JPH1036208A - ダニ捕獲用および検知用組成物並びにそれを用いたダニ捕獲方法および検知方法 - Google Patents
ダニ捕獲用および検知用組成物並びにそれを用いたダニ捕獲方法および検知方法Info
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Abstract
法を提供すること。 【解決手段】 3−フェノキシベンジル クリサンテマ
ートを含有することを特徴とするダニ捕獲用および検知
用組成物を用いる。
Description
ダニ検知用組成物およびそれを用いてダニを捕獲する方
法および検知する方法に関する。さらに詳しくは、3−
フェノキシベンジル クリサンテマートを含有する組成
物を用いてダニを捕獲する方法および検知する方法に関
する。
環境の気密化や生活様式の変化等の要因により、屋内塵
性ダニ類の被害が顕在化している。特に、ヒョウヒダニ
類は、小児喘息やアトピー性皮膚炎の最重要アレルゲン
として注目されている。これらのダニの防除方法につい
ては、屋内のフローリング、ソファーの除去、畳や絨毯
の乾燥といった大規模なものや、比較的手軽に行える薬
剤による防除が行われている。従来より使用されてきた
薬剤としては、フェンチオン、フェニトロチオン、DD
VP、ペルメトリン、さらには本発明に用いられている
3−フェノキシベンジル クリサンテマート等が挙げら
れる。また、最近では高密度繊維を用いた防ダニ寝具等
も普及している。しかしながら、これら防除手段の効果
は、住環境のさまざまな要因に影響されるので、必ずし
も保証されるわけではない。効果的にダニ防除を行うた
めには、ダニ防除を行った際その効果を確認する手段、
あるいはダニ防除を行う際に防除の必要性や重点的に防
除すべき場所を判断する手段が必要である。しかし、ダ
ニ自体の体長が極めて小さいために、通常、ダニの生息
の有無を知ることは難しい。従来、屋内に生息するダニ
の存否または密度の検知には、屋内塵中のダニ残留物と
芳香族ジアゾ化合物との呈色反応を用いる方法(特開昭
60−135844号)、ダニの体液と反応して発色す
る化合物を用いる方法(特公平6−83624号)、モ
ノクローナル抗体を利用する方法(特開平5−2078
92号)等が知られている。しかしながら、これらの方
法は、ダニの死骸にも反応したり、ダニ以外の生物にも
反応したり、特殊な機器類を必要としたり、操作が繁雑
であったりといった問題点を有しており、ダニの生体の
みに特異的に反応する簡便かつ確実な方法は存在しなか
った。
便かつ確実に生きたダニを捕獲する方法およびそれを用
いてダニを検知する方法について鋭意研究を重ねた結
果、屋内のダニの生息環境を3−フェノキシベンジル
クリサンテマートを含有する組成物で処理することによ
り、ダニを確実かつ速やかに表面に這いださせることが
できることを見いだした。さらに、それにより簡便かつ
確実に生きたダニを捕獲、検知できることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
ジル クリサンテマートを有効成分として含有すること
を特徴とするダニ捕獲用および検知用組成物を提供する
ものである。さらに本発明は、屋内のダニの生息環境を
3−フェノキシベンジル クリサンテマートを含有する
組成物で処理し、表面に移動したダニをトラップするこ
とを特徴とするダニ捕獲方法およびそのようにしてダニ
を捕獲し、ダニの存否および密度を確認することを特徴
とするダニ検知方法を提供するものである。
フェノキシベンジル クリサンテマートはダニ防除剤の
有効成分としては知られているものであるが、それはダ
ニの致死効果、増殖抑制効果または忌避効果を利用した
ものであり、本発明のごとく生きたダニの捕獲を目的と
したものではない。生きたダニを捕獲するために表面に
ダニを這いださせる効果については、後記実施例で確認
したように、本発明で用いる3−フェノキシベンジル
クリサンテマートが他のダニ防除剤よりも著しく優れて
おり、3−フェノキシベンジル クリサンテマートに特
異的な効果である。本発明によって奏されるダニの這い
だし効果とは、ダニの忌避効果とは全く異なる効果であ
る。すなわち、忌避効果はダニが畳、カーペット、蒲団
等のダニの生育環境の、薬剤で処理した部分を避ける
か、あるいは当該部分から遠ざかる行動であるのに対し
て、本発明の這いだし効果はダニが畳、カーペット、蒲
団等のダニの生育環境の、薬剤で処理した部分の表面に
這いだす行動である。また、従来のダニ防除剤が有する
増殖抑制効果は、ダニ防除剤の処理後数日から数週間の
後に現れる効果であるが、本発明の這いだし効果は、以
下の表1に示すように、処理後数分で現れる効果であ
る。
のために処理するにあたっては、有効成分である3−フ
ェノキシベンジル クリサンテマートを他に何らかの成
分を加えずにそのまま散布してもよいが、一般の薬剤に
用いられている固体、液体、ガス状の各種担体および製
剤用補助剤、餌等と適宜混合して、油剤、乳剤、粉剤、
粒剤、水和剤、エアゾール剤、シート剤等に製造して用
いてもよい。なお、3−フェノキシベンジル クリサン
