高分子スピロビラン化合物
技術分野
本発明は、 新規なブォ トク口 ミ ツク高分子化合物に関 し、 更に詳しく は、 紫外光照射又は暗所放置により発色 し、 可視光照射により消色する高分子スピロピラ ン化合 物に関する。
従来の技術
光又は熱エネルギーにより可逆的に発消色する典型的 な有機化合物と してスピロ ビラン誘導体が最もよく知ら れており、 伊 jえば G. H. Brown C Ph o t o c h r om i s m (John
Wiley & Sons, Inc. 1 7 1年) にこれら誘導体の具体 例や物性がまとめられている。
しかしながら、 従来のスピロピラン誘導体を、 例えば 光応答性材料と して実用化する場合、 ①発色種又は消色 種が溶液中でも高分子バイ ンダ一中でも光又は熱安定性 に欠けるため、 直ちに消色系又は発色系に戻る。 ②光及 び熱による発消色を繰返す過程で準安定系が不安定なた めに起こる副反応によってスピロピラン誘導体が分解劣 化し、 充分な繰返し寿命が得られない、 ③材料として媒 体化する手段と して高分子物質中に分散させる方法が通 常行なわれるが、 スピロ ピラン誘導体と高分子物質との 相溶性が一般に良く ないため、 高分子物質中からスピロ
ピラ ン誘導体が溶出したり、 相分離を起して析出する等 の難点がある。
スピロビラン骨格を高分子鎖に化学結合で導入したい わゆる高分子スピロビラン系化合物はフオ トクロ ミ ック 材料と して最も有用なものとなり得ると考えられる。 し かしながら、 その研究例は低分子スピロビラン系化合物 のそれと比較して極めて少なく 、 例えば日本化学会誌 1 323 ( 1 972) 、 J. Polym. Sc i. Polym. Chem. Ed. , 1 2, 2 5 1 1 ( 1 974 ) 、 特開昭 53— 888 9 5号公報、 特開昭 6 1 - 765 14号公報などに開示 されているにすぎない。 これらに開示されている例はい ずれもィ ン ドリ ン系もしく はべンゾチアゾリ ン系のスピ 口ビラン化合物を高分子鎖に化学結合で導入した高分子 化合物である。
上記日本化学会誌 1 323 ( 1 972) に一般式
CHa CH3
0 CH3
で表わされるスピロベンゾピラン化合物が開示されてお
り、 該化合物を単独重合させて得られる重合体又は該化 合物とスチレンも しく はメ タク リル酸メチルとを共重合 させて ί尋られる重合体のフ オ トクロ ミ ツ ク特性が検討さ れている。
しかしながら、 一般に高分子化すると発色種の安定性 は増大するものと考えられているにも拘らず、 例えば該 化合物とスチレンとの共重合体の発色種は非常に不安定 であり、 このもののベンゼン中での半減期は約 1分程度 と極めて短い。 即ち、 常温で直ちに安定状態に戻る (消 色する) ので、 光応答材料と して実用化する上で大きな 欠点を有している。
発明の開示
本発明は、 従来のスピロピラ ン誘導体の前記欠点を解 消する化合物を提供することを目的とする。 特に、 本発 明は、 安定なフ オ トクロ ミズムを示す化合物を提供する ことを目的とする。
本発明者は、 上記課題を解決すべく鋭意研究した結果 特定構造の重合可能なスピロベンゾチォビラ ン化合物も しく はべンゾセレナゾリ ン系スピロ ピラ ン化合物の単独 重合体又は該化合物と重合性ビニル化合物との共重合体 が上記目的を達成することを見出し、 本発明を完成する に至った。
本発明は、
( a ) 一般式
- C - C H2 -
C H 3 し H 3 CH;
\ /
〔式中、 Wは一 C 一 又は— S e—を示す。 R1 は炭 素数 1〜 20のアルキル基又はァラルキル基を示す。 R2 、 R3 、 R4 及び R5 は、 同一又は異なって、 水素 原子、 炭素数 1〜 6のアルキル基、 ァリール基、 ァラル キル基、 炭素数 1〜 5のアルコキシ基、 ハロゲン原子、 シァノ基、 ト リ ク ロロメチル基、 ト リ フルォロメ チル基 又はニトロ基を示す。 R6 及び R7 は、 同一又は異なつ て、 水素原子、 炭素数 1〜 6のアルキル基、 ァリール基 ァラルキル基、 ハロゲン原子、 シァノ基又はニトロ基を 示す。 Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。 C H 3 C K 3
\ /
但し、 Wが一 C 一 である場合、 Xは硫黄原子を示す,
で表わされる構造単位 0. 00 1〜 1 00モル%及び (b ) —般式
Y
I
-6C H2 - C^- (Π)
I
Z
〔式中、 Yは水素原子又はメチル基を示し、 Ζはカルボ キシル基、 アルコキシカルボニル基、 シァノ基、 力ルバ モイル基、 Ν, Ν—ジチメルカルバモイル基、 ァセ トキ シ基、 フヱニル基又はメチルフヱニル基を示す。 〕 で表わされる構造単位 0〜 9 9. 9 99モル%を含む重 合体を提供するものである。 本発明の化合物は安定なフ オ トクロ ミズムを示す化合 物である。 本発明の化合物はスピロピラン骨格が高分子 鎖に化学結合で導入されている。 その結果ス ピロ ピラ ン 化合物の発色状態及び消色状態の安定性が増大するのみ ならず、 高分子物質中からの溶出乃至析出という前記従 来の問題が解消され、 本発明の化合物単独で光応答性を 有するフ ィ ルム等の媒体が形成できる し、 光応答性高分 子化合物と して構造変化や極性、 粘性、 溶解性等の性能 を光可逆的に引き出すことが可能となる。 その結果高密 度光記録材料、 光学フ ィ ルター、 画像形成材料、 感光材 料、 非線型光学素子、 或いは光エネルギーの力学エネル
ギ一への変換等の分野での利用が期待できる化合物であ る o
本発明の高分子スピロピラ ン化合物において、 一般式 ( I ) で示されるスピロピラ ン構造単位中、 ァラルキル 基としては、 ベンゼン環上に置換基と して C, - C 6 ァ ルキル基、 d — c 6 アルコキシ基、 ハロゲン原子、 シ ァノ基、 ト リ クロロメチル基、 ト リ フルォロメチル基又 はニ トロ基を 1〜 5個 (特に 1、 2又は 3個) 有してい てもよいフヱニルー C〗 - C 6 アルキル基を例示でき、 ァリール基としては、 置換基と して C i - C 6 アルキル 基、 - C 6 アルコキシ基、 ハロゲン原子、 シァノ基、 ト リ クロロメチル基、 ト リフルォ口メチル基又は二 ト口 基を 1〜 5個 (特に 1、 2又は 3個) 有していてもよい フエ二ル基を例示できる。 また、 ハロゲン原子と しては、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等を例示 できる。
—般式 (Π ) の構造単位において、 Zで示されるアル コキシカルボニル基のアルコキシ基と しては、 炭素数 1 〜8程度のものが例示できる。
また、 一般式 (Π ) の構造単位のうちでも、 特に、 Y がメチル基であり、 Zがメ トキシカルボニル基であるも の、 Yが水素原子であり、 Zがフヱニル基であるもの等
が好ま しい。
本発明の一実施態様によれば、 一般式
-ec - c H2 -
I
〔式中、 R 1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R5 、 R 6 及び R7 は前記に同じである。 〕
で表わされるス ピロベンゾチォビラ ン構造単位 0. 0 0 1〜 1 0 0モル%と前記一般式 (Π) で表わされる構造 単位 0〜 99. 999モル%を含む重合体が提供される。
上記本発明の高分子スピロベンゾチォピラ ン化合物は、 ゲル透過ク口マ トグラフィ ー (G P C ) 法 (溶媒-テ ト ラ ヒ ドロフラ ン、 温度 = 40。C、 ポ リスチレン換算) に よる数平均分子量が l x l O3 〜 1 X 1 0 6 程度、 好ま しく は 5 X 1 03 〜3 x l 05 程度であり、 同 G P C法 による重量平均分子量が 1 X 1 03 〜 l x l 0 6 程度、 好ま しく は 5 X 1 03 〜 5 x l 05 程度である。
本発明の化合物は、 前記一般式 ( I - 1 ) の構造単位
のみからなる単独重合体であってもよく 、 また、 一般式 ( I - 1 ) の構造単位と一般式 (Π ) の構造単位とを含 む共重合体であってもよい。 このような共重合体である 場合、 一般式 ( I — 1 ) で表わされるスピロチォピラ ン 構造単位が少なすぎると所望のフオ トクロ ミズムを得る ことができないので、 該スピロチォビラン構造単位が、 該共重合体中に、 0 . 0 0 1〜 5 0モル%程度、 好ま し く は 0 . 0 1〜 2 5モル%程度、 より好ま しく は 0 . 1 〜 1 0モル%程度存在し、 残部が一般式 (Π ) の構造単 位であるのがよい。
この化合物は前記従来から知られているスピロピラン 誘導体と比べて、 発色種 (不安定系) が大巾に安定化さ れ長寿命化されたものである。 即ち、 上記一般式 ( I ― 1 ) の構造単位を含む本発明の化合物は紫外光照射によ り無色 (安定系) から発色種 (不安定系) に移行する力 この発色種は熱的に完全な消色系に戻ることはなく、 着 色状態が固定化される。 より詳しく述べると、 該発色種 は紫外光照射の後若千減衰するが、 その減衰も極めて緩 慢となり、 数か月以上経過すると、 上記極めて緩慢な減 衰も認められなく なる。 その結果、 着色状態は、 少なく とも年のオーダ一で極めて長期間維持される。
また、 この発色種は可視光照射により完全に消色し、
再度紫外光照射すると発色種に移行した後再び上記のよ うに着色状態が固定化される。
さ らに本発明の化合物はその発色種のフィ ルム状態に 於ける極大吸収波長 ( λ max ) が 67 0〜 7 1 5 nm付近 まで長波長シフ ト しており、 その吸収末端は 90 O nm付 近にまで至るという特徴をも有している。 そのため、 例 えば、 半導体発振レーザー光のような 7 0 0 n m以上の 長波長の光に対しても高い吸収性能を有している。
上記一般式 ( I 一 1 ) の構造単位のうちでも、 R 1 が 炭素数 :!〜 20のアルキル基であり、 R2 、 R3 、 R4 及び R5 が同一又は異なって、 水素原子、 メチル基、 ェ チル基、 フエニル基、 メ トキシフエ二ル基、 メ トキシ基、 エ トキン基、 フ ッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 シァノ 基又はニ トロ基であり、 R 6 及び R7 が同一又は異なつ て水素原子、 メチル基、 ェチル基、 フヱニル基又はナフ チル基であるもの、 特に R1 が炭素数 1〜 20のアルキ ル基であり、 R2 、 R3 、 R4 及び R5 が同一又は異な つて水素原子、 フ ニニル基、 メ トキシ基、 塩素原子、 臭 素原子、 シァノ基又は二 トロ基であり、 R 6 及び R7 が 同一又は異なって、 水素原子、 フ ヱニル基又はナフチル 基であるもの、 が好ま しく 、 R 1 が炭素数 1〜 1 8のァ ルキル基であり、 R2 、 R§ 、 R4 、 R5 、 R 6 及び
0
R7 が水素原子であるものがより好ましい。
また、 本発明の他の実施態様に.よれば、 一般式
- C-CH2
CH;
〔式中、 R 1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R5 、 R 6 、 R7 及 び Xは前記に同じである。 〕
で表わされるベンゾセレナゾリ ン系ス ピロ ピラ ン構造単 位 0. 0 ◦ 1〜: L ◦ 0モル%と前記一般式 (Π) で表わ される構造単位 0〜99. 9 9 9モル%を含む重合体が 提供される。
