WO1994021112A1

WO1994021112A1 - Balance weight moving and holding mechanism for a fishing lure

Info

Publication number: WO1994021112A1
Application number: PCT/JP1994/000432
Authority: WO
Inventors: Koichi Itoh
Original assignee: Megabass Co., Ltd.
Priority date: 1993-03-19
Filing date: 1994-03-17
Publication date: 1994-09-29
Also published as: JP3517671B2; KR950701490A; KR100289888B1; CN1073345C; CN1105796A; US5566498A; AU6263694A

Description

明細書ルアーにおけるバランスゥユイト移動及び保持機構技術分野

本発明は、釣り用ルアーのうち、特に深場を狙うルアーとして分類されているクランクべィトルアー等のプラグルアーの構造に関する。

背景技術

所謂、プラグルアーのうち例えばクランクベイトルアーは、大型のルアーボディに設けた巨大なダイビングリップ（潜水板）と、該ルアーボディに内蔵した大型のバランスウェイトとを必要とする。このため、より深場を狙える仕様でクランクベイトルアーを設計すると、この場合上記リップもより大型になる力、特にキャスティング（投射）時に、かかる形状的要因で空気抵抗が増大し、遠くまで投射することが困難になる。そこで、このようなクランクベイトルアーを遠投可能にする釣竿（ロッド）が開発されている。

一方、上述のような深場を狙うことを考慮せずに、単に遠投のみを目的とする場合、図 1に示したように、ルアーボディ 1 1 0の最尾部にバランスゥヱイト 1 2 0を固定すればよい。このように重心をルアーボディ 1 1 0の後部に設定することにより、形状的要因等に影響されずに遠投が可能になる。

しかしながら、上記のようにバランスゥヱイト 1 2 0を固定すると、重心がルァーボディ 1 1 0の後部に設定される結果、クランクベイトルアー本来の目的である深く潜行させることができなくなる上、遊泳のバランスも悪化してしまう等の問題が生じる。

このように従来のクランクベイトルアーでは、キャスティング性能と潜行性能を有効に両立させることが困難であった。

また従来、ルアーボディの前部に磁石を設け、この磁石の磁力によって、バランスウェイトを吸着 ·保持し得るようにしたものが知られている力 \ その場合構造が複雑化し、部品点数も増大する等の問題がある。

本発明はかかる実情に鑑み、キャスティング性能と潜行性能を兼ね備え、優れた機能を発揮し得るルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構を提供することを目的とする。

また、本発明は、簡単な構成により、必要に応じてバランスゥヱイトをルアーボディの最適位置に確実に保持し、常に適正な潜行姿勢を保証し得るルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構を提供することを目的とする。発明の開示

本発明のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構は、ルアーボディの先端部に付設したリップと上記ルアーボディに内蔵されたバランスゥヱイトとを備えたルアーにおいて、上記ルアーボディのバランスウェイ卜が長手方向に沿つて移動し得るように構成されている。

特に、上記バランスゥヱイトはガイド上を転動することにより、長手方向に移動可能になっていて、また上記ガイドの先端部にポケットを設け、このポケット内に上記バランスウェイトを保持し得るようにしたものである。

本発明によれば、バランスウェイ卜が長手方向に沿って移動可能になっているため、キャスティング時には、該バランスウェイトが最後部に移動し、これにより遠投が可能になる。またキャスティング後、釣糸を引くことにより、ルアーボディが前傾姿勢になり、これに伴いバランスゥイトが潜行に最適な最前部に移動する。このようにバランスゥイトを移動可能としたことにより、遠投が可能で且つ優れた潜行性能を発揮することができる。

上記の場合、バランスゥヱイトを移動させるためのガイドの先端部にポケットを設けたことにより、このポケット内にバランスウェイトを保持して不用意に移動してしまわないようにすることができる。これにより、特に潜行中のルアーボディを一定の潜行姿勢に保つことができる等、バランスの良い潜行状態を確保することができる。

本発明の別の態様では、ルアーボディの先端部に付設したリップと、上記ルァ —ボディに内蔵されたバランスゥヱイトとを備えているが、特に上記バランスゥエイトは、ガイド上を転動することにより、上記ルアーボディの長手方向に沿つて移動可能になっていて、また上記ガイドの先端部に、カバーを有するホルダー部を形成し、このホルダー部内に上記バランスゥヱイトを保持し得るようにしたものである。特に上記ホルダ一部は、比較的深い凹陥部状に形成されている。この種のルアーでは、キャスティング時その飛距離を伸ばすためには、前述したようにバランスウェイトを、ルアーボディの最後部に固定して、その重心を該ルアーボディの後部に設定する。この態様の本発明機構によれば、バランスゥェイトは、ルアーボディの長手方向に沿って移動可能になっているので、該バランスウェイトをルアーボディの最後部まで移動させることにより、そこに重心を設定することができる。

一方、バランスウェイトは、ルアーボディの前部に設けたホルダー部に嵌入し得るようになつている力 \ キャスティングの際に、バランスウェイトが特にこのホルダ一部に嵌入している場合を考える。この場合、釣糸によって垂架されているルアーボディに対して、一旦釣竿を下方にしならせることにより、該ルアーボディを僅かに下降させながら揺動させる。すると、バランスゥヱイトの慣性とこの時に作用する一定の衝撃により、該バランスウェイトはホルダー部の周縁部を乗り越して、該ホルダ一部から離脱する。そしてバランスウェイトはルアーボディの最後部まで移動し、この状態でキャスティングを行うことにより、遠投が可能になる。

