WO1994013491A1

WO1994013491A1 - Water-based ink fixing composition, thermally transferred image covering film using the same, and thermal transfer image recording medium

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Publication number: WO1994013491A1
Application number: PCT/JP1993/001811
Authority: WO
Inventors: Kengo Ito; Yoshio Fujiwara; Satoru Shinohara
Original assignee: Sony Corporation
Priority date: 1992-12-14
Filing date: 1993-12-14
Publication date: 1994-06-23
Also published as: EP0642927B1; US5543453A; DE69323875D1; US5462910A; EP0642927A4; DE69323875T2; EP0642927A1

Description

明細書水性ィンク定着用組成物及びこれを用レ、た熱転写画像用カバーフィルム、熱転写画像記録体技術分野本発明は、熱転写画像、特に昇華熱転写画像の保護被膜を形成するための水性ィンク定着用組成物に関するものであり、さらにはそれを用いた熱転写画像用カバ一フィルムゃ熱転写画像記録体に関するものである。背景技術近年、昇華転写記録技術を利用したシステムとして，いわゆる " インスタント ·ビデオ，ポートレイト ·システム" と称されるものが知られている。このシステムは、ビデオカメラ等で被写体を撮影し、そのビデオ画像情報を静止画像として昇華転写記録技術により印画紙の染料受容層に熱転写し、その結果得られる転写画像を各種証明書等に適用するものであり、従来の銀塩写真に変わるものとして注目されている。例えば、欧州においては、この "インスタント

• ビデオ ·ポートレイト · システム" が、スキーパスや鉄道定期券などの使用者を特定するために応用されている。

このような印画紙に形成された熱転写画像は、外界に曝されたまま様々な用途に使用されることもあるが、画像を保護する目的で熱転写画像上に熱転写画像用カバーフィルムを積層することも広く行われている。このような熱転写画像用カバーフィルムとしては、ポリエステルフィルムに接着剤層が形成されているも ©や、ポリ塩化ビニルフィルムなどのそれ自身が加熱圧着されることにより積層可能なものが使用されている。

ところで、上述したように熱転写画像が形成された印画紙の当該熱転写画像上に水性ィンクを使用して水性ィンク画像、例えば割り印や各種スタンプ像を形成する場合がある。

ところが、熱転写画像が形成されている印画紙の染料受容層は、ポリエステルなどの親油性あるいは撥水性の材料から構成されているために、水性インクを吸収又は浸透させず、従って水性インク画像を定着しないという欠点がある。

また、従来の熱転写画像カバ一フィルムも、前述の通り親油性材料から形成されているので、水性インクを吸収又は浸透させず、従つて水性インク画像を定着しないという欠点がある。そのため、熱転写画像上に形成された水性インク画像は、雨や汗などの水滴に接触することにより、あるいは手で擦られることにより簡単に破壊されるという問題がある。

このような問題に対しては、熱転写画像用カバーフィルムを水溶性材料のみから構成することが考えられるが、親油性の染料容層へ直接積層することが非常に困難であり、また、耐水性に乏しくなるという問題がある。発明の開示本発明は、熱転写画像、特に昇華熱転写画像に水性スタンプに対する定着性を付与することが可能で、しかも染料受容層への接着性、耐水性に優れた水性ィンク定着用組成物を提供する,ことを目的とし、さらには、良好な水性スタンプ定着性、改ざん防止能を有する熱転写画像用カバーフィルム、熱転写画像記録体を提供することを目的とする。

本発明者等は、定着層に粘土系層間化合物、イオン交換樹脂等のィォン交換体を添加することで良好な水性ィンク定着性を付与することができ、耐水性の点でも問題がないことを見出し本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明の水性インク定着用組成物は、イオン交換体を含有することを特徴とするものである。

本発明の水性インク定着層用組成物において使用するイオン交換体は、水性インク中の水分を吸収してそれき体が膨潤するものであり、更に、水性インク中に含有される、イオン性染料をイオン交換作用によりそれ自体が保持する機能を有するものである。従って、イオン交換体の存在により水性インク画像の定着性が向上する。この場合、使用されるィォン性染料が陽ィオンあるいは陰イオンのいずれの場合にも対応できるように陰ィォン交換体と陽ィォン交換体とを混合して使用することが好ましい。

このようなィォン交換体の例としては、ィォン交換能を有する粘土系層間化合物を好ましく挙げることができる。例えば、ァニオン交換性粘土系層間化合物としてハイドロタルサイトを例示することができ、また、カチオン交換性粘土系層間化合物として、以下の式 ( 1 ) で示されるモンモリロナイト群鉱物を例示することができる。 (X, Y)₂~₃Z₄0_{1 0}(OH)₂ · πιΗ₂0 · (Wト 3) · · · ( 1 )

(式中、 X は Al、 Fed 11)、 Mn(I I I) 又は Co(I I I) であり、 Y は Mg、 Fed I), Mn(I I)、 Ni、 Zn又は Liであり、 Z は Siヌは Alであり、 Wは K、 Na又は Caであり、 H₂0 は層間水を示し、 mは整数である。

)

