明細害 有機複合めつき鋼板およびそれに用いる塗料用樹脂組成物 技術分野
本発明は、 新規にして有用なる有機複合めつき鋼板ならびにその塗装に用いる 塗料用樹脂組成物に関する。 さ らに詳細には、 本発明は、 特定のク ロメー ト被覆 めっき鋼板に、 特定の有機樹脂を、 あるいは、 特定の有機樹脂を含有する組成物 を塗布して硬化せしめて得られる、 と りわけ、 接着剤との接着性、 連続溶接性、 加工後耐蝕性、 電着塗装性、 高耐蝕性ならびに塗料密着性などに優れた有機複合 めつき鋼板にならびに塗料用樹脂組成物関する。
加えて、 特定の有機樹脂に、 硬化剤であるブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物を 分子レベルで混合せしめたものが、 とりわけ、 耐もらい锖性などに優れる有機複 合めつ き鋼板を与えることをも見出しているが、 本発明は、 こ う した特定の形の 有機複合めつき鋼板をも提供しょう とするものである。 背景技術
近年、 塗料中の有機溶剤の引火爆発や大気汚染、 労働安全ならびに衛生上の問 題などにより、 有機溶剤系塗料から水系塗料への転換が急がれている。
ところで、 自動車、 鋼性家具あるいは家庭用霪気器具業界などでは、 生産性の 向上化のために、 プレコ一 ト金属材料の採用が増えている。
表面処理塗料分野においても、 このような需要に応えるべく 、 各種のプレコ一 ト金属材料用塗料組成物が開発され来たが、 この分野においても、 従来の有機溶 剤系塗料から水系塗料への転換が急がれている。
また、 従来の有機溶剤系塗料を使用する系においては、 電着塗装性を確保する ための必須条件となる導電性を確保するために、 たとえば、 日本国の特公昭 4 5 - 2 4 3 0号公報ゃ特公平 4一 6 8 8 2号公報などに記述されている発明は、 ジ ンク リ ツチ塗料について提案をしている。 かかる ジンク リ ツチ塗料は、 電着塗装 こそ可能ではあるものの、 その塗着面の平滑性は不十分である。 また、 このジン
ク リ ツチ塗料にあっては、 腐食が進んだ場合に生じる、 も らい鏔に対して皮膜が 不安定であり、 長期間に亘る耐蝕性を確保するこ とが出来なく (耐もらい婧性が 確保できなく) 、 しかも、 加工後において、 皮膜が破壊され易く 、 加工後の耐蝕 性もまた劣るという欠点を有している。
—方、 曰本国の特公昭 5 2 - 4 4 5 6 9号公報、 特公昭 5 8 - 1 9 7 0 6号公 報、 特開昭 5 1 - 7 9 1 3 8号公報または特開昭 5 8 — 1 3 8 7 5 8号公報など に記述されている発明は、 電着塗装を可能にするベく 、 導電顔料を配合した形の 塗料を提案している。
しかし、 こ う した塗料系にあっては、 導電顔料と して、 亜鉛の如き金属粉末、 金属炭化物粉末または金属燐化物粉末などのような、 平均粒子怪が 1 ミ ク ロ ン ( m) 以上という比較的大粒子径を有する粒子のものが使用されている。 そのた めに、 形成された塗膜には凹凸を生じていたり、 あるいは、 プレス加工時に、 添 加された導電性物質による傷が鋼板表面へ付着したり、 その凹凸または傷が電着 塗装面に残るようになり、 その結果、 2 コー トないしは 3 コー ト塗装が為された のちにおいても、 かかる凹凸または傷が、 そのまま、 塗膜表面に残ったりすると いう問題がある し、 あるいは、 それによつて、 耐もらい锖性もまた確保され得な いという欠点を有している。
さらに、 曰本国の特開昭 5 8 - 2 2 4 1 7 4号公報、 特開昭 6 0 — 1 9 7 7 7 8号公報、 特開昭 6 0 — 1 9 9 0 7 4号公報または特開昭 6 0 - 1 7 4 8 7 9号 公報などには、 有機複合シリケー ト塗膜ならびにその塗装鋼板についての発明が 開示されている。 この有機シリ ケ一ト膜は、 導電性顔料を含まず、 0 . 2〜 5 . 0 ミ ク ロ ン ( m) といった極めて薄膜でありながら、 有機バイ ンダーとコ ロイ ダルシ リ カ との結合によって髙耐蝕性のものであり、 とりわけ、 プレス加工性な どにおいて著しい改善がみられる。
しかしながら、 電着塗装上での凹凸の問題があり、 特に、 有機複合シ リゲー ト 塗膜の膜厚変動に対応して、 その上に形成される電着塗膜の膜厚もまた、 大き く 変動するという問題がある。 すなわち、 有機複合シ リ ゲー ト塗膜の膜厚が厚い部 位での電着塗膜は厚く、 膜厚の薄い部位での電着塗膜は薄く なり、 電着塗膜によ つて、 その凹凸は、 一層、 拡大化されるという問題があった。 加えて、 有機複合
シ リゲー ト塗膜は、 いずれも、 耐もらい锖性に劣るという傾向を有している。 また、 曰本国の特開昭 6 2 — 2 8 3 1 6 1 号公報または特開平 3 — 2 6 9 0 6 7号公報に開示されている方法によれば、 上記のような問題がかなり解決されて はいるものの不満があった。 すなわち、 これらの方法においては、 特殊な有機溶 剤の使用や、 特殊な添加剤の使用が必要であり、 塩ビゾルなどの接着剤との密着 性などがよ く ないという欠点を有する上に、 電着塗膜の光沢感、 すなわち髙輝性 が無く 、 平滑性もなお、 不十分である。 加えて、 塗膜を極めて薄く塗装する必要 から、 使用する塗料としては、 十分に希釈して使用するという必要があるために, 大量の有機溶剤で以て希釈する必要がある。
しかるに、 本発明者らは、 こ う した従来技術における諸々の欠点ないしは欠陥 の存在に鑑み、 こう した諸々の欠点ないしは欠陥の無い、 斬新にして極めて実用 性の高い有機複合めつき鋼板を求めて、 鋭意、 研究を開始した。
すなわち、 本発明は、 と りわけ、 接着剤との接着性、 連続溶接性、 加工後耐蝕 性ならびに霪着塗装性などに優れる し、 しかも、 塗料密着性ならびに耐蝕性など にも優れた、 特に、 電着塗装後の塗面の鲜映性 (平滑性) などにも優れる し、 さ らには、 耐もらい锖性などにも優れるという、 加えて、 大量の有機溶剤を使用し ないという、 有機複合被 S用水性樹脂が、 金属材料にプレ コ一ト された形の、 斬 新にして極めて実用性の高い有機複合めつき鋼板を提供することを目的と してい
Ό 発明の開示
本発明の請求の範囲第 1 項記載の改良された有機複合めつき鋼板は、 ク πメー ト被覆合金めつき鋼板に、 熱硬化性樹脂を塗布し、 硬化せしめるこ と によ って得 られる有機複合めつ き鋼板において、 上記した熱硬化性樹脂と して、 芳香族ェポ キ シ樹脂と脂肪酸と の反応によ り得られるエ ポキ シヱ ス テル樹脂を、 カ ルボキ シ ル基含有エ チ レ ン性ビュルモノ マーを必須の成分とする ビュルモノ マ一の付加反 応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られる水性ビニル変性ェ ポキ シエ ス テル樹脂を、 必須の皮膜形成成分と して含有する、 水性樹脂組成物を 用いる。
また、 本発明の請求の範囲第 2項記載の改良された有機複合めつ き鋼板は、 ク ロメ一 ト被覆合金めつき鋼板に、 熱硬化性樹脂を塗布し、 硬化せしめるこ と によ つて得られる有機複合めつ き鋼板において、 上記した熱硬化性樹脂と して、 芳香 族エポキ シ樹脂と脂肪酸との反応によ り得られるエポキシエステル樹脂を、 カル ボキシル基含有ェチ レン性ビニルモノ マーを必須の成分とする ビュルモノ マーの 付加反応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られる水性ビニル 変性ェポキシエステル樹脂と、 その硬化剤からなる水性樹脂組成物を用いる。 また、 本発明の請求の範囲第 3項記載の改良された有機複合めつ き鋼板は、 ク ロ メ一 ト被覆合金めつき鋼板に、 熱硬化性樹脂を塗布し、 硬化せしめるこ とによ つて得られる有機複合めつ き鋼板において、 上記した熱硬化性樹脂と して、 芳香 族ェポキシ樹脂と脂肪酸との反応によ り得られるエポキシエステル樹脂を、 カル ボ丰シル基含有エチ レン性ビュルモノ マーを必須の成分とする ビニルモノ マーの 付加反応によつて変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られる水性ビニル 変性ェポキ シエステル樹脂と、 S i 02、 C r 2 03 . F e 2 03 s
F e 3 04 、 M g O、 Z r 02、 S n〇2、 A I 2 O3 または S b2 0s の粉末 あるいはコ ロイ ド (ゾル) の 1 種または 2種以上とからなる水性樹脂組成物を用 いる o
