JP6436540B2 - 重心移動可能なルアーとこれを用いた魚類釣り方法 - Google Patents

重心移動可能なルアーとこれを用いた魚類釣り方法 Download PDF

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本発明は、魚類の釣りに用いるルアー(疑似餌)とこれを用いた魚類釣り方法に関し、更に詳しくは、本体の重心を移動させることにより遠くまで遠投可能なルアーと、これを用いた魚類の釣り方法に関する。
海岸や湖岸、川岸、水面に浮かべた船など、様々な場所から釣りをすることができるが、釣りの対象となる水中生物も様々であり、ターゲットとする水中生物の種類や漁場の諸条件に合わせて釣りの方法も様々考案されてきた。長い釣りの歴史の中で、特有の用語も様々に発展してきたが、本明細書では、釣りの方法や釣りの対象によって様々に異なる疑似餌の呼称を総称して「ルアー」と記載し、釣りの対象となる魚やイカ、タコなど水中生物を総称して「魚類」と記載することとする。
例えば、魚類としてイカを取り上げても、そのイカ釣り方法は様々あり、その1つとして、小魚やエビに似せた「餌木」と呼ばれるルアーを用いる方法がある。イカは、海中で動く小魚やエビ類などを捕食するが、特に海中をゆっくり沈下する餌によく抱き付く(以下、「食い付く」ともいう。)習性がある。上記の餌木(以下、「ルアー」という。)を用いるイカ釣り方法は、このような習性を利用してイカをルアーに抱き付かせて、イカを釣る方法である。なお、「食い付く」は「抱き付く」を含み、魚類を何らかの方法でルアーに引っ掛ける意味で用いる。
図9(a)に、釣り人200が、例えば海300の岸壁310から、ルアー100による魚類(イカ)釣りをする様子を示す。釣り人200は、釣竿70の釣糸(ライン)72の先端にルアー100をセットして、これを海300に向かって遠投する。海面304に着水したルアー100を、例えば一旦海底302まで沈下させた後、釣竿70を海面304方向にしゃくり上げ、ルアー100を急浮上させる。ルアー100が海中に沈下していく際に、釣糸(ライン)72は通常弛んだ状態(糸ふけ)となるので、釣糸72をゆっくり巻き取ってこの糸ふけを解消し、釣糸(ライン)72を張った状態にしてからしゃくり上げを行うのが効果的である。
このように、ルアー100を沈下させたり、釣糸72をゆっくり巻き取って糸ふけを解消する操作を繰り返しながらイカをルアーに抱き付かせ、しゃくり上げを行ってイカを釣るので、シャクリ釣りとも呼ばれる。このシャクリ釣りでは、図9(a)に示すように、一般には海中でルアー100を何度も上昇沈下させて、ルアー100に抱き付くイカを釣り上げる機会を窺う。
上記のようなイカ釣りに限らず、釣り人200の個性や感覚によって魚類釣りの方法は各々異なるものの、ルアー100をより遠くまで遠投して最大到達距離を稼ぎ、ルアー100を釣り人200まで巻き取るまでの沈下及びしゃくり上げサイクルの繰返し回数を増加させた方が、一般には釣果を期待することができる。なお、以下便宜のため、ルアー100の海底302方向への沈下と、沈下に続く海面304方向への上昇(しゃくり上げによる上昇を含む)を1サイクルとし、上記の遠投後ルアー巻き取りまでのサイクルの繰返し回数を、単に「サイクル回数」と呼ぶ。
図8は、典型的な従来のイカ釣り用のルアー(餌木)100を示す図である。図8において、ルアー100は、ルアー本体部10、ラインアイ12、錘14、掛針16、目18、繊維状部材20を備える。
ルアー本体部10は、通常、合成樹脂や木材などで形成し、先端にラインアイ12を設ける。ラインアイ12は、釣糸72をルアー本体部10に接続するための接続部である。錘14は鉛などで形成し、例えば頭部側の腹部など、ルアー本体部10の腹部の頭部側に設けるのが一般的である。そのためルアー100の重心Gは頭部側に位置して、ルアー100は着水すると、頭部側を斜め下方にして海底302方向(図9参照)に沈下する。
掛針16は、ルアー100に抱き付いたイカを針掛けするために、ルアー本体部10の腹部や背部や尾部などに取付ける。沈下中にイカがルアー本体部10に抱き付けば、ルアー本体部10をしゃくり上げる際に、抱き付いたイカを掛針16に針掛けすることができる。また、目18や繊維状部材20は偽装部材であり、イカに対するアピール効果や、商品価値としての効果も持つが、繊維状部材20は沈下過程における抵抗作用ももたらす。
このように、従来のルアー100を用いたシャクリ釣りでは、錘14を頭部側に取付けて頭部側を海底方向にして沈下させると共に、釣糸72を先端のラインアイ12に接続して岸壁310方向に引き寄せ、しゃくり上げによって海面304方向に急浮上させ、抱き付いたイカを掛針16に針掛けしてイカ釣りを行う。
しかし、錘14を頭部側に固定するので、重心Gが頭部(ラインアイ12)側に位置することとなる。そのため、釣竿70の釣糸72の先端にルアー100をセットして、これを海300に向かって遠投げしても、釣糸72(ラインアイ12)側に重心Gが偏り、十分に遠くまでルアー100を遠投げできないという課題があった。