上記本発明の高分子べンゾセレナゾリ ン系スピロビラ ン化合物は、 ゲル透過ク 口マ ト グラフ ィ 一 (G P C) 法 (溶媒 =テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 == 40。C、 ポ リ スチ レン換算) による数平均分子量が 1 X 1 03 〜 1 X
1 06 程度、 好ま しく は 5 X 103 〜3 X 105 程度で あり、 同 G P C法による重量平均分子量が 1 X 1 03 〜 2 X 1 06 程度、 好ま しく は 5 X 103 〜 5 x l 05 程
度である。
本発明の化合物は、 前記一般式 ( I - 2 ) の構造単位 のみからなる単独重合体であってもよく 、 また、 一般式 ( 1 - 2 ) の構造単位と一般式 (Π ) の構造単位とを含 む共重合体であってもよい。 このような共重合体である 場合、 一般式 ( 1 — 2 ) で表わされるスピロビラン構造 単位が少なすぎると前記所望のフオ トクロ ミズムを得る こ とができないので、 該スピロピラ ン構造単位が、 該共 重合体中に、 0 . 0 0 1〜 5 0モル%程度、 好ま しく は 0 . 0 1 〜 2 5モル%程度、 より好ま しく は 0 . 1 〜 1 ◦モル%程度存在し、 残部が一般式 (Π ) の構造単位 であるのがよい。
この化合物は通常 (室温下) 発色しており、 可視光の 照射により消色し、 紫外線照射又は加熱により元の発色 種に戻るという所謂逆フオ トクロ ミズムを示すという特 徴を有している。
より具体的には、 この化合物は、 可視光照射により消 色するが、 得られた無色の化合物 (消色種) は、 熱の影 響で徐々に着色する。 この場合の熱半減期は原料のモノ マーに比し極めて長いものになっている。 上記消色種は 少なく とも室温程度の温度において完全に着色すること はなく 、 半消色状態が固定される。
またこの半消色状態に固定された化合物を再度可視光 照射すると消色種に移行し、 引き続き室温程度の温度に 放置すると半消色状態を維持するというサイクルが繰り 返し行なえる。
上記一般式 ( 1 — 2 ) の構造単位のうちでも、 : R 1 が 炭素数 1〜 2 0のアルキル基であり、 R2 、 R3 、 4 及び R5 が同一又は異なって、 水素原子、 メ チル基、 ェ チル基、 フエニル基、 メ トキシフエ二ル基、 メ トキシ基、 エ トキシ基、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 シァノ 基又は二 トロ基であり、 R 6 及び R7 が同一又は異なつ て水素原子、 メチル基、 ェチル基、 フエニル基又はナフ チル基であるもの、 特に R 1 が炭素数 1〜 2 0のアルキ ル基であり、 R2 、 R3 、 RA 及び R5 が同一又は異な つて水素原子、 フユニル基、 メ トキシ基、 塩素原子、 臭 素原子、 シァノ基又は二 トロ基であり、 R 6 及び R7 が 同一又は異なって、 水素原子、 フヱニル基又はナフチル 基であるものが好ま しく、 R 1 が炭素数 1〜 2 0のアル キル基であり、 R2 及び R5 が水素原子であり、 R 3 が 水素原子又は炭素数 1〜 5のアルコキシ基であり、 R4 が水素原子、 炭素数 1〜 6のアルキル基又は炭素数 1〜 5のアルコキシ基であり、 R 6 及び R7 が水素原子であ り、 Xが酸素原子であるもの、 特に R 1 がメチル基又は
3 ォクタデシル基、 2 、 3 、 1 5 、 1 6 及び1 7 が水 素原子であり、 R4 が水素原子、 メ チル基又はメ トキシ 基であり、 Xが酸素原子であるものがより好ま しい。
本発明化合物は、 前記一般式 ( I ) のスピロピラ ン構 造単位に対応する下記一般式
R
0 CH3
〔式中、 w、 R 1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R5 、 R 6 、
R7 及び Xは前記と同一の意味を有する。 〕
で表わされるスピロビラン化合物を単独重合させるか又 は一般式 (Π) の構造単位に対応する一般式
Y
C H P = C ( Π a )
Z
〔式中、 Y及び Zは前記と同一の意味を有する。 〕 で表 わされる重合性ビニルモノマーと共重合させるこ とによ り製造される。
上記一般式 (D a ) のビニルモノマ一はいずれも公知
のものであり、 例えば、 メ タク リル酸、 ァク リル酸、 メ タク リル酸又はアク リル酸の C 1 - C a アルキルエステ ノレ、 ァク リ ロ二 ト リル、 ァク リル酸ァ ミ ド、 N , N—ジ メチルァク リルァ ミ ド、 酢酸ビニル、 スチレン、 ーメ チルスチ レ ン、 ビニルトルエン等が好適に使用される。
—般式 ( l a ) の化合物のうち、 Wが
レ H 3 レ H s
\ /
— C — である化合物は、 下記反応式一 1に示すよ うに、 一般式 (I — 1 ) で表わされる 2 —メチレン一 3 3―ジメチルイ ン ドレニン誘導体と一般式 (ΠΓ ) で表わ される 3—メ タク リ ロキシメチルー 5—ニ トロチォサリ チルアルデヒ ド誘導体とを加熱下で反応させることによ り容易に製造される。
5
反応式 -
CH2
o
0 C H3
( I - 1 a)
〔式中 R 1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R5 、 R 6 及び R7 は 前記に同じ。 〕
出発原料と して用いられる一般式 (m ) で表わされる 3—メ タ ク リ ロキンメ チルー 5—ニ ト ロチォサリ チルァ ルデヒ ド誘導体は、 例えば次のようにして得られる。 即 ち、 一般式 (V)
OH
〔式中 R 6 及び R7 は前記に同じ。 〕 で表わされるサリチルアルデヒ ド誘導体を、 5〜 20倍 モル量程度のクロルメチルメチルエーテルと、 塩化アル ミニゥムの存在下に室温〜 7 0 °(程度で2〜 2 5時間反 応させて一般式 (VI)
0H
〔式中 R 6 及び R7 は前記に同じ。 〕 で表わされる 3—クロロメチルー 5—ニ トロサリチルァ ルデヒ ド誘導体とする。 次に一般式 (VI) の化合物に 1 〜 2倍モル量程度のメ タク リル酸銀を トルェン等の溶媒 中で 1 0 0〜 1 2 0で程度で2〜 20時間反応させて一 般式 (VO
〔式中 R 6 及び R7 は前記に同じ。 〕
で表わされる 3—メ タク リ ロキシメチルー 5—二 トロサ リチルアルデヒ ド誘導体とする。 次に一般式 ( π) の化 合物に、 例えば特開昭 60— 54388号記載の方法と 同様にして、 Ν, Ν—ジメチルチオカルバモイルクロラ ィ ドを反応させて一般式 (!)
S
〔式中 R 6 及び R7 は前記に同じ。 〕
で表わされる 2— 0— (N, N—ジメチルチオカルバモ ィル) ベンズアルデヒ ド誘導体とする。 引き続きこれを エタノール、 トルェン等の溶媒中で 2〜 24時間程度還 流温度にて加熱して異性化して一般式 (K)
0
〔式中 R 6 及び R7 は前記に同じ。 〕
で表わされる 2— S— (N, N—ジメチルチオカルバモ ィル) ベンズアルデヒ ド誘導体に導き、 引き続いてメ タ ノール中室温にてアル力 リ加水分解処理することにより 一般式 (ΠΙ) の化合物が製造される。
一方、 一般式 (IV— 1 ) で表わされる 2—メチレン— 3 , 3—ジメ チルイ ン ドレニン誘導体は、 対応する 2,
3, 3— ト リ メ チルイ ン ドレニン誘導体と等モル量以上、 好ま しく は 1. 0 5〜: L . 5モル倍量の一般式 R 1 I
(式中 R 1 は前記に同じ) で表わされる化合物とを 5 0 〜 1 2 CTC程度で 0. 5〜 2 0時間程度反応させて対応 するヨウ化 1 —置換一 2, 3 , 3— ト リ メチルイ ン ドレ ニゥムとし、 これに水酸化アルカ リ水溶液を加えて室温 〜80。Cにて 0. 3〜 1 8時間程度加熱することにより 製造できる。 上記 2, 3, 3— ト リメチルイ ン ドレニン 誘導体は、 Helv. Chini. Acta, 2 3 , 24 7 1 ( 1 94 0 ) 、 特公昭 58— 586 54号、 特開昭 6 2 - 2 3 2
4 6 1号、 特公昭 6 2— 2 1 780号、 特開昭 6 3 - 2 6 7 783号等に記載される公知化合物であるか、 また はこれら文献に記載の方法に従い製造できる。
上記一般式 (Π) の 3—メ タク リ ロキシメチル— 5— ニ トロチォサリチルアルデヒ ド誘導体と一般式 (IV— 1 ) の 2—メ チレン一 3, 3—ジメ チルイ ン ドレニン誘導体
との反応は、 これら両者を適当な溶媒中に溶解し、 室温 〜該溶媒の沸点程度の温度にて 1〜 20時間程度加熱す ればよい。 一般式 (m) の化合物は、 一般式 (I — 1 ) の化合物 1モルに対し、 0. 9〜 1. 1モル程度使用す るのが好ま しい。 上記溶媒と しては、 一般式 (m) の化 合物及び一般式 (IV— 1 ) の化合物を溶解し得る有機溶 媒、 例えば、 アセ ト ン、 メチルェチルケ ト ン等のケ ト ン 類、 酢酸ェチル、 酢酸プチル等のエステル類、 ジクロメ タ ン、 ジク ロルェタ ン、 ク ロ口ホルム等のハロゲン化炭 化水素類、 ジメチルホルムア ミ ド等が使用できる。
以上の一般式 (m) の化合物及び一般式 (IV— 1 ) の 化合物の製造法並びに一般式 (m) の化合物と一般式
(IV- 1 ) の化合物との反応による一般式 ( I — 1 a ) の化合物の製造法の詳細を後記参考例 1〜 7に示す。
—方、 前記一般式 ( I a ) のモノマーのうち、 が 一 S e —である化合物は、 下記反応式— 2に示すように、 —般式 (IV— 2) で表わされるベンゾセレナゾリ ゥム誘 導体と一般式 (ffl' ) で表わされる 3—メ タク リ ロキシ メチル— 5—二 トロサリチルアルデヒ ド誘導体とをァ ミ ン触媒の存在下で縮合反応させることにより容易に製造 される。
反応式一 2
CH:
H3 C一 C
R1
(IV— 2) (HT' )
0 CH
(I一 2 a)
〔式中 R 1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R5 、 R 6 、 R7 及び Xは前記に同じであり、 Aは塩素、 臭素又は沃素等のハ ロゲン原子、 R8 S 03 基等を表わす。 ここで、 R8 は、 メチル基、 ェチル基等の低級アルキル基、 置換基と して フッ素、 塩素、 臭素、 沃素等のハロゲン原子又は C〗 一 C ^ アルキル基を有していてもよいフヱニル基を示す。 〕 出発原料と して用いられる一般式 (ΠΓ ) で表わされ
υ Λ
2 る 3ーメ タク リ ロキシメチルー 5一二 トロサリチルアル デヒ ド誘導体は、 前記反応行程式一 1における一般式
(m) の化合物の製法と同様にして製造できる。
—方、 一般式 (IV— 2) で表わされるベンゾセレナゾ リ ウム誘導体は、 対応する 2—メ チルべンゾセレナゾー ル誘導体と 1倍モル量以上、 好ま しく は 1. 0 5〜 1. 5倍モル量の一般式 R 1 A (式中 R 1 及び Aは前記に同 じ) で表わされる化合物とを 50〜 1 20。C程度で 0. 1〜 5日程度反応させることにより製造できる。 上0 記 2—メチルベンゾセレナゾ一ル誘導体は、 例えば】.
