JP2004121115A - 疑似餌 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疑似餌本体内に前後方向に形成された中空部に、錘が前後方向で移動可能に収容された疑似餌において、前記中空部には、該中空部内で前方寄りに位置した前記錘に対し、後方に向けて所定の力が加わった際に、該錘が中空部内の後方寄りの位置に向けて移動できるように構成された係止手段が配設され、しかも、前記後方寄りに位置した錘が係止手段を介して前記前方寄りの位置に移動できるように構成されてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用の疑似餌に関し、特に、重心位置を可変にすべく、内部に錘が移動可能に収容された疑似餌に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、釣り用の疑似餌として、外観が小魚等に模して形状設定された、いわゆるプラグが周知である。この種の疑似餌は、遊泳距離を伸ばすべく遠方に投げることができ、また魚を確実に誘い出せるように遊泳中の動きや姿勢が自然なものとなることが要求される。
【0003】
これらの要求を満足させるべく、外形が小魚に模して形成された疑似本体の内部に、中空部が前後方向に長手に形成され、該中空部内に錘が長手方向に移動自在に収容されたものが提案されている。
【0004】
かかる疑似餌によれば、キャスティングを行うべく釣り竿を振り上げる際に生じる遠心力により、球状に形状設定された錘が中空部内の後方寄りの位置に円滑に移動して、釣り竿の先から錘までの距離が遠くなるように構成されている。これにより、該疑似餌は、釣り竿を振り下ろすことにより生じる遠心力が疑似餌(錘)に作用し、疑似餌本体内に錘が固定された疑似餌に比して遠方に投げることができるようになっている。一方、この疑似餌が着水して釣り糸を釣り人側に引くと、疑似餌の前端(頭部)側が後端(尾部)側に比して低い位置となって中空部が傾斜した状態となり、錘が中空部内における前方寄りの位置に円滑且つ速やかに移動するようになっている。これにより、疑似餌の重心位置が略中央部、或いはそれより前方寄りに移動することとなり、釣り糸の巻き取りにより遊泳する疑似餌の姿勢を自然なものにすることができる。
【0005】
ところで、魚を誘って釣り上げるには、疑似餌の外形状のみにたよるものではなく、釣り人の技量も問われるものであり、いかにも疑似餌が生きた小魚であるかのように見せるべく、釣り竿を操り遊泳させた疑似餌を上下左右に揺さぶってアクションさせる場合がある。
【0006】
ところが、上記構成の疑似餌は、錘が中空部内に移動自在に収容されているため、水中で上述のようなアクションをさせると、中空部が傾斜して前方寄りに位置した錘が中空部内の後方寄りの位置に移動することがあり、遊泳する疑似餌の姿勢やアクションが不自然なものとなる場合がある。
【0007】
そこで、中空部内で前方寄りに位置した錘を適当な力で保持すべく、中空部を形成する周壁に保持部が設けられたものも提案されている。かかる疑似餌は、該保持部及び錘の何れか一方が磁性体で構成され、他方が前記一方を磁着する磁石により構成されている。こうすることで、疑似餌を水中で上下左右の方向に揺さぶるようにしてアクションさせても、錘が磁力を介して保持部に保持され、バランスを崩すことなく疑似餌を遊泳させることができる。また、キャスティング時には、大きな遠心力や該遠心力により生じた慣性力が後方に向けて錘に作用するので、保持部及び中空部の周壁上を転動して中空部内の後方寄りの位置に移動させることができ、疑似餌を遠方に投げ出すことができる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2747502号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の疑似餌は、中空部を形成する周壁上で錘を円滑に移動させるべく、錘が転がり抵抗の小さな球状に形状設定されるとともに、磁力を錘の移動方向に対して直交方向に作用させて錘を保持するように構成されているため、釣り竿を巧みに扱って疑似餌を上下方向に激しくアクションさせた場合、該疑似餌が前後方向で傾斜して中空部の勾配が大きくなり、錘の重さ(下向きの力)に対する勾配方向の分力が、保持部による磁着力より大きくなって、錘が中空部の後方寄りの位置に移動してしまう。すなわち、上記構成の疑似餌では、魚を誘い出して釣り上げるべく遊泳させているにも関わらず、激しいアクションを行った際に、保持部による錘の保持状態が解除されてしまい、不自然な遊泳となってしまう場合がある。
