明細書 放射温度計 技術分野
本発明は放射温度計に関する。 背景技術
以前から、 短時間で体温測定をするために、 測定部位と して鼓膜を選び、 そ 'ハ温度を非接触で測る放射体温計と しての放射温度計が提案されている: たとえば、 特開平 2— 2 8 5 2 4号公報に開示された放射体温計である- こ の放射体温計は、 先端に窓部材を有するとともに後端に赤外線センサを有する プローブ部の先端を外耳道に挿入し、 鼓膜からの赤外線を窓部材を介して赤外 線センサで受光し、 この受光した赤外線の強度に基づいて鼓膜の温度すなわち 体温を測定するものである。
この種の放射体温計では、 鼓膜からの赤外線の強度で体温を測定するので、 赤外線を受光する光学系の汚れなどが測定精度に影響する。 と ころが、 外耳道 には耳あかなどによる汚れがあり、 何回か体温を測定することにより、 ブコー ブ部の先端の光学系と しての窓部材が汚れてきてしまう という問題があった.: また、 何人かで 1つの放射体温計を用いる場合には不衛生であるという問題も あった =
そこで、 上述の特開平 2 - 2 8 5 2 4号公報に開示された放射体温計では、 外耳道に挿入するプローブ部の先端を覆うプロ一ブカバーを設けている- この プローブカバーを設けることにより放射体温計のプローブ部は外耳道に直接触 れることがなく、 また、 プローブカバーは体温を測定するたびに取り替える使 い捨てであるので、 光学系の汚れで測定精度を劣化させることはないし、 また、 衛生面でも問題はない。
と ころが、 上述の特開平 2 - 2 8 5 2 4号公報;こ開示された放射体温計のよ
うにプコープカバ一を用いる場合には、 体温測定のたびに新しいプローブカバ 一が必要;こなり、 コス トがかさんでしまう ことになる。 特に、 病院のように頻 繁に体温測定をする場合には、 かなりのランニングコス 卜がかかってしまう。 また、 プローブカバーを用いる従来の放射体温計では、 プローブカバーを検 温ごと;こ (吏い捨てすることに成るので、 新しいプローブカバ一をたびたび入手 しなければならず、 この入手の手間が煩わしいという問題もあった。 発明の開示
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、 プローブ部の先端の汚れの ために測定精度を劣化させたり不衛生になつたりする二となく、 且つブコ一ブ カバーを用いることによるランニングコス トを削減することができるとともに プローブカバーを入手する手間を省く ことができる放射温度計を提供すること を目的とする。
本発明は上記の目的を達成するために、 赤外線透過性の窓部材と、 測温対象 から前記窓部材を透過した赤外線を導く導光手段と、 この導光手段に導かれた 赤外線を検出する赤外線センサと、 基準温度を測定して基準温度信号を発生す る感温センサと、 少なく とも前記導光手段と前記赤外線センサと前記感温セン サとを覆う とともに生体の穴部に挿入するプローブ部を有するケース手段と、 前記赤外線センサおよび前記感温センサからの信号に基づいて前記測温対象の 温度を算出する温度演算手段と、 この温度演算手段からの信号に基づいて温度 を告知する告知手段とを備えた放射温度計において、 少なく とも前記プローブ 部が防水手段を有することを特徴とする。
また、 請求の範囲第 2項に記載の発明では、 請求の範囲第 1項に記載の発明 において、 前記プローブ部は少なく とも前記導光手段の赤外線導入側のみを露 呈する開口部を有しており、 前記防水手段は前記開口部に位置する導光手段と プローブ部との間の隙間を防水する防水部材であることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 3項に記載の発明では、 請求の範囲第 2項に記載の発明 において、 前記防水部材は、 前記導光手段の外周に嵌合するとともに、 前記窓