また、 本発明の請求の範囲第 4項記載の改良された有機複合めつ き鋼板は、 ク ロメ一ト被覆合金めつき鋼板に、 熱硬化性樹脂を塗布し、 硬化せしめるこ とによ つて得られる有機複合めつ き鋼板において、 上記した熱硬化性樹脂と して、 芳香 族ェポキシ樹脂と脂肪酸との反応により得られるエポキシヱステル樹脂を、 力ル ボキシル基含有エチ レン性ビニルモノ マーを必須の成分とする ビュルモノ マーの 付加反応によつて変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られる水性ビニル 変性ェポキ シエステル樹脂と、 その硬化剤と、 S i 02、 C r 2 03 s F e 2 O 3、 F e 3 0 s M g 0 s Z r 02 、 S n 02、 A I 2 O3 または S b2 〇5 の 粉末あるいはコ ロイ ド (ゾル) の 1種または 2種以上とからなる水性樹脂組成物 を用いる。
請求の範囲第 1項から第 4項記載の、 改良された有機複合めつき鋼板は、 と り わけ、 接着剤との接着性、 連続溶接性、 加工後耐蝕性ならびに電着塗装性などに
優れ、 しかも塗料密着性ならびに耐蝕性などにも優れた、 特に、 電着塗装後の塗 面の鲜映性 (平滑性) などにも優れるという ものである。
さらには、 水性ビュル変性ェポ牛 シ ス テル樹脂とその硬化剤の代わり.にブ口 ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物と 、 ビニル変性ェポキ シヱ ス テル樹脂とを分子レべ ルで均一に混合させた水性樹脂組成物を使用すると、 とりわけ、 耐もらい锖性に などに優れたものが得られるという利点がある。 発明を実施するための最良の形態
そ こで、 本発明者らは、 上述した如き、 発明が解決しょ う とする課題に照準を 合わせて、 鋭意、 検討を重ねた結果、 こ こ に、 本発明を完成させるに到った。 すなわち、 本発明は、 基本的には、 それぞれ、
( 1 ) 芳香族ェポキ シ樹脂と脂肪酸との反応によ り得られるヱポ牛 シエ ス テル 樹脂を、 カ ルボキ シル基含有ヱチ レ ン性ビニルモ ノ マーを必須の成分とする ビニ ルモノ マーの付加反応によつて変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られ る水性ビュル変性エポキシエ ス テル樹脂を、 必須の皮膜形成成分と して含有する 水性樹脂組成物を用いることから成る、 改良された有機複合ク 口メー ト被覆合金 めつき鍋板を ;
( 2 ) 芳香族ェポキ シ樹脂と脂肪酸との反応によ り得られるエ ポキ シヱ ス テル 樹脂を、 カ ルボキシル基含有ェチレ ン性ビュルモノ マーを必須の成分とする ビニ ルモノマーの付加反応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られ る水性ビュル変性ヱポキシヱ ス テル樹脂と、 その硬化剤とからなる水性樹脂組成 物を用いることから成る、 改良された有機複合ク ロメー ト被覆合金めつ き鋼板を
( 3 ) 芳香族ェポキ シ榭脂と脂肪酸との反応によ り得られるエポキ シヱ ス テル 樹脂を、 カ ルボキ シル基含有ヱチ レ ン性ビュルモ ノ マーを必須の成分とする ビニ ルモノマーの付加反応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られ る水性ビュル変性エ ポキ シエ ス テル樹脂と、 S i 02 、 C r 2 03 s F e 2 O 3 - F e 3 04 、 M g O、 Z r 02 、 S n 02 、 A I 2 O3 または S D2 05 の粉末 あるいはコ ロイ ド (ゾル) の 1 種ま たは 2種以上とからな る水性樹脂組成物を用
いることから成る、 改良された有機複合ク ロメ ー ト被覆合金めつき鋼板を ; ( 4 ) 芳香族ェポキ シ樹脂と脂肪酸との反応によ り得られるヱ ポ牛 シエ ス テル 樹脂を、 カ ルボキ シル基含有エ チ レ ン性ビュルモ ノ マーを必須の成分とする ビニ ルモノ マーの付加反応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得られ る水性ビニル変性エ ポキ シヱ ス テル樹脂と、 その硬化剤と、 S i 02、
C r 2 03 ^ F e 2 03 F e 3 04 M g O、 Z r O 2、 S n 〇 2、
A 1 2 03 または S b 2 05 の粉末あるいはコロイ ド (ゾル) の 1 種または 2種 以上とからなる水性樹脂組成物を用いることから成る、 改良された有機複合ク 口 メ一ト被覆合金めつ き鋼板を提供しょう とする ものである し、
さ らには、 芳香族エポキシ樹脂と脂肪酸との反応により得られるエ ポキ シエ ス テ ル樹脂を、 カ ルボキ シル基含有ェチ レ ン性ビュルモノ マーを必須の成分とする ビ ニルモノ マーの付加反応によって変性し、 塩基性化合物で以て中和せしめて得ら れる水性ビニル変性エポキ シエ ス テル樹脂 ( A — 1 〉 と、
S i 02 > C r 2 O 3 F e 2 O 3 % F e 3 04 、 M g O、 Z r 02、 S n 02、 A I 2 O 3 または S b2 05 の粉末あるいはコロイ ド (ゾル) ( B ) の 1種また は 2種以上と、
硬化剤 ( C ) と、
必要に応じて、 顔料類 (D ) とから成る、 ク ロメー ト被覆合金めつ き鋼板用の塗 料用樹脂組成物を ;
さ らには芳香族エポキシ樹脂と脂肪酸との反応により得られるエポキシヱ ス テル 樹脂を、 カ ルボキシル基含有ェチレ ン性ビュルモノ マーを必須の成分とする ビニ ルモノマーの付加反応によつて変性した、 ビニル変性ェポキシエ ス テル揑脂と、 ブロ ッ ク化イ ソ シァ ネー ト化合物とを、 分子レベルで以て、 均一に混合し、 水性 化せしめて得られるブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物を含有する水性ビュル変性 エ ポキ シエ ス テル樹脂 ( A — 2 ) と、
S i 02 C r 2 03 F e 2 〇 3 、 F e 3 0 ^ M g O ^ Z r O 2 > S n 〇2、 A 1 2 03 または S b 2 〇 5 の粉末あるいはコ ロイ ド (ゾル) ( B ) の 1種また は 2種以上と、
必要に応じて、 硬化剤 ( C ) と、
必要に応じて、 顔料類 (D ) とから成る、 ク ロメー ト被覆合金めつ き鋼板用の塗 料用樹脂組成物をも提供しょう とするものである。
( 5 ) そして、 本発明は、 具体的には、 前記した水性ビュル変性ヱポキシエ ス テル樹脂とその硬化剤が、 ビュル変性エ ポキ シヱ ス テル樹脂と、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物とを、 分子レベルで以て、 均一に混合し、 水性化せしめて得ら れるものであるという形の、 特定の樹脂組成物を用いた、 改良された有機複合ク ロメ一ト被覆合金めつき鋼板をも提供使用とする ものである。
上述した ( 1 ) ~ ( 5 ) のよ うな、 種々の水性樹脂組成物を塗布し、 硬化せし めて得られる、 有機皮膜量が 0 . 2〜 3 . 0 gZm2である有機複合めつき鋼板 をも提供する しょう とする ものである。
本発明で言う、 上記ク ロメー ト被覆合金めつき鋼板とは、 Z n、 N i 、 C u、 S n、 C o または A 1 の如き、 各種の単独元素 (金属単体) 類のめっき鋼板上に、 あるいは、 Z n — N i系合金めつ き、 Z n— F e系合金めつき、 Z n— C r系合 金めつき、 Z n— C u系合金めつき、 Z n - M n系合金めつき、 Z n - A 1 系合 金めつ き、 Z n — M g系合金めつきまたは Z n— C r一 N i f 1 系合金めつきの 如き、 各種の合金めつき鋼板上に、 ク ロメー ト皮膜を形成せしめた鋼板を指称す る ものである。
就中、 かかるめっ き類と しては、 Z nまたは S nめっき、 あるいは、 Z n系合 金めつきが適切であるし、 さらに好ま し く は、 Z nまたは Z n系合金めつきが適 切である。
ここにおいて、 ク ロメー ト皮膜とは、 霪解型ク 口メー ト、 塗布型ク 口メー トま たは反応型ク ロメー トなどを塗工し、 乾燥し硬化せしめて得られる形の、 3価お よび 6価のク oムの水酸化物を主成分とする複合体であるク σムの不動体層を指 称するものである。
