JP3634438B2 - 真空採液管 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば真空採血管のように生体内の血液や体液を採取するための採液管に関し、特に、内部の減圧状態の維持及び封入されている水系薬剤濃度の経時による濃度変化を長期間に渡り抑制し得る構造を備えた真空採液管に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査などのために、血液などの体液を採取するにあたり、真空採血管が従来より用いられている。真空採血管は、一端に開口を有する有底の管体と、該管体を封止する栓体とを有し、使用に先立ち内部が減圧状態とされている。また、例えば採血管の場合には、血液の凝固を防止するための抗凝固剤などが水溶液の形態で封入されていることもある。
【0003】
ところで、従来、真空採血管を構成する管体は、ガラスや合成樹脂により構成されていた。しかしながら、ガラスからなる管体は、取扱いに際して破損したりするおそれがあるため、近年、合成樹脂からなる管体を用いた真空採血管が広く普及している。
【0004】
真空採血管では、出荷に際し内部が減圧状態に維持されているが、実際に病院等において使用されるまでの間、出荷時の状態のまま保管されることになる。ところが、合成樹脂よりなる管体を用いた真空採血管では、ガラス管に比べて水蒸気や酸素などのガスを透過し易いという問題があった。
【0005】
従って、長期間保管している間に、減圧状態にある真空採血管内部に、外部からガスが侵入し、減圧度が低下することがあった。真空採血管内の減圧度が低下すると、血液などの体液採取時に、減圧を利用して目的とする量の体液を採取することが困難となる。
【0006】
また、抗凝固剤水溶液を封入してなる真空採血管では、逆に、水蒸気が合成樹脂になる管体から外部に蒸散し、封入されている薬剤濃度が変動するという問題があった。
【0007】
そこで、上記のような問題を解決するものとして、特開平2−167141号公報には、プラスチック製の有底管体の内面及び/または外面に、ガスバリア性被膜を形成してなる採液管が提案されている。上記ガスバリア性を有する被膜としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、アルミニウムなどの金属、二酸化硅素などの金属酸物やフッ化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物からなるものが示されている。この先行技術に記載の真空採血管では、上記ガスバリア性の被膜が合成樹脂よりなる管体の内面及び/または外面に形成されているため、ガスバリア性が高められ、減圧状態を長期間に渡り維持し得ると共に内部の薬液の外部への蒸散を抑制し得るとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術の記載の採液管では、ガスバリア性を有する被膜により、ガスバリア性が一応高められるものの、長期間に渡り保管した場合には、水蒸気の蒸散を確実に防止することは困難であった。加えて、ガスバリア性被膜は、あくまでも管体の内面及び/または外面に薄い塗膜としてコーティングされているに過ぎない。従って、より一層長期間に渡り保管した場合には、減圧度の低下を確実に防止することは困難である。
【0009】
本発明の目的は、水系薬剤を封入してなる真空採液管において、より一層長期間に渡り保管した場合であっても、水系薬剤濃度の経時による変化を確実に抑制することができ、かつ内部の減圧状態についても、長期間に渡り一定の減圧状態に維持し得る構造を備えた真空採液管を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために成されたものであり、ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂よりなり、一端が開口している有底の第1の管体と、水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂よりなり、一端が開口している有底の第2の管体とを備え、前記第1,第2の管体は、一方が他方に外挿されており、かつ両者の間の界面に間隙がないように相互に固定されており、それによって一端が開口された有底の管状本体を構成しており、前記管状本体の開口を封止しており、かつガスバリア性及び水蒸気難透過性を有する材料よりなる栓体と、前記管状本体内に封入されている水系薬剤とをさらに備えることを特徴とする真空採液管である。
なお、本明細書において、上記ガスバリア性とは、空気、空気中に含まれている酸素、窒素などの透過を完全に遮蔽するものに限らず、1mmの厚みの材料において、窒素透過量が0.9ml/m・24時間・atm(25℃)以下、酸素透過量が3.0ml/m・24時間・atm(25℃)以下のガス透過性に抑制し得るものを含むものとする。また、水蒸気難透過性とは、水蒸気透過率が1mmの厚みの材料において、0.6g/m・24時間・atm(25℃)以下の範囲をいうものとする。
