JP2008273281A - フィルター材及びガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻き回したとき全層において貫通孔が一致する場合があっても、実用に十分利用できるガス冷却効果及びスラグ捕集効果を有するガス発生器用のフィルター材と、それを用いたガス発生器とを提供する。
【解決手段】フィルター材7は、1cm2あたり20〜35個の貫通孔1(径は0.7mm〜1.1mm)を有する金属板3(厚さは0.15mm〜0.25mm)を略3回巻き回し、中空円筒状に成形されている。また、(貫通孔1の径(mm))/(1cm2あたりの貫通孔1の数)が、0.018〜0.055となっている。貫通孔1は、金属板3の長さ方向に対して傾斜方向に規則的に、金属板3の長さ方向について一方の面から、突端部が角錐体のピンを用いて貫通孔1が形成され、その周囲に突出部2が不連続に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】フィルター材7は、1cm2あたり20〜35個の貫通孔1(径は0.7mm〜1.1mm)を有する金属板3(厚さは0.15mm〜0.25mm)を略3回巻き回し、中空円筒状に成形されている。また、(貫通孔1の径(mm))/(1cm2あたりの貫通孔1の数)が、0.018〜0.055となっている。貫通孔1は、金属板3の長さ方向に対して傾斜方向に規則的に、金属板3の長さ方向について一方の面から、突端部が角錐体のピンを用いて貫通孔1が形成され、その周囲に突出部2が不連続に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車の衝突事故時に乗員が受ける衝撃を緩和して乗員の安全を図るガス発生器、及び、このガス発生器に用いるフィルター材に関する。
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するために、エアバックを瞬時に展開させるガス発生器は、展開にあたりエアバッグが損傷を受けないように、ガス発生室内でガス発生剤を燃焼させて発生した高温高圧のガスを冷却して適温にすると共に、前記ガス中に含有されている金属酸化物を主成分とする高温のスラグを捕集してガスを清浄するという役割を持つフィルター材を備えている。発生したガスは、フィルター材を内側から外側へ通過し、フィルター材の外側に沿って、ガス発生器に設けられた複数個のガス放出孔を通って、ガス発生器からエアバック内へ流入し、エアバッグを展開する。
したがって、エアバック用ガス発生器に用いられるフィルター材には十分なガス冷却及びスラグ捕集効果を発揮させるための機能が要求される。例えば、ガス冷却効果を有するフィルター材として、下記特許文献1のものが挙げられる。この特許文献1に開示されているフィルター材は、突起部の先端をつぶして平坦化したフック金属板を多数巻きして形成された筒状体からなり、筒状体から剥がれないように金属板が固着されている。
しかしながら、特許文献1のようなガス発生器用フィルター材では、ガス冷却効果及び保形強度をある程度有するものの、単に貫通孔が複数設けられているだけであり、金属板の各層における該貫通孔の位置が巻き回したとき全層において一致する箇所において、当該一致した貫通孔を通過するガスはスラグ捕集されることなくフィルター材を通過するため、ガス冷却効果及びスラグ捕集効果が十分に発揮されず、実用に十分利用できるものではなかった。
そこで、本発明は、巻き回したとき全層において貫通孔が一致する場合があっても、実用に十分利用できるガス冷却効果及びスラグ捕集効果を有するガス発生器用のフィルター材と、それを用いたガス発生器とを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、長手方向に対して傾斜方向に所定の間隔で形成された複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔のそれぞれの周囲に突出部とを有する金属板を、巻き回して中空円筒状に成形されているガス発生器用のフィルター材であって、(前記貫通孔の径(mm))/(1cm2あたりの前記貫通孔の数)が、0.018〜0.055である。0.018未満だと、貫通孔の開口面積の合計が小さくなりすぎて、ガスの通気抵抗が上がる(フィルター材内部の圧力が高くなる)から、スラグが放出されやすくなる。また、0.055を超える場合でも、貫通孔数が少なくなるので、ガスの通気抵抗が上がるから、スラグが放出されやすくなる。
(2) なお、本発明のフィルター材においては、前記貫通孔が、前記金属板1cm2あたりに20〜35個形成されているものであることが好ましい。また、前記貫通孔の径が、0.7mm〜1.1mmであることが好ましい。さらに、前記金属板の厚さが、0.15mm〜0.25mmであることが好ましい。金属板の厚さが0.15mm未満だと、耐熱性及び冷却性能の点で問題が発生する場合があり、0.25mmを超える場合だと、耐熱性は十分にあるのだが、重量が重くなってしまうとともに熱容量が大きくガスを冷却しすぎるという問題が発生する場合があり、更には、コスト高となってしまうから、好ましくない。