【0010】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、一般的なアクションは勿論のこと激しいアクションで中空部が傾斜しても、該中空部内に移動可能に収容した錘をバランス良く遊泳し得る位置で保持することができる疑似餌を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる疑似餌は、上記課題を解決すべくなされたものであり、請求項1記載の如く、疑似餌本体内に前後方向に形成された中空部に、錘が前後方向で移動可能に収容された疑似餌において、前記中空部には、該中空部内で前方寄りに位置した前記錘に対し、後方に向けて所定の力が加わった際に、該錘が中空部内の後方寄りの位置に向けて移動できるように構成された係止手段が配設され、しかも、前記後方寄りに位置した錘が係止手段を介して前記前方寄りの位置に移動できるように構成されてなることを特徴とする。なお、「所定の力」とは、キャスティング時における釣り竿の振り上げにより錘に生じる遠心力や、該遠心力により生じた錘に対する慣性力を意味するものである。
【0012】
上記構成の疑似餌によれば、中空部内で前方寄りに位置した錘が後方側に(後方寄りの位置に向けて)移動しようとしても、該錘は、釣り竿の振り上げ等による遠心力や、該遠心力に伴う慣性力のような、後方向きの大きな所定の力が生じるまで係止手段によって移動が阻止される。したがって、疑似餌に激しいアクションをさせ、疑似餌の後端が前端よりも低い位置となって中空部が傾斜しても、錘には、錘自身の自重(下向きの力)や該力の中空部の傾斜に伴う分力等といった、所定の力(遠心力等)よりも小さい力しか作用しないので、前方寄りの位置で錘を保持し続けることができ、安定した遊泳が可能となる。
【0013】
これに対し、キャスティング時には錘に所定の力(遠心力や慣性力等の大きな力)が作用するので、係止手段により係止されていた錘を中空部の後方側に移動させることができ、これにより該疑似餌を遠方に飛ばすことができる。
【0014】
さらに、該疑似餌は、中空部内で後方寄りに位置した錘が前記係止手段を介して前方側(中空部内の前方寄りの位置)に移動可能に構成されているので、着水した疑似餌を遊泳させ、疑似餌の前端が後端よりも低い傾斜姿勢となった際に、中空部内における後方寄りに位置する錘を前方寄りの位置に円滑に移動させた上で、当該位置で保持することができる。
【0015】
また、請求項2記載の如く、前記係止手段は、中空部を形成する周壁の底部に凸設されるとともに、前記前方寄りに位置した錘の後方側の外周面に当接する当接部と、後方側から当接部に向けて中空部内側に傾斜した傾斜部とを備え、しかも係止手段と対向する周壁の天部は、当接部に当接した錘が前記係止手段を乗り越えて前記後方寄りの位置に移動し得るように形成された構成を採用することができる。
【0016】
上記構成を採用すれば、錘が中空部内で前方寄りに位置した状態で、疑似餌を上下方向に激しいアクションをさせることにより、該疑似餌の後端側が前端側より低い位置になって中空部が傾斜しても、前方寄りに位置した錘が係止部の当接部に当接することで、該錘は中空部の後方側への移動が阻止され、この疑似餌を安定した状態で遊泳させることができる。
【0017】
これに対し、このように錘が中空部の前方寄りに位置した状態で水中から引き上げられた疑似餌をキャストすべく釣り竿を振り上げると、釣り竿の先端の移動軌跡に対応するように疑似餌が姿勢変更し、これに伴って当接部に当接した錘に対し中空部の後方側で且つ係止手段と対向する周壁の天部側に向けて遠心力、或いは該遠心力によって生じた慣性力が作用する。そうすると、係止手段と対向する周壁の天部が、当接部に当接した錘が前記係止手段を乗り越えて前記後方寄りの位置に移動し得るように形成されているので、遠心力等により錘が周壁の天部側に移動した後に、中空部内の後端側に移動する。これにより、釣り竿の先端から錘までの距離が遠くなるので、釣り竿を振り下ろした際に錘(疑似餌)に生じる遠心力が大きくなり、該疑似餌を遠方に向けて飛ばすことができる。
【0018】
