明 細 書
技術分野
この発明は、 関し、 詳細には、 低軌道を移動して地球を周 回する衛星を追尾, 装置を用レ、て周回衛星との通信
ステムに関するものである。 背景技術
まず、 従来のアンテナ装置の種類について説明する。 第 8図は従来のアンテナ 装置の一例を示す概略構成図、 第 9図は第 8図に示したアンテナ装置の原理を説 明する図、 第 1 0図は従来のアンテナ装置の他の例による原理を説明する図、 第 1 1図は従来のアンテナ装置のさらに他の例による原理を説明する図である。 第 8図に示したアンテナ装置 5 1は、 A z (A z i m u t h ) ZE 1 ( E 1 e v a t i o n ) マウ'ント方式を適用しており、 2軸でマウントされている。 このアン テナ装置 5 1は、 第 9図に示したように、 俯角軸 5 1 b回りの回転と仰角軸 5 1 a回りの回転とを行う構造を有している。
また、 第 1 0図に示されたアンテナ装置 6 1は、 X/Yマウント方式を適用し ており、 上述した A z ZE 1マウント方式と同様に 2軸でマウントされている。 このアンテナ装置 6 1は、 第 1 1図に示したように、 X軸 6 1 a回りの回転と Y 軸 6 1 b回りの回転とを行う構造を有している。
さらに、 第 1 2図に示したアンテナ装置 7 iは、 H A/D E Cマウント方式を 適用しており、 上述した A z ZE 1マウント方式および XZYマウント方式と同 様に 2軸でマウントされている。 このアンテナ装置 7 1は、 第 1 3図に示したよ うに、 HA軸 7 1 a回りの回転と D E C軸 7 1 b回りの回転を行う構造を有して いる。 なお、 この種のアンテナ装置 5 1 , 6 1, および 7 1に関する技術は、 例
えば文献アンテナ工学ハンドブック (電子通信学会編) 第 9章 5節に示されてい る。
つぎに、 上述したアンテナ装置を衛星通信システムに適用した一例について説 明する。 最近は、 低軌道 (Low E a r t h Or b i t) に複数の衛星を周 回させ、 各衛星との通信を通じてデータを送受信する周回衛星通信システムが注 目されている。 この周回衛星通信システムに、 例えば Te 1 e d e s i cという システムがある。 このようなシステムでは、 地上に配置された各アンテナ装置が、 複数の周回衛星を地上から可視範囲にある間に次々に捕捉 (追尾) して、 継続し て通信路を確保する必要がある。 すなわち、 各アンテナ装置は、 少なくとも 2機 の衛星を捕捉して、 そこから送出される電波を常時受信して衛星切り替え情報を モニタするとともに、 必要時に電波の送受信を通じて交信する。
続いて、 アンテナ装置と衛星との関係について説明する。 第 1 4図は従来のァ ンテナシステムと周回衛星との位置関係を説明する図であり、 第 1 5図は従来の アンテナシステムにおける電波の干渉例を説明する図である。 第 1 4図の例では、 同様の構成および機能を有する 2台のアンテナ装置 5 1, 5 2が隣接して配置さ れ、 低軌道 LEO上には多数の周回衛星 (図中には一部である周回衛星 8 1, 8 2および 8 3を示す) が周回している。 ここで、 R 1はアンテナ装置 5 1と周回 衛星間の電波であり、 衛星から電波を受信するとともに、 必要時には衛星へ電波 を送信する。 R 2はアンテナ装置 5 2と周回衛星間の電波であり、 衛星からの電 波を受信している。
低軌道 LEO上を周回 (図中、 右方向へ移動) する 2機の周回衛星 8 1, 8 2 はそれぞれアンテナ装置 5 1, 5 2により追尾され、 低軌道 LEOと地上との間 に通信路が設定される。 すなわち、 アンテナ装置 5 1は周回衛星 8 1を追尾し、 アンテナ 5 2は周回衛星 5 2を追尾している。 このとき、 例えば、 アンテナ装置 5 1は周回衛星 8 1との間で衛星通信 (データ送受による交信) を行い、 一方、 アンテナ装置 5 2は周回衛星 8 2から衛星切り替え情報を受信している。
そして、 周回衛星 8 1が地上からの可視範囲からはずれる、 すなわちアンテナ