キャスティングによる着水後、釣糸を引くことによりルアーボディの先端部のリップが水流抵抗を受け、この水流抵抗によってルアーボディが前傾姿勢になる。これによりバランスゥヱイトは、潜行に最適な最前部に移動すると共に、ホルダ一部に嵌入し、このホルダー部内に保持される。このようにバランスゥヱイトをホルダー部に嵌入させて、ルアーボディの重心を前部に設定 ·保持することにより、潜行中のルアーボディを最適な潜行姿勢に保つことができる。

この場合、ホルダ—部は比較的深い凹陥部状に形成されているため、該ホルダ一部に嵌入したバランスゥヱイトを、確実に保持することができる。そして特にその潜行中にルアーボディが例えば湖底の障害物等に接触した場合、本発明によれば該バランスウェイ卜がホルダー部から不用意に外れてしまうのを有効に防止することができる。即ち、本発明に係るホルダー部は、上述のように凹陥部状に形成されていて、そのカバ一によりバランスゥヱイトを包み込むように保持し、これによりホルダ一部に嵌入したバランスゥヱイトを確実に保持するから、湖底の障害物との接触事故等の場合では、バランスウェイ卜がホルダー部から脱落する危険がない。

本発明の更に別の態様では、ルアーボディ内で移動可能なバランスウェイトを内蔵し、重心が移動し得るように構成されているが、前記バランスウェイトを転動可能に支持する前記ルアーボディの長手方向に沿って形成されたガイドと、前記ガイドの前端より湾曲して起伏するように連設された保持板によって画成されるポケット部と、前記ポケット部の一部を切除することにより、前方に拡開するように形成されたゲートと、を備え、前記バランスゥヱイトカ^ 前記ポケット部内に保持され得るようにしたものである。

特にルアーボディがほぼ鉛直状態となったとき、バランスゥヱイトが、ゲートを介してポケット部から離脱し得るようにしたものである。また前記ポケット部の前側上部にて、規制プレートがほぼ垂架されている。

この態様によれば、バランスウェイトはガイド上で転動し、ルアーボディの長手方向に沿って移動可能になっている。キャスティング時にはバランスゥヱイトが最後部に移動し、これにより遠投が可能になる。またキャスティング後、釣糸を引くことにより、ルアーボディが前傾姿勢になり、これに伴いバランスウェイ卜が潜行に最適な最前部に移動する。

ガイドに沿って移動したバランスウェイトは、その前端に連設されたポケット部内に保持され、潜行もしくは遊泳中に不用意に移動することがない。またルァ一ボディが潜行中に障害物等と衝突しても、そのバランスウェイトをポケット部内に確実にロック ·保持しておくことができる。従って、常にルアーボディを一定の潜行姿勢に保つことができ、バランスの良い潜行状態を確保することができる

ポケット部は、ガイドの前端より湾曲して起伏するように形成され、前方に拡開するように形成されたゲートを有している。バランスゥヱイトは、このゲートを介してポケット部から挿脱し得る。キャスティング時に、そのキャスティング動作に伴いルアーボディは一旦鉛直姿勢をとるが、ルアーボディが好適にはほぼ鉛直状態となったとき、バランスウェイトは、ゲートを介してポケット部から離脱する。このようにキャスティング動作を行うことにより、ポケット部内にロックされているバランスゥヱイ卜のロックが自動的に解除され、キャスティングに最適な重心位置を設定することができ、素早く次のキャスティング動作に移行することができる。

また、ポケット部の前側上部には規制プレートが設けられており、例えば潜行中に障害物等と衝突した場合でも、この規制プレートはバランスゥイトが不用意に浮き上がるのを防止し、バランスゥヱイトはポケット部内に安定して保持される。図面の簡単な説明

