JPH0468227B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 一般的に述べると、本発明は容器を閉鎖するた
めのストツパーに関する。さらに詳しくは、本発
明は排気した管に用いるためのゴム／プラスチツ
クストツパー複合体に関する。このような管は個
体から血液サンプルを採取し、次に血液サンプル
採取場所から離れた場所で血液サンプルを検査す
るために特に有用である。従つて、血液サンプル
採取時に個体から正確な量の血液サンプルを得る
ためには、管の排気性が管の使用時まで維持され
るようにストツパーが良好な封止性を有すること
が最も重要である。

（従来技術） この数年間、例えば診療所、診察室または病院
におけるような血液採取環境での個体からの汚染
のために、１回使用の使い捨て式品の使用が増加
している。すなわち、針、注射器、ランセツトお
よび体液サンプルを容れる容器は血液サンプルを
採取される人から、何らかの種類の技師または単
にサンプルを採取および／または検査する近くで
使用済み品を扱う人のいずれであるにせよ、他の
人への疾患の伝染を阻止するおよび／または最小
に減ずるために、１回使用した後廃棄される。

１回使用の使い捨て式品の使用に関する問題の
１つはこのような品の製造コストを厳しく抑制し
なければならないという事実である。例えば、血
液サンプル採取用の排気した管に関して、合衆国
だけでも数百万本のこのような管が毎年用いられ
ている。このために、各病院は多量のこのような
管を購入する場合にそのコストを考慮しなければ
ならない。このため、このような管の製造者もこ
れらの管の製造コストおよび関連材料コストを考
慮しなければならない。

排気した管に関する問題の１つは、管の使用前
に充分な保存寿命を持続しうるほどの期間、管内
を真空に維持するために必要な封止性を有する、
このような管のストツパーを製造することであ
る。天然ゴムおよび／または合成ゴムまたはこれ
らの組合せのようなエラストマーがストツパーと
ガラスおよび／またはプラスチツク容器の相互作
用面の間に良好な封止性を与えることが多年の経
験から知られている。しかし、使い捨て式の排気
した管に使用するストツパーのエラストマーは比
較的高価である。従つて、ゴム使用量を減じて、
比較的安価な熱可塑性プラスチツクの量を多くし
ようと試みて、多くの開発がなされている。しか
し、多くのテストおよび使用処置によつてプラス
チツクだけでは排気した管の適当な保存寿命を維
持するために望ましい封止性を与えないことが判
明している。

安価ではあるがあまり有効でない材料としての
プラスチツクおよび高価ではあるが非常に有効な
封止材料であるゴムの使用に関する問題を解決す
るために、プラスチツクを多く使いエラストマー
をあまり使わないようなこれらの材料の組合せま
たは複合体が開発されている。このような複合体
ストツパーの典型的なものには、例えば次の米国
特許に開示され特許請求されているストツパーが
ある。

ドンネリー（Donnelly）の米国特許第4531651
号は内部エラストマー・コアと環状の周囲キヤツ
プとの複合体を開示している。この構造はエラス
トマーの使用量を減ずるために適切である。しか
し、ドンネリーの特許の要点は相互作用して２つ
の部分を結合させる、プラスチツクとエラストマ
ーの一体環状リツジの特に複雑な形状である。

これに関連して、このようなストツパーを大量
生産する場合のこのようなストツパーの製造に関
係する成形方法も生産の非常に重要な価格問題で
ある。例えば、複合体を構成する種々な要素の複
雑または異常な構造は、複合体構成部分の複雑な
形状を製造するための型を製造し維持しなければ
ならないのでコストを高め、この複雑な形状であ
るために成形部品を型から取出して最終的な複合
体に結合させるための特別な取扱い装置が必要と
なるならば、製造ラインコストは上昇する。例え
ば上述のようなドンネリー特許は複合体を結合さ
せるための相互作用環状リツジを含み、これらの
環状リツジのために複合体の製造コストは上昇す
る。ドンネリー特許を検討する場合に、この特許
に開示され特許請求されている複合体にエラスト
マーとしてのコアの実質的な量がまだ用いられて
いることを留意するべきである。