式（1 ) で表されるモンモリロナイト群鉱物の具体例としては、 Xと Yとの組合せと置換数の相違により、モンモリロナイト、マグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト、バイデライト、アルミ二アンパイデライト、ノントロナイト、アルミ二アンノントロナイト、サボタイト、アルミ二アンサポナイト、へキトライト、ソ一コナイトなど天然物又は合成物を例示することができる。また、式（1 ) の中の〇H基がフッ素などのハロゲン原子で置換したものも使用することができる。また、式（1 ) のモンモリロナイト群鉱物の他にもカチオン交換性粘土系層間化合物として、ナトリウムシリシックマイ力、ナトリゥムテニォライト、リチウムテニォライトなどの雲母群鉱物を例示することができる。

あるいは、ィォン交換樹脂をィォン交換体として用いることもできる。イオン交換樹脂としては、合成品、半合成品等、公知のものがいずれも使用できる。

具体的に例示するならば、合成品としては、ポリアクリル酸塩系 (製鉄化学工業社製，商品名アクアキープ、住友化学工業社製，商品名スミカゲル、花王石鹼社製，商品名ワンダーゲル、ダウ 'ケミカル社製，商品名 D. W. A.し.、ストックハウゼン社製，商品名 Favor、荒川林産化学工業社製，商品名ァラソープ、日本触媒化学工業社製，商品名アクアリック）、酢酸ビニル ·ァクリル酸エステル共重合体ゲン化物（住友化学工業社製，商品名スミカゲル、商品名ィゲタゲル）、酢酸ビニル 'マレイン酸系共重合体ゲン化物.（日本合成化学工業社製，商品名 G P) 、イソブチレン '無水マレイン酸共重合体架橋物（クラレイソプレンケミカル社製，商品名 K Iゲル）、ポリアクリルロニトリル系ゲン化物（日本ェクスラン社製，商品名ラソシール、住友化学工業社製，商品名スミカゲル）等が挙げられる。半合成品としては、デンプン ·ァクリロ二トリルグラフト重合体ゲン化物（G P C社製，商品名 Water - Lock、スーパー ·ァブソーべント社製，商品名 Terra-sorb、ヘンケル日本社製，商品名 S G P、日澱化学社製，商品名 WA S) 、デンプン *アクリル酸グラフト重合体（三洋化成工業社製，商品名サンゥエツト、ライオン社製，商品名ライオンポリマー）、 CMC架橋物（ハーキュレス社製，商品名 Aqualon、ェンカ社製，商品名 Akucell ) 等が挙げられる。このようなィォン交換体は、水性ィンク吸収性と水性ィンク画像の定着性の点から、 Ti性インク定着用組成物中の 1 0重量％以上で配合することが好ましく、 2 0〜 8 0重量％で配合することがより好ましい。

上述のイオン交換体は、例えばイオン交換樹脂を用いる場合には単独で水性ィンク定着用組成物としてもよレ、が、粘土系層間化合物やイオン交換樹脂粒子を用いる場合には、結合剤を併用し、成膜性を付与する必要がある。

この場合、結合剤としては、吸水性樹脂が挙げられる。吸水性樹脂は、 7j性インクを吸収し保持するものである。このような吸水性樹脂としては、好ましくは吸水率（2 0て、 6 5 % R H) が 5 %以上、より好ましく 1 0 %以上のものを使用する。このような吸水性樹脂としては、ァニオン性セルロース誘導体などのアルロース系高分子、ポリビニルポロリドン、ポリビニルピロリドン一酢酸ビニル共重合体などのポリビニルピロリドン系高分子などを例示することができる。中でも、ポリビニルピロリドン系高分子を好ましく使用することができる。

このような吸水性樹脂は、 Tf 性ィンク吸収性と水性インク画像定着性の観点から、水性ィンク定着用組成物中の 2 0重量以上で配合することが好ましく、 3 0〜7 0重量％で配合することがより好ましい。

前述の吸水性樹脂を結合剤として用いる場合、耐水性を向上させる目的で非水溶性樹脂を併用することが好ましい。このような非水溶性樹脂としては、ポリ塩化ビニルなどを使用することもできるが、吸水性樹脂と相溶するものが好ましく、例えばセルロースァセテ一トブチレート（以後、 C A Bと略する）などのセルロースァセテ一ト類、ポリビニルブチラ一ルなどのビニルアルコールのァセタール化物などを使用することができる。

ただし、前記非水溶性樹脂は、その配合量が増加するにつれ水性インク定着用組成物から形成される水性インク定着層の水性インクの吸収性が低下するので、 7jc性インク定着用組成物中に 7 0重量％以下の割合で配合することが好ましい。特にィンク吸収速度を低下させないようにする場合には、 3 0重量％以下で配合することが好ましい。

また、特に耐水性、熱転写画像に対する密着性等を重視する場合には、結合剤として熱溶融性樹脂を用いても良い。熱溶融性樹脂としては、熱溶融性を有するものであればいずれも使用可能であり、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル—酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルー酢酸ビニル一ビニルァルコール共重合体、塩化ビニルーァクリロニトリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ブタジエン一アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルプチラール、スチレンーブ夕ジェン共重合体、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。

本発明の水性ィンク定着用組成物には、水性ィンク画像の定着性を向上させるために吸水性樹脂やイオン交換体の配合量を多くした場合でも、耐水性を保持できるようにするために、 3次元架橋構造を形成することができる架橋剤を含有させてもよレ、。このような 3 次元架橋構造は、その中に吸水性樹脂やイオン交換体を保持することができ、従って、吸水性樹脂やイオン交換体の配合量を多くしても水性インク定着用組成物の耐水性を高めることができる。このような架橋剤としては、 3次元架橋構造を形成できるものの中から適宜選択して使用することができる。

