JPH08289881A - 真空採液管 - Google Patents
真空採液管Info
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- JPH08289881A JPH08289881A JP7096912A JP9691295A JPH08289881A JP H08289881 A JPH08289881 A JP H08289881A JP 7096912 A JP7096912 A JP 7096912A JP 9691295 A JP9691295 A JP 9691295A JP H08289881 A JPH08289881 A JP H08289881A
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Abstract
状態が維持され、かつ内部の水系薬剤の経時による濃度
変化が効果的に抑制される構造を備えた真空採液管を得
る。 【構成】 ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂よりなる
第1の管体5と、水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂
よりなる第2の管体6とを、一方を他方に挿入して相互
に固定することにより有底の管状本体2を構成し、管状
本体2内に水系薬剤4を封入し、管状本体2内を減圧し
た状態で栓体3が管状本体2の開口を封止するように取
り付けられている真空採液管1。
Description
うに生体内の血液や体液を採取するための採液管に関
し、特に、内部の減圧状態の維持及び封入されている水
系薬剤濃度の経時による濃度変化を長期間に渡り抑制し
得る構造を備えた真空採液管に関する。
を採取するにあたり、真空採血管が従来より用いられて
いる。真空採血管は、一端に開口を有する有底の管体
と、該管体を封止する栓体とを有し、使用に先立ち内部
が減圧状態とされている。また、例えば採血管の場合に
は、血液の凝固を防止するための抗凝固剤などが水溶液
の形態で封入されていることもある。
体は、ガラスや合成樹脂により構成されていた。しかし
ながら、ガラスからなる管体は、取扱いに際して破損し
たりするおそれがあるため、近年、合成樹脂からなる管
体を用いた真空採血管が広く普及している。
態に維持されているが、実際に病院等において使用され
るまでの間、出荷時の状態のまま保管されることにな
る。ところが、合成樹脂よりなる管体を用いた真空採血
管では、ガラス管に比べて水蒸気や酸素などのガスを透
過し易いという問題があった。
態にある真空採血管内部に、外部からガスが侵入し、減
圧度が低下することがあった。真空採血管内の減圧度が
低下すると、血液などの体液採取時に、減圧を利用して
目的とする量の体液を採取することが困難となる。
採血管では、逆に、水蒸気が合成樹脂になる管体から外
部に蒸散し、封入されている薬剤濃度が変動するという
問題があった。
として、特開平2−167141号公報には、プラスチ
ック製の有底管体の内面及び/または外面に、ガスバリ
ア性被膜を形成してなる採液管が提案されている。上記
ガスバリア性を有する被膜としては、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニリデン、アルミニウムなどの金属、
二酸化硅素などの金属酸物やフッ化マグネシウムなどの
金属ハロゲン化物からなるものが示されている。この先
行技術に記載の真空採血管では、上記ガスバリア性の被
膜が合成樹脂よりなる管体の内面及び/または外面に形
成されているため、ガスバリア性が高められ、減圧状態
を長期間に渡り維持し得ると共に内部の薬液の外部への
蒸散を抑制し得るとされている。
行技術の記載の採液管では、ガスバリア性を有する被膜
により、ガスバリア性が一応高められるものの、長期間
に渡り保管した場合には、水蒸気の蒸散を確実に防止す
ることは困難であった。加えて、ガスバリア性被膜は、
あくまでも管体の内面及び/または外面に薄い塗膜とし
てコーティングされているに過ぎない。従って、より一
層長期間に渡り保管した場合には、減圧度の低下を確実
に防止することは困難である。
真空採液管において、より一層長期間に渡り保管した場
合であっても、水系薬剤濃度の経時による変化を確実に
抑制することができ、かつ内部の減圧状態についても、
長期間に渡り一定の減圧状態に維持し得る構造を備えた
真空採液管を提供することにある。
成するために成されたものであり、ガスバリア性を有す
る熱可塑性樹脂よりなり、一端が開口している有底の第
1の管体と、水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂より
なり、一端が開口している有底の第2の管体とを備え、