また、 こ こ において、 該ク ロメー ト皮膜のク ロ ム付着量と しては、 1 0〜 1 5 0 m g m2 の範囲内が適切である。 ク ロ ム付着量が l O m gZm2 未満の場合 には、 どう しても、 密着性の優れた有機皮膜を形成せしめることが出来なく なり 易いし、 しかも、 耐蝕性も低下するという傾向にあるからであり、 一方、 1 5 0 m g/m2 を超えて余りに多く なる場合には、 ク ロメ一 ト皮膜の凝集破壊を起こ
し、 と りわけ、 塗料密着性などが低下する という傾向にあるからである。
本発明は、 このよ うなク ロ メ ー ト被覆合金めつ き鋼板に対し、 以下において説 明するような、 特定組成の水性ビュル変性エ ポキ シヱス テル樹脂を、 必須の皮膜 形成成分と して含有する水性樹脂組成物を塗布し硬化させるこ とによつて実施す ることが出来る。
かかる水性ビ二ル変性ヱポキシエステル樹脂とは、 たとえば、 次のようにして 調製するこ とによ って得られるような樹脂を指称する ものである。
すなわち、 まず、 芳香族エポキ シ樹脂と、 脂肪酸とを、 加熱攪拌しながら、 概 ね、 1 5 0 - 2 5 0 °Cで、 約 2時間〜約 1 0時間のあいだエ ス テル化反応せしめ て、 所望の有機溶剤で以て溶解し、 カ ルボキ シル基含有ヱチ レ ン性ビニルモノマ 一を必須の成分とするビニルモ ノ マーを、 重合開始剤を加えて、 約 5 0。C〜約 1 5 0 °Cで、 加熱攪拌しつつ、 グラ フ ト反応を行なって、 ビュル変性エポキ シエ ス テル樹脂を得る。
次いで、 かく して得られたビュル変性エポキ シエ ス テル樹脂中のカ ルボ牛 シル 基を、 塩基性化合物で以て中和し、 しかるのち、 水中に分散せしめるこ とによつ て得られるという ものである。
ここで用いられる上記芳香族ェポキシ樹脂と して特に代表的なもののみを例示 するにとどめれば、 ビス フ ヱ ノ ール A型エポキ シ樹脂、 ビス フ ヱ ノ ール F型ェポ キシ樹脂またはノ ボラ ック型ェポキシ樹脂などである。
これらの芳香族エポキシ樹脂の数平均分子量と しては、 概ね、 8 0 0〜6 , 0 0 0の範囲内にあることが必要である。 数平均分子置が 8 0 0未満の場合には、 どう しても、 耐蝕性などが劣るようになる し、 一方、 6, 0 0 0を超えて余りに 高く なる場合には、 どう しても、 該樹脂の合成時に、 高粘度となり易く 、 使用す るのが困難となるからである。
当該芳香族ヱポキシ樹脂の市販品と して特に代表的なもののみを例示するにと どめれば、 オ ラ ンダ国シヱル社製の 「ェ ピコー ト 1 5 2、 1 5 4、 1 0 0 1、 1 0 0 2、 1 0 0 4、 1 0 0 7、 1 0 0 9 も しく は 1 0 1 0」 (商品名) ; また は大日本ィ ンキ化学工業 (株) 製の 「ェ ピク ロ ン 1 0 5 0、 1 0 5 5、 4 0 5 0、 3 0 5 0、 7 0 5 0 も しく は 9 0 5 5」 (商品名) などであり、 これらは、
単独使用でも 2種以上の併用でもよいこ とは、 勿論である。
本発明において、 当該芳香族エポキ シ樹脂は、 とりわけ、 耐蝕性の保持ならび に基材ないしは電着塗膜または塩ビゾルなどの接着剤との密着性の保持のための 必須の成分と して用いられるものである。
こ のよ うな芳香族ェポキシ樹脂の使用量と しては、 概ね、 5 〜 8 0重量%の範 囲内が適切である。 使用量が 5重量%未満の場合には、 どう しても、 上述した効 果が少なく なり易いし、 一方、 8 0重量%を超えて余りに多く なる場合には、 ど う しても、 樹脂設計が困難となるからである。 さ らに好ま しく は、 連続溶接性な どの観点から、 概ね、 1 0〜 6 0重量%の範囲内が適切である。
次いで、 前記した脂肪酸と しては、 後続する、 いわゆる ビュル変性の際に、 グ ラ フ ト点を確保するために、 乾性油脂肪酸の使用が望ま しい。 不乾性油脂肪酸を 使用すると きには、 マレイ ン酸、 フ マル酸またはィ タ コ ン酸の如き、 各種の不飽 和ジカルポン酸類などを、 少量、 添加せしめることにより、 グラフ ト点を確保し て反応させる必要がある。
使用できる該脂肪酸と して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、 亜 麻仁油脂肪酸、 大豆油脂肪酸、 紅花油脂肪酸、 菜種油脂肪酸、 胡麻種子油脂肪酸、 椰子油脂肪酸、 パーム油脂肪酸、 パーム核油脂肪酸、 米油脂肪酸、 ひま し油脂肪 酸または脱水ひま し油脂肪酸などである。 当該脂肪酸の使用量と しては、 上述し た芳香族ェポキシ樹脂との和が、 1 0 0重量%となるような範囲内が適切である。 エ ス テル化反応時には、 反応触媒と しての、 2 —メチルイ ミ ダゾールなどで代 表されるような各種のィ ミ ダゾール類 ; ト リ ェチ ルァ ミ ンも し く はジメ チルベ ン ジルア ミ ンなどで代表されるような各種の第 3級ア ミ ン頹 ; またはテ ト ラメチル アンモニゥ ムク ロライ ドなどで代表されるような各種の第 4級ア ミ ン類などの種 々の塩基性物質を添加してもよいし、 また、 縮合水の除去のために、 ト ルヱ ンゃ キシレンなどの還流下で以て、 此のェステル化反応を行なつてもよい。
ビュル変性の際に用いられる有機溶剤と して特に代表的なも ののみを例示する にとどめれば、 ト ルエ ン、 キ シ レ ンまたは ミ ネ ラ ル ' ス ピリ ツ トなどで代表され るような各種の疎水性有機溶剤 ; メ タ ノ ール、 エ タ ノ ールまたはブタノ ールな ど で代表されるような各種のアルコ ール系溶剤 ;
メ チルエーテル、 ェチルエーテルまたはテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ンなどで代表されるよ う な各種のエー テル系溶剤 ; ア セ ト ン、 メ チ ノレエ チ ルケ ト ン、 メ チ ルイ ソ ブチ ル ケ ト ンまたはシク ロへキサノ ンなどで代表されるような各種のケ ト ン系溶剤 ; ェ チルセ口ソルブ、 ブチルセ口ソルブまたはセロ ソルブァセテー トなどで代表され るような各種のエチ レングリ コール系溶剤 ;
プロ ピレングリ コールモノ プチルェ一テルなどで代表されるよ うな各種のプロ ビ レングリ コール系溶剤; プチルカルビ トールなどで代表されるよ う な各種のジェ チ レ ングリ コー ル系溶剤などであり、 さ らには、 N—メ チ ルー 2 — ピロ リ ド ン、 ジメ チルホルムア ミ ド、 ジメ チルァセ ト ア ミ ドまたはジメ チル スルォキシ ドなど で代表されるような各種の溶剤などをはじめとする、 公知の親水性有機溶剤を、 任意の割合で使用することが出来る。
疎水性の有機溶剤は、 水に対する分散安定性 (水分散安定性) が悪いために、 親水性の有機溶剤を使用するこ とが望ま しい。 また、 その使用量は特に限定され る ものではないが、 通常、 樹脂固形分が、 概ね、 5 〜 8 0重量%となるような範 囲內で使用される。
ビュル変性の際に用いられる、 上記重合開始剤と して特に代表的なもののみを 例示するにとどめれば、 過硫酸力 リ ゥム、 過硫酸アンモニゥム、 過酸化水素また は過炭酸塩などで代表されるような各種の無機のパーォキサイ ド化合物 ; メ チル ェチルケ ト ンパーォキサイ ドなどで代表されるような各種のケ ト ンパーォキサイ ド ; 1 , 1 — ビス ( t e r t —ブチルパーォキシ) 一 3 , 3 , 5 — ト リ メ チルシ ク 口へキサノ ンなどで代表されるよ うな各種のパーォキシケ トール ;
t e r t 一ブチルハイ ドロパーォキサイ ドなどで代表されるような各種のハイ ド ロパ一ォキサイ ド ; 過酸化べンゾィ ルなどで代表されるよ うな各種のジァ シルバ ーォキサイ ド ; ジー t e r t —ブチルパーォキシ ドなどで代表されるよ うな各種 のジァノレキルパ一ォキシ ド ;
ジォキシプロ ピルパーォキシジ力一ボネ一 トなどで代表されるような各種のパー ォキシジカーボネー ト ; t e r t 一ブチルパーォキシ一 2 —ェチルへキサネー ト などで代表されるよ うな各種のパーォキシエステルなどをはじめとする、 種々の 有機パーォキシ ド化合物 ; あるいは、 ァゾビスィ ソブチ口 - ト リ ルなどで代表さ
れるような各種のァゾ系化合物などである。
