WO1999006248A1

WO1999006248A1 - Generateur de gaz et son filtre

Info

Publication number: WO1999006248A1
Application number: PCT/JP1998/003374
Authority: WO
Inventors: Ken-Ichi Nagahashi; Seigo Taguchi; Masaru Kikuchi
Original assignee: Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha; Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho
Priority date: 1997-07-30
Filing date: 1998-07-29
Publication date: 1999-02-11
Also published as: JPH1143007A; EP1008497A1; EP1008497A4; KR20010020550A; DE19882581T1

Description

明細書ガス発生器及びそのフィルタ技術分野

本発明は、ェアバッグを展開させるガス発生器とそれに使用するフィルタに関するもので、特に、安価で且つ製作の容易な単純な構造のフィルタと、これを用いた安価なガス発生器を提供するものである。背景技術

エアバッグ装置用ガス発生器に使用されるフィルタは、ガス発生器内でガス発生剤の燃焼により発生する高温高圧のガスを冷却して、ェアバッグの展開に適温のガスを生成させると共に、該ガス中に含有されている金属酸化物を主成分とする高温スラグを除去して淸浄なガスを生成する役割を持っている。従って、斯かるフィルタに要求される特性としては、スラグを捕集するための本来の機能の他、高温高圧に耐える耐熱性と強度と並びにガスを冷却するため適度の熱容量が要求される。

従来のフィルタとしては、耐熱性と適度の熱容量を有する材料として、金網や金属織物或いは金属ファイバが用いられ、これらを円筒状に積層してフィルタとしたものや、これらの圧縮成形体が用いられているが、これら単独では耐圧強度に問題がある事から、円筒体の内外面に、パンチングメタルで成形した円筒や太線の金属線材を用いた金網円筒を補強部材として配置したり、或いはこれらを一体的に焼結して強度を向上させたものが、一般的に使用されている。即ち、これらのフィルタにおいては、基本的には金網や金属織物或いは金属ファイバを構成する金属細線が絡み合った圧密集合体にスラグ濾過機能を期待し、パンチングメタル製の円筒や太線金網円筒に耐圧性を向上させる補強機能を期待しており、更に、この両者に冷却機能を期待する構成となっている。

ところ力斯かる従来のフィルタにおいては、スラグ濾過機能部材としての金属細線の圧密集合体では、基本的には、単位長さ当たりの熱容量の小さな金属細線の集合体であり且つこれら細線間の伝熱は接触伝熱であるから、その圧密度が低く且つ高温ガスが局部的に偏流した場合には、細線は瞬時にして溶融し、極端な場合にはフィルタに溶融貫通孔が形成される場合があった。このため、圧密化の度合い調整は、この種のフィルタにおいて極めて重要な要素であった。ところが、長尺円筒体のガス発生器用のフィルタにおいては、相応する長さのフィルタが必要となるが、線材の圧密化のための圧縮時には、不可避的に圧縮方向に密度ムラが生じるため、長尺なフィルタを製作し難いという問題があった。 —方、前記溶損防止と強度向上のために、焼結体としたものもあるが、焼結炉を必要とするため、大量に且つ安価に製造するには、問題があつた。

更に、前記線材の圧密体のみでは、ガス発生時の高圧には耐えられないので、該圧密円筒体の内外面に、耐圧補強部材としての円筒体を配置す^ ¾要があり、これはフィルタ構造を複衝 E るのみならず、製造コストの低減にも限界があった。

本発明は、斯かる従来フィルタの問題点に鑑み、構造が単純で且つ製作も容易で安価なガス発生器用フィルタと、これを用いたガス発生器を提供する事を目的とするものであり、具体的には、耐熱性と耐圧性と大きな熱容量とを有する金属部材に濾過機能を付与する事によって、構造が単純で、とりわけ長尺なフィルタの製作が容易で、且つ高強度の安価なフィルタを提供するものである。発明の開示

