WO1997039631A1

WO1997039631A1 - Composition pour detecter et attraper les mites et procede correspondant

Info

Publication number: WO1997039631A1
Application number: PCT/JP1997/001384
Authority: WO
Inventors: Hiroki Kamezaki; Tatsuya Kamezawa
Original assignee: Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha
Priority date: 1996-04-23
Filing date: 1997-04-22
Publication date: 1997-10-30
Also published as: EP0900526A1; CN1219105A; AU2577597A; CN1083692C; EP0900526A4

Description

明細書ダニ捕獲用および検知用組成物およびそれを用、たダニ捕獲方法および検知方法技術分野

本発明は、ダニ捕獲用およびダニ検知用組成物およびそれを用いてダニを捕獲する方法および検知する方法に関する。さらに詳しくは、 3—フエノキシベンジノレクリサンテマ一卜を含有する組成物を用いてダニを捕獲する方法および検知する方法に関する。背景技術

近年、住環境の気密化や生活様式の変化等の要因により、屋内塵性ダニ類の被害が顕在化している。特に、ヒヨウヒダニ類は、小児喘息やアトピー性皮廣炎の最重要ァレルゲンとして注目されている。これらのダニの防除方法については、屋内のフローリング、ソファーの除去、畳や絨毯の乾燥といった大規模なものや、比較的手軽に行える薬剤による防除が行われている。従来より使用されてきた薬剤としては、フェンチオン、フエニトロチオン、 D D V P、ペルメトリン、さらには本発明に用いられている 3—フヱノキンべンジルクリサンテマ一ト等が挙げられる。また、最近では高密度繊維を用いた防ダニ寝具等も普及している。しかしながら、これら防除手段の効果は、住環境のさまざまな要因に影響されるので、必ずしも保証されるわけではない。効果的にダニ防除を行うためには、ダニ防除を行った際その効果を確認する手段、あるいはダニ防除を行う際に防除の必要性や重点的に防除すべき場所を判断する手段が必要である。しかし、ダニ自体の体長が極めて小さいために、通常、ダニの生息の有無を知ることは難しい。従来、屋内に生息するダニの存否または密度の検知には、屋内塵中のダニ残留物と芳香族ジァゾ化合物との呈色反応を用いる方法（特開昭 6 0— 1 3 5 8 4 4号）、ダニの体液と反応して発色する化合物を用いる方法（特公平 6— 8 3 6 2 4号） - モノクローナル抗体を利用する方法（特開平 5— 2 0 7 8 9 2号）等が知られている。しかしながら、これらの方法は、ダニの死骸にも反応したり、ダニ以外の生物にも反応したり、特殊な機器類を必要としたり、操作が繁雑であったりといつた問題点を有しており、ダニの生体のみに特異的に反応する簡便かつ確実な方法は存在しなかった。発明の開示

そこで本発明者らは、簡便かつ確実に生きたダニを捕獲する方法およびそれを用いてダニを検知する方法について鋭意研究を重ねた結果、屋内のダニの生息環境を 3—フエノキシベンジルクリサンテマートを含有する組成物で処理することにより、ダニを確実かつ速やかに表面に這いださせることができることを見いだした。さらに、それにより簡便かつ確実に生きたダニを捕獲、検知できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、 3—フヱノキンべンジルクリサンテマートを有効成分として含有することを特徴とするダニ捕獲用および検知用組成物を提供するものである。さらに本発明は、屋内のダニの生息環境を 3—フエノキシベンジルクリサンテマートを含有する組成物で処理し、表面に移動したダニをトラップすることを特徴とするダニ捕獲方法およびそのようにしてダニを捕獲し、ダニの存否および密度を確認することを特徴とするダニ検知方法を提供するものである。なお、前述のように、本発明で用いる 3—フヱノキシベンジルクリサンテマ一トはダニ防除剤の有効成分としては知られているものであるが、それはダニの致死効果、増殖抑制効果または忌避効果を利用したものであり、本発明のごとく生きたダニの捕獲を目的としたものではない。生きたダニを捕獲するために表面にダニを這いださせる効果については、後記実施例で確認したように、本発明で用いる 3—フヱノキシベンジルクリサンテマー卜が他のダニ防除剤よりも著しく優れており、 3—フヱノキシベンジルクリサンテマートに特異的な効果である。

