明細書 ウォーム減速機付小型モータ及びその製造方法 技術分野
本発明は、 例えば自動車電装品のパワーウインド装置等の駆動用に使用される ウォーム減速機付小型モータ及びその製造方法に関する。 背景技術
従来、 ウォーム減速機付小型モ一夕シャフトのスラスト方向位置固定は、 例え ば、 第 8図に示すように行われていた (特公昭 6 0 - 1 1 5 3 6号公報参照) 。 図において、 1はモータ本体、 6はモータシャフト 4に結合されたウォーム、 7 は該ウォー厶に嚙み合うウォームホイールである。 図示したように、 ギアケース 1 7のモータシャフト 4の先端部位置に調整ネジ 4 3を組み付け、 該ネジ 4 3に よってスラストを調整した後、 ナッ ト 4 4によって調整ネジ 4 3を固定する構成 になっている。 このような構成のスラスト調整においては、 特殊加工した先端の ネジ 4 3をモータシャフ ト 4先端に接触させた状態でモータを回転させ、 この時 のモータの無負荷電流を見ながら当該無負荷電流のできるだけ小さレ、ところで、 しかもスラスト方向のガタがない位置でナツ ト 4 4を締め付けて調整ネジ 4 3を 固定していた。 このようなモータシャフ ト 4のスラスト方向位置固定は、 調整ネ ジ 4 3とナット 4 4との固定等に熟練を要するだけでなく、 このための時間が多 くかかるという問題を有してレ、た。
また、 上記特公昭 6 0 - 1 1 5 3 6号公報には、 電磁誘導加熱するスぺ一サを 用いてスラスト方向の位置決めをする技術が開示されている。 これは、 シャフト 挿入穴とは別に角穴を設け、 角穴からスぺ一サをシャフト先端部に挿入する。 シ ャフ ト先端をスぺ一ザに直接押し当てて、 シャフト先端を電磁誘導加熱すると共 に、 シャフトを軟化したスぺ一サに押しつけてスラスト方向の位置決めをするも のである。
しかし、 このような位置決め構成では、 シャフト挿入穴とは別に角穴を設けた
ために、 そこに発生する隙間により外部からの浸水の恐れがある。 また、 モータ 動作中にシャフト回転の摩擦熱により、 或いはモータ動作中に巻線と整流子の熱 力、 シャフ トを通じてスぺ一ザに伝わることにより、 スぺーザが再溶融する恐れ がある。 さらに、 スぺ一サのみでシャフ トのラジアル方向の力とスラスト方向の 力とを両方受けることになるので、 摩擦 ·破損による不具合が発生しやすい。 また、 第 9図に示すように、 ギアケース 1 7とモータシャフト 4との間の空洞 部に外部と貫通する射出注入口 4 5より樹脂 4 6を射出注入することにより、 モ —タシャフト 4のスラスト方向位置固定を行うこと (特公昭 6 1— 5 6 7 0 1号 公報) 、 同様に、 第 1 0図に示すように、 ギアケース 1 7とモ一タシャフト 4の ための軸受装置 (ラジアル軸受 5及び鋼球 9 ) を設けた軸受ホルダ一 2 2との間 の空洞部に、 外部と貫通する射出注入口 4 5より樹脂 4 6を射出注入することに より、 モータシャフ トのスラスト方向位置固定を行うことが (特公平 7— 1 0 6 0 4 4号公報) 従来より知られている。
このような樹脂の射出注入については、 樹脂を硬化させる工数と時間がかかる だけでなく、 収縮等の変形及び経時変化によるギアケースとの接着力の低下など により射出注入口部に発生した隙間により外部からの浸水の恐れがある。
また、 樹脂の種類によっては射出圧力或いは射出温度などの管理や、 使用直前 に 2液混合反応させる樹脂を用いる場合、 混合の工数、 混合前後の管理を行わな ければならず、 樹脂射出注入時に注入量の管理、 調整や気泡の混入等に注意しな ければならない。 さらに、 使用する樹脂がモ一夕シャフトを直接支持する構成に おいては、 モ一夕シャフ トのスラスト方向にかかる力により磨耗、 破損による不 具合発生の恐れがある。 発明の開示
本発明は上記のような問題を解決し、 組み立て容易にして、 モータシャフトの スラスト方向位置固定を精度良く行うことができると共に、 外部からの浸水の恐 れをなくす等して品質上のトラブルを解決し信頼度の高いウォーム減速機付小型 モータ及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を達成するために、 本発明のウォーム減速機付小型モータ及びその製