また、係止手段は、傾斜部を備えているので、リールで釣り糸を巻き取ったり、釣り竿を激しくジャークさせたりすることにより、錘が中空部内の後方寄りに位置した状態で着水した疑似餌が釣り人側に引かれ、該疑似餌の前端側が後端側に比して低い位置になると中空部の後端側に位置した錘が傾斜部上を移動することとなり、円滑且つ迅速に錘を中空部の前方寄りに位置させることができる。
【0019】
また、請求項3記載の如く、前記係止手段に対して前方側で隣り合うように、前記当接部と当接した錘を保持する保持部が中空部の周壁の底部に更に設けられるとともに、前記錘は、周壁上を転動可能に形状設定されてなり、しかも前記錘及び保持部の何れか一方は、磁性を有する磁性体を備え、他方は、前記一方が磁着する磁石を備えるようにしてもよい。このようにすれば、磁力が中空部の前後方向に対して略直交方向に作用するので、不用意に錘が係止手段と対向する周壁の天部側に移動するのを防止することができ、錘の保持をいっそう確実なものとすることができる。また、錘が周壁上を転動可能に形状設定されることにより、保持部が設けられた周壁と錘との接触面積を程良く小さくすることができるので、磁力の作用する面積が小さくなり、キャスティングすべく釣り竿を振り上げた際に錘に生じる大きな力(遠心力や慣性力)により、錘の磁着状態を解除することができるとともに、該磁着の解除された錘を円滑に中空部の後端側に移動させることができる。
【0020】
さらに、請求項4記載の如く、前記当接部は、周壁から延出した起立面からなるとともに、前記傾斜部は、起立面の先端に接続された傾斜面からなるように構成されてもよい。このように当接部を起立面で構成すれば、錘の外形状に囚われることなく、該錘の後方側の外周面の一部を当接部に当接させることができる。また傾斜部を傾斜面で構成すれば、中空部内で後方寄りに位置した錘が前端側に移動するに際し、該錘を傾斜面に沿って移動させることができ、円滑且つ迅速に錘を中空部内の前方寄りの位置に配置させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる疑似餌に一実施形態について、添付図面を参酌しつつ説明する。
【0022】
本実施形態にかかる疑似餌(ルアー)は、図1、及び図2に示す如く、外観が小魚に模して形状設定されたいわゆるプラグである。
【0023】
このルアーは、小魚に模して形成された疑似餌本体1内に前後方向で長尺に形成された中空部2に三つの錘3a,3b,3c(いわゆる、ラトル)が直列で長手方向(前後方向)に移動可能に収容されたものである。
【0024】
かかる疑似餌本体1は、前端から他端にかけて左右二分割して対称形状に設定された一対の分割片4a,4bがそれぞれ組み合わされることで、外形が小魚に模した形状となるようになっている。
【0025】
一対の分割片4a,4bのそれぞれの組み合わせ面には、断面角形の凹部5がルアーの前端乃至後端方向に向けて長尺に形成されている。この凹部5は、一対の分割片4a,4bを組み合わせた際に、それぞれが組み合わさって前記ラトル3a,3b,3cを収容する断面略方形状の前記中空部2を前後方向に長尺に形成するようになっている。
【0026】
また、ルアーを遊泳させた際に下側に位置することとなる中空部2を形成する周壁の底部6には、中空部2内の前端側(前方寄りの位置)に位置した三つのラトル3a,3b,3cのうちの後方側に位置する最後尾のラトル3cと隣接するように、係止手段である係止部7が上方(周壁の天部8)に向けて凸設されている。つまり、係止部7は、中空部2内に配設されるように、周壁の底部6から突出している。
【0027】
該係止部7は、該係止部7に対して前方寄りの位置に位置したラトル3a,3b,3cのうち、最後尾のラトル3cにおける中空部2の後方側に位置する外周面と当接可能に形成された当接部9と、中空部2内の後端側から当接部9に向かって中空部2内部側に傾斜した傾斜部10とで構成されている。
【0028】
前記当接部9は、中空部2の長手方向と直交し、周壁の底部6と略直角をなすように、周壁の底部6から天部8側に向けて起立した平面で構成されるとともに、前記傾斜部10は、当接部9の先端から後方に向けて先下りに傾斜(後方から当接部の先端に向けて中空部の内部側に傾斜)した傾斜面で構成され、これによって、係止部7は、側面視で略直角三角形状をなしている。前記当接部9は、上端が周壁の底部6上に載置状態にあるラトル3a,3b,3cの重心位置よりやや低い位置となるように高さ設定されている。換言すれば、当接部9の縦(上下)方向の長さは、ラトル3a,3b,3cの外周面の曲率半径よりやや短く設定され、当接部9の上端縁にラトル3a,3b,3cの外周面が当接するように設定されている。
