aにて該内部の容器 2の開口端 2 a近傍の外周面に実質的に液密に着脱自在に係止されており、

3 ) 上記内部の容器 2と、上記外部の容器 3の間の空間には、検体の前処理剤 5 が収容されている。

上記内部の容器 2の開口端 2 a近傍とは、必ずしも開口端 2 aである必要はなく、検体採取前及び採取時は内部の容器 2及び外部の容器 3とが一体化され外部の容器 3が実質的に液密となって採取管 1を構成することができていれば、その場所は特に限定されない趣旨である。

第 5の本発明は、第 1の本発明の真空検体採取管を用いて、上記内部の容器 2 内に、常法の真空検体採取方法により真空検体採取した後、上記内部の容器 2と上記外部の容器 3を図 2に示すように乖離させた後、該内部の容器 2の栓体 4を取り外し、該内部の容器 2内の検体を該外部の容器 3内の前処理剤に添加する真空検体採取方法である。その後、両者を混和した後、検体が血液であれば、常法により血球、血清、血漿などを分離して種々の血液検査に使用すればよい。図 3を参照して第 2の本発明の真空検体採取管 1 1の一例を説明する。真空検体採取管 1 1は、有底で他端に開口を有する管状容器 1 3と該容器 1 3に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒 1 2からなる検体採取容器であって、以下の構造を有する。

1 ) 入れ子構造の内部の筒 1 2の上側の開口端 1 2 aは、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体 1 4で気密に封止され、

2 ) 該筒 1 2は、その上側の開口端 1 2 aの近傍では、上記管状容器 1 3の開口端 1 3 aと実質的に液密に、またその下側の開口端 1 2 bの近傍では上記管状容器 1 3の閉塞体部 1 3 bと実質的に気密に、それぞれ着脱自在に係止されており

3 ) 該筒 1 2の内部は減圧状態に保持されており、

4 ) 該筒 1 2と上記管状容器 1 3の間の空間には、検体の前処理剤 1 5が収容されている。

上記管状容器 1 3の閉塞体部 1 3 bは、上記容器 1 3の底壁面が、上記容器 1 3の内部側に向かって中空円筒体状（ただし、該円筒体の上面は閉塞されている ) に隆起したような形状であり、その上端部は、上記筒 1 2の下側の開口端 1 2 b内に気密に嵌合可能とされている。なお、この例では、上記閉塞体部 1 3 bは、上記管状容器 1 3と一体に成形されている。

上記開口端 1 2 aの近傍及び開口端 1 2 bの近傍とは、それぞれ、必ずしも開口端 1 2 a及び開口端 1 2 bである必要はなく、検体採取前及び採取時は管状容器 1 3と筒 1 2とが一体化され筒 1 2が実質的に液密及び気密となって採取管 1 1を構成することができていれば、その場所は特に限定されない趣旨である。第 6の本発明は、第 2の本発明の真空検体採取管を用いて、上記筒 1 2内に、常法の真空検体採取方法により真空検体採取した後、図 4に示すように、該筒 1 2と上記管状容器 1 3とを軌方向にスライドさせて、上記閉塞体部 1 3 bから該筒 1 2の下側の開口端 1 2 bを離脱させることにより、該筒 1 2内の検体を上記管状容器 1 3内の前処理剤中に導入する真空検体採取方法である。その後、両者を混和した後、検体が血液であれば常法により血球、血清、血漿などを分離して種々の血液検査に使用すればよい。

図 5〜7を参照して第 3の本発明の真空検体採取管 2 1の一例を説明する。図 5は真空検体採取管 2 1の正面図、図 6はその縦断面図、図 7は図 5の拡大された VI I-VI I 線断面図である。真空検体採取管 2 1は、有底で他端に開口を有する管状容器 2 3と該容器 2 3に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒 2 2 からなる検体採取容器であって以下の構造を有する。