装置 5 1による捕捉ができなくなると、 衛星通信がアンテナ装置 5 2と周回衛星 8 2との間に形成される通信路に切り替わって行われる。 この切り替えの夕イミ ングは、 切り替え前に、 周回衛星 8 2からアンテナ装置 5 2へ送られる衛星切り 替え情報により決定される。 そして、 その切り替えは瞬時に行われる。 このよう なことから、 機械的に衛星切り替えを行う場合には、 2台のアンテナ装置 5 1, 5 2が必要となる。 このようにして衛星切り替えが終わると、 アンテナ装置 5 1 はつぎの周回衛星 8 2を 1つ飛ばした周回衛星 8 3を追尾し始める。 その後、 今 度はアンテナ装置 5 2が周回衛星 8 2を捕捉できなくなるため、 つぎの衛星切り 替えのために、 衛星通信に使用される通信路をアンテナ装置 5 2と周回衛星 8 2 間からアンテナ装置 5 1と周回衛星 8 3間に切り替わるための衛星切り替え情報 が周回衛星 8 3からアンテナ装置 5 1で受信し始める。
このように、 つぎの衛星切り替えでは、 アンテナ装置 5 1を周回衛星 8 3へで きるだけ早く切り替えることが要求され、 その際に、 できるだけ死角を押さえる 必要がある。 したがって、 機械的な方法を用いて周回衛星を追尾するような場合 には、 2台のアンテナ装置 5 1, および 5 2の連動を効率よく行うことが重要で める。
そのためには、 アンテナ装置 5 1 と 5 2とを、 できるだけ近接させる必要があ るが、 もしアンテナシステムがアンテナ装置 5 1, 5 2間で一方の電波通路の中 に一部でも他方の電波通路が入り込むような構成であつた場合には、 了ンテナ装 置 5 1側の電波通路 L 1とアンテナ装置 5 2側の電波通路 L 2との間に電波の干 渉が生じる虞があった。 それゆえ、 アンテナ装置 5 1, 5 2の追尾方向によって は、 アンテナ装置 5 2側においては相手アンテナ装置 5 1側の電波によるブロッ キング部分 (干渉部分) Z 1が生じ、 アンテナ装置 5 1側においては相手アンテ ナ装置 5 2側の電波によるブロッキング部分 (干渉部分) Z 2が生じて、 衛星追 尾や衛星切り替え確実性が低下するという問題点があつた。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、 複数台のァ ンテナ装置を最大限近接させても相互に干渉を生じることがなく、 かつ、 周回衛
星の追尾および衛星切り替えを確実に実施することが可
得ることを目的としている。 発明の開示
この発明は、 それぞれ複数の異なる回転軸回りに回転する複数のアンテナ装置 を配置させるため、 1つの回転軸をもつペデスタル装置にその回転軸を中心に複 数のァンテナ装置を対称に配置させ、 各ァンテナ装置を複数の異なる回転軸回り に回転するようにしたので、 各アンテナ装置はペデスタル装置の回転軸を中心に 回転すると同時に自身の回転軸を中心に回転することになり、 これにより、 シス テムの小型化が図れることはもちろん、 複数の周回衛星を追尾する際に、 アンテ ナ装置間での電波による干渉が回避され、 かつ、 周回衛星の追尾および衛星切り 替えを確実に実施することが可能な了ンテナシステムを提供することができる。 また、 この発明は、 ペデスタル装置に配置されるアンテナ装置をどれも同サイ ズのァンテナ口径にして、 ァンテナ装置間の距離をその最小値で理論上はアンテ ナ口径のサイズとなるように設定したので、 アンテナ装置間の距離を必要最小限 まで近接させることが可能なァンテナシステムを提供することができる。
また、 ペデスタル装置上に 2台のアンテナ装置が配置された場合には、 2台の ァンテナ装置を各ァンテナ装置の中心とぺデス夕ル装置の中心とが一直線上に並 ぶように配置したので、 アンテナ口径とアンテナ装置間の距離が理論上は一致す ることになり、 これにより、 アンテナ装置間の距離を最大限小さく設定すること が可能なアンテナシステムを提供することができる。