前記第1,第2の管体は、一方が他方に外挿されてお
り、かつ両者の間の界面に間隙がないように相互に固定
されており、それによって一端が開口された有底の管状
本体を構成しており、前記管状本体の開口を封止してお
り、かつガスバリア性及び水蒸気難透過性を有する材料
よりなる栓体と、前記管状本体内に封入されている水系
薬剤とをさらに備えることを特徴とする真空採液管であ
る。なお、本明細書において、上記ガスバリア性とは、
空気、空気中に含まれている酸素、窒素などの透過を完
全に遮蔽するものに限らず、1mmの厚みの材料におい
て、窒素透過量が0.9ml/m2 ・24時間・atm
(25℃)以下、酸素透過量が3.0ml/m2 ・24
時間・atm(25℃)以下のガス透過性に抑制し得る
ものを含むものとする。また、水蒸気難透過性とは、水
蒸気透過率が1mmの厚みの材料において、0.6g/
m2 ・24時間・atm(25℃)以下の範囲をいうも
のとする。
Z1707に準じて、水蒸気難透過性は、JIS Z0
208,Z0221に準じて測定される値である。本発
明では、上記のように、第1の管体が上記ガスバリア性
を有する熱可塑性樹脂よりなる。第1の管体を構成する
熱可塑性樹脂としては、上記ガスバリア性を発揮し得る
熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下PET)、
ナイロン6、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることがで
きる。なかでも、窒素及び酸素の双方の透過率が低いポ
リ塩化ビニリデンが好ましく用いられる。また、第1の
管体は、上記PET、ナイロン6もしくはポリ塩化ビニ
リデンなどのガスバリア性を有する熱可塑性樹脂からな
る管体の表面に、さらにポリ塩化ビニリデンなどのガス
バリア性を有する他の材料からなる被覆をコーティング
してなるものであってもよい。
難透過性の熱可塑性樹脂としては、上記水蒸気難透過性
を有する限り、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを例示すること
ができる。なかでも、高密度ポリエチレンが、水蒸気透
過率が0.1g/m2 ・24時間・atm(25℃)と
低いため好ましい。
性樹脂は、好ましくは透明または半透明の材料で構成さ
れる。透明または半透明の材料で第1,第2の管体を構
成することにより、内部の状態を外部から目視により確
認することができる。
は、何れも一端が開口した有底の形状を有する。さら
に、第1,第2の管体は、上述のように一方が他方に外
挿されており、両者の間の界面に間隙がないように相互
に固定されている。この場合、第1の管体及び第2の管
体の何れが内側に配置されていてもよい。また、両者の
固定構造については、後述の実施例で示すように、一方
の管体の外径を他方の管体の内径とほぼ等しくし、一方
の管体を他方の管体に挿入して嵌合させる構造を採用す
ることができる。この場合、両者の嵌合を強固なものと
するために、内側の管体の外面に突起もしくは凹部を形
成し、外側に配置される管体の内壁に、上記突起もしく
は凹部と嵌合される凹部もしくは突起を形成してもよ
い。さらに、内側に配置される管体の外面と、外側に配
置される管体の内面とを接着剤により接着してもよい。
また、上記嵌合構造と、接着剤を使用する方法とを併用
してもよい。
る必要は必ずしもなく、開口側において、内側もしくは
外側の管体が、外側もしくは内側の管体よりも突出され
ていてもよい。
する上述した熱可塑性樹脂により構成されており、この
厚みは、約1mm以上あることが好ましく、それによっ
て上述したガスバリア性や水蒸気難透過性が効果的に発
揮される。また、好ましくは、上記第1,第2の管体
は、熱可塑性樹脂を射出成形することにより得られた成
形品で構成される。この場合には、第1,第2の管体を
容易に得ることができ、かつ両者を相互に固定するだけ
で、上記有底の管状本体を容易に構成し得る。
水系薬剤としては、血液や体液を採取するために真空採
液管内に封入される任意の水系薬剤を用いることがで
き、このような水系薬剤の例としては、ヘパリン、シュ
ウ酸塩、クエン酸塩、EDTA塩、NaFなどのフッ化
物などの抗凝固剤や、リンタングステン酸ナトリウム硫
酸、抗プラスミン、過塩素酸、インドメサシン、トラジ
ロール、トロンビン、インヒビター、テオフィリン、ア
デノシン、ジピリダモール、CPD、アジ化ナトリウム
などの水溶液が挙げられる。
容積に応じて、すなわち採取する血液や体液の量に応じ
て適宜選択される。本発明においては、上記有底の管状
本体の開口を封止するようにガスバリア性及び水蒸気難
透過性を有する材料よりなる栓体が取り付けられてい
る。このような栓体を構成する材料としては、天然ゴ