上記問題を解決するため、本発明のフィルタは、エタスパンディッドメタルを素材とし、これを円筒状に複数層積層してフィルタとなしたものである。これにより、単純な構造で、ガス発生器用フィルタに要求される全ての機能を備えたフィルタを容易に得る事が可能となる。尚、該エタスパンデイツドメタルの目開きを外層部は粗く、内層部は細かくする事によって、スラグによる目詰まりのないフィルタとなす事も容易である。更に、前記複数層積層してなるェクスパンディッドメタルの中間層部に、フィルタ本体となる該ェクスパンディッドメタルの目開きよりも粗い目開きの他のェクスパンデイツドメタル或いは金網を少なくとも 1層介装させる事により、フィルタ通過中のガスを均圧化するガス溜まりが形成される結果、フィルタ内でのガスの均一分散が促進されると共に、スラグによる目詰まりを防止する事が容易となる。

又、ェクスパンディッドメタルを単に積層して円筒体を形成する事により、フィルタとなすものであるから、広幅のェクスパンディッドメタルを積層すれば、容易に長尺なフィルタを得る事が可能となり、更に、これを切断する事により、任意の長さのフィルタを得る事も可能となる

図面の簡単な説明

第 1図（a ) 及び第 1図（b ) は、本発明で使用するェクスパンディッドメタルを示す平面図であり、第 1図（a ) は、母材を示し、第 1図 ( b ) は、引張力卩ェ後の開口が形成されたェクスパンディッドメタルを示している。第 2図は、本発明に斯かるフィルタの 1例を示す斜視図である。第 3図は、本発明で使用するェクスパンディッドメタルの開口部の拡大断面図である。第 4図は、本発明におけるフィルタの断面概念図である。第 5図は、本発明で使用するェクスパンディッドメタルの他の例を示す平面図である。第 6図は、本発明におけるフィルタの他の例を示す断面概念図である。第 7図は、本発明におけるフィルタの他の例を示す斜視図である。第 8図は、本発明におけるフィルタの他の例を示す斜視図である。第 9図は、本努明に斯かるフィルタを用いたガス発生器の 1例を示す要部断面図である。第 1 0図は、本発明に斯かるフィルタを用いたガス発生器の他の例を示す要部断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。先ず、第 1図 ( a ) 及び第 1図（b ) は、本発明で使用するェクスパンディッドメタノレ（多孔板）を示すものである。該ェクスパンディッドメタルは、第 1 図（a ) に示したステンレス薄鋼板或いは普通鋼の薄鋼板に所定間隔で多数のスリット 1 aが形成された母材 1を、矢印の方向に引張して前記スリット l aを、第 1図（b ) に示した様に一様に開口 1 bさせて、ェクスパンディッドメタル 2としたものである。

次に、第 2図は、本発明に斯かるフィルタ構造の基本形態を示すもので、前記ェクスパンディッドメタル 2を、渦巻き状に複数層積層し、その始終端部 2 a , 2 bを重ね合う様にしてスポット溶接 3 aによって固着してフィルタ Fとなしたものである。尚、スポット溶接に代わり、前記終端部 2 bを、その内側層 2 cに溶接 3 bによって固着してもよレ、。ここで、ェクスパンディッドメタル 2の各開口 1 bの部分は、前記矢印の方向への引張加工時に、スリット部の対向部が母材の両面側に反り返る様に変形するため、第 3図に該開口断面図を概念的に示した様に、母材 1の基準平面 Aから高さ hだけ両側に反り返った形状となっている。従って、ェクスパンディッドメタル 2を積層すると、各層は、間隔 h を隔てて積層された構造となり、フィルタの内外は、母材 1に形成された開口 1 bと層間隔 hによって連通された構造となっている。尚、ェクスパンディッドメタル 2の積層作業時には、ローラでェクスパンディッドメタル 2を円筒体に押圧しながら順次巻き付けていくため、実際の層間隔は、前記 hよりも僅かに小さな間隔となっている。