また、重心Gが頭部(ラインアイ12)側に位置するので、ルアー100の沈下速度が速くなり過ぎると、イカがルアー本体部10に抱き付く時間を十分に確保できなという問題があった。
このような従来のイカ釣り用ルアー(餌木)100の課題を解消するため、種々の改良発明がなされている。特許文献1には、空洞体とした餌木(ルアー)の内部に小球型の移動重りを封じ込め、頭頂部寄り両側に昇降角度を制御する水中翼を設けた疑似餌が開示されている。特許文献1のルアーは、沈下姿勢において移動重りの移動により重心Gは頭頂部方向へ移動するが、水中翼を設けたことにより、沈下速度を抑えて姿勢を安定させることができる。
また、特許文献2や特許文献3には、獲物を誘うためのラトル音を発生さるために、ルアー内の空洞部に複数の小球型の移動重りを封入し、その衝突音による音響効果を狙ったルアーが開示されている。
以上のような従来のルアーに関する課題は、イカに限らず、その他の魚類を対象とした一般のルアーについても共通しており、上記のような小球型の重りにより重心移動を行う発明は、対象をイカに限らず、特許文献4〜9などに、一般的な魚類の釣りに用いるルアーに関する発明として多数開示されている。
しかし、このような衝突音を不快に思う釣り人も少なくなく、衝突音が魚類を誘う効果も定かではない。また、ルアー内の空洞部に封入した小球型重りの空洞部内壁への衝突により、ルアーが傷みやすく、寿命が短くなるという問題もある。さらに小球型移動重りを用いると、図9(b)のように、沈下姿勢において移動重りが素早く頭頂部方向へ移動し、沈下速度が速くなってしまうのが一般的である。
また、同種類の魚類に限っても、浅場で釣る場合、深場で釣る場合、あるいはその中間の深さで釣る場合等、釣場・天候などの諸条件やどの辺の深さにいる魚類をターゲットにするかによっても、ルアーの重心移動の調節が重要となる。
特開2002−204633号公報 特開2005−58124号公報 特開2005−87156号公報 特開2009−5627号公報 特開2009−5628号公報 特開2002−242290号公報 特開2006−83678号公報 特許4861076号公報 特開平9−100555号公報 特開平200426号公報
そこで、本発明は、小球型の移動重りを用いずに重心移動を円滑に行って到達距離を稼ぎ、不快な衝突音を解消すると共に長寿命化を図り、サイクル回数を稼ぎつつも、適度な速度による沈下を実現し得るルアーを提供する。
さらに、本発明は、小球型の移動重りを用いない重心移動を行うに当たって、内部構造を適宜調節することにより、浅場用、深場用、あるいはその中間の深さ用(汎用)等、ターゲットとする深さに応じた重心移動が可能なルアーを提供する。
本発明に係るルアーは、頭部と尾部、背部と腹部を有し、内部に空洞部を形成した、小魚やエビを象ったルアーの本体部において、前記頭部側に設けた釣糸を接続するためのラインアイと、前記本体部の重心Gが該ラインアイ側に位置するように固定した固定錘と、
を具備し、前記空洞部に移動容易な粉体Pを封入したルアーであって、
前記腹部から前記背部方向に前記空洞部の内面に沿って仕切り壁を突出させて、該空洞部を頭部室と尾部室とに画し、該仕切り壁の上端部と該空洞部の背部内面間に、前記粉体Pが通過可能な移動通路を形成すると共に、該仕切り壁に前記粉体Pの通路孔を設けたことを特徴とする。
本発明に係るルアーは、前記本体部の前記頭部室と前記尾部室とを画する前記仕切り壁の厚さ・高さと突出位置を調整することにより、該記頭部室と前記尾部室のそれぞれの容積および前記移動通路の長さ・移動通路幅を自在に調整し、前記粉体Pの移動による該本体部の重心移動を制御することにより、該本体部の沈下速度を調整し得る。
本発明に係るルアーは、前記仕切り壁を頭部方向に傾斜させて突出させてもよい。
本発明に係るルアーは、前記仕切り壁の上端部から前記頭部方向に案内板を突起させて、該案内板と前記空洞部の背部内面間に、前記粉体Pが通過可能な移動通路を形成すると共に、前記頭部室内に、該仕切り壁と該案内板に封止される一方で、前記頭部室側に開放された貯留スペースを形成してもよい。
本発明に係るルアーは、前記仕切り壁を前記頭部側に前傾させると共に、該仕切り壁の前記背部側の表面を前記尾部室の底面から滑らかに接続させて立ち上げ、前記本体部の沈下姿勢において、前記粉体Pの前記移動通路への移動を円滑化し得る。
本発明に係るルアーは、前記仕切り壁を前記頭部側に前傾させると共に、該仕切り壁の前記背部側の表面が前記尾部室の底面から接続する接続部に、該尾部室の底面部から急峻に立ち上がる規制壁を設け、前記本体部の沈下姿勢において、前記粉体Pの前記移動通路への移動を規制し得る。
本発明に係るルアーは、前記粉体Pの粒径を30μm乃至300μmとするのが好適であり、30μm乃至100μmとするのがより好適である。
本発明に係るルアーは、前記移動通路幅を、2.3mm以上とするのが好適である。
本発明に係る魚類の釣り方法は、ルアーを用いた魚類の釣り方法であって、
上記の重心移動可能なルアーを準備するステップと、
前記ルアーの前記ラインアイに釣糸を接続するステップと、