1 ) 入れ子構造の内部の筒 2 2の上側の開口端 2 2 aは、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体 2 4で気密に封止され、

2 ) 該筒 2 2は、その上側の開口端 2 2 aの近傍では、上記管状容器 2 3の開口端 2 3 aと実質的に液密に、またその下側の開口端 2 2 bの近傍では上記容器 2 3の閉塞体部 2 3 bと実質的に気密に、それぞれ着脱自在に係止されており、

3 ) 上記下側の開口端 2 2 b部と上記閉塞体部 2 3 bには相補的な切り欠き 2 2 c 2 3 cが設けられており、該筒 2 2をその軸回りに回転摺動させることによつて、該筒 2 2と上記容器 2 3の両者の内部空間が、可逆的に連通 Z遮断可能であり、

4 ) 該筒 2 2の内部は減圧状態に保持されており、

5 ) 該筒 2 2と、その外側を取り囲む上記容器 2 3の間の空間には、検体の前処理剤 2 5が収容されている。

上記管状容器 2 3の閉塞体部 2 3 bは、上記管状容器 2 3の底部に立設された中空円筒体（該円筒体の上面は閉塞されていない）であり、その上端部は、上記筒 2 2の下側の開口端 2 2 bの外周面に嵌合可能とされている。なお、この例では、上記閉塞体部 2 3 bは管状容器 2 3と一体に成形されている。上記開口端 2 2 aの近傍及び開口端 2 2 bの近傍とは、それぞれ、必ずしも開口端 2 2 a及び開口端 2 2 bである必要はなく、検体採取前及び採取時は管状容器 2 3と筒 2 2とが一体化され筒 2 2が実質的に液密及び気密となって採取管 2 1を構成することができていれば、その場所は特に限定されない趣旨である。第 7の本発明は、第 3の本発明の真空検体採取管を用いて、上記筒 2 2内に、常法の真空検体採取方法により真空検体採取した後、該筒 2 2と上記管状容器 2 3とを軸回りに回転させて、図 8に示すように、該筒 2 2の下側の開口端 2 2 b の切り欠き 2 2 cと上記閉塞体部 2 3 bの切り欠き 2 3 cを実質的に一致させることにより、該筒 2 2と該容器 2 3の両者の内部空間を連通させ、該筒 2 2内の検体を該容器 2 3内の前処理剤中に導入する真空検体採取方法である。その後、両者を混和した後、検体が血液であれば常法により血球、血清、血漿などを分離して種々の血液検査に使用すればよい。

図 9を参照して第 4の本発明の真空検体採取管 6 1の一例を説明する。真空検体採取管 6 1は、有底で他端に開口を有する管状容器 6 3と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒 6 2からなる検体採取容器であって、以下の構造を有する。

1 ) 入れ子構造の内部の筒 6 2の上側の開口端 6 2 aは、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体 6 4で気密に封止され、またその下側の開口端 6 2 bは、少なくとも一部が突き破り破壊可能な薄いシート状であるガスバリヤ一性部材 6 6で気密に封止されて、該筒 6 2内部は減圧状態に保持されており、

2 ) 該筒 6 2は、その下側の開口端 6 2 b側が、上記管状容器 6 3の有底端 6 3 b側内側に設けられた突起状の突き破り部材 6 3 cと対向するように、その上側の開口端 6 2 aの近傍で、上記管状容器 6 3の開口端 6 3 aと実質的に液密に、着脱および摺動可能に係止されており、

3 ) 該筒 6 2と上記管状容器 6 3の間の空間には、検体の前処理剤 6 5が収容されている。

例示では、少なくとも一部が突き破り可能且つガスバリヤ一性の部材 6 6は、薄いシート状物からなる突き破り可能部位 6 6 aを有する栓体形状物を該筒 6 2 の下側の開口部に気密に嵌合させているが、ホットメルト、反応硬化型等の接着剤や、超音波、高周波加熱等の従来公知の方法で、該開口端 6 2 b面に直接、接着あるいは融着固定してもよいことは言うまでもない。また、突き破り可能部位