上記(1)又は(2)の構成によれば、巻き回したとき全層において貫通孔が一致する場合があっても、実用に十分利用できるガス冷却効果及びスラグ捕集効果を有するガス発生器用のフィルター材を提供できる。
(3) 本発明のガス発生器は、ガス放出孔を有するハウジングと、前記ハウジング内に形成され、燃焼により高温ガスを発生するガス発生剤が装填されている燃焼室と、点火薬を内包しており、前記ハウジング内に装着され、前記燃焼室内のガス発生剤を着火燃焼させるガス発生剤点火手段とを備えたガス発生器であって、前記ハウジングの内周に周方向にわたって、上記(1)又は(2)のフィルター材をさらに備え、前記ガス放出孔を前記ハウジングの外側から径方向に投影した際、該投影領域と前記フィルター材の前記貫通孔以外の部分のうちいずれかの領域とが完全に重複している。
上記(3)の構成によれば、ガス発生室で発生したガスは、少なくとも一度はフィルター材を構成する金属板の表面に衝突し、前記ハウジングの内周に衝突した上で冷却されるとともに、スラグが除去されて、ガス放出孔から放出されるので、実用に十分利用できるガス冷却効果及びスラグ捕集効果を有するガス発生器を提供することができる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るフィルター材について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るフィルター材を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るフィルター材について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るフィルター材を示す斜視図である。
図1において、フィルター材7は、1cm2あたり20〜35個の貫通孔1(径は0.7mm〜1.1mm)を有する金属板3(厚さは0.15mm〜0.25mm)を略3回巻き回し、中空円筒状に成形されている。また、(貫通孔1の径(mm))/(1cm2あたりの貫通孔1の数)が、0.018〜0.055となっている。貫通孔1は、金属板3の長さ方向に対して傾斜方向に規則的に、金属板3の長さ方向について一方の面から、突端部が角錐体のピンを用いて貫通孔1が形成され、その周囲に突出部2が不連続に形成されている。ここで、金属板3としては、例えばステンレス鋼、鉄、鋼、銅などを使用することができる。
貫通孔1の突出部は、角錐体のピン状部材を突き刺して形成されている。このため、金属板3を巻き回して中空円筒状に成形すると、金属板3間に空隙層6が形成される。またこのとき、突出部2はピン先端の角錐体の側面に沿って形成され、不連続となっている。このことによって、金属板3の層と突出部2とは不規則に接することになり、空隙層6には比較的障害の少ないより開放的な空間が形成され、ガスが円滑に空隙層6を移動する。
次に、フィルター材7内部でガス発生剤が燃焼することにより高温高圧のガスが発生した場合、フィルター材7における該ガスの流れについて説明する。上述したフィルター材7において、フィルター材7内側4に流入した高温高圧のガスは、先ずフィルター材7内側4第1層における貫通孔1を通過し、該第1層と第2層との間の第1空隙層に噴出される。噴出と同時に、ガスは該第2層の金属板3の内側面に衝突又は貫通孔1に向かう。第2層の金属板3の内側面に衝突したガス中に含有されているスラグは金属板3の内側面に付着し、その結果スラグの一部が除去されることとなる。金属板3において1cm2あたり20〜35個の第2層の貫通孔1に向かったガスは、外部圧力との関係により、速度が低下しつつ、第2層の貫通孔1を通過する。そして、該第2層と第3層との間の第2空隙層に噴出され、ガスは該第3層の金属板3の内側面に衝突又は貫通孔1に向かう。第3層の金属板3の内側面に衝突したガス中に含有されているスラグは金属板3の内側面に付着し、スラグの一部が除去される。金属板3において1cm2あたり20〜35個の第3層の貫通孔1に向かったガスは、外部圧力との関係により、速度が低下しつつ、第3層の貫通孔1を通過する。このような現象が多数の貫通孔1と各層の金属板3面とを介して繰り返され、ガスは含有されているスラグを十分に捕集されると共に、面積/体積比の大きな金属板3に熱を奪われ、効率よく冷却される。この結果、フィルター材7の外側5層の貫通孔1から噴出されるガスは、スラグ含有量の極めて少ない清浄な適温のガスとなり、エアバッグ内に供給される。