また、 使用する ビュルモノ マーと しては、 後続の工程で水性化させるために、 カルボキシル基含有エチ レン性ビュルモノ マーが、 必須の成分と して使用されな ければならない。 さ らには、 硬化剤を併用する場合において、 硬化性を充分に確 保するために、 水酸基含有ェチ レン性ビュルモノ マーの使用もまた、 望ま しい。
カルボキシル基含有ェチレン性ビニルモノマーと して特に代表的なもののみを 例示するにとどめれば、 ァク リ ル酸、 メ タク リル酸、 ク ロ ト ン酸、 ィタ コ ン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸またはシ ト ラ コ ン酸な どで代表されるよ うな、 各種の不飽 和モノ ーないしはジカルボン酸などである。
また、 水酸基含有ェチレン性ビニルモノ マーと して特に代表的なもののみを例 示するにとどめれば、 2 - ヒ ドロキ シェチルメ タ ク リ レー ト、 2 — ヒ ドロキ シェ チルアタ リ レー ト、 2 — ヒ ドロキシプロ ピルメ タ ク リ レー ト または 2 — ヒ ドロキ シプロ ビルァク リ レー トなどである。 これらは、 単独使用でも 2種以上の併用で もよいことは、 勿論である。 i
これらの、 それぞれ、 カルボキシル基含有エチ レン性ビュルモノ マーや水酸基 含有ヱチ レン性ビュルモノ マーのほかにも、 必要によっては、 これらの両官能基 含有エチ レン性ビュルモノ マーと重合可能なその他のエチ レン性ビュルモノ マー を使用してもよい。
使用できるエチ レン性ビュルモノ マーと して特に代表的なもののみを例示する にとどめれば、 (メ タ) アク リ ル酸メ チル、 (メ タ) アク リ ル酸ェチル、 (メ タ) アク リ ル酸 n —ブチルもし く は (メ タ) アク リル酸ラ ウ リ ルの如き、 各種の (メ タ) アク リ ル酸アルキルエステル類 ;
アク リ ルア ミ ド、 メ タク リ ルア ミ ドも し く は N — メ チ ロールアク リ ルア ミ ドの如 き、 各種の α —ないしは ー不飽和ァマイ ド類 ; アク リ ロニ ト リ ルもし く はメ タ ク リ ロニ ト リ ルの如き、 各種の α —ない しは /8—不飽和二 ト リ ル類 ; スチ レン、 α —メ チルス チ レ ンもしく はビュル ト ルエ ンの如き、 各種のス チ レ ン誘導体類 ; あるいは、 酢酸ビュル、 プロ ピオ ン酸ビニルも し く は 「ベォバ」 (商品名 ; オ ラ ンダ国シェル社製の、 分枝状脂肪族モノ カルボン酸のビュルエステル類) の如き、 各種のビュルエステル類などをはじめ、 さ らには、 塩化ビニルまたは塩化ビ二 リ
デンをはじめ、 その他のフ ッ素含有単量体の如き、 各種のハ ロ ゲン化ビュル類 ; あるいは、 ブタ ジェ ンの如き、 各種の共役ジェ ン類などである。
これらの各種のモ ノ マーは、 単独使用でも 2種以上の併用でもよいこと.は、 勿 論である。 その他の重合可能なポ リ エステル樹脂やアルキ ド樹脂などをも併用す ることが出来ること もまた、 勿論である。
以上に掲げられた、 それぞれのエチ レ ン性ビュルモ ノ マーの使用量と しては、 既述した、 芳香族エ ポキ シ樹脂と脂肪酸との反応生成物の 1 0 0重量部に対して、 概ね、 3 〜 5 0重量部の範囲内が適切であり、 このような割合で以て反応させれ ばよい。
ここにおいて、 前述した必須の成分であるカルボキシル基含有エ チ レ ン性ビニ ルモノ マーの使用量としては、 概ね、 3 ~ 3 0部の範囲内が適切である。 使用量 が約 3部未満の場合には、 どう しても、 最終的に得られる水性分散体の粒子怪が 大となり易く、 その結果、 沈降安定性が不良となり易く 、 実用化が困難となるか らである し、 一方、 約 3 0部を超えて余りに多く なる場合には、 どう しても、 塩 基性化合物で以て 1 0 0 %中和すると、 水性分散体とはならずに、 専ら、 水溶性 となるからである。 その場合に、 中和度を下げて行く と、 水性分散体が得られる けれども、 いずれの場合にも、 アルカ リ性物質により溶解するという傾向がある ので、 とりわけ、 耐アルカ リ性などが不良なる有機皮膜となる。
反応成生物を水性媒体中で水性化させる際に、 樹脂中のカ ルボキシル基を中和 させるために使用される、 上記塩基性化合物と して特に代表的なもののみを例示 するにとどめれば、 ア ンモニアや揮発性ア ミ ン類などであり、 こ う した揮発性の 物質の使用が望ま しい。
ちなみに、 ア ンモニア以外の無機塩基は、 塗膜中に残留して、 と りわけ、 耐水 性などを悪化させるという傾向があるので、 好ま しく ない。
揮発性ァ ミ ン類と して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、 モ ノ メ チノレア ミ ン、 ジメ チルァ ミ ン、 ト リ メ チルァ ミ ン、 モ ノ エチノレア ミ ン、 ジェ チル ァ ミ ン、 ト | ェチルァ ミ ン、 モ ノ プロ ピノレア ミ ン、 ジ メ チノレプロ ピルァ ミ ン、 モ ノ エ タ ノ ールア ミ ン、 ジエ タ ノ ーノレア ミ ン、 ト リ エ タ ノ ーノレア ミ ン、
N — メ チノレエタ ノ ールァ ミ ン、 N — ア ミ ノ エチノレエ夕 ノ ーノレア ミ ン、 N — メ チル
ジエタ ノ ールァ ミ ン、 モノ イ ソ プ 0ノ ールァ ミ ン、 ジイ ソ プ 0ノ ールァ ミ ン、 ト リ イ ソプロパノ ールア ミ ンまたは N , N— ジメ チルプロパノ ーノレア ミ ンなどで 代表されるような、 各種のア ミ ン類などから選ばれる 1 種または 2種以上.である。 水性化に際しては、 反応生成物中のカ ルボ牛 シル基の一部分または全部を、 塩 基性物質で以て中和したのちに、 水中に分散化せしめればよい。
当該反応生成物の中和物を、 水中に分散化せしめる方法と しては、 該中和物を 擾拌しながら、 水を滴下させて転相乳化せしめてもよいし、 よ く攢拌している水 中へ、 当該反応生成物を滴下せしめてもよい。
あるいは、 ホモジナイ ザー、 コ ロ イ ド . ミ ノレ、 ス タ テ ィ ッ ク . ミ キサーまたは マ ン ト ンゴー リーなどによる機械的剪断力を与えながら、 水中へ分散化させると いう方法もまた採用できる。 さ らには、 水中へ分散化せしめる際に、 超音波を使 用するという方法もまた、 望ま しい方法である。
かく して、 本発明において使用される、 水性樹脂組成物中の必須の成分である 水性ビュル変性ヱポキ シエ ス テル樹脂を調製することが出来る。
本発明において使用される水性樹脂組成物と しては、 水性ビニル変性ェポキ シ エ ス テル楦脂のほかにも、 必要に応じて、 水性ビュル変性ヱポキ シエ ス テル樹脂 を硬化させるために使用する硬化剤 ; および/または耐蝕性の向上化のための特 定の金属酸化物の粉末またはコ ロイ ド (ゾル) が含まれてなる ものも併用するこ とが出来る。
それらのうちでも、 上記硬化剤の使用は、 - と りわけ、 耐溶剤性ならびに耐アル 力 リ性などの改善化にとつて有効である。
使用できる当該硬化剤と して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、 ァ ミ ノ樹脂、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物、 乾燥剤、 ヱポキ シ化合物または アジリ ジン化合物などである。 これらの種類と しては、 特に制限はないけれども、 これらのうちでも、 前述したビュル変性ヱポキ シヱ ス テル樹脂との、 水性媒体中 での保存安定性の良好な、 ァ ミ ノ樹脂、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物または 乾燥剤などの使用が一般的である。
ア ミ ノ樹脂と して特に代表的なもののみを例示するにと どめれば、 「 ス べ ッ カ ミ ン J — 8 2 0 — 6 0 G — 8 2 1 — 6 0 または L一 1 2 8 — 6 0 」 [
商品名 ; 大日本ィ ンキ化学工業 (株) の製品] などで代表されるよ うな、 各種の ブチルヱ テル化メ ラ ミ ン樹脂 ;
あるいは、 「ペ ッ カ ミ ン G— 1 8 5 0 または P— 1 9 6 — 6 0」 [商品名 ; 大 日本ィ ンキ化学工業 (株) の製品] などで代表されるよ うな、 各種のブチル テル化尿素樹脂などをはじめ、
さ らには、 「サイ メ ル 3 0 0 3 0 3 または 3 2 5 」 [商品名 ; (株) 三井サ ィ テイ ツ ク社の製品] などで代表されるよう な、 各種のメ チルエーテル化メ ラ ミ ン樹脂などであ り、 こ う した種々の市販製品が、 そのまま使用でき る。