このような架橋剤は、その配合量が増加するにつれ水性インク定着用組成物の水性インクの吸収性が低下するので、 7j性インク定着用組成物中に 7 0重量％以下の割合で配合することが好ましい。また、本発明の水性インク定着用組成物には、水性インクの吸収速度を高めて乾燥しゃすくする目的で、非ィォン性界面活性剤を含有させることが好ましい。このような非イオン性界面活性剤としては、特に制限はなく適宜選択して使用することができる。

ただし、非イオン性界面活性剤の使用量が多すぎるとブルーミングが発生しやすくなるので、水性インク定着用組成物中に配合する割合は 5 0重量％以下とすることが好ましい。

さらに、本発明の水性インク定着用組成物には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、希釈剤等を添加することができるただし、本発明の水性ィンク定着性組成物から形成する水性ィンク定着層は熱転写画像を被覆するものであるため、水性ィンク定着層が光透過性となるようにする。

本発明の水性ィンク定着用組成物は公知の方法により製造することができ、例えば結合剤である吸水性樹脂や熱溶融性樹脂とイオン交換体とを、必要に応じて他の成分と共にメチルェチルケトン等の溶媒中でサンドミルを使用して均一に混合することにより製造することができる。

上述の水性インク定着用組成物は、直接熱転写画像上に塗布することによつて水性ィンク定着層を形成しても良レ、が、熱転写画像上にラミネートするカバーフィルムの形態で取り扱うのが便利である。そこで、上述の水性インク定着用組成物を使用した本発明の熱転写画像用カバーフィルムについて説明する。

本発明の熱転写画像用カバーフィルムは、基材上にィォン交換体を含有する水性インク定着層が剝離可能に形成されていることを特徵とするものであり、さらには水性ィンク定着層上に接着剤層又は熱溶融性樹脂層が形成されていることを特徵とするものである。あるいは、支持体フィルムの一方の面にィォン交換体を含有する水性インク定着層が形成され、他方の面に接着剤層又は熱溶融性樹脂層が形成されていることを特徵とするものである。

図 1は、本発明の熱転写画像用カバーフィルムの一例を示すものである。図 1に示す熱転写画像用カバ一フィルムは、最も単純な構成を有し、基材 1と、その上に形成された上述の水性インク定着用組成物からなる水性インク定着層 2とから構成されている。ここで、基材 1と水性インク定着層 2とは、剝離可能に積層されている。この熱転写画像用カバーフィルムを熱転写画像に適用する場合、先ず、熱転写画像に水性ィンク定着層 2を重ね合わせて加熱圧着し、その後に基材 1を水性ィンク定着層 2から剝離する。これにより、熱転写画像上に水性ィンク定着層 2が形成され、水性ィンク画像を定着することができるようになる。

基材 1としては、耐熱性を有するポリエステルフィルムゃポリイミドフィルム等を使用することができる。必要に応じ、水性インク定着層 2側の基材 1の表面に公知の離型処理を施してもよい。

水性インク定着層 2は、 7K性インクを吸収し、且つその中に含まれるイオン性染料や顔料を定着して水性インク画像を形成する層であり、前述の本発明の水性ィンク定着用組成物から形成されるものである。なお、水性インク定着層 2の厚みは、必要に応じて適宜決定することができる。

図 2は本発明の熱転写画像用カバーフィルムの他の態様を示すものである。この熱転写画像用カバーフィルムは、水性インク定着層 2上に更に接着剤層 3を形成したものであり、 7jc性インク定着層 2 が熱と圧力とにより熱転写画像に十分に接着しない場合に有効である。

なお、接着剤層 3を形成するための接着剤としては、加熱圧着条件下で接着性を示す公知の接着剤の中から適宜選択することができ、またその厚みも適宜決定することができる。また、接着剤層の代わりに、熱溶融性を有する樹脂からなる熱溶融性樹脂層を形成してもよい。

図 3は、本発明の熱転写画像用カバ一フィルムのさらに他の態様を示すものである。この熱転写画像用カバーフィルムは、透明な支持体フィルム 5の一方の面に水性ィンク定着層 2を、他方の面に接着剤層 3を形成したものである。この例では、水性インク定着層 2 は、接着剤層 6を介して支持体フィルム 5に接合されている。

このような構成を有する熱転写画像用カバ一フィルムの場合、支持体フィルム 5もカバ一フィルムとしての役割を果たし、熱転写画像の保護がより確実なものとなる。

なお、上述のいずれの熱転写画像用カバ一フィルムにおいても、接着剤層 3の表面に保護フィルムを接合しておき、使用時にこの保護フィルムを剝がすようにすることが好ましい。保護フィルムとしては、ポリエステルフィルムやポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が使用でき、場合によってはシリコン樹脂等による離型処理を施してもよい。

本発明の熱転写画像用カバ一フィルムは常法により製造することができ、例えば、基材上に、水性インク定着用組成物を溶剤で希釈したものを塗布乾燥することにより製造することができる。必要に応じて常法により更に接着剤層や熱溶融性樹脂層を形成することができる。