以上のように、本発明におけるガス発生器用のフィルター材7は、上述した多数の貫通孔1及びその突出部2を有する1枚の金属板3を複数回巻き回して中空円筒状に成形され、金属板3間には空隙層が形成される。金属板3を使用することから、十分な保形強度を有し、且つ高温ガスによる溶損も無い。また金属板3が多数の貫通孔1を有すること、空隙層が形成されることから、ガスは含有されているスラグを十分に捕集されると共に、面積/体積比の大きな金属板3に熱を奪われて効率よく冷却される。
さらに、貫通孔の孔形状、孔径、孔間ピッチ、開口割合、及び貫通孔を突き刺す面などのパラメータを変化させるという作業によって、ガス冷却及びスラグ捕集効果を比較的容易且つ正確に制御することができる。
次に、図面を参照しつつ、本発明に係るフィルター材7を用いたガス発生器の例について説明する。図2及び図3は、本発明に係るフィルター材7を用いたガス発生器の例である。
<第2実施形態>
図2は、図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7を備えた、一般に助手席用エアバッグに用いられる長尺円筒形の、本発明の第2実施形態に係るガス発生器Xの断面図を示している。ガス発生器Xは、長尺円筒体からなるハウジング11内にガス発生剤12が装填され、その外周部に長手方向に沿って図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7が配置され、ハウジング11の一端部には伝火剤9と点火器10とからなる点火手段14が配置されている。ハウジング11は、長尺で一端が開口された有底円筒形状の外筒材15と、孔16cに嵌合固定された点火手段14を備え、該外筒材15の開口端を覆う蓋部材16とで構成されている。該蓋部材16の外周縁部に形成された環状リブ16aと外筒材15の開口先端15bとが突合され、摩擦圧接されて、密閉空間が形成されている。点火手段14の伝火剤9がフィルター材7内に隣接する蓋部材16の凸部16bと微小隙間を隔てるように、配置されており、蓋部材16に嵌め込まれる鍔付きキャップ部材21によってガス発生剤12から区画されている。
図2は、図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7を備えた、一般に助手席用エアバッグに用いられる長尺円筒形の、本発明の第2実施形態に係るガス発生器Xの断面図を示している。ガス発生器Xは、長尺円筒体からなるハウジング11内にガス発生剤12が装填され、その外周部に長手方向に沿って図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7が配置され、ハウジング11の一端部には伝火剤9と点火器10とからなる点火手段14が配置されている。ハウジング11は、長尺で一端が開口された有底円筒形状の外筒材15と、孔16cに嵌合固定された点火手段14を備え、該外筒材15の開口端を覆う蓋部材16とで構成されている。該蓋部材16の外周縁部に形成された環状リブ16aと外筒材15の開口先端15bとが突合され、摩擦圧接されて、密閉空間が形成されている。点火手段14の伝火剤9がフィルター材7内に隣接する蓋部材16の凸部16bと微小隙間を隔てるように、配置されており、蓋部材16に嵌め込まれる鍔付きキャップ部材21によってガス発生剤12から区画されている。
外筒材15の周面には、エアバッグ(図示せず)に通じる複数のガス放出孔15aが外筒材15の軸方向及び周方向に所定間隔ごとに形成されている。17はアルミ箔等で薄板帯状に形成されたバーストプレートであって、各ガス放出孔15aを閉塞するように外筒材15の内周面に貼着されている。これはガス発生剤12の燃焼時の圧力を調整すると共に、外部から水分やゴミがガス発生器X内に侵入するのを防止する役割を果たすものである。
フィルター材7は、ハウジング11の内周に周方向にわたって備えられ、ガス放出孔15aをハウジング11の外側から径方向に投影すると、該投影部分とフィルター材7における貫通孔1以外の部分のいずれかとが、完全重複している。これにより、ガス発生剤12の燃焼により発生したガスは、少なくとも一度はフィルター材7を構成する金属板3の表面に衝突し、全く濾過(スラグ捕集)されることのないガスがガス放出孔15aから放出されるのを防止することができる。
フィルター材7の一端は、蓋部材16側からクッション材22によって閉塞され、他端はクッション材25によって閉塞されている。クッション材22、25としては、シリコン発泡体やセラミックファイバ等の成形物が好適である。尚、これらクッション材22、25は、フィルター材7端面からのガス流出の観点からは必ずしも必要なものではなく、前述したように、フィルター材7の端面に切削仕上げ加工を行うことによって、これらクッション材22、25を省略することも可能である。しかしながら、ハウジング11の摩擦圧接時における寸法変化と、ガス発生剤12の振動による粉化を考慮すると、係るクッション材22、25の配置は好ましいと言える。