ム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーなどの従来から公
知の真空採血管用栓を構成する材料が挙げられ、好まし
くは、ブチルゴムや臭素化ブチルゴムからなるものがガ
スバリア性が高く、かつ針刺による封緘効果に優れてい
るため用いられる。
しくは熱可塑性エラストマーなどの表面に、ナイロン
6、ナイロン66、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン
などのガスバリア性材料を被覆したものであってもよ
く、あるいはアルミ箔などの金属膜を表面に接着したも
のであってもよく、さらに、アルミニウムなどの金属を
表面に蒸着したものであってもよい。
開口を封止するように取り付けられるが、この取り付け
構造についても特に限定されるものではなく、後述の実
施例に示すように、管状本体の開口に応じて栓体の形状
を工夫することにより適宜達成される。
スバリア性が、第2の管体により水蒸気難透過性が得ら
れる。第1,第2の管体は、何れも熱可塑性樹脂をある
程度の厚みを有するように構成されているものであるた
め、第1,第2の管体を相互に固定してなる有底の管状
本体は、十分なガスバリア性及び水蒸気難透過性を発揮
する。
第1,第2の管体からなる2重構造の管状本体で構成
し、第1の管体を構成する材料としてはガスバリア性の
みに着目して、ガスバリア性に優れた熱可塑性樹脂を用
い、第2の管体を構成する熱可塑性樹脂としては水蒸気
難透過性にのみ着目し、水蒸気難透過性に優れた材料を
用いることにより、より一層長期間に渡り、減圧状態の
維持だけでなく、内部に封入されている水系薬剤の濃度
変化をも抑制することを可能としたことに特徴を有す
る。
を明らかにする。図1は、本発明の第1の実施例に係る
真空採液管を説明するための図であり、図1(a)は、
縦断面図を、図1(b)は、図1(a)のB−B線に沿
う断面図、(c)は嵌合部分を拡大して示す部分切欠断
面図である。
体2と、栓体3と、有底の管状本体2内に封入された水
系薬剤4とを有する。管状本体2は、ポリエチレンテレ
フタレートからなる第1の管体5内に、ポリプロピレン
からなる第2の管体6を内挿し、両者を相互に固定する
ことにより構成されている。
た樹脂を射出成形することにより構成されており、上端
に開口を有し、下端が閉じられている有底の管体の形状
とされている。また、第1の管体5の内径が、第2の管
体6の外径とほぼ等しくされている。さらに、第1の管
体5の内壁には、中間高さ位置において複数の嵌合凹部
5aが周方向に分散して形成されている(図1(b)参
照)。他方、第2の管体6の外壁には、上記嵌合凹部5
aと嵌合し合う複数の突起6aが形成されている。従っ
て、第2の管体6を第1の管体5に挿入した状態で、上
記嵌合凹部5aと突起6aとの嵌合により、両者が上下
方向にも移動しないように確実に固定される(図1
(c)参照)。また、第1の管体5の内径と、第2の管
体6の外径とが上記のように略等しくされているため、
第1の管体5の内壁と第2の管体6の外壁とが確実に密
着される。
2の管体6の長さよりも長くされている。従って、上端
の開口側においては、第1の管体5が第2の管体6より
も上方に突出されている。そのため、管状本体2の開口
には、第1,第2の管体5,6の長さ寸法の差異による
段差が生じている。
の管状本体2の段差を有する開口を封止するように圧入
されている。すなわち、第1,第2の管体5,6の上端
の位置の違いにより、段差を有している開口を確実に封
止するように、栓体3は第1の管体5の開口内だけでな
く、第2の管体6の開口内にも入り込み得るように構成
されている。
端の位置を変化させて、有底の管状本体2の開口に段差
を設けることにより、栓体3と有底の管状本体2との封
止部分の面積を増大させることができ、より確実に管状
本体2内を封止することができる。
3重量%クエン酸ナトリウム水溶液が用いられ、2ml
の血液を採取するために、0.2mlのクエン酸ナトリ
ウム水溶液が封入されている。
2の管体6が内側に配置されていたが、逆に、第1,第
2の管体5,6の径を逆転させ、PETからなる第1の
管体5を内側に、ポリプロピレンからなる第2の管体6
を外側に配置した構造であってもよい。
成し、外側の管体5の内壁に嵌合凹部5aを形成してい
たが、逆に内側の管体の外壁に嵌合凹部を、外側の管体
の内壁に突起を形成してもよい。さらに、上記嵌合凹部
5a及び突起6aは、管状本体2の複数の高さ位置に形
成してもよい。加えて、嵌合凹部5a及び突起6aの断
面形状についても、図示のものに限定されず、両者が嵌
合し得る限り適宜の形状とすることができる。
採液管を説明するための図であり、(a)は縦断面図、
(b)は(a)のB−B線に沿う部分の断面図、(c)
は第1,第2の管体と栓との固定構造の要部を拡大して
示す部分切欠断面図である。真空採液管11は、有底の