テマートには複数の異性体が存在するが、このいずれの
異性体およびこれらの異性体の任意の混合物も本発明に
含まれる。
は、吸引トラップ、抜き取りトラップ、粘着トラップ、
その他公知のトラップ技術を用いることができるが、そ
の後ダニの存否および密度を検知することを考えると、
粘着性を有する物質を用いることが望ましい。
材をあらかじめ組み合わせたり、本発明の組成物中にあ
らかじめ粘着性を有する物質を含有させておくことによ
り、表面に這いださせたダニを同時に捕獲することもで
きる。その場合、例えば3−フェノキシベンジル クリ
サンテマートと粘着性を有する物質を基材上に処理する
ことにより粘着層を形成し、シート、紙、フィルム等を
製してもよいし、本発明の組成物を使用時に基材にスプ
レーまたは塗布してダニ捕獲に用いてもよい。なお、本
発明において粘着性を有する物質は特に限定されるもの
ではなく、ダニが付着、捕獲されるものであればいずれ
も使用できる。
ダニ剤、殺虫剤、香料等を混合して使用することによ
り、より広範な効果を期待することができる。
たっては、本発明の組成物を用いてダニを捕獲した後
に、例えばルーペ、顕微鏡等を用いて観察することによ
り、簡便かつ確実にダニの存否および密度を確認するこ
とができる。また、呈色反応等、公知のダニ検知方法と
組み合わせて検知を行ってもよい。
るダニは、屋内塵性ダニすべてであり、例えば、コナヒ
ョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニ、クワ
ガタツメダニ、ミナミツメダニ等に対して卓効を示す。
ァー、各種マット等、屋内のダニの生息環境ならどこで
も用いることができる。
説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定さ
れるものではない。
トに1000頭のコナヒョウヒダニを培地1gとともに
入れ、1週間後に、3−フェノキシベンジル(±)−シ
ス−トランス−クリサンテマート0.35%含有させた
タルクを有効成分量として70mg/m2となるように
均一に散布した。処理後、経過時間に伴うカーペット表
面へのダニ這いだし数を計測し、処理前と比較した。ダ
ニ這いだし数の計測には実体顕微鏡を用い、10倍の視
野で、カーペット表面に1分間に観察される生ダニ数を
所定の経過時間から連続的に3回計測してその平均値を
算出した。試験は2連制で行った。なお、対照として、
3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3
SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレート(ペルメトリ
ン)、(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−プロプ
−2−イニルシクロペント−2−エニル(±)−シス−
トランス−クリサンテマート(プラレスリン)、5−ベ
ンジル−3−フリルメチル(+)−トランス−クリサン
テマート(バイオレスメトリン)、3,4,5,6−テ
トラヒドロフタルイミドメチル(+)−シス−トランス
−クリサンテマート(d−テトラメスリン)および(R
S)−3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペン
ト−2−エニル(+)−トランス−クリサンテマート
(バイオアレスリン)を用いて同様に試験に供した。結
果を表1に示す。
シス−トランス−クリサンテマートを0.35%含有す
る。 2.対照組成物1は、3−フェノキシベンジル(1R
S,3RS;1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロ
ロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(ペルメトリン)を0.35%含有する。 3.対照組成物2は、(RS)−2−メチル−4−オキ
ソ−3−プロプ−2−イニルシクロペント−2−エニル
(±)−シス−トランス−クリサンテマート(プラレス
リン)を0.35%含有する。 4.対照組成物3は、5−ベンジル−3−フリルメチル
(+)−トランス−クリサンテマート(バイオレスメト
リン)を0.35%含有する。 5.対照組成物4は、3,4,5,6−テトラヒドロフ
タルイミドメチル(+)−シス−トランス−クリサンテ
マート(d−テトラメスリン)を0.35%含有する。 6.対照組成物5は、(RS)−3−アリル−2−メチ
ル−4−オキソシクロペント−2−エニル(+)−トラ
ンス−クリサンテマート(バイオアレスリン)を0.3
5%含有する。
組成物をカーペットに処理した場合、対照組成物と比較
して、ダニを速やかにかつ確実にカーペット表面に這い
ださせることができた。一般に、本発明組成物の有効成
分と対照組成物の有効成分のダニ防除効果はそれほど差
がないことが知られているが、カーペットの表面に這い
ださせる効果の差は顕著である。ダニ防除効果と、ダニ
をカーペットの表面に這いださせる効果は、必ずしも関
係しないといえる。よって、本発明の組成物は、ダニ捕
獲用として有用であるといえる。