【0011】
なお、上記ガスバリア性の値は、JIS Z1707に準じて、水蒸気難透過性は、JIS Z0208,Z0221に準じて測定される値である。
本発明では、上記のように、第1の管体が上記ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂よりなる。第1の管体を構成する熱可塑性樹脂としては、上記ガスバリア性を発揮し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下PET)、ナイロン6、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができる。なかでも、窒素及び酸素の双方の透過率が低いポリ塩化ビニリデンが好ましく用いられる。また、第1の管体は、上記PET、ナイロン6もしくはポリ塩化ビニリデンなどのガスバリア性を有する熱可塑性樹脂からなる管体の表面に、さらにポリ塩化ビニリデンなどのガスバリア性を有する他の材料からなる被覆をコーティングしてなるものであってもよい。
【0012】
また、第2の管体を構成するための水蒸気難透過性の熱可塑性樹脂としては、上記水蒸気難透過性を有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを例示することができる。なかでも、高密度ポリエチレンが、水蒸気透過率が0.1g/m・24時間・atm(25℃)と低いため好ましい。
【0013】
また、第1,第2の管体を構成する熱可塑性樹脂は、好ましくは透明または半透明の材料で構成される。透明または半透明の材料で第1,第2の管体を構成することにより、内部の状態を外部から目視により確認することができる。
【0014】
また、本発明において、第1,第2の管体は、何れも一端が開口した有底の形状を有する。さらに、第1,第2の管体は、上述のように一方が他方に外挿されており、両者の間の界面に間隙がないように相互に固定されている。この場合、第1の管体及び第2の管体の何れが内側に配置されていてもよい。また、両者の固定構造については、後述の実施例で示すように、一方の管体の外径を他方の管体の内径とほぼ等しくし、一方の管体を他方の管体に挿入して嵌合させる構造を採用することができる。この場合、両者の嵌合を強固なものとするために、内側の管体の外面に突起もしくは凹部を形成し、外側に配置される管体の内壁に、上記突起もしくは凹部と嵌合される凹部もしくは突起を形成してもよい。さらに、内側に配置される管体の外面と、外側に配置される管体の内面とを接着剤により接着してもよい。また、上記嵌合構造と、接着剤を使用する方法とを併用してもよい。
【0015】
また、第1,第2の管体の長さは、開口側において、外側の管体が内側の管体よりも突出されている。
【0016】
第1,第2の管体は、ある程度の厚みを有する上述した熱可塑性樹脂により構成されており、この厚みは、約1mm以上あることが好ましく、それによって上述したガスバリア性や水蒸気難透過性が効果的に発揮される。また、好ましくは、上記第1,第2の管体は、熱可塑性樹脂を射出成形することにより得られた成形品で構成される。この場合には、第1,第2の管体を容易に得ることができ、かつ両者を相互に固定するだけで、上記有底の管状本体を容易に構成し得る。
【0017】
本発明において、管状本体内に封入される水系薬剤としては、血液や体液を採取するために真空採液管内に封入される任意の水系薬剤を用いることができ、このような水系薬剤の例としては、ヘパリン、シュウ酸塩、クエン酸塩、EDTA塩、NaFなどのフッ化物などの抗凝固剤や、リンタングステン酸ナトリウム硫酸、抗プラスミン、過塩素酸、インドメサシン、トラジロール、トロンビン、インヒビター、テオフィリン、アデノシン、ジピリダモール、CPD、アジ化ナトリウムなどの水溶液が挙げられる。
【0018】
上記水系薬剤の封入量は、真空採液管の内容積に応じて、すなわち採取する血液や体液の量に応じて適宜選択される。
本発明においては、上記有底の管状本体の開口を封止するようにガスバリア性及び水蒸気難透過性を有する材料よりなる栓体が取り付けられている。このような栓体を構成する材料としては、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーなどの従来から公知の真空採血管用栓を構成する材料が挙げられ、好ましくは、ブチルゴムや臭素化ブチルゴムからなるものがガスバリア性が高く、かつ針刺による封緘効果に優れているため用いられる。
【0019】
また、上記栓体は、天然ゴム、合成ゴムもしくは熱可塑性エラストマーなどの表面に、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデンなどのガスバリア性材料を被覆したものであってもよく、あるいはアルミ箔などの金属膜を表面に接着したものであってもよく、さらに、アルミニウムなどの金属を表面に蒸着したものであってもよい。