プロ ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物と して特に代表的なもののみを例示するにと どめれば、 水性プロ ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物と、 非水性プロ ッ ク化ィ ソ シァ ネー ト化合物との別を問わないが、 非水性プロ ッ ク イ ソ シァネ ー ト化合物を使用 した場合には、 使用直前の塗料に、 ブロ ッ ク化イ ソ シァ ネ - ト化合物を加え、 強 制的に撹拌しながら使用すると、 安定性が悪く て、 沈降してしま う場合があるの で、 その点では、 水性のプロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物の使用が望ま しい。 使用でき るブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物と して特に代表的なもののみを例 示するにと どめれば、 イ ソ シァネー ト基のブロ ッ ク剤と して、 たとえば、 メ タノ エタ ノ ー n —プロ 、。ノ ー i s o —プロハ。ノ ール、 n —ブタノ ール も し く は i s o —ブタノールなどで代表されるよ うな、 各種のァルコール類 ; フ エ ノ ーノレ、 ク レゾール、 ニ ト ロ フ エ ノ ーノレ、 ク ロ 口 フ エ ノ ーノレも し く はレ ゾル シノールなどで代表されるような、 各種のフ エノ ール類 ; ベンゼンチオールなど で代表されるよ うな、 各種のチォコ ール類 ; ε —力プロ ラ ク タ ムなどで代表され るような、 各種の力 プロ ラ ク タ ム類 ;
ェチルカーバメ イ ト などで代表されるよ うな、 各種のカーバメ イ ト類 ; ァセチル アセ ト ンなどで代表されるよう な、 各種のケ ト エノール類 ; メ チルェチルケ ト ォ キ シムなどで代表されるよ うな、 各種のケ ト ォキ シム類 ; または亜硫酸水素ナ ト リ ウム (重亜硫酸ソ ダ) などで代表されるよ うな、 各種のブロ ッ ク剤 (プロ ッ ク化剤) を用いて、
へキサ メ チ レ ン ジイ ソ シァ ネー ト 、 イ ソ ホ ロ ン ジイ ソ シァ ネー ト 、 ト リ レ ン ジィ ソ シァ ネー ト 、 キ シ リ レ ン ジイ ソ シァネ ー ト またはジフ ユ 二ルメ タ ン ジイ ソ シァ
ネー トなどで代表されるような、 各種のイ ソ シァネー ト化合物、 あるいは、 それ らのプレポ リマーを、 無触媒下に、 またはジブチル錫ジラ ウ リ レー トのような触 媒の存在下に、 約 3 0 °C〜約 1 0 0 °Cで反応させて、 イ ソ シァネー ト基をブロ ッ クせしめた形のものなどであり、 このようにした形のものを使用することが出来 な
また、 使用できる上記乾燥剤と して特に代表的なもののみを例示するにとどめ れば、 ォレイ ン酸などで代表されるような、 各種の脂肪族力ルボ ン酸; ナフテン 酸などで代表されるような、 各種の脂環族カ ルボ ン酸を担体と したコバル ト塩、 マ ンガン塩、 ジルコ ニ ウ ム塩、 カ ル シウ ム塩、 鉄塩または鉛塩などで代表される ような、 各種の金属石始や、 上揭したよ うな種々の金属石鹺に、 ァニォン乳化剤、 カチォ ン乳化剤またはノニォン乳化剤などを添加して、 水性化を施したものなど であり、 これらは、 単独使用でも 2種上の併用でもよいこ とは、 勿論である。 これらの金属石絵およびその水性化物の添加量と しては、 金属分で以て、 0 . 0 0 3〜 0 . 5重量%程度の範囲内とされ、 添加量が 0 . 0 0 3重量%未満の場 合には、 どう しても、 その効果が認められ難いし、 一方、 金属分で以て、 0 . 5 重量%を超えて余りに多量に使用する場合には、 どう しても、 とりわけ、 耐水性 などが悪く なるという欠点があるので、 いずれの場合も好ま し く はなく 、 好ま し い使用量と しては、 概ね、 金属分で以て、 0 . 0 5〜 0 . 4重量%の範囲内が適 切である。
硬化剤と しては、 そのほかにも、 ジメチルァニ リ ン、 ジェチルァニリ ンまたは ジメチルパラ トルイ ジンなどで代表されるような、 各種の第 3級ァ ミ ンなどが挙 げられる。
硬化剤の使用量と しては、 上記乾燥剤の場合を除き、 水性ビュル変性 ポキシ ェステル樹脂の固形分換算で、 該水性ビュル変性エポキ シエ ス テル樹脂の 1 0 0 重量部に対して、 約 1重量部〜約 5 0重量部の範囲内となるような割合が適切で あり、 このようなの範囲内の量を使用すればよい。
金属酸化物の粉末またはコロイ ド (ゾル) と して特に代表的なもののみを例示 するにとどめれば、 1〜 1 5ナノ メータ一 ( n m ) の粒子径を有する、 S i 0 2 、 C r 0 F e O 3 F e 3 O M g O、 Z r 0 2 、 S n 0 2 、
A 1 2 03 または S b2 05 の粉末あるいはコ ロ イ ド (ゾル) などであ り、 これ らの 1種または 2種以上が例示できる。
金属酸化物の粉末またはコロイ ド (ゾル) の使用量と しては、 水性ビュル変性 エ ポキ シヱ ス テル樹脂の固形分換算で、 該樹脂の 1 0 0重量部に対し、 約 1 0重 量部〜約 1 0 0重量部の範囲内が適切であり、 こ のよ うなの範囲内の量を使用す ればよい。
金属酸化物のコロイ ド状物を添加するこ と によ って、 電着塗装後の鲜映性なら びに塗料の密着性などが低下するこ となしに、 と りわけ、 耐蝕性などが著し く向 上した有機複合めつ き鋼板が得られる。
本発明において、 好適に用いられるク ロメ一ト被覆合金めつ き鋼板用の塗料用 樹脂組成物と しては、 それぞれ、 芳番族エ ポキ シ樹脂と脂肪酸との反応によ り得 られるエポキ シエ ス テル樹脂を、 カ ルボキ シル基含有ェチ レ ン性ビニルモ ノ マー を必須の成分とする ビュルモノ マーの付加反応によ つ て変性し、 塩基性化合物で 以て中和せしめて得られる水性ビュル変性エ ポキ シエ ス テル樹脂 ( A— 1 〉 の固 形分 (以下同様) 1 0 0重量部と、
S i 02 C r 2 03 F e 2 Ο 3 F e 3 04 、 M g O、 Z r 02、 S n 02、 A 1 2 03 または S b2 05 の粉末あるいはコロイ ド (ゾル) ( B ) の 1種また は 2種以上の約 1 0重量部〜約 1 0 0重量部と、
硬化剤 ( C〉 の約 1重量部〜約 5 0重量部と、
必要に応じて、 顔料類 (D ) の 0〜約 5 0重量部とから構成される形のものを使 用すればよい。
さらに、 本発明は、 上記した水性ビニル変性ヱポキシヱステル樹脂と、 その硬 化剤との代わりに、 以下に説明するような、 ビュル変性ヱポキシエ ス テル樹脂と、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物とを、 分子レベルで均一に混合し、 水性化せし めて得られる水性樹脂組成物を使用した場合には、 特に、 耐もらい锖性に優れる 有機複合めつき鋼板が得られる。
かかる耐もらい锖性に優れるという、 プロ ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物が分子 レベルで均一に混合された、 水性ビニル変性ェポキ シヱ ス テル樹脂を含む水性樹 脂組成物とは、 次のようにして調製するこ と によ って得られる ものである。
すなわち、 まず、 芳香族エポキ シ樹脂と、 脂肪酸とを、 加熱攪拌しながら、 概 ね、 1 5 0 〜 2 5 0 °Cで、 2〜 1 0時間のあいだエ ス テル化反応せしめ、 所望の 有機溶剤で溶解し、 力ルボキ シル基含有ヱチ レン性ビュルモ ノ マーを必須の成分 とする ビニルモノ マーを、 重合開始剤を加えて、 約 5 0 °C〜約 1 5 0 °Cで加熱攪 拌してグラフ ト反応を行なつて、 その反応生成物たる ビュル変性ェポキシヱステ ル樹脂を得る。
次いで、 此のビュル変性エポキ シヱ ス テル樹脂中のカ ルボキ シル基を、 塩基性 化合物で以て中和し、 ブロ ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物を混合しめせる。
しかるのち、 水中に分散化せしめるこ とによって、 目的とする、 ブロ ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物が分子レベルで均一に混合された、 水性ビ二ル変性ヱポキ シ ェス テル樹脂を含む水性樹脂組成物が得られる。