m2)に裁断したナイロン製カーペットに100頭のコ
ナヒョウヒダニを培地100mgとともに入れ、直径9
cmのガラス製シャーレの静置した。シャーレ周縁部に
は、カーペット外へのダニの逃亡を評価するために、粘
着剤タングルフット(商品名:フジタングル、富士薬品
工業株製)を帯状に塗布した。カーペットと同じ大きさ
の粘着シートに、3−フェノキシベンジル(±)−シス
−トランス−クリサンテマートを0.35%含有させた
タルクを有効成分量として70mg/m2となるように
粘着シートの粘着層の表面に均一に散布し、それをダニ
接種3日後にカーペット表面に貼付した。20時間静置
後、粘着シート上に付着した個体数(シート付着個体
数)を実体顕微鏡を用いて数えた。また、カーペット表
面の個体数(表面個体数)と粘着剤タングルフット中の
個体数(逃亡個体数)も数え、処理の前後で比較した。
なお、対照として、有効成分を含有しないタルクを処理
した粘着シートを用いて同様に試験に供した。結果を表
2に示す。
ンジル(±)−シス−トランス−クリサンテマートを
0.35%含有する。 2.対照組成物は、上記有効成分を含有しない。
明らかなように、本発明組成物を処理した場合、対照組
成物と比較して、ダニを効率的に捕獲することができ
た。また、簡便にダニの存否および密度の検知をするこ
とができた。よって、本発明の組成物は、ダニ捕獲用お
よびダニ検知用として有用であるといえる。
び方法を用いると、簡便かつ確実にダニを捕獲、検知す
ることができる。この技術は、ダニ防除やダニ密度の低
減化にも役立ち、非常に有用であるということができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】3−フェノキシベンジル クリサンテマー
トを有効成分として含有することを特徴とするダニ捕獲
用組成物。 - 【請求項2】粘着性を有する物質を含有することを特徴
とする請求項1に記載のダニ捕獲用組成物。 - 【請求項3】屋内のダニの生育環境を請求項1に記載の
ダニ捕獲用組成物で処理し、表面に移動したダニをトラ
ップすることを特徴とするダニ捕獲方法。 - 【請求項4】屋内のダニの生育環境を請求項2に記載の
ダニ捕獲用組成物で処理し、表面に移動したダニをトラ
ップすることを特徴とするダニ捕獲方法。 - 【請求項5】3−フェノキシベンジル クリサンテマー
トを有効成分として含有することを特徴とするダニ検知
用組成物。 - 【請求項6】粘着性を有する物質を含有することを特徴
とする請求項5に記載のダニ検知用組成物。 - 【請求項7】請求項3に記載の方法を用いてダニを捕獲
し、ダニの存否および密度を確認することを特徴とする
ダニ検知方法。 - 【請求項8】請求項4に記載の方法を用いてダニを捕獲
し、ダニの存否および密度を確認することを特徴とする
ダニ検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9104970A JPH1036208A (ja) | 1996-04-23 | 1997-04-22 | ダニ捕獲用および検知用組成物並びにそれを用いたダニ捕獲方法および検知方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13739396 | 1996-04-23 | ||
JP8-137393 | 1996-04-23 | ||
JP9104970A JPH1036208A (ja) | 1996-04-23 | 1997-04-22 | ダニ捕獲用および検知用組成物並びにそれを用いたダニ捕獲方法および検知方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036208A true JPH1036208A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=26445325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9104970A Pending JPH1036208A (ja) | 1996-04-23 | 1997-04-22 | ダニ捕獲用および検知用組成物並びにそれを用いたダニ捕獲方法および検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036208A (ja) |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP9104970A patent/JPH1036208A/ja active Pending
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040518 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040922 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20041224 |
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