前記ルアーを上昇姿勢にして、前記本体部の空洞内に封入した粉体Pを前記尾部室に移動させるステップと、
前記ルアーを遠投して、海面に着水させるステップと、
前記着水したルアーを、沈下姿勢で海底方向に沈下させるステップと、
前記沈下したルアーを、釣竿の動作により前記釣糸を介して前記上昇姿勢とし、上昇させるステップと、を含む。
本発明に係るルアーは、その姿勢に応じて粉体Pが移動通路を介して移動できるため、ルアー本体部の重心Gの位置移動を行うことができる。すなわち、ラインアイに釣糸を接続してルアー本体部を遠投する際に、尾部側に上記粉体Pを集中させ、ルアーの最大到達距離を大きくすることが可能である。
すなわち、ルアー本体部を遠投する前に、予め粉体Pを尾部室側に移動させておけば、遠心方向である尾部側にルアー本体部の重心Gを移動させることができ、従来のルアーより遠くまでルアー本体部を遠投することができる。この遠投の際に、ルアー本体部が加速度を失い、一定速度となっても、空洞部に設けた仕切り壁により粉体Pが頭部室側に移動することが規制されるので、重心Gを尾部側に維持することができる。
また、本発明に係るルアーは、従来のように小球型の移動重りを用いずに、粉体Pにより重心移動を行うので、不快な衝突音を解消することができる。さらに、小球型の移動重りが空洞部の内壁に衝突することもないので、重心移動の際に本体部を損傷することなく長寿命化を図ることができる。
本発明に係るルアーにおいて、遠投時に尾部室側に集中させた粉体Pは、最大到達地点において受ける反作用により、その一部が本体部の頭部側に移動し、固定錘との相乗効果で重心Gが頭部側に移動して、本体部は沈下姿勢を得ることができる。粉体Pは空洞部内を、移動通路を介して連続的、経時的に移動するので、上記反作用により初期移動した粉体Pの一部や固定錘により海中で本体部が沈下姿勢を得ると、粉体Pは更に継続的に頭部側へ移動して、沈下速度は増加する。このため、本発明に係るルアーは、着水後ゆっくりと沈下するが徐々に重心Gが頭部側に移動することにより沈下速度を増加させ、魚類を誘惑するチャンスを確保すると共にサイクル回数を確保することもできる。
本発明に係るルアーは、移動通路の断面を大きくし、あるいは仕切り壁を頭部方向に傾斜させることにより、本体部の沈下速度を増加させ、サイクル回数を増やすことができる。一方、移動通路の断面を小さくし、仕切り壁に通路孔を設けるなどして、粉体Pを適度に尾部室側にも分散させることにより、沈下速度を減少させて、魚の食い付き機会を増加させることもできる。すなわち、本発明に係るルアーは、移動通路の断面積の大小や、移動通路の長さ、空洞に設ける仕切り壁の位置や傾斜角度や形状等の設計により、沈下速度や沈下軌道を状況や好みに応じて自在に調整する事ができる。
本発明に係るルアーの側面断面図。 本発明の実施形態2における、ルアー本体部の側面断面図。 本発明の実施形態3に係る深場用のルアー本体部の側面断面図。 本発明の実施例1に係るルアー本体部の、(a)A−A断面図、(b)B−B断面図。 本発明の実施形態4に係る浅場用のルアー本体部の側面断面図。 本発明に係るルアーを用いた魚類釣りにおけるルアーの軌跡の概略図。 本発明に係る、(a)海面付近(shallow)用ルアーの側面断面図、および、(b)中間層用ルアーの側面断面図。 従来のルアー(餌木)の、(a)側面図、および、(b)平面図。 (a)従来のルアーを用いた魚類釣りにおけるルアーの軌跡の概略図、(b)小球型移動重りを擁するルアーを用いた魚類釣りにおけるルアーの軌跡の概略図。 本発明の実施例1に係る深場用のルアー本体部の、(a)側面断面図、(b)正面断面図。
<I.本発明に係るルアーの基本的実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明に係るルアーの実施形態について説明する。以下の実施形態および実施例では、主にイカ釣りを例に挙げて説明するが、本発明のルアーはイカのみでなく、その他の釣り対象となる魚類にも適用可能である。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
(実施形態1)
図1に示すように、本発明に係るルアー1は、主にイカ釣り用のルアー(餌木)として用いられる疑似餌であり、頭部10hと尾部10t、背部10bと腹部10sを有する本体部10の内部に空洞部30を形成し、小魚やエビを象っている。
ルアー1の本体部10は、頭部10h側に設けた釣糸72を接続するためのラインアイ12と、腹部10sに、本体部10の重心Gがラインアイ12側(頭部10h側)に位置するように頭部10h側に固定した固定錘14と、を具備する。そして、本体部10の内部に形成した空洞部30に、任意の方法で移動容易な粉体Pを封入する。例えば、背部10bに設けた小孔22より粉体Pを流入させ、接着剤などで小孔22を封止する。
また、ルアー本体部10の空洞部30内に仕切り壁40を突出させて、当該空洞部30を頭部室32と尾部室34とに画し、この仕切り壁40の上端部42と背部10bの空洞部30側内壁面間に、上記粉体Pが通過可能な移動通路50を形成する。