図 1は、従来のクランクベイトルアーの構造例を示す図である。

図 2は、本発明の第一実施例による構造例を示す縱断面図である。

図 3は、本発明に係るルアーのキャスティング時から潜行開始までの状態を順次説明する図である。

図 4は、本発明に係るルアーの浮遊状態を示す図である。

図 5は、本発明のルアーとの比較例としての最前部にバランスウェイトを固定したルアーの浮遊状態を示す図である。

図 6は、本発明に係るルアーの潜行軌跡の例を上記比較例との関係において示す図である。

図 7は、本発明に係るルアーにおける魚の釣り掛かり状態を示す図である。図 8は、本発明の第一実施例の変形例を示す図である。

図 9は、本発明の第一実施例に係るリップの他の構造例を示す縦断面図である o

図 1 0は、本発明の第一実施例における上記他の構造例のリップに係る平面図である。

図 1 1は、本発明に係るルアーにおける障害物等に接触時の作用を示す断面図である。

図 1 2は、本発明の第二実施例による概略構成例を示す断面図である。

図 1 3は、第二実施例に係るルアーにおけるキャスティング時の作用を順次示すそれぞれ全体概略図である。

図 1 4は、第二実施例に係るルアーにおけるキャスティング時の作用を順次示すそれぞれ要部断面図である。

図 1 5は、第二実施例に係るルアーにおける障害物等に接触時の作用を示す断面図である。

図 1 6は、本発明の第三実施例による概略構成例を示す平断面図である。図 1 7は、図 1 6の I一 Iに沿う断面図である。

図 1 8は、図 1 6の E— Hに沿う断面図である。

図 1 9は、本発明の第三実施例の要部斜視図である。

図 2 0は、本発明の第三実施例におけるポケットまわりの構成を示す部分平面図である。

図 2 1は、本発明の第三実施例に係るプラグルアーにおけるキャスティングァクシヨンの 1例を示す図である。

図 2 2は、本発明の第三実施例におけるキャスティング時の作用を順次示す図である。

図 2 3は、本発明の第三実施例におけるピックアツプ時の作用を順次示す概略図である。

図 2 4は、本発明の第三実施例におけるゲートを形成すべき保持板の形態例を示す平面図である。

図 2 5は、本発明の第三実施例における規制プレートの形態例を示す部分断面図である。

図 2 6は、本発明の第三実施例におけるバランスゥイ卜に対する保持方法の形態例を示す部分断面図である。

図 2 7は、本発明の第三実施例に係るプラグルアーにおける垂直プレートを設けた構成例を示す部分断面図である。

図 2 8は、本発明の第三実施例の変形例における 2つの重心移動機構を備えたルアーの構成例を示す断面図である。

図 2 9は、 2つの重心移動機構を備えたルアーにおけるキャスティング姿勢と浮遊姿勢を示す図である。

図 3 0は、 2つの重心移動機構を備えたルアーにおける潜行軌跡の例を示す図である。

図 3 1は、 2つの重心移動機構を備えたルアーにおける水平遊泳時のバランスウェイトの状態を示す図である。

図 3 2は、 2つの重心移動機構を備えたルアーにおける水平遊泳時の潜行軌跡の例を示す図である。発明を実施するための最良の形態

以下、図 2乃至図 7に基づき、本発明のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構の第一実施例を説明する。 .

図 2は、本発明に係るルアーの構造例を示しているが、図において、 1はルァ一ボディ、 2はルアーボディ 1の先端部に付設したリップ（潜水板）、 3はリツプ 2に設けた糸環であり、この糸環 3に釣糸 4が結び付けられる。また 5はフックハンガー、 6はヒートンであり、これらにフロントフック 7及びリャフック 8 (図 3参照）が係着するようになっている。上記ルアーボディ 1は、合成樹脂等の材料により小魚に似せた外観形状となるように成形され、概略中空構造を有している。またリップ 2は、かかるルアーボディ 1に対して適度に下方に傾斜するように取り付けられている。

更に、図 2において、 9はルアーボディ 1に内蔵されたバランスウェイトであり、比較的重量が軽い金属製の球体により構成されている。 1 0はバランスゥェィト 9のためのガイドであり、上記バランスウェイト 9はこのガイド 1 0上を転動することにより、ルアーボディ 1の長手方向に沿って移動可能になっている。またガイド 1 0の先端部には凹状のポケット 1 0 aが形成されており、このボケット 1 0 a内に上記バランスゥヱイト 9を保持し得るようになつている。

この実施例によるルアーにおけるバランスゥヱイト移動及び保持機構は、上記のように構成されており、次にその作用を説明する。

図 3は、この実施例に係るルアーのキャスティング時から潜行開始までの状態を順次示しているが、キャスティング時（図 3 ( a ) ) には、バランスウェイト 9はルアーボディ 1の最後部に移動し、その慣性により該ルアーボディ 1をその形状的要因等に影響されることなく、安定した状態で遠投することができる。キャスティングされたルアーボディ 1は着水後、図 3 ( b ) に示したような浮遊状態になるが、釣を開始する際にリップ 2の支点に結ばれた釣糸 4を引くことにより、このリップ 2が水流の抵抗を受けて、ルアーボディ 1が図 3 ( c ) に示したように前傾姿勢になる。なおこの場合、バランスゥヱイト 9は余り重過ぎないので、図 3 ( b ) に示したようにその浮遊状態では、極端にルアーボディ 1が鉛直方向に向かって傾斜することはなく、従ってかかる浮遊状態から図 3 ( c ) の状態へ円滑且つ迅速に移行させることができる。これによりバランスゥヱイト 9は、ガイド 1 0上を転動して、潜行に最適なルアーボディ 1の最前部に移動する。そして、ルアーボディ 1の最前部に移動したバランスウェイト 9はポケット 1 0 aに嵌入し、該ポケット 1 0 a内に保持される。

このようにバランスウェイト 9がボケット 1 0 a内に保持されると、ルアーボディ 1は、図 4に示したように水流抵抗を受け易いように傾いた浮遊姿勢となり、これにより後述するように湖底のボイントを的確に狙うことができる。

かくしてルアーは潜行を開始するが、その場合、湖底もしくはその湖底の障害物等と不用意に接触しても、上記のようにバランスゥヱイト 9はポケット 1 0 a 内に保持されているため、ルアーボディ 1の後部へ移動してしまうことはない。これにより、特に潜行中のルアーボディ 1を一定の潜行姿勢に保つことができ、バランス良く潜行することができる。

さて、図 6は、この実施例に係るルアーの潜行軌跡の例を示している。潜行に際して図 4に示したような浮遊姿勢となっているが、湖底のボイントに対して図 6に示されるような潜行軌跡（点線参照）で遊泳する。この場合、前述のようにバランスゥヱイト 9がポケット 1 0 a内に保持されているので、急速潜行が可能になり、これにより湖底のボイントに広い範囲で且つ迅速に到達することができる。そしてかかる潜行軌跡で遊泳することにより、その広い釣り可能エリア Sにおいて魚群を広い範囲で探ることができ、このように極めて高い釣り効果を得ることができる。