部材を前記開口部付近に保持する保持部材と、 この保持部材と前記プローブ部 との間に配置される第 1のパッキンと、 前記保持部材と前記導光手段との間に 配置される第 2のパッキンとから構成されることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 4項に記載の発明では、 請求の範囲第 3項に記載の発明 において、 前記保持部材は前記窓部材を前記導光手段側に押圧保持する押圧部 を有しており、 前記窓部材は前記押圧部と前記第 2のパッキンによって挟持さ れていることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 5項に記載の発明では、 請求の範囲第 3項に記載の発明 において、 前記導光手段は導光管で構成されており、 前記保持部材は、 前記導 光管の外側の面に嵌合する嵌合部が一体に形成されていることを特徴とする。 また、 請求の範囲第 6項に記載の発明では、 請求の範囲第 5項に記載の発明 において、 前記導光管は先端部に前記第 2のパッキンを取付けるための段部を 有していることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 7項に記載の発明では、 請求の範囲第 6項に記載の発明 において、 前記保持部材は前記段部に当接して位置決めするための当接部を有 しており、 この当接部が前記段部に当接した状態で前記窓部材は前記保持部材 と前記第 2のパッキンとで挟持されるとともに、 前記窓部材と前記導光管の先 端とには間隙が設けられていることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 8項に記載の発明では、 請求の範囲第 6項に記載の発明 において、 前記第 2のパッキンは前記導光管の先端より も突出して設けられて おり、 前記窓部材は前記保持部材と前記第 2のパッキンとによって挟持されて いることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 9項に記載の発明では、 請求の範囲第 3項ないし第 5項 のいずれか 1項に記載の発明において、 前記保持部材は前記第 1または第 2の パッキンを位置決めするための凹部を有することを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 0項に記載の発明では、 請求の範囲第 1項に記載の発 明において、 前記赤外線センサと前記導光手段との温度差情報を検出する温度 差情報検出手段をさらに有し、 前記温度演算手段は、 前記赤外線センサおよび
前記感温センサからの信号と、 前記温度差情報検出手段からの温度差情報とに 基づいて前記測温対象の温度を算出することを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 1項に記載の発明では、 請求の範囲第 1 0項に記載の 発明において、 前記温度差情報検出手段は、 前記赤外線センサおよびその周辺 の温度を計温する第 1の感温センサと、 前記導光手段の温度を計温する第 2の 感温センサとから成ることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 2項に記載の発明では、 請求の範囲第 1 0項に記載の 発において、 前記温度差情報検出手段は、 前記導光手段の温度状態とほぼ同じ 温度状態を示し、 且つ外部からの赤外線を入射しないように閉鎖された参照空 洞と、 こ 参照空洞からの赤外線を検出する参照用赤外線センサとから成るこ とを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 3項に記載の発明では、 請求の範囲第 1項ないし第 8 項のいずれか 1項に記載の発明において、 前記窓部材は光学結晶材料で形成さ れていることを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 4項に記載の発明では、 請求の範囲第 1 3項に記載の 発において、 前記光学結晶材料はフッ化カルシウムまたはシリ コンまたは反射 防止シリ コンまたはフツイ匕ノくリ ゥムであることを特徴とする。