斯かる構造のフィルタ Fにおいては、第 4図に模式的に示している様に、フィルタ Fの内側で発生した高温高圧のガスは、内側第 1層のェクスパンディッドメタル 2 dの開口 1 bを通って、該第 1層 2 dと第 2層 2 eの間の第 1間隙 h 1に噴出するが、この時に、ガス流は第 2層 2 e のェクスパンディッドメタル 2の内側金属面に衝突し、ガス中に含有されているスラグ成分は、該第 2層 2 eの内側金属面に付着して、その一部が除去される事になる„ 同様に、前記第 1間隙 h 1に流入したガスは、第 2層 2 eの開口を通って第 2間隙 h 2に噴出し、ここでも、第 3層 2 f の内側金属面に噴出ガスが衝突して含有スラグの 1部が付着除去される。この現象が、多数の開口 1 bと各層の金属面との間で繰り返し生じる結果、フィルタ最外層 2 gの開口から噴出されるガスは、スラグ含有量の極めて少ない清浄なガスとなっている。又、フィルタの内側で発生した高温のガスは、フィルタ内部を流通する事によって、熱容量の大きなエタスパンディッドメタルに熱を奪われ、冷却されて適温となってフィルタ Fから流出し、エアバッグ内に供給される事になる。

以上の様に、本発明のフィルタにおいては、内側層のェクスパンディッドメタル 2の開口 1 bから噴出した高温ガスは、次層のェクスパンディッドメタルの金属面に衝突し、この衝突によって含有スラグを金属面に付着させる所謂スラグの「慣性捕集方式」によってスラグ除去を行うものであって、従来の金網や金属ファイバを圧密して狭隘なガス通路を形成する事により含有スラグを除去する所謂「濾過捕集方式」とは、基本的にスラグ埔隼機構が里なろものである。従って.. エノ/スパンデイツドメタル 2の開口 1 b自体は、含有スラグ粒子に比して充分に大きなもであっても何等支障はなレ、。

次に、第 5図は、本発明で使用する他のェクスパンディッドメタルの例を示すものである。開口の大きさは、図中左側が最も小さく 1 b、右側へ向かうにつれ大きくなり、図中右側が最も大きく 1 b ' なっている。このェクスパンディッドメタル 2は、小さい方の開口 1 bが内層になるように渦巻き状に積層されてフイノレタとされる。斯かる構成のフィルタの場合には、外層になるほど目開きが大きくなつているので、前述の様に金属面に衝突して冷却されて付着し、大きなスラグ粒となったもの力;、仮に、後続のガス流によって吹き飛ばされても、この冷却スラグ粒による開口の目詰まりが防止される効果が期待できる。尚、この開口の目開きは、内側から徐々に大きくなる様にしてもよいが、 2段階或いは 3段階に区分して、外層になるほど目開きが大きくなる様にする事も可能である。

次に、第 6図は、本発明に斯かるフィルタの他の実施例を示す概念図であり、フィルタ本体となるェクスパンディッドメタル 2によって、内側の第 1層 2 d , 第 2層 2 eと外側の第 3層 2 f , 第 4層 2 gとを形成し、この内外層間に、大きな目開き 4 aを有す'る他のェクスパンデイツドメタル 4が介装配置されたものである。斯かる目開きの大きなェクスパンディッドメタル 4では、前述の開口部の反り返りも大きくなるので、目開きの大きなェクスパンディッドメタル 4の内外部には、他の部分よりも大きな空間 Sが形成される事になる。この結果、該空間 Sにおいて流通ガスの均圧化が促進され、フィルタ内に均一なガス流が形成され易くなると共に、第 4図の場合に比べてガスの流速に緩急が形成される結果、前記空間部 sでは流速が低下して同伴スラグも付着し易くなり、スラグの捕集率も向上する事になる。尚、前記大きな目開きのェクスパンディッドメタル 4に代えて、同様に目開きの大きな金網を用いても同効である。