造方法は、 モ一タシャフト 4に接続されたウォーム 6と当該ウォーム 6に嚙み合 うウォームホイール 7とを収容するギアケース 1 7に、 モ一タシャフ卜の先端を 受け入れ外部と貫通しない空洞部 1 0を形成している。 この空洞部 1 0に、 モー 夕シャフト 4のラジアル軸受 5及びスラスト軸受を配置した軸受ホルダー 2 2、 及びこれら軸受を配置した軸受ホルダー 2 2の反対側で該軸受ホルダー 2 2とギ ァケース 1 7との間に電磁誘導などにより加熱軟化する金属ファイバ混入樹脂製 のスぺ一サ 3 0を配置したことを特徴としている。
また、 本発明のウォーム減速機付小型モータ及びその製造方法は、 前記スぺー サ 3 0として樹脂製のものに代えて、 電磁誘導などにより加熱する金属製のもの を用い、 さらに、 該スぺーサ 3 0に接するギアケース内側に突起 3 3を備えて、 加熱したスぺーサ 3 0に接触するギアケース突起 3 3を加熱軟化してつぶしたこ とを特徴としている。
モータシャフト 4のスラスト調整は、 電磁誘導などによりギアケース外部から 樹脂製のスぺーサを加熱軟化した後に、 或いは、 金属スぺーサを加熱して、 この 加熱した金属スぺ一ザに接触するギアケース突起 3 3を加熱軟化した後に、 モー 夕シャフト 4をスラスト方向に加圧することにより行う。
このように、 ギアケース空洞部 1 0は軸受ホルダ一 2 2等を受け入れる以外は 貫通孔等により外部と接続していない構成にして、 モータシャフトのスラスト方 向位置精度を確保して、 モータシャフト 4のスラスト方向の移動を防止する。 また、 本発明は、 ウォーム減速機付小型モータにより作動するァクチユエ一夕 及びその製造方法に適用することができる。 ウォーム減速機付小型モー夕を内部 に収容して支持するァクチユエ一タボックス 4 0を備え、 該ァクチユエ一夕ボッ クス 4 0は、 その内部に支持される小型モータ 1のモータシャフト先端部に対抗 する内壁上の位置に、 スぺーサ保持部 4 4を備える。 該スぺーサ保持部 4 4の内 部には、 金属ファイバを混入した樹脂スぺーサ 3 0を、 モ一夕シャフト 4に対抗 して圧入状態で挿入し、 ァクチユエ一タボックス外部に配置された電磁誘導コィ ル 3 1により樹脂スぺ一サ 3 0を加熱軟化させることにより、 圧入状態を解除す る。
図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明を適用したウォーム減速機付小型モータの縦断面図である。 第 2図は、 本発明のスラスト調整前のウォーム減速機付小型モータの縦断面図 である。
第 3図は、 本発明の鋼球なしの軸受装置の一例を示す拡大図である。
第 4図の (a ) は空洞部へのスぺーサ及び軸受ホルダーの挿入形態を表す図で あり、 (b ) は A— A断面図である。
第 5図は、 本発明の鋼球有りの軸受装置の別の例を示す拡大図である。
第 6図は、 本発明の、 鋼球なし金属スぺ一サを備えた軸受装置のさらに別の例 を示す拡大図である。
第 7図は、 本発明の鋼球有りの軸受装置の、 第 6図に類似したさらに別の例を 示す拡大図である。
第 8図は、 従来例のモ一タシャフトの軸受装置の断面図である。
第 9図は、 別の従来例のモータシャフトの軸受装置の断面図である。
第 1 0図は、 さらに別の従来例のモータシャフトの軸受装置の断面図である。 第 1 1図は、 本発明を自動車電装用ァクチユエ一夕に適用した例を示す図であ る。
第 1 2図は、 第 1 1図の A部に示すシャフ ト軸受部を詳細に示す拡大図である
発明を実施するための最良の形態
第 1図及び第 2図は、 本発明を適用するゥォ一ム減速機付小型モータの概略縦 断面図であり、 第 1図はモータシャフ トのスラスト調整後を、 また第 2図はスラ スト調整前の状態をそれぞれ示している。