また、 ¾ 1 5項に記載の発明では、 請求の範囲第 1項ないし第 1 2項のいず れか 1項;こ記載の発明において、 前記プローブ部と前記導光管との間に断熱用 の空洞を設けたことを特徴とする。
また、 請求の範囲第 1 6項に記載の発明では、 請請求の範囲第 1項ないし第 1 2項のいずれか 1項に記載の発明において、 前記導光手段と前記赤外線セン サと前記感温センサとは、 熱伝導性の良好な金属ハウジングによって結合され ていることを特徴とする。 図面の簡単な説明
図 1 ( a ) は本発明の一実施形態による放射温度計の平面図、 ( b ) は同放射 温度計の右側面図、 ( c ) は同放射温度計の底面図、
図 2は図 1 ( a ) 〜 ( C ) に示した放射温度計のブロ ック図、 図 3は図 1 ( a ) に示した放射温度計の A— A ' 断面図、
図 4は図 3に示した放射温度計の断面図のプローブ部の付近を拡大して示し た図、
図 5は図 4に示した拡大断面図の保持部材の付近をさらに拡大して示した図、 図 6 ( a ) は、 図 1 ( a ) に示した表示装置に用いられる反射手段の ( a ) は平面図、 ( b ) は ( a ) の B— B ' 断面図、
図 7 ( a ) は、 図 3に示した電池直列接続パネの平面図、 (b ) は ( a ) に 示した方向 Dから見た図である。
図 8は、 図 2 とは異なる構成の放射温度計の概略構成図である。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明を図面に基づいて説明する。
図 1は本発明の一実施の形態による放射体温計の外観図であり、 ( a ) は平面 図、 (b ) は右側面図、 ( c ) は底面図である。
図 1 ( a ) に示すように、 放射体温計 1はケース手段 2の上部に操作ボタン 3 と表示装置 4 とを有している。 また図 1 ( b ) 、 ( c ) に示すように、 ケース 手段 2の先端にはブ口ーブ部 5が設けられている。 体温を測定する際に 、 プ ローブ部 5の先端を外耳道に挿入した状態で操作ボタン 3を押下する。 放射体 温計 1は、 鼓膜からの赤外線を受光し、 その強度に基づいて体温を演算して表 示装置 4に表示する。
ケース手段 2およびプローブ部 5の材質はたとえば A B S樹脂等である。 図 2は図 1 ( a ) 〜 ( c ) に示した放射体温計 1のブロ ック図である。
図 2に示すよ うに、 プローブ部 5には、 赤外線を導く導光手段としての導光 管 7 と、 導光管 7を支える金属ハウジング 8 とが収容されている。 導光管 7の 先端には赤外線を透過する窓部材 6が設けられている。 導光管 7の後端には第 1の赤外線センサ 1 0が設けられていて、 この第 1の赤外線センサ 1 0で、 窓 部材 6を透過してきた測温対象からの赤外線を受光する。 また、 導光管 7の外
壁と金属ハウジング 8の内壁とによって参照空洞 9が形成されている。 この参 照空洞 9はその先端が封鎖されており、 参照空洞 9の後端に設けた第 2の赤外 線センサ 1 1では導光管 7および金属ハウジング 8 自身の温度による赤外線を 受光する。 1 2は第 1の赤外線センサ 1 0および第 2の赤外線センサ 1 1 自身 の温度を検出する感温センサである。 温度演算手段 1 3は、 第 1の赤外線セン サ 1 0、 第 2の赤外線センサ 1 1および感温センサ 1 2からの信号に基づいて 測温対象の温度を算出し、 測温対象の温度を告知する告知手段としての表示装 置 4に算出した温度を表示する。
ここで、 温度演算手段 1 3における測温対象の温度を算出する処理について 説明する
一般に赤外線センサは、 測温対象の温度から赤外線センサ自身の温度を差し 引いた温度に対応する強度の赤外線を受光する。 従って、 温度演算手段 1 3で は、 第 1の赤外線センサ 1 0で検出した赤外線の強度に対応した温度に、 感温 センサ 1 2で検出した第 1の赤外線センサ 1 0および第 2の赤外線センサ 1 1 自身の温度を上乗せする必要がある。