上述の水性インク定着層（熱転写画像用カバーフイルム）は、画像形成材料（いわゆるインクリボン）と組合せることも可能である。図 4は、本発明の熱転写画像用カバーフィルムを応用したカラー画像形成用の熱転写画像形成材料の断面図である。この熱転写画像形成材料は、基材 1上に、水性インク定着層 2とイェローインク層 4 a、マゼンタインク層 4 b及びシアンインク層 4 cが形成されたものである。ここで、水性インク定着層 2と各インク層 4 a〜4 cとは、互いに積層されることなく独立的に基材 1上に形成されている _c 図 4の熱転写画像形成材料の使用方法は、まず、印画紙の染料受容層に各インク層 4 a〜4 cを順次重ね合わせてそれぞれ画像情報に応じて熱転写を行うことによりカラー画像を形成し、最後に得られたカラ一画像に水性ィンク定着層 2を重ね合わせて熱圧着することによりカラ一画像上に水性ィンク定着層 2を積層するものである。従って、図 4に示すように熱転写画像形成材料を構成することにより、画像形成と得られた画像上への水性ィンク定着層 2の積層とを効率的に行うことができるようになる。

なお、図 4の熱転写画像形成材料において、水性インク定着層 2 として本発明の水性インク定着用組成物から形成したものを使用する以外の他の構成要素は、従来のものと同様とすることができる。図 4の熱転写画像形成材料は常法により製造することができ、例えば、基材上に、水性インク定着用組成物を溶剤で希釈したものを塗布乾燥し、更に、各インク層形成用組成物を順次、塗布乾燥することにより製造することができる。

本発明の水性インク定着用組成物においては、イオン交換体が水性インクに含まれるィォン性染料をィォン交換作用により保持する。加えて、例えば吸水性樹脂を結合剤とした場合には、 7j性インクが速やかに吸収され、定着される。熱溶融性樹脂を結合剤とした場合には、耐水性や熱転写画像に対する接着性がより一層確保される。したがって、この組成物を使用して水性インク定着層を形成して熱転写画像カバーフィルムとして用い、前記水性ィンク定着層を熱転写画像上に転写積層すれば、水性インク画像に対する定着性が付与され、例えば割り印や各種スタンプ像が確実にされ、同時に改ざん防止能が付与される。図面の簡単な説明図 1は本発明を適用した熱転写画像用カバーフィルムの一例を示す要部概略断面図である。

図 2は本発明を適用した熱転写画像用カバーフィルムの他の例を示す要部概略断面図である。

図 3は本発明を適用した熱転写画像用カバーフィルムのさらに他の例を示す要部概略断面図である。

図 4は本発明を適用した熱転写画像形成材料の要部概略断面図であ。発明を実施するための最良の形態以下、本発明を適用した実施例について、具体的な実験結果を示しながら詳細に説明する。

実施例 1

メチルェチルケトン 8 0 g中に、吸水性樹脂としてポリビニルビロリドン一酢酸ビニル共重合体（商品名ルビスコール VA 6 4、 B A S F社製） 1 O gを加えて溶解させ、更にイオン交換体として合成スメクタイト（商品名 SWN、コープケミカル社製） 1 O gを加え、サンドミル（商品名 KM— 2 0 0、金田理化工業社製）で 2時間分散処理を行い、乳白色の均一な分散液を得た。

この分散液に、メチルェチルケトン一トルェン混合溶媒 7 gに非水溶性樹脂として C A B (商品名 5 5 3— 0 . 4、イーストマンコンダック社製） 3 gを溶解した溶液を加え、均一に攪拌して水性ィンク定着用組成物の分散液を得た。

得られた水性インク定着用組成物の分散液を、乾燥厚が 1 5 m となるように厚さ 1 2 5 tz mのポリエステルフィルム上にドクターブレードを用いて塗布乾燥し、半透明の水性インク定着層を形成した。

次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体（商品名デンカビニル if 1 0 0 0 D、電気化学工業社製） 2 0 gをメチルェチルケトン 8 0 gに溶解した溶液を、水性インク定着層上に乾燥厚で約 3 0 mになるように塗布乾燥し、透明性に優れた接着剤層を形成して熱転写画像用カバ一フィルムとした。

得られた熱転写画像用カバーフィルムの接着剤層を、印画紙（商品名 U P C 3 0 1 0 P、ソニー社製）に出力した熱転写画像上に重ね合せ、加熱圧着ラミネート装置（インターコスモス社製；ローラ —温度 1 4 0 ° (：、ローラー通過速度 5 0 O mmZ分）を使用して熱圧着処理をした。室温まで放置した後、ポリエステルフィルムを剥離したところ、熱転写画像の全面に透明で艷のある水性インク定着層が、熱転写画像をぼけさせることなく転写させることができた。次に熱転写画像上に形成された水性インク定着層上に、スタンプ用の水性黒色インク（グーテンベルク社製）を用いてスタンプ画像を形成し、以下に示すように水性ィンク定着層のィンク吸収性及びインク定着性を試験、評価した。

インク吸収性

水性インク定着層に水性ィンクでスタンプ画像を形成し、 5分後にその画像上を拭き取ることによって、まだ吸収されていない水性インク分を取り除いた。水性インク定着層上に残されたベタ画像の濃度を測定機（マクベス社製、商品名 TR— 9 2 4 ) を用いて測定することで水性ィンク吸収性を判断した。反射濃度 1 . 5以上を実用上の目安とした。

インク定着性

水性スタンプでのベタ画像を乾燥した後に反射濃度を測定した。測定後、画像全体を水中に 1分間浸漬し、乾燥した後に反射濃度を測定した。浸漬試験前後での濃度残存率（=試験後濃度 Z試験前濃度 X 1 0 0 %) をインク定着性として表示した。