Amer. C era. Soc. , 68, 1 536 ( 1 94 6) 又は英 国特許第 14 1 1 9 57号 ( 1 97 5) に記載される公 知化合物であるか、 またはこれら文献に記載の方法に従 い製造できる。
5 上記一般式 (ΠΓ ) の 3—メ タク リ ロキシメチルー 5 一二 トロサリチルアルデヒ ド誘導体と一般式 (IV— 2) のべンゾセレナゾリ ゥム誘導体との反応は、 これら両者 を適当な溶媒中に溶解し、 室温〜該溶媒の沸点程度の温 度にてこれにァ ミ ン触媒を少量ずつ滴下し、 1〜 24時 間程度加熱すればよい。 一般式 (ΠΓ ) の化合物は、 ― 般式 (IV— 2) の化合物 1モルに対し、 ◦ . 9〜 1. 1 モル程度使用するのが好ま しい。 上記溶媒と しては、 一
般式 (m' ) の化合物及び一般式 (IV - 2) の化合物を 溶解し得る有機溶媒、 例えば、 メ タノ ール、 アセ ト ン、 メ チルェチルケ ト ン等のケ ト ン類、 酢酸ェチル、 酢酸ブ チル等のエステル類、 ジク ロノレメ タ ン、 ジク ロノレエタ ン、 ク ロ口ホルム等のハロゲン化炭化水素類、 ジメ チルホル ムァ ミ ド等が使用できる。 また、 上記ァミ ン触媒と して は、 ピぺリ ジン、 モルホリ ン、 ト リェチルァ ミ ン、 ピリ ジン、 ルチジン、 1 , 4—ジァザビシク ロ 〔 2, 2 , 2〕 オク タ ン、 1 , 5—ジァザビシク ロ 〔4, 3, 0〕 ノネ ン、 1 , 8—ジァザビシク ロ 〔 5 , 4 , 0 ] ゥ ンデセン 等が使用でき、 その使用量は、 一般式 (IV— 2) の化合 物 1モルに対し 1〜 1 0モル程度とすればよい。
このよう に して得られる一般式 ( I a ) のス ピロベン ゾチォビラ ン化合物又はべンゾセレナゾリ ン系スピロ ピ ラ ン化合物の単独重合方法及び該化合物と一般式 (D a ) のビニルモノマーとの共重合方法について以下に記載す る O
上記単独重合法及び共重合方法は、 通常のビニル樹脂 等の合成反応と同等の方法、 条件で行なう ことができる。 例えば、 単量体である一般式 ( l a ) の化合物を単独で 又は一般式 (Il a ) の化合物と共に有機溶媒中に溶解さ せ、 ラジカル重合開始剤の存在下で 50〜 1 0 0 °C程度
の温度で撹拌しながら加熱する方法を例示することがで きる。 反応時間は、 一般式 ( I —, l a ) のモノマーを使 用する場合◦, 1〜: L 0 0時間程度、 一般式 ( I — 2 a ) のモノマ一を使用する場合は通常 1〜 5 0時間程度とす ればよい。 また、 有機溶剤と しては、 使用する単量体及 び生成高分子化合物に対して不活性なもの、 例えば N, N—ジメチルホルムア ミ ド等のア ミ ド系極性有機溶媒、 その他ジェチルェ一テノレ、 テ トラ ヒ ドロフラ ン等のエー テル系溶媒、 トルエン等の炭化水素系溶媒、 酢酸ェチル、 酢酸プチル等のエステル系溶媒、 アセ ト ン、 メチルイ ソ プチルケ ト ン等のケ ト ン系溶媒等を使用できる。 これら のう ちでも、 一般式 ( I — l a ) のモノマーを用いる場 合は トルェン等の炭化水素系溶媒が好ま しく 、 一般式
( I — 2 a ) のモノマーを用いる場合は、 N, N—ジメ チルホルムア ミ ド等のア ミ ド系極性有機溶媒が好ま しい。 またラジカル開始剤と しては、 通常用いられているもの をいずれも用いることができ、 その代表例と して、 過酸 化べンゾィル、 ジ— t —ブチルパーォキサイ ド、 t 一ブ チルバ一ォキシ一 2—ェチルへキサノエ一 ト等の過酸化 物、 ァゾビスイ ソブチロニ ト リル、 ァゾビスジメチルバ レロニ ト リル等のァゾ化合物等を挙げることができる。 また、 上記と同様な条件下、 フヱニルマグネシウムプロ
マイ ド等のグリニァ試薬を開始剤と して用いて重合させ ることもできる。
本発明の化合物が一般式 ( I ) の構成単位と一般式 ( Π ) の構成単位とからなる共重合体である場合、 共重 合体中の両構成単位の割合 (共重合比) は、 一般式 ( I a ) のス ピロ ピラ ン化合物と一般式 (H a ) のビニル化 合物との仕込比、 共重合方法等により決まるので、 予め これらの要因をパラメ一ターと してその関係を求めてお けば、 所望の共重合比の共重合体を容易に製造できる。
こう して得られた本発明の高分子スピロべンゾピラン 化合物の単離は、 公知慣用の方法を用いて行う ことがで き、 例えば、 上記重合反応後の反応液中に、 メ タノール、 エーテル等の貧溶媒を滴下することにより固体と して析 出せしめ、 該固体を沪過等の方法で分離することにより 行なう ことができる。
以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする。 第 1図は、 実施例 1で得られた緑色フ ィ ルムの 2 7で における可視吸収スぺク トルを示す。
第 2図は、 実施例 3で得られた緑色フィ ルムの
2 8 . 5 °Cにおける可視吸収スぺク トルを示す。
第 3図は、 実施例 4で得られた緑色フ ィ ルムの 2 8。C における可視吸収スぺク トルを示す。
第 4図は、 実施例 6で得られた緑色フ ィ ルムの 28°C における可視吸収スぺク トルを示す。
それぞれ ( 1 ) は紫外光照射前、 (2) は紫外光照射 終了直後、 (3) は紫外光照射後徐々に消色が起こりは じめて着色濃度の減少が認められなく なった時点、 即ち 発色種の固定化達成時点のスぺク トルを示す。
第 5図は、 実施例 8で得られたフィ ルムの室温での可 視吸収スぺク トルを示す。
第 6図は、 実施例 1 1で得られたフィ ルムの室温での 可視吸収スぺク トルを示す。
第 7図は、 実施例 1 3で得られたフイ ルムの室温での 可視吸収スぺク トルである。
第 5図〜第 7図において、 それぞれ ( 1 ) はフ ィ ルム 作製時、 (2) は可視光照射終了直後、 (3) は可視光 照射後ゆつ く り着色が起こりはじめて最終的に着色濃度 の増加が認められなく なった (消色種の固定化達成) 時 点のスぺク トルを示す。
尚、 前記一般式 ( I 一 1 a ) のスピロベンゾチォビラ ン化合物の製造例を、 参考例 1〜 7に示す。 また、 一般 式 ( I — 2 a ) のべンゾセレナゾリ ン系スピロ ピラ ン化 合物の製造例を、 参考例 8〜 1 9に示す。
参考例 1
5—ニ ト ロサリ チルアルデヒ ド 20. 0 gをク ロルメ チルメチルエーテル 200 ΙΠδに混合して氷浴で冷却した ものに塩化アルミ ニウム 80 gを加え、 室温で 1時間、 次に 63°Cで 17時間反応させた。 反応液を氷浴で冷却 後、 氷水 300 ml3を加え、 生じた白色沈澱は 別してへ キサンで再結晶する ことにより、 3—クロロメ チル一 5 一二 ト ロサリ チルアルデヒ ドを 18. 6 g得た (収率 72%) 。
1 H - NMR ( C D C 3 ) ; δ V P m
4. 7 ( s , 2 H, — C H2 — )
8. 5 ( s, 2 H, A r H)
1 0. 0 ( s , 1 H, C H O)
1 2. 1 ( s , 1 H, O H)
参考例 2
3—ク ロロメチル一 5—ニ ト ロサリチルアルデヒ ド 1 0. 0 gとメ タク リ ル酸銀 14. 5 gの混合物を トル ェン 200mO中、 1 20てで18時間加熱攪拌した。 反 応液を沪過して得た溶液を減圧下で濃縮することにより . 3—メ タ ク リ ロキシメ チル一 5—二 ト ロサリ チルアルデ ヒ ドが 1 2. 5 g得られた (収率 96 %) 。
1 H - NMR ( C D C i 3 ) ; (5 p p m
2. 0 ( d , 3 H, C H3 )
5. 3 ( s , 2 H, - C H2 一)
5. 7 (m, 1 H, ビニル)
6. 2 (m, 1 H, ビニル)
8. 5 ( s , 2 H, A r H)
1 0. 0 ( s , 1 H, C H O)
2. 0 ( b r s , H, O H)
I R (K B r ) ; 29 50 , 1 70 5, 1 660 , 1 6 0 0 , 1 520 , 1 34 5 era"1
参考例 3
3—メ タク リ ロキシメチル一 5—ニ トロサリチルアル デヒ ド 1 3. 8 g及び 1 , 4—ジァザビシクロ 〔2, 2, 2〕 オクタ ン 1 1. 2 gをジメチルホルムア ミ ド 30 0 maに溶解させて 50。Cに加熱した。 このものに、 N, N —ジメチルチオ力ルバモイノレクロライ ド 1 2. 9 gをジ メチルホルムア ミ ド 50 mQに溶解したものを徐々に加え その後 5 CTCで 2時間加熱した。 反応液を酢酸ェチルで 抽出し、 抽出液は飽和食塩水で洗浄して減圧下で濃縮す ると、 2— 0— (N, N—ジメチルチオ力ルバモイル) — 3—メ タク リ ロキシメチルー 5—ニ トロべンズアルデ ヒ ドが 1 7. 6 g得られた (粗収率 96 %) 。
1 H - N M R ( C D C 3 ) ; (5 p p m
2. 0 (m, 3 H, C H3 )
3. 5 ( d, 6 H, N - C H3 )
5. 3 ( d , 2 H, — C H2 -)
5. 7 (m, 1 H, ビニル)
6. 2 (m, 1 H, ビニル)
8. 6 ( d , Ι Η, Α Γ Η)
8. 7 ( d , 1 H, A r H)
1 0. 0 ( s , 1 H, C H O)
参考例 4
2— 0— (N, N—ジメチルチオ力ルバモイル) 一 3 —メタク リ ロキシメチル一 5—ニ トロべンズアルデヒ ド 1 2. 6 g及びエタノール 1 00 mQの混合物を 2 1時間 加熱還流させた。 反応液を減圧下で濃縮して得た残渣を 真空乾燥し、 シリカゲルカラムで精製すると、 2— S— (N, N—ジメチルチオ力ルバモイル) 一 3—メ タク リ ロキシメチルー 5—ニ トロべンズアルデヒ ドが 1 0. 7 g得られた (収率 85 %) 。
1 H - NMR ( C D C 3 ) ; ά p p m
2. 0 ( s , 3 H, C H3 )
3. 1 ( d, 6 H, N - C H3 )
5. 5 ( s , 2 H, - C H2 — )
5. 7 (m, 1 H, ビニル)
6. 2 (m, 1 H, ビニル)
8. 6 ( d , 1 H, A r H)
8. 7 ( d , 1 H, A r H)
1 0. 3 ( s , 1 H. C H O)
I R (K B r ) ; 1 7 20 , 1 690, 1 660, 1 5 3 5, 1 34 5 cm"1
参考例 5
2 - S - (N, N—ジメチルチオ力ルバモイル) 一 3 ーメ タク リ ロキシメチル一 5—二 トロべンズアルデヒ ド 14. 1 g及びメ タノール 200 ΐϋδの混合溶液に 0. 6 4規定水酸化ナ ト リ ゥム水溶液 14 0 Πΐβを室温下で添加 した。 次に 0. 488規定塩酸 38 OiQを加えて反応液 を p H 2に酸性化した後、 減圧下で濃縮した。 得られた 残渣をエーテルで抽出し、 抽出液は水洗した後、 減圧下 で濃縮することにより、 3—メ タク リ ロキシメチル一 5 一二 トロチォサリチルアルデヒ ド 9. 7 9 gを橙色結晶 と して得た (収率 87 %) 。
1 H - N M R ( C D C 3 ) ; ά p p m
2. 0 (m, 3 H, C H3 )
5. 3 ( s , 2 H, - C H2 一)