また、 窓部材 6や導光管 7等の光学系の温度と第 1の赤外線センサ 1 0の温 度とが異なっている場合 (たとえば、 プローブ部 5を外耳道に挿入してしばら くすると、 外耳道の熱によ り光学系の温度が上がってしま う ことがある) :こは、 第 1の赤外線センサ 1 0で検出した赤外線には、 測温対象 (たとえば鼓膜) 力 らの赤外線のほかに、 光学系からの赤外線も含まれている。 このため、 温度差 情報検出手段としての第 2の赤外線センサ 1 1で光学系からの赤外線のみを受 光し、 温度演算手段 1 3では、 第 1の赤外線センサ 1 0で受光した赤外線の強 度から第 2の赤外線センサ 1 1 で受光した赤外線の強度を差し引く こと;こより、 測温対象からの赤外線の強度のみを求めることができるよ うにしてレ、る。 ここ で、 導光管 7および金属ハウジング 8は熱伝導性のよい材質にして、 導光管 7 および金属ハウジング 8の温度がほとんど同じになるようにしている =
図 3は図 1 ( a ) に示した放射体温計 1 の A— A ' 断面図である。
図 3において、 1 4は図 2に示した第 1の赤外線センサ 1 0 と第 2の赤外線
センサ 1 1 とを有する赤外線検出部である。 1 5 aは、 図 2 ;こ示した温度演算 手段 1 3を有する I C 1 5 bが搭載された回路基板である。 放射体温計 1は電 池 1 7を電源として駆動し、 この電池 1 7は後述する電池直列接続パネ 1 6 a と電池端子 1 6 b とで固定されるとともに電気的に接続されている。 ブザー 1 8は検温の完了等を知らせるブザーである。
金属ハゥジング 8の材質はたとえばアルミニウム等であり、 導光管 7の材質 はたとえば銅、 真鍮またはステンレス等である。 また、 窓部材 6の材質は光学 結晶材料であり、 たとえばフッ化カルシウム、 シリ コン、 反射防止シリ コンま たはフッ化バリ ゥム等である。
操作ボタン 3の下にはボタン戻しパネ 3 aが設けられ、 さらに下には〇 Nさ れることによって回路基板 1 5 aに対して測温開始の指示となるスィ ツチであ るスィ ッチ 3 bが設けられている。 操作ボタン 3を押下することによ りボタン 戻しバネ 3 aが押し下げられ、 これによつてスィ ッチ 3 bが O Nされる。 ボタ ン戻しパネ 3 aは、 表示装置 4を覆う L C Dカバー 4 a と一体形成された板バ ネであり、 操作ボタン 3に押し下げられた状態で、 操作ボタン 3を押し上げる 方向に力が働き、 押下された操作ボタン 3を元の状態に押し戻すことができる c また、 板パネの形状をしたボタン戻しパネ 3 a を、 操作ボタン 3 とスィ ッチ 3 b との間に介在させているので、 両者の位置を直線的ではなく、 ボタン戻し パネ 3 aの届く範囲でずらして配置することができ、 デザィンする上で操作ボ タン 3の位置の制約が少なくなる。
図 4は、 図 3に示した放射体温計 1の断面図のプローブ部 5の付近を拡大し て示した図である。
プロ一ブ部 5 と保持部材 1 9 との間の隙間は第 1のパッキン 2 0で防水され て密封され、 保持部材 1 9と導光管 7との間の隙間は第 2のパッキン 2 1で防 水されて密封されている。 また、 プローブ部 5と金属ハウジング 8 との間には 断熱用空洞 2 2が設けられ、 プローブ部 5が外耳道に接したときに外耳道の熱 が金属ハウジング 8や導光管 7に伝わりにく くなるよ うにしてある。
保持部材 1 9の材質はたとえば銅であり、 第 1のバッキン 2 0および第 2の
パッキン 2 1の材質は弾性部材であり、 たとえばゴムである。
また、 導光管 7および保持部材 1 9はたとえば円筒状の形状であり、 窓部材
6は円盤状の形状であり、 第 1のパッキン 2 0および第 2のパッキン 2 1は輪 ゴム状の形状である。
図 5は、 図 4に示した拡大断面図の保持部材 1 9の付近をさらに拡大して示 した図である。