結果を表 1に示す。

以下余白

【表 1】インク吸収性（0. D. ) インク定着性（％) 実施例 1 2 1 9 1

実施例 2 2 3 93

実施例 3 1 7 90

実施例 4 2, 0 89

実施例 5 1 , 8 92

実施例 6 2. 1 90

実施例 7 2. 3 92

比較例 1 2. 1 1 2

表 1から明らかなように、この実施例の水性インク定着層は、優れた水性インク吸水性と定着性を有していることがわかる。

実施例 2

エタノール 80 g中に、吸水性樹脂としてポリビニルピロリドン一酢酸ビニル共重合体（商品名ルビスコール V A 64、 BASF社製） 1 2 gを加えて溶解させ、更にイオン交換体として合成へクトライト（商品名 RDS、日本シリカ社製） 8 gを加え、サンドミル (商品名 KM— 200、金田理化工業社製）で 2時間分散処理を行い、乳白色の均一な分散液を得た。

この分散液に、エタノール 1 6 gに非水溶性樹脂としてボリビニルブチラール（商品名エスレック BL— 3、積水化学社製） 4 gを溶解した溶液を加え均一に攪拌し、更に、ノニオン系界面活性剤 ( 商品名 N P— 2 0、日光ケミカル社製） 1 . 2 gを添加して攪拌して水性ィンク定着用組成物の分散液を得た。 .

得られた水性インク定着用組成物の分散液を、乾燥厚が 1 となるように厚さ 1 2 5 mのポリエステルフィルム上にドクターブレードを用いて塗布乾燥し、半透明の水性インク定着層を形成し次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体（商品名デンカビニル ίί 1 0 0 0 D、電気化学工業社製） 2 0 gをメチルェチルケトン 8 0 gに溶解した溶液を、 7j性インク定着層上に、乾燥厚で約 3 になるように塗布乾燥して透明性に優れた接着剤層を形成し、熱転写画像用カバーフィルムを製造した。

得られた熱転写画像用カバーフィルムを用いて、実施例 1と同様に熱転写画像上への水性ィンク定着層の形成処理を行ったところ、熱転写画像の全面に透明で铯のある水性インク定着層が、熱転写画像をぼけさせることなく転写させることができた。

また、実施例 1と同様に、水性インク定着層上に水性インク画像を形成し、水性インク定着層のインク吸収性及びインク定着性を試験、評価した。その結果を先の表 1に併せて示した。

表 1から明らかなように、この実施例の水性インク定着層も、優れた水性ィンク吸水性と定着性を示した。

実施例 3

吸水性樹脂としてポリビニルピロリドン一酢酸ビニル共重合体（商品名ルビスコール VA 7 3 E、 B A S F社製） 1 6及び可溶性ナィロン（商品名 A Oナイロン P— 7 0、東レ社製） 4 g、モンモリロナイト（商品名クニピア F、クニミネ工業社製） 1 2 gをイソプ口ピルアルコール 1 0 0 gと共にサンドミル（商品名 KM— 2 0 0、金田理化工業社製）で分散処理を行い、更にブロック型ポリイソシァネート架橋剤（商品名コロネート 2 5 1 3、日本ポリウレタン社製） 6 gを添加攪拌して水性ィンク定着用組成物の分散液を得た。得られた水性インク定着用組成物の分散液を、乾燥厚が 1

となるように厚さ 1 2 5〃mのポリエステルフィルム上にドクターブレードを用いて塗布し、 1 3 5 °Cの熱風にて 1 5分間加熱乾燥することにより半透明の水性ィンク定着層を形成した。

次に、塩化ビニルー醉酸ビニル共重合体（商品名デンカビニル it 1 0 0 0 D、電気化学工業社製） 2 0 gをメチルェチルケトン 8 0 gに溶解した溶液を、水性インク定着層上に、乾燥厚で約 3 O m になるように塗布乾燥して透明性に優れた接着剤層を形成し、熱転写画像用カバ一フィルムを製造した。

得られた熱転写画像用カバ一フィルムを用いて、実施例 1 と同様に熱転写画像上への水性ィンク定着層の形成処理を行ったところ、熱転写画像の全面に透明で艷のある水性インク定着層が、熱転写画像をぼけさせることなく転写させることができた。

表 1から明らかなように、この実施例の水性インク定着層も、優れた水性インク吸水性と定着性を示した。

実施例 4

イソプロピルアルコール 8 0 g中に、吸水性樹脂としてヒドロキシプロピルセルロース（商品名 H P C— M、日本曹達社製） 5 gを加えて溶解させ、更にイオン交換体として合成スメクタイト（商品名 SWN、コープケミカル社製） 1 5 gを加え、サンドミル（商品名 KM— 2 0 0、金田理化工業社製）で 2時間分散処理を行い、乳白色の均一な水性インク定着用組成物の分散液を得た。

得られた水性インク定着用組成物の分散液を、乾燥厚が 1 5 m となるように厚さ 1 2 5 / mのポリエステルフィルム上にドク夕一ブレートを用いて塗布乾燥し、半透明の水性インク定着層を形成した。

次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体（商品名デンカビニル ίί 1 0 0 0 D、電気化学工業社製） 2 0 gをメチルェチルケトン 8 0 gに溶解した溶液を、水性インク定着層上に、乾燥厚で約 3 O ^ m になるように塗布乾燥して透明性に優れた接着剤層を形成し、熱転写画像用カバ一フィルムを製造した。