以上の説明は、 1枚のエタスパンディッドメタルを渦卷き状に積層して、その終端部を溶接固着して円筒状フィルタを形成する場合について述べたが、渦巻き状に積層したままでは、その始端部と終端部には段部が生成するので、これを解消するためには、第 7図に示す様に、始端部 2 aと終端部 2 bとが重なり合う様に渦卷き状に積層し、この終始端部を加圧圧縮しつつ抵抗溶接 3 cする事により、該始終端部 2 a， 2 の部分に存在する前記ェクスパンディッドメタル間の空間を圧壊して、内外周面を平坦になす事も可能である。他の方式としては、前記ェクスパンディッドメタルを一層毎に溶接しながら同心円状に積層する方式を採用することも可能であり、更に、第 8図に示す様に、平板状のェクスパンデイツドメタル 2 h , 2 i， 2 j , 2 k , 2 mを積層した後、これを円筒状に成形し、その端面を突合せ溶接 3 dして同心円状のフィルタを形成することも可能である。いずれの方式で成形されたものも、ェクスパンディッドメタルの有する特徴点は保持されているので、前述したスラグ捕集効果に変わりはなレ、。

又、これらのフィルタ Fを製作するに当たっては、広幅のェクスパンデイツドメタルのシートを、前述した任意の方式によって成形して円筒状の積層体となす事により、容易に長尺の円筒状フィルタを得る事が可能となる。従って、この長尺フィルタをそのまま、或いは、必要な長さに切断した後、端面に切削仕上げ加工を施す事によって、容易に必要な長さのフィルタを製造する事が可能となる。これにより、従来多数のェ程を要していた成形工程を 1回の成形工程で済ませる事が可能となり、又、その後の切断のみによって任意の長さのフィルタが容易に製造する事が可能となり、更に、ェクスパンディッドメタル自体、ある程度の厚みを持った金属シートから成形されるため、端面の切削による仕上げ加ェが可能となる事から、フィルタ端面とガス発生器のハウジングとの密着性が高まり、該端面からのガス漏れを抑え易くなる効果が期待できる次に、上記本発明に斯かるフィルタ Fを使用したガス発生器の例について説明する。第 9図は、前記フィルタを用いた主として助手席用として用いられる長尺円筒型の本発明に斯かるガス発生器 Xの断面図を示しており、ガス発生器 Xは、長尺円筒体からなるハウジング 1 1内にガス発生剤ペレツト 1 2が装填され、その外周部にフィルタ Fが配置され、ハウジング 1 1の一端部には点火装置 1 4が配置されている。ハウジング 1 1は、長尺で一端が開口された有底円筒形状の外筒 1 5と、該外筒 1 5の開口端を覆う蓋部材 1 6とで構成されており、該蓋部材 1 6の外周緣部に形成された環状リブ 1 6 aと外筒 1 5の開口先端とを突き合わせて摩擦圧接する事によつて密閉空間を形成する構造となっている。ハウジング 1 1内には、その内側長手方向に沿って、 1つのフィルタ Fが配置されている。従来のフィルタ構造では、その長さ故に一体形の 1つのフィルタで構成する事が困難な場合で、複数に分割して配置せざるを得なかった様な長尺なガス発生器においても、本発明によれば、前述した様に一体品で製作可能であるので、コストダウンと共に、フィルタの構造強度の向上にも寄与する事になる。

又、フィルタ Fの一端はクッション材 2 5により閉塞され、他端は蓋部材 1 6側からクッション材 2 2により閉塞されている。クッション材 2 2， 2 5としては、シリコン発泡体ゃセラミックフアイバ等の成形物が好適である。尚、これらクッション材 2 2 , 2 5は、フィルタ端面力らのガス流出の観点からは必ずしも必要なものではなく、前述した様に、フィルタ Fの端面を切削仕上げ加工を行う事によって、これらクッシヨン材 2 2 , 2 5を省略する事も可能であるが、ハウジング 1 1の摩擦圧接時の寸法変化の吸収やガス発生剤 1 2の振動による粉化防止の観点からは、斯かるクッション材 2 2， 2 5の配置は好ましいと言える。前記外筒 1 5の周面には、エアバッグ（図示せず）に通じる複数のガス放出孔 1 5 aが形成されている。複数のガス放出孔 1 5 aは、ハウジング 1 1の軸方向に整列し、ガス孔列を形成しており、各ガス孔列は、周方向に角度 1 8 0度の間隔で隔たっている。 1 7は薄板帯状のバーストプレートであって、各ガス孔列毎の各ガス放出孔 1 5 aを閉塞する様に、外筒 1 5の内周面に貼着されており、ガス発生剤 1 2の燃焼時の圧力を調整すると共に、外部から水分やゴミがガス発生器内に侵入するのを防止する役割を果たすものである。