これら図において、 1はモータ本体で、 当該モータ本体 1には減速機部 2が接 続されている。 モータ本体 1は、 モータシャフト 4先端のギアケース側の軸受部 の構成を除いて通常の構成であり、 モータシャフト 4上に取り付けられた回転子 3及び整流子 1 2と、 金属材料により有底中空筒状に形成され、 その内周面にマ グネット 1 1を取り付けたモ一夕ケース 1 6と、 該ケ一ス 1 6の開口部を閉じる
ように嵌着されたエンドベル 2 0と、 このエンドベル 2 0に設けたブラシ 1 3及 びそのための電気的接続入力端子等から構成されている。 モータシャフト 4はそ の両端及び中央部の 3ケ所のラジアル軸受 5に軸支されている。
減速機部 2は、 モータシャフ ト 4に結合されているウォーム 6と、 該ウォーム 6に嚙み合わされているウォームホイール 7と、 ウォームホイ一ル 7の中心から 取り出される出力軸 (もしくは出力ギヤ) 8と、 ギアケース 1 7等から構成され ている。 出力軸 8は、 例えば自動車用パワーウィンド装置に接続されている。 ま た、 モータシャフト 4の先端部は、 詳細は後述するように、 スラスト方向には軸 受ホルダ一 2 2に支持されていると共に、 ラジアル方向にもラジアル軸受 5を介 して軸受ホルダー 2 2に支持されている。 即ち、 当該ラジアル軸受 5は軸受ホル ダー 2 2の中に揷入固定されている。
軸受ホルダ一 2 2とギヤケース 1 7との間には空洞部 1 0が形成されている。 空洞部 1 0は袋状になっていて、 モータ本体 1側からの一方向のみからシャフ ト 4、 軸受ホルダ一 2 2、 スぺ一サ 3 0等を揷入できる。 スラスト調整前の状態を 示す第 2図に見られるように、 空洞部 1 0には電磁誘導加熱 (或いは高周波加熱 ) 等により加熱軟化する樹脂もしくは加熱する金属からなるスぺーサ 3 0を予め 入れておく。 このスぺ一サ 3 0の空洞部 1 0への揷入は、 スぺ一サ 3 0及びラジ アル軸受 5を軸受ホルダー 2 2に一体に組み立て、 これをモータ本体 1のシャフ ト 4の先端に取り付けた後、 このモータ本体 1を、 減速機部 2と、 第 2図に示す ように一体に組み立てることにより行う。 このときモー夕ケース 1 6の接続端部 1 4とギヤケース 1 7の接続端部 1 5との間には隙間 1 8ができるようにスぺ一 サ 3 0の寸法を設定しておく。 この状態からスぺーサ 3 0を電磁誘導等によって 瞬時に加熱すると共に、 モ一夕ケース 1 6の底部を矢印 1 9方向に加圧してモ一 夕ケース 1 6の接続端部 1 4とギヤ一ケース 1 7の接続端部 1 5とが接合し前記 隙間 1 8がなくなるときに両部品をネジ止め等により固定して組み立てを完了す る。 第 1図は、 この組立完了状態を示している。
以下、 このスラスト調整について、 シャフ ト 4の軸受部を拡大して示す第 3図 〜第 7図を参照してさらに説明する。 第 3図〜第 7図において、 3 1は電磁誘導 コイル、 3 0はスぺーサ、 1 0は空洞部、 2 2は軸受ホルダーである。
第 3図は、 スラスト調整前の状態を上側の図に、 またスラスト調整後の状態を 下側の図に示している。 シャフト 4はスラスト方向には、 後述の第 5図に示すよ うな鋼球を用いることなく軸受ホルダー 2 2によって直接支持されている。 軸受 ホルダー 2 2の外周、 及びそれに接するギアケース 1 7内周壁は通常円形である 。 空洞部 1 0においてスぺーサ 3 0をスラスト方向に支えるためにギアケース底 部 3 2内側に突起 3 3が設けられている。 この例において、 スぺーサ 3 0は、 钿 くかつ短い金属ファイノくを混入した樹脂から構成されている。
スぺーサ 3 0を加熱軟化してスラスト調整するために、 図示したように、 ギア ケース底部 3 2側に電磁誘導コイル 3 1が配置される。 この状態で、 電磁誘導コ ィル 3 1に電流を流すと、 樹脂のみから構成されている軸受ホルダ一 2 2及びギ ァケース 1 7が加熱されることはないが、 金属ファイバを混入した樹脂製スぺ一 サ 3 0は、 加熱軟化させられる。 この時、 矢印 1 9の方向から加圧することによ り、 加熱軟化状態のスぺーサ 3 0は変形して突起 3 3周りの凹部にはまりこむと 共に、 シャフ ト 4はスぺ一サ 3 0側に移動可能となって、 シャフ ト 4のスラスト 方向の位置決めをすることができる。
