JPH07316003A - 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤 - Google Patents

繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤

Info

Publication number
JPH07316003A
JPH07316003A JP6134872A JP13487294A JPH07316003A JP H07316003 A JPH07316003 A JP H07316003A JP 6134872 A JP6134872 A JP 6134872A JP 13487294 A JP13487294 A JP 13487294A JP H07316003 A JPH07316003 A JP H07316003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
repellent
sucking
repelling
vermin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6134872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3483302B2 (ja
Inventor
Ryuzo Fujita
竜三 藤田
Masafumi Tsuruoka
理文 鶴岡
Mitsuru Yokota
充 横田
Tomoaki Hario
智明 針生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Daiwa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Chemical Industries Ltd filed Critical Daiwa Chemical Industries Ltd
Priority to JP13487294A priority Critical patent/JP3483302B2/ja
Publication of JPH07316003A publication Critical patent/JPH07316003A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3483302B2 publication Critical patent/JP3483302B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸血害虫による被害が少なくなるように、天
然および合成繊維製品に処理し、処理された吸血害虫忌
避剤が洗濯に耐え、その効力を長期間持続できる繊維製
品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤を提供する。 【構成】 吸血害虫忌避剤としてN,N−ジエチル−m
−トルアミドおよび/またはピレスロイド系化合物を用
い、これにカチオン活性剤および/または両性活性剤を
併用した繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然および合成繊維に
処理した後も、吸血害虫忌避剤成分が耐洗濯性を有する
と共に、吸血害虫忌避効果が長期間持続できるようにし
た繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤に関する。さら
に詳しくは、吸血害虫忌避剤成分としてN,N−ジエチ
ル−m−トルアミドおよび/またはピレスロイド系化合
物を用い、これにカチオン活性剤および/または両性活
性剤を併用することにより、吸血害虫忌避剤成分が繊維
の深部まで浸透固着するようになるので、洗濯によって
も吸血害虫忌避剤成分の脱落が抑制され、耐洗濯性を有
し、吸血害虫忌避効果が長期間持続でき、さらには、ナ
イロンパンティストッキングのような薄い繊維製品にも
充分対応できる繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤が
提供される。
【0002】
【従来の技術】人体の皮膚の露出部から直接刺咬によっ
て吸血する蚊、ブユ、ヌカカ、アブなどの害虫による被
害を防止するために、直接皮膚に塗布する薬剤としてジ
メチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタ
レートなどが用いられていたが、近年はN,N−ジエチ
ル−m−トルアミドが吸血害虫の忌避剤として、さらに
優れた効力を有することが分かり、広く一般に用いられ
るようになった。
【0003】しかし、この使用方法は、これらの忌避剤
を露出した皮膚に直接塗布するのが一般的である。その
ため忌避剤のべとつきによる皮膚への違和感や、使用し
た忌避剤の皮膚から体内に吸収されることが懸念される
ほか、忌避剤の沸点が比較的低いので、有効時間が数時
間と非常に短かく、一つの作業で何回も塗布しなければ
ならないという大きな欠点があった。また、繊維製品に