【0029】
さらに、係止部7と略対向する周壁の天部8は、当接部9に当接するラトル3a,3b,3cが、天部8側に移動可能に且つ後端側に移動可能になるように、係止部7及び周壁の底部6に対して所定間隔を有して形成されている。この部分の前方側及び後方側の中空部2は、ラトル3a,3b,3cが前後方向に移動できるように、底部6と天部8との間及び両側面間の間隔がラトル3a,3b,3cの外径よりやや広く設定されている。また、前記係止部7と前端側で隣り合うように、周壁の底部6に保持部である金属板11が取り付けられている。
【0030】
前記三つのラトル3a,3b,3cのうち、前記最後尾のラトル3cは磁石で構成されており(以下、このラトルをマグネットラトルという)、残りの二つのラトル3a,3bは鋼球により構成されている。
【0031】
上記構成の疑似餌本体1は、前端部(小魚の頭部に相当する部分)に釣り糸を括り付ける通輪12が外部に向けて凸設されるとともに、略中央部の下端部(小魚の腹部に相当する部分)及び後端部(小魚の尾部に相当する部分)に碇状の釣り針Xを取り付けるフック13が外部に向けて凸設されている。この通輪12及びフック13のそれぞれは、金属棒を折り曲げて形成されたものである。具体的には、通輪12及びフック13は、金属棒が略8の字状に折り曲げ加工されて形成された二つの輪のうちの一方であり、該一方の輪(通輪12、及びフック13)が外部に突出するように、それぞれの他方の輪の部分が一対の分割片4a,4bのそれぞれの組み合わせ面に形成された環状の溝内に嵌め込まれ、一対の分割片4a,4bが組み合わされることで取り付けられている。
【0032】
次に、上記ルアーの作用について説明する。図3(イ)に示す如く、釣り竿Rに取り付けられたリール(図示しない)から引き出し、釣り竿Rの長さ方向に所定間隔を有するように該釣り竿Rに配設されたガイドリングCに挿通された釣り糸Lの先端部が、ルアーの通輪12に括り付けられた状態で、釣り人がキャスティングの準備に入ると、ルアーは、釣り竿Rの先から釣り糸Lを介して吊り下げられた状態となる。この状態においては、三つのラトル3a,3b,3cが中空部2内の前方寄りの位置に位置し、前方側(この状態において上方側)に位置する二つのラトル3a,3b、及びマグネットラトル3cの重量が力として下方に向けて作用し、マグネットラトル3cが当接部9に当接する(載置される)とともに、マグネットラトル3cが金属板11に磁着した状態となる。
【0033】
そして、図3(ロ)に示す如く、釣り竿Rを振り上げると、釣り竿Rの先端部の移動軌跡に対応するようにルアーが姿勢変更しつつ釣り人の後方側へと移動する。この際、釣り竿Rの振り上げに伴い、図4に示す如く、二つのラトル3a,3bのそれぞれに対する遠心力Fとマグネットラトル3cに対する遠心力Fとの合力Ftが、マグネットラトル3cの重心位置から中空部2の後方側に向けて(当接部9の面に直交する方向に)作用する。そうすると、マグネットラトル3cと当接部9との当接部分がマグネットラトル3cの重心位置より低い位置になっているため、マグネットラトル3cの重心位置に遠心力Fの合力Ftに対する分力fが、マグネットラトル3cの重心位置と当接部9との当接部分とを結ぶ仮装線に対して直交方向で周壁の天部8に向けて作用し、マグネットラトル3cが当接部9との当接部分を中心にして円弧を描くように回転しようとする。
【0034】
そして、回転しようとするマグネットラトル3cの回転力(遠心力Fの合力Ftに対する分力f)が金属板11に対して作用する磁力より大きくなった際に、マグネットラトル3cの金属板11に対する磁着が解除され、該マグネットラトル3cは、当接部9との当接部分を回転中心にして回転して周壁の天部8側に移動し、その後に中空部2内の後方側に移動することとなる。この際、前方側に二つのラトル3a,3bのそれぞれにも、重心位置から中空部2の後方に向けて遠心力Fが生じているので、当接部9に向けて移動し、マグネットラトル3cと同様に、順次当接部9との当接部9分を回転中心にして回転して、中空部2の後端側に移動する。尚、釣り竿の振り上げ速度が遅いためにラトル3a,3b,3cに作用する遠心力が小さい場合には、ルアーが釣り人に対して後方に位置した際に遠心力Fにより生じた中空部2の後方側へのラトル3a,3b,3cに対する慣性力(慣性力の分力も含む)により、ラトル3a,3b,3cが前記遠心力Fの合力Ftの分力fにより回転したのと同様に、該ラトル3a,3b,3cが係止手段を乗り越えて該中空部内の後方寄りの位置に移動する。