5. 7 ( m , 1 H, ビニル)
6. 2 (m, 1 H, ビニル)
8. 4 (m, 2 H, A r H)
0
0. ( s, 1 H, C H 0)
参考例 6
2, 3 , 3— ト リ メ チルイ ン ドレニン 1 6. O g及び クロ口ホルム 1 0 O inGの溶液に沃化メチル 1 5. 9 gを 加え、 オー トク レープ中で 80。Cで 2 1時間加熱した。 生成した沈澱を; T過して単離し、 沃化 1 , 2, 3, 3 - テ トラメチルイ ン ドレニウム 2 7. 5 gを白色結晶とし て得た。 このものに窒素雰囲気下で 1 0規定水酸化カ リ ゥム水溶液 2 7 Ο ϋΐδを加え、 5 CTCで 2. 5時間加熱し た。 次に反応液をエーテルで抽出し、 抽出液は硫酸マグ ネシゥムで乾燥後、 減圧下で濃縮すると、 2—メチレン — 1 , 3, 3— ト リ メチルイ ン ドリ ンが 14. 1 g得ら れた (収率 8 1 %) 。
1 H - NMR ( C D C a ) ; (5 p p m
1. 3 ( s , 6 H, C H3 )
3. 0 ( s , 3 H, N - C H3 )
6. 5〜 7. 0 ( d d , 2 H, ビニル)
7. ◦〜 7. 2 (m, 4 H, A r H)
参考例 7
3—メ タク リ ロキシメチル一 5—ニ トロチォサリチル アルデヒ ド 14. l g及び 2—メチレン一 1 , 3, 3 - ト リ メチルイ ン ドリ ン 8. 7 gを 2—ブタノ ン 1 2 0
に溶解し、 窒素雰囲気下で 20時間加熱還流した。 反応 液を減圧下で濃縮し、 残渣をシリ カゲルカラムで精製す る こ とにより、 8' —メ タク リ ロキンメ チルー 6' —二 ト ロ一 1 , 3, 3— ト リ メ チルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 2' ( 2 ' H) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕 を淡黄色結 晶として 1 5. 9 g得た (収率 73 %) 。
1 H一 NMR ( C D C 3 ) ; δ V V
1. 24 ( s , 3 H, C H3 )
1. 39 ( s , 3 H, C H3 )
1. 9 7 ( d , 3 H, C H3 )
2. 67 ( s, 3 H, N - C H 3 )
5. 1 5 ( d d , 2 H, C H2 )
5. 62 ( t , 1 H, ビニル)
6. 0 5 ( d , 1 H, チォピラ ン)
6 6 ( s , 1 H, ビニル)
6. 5 1 ( d H , チォピラ ン)
6. 6 5 ( t H, イ ン ドリ ン)
6. 96 ( d H , イ ン ド リ ン)
7. 06 ( d Η , イ ン ドリ ン)
7. 7 ( Η , イ ン ドリ ン)
8. 0 2 ( d Η , ベンゾチォピラ ン)
8. 08 ( d Η, ベンゾチォピラ ン)
実施例 1
参考例 7で得た 8 ' —メ タク リ ロキシメチル— 6 ' — ニ ト ロ一 1 , 3, 3— ト リ メ チルスピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2 ' ( 2 ' H) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕 9 7 9 mg ( 2. 2 5 mmol) を トルエン 3 0 ϋΐβ及びメ タク リル酸 メチル 2. 3 0 g ( 2 3. 0 mraol) に溶解した。 窒素雰 囲気下の暗所でこれに , a ' —ァゾビスイソプチロニ ト リノレ 1 8. 2 mg ( 0. 1 1 ol) を加えて 8 5。Cで 1 2 5時間重合反応させた。 得られた黄色の反応液をメ タノール 5 0 0 ΙΠδに滴下すると黄色重合体が析出した。 析出物をグラスフィ ルターで分離し乾燥させて 1. 9 0 gの淡黄色重合体を得た。
このものは下記物性から、 原料ス ピロチォピラ ン体と メ タク リル酸メチルの共重合体と確認した。 赤外吸収ス ベク トル ( I R) 分析の結果、 強いエステル性カルボ二 ル ( 1 7 3 2 cm-1) の吸収の他に二 ト口基の吸収 ( 1 5 2 2 cm"1. 1 3 88 cm"1) が存在する。 またこのものは、 G P C測定 (溶媒 =テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 = 4 0。C、 ポリスチレン換算、 以下の実施例においても同じ) の結 果単一ピークを与え、 数平均分子量 M n = 2. 6 6
1 0 s 重量平均分子量 Mw = 4. 2 1 1 0 であつ た。 また、 元素分析値は、 C 5 9. 4 8 %、 H 7. 1 5
%、 N 1. 56 %であり、 この結果から、 一般式 ( I 一 1 ) に対応するスピロチォピラ ン; !·ニッ トの含量は 5. 5モル%であった。
このポリマー 1 O mをベンゼン 2 πΐδに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して淡黄色の薄膜を得た。 この薄膜に超 高圧水銀灯 (ゥシォ U S Η— 500 D) 及び紫外線バン ドパスフィ ルタ一 (ゲンコ一 U— 3 50 ) を用いて 3 5 0 nm付近の紫外光を 1分間照射したところ緑色に変化し その極大吸収波長 λ max は 670 nmであった。 またその 吸収末端は 9 0 O nm付近まで広がりをもっていた。 また この緑色フィ ルムは 23 °Cにおいて完全に消色すること はなく 、 着色種固定化率 53 %で完全に固定化されて着 色状態を維持した。
但し、 ここで用いる着色種固定化率は下式のように定 義した (以下の実施例及び比較例においても同じ) 。
着色種固定化率 (%) =
(固定化時吸光度 -消色時吸光度)
X 1 0 0
(最高吸光度 -消色時吸光度) ここで、 「固定化時吸光度」 は、 試験すべき試料にも よるが、 通常、 24時間程度可視吸収スぺク トルを測定 し、 吸光度の低下が実質的に認められなく なつた状態で の λ ππχ での吸光度を指す。 また、 「消色時吸光度」 は
製造直後の薄膜に波長 5 0 0 n m以上の可視光を照射し て消色させた状態で測定した前記 λ max における吸光度 を指す。
第 1図に、 本実施例で得られた上記緑色フィ ルムの 2 7。Cにおける可視吸収スぺク トルを示す。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイクルは再現性をもって繰り 返し行う ことができた。
実施例 2
参考例 7で得た 8 ' —メ タク リ ロキシメ チル一 6 ' - ニ ト ロ一 1 , 3, 3— ト リ メ チルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2, 2 ' (2' H) - 1 ' 一ベンゾチォピラン〕 842 mg ( 1. 8 0 mmol) に、 充分脱気したスチレン 16 g
(1 50 mmol) 及び乾燥トルエン 30ΐπβを加えた。 これ ( a , a ' —ァゾビスイ ソブチロニ ト リル 1 14 mg
( 0. 6 mmol) を開始剤と して加え、 8 0。Cで 6 8時間 重合反応させた。 得られた反応液をメ タノール 50 OinG に滴下すると淡黄色重合体が析出した。 析出物をグラス フ ィ ルターで分離し乾燥させて 9. 8 2 gの黄色粉状重 合体を得た。
このものは下記物性から、 原料ス ピロ ピラ ン体とスチ レ ンとの共重合体と確認した。 I Rスペク トルでニ ト ロ 基 ( l S S O cm—1 1 3 57 cm-1) 及びチォピラ ン環 ( 1 64 5 cm一1) に由来する吸収が認められる。 またこ のものは、 G P C測定の結果単一ピークを与え、 数平均 分子量 M n = 2. 34 X 1 04 、 重量平均分子量 Mw = 3. 79 X 104 であった。 また、 元素分析値は、 C 88. 89 %、 H 7. 63 %、 N O. 48%であり、 こ の結果から、 一般式 ( I — 1 ) に対応するス ピロチォピ ラ ンユニッ トの含量は 3. 4モル%であった。
このポリマー 1 Onigをベンゼン 2ΐΠβに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して淡黄色フ ィ ルムを得た。 このフ ィ ル ムに超高圧水銀灯及び紫外線バン ドパスフ ィ ルター (ケ ンコ一 U— 3 50) を用いて波長 3 5◦ Dm付近の紫外光 を 1分間照射したところ緑色に変化し、 λ max = 7 1 5 nmに極大吸収を持っていた。 この緑色フィ ルムは室温下 で完全に消色することはなく 、 着色種固定化率 2 1 %で 完全に固定化された。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイ クルは再現性をもって繰り
返し行う ことができた。
実施例 3
別途参考例 1〜 7の一般的手法に従い合成した 3, 3 —ジメ チル一 1 一イ ソプロ ピル一 8' —メ タク リ ロキシ メ チルー 6' —ニ ト ロス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2 ' ( 2 ' H) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕 4 5 2
(◦. 9 7 mmol) に、 充分脱気したスチレン 3. 5 g ( 34 mmol) 及び乾燥トルエン 1 5 HlCを加えた。 これに a , a ' —ァゾビスイ ソプチロニ ト リ ル 2 1 rog
(0. 1 3 mmol) を反応開始剤として加え、 80 °Cで
7 0時間重合反応した。 以下、 実施例 1 と同様に処理し、 9 6 7ragの黄色粉状重合体が得られた。
このものは下記物性から、 原料スピロチォピラ ン体と スチレンとの共重合体と確認した。 I Rスペク トルにお いて、 ニ ト ロ基 ( 1 5 2 2、 1 3 56 cnT1) 及びチォピ ラ ン環 ( 1 64 6 cu 1) に由来する吸収が認められる。 またこのものは、 G P C測定の結果単一ピークを与え、 数平均分子量 M n = l . 38 X 1 04 、 重量平均分子量 M w = 2. 1 5 1 04 であつた。
このポリマ一 1 0 をベンゼン 2 ΙΠβに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して淡黄色フ ィ ルムを得た。 このフ ィ ル ムに実施例 1 と同様にして 3 50 ηπι付近の紫外線を 1分
間照射したところ、 緑色に変化し、 その極大波長; I max は 6 9 1 nmであつた。 この緑色フ ィ ルムは室温下で完全 に消色することはなく 、 着色種固定化率 4 6 %で完全に 固定化された。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイクルは再現性をもって繰り 返し行う ことができた。
第 2図に、 上記緑色フィ ルムの 2 8. 5 °Cにおける可 視吸収スぺク トルを示す。
実施例 4