6 6 aの面積、形状は特に限定されない。

上記開口端 6 2 aの近傍の近傍とは、必ずしも開口端 6 2 aである必要はなく、検体採取前及び採取時は管状容器 6 3と筒 6 2とが一体化され筒 6 2が実質的に液密となって採取管 6 1を構成することができていれば、その場所は特に限定されない趣旨である。

第 8の本発明は、第 4の本発明の真空検体採取容器を用いて、上記筒 6 2内に

、常法の真空検体採取方法により真空検体採取した後、図 1 0に示すように、該筒 6 2と上記管状容器 6 3とを軸方向にスライドさせて押し込むことにより、少なくとも一部が突き破り可能且つガスバリヤ一性の部材 6 6を突き破って、該筒

6 2内の検体を該管状容器 6 3内の前処理剤 6 5中に導入する真空検体採取方法である。その後、両者を混和した後、検体が血液であれば常法により血球、血清

、血漿などを分離して種々の血液検査に使用すればよい。

なお、第 4の本発明において、突き破り破壊可能なガスバリヤ一性部材の突き破り可能部位 6 6 aと、突き破り部材 6 3 cとは、意図しないときに両者を突き合わせるような不慮の外力が作用して該筒 6 2と該管状容器 6 3が連通してしまうことのないように、使用前には該筒 6 2と該管状容器 6 3の軸回りに互いにずれた位置関係にあることが望ましい。

図 1 1は、第 4の本発明の真空検体採取管 6 1の他の例を示す断面図である。この例では、突き破り破壊可能なガスバリヤ一性部材 6 6の突き破り可能部位 6

6 aと、突き破り部材 6 8 aとは、互いに 1 8 0度ずれた位置にある。

また、この例では、管状容器 6 3は、予め成形された筒状物 6 7に、やはり別に成形された突き破り部材 6 8 aを有する栓体形状物 6 8が嵌装されて形成されている。かかる例では、検体採取後、該筒 6 2と上記管状容器 6 3とを A— A ' 軸回りに回転させて、前記両部材を突き合わせ可能な位置に移動させた後、前述のとおり、さらに軸方向に押し込んでやるとよい。

第 1〜第 4の本発明において、入れ子構造になっている有底の容器または両端に開口を有する筒の材質は、例えば、硬質ガラス、硼珪酸ガラス等の各種ガラス；合成または天然物を変性した熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマ一；熱硬化性樹脂や架橋性エラストマ一；金属などが単独で、または組み合わせて使用できる力内部を透視可能なように透明または半透明であるものが好ましい。

また、入れ子構造に内装される容器または筒は、真空検体採取を行うためにその内部が減圧状態に保持される必要があるので、ガスバリヤ一性に優れた材質、例えば、ガラスやポリエチレンテレフ夕レート、ポリブチレンテレフ夕レート、ポリエチレンナフ夕レート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびこれらの誘導体や他のモノマー成分との共重合体、また各種添加剤との配合物等から選ばれる熱可塑性樹脂等を単独で、または組み合わせて用いるのが好ましい。

第 4の本発明における、突き破り破壊可能なガスバリヤ一性部材 6 6を構成する材質としては、入れ子構造に内装されて、内部が減圧状態に保持される容器または筒を構成する材質として上述したものが同様に使用可能であるが、これに加えて、ポリ塩化ビニリデン、エチレンビニルアルコール共重合体やアルミニゥム等を単体で、あるいはこれらを積層して薄肉シート化したものを用いることができる。