ここで、図 5を参照して、ルアーボディ 1 1 0 ' の最前部にバランスゥヱイト 1 2 0 ' を固定することにより、急速潜行を可能にするルアーが知られている。しかしながら、このルアーはルアーボディ 1 1 0 ' の最前部にバランスウェイト 1 2 0 ' が位置するため、キャスティング時の飛行中に横風を受ける。このためルアーボディ 1 1 0 ' が回転して釣糸絡みを引き起こしたり、更に十分な飛距離が得られない等の問題がある。

因みに、この図 5に示したルアーでは、図示のような浮遊姿勢となっており、またその潜行軌跡は図 6において一点鎖線によって示されるようになり、このためその釣り可能エリア S ' は浅く且つ狭い。これに対して本発明に係るルアーによれば前述の通り深く且つ広レ、釣り可能エリア Sを得ることができる。

更に、本発明のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構によれば、釣り掛かりした魚を外れ難くすることができる。即ち、図 7に示したように魚に対して釣竿は常に上方に位置するため、ルアーボディ 1の後部へ移動したバランスウェイト 9と魚の釣り掛かり位置（魚の口部分）との距離 Lが小さく、これによりこの魚が暴れてもルアーボディ 1が大きく振られないようにすることができる。従って、釣り掛かりした魚が外れるのを有効に防止することができる。

なお、例えば図 5に示したルアーの場合では、そのバランスウェイト 1 2 0 ' と魚の釣り掛かり位置との距離 L ' が大きいため、魚が暴れるとルアーボディ 1 1 0 ' が大きく振られてしまい、その結果釣り掛かりした魚が極めて外れ易くなつてしまう等の問題が生じる。

また、この実施例において、図 8に示したようにポケット 1 0 a及びポケット 1 0 a ' を前後に連設することもできる。この場合、ポケット 1 0 a及びポケット 1 0 a ' 間には一定の凸部 1 O bが形成される。またボケット 1 0 aは潜行するのに適した位置に設定されると共に、ポケット 1 0 a ' はルアーボディ 1の最前部に設定される。

このようにボケット 1 0 a及びボケット 1 0 a ' を連設することにより、例えば特にリップ 2が湖底に接触した場合、図 8に示したように該リップ 2の先端を支点にして（支点 P ) ルアーボディ 1が回動するが、これによりそれまでポケット 1 0 a内に嵌入していたバランスゥヱイト 9が上記凸部 1 0 bを乗り越えてポケット 1 0 a ' 側に移動する。このようにルアーボディ 1が言わば梃子の原理により撥ね上げられるので、これと伴にフロントフック 7及びリャフック 8も図示のように撥ね上げられ、即ち湖底から遠ざかる。そしてこれらのフロントフック 7及びリャフック 8が湖底等に引っ掛かるのを有効に防止することができる。なお、従来のルアー（例えば図 5に示した例）では、湖底に到達すると本発明に係るルアーとは異なり、そのルアーボディ 1 1 0 ' が回動せずに、湖底を滑るように移動するため、釣針（フック）は極めて引っ掛か易く危険である。

次に、図 9及び図 1 0は、第一実施例における変形例を示している。特にこの例では、リップ 2の先端部において、水流取込口 2 aが付設されている。この水流取込口 2 aは、リップ 2の裏側 2 bへ突出するように形成されている力、リツプ 2の先端から水流を取り込んで、リップ 2の表側 2 cへ向かう流れを形成するようにしたものである。

ところで、バランスウェイト 9が移動可能になっているため、図 9のようにバランスゥヱイト 9が後部に移動して浮遊している場合、巨大なリップ 2の裏側 2 bで水流抵抗を受け易い。そしてそのままでは、かかるバランスゥヱイト 9を前部に移動させて潜行姿勢をとらせるまでに、かなりの時間を要する場合がある。上記のように水流取込口 2 aを設けることにより、図 9のような浮遊状態となつている場合でも、潜行姿勢に移行するための立ち上がり時間を大幅に短縮することができる。このようにバランスウェイト 9を移動可能とした構成の効果を損なうことなく、有効にその機能を発揮させることができる。

この実施例のルアーにおけるバランスゥヱイト移動及び保持機構によれば、安定状態で遠役が可能になると共に、釣りに効果的な潜行軌跡を得ることができ、このように従来困難であつた優れたキャスティング性能と潜行性能を同時に実現することができる等の利点を有している。

上述のようにバランスゥヱイト 9をポケット 1 0 a内に保持することができる力 \ ここで、仮にルアーボディ 1の着水後、図 1 1に示したように、湖底の障害物等に接触した場合を考える。このとき障害物接触時の正面からの衝撃によって、ポケット 1 0 a内に保持されていたバランスウェイト 9が離脱して、図示のようにルアーボディの後部に移動してしまう危険がある。

そこで、本発明の第二実施例においては、簡単な構成により、必要に応じてバランスウェイト 9をルアーボディ 1の最適位置に確実に保持し、常に適正な潜行姿勢を保証し得るルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構を提供するものである。

図 1 2は、本発明の第二実施例による全体概略構成例を示しているが、図において、 1は合成樹脂等の材料により小魚に似せた外観形状となるように成形された概略中空構造のルアーボディ、 2はルアーボディ 1の先端部において適度に下方に傾斜するように取り付けられたリップである。 9はルアーボディ 1に内蔵されたバランスウェイトであり、比較的重量が軽い金属製の球体により構成されている。 1 0はバランスウェイト 9のためのガイドであり、このガイド 1 0は、ノくランスゥヱイト 9がその上を転動し得るように、ルアーボディ 1の長手方向に沿つて形成されている。