本発明で使用するフィルタ Fは、前述の通りェクスパンデイツドメタルの積層体であり、ェクスパンディッドメタルの開口 1 bは、第 3図に示した様に、高さ hの反り返り部を有しているので、フィルタ Fの外周面と前記バーストプレートを含む外简 1 5の内周面との間には、前記反り返り高さ hに相当する間隙 Gが形成されている。この結果、フィルタ Fを通過したガスは一端該空間 G内で均圧化されて、外筒 1 5の外周面に形成されているガス放出孔 1 5 aからエアバッグ内に放出される事になるので、各ガス放出孔 1 5 aからのガス放出量が均一化されると共に、フィルタ Fの内外の圧力が共に均圧化されているので、フィルタ F内を略均一にガスが流通する事になり、フィルタの効率が向上する事になる。

尚、ハウジング 1 1の蓋部材 1 6には、伝火剤 9と点火具 1◦ (電気雷管）とからなる点火装置 1 4が備えられている。点火装置 1 4の伝火剤 9は、フィルタ F内に挿入される蓋部材 1 6の凸部 1 6 bと微小隙間を隔てる様に配置されて、蓋部材 1 6に嵌め込まれる鍔付きキャップ部材 2 1によってガス発生剤 1 2から区画されている。

次に、このガス発生器 Xの作動について説明する。衝突センサ（図示しない）が車両の衝突を検知すると、その衝突検知信号によって、点火装置 1 4の点火具 1 0に点火されて伝火剤 9を着火し、キャップ部材 2 1の貫通孔 2 1 aから火炎がガス発生剤 1 2に向けて噴出され、ガス発生剤 1 2に着火して高温高圧ガスを発生させる。ハウジング内で発生した高温高圧ガスは、フィルタ F内に流入し、該フィルタ Fを半径方向及び周方向に亘つて通過して前記フィルタ F外周面とハウジング 1 1内面との間に生じている空間 G内に流入する。ガス発生剤 1 2の燃焼が進み、ハウジング 1 1内が所定圧力に達すると、各ガス放出孔 1 5 aを閉塞しているアルミ箔等で形成したバーストプレート 1 7が破裂し、前記空間 Gで均一圧にされた清浄ガスが、各ガス放出孔 1 5 aからエアバッグに放出され、エアバッグを急速に膨張展開させる。尚、ガスはフィルタ F内を流通する過程で、前述した要領でエタスパンディッドメタルとの衝突を繰り返しながら、次第に含有スラグ成分が除去され、冷却されて各ガス放出孔 1 5 aからエアバッグ內に放出される事になる。

この様に、本実施形態のガス発生器 Xによれば、フィルタ Fとしてェクスパンデイツドメタル 2の積層体を用いているので、従来の圧密化した積層金網や金属フアイバーで形成したフィノレタに比べて、密度ムラ力 S 無く均質体であるので、ガスの均一流通が達成され、スラグ除去と共にガスの冷却効率に優れたものとなっている。又、ガス通路となる開口 1 bの面積も、従来のフィルタに比べて大きくする事が可能であり、且つ各ェクスパンディッドメタル間にも空間が形成されているので、フィルタのガス通過抵抗は小さくなつている。従って、従来のフィルタに比べて低圧損でしかも圧力損失にバラツキの少ないフィルタとなっているので、ガス発生器の特性制御に及ぼす影響は小さくなり、ガス発生器の設計が容易となる効果も期待される。