このような構成の本発明に係るルアー1は、その姿勢に応じて粉体Pが移動通路50を介して移動できるため、ルアー本体部10の重心Gの位置移動を行うことができる。従って、ラインアイ12に釣糸72を接続してルアー本体部10を遠投する際に、尾部10t側に上記粉体Pを集中させることが可能である。ルアー本体部10を遠投する前に、予め粉体Pを空洞部30の尾部10t側(尾部室34側)に移動させてから遠投するのが好適である。
また、図9に示すように、海面304に着水したルアー1が沈下する際は、本体部10は頭部10h側を海底302に向けた沈下姿勢を取るのが好適であるが、遠投時に尾部室34側に集中させた粉体Pは、最大到達地点において本体部10の内壁から釣糸72方向に受ける反作用により、少なくともその一部を頭部10h側に移動させ(以下、「初期移動」という。)、固定錘14との相乗効果で重心Gを頭部10h側に移動させて沈下姿勢を得ることができる。このようにして海中で本体部10が沈下姿勢を得ると、粉体Pは更に連続的、経時的に移動通路50を介して頭部10h側へ移動することができ、沈下速度は徐々に増加する。すなわち、本実施形態1に係るルアー1の沈下時の軌跡は、図6に示すような放物線を描き、サイクル回数が増えるにつれて沈下速度が増す傾向となる。
尾部室34から頭部室32への粉体Pの移動をスムーズにするために、図1のように、仕切り壁40を頭部10h方向に傾斜させるのが好ましい。これにより、ルアー本体部10の沈下姿勢(前傾姿勢)において、頭部室32に粉体Pがスムーズに移動しやすくなり、本体部10の沈下速度を増加させることができる。そして、しゃくり上げ等の際の上昇姿勢においては、前傾した仕切り壁40は尾部室34への粉体P移動を阻止し、上昇姿勢後の沈下姿勢において素早く粉体Pを頭部室32に集中させることができるので、沈下速度を増加させてサイクル回数を増やすことができる。
なお、「しゃくり上げ」とは、釣り人200が釣竿70を勢いよく上方にしゃくり上げて、釣糸72を介してルアー本体部10を海面304方向に略直角方向に引き上げ、上昇あるいは浮上させる動作をいい、主にイカ釣りの場合によく用いられる用語であるが、イカ以外の一般の魚類釣りでも用いられる釣り方法である。従って、本明細書では、広く魚類の釣り一般に用いられる意味で、「しゃくり上げ」という語を用いる。したがって、本明細書において、ルアー1の海面304方向への「上昇」とは、「しゃくり上げ」を含む全ての動作により生じる「上昇」を指し、釣糸72の巻取り中に生じる沈下・上昇なども、上記「サイクル回数」に含まれるものとする。
あるいは上記サイクル回数を増やしたい場合とは逆に、天候や釣り場などの諸条件に対応して、沈下速度を遅くした方が、イカなど魚類を誘惑して本体部10に抱き付かせる(食い付かせる)チャンス(以下、「食い付き機会」という。)が増えて好ましいと釣り人200が考える場合もある。このような場合は、例えば仕切り壁40の下部に粉体Pの通路孔52を設けて(図1参照)、頭部室32から尾部室34へ粉体Pが移動するようにしてもよい。これにより、ルアー本体部10の上昇姿勢において頭部室32に集中した粉体Pを、通路孔52を介して尾部室34側に分散させることができ、次のサイクルにおける沈下速度を適度に抑えて、食い付き機会を増やすことができる。
以上のように、本発明に係るルアー1は、本体部10の姿勢に応じて粉体Pを移動させることにより、本体部10の重心Gの位置を適切に移動可能とした魚類釣り用ルアー1である。本発明のルアー1は、ルアー本体部10を遠投する前に、予め粉体Pを尾部室34側に移動させておけば、遠心方向である尾部10t側にルアー本体部10の重心Gを移動させることができ、従来のルアー100より遠くまでルアー本体部10を遠投することができる。この遠投の際に、ルアー本体部10が加速度を失い、一定速度となっても、仕切り壁40により粉体Pが頭部室32側に移動することが規制されるので、重心Gを尾部10t側に維持することができる。
また、本発明に係るルアー1は、従来のように小球型の移動重りを用いずに、粉体Pにより重心移動を行うので、不快な衝突音を解消することができる。さらに、小球型の移動重りが空洞部30内壁に衝突することもないので、重心移動の際に本体部10を損傷することなく長寿命化を図ることができる。
遠投した本体部10が着水後、本体部10は、初期移動した粉体Pの一部や固定錘14により頭部10hを海底302方向に向けて沈下するが、当該沈下姿勢において、遠投時に尾部室34側に偏在した粉体Pは、通路孔52を介して頭部室32へ連続的に移動することができる。このように粉体Pが頭部室32へ連続的に移動することにより、本体部10の重心Gは連続的に頭部10h側に移動し、沈下速度を徐々に増すことができる。
したがって、本発明に係るルアー1は、サイクル回数を増やしたい場合、沈下速度を増加させるために移動通路50の断面を大きくし、仕切り壁40を頭部10h方向に前傾させるのが好適である。一方、食い付き機会を増加させたい場合は、沈下速度を抑えるために移動通路50の断面を小さくしたり、仕切り壁40のに通路孔52を設けるなどして、粉体Pを適度に尾部室34側にも分散させるように設計するのが好ましい。