本実施の形態では、 導光管 7 と窓部材 6 とを結合させる際に、 第 2のパツキ ン 2 1 と保持部材 1 9を用いることによって導光管 7の内面が防水されるよう にしている。 すなわち、 図 5に示すように、 導光管 7の先端には段部 e ' が設 けられ、 二の段部 e ' に第 2のパッキン 2 1がはめ込まれ、 その上から窓部材 6が載せられ、 そして導光管 7に保持部材 1 9が嵌合されている。 第 2のパッ キン 2 1は、 窓部材 6 と導光管 7 と保持部材 1 9とによって圧迫され、 これに よって、 第 2のパッキン 2 1 と、 窓部材 6、 導光管 7および保持部材 1 9との 間に必要十分な防水効果を生じさせている。
窓部材 6は第 2のパッキン 2 1 と押圧部としての爪 c とによって挟まれて固 持されている。 窓部材 6の材質は両面を金属物質で押えつけられると損傷し易 いので、 本実施の形態では、 当接部と しての保持部材 1 9の段部 e と導光管 7 の段部 e ' とが当接することによって、 第 2のパッキン 2 1が導光管 7の先端 より も突出し、 窓部材 6 と導光管 7の先端との間に間隙 a を確保して窓部材の 損傷を防ぐことができるようにしている。 また、 保持部材 1 9が導光管 7から はずれてしまうのを防ぐため、 保持部材 1 9の面 b と導光管の面 b ' との摩擦 力を、 第 2のパッキン 2 1の圧迫に対する復元力に勝る程度の大きさにしてい る。
また、 本実施の形態では、 導光管 7 とプローブ部 5 との間を防水するために 第 1のパッキン 2 0 と第 2のパッキン 2 1 と保持部材 1 9 とを用いている。 導 光管 7 と保持部材 1 9との間は、 導光管 7 と保持部材 1 9 とによって圧迫され た第 2のパッキン 2 1によって防水され、 また、 保持部材 1 9とプローブ部 5 との間は、 保持部材 1 9とプローブ部 5 とによって圧迫された第 1のパッキン
2 0によって防水されている。
保持部材 1 9には凹部 dが設けられており、 この凹部 dに第 1のパッキン 2 0がはめ込まれている。 このよ うにすることによ り、 保持部材 1 9を取付けた 導光管 7 とプローブ部 5とを組み合わせるときに、 第 1 のパッキン 2 0がずれ てしまったりすることを防ぐことができる。 また、 図 5では設けていないが、 保持部材 1 9の第 2のパッキン 2 1 と接する部分に凹部を設けてもょレ、 = この ようにすることにより、 第 2のパッキン 2 1 を位置決めすることができ、 第 2 のパッキン 2 1がずれてしまったりすることを防ぐことができる。
従来は体温の測定のために使い捨てするプローブカバーを用いていたが、 本 実施の形態では、 プローブカバーを用いずにプローブ部 5を直接外耳道に挿入 して体温測定を行う。 そして、 体温測定が終了したなら、 プローブ部 5の先端 をアルコールや水等を用いて消毒洗浄する。 上述したように本実施の形態では、 プローブ部 5の先端が防水構造となっているため、 放射体温計 1の内部にアル コールや水等が侵入することがなく電気回路等を保護することができる。
このようにすることによって、 放射体温計を常に衛生的に保つことができる し、 光学系の汚れによる測温精度の劣化を招く ことがない。 さらに、 プローブ カバ一が不要であるので、 プローブカバ一の購入費用と してのランニングコス トを削減することができる。
ところで、 一実施の形態と して図 1 ( a ) や図 3に示した表示装置 4は液晶 表示装置であり、 液晶を裏面からバックライ トで照らすことによって明るく見 易く して表示を行う。 このよ うに液晶を裏面から照らす場合、 効率よく反射さ せて照らすのがよい。 ここで、 この表示装置 4に用いられる反射手段について 説明する。
図 6は図 1 ( a ) に示した表示装置 4に用いられる反射手段の外観図であり、 ( a ) は平面図、 (b ) は ( a ) の B — B ' 断面図である。