第 1〜第 4の本発明において、真空検体採取量は、入れ子構造に内装される容器または筒の大きさ、減圧度等を適宜、選ぶことにより設定できる。

また、入れ子構造に外装される容器は、内装される容器または筒と液密または気密に、要時、着脱可能に係止される必要があるので、柔軟性のある材質、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニルおよびこれらの誘導体や他のモノマー成分との共重合体、また各種添加剤との配合物等から選ばれる熱可塑性樹脂等や熱可塑性エラストマ一等を単独で、または積層するなど、適宜、組み合わせて用いるのが好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレン等のォレフィン系樹脂では、いわゆるシングルサイト触媒を用いてひーォレフインモノマー成分と共重合された弹性に富む材質を用いるのがさらに好ましい。もちろん、これらの柔軟性のある材質に限定される必要はなく、硬質の材質であっても、嵌合又は摺動面に弾性に富む材質からなるパッキン材をはさみ込んだり、積層することにより利用可能であることは言うまでもない。第 1〜第 4の本発明において、入れ子構造に内装される容器または筒を気密に封止するガスバリヤ一性で針穴シール性の栓体の材質としては、例えば、ブチルゴム；アルミシートとイソプレンゴム、天然ゴム等の複合体；熱可塑性エラストマーなどが適宜、利用できる。

栓体が再栓可能な構造であれば、外装容器の開口部の内径を入れ子構造に内装される容器または筒の栓体揷入部の内径と実質的に等しくすることにより、検体採取後の検体を前処理剤と混和し、不要となった内装容器または筒を廃棄した後に、外装容器の開口部を封止する栓体として兼用できる。

第 2及び第 3の本発明において、入れ子構造に内装される筒の下側の開口端を気密に閉塞する外装容器の閉塞体部は、上記実施の態様例では、いずれも外装容器と一体に成形されているが、該閉塞体部をブチルゴムや熱可塑性エラストマ一等で別に成形しておき、これを外装容器の底部内面や、筒の下側の開口端近傍の内壁面に組み込んでもよい。また、外装容器も予め筒状体として成形されたものに、やはり予め成形された前記閉塞体部を嵌装することによつて管状容器とすることでもよい。

第 1〜第 4の本発明において、検体の前処理剤としては、検体と混和されて用いられるものであり、例えば、検体が血液である場合は、従来公知の血液の凝固促進剤、抗凝固剤、除蛋白剤、溶血剤、血小板やその他の失活、変性、代謝および蒸散等の理由で安定に保たれ難い成分の安定化剤、または測定用標識剤等から選ばれる少なくとも一種、または組み合わせのものが挙げられる。また、これらは適宜、溶液、粉粒、凍結乾燥物として収容され、あるいは壁面に塗布したり、ビーズやシート、不織布などに担持されて収容され得る。

また、上記実施の態様例では、内装される容器または筒の内部には、検体採取時に体内に逆流する恐れのある薬剤は収容していないが、へパリン塩等、既に各種治療用途に用いられ、その安全性が確認されている薬剤については、収容してもよい。

第 1〜第 4の本発明における、入れ子構造に外装される容器、入れ子構造に内装される容器または筒などは、それぞれに用いられる材質に応じて、公知の製造方法にて製造される。例えば、上記の材質が熱可塑性樹脂である場合では、射出成形やブロー成形にて製造する方法が挙げられる。第 1〜第 4の本発明の真空検体採取管は、入れ子構造に外装される容器、入れ子構造に内装される容器または筒などを製造しておき、それらを組み立てることにより製造される。産業上の利用可能性

従来の真空検体採取システムは、種々の前処理剤を収容してある検体採取管を品揃えしてあり、また、予め検体採取量に応じた減圧度に設定してあるため、例えば、血液を採取する場合は、採血者は採血針をまちがいなく血管に刺入しさえすればよく、後は血管側と採血管側の圧力差によって、自動的に血液が流入してくるのを確認するだけでよい、省力化、検体採取の標準化に資する優れたシステムである。ただ、唯一の懸念は、短時間とは言え、体内と前処理剤を収容した採血管が連通するため、注射禁忌とされる前処理剤が体内に逆流する可能性を完全には否定できないことである。