次に、このガス発生器Xの作動について説明する。衝突センサ(図示しない)が車両の衝突を検知すると、その衝突検知信号によって、点火手段14の点火器10が点火されて伝火剤9を着火し、その火炎がキャップ部材21の孔21aからガス発生剤12に向けて噴出され、ガス発生剤12が着火し、高温高圧ガスが発生する。発生した高温高圧のガスはフィルター材7内に流入し、該フィルター材7を半径方向及び周方向に渡って通過して前記フィルター材7外周面と外筒材15内面との間の空間G内に流入する。さらにガス発生剤12の燃焼が進み、外筒材15内が所定圧力に達すると、各ガス放出孔15aを閉塞しているバーストプレート17が破裂し、空間Gで均一圧にされた清浄ガスが、各ガス放出孔15aからエアバッグ(図示しない)に放出され、エアバッグを急速に膨張展開させる。尚、ガスはフィルター材7内を流通する過程において、前述したように金属板3との衝突を繰り返しながら、次第に含有スラグ成分が除去され、さらにハウジング11の内周に衝突し、冷却されて各ガス放出孔15aからエアバッグ内に放出されることになる。
以上のように、本実施形態におけるガス発生器Xに用いられるフィルター材7は、上述した効果の他に、従来のフィルター材に比べて孔のムラがないから圧力損失にバラツキが少ないという効果も併せ持つ。従って、ガス発生器の特性制御において、圧力損失のバラツキの影響を考慮する必要が少なくなり、設計が容易となる効果も期待される。
尚、助手席用ガス発生器Xの構成としては、図2に示されているものに限定されず、例えばハウジング11内が仕切り部材によってガス発生剤12を収容するガス発生室とフィルター材7が装着されたフィルター室とに区画された構成、該フィルター室の左右両側に該ガス発生室が形成され、複数の点火手段14が設けられた構成なども採用できる。
<第3実施形態>
次に、図3は、図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7を用いた、本発明の第3実施形態に係るガス発生器Yの1例を示す断面図である。ガス発生器Yは、外筒材31aを具備する上容器31と、外筒材31aに対向する端部32aと、内筒材32bとを有する下容器32とを有するガス発生器用ハウジング30から構成される。このガス発生器用ハウジング30は、溶接部36において、外筒材31aと端部32aとを夫々溶接接合して形成される。内筒材32b内には点火手段35と着火薬39とが配置され、その外側室にはガス発生剤12とフィルター材7とリテーナリング41、42とスポンジ43、44とが配置され、上容器31の外筒材31aにはガス放出孔38が形成されている。なお、リテーナリング41、42は、それぞれ上容器31、下容器32の内側有底部に沿って設けられている。また、スポンジ43、44は、それぞれガス発生剤12を挟み込むようにリテーナリング41、42の内部側に沿って設けられている。
次に、図3は、図1に示す第1実施形態と同様の構成のフィルター材7を用いた、本発明の第3実施形態に係るガス発生器Yの1例を示す断面図である。ガス発生器Yは、外筒材31aを具備する上容器31と、外筒材31aに対向する端部32aと、内筒材32bとを有する下容器32とを有するガス発生器用ハウジング30から構成される。このガス発生器用ハウジング30は、溶接部36において、外筒材31aと端部32aとを夫々溶接接合して形成される。内筒材32b内には点火手段35と着火薬39とが配置され、その外側室にはガス発生剤12とフィルター材7とリテーナリング41、42とスポンジ43、44とが配置され、上容器31の外筒材31aにはガス放出孔38が形成されている。なお、リテーナリング41、42は、それぞれ上容器31、下容器32の内側有底部に沿って設けられている。また、スポンジ43、44は、それぞれガス発生剤12を挟み込むようにリテーナリング41、42の内部側に沿って設けられている。
本実施形態で用いられるフィルター材7も、前述の通り1枚の金属板3を複数回巻き回して成形された中空円筒体であり、金属板3の貫通孔1の周囲に形成される突出部2によって、フィルター材7の外周面とハウジング30の外筒材31a内周面との間には、空間Gが形成されている。また、フィルター材7は、ハウジング30の内周に周方向にわたって備えられ、ガス放出孔38をハウジング30の外側から径方向に投影すると、該投影部分とフィルター材7の貫通孔1以外の領域とが完全重複している。これにより、発生したガスのフィルター材7及びハウジング30内の流通過程において、含有スラグが除去されるとともに冷却されて、ガス放出孔38からエアバッグ内に放出されることになる。
内部をテフロン(登録商標)加工した60Lタンクにて、上記第3実施形態と同構成のガス発生器(金属製ハウジング使用)であって、フィルター材の(前記貫通孔の径)/(前記貫通孔の総数)の値を変化させたものについて、複数回ずつ、作動実験を行った。具体的には、以下のような実験を行った。上記60Lタンク内において、90℃でガス発生器を展開させた後、約2Lの純粋にて上記60Lタンク内を洗浄し、洗浄液を回収する。この回収した液のビーカーを120℃で約24時間かけて乾燥させる。乾燥後、ビーカー込みの前後の重量差にてスラグ量を算出する。