また、 ペデスタル装置上に 3台以上のアンテナ装置が配置された場合には、 各 アンテナ装置において、 少なくとも隣接する 2つのアンテナ装置との距離を、 理 論上、 アンテナ口径のサイズに設定するようにしたので、 アンテナ装置間の隙間 はどこでも均一となって、 ペデスタル装置上でアンテナ装置を配置するのに必要 な面積が必要最小限で済むとともに、 アンテナ装置の設置台数に応じて多数の衛 星追尾および衛星切り替え制御の冗長性の実現が可能なアンテナシステムを提供
することができる。
また、 ペデスタル側回転機構に俯角回りに回転する俯角軸を設けたので、 ぺデ ス夕ル装置上に配置された各アンテナ装置を俯角回りで回転させることが可能な アンテナシステムを提供することができる。
また、 アンテナ側回転機構に俯角回りに回転する俯角軸と仰角回りに回転する 仰角軸とからなる 2つの回転軸を設けたので、 ペデスタル装置上での回転の他に、 自身で俯角、 仰角それぞれの角度を調整することが可能なアンテナシステムを提 供することができる。
また、 アンテナ側回転機構に X軸回りに回転する X軸と Y軸回りに回転する Y 軸とからなる 2つの回転軸を設けたので、 ペデスタル装置上での回転の他に、 自 身で X軸方向、 Y軸方向それぞれの角度を調整することが可能なアンテナシステ 厶を提供することができる。
また、 アンテナ側回転機構に H A軸回りに回転する H A軸と D E C軸回りに回 転する D E C軸とからなる 2つの回転軸を設けたので、 ぺデス夕ル装置上での回 転の他に、 自身で H A軸方向、 D E C軸方向それぞれの角度を調整することが可 能なアンテナシステムを提供することができる。
また、 アンテナ側回転機構に、 ロール方向、 ピッチ方向およびョー方向に回転 する 3つの回転軸を設けたので、 ペデスタル装置上での回転の他に、 自身でロー ル、 ピッチ、 ョ一の 3方向それぞれの角度が調整され、 これにより、 衛星の追尾 時のジンバルロックを防止することが可能なアンテナシステムを提供することが できる。
また、 ぺデス夕ル側回転機構の俯角軸を地上に対して傾斜して設置するように したので、 周回衛星の軌道傾斜に対応させたシステムを構築することが可能なァ ンテナシステムを提供することができる。 図面の簡単な説明
第 1図はこの発明の実施の形態 1によるアンテナシステムと周回衛星との位置
関係を説明する図であり、 第 2図は実施の形態 1のアンテナシステムにおけるァ ンテナ装置の配置例を概略的に示す構成図であり、 第 3図は、 この発明にかかる アンテナシステムの実施の形態 1の原理を説明する図であって、 同図 (a ) はァ ンテナシステムの状態の一例を示す原理図であり、 同図 (b ) はアンテナシステ 厶の状態の他の例を示す原理図であり、 第 4図はこの発明にかかるアンテナシス テムの実施の形態 2の原理を説明する図であり、 第 5図は実施の形態 2のアンテ ナシステムにおけるアンテナ装置の配置例を概略的に示す構成図であり、 第 6図 はこの発明にかかるアンテナシステムの実施の形態 3の原理を説明する図であり、 第 7図はこの発明にかかるアンテナシステムの実施の形態 4の原理を説明する図 であり、 第 8図は従来のアンテナ装置の一例を示す概略構成図であり、 第 9図は 第 8図に示したアンテナ装置の原理を説明する図であり、 第 1 0図は従来のアン テナ装置の他の例を示す概略構成図であり、 第 1 1図は従来のアンテナ装置の他 の例による原理を説明する図であり、 第 1 2図は従来のアンテナ装置のさらに他 の例を示す概略構成図であり、 第 1 3図は従来のアンテナ装置のさらに他の例に よる原理を説明する図であり、 第 1 4図は従来のアンテナシステムと周回衛星と の位置関係を説明する図であり、 第 1 5図は従来のアンテナシステムにおける電 波の干渉例を説明する図である。 発明を実施するための最良の形態
この発明をより詳細に説述するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。 まず、 この発明による実施の形態 1について説明する。 図 1はこの発明の実施 の形態 1によるアンテナシステムと周回衛星との位置関係を説明する図であり、 同図において、 1は実施の形態 1のアンテナシステムを示している。 このアンテ ナシステム 1は、 例えば、 衛星 6 1, 6 2をそれぞれ追尾するアンテナ装置 1 1 , 1 2と、 これらアンテナ装置 1 1および 1 2を搭載して同時に回転させるぺデス タル装置 1 3とにより構成される。 ここで、 アンテナ装置 1 1, 1 2はどちらも アンテナ反射鏡部分を俯角 Z仰角 (A z Z E 1 ) の 2軸で回転駆動するための機