加工する方法も、樹脂バインダーなどによって固着させ
る方法では、一般衣類には良いとしても、パンティスト
ッキングのように薄いものでは、柔軟性が損なわれるほ
か、充分な耐洗濯性が得られず、その改善が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吸血害虫によって媒介
される疾病は、世界的にも非常に多く見られる。この被
害を及ぼす吸血害虫の代表格である蚊の発生する条件下
にある地域は、赤道に近い未開拓地に多く見られる。そ
の分布は、わが国をはじめ、東南アジア、インド洋の島
々から、ニューギニア、オーストラリア、南太平洋、中
国、アフリカ、米国、ブラジルにまで分布が広がってい
る。このようなことから米国においても莫大な費用を費
やして、その対策を行なっている。吸血害虫のうちで
も、特に蚊によって媒介される伝染病罹患者数が最も多
い。例えば、マラリアなどは、現在でも東南アジア方面
に旅行や出張で行った人が、感染して持ち帰っているこ
とが推定されている。その他、黄熱病、デング熱、各種
脳炎、フィラリア病などで、なお多数の人達が苦しんで
いる状態である。
【0005】わが国における一般的な吸血害虫は、屋内
においては、蚊、ダニ、ノミ、南京虫などである。一
方、屋外ではブユ、ヤブカ、ヌカカ、アブ、サシバエな
どである。これらの害虫も都会では環境の著しい改善の
結果、少なくなっているが、都会地近郊および農村にお
いては未だ多い。吸血害虫による被害としては、刺咬傷
からの伝染性疾病、不快感、皮膚炎、昆虫アレルギー、
不眠症などである。
【0006】蚊の種類は、イエカのグループは、アカイ
エカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカである。ヤブ
カのグループは、ヤブカの代表種であるヒトスジシマカ
をはじめ、その他、ヤマトヤブカ、トウゴウヤブカ、キ
ンイロヤブカ、セスジヤブカなどである。ハマダラカの
グループは、シナハマダラカ、コガタハマダラカなどが
主な種類である。蚊が人に近寄ってくるのは、呼吸で吐
き出される炭酸ガスによる感知のほか、皮膚から発生す
る乳酸、カプロン酸のような低級脂肪酸の臭気によって
誘引されることによるものと推定される。
【0007】一方、ブユは都会地に居住するものには馴
染みの薄い吸血害虫であるが、ゴルフ、魚釣り、ハイキ
ングなどで都会を離れたときに被害を受けることが多
い。ブユには山間地帯で夕刻によく襲われる。それも、
だいたい下肢部分に被害が集中する。そのようなことか
ら、女性が被害を受けやすいように思われる。ブユに吸
血されると、その痒さに耐えられず掻き傷ができるほど
である。ブユの種類も多いが、特に攻撃的な種類は、ア
オキツメトゲブユ、ヒメアシマダラブユ、ニッポンヤマ
ブユ、オオブユなどである。
【0008】本発明は、上記のような吸血害虫による被
害が少なくなるように、天然および合成繊維製品に処理
し、処理された吸血害虫忌避剤が洗濯に耐え、その効力
を長期間持続できる繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避
剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため検討を進めた結果、吸血害虫忌避剤成分
としてN,N−ジエチル−m−トルアミドおよび/また
はピレスロイド系化合物を用い、これにカチオン活性剤
および/または両性活性剤を併用することにより、耐洗
濯性を有し、効力を長期間持続できる繊維製品用の耐洗
濯性吸血害虫忌避剤が得られることを知り、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、吸血害虫忌避剤
成分としてN,N−ジエチル−m−トルアミドおよび/
またはピレスロイド系化合物を用い、これにカチオン活
性剤および/または両性活性剤を併用してなることを特
徴とする繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤である。
【0010】本発明の繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌
避剤は、従来から行われていたように、皮膚の露出部に
塗布して使用するものではなく、着用する衣類や肌着、
ソックス、手袋、パンティストッキング等の繊維製品に
処理して、イエカ、ヤブカ、ブユ、サシバエ、ヌカカそ
の他の吸血害虫を忌避するものである。
【0011】本発明の吸血害虫忌避剤は、天然繊維製
品、合成繊維製品、あるいはそれらの混紡品に処理する
ものであるが、その効果は、従来のように数時間で効果
が消滅するものではなく、長時間その効力が持続できる
ものである。また、パンティストッキングのようなナイ
ロン製の薄い素材に対しても、風合を損なうことなく数
回あるいはそれ以上の洗濯にも充分耐えうる優れた耐洗
濯性吸血害虫忌避剤である。本発明に使用する忌避剤成
分は、特開平5−92905に開示されているN,N−
ジエチル−m−トルアミド、およびすでに広く使用され
ているピレスロイド系化合物で、両者をそれぞれ単独あ