なお、それぞれのフィルター材は、以下の範囲にあるものを使用した。すなわち、厚さが0.20mm、貫通孔の径が0.7mm〜1.1mmのいずれか、貫通孔のピッチが1.7mm〜4.4mm(貫通孔の配列が縦横型又は千鳥型)のいずれか、貫通孔の数が20個/cm2〜35個/cm2のいずれかの範囲にある金属板を10回巻いて、内径45mm×外径60mm×高さ35mmの大きさのフィルター材とした。
また、本実施例のガス発生剤には、硝酸グアニジンを主原料とする混合物(硝酸グアニジン54.5部、硝酸ストロンチウム22.0部、塩基性硝酸銅21.5部、バインダ2.0部)からなる、径が6mm、高さが2.0mmの錠剤ペレットを使用した。
上述のような実験を行って得た結果を図4のグラフに示す。このグラフから、(貫通孔1の径(mm))/(1cm2あたりの貫通孔1の数)が、0.018〜0.055にあるフィルター材を用いたガス発生器から放出されるスラグ量が、0.018〜0.055の範囲外の値のフィルター材を用いたガス発生器より優れていることが確認できた。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記の実施形態や変形例、実施例に限定されるものではない。例えば、図1のフィルター材7の貫通孔1は、長手方向及び短手方向に規則的に配列されたものとなっているが、貫通孔が千鳥格子状に配列された金属板を用いたフィルター材としてもよい。また、図1では、3層のフィルター材7を示しているが、4層などでもよいが、5層以上であることがより好ましい。
1、51 貫通孔
2 突出部
3、53 金属板
3a、3b 金属板終始端部
4 フィルター材内側
5 フィルター材外側
6 空隙層
7 フィルター材
9 伝火剤
10 点火器
11、30 ハウジング
12 ガス発生剤
14、35 点火手段
15、31a 外筒材
15a ガス放出孔
16 蓋部材
32b 内筒材
36 溶接部
39 着火薬
43、44 スポンジ
X、Y ガス発生器
2 突出部
3、53 金属板
3a、3b 金属板終始端部
4 フィルター材内側
5 フィルター材外側
6 空隙層
7 フィルター材
9 伝火剤
10 点火器
11、30 ハウジング
12 ガス発生剤
14、35 点火手段
15、31a 外筒材
15a ガス放出孔
16 蓋部材
32b 内筒材
36 溶接部
39 着火薬
43、44 スポンジ
X、Y ガス発生器
Claims (5)
- 長手方向に対して傾斜方向に所定の間隔で形成された複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔のそれぞれの周囲に突出部とを有する金属板を、巻き回して中空円筒状に成形されているガス発生器用のフィルター材であって、
(前記貫通孔の径(mm))/(1cm2あたりの前記貫通孔の数)が、0.018〜0.055であることを特徴とするフィルター材。 - 前記貫通孔が、前記金属板1cm2あたりに20〜35個形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
- 前記貫通孔の径が、0.7mm〜1.1mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルター材。
- 前記金属板の厚さが、0.15mm〜0.25mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルター材。
- ガス放出孔を有するハウジングと、
前記ハウジング内に形成され、燃焼により高温ガスを発生するガス発生剤が装填されている燃焼室と、
点火薬を内包しており、前記ハウジング内に装着され、前記燃焼室内のガス発生剤を着火燃焼させるガス発生剤点火手段とを備えたガス発生器であって、
前記ハウジングの内周に周方向にわたって、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルター材をさらに備え、
前記ガス放出孔を前記ハウジングの外側から径方向に投影した際、該投影領域と前記フィルター材の前記貫通孔以外の部分のうちいずれかの領域とが完全に重なっていることを特徴とするガス発生器。
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---|---|---|---|
JP2007116419A JP2008273281A (ja) | 2007-04-26 | 2007-04-26 | フィルター材及びガス発生器 |
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- 2007-04-26 JP JP2007116419A patent/JP2008273281A/ja active Pending
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