管状本体12と、栓13と、管状本体12内に封入され
ている水系薬剤14とを有する。水系薬剤14は、第1
の実施例の水系薬剤4と同様に構成されている。
らなる第1の管体15と、ポリプロピレンからなる第2
の管体16とを相互に固定した構造を有する。すなわ
ち、第1の実施例と同様に、外側に第1の管体15が、
内側に第2の管体16が配置されている。第1の管体1
5の内径は、第2の管体16の外径とほぼ等しくされて
いる。また、第1,第2の管体15,16は、上記樹脂
材料を射出成形により成形することにより得られてい
る。
内に挿入することにより、第1の管体15の内壁に第2
の管体16が密着される。また、第1,第2の管体1
5,16は、上端の近傍において両者が嵌合されるよう
に、嵌合構造を有する。すなわち、第1の管体15の開
口側には、複数の嵌合凹部15aが、開口端に至るよう
に形成されている。他方、第2の管体16の外壁には、
上記嵌合凹部15aに嵌合し得る突条16aが形成され
ている。この突条16aは、嵌合凹部15aに嵌まり合
い(図2(b)及び(c)参照)、従って、開口側にお
いて第1の管体15と第2の管体16とが相互に嵌合さ
れており、両者は周方向にも上下方向にも移動し難いよ
うに構成されている。
2の管体16の各上端の高さ位置は等しくされており、
従って、管状本体12の開口は、第1の実施例とは異な
り段差を有しない。
チレンテレフタレートフィルムと、水蒸気難透過性に優
れたポリプロピレンフィルムを積層してなるフィルム栓
13aと、フィルム栓13上に固着された略円柱状のゴ
ム栓13bとを固着した構造を有する。本実施例では、
第1,第2の管体15,16の上端が揃えられているた
め、このようなフィルム栓13aを用いることができ、
従って管状本体12を封止する際の自動化を容易に行う
ことができる。
料としては、上記のものに限定されるわけではない。ガ
スバリア性に優れたフィルム層として、PETに代え
て、ナイロンなどの他のフィルムを用いてもよく、水蒸
気難透過性フィルム層として、ポリプロピレンに代え
て、ポリエチレンなどのフィルムを用いてもよい。
と第2の管体16とは、その寸法を逆転させて、第1の
管体15を内側に、第2の管体16を外側に配置しても
よい。また、嵌合構造についても、外側に配置される管
体の内面に突条を設け、内側に配置される管体の外面に
突条に嵌合される嵌合凹部を設けてもよい。
採液管を示す縦断面図である。第3の実施例の真空採液
管21では、上端に開口を有する有底の管状本体22に
栓体23が該開口を封止するように圧入されている。管
状本体22内には水系薬剤24が封入されており、該水
系薬剤24は、第1の実施例で用いた水系薬剤4と同様
に構成されている。
様に、上端の高さが異なる第1,第2の管体25,26
を相互に固定した構造を有する。第1の管体25は、P
ETよりなり、内側の第2の管体26は、ポリプロピレ
ンにより構成されており、第1の実施例と同様に、第
1,第2の管体25,26は射出成形により得られた成
形品で構成されている。
栓体3と同様に構成されている。第3の実施例が、第1
の実施例と異なる点は、第1,第2の管体25,26
が、嵌合構造を有せず、両者が接着剤層27により固定
されていることにある。すなわち、第1の管体25の内
径と第2の管体26の外径がほぼ等しくされており、第
1の管体25の内面と第2の管体26の外面とが接着剤
層27により接着され、相互に固定されている。この接
着は、第2の管体26の外面に接着剤を塗布しておき、
この状態で第1の管体25に第2の管体26を挿入する
方法、逆に第1の管体25の第2の管体26の外面と接
触する部分に接着剤を塗布しておき、第2の管体26を
第1の管体25に挿入する方法などにより行うことがで
きる。
は、両者を接着し得る限り適宜の接着剤を用いることが
できるが、好ましくは、ガスバリア性を高めるために、
接着硬化物が十分なガスバリア性を有する接着剤を用い
ることが望ましい。本実施例では、第1の管体25がP
ETよりなるため、好ましくは、上記接着剤層27は、
共縮合PET系接着剤が用いられる。なお、共縮合PE
T系接着剤とは、PETに、他の酸または他のアルコー
ルを共縮合させることにより得られた無定形のポリエス
テルを主成分とするものであり、このような接着剤の例
としては、Goodyear社製、商品名:Viden
e、東洋紡社製、共縮合ポリエステル(商品名:エステ
ルレジン20,30)などを挙げることができる。
1,第2の実施例において上述した嵌合構造と併用して
用いてもよい。次に、具体的な実験例につき説明する。
第1の実施例の真空採液管1として、第1の管体5は、
PETよりなり、長さ75.0mm、内径12.5m
m、肉厚1.2mmのものを、第2の管体6として、ポ
リプロピレンよりなり、長さ73.8mm、外径12.