るいは併用して用い、この際、ピレスロイド系化合物は
1種または2種以上が用いられる。
【0012】ピレスロイド系化合物としては、3−フェ
ノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2
−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
−1−カルボキシラート(一般名、ペルメトリン)、2
−ジメチル−3−(2−メチルプロペニル)シクロプロ
パンカルボン酸(3−フェノキシフェニル)メチルエス
テル(一般名、フェノトリン)、(5−ベンジル−3−
フリル)メチルdl−シス/トランス−クリサンテマー
ト(一般名、レスメトリン)、5−ベンジル−3−フリ
ルメチル−dl−シス/トランス−クリサンテマート
(一般名、クリスロンホルテ)などを使用することがで
きる。
【0013】また、ピレスロイド系化合物に対して特に
効力を増強させる協力剤を併用するのも有利である。協
力剤は、それ自身は殺虫剤としての効力を持たないか、
あっても、その目的には使用されない化合物である。し
かし、ピレスロイド系化合物に配合するときは、殺虫効
力、速効性および化学的安定性などを増大させる効果の
ある化合物である。
【0014】ピレスロイド系殺虫剤の協力剤としては、
オクタクロロ−ジプロピルエーテル(S−421)、ピ
ペロニールブトキサイド、1−メチル−2−(3,4−
メチレン−ジオキシフェニル)エチル−オクチルスルホ
キシド、ピペロニールシクロヘキサノン、N−(2−エ
チルヘキシル)ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテ
ン−2,3−ジカルボキシイミドなどがあるが、これら
を併用すると、防虫および忌避効力が増強され好まし
い。特にS−421は、ピレスロイド系化合物に対して
効力を増強する低毒性の協力剤である。本発明において
は、上記の吸血害虫忌避剤にカチオン活性剤および/ま
たは両性活性剤を併用するのであるが、これにより、繊
維製品に処理した際、吸血害虫忌避剤成分が繊維の内部
にまで良く浸透固着されるために、耐洗濯性が著しく向
上し、吸血害虫忌避効力が長期間持続できる。
【0015】カチオン活性剤としては、ジシアンジアミ
ド・塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウム・アンモ
ニア・ホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミド・
塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウム・尿素・ホル
ムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレン
トリアミン・ホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジア
ミド・ポリアルキレンポリアミン・ホルムアルデヒド重
縮合物、エピクロルヒドリン・アルキルアミン(アルキ
ルははメチルまたはエチルでモノ、ジ、トリの単独また
は混合物)・アンモニア付加重合物をはじめ、ジメチル
ジアリルアンモニウムクロライド・SO2 共重合物、ジ
アリルアミン・SO2 共重合物、ジメチルジアリルアン
モニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物ジ
アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩重合
物、メチルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリ
レート4級塩重合物などがある。
【0016】また、カチオン界面活性剤としては、次の
ようなものが好ましい。アルキル・トリメチル(または
エチル)・アンモニウムハライド、オクタデシル・ベン
ジル・ジメチル・アンモニウムハライド、メチル・ジエ
チル・オレイル・アミノ・エチル・アンモニウムハライ
ド、ドデシル・ジメチル−(2−フェノキシエチル)−
アンモニウムハライド、ミリスチル・ジメチル・ベンジ
ル・アンモニウムハライド、ミリスト・アミド・プロピ
ル・ベンジル・アンモニウムハライド、ジイソブチル・
クレゾキシエトキシ・エチル・ジメチル・ベンジル・ア
ンモニウムハライド、ヘキサデシル・ピリジニウムハラ
イド、ドデシル・イソキノリニウムハライド、2−トリ
デシル−1−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル・イミ
ダゾリウムハライド、ジメチル・ドデシル・ベンジル・
アンモニウム・ローダナイド、ジメチル・ドデシル・フ
ェニル・フォスフォニウムハライドなどである。
【0017】また、両性界面活性剤のベタイン型両性界
面活性剤は、第4級アンモニウム塩型のカチオン部分と
カルボン酸塩型のアニオン部分とを持っている界面活性
剤で長鎖アルキルジメチルベタイン、例えば、ラウリル
ジメチルベタイン、ドデシルジメチルベタイン、ラウリ
ルジヒドロキシエチルベタインなどがこれに属する。グ