第 4図は、 スぺーサ 3 0の空洞部 1 0への挿入を説明するための図 (a ) 、 及 びその A— A断面図 (b ) である。 前述したように、 スぺ一サ 3 0及びラジアル 軸受 5を軸受ホルダ一 2 2に一体に組み立て、 これをシャフト 4の先端に取り付 けた後、 一体に組み立てられる。 この時のギアケース 1 7の底部 3 2の突起 3 3 は、 図示のように構成することができる。 即ち、 第 4図 (b ) に示すように、 例 えば 4個の円形凹部 3 4を対称に形成することにより、 相対的に突出した突起 3 3を構成することができるだけでなく、 スぺーサ 3 0をより安定に支持すること ができる。
スぺーサ 3 0を空洞部 1 0に挿入した後の、 加熱前の状態において、 スぺーサ 3 0の周囲には、 依然として隙間が存在することが必要である。 さもなければ、 スぺ一サ 3 0が溶融軟化し、 加圧してもスラスト調整を行うことはできない。 こ のスラスト調整に必須の隙間は、 例えば、 スぺーサ 3 0或いは軸受ホルダー 2 2 の形状を選択することによつても行うことができる力、 望ましくは、 ギアケース 1 7の底部 3 2に突起 3 3を設けることにより、 スぺ一サ 3 0をスラスト方向に
支持しつつ、 加熱軟化したスぺーサ 3 0の内、 余分な部分がはまりこむための凹 部を形成することができる。
第 5図は、 第 3図とは異なる別の例であり、 スラスト調整前の状態を上側の図 に、 またスラスト調整後の状態を下側の図に示している。 シャフト 4をスラスト 方向に支持する鋼球 9を、 軸受ホルダ一 2 2は備えている。 この鋼球 9によって シャフト 4をスラスト方向に支持するのを除いて、 第 3図を参照して前述したの と同様に動作し、 かつシャフト 4のスラスト方向の位置決めをすることができる 第 6図は、 本発明のさらに別の例であり、 スラスト調整前の状態を上側の図に 、 またスラスト調整後の状態を下側の図に示している。 スぺ一サ 3 0を樹脂によ つて形成することに代えて金属によつて形成したものである。 第 3図及び第 5図 に例示した場合と同じく、 ギアケース底部側に電磁誘導コイル 3 1が配置される 。 この電磁誘導コイル 3 1に電流を流したときに、 金属製のスぺーサ 3 0が加熱 されるが、 この金属スぺーサ 3 0自体は溶融軟化せず、 この加熱金属スぺ一サ 3 0に接するギアケース突起 3 3が軟化する。 この時に、 矢印 1 9の方向から加圧 すると、 図示したように、 ギアケース突起 3 3がつぶれ、 シャフ ト 4は図示の右 方向に移動可能となって、 シャフ ト 4のスラスト方向の位置決めをする。 なお、 この際、 ギアケース突起 3 3及び軸受ホルダー 2 2はいずれも樹脂製にすること ができるが、 その融点 (軟化温度) を、 軸受ホルダー 2 2よりもギアケース突起 3 3を低くすることにより、 ギアケース突起 3 3のみを軟化させることができる 。 このような樹脂としては、 ギアケース突起 3 3に、 例えば、 P B T樹脂 (ポリ ブチレンテレフ夕レート、 融点 2 2 0 °C) を、 また軸受ホルダー 2 2に、 例えば 、 P A樹脂 (ポリアミ ド、 融点 2 6 0 °C) を用いることができる。
第 7図は、 第 6図に類似した本発明のさらに別の例であり、 スラスト調整前の 図を上側に、 調整後の図を下側に示している。 これはシャフト 4をスラスト方向 に支持する鋼球 9を軸受ホルダー 2 2に備えている。 この鋼球 9によってシャフ ト 4をスラスト方向に支持するのを除いて、 第 6図を参照して前述したのと同様 に動作し、 かつシャフト 4のスラスト方向の位置決めをすることができる。 第 1 1図は、 本発明をァクチユエ一夕、 例えばエアコンダンバ一等に使用され