【0035】
そして、図3(ハ)に示す如く、釣り竿Rの先端及びルアーが釣り人の後方に位置すると、三つのラトル3a,3b,3cが中空部2の後端寄りの位置に位置することとなり、釣り竿Rの先端からルアーの重心位置(ラトル3a,3b,3cの位置)までの距離が、遊泳中にバランスの取れる疑似餌本体1内のラトル3a,3b,3cの位置(ルアーの重心位置)までの距離に比して長くなる。
【0036】
そうすると、図3(ニ)に示す如く、釣り竿Rを振り下ろした際に、ルアーの重心位置(後方寄りに位置するラトル3a,3b,3c)に遠心力が作用することで、該ルアーが遠方に向けて投げられる。
【0037】
そして、図5(イ)に示す如く、中空部2内で後方寄りにラトル3a,3b,3cが位置した状態のルアーは、該ルアーの後端部が前端よりも下方に位置するように着水することとなる。そして、リールで釣り糸Lの巻き取ったり、釣り竿Rをジャークさせたりすることにより釣り人側にルアーが引かれると、図5(ロ)に示す如く、該ルアーは前端が後端より低い位置となるように水中に潜り、中空部2内で後方寄りに位置したラトル3a,3b(マグネットラトル3cを含む)が、ルアー(中空部2)の傾斜に伴って、傾斜部10上を通過して(係止部7を介して)順次中空部2内の前方寄りの位置に移動する。そうすると、図5(ハ)に示す如く、最後尾のマグネットラトル3cが係止部7を乗り越えて金属板11に磁着し、ラトル3a,3b,3cは、ルアーをバランス良く遊泳させ得る位置で保持される。この状態で、図5(ニ)に示す如く、ルアーを上下方向に激しくアクションさせて、ルアーが前後方向に大きく傾斜しても、マグネットラトル3cが、当接部9に当接して係止されるとともに、金属板11に磁着した状態となり、バランス良く遊泳し得る位置でラトル3a,3b,3cが保持され、自然な姿勢でルアーを遊泳させ続けることができる。
【0038】
以上のように、本実施形態にかかるルアーは、疑似餌本体1内に形成された中空部2の底部6に係止手段としての係止部7を形成したので、ルアーを上下方向にアクションさせて中空部2が大きく傾斜した場合であっても、ラトル3c(マグネットラトル)が当接部9に当接することにより、該ラトル3a,3b,3cが係止されて中空部2内の後方寄りの位置に移動するのを防止することができ、ルアーの安定した遊泳を担保することができる。
【0039】
また、係止部7と隣り合うように、マグネットラトル3cを保持する金属板11を設けたので、マグネットラトル3cを係止部7に隣接させた状態で金属板11に磁着させることができ、ルアーを上下方向にアクションさせた場合等に、マグネットラトル3cが不用意に周壁の天部8側に移動するのを防止することができ、ラトル3a,3b,3cの後方側への移動を確実に防止することができる。
【0040】
さらに、係止部7における当接部9の上端が、周壁の底部6上に位置したラトル3a,3b,3cの重心位置より下方に位置するように、当接部9の高さを設定したので、キャスティング時に生じる遠心力Fの分力fをラトル3a,3b,3cに作用させることができ、該ラトル3a,3b,3cを当接部9の上端を回転中心にして回転させることができる。従って、ラトル3a,3b,3cに所定の力(所定大きさの遠心力F)が生じるまで、ラトル3cを当接部9に当接させた状態で維持させることができる一方、所定以上の遠心力Fが生じるとラトル3a,3b,3cを中空部2の後方側に円滑に移動させることができ、ルアーを遠方に投げることができる。
【0041】
また、係止部7が中空部2の後方側から当接部9に向けて中空部2内部側に傾斜した傾斜部10を形成したので、ルアーが着水して釣り糸Lが釣り人側に引かれ、ルアーの前端が後端に比して低い位置となった際に、ラトル3a,3b,3cを中空部2内の前方寄りの位置に円滑に移動させることができ、ルアーを安定した状態で遊泳させることができる。
【0042】
尚、本発明の疑似餌は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0043】