次に、本発明に係るルアー1の他の実施形態(実施形態2)について、図2を用いて説明する。
(実施形態2)
本実施形態2に係るルアー1においても、腹部10sから背部10b方向に空洞部30の内面に沿って仕切り壁40を頭部10h方向に前傾させて突出させることにより、空洞部30を頭部室32と尾部室34と分離する。さらに本実施形態2では、図2のように、仕切り壁40の上端部42から頭部10h方向に案内板44を突起させて、空洞部30の背部10bの内壁面と当該案内板44間に、上記粉体Pが通過可能な移動通路50を形成する。また、このように案内板44を仕切り壁40から突起させれば、頭部室32内に、仕切り壁40と案内板44に封止されると同時に頭部室32側に開放された貯留スペース33を、上記移動通路50と共に形成することができる。
このような本実施形態2に係るルアー1では、頭部10hを尾部10tの鉛直下方に位置させた、ルアー本体部10の沈下姿勢において(沈下時)、尾部室34に存する粉体Pが移動通路50を通って、案内板44が突起する頭部室32方向に移動容易である。また、尾部10tを頭部10hの鉛直下方に位置させた、ルアー本体部10の上昇姿勢において(しゃくり上げ時等)、頭部室32に存する粉体Pは、貯留スペース33に留置し易く、尾部10tには移動しにくくなる。
このように、本実施形態2に係るルアー1では、しゃくり上げや巻き取り、巻き上げ等の動作により貯留スペース33に粉体Pが貯留され、重心Gは沈下時の頭部10hから貯留スペース33側(尾部10t側)に僅かに移動する。しかし、しゃくり上げ等の動作が終了して、ルアー本体部10が再び固定錘14等により沈下姿勢を取れば、粉体Pは貯留スペース33から頭部室32に素早く移動することができ、重心Gも頭部10h側に再度移動して、ルアー本体部10は速やかに沈下することができる。したがって、本実施形態2に係るルアー1は、サイクル回数を増やしたい場合により効果的である。
本実施形態2に係るルアー1においても、ルアー本体部10を遠投する前に、予め粉体Pを尾部室34側に移動させておけば、従来のルアー100より遠くまでルアー本体部10を遠投し得ることは言うまでもない。また、粉体Pにより重心移動を行うので、不快な衝突音を解消することができ、本体部10の損傷を防いで長寿命化を図ることができることも実施形態1と同様である。さらに、しゃくり上げ等の動作が終了してルアー本体部10が再度沈下姿勢に入っても、上記のように即座に粉体Pが貯留スペース33から頭部室32に移動し、ルアー本体部10を速やかに沈下させることができる。したがって、ルアー本体部10を遠投後、これを回収するまでに、沈下と上昇の回数(サイクル回数)を稼ぐことができ、イカ等の魚類が抱き付く機会(食い付き機会)を増加させることができる。
(実施形態3)
本実施形態3に係るルアー1は、実施形態2の変形例であり、イカ釣り用の「餌木」と呼ばれるルアー1である。図3に示すように、仕切り壁40を頭部10h側に前傾させ、当該仕切り壁40を尾部室34の底面部から滑らかに接続させて立ち上げ、ルアー本体部10の沈下姿勢において、粉体Pの移動通路50への移動をより円滑となるようにした。すなわち、図3のように、尾部室34の底面部から仕切り壁40の上端部42までを略直線状として、尾部室34に存する粉体Pが頭部室32へ移動容易にした。
本実施形態3のルアー1は、沈下姿勢における粉体Pの頭部10h側への移動がよりスムーズに行え、沈下速度を上げることができるので、海底302が深場である場合により好適である。すなわち、海底302が深場である場合は、沈下速度が上がっても、ルアー本体部10が海底302に達するまでにイカが食い付く(抱き付く)時間が十分にあるので、岸壁310へルアー本体部10を巻き取るまでの沈下浮上の回数(サイクル回数)を稼ぐのが有利である。本実施形態3のルアー1においては、スムーズに粉体Pが頭部10h側へ移動するので、ルアー本体部10を急角度で海底302へ沈下させることができ、サイクル回数を稼いで釣果を挙げることが期待できる。
(実施形態4)
図5に断面を示す本実施形態4に係るルアー1も、上記実施形態2の変形例であり、仕切り壁40を頭部10h側に前傾させるが、仕切り壁40が尾部室34の底面部から接続する接続部に、尾部室34の底面部から急峻に立ち上がる規制壁402を設け、本体部10の沈下姿勢において、上記粉体Pの移動通路50への移動を抑制する。
本実施形態4のルアー1は、沈下姿勢における粉体Pの頭部10h側への移動が規制壁402により抑制されるので、海底302が浅場である場合に好適である。すなわち、海底302が浅場である場合は、ルアー本体部10がゆっくりと海底302に達する方が、イカが食い付く(抱き付く)チャンスが増加して有利である。本実施形態4のルアー1においては、粉体Pの頭部10h側への移動が規制壁402により抑制されるので、ルアー本体部10の海底302への沈下速度を下げることができ、沈下時におけるイカの食い付き(抱き付き)の誘惑時間を稼いで、釣果を挙げることが期待できる。
本実施形態4のルアー1は、規制壁402を設ける以外は、上記本実施形態3のルアー1と同様であってよい。封入する粉体Pや本体部10のサイズ、材質なども同一であってよい。