リシン型両性界面活性剤は、例えば、ジオクチルジエチ
レントリアミノ酢酸塩である。この他にアラニン型両性
界面活性剤、スルフォベタイン型両性界面活性剤などが
ある。
【0018】本発明の耐洗濯性吸血害虫忌避剤を調製す
るには、N,N−ジエチル−m−トリアミドおよび/ま
たはピレスロイド系化合物を用い、さらに協力剤および
非イオン界面活性剤と共にトルエン、キシレン、アセト
ン、エチルアルコール、グリコール類、グリコールアル
キルエーテルなどの溶剤に溶解する。使用に際しては、
この吸血害虫忌避剤の水分散液にカチオン活性剤および
/または両性活性剤を併用して繊維製品処理液とする。
この耐洗濯性吸血害虫忌避剤には、抗菌剤、防黴剤、防
虫剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消臭剤、香料、着色
料、樹脂分散液などを併用して用いることもできる。
【0019】本発明の耐洗濯性吸血害虫忌避剤が用いら
れる繊維製品は、一般衣類、パンティストッキング、ソ
ックス、手袋、作業衣をはじめ、キャンピング用品、登
山用品、魚釣り用衣類、ゴルフ用品、その他農業関係者
着用衣類、林業関係者着用衣類ならびに軍需関係者衣類
および用品や、野外で使用する天幕、帽子、手拭など
で、これらの繊維製品において効果が期待できる。
【0020】本発明の耐洗濯性吸血害虫忌避剤で繊維製
品を処理する方法は、忌避剤の一定量を水に添加して乳
化分散させた液に、カチオン活性剤および/または両性
活性剤を加えた処理浴に繊維製品を浸漬処理する。処理
条件は、浴温度20〜99℃、好ましくは40〜80
℃、処理時間は1〜60分、好ましくは10〜40分間
である。処理後、遠心脱水機により脱水した後、適宜な
方法で予備乾燥を行ない、さらに100〜130℃の温
度で熱処理を行なう。
【0021】
【作用】本発明は、イエカ、ヤブカ、ヌカカ、ブユ、ア
ブ、ダニなどの吸血害虫忌避剤として、N,N−ジエチ
ルトルアミドおよび/またはピレスロイド系化合物を用
い、これにカチオン活性剤および/または両性活性剤を
併用した繊維製品の耐洗濯性吸血害虫忌避剤である。こ
の忌避剤は、天然繊維、合成繊維またはこれを混紡した
繊維製品に処理し、優れた忌避効力と耐洗濯性を有し、
長期間その効力を持続する吸血害虫忌避剤である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)吸血害虫忌避剤配合処方を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実験に使用した本発明カチオン活性剤 No.1ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・アンモ
ニア・ホルムアルデヒド重縮合物 No.2ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン・ホ
ルムアルデヒド重縮合物 No.3ジおよびトリメチルアミン・アンモニア・エピ
クロルヒドリン重縮合物 本発明による吸血害虫忌避剤の耐洗濯性効力増強配合処
方を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】上記耐洗濯性吸血害虫忌避剤による処理を
次の条件により行なった。 被 処 理 物:ナイロンパンティストッキング 1
足:20g 忌 避 剤:対パンティストッキング 30%
o.w.f. カチオン活性剤:対パンティストッキング 15%
o.w.f. 処 理 浴:浴比=1:10 処理後、遠心脱水機
で絞り、80℃以下で乾燥、熱処理:120℃×20秒
【0027】忌避剤の処理方法 表2のNo.1に示した処理浴にナイロン製パンティス
トッキング(一足約20g)を浴比1:10,浴温度6
0℃で時々攪拌しながら30分間浸漬した後、遠心脱水
機で脱水する。脱水後、80℃以下で乾燥し、120℃
で20秒間、熱処理を行い、試験試料とした。なお、対
照として、カチオン活性剤を併用しない処理浴で処理し
たパンティストッキングについても、同様の試験試料と
した。
【0028】この加工ストッキングを、それぞれ0回、
3回、5回、10回洗濯を行ない、それぞれのストッキ
ングについて、アカイエカ、ヒトスジシマカに対する忌
避効果の試験を行なった。アカイエカの忌避試験結果を
表3に、対照忌避剤処理による試験結果を表4に示す。
また、ヒトスジシマカの忌避試験結果を表5に、対照忌
避剤処理による試験結果を表6に示す。なお、無処理の
パンティストッキングも同様の試験を行なった。蚊に対
する忌避率は計算式により求めた。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】 本発明忌避剤処方No.2〜No.6までの薬剤により
処理したパンティストッキングに対する洗濯0回〜10
回のアカイエカの忌避試験結果を表7に、ヒトスジシマ
カに対する忌避試験結果を表8に示す。
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】 本発明忌避剤処理パンティストッキングの洗濯前、洗濯