また、 1 1は上記ガイド 1 0の先端部において比較的深い凹陥部状に形成されたホルダー部であり、このホルダー部 1 1は、バランスウェイト 9が嵌入し得るように寸法設定されている。ホルダー部 1 1の口部周縁にはカバー 1 1 aが設けられている。なお、図 1 5に示したように、上記リップ 2の適所には、釣糸 4が結び付けられた糸環 3が設けられている。また、ルアーボディ 1には、フロントフック 7及びリャフック 8が係着している。

この実施例におけるルアーにおけるバランスゥヱイト移動及び保持機構は、上記のように構成されており、次にその作用を説明する。

前述したようにこの種のルアーでは、キャスティング時その飛距離を伸ばすためには、その重心をルアーボディ 1の後部に設定する。またこの実施例に係るルァ一では上記のように、バランスウェイト 9は、ルアーボディ 1の前部に設けたホルダー部 1 1に嵌入し得るようになつている。次に図 1 3及び図 1 4を参照しつつキャスティング時おける作動例を説明する。なお図 1 3 (a) ， (b) 及び ( c) と図 1 4 (a) ， (b) 及び（c) はそれぞれ相互に対応している。

ここで、キャスティングの際に、バランスウェイト 9が特にホルダー部 1 1に嵌入している場合を考える（図 1 3 (a) ，図 1 4 (a) ) 。このときのキャスティング方向は、図 1 3において矢印 Aにより示されている。この場合、先ず釣糸 4によって垂架されているルアーボディ 1に対して、図 1 3 (b) に示したように、釣竿 1 0 0を一旦下方にしならせることにより、該ルアーボディ 1を僅かに下降させながら揺動させる。すると、バランスゥヱイト 9は、図 1 4 (b) に示したようにホルダー部 1 1から相対的に浮上する。これは、バランスウェイト 9の慣性とその時に作用する一定の衝擊によるものと考えられる。

更に、図 1 3 (c) 及び図 1 4 (c) に示されるように、バランスウェイト 9 は、ホルダー部 1 1の周縁部（斜線部参照）を乗り越して、該ホルダー部 1 1から離脱する。そしてバランスウェイト 9はガイド 1 0に沿ってルアーボディ 1の最後部まで移動し、かくして該ルアーボディ 1の後部に重心が設定される。従つて、この状態でキャスティングを行うことにより、遠投が可能になる。

なお、上記の場合において、キャスティング時にバランスウェイト 9がホルダ一部 1 1に嵌入していない、即ちバランスウェイト 9がルアーボディ 1の後部に位置した状態で、ルアーボディ 1が釣糸 4を介して垂架されている場合、その状態から即座にキャスティングへ移行させることができ、この場合にも十分に飛距離を伸ばすことができるのは勿論である。

キャスティングによる着水後、釣糸 4を引くことにより、ルアーボディ 1の先端部のリップ 2が水流抵抗を受け、この水流抵抗によってルアーボディ 1が前傾姿勢になる。これによりバランスウェイト 9は、潜行に最適な最前部に移動すると共に、ホルダー部 1 1に嵌入し、このホルダ一部 1 1内に保持される。このようにルアーボディ 1の重心を前部に設定 '保持することにより、潜行中のルアーボディ 1を最適な潜行姿勢に保つことができる。

ところで、ルアーの潜行中にルアーボディ 1が、例えば図 1 5に示したように湖底の障害物等に接触した場合、ホルダー部 1 1は、単なるポケット状の構成とは異なり、比較的深い凹陥部状に形成され、またそのカバー 1 1 aによりバランスゥヱイト 9を包み込むように保持しているので、ホルダー部 1 1に嵌入したバランスゥヱイト 9を確実に保持することができる。従って、このような場合でもバランスウェイト 9がホルダー部 1 1から不用意に外れてしまうのを有効に防止することができる。

上述のように第二実施例によれば、この種のルアーにおいて、そのバランスゥエイト 9を、特にキャスティング時にはルアーボディ 1後部に、また潜行時にはその前部にそれぞれ確実に保持し、このように必要に応じてバランスゥヱイト 9 をルアーボディ 1の最適位置に確実に保持，固定することができる。これにより常に良好なキャスティング性能と潜行性能を保証することができる。そしてその構成も比較的簡単であり、製造及びコスト的に極めて有利である。

1 6乃至図 2 7に基づき、本発明のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構の第三実施例を説明する。

図 1 6乃至図 1 7は、本実施例に係るブラグルアー（例えばクランクべィトルァ一であってよい）の全体概略構成例を示しているが、これらの図において、ルァーボディ 1は、合成樹脂等の材料により小魚に似せた外観形状となるように成形される。このルアーボディ 1は、概略中空構造を有している。ルアーボディ 1 の先端部において下方に適度に傾斜するようにリップ 2が突出して取り付けられている。ルアーボディ 1はバランスウェイト 9を内蔵している。このバランスゥヱイト 9は、鉄をはじめてとして真鍮，鉛等の金属製の球体により構成されている。なお、金属以外の材料を用いてバランスウェイト 9を形成することもできる。ルアーボディ 1の長手方向に沿ってガイド 1 0が設けられている。ガイド 1 0 の中央部には長手方向にスリット 1 0 aが形成されている。このスリット 1 0 a の幅 wは、バランスウェイト 9の直径よりも比較的小さく設定されており、バランスゥヱイト 9はガイド 1 0上を転動し得るようになつている。