次に、第 1 0図は、本発明のフィルタ Fを用いた運転席用ガス発生器 Yの 1例を示す断面図で foり、内筒 3 1 aと外筒 3 1 bとからなる上容 ¾S 3 1 と、前 ΪΕ内外筒部に対^ る外筒端部 3 2 a , 3 2 とを有する下容器 3 2とを、夫々摩擦圧接して接合してなるガス発生器用ハウジング 3 ϋ 側圭^に, 火装置 3 5が配置され、外側奎には刀ス ¾生剤 1 2とフィルタ Fとが配置された構造となっている。ここでフィルタ Fとガス発生剤 1 2とは、下面をリテーナリング 3 6で支持され、フィノレタ Fの上面には、セラミックスファイバー或いはグラフアイトの様な耐熱材料で形成したシール材兼クッション材 3 7が配置されている。 3 8は、ハウジング 3 0に形成されたガス放出孔である。尚、この場合においても、該 '―ル材兼クッシコン材 3 7は、フィルタ Fの端面からのガス流出防止の観点からは省略する事が可能である事は前述の通りである。

本例においても、フィルタ Fは、上述したェクスパンディッドメタルを積層した円筒体であり、ェクスパンディッドメタルの開口部に形成される特有の反りによって、フィルタの外周面とハウジングの内周面との問には、空問 Gが生じている。このため、ガス発生剤 1 2の燃焼により生じたガスが、フィルタ Fを通過するに当り、該フィルタ Fの内外面の圧力が夫々均圧化されているので、ガスがフィルタ F内を均一に流通する点は前述の場合と同一である。更に、該流通過程において、前述の通り慣性捕集方式により含有スラグが除去され、冷却されてガス放出孔 3 8からエアバッグ内に放出される事になる。

以上説明した通り、本発明のフィルタによれば、ェクスパンディッドメタルを積層してフィルタを構成しているので、各層間にはエタスパンディッドメタル特有の開口部の反りによる微小間隙が形成されているので、ガスは、ェクスパンディッドメタルの比較的大きな開口を通過する際に外側の金属面に衝突し、この衝突によってガス中のスラグは、所謂慣性スラグ捕集法によって除去される事になり、しかも、この現象が、均一な多数の開口で生じるため、スラグ除去は極めて効率よく行われる事になる。

又、前記ェクスパンディッドメタルの各層間に形成されている微小間隙の存在により、ガスは各層を通過する毎に均圧化される事になり、ガスのフィルタ内の偏流は確実に防止され、フィルタ効率が向上し、小さなフィルタで所期の性能を達成させることが可能となる。

又、フィルタとガス発生器のハウジング内面との間にも、前述のェクスパンディッドメタルの開口部の反りによって微小空間が形成される結果、フィルタの内外層の圧力も夫々均圧化されるので、フィルタ効率は —層効率的となり、ハウジングに形成されている多数のガス放出孔からは、略均一にガスの放出が行われる事になり、エアバッグへの熱的な損傷も少なく、又、均一なエアバッグの展開が容易となる。

又、従来の金網や金属ファイバの積層圧密体内に形成されている微小なガス通路に比して、本発明で使用するエタスパンディッドメタルの開口は、大きなガス通路となす事が可能であり、しかも、ェクスパンディッドメタルを積層した各層間にも微小空間が形成されているので、フィルタのガス通過抵抗は、従来のフィルタに比して小さくなつている。この結果、ガス発生器内でのガス流れが安定化し、同時に、ガス発生器によるガス発生のバラツキが殆どなくなり、安定したガス発生が得られるので、エアバッグを所期の設計通りに展開させる事が容易となる。更に、ェクスパンディッドメタル自体は、熱伝導性の良好な金属材料であるので、ガスはフィルタ内を流通する過程で充分な熱交換を行うことができ、又、該金属素材としてステンレス鋼板を用いれば耐蝕性も付与させる事ができ、或いは該金属素材として普通鋼板を用いて、これにニッケル若しくは銅メツキ等の表面処理を施して、耐蝕性を持たせて使用する事も可能である。