得られた熱転写画像用カバーフィルムを用いて、実施例 1と同様に熱転写画像上への水性ィンク定着層の形成処理を行ったところ、熱転写画像の全面に透明で艷のある水性インク定着層が、熱転写画像をぼけさせることなく転写させることができた。

実施例 5

イソプロピルアルコール 8 0 g中に、吸水性樹脂としてヒドロキシプロピルセルロース（商品名 H P C— L、日本曹達社製） 1 0 g と合成スメクタイト（商品名スメクトン S A、クニミネ工業社製） 1 0 gとを混合し、サンドミル（商品名 KM— 2 0 .0、金田理化工業社製）で 2時間分散処理を行い乳白色の均一な分散液を得た。この分散液に架橋剤として反応性ウレタン樹脂（商品名エラストロン C一 5 2、第一工業製薬社製） 1 0 0 gを添加し均一に分散させて水性インク定着用組成物の分散液を得た。

得られた水性インク定着用組成物の分散液を、乾燥厚が 1 5 z m となるように厚さ 1 2 5〃mのポリエステルフイルム上にドクターブレードを用いて塗布後、 1 3 5での熱風で 4分間加熱乾燥することにより半透明の水性インク定着曆を形成した。

次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体（商品名デンカビニル ti 1 0 0 0 D、電気化学工業社製） 2 0 gをメチルェチルトケン 8 0 gに溶解した溶液を、水性インク定着層上に、乾燥厚で約 3 O jx m になるように塗布乾燥して透明性に優れた接着剤層を形成することにより熱転写画像用カバーフィルムを製造した。

表 1から明らかなように、この実施例の水性インク定着層も、優れた水性ィンク吸水性と定着性を示した。実施例 6

合成へクトライト（商品名 XLS、日本シリカ社製） 1 00 g及びハイドロタルサイト（商品名 DHT— 4 C、協和化学社製） 1 0 0 gを、ポリビニルピロリドン一酢酸ビニル共重合体（商品名ルビスコール VA64、 BASF社製） 400 gと共に C ABを 20重量％含有するメチルェチルケトン溶液 2kgに投入し、 1週間ロールミルにより分散処理を行うことにより水性インク定着用組成物の分散液を得た。

この分散液を用レ、て、乾燥厚が約 3 / mの透明な水性ィンク定着層を有する図 4に示すようなカラ一インクリボンを製造した。なお、基材及びイエロ一、マゼン夕、シアンの各色のインク層はソニー社製のカラ一インクリポン（商品名 VPM— 30 STA) と同じものを使用した。

このインクリボンをビデオプリンター（商品名 CVP— G 7、ソニー社製）にセットし、印画紙（商品名 VPM— 30 STA、ソニ一社製）に対して階調印画を行い、最後に水性インク定着層をべ夕印画により転写させた。これにより、光沢性に富んだ水性インク定着層により覆われた熱転写画像が得られた。

また、実施例 1と同様に、水性インク定着層上に水性インク画像を形成し、 7j性インク定着層のインク吸収性及びインク定着铁を試験、評価した。その結果を先の表 1に併せて示した。

実施例 7

合成へクトライト（商品名 XLS、日本シリカ社製） 1 00 g及びイオン交換体（商品名 I X E— 7 0 0、東亜合成化学社製） 1 0 0 gを、ポリビニルピロリドン一酢酸ビニル共重合体（商品名ルビスコール V A 6 4、 B A S F社製） 4 0 0 gと共にポリビニルプチラール（商品名エスレック B L S、積水化学社製）を 2 0重量％含有するイソプロビルアルコール—トルエン混合溶液 2 k gに投入し、 1週間ロールミルにより分散処理を行し、、更にノニォン系界面活性剤（商品名 P E G 4 0 0、第一工業製薬社製） 5 0 gを添加して攪拌することにより水性ィンク定着用組成物の分散液を得た。

この分散液を用レ、て、実施例 6と同様にカラーインクリボンを製造した。ただし、水性インク定着層上に、乾燥厚約 3 tz mの C A B からなる接着剤層を積層した。更に、実施例 6と同様にこのインクリボンを用いて熱転写画像の形成、その上に水性インク定着層の形成を行ったところ、光沢性に富んだ水性ィンク定着層により覆われた熱転写画像が得られた。

また、実施例 1と同様に、水性インク定着層上に水性インク画像を形成し、 Ti性インク定着層のインク吸収性及びインク定着性を試験、評価した。その結果を先の表 1に併せて示した。

比較例 1

層間化合物を使用しない以外は実施例 1と同様の工程を繰り返すことにより比較の水性ィンク定着用組成物を調製し、これを用いて比較のための熱転写画像用カバーフィルムを製造した。

得られた熱転写画像用カバ一フィルムを用いて、実施例 1と同様に熱転写画像上への水性ィンク定着層の形成処理を行ったところ、熱転写画像の全面に透明で艷のある水性インク定着層が、熱転写画像をぼけさせることなく転写させることができた。しかし、実施例 1と同様に、水性インク定着層上に水性インク画像を形成し、水性インク定着層のインク吸収性及びインク定着性を試験、評価したところ、表 1から明らかなように、この比較例の水性インク定着層は、水性インクの定着性が各実施例の水性インク定着層に比べて大幅に劣っていることがわかった。