次に、本発明に係るルアー1について、実施例を用いて更に詳細に説明する。
本実施例1に係るルアー1は、実施形態2と略同形状であり、イカ釣り用の「餌木」と呼ばれるルアー1である。図10(a)に示すように、仕切り壁40を頭部10h側に前傾させ、当該仕切り壁40を尾部室34の底面部から滑らかに接続させて立ち上げ、ルアー本体部10の沈下姿勢において、粉体Pの移動通路50への移動を円滑となるようにした。また、仕切り壁40の上端部42から頭部10h方向に案内板44を突起させて、上記粉体Pが通過可能な移動通路50を形成すると共に、頭部室32内に貯留スペース33を形成した。
このような本実施例1に係るルアー本体部10は、厚さ1.4mm〜3.0mmのナイロン製であり、粉体P15gを空洞部30に封入したルアー本体部10総重量は28gであった。ここで、空洞部30の容積(体積)は約12ccであるが、封入した鉄製の粉体P(質量15g)の体積は約5〜6ccであり、ルアー本体部10の尾部室34の容積(体積)と略同一であった。なお、粉体P(鉄紛)は、粒径が約50μmで、本実施例1では、背部10bに設けた小孔22より空洞部30内に流入させ、その後当該小孔を接着剤で封止した。
また、本実施例1に係るルアー本体部10のサイズは、以下の通りであった(図2参照)。
・全長(頭部10h〜尾部10t) ・・・104.66mm
・高さ(腹部10s〜背部10b)・・・31.83mm
・幅・・・・・・17.95mm
・粉体P・・・「鉄紛#300 Iron powder」(協和純薬工業株式会社)
(実験1)
図4(a)及び(b)は、図10に示す本実施例1に係る深場用のルアー本体部の、A−A断面図及びB−B断面図である。実験1として、空洞部30に突起させた仕切り壁40の上端部42と、空洞部30の背部10bの内壁面との間隔51(正面視における移動通路50の最小幅;以下「移動通路幅」51という。)を2.29mmとした(図4(a)参照)。この移動通路幅51は好適幅よりは僅かに狭く、粉体Pの尾部室34から頭部室32への移動は最適とは言えないが、円滑であった。したがって、粉体Pの粒径が約30μm〜100μm程度と小さい場合は、上記背部10bの内壁面との間隔を2.3mm以上とすれば、粉体Pは十分円滑に、尾部室34と頭部室32間を移動可能と期待できる。なお、上記のように、「移動通路幅」51とは、仕切り壁40の上端部42と、空洞部30の背部10bの内壁面との、正面視における移動通路50の最小幅(最小間隔)であり、必ずしも移動通路50の最小幅ではない。しかし、両者の差異は高々0.1mm程度であり、本明細書では粉体Pの移動容易性を評価するために、正面視最小幅の「移動通路幅」51を採用する。
<II. 他の実施形態>
以上、主にイカ釣りに用いる餌木と呼ばれる疑似餌(ルアー)を例として、本発明に係るルアー1について詳細に説明したが、上述のように、本発明のルアー1はイカ以外の魚類の釣りにも適用できる。そこで、次に、イカ釣り以外の、一般的な魚類釣りのためのルアーについて、本発明に係るルアー1の他の実施形態を図7(a)、(b)等を用いて説明する。
一般的な魚類釣りのためのルアー1は、イカ釣り用として図8に示したルアー(餌木)100の、例えば繊維状部材20など余り用いられない付属物もあるが、その他の目18や、ラインアイ12、錘14、などの備品は略共通している場合が多い。また、掛針16は主にイカ釣りの場合にイカを引っ掛けるためにあるので、一般の魚類釣り用の本発明に係るルアー1では、掛針16を、例えば尾びれや掛け針等に付け替え可能とすればよい。
また、ルアー本体部10の外形も異なる場合もあるが、概ね同様であり、小魚などを象った形状は共通している。本体部10のサイズは、イカ用でも他の魚類用であっても、ターゲットとする魚の種類や成長度合い等による大きさに応じて、適宜選択するのが通常である。
本発明に係るルアー1は上述のように、例えば図1を参照して、粉体Pを空洞部30に封入し、ルアー本体部10の姿勢に応じて粉体Pを移動通路50を介して頭部室32と尾部室34間を移動容易とし、ルアー本体部10の重心Gの位置移動を可能とした点に大きな特徴がある。
しかし、ターゲット(釣り対象)の魚や釣り場などの条件、あるいは気象条件など、または釣り人200の技術や好みの条件など、諸々の条件によって、求められるルアーの重心移動の形態は様々である。本発明に係る他の実施形態のルアー1は、図7(a)、(b)に示すように、頭部室32と尾部室34とを画する仕切り壁40の厚さ・高さと突出位置を調整することにより、頭部室32と尾部室34のそれぞれの容積と移動通路50の長さ・移動通路幅51を自在に調整し、粉体Pの移動による本体部10の重心移動を制御することにより、本体部10の沈下速度を調整可能とした、重心移動可能なルアーである。
(実施形態5)