【0020】
また、上記栓体は、有底の管状本体の上記開口を封止するように取り付けられるが、この取り付け構造についても特に限定されるものではなく、後述の実施例に示すように、管状本体の開口に応じて栓体の形状を工夫することにより適宜達成される。
【0021】
【作用】
本発明の真空採液管では、第1の管体によりガスバリア性が、第2の管体により水蒸気難透過性が得られる。第1,第2の管体は、何れも熱可塑性樹脂をある程度の厚みを有するように構成されているものであるため、第1,第2の管体を相互に固定してなる有底の管状本体は、十分なガスバリア性及び水蒸気難透過性を発揮する。
【0022】
すなわち、本発明は、真空採液管の管体を第1,第2の管体からなる2重構造の管状本体で構成し、第1の管体を構成する材料としてはガスバリア性のみに着目して、ガスバリア性に優れた熱可塑性樹脂を用い、第2の管体を構成する熱可塑性樹脂としては水蒸気難透過性にのみ着目し、水蒸気難透過性に優れた材料を用いることにより、より一層長期間に渡り、減圧状態の維持だけでなく、内部に封入されている水系薬剤の濃度変化をも抑制することを可能としたことに特徴を有する。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施例に係る真空採液管を説明するための図であり、図1(a)は、縦断面図を、図1(b)は、図1(a)のB−B線に沿う断面図、(c)は嵌合部分を拡大して示す部分切欠断面図である。
【0024】
本実施例の真空採液管1は、有底の管状本体2と、栓体3と、有底の管状本体2内に封入された水系薬剤4とを有する。
管状本体2は、ポリエチレンテレフタレートからなる第1の管体5内に、ポリプロピレンからなる第2の管体6を内挿し、両者を相互に固定することにより構成されている。
【0025】
第1,第2の管体5,6は、何れも上述した樹脂を射出成形することにより構成されており、上端に開口を有し、下端が閉じられている有底の管体の形状とされている。また、第1の管体5の内径が、第2の管体6の外径とほぼ等しくされている。さらに、第1の管体5の内壁には、中間高さ位置において複数の嵌合凹部5aが周方向に分散して形成されている(図1(b)参照)。他方、第2の管体6の外壁には、上記嵌合凹部5aと嵌合し合う複数の突起6aが形成されている。従って、第2の管体6を第1の管体5に挿入した状態で、上記嵌合凹部5aと突起6aとの嵌合により、両者が上下方向にも移動しないように確実に固定される(図1(c)参照)。また、第1の管体5の内径と、第2の管体6の外径とが上記のように略等しくされているため、第1の管体5の内壁と第2の管体6の外壁とが確実に密着される。
【0026】
本実施例では、第1の管体5の長さが、第2の管体6の長さよりも長くされている。従って、上端の開口側においては、第1の管体5が第2の管体6よりも上方に突出されている。そのため、管状本体2の開口には、第1,第2の管体5,6の長さ寸法の差異による段差が生じている。
【0027】
栓体3は、ブチルゴムよりなり、上記有底の管状本体2の段差を有する開口を封止するように圧入されている。すなわち、第1,第2の管体5,6の上端の位置の違いにより、段差を有している開口を確実に封止するように、栓体3は第1の管体5の開口内だけでなく、第2の管体6の開口内にも入り込み得るように構成されている。
【0028】
このように、第1,第2の管体5,6の上端の位置を変化させて、有底の管状本体2の開口に段差を設けることにより、栓体3と有底の管状本体2との封止部分の面積を増大させることができ、より確実に管状本体2内を封止することができる。
【0029】
水系薬剤4としては、本実施例では3.13重量%クエン酸ナトリウム水溶液が用いられ、2mlの血液を採取するために、0.2mlのクエン酸ナトリウム水溶液が封入されている。
【0030】
本実施例では、第1の管体5は外側に、第2の管体6が内側に配置されていたが、逆に、第1,第2の管体5,6の径を逆転させ、PETからなる第1の管体5を内側に、ポリプロピレンからなる第2の管体6を外側に配置した構造であってもよい。
【0031】
また、内側の管体6の外面に突起6aを形成し、外側の管体5の内壁に嵌合凹部5aを形成していたが、逆に内側の管体の外壁に嵌合凹部を、外側の管体の内壁に突起を形成してもよい。さらに、上記嵌合凹部5a及び突起6aは、管状本体2の複数の高さ位置に形成してもよい。加えて、嵌合凹部5a及び突起6aの断面形状についても、図示のものに限定されず、両者が嵌合し得る限り適宜の形状とすることができる。
【0032】
図2は、本発明の第2の実施例に係る真空採液管を説明するための図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う部分の断面図、(c)は第1,第2の管体と栓との固定構造の要部を拡大して示す部分切欠断面図である。