構を有し、 ペデスタル装置 1 3は俯角 (A z ) の 1軸だけで回転駆動するための 回転機構 1 4を有している。
つぎに、 アンテナ装置 1 1および 1 2の位置関係について説明する。 第 2図は 実施の形態 1のアンテナシステムにおけるアンテナ装置の配置例を概略的に示す 構成図である。 アンテナ装置 1 1および 1 2間の距離は、 アンテナ反射鏡のアン テナ口径によって決まる。 したがって、 アンテナ装置 1 1, 1 2の各俯角 E 1が 0度となったとき、 アンテナ反射鏡のェッジ間の距離を最小に設定することがで さる。
また、 アンテナ装置 1 1および 1 2は Dで示される共通のアンテナ口径を有し ている。 そのため、 アンテナ反射鏡のエッジ間の距離は、 理論上、 ゼロに設定す ることが可能であり、 その場合、 アンテナ装置 1 1 , 1 2それぞれのアンテナ反 射鏡の俯角 (A z ) 軸 C 1, C 2はペデスタル装置 1 3の俯角軸を中心に対称な 位置に配置される。 このように配置することにより、 アンテナ装置 1 1 , 1 2の 間隔は最小に設定される。
つぎに、 アンテナシステム 1の原理について説明する。 第 3図は、 本実施の形 態 1の原理を説明する図である。 同図 (a ) には、 ペデスタル装置 1 3の俯角 A zが 0度 øときのアンテナシステム 1の状態が示され、 同図 (b ) には、 その俯 角 A zが 1 8 0度のときのアンテナシステム 1の状態が示されている。 ぺデスタ ル装置 1 3には、 前述したように、 俯角軸 Cを中心に回転する回転機構 1 4が設 けられており、 なお、 ペデスタル装置 1 3の俯角 A zは図中 øで表される。 まず、 ペデスタル装置 1 3が 0 = 0の際には、 図 3に示したように、 ぺデスタ ル装置 1 3上においてアンテナ装置 1 1が右側、 アンテナ装置 1 2が左側に配置 される。 このとき、 一方のアンテナ装置 1 1は周回衛星 8 1を追尾し、 他方のァ ンテナ装置 1 2は周回衛星 8 2を追尾しているものとする。 周回衛星 8 1, 8 2 は低軌道 L E〇を常に周回していくので、 地上では、 その周回していく周回衛星 8 1 , 8 2との通信を絶たないように対応するアンテナ装置 1 1, 1 2が追尾を 継続するとともに、 その追尾に従ってペデスタル装置 1 3は偏角軸 Cを中心に回
転していくことになる。 ここで、 アンテナ装置 1 1, 1 2はそれぞれ仰角軸 1 1 a , 1 2 aを中心に仰角 E 1回りの回転を行うとともに、 それぞれ俯角軸 1 l b , 1 2 bを中心に俯角 A z回りの回転を行うことで、 追尾動作が行われる。
このようにして追尾が継続され、 ペデスタル装置 1 3が例えば 0 = 1 8 0の状 態になったとき、 前述した衛星切り替えのためにアンテナ装置 1 1が周回衛星 8 3を捕捉する。 これに対して、 アンテナ装置 1 2はこの間に周回衛星 8 2を追尾 している。 このアンテナ装置 1 2の追尾により、 アンテナ装置 1 1が周回衛星 8 1から周回衛星 8 3に切り替え捕捉するとき、 アンテナ装置 1 2はアンテナ装置 1 1の電波通路から避けられ、 干渉を起こさずに済む。 すなわち、 アンテナ装置 1 1 , 1 2間でお互し、の電波通路において相手の電波をプロッキングしないシス テムが構築される。 これにより、 複数台のアンテナ装置を最大限近接させても相 互に干渉を生じることがなく、 かつ、 周回衛星の追尾および衛星切り替えを確実 に実施することが可能である。
また、 2台のアンテナ装置 1 1 , 1 2間の距離を小さく設定することにより、 つぎのような利点がある。 すなわち、
( 1 ) アンテナ装置 1 1, 1 2に接続される共通の電子機器 (送受信機、 変復調 器など) までの接続距離を小さく設定することができる。