リエラ（Riera）の米国特許第3499568号には
他のストツパー複合体が開示されている。リエラ
は完全に別々の２部品から成り、外側のプラスチ
ツク部品が容器の上部にネジ止めされる複合体を
開示している。リエラは複合体キヤツプを容器上
に維持するためにプラスチツクの相互作用ヘリカ
ルスレツドと容器とを用いている。リエラは容器
の上部を封止するために分離エラストマーコア部
分を必要と考えて用いている。

ストツパー複合体を開示する他の米国特許は本
出願の出願人に譲渡された、ストツパー複合体に
関するかなり最近の特許である米国特許第
4465200号である。この特許に開示された発明は、
血液サンプルを容器から取出すときにストツパー
上部に形成される血液小滴を収容するために、エ
ラストマーコア部分と外側環状プラスチツクキヤ
ツプ部分との間の相互作用によつて形成されたス
トツパー上部のくぼみ構造または室を有する複合
体に関する。複合体の各部分には複合体を結合さ
せるための相互作用フランジが形成され、これら
の相互作用フランジは最終的な複合ストツパーを
構成するストツパー各部分を製造するための型の
形成にかなりのコストを費させるという効果を有
する。

他の複合ストツパーの開発はコンラツド
（Konrad）の発明であり、シー．エイ．グレイナ
ーアンドサン社（C.A.Greiner and Son Inc.）
に譲渡された、ヨーロツパ特許公報第0150172号
に開示されている。この特許に開示されている構
造では内部エラストマーコアと外部環状プラスチ
ツクキヤツプの相互作用ウエツジがこれらの２部
品を結合させるために役立つている、さらに非常
に複雑な形状である。この構造はまた、この構造
を形成して最終的な目的複合体を完成させるため
に成形装置と製造装置の費用のかかる使用を含ん
でいる。

（発明の構成） これに反して、本発明の製造によると、排気可
能な採血管ストツパーに封止性を与えるためのエ
ラストマー使用量を最低までに減じた複合ストツ
パーが製造される。さらに、外部環状プラスチツ
クキヤツプを内部エラストマーコアと結合させる
ために用いられる相互作用構造は、外部環状キヤ
ツプの円周に間隔をおいて配置または形成された
複数の孔から成る非常に簡単な構造である。これ
らの孔は、複合体を結合させるときに、外部環状
熱可塑性キヤツプとエラストマーコアとの間に円
周に間隔をおいて配置された相互作用面を提供す
る効果を有する。これらの相互作用面に接着剤が
挿入されている。すなわち、本発明者らは、通常
の接着剤の性質として、熱可塑性プラスチツク材
料に対するよりもエラストマーに対して粘着しや
すいという性質を認識して本発明に利用した。プ
ラスチツクキヤツプに形成された孔は、キヤツプ
を通つてエラストマーの上面に達しているので、
２部品がひとたび複合体として接合した場合に
は、このために接着剤を用いて接着剤のみを１段
階で塗布するだけで部品を機械的に結合させるこ
とができる。これによつて形状と構造が簡単で、
比較的安価かつ成形が容易な、排気した管の複合
ストツパーが得られる。形状と構造が簡単である
にも拘らず、本発明の複合体は排気した管を適当
に封止し、管を実際に使用するまで適当な保存寿
命を長期間維持するために用いられる。

（実施例） 本発明を実施例によりさらに詳細に説明する、
本発明の他の目的および利点は次の説明、添付図
面および特許請求の範囲から明らかであろう。

図面では、同じ参照数字は幾つかの図を通して
同じ部分を表す。第１図では、排気した管１２の
開放端部１６上に置いたクロージヤーアセンブリ
（一般に１８で表す）を示す。管１２は使用時に
血液サンプルをその中に受容するために排気され
た通常の血液サンプル管である。管は血液サンプ
ルを受容するための室１５を規定する、開放端部
１６と閉鎖端部１４とを有する。当業者によつて
理解されるように、管１２はその内面に管内に受
容した血液サンプルとの反応を生じる物質を塗布
して、特定の血液テストの目的に適合させること
もできる。このような管には、血液サンプルと反
応する他の物質を必要に応じて導入することもで
きる。