別途参考例 1 〜 7の一般的手法に従い合成した 3 , 3 —ジメ チルー 8 ' —メ タ ク リ ロキシメ チルー 6 ' —ニ ト 口一 1 ーォク タデシルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2 ' ( 2 ' H) — 1 ' 一ベンゾチォピラ ン〕 1. 1 4 g ( 1 , 7 0 mmol) を トルエン 3 0 Πΐδ及びメ タ ク リ ル酸メ チル 3. 1 ( 3 1. 0 mniol) に溶解した。 窒素雰囲気 下の暗所でこれに ", a ' —ァゾビスイ ソプチロニ ト リ ル 24 mg ( 0. 1 3 mmol) を加え、 8 0。Cで 9 0時問重 合反応させた。 以下、 実施例 1 と同様に処理し、
2. 1 8 gの黄色粉末状重合体を得た。
このものは下記物性から、 原料ス ピロ ピラ ンとメ タク リル酸メチルとの共重合体と確認.した。
I Rスペク トルにおいて、 ニ トロ基 ( 1 5 1 8、 1 3 6 2 cm"1) 及びチォピラン環 ( 1 64 3 cm—1) に由来す る吸収が認められる。 このものは、 G P C測定の結果単 —ピークを与え、 数平均分子量 M n = 3. 58 X 1 04 重量平均分子量 Mw= 5. 13 X 1 04 であった。 また 元素分析値は、 C 6 2. 9 1 %、 H 8. 1 7 %、 N 1. 2 2 %であり、 この結果から、 一般式 ( 1 — 1 ) に 対応するスピロチォピランュニッ トの含量は 4. 2モル %であった。
このポリマーを実施例 1 と同様の手法で淡黄色薄膜と し、 3 5 0 nm付近の紫外光を 1分間照射したところ、 緑 色フ ィ ルムが得られた。 その極大吸収波長 λ max は 6 6 えであった。 この緑色フ ィ ルムは室温下で完全に 消色することはなく 、 着色種固定化率 8 1 %で完全に固 定化された。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイクルは再現性をもって繰り 返し行う ことができた。
第 3図に、 上記緑色フ ィ ルムの 28°Cにおける可視吸 収スぺク トルを示す。
実施例 5
3 , 3—ジメチル一 8' —メ タク リ ロキシメチルー 6 ' —ニ トロ一 1ーォクタデシルスピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2' ( 2 ' H) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕 57 2 nig (0. 85mmol) を、 トルエン 2 5 Πΐδ及びメ タク リル 酸メチル 3. 7 s ( 37 raraol) に溶解した。 窒素雰囲気 下の暗所でこれにフエニルマグネシウムブロマイ ド
59 0 mg (3. 2 niniol) を加え、 7 0 °Cで 1 9時間重合 反応させた。 以下、 実施例 1と同様に処理し、 2. 24 gの淡黄色粉状重合体を得た。
このものは下記物性から、 原料スピロピラ ンとメ タク リル酸メチルとの共重合体と確認した。
I Rスペク トルにおいて、 ニ トロ基 ( 1 520、 1 3
55 cm"1) 及びチォピラン環 ( I 645 cnr1) に由来す る吸収が認められる。 また1 H - NMR (40 0 H z ) 分析において、 メ タク リル酸ュ二ッ トの —メチル基が 5 = 1. 56 ppm に単一ピークと して現れたことから、 この重合体はほぼ 1 00 %アイ ソ夕クティ ッ クな立体規 則性を有していた。 またこのものは G P C測定の結果、 数平均分子量 M n = 3. 8 1 X 1 04 、 重量平均分子量
M w = 2. 0 7 X 1 04 であった。
このポリマーを実施例 1 と同様の手法で淡黄色薄膜と し、 3 5 0 ηιη付近の紫外光を 1分間照射したところ、 緑 色フ ィ ルムとなった。 その極大吸収波長; I max は 6 5 9 nmであった。 この緑色フィ ルムは室温下で完全に消色す ることはなく 、 着色状態を維持していた。 その着色種固 定化率は 3 8 %であつた。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイクルは再現性をもって繰り 返し行う ことができた。
実施例 6
3 , 3—ジメ チル一 8 ' —メ タク リ ロキシメ チル一 6 ' 一二 ト ロ一 1 —ォク タデシルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2 ' ( 2 ' H) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕
1. 2 2 mg ( 1. 8 0 mmol) に、 乾燥トルエン 5 0 ΐηδ及 び充分脱気したスチレン 3. 3 s ( 3 2. 0 mmol) を加 えた。 これに α , a ' —ァゾビスイ ソブチロニ ト リ ル 4 5 mg ( 0. 2 7 mmol) を反応開始剤と して加え、 8 0 でで 7 0時間重合反応させた。 以下、 実施例 1 と同様に 処理すると 1. 64 gの黄色粉状重合体が得られた。
このものは下記物性から、 原料スピロピランとスチレ ンとの共重合体と確認した。 I Rスペク トルにおいて、 ニ トロ基 ( 1 5 2 0、 1 3 6 1 cm—1) 及びチォピラン環 ( 1 64 5 cm"1) に由来する吸収が認められる。 またこ のものは G P C測定の結果単一ピークを示し、 数平均分 子量 M n = 1. 2 0 X 1 04 . 重量平均分子量 Mw = 1. 89 X 1 04 であった。 また、 元素分析値は、 C 5 6. 9 5 %, H 7. 6 3 %, N 1. 1 5 %であり、 こ の結果から、 一般式 ( 1 — 1 ) で表わされるスピロビラ ンユニッ トの含量は 3. 6モル%であった。
このポリマ一を実施例 1 と同様の手法により淡黄色薄 膜と した後、 3 5 0 付近の紫外光を 1分間照射すると 緑色フィ ルムに変化した。 その極大吸収波長 λ max は 6 9 3 nmであった。 この緑色フィ ルムは室温下で完全に 消色することはなく 、 着色状態を維持していた。 その着 色種固定化率は 3 1 %であった。
また、 上記固定化されて着色状態を維持している薄膜 に、 可視光線を照射したところ、 消色して紫外光照射前 の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色種の固定化及 び可視光線による消色のサイ クルは再現性をもって繰り 返し行う ことができた。
第 4図に、 上記緑色フ ルムの 28。Cにおける可視吸
収スぺク トルを示す。
実施例 7
参考例 7で得た 8—メタク リ 口キシメチル— 6—二 ト 口一 1 ' , 3' , 3 ' — ト リメチルスピロ 〔2 H— 1 — ベンゾチォピラン一 2, 2 ' 一イ ン ドリ ン〕 87 3mg (2. 0 0 mmol) を トルエン 2 0 ΙΠδに溶解し、 窒素雰囲 気下の暗所でこれに a, a ' ーァゾビスイソプチロニ ト リル 1 1 , 4 mg ( 0. 60 mmol) を加え 80。Cで 7 0時 間重合反応させた。 得られた黄色の反応液をメ タノール 1 0 οιπδに加えると黄色沈殿が析出した。 析出物を沪過 して単離し乾燥させて 0. 1 5 gの淡黄色重合体を得た。
このものは I R分析の結果エステル性カルボニル基が 1 7 3 3 cu 1 にシフ ト した他にニ トロ基 ( 1 5 2 1、 1 38 5 cnT 1 ) 及びチォピラン環 ( 1 64 5 cm- 1 ) に由来する吸収を有していた。 また G P C測定の結果は 単一ピークを与え、 数平均分子量 n - 1. 3 0 X
1 03 、 重量平均分子量 w - 1. 90 X 103 であつ た。 また元素分析値は C 6 5. 89 %、 H 5. 24 %、 N 6. 6 2 %であり これらの結果から原料スピロ ピラン 体の単独重合体と確認した。
このポリマーをジクロルメ タ ンに溶解し実施例 1 と同 様な手法で紫外線照射すると紫色系統の溶液に変色した。
この溶液に波長 5 0 0 n m以上の可視光を照射すると、 紫外光照射前の色彩に戻った。 更に、 紫外光による着色 及び可視光による消色のサイクルは再現性をもって繰返 し行う ことができた。 この溶液の極大吸収.波長; I max = 6 0 0 n mであり、 原料モノマーと比べて約 4 0 n m長 波長シフ ト していた。
比較例 1
ポリ メ タアク リル酸メチルに参考例 7で得た 8' ― メ タ ク リ ロキシメ チル一 6 ' —ニ ト ロ一 1, 3 , 3— ト リ メ チルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2, 2 ' ( 2 ' H) -
1 ' 一ベンゾチォピラ ン〕 を 1 0モル%混合して得られ た組成物を実施例 1 と同様にして薄膜化し、 紫外光照射 した。 得られた紫色フ ィ ルムは 2 3 °Cで直ちに消色し、 6時間後の着色種固定化率は 7 %であった。
比較例 2
ポリ メ タアタ リル酸メチルに実施例 4で用いた 3 , 3 一ジメ チルー 8' —メ タク リ ロキシメ チルー 6 ' —二 ト 口 一 1 —ォク タデシルス ピロ 〔イ ン ドリ ン一 2 , 2 ' ( 2 ' H ) - 1 ' —ベンゾチォピラ ン〕 を 9. 5モル% 混合して得た組成物を実施例 1 と同様にして薄膜化し、 紫外光照射した。 得られた紫色フィ ルムは室温下で直ち に消色し、 一夜放置後の着色種固定化率はほぼ 0 %であ
つた。
参考例 8
5 —ニ トロサリチルアルデヒ ド 1 2. O g及びクロル メチルメチルエーテル l o o maの混合物を氷浴上で冷却 しながら、 これに無水塩化アルミニウム 43. 9 gを少 量ずつ加え、 室温で 1 0分攪拌した後、 2 2時間加熱還 流した。 次に反応液を氷浴で冷却し、 これに水 2 0 0 ΐπβ をよく攪拌しながら加えると、 白色の結晶が析出した。 この白色結晶を取出し、 熱へキサンに溶解させて 過し た後、 母液を冷却することにより、 3—クロロメチル— 5—二 トロサリチルアルデヒ ドが無色針状晶として
14. 9 g得られた (収率 7 2 %) 。
H - NMR ( C D C 3 ) ; (5 p p m
4. 7 2 ( s , 2 H, — C H2 C H )
8. 5 6 ( s , 2 H, A r H)
1 0. 0 0 ( s , 1 H, C H O )
1 2. 1 0 ( s , 1 H, O H)
参考例 9
3—クロロメチル— 5—二 トロサリチルアルデヒ ド 10, 5 gを トルエン 1◦ omaに溶解させ、 これにメ タ ク リ ル酸銀 1 1. 4 gを加えた。 この混合物を 1 20 °C で 2. 5時間加熱した後、 室温まで冷却し、 生じた沈澱
物を沪別して除去した。 得られた トルエン溶液を減圧下 で濃縮することにより、 3—メ タク リ ロキシメチル一 5 —ニ トロサリチルアルデヒ ドが淡黄色粉末と して
1 2. 7 g得られた (収率 9 8 %) 。
H - NM R ( C D C 3 ) ; 5 p p m
2. 0 0 ( t , 3 H, C H 3 )
5. 34 ( s 2 H, C H2 - )
5. 6 7 ( t 1 H, ニル)
6. 2 2 (m H, ビニル)
8. 3 (m, 2 H, A r H)
1 0. 0 0 ( s , 1 H, C H 0 )
1 2 0 ( b r s , 1 H, O H)
参考例 1 0 .