る自動車電装用ァクチユエ一夕に適用した例を示している。 図において、 4 0は ウォーム減速機付小型モ一ダを内部に収容して支持するァクチユエ一夕ボックス である。 即ち、 このァクチユエ一夕ポックス 4 0の中にモータ 1及びウォーム減 速機構が支持されている。 モータ 1のシャフ トには、 ウォーム 6を固着すると共 に、 シャフ ト先端部は、 それに対抗する位置でァクチユエ一夕ボックス 4 0の内 壁に形成されたシャフト軸受部で支持されている。 さらに、 このァクチユエ一夕 ボックス 4 0内には、 ウォーム 6に係合して回転する複数の減速ギア 4 1 ( 1つ のみを図示) を備えている。 そして、 この最終段の減速ギアの出力軸は、 ァクチ ユエ一夕ボックス 4 0の外部に伸びて、 レバー 4 2の一端に固定されている。 モ —夕 1が回転すると、 ウォーム 6と複数の減速ギア 4 1を介してレバ一 4 2を、 回転方向に応じて図中に矢印で示すように揺動させ、 これによつて、 例えば、 自 動車のエアコン吹き出し口を開閉させる。 この動作の時に、 モータシャフ ト 4に スラストガ夕があると、 異音が発生するが、 後述するように、 本発明の特徴とす るシャフト軸受部によれば、 スラストガタを無くすことができる。
第 1 2図は、 第 1 1図の A部の点線円内の拡大図であり、 モータシャフ ト先端 部をスラスト方向に支持するシャフト軸受部を詳細に示している。 図中、 3 0は 金属ファイバを混入した円柱状の樹脂スぺ一サ、 4 3はモ一夕シャフト 4の先端 部を支えるために、 必要に応じて樹脂スぺ一サ 3 0とモータシャフ ト 4の間に挿 入される円板状のスラストヮッシャ、 4 4はァクチユエ一夕ボックス 4 0の内壁 に形成されて、 樹脂スぺ一サ 3 0及びスラストヮッシャ 4 3を支持する円筒状の スぺーサ保持部である。
組立に際して、 ァクチユエ一夕ボックス 4 0内の所定の位置にモータ 1をセッ 卜し、 そして、 スぺーサ 3 0及びスラストヮッシャ 4 3をスぺーサ保持部 4 4内 に、 モータシャフ ト 4に対抗して揷入する。 即ち、 スぺ一サ 3 0及びスラストヮ ッシャ 4 3を、 モータシャフト 4とスぺ一サ保持部 4 4の底部との間に圧入状態 で挿入する。 その後、 ァクチユエ一夕ボックス 4 0の外部に配置された電磁誘導 コイル 3 1に電流を流し、 金属ファイバを混入した樹脂スぺ一サ 3 0を加熱軟化 させる。 これにより、 スぺーサ 3 0の圧入状態が解除され、 スラストガ夕の無い 状態でモータ 1が保持される。
第 3図を参照して前述したように、 スぺ一サ 3 0の周囲に、 全く隙間が存在し なければ、 スぺーサ 3 0が溶融軟化し、 加圧してもスラスト調整を行うことはで きない。 第 3図と同様に、 スぺーサ保持部 4 4の底部に突起を設けることにより 、 スぺ一サ 3 0をスラスト方向に支持しつつ、 加熱軟化したスぺ一サ 3 0の内、 余分な部分がはまりこむための凹部を形成することができる。 ただ、 第 1 1図に 示した例においては、 このスラスト調整はわずかのものであるから、 スぺ一サ 3 0或いはスぺーサ保持部 4 4の形状として、 その間にわずかのすき間ができるよ うな形状を選択するのみでスラスト調整は可能である。 産業上の利用の可能性
以上説明した如く、 本発明によれば、 電磁誘導などによりギアケース外部から 樹脂製のスぺーサを加熱軟化させ、 或いは、 金属スぺ一サを加熱して、 この加熱 したスぺ一ザに接触するギアケース突起を加熱軟化させ、 モータシャフ ト 4をス ラスト方向に加圧して、 モータシャフト 4のスラスト調整を行うものであるから 、 構成簡単にしてモータシャフトのスラスト方向位置固定を精度良く組み立てる ことができる。 さらに、 ギアケース空洞部は軸受ホルダー等を受け入れる以外は 貫通孔等により外部と接続していない構成にすることにより、 外部からの浸水の 恐れをなくす等して品質上のトラブルを解消し、 信頼性の高いウォーム減速機付 小型モー夕及びその製造方法、 及びウォーム減速機付小型モータにより作動する ァクチユエ一夕及びその製造方法を提供することができる。