本発明によって奏されるダニの這いだし効果とは、ダニの忌避効果とは全く異なる効果である。すなわち、忌避効果はダニが畳、カーぺット、蒲団等のダニの生育環境の、薬剤で処理した部分を避けるか、あるいは当該部分から遠ざかる行動であるのに対して、本発明の這いだし効果はダニが畳、カーぺット、蒲団等のダニの生育環境の、薬剤で処理した部分の表面に這いだす行動である。また、従来のダニ防除剤が有する増殖抑制効果は、ダニ防除剤の処理後数日から数週間の後に現れる効果であるが、本発明の這いだし効果は、以下の表 1に示すように、処理後数分で現れる効果である。発明を実施するための最良の形態

本発明の組成物を実際にダニ捕獲のために処理するにあたっては、有効成分である 3—フヱノキシベンジルクリサンテマー卜を他に何らかの成分を加えずにそのまま散布してもよいが、一般の薬剤に用いられている固体、液体、ガス状の各種担体および製剤用補助剤、餌等と適宜混合して、油剤、乳剤、粉剤、粒剤、水和剤、エアゾール剤、シート剤等に製造して用いてもよい。なお、 3—フヱノキシベンジルクリサンテマートには複数の異性体が存在するが、このいずれの異性体およびこれらの異性体の任意の混合物も本発明に含まれる。

表面に這いだしたダニをトラップするには、吸引トラップ、抜き取りトラップ、粘着トラップ、その他公知のトラップ技術を用いることができるが、その後ダニの存否および密度を検知することを考えると、粘着性を有する物質を用いることが望ましい。

また、本発明の組成物と粘着性を有する基材をあらかじめ組み合わせたり、本発明の組成物中にあらかじめ粘着性を有する物質を含有させておくことにより、表面に這いださせたダニを同時に捕獲することもできる。その場合、例えば 3 _ フヱノキシベンジルクリサンテマー卜と粘着性を有する物質を基材上に処理することにより粘着層を形成し、シート、紙、フィルム等を製してもよいし、本発明の組成物を使用時に基材にスプレーまたは塗布してダニ捕獲に用いてもよい。なお、本発明において粘着性を有する物質は特に限定されるものではなく、ダニが付着、捕獲されるものであればいずれも使用できる。

さらに、本発明の組成物と各種誘引剤、殺ダニ剤、殺虫剤、香料等を混合して使用することにより、より広範な効果を期待することができる。

本発明において実際にダニを検知するにあたっては、本発明の組成物を用いてダニを捕獲した後に、例えばルーペ、顕微鏡等を用いて観察することにより、簡便かつ確実にダニの存否および密度を確認することができる。また、呈色反応等、公知のダニ検知方法と組み合わせて検知を行ってもよい。

本発明の方法を用いて捕獲および検知できるダニは、屋内塵性ダニすべてであり、例えば、コナヒヨウヒダニ、ャケヒヨウヒダニ、ケナガコナダニ、クヮガタッメダニ、ミナミッメダニ等に対して卓効を示す。