真空採液管11は、有底の管状本体12と、栓13と、管状本体12内に封入されている水系薬剤14とを有する。水系薬剤14は、第1の実施例の水系薬剤4と同様に構成されている。
【0033】
本実施例では、管状本体12は、PETからなる第1の管体15と、ポリプロピレンからなる第2の管体16とを相互に固定した構造を有する。すなわち、第1の実施例と同様に、外側に第1の管体15が、内側に第2の管体16が配置されている。第1の管体15の内径は、第2の管体16の外径とほぼ等しくされている。また、第1,第2の管体15,16は、上記樹脂材料を射出成形により成形することにより得られている。
【0034】
従って、第2の管体16を第1の管体15内に挿入することにより、第1の管体15の内壁に第2の管体16が密着される。また、第1,第2の管体15,16は、上端の近傍において両者が嵌合されるように、嵌合構造を有する。すなわち、第1の管体15の開口側には、複数の嵌合凹部15aが、開口端に至るように形成されている。他方、第2の管体16の外壁には、上記嵌合凹部15aに嵌合し得る突条16aが形成されている。この突条16aは、嵌合凹部15aに嵌まり合い(図2(b)及び(c)参照)、従って、開口側において第1の管体15と第2の管体16とが相互に嵌合されており、両者は周方向にも上下方向にも移動し難いように構成されている。
【0035】
また、本実施例では、第1の管体15と第2の管体16の各上端の高さ位置は等しくされており、従って、管状本体12の開口は、第1の実施例とは異なり段差を有しない。
【0036】
栓体13は、ガスバリア性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムと、水蒸気難透過性に優れたポリプロピレンフィルムを積層してなるフィルム栓13aと、フィルム栓13上に固着された略円柱状のゴム栓13bとを固着した構造を有する。本実施例では、第1,第2の管体15,16の上端が揃えられているため、このようなフィルム栓13aを用いることができ、従って管状本体12を封止する際の自動化を容易に行うことができる。
【0037】
なお、上記フィルム栓13aを構成する材料としては、上記のものに限定されるわけではない。ガスバリア性に優れたフィルム層として、PETに代えて、ナイロンなどの他のフィルムを用いてもよく、水蒸気難透過性フィルム層として、ポリプロピレンに代えて、ポリエチレンなどのフィルムを用いてもよい。
【0038】
第2の実施例においても、第1の管体15と第2の管体16とは、その寸法を逆転させて、第1の管体15を内側に、第2の管体16を外側に配置してもよい。また、嵌合構造についても、外側に配置される管体の内面に突条を設け、内側に配置される管体の外面に突条に嵌合される嵌合凹部を設けてもよい。
【0039】
図3は、本発明の第3の実施例に係る真空採液管を示す縦断面図である。第3の実施例の真空採液管21では、上端に開口を有する有底の管状本体22に栓体23が該開口を封止するように圧入されている。管状本体22内には水系薬剤24が封入されており、該水系薬剤24は、第1の実施例で用いた水系薬剤4と同様に構成されている。
【0040】
また、管状本体22は、第1の実施例と同様に、上端の高さが異なる第1,第2の管体25,26を相互に固定した構造を有する。第1の管体25は、PETよりなり、内側の第2の管体26は、ポリプロピレンにより構成されており、第1の実施例と同様に、第1,第2の管体25,26は射出成形により得られた成形品で構成されている。
【0041】
また、栓体23は、第1の実施例で用いた栓体3と同様に構成されている。
第3の実施例が、第1の実施例と異なる点は、第1,第2の管体25,26が、嵌合構造を有せず、両者が接着剤層27により固定されていることにある。すなわち、第1の管体25の内径と第2の管体26の外径がほぼ等しくされており、第1の管体25の内面と第2の管体26の外面とが接着剤層27により接着され、相互に固定されている。この接着は、第2の管体26の外面に接着剤を塗布しておき、この状態で第1の管体25に第2の管体26を挿入する方法、逆に第1の管体25の第2の管体26の外面と接触する部分に接着剤を塗布しておき、第2の管体26を第1の管体25に挿入する方法などにより行うことができる。
【0042】
上記接着剤層27を構成する接着剤としては、両者を接着し得る限り適宜の接着剤を用いることができるが、好ましくは、ガスバリア性を高めるために、接着硬化物が十分なガスバリア性を有する接着剤を用いることが望ましい。本実施例では、第1の管体25がPETよりなるため、好ましくは、上記接着剤層27は、共縮合PET系接着剤が用いられる。なお、共縮合PET系接着剤とは、PETに、他の酸または他のアルコールを共縮合させることにより得られた無定形のポリエステルを主成分とするものであり、このような接着剤の例としては、Goodyear社製、商品名:Videne、東洋紡社製、共縮合ポリエステル(商品名:エステルレジン20,30)などを挙げることができる。