本発明では、中央エラストマーコア２０と外部
環状プラスチツクキヤツプ２２とから成る複合体
１８が提供される。第１図と第２図に見られるよ
うに、エラストマーコア２０は管１２の開放端部
１６の上縁３２上に伸びる環状一体フランジ３１
を含む。エラストマーコアは、管１２の上端に面
３４に沿つて正確に封止係合する。当業者によつ
て理解されるように、エラストマーは管１２の面
３４とエラストマーコア２０の外側環状面３６と
の間に適当なかみ合いと封止とを与える。

第３図では、本発明の複合体の外部環状キヤツ
プ２２の拡大断面図を示す。キヤツプ２２は環状
フランジ３０内にその下端を有する外部環状壁２
３を有する。第１図から、複合体１８を管１２の
開放端部１６上におくとフランジ３０が管１２の
周囲の外方に伸びることがわかる。フランジ３０
は管１２から複合体１８を必要に応じて除去する
ためのグリツプ面として役立つ。グリツプ面とし
ては、環状壁２３上のギザギザ面またはうね状の
面のような、他のグリツプ構造も用いることがで
きる。

第３図に見られるように、キヤツプ２２はキヤ
ツプ２２と同時に形成される複数の孔２４が円周
に間隔をおいて配置された上面４０を含む。キヤ
ツプ２２の上面４０の中央には、開口２８が配置
され、そのためエラストマーコア２０上にキヤツ
プ２２を置く場合に、個別に円周に配置された孔
２４の各底面２６と同様にエラストマーコア２０
の中央の上面は露出状態であるようになつてい
る。

従つて、本発明の複合体１８の最終仕上げで
は、接着剤２９を複合体の上部に塗布する。接着
剤２９は複合体上に塗布する場合に液状であるの
で、接着剤２９はキヤツプ２２の個々の孔の各々
を充填する。その結果、接着剤２９はエラストマ
ーコア２０の上面の個別部分である、孔２４の各
露出底面２６に接着する。さらに、環状キヤツプ
２２の開口２８内に接着剤が挿入されると、中央
エラストマーコア２０の上面に接着剤が広がる。
接着剤が硬化し固まると、当業者によつて理解さ
れるように、エラストマーコアと外部環状熱可塑
性キヤツプとの間に機械的結合が形成される。こ
れに関連して、キヤツプ２０の円周に配置された
孔の各々の上部開口２５は、キヤツプ２２の孔２
４の各々に形成される個々の接着結合の機械的保
持性を高めるために面取りすることができる。

中央エラストマーコアは天然ゴム、合成ゴムま
たはこれらの組合わせから形成することができ
る。利用可能な他の材料には、当業者によつて理
解されるように、例えばブチルゴムがある。外部
環状熱可塑性キヤツプに関しては、このキヤツプ
は例えはポリエチレンまたはポリプロピレンのよ
うな材料から形成することができる。この他の材
料には、ポリスチレンまたはポリカーボネートが
ある。複合体の２部分の間に機械的結合を形成す
るために用いることのできる接着剤に関しては、
このような接着剤には例えば種々なエポキシ接着
剤がある。他の接着剤には、例えば「スーパーグ
ルーズ（Superglues）」とシリコーン接着剤があ
る。

従つて、本発明の複合体アセンブリが形成され
ると、これを管１２の上部に取付けて管１２の開
放端部１６中に挿入することができる。本発明の
複合体アセンブリは特に排気した管に用いるため
に開発されたものであるが、有効な封止を必要と
する如何なる容器も本発明の複合体によつて閉鎖
することができる。例えば、排気されない微量採
取管も、本発明の複合体を、形状があまり複雑で
なく実質的にコストの低い、簡素化された複合体
であると云う単純な理由から用いることができ
る。