( 2 ) 1台のペデスタル装置 1 3を設置できる場所さえ確保できればよいので、 アンテナシステムの設置に関して、 スペース効率がアップする。
( 3 ) アンテナ装置 1 1および 1 2にレドームをかぶせる場合には、 レド一厶を 小さく形成することできる。
( 4 ) 上記 U )〜(3 ) により設置が簡単になる。 特に家庭の屋根などに本ァ ンテナシステムを取り付ける場合にメリッ トがある。
つぎに、 この発明による実施の形態 2について説明する。 前述した実施の形態 1では、 2台のアンテナ装置 1 1および 1 2を用いて周回衛星との通信を行うァ ンテナシステムについて説明したが、 この発明は、 以下に説明する実施の形態 2 のように、 衛星切り替えに関するシステムからの要求、 アンテナ構造、 性能など
により、 より多数のアンテナ装置を設けるようにしてもよい。 なお、 この実施の 形態 2のアンテナシステムは、 ペデスタル装置に搭載されるアンテナ装置の数以 外を前述した実施の形態 1 と同様とするため、 ここでは相違する原理についての み説明する。
第 4図はこの発明にかかるアンテナシステムの実施の形態 2の原理を説明する 図である。 この実施の形態 2によるアンテナシステムは、 第 4図に示したように、 ペデスタル装置 1 3 (第 1図参照) 上に 3台のアンテナ装置 2 1 , 2 2および 2 3を配置している。 アンテナ装置 2 1, 2 2 , 2 3はそれぞれ仰角軸 2 1 a, 2 2 a , 2 3 aを中心に仰角 E 1回りの回転を行うとともに、 それぞれ俯角軸 2 1 b , 2 2 b , 2 3 bを中心に俯角 A z回りの回転を行うことで、 周回衛星に対す る追尾動作が行われる。 ここで、 P l, P 2 , P 3はそれぞれアンテナ装置 2 1, 2 2 , 2 3の俯角軸の基点を表している。
続いて、 アンテナ装置 2 1, 2 2, 2 3の関係について説明する。 第 5図は実 施の形態 2のアンテナシステムにおけるアンテナ装置の配置例を概略的に示す構 成図である。 この実施の形態 2では、 ペデスタル装置 1 3上に 3台のアンテナ装 置 2 1, 2 2および 2 3が搭載されているため、 前述した実施の形態 1 とは異な る配置となる。 すなわち、 各アンテナ装置 2 1 , 2 2 , 2 3のアンテナ口径が前 述した実施の形態 1 と同様に Dとした場合、 各基点 P 1 , P 2 , P 3とべデスタ ル装置 1 3の俯角軸 C間の距離を均等にするとともに、 基点間の距離を均等に D で配置すれば、 理論上は、 前述した実施の形態 1 と同様に、 3台のアンテナ装置 2 1 , 2 2, 2 3を配置してもアンテナ間距離をゼロにすることが可能である。 このように、 ペデスタル装置 1 3上に 3台のアンテナ装置 2 1 , 2 2および 2 3を配置しても、 前述した実施の形態 1 と同様の効果を得ることができる。 さら に、 各アンテナ装置 2 1 , 2 2, 2 3において、 少なくとも隣接する 2つのアン テナ装置との距離を、 理論上、 アンテナ口径のサイズに設定するようにしたので、 アンテナ装置間の隙間はどこでも均一となって、 ペデスタル装置 1 3上で 3台の ァンテナ装置 2 1 , 2 2, および 2 3を配置するのに必要な面積が必要最小限で
済む。
また、 この実施の形態 2では、 アンテナ装置を 3台設置した例を挙げていたが、 この発明は、 これに限定されるものではなく、 4台以上であってもよい。 このよ うに、 ァンテナ装置の設置台数に応じて多数の衛星追尾および衛星切り替え制御 の冗長性の実現が可能である。
つぎに、 この発明による実施の形態 3について説明する。 前述した実施の形態 1および 2では、 2つの回転軸を有するアンテナ装置を用いて周回衛星との通信 を行うアンテナシステムについて説明したが、 この発明は、 以下に説明する実施 の形態 3のように、 3つ以上の回転軸を有するアンテナ装置をアンテナシステム に適用してもよい。 ここでは、 一例として、 口一ル (R) 、 ピッチ (P ) 、 ョ一 (Y) の 3軸のアンテナ装置を例に挙げる。 なお、 この実施の形態 3のアンテナ システムは、 ペデスタル装置に搭載されるアンテナ装置の回転軸の構造以外を前 述した実施の形態 1 と同様とするため、 ここでは相違する原理についてのみ説明 する。