5mm、肉厚1.2mmのものを用意し、両者を相互に
固定することにより、4ccサイズの管状本体2を構成
した。この管状本体2内に、3.13重量%のクエン酸
ナトリウム水溶液を水系薬剤として0.2cc入れ、内
部を減圧状態とし、栓体3により封止した。
用いて採血したところ、2.0ccの血液を採取するこ
とができた。この採血量は、真空値の目安となる。上記
真空採液管1を1年間保管した後、取り出し、内部のク
エン酸ナトリウム水溶液の濃度を測定したところ、3.
17重量%であった。また、1年間保管された実施例の
真空採液管を用いて採血したところ、採血量は1.9c
cであった。
内部に封入する場合の濃度は、例えば設定濃度が3.1
3重量%の場合、3.13±0.05重量%の範囲に維
持されることが求められているが、本実施例では、上記
のように1年間保管した後でも、上記範囲内にクエン酸
ナトリウム水溶液濃度が納まっていることがわかる。従
って、長期間保存した場合であっても、クエン酸ナトリ
ウム水溶液濃度の変化が小さいことがわかる。また、1
年間保管した後において採血量が1.9ccであるた
め、内部の減圧状態も確実に維持されていることがわか
る。
積水化学工業社製、真空採血管、商品名:SP−040
2Sを用意した。すなわち、PETよりなる有底の4c
cサイズの管体と、該管体内に封入された0.2ccの
3.13重量%のクエン酸ナトリウム水溶液と、該管体
内を減圧状態で封止するように取り付けられたゴム栓と
を有する真空採血管を用意した。真空値を示す採血量
は、2.0ccである。
年間保管した後、内部のクエン酸ナトリウム水溶液濃度
を測定したところ、3.26重量%であった。また、真
空値を示す採血量は1.8ccであった。
リア性を有する熱可塑性樹脂よりなる第1の管体と、水
蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂よりなる第2の管体
とが相互に固定されて有底の管状本体が構成されている
ため、それぞれ、ガスバリア性及び水蒸気難透過性の高
い材料を用いて第1,第2の管体を構成し得る。従っ
て、長期間保管した場合であっても内部の減圧状態が確
実に維持され、しかも内部の水系薬剤の濃度変化が生じ
難い、長期間の保管に耐え得る真空採液管を提供するこ
とが可能となる。
腹水や尿などの他の体液を採取する用途にも用いること
ができる。
図、(b)は(a)B−B線に沿う断面図、(c)は嵌
合構造を説明するための部分切欠拡大断面図。
図、(b)は(a)B−B線に沿う部分の断面図、
(c)は嵌合構造を説明するための部分切欠拡大断面
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂より
なり、一端が開口している有底の第1の管体と、 水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂よりなり、一端が
開口している有底の第2の管体とを備え、 前記第1,第2の管体は、一方が他方に外挿されてお
り、かつ両者の間の界面に間隙がないように相互に固定
されており、それによって一端が開口された有底の管状
本体を構成しており、 前記管状本体の開口を封止しており、かつガスバリア性
及び水蒸気難透過性を有する材料よりなる栓体と、 前記管状本体内に封入されている水系薬剤とをさらに備
えることを特徴とする真空採液管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09691295A JP3634438B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 真空採液管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09691295A JP3634438B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 真空採液管 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08289881A true JPH08289881A (ja) | 1996-11-05 |
JP3634438B2 JP3634438B2 (ja) | 2005-03-30 |
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ID=14177582
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