実施例 8

1 リットルの蒸留水を強く攪拌しながら陽イオン交換樹脂（三洋化成社製、商品名サンゥエツト：デンプンーアクリル酸グラフト重合体） l gを少しづつ添加し、全量を加えた後に、ボールミル分散を 2日間行って透明で粘凋な膨潤液を得た。この液を厚さ 1 5 0 _mのポリエステルフィルム上にドク夕一ブレードを用いて湿潤時厚を 1 0 0 / mに設定して塗布した後、 1 2 (TCの熱風にて乾燥したところ、やや表面に凹凸を有する透明な層が得られた。

次に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体（ユニオンカーバイド社製、商品名 VY G F ) 5 gをメチルェチルケトン 4 5 gに溶解させ、先の陽ィォン交換樹脂層上にドクターブレードを用、て湿潤時厚 5 で塗布し、乾燥したところ、透明性に富んだ皮膜が得られた。次に、この塩化ビニルー酔酸ビニル共重合体皮膜を印画紙（ソニ一社製、商品名 U P C 3 0 1 O P ) に出力した昇華熱転写画像上に重ね合わせる形態で 1 2 (TCに加熱したローラー間を 1 c mZ秒の速さで送りながら熱圧着し、室温まで冷却した後に最上層のポリエステルフィルムを剝離したところ、印画受容層上の全面にやや不透明なつやのある層が形成された。この層に市販の水性黑色インク（グーテンベルク社製ス夕ンプ用インク）でスタンプし、数分間放置したところ、指で触れても像が流れず、また他の紙や粘着フイルムに移らなかった。，

同様のス夕ンプ操作を上述の処理が施されていない（つまり通常の）昇華熱転写画像に対して行ったが、指で触れたり紙を載せたりすると簡単に移行を起こしてしまい、スタンプ像は全く定着していなかった。

なお、この実施例では、ポリエステルフィルム上に直接陽イオン交換樹脂層を形成させたが、離型処理がなされたポリエステルフィルム上に陽ィォン交換樹脂層を形成することもできることは勿論であ。

ここで、接着性付与樹脂に塩化ビニル—酢酸ビニル共重合体を用いた S由は次の通りである。すなわち、本例に用いた印画受容層は、同系統の樹脂を主成分としており、熱融着後の画像の経時安定性 ( 光褪色、喑褪色）に悪影響がないためである。また、形成された複合層は、最上層の親水性層が親油性樹脂層に埋め込まれた形態をとつているために、被スタンプ後に画像を水中に浸漬しても直ちにス夕ンプ像が流れたりすることはなく、銀塩写真様の挙動を示すからである。

接着性付与樹脂として、水溶性のゼラチンやポリビニルアルコールを用レ、た場合には、このような高度なインク定着効果は期待できない。

実施例 9

モンモリロナイト（クニミネ工業社製、商品名クニピア F ) 1 5 0 gをヒドロキシプロピルセルロース 1 0重量％含むエタノール溶液 1 k gに投入し 1週間ロールミルによる分散を行い、懸濁液を得た。

この懸濁液を、ソニー社製インクリボンの原反フ,イルムのインク塗布面に Y, M, Cの塗布プロセス後に同画面サイズで塗布、乾燥し、巻き取った。量産型グラビアコ一夕を用いて、乾燥時厚 1 m のほぼ透明なラミネート用皮膜が得られた。得られたラミネー卜層付きインクリボン原反からスリット及び小巻プロセスを経て製品形態のリボンカセットを得た。

ここでラミネート層中には印画受容層との接着性を阻害しない限り、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の補助的添加剤を加えても構わない。

このリボンカセットをビデオプリンタ（ソニー社製、商品名 G 5 0 0 ) にセットして S T A印画紙に対して階調印画を行レ、、続いてベタ印画を行ったところ、ラミネート層が印画像上に完全に積層されて光沢性に富んだ画像が出力された。この画像に対して市販の赤色水性ィンクにてスタンプを行つたところ、押印直後に指で擦つてもスタンプ像は流れることがなく原画像上に定着されていた。実施例 1 0

離型処理が施された厚さ 6 mのポリエチレンテレフ夕レートフィルムの離型処理面上に実施例 9で製法を示した懸濁液（ただし、ィォン交換体としてクニミネ工業社製の合成スメクタイトを使用）をワイヤ一バーを用いて塗布し、熱風にて乾燥し厚さ 2〃mの皮膜を得た。

次に、この皮膜上にエタノールトルエン（1 1重量比）混合溶媒に溶解した接着剤組成物を湿潤時厚 2 0 cz mに設定してドク夕 —ブレードを用レ、て塗布し乾燥したところ、透明な 2層構造のラミネート層が得られた。

なお、接着剤組成物は、以下の組成の成分をボールミルにより均 —に混合することにより製造した。

接着剤組成

ナイロン（日本リルサン社製、商品名 1 2 7 6 T E ) 5重量部有機ホウ素化合物重合体 1重量部

(ボロンイン夕一ナショナル社製、商品名ハイボロン D L G - 1 1 0 0 K)

エタノール 5 0重量部トルエン 5 0重量部得られた接着剤組成物を 3 0 °Cで 1 0日間放置したが変化せず、安定に保存することができた。

上述の 2層構造のラミネート層とは別個に厚さ 2 5〃mのポリエチレンテレフタレ一トフィルムの片面上に同様な方法にて先の接着剤組成物のみを成膜したフィルムを用意し、その接着剤非塗布面側に先のラミネート層の接着剤層側を対向させた状態で 1 2 0 °Cに加熱した金属ローラ間を 3 c mZ秒の速さで送りながら熱圧着し、室温にまで冷却した後に最上層の離型処理したポリエチレンテレフ夕レートフィルムを剝離したところ、図 3に示すような形態（複合層構造）の無色透明なラミネ一トフィルムが得られた。