第 6図はこの発明にかかるァンテナシステムの実施の形態 3の原理を説明する 図である。 この実施の形態 3によるアンテナシステムは、 第 6図に示したように、 ペデスタル装置 1 3 (第 1図参照) 上に 2台のアンテナ装置 3 1および 3 2を配 置している。 アンテナ装置 3 1, 3 2はどちらもロール (R ) 、 ピッチ (P ) お よびョー (Y) 角回りの回転を行うことで、 周回衛星に対する追尾動作が行われ る。
このように、 アンテナ側回転機構に、 ロール方向、 ピッチ方向およびョ一方向 に回転する 3つの回転軸を設けたので、 ペデスタル装置上での回転の他に、 自身 でロール、 ピッチ、 ョ一の 3方向それぞれの角度が調整される。 これにより、 衛 星の追尾時のジンバルロックを防止することが可能である。 なお、 この実施の形 態 3でも、 前述した実施の形態 1 と同様の効果が得られることはもちろんだが、 前述した実施の形態 2によるアンテナ装置の配置に従えば、 アンテナ装置 3 1お よび 3 2と同様の構成および機能を有したァンテナ装置を 3台配置することが可
能である。
つぎに、 この発明による実施の形態 4について説明する。 前述した実施の形態 1 , 2および 3では、 地面に垂直に設けた俯角軸で回転するペデスタル装置を例 に挙げて説明したが、 この発明は、 以下に説明する実施の形態 4のように、 俯角 軸を地面に対して傾斜させた構造であってもよい。 なお、 この実施の形態 4のァ ンテナシステムは、 ペデスタル装置の構造以外を前述した実施の形態 1と同様と するため、 ここでは相違する原理についてのみ説明する。
第 7図はこの発明にかかるアンテナシステムの実施の形態 4の原理を説明する 図である。 この実施の形態 7によるアンテナシステムは、 図 7に示したように、 実施の形態 1と同様のアンテナ装置 1 1および 1 2を搭載して、 回転軸すなわち 俯角軸を地上 Gに対して角度 0だけ傾斜して設置したペデスタル装置 4 1を有し た構成である。 上記アンテナ装置 1 1および 1 2はペデスタル装置 4 1上におい て第 2図と同様の関係で配置されるので、 周回衛星の追尾および衛星切り替え動 作は前述した実施の形態 1と同様となる。
このため、 ペデスタル装置 4 1の俯角軸を地面に対して傾斜させても、 前述し た実施の形態 1と同様の効果を得ることができることはもちろん、 周回衛星の軌 道傾斜に対応させたシステムを構築することが可能である。 なお、 この実施の形 態 4でも、 前述した実施の形態 2 , 3によるアンテナ装置の配置や回転軸の構造 に従えば、 各実施の形態と同様の効果が得られる。
さて、 前述した実施の形態 1, 3および 4では、 アンテナ装置の構造として A z ZE 1マウント方式が適用しているが、 この発明は、 これに限定せず、 XZY マウント方式や H AZD E Cマウント方式を採用しても 2軸回転機構として同様 の追尾機能を得る。 すなわち、 アンテナ側回転機構に X軸回りに回転する X軸と Y軸回りに回転する Y軸とからなる 2つの回転軸を設けることで、 ぺデス夕ル装 置上での回転の他に、 自身で X軸方向、 Y軸方向それぞれの角度を調整すること が可能になる。 また、 アンテナ側回転機構に HA軸回りに回転する HA軸と D E C軸回りに回転する D E C軸とからなる 2つの回転軸を設けることで、 ぺデスタ
ル装置上での回転の他に、 自身で H A軸方向、 D E C軸方向それぞれの角度を調 整することが可能になる。 なお、 X/Yマウント方式、 HAZD E Cマウント方 式の構造は、 それぞれ第 1 0図、 第 1 2図に示されているので、 ここでは図示を 省略する。 産業上の利用可能性
以上のように、 この発明にかかるアンテナシステムは、 アンテナ間距離を小さ くできるので、 コンパク卜な周回衛星向け小型地球局'
用 C、ある。