反射手段 2 3は遮へい部 2 4 と反射面 2 5 とを有する構造になっている: 図 6 ( a ) ;こ示す反射手段 2 3の縦 X横の大き さが液晶の大きさと同じになって いる。 本実施の形態では、 バックライ トと してはたとえば図示しない L E Dを
用い、 この L E Dを図 6 ( b ) に示す遮へい部 2 4の下部に設置する。 L E D から直上に向かう光は遮へい部 2 4で一旦遮へいされるが、 L E Dから横方向 に向かう光が反射面 2 5で反射され、 この反射光が反射手段 2 3の上部に設置 された液晶を照らす。 このようにすることによって、 液晶の全面をむらなく照 らすことができ、 見易い表示装置とすることができる。
次に、 図 3に示した電池直列接続バネ 1 6 aについて説明する。
図 7は図 3に示した電池直列接続バネ 1 6 aの外観図であり、 ( a ) は平面 図、 ( b ) は ( a ) に示した方向 Dから見た図である。
図 3に示した放射体温計 1 は電池を 2本用いて動作させるタイプであり、 図 3の電池 1 7の奥行方向に 2本目の電池がある。 電池直列接続バネ 1 6 aはこ の 2本の電池を直列に接続するとともに、 電池 1本分の電圧である中間電位も 取り出すことができるようになつている。 1本目の電池の一端子は電池直列接 続バネ 1 6 a —端子 2 6に接続され、 2本目の電池の +端子は電池直列接続バ ネ 1 6 aの +端子 2 7に接続される。
このようにすることによって、 1本目の電池の +端子と 2本目の電池の一端 子との間で、 電池 2本分の電圧を取り出して用いることができる。 さらに、 1 本目の電池の +端子、 または 2本目の電池の一端子と中間電位取出し用端子 2 8 との間で、 電池 1本分の電圧を取り出して用いることができる 3
なお、 上述の実施の形態では、 図 2にブロック図を示したように、 2つの赤 外線センサと 1つの感温センサを用いる放射体温計に対して本発明を適用した が、 本発明はこれに限らず、 これとは構成が異なる放射体温計にも適用できる。 その一例を図 8に示す。
図 8は図 2 とは異なる構成の放射体温計の概略構成図である。
図 8に示した放射体温計は、 プローブ部 3 0の内部に金属ハウジング 3 1 と 導光管 3 2とを有し、 プローブ部 3 0 と金属ハウジング 3 1 との間には断熱用 空洞 3 3が設けられている。 導光管 3 2の先端には窓部材 3 4が設けられる力 その際に保持部材 3 5、 第 1のパッキン 3 6および第 2のパッキン 3 7が用い られる: この部分の構造は図 5 と同様であるので詳しい説明は省略する。
赤外線センサ 3 8は導光管 3 2に導かれた測温対象からの赤外線を受光 その強度を検出し、 第 1の感温センサ 3 9は赤外線センサ 3 8の温度を検出し、 温度差情報検出手段と しての第 2の感温センサ 4 0は導光管 3 2等の光学系の 温度を検出する。 図 8に示した例の場合も赤外線センサ 3 8が受光する赤外線 は測温対象からの赤外線と光学系からの赤外線の両方である。 このため、 赤外 線センサ 3 8が受光した赤外線の強度に対応する温度に、 第 1の感温センサ 3 9で検出した温度を上乗せするとともに第 2の感温センサ 4 0で検出した温度 を差し引く こ とによって、 測温対象の温度を求めることができる。
なお、 以上説明した本発明による防水構造の放射体温計では、 プローブ部先 端をアルコールや水で洗浄消毒して使用するのでプローブカバーが不要になる が、 洗浄消毒時にアルコールや水の気化熱によって光学系と測温対象からの赤 外線を受光する赤外線センサとの間に温度差が生じる場合がある。 通常は、 両 者の温度差がなくなるまで放射体温計をしばらく放置してから検温を開始すれ ばよい: しかし、 洗浄消毒後、 すぐに検温したいことがあるので、 この場合は 防水構造の放射体温計に上述したように温度差情報検出手段を組み合わせて備 えるのがよい。 すなわち、 上述した温度差情報検出手段によれば、 光学系と測 温対象からの赤外線を受光する赤外線センサとの間に温度差が生じていても正 確に検温を行う ことが可能であるからである。