2—メチルベンゾセレナゾ一ル 1 0, l gをクロロホ ルム 1 ◦ 0 ΙΠδに溶解させた後、 沃化メチル 1 0. 0 gを 加えてオートク レープ中で 8 0。Cで 5日間加熱した。 反 応で生じた結晶を沪別して取り出し、 エーテルで洗浄後 に乾燥すると、 沃化 2, 3 —ジメチルベンゾセレナゾリ ゥムが 1 6. 4 g生成していた (収率 94 %) 。
1 H - N M R (D 2 0 ) ; 5 p p m
3. 1 3 ( s , 3 H, 2 —メチル)
4. 6 ( s , 3 H, 3 一メチル)
7. 7 3 ( t , 1 H, A r H)
7. 83 ( d, 1 H, A r H)
8. 1 3 ( d , 1 H, A r H)
8. 1 5 ( t , 1 H, A r H) 参考例 1 1
3—メ タク リ ロキシメチルー 5一二トロサリチルアル デヒ ド 1 0. 6 g及び沃化 2, 3—ジメチルベンゾセレ ナゾリ ゥム 1 3. 6 gをメタノール 200 ΐπδに加え、 こ の混合物を加熱還流させながらこれにピぺリ ジン
34. 2 gをメ タノール 50 πιδに溶解させたものを少し ずつ滴下した。 27時間加熱還流を継続した後、 反応液 を室温まで冷却し、 生成した茶色結晶を分離すると、 8 ' —メ タク リ ロキシメチルー 3—メチル一 6' —二 ト 口一 1—セレナスピロ一 [2 H— 1 ' —べンゾピラン一 2, 2' —べンゾセレナゾリ ン] が 18. 0 g生成して いた (収率 1 00 %) 。
1 H - NMR (DMS 0) ; (5 p p m
1. 9 1 ( s , 3 H, メ タク リル一 C H3 )
4. 1 0 ( s , 3 H, N - C H3 )
5. 0 3 ( s , 2 H, - C H2 -)
5. 70 ( s , H, ニル)
6. 06 ( s , 1 H, ビニル)
7. 58 ( t, 1 H, 6一 H)
7. 7 1 ( t , 1 H, 5一 H)
7. 90 ( d , 1 H, 3' - H)
Q
O · π 1 r TJ Λ
U D 丄 J! , Xl
8. 1 7 ( d , 1 H, 7 ' 一 H)
8. 32 ( d , 1 H, 7一 H)
8. 53 ( d , 1 H, 4 ' - H)
8. 70 ( d , 1 H, 5' - H)
参考例 1 2
2—メチルベンゾセレナゾール 6. 1 7 gにォクタデ シルノヽ。ラクロ口ベンゼンスルホネー ト 1 9. 1 gを加え 1 3 CTCで 6時間加熱した。 反応で生成した結晶をエ ー テルで洗浄後に n—プロパノ一ルから再結晶し乾燥する と、 2—メチルー 3—ォクタデシルべンゾセレナゾリ ゥ ムノヽ °ラクロ口ベンゼンスルホネ ー ト力 1 2. 8 g得られ た (収率 6 5 %) 。
1 H - N M R ( C D C 3 ) ; ά p p m
0. 88 ( t , 3 Η, メチル)
1. 2 5 (m, 30 H, - C H 2 ^15)
1. 84 (qui , 2 H, - C H2 - C - N)
3. 27 ( s , 3 H, 2—メチル)
4. 68 ( t , 2 H , — C H2 - N)
7. 2— 8. 3· (m, 8 H, A r H)
参考例 1 3
3—メ タク リ ロキシメ チルー 5—ニ ト ロサリ チルアル デヒ ド 2. 07 g及び 2—メチル _ 3—ォクタデシルべ ンゾセレナゾリ ゥムノ、。ラクロ口ベンゼンスルホネー ト 5. O O gをメ タノール 80 πΐδに加え、 この混合物に、 ピぺリ ジン 0. 81 gをメ タノール 2 OmQに溶解した溶 液を室温で少量ずつ滴下した。 5時間加熱還流後反応液 を冷却した。 生成した紫色固体を 戸別し、 シリ カゲル力 ラムク ロマ トグラフィ ーによつて分離精製する ことによ り、 8' —メ タク リ ロキシメ チル一 6' —ニ ト ロ一 3— ォク タデシル一 1—セレナス ピロ一 〔2 Η— 1 ベン ゾピラ ン一 2, 2 ' —ベンゾセレナゾリ ン〕 4. 67 g を得た (収率 86 %) 。
1 H - NMR ( C D C 3 ) ; 5 p p m
0. 88 ( H, メ チル)
1. 23 (m, 30 H, -( C H 2 ^15)
1. 92 (qui , 2 H, — C H2 - C - N)
2. 03 ( s , 3 H, メ タク リ ル一 C H3 )
4. 46 ( t , 2 H, — C H2 - N)
5. 23 ( s , 2 H, — C H2 - A r )
5. 63 ( s , 1 H, ビニル)
6. 24 ( s , 1 H, ビニル)
7. 66 (br. d, 1 H, 4 ' - H)
8. 8 1 (br. s, 1 H, 3 ' H)
7. 2〜 8 (m, 6 H, A r H)
参考例 14
2, 5—ジメ チルベンゾセレナゾール 3. 96 gにォ ク タデシルパラク ロロベンゼンスルホネ一 ト 1 1. 5 g を加え、 1 30てで 6時間加熱した。 反応で生成した結 晶をエーテルで洗浄後に酢酸ェチルから再結晶し乾燥す る と、 2 , 5—ジメ チル一 3—ォク タデシルベンゾセレ ナゾリ ゥムパラ ク ロロベンゼンスルホネー トカ《 7. 42 g得られた (収率 6 1 %) 。
1 H - NMR ( C D C 3 ) ; 5 p p m
0. 88 ( t , 3 H, メチル)
1. 2 5 (m, 30 H, -6C H2 15)
1. 86 (qui , 2 H, — C H2 - C - N)
2. 58 ( s , 3 H, 5—メ チル)
3. 29 ( s, 3 H, 2—メ チル)
4. 67 ( t, 2 H, — C H2 - N)
7. 2— 8. 1 (m, 7 H, A r H)
参考例 1 5
3—メ 夕ク リ ロキシメ チル一 5—ニ ト ロサ リ チルアル
デヒ ド 2. 83 g及び 2, 5—ジメ チルー 3—ォクタデ シルベンゾセレナゾリ ゥムノ、。ラク ロロベンゼンスルホネ ー ト 7. 00 gをメ タノール 80ΐπβに加え、 この混合物 に、 ピぺリ ジン 1. 1 1 gをメ タノール 2 OrnQに溶解し たものを室温で少量ずつ滴下した。 5時間加熱還流後、 反応液を冷却した。 生成した紫色固体を沪別し、 シリ カ ゲルカラムク ロマ ト グラフィ 一によつて分離精製する こ とにより、 8' —メ タク リ ロキシメ チルー 5—メ チル一 6 ' —ニ ト ロ一 3—ォク タデシルー 1—セレナス ピロ一 [ 2 H - 1 ' 一べンゾピラ ン一 2, 2' —ベンゾセレナ ゾリ ン〕 6. 65 gを得た (収率 88%) 。
1 H - NMR (C D C 3 ) ; 5 p p m
0. 88 ( t , 3 Hf メチル)
1. 25 (m, 30 H, - C H 2 ^15)
1. 0 (qui , 2 H, - C H2 - C - N)
2. 0 5 ( s, 3 H, メ タク リル一 C H3 )
2. 50 ( s , 3 H, C H3 - A r )
4. 44 ( t, 2 H, — C H2 - N)
5. 24 ( s, 2 H, — C H2 - A r )
5. 6 5 ( s , 1 H, ビニル)
6. 27 ( s , 1 H, ビニル)
7. 53 (br. d, 1 H, 4 ' H)
5
8. 80 (br. s, 1 H, 3 ' — H)
7. 3〜 7. 9 (m, 5 H, A. r H )
参考例 1 6
5—メ トキシ一 2—メ チルベンゾセレナゾール
5. 1 3 gにォク タデシルパラク ロロベンゼンスルホネ ー ト 1 1. 1 gを加え、 1 30°Cで 5時間加熱した。 反 応で生成した結晶をエーテルで洗浄後ベンゼンから再結 曰すると、 5—メ トキシー 2—メ チル一 3—才ク タデシ ノレべンゾセレナゾリ ゥムノ、。ラク ロ口ベンゼンスルホネ トが 9. 98 g得られた (収率 67 %) 。
1 H - N M R ( C D C 3 ) ; <5 p p m
0. 88 ( t , 3 Η, メチル)
1. 2 5 (m, 30 H, -6 C H 2 -15)
1. 84 (qui , 2 H, — C H2 - C - N)
3. 22 ( s , 3 H, 2—メ チル)
3. 94 ( s , 3 H , C H 3 O)
4, 64 ( t , 2 H, - C H2 - N)
7♦ 〜 8 (m, 7 H, A r H)
参考例 1 7
3—メ タ ク リ 口キシメ チル一 5—ニ トロサリ チルアル デヒ ド 2. 20 g及び 5—メ トキシ一 2—メ チル一 3— ォク タデシルベンゾセレナゾリ ゥムク ロ口ベンゼンスル
ホネー ト 5. 5 7 gをメ タノール 80 ΐπβに加え、 この混 合物に、 ピぺリ ジン 0. 9 0 gをメ タノーノレ 2 0 inGに溶 解した溶液を室温で滴下した。 5時間加熱還流後、 反応 液を冷却した。 生成した紫色固体を沪別し、 シリ カゲル カラムクロマ トグラフィ ーによつて分離精製することに より、 8 , —メ タク リロキシメチルー 5—メ トキシー ら ' 一二卜 o — ォクタデシルー 1 —セレナスピロ一
C 2 H - 1 ' —ベンゾピラン一 2 , 2 ' —ベンゾセレナ ゾリ ン〕 4. 3 5 gを得た (収率 7 2 %) 。
1 H - N M R ( C D C 3 ) ; 5 p p m
0. 88 ( t , 3 H, メチル)
1. 2 5 (m, 3 0 H, C H 2 ^ 15)
1. 9 2 (qui , 2 H, 一 C H2 - C - N)
2. 0 3 ( s , 3 H, メタク リルー C H3 )
3. 9 1 ( s , 3 H, C H3 0)
4. 4 0 ( t , 2 H, - C H2 - N)
5. 2 3 ( s, 2 H, - C H2 -)
5. 6 2 ( s , 1 H, ビニル)
6. 24 ( s , 1 H, ビニル)
7. 5 9 (br. d, 1 H, 4 ' — H)
8. 7 9 (br. s, H, ' - H)
7. 0〜8. 0 (mf 5 H, A r H)
参考例 1 8
5 , 6 — ジメ トキシー 2 —メ チルベンゾセレナゾ一ル 5. 84 g にォクタデシルハ。ラク ロ口ベンゼンスルホネ ー ト 1 1. 2 gを加え、 1 3 0 °Cで 6時間加熱した。 反 応で生成した結晶をエーテルで洗浄後へキサン—ベンゼ ン混合溶媒から再結晶し、 乾燥することにより、 5 , 6 — ジメ トキシー 2 —メ チル一 3 —ォクタデシルべンゾセ レナゾリ ゥムノヽ。ラク ロ口ベンゼンスルホネー トを
1 0. 4 g得た (収率 6 5 %) 。
1 H - N M R ( C D C £ 3 ) ; <5 p p m
0. 8 8 ( t , 3 Η , メ チル)
1. 2 5 (m, 3 0 H , C H 2 ^- I 5)
1. 8 3 (qu i , 2 H , — C H 2 - C - N )
3. 0 9 ( s , 3 H , 2 —メ チル)
3. 9 8 ( s , 3 H , 5 — C H3 0又は
6 - C H 3 0 )
4. 0 3 ( s , 3 H , 6 - C H 3 0又は
5 - C H 3 0 )
4. 6 3 ( t , 2 H , — C H 2 - N )
7. 2 - 7. 9 (m, 6 H, A r H )
参考例 1 9
3 —メ タ ク リ ロキシメ チルー 5 —二 ト ロサリ チルアル
デヒ ド 2. 36 g及び 5, 6—ジメ トキシ一 2—メ チル — 3—ォク タデシルベンゾセレナゾリ ゥムノ、。ラク ロ口べ ンゼンスルホネー ト 6. 24 gをメ タノール 80mSに加 え、 この混合物に、 ピぺリ ジン 0. 94 gをメ タノール 20 Ιϋδに溶解した液を室温で滴下した。 5時間加熱還流 後、 反応液を冷却した。 生成した紫色固体を沪別し、 シ リ 力ゲル力ラムクロマ ト グラフィ ーによつて分離精製す る ことにより、 8' —メ タク リ ロキンメチルー 5, 6 - ジメ トキシー 6' —ニ ト ロ一 3—ォク タデシルー セ レナス ピロー 〔2 H— 1 ' —ベンゾピラ ン一 2, 2' ― ベンゾセレナゾリ ン〕 5. 17 gを得た (収率 77%) 1 H - NMR ( C D C 3 ) ; 5 p p m
0. 87 ( t , 3 Η, メ チル)
1. 24 (m, 30 H, -6 C H 2 -15)
1. 2 (qui , 2 H, - C H2 - C - N)
2. 03 ( s , 3 H, メ タ ク リル一 C H3 )
3. 99 ( s , 3 H, 5 - C H3 O又は
6一 C H3 0)