こ こで言う、 分子レベルで均一に混合するという操作は、 具体的には、 当該反 応生成物の中和物と、 ブロ ッ ク化ィ ソ シァ ネー ト化合物との混台操作を、 有機溶 剤系あるいは無溶剤系で以て行ない、 次いで、 水分散化せしめるという一連のェ 程を通して行なわれるものを意味する。
すなわち、 水性化に先立って、 反応生成物中のカ ルボキ シル基の一部分または 全部を塩基性物質で中和したのち、 ブロ ック化イ ソ シァネー ト化合物を混合せし めることが必要である。
そのような工程を経ることによって、 分子レベルで均一の混合するこ とが出来、 ビ二ル変性エポキ シエス テル樹脂と、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物とが、 分 散粒子中に共存した形の水性樹脂組成物が得られる処となる。
当該反応生成物の中和物を、 水中に分散化せしめる方法と しては、 先に述べた ように、 該中和物を攢拌しながら、 水を滴下させて転相乳化させてもよいし、 よ く攪拌している水中へ、 当該反応生成物を滴下させてもよい。
あるいは、 機械的剪断力を与えながら、 水中へ分散化させたり、 超音波を使用 するという方法もまた、 同様に採用する ことが出来る。
かく して、 本発明において使用される、 と りわけ、 耐もらい锖性などに優れる、 水性樹脂組成物中の必須の成分であるブロ ッ ク化イ ソ シァ ネー ト化合物が分子レ ベルで均一に混合された水性ビニル変性エ ポキ シエステル樹脂を含む水性樹脂組
成物を調製することが出来る。
本発明において使用される、 と り わけ、 耐もらい锖性などに優れる、 当該水性 樹脂組成物と しては、 ブロ ッ ク化イ ソ シァネー ト化合物が分子レベルで均一に混 合された水性ビュル変性ェポキシエ ス テル樹脂のほかにも、 必要に応じて、 さ ら に、 此の水性ビュル変性ヱポキ シヱス テル樹脂を硬化させるための硬化剤 ; およ び/または耐蝕性の向上化のための特定の金属酸化物の粉末またはコロイ ド (ゾ ル) が含まれたものをも併用することが出来る。
本発明に好適に用い得る、 耐もらい锖性に優れるク ロ メ一ト被覆合金めつ き鋼 板用の塗料用樹脂組成物と しては、 それぞれ、
芳香族ヱポキシ樹脂と脂肪酸との反応により得られるエポキ シエ ス テル樹脂を、 カ ルボキ シル基含有ヱチ レ ン性ビュルモ ノ マーを必須の成分とする ビュルモ ノ マ 一の付加反応によ っ て変性した、 ビュル変性エポキ シエ ス テル樹脂と、 ブロ ッ ク 、 化イ ソ シァネー ト化合物とを、 分子レベルで均一に混合し、 水性化せしめて得ら れるブ口 ッ ク化ィ ソ シァネー ト化合物を含有する水性ビュル変性エ ポキ シエ ス テ ル樹脂 ( A— 2 ) の 1 0 0重量部と、
S i 02 、 C r 2 03 > F e 2 03 F e 3 04 、 M g O、 Z r 〇2 、 S n 02、 A 1 2 03 または S b2 05 の粉末あるいはコ ロ イ ド (ゾル) ( B ) の 1種また は 2種以上の約 1 0重量部〜約 1 0 0重量部と、
必要に応じて、 硬化剤 ( C ) の 0〜約 5 0重量部と、
必要に応じて、 顔料類 ( D ) の 0〜約 5 0重量部とから構成される形のものを使 用すればよい。
かく して、 本発明で使用される水性樹脂組成物が得られるが、 本発明に係る有 機複合めつき鋼板における、 該水性樹脂組成物よ りなる有機皮膜量と しては、 約 0. 2 g//m2 〜3 . 0 g /m2 の範囲内が適切である。 有機皮膜量が 0. 2 g /m2 未満の場合には、 どう しても、 加工後裸耐蝕性などを確保することが困難 となり易いし、 一方、 3. O gZrn2 を超えて余りに多く なる場合には、 どう し ても、 電着性などが劣るようになり、 ひいては、 鲜映性などの優れた電着塗膜を 確保することが出来なく なるためである。
当該水性樹脂組成物中には、 顔料または水性化された顔料組成物などをはじめ、
さ らには、 上記した諸成分のほかにも、 必要に応じて、 可塑剤、 ェマル ジ ョ ンま たはス チ レ ンー ブ夕 ジェ ン系ラ テ ツ ク スである とか、 その他の水性樹脂などのよ うな、 さ らにはまた、 密着性付与のためのシ ラ ンカ ツ プリ ン グ剤などのような、 塗料用と して使用される、 公知慣用の各種の添加剤などを配合することが出来る 本発明を実施するに当たり、 当該水性樹脂組成物は、 浸瀆塗装、 シャ ワー コ 一 ト、 電着塗装、 ハケ塗り、 ス プレー塗装またはロ ール塗装などのよ うな、 いずれ の方法によっても塗装することが可能であり、 塗装後に、 加熱硬化させるという ものである。
好ま しく は、 約 1 0 0 °c以上の温度で、 任意の時間、 加熱硬化させるこ とによ つて、 目的とする有機複合めつ き鋼板が得られる。
本発明に係る有機複合めつき鋼板は、 特に、 後続の電着塗装を施すこ とによ り、 自動車用鋼板などの用途に適した有機複合めつき鋼板と して、 極めて優れた効果 を発現する ものである。
本発明で得られる有機複台めっき鋼板は、 接着剤との接着性、 連铳溶接性、 加 ェ後耐蝕性、 霍着塗装性に侵れ、 しかも塗料密着性および耐蝕性に優れた特に、 電着塗装後の塗面の鲜映性 (平滑性) に優れ、 さ らには、 ブロ ッ ク化イ ソ シァ ネ 一ト化合物と、 ビュル変性ヱポキシエ ス テル樹脂とを分子レベルで均一に混合さ せた水性樹脂組成物を使用すると、 耐もらい锖性に優れたものとなる。
次に、 本発明で得られる有機複合めつ き鋼板の、 主だつた諸特性の評価方法に ついて説明をするこ とにするが、 それぞれの諸特性の評価基準は、 以下の通りで め る。
すなわち、 まず、 鲜映性および塗料密着性の評価方法は、 市販の電着塗料を用 いて、 2 0 ミ ク ロ ン m ) となるよ う に電着塗装を行ない、 1 7 5 °Cで焼き付 けたのち、 鲜映性を評価した。
鲜映性は、 電着塗膜の P G Dを測定して求めた。 評価指標は、 第 1表に示す通 りである。
塗料密着性は、 電着塗装後に、 メ ラ ミ ン一アルキ ド樹脂系塗料を用いて、 それ ぞれ、 4 0 ミ ク ロ ン ( m ) ずつ、 中塗りおよび上塗りを行ない、 J I S K -
5 4 0 0 に準拠して描画し、 碁盤目エ リ ク セン試験を行なつた。
なお、 塗装後において、 5 0 °Cなる温水中に 2 4 0時間のあいだ浸漬したのち の試料についてもまた、 同様にして評価判定を行った。 すなわち、 これは.、 温水 試験後の塗料密着性という ものである。 そして、 これらの塗料密着性の評価指標 は、 第 2表に示す通りである。
第 1 表 評価指標 P G D
◎ 0 . 6以上
〇 0 . 6未満〜 0 . 5
△ 0, 5未満〜 0 . 4
X 0 . 4未満〜 0 . 3
X X 0 . 3未満〜 0 . 0
第 2 表
また、 加工後の裸耐蝕性は、 試験片をプレ ス加工せしめて、 加工部における耐
蝕性の評価判定を行なったが、 かかる耐蝕性は、 J I S Z - 2 3 7 1 の規格に 準拠しての塩水噴霧試験法により、 それぞれ、 食塩水濃度が 5重量%で、 槽内温 度が 3 5てで、 かつ、 噴 圧力が 2 0 P S I の条件下で行なつたものである。
5 , 0 0 0時間における発锖の有無、 ならびに発鐯の程度を調査し、 発锖の発 生面積で評価したが、 その評価指標を第 3表に示す。
^ 3 ^
こ こにおいて、 まず、 接着剤との接着性 (密着性) は、 引っ張り剪断接着強度 および剝離接着強さであり、 J I S K - 6 8 5 0および J I S K - 6 8 5 4 の規格に準拠して行い、 それぞれ、 第 4表および第 5表に示すような評価基準で 評価判定した。
5 評価指標 剝離接着強さ
◎ 1 5 k g超
〇 1 0 I 5 k g
Δ 5 1 O k g
X 3 5 k g
X X 3 k g未満
次いで、 連铳溶接性は、 材質が C u - C r の C F型の霪極を用い、 加圧力が 2 5 0 k g f で、 かつ通電時間が 0. 2秒の条件下で行つたものである。 溶接電流 は、 チ リ発生および溶着時の電流値を求め、 その範囲の適性溶接電流と定め、 こ の適性溶接電流の中間の値 〈 (チ リ発生電流値 +溶着電流値) X 1 Z 2 > を溶接 電流値と定めて、 連続溶接を行った。
また、 1 0 0打点毎に、 ナゲッ ト径を測定し、 かかるナゲッ ト怪が 5 m mとな るまでの打点を、 第 6表に示すような、 評価指標で評価判定した。