上記実施例においては、 本発明の放射温度計を人体の外耳道に挿入して人体 の体温を測定する例について説明したが、 本発明の放射温度計は外耳道以外に も口に入れて体温を測定したり、 人体以外では動物の耳に入れて動物の体温を 測定するのに用いることができるなど、 その用途は特に限定されない。
以上説明したように、 請求項 1に記載の発明によれば、 プローブ部が防水構 造になっているので、 体温測定が終了したときにプローブ部の先端の外耳道に 挿入する部分をアルコールや水等を用いて消毒洗浄することができ、 放射体温 計を常に衛生的に保つことができるし、 光学系の汚れによる測温精度の劣化を 招く ことがない。 さらに、 プローブカバーが不要であるので、 プローブカバー の購入費用と してのランニングコス トを削減することができる =
また、 請求項 2に記載の発明によれば、 プローブ部の先端の赤外線導入側を 防水することができ、 請求項 1に記載の発明と同様の効果がある。
また、 請求項 3に記載の発明によれば、 接着剤等を用いないので接着剤がは み出してしまう こともないし、 放射体温計の組立が容易であるという効果があ る。 また、 請求項 4に記載の発明によれば、 窓部材を挟持する部材の一方が 弾性部材であるパッキンであるため、 窓部材を損傷させることがないという効 果がある- また、 請求項 5に記載の発明によれば、 放射体温計の組立が容易であるとい う効果がある。
また、 請求項 6に記載の発明によれば、 導光管に保持部材を嵌合させるとき にパッキンがずれないという効果がある。
また、 請求項 7に記載の発明によれば、 導光管と窓部材との間に間隙を確保 することができ、 窓部材を損傷することがないという効果がある。
また、 請求項 8に記載の発明によれば、 請求項 4に記載の発明と同様に、 窓 部材を挟持する部材の一方が弾性部材であるパッキンであるため、 窓部材を損 傷させることがないという効果がある。
また、 請求項 9に記載の発明によれば、 保持部材とプローブ部とを組み合わ せるとき;こパッキンがずれないという効果がある。
また、 請求項 1 0に記載の発明によれば、 光学系と測温対象からの赤外線を 受光する赤外線センサとの間に温度差がある場合であっても、 正確に測温する ことができる。 すなわち、 たとえば、 プローブ部の先端をアルコールで拭いた 直後でアルコールの気化熱によってプローブ部の先端が冷えている場合であつ ても測温が可能なので、 プローブ部の先端を消毒洗浄した直後であってもすぐ に測温することができるという効果がある。
また、 請求項 1 1に記載の発明によれば、 請求項 1 0に記載の発明と同様に、 プローブ部の先端を消毒洗浄した直後であってもすぐに測温することができる という効果がある。
また、 請求項 1 2に記載の発明によれば、 請求項 1 0に記載の発明と同様に、
プローブ部の先端を消毒洗浄した直後であってもすぐに測温することができる という効果がある。
また、 請求項 1 3に記載の発明によれば、 窓部材が光学結晶材料で形成され ているので、 プローブ部の先端を拭く ときなどに窓部材に触れたと しても、 窓 部材が破れてしまうよ うなことがないという効果がある。
また、 請求項 1 4に記載の発明によれば、 請求項 1 3に記載の発明と同様に、 プローブ部の先端を拭く ときなどに窓部材に触れたと しても、 窓部材が破れて しま うようなことがないという効果がある。 また、 測温対象からの赤外線を減 衰させることなく透過させることができるという効果もある。
また、 請求項 1 5;こ記載の発明によれば、 外部の温度変化が導光手段等の光 学系に伝わりにく くすることができるという効果がある。
また、 請求項 1 6に記載の発明によれば、 光学系の熱バランスが崩れにくい とレ、う効果がある。 産業上の利用可能性
本発明は生体の穴部に挿入して生体の温度測定が可能な放射温度計と して利用 するのに好適である =