4. 00 ( s, 3 H, 6 - C H3 O又は
5一 C H3 O)
4. 4 1 ( t , 2 H, - C H2 - N)
5. 1 9 ( s , 2 H, - C H2 - A r )
5
5. 6 2 ( s, 1 H , ビニル)
6. 2 3 ( s , 1 Η, ビニル)
7. 5 2 (br. d, 1 H, 4 ' H)
8. 7 7 (br. s, 1 H, 3 ' - H)
6. 9— 8. 0 (m, 4 H, A r H)
実施例 8
参考例 1 1で得た 8' —メ タク リ ロキシメチル一 3— メチル一 6 ' —ニ ト ロ一 1 —セレナス ピロ一 〔 2 H— 1 ' —ベンゾピラン一 2 , 2 ' 一べンゾセレナゾリ ン〕 2 9 0 mg ( 0. 64 mmol) を、 窒素気流下で蒸留した N N—ジメチルホルムア ミ ド 3 0 ιπδに溶解させ、 これに乾 燥したメ タク リル酸メチル 3. 7 g (3 7. 0 ramol) を 加えた。 これに重合開始剤と して α , a ' ーァゾビスィ ソブチロニ ト リ ノレ 5 3mg (0. 3 2 mmol) を加え、 80 °Cで 4 5時間重合反応を行なった。 反応後の溶液にメ 夕 ノール 5 0 0 ϋΐβを滴下すると紫色固体が析出した。 析出 物をグラスフィ ルタ一で分離し乾燥させて 2. 80 gの 重合体を得た。
このものは下記物性より、 原料スピロピラン体とメ タ ク リ ル酸メチルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 7 2 0〜 1 74 5 cm ) 及びニ トロ基 ( 1 54 5、
1 3 7 5 cm"1) に由来する吸収が認められる。 またこの ものは、 G P C測定 (溶媒 =テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 4 0。C、 ポリスチレン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 M n - 1. 86 X 1 04 、 重量平均分子量 Mw = 2. 3 1 X 1 ◦ 4 であった。 また元素分析値は、 C 58. 6 2 %、 H 7. 9 3 %、 N 1. 04 %であり、 この結果からこの重合体中の一般式 ( 1 — 2 ) で表わさ れるスピロ ピラ ンュニッ 卜の含量は 3. 0モル%である ことを確認した。
このポリマー 1 0 mgをベンゼン 2 mGに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して、 紫色の薄膜を得た。 このものは初 め 5 68 nmに極大吸収を有していたが、 5 0 0 nm以上の 可視光を透過させるカツ トオフフィルタ一を装着した 5 0 0 w超高圧水銀灯を用いて可視光照射したところ、 先の極大吸収ピークは消失し、 無色透明フィ ルムとなつ た。 この無色フィ ルムは室温 ( 2 2 °C) で徐々に紫色に 着色した。 このとき、 消色種が熱着色する時の 1次速度 定数から算出した消色種の熱半減期 ( r l/2 ) は 3. 8 時間であり、 原料モノマ一 (ク ロ口ホルム溶液) の熱半 減期と比べて実に 2 9倍もの長寿命化が達成された。 ま たこのフィ ルムは室温において完全に着色することはな く 、 消色種固定化率 3 1 %で安定に固定化されて半消色
状態を維持した。 このことを示す可視吸収スペク トルを 第 5図に示す。 このフ ィ ルムは紫外光照射により着色種になり、 再度 可視光照射で無色 (消色種) に移行し、 引続き 2 2 Cに 放置すると 3 1 %の消色種固定化率で半消色状態を維持 するサイクルが繰返し行なえた。 但し、 ここで用いる消色種固定化率は下式のように定 義されるものである (以下の実施例でも同じ) 。 消色種固定化率 (%) =
(最高吸光度 -固定化時吸光度)
(最高吸光度 -消色時吸光度) x 1 。 0 こ こで、 「固定化時吸光度」 とは、 試験する試料にも よるが、 可視光照射から通常約 24時間程度経過後に、 吸光度の増加が実質的に認められなく なつた状態での極 大吸収波長での吸光度を指す。 また、 「消色時吸光度」 とは、 可視光を照射して消色させた直後の上記極大吸収 波長での吸光度を指す。 実施例 9 参考例 8〜 1 1の一般的手法に従い別途合成した 8' —メ タ ク リ ロキシメ チル一 5—メ トキシ一 3—メ チルー ら ' 一二 ト ロ一 1 -セ レナス ピロ一 〔2 H— 1 ' —ベン ゾピラ ン一 2, 2 ' 一べンゾセ レナゾリ ン〕 44 0 mg
( 0. 9 0 mmol) を、 窒素気流下で蒸留した N , N—ジ メチルホルムア ミ ド 40maに溶解させ、 これに乾燥した メ タク リル酸メチル 7. 0 g ( 7 0. O mmol) を加えた。 これに重合開始剤と して a , a ' —ァゾビスイソプチ口 二 ト リル 4 8 mg ( 0. 2 9 mmQl) を加え、 8 0。Cで 1 2 時間重合反応させた。 以下、 実施例 8と同様に処理を行 ない、 6. 4 5 gの紫色粉状重合体を得た。
このものは下記物性から、 原料スピロピラン体とメ タ ク リル酸メチルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基
( 1 7 3 0〜 1 74 5 cnT1) 及びニ トロ基 ( 1 54 0、 1 3 5 5 cm"1) に由来する吸収が認められる。 またこの ものは、 G P C測定 (溶媒 =テ トラヒ ドロフラン、 温度 4 0 °C、 ポリスチレン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 M n = 2. 1 7 X 1 04 、 重量平均分子量 Mw = 3. 4 5 X 1 04 であった。 また原料スピロビラ ンモノマーのクロ口ホルム溶液の; I max における吸光係 数 ( ε = 3 3 0 0 0 ) と上記生成重合体のそれ ( ε = 1 7 0 0 ) との比較から計算することにより この重合体中 の一般式 ( I 一 2 ) で表わされるスピロピラ ンュニッ 卜 の含量は 1. 1モル%であった。
このポリマーを実施例 8と同様な手法で紫色の薄膜と
し、 5 ◦ 0 nm以上の可視光を照射すると、 初めに認めら れた 5 34 nmの極大吸収ピークは消失し無色透明フ ィ ル ムとなった。 このフ ィ ルムは室温で徐々に着色し、 2 1 °Cでの熱半減期 ( τ 1/2 ) は 6. 4時間であり、 原料モ ノ マ一 (ク ロ口ホルム溶液) の熱半減期と比べ実に 58 倍も長寿命化していた。
また、 半消色状態を維持している上記薄膜は、 紫外光 照射により、 着色して元の色彩に戻り、 再度可視光照射 によ り無色 (消色系) に移行し、 引き続き室温程度の温 度で放置すると半消色状態を維持するというサイクルが 繰り返し行う ことができた。
実施例 1 0
参考例 8〜 1 1の一般的手法に従い別途合成した 8' —メ タ ク リ ロキシ一 3, 5—ジメ チル一 6 ' —ニ ト ロ一 1 —セレナス ピロ一 〔2 H— 1 ' ―ベンゾピラ ン一 2 , 2 ' 一べンゾセレナゾリ ン〕 3 2 0 mg ( 0. 68 ramol) を、 窒素気流下で蒸留した N, N—ジメチルホルムア ミ ド 4 0 ΐηβに溶解させ、 これに乾燥したメ タク リル酸メチ ル 9. 5 g ( 5. 0 mmol) を加えた。 この混合物に重 合開始剤と して , a ' ーァゾビスイ ソプチロニ ト リ ル 4 1 mg ( 0. 2 5 mmol) を加え、 80 °Cで 1 1時間重合 反応させた。 反応液を実施例 8と同様-に処理すると
7. 23 gの紫色粉状重合体が得られた。
このものは下記物性から、 原料スピロピラ ン体とメ タ ク リル酸メ チルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 732〜 1 740 cnT1) 及びニ トロ基 ( 1 528、 1 383 cm-1) に由来する吸収が認められる。 またこの ものは、 G P C測定 (溶媒 =テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 40 °C. ポ リ スチレン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 Mn = 2. 72 X 1 04 、 重量平均分子量 Mw = 4. 00 X 1 04 であった。 また元素分析値は、 C 58. 14 %、 H 8. 0 1 %、 N O. 78%であり、 この結果から、 この重合体中の一般式 ( 1 — 2) で表わ されるスピロピランユニッ トの含量は 2. 0モル%であ つた o
このポリマーを実施例 8と同様な手法で紫色の薄膜と し、 500 nm以上の可視光を照射すると、 初めに認めら れた 544 nmの極大吸収ピークは消失し、 無色透明フィ ルムとなった。 このフィ ルムは室温で徐々に着色し、 2 1 °Cでの熱半減期 ( て 1/2 ) は 6. 1時間であり、 原 料モノマ一 (ク ロ口ホルム溶液) の熱半減期と比べ 46 倍も長寿命化していた。
また、 半消色状態を維持している上記薄膜は、 紫外光
照射により、 着色して元の色彩に戻り、 再度可視光照射 により無色 (消色系) に移行し、 .引き続き室温程度の温 度で放置すると半消色状態を維持するというサイクルが 繰り返し行う ことができた。
実施例 1 1
8 ' ーメ タク リ ロキシメチル一 5—メ トキシー 3—メ チル— 6 ' —ニ ト ロ一 1 —セレナスピロ— C 2 H - 1 ' 一べンゾピラ ン一 2 , 2 ' —ベンゾセレナゾリ ン〕 3 1 8mg (0. 6 5mmol) を、 窒素気流下で蒸留した N N—ジメ チルホルムア ミ ド 3 0 Πΐδに溶解させ、 これに充 分脱気したスチレン 8. 0 5 g (7 7. 4 mmol) を加え た。 これに重合開始剤と してな, a ' ーァゾビスイ ソブ チロニ ト リノレ 1 5 6 nig ( 0. 9 5 mmol) を加え、 9 0。C で 4 2時間重合反応させた。 実施例 8と同様に処理を行 い、 2. 36 gの紫色粉状重合体を得た。
このものは、 下記物性か ¾原料ス ピロ ピラ ン体とスチ レンとの共重合体である ことを確認した。 G P C測定 (溶媒 =テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 4 0。C、 ポ リ スチレ ン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 M n = 5. 2 9 X 1 03 重量平均分子量 M w = 7. 4 3
1 03 であった。 またこのものは I Rスペク トルにおい て、 強いエステル性力ルボニル基 ( 1 7 3 5〜 1 748
cm"1) 及びニ ト ロ基 ( 1 5 2 0、 1 3 6 5 cm一1) に由来 する吸収が認められる。 また元素分析値は、 C 8 7. 4 7 %, H 7. 3 7 %、 N 1. 0 6 %であり、 この結果か らこの重合体中の一般式 ( I 一 2 ) で表わされるスピロ ピラ ンユニッ トの含量は 3. 6モル%であった。
このポ リ マー 1 0 mgをク ロロホルム 2 m に溶解し、
5 0 0 nm以上の可視光を照射すると、 初めに認められた 5 8 3 nmの極大吸収ピークは消失し、 無色の溶液となつ た。 この溶液は室温で徐々に紫色に着色し、 その熱半減 期 ( て 1/2 ) は 2 6. 4分であり、 原料モノマー (クロ 口ホルム溶液) の熱半減期と比べ、 4. 0倍長寿命化し ていた。
またこのポリマー溶液を石英板上にキヤス ト して得た 薄膜を実施例 8と同様に可視光照射すると無色透明にな つた。 このフィ ルムは、 室温で完全に着色することはな く 、 消色種固定化率 3 5 %で完全に固定化されて半消色 状態を維持した。 このことを示す可視吸収スペク トルを 第 6図に示す。
また、 半消色状態を維持している上記薄膜は、 紫外光 照射により、 着色して元の色彩に戻り、 再度可視光照射 により無色 (消色系) に移行し、 引き続き室温程度の温 度で放置すると半消色状態を維持するというサイクルが
繰り返し行う ことができた。
実施例 1 2