ガイド 1 0の前端より湾曲して起伏するように、保持板 1 2が連設されている。この保持板 1 2によりガイドレーン 1 0の前部にてポケット部 1 3が画成される。ポケット部 1 3は、保持板 1 2の一部を切欠くことにより形成されたゲート 1 4を有している。保持板 1 2は、例えば図 1 7及び図 1 9に示されるようにバランスウェイト 9の半径よりも比較的大きな半径 Rで湾曲しており、ポケット部 1 3はその内部にバランスゥヱイト 9を包み込むように保持することができる。また図 2 0に示されるように、ゲート 1 4は、ルアーボディ 1の前方に向けて角度 0で拡開するように形成されている。

保持板 1 2の半径 R及びゲート 1 4の拡開角度 0の値は、ルアーボディ 1がほぼ鉛直状態となったとき、バランスウェイト 9がゲ一ト 1 4を介してボケット部 1 3からガイド 1 0側へ自動的に離脱し得るように設定される。この場合、これらの半径 R及び拡開角度 6>は、特にバランスゥヱイト 9の直径及びその重量等に応じて最適値が決定される。

また、ルアーボディ 1が鉛直状態以外の姿勢、即ち水平に対して例えば 5 0 ° 或いは 7 0 ° 傾斜した場合等に、バランスゥヱイト 9がゲート 1 4を介してボケット部 1 3から自動的に離脱するように設計することも可能である。

更に、ガイド 1 0の上側でこれとほぼ平行に（図 1 7 ) 、ガイド 1 0上に位置するバランスウェイト 9を両側から挟むように一対のリブ 1 5が設けられる（図 1 6及び図 1 8参照）。バランスウェイト 9は、各リブ 1 5に対して一定の間隙を以て移動し得るようになつている。またポケット部 1 3の前側上部にて、規制プレート 1 6が設けられている。この規制プレート 1 6は、ルアーボディ 1の前部（小魚の頭部）にて保持板 1 2の先端付近まで垂れ下がつている（図 1 7及び図 1 9等参照）。ポケット部 1 3内のバランスゥヱイト 9を一定の間隙を以て、両側から挟むように一対の比較的小さなリブ 1 7が設けられる。

なお、図 1 7に示されるように、リップ 2の適所には、釣糸 4が結び付けられるようした糸環 3が設けられている。またルアーボディ 1には、フロントフック 7及びリャフック 8が係着している。

本実施例によるルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構は、上記のように構成されており、次にその作用を説明する。

前述したようにこの種のルアーでは、キャスティング時その飛距離を伸ばすためには、バランスウェイト 9がルアーボディ 1の後部に設定されることが好ましい。ところで、図 2 1は、キャスティングアクションの 1例を示しているが、この場合、 ①から②の動作で釣竿 1 0 0を振り上げ、 ②から⑥の動作でこの釣竿 1 0 0が振り降ろされる。ルアーボディ 1を放すタイミングは、 ③から④の間に設定される。

かかるキャスティングアクションにおいて、ルアーボディ 1は、例えば図 2 2 に示したように、当初（ I ) のように水平になっていたとしても、（H ) , ( 1 ) ，（IV) のように姿勢が変化し、少なくとも一瞬 (W) のように釣竿 1 0 0から釣糸 4を介して垂架された状態をとる。（ I ) の状態においてポケット部 1 3 内に保持されていたバランスウェイト 9は、ルアーボディ 1力、' (IV) のように鉛直状態となることにより、ゲート 1 4を介してポケット部 1 3からガイド 1 0側へ自動的に離脱する。これによりバランスゥヱイト 9がルアーボディ 1の後部に設定され、図 2 1の①で示されるキャスティングァクションの開始時には、遠投に最適な後部への重心移動が行われる。

また図 2 3に示されるように、 ①のように遊泳しているルアーボディ 1を②のように巻き戻してピックアップする際においても、必ずこの②のようにルアーボディ 1が鉛直状態となる。従って、この場合でも遠投に最適な後部への重心移動が行われ、この後に行われるキャスティングァクションではバランスウェイト 9 がルアーボディ 1の後部に設定されている。このようにキャスティングに際し、バランスウェイト 3は、ポケット部 1 3から離脱して、ルアーボディ 1の最後部まで移動しており、かくして該ルアーボディ 1の後部に重心が設定される。

特に前述した従来のマグネット，重心固定式のルアーでは、釣人によるキャスティングのための力加減によって、バランスウェイトのロックが解除不能となる場合が生じ得る。特に強風時、向かい風の中で至近距離へソフトに着水させたい場合に、そのようにロックが解除不能になると至近距離のボイントでさえ正確に狙うことができなくなる。本発明機構によれば上述のように、キャスティングァクシヨンに入る際、バランスゥヱイト 9に対するロックが自動的に解除されているから、キャスティングのための力加減とは関係なく、常に確実且つ円滑にキヤスティングのための重心設定を実現することができる。

また、キャスティングされたルアーボディ 1を巻き戻して回収する際、ルアーボディ 1のピックアップ時にルアーボディ 1が鉛直状態になり自動的に重心移動させることがにより、素早く次のボイントのためのキャスティングァクションに移行することができる。