本実施形態において、当接部9を周壁の底部6に対して略直角をなし、且つ中空部2の長さ方向に直交した平面で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、当接部9は、周壁の底部6から後方側に向けて中空部2内部側に傾斜した傾斜面で構成したものであってもよい。この場合、当接部9の傾斜角度は、中空部2の後方側に向けてラトル3a,3b,3cに生じる慣性力が所定の大きさになるまで、ラトル3a,3b,3cが当接して係止され、慣性力がそれ以上の大きさとなった際に、ラトル3a,3b,3cに作用した慣性力の分力が傾斜面に沿った方向に作用するように設定すればよい。
【0044】
本実施形態において、当接部9の先端が周壁の底部6上に位置するラトル3a,3b,3cの重心位置より低い(周壁の底部6側)に位置するように構成したが、これに限定されるものではなく、当接部9の先端がラトル3a,3b,3cの重心位置より天部8側に位置するようにしてもよい。この場合、当接部9は、上述したように傾斜面で構成することが好ましく、周壁の天部8を、当接部9に当接したラトル3a,3b,3cが周壁の天部8側に移動可能、且つ中空部2の後方側に移動できる空間を形成するように形成するようにすればよい。
【0045】
本実施形態において、当接部9を周壁の底部6から起立した平面で構成するとともに、傾斜部10を傾斜面で構成したがこれに限定されるものではなく、例えば、本実施形態における係止部7の側面視形状に対応した板材を、周壁の底部6に前後方向に延びるように立設してもよい。このようにすれば、起立した縁部が当接部9となり、傾斜した縁部が傾斜部10となり、本実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0046】
本実施形態において、係止部7と前方側で隣り合うようにラトル3c(マグネットラトル)を保持する保持部11(金属板)を設けたが、該保持部11は必要に応じて設ければよい。また、保持部を金属板11で構成し、最後尾のラトル3c(マグネットラトル)を磁石で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、保持部11を磁石で構成し、最後尾のラトル3cを磁性を有する磁性体で構成してもよい。この場合、前方側に位置する二つのラトル3a,3bを非磁性体で構成すれば、保持部11を通過する際に、該二つのラトル3a,3bが保持部11に磁着せずに円滑に移動させることができ、最後尾のラトル3cのみを保持部11で保持させることができる。
【0047】
また、本実施形態において、最後尾のラトル3c自身を磁石で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、樹脂製の球体内に磁石を内装し、外部に磁力を作用させ得る構成のものも採用することができる。したがって、最後尾のラトル3cを磁性体で構成した際の保持部についても、該保持部自身を磁石のみで構成する必要はなく、例えば、樹脂内に磁石を内装したものであっても勿論よい。
【0048】
本実施形態において、疑似本体内に形成した中空部2内にラトル3a,3b,3cを三つ収容したが、ラトルは必ずしも三つ収容する必要はなく、ルアーの大きさ、形状などに応じた重さ、数量のラトルを収容すればよい。
【0049】
本実施形態において、ラトルを球状に形状設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、ラトルを円柱状に形成し、軸心が中空部の長尺方向に対して直交方向となるように、該ラトルを中空部に収容するようにしてもよい。つまり、ラトルの形状は、中空部内で円滑に移動し得る形状であれば、種々の形状に設定することができる。
【0050】
また、本実施形態において、係止手段としての係止部7を周壁の底部6に固定して設けたが、これに限定されるのもではなく、例えば、板材或いは棒体で構成された係止手段の一端部を、中空部2内の前方寄りの位置に位置したラトルと当接可能に中空部2内の底部6から突出させた状態で、該係止手段を疑似餌本体1の中空部2の下方に枢着し、係止手段の他端部をルアーの後端側に向けてバネで付勢するようにした構成も採用することもできる。
【0051】
この場合、係止手段は、中空部2の後方寄りの位置から前方寄りの位置に移動してきたラトルが係止手段に衝突して押圧した際に、該押圧により一端部が中空部2内から退避し、該ラトルが係止手段に対して前方寄りの位置に到達した際に、係止手段の一端部が再度中空部2内に突出した姿勢となるように、係止手段の後端部に錘を設けたり、後端部を適度に付勢したりすることが好ましい。