実施例 2で用いた 8' —メ タク リ ロキシメチルー 5— メ トキシー 3—メ チル一 6 ' —ニ トロ一 1 —セレナス ピ 口一 〔2 H— 1 ' —ベンゾピラ ン一 2 , 2 ' —ベンゾセ レナゾリ ン〕 4 7 7 mg (◦. 98mmol) を窒素気流下で 蒸留した N, N—ジメチルホルムア ミ ド 2 0 mQに溶解さ せ、 これに重合開始剤と して α , ' —ァゾビスイソブ チロニ ト リ ル 1 1 3 rag ( 0. 6 9 inmol) を加え 80でで 24時間重合反応を行った。 反応後に得られた溶液にメ 夕ノール 1 0 0 ΐϋδを加えると、 紫色沈殿が析出した。 こ のものを遠心分離して単離し、 乾燥させて 2 1 O mgの重 合体を得た。
このものは I R分析の結果エステル性カルボニル基の 吸収が 1 7 3 5 cm- 1 にシフ ト したほかにニ トロ基
( 1 5 3 2、 1 38 5 cm" 1 ) に由来する吸収を有して いた。 また G P C測定の結果は単一ピークを与え、 数平 均分子量 n = l . 8 5 X 1 03 、 重量平均分子量 Mw = 2. 21 X 1 03 であった。 また元素分析値は C 5 3. 87 %、 H 4. 04 %. N 5. 98%であり、 こ れらの結果から原料スピロビラ ン体の単独重合体と確認 した。
このポ リ マーのク ロ口ホルム溶液は室温 ( 2 0 °C) で 紫色に着色しており ス max == 5 7 5 nmであった。 この紫 色溶液に実施例 8と同様にして可視光を照射すると先の 極大吸収ピークは消失して無色の溶液となった。 この無 色溶液は室温で徐々に紫色に着色した。
実施例 1 3
8 ' ーメ タク リ ロキシメ チノレー 6 ' —二 ト ロー 3 —ォ ク タデシル一 1 ーセレナス ピロ一 〔 2 H— 1 ' —ベンゾ ピラ ン一 2 , 2 ' —ベンゾセレナゾリ ン〕 1 9 8 mg ( 0. 2 8 5 ol) を、 窒素気流下で蒸留した N, N - ジメチルホルムア ミ ド 3 O m0に溶解させ、 これに乾燥メ タク リ ル酸メ チル 5. 9 0 g ( 5 . 0 mmol) を加えた, これに重合開始剤と して a , a ' —ァゾビスイソブチロ 二 ト リル 4 7 nig ( 0. 2 9 mmol) を加え、 6 0。Cで 24 時間重合反応を行った。 反応後の溶液にメ タノール
500 meを滴下すると、 紫色固体が析出した。 析出物を グラスフ ィ ルターで分離し、 乾燥させて、 3. 20 gの 重合体を得た。
このものは下記物性より、 原料スピロ ピラ ン体とメ タ ク リル酸メチルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 7 2 0〜 1 74 5 cnT 1 ) 、 ニ ト ロ基 ( 1 54 5、
1 37 5 cm- 1 ) 、 アルキル基 (29 20 cm— 1 ) に由 来する吸収が認められる。 またこのものは、 G P C測定 (溶媒 =テ トラヒ ドロフラ ン、 温度 40で、 ポリスチレ ン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 n = 3. 7 X 1 04 、 重量平均分子量 w = 9. 4 X 1 04 であった。 また元素分析値は、 C 59. 04 %、 H
8. 02 %、 N O. 30 %であり、 この結果からこの重 合体中の一般式 ( 1 — 2) で表わされるスピロピランュ ニッ トの含量は 1. 1モル%であることを確認した。
このポリマー 1 0 をベンゼン 2ΐΠδに溶解させ、 石英 板上にキヤス ト して、 紫色の薄膜を得た。 このものは初 め 562 n mに極大吸収を有していたが、 500 n m以 上の可視光を透過させる力 ッ トオフフィ ルターを装着し た 500 w超高圧水銀灯を用いて可視光照射したところ、 先の極大吸収ピークは消失し、 無色透明フィ ルムとなつ た。 この無色フィ ルムは、 室温 ( 2 5 °C) で徐々に着色 したが、 完全に着色することはなく 、 消色種固定化率 6 1 %で安定に固定化されて半消色状態を維持した。 こ のことを示す可視吸収スぺク トルを第 7図に示す。
このフィ ルムは紫外光照射により着色種になり、 再度 可視光照射で無色 (消色種) に移行し、 引続き 2 5 Cに 放置すると 6 1 %の消色種固定化率で半消色状態を維持
するといぅサイクルが繰返し行なえた。
実施例 14
8 ' ーメ タク リ ロキシメチル一 5—メチル一 6 ' —二 トロー 3—ォクタデシル一 1ーセレナスピロ一 〔2 H— 1 ' —ベンゾピラ ン一 2, 2' —ベンゾセレナゾリ ン〕 2 0 0 mg ( 0. 28 2 mmol) を、 窒素気流下で蒸留した N, N—ジメチルホルムア ミ ド 3 0 ΐΠβに溶解させ、 これ に乾燥したメ タク リル酸メチル 5. 80 s ( 5 8. 0 ram ol) を加えた。 これに重合開始剤と して α: , a ' ーァゾ ビスイソプチロニ ト リル 4 6 rag ( 0. 28 mmol) を加え- 6 0てで 24時間重合反応を行った。 反応後の溶液にメ 夕ノール 50 0 mQを滴下すると、 紫色固体が析出した。 析出物をグラスフィ ルタ一で分離し、 乾燥させて、
3. 3 6 gの重合体を得た。
このものは下記物性より、 原料スピロピラ ン体とメ タ ク リル酸メチルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 720〜 1 74 5 cm- 1 ) 、 ニ トロ基 ( 1 54 5、 1 3 7 5 cm- 1 ) 、 アルキル基 (2 9 2 0 cm- 1 ) に由 来する吸収が認められる。 またこのものは、 G P C測定 (溶媒-テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 4 0。C、 ポ リ スチレ ン換算) の結果単一ピークを示し、 数平均分子量 π =
4. 4 x 1 04 、 重量平均分子量 Mw= 1 1. 9 x
1 04 であった。 また元素分析値は、 C 59. 04 %. H 7. 9 5 %、 N O. 30 %であり、 この結果からこの 重合体中の一般式 ( 1 — 2 で表わされるスピロピラン ユニッ トの含量は 1. 1モル%であることを確認した。
このポリマ一 1 Omgをベンゼン 2 mSに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して、 紫色の薄膜を得た。 このものは初 め 56 1 n mに極大吸収を有していたが、 50 0 n m以 上の可視光を透過させる力ッ トオフフィ ルターを装着し た 500 w超高圧水銀灯を用いて可視先照射したところ、 先の極大吸収ピークは消失し、 無色透明フ ィ ルムとなつ た。 この無色フ ィ ルムは、 室温 (2 5。C) で徐々に着色 したが、 完全に着色することはなく 、 消色種固定化率 6 1 %で安定に固定化されて半消色状態を維持した。
このフィ ルムは紫外光照射により着色種になり、 再度 可視光照射で無色 (消色種) に移行し、 引続き 2 5てに 放置すると 6 1 %の消色種固定化率で半消色状態を維持 するといぅサイクルが繰返し行なえた。
実施例 1 5
8 ' —メ タク リ ロキンメ チル一 5—メ トキシ一 6' ― ニ ト ロ一 3—ォク タデシル一 1 —セレナス ピロ一 〔2 H - 1 ' 一べンゾピラ ン一 2 , 2 ' —べンゾセレナゾリ ン〕
2 0 6 mg ( 0. 284 mmol) を、 窒素気流下で蒸留した N, N—ジメチルホルムア ミ ド 3 0 ΙΠδに溶解させ、 これ に乾燥したメ タク リル酸メチル 6. 0 0 g (6 0. 0 mmol) を加えた。 これに重合開始剤と して , ' ーァ ゾビスイ ソプチロニ ト リノレ 4 7 mg ( 0. 2 9 mmo 1) を加 え、 6 ◦でで 24時間重合反応を行なった。 反応後の溶 液にメ タノール 5 0 0 ϋΐδを滴下すると、 紫色固体が析出 した。 析出物をグラスフィ ルタ一で分離し、 乾燥させて、 2. 68 gの重合体を得た。
このものは下記物性より、 原料スピロピラン体とメ タ ク リル酸メ チルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 7 2 0〜 1 74 5 cu 1 ) 、 ニ ト ロ基 ( 1 542、 1 3 7 2 cm" 1 ) 、 アルキル基 (2 9 3 0 cnT 1 ) に由 来する吸収が認められる。 またこのものは、 G P C測定 (溶媒-テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温度 4 0で、 ポ リ スチレ ン換算) の結果単一ピークを示し、 n = 4. 0 X
1 0 、 Mw= 8. 6 x 1 04 であった。 また元素分析 値は、 C 58. 78%. H 7. 78%, N O. 2 7 %で あり、 この結果からこの重合体中の一般式 ( I 一 2 ) で 表わされるスピロ ピラ ンユニッ トの含量は 1. ◦モル% であることを確認した。
このポリマー 1 O m gをベンゼン 2 mSに溶解させ、 石英 板上にキャス ト して、 紫色の薄膜を得た。 このものは初 め 5 6 1 n mに極大吸収を有していたが、 5 0 0 n m以 上の可視光を透過させる力ッ トォフフィ ルターを装着し た 5 0 O w超高圧水銀灯を用いて可視光照射したところ、 先の極大吸収ピークは消失し、 無色透明フィ ルムとなつ た。 この無色フ イ ルムは、 室温 (2 5。C ) で徐々に紫色 に着色した。 この時、 消色種が熱着色する時の 1次速度 定数から算出した消色種の熱半減期 (て 1/2 ) は
7 9 . 4 日であり、 原料モノマー (ク ロ口ホルム溶液) の熱半減期と比べて、 実に 4 5 7 0 0倍もの長寿命化が 達成された。 またこのフィ ルムは室温において完全に着 色することはなく 、 消色種固定化率 8 5 %で安定に固定 化されて半消色状態を維持した。
このフ ィ ルムは紫外光照射により着色種になり、 再度 可視光照射で無色 (消色種) に移行し、 引続き 2 5でに 放置すると 8 5 %の消色種固定化率で半消色状態を維持 するというサイクルが繰返し行なえた。
実施例 1 6
8 ' —メ タ ク リ ロキンメ チルー 5 , 6 —ジメ トキシー 6 ' —ニ ト ロ一 3 —ォク タデシルー 1 ーセレナス ピロ一 C 2 H - 1 ' 一べンゾピラ ン一 2 , 2 ' 一べンゾセレナ
ゾリ ン〕 2 1 7 mg ( 0. 2 8 7 ol) を、 窒素気流下で 蒸留した N , N—ジメチルホルムア ミ ド 3 0 ΙΠδに溶解さ せ、 これに乾燥したメ タク リル酸メチル 6. 0 0 g
( 6 0. O mraol) を加えた。 これに重合開始剤と して , ' —ァゾビスイ ソプチロニ ト リル 4 8 rag ( 0. 2 9 mmol) を加え、 6 0 °Cで 24時間重合反応を行なった。 反応後の溶液にメ タノール 5 0 O maを滴下すると、 紫色 固体が析出した。 析出物をグラスフ ィ ルターで分離し、 乾燥させて、 3. 1 3 gの重合体を得た。
このものは下記物性より、 原料ス ピロ ピラ ン体とメ タ ク リル酸メチルとの共重合体であることを確認した。 I Rスぺク トルにおいて、 強いエステル性カルボニル基 ( 1 7 3 0〜 1 74 5 cnT 1 ) 及びニ トロ基 ( 1 54 5、 1 3 7 0 cm" 1 ) に由来する吸収が認められる。 またこ のものは、 G P C測定 (溶媒-テ トラ ヒ ドロフラ ン、 温 度 4 0 °C、 ポ リ スチレン換算) の結果単一ピークを示し、 M n = 3. 8 X 1 04 . Mw = 8. 8 x l 04 であった。 また元素分析値は、 C 5 8. 8 9 %、 H 7. 9 4 %、 N 0. 2 9 %であり、 この結果からこの重合体中の一般式 ( I - 2 ) で表わされるスピロ ピラ ンュニッ トの含量は 1. 1 モル%であることを確認した。
このポリマー 1 O mgをベンゼン 2 ΐπβに溶解させ、 石英
板上にキャス ト して、 紫色の-薄膜を得た。 このものは初 め 5 4 0 n mに極大吸収を有していたが、 5 0 0 n rn以 上の可視光を透過させるカツ トオフフィ ルターを装着し た 5 0 0 w超高圧水銀灯を用いて可視光照射したところ、 先の極大吸収ピークは消失し、 無色透明フィ ルムとなつ た。 この無色フィ ルムは、 室温 (2 5 °C ) で徐々に紫色 に着色したが完全に着色することはなく 、 消色種固定化 率 7 6 %で安定に固定化されて半消色状態を維持した。
このフ ィ ルムは紫外光照射により着色種になり、 再度 可視光照射で無色 (消色種) に移行し、 引続き 2 5てに 放置すると 7 6 %の消色種固定化率で半消色状態を維持 するといぅサイクルが繰返し行なえた。