【0043】
なお、上記共縮合PET系接着剤は、第1,第2の実施例において上述した嵌合構造と併用して用いてもよい。
次に、具体的な実験例につき説明する。第1の実施例の真空採液管1として、第1の管体5は、PETよりなり、長さ75.0mm、内径12.5mm、肉厚1.2mmのものを、第2の管体6として、ポリプロピレンよりなり、長さ73.8mm、外径12.5mm、肉厚1.2mmのものを用意し、両者を相互に固定することにより、4ccサイズの管状本体2を構成した。この管状本体2内に、3.13重量%のクエン酸ナトリウム水溶液を水系薬剤として0.2cc入れ、内部を減圧状態とし、栓体3により封止した。
【0044】
上記のようにして用意した真空採液管1を用いて採血したところ、2.0ccの血液を採取することができた。この採血量は、真空値の目安となる。
上記真空採液管1を1年間保管した後、取り出し、内部のクエン酸ナトリウム水溶液の濃度を測定したところ、3.17重量%であった。また、1年間保管された実施例の真空採液管を用いて採血したところ、採血量は1.9ccであった。
【0045】
クエン酸ナトリウム水溶液を真空採血管の内部に封入する場合の濃度は、例えば設定濃度が3.13重量%の場合、3.13±0.05重量%の範囲に維持されることが求められているが、本実施例では、上記のように1年間保管した後でも、上記範囲内にクエン酸ナトリウム水溶液濃度が納まっていることがわかる。従って、長期間保存した場合であっても、クエン酸ナトリウム水溶液濃度の変化が小さいことがわかる。また、1年間保管した後において採血量が1.9ccであるため、内部の減圧状態も確実に維持されていることがわかる。
【0046】
比較のために、従来の真空採血管として、積水化学工業社製、真空採血管、商品名:SP−0402Sを用意した。すなわち、PETよりなる有底の4ccサイズの管体と、該管体内に封入された0.2ccの3.13重量%のクエン酸ナトリウム水溶液と、該管体内を減圧状態で封止するように取り付けられたゴム栓とを有する真空採血管を用意した。真空値を示す採血量は、2.0ccである。
【0047】
この比較のために用意した真空採血管を1年間保管した後、内部のクエン酸ナトリウム水溶液濃度を測定したところ、3.26重量%であった。また、真空値を示す採血量は1.8ccであった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂よりなる第1の管体と、水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂よりなる第2の管体とが相互に固定されて有底の管状本体が構成されているため、それぞれ、ガスバリア性及び水蒸気難透過性の高い材料を用いて第1,第2の管体を構成し得る。従って、長期間保管した場合であっても内部の減圧状態が確実に維持され、しかも内部の水系薬剤の濃度変化が生じ難い、長期間の保管に耐え得る真空採液管を提供することが可能となる。
【0049】
なお、本発明は、真空採血管だけでなく、腹水や尿などの他の体液を採取する用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施例の真空採液管の縦断面図、(b)は(a)B−B線に沿う断面図、(c)は嵌合構造を説明するための部分切欠拡大断面図。
【図2】(a)は第2の実施例の真空採液管の縦断面図、(b)は(a)B−B線に沿う部分の断面図、(c)は嵌合構造を説明するための部分切欠拡大断面図。
【図3】第3の実施例の真空採液管の縦断面図。
【符号の説明】
1,11,21…真空採液管
2,12,22…管状本体
3,13,23…栓体
4,14,24…水系薬剤
5,15,25…第1の管体
6,16,26…第2の管体

Claims (1)

  1. ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂よりなり、一端が開口している有底の第1の管体と、水蒸気難透過性を有する熱可塑性樹脂よりなり、一端が開口している有底の第2の管体とを備え、前記第1、第2の管体は、一方が他方に外挿されており、かつ両者の間の界面に間隙がないように相互に固定されており、それによって一端が開口された有底の管状本体を構成しており、前記管状本体の開口を封止しており、かつガスバリア性及び水蒸気難透過性を有する材料よりなる栓体と、前記管状本体内に封入されている水系薬剤とをさらに備えている真空採液管であって、前記第1、第2の管体の長さは、開口側において、外側の管体が内側の管体よりも突出されていることを特徴とする真空採液管。
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