このように、本発明では特に血液サンプル採取
用の排気した管に用いるための新規な複合クロー
ジヤーアセンブリを提供する。このクロージヤー
アセンブリは１年間に使用される数百万の量で実
質的に低コストで製造されることができる。この
ため、本明細書で述べる１回使用の使い捨て式品
を必要とする病院または診療所の運営の総費用が
減少することになる。本発明の複合アセンブリの
サイズを単に実例として挙げると、例えばコア２
０の縦の長さは５mmであり、フランジ３１は１mm
である。

さらに、本発明の複合体アセンブリは、排気し
た管との封止係合からストツパー複合体を除去す
る際に大きなグリツプ面と或る程度のフレキシビ
リテイとを提供する環状グリツプフランジ３０を
有するので、排気した管から容易に除去可能であ
る。本発明の複合体の環状キヤツプ下部スカート
はこの除去処置中に管１２の開放端部１６から漏
出する血液から技師を保護するために役立つ。

前記の説明から明らかなように、本発明によつ
て提供する装置の構造は、通常の成形方法での大
量生産技術によつて容易にかつ簡単に製造するこ
とができ、部品を簡単に組立てて、限られた労力
で排気した管上に取付けることができる。ここに
開示した装置は本発明の好ましい実施態様をなす
が、本発明はこの特定の装置に限定されることな
く、特許請求の範囲に定義するような本発明の範
囲から逸脱することなく変更されることが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は排気した血液サンプル管を該管上に位
置する本発明の複合クロージヤーアセンブリとと
もに示す縦断面図であり；第２図は排気した管の
上部に取付けられた本発明の複合体のエラストマ
ー部分の構造を詳細に示す拡大断面図であり；そ
して第３図は本発明の複合体の環状熱可塑性外側
部分の構造の細部を示す拡大断面図である。 １２……排気した管、１４……閉鎖端部、１６
……開放端部、１８……複合体、２０……エラス
トマーコア、２２……外側環状プラスチツクキヤ
ツプ、２３……環状外壁、２４……円周に配置し
た孔、２５……孔の上部開口、２６……孔の底
面、２８……キヤツプ上面の中央開口、３０……
フランジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 排気可能な管の開放端部に挿入するため
   の環状エラストマーストツパー体； (b) 排気可能な管の上端に適合するために排気可
   能な管の上面に隣接した、ストツパー体と一体
   の環状フランジ； (c) 前記環状エラストマー体上に取付けたフレキ
   シブルな熱可塑性キヤツプ； (d) 前記フレキシブルキヤツプの上面； (e) 排気可能な管の上部外面を囲繞する前記フレ
   キシブルキヤツプ上面から垂れ下つた環状スカ
   ート； (f) 前記ストツパー体の中央部分を露出するため
   の前記フレキシブルキヤツプの前記上面の中央
   開口；および (g) 前記熱可塑性キヤツプの前記上面の周囲に間
   隔をおいて配置された複数の貫通孔； から成り、 (h) 前記複数の貫通孔が前記上面の前記中央開口
   を囲繞し； (i) 複数の硬化した接着剤部分が前記間隔をおい
   て配置された孔の各々に存在し；； (j) 前記複数の接着剤部分が前記孔を充填し、前
   記孔の各々に隣接する点において、前記エラス
   トマーストツパー体の上面に接着しており、 (k) これによつて前記複数の接着剤部分が前記エ
   ラストマーストツパー体と前記フレキシブル熱
   可塑性キヤツプとを結合させていることから成
   る、体液サンプルを受容する排気可能な管のク
   ロージヤーアセンブリ。 ２ さらに、前記熱可塑性キヤツプの前記複数の
   孔の各々が面取りした上部開口を有することを特
   徴とする、特許請求の範囲第１項記載のアサンブ
   リ。 ３ さらに、一体環状フランジが前記熱可塑性プ
   ラスチツクキヤツプの環状スカートの下縁から伸
   びていることを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項記載のアセンブリ。 ４ さらに、前記環状エラストマー体が天然ゴ
   ム、合成ゴムおよびこれらの混合物から成る群か
   ら選択された材料から構成されることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項記載のアセンブリ。 ５ さらに、前記キヤツプがポリエチレン、ポリ
   プロピレン、ポリスチレンおよびポリカーボネー
   トから成る群から選択される材料から構成される
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項記載の
   アセンブリ。