次に、この複合層構造のラミネ一トフィルムの接着剤層を実施例 8に示した昇華熱転写画像上に対向させて市販のラミネート用熱口ーラ（明光商会社製、商品名 MSバウチ L一 1 0 0ミニ）間を 1回通した。この操作によっても画像のボケは発生せず、しかも昇華熱転写印画紙と本例のラミネ一トフィルムが接着剤層を介して完全に一体化した。

その証拠に、ラミネート後に市販のガムテープを用いて一体化したフィルムを両側から無理に引き剝がしたところ、印画受容層と接着剤層との界面はそのままで、印画紙内で剝離が起こった。このことは、本例のラミネート処理後に原画像に直接加筆、修正等の改ざんを施すことが不可能であることを意味する。また、得られた一体化フィルムの最上層（受容層側）から実施例 8で示した手法にて押印したところ、 1分以内でインクの定着が認められた。

なお、本例の複合層構造ラミネ一トフィルムの改ざん防止性の効果をみるために、比較例を以下に示す。

市販のラミネ一トフイルム（明光商会社製、商品名バウチッコフィルム）を用いて本例と全く同様な熱ラミネ一ト処理を実施例 8に示した昇華熱転写画像に対して行ったところ、画像のボケが生じない一体化フィルムが得られた。しかしながら、市販のガムテープを用レ、て一体化したフィルムを両側から無理に引き剝がしたところ、容易に印画受容層と接着剤層の界面で完全な剝離が起こり、原画像がそのまま露出した。

このことは、ラミネート処理後に原画像に加筆、修正が可能であることを示すものである。

以上、本発明を適用した具体的な実施例につレ、て説明してきたが、本発明はこれら実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他種々の構成を採り得ることは勿論である。また、例えば、本発明のカバ一フィルムは、昇華熱転写夕ィプのもの及び溶融熱転写タイプのものの双方に適用することができる。さらに、スタンプ用インクは、水性のものばかりでなく、油性のものも使用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . イオン交換体を含有することを特徵とする水性インク定着用組成物。

2 . イオン交換体が粘土系層間化合物であることを特徴とする請求項 1記載の水性ィンク定着用組成物。

3 . ィォン交換体がィォン交換樹脂であることを特徴とする請求項 1記載の水性ィンク定着用組成物。

4 . ィォン交換体が陰ィォン交換体と陽ィォン交換体との混合物であることを特徵とする請求項 1記載の水性インク定着用組成物。

5 . 結合剤を含有することを特徵とする請求項 1記載の水性ィンク定着用組成物。

6 . 結合剤が吸水性樹脂であることを特徴とする請求項 5記載の水性インク定着用組成物。

7. 結合剤が吸水性樹脂及び非水溶性樹脂であることを特徴とする請求項 5記載の水性ィンク定着用組成物。

8 . 吸水性樹脂がポリビニルピロリドン系高分子であることを特徵とする請求項 6又は 7記載の水性ィンク定着用組成物。

9 . 結合剤が熱溶融性樹脂であることを特徴とする請求項 1記載の水性インク定着用組成物。

1 0 . 更に架橋剤を含有することを特徴とする請求項 5記載の水性インク定着用組成物。

1 1 . 更に非イオン性界面活性剤を含有することを特徵とする請求項 5記載の水性ィンク定着用組成物。

1 2 . 基材上にイオン交換体を含有する水性インク定着層が剝離可能に形成されていることを特徵とする熱転写画像用カバーフイルム _c

1 3 . 水性インク定着層上に接着剤層又は熱溶融性樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項 1 2記載の熱転写画像用カバーフィルム。

1 4 . 基材に離型処理が施されていることを特徴とする請求項 1 2 又は 1 3記載の熱転写画像用カバーフィルム。

1 5 . 支持体フィルムの一方の面にイオン交換体を含有する水性ィンク定着層が形成され、他方の面に接着剤層又は熱溶融性樹脂層が形成されていることを特徴とする熱転写画像用カバーフィルム。

1 6 . 画像形成のための染料を含有するインク層と、イオン交換体を含有する水性ィンク定着層が、互いに積層されることなく基材上に形成され、前記水性インク定着層は基材と剝離可能に形成されていることを特徴とする熱転写画像形成材料。

1 7 . 請求項 1 2乃至 1 5のいずれかに記載される熱転写画像用力バーフィルムにより熱転写画像又は保護層を有する熱転写画像が被覆されていることを特徵とする熱転写画像記録体。

1 8 . 請求項 1 2又は 1 3に記載される熱転写画像用カバーフィルムを水性インク定着層、接着剤層、熱溶融性樹脂層のいずれかが熱転写画像又は保護層を有する熱転写画像と対向するように重ねて熱圧着し、熱転写画像又は保護層を有する熱転写画像上に転写積層した後、基材を剝離除去することを特徵とする熱転写画像被覆方法。

1 9 . 請求項 1 5に記載される熱転写画像用カバーフィルムを接着剤層又は熱溶融性樹脂層が熱転写画像又は保護層を有する熱転写画像と対向するように重ねて熱圧着し、熱転写画像又は保護層を有する熱転写画像上に転写積層することを特徴とする熱転写画像被覆方 S1Μ、 0.

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