図7(a)に示す、本実施形態5に係るルアー1は、仕切り壁40の突出位置は上記実施形態と略同様に腹部10sの中腹としたが、仕切り壁40の厚さを頭部室32方向に延伸させることにより、尾部室34の容積はそのままに、頭部室32の容積を極端に小さくした。仕切り壁40の厚さを厚くしたので、移動通路50の長さは長くなるが、移動通路幅51(上記移動通路50の正面視最小幅)を大きめに取れば、粉体Pは移動通路50を経由して頭部室32と尾部室34間を容易に移動することができる。例えば、移動通路幅を3.0mmとすればよい。
本実施形態5のルアー1の本体部10は、上記実施形態と略同様に、頭部10h側に設けた釣糸72を接続するためのラインアイ12と、腹部10sに、本体部10の重心Gがラインアイ12側(頭部10h側)に位置するように頭部10h側に固定した固定錘14と、を具備する。本実施形態5のルアー1も、その姿勢に応じて粉体Pが移動通路50を介して移動できるため、ルアー本体部10の重心Gの位置移動を行うことができる。
すなわち、ルアー1の遠投時に尾部室34側に集中させた粉体Pは、最大到達地点において受ける反作用により、少なくともその一部を頭部10h側に移動させ(初期移動)、固定錘14との相乗効果で重心Gを頭部10h側に移動させて沈下姿勢を得ることができる。この沈下姿勢において、粉体Pは更に一定量が、連続的に移動通路50を介して頭部10h側へ移動することができるが、小さく設計した頭部室32の容積が一杯になると、粉体Pの頭部室32への移動は止まる。頭部室32に溜まった粉体Pと頭部10h側に固定した固定錘14との重さが、尾部室34側に留まった粉体Pの重さと競合して、ルアー本体部10の重心Gが位置移動を行う。
例えば図9において、海面304から深さ1m程度以内の深さの層を「シャロー(shallow)」などと呼ぶが、このような本実施形態5に係るルアー1は、このような浅い海面304付近を泳ぐ魚を狙う際に適している。遠投時に尾部室34側に粉体Pを集中させれば、ルアー本体部10を従来より遠くまで到達させることができるが、移動通路50が長く、頭部室32の容積が小さいため、多くの粉体Pが尾部室34側に留まり、ルアー1の沈下速度を下げることができる。あるいは、尾部室34側に留まる粉体Pを、頭部室32に移動する粉体P及び固定錘14とバランスするように調整して、容易に沈下しないで海面304付近を漂うように設計することもできる。
(実施形態6)
図7(b)に示す、本実施形態6に係るルアー1は、仕切り壁40の突出位置は上記実施形態5と略同様であるが、仕切り壁40の厚さを実施形態5のルアーより薄くし、尾部室34の容積はそのままに、頭部室32の容積を広げた。実施形態5と比較すると、移動通路50の長さは短くなり、頭部室32が収容できる粉体Pの体積は大きくなる。本実施形態6に係るルアー1においても、移動通路幅51を上記2.3mmより十分大きい5.0mm程度に取れば、粒径30μm乃至300μm程度の粉体Pは移動通路50を容易に通過して、頭部室32と尾部室34間を移動することができる。なお、本実施形態6の本体部10のその他の構成は、上記実施形態5と同様であってよい。
本実施形態6のルアー1においても、遠投時に尾部室34側に集中させた粉体Pは、最大到達地点において受ける反作用により、少なくともその一部が頭部10h側に初期移動し、固定錘14との相乗効果で重心Gを頭部10h側に移動させ、本体部10は沈下姿勢を得ることができる。この沈下姿勢において、粉体Pは、頭部室32の容積一杯まで、連続的に移動通路50を介して頭部10h側へ移動することができる。頭部室32の容積を適切に設計して、粉体Pの少なくとも一部が尾部室34側に留まるようにすれば、頭部室32に移動した粉体Pと頭部10h側に固定した固定錘14との重さと、尾部室34側に留まった粉体Pの重さとの競合により、ルアー本体部10の沈下速度を調整することができる。
<III.本発明に係るルアーを用いた魚類釣り方法>
以上のような本発明に係るルアー1を用いた魚類釣り方法は、以下のようなステップで行うことができる。
すなわち、本発明に係るルアーを用いた魚類釣り方法は、上記のようなルアー1を用いた魚類の釣り方法であって、
(1)上記魚類釣り用ルアー1を準備するステップ、
(2)ルアー1のラインアイ12に釣糸72を接続するステップ、
(3)ルアー1を前記上昇姿勢にして、本体部10の空洞部30内に封入した粉体Pを尾部室34に移動させるステップ、
(4)ルアー1を遠投して、海面304に着水させるステップ、
(5)海面304に着水したルアー1を沈下姿勢で海底302の方向に沈下させるステップ、
(6)沈下したルアー1を、しゃくり上げなどの釣竿70の動作により、釣糸72を介して上昇姿勢とし、上昇させるステップ、
を含む。
イカ釣りなどでしゃくり上げを行う際は、(5)の沈下させるステップ内で、あるいは(6)の上昇させるステップに移行する際に、釣糸72をゆっくり巻き取って糸ふけを解消する操作を行うのが好ましい。また、しゃくり上げのような急激な上昇動作を行わない場合は、上昇姿勢においても沈下姿勢においても、釣人200は釣糸72の巻取り作業を適時行うことにより、ルアー1を手元に引き寄せることができる。