【0052】
このようにすれば、キャスティング時に生じるラトルへの遠心力、或いは該遠心力によりラトルに生じた慣性力がバネの付勢力よりも大きくなった場合に、ラトルが係止手段の一端部を押圧して該一端部(係止部7)が中空部2の後方側に向けて傾動してラトルが中空部2の後方寄りの位置に移動し得るようになる。
【0053】
一方、ルアーが着水して釣り糸Lが引かれてルアーの前端が後端に比して低くなった際に、これに伴って前方側に移動するラトルが一端部を押圧し、該押圧により係止手段の一端部が中空部2内から退避してラトルが中空部2の前方寄りの位置に移動し得るようになる。そして、ラトルが係止手段より前方寄りの位置に到達すると、錘や付勢により係止手段が傾動して一端部が再度中空部2内に突出し、ラトルの後方側への移動を阻止することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる疑似餌によれば、中空部内で前方寄りに位置した錘に対し、後方に向けて所定の力が加わった際に、該錘が中空部内の後方寄りの位置に移動できるように構成された係止手段が中空部内に配設され、しかも中空部内で後方寄りに位置した錘が前記係止手段を介して前方側に移動可能に構成されているので、一般的なアクションは勿論のこと急激なアクションで中空部が大きく傾斜しても、バランス良く遊泳し得る位置で錘の保持状態を維持することができ、バランスを崩すことなく遊泳させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる疑似餌(ルアー)の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかるルアーの断面側面図を示す。
【図3】同実施形態にかかるルアーを用いてキャスティングを行う際のルアー内のラトルの状態を示す状態図であって、(イ)は、釣り竿を振り上げる準備姿勢での状態を示し、(ロ)は、釣り竿を振り上げる際の状態を示し、(ハ)は、ルアーを投げる準備姿勢での状態を示し、(ニ)は、ルアーを投げた状態を示す。
【図4】図3(ロ)に示した状態における、中空部内でのラトルの挙動を模式化した説明図を示す。
【図5】着水した同実施形態のルアーの水中でのアクション時におけるラトルの挙動を説明する説明図であって、(イ)は、ルアーが着水した状態を示し、(ロ)は、釣り糸が引かれてルアーの前端が水中に潜り始めた状態を示し、(ハ)は、ルアーがさらに水中に潜って前端が後端に比して低い位置となった状態を示し、(ニ)は、ルアーにアクションさせて後端が前端よりも低い位置となってルアーが大きく傾斜した状態を示す。
【符号の説明】
1…疑似餌本体、2…中空部、3a,3b…ラトル(錘)、3c…マグネットラトル(ラトル(錘))、4a,4b…分割片、5…凹部、6…底部、7…係止部(係止手段)、8…天部、9…当接部、10…傾斜部、11…金属板(保持部)、12…通輪、13…フック
Claims (4)
- 疑似餌本体内に前後方向に形成された中空部に、錘が前後方向で移動可能に収容された疑似餌において、前記中空部には、該中空部内で前方寄りに位置した前記錘に対し、後方に向けて所定の力が加わった際に、該錘が中空部内の後方寄りの位置に向けて移動できるように構成された係止手段が配設され、しかも、前記後方寄りに位置した錘が係止手段を介して前記前方寄りの位置に移動できるように構成されてなることを特徴とする疑似餌。
- 前記係止手段は、中空部を形成する周壁の底部に凸設されるとともに、前記前方寄りに位置した錘の後方側の外周面に当接する当接部と、後方側から当接部に向けて中空部内側に傾斜した傾斜部とを備え、しかも係止手段と対向する周壁の天部は、当接部に当接した錘が前記係止手段を乗り越えて前記後方寄りの位置に移動し得るように形成されてなる請求項1記載の疑似餌。
- 前記係止手段に対して前方側で隣り合うように、前記当接部と当接した錘を保持する保持部が中空部の周壁の底部に更に設けられるとともに、前記錘は、周壁上を転動可能に形状設定されてなり、しかも前記錘及び保持部の何れか一方は、磁性を有する磁性体を備え、他方は、前記一方が磁着する磁石を備えてなる請求項2記載の疑似餌。
- 前記当接部は、周壁から延出した起立面からなるとともに、前記傾斜部は、起立面の先端に接続された傾斜面からなる請求項2又は3記載の疑似餌。
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