更に、広幅のェクスパンディッドメタルを用い、これを積層して長尺の円筒状積層体となす事により、従来の如く、圧縮ムラに起因する長さ制限を受けないので、任意の長さの円筒状フィルタを製造する事が可能となる。又、長尺円筒体を形成後、これを任意の長さに切断し、その端面に切削仕上げ加工を施すのみによって、端面シール性の良好なフィルタを効率的に製造する事が可能となり、その品質も一定の安定したフィルタを多量に生産する事が可能となるので、一層のコストダウンも可能なる。産業上の利用可能性

本発明フィルタは、耐熱性と耐圧性と大きな熱容量とを有する金属部材にスラグ捕集機能を付与しているので、構造が単純で、とりわけ長尺なフィルタの製作が容易で、且つ高強度の安価なフィルタとして最適である。更に、本発明のガス発生器は、本発明のフィルタを用いるので、安価なガス発生器として最適である。

Claims

請求の範囲

1. エアバッグ用ガス発生器に使用するフィルタであって、多数の開口（l b) を有するェクスパンディッドメタル（2) を、円筒状に複数層積層してなる事を特徵とするガス発生器用フィルタ。

2. 前記ェクスパンディッドメタル（2) が渦巻き状に巻着積層され、少なくともその最外層の端部（2 b) を、その内側層に溶接固定してなる請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フィルタ。

3. 前記ェクスパンディッドメタル（2) を、始終端部 (2 a, 2 b) の位置が重なり合う様に渦巻き状に卷着積層し、該始終端部を加圧すると共に抵抗溶接を行う事により、当該積層体の内外周面を略平滑化してなる請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フイノレタ。

4. 前記複数層積層してなるェクスパンディッドメタル（2) の外層部の開口部目開きを、内層部の開口部目開きよりも大きくしてなる請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フィルタ。

5. 前記複数層積層してなるェクスパンディッドメタル（2) の開口部目開きを、内側層から外側層に至る程、順次大きくしてなる請求の範囲第 4項に記載のガス発生器用フィルタ。

6. 前記複数層積層してなるェクスパンディッドメタル（2) の円筒体の中間層部に、フィルタ本体となる該ェクスパンディッドメタノレの開口部目開きよりも粗い開口部目開きを有する他のェクスパンディッドメタル或いは金網（4) を、少なくとも 1層介装してなる請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フィルタ。

7. 前記ェクスパンディッドメタル（2) を積層して形成した長尺円筒体を、所定長さに切断して形成してなる請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フィルタ。

8. 前記所定長さに切断してなる円筒体の端面に、切削仕上げ加工を施してなる請求の範囲第 7項に記載のガス発生器用フィルタ。

9. 前記ェクスパンディッドメタル（2) が薄鋼板で形成され、且つ表面に耐蝕性金属メツキが施されてなるものである請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フイノレタ。

10. 前記ェクスパンディッドメタル（2) が、ステンレス薄鋼板で形成されている請求の範囲第 1項に記載のガス発生器用フィルタ。

1 1. 多数のガス放出孔（38) を有するハウジング（30) 内の中央部に点火装置（35) が配置され、その外側にガス発生剤（1 2) が配置さら、更にその外側にフィルタ（F) が配置されてなるガス発生器（Y) であって、前記フィルタ（F) 力前記請求の範囲第 1項乃至第 1 0項のいずれかに記載の円筒状のガス発生器用フィルタである事を特徴とするガス発生器。

1 2. 多数のガス放出孔（1 5 a) を有する長尺円筒体からなるハウジング（1 1) 内の中央部にガス発生剤（1 2) が装填され、その周囲にフィルタ（F) が配置され、更に前記ハウジング（1 1) の一端部に点火装置（14) が配置されてなるガス発生器 (X) であって、前記フィルタ（F) は、前記請求の範囲第 1項乃至第 10項のいずれかに記載の円筒状のガス発生器用フィルタである事を特徴とするガス発生器。