^ 6 評価指標 連続打点
◎ 5, 0 0 0点超
〇 3 , 0 0 0点超〜 5 , 0 0 0点
Δ 1 , 0 0 0点超〜 3, 0 0 0点
X 5 0 0点超〜 1, 0 0 0点
X X 3 0 0点以下
さらに、 耐もらぃ銪性は、 鉄锖を飽和させた、 5 0 °Cの 5重量%塩化ナ ト リ ゥ ム水溶液中に、 1 5分間のあいだ浸瀆せしめて、 1 5分間のあいだ乾燥せしめる という作業を 1 サイ ク ルと して、 この作業を 2 0 0 サ イ ク ル繰り返して実施した 時点での発锖状況を、 目視により評価判定し、 第 7表に示すような評価指標で評 価判定した。
評価指標 赤锖発生率
◎ 5, 0 0 0点超
〇 3, 0 0 0点超〜 5 , 0 0 0点
Δ 1, 0 0 0点超〜 3 , 0 0 0点
X 5 0 0点超〜 1 , 0 0 0点
X X 3 0 0点以下
(実施例)
次に、 本発明を、 参考例、 実施例および比較例により、 一層、 具体的に説明す るこ と にするが、 本発明は、 その技術的思想を逸脱しない限り、 こ れらの実施例 のみに、 何ら、 限定される ものではない。 なお、 特に断りの無い限り、 部および %は、 すべて重量基準であるものとする。
[参考例 1 ] 〔水性ビニル変性ェ ポキシエ ス テル樹脂 ( A— 1 ) の調製例〕 温度調節装置および攪拌機を備えた、 清浄な反応容器に、 窒素ガスの通気下に, 脱水ヒマシ油脂肪酸の 6 0部、 大豆油脂肪酸の 6 0部、 紅花油脂肪酸の 3 0部、 「ェ ビク ロ ン 1 0 5 0」 (商品名 ; 大日本イ ン牛化学工業株式会社製) の 2 2 5部およびジメチルベン ジルァ ミ ンの 0 . 2部を仕込んで、 1 8 0 °Cにまで昇温 し、 1 時間のあいだ反応させたのち、 さ らに、 2 3 0。Cにまで昇温して、 酸価が 1 0 になるまで反応させた。
次いで、 1 0 0 °Cにまで冷却し、 プチルセ口ソ ルブの 2 5 0部を加えて、 よく 攪拌しながら、 1 2 0 °Cにまで昇温し、 そこへ、 4時間かけて、 メ タク リ ル酸の 5 0部、 ァ ク リ ル酸の 3 3部、 2— ヒ ド ロキ シェ チルァ ク リ レー 卜 の 2 5部およ び 2—ヒ ド ロキ シェチルメ タ ク リ レー ト の 2 5部と、 t e r t ブチ ルパーォキサ ィ ドの 2 5部とを滴下し、 そのまま、 4時間のあいだ保持した。
5 0 °Cに冷却してから、 ト リ ェチルァ ミ ンの 1 1 0部を加え、 よ く攪拌しなが ら、 ィ ォン交換水の 4 4 0部を滴下した処、 不揮発分が 4 0 %の乳白色の目的樹 脂液が得られた。 以下、 これを樹脂 ( A— 1 一 1 ) と略記する。
此の槿脂 ( A— 1 一 1 ) は、 芳香族ヱポキシ樹脂と脂肪酸との比率が 6 0 : 4 0 (重量部比; 以下同様) であり、 かつ、 全エチ レ ン性ビュルモノ マーおよび力 ルボキシル基含有ヱチレ ン性ビュルモノマーの使用量が、 芳香族ェポ牛シ樹脂と 脂肪酸との反応生成物の 1 0 0部に対して、 それぞれ、 3 5 . 5部および 2 2 . 1 部であった。
[参考例 2 ] (同上)
温度調節装置および攪拌機を備えた、 清浄な反応容器に、 窒素ガスの通気下に 脱水ヒマシ油脂肪酸の 7 5部、 大豆油脂肪酸の 7 5部、 紅花油脂肪酸の 7 5部、
「ェ ビク ロ ン 1 0 5 0」 の 1 5 0部およびジメ チルベ ン ジルア ミ ンの 0. 2部 を仕込んで、 1 8 0 °Cにまで昇温し、 1 時間のあいだ反応させたのち、 さらに、 2 3 0 °Cにまで昇温して、 酸価が 5 になるまで反応させた。
その後、 1 0 0 °Cにまで冷却し、 プチルセ口ソ ルブの 2 5 0部を加えて、 よく 撹拌しながら、 1 2 0 °Cにまで昇温し、 そこへ、 4時間かけて、 アク リ ル酸の 4 0部、 2 - ヒ ド ロキ シェチルァ ク リ レー ト の 2 5部およびスチ レ ンの 2 5部と、 t e r t—ブチルバ一ォキサイ ドの 2 0部とを滴下し、 そのまま、 4時間のあい だ保持した。
5 0 °Cに冷却したのち、 ト リ ェチルァ ミ ンの 6 0部を加え、 よく攒拌しながら、 ィ ォ ン交換水の 4 1 7. 5部を滴下した処、 不揮発分が 4 0 %の乳白色の目的樹 脂液が得られた。 以下、 これを樹脂 ( A— 1 一 2 ) と略記する。
此の樹脂 (A— 1 一 2 ) は、 芳香族ヱポキシ樹脂と脂肪酸との比率が 4 0 : 6 0であり、 かつ、 全エチ レ ン性ビュルモ ノ マーおよびカ ルボ牛 シル基含有ェ チ レ ン性ビュルモノ マーの使用量が、 芳香族ェポキシ樹脂と脂肪酸との反応生成物の 1 0 0部に対して、 それぞれ、 2 4部および 1 0. 5部であった。
[参考例 3 ] 〔水性ビュル変性エ ポキ シエ ス テル樹脂 (A— 2 ) の調製例〕 温度調節装置および攪拌機を備えた、 清浄な反応容器に、 窒素ガスの通気下に, 脱水ヒマシ油脂肪酸の 6 0部、 大豆油脂肪酸の 6 0部、 紅花油脂肪酸の 3 0部、 「ェ ピク ロ ン 1 0 5 0」 の 2 2 5部およびジメ チルベ ン ジルァ ミ ンの 0. 2部 を仕込んで、 1 8 0 °Cにまで昇温し、 1 時間のあいだ反応させたのち、 さらに、 2 3 0 °Cにまで昇温し、 酸価が 1 0 になるまで反応させた。
次いで、 1 0 0。Cにまで冷却し、 プチルセ 口 ソ ルブの 2 5 0部を加えて、 よく 損拌しながら、 1 2 0てにまで昇温し、 そこへ、 4時間かけて、 アク リ ル酸の 5 0部、 2— ヒ ドロキ シェチルア タ リ レー ト の 2 5部と、 t e r t —ブチルバ一ォ キサイ ドの 1 0部とを滴下し、 そのまま、 4時間のあいだ保持した。
5 0 °Cにまで冷却してから、 ト リ ェチルァ ミ ンの 7 7部を加えて、 よ く攪拌し た。 次いで、 ブロ ッ クィ匕イ ソ シァネ ー ト化合物と しての、 へキサ メ チ レ ン ジイ ソ シァネー ト · メ チルェチ ルケ トォキ シム ' ブロ ッ ク化物の 3 0部を加えて、 3 0
分間のあいだ、 よく混合せしめた。
しかるのち、 攪拌しながら、 イ オ ン交換水の 4 0 8部を滴下した処、 不揮発分 が 4 0 %の、 乳白色の、 ブロ ッ ク化イ ソ シァ ネー ト化合物と、 ビニル変性ェ ポキ シエス テル樹脂とが、 分子レベルで混台された目的樹脂液が得られた。 以下、 こ れを樹脂 (A— 2 — 1 ) と略記する。
此の樹脂 ( A— 2 — 1 ) は、 芳香族ヱ ポキシ樹脂と脂肪酸との比率が 6 0 : 4 0であ り 、 かつ、 全エチ レ ン性ビュルモ ノ マ一およびカ ルボキ シル基含有ェ チ レ ン性ビュルモノ マーの使用量が、 芳香族ェポキシ樹脂と脂肪酸との反応生成物の 1 0 0部に対して、 それぞれ、 2 0部および 1 3. 3部である。 また、 ブロ ッ ク 化イ ソ シァネー ト化合物の含有率は、 当該樹脂 ( A— 2 — 1 ) の固形分中の 6 % であった。
(実施例 1 〜 9 ならびに比較例 1 〜 5 )
参考例 1 〜 3で得られた、 それぞれの樹脂液を、 第 8表に示されるような配合 処方 (固形分比率で記載) で以て配合せしめて、 各種のク ロメー ト被 8合金めつ き網板用の塗料用樹脂組成物を調製した。
なお、 第 8表中の樹脂の種類の欄の Aは参考例 1 で得られた樹脂 (A - 1 — 1 ) を表し、 Bは参考例 2で得られた樹脂 ( A— 1 — 2 ) を表し、 Cは参考例 3で得 られた梃脂 ( A— 2 — 1 ) を表す。
なお、 比較例用の対照品と しては、 市販のカ ルボキ シル化ポ リ エチ レ ン系エマ ル ジ ョ ン ( X ) および芳香族ェポキ シェマル ジ ヨ ン ( Y) を用いた。 また、 硬化 剤と しては、 へキサ メ チ レ ン ジイ ソ シァ ネー ト · メ チルェチルケ ト ォキ シム · ブ ロ ック化物を、 ノ -ォン分散剤を用いて水性化せしめた形のもの ( α ) 、 ジフ ユ ュルメ タ ン ジイ ソ シァネー ト · メ チ ルェチルケ ト ォキ シム ' ブロ ッ ク化物を、 ノ 二ォン分散剤を用いて水性化せしめた形のもの (;8 ) および 「サイ メ ル 3 0 3」 (商品名 ; 三井サイ ティ ッ ク社製) ( 7 ) を用いた。