キャスティングによってルアーボディ 1が着水した後、釣糸 4を引くことにより、ルアーボディ 1の先端部のリップ 2が水流抵抗を受け、この水流抵抗によつてルアーボディ 1が前傾姿勢になる。これによりバランスゥヱイト 9は、ガイド 1 0上を転動し、ゲート 1 4を通過して、ルアーボディ 1が最も深く潜行するための急角度となるように、ルアーボディ 1の最前部に移動する。そして、潜行に伴いルアーボディ 1は徐々に水平姿勢を保つようになり、バランスゥヱイト 9はポケット部 1 3に嵌入する。

この場合、ゲート 1 4は、一定の拡開角度 0を有しているため、そのバランスウェイト 9を円滑にポケット部 1 3に嵌入させることができる。またバランスゥエイト 9がガイド 1 0に沿って移動するとき、バランスウェイト 9はリブ 1 5によって両側からガイドされ、バランスゥヱイト 9の円滑移動を保証する。このようにルアーボディ 1の重心を前部に設定 '保持することにより、潜行中のルアーボディ 1を最適な潜行姿勢に保つことができる。

ポケット部 1 3に嵌入したバランスゥヱイト 9は、保持板 1 2により包み込むように保持され、バランスウェイト 9がポケット部 1 3から不用意に外れてしまうのを有効に防止することができる。

ところで、前述のようにポケット部 1 3の前側上部には規制プレート 1 6が設けられている。例えば潜行中に障害物等と衝突した場合等、バランスゥヱイト 9 が図 1 9の矢印 Bのように動いたとしても、規制プレート 1 6は、図 1 9の矢印 Cで示されるようにバランスゥヱイト 9の動きを規制する。従って、バランスゥヱイト 9が不用意に浮き上がるのを防止し、バランスゥヱイト 9は常にポケット部 1 3内に安定して保持される。また、ポケット部 1 3のリブ 1 7は、バランスウェイト 9を両側から挟むように保持する。

ここで、図 2 4は、ポケット部 1 3、即ちゲート 1 4を形成すべき保持板 1 2 の形態例を示している。例えば図 2 4 ( a ) に示したようにゲート 1 4は直線状に成形してもよく、また図 2 4 ( b ) に示したように僅かに湾曲して成形してもよい。これらのルアーの使用目的に応じて自由に選択することができる。

また、図 2 5は、特に規制プレート 1 6の形態例を示している。図 2 5 ( a ) に示したように、規制プレート 1 6の下端部にて両側に傾斜部 1 6 aを設けてもよい。このような形状とすることにより、特にルアーボディ 1の横転時にポケット部 1 3におけるバランスゥヱイト 9の保持性を高めることができる。また図 2 5 ( b ) に示したように、規制プレート 1 6の下端部全体を湾曲して成形してもよく、この場合にもバランスゥヱイト 9の保持性を高めることができる。更に図 2 5 ( c ) に示したように、規制プレート 1 6を保持板 1 2と一体形成し、ゲート 1 4を比較的狭小に構成してもよい。特にルアーボディ 1が鉛直状態となった場合以外は、バランスゥイト 9に対するロックが解除され得ないようにすることができる。

更に、図 2 6は、ポケット部 1 3におけるバランスウェイト 9に対する保持方法の形態例を示している。例えば図 2 6 ( a ) に示したように、バランスウェイト 9は保持板 1 2によってその上方から押さえられるように保持される。また図 2 6 ( b ) に示したように、バランスゥヱイト 9は、斜め上方又は側部から押さえられるように保持される。このように保持方法を選定することにより、バランスゥイト 9に対する保持性の強弱を適宜調節することができる。

なお、図 2 7に示したように、規制プレート 1 6及びその下側に垂直プレート 1 8を上下に連設けると共に、ガイド 1 0とほぼ同一高さ位置にバランスウェイト 9を通過させ得る穴 1 9を設けてもよレ、。この例では、垂直プレート 1 8にポケット部 1 3を代用させことができるが、バランスゥヱイト 9に対する保持性の点では上述のポケット部 1 3よりも若干弱いものとなる。

図 2 8は、図 1 6等に示したバランスゥヱイト移動及び保持機構に加え、更にルアーボディ 1の前部に別の重心移動機構を備えた別の実施例を示している。即ち、ルアーボディ 1の前端部からほぼ後方へ延びる一定長さの一対のリブ 2 0を設け、このリブ 2 0によってガイドされた別のバランスゥヱイト 2 1がー定ストローク前後に移動するようになっている。また、このバランスウェイト 2 1 とバランスウェイト 9の間には、固定のバランスウェイト 2 2が設けられている。なお、固定のバランスゥヱイト 2 2は、ルアーの動きを安定させるために必要であるが、バランスゥヱイト 2 1に対して保持機構が付設されている場合には、バランスゥイト 2 2を必ずしも用いなくとも安定作動を保証することができる。この場合には、ガイド 1 0の下側の間隙（空間）に、ガラス製ビーズや真鍮製の玉等、相互に衝突して高音を発する比較的小さい（軽い）素材 2 3を複数個挿入し、その発生音により高い魚集効果を得ることができる。