また、本発明の方法は、カーペット、ソファー、各種マツ卜等、屋内のダニの生息環境ならどこでも用いることができる。実施例

以下に試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。

試験例 1

(方法）

1 0 1 6 c mに裁断したナイ口ン製カーぺッ卜に 1 0 0 0頭のコナヒヨウヒダニを培地 1 _gとともに入れ、 1週間後に、 3—フヱノキシベンジル（土）一シス一トランス一クリサンテマート 0. 3 5 %含有させたタルクを有効成分量として 7 0 m g Zm² となるように均一に散布した。処理後、経過時間に伴うカーぺット表面へのダニ這いだし数を計測し、処理前と比較した。ダニ這いだし数の計測には実体顕微鏡を用い、 1 0倍の視野で、カーペット表面に 1分間に観察される生ダニ数を所定の経過時間から連続的に 3回計測してその平均値を算出した。試験は 2連制で行った。なお、対照として、 3—フヱノキシベンジル（1 R S , 3 R S ； 1 R S , 3 S R ) — 3 _ ( 2 , 2—ジクロロビニル）一 2 , 2—ジメチルシクロプロパンカルボキシレート（ペルメトリン）、（R S ) — 2—メチル一4 一ォキソ一 3—プロプ一 2—ィニルシクロペントー 2—ェニル（土）一シスートランス一クリサンテマート（プラレスリン）、 5—べンジルー 3—フリルメチル ( _{+ )} — トランス一クリサンテマート（バイオレスメトリン）、 3. 4, 5, 6 —テトラヒドロフタルイミドメチル（+ ) —シス— トランスークリサンテマート

(d—テトラメスリン）および（RS) — 3—ァリル一 2—メチル一4一ォキソシクロペントー 2—ェニル（+ ) — トランス一クリサンテマ— 卜（バイオアレスリン）を用いて同様に試験に供した。結果を表 1に示す。

(結果）

カーべット表面へのダニ這いだし数（頭）処理後経過時間（分）

irn is則 1 5 30 60 1 2 0 本発明 1回目平均 15.3 99.7 87.7 66.7 50.3 日 5t物 ιο 7 0U.1 ΙΑ. ύ 51.3 42.3 対照組 1回目平均 5.0 10.0 10.3 15.3 9.3 成物 1 2回目平均 11.0 11.0 9.7 16.3 26.0 対照組 1回目平均 10.3 17.7 10.3 9.3 10.3 成物 2 2回目平均 13.0 34.7 25.7 17.3 14.7 対照組 1回目平均 9.7 28.0 29.7 23.0 21.3 成物 3 2回目平均 7.0 24.3 18.3 19.7 15.3 対照組 1回目平均 11.3 32.0 24.0 32.7 21. Ί 成物 4 2回目平均 6.3 41.7 25.3 29.3 41.0 対照組 1回目平均 18.3 44.0 40.3 18.0 14.3 成物 5 2回目平均 18.0 45.0 27.3 14.3 23.7 (注）

1. 本発明組成物は、 3—フエノキシベンジル（土）一シス一トランスークリサンテマートを 0. 35%含有する。

2. 対照組成物 1は、 3—フヱノキンべンジル（1RS. 3RS ； 1RS, 3 SR) -3- (2, 2—ジクロロビニル）一 2, 2—ジメチルシクロプロパン力ルポキシレート（ペルメトリン）を 0. 35%含有する。

3. 対照組成物 2は、（RS) — 2—メチル—4一ォキソ—3—プロプ— 2— ィニルシクロペント一 2—ェニル（土）一シス一トランス一クリサンテマー卜

(ブラレスリン）を 0. 35%含有する。

4. 対照組成物 3は、 5—ベンジル一 3—フリルメチル（ + ) — トランスークリサンテマート（バイオレスメトリン）を 0. 35%含有する。

5. 対照組成物 4は、 3, 4, 5. 6—テトラヒドロフタルイミドメチル（+ ) 一シス一トランス一クリサンテマート（d—テトラメスリン）を 0. 35%含有する。

6. 対照組成物 5は、（RS) — 3—ァリルー 2—メチルー 4—ォキソシクロペント一 2—ェニル（+ ) — トランスークリサンテマート（バイオアレスリン）を 0. 35%含有する。

(考察）

表 1から明らかなように、本発明組成物をカーぺットに処理した場合、対照組成物と比較して、ダニを速やかにかつ確実にカーぺット表面に這いださせることができた。一般に、本発明組成物の有効成分と対照組成物の有効成分のダニ防除効果はそれほど差がないことが知られているが、カーぺッ卜の表面に這いださせる効果の差は顕著である。ダニ防除効果と、ダニを力一ぺッ卜の表面に這いださせる効果は、必ずしも関係しないといえる。よって、本発明の組成物は、ダニ捕獲用として有用であるといえる。