さらに、 金属酸化物の粉末またはコロイ ド (ゾル) と しては、 1 0 η mの平均 粒子径を有する、 それぞれ、 S i 02 の水分散体 (M l ) 、 8 n mの平均粒子怪 を有する C r 2 03 の水分散体 (M 2〉 および 6 n mの平均粒子怪を有する A 1
2 03 (M 3 ) を用いた。
さらにまた、 顔料と しては、 ァゾレーキ顔料を、 ノ ニオ ン分散剤で分散化せし めた形の水性顔料 (大日本イ ンキ化学工業株式会社製品) を用いた。
第 8 表 ( 1 — 1 ) 実 施 例 1 実 施 例 2 実 施 例 3 樹 脂 の 種 類 A 1 0 0 1 0 0 1 0 0
a 1 0 硬化剤の種類 β 2 0
7 5
Μ 1 2 0 金属コ ロイ ド Μ 2 5 0
Μ 3 3 0 水 性 顔 料 5 め つ き の 種 類 Ζ η - Ν i Ζ η - Ν i Ζ η - Ν i めっきの主金属含量 8 7. 2 8 7. 2 8 6. 5 めつ きの少量金属含量 Ν i = 1 2. 8 Ν i = 1 2. 8 Ν i = 1 3. 5 め っ き 皮 膜 量 2 0 2 0 2 0
(第 8表の脚注》
表中の 「めっきの主金属含有量」 は、 「めっ きの主金属含有量 ( Z n ) 」 の
意味であり、 その数値は、 重量%である。
表中の 「めっきの少量金属含有量」 は、 その該当金属名を掲げると同時に、 同金属の含有率 (重量%) をも表示するようにした。
表中の 「めつき皮膜量」 の単位は、 g/m2 である。
第 8 表 ( 1 一 2 ) 実 施 例 1 実 施 例 2 実 施 例 3 ク ロ メ ー ト の種類 電 解 型 塗 布 型 反 応 型 ク ロ メ ー ト の皮膜量 8 5 4 8 4 8 無機有機複合皮膜量 0 . 5 0 . 4 0 . 6 接着剤との接着性 ◎ ◎ ◎ 連 続 溶 接 性 ◎ ◎ ◎ 加工後の裸耐食性 ◎ ◎ ◎ 電 着 塗 装 性 ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 1 ) ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 2 ) ◎ ◎ ◎ 耐 食 性 ◎ ◎ ◎ 鲜 映 性 ◎ ◎ ◎ 耐もらぃ锖性 〇 〇 〇
(第 8表の脚注》
表中の 「ク ロメー トの皮膜量」 の単位は、 m g Z m 2 である
表中の 「無機有機複合皮膜量」 の単位は、 g /m2 である。
表中の 「塗料密着性 ( 1 〉 」 は、 常態における塗料密着性を、 「塗料密着性
( 2 ) 」 は、 温水試験後の塗料密着性を意味している。
第 8 表 ( 2 - 1 ) 実 施 例 4 実 施 例 5 実 施 例 6
A 1 0 0
樹 脂 の 種 類 B 1 0 0
C 1 0 0 硬化剤の種類 a 1 5 1 0
M 1 4 0 2 0 金属コ ロイ ド
M 2 2 0 水 性 顔 料 5 め っ き の 種 類 Z n - N i Z n - M n Z n - N i - めっきの主金属含量 8 5. 9 5 8 8 6 . 9
N i = 1 2. 1 めつ きの少量金属含量 N i = 1 4. 1 M n = 4 2
C o = 1 . 0 め っ き 皮 膜 量 2 0 2 5 2 0
《第 8表の脚注》
表中における実施例 5 の 「 Z n — N i —」 は、 「 Z n — N i — C o」 の略記
である
第 8 表 ( 2 - 2 ) 実 施 例 4 実 施 例 5 実 施 例 6 ク ロ メ ー ト の種類 塗 布 型 電 解 型 霪 解 型 ク ロ メ ー ト の皮膜量 4 3 4 1 8 5 無機有機複合皮膜量 0 . 6 0 . 8 1 · 3 接着剤との接着性 ◎ ◎ ◎ 連 続 溶 接 性 ◎ © ◎ 加工後の裸耐食性 ◎ ◎ ◎ 電 着 塗 装 性 ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 1 ) ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 2 ) ◎ ◎ ◎ 耐 食 性 ◎ ◎ ◎ 鲜 映 性 ◎ ◎ ◎ 耐もらぃ鎮性 〇 〇 ©
第 8 夷 ( 3 - 1 ) 実 施 例 7 実 施 例 8 実 施 例 9 樹 脂 の 種 類 C 1 0 0 1 0 0 1 0 0
硬化剤の種類 β 5 1 5 0
金属コ ロイ ド
Μ 2 5 0 2 0 水 性 顔 料 1 0 め っ き の 種 類 Z n - C r Z n - F e Z n - A 1 めっきの主金属含量 8 8 . 5 8 9 9 5 めつ きの少量金属含量 C r = 1 1 . 5 F e = 1 1 . 0 A 1 = 5
め っ き 皮 膜 量 2 0 2 3 4 5
第 s ( 3 - 2 ) 実 施 例 7 実 施 例 8 実 施 例 9 ク ロ メ ー トの種類 塗 布 型 塗 布 型 電 解 型 ク ロ メ ー ト の皮膜量 5 2 3 8 7 5 無機有機複合皮膜量 1 . 1 1 . 5 1 . 5 接着剤との接着性 ◎ ◎ ◎ 連 続 溶 接 性 ◎ ◎ ◎ 加工後の裸耐食性 ◎ ◎ ◎ 電 着 塗 装 性 ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 1 ) ◎ ◎ ◎ 塗料密着性 ( 2 ) © ◎ ◎ 耐 食 性 ◎ ◎ ◎ 鲜 映 性 ◎ ◎ ◎ 耐もらぃ銪性 ◎ ◎ ◎ 次に、 それぞれ、 第 9表に示されるような、 付着量およびめつき組成のめっき 鋼板上に、 同表記載のク ロメ一 ト皮膜を施し、 上記ク ロメ一 ト被覆合金めつ き鋼
板用の塗料用樹脂組成物を塗布し、 1 5 0 °Cで、 1 0秒間のあいだ乾燥硬化せし めた。 このようにして得られた有機複合めつ き鋼板の評価結果についても、 ま と めて、 同表に示す。 第 9 表 ( 1 一 1 ) 比 較 例 1 比 較 例 2 比 較 例 3
X 1 0 0 1 0 0
樹 脂 の 種 類
Y 1 0 0 a 3 0 1 0 硬化剤の種類
β 2 0
Μ 1 5 0 3 0 金属コ ロイ ド
Μ 2 3 0 め つ き の 種 類 Ζ η - N i Z n - N i Z n - N i めっきの主金属含量 8 7. 4 8 9. 2 8 5 . 8 めっ きの少量金属含量 Ν i = 1 2. 6 N i = 1 0. 8 N i = 1 4. 2 め っ き 皮 膜 量 2 0 2 0 2 0
第 9 表 ( 1 — 2 ) 比 較 例 1 比 較 例 2 比 較 例 3 ク ロ メ ー ト の種類 電 解 型 塗 布 型 塗 布 型 ク ロ メ ー ト の皮膜量 7 5 4 8 5 6 無機有機複合皮膜量 0 . 8 1 . 2 1 . 7 接着剤との接着性 X X ◎ 連 続 溶 接 性 ◎ ◎ X 加工後の裸耐食性 ◎ ◎ X 電 着 塗 装 性 X X X 塗料密着性 ( 1 ) X X ◎ 塗料密着性 ( 2 ) X X ◎ 耐 食 性 〇 〇 ◎ 鲜 映 性 X X X 耐ちら IS性 X X X
第 9 表 ( 2 - 1 ) 比 較 例 4 比 較 例 5 樹 脂 の 種 類 Y 1 0 0 1 0 0 β 1 0
硬化剤の種類
7 1 5
Μ 2 3 0
金属コ ロイ ド
Μ 3 2 0 め っ き の 種 類 Z n - N i Z n - N i めっきの主金属含量 8 6 . 9 8 8 . 2 めっ きの少量金属含量 N i = 1 3 . 1 N i = 1 1 . 8 め っ き 皮 膜 量 2 0 2 0
第 9 表 ( 2 - 2 ) 比 較 例 4 比 較 例 5 ク ロ メ ー ト の種類 電 解 型 塗 布 型 ク ロ メ ー ト の皮膜量 8 2 4 2 無機有機複合皮膜量 0 , 7 1 . 3 接着剤との接着性 ◎ ◎ 連 続 溶 接 性 X X 加工後の裸耐食性 X X 電 着 塗 装 性 X X 塗料密着性 ( 1 ) ◎ ◎ 塗料密着性 ( 2 ) ◎ ◎ 耐 食 性 ◎ ◎ 鲜 映 性 X X 耐もらい锖性 X X
産業上の利用可能性
以上のように本発明で得られる有機複合めつき鋼板は、 接着剤との接着性、 連 続溶接性、 加工後耐蝕性、 電着塗装性に優れ、 しかも塗料密着性および耐蝕性に 優れた特に、 電着塗装後の塗面の鲜映性 (平滑性) に優れ、 さ らには、 プロ ッ ク 化イ ソ シァネー ト化合物と、 ビニル変性ヱポキ シエステル樹脂とを分子レベルで 均一に混合させた水性樹脂組成物を使用すると、 耐も らい鲭性に優れたものとな るので、 特に、 後続の電着塗装を施すこ とによ り、 自動車用鋼板などの用途に適 した有機複合めつき鋼板と して、 極めて優れた効果を発現する ものである。