本明細書中では、上記のように、連続する(5)の沈下させるステップと、(6)の上昇させるステップを一纏めにして1サイクルとし、遠投後ルアー巻き取りまでのサイクルの繰返し回数をサイクル回数としたが、上記シャロー(shallow)に意図的にルアーを漂流させるなど、釣り方によってサイクルは判然としない場合もあり得る。しかし、例えば、上記本発明に係る実施形態5のルアーであれば、このような海面付近の釣り方法にも対応することができる。
以上、本発明のルアーについて説明したが、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではない。一般には、サイクル回数が多いほど釣果が期待できるが、釣人によってはルアーがゆっくり沈下することを好む者もあり、また状況によっても必ずしも粉体Pを頭部側に集中し易くすれば良いというものでもない。それぞれの釣人が仕切り壁や空洞の形状・サイズ、粉体Pの種類や封入量を適宜選択し、必要な、あるいは好みの本発明に係るルアーを形成し、状況に応じて使い分けすることができる。
また、本発明に係るルアーを構成する本体部やこれに取付ける錘、掛針、繊維状部材などの付属物の材料、あるいは粉体Pの材料は、特に限定されず、適宜適切な材料を選択することが出来る。本体部や上記付属物のサイズや粉体Pの粒径も、漁場や季節・天候などの諸条件や、ターゲットとする魚類の種類などに応じて設計変更可能である。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明に係るルアーは、海や川などに面した岸壁、陸地、及び船上から、主として海や川に生息する魚類を効果的に釣り上げるために利用することができる。
1:ルアー
10:(ルアー)本体部
10h:頭部
10t:尾部
10b:背部
10s:腹部
12:ラインアイ
14:(固定)錘
16:掛針
18:目
20:繊維状部材
22:小孔
30:空洞部
32:頭部室
33:貯留スペース
34:尾部室
40:仕切り壁
402:規制壁
42:(仕切り壁の)上端部
44:案内板
46:(案内板の)先端部
50:移動通路
51:移動通路幅
52:通路孔
70:釣竿
72:釣糸(ライン)
100:(従来の)ルアー
200:釣り人
300:海
302:海底
304:海面
310:岸壁

Claims (9)

  1. 頭部と尾部、背部と腹部を有し、内部に空洞部を形成した、小魚やエビを象ったルアーの本体部において、
    前記頭部側に設けた釣糸を接続するためのラインアイと、
    前記本体部の重心Gが該ラインアイ側に位置するように固定した固定錘と、
    を具備し、
    前記空洞部に移動容易な粉体Pを封入したルアーであって、
    前記腹部から前記背部方向に前記空洞部の内面に沿って仕切り壁を突出させて、該空洞部を頭部室と尾部室とに画し、
    該仕切り壁の上端部と該空洞部の背部内面間に、前記粉体Pが通過可能な移動通路を形成すると共に、該仕切り壁に前記粉体Pの通路孔を設けたことを特徴とする、
    本体部の重心移動可能なルアー。
  2. 前記仕切り壁を頭部方向に傾斜させて突出させた、請求項1に記載の重心移動可能なルアー。
  3. 前記仕切り壁の上端部から前記頭部方向に案内板を突起させて、該案内板と前記空洞部の背部内面間に、前記粉体Pが通過可能な移動通路を形成すると共に、
    前記頭部室内に、該仕切り壁と該案内板に封止される一方で、前記頭部室側に開放された貯留スペースを形成した、請求項1又は2に記載の重心移動可能なルアー。
  4. 前記仕切り壁を前記頭部側に前傾させると共に、該仕切り壁の前記背部側の表面を前記尾部室の底面から滑らかに接続させて立ち上げ、
    前記本体部の沈下姿勢において、前記粉体Pの前記移動通路への移動を円滑化した、
    請求項3に記載の重心移動可能なルアー。
  5. 前記仕切り壁を前記頭部側に前傾させると共に、該仕切り壁の前記背部側の表面が前記尾部室の底面から接続する接続部に、該尾部室の底面部から急峻に立ち上がる規制壁を設け、
    前記本体部の沈下姿勢において、前記粉体Pの前記移動通路への移動を規制した、
    請求項3に記載の重心移動可能なルアー。
  6. 前記粉体Pの粒径を30μm乃至300μmとした、請求項1に記載の重心移動可能なルアー。
  7. 前記粉体Pの粒径を30μm乃至100μmとした、請求項1に記載の重心移動可能なルアー。
  8. 前記移動通路幅を、2.3mm以上とした、請求項1に記載の重心移動可能なルアー。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の重心移動可能なルアーを準備するステップと、
    前記ルアーの前記ラインアイに釣糸を接続するステップと、
    前記ルアーを上昇姿勢にして、前記本体部の空洞内に封入した粉体Pを前記尾部室に移動させるステップと、
    前記ルアーを遠投して、海面に着水させるステップと、
    前記着水したルアーを、沈下姿勢で海底方向に沈下させるステップと、
    前記沈下したルアーを、釣竿の動作により前記釣糸を介して前記上昇姿勢とし、上昇させるステップと、
    を含む、ルアーを用いた魚類釣り方法。
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