この図 2 8に示したルアーによれば、 2つのバランスウェイト 9及びバランスウェイト 2 1を移動させることにより、キャスティング時には図 2 9 ( a ) に示したように、バランスゥヱイト 9及びバランスゥヱイト 2 1 の双方が後部へ移動し、その飛距離を大きく伸ばすことができる。またキャスティング後、着水して、図 2 9 ( b ) に示したようにバランスウェイト 9がポケット部 1 3に嵌入すると共に、バランスゥヱイト 2 1はルアーボディ 1の前端部に移動し、水面に対して急角度の浮遊姿勢をとる。そして釣糸 4を引くことにより、図 3 0において点線により示されるように、急角度の潜行軌跡となり、湖底に迅速に到達する。この後、その湖底に沿って遊泳し、広い範囲の湖底のポイントを探ることができる。特に、湖底にいる所謂、根魚を釣る場合には、ルアーが湖底をとる時間（もしくは距離）が長い程、好ましいが、上記のように急角度で潜行することにより、湖底のボイントを広い範囲で探ることができ、かかる根魚等に対して極めて有効である。図 3 0に示されるように、本発明に係るルアーにおける湖底のポイントを探り得る範囲 Sは、従来ルアーおける湖底のポイントを探り得る範囲 S ' よりも格段に広いものとなっている。

また、釣糸 4の引き加減等を調節することにより、図 3 1に示したようにバランスウェイト 9がポケット部 1 3に嵌入すると共に、バランスゥヱイト 2 1をルァーボディ 1の後端部に移動させ、これによりルアーボディ 1をほぼ水平状態で遊泳させることができる。かかる水平遊泳により、実際の小魚の遊泳に極めて似せることができ、肉食魚等に対しては極めて効果的である。

なお、図 3 2に示したように従来の深く潜行可能なルアーでは、バランスゥェイトがルアーボディの前部に固定されているため、図示のように前傾姿勢のままの遊泳姿勢となり、実際の小魚の遊泳とはかなり異なるものであった。

本発明を実施例について説明したが、本発明のバランスウェイト移動及び保持機構は、あらゆる種類のプラグルアーに対して適用可能であり、例えばミノー夕イブ等の場合でも上記実施例と同様な作用効果を得ることができる。産業上の利用可能性

以上説明したように本発明によれば、先ず従来の特にマグネット ·重心固定式のルアーの比べて、磁石を用いず、また主要部材がルアーボディ 1 と一体形成されるため、その磁石等をルアーボディ 1内に組み込む作業を不必要にし、これにより生産性を高めると共に、ローコスト化を実現することができる。更にこのマグネット ·重心固定式の場合、バランスウェイ卜の材質は、磁性体以外は用いることが出来ず、材料選定上の制約があつたが、本発明に係るルアーにおいてはその他に真鍮，鉛等のあらゆる種類（特に比重）の材料を選定可能なる。従って例えば、同一のボディサイズでありながら、釣状況に合わせた重さのルアーを自由に実現することができる。

また、単なる重心移動式のルアーにおいては、遊泳の不安定性や障害物等との衝突による遊泳バランスの喪失により、ルアー本来の魚を誘い寄せるという釣能力が必ずしも十分ではなかったが、本発明によれば常に安定したルアーァクションを確保して、効果的に魚を誘い寄せることができる。更に、キャスティングァクシヨンにおいて、自動的に遠投に最適な後部への重心移動が行われ、円滑なキヤスティングを保証する等の利点を有している。

Claims

請求の範囲

1 . ルアーボディ（1) の先端部に付設したリップ (2) と前記ルアーボディ（1) に内蔵されたバランスウェイト（9) とを備えたルアーにおいて、前記バランスゥェイト（9) が長手方向に沿って移動し得るように構成されていることを特徴とするルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。

2 . 前記バランスウェイト（9) はガイド（10)上を転動することにより、長手方向に移動可能になっていて、また前記ガイド（10)の先端部にポケット（10a) を設け、このポケット（10a) 内に前記バランスウェイト（9) を保持し得るようにしたことを特徴とする請求の範囲 1に記載のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。

3 . 前記リップ (2) の先端部に水流取込口（2a)を開設したことを特徴とする請求の範囲 1に記載のルアーにおけるバランスゥヱイト移動及び保持機構。

4 . 前記バランスウェイト（9) は、ガイド（10)上を転動することにより、前記ルァ一ボディ（1) の長手方向に沿って移動可能になっていて、また前記ガイド（10) の先端部に、カバー（11a) を有するホルダー部（11)を形成し、このホルダー部（1 1)内に前記バランスウェイト（9) を保持し得るようにしたことを特徴とする請求の範囲 1に記載のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。

5 . 前記ホルダー部（11)は、比較的深い凹陥部状に形成されていることを特徴とする請求の範囲 4に記載のルアーにおけるバランスゥイト移動及び保持機構。

6 . 前記バランスウェイト（9) を転動可能に支持する前記ルアーボディ（1) の長手方向に沿って形成されたガイド（10)と、前記ガイド（10)の前端より湾曲して起伏するように連設された保持板（12)によつて画成されるボケット部（13)と、

前記ポケット部（13)の一部を切除することにより、前方に拡開するように形成されたゲート（14)と、を備え、前記バランスウェイト（9) 力 \ 前記ポケット部（1 3)内に保持され得るようにしたことを特徴とする請求の範囲 1に記載のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。

7 . 前記ルアーボディ（1) がほぼ鉛直状態となったとき、前記バランスウェイト (9) 力 \ 前記ゲート（14)を介して前記ボケット部（13)から離脱し得るようにしたことを特徴とする請求の範囲 6に記載のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。

8 . 前記ポケット部（13)の前側上部にて、規制プレート（16)がほぼ垂架されていることを特徴とする請求の範囲 6又は 7に記載のルアーにおけるバランスウェイト移動及び保持機構。