後における薬剤残量を表9に、対照忌避剤処理パンティ
ストッキングの洗濯前、洗濯後における薬剤残量を表1
0に示す。
【0035】
【表9】
【0036】
【表10】
【0037】洗濯試験 試験方法:JIS L0217−103に準じて行なっ
た。 洗濯回数:0回、3回、5回、10回 付着薬剤の分析方法 試料とするパンティストッキングを10×10cmに切
り、アセトン約80mlと共に100mlの三角フラス
コに入れ、そのフラスコを超音波洗浄機UA−100
(神明台工業(株)製)で約30分間抽出を行なった。
抽出後、アセトン液を100mlのメスフラスコに入
れ、少量のアセトンで布を洗い、全量を100mlとし
た。この液をガスクロマトグラフにより分析を行なっ
た。
【0038】分析方法 ガスクロマトグラフは、8mg/100mlの有効成分
を含む液を0.004ml注入した時、conc値が
8.000になるように設定し、定量分析を行なった。
【0039】使用した機械と条件 装 置 GC−9A型 ガスクロマトグラフ((株)島
津製作所) 検出器 水素炎イオン化検出器 分離管 G−columng −100((財)化学品検査協
会) length : 20m film thichness : 0.5μm I.D. : 1.2mm 分離管温度 初温 180℃ 2分後、1分間 10℃ 昇温 260℃ 5分間一定温度 気化室温度 280℃ キャリアー流速 毎分 40mlの間の一定量 水素流速 毎分 30〜50mlの間の一定量 空気速度 毎分 0.5〜0.7リットルの間
の一定量
【0040】蚊忌避効力試験 大阪府立公衆衛生研究所における試験方法に準じて行な
った。アカイエカの場合は、約30×30×30cmの
大きさの蚊飼育用ケージに、供試蚊約100匹を放ち、
暗所で活動する蚊であるから、暗幕の中で数時間放置し
た後、30℃±2℃、湿度60〜70%の条件下で行な
った。ヒトスジシマカの場合は、約30×30×30c
mの大きさの蚊飼育用ケージに、供試蚊約100匹を放
ち、30℃±2℃、湿度60〜70%の条件下で行なっ
た。
【0041】モニターの人の腕にパンティストッキング
の片方を装着し、ケージの中に10分間暴露し、蚊に吸
血させる。10分後にケージから腕を出し、ケージをポ
リ袋に入れた後、クロロホルムで蚊を死滅させる。死亡
を確認して蚊を回収した後、一匹づつ蚊の腹部を潰して
吸血した蚊の数を計算し、忌避率を算出した。 忌避試験に使用した蚊の種類と一回の試験に使用した蚊
の数 Culex pipens pallens(アカイエカ) 雌成虫 約10
0匹 Aedes albopictus(ヒトスジシマカ) 雌成虫 約10
0匹 蚊に対する忌避率の計算方法は、次式によって行なっ
た。
【0042】
【数1】
【0043】本発明の忌避剤に配合して使用するカチオ
ン活性剤および両性活性剤の耐洗濯性の効果に関する比
較実験を行なった。使用したカチオン活性剤を表11
に、両性活性剤は表12に示す。洗濯後の残存忌避剤成
分の分析結果は、カチオン活性剤を表13に、両性活性
剤を表14に示す。この実験における忌避剤は、表1の
(B)をナイロンタフタに処理した。条件は、忌避剤濃
度3重量%、カチオン活性剤および両性活性剤は、それ
ぞれ1.5重量%(純分換算)使用し、浴比1:10、
浴温度55〜60℃で、時々攪拌しながら30分間浸漬
後、遠心脱水機により脱水し、一夜風乾した。熱処理は
120℃で1分間行なった。この処理布をJIS L0
217−103に準じて、洗濯3回、洗濯5回の洗濯試
料および未洗濯試料を作り、それぞれをアセトンで抽出
し、忌避剤の残存薬剤を求めた。この試験で未洗濯試料
の残存薬剤を100%とした。
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】
【0048】
【発明の効果】人体の皮膚より直接吸血する害虫として
知られているイエカ、ヤブカ、ヌカカ、アブ、ブユ、ダ
ニなどによる被害は、単に血を吸われるだけでなく、マ
ラリア、デング熱、黄熱、各種脳炎、フィラリアなど
は、現在においても減少することのない恐ろしい伝染病
に数えられている。特に、吸血害虫による被害の多い夏
期は薄着で生活をするので被害を受けやすい。
【0049】本発明は、忌避剤としてN,N−ジエチル
−m−トルアミドおよび/またはピレスロイド系化合物
を用い、これにカチオン活性剤および/または両性活性
剤を併用してなる吸血害虫忌避剤であって、天然または
合成繊維あるいはこれらの混紡品に処理するときは、忌
避剤が繊維の内部にまで浸透固着され、洗濯によって
も、その効力が長期間維持できる吸血害虫忌避剤であ
る。この忌避剤によれば、ナイロンパンティストッキン
グのような薄い織物においても充分な吸血害虫の忌避効
果が得られるもので、夏期における吸血害虫の被害の防
止に貢献できる忌避剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 53/06 53/08 D06M 13/224 13/415 A01N 53/00 508 C D06M 13/40 13/16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸血害虫忌避剤成分としてN,N−ジエ