試験例 2

(方法） 6 x 6 cm (4角を l cmカツト、面積 34 cm² ) に裁断したナイ口ン製カーぺッ卜に 100頭のコナヒヨウヒダニを培地 l O Omgとともに入れ、直径 9 cmのガラス製シャーレの静置した。シャーレ周縁部には、カーペット外へのダ二の逃亡を評価するために、粘着剤タングルフット（商品名：フジタングル、富士薬品工業株製）を帯状に塗布した。カーぺッ卜と同じ大きさの粘着シートに、

3—フエノキシベンジル（土）一シス一トランス一クリサンテマートを 0. 35 %含有させたタルクを有効成分量として 7 Omg/m²となるように粘着シー卜の粘着層の表面に均一に散布し、それをダニ接種 3曰後にカーぺット表面に貼付した。 20時間静置後、粘着シート上に付着した個体数（シート付着個体数）を実体顕微鏡を用いて数えた。また、カーぺット表面の個体数（表面個体数）と粘着剤タングルフット中の個体数（逃亡個体数）も数え、処理の前後で比較した。なお、対照として、有効成分を含有しないタルクを処理した粘着シートを用いて同様に試験に供した。結果を表 2に示す。

(結果）

表 2 カーぺット表面、逃亡およびシート付着ダニ個体数（頭）処理前処理後

1回目

本表面個体数 1 8 5 逃亡個体数 0 1 2 明シート付着個体数 4 2 組

成 2回目

物表面個体数 4 0 逃亡個体数 0 2 0 シート付着個体数 4 6

1回目

表面個体数 8 7 対逃亡個体数 0 2 照シート付着個体数 9 組

成 2回目

物表面個体数 7 0 逃亡個体数 0 0 シート付着個体数 2 4 (注）

1 . 本発明組成物は、有効成分として 3—フエノキシベンジル（土）一シス一トランス一クリサンテマ一卜を 0. 3 5 %含有する。

2. 対照組成物は、上記有効成分を含有しない。

(考察）

表 2の「シート付着個体数」から明らかなように、本発明組成物を処理した場合、対照組成物と比較して、ダニを効率的に捕獲することができた。また、簡便にダニの存否および密度の検知をすることができた。よって、本発明の組成物は、ダニ捕獲用およびダニ検知用として有用であるといえる。産業上の利用の可能性

以上述べたとおり、本発明の組成物および方法を用いると、簡便かつ確実にダ二を捕獲、検知することができる。この技術は、ダニ防除やダニ密度の低減化にも役立ち、非常に有用であるということができる。

Claims

請求の範囲

1 . 3—フヱノキシベンジルクリサンテマートを有効成分として含有することを特徴とするダニ捕獲用組成物。

2. 粘着性を有する物質を含有することを特徴とする請求項 1に記載のダニ捕獲用組成物。

3. 屋内のダニの生息環境を請求項 1に記載のダニ捕獲用組成物で処理し、表面に移動したダニをトラップすることを特徴とするダニ捕獲方法。

4. 屋内のダニの生息環境を請求項 2に記載のダニ捕獲用組成物で処理し、表面に移動したダニをトラップすることを特徴とするダニ捕獲方法。

5. 3—フヱノキシベンジルクリサンテマートを有効成分として含有することを特徴とするダニ検知用組成物。

6. 粘着性を有する物質を含有することを特徴とする請求項 5に記載のダニ検知用組成物。

7. 請求項 3に記載の方法を用いてダニを捕獲し、ダニの存否および密度を確認することを特徴とするダニ検知方法。

8. 請求項 4に記載の方法を用いてダニを捕獲し、ダニの存否および密度を確認することを特徴とするダニ検知方法。