しかしながら、本発明の真空検体採取管および真空検体採取方法によれば、真空検体採取時に検体を収容する空間と前処理剤を収容する空間が完全に分離されているので、前処理剤が体内に逆流する危険性は、万が一にもなくなり、一層、安全な検体採取システムとして、普及に拍車がかかると期待される。

また、検査の中には、前処理剤と検体を混ぜることにより生じる反応産物の時間変化を追う必要のあるものもあるが、このような場合、従来のように、検体流入と同時に前処理剤の混合が始まると、被採血者の血管が細いため採血針管が正しく血管中に固定されていなかったり、採血中に血圧が下がったりして、予想に反して採血完了までに長時間を要してしまうなどのトラブルがあつたりすると、反応開始時刻があいまいとなり、用をなさない。その点、本発明のように、検体の収容空間と前処理剤の収容空間を分離しておけば、実際に検査を行う直前に一気に両者を混合することができるので検査の精度向上に極めて有用である。

Claims

請求の範囲

1 . 大きさの異なる二つの有底で他端に開口を有する管状容器が入れ子構造に組み合わされている検体採取容器であって、

1 ) 入れ子構造の内部の容器は、その開口端がガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、該容器内部が減圧状態に保持されており、

2 ) 入れ子構造の外部の容器は、上記入れ子構造の内部の容器の底部外面に実質的に接触することなく、該外部の容器の開口端にて該内部の容器の開口端近傍の外周面に実質的に液密に着脱自在に係止されており、

3 ) 上記内部の容器と、上記外部の容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする真空検体採取管。

2 . 有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって、

3 ) 該筒の内部は減圧状態に保持されており、

4 ) 該筒と上記管状容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする真空検体採取管。

3 . 有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって、

3 ) 上記下側の開口端部と上記閉塞体部には相補的な切り欠きが設けられており、該筒をその軸回りに回転摺動させることによって、該筒と上記容器の両者の内部空間が、可逆的に連通 Z遮断可能であり、

4 ) 該筒の内部は減圧状態に保持されており、

5 ) 該筒と、その外側を取り囲む上記容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする真空検体採取管。

4 . 有底で他端に開口を有する管状容器と該容器に入れ子状に内装された両端に開口を有する筒からなる検体採取容器であって、

1 ) 入れ子構造の内部の筒の上側の開口端は、ガスバリヤ一性且つ針穴シール性の栓体で気密に封止され、またその下側の開口端は、少なくとも一部が突き破り破壊可能なガスバリヤ一性部材で気密に封止されて、該筒内部は減圧状態に保持されており、

3 ) 該筒と上記管状容器の間の空間には、検体の前処理剤が収容されていることを特徴とする真空検体採取管。

5 . 請求項 1記載の真空検体採取管を用いて、上記内部の容器内に真空検体採取した後、上記内部の容器と上記外部の容器を乖離させ、該内部の容器内の検体を該外部の容器内の前処理剤に添加することを特徴とする真空検体採取方法。

6 . 請求項 2記載の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒と上記管状容器とを軸方向にスライドさせて、上記閉塞体部から該筒の下側の開口端を離脱させることにより、該筒内の検体を上記管状容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする真空検体採取方法。

7 . 請求項 3記載の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒と上記管状容器とを軸回りに回転させて、該筒の下側の開口端と上記閉塞体部の切り欠き同士を実質的に一致させることにより、該筒と該容器の両者の内部空間を連通させ、該筒内の検体を該容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする真空検体採取方法。

8 . 請求項 4記載の真空検体採取管を用いて、上記筒内に真空検体採取した後、該筒を上記管状容器内に押し込み、該筒下端の突き破り破壊可能な部材を該管状容器の突き破り部材によって破壊することにより、該筒と該容器の両者の内部空間を連通させ、該筒内の検体を該容器内の前処理剤中に導入することを特徴とする真空検体採取方法。