    チル−m−トルアミドおよび/またはピレスロイド系化
    合物を用い、これにカチオン活性剤および/または両性
    活性剤を併用してなることを特徴とする繊維製品用の耐
    洗濯性吸血害虫忌避剤。
JP13487294A 1994-05-26 1994-05-26 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤 Expired - Fee Related JP3483302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13487294A JP3483302B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13487294A JP3483302B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07316003A true JPH07316003A (ja) 1995-12-05
JP3483302B2 JP3483302B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=15138456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13487294A Expired - Fee Related JP3483302B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3483302B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997039631A1 (fr) * 1996-04-23 1997-10-30 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Composition pour detecter et attraper les mites et procede correspondant
EP0962135A1 (en) * 1998-06-03 1999-12-08 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Insect repellant compositions
JP2008038077A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Kao Corp 洗浄剤組成物
WO2009059607A2 (en) 2007-11-05 2009-05-14 Vestergaard Frandsen Sa Room with two counter-resistant insecticidal objects
CN102232379A (zh) * 2010-05-06 2011-11-09 福建省金鹿日化股份有限公司 一种水基型电热蚊香液及其制备方法
JP2013006823A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Lion Corp 繊維製品用の害虫忌避剤および害虫忌避方法
US9226489B2 (en) 2011-03-18 2016-01-05 Ecolab Usa Inc. Heat system for killing pests
JP2020002037A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 フマキラー株式会社 害虫防除組成物、エアゾール剤及びエアゾール製品

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997039631A1 (fr) * 1996-04-23 1997-10-30 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Composition pour detecter et attraper les mites et procede correspondant
CN1083692C (zh) * 1996-04-23 2002-05-01 中外制药株式会社 用于捕获和检测螨的组合物和以此捕获和检测螨的方法
EP0962135A1 (en) * 1998-06-03 1999-12-08 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Insect repellant compositions
JP2008038077A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Kao Corp 洗浄剤組成物
WO2009059607A2 (en) 2007-11-05 2009-05-14 Vestergaard Frandsen Sa Room with two counter-resistant insecticidal objects
CN102232379A (zh) * 2010-05-06 2011-11-09 福建省金鹿日化股份有限公司 一种水基型电热蚊香液及其制备方法
US9226489B2 (en) 2011-03-18 2016-01-05 Ecolab Usa Inc. Heat system for killing pests
US10070639B2 (en) 2011-03-18 2018-09-11 Ecolab Usa Inc. Heat system for killing pests
US11013226B2 (en) 2011-03-18 2021-05-25 Ecolab Usa Inc. Heat system for killing pests
US11737445B2 (en) 2011-03-18 2023-08-29 Ecolab Usa Inc. Heat system for killing pests
JP2013006823A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Lion Corp 繊維製品用の害虫忌避剤および害虫忌避方法
JP2020002037A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 フマキラー株式会社 害虫防除組成物、エアゾール剤及びエアゾール製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3483302B2 (ja) 2004-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rowland et al. Permethrin-treated chaddars and top-sheets: appropriate technology for protection against malaria in Afghanistan and other complex emergencies
JP7258945B2 (ja) 害虫に対するノックダウン活性または吸血阻害活性を有する化合物および組成物
EP2382351B1 (en) A wool care composition
JP3483302B2 (ja) 繊維製品用の耐洗濯性吸血害虫忌避剤
Schreck et al. Bed nets that kill mosquitos
JPH1087409A (ja) ヒョウヒダニ類の忌避駆除剤
CN112680962A (zh) 一种用于处理驱蚊织物的新型杀虫剂整理液及使用方法
Van Langenhove et al. Insect repellent finishes for textiles
Miller et al. Village trial of bednets impregnated with wash‐resistant permethrin compared with other pyrethroid formulations
ES2832466T3 (es) Textil repelente antimosquitos con efecto de larga duración
JP4148552B2 (ja) 衣類害虫の増殖行為阻害剤
JPH08245324A (ja) 防虫組成物及び防虫布帛
CN103125486A (zh) 复配驱避剂驱蚊湿纸巾的研制
JPH04185766A (ja) 繊維製品に対する耐洗濯性吸血害虫忌避剤の加工方法
US20040131627A1 (en) Insect repellent
McCain et al. Repellents used in fabric: the experience of the US military
JP2022129672A (ja) 害虫の忌避方法およびそれに用いる害虫忌避剤、並びにそれを用いた洗濯洗剤、洗濯仕上げ剤
Curtis Malaria control through anti-mosquito measures.
Wyrębska et al. Permethrin application on polyamide and polyamide-polypropylene knitted fabrics
US20080026024A1 (en) Insect Pest Behavioral Disturbance Inducer, Functional Fiber, Functional Fabric and Functional Fiber Product
JP5309357B2 (ja) 蚊の吸血阻害剤
JPH0625971A (ja) 繊維質製品に耐光性および耐クリーニング性を有する屋内塵性ダニ致死性加工を施す方法
JPH04185767A (ja) 繊維製品に対する耐洗濯性吸血害虫忌避剤の加工方法
CN103397520A (zh) 织物用杀虫驱蚊防静电生物制剂
JPH08188966A (ja) 吸血害虫忌避および撥水布帛の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees