JP3170613B2 - ベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化合物及該化合物を含む重合体 - Google Patents

ベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化合物及該化合物を含む重合体

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン
化合物及び該化合物から得られる重合体に関する。
従来の技術 光又は熱エネルギーにより可逆的に発消色する典型的
な有機化合物としてスピロピラン誘導体が最もよく知ら
れており、例えばG.H.Brown著のPhotochromism(John W
iley & Sons,Inc.1971年)にこれら誘導体の具体例や
物性がまとめられている。
しかしながら、従来のスピロピラン誘導体を、例えば
記録媒体として実用化する場合、発色種(又は消色
種)が溶液中でも高分子バインダー中でも光又は熱安定
性に欠けるため直ちに消色系(又は発色系)に戻る、
光及び熱による発消色(記録及び消去)を繰返すと、そ
の過程で光照射によって起こる副反応によりスピロピラ
ン誘導体が分解劣化し、充分な繰返し耐久性が得られな
い、スピロピラン誘導体をフォトクロミック媒体とす
る手段として高分子物質中に分散させる方法が通常行な
われるが、その際高分子物質中からのスピロピラン誘導
体の溶出のため又はスピロピラン誘導体と高分子物質と
の相溶性が一般に良くないため、相分離によってスピロ
ピラン誘導体が析出する等の難点がある。
発明の開示 本発明の目的は、従来のフォトクロミック材料の欠点
を克服する高分子スピロピラン系化合物を容易に製造し
得る新規なビニルスピロピラン化合物を提供することに
ある。
また、本発明の他の目的は、上記ビニルスピロピラン
化合物から得られる重合体を提供することにある。
本発明は下記一般式(I a)で表わされるベンゾセレ
ナゾリン系ビニルスピロピラン化合物を提供するもので
ある。
〔式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル
基を示す。R2、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水
素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチ
ル基又はニトロ基を示す。R6及びR7は、同一又は異なっ
て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール
基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ
基を示す。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕 本発明の一般式(I a)の化合物は、文献未載の新規
化合物であって、高密度光記録材料、光学フィルター、
画像形成材料、感光材料、非線型光学素子、或いは光エ
ネルギーの力学エネルギーへの変換等の分野で利用でき
る化合物である。例えば、このものを適当な高分子化合
物に溶解させるか、もしくは任意の重合性化合物と共重
合させて得られるポリマーをガラス等の基板上に均一塗
布することにより光ディスク等の高密度記録媒体が常法
に従い形成できる。
本発明の一般式(I a)の化合物を、単独で重合させ
るか、或いは必要に応じて任意の重合性化合物と共重合
させることにより、任意の構造及びスピロピラン基含有
量を有する高分子スピロピラン化合物とすることができ
る。
従って、本発明は、(a)一般式 〔式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル
基を示す。R2、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水
素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチ
ル基又はニトロ基を示す。R6及びR7は、同一又は異なっ
て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール
基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ
基を示す。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕 で表わされる構造単位0.001〜100モル%及び (b)一般式 〔式中、Yは水素原子又はメチル基を示し、Zはカルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバ
モイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、アセトキシ
基、フェニル基又はメチルフェニル基を示す。〕 で表わされる構造単位0〜99.999モル%から成ることを
特徴とするベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化
合物重合体を提供するものでもある。
本発明の上記一般式(I a)の化合物は、従来のスピ
ロピラン誘導体の如き上記欠点を解消しようとするもの
である。即ち、一般式(I a)の本発明化合物は、重合
性ビニル基を有するために高分子化することができるの
で、その安定性が向上し且つ高分子物質中からスピロ
ピランユニットの溶出の問題がほとんどなくなり、加え
てその高分子物質単独でフォトクロミズム性を有する
フィルム等の媒体が形成できる等の利点の発現が期待で
きる。更に本発明化合物を高分子鎖として化学結合させ
ることにより、高分子化合物の構造や極性、粘性、溶解
性等の性質を光可逆的に制御することが可能となる。
本発明の一般式(I a)の化合物は、ベンゾセレナゾ
リン系のスピロベンゾピラン化合物又はベンゾセレナゾ
リン系のスピロベンゾチオピラン化合物であることに加
えて、そのスピロベンゾピラン骨格又はスピロベンゾチ
オピラン骨格の8′位に重合性のビニル基を有する点に
特徴を有する。
重合性側鎖置換基を有するスピロピラン系化合物及び
その重合体としては、例えば日本化学会誌1323(197
2)、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.,12,2511(1974)、
特開昭53−88895号公報、特開昭59−227972号公報、特
開昭61−76490号公報等に開示されているが、いずれも
インドリン系もしくはベンゾチアゾリン系のスピロピラ
ン化合物及びこれから得られる重合体であり、本発明の
一般式(I a)の化合物及びこれから得られる重合体と
は化学構造上非類似の化合物である。
本発明の一般式(I a)の化合物は、通常(室温下)
発色しており、可視光の照射により消色し、紫外線照射
又は加熱により元の発色種に戻る、所謂逆フォトクロミ
ズムを示すという特徴を有している。更に本発明の8′
位にビニル基を有するベンゾセレナゾリン系スピロピラ
ン化合物は、8′位が未置換の下記一般式(A)で表わ
される化合物に比し、分子吸光係数(ε値)が著しく大
きいという特徴をも有しているので、低濃度でも充分な
発色濃度を有する。
〔式中R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は前記に同じ。〕 また、一般式(I a)の本発明化合物は、光または熱
及び光による発消色の繰返し耐久性が極めて高いもので
ある。また、本発明化合物により、消色状態(不安定
系)の固定もしくは消色状態から着色状態への移行が温
度によって制御できる。
一般式(I a)で表わされる本発明のベンゾセレナゾ
リン系ビニルスピロピラン化合物において、アラルキル
基としてはベンゼン環上に置換基としてC1〜C6アルキル
基、C1〜C6アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ト
リクロロメチル基、トリフルオロメチル基及びニトロ基
から選ばれた基を1〜5個、特に1,2又は3個有してい
てもよいフェニル−C1〜C6アルキル基を例示でき、アリ
ール基としては置換基として炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シア
ノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基及び
ニトロ基から選ばれた基を1〜5個、特に1、2又は3
個有していてもよいフェニル基又はナフチル基を例示で
きる。またハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示できる。
上記一般式(I a)の化合物のうちでも、R1が炭素数
1〜20のアルキル基であり、R2、R3、R4及びR5が同一又
は異なって水素原子、メチル基、エチル基、フェニル
基、メトキシフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はニトロ基
であり、R6及びR7が同一又は異なって水素原子、メチル
基、エチル基、フェニル基又はナフチル基であり、Xが
酸素原子である化合物が好ましく、R1が炭素数1〜18の
アルキル基であり、R2、R5、R6及びR7が水素原子であ
り、R3及びR4が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数1〜5のアルコキシ基であり、Xが酸素原子で
ある化合物、特にR1がメチル基又はオクタデシル基であ
り、R2、R3、R5、R6及びR7が水素原子であり、R4が水素
原子、メチル基又はメトキシ基であり、Xが酸素原子で
ある化合物がより好ましい。
上記一般式(I a)で表わされる本発明の化合物は、
下記反応式に示すように、一般式(III)で表わされる
四級ベンゾセレナゾリウム塩誘導体と一般式(IV)で表
わされる5−ニトロ−3−ビニルベンズアルデヒド誘導
体とをアミノ触媒下で縮合させることにより容易に製造
される。
〔式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びXは前記に同じ
であり、Aは塩素、臭素又は沃素等のハロゲン原子、R8
SO3基等を表わす。ここでR8はメチル基、エチル基等の
低級アルキル基、置換基としてフッ素、塩素、臭素、沃
素等のハロゲン原子又はC1〜C4アルキル基を有していて
もよいフェニル基を示す。〕 出発原料として用いられる一般式(III)で表わされ
る四級ベンゾセレナゾリウム塩誘導体は、対応する2−
メチルベンゾセレナゾール誘導体と、1倍モル量以上、
好ましくは1.05〜1.5倍モル量の一般式R1A(式中、R1
びAは前記に同じ。)で表わされる化合物とを封管中、
クロロホルム等の溶媒中で、50〜150℃程度の温度にて1
0〜48時間程度反応させることにより製造できる。上記
2−メチルベンゾセレナゾール誘導体は、例えばBer.4
6,94(1913)、J.Amer.Chem.Soc.,68 1536(1946)或
いは英国特許第1411957号(1975)に記載される公知化
合物であるが、又はこれら文献に記載の方法に従い製造
できる。
一方、一般式(IV)で表される5−ニトロ−3−ビニ
ルベンゾアルデヒド誘導体は、例えば特開昭61−76490
号公報に記載の方法に従って製造できる。即ち、まず一
般式(V) 〔式中R6及びR7は前記に同じ。〕 で表わされるサリチルアルデヒド誘導体(これは、例え
ば、Beil.,56に記載される公知化合物であるか、又は
該文献に記載の方法により製造できる)1モルに対し
て、2〜20モル程度のクロルメチルエーテルを、0.5〜
4モル程度の塩化アルミニウム等の触媒の存在下、0〜
60℃程度にて、3〜24時間反応させて、一般式(VI) 〔式中R6及びR7は前記に同じ。〕 で表わされる3−クロロメチル−5−ニトロサリチルア
ルデヒド誘導体とする。次に、一般式(VI)の化合物1
モルに対し、0.9〜1.1モル程度のトリフェニルホスフィ
ンをベンゼン、トルエン等の溶媒中、室温〜用いる溶媒
の沸点程度の温度にて、2〜24時間程度反応させること
により、一般式(VII) 〔式中R6及びR7は前記と同じ。〕 で表わされる3−ホルミル−2−ヒドロキシ−5−ニト
ロベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド誘導体
を得る。引き続き一般式(VII)の化合物1モルに対
し、10〜150モル程度のパラホルムアルデヒドをジメチ
ルスルホキシド等の溶媒中、アルカリ金属水酸化物等の
塩基存在下で0〜80℃程度にて1〜20時間程度反応させ
ることにより、一般式(VIII) 〔式中R6及びR7は前記と同じ。〕 で表わされる5−ニトロ−3−ビニルサリチルアルデヒ
ド誘導体、即ち、一般式(IV)においてX=Oの化合物
を得る。
他方、一般式(IV)においてX=Sの化合物を得るに
は、上記で得られる一般式(VIII)の化合物に、たとえ
ば特開昭60−54388号公報に示されるのと同様な手法
で、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロライドを反応
させて一般式(IX) 〔式中R6及びR7は前記と同じ。〕 で表わされる2−O−(N,N−ジメチルチオカルバモイ
ル)ベンズアルデヒド誘導体とし、引き続きこれをメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、50〜100
℃程度にて1〜24時間程度加熱することにより異性化し
て一般式(X) 〔式中R6及びR7は前記と同じ。〕 で表わされる2−S−(N,N−ジメチルチオカルバモイ
ル)ベンズアルデヒド誘導体に導き、これをメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の溶媒中、0〜50
℃程度にて1〜120分程度アルカリ加水分解することに
より製造される。
上記出発物質である一般式(III)の化合物と一般式
(IV)の化合物の製造例を後記参考例1〜9において詳
述する。
上記一般式(III)の四級ベンゾセレナゾリウム塩誘
導体と一般式(IV)の5−ニトロ−3−ビニルサリチル
アルデヒド誘導体又は5−ニトロ−3−ビニルチオサリ
チルアルデヒド誘導体との反応は、これら両者を適当な
溶媒に溶解し、室温〜該溶媒の沸点温度にて、これにア
ミンを加え1〜24時間程度加熱すればよい。一般式(II
I)の化合物は一般式(IV)の化合物1モルに対し0.9〜
1.1モル程度使用するのが好ましい。上記溶媒としては
一般式(III)及び(IV)の化合物を溶解しうるもの、
例えばメタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、ジクロルメタン、ジメチルホル
ムアミド等が好適に使用できる。また、上記アミンとし
てはピペリジン、ピペラジン、モルホリン、トリエチル
アミン、ピリジン、ルチジン、1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノ
ネン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン等が好
適に使用でき、その使用量は一般式(III)の化合物1
モルに対し1〜10倍モル程度とすればよい。
斯くして得られる本発明の一般式(I a)の化合物
は、慣用の分離精製手段に従い、反応混合物から容易に
単離、精製される。
本発明の一般式(I a)のスピロピラン系化合物は、
逆フォトクロミズムを示すので、前記特開昭53−88895
号、特開昭59−227972号、特開昭61−76490号等に記載
されると同様な方法で、それ自体で記録材料、感光材
料、光学フィルター、装飾材料等の材料に利用できる。
また既述の如く、本発明の一般式(I a)の化合物を
単独重合又は他の重合性化合物と共重合させて、高分子
スピロピラン系化合物を製造することができ、光学素子
や力学素子への応用が可能となる。
かかる重合体は、前記一般式(I) 〔式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びXは前記に同
じ。〕 で表わされる構造単位0.001〜100モル%及び一般式 〔式中、Y及びZは前記に同じ。〕 で表わされる構造単位0〜99.999モル%を含むものであ
る。
本発明のベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化
合物重合体はフォトクロミズムを示す化合物である。本
発明の化合物はスピロピラン骨格が高分子鎖に化学結合
で導入されている。その結果安定性が向上するのみな
らず、高分子物質中からの溶出乃至析出という前記従来
の問題が解消され、加えて、本発明の化合物単独でフ
ォトクロミズム性を有するフィルム等の媒体が形成でき
るし、光応答性高分子化合物として構造変化や極性、粘
性、溶解性等の性能を光可逆的に引き出すことが可能と
なる。
その結果、本発明の高分子化合物は、前記特開昭53−
88895号、特開昭59−227972号、特開昭61−76490号公報
に記載の方法と同様にして、高密度光記録材料、光学フ
ィルター、画像形成材料、感光材料、非線型光学素子、
或いは光エネルギーの力学エネルギーへの変換、装飾材
料等の分野での利用ができる化合物である。例えば、本
発明の高分子化合物をガラス等の基盤上に均一塗布する
ことにより光ディスク等の高密度記録媒体が常法に従い
製造できる。
特に、本発明の上記高分子化合物は通常(室温下)発
色しており、可視光の照射により消色し、紫外線照射又
は暗所放置もしくは加熱により元の発色種に戻るという
所謂逆フォトクロミズムを示すという特徴を有してい
る。
また、本発明の上記高分子ベンゾセレナゾリン系ビニ
ルスピロピラン化合物は、一般式(I a)のモノマーに
比べ、消色種(不安定系)が大巾に安定化され、長寿命
であるという特徴を有している。
一般式(II)の構造単位において、Zで示されるアル
コキシカルボニル基のアルコキシ基としては、炭素数1
〜8程度のものが例示できる。
上記一般式(I)の構造単位のうちでも、前記一般式
(I a)の化合物のうちの好ましいものに対応するもの
が好ましい。
また、一般式(II)の構造単位のうちでも、Yが水素
原子又はメチル基を示し、Zが低級アルコキシカルボニ
ル基、シアノ基又はフェニル基であるものが好ましい。
本発明のベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化
合物重合体は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法
(溶媒=テトラヒドロフラン、温度=40℃、ポリスチレ
ン換算)による数平均分子量が1×103〜1×106程度、
好ましくは5×103〜3×105程度であり、同GPC法によ
る重量平均分子量が1×103〜2×106程度、好ましくは
5×103〜5×105程度である。
本発明の重合体は、前記一般式(I)の構造単位のみ
からなる単独重合体であってもよく、また、一般式
(I)の構造単位と一般式(II)の構造単位との共重合
体であってもよい。このような共重合体である場合、一
般式(I)で表わされるスピロピラン構造単位が少なす
ぎると、前記所望のフォトクロミズムが得られないの
で、該スピロピラン構造単位が、該共重合体中に、0.00
1モル%以上、特に0.001〜50モル%程度、好ましくは0.
01〜25モル%程度、より好ましくは0.1〜10モル%程度
存在し、残部が一般式(II)の構造単位であるのがよ
い。
本発明化合物は、前記一般式(I)のスピロピラン構
造単位に対応する前記一般式(I a)で表わされるベン
ゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化合物を単独重合
させるか又は一般式(II)の構造単位に対応する一般式 〔式中、Y及びZは前記と同一の意味を有する。〕で表
わされる重合性ビニルモノマーと共重合させることによ
り製造される。
上記一般式(II a)のビニルモノマーはいずれも公知
のものであり、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、メ
タクリル酸又はアクリル酸のC1−C8アルキルエステル、
アクリロニトリル、アクリル酸アミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等が好適に使用される。
上記単独重合方法及び共重合方法は、通常のビニル樹
脂等の合成反応と同等の方法、条件で行なうことができ
る。例えば、単量体である一般式(I a)の化合物を単
独で又は一般式(II a)の化合物と共に有機溶媒中に溶
解させ、ラジカル重合開始剤の存在下で50〜100℃程度
の温度で撹拌しながら加熱する方法を例示することがで
きる。反応時間は、通常1〜150時間程度とすればよ
い。また、有機溶媒としては、使用する単量対及び生成
重合体に対して不活性なもの、例えばN,N−ジメチルホ
ルムアミド等のアミド系極性有機溶媒、その他ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジ
グライム等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
系溶媒等を使用できる。またラジカル開始剤としては、
通常用いられているものをいずれも用いることができ、
その代表例として、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物、
フェニルマグネシウムブロマイド等のグリニア試薬等を
挙げることができる。
本発明の化合物が一般式(I)の構造単位と一般式
(II)の構造単位とからなる共重合体である場合、共重
合体中の両構造単位の割合(共重合比)は、一般式(I
a)のベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化合物
と一般式(II a)のビニル化合物との仕込比、共重合方
法等により決まるので、予めこれらの要因をパラメータ
ーとしてその関係を求めておけば、所望の共重合比の共
重合体を容易に製造できる。
こうして得られた本発明のビニルスピロベンゾピラン
化合物重合体の単離は、公知慣用の方法を用いて行うこ
とができ、例えば、上記重合反応後の反応液を、メタノ
ール、エーテル等の貧溶媒に滴下すること等により固体
として析出せしめ、該固体を過等の方法で分離するこ
とにより行なうことができる。
このようにして得たベンゾセレナゾリン系ビニルスピ
ロピラン化合物重合体及び原料である一般式(I a)で
表わされるモノマーは共に常温で着色安定化しており、
可視光照射で直ちに消色系(不安定系)へ移行する所謂
逆フォトクロミズムを示すが、本発明のベンゾセレナゾ
リン系ビニルスピロピラン化合物重合体は、一般式(I
a)のモノマーに比べ、消色種(不安定系)が大巾に安
定化され、長寿命化が達成されるという特徴を有してい
る。
実施例 以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにす
る。
第1図及び第2図は、夫々実施例1及び2で得られた
本発明化合物のクロロホルム溶液に可視光照射し、次い
で発色状態が平衡に到達するまでの間、3分毎又は2分
毎に測定した可視吸収スペクトルを示す。
第3図は、実施例3において得られた本発明化合物の
発色状態が平衡に到達した時点での可視吸収スペクトル
を示す。
第1図及び第2図において、夫々、(1)は、可視光
照射により無色透明となった直後から測定を開始して得
られたスペクトルを示し、(2)は発色状態が平衡に達
した時点でのスペクトルを示す。
第4図は、実施例7で得られた本発明重合体のクロロ
ホルム溶液に可視光照射して無色透明にした後、25℃に
放置して発色状態に戻し、その発色状態が平衡に達した
時点での可視吸収スペクトルを示す。
第5図は、実施例9で得られた本発明重合体のフィル
ムの室温における可視吸収スペクトルを示す。第5図に
おいて、それぞれ(1)はフィルム作成時、(2)は可
視光照射直後、(3)は可視光照射後ゆっくり着色が起
こりはじめて最終的に着色濃度の増加が認められなくな
った(消色種の固定化達成)時点でのスペクトルを示
す。
尚、前記一般式(I a)のベンゾセレナゾリン系ビニ
ルスピロピラン化合物(モノマー)の製造例を、参考例
1〜9に示す。
参考例1 5−ニトロサリチルアルデヒド12.0g(71.8mmol)及
びクロルメチルメチルエーテル100mlの混合物を氷浴上
で冷却しながら、これに無水塩化アルミニウム43.9g
(0.33mol)を少量ずつ加え、室温で10分攪拌した後、2
2時間加熱還流した。次に反応液を氷浴で冷却し、これ
に水200mlをよく攪拌しながら加えると、白色の結晶が
析出した。この白色結晶を取出し、熱ヘキサンに溶解さ
せて過した後、母液を冷却することにより、3−クロ
ロメチル−5−ニトロサリチルアルデヒドが無色針状晶
として14.9g得られた(収率72%)。1 H−NMR(CDCl3);δppm 4.72(s,2H,−CH2Cl) 8.56(s,2H,ArH) 10.00(s,1H,CHO) 12.10(s,1H,OH) 参考例2 3−クロロメチル−5−ニトロサリチルアルデヒド4.
53g(20.9mmol)とトリフェニルホスフィン5.48g(20.9
mmol)を、ベンゼン30mlに溶解し8時間加熱還流させ
た。反応後、析出した沈殿を別して単離し、これをア
セトンで十分洗浄した後乾燥させると、3−ホルミル−
2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルトリフェニルホス
ホニウムクロライドが黄色粉末として8.63g得られた
(収率86%)。
融点:212〜216℃ IR:1510,1430,1330,1280cm-1 参考例3 パラホルムアルデヒド50.1g(1.67mol)を水60mlに加
熱溶解し、これに3−ホルミル−2−ヒドロキシ−5−
ニトロベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド7.
04g(14.7mmol)をジメチルスルホキシド100mlに溶解さ
せて加え、均一溶液とした。次に室温下でこれに12N水
酸化ナトリウム水溶液をゆっくり加え11時間反応させ
た。反応液に水260mlを加え、析出したトリフェニルホ
スフィンオキシドの結晶を別し、液を希塩酸で中和
した後、エーテルで抽出した。抽出液を濃縮し、残渣を
クロロホルムを用いて再結晶することにより、5−ニト
ロ−3−ビニルサリチルアルデヒドが黄色結晶として1.
23g得られた(収率43%)。
融点:144.5〜145.5℃ NMR(CDCl3);δppm 5.5(d,1H,ビニル) 6.0(d,1H,ビニル) 7.0(dd,1H,ビニル) 8.5(m,2H,Ar−H) 10.0(s,1H,−CHO) 12.1(s,1H,OH) 参考例4 封管中に2−メチルベンゾセレナゾール3.92g(20.0m
mol)、パラトルエンスルホン酸メチル3.87g(20.8mmo
l)及びクロロホルム20mlを入れて均一溶液とし、100℃
で2日間加熱した。反応液を濃縮し、残渣をエーテルで
洗浄した後減圧乾燥して、2,3−ジメチルベンゾセレナ
ゾリウムパラトルエンスルホネートを紫色粉末として7.
26g得た(収率95%)。
NMR(D2O);δppm 2.4(s,3H,CH3−Ar) 4.2(s,3H,CH3−N) 7.2−8.2(m,8H,Ar−H) 参考例5 封管中に2,5−ジメチルベンゾセレナゾール4.20g(2
0.0mmol)、パラトルエンスルホン酸メチル3.90g(21.0
mmol)及びクロロホルム20mlを入れ、参考例4と同様に
して反応と処理を行なうことにより、3,3,5−トリメチ
ルベンズセレナゾリウムパラトルエンスルホネートを桃
色粉末として7.62g得た(収率96%)。
NMR(D2O);δppm 2.2(s,3H,CH3−Ar) 3.2(s,3H,CH3−N) 7.1−8.1(m,7H,Ar−H) 参考例6 封管中に5−メトキシ−2−メチルベンゾセレナゾー
ル2.26g(10.0mmol)、パラトルエンスルホン酸メチル
1.93g(10.4mmol)及びクロロホルム10mlを入れ、参考
例4と同様にして反応と処理を行うことにより、5−メ
トキシ−2,3−ジメチルベンゾセレナゾリウムパラトル
エンスルホネートを紫色粉末として4.07g得た(収率99
%)。
NMR(D2O);δppm 2.4(s,3H,CH3−Ar) 4.0(s,3H,CH3O) 4.1(s,3H,CH3−N) 7.2−8.1(m,7H,Ar−H) 参考例7 内部を窒素で置換した封管中に2−メチルベンゾセレ
ナゾール1.50g(7.4mmol)、パラクロルベンゼンスルホ
ン酸オクタデシル3.34g(7.5mmol)を入れ、130℃で5
時間加熱した。生じた赤紫色固体をエーテルで洗浄した
後、n−プロパノールで再結晶すると2−メチル−3−
オクタデシルベンゾセレナゾリウムパラクロルベンゼン
スルホネートが赤紫色粉体として2.40g得られた(収率5
0.5%)。
NMR(DMSO−d6);δppm 0.8(t,3H,CH3−) 1.2(s,28H,CH2 14) 1.4(bs,2H,−CH2−) 1.8(bs,2H,−CH2−) 4.6(t,2H,−CH2−N) 7.2−8.3(m,8H,Ar−H) 参考例8 内部を窒素で置換した封管中に2,5−ジメチルベンゾ
セレナゾール1.50g(7.14mmol)とパラクロルベンゼン
スルホン酸オクタデシル3.50g(7.85mmol)を入れ130℃
で3時間加熱した。生じた赤色固体をエーテルで洗浄し
た後減圧乾燥して、2,5−ジメチル−3−オクタデシル
ベンゾセレナゾリウムパラクロロベンゼンスルホネート
を薄茶色粉体として2.69g得た(収率57.4%)。
NMR(DMSO−d6);δppm 0.8(t,3H,CH3−) 1.2(s,28H,CH2 14) 1.4(bs,2H,−CH2−) 1.8(bs,2H,−CH2−) 2.5(s,3H,CH3−Ar) 4.6(t,2H,−CH2−N) 7.3−8.3(m,7H,Ar−H) 参考例9 内部を窒素で置換した封管中に5−メトキシ−2−メ
チルベンゾセレナゾール0.50g(2.17mmol)とパラクロ
ロベンゼンスルホン酸オクタデシル1.06g(2.39mmol)
を入れて130℃で4時間加熱した。生じた赤紫色固体を
エーテルで洗浄した後減圧乾燥すると5−メトキシ−2
−メチル−3−オクタデシルベンゾセレナゾリウムパラ
クロロベンゼンスルホネートが赤紫色粉体として0.72g
得られた(収率49.3%)。
NMR(DMSO−d6);δppm 0.8(t,3H,CH3−) 1.2(s,28H,CH2 14) 1.4(bs,2H,−CH2−) 1.8(bs,2H,−CH2−) 3.9(s,3H,CH3O) 4.6(t,2H,−CH2−N) 7.3−8.3(m,7H,Ar−H) 実施例1 窒素で置換した反応容器に、5−ニトロ−3−ビニル
サリチルアルデヒド386mg(2.00mmol)、2,3−ジメチル
ベンゾセレナゾリウムパラトルエンスルホネート772mg
(2.02mmol)及びメタノール10mlを加え均一溶液とし
た。これに、ピペリジン170mg(2.00mmol)をメタノー
ル5mlに溶かした溶液を加え24時間加熱還流した。反応
液を室温まで冷却し、生じた沈殿を遠心分離によって単
離し、メタノールで洗浄した後真空乾燥することによ
り、3−メチル−6′−ニトロ−8′−ビニルスピロ
〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′H)−1′−ベン
ゾピラン〕を黒緑色粉末として603mg得た(収率78
%)。
IR(KBr)1510,1330cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6);δppm 4.14(s,3H,CH3−N) 5.19(dd,1H,ビニル) 6.01(dd,1H,ビニル) 6.95(dd,1H,ビニル) 7.61(t,1H,6−H) 7.74(t,1H,5−H) 8.04(d,1H,5′又は7′−H) 8.08(d,1H,7−H) 8.21(d,1H,4′−H) 8.34(d,1H,4−H) 8.52(d,1H,7′又は5′−H) 8.69(d,1H,3′−H) MS(EI,70ev):385(M+) 本実施例1で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り上記化合物26mgを溶解さ
せてなる該化合物のクロロホルム溶液は、室温で濃青色
透明であり、598nmに極大吸収を有していた。この溶液
に、500nm以上の可視光を透過させるカットオフフィル
ターを装着した500w超高圧水銀灯を用いて可視光照射を
2分間したところ、先の極大吸収ピークは消失し、無色
透明溶液となった。この溶液は25℃に保つと1分後には
すでに青色を呈し、1時間以内に再び濃青色を呈した。
着色する過程を可視光照射直後から3分毎に1時間程度
測定して発色状態が平衡に到達するまでの可視吸収スペ
クトルを第1図に示す。消色種の半減期は、25℃におい
て30秒以内程度であり、該化合物の分子吸光係数は、極
大吸収波長においてε=11000であった。
一方、上記溶液を0℃に保ち、上記と同様の可視光を
1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度において
極めて安定であり、12時間経過後も全く着色は認められ
ず、無色状態を維持していた。この無色溶液に、0℃
で、350nm付近の紫外光を透過させるカットオフフィル
ターを装着した500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外光
を照射したところ、再び濃青色透明に変化した。更に、
上記の可視光による消色、紫外光による発色のサイクル
を100回繰返したところ、発色状態における吸光度はそ
の間全く低下することなく、該サイクルは再現性をもっ
て繰返すことができた。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を、
0℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液と
し、次いで25℃にて30分間保持すると、もとの濃青色透
明に戻った。これを1サイクルとする。このサイクル
は、少なくとも30回は再現性をもって繰返すことがで
き、その間、発色状態における吸光度の低下は全く認め
られず、さらに該サイクルを多数回繰り返すことができ
る状態であった。
実施例2 窒素で置換した反応容器に、5−ニトロ−3−ビニル
サリチルアルデヒド579mg(3.0mmol)、2,3,5−トリメ
チルベンゾセレナゾリウムパラトルエンスルホネート1.
20g(3.03mmol)及びメタノール20mlを加え均一溶液と
した。これに、ピペリジン280mg(3.03mmol)をメタノ
ール5mlに溶かした液を加え,24時間加熱還流した。次に
実施例1と同様な方法で処理することにより、3,5−ジ
メチル−6′−ニトロ−8′−ビニルスピロ〔ベンゾセ
レナゾリン−2,2′(2′H)−1′−ベンゾピラン〕
を黒緑色粉末として962mg得た(収率80%)。
IR(KBr)1510,1330cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6);δppm 2.49(s,3H,CH3−Ar) 4.09(s,3H,CH3−N) 5.16(dd,1H,ビニル) 5.97(dd,1H,ビニル) 6.91(dd,1H,ビニル) 7.41(d,1H,6−H) 7.91(s,1H,4−H) 8.00(d,1H,5′又は7′−H) 8.15(d,1H,3′又は4′−H) 8.16(d,1H,7−H) 8.47(d,1H,7′又は5′−H) 8.65(d,1H,4′又は3′−H) MS(EI,70ev):399(M+) 本実施例2で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り上記化合物27.6mgを溶解
させてなる該化合物のクロロホルム溶液は、室温で濃青
色透明であり、601nmに極大吸収を有していた。この溶
液に実施例1と同様にして可視光照射したところ、先の
極大吸収ピークは消失し、無色透明溶液となった。この
溶液は26℃において徐々に着色して行き、同温度に約1
時間保つと再び濃青色を呈した。着色する過程を可視光
照射直後から2分毎に約1時間測定して発色状態が平衡
に到達するまでの可視吸収スペクトルを第2図に示す。
この結果から本発明の化合物は、逆フォトクロミズム
を示し、26℃において消色種の半減期は1.7分であり、
λmax=610nmであり、この波長における分子吸光係数は
ε=29000であった。
一方、上記溶液を0℃に保ち、実施例1と同様の可視
光を1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度にお
いて極めて安定であり、12時間経過後も全く着色は認め
られず、無色状態を維持していた。この無色溶液に、0
℃で、350nm付近の紫外光を透過させるカットオフフィ
ルターを装着した500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外
光を照射したところ、再び濃青色透明に変化した。更
に、上記の可視光による消色、紫外光による発色のサイ
クルを100回繰返したところ、発色状態における吸光度
はその間全く低下することなく、該サイクルは再現性を
もって繰返すことができた。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を、
0℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液と
し、次いで25℃にて30分間保持すると、もとの濃青色透
明に戻った。これを1サイクルとする。このサイクル
は、少なくとも30回は再現性をもって繰返すことがで
き、その間、発色状態における吸光度の低下は全く認め
られず、さらに該サイクルを多数回繰り返すことができ
る状態であった。
実施例3 窒素で置換した反応容器に、5−ニトロ−3−ビニル
サリチルアルデヒド386mg(2.00mmol)、5−メトキシ
−2,3−ジメチルベンゾセレナゾリウムパラトルエンス
ルホネート832mg(2.02mmol)及びメタノール10mlを加
え均一溶液とした。これに、ピペリジン300mg(2.8mmo
l)をメタノール5mlに溶かした液を加え、21時間加熱還
流した。次に実施例1と同様な方法で処理することによ
り、5−メトキシ−3−メチル−6′−ニトロ−8′−
ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′H)
−1′−ベンゾピラン〕を黒緑色粉末として582mg得た
(収率70%)。
IR(KBr)1510,1330cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6);δppm 3.91(s,3H,CH3O) 4.09(s,3H,CH3−N) 5.15(dd,1H,ビニル) 5.96(dd,1H,ビニル) 6.91(dd,1H,ビニル) 7.20(dd,1H,6−H) 7.55(d,1H,4−H) 7.98(d,1H,7′−H) 8.11(d,1H,3′又は4′−H) 8.15(d,1H,7−H) 8.44(d,1H,7′又は5′−H) 8.64(d,1H,4′又は3′−H) 本実施例3で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り上記化合物21.2mgを溶解
してなる該化合物のクロロホルム溶液は、室温で濃青色
透明であり、606nmに極大吸収を有していた。この溶液
に実施例1と同様にして可視光照射したところ、先の極
大吸収ピークは消失し、無色透明溶液となった。この溶
液は25℃において徐々に着色して行き、同温度に約1時
間保つと再び濃青色を呈した。発色状態が平衡に到達し
た場合の可視吸収スペクトルを第3図に示す。
この結果から本発明の化合物は、逆フォトクロミズム
を示し、25℃における消色種の半減期は2.9分であり、
λmax=606nmであり、この波長における分子吸収係数は
λ=28000であった。
一方、上記溶液を0℃に保ち、実施例1と同様の可視
光を1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度にお
いて極めて安定であり、12時間経過後も全く着色は認め
られず、無色状態を維持していた。この無色溶液に、0
℃で、350nm付近の紫外光を透過させるカットオフフィ
ルターを装着した500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外
光を照射したところ、再び濃青色透明に変化した。更
に、上記の可視光による消色、紫外光による発色のサイ
クルを100回繰返したところ、発色状態における吸光度
はその間全く低下することなく、該サイクルは再現性を
もって繰返すことができた。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を、
0℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液と
し、次いで25℃にて30分間保持すると、もとの濃青色透
明に戻った。これを1サイクルとする。このサイクル
は、少なくとも30回は再現性をもって繰返すことがで
き、その間、発色状態における吸光度の低下は全く認め
られず、さらに該サイクルを多数回繰り返すことができ
る状態であった。
実施例4 窒素で置換した反応容器に5−ニトロ−3−ビニルサ
リチルアルデヒド0.45g(2.33mmol)、2−メチル−3
−オクタデシルベンゾセレナゾリウムパラクロロベンゼ
ンスルホネート1.50g(2.33mmol)及びメタノール45ml
を加え、均一溶液とした。これに、ピペリジン0.21g
(2.44mmol)をメタノール7mlに溶解させた液を加え、
6時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、生じた
沈殿を別し、メタノールで洗浄した後真空乾燥するこ
とにより、6′−ニトロ−3−オクタデシル−8′−ビ
ニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′H)−
1′−ベンゾピラン〕が暗褐色粉末として1.28g得られ
た(収率88.4%)。
IR(KBr)1505,1300cm-1 1 H−NMR(CDCl3);δppm 0.87(t,3H,CH3) 1.24(s,28H,CH2 14) 1.50(m,2H,−CH2−) 1.90(m,2H,−CH2−) 4.43(t,2H,−CH2−N) 5.26(dd,1H,ビニル) 5.85(dd,1H,ビニル) 7.04(dd,1H,ビニル) 7.45〜7.67(m,4H,4−H,5−H,6−H,7−H,4′−H) 7.84(d,1H,4−H) 8.01(d,1H,5′−H又は7′−H) 8.05(d,1H,7′−H又は5′−H) 8.81(bs,1H,3′−H) MS(FD,18mA)M/Z=624 本実施例4で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り30mgを溶解させてなる該
化合物のクロロホルム溶液は、室温で濃青色透明であ
り、598nmに極大吸収を有していた。この溶液に、500nm
以上の可視光を透過させるカットオフフィルターを装着
した500w超高圧水銀灯を用いて1分間可視光照射したと
ころ、先の極大吸収ピークは消失し、無色透明溶液とな
った。この溶液は23℃に保つと、1分後にはすでに青色
を呈し、1時間以内に再び濃青色を呈した。該化合物の
分子吸光係数は、極大波長においてε=29900であっ
た。
一方、上記溶液を0℃に保ち、上記と同様の可視光を
1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度において
極めて安定であったが、この無色溶液に0℃で350nm付
近の紫外光を透過させるカットオフフィルターを装着し
た500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外光を照射したと
ころ、再び濃青色に変化した。更に、上記の可視光によ
る消色、紫外光による発色のサイクルを100回繰返した
ところ、発色状態における吸光度はその間全く低下する
ことなく、該サイクルは再現性をもって繰返すことがで
きた。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を0
℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液とし、
次いで25℃にて30分間保持するともとの濃青色透明に戻
った。これを1サイクルとする繰返しは少なくとも30回
は再現性をもって行うことができ、その間発色状態にお
ける吸光度の低下は全く認められず、更に該サイクルを
多数回繰返すことができる状態であった。
実施例5 窒素で置換した反応容器に、5−ニトロ−3−ビニル
サリチルアルデヒド1.70g(2.60mmol)、2,5−ジメチル
−3−オクタデシルベンゾセレナゾリウムパラクロロベ
ンゼンスルホネート0.50g(2.60mmol)及びメタノール5
0mlを加え均一溶液とした。これに、ピペリジン0.24g
(2.80mmol)をメタノール10mlに溶解した液を加え、3
時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、生じた沈
殿を別し、メタノールで洗浄した後真空乾燥すること
により、6′−ニトロ−5−メチル−3−オクタデシル
−8′−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′
(2′H)−1′−ベンゾピラン〕を暗褐色粉末として
1.04g得た(収率62.6%)。
IR(KBr)1524,1306cm-1 1 H−NMR(CDCl3);δppm 0.87(t,3H,CH3−) 1.24(s,28H,CH2 14) 1.46(m,2H,−CH2−) 1.89(m,2H,−CH2−) 2.53(s,3H,CH3−Ar) 4.38(t,2H,−CH2−N) 5.27(dd,1H,ビニル) 5.86(dd,1H,ビニル) 7.04(dd,1H,ビニル) 7.21(s,1H,4−H) 7.27(d,1H,6−H) 7.55(d,1H,4′−H) 7.67(d,1H,7−H) 7.94(d,1H,5′又は7′−H) 7.98(d,1H,7′又は5′−H) 8.78(d,1H,3′−H) 本実施例5で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り30mgを溶解させてなる該
化合物のクロロホルム溶液は室温で濃青色透明であり、
595nmに極大吸収を有していた。この溶液に、500nm以上
の可視光を透過させるカットオフフィルターを装着した
500w超高圧水銀灯を用いて1分間可視光照射したとこ
ろ、先の極大吸収ピークは消失し、無色透明溶液となっ
た。この溶液は23℃に保つと、1分後にはすでに青色を
呈し、1時間以内に再び濃青色を示した。該化合物の分
子吸光係数は、極大波長においてε=35600であった。
一方、上記溶液を0℃に保ち、上記と同様の可視光を
1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度において
極めて安定であったが、この無色溶液に0℃で350nm付
近の紫外光を透過させるカットオフフィルターを装着し
た500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外光を照射したと
ころ、再び濃青色に変化した。更に、上記の可視光によ
る消色、紫外光による発色のサイクルを100回繰返した
ところ、発色状態における吸光度はその間全く低下する
ことなく該サイクルは再現性をもって繰返すことができ
た。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を0
℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液とし、
次いで25℃にて30分間保持するともとの濃青色透明に戻
った。これを1サイクルとする繰返しは少なくとも30回
は再現性をもって行うことができ、その間発色状態にお
ける吸光度の低下は全く認められず、更に該サイクルを
多数回繰返すことができる状態であった。
実施例6 窒素で置換した反応容器に、5−ニトロ−3−ビニル
サリチルアルデヒド112mg(0.58mmol)、5−メトキシ
−2−メチル−3−オクタデシルベンゾセレナゾリウム
パラクロロベンゼンスルホネート389mg(0.58mmol)及
びメタノール12mlを加え均一溶液にした。これに、ピペ
リジン55.4mg(0.64mmol)をメタノール3mlに溶解した
液を加え、4時間加熱還流した。次に反応液を室温まで
冷却し、生じた沈殿を別した後真空乾燥することによ
り、6′−ニトロ−5−メトキシ−3−オクタデシル−
8′−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′
(2′H)−1′−ベンゾピラン〕が黒色粉末として28
6mg得た(収率75.7%)。
IR(KBr)1524,1319cm-1 1 H−NMR(CDCl3);δppm 0.87(t,3H,CH3) 1.24(s,28H,CH2 14) 1.47(m,2H,−CH2−) 1.91(m,2H,−CH2−) 3.93(s,3H,CH3O) 5.27(dd,1H,ビニル) 5.87(dd,1H,ビニル) 6.93(dd,1H,ビニル) 7.06(m,2H,4−H,6−H) 7.60(d,1H,4′−H) 7.79(d,1H,7−H) 8.01(d,1H,5′−H又は7′−H) 8.03(d,1H,7′−H又は5′−H) 8.78(bs,1H,3′−H) 本実施例6で得た化合物のフォトクロミック特性を測
定した。クロロホルム1当り30mgを溶解させてなる該
化合物のクロロホルム溶液は、室温で濃青色透明であ
り、600nmに極大吸収を有していた。この溶液に、500nm
以上の可視光を透過させるカットオフフィルターを装着
した500w超高圧水銀灯を用いて1分間可視光照射したと
ころ、先の極大吸収ピークは消失し、無色透明溶液とな
った。この溶液は23℃に保つと、1分後にはすでに青色
を呈し、1時間以内に再び濃青色を示した。該化合物の
分子吸光係数は、極大波長においてε=27000であっ
た。
一方、上記溶液を0℃に保ち、上記と同様の可視光を
1分間照射して得た無色透明溶液は、この温度において
極めて安定であったが、この無色溶液に0℃で350nm付
近の紫外光を透過させるカットオフフィルターを装着し
た500w超高圧水銀灯を用いて1分間紫外光を照射したと
ころ、再び濃青色に変化した。更に上記の可視光による
消色、紫外光による発色のサイクルを100回繰返したと
ころ、発色状態における吸光度はその間全く低下するこ
となく該サイクルは再現性をもって繰返すことができ
た。
また、上記室温で濃青色透明のクロロホルム溶液を0
℃にて上記と同様に可視光照射して無色透明溶液とし、
次いで25℃にて30分間保持するともとの濃青色透明に戻
った。これを1サイクルとする繰返しは少なくとも30回
は再現性をもって行うことができ、その間発色状態にお
ける吸光度の低下は全く認められず、更に該サイクルを
多数回繰返すことができる状態であった。
実施例7 実施例2で得た3,5−ジメチル−6′−ニトロ−8′
−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′
H)−1′−ベンゾピラン〕240mg(0.6mmol)を、窒素
気流下で蒸留したN,N−ジメチルホルムアミドに溶解さ
せ、これに乾燥したメタクリル酸メチル2.7g(27mmol)
を加えた。これに重合開始剤としてα,α′−アゾビス
イソブチロニトリル10mg(0.06mmol)を加え、窒素雰囲
気下に60℃で97時間重合反応を行なった。反応後の溶液
をメタノール500mlに滴下すると紫色固体が析出した。
これを遠心分離して単離し、ベンゼン40mlに溶かして再
びメタノール500ml中に滴下した。析出物を遠心分離し
て取出し、減圧下で乾燥させて、紫色粉末状重合体を31
2mg得た。
下記分析結果から、得られた重合物は、一般式(I
a)の原料スピロピラン体とメタクリル酸メチルとの共
重合体であることを確認した。即ち、このものは、IR分
析の結果、強いエステル性カルボニル基の吸収(1729cm
-1)の他にニトロ基に由来する吸収(1542、1400cm-1
を有していた。またGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラ
ン、温度40℃、ポリスチレン換算)の結果、ほぼ単一ピ
ークを示し、数平均分子量Mn=1.10×104、重量平均分
子量Mw=1.25×104であった。また、原料スピロピラン
モノマーのクロロホルム中における分子吸光係数(ε)
は29,000であり、上記重合体のそれは15,000であった。
同溶媒中におけるモノマーとポリマーのそれぞれのスピ
ロピランユニットの分子吸光係数が等しいと仮定する
と、該共重合体中の一般式(I)で表わされるスピロピ
ランユニットの含量は21モル%であった。
この重合体1.1mgをクロロホルム50mlに溶かした溶液
は、室温で濃青色透明であり、599nmに極大吸収を有し
ていた。この溶液に、500nm以上の可視光を透過させる
カットオフフィルターを装着した500w超高圧水銀灯を用
いて可視光照射したところ、先に極大吸収ピークは消失
し、無色透明溶液となった。この溶液は25℃に約1時間
保つと再び濃青色を呈した。発色状態が平衡に到達した
時点での可視吸収スペクトルを第4図に示した。
実施例8 実施例2で得た3,5−ジメチル−6′−ニトロ−8′
−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′
H)−1′−ベンゾピラン〕117mg(0.29mmol)を、窒
素気流下で蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド40mlに
溶解させ、これに乾燥したメタクリル酸メチル6.3g(6
3.0mmol)を加えた。これに重合開始剤としてα,α′
−アゾビスイソブチロニトリル37mg(0.23mmol)を加
え、窒素雰囲気下、60℃で94時間重合させた。反応後の
溶液をメタノール700mlに滴下すると、紫色固体が析出
した。これを遠心分離して単離し、ベンゼン40mlに溶か
して再びメタノール500ml中に滴下した。析出物を遠心
分離して取出し、減圧下で乾燥して、紫色粉末状重合体
を3.20g得た。
下記分析結果から、得られた重合物は、一般式(I
a)の原料スピロピラン体とメタクリル酸メチルとの共
重合体であることを確認した。即ち、このものは、IR分
析の結果、強いエステル性カルボニル基の吸収(1730cm
-1)の他にニトロ基に由来する吸収(1390cm-1)を有し
ていた。またGPC測定の結果、ほぼ単一ピークを示し、
数平均分子量Mn=3.0×104、重量平均分子量Mw=5.7×1
04であった。また、元素分析値は、C58.86%、H7.78
%、N0.51%であり、この結果から該共重合体中の一般
式(I)で表わされるスピロピランユニットの含量は0.
02モル%であった。
このポリマー50mgをベンゼン1mlに溶解し石英板上に
キャストして紫色の薄膜を得た。このものは初め574nm
に極大吸収を有していたが、500nm以上の可視光を透過
させるカットオフフィルターを装着した500w超高圧水銀
灯を用いて可視光照射したところ、先の極大吸収ピーク
は消失し、無色透明フィルムとなった。この無色フィル
ムは室温(23℃)で徐々に紫色に着色してきたが完全に
着色することはなく、消色種固定化率54%で安定に固定
化されて半消色状態を維持した。
このフィルムは紫外光照射により着色種になり、再度
可視光照射で無色(消色種)に移行し、引き続き23℃に
放置すると54%の消色種固定化率で半消色状態を維持す
るサイクルが繰返し行なえた。
但し、ここで用いる消色種固定化率は下式のように定
義されるものである(以下の実施例でも同じ)。
ここで、「固定化時吸光度」とは、試験する試料にも
よるが、可視光照射から通常約24時間程度経過後に、吸
光度の増加が実質的に認められなくなった状態での極大
吸収波長での吸光度を指す。また、「消色時吸光度」と
は、可視光を照射して消色させた直後の上記極大吸収波
長での吸光度を指す。
実施例9 実施例1で得た3−メチル−6′−ニトロ−8′−ビ
ニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,2′(2′H)−
1′−ベンゾピラン〕103mg(0.27mmol)を、窒素気流
下で蒸留したN,N′−ジメチルホルムアミド40mlに溶解
させ、これに乾燥したメタクリル酸メチル5.8g(58.0mm
ol)を加えた。さらにこれにα,α′−アゾビスイソブ
チロニトリル40mg(0.24mmol)を加え、窒素雰囲気下60
℃で94時間重合させた。実施例8と同様に後処理をして
紫色粉末状重合体を2.92g得た。
下記分析結果から、得られた重合体は一般式(I a)
のスピロピラン体とメタクリル酸メチルとの共重合体で
あると確認した。即ち、IR分析の結果、強いエステル性
カルボニル基の吸収(1730cm-1)の他にニトロ基に由来
する吸収(1390cm-1)を有していた。GPC測定の結果は
ほぼ単一ピークを示し、数平均分子量Mn=2.8×104、重
量平均分子量Mw=4.5×104であった。また元素分析値
は、C59.14%、H7.83%、N0.36%であり、この結果から
該共重合体中の一般式(I)で表わされるスピロピラン
ユニットの含量は0.01モル%であった。
実施例8と同様にして調製して紫色の薄膜を得た。こ
のものは初め574nmに極大吸収を有していたが実施例8
と同様にして500nm以上の可視光を照射したところ、先
の極大吸収ピークは消失し無色透明フィルムとなった。
この無色フィルムは室温で徐々に紫色に着色してきたが
完全に着色することはなく、消色種固定化率47%で安定
に固定化されて半消色状態を維持した。このことを示す
可視吸収スペクトルを第5図に示す。このフィルムは紫
外光照射により着色種になり再度可視光照射で無色(消
色種)に移行し引続き24℃に放置すると47%の消色種固
定化率で半消色状態を維持するサイクルが繰返し行え
た。
実施例10 実施例3で得た5−メトキシ−3−メチル−6′−ニ
トロ−8′−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン−2,
2′(2′H)−1′−ベンゾピラン〕100mg(0.24mmo
l)を用いたほかは実施例9と同様にして反応及び後処
理を行った結果、紫色粉末状重合体を1.81g得た。
下記分析結果から、得られた重合体は一般式(I a)
の原料スピロピラン体とメタクリル酸メチルとの共重合
体であると確認した。即ち、このものはIR分析の結果、
強いエステル性カルボニルの吸収(1731cm-1)の他にニ
トロ基に由来する吸収(1389cm-1)を有していた。また
GPC測定の結果ほぼ単一ピークを示し、数平均分子量Mn
=2.6×104、重量平均分子量Mw=4.5×104であった。ま
た元素分析値は、C58.85%、H7.74%、N0.45%であり、
この結果から該共重合体中の一般式(I)で表わされる
スピロピランユニットの含量は0.02モル%であった。
この重合体を実施例8と同様な方法で紫色薄膜とし
た。このものは初め577nmに極大吸収を有していたが、
実施例8と同様にして500nm以上の可視光を照射したと
ころ先の極大吸収ピークは消失し無色透明フィルムとな
った。この無色フィルムは室温で徐々に紫色に着色して
きたが完全に着色することはなく、消色種固定化率65%
で安定に固定化されて半消色状態を維持した。このフィ
ルムは、紫外光照射により着色種になり、再度可視光照
射で無色(消色種)に移行し、引続き24℃に放置すると
65%の消色種固定化率で半消色状態を維持するサイクル
が繰返し行えた。
実施例11 実施例6で得た5−メトキシ−6′−ニトロ−3−オ
クタデシル−8′−ビニルスピロ〔ベンゾセレナゾリン
−2,2′(2′H)−1′−ベンゾピラン〕32mg(0.049
mmol)を乾燥トルエン8mlに溶解し、これに乾燥したメ
タクリル酸メチル1.0g(10.0mmol)及びα,α′−アゾ
ビスイソブチロニトリル6.9mg(0.041mmol)を加え、窒
素雰囲気下、80℃で72時間加熱した。反応混合物を約半
量まで減圧下で濃縮した後、メタノール100ml中に投入
し、析出した沈殿物を遠心分離により取り出し、乾燥す
ることにより薄茶色粉末状重合体を151mg得た。
下記分析結果から、得られた重合体は、一般式(I
a)の原料スピロピラン体とメタクリル酸メチルとの共
重合体であると確認した。即ち、このものはIR分析の結
果、強いエステル性カルボニル基の吸収(1730cm-1)の
他にニトロ基に由来する吸収(1395cm-1)を有してい
た。またGPC測定の結果ほぼ単一ピークを示し、数平均
分子量Mn=2.1×104、重量平均分子量Mw=3.2×104であ
った。原料スピロピランモノマーのクロロホルム中での
モル吸光係数は31000であり上記重合体のそれは5000で
あった。同溶媒中におけるモノマーとポリマーのそれぞ
れのスピロピランユニットの分子吸光係数が等しいと仮
定すると、該共重合体中の一般式(I)で表わされるス
ピロピランユニットの含量は0.07モル%であった。
この重合体2.3mgをクロロホルム10mlに溶かした液は
室温で濃青色透明であり590nmに極大吸収を有してい
た。この溶液に500nm以上の可視光を照射したところ先
の極大吸収ピークは消失し無色透明溶液となった。この
溶液は25℃で約1時間保つと再び濃青色を呈した。
実施例12 実施例3で得た5−メトキシ−3−メチル−6′−ニ
トロ−8′−ビニルスピロ〔ベンゼセレナゾリン−2,
2′(2′H)−1′−ベンゾピラン〕150mg(0.36mmo
l)を、窒素気流下で蒸留したN,N−ジメチルホルムアミ
ド10mlに溶解させ、これにα,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル42mg(0.25mmol)を加え80℃で72時間重合反
応を行なった。反応後に得られた溶液をメタノール250m
lに滴下すると紫色沈殿が析出した。このものを遠心分
離して単離し、乾燥させて31mgの重合体を得た。
このものはIR分析の結果、ビニル基に由来すると考え
られる吸収(1590cm-1)が消失したこと及びGPC測定の
結果は単一ピークを与え数平均分子量Mn=1.60×103
重量平均分子量Mw=1.97×103であったこと、並びに元
素分析値が、C54.71%、H3.98%、N7.01%であったこと
から原料スピロピラン体の単独重合体と確認した。
このポリマーのDMF溶液は室温で紫色に着色してお
り、初め568nmに極大吸収を有していたが、実施例8と
同様にして可視光を照射したところ先の極大吸収は消失
し、無色の溶液となった。この溶液は室温下に放置する
とゆっくり紫色に着色した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 1/685 B41M 5/26 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 517/10 C08F 30/00 C08F 130/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル
    基を示す。R2、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水
    素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラ
    ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原
    子、シアノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチ
    ル基又はニトロ基を示す。R6及びR7は、同一又は異なっ
    て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ
    基を示す。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。] で表わされるベンゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン
    化合物。
  2. 【請求項2】R1が炭素数1〜20のアルキル基であり、
    R2、R3、R4及びR5が同一又は異なって水素原子、メチル
    基、エチル基、フェニル基、メトキシフェニル基、メト
    キシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原
    子、シアノ基又はニトロ基であり、R6及びR7が同一又は
    異なって水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基又
    はナフチル基であり、Xが酸素原子である請求の範囲第
    1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が炭素数1〜18のアルキル基であり、
    R2、R5、R6及びR7が水素原子であり、R3及びR4が同一又
    は異なって水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭
    素数1〜5のアルコキシ基であり、Xが酸素原子である
    請求の範囲第1項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R1がメチル基又はオクタデシル基であり、
    R2、R3、R5、R6及びR7が水素原子であり、R4が水素原
    子、メチル基又はメトキシ基であり、Xが酸素原子であ
    る請求の範囲第1項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】(a)一般式 [式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基又はアラルキル
    基を示す。R2、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水
    素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラ
    ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原
    子、シアノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチ
    ル基又はニトロ基を示す。R6及びR7は、同一又は異なっ
    て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ
    基を示す。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。] で表わされる構造単位0.001〜100モル%及び (b)一般式 [式中、Yは水素原子又はメチル基を示し、Zはカルボ
    キシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバ
    モイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、アセトキシ
    基、フェニル基又はメチルフェニル基を示す。] で表される構造単位0〜99.999モル%を含み、 ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法(溶媒=テトラ
    ヒドロフラン、温度=40℃、ポリスチレン換算)による
    数平均分子量が1×103〜1×106であり、同GPC法によ
    る重量平均分子量が1×103〜2×106である高分子ベン
    ゾセレナゾリン系ビニルスピロピラン化合物。
  6. 【請求項6】一般式(I)の構造単位において、R1が炭
    素数1〜20のアルキル基であり、R2、R3、R4及びR5が同
    一又は異なって水素原子、メチル基、エチル基、フェニ
    ル基、メトキシフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、
    フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はニトロ
    基であり、R6及びR7が同一又は異なって水素原子、メチ
    ル基、エチル基、フェニル基又はナフチル基であり、X
    が酸素原子である請求の範囲第5項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】一般式(I)の構造単位において、R1が炭
    素数1〜18のアルキル基であり、R2、R5、R6及びR7が水
    素原子であり、R3及びR4が同一又は異なって水素原子、
    炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキ
    シ基であり、Xが酸素原子である請求の範囲第5項に記
    載の化合物。
  8. 【請求項8】一般式(I)の構造単位において、R1がメ
    チル基又はオクタデシル基であり、R2、R3、R5、R6及び
    R7が水素原子であり、R4が水素原子、メチル基又はメト
    キシ基であり、Xが酸素原子である請求の範囲第5項に
    記載の化合物。
  9. 【請求項9】一般式(II)の構造単位において、Yが水
    素原子又はメチル基であり、Zが低級アルコキシカルボ
    ニル基、シアノ基又はフェニル基である請求の範囲第5
    項に記載の化合物。
  10. 【請求項10】ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法
    (溶媒=テトラヒドロフラン、温度=40℃、ポリスチレ
    ン換算)による数平均分子量が5×103〜3×105であ
    り、同GPC法による重量平均分子量が5×103〜5×105
    である請求の範囲第5項に記載の化合物。
  11. 【請求項11】一般式(I)の構造単位のみからなる単
    独重合体である請求の範囲第5項に記載の化合物。
  12. 【請求項12】一般式(I)の構造単位を0.001〜50モ
    ル%及び一般式(II)の構造単位を50〜99.999モル%含
    有する請求の範囲第5項に記載の化合物。
  13. 【請求項13】一般式(I)の構造単位を0.01〜25モル
    %及び一般式(II)の構造単位を75〜99.99モル%含有
    する請求の範囲第5項に記載の化合物。
  14. 【請求項14】一般式(I)の構造単位を0.1〜10モル
    %及び一般式(II)の構造単位を90〜99.9モル%含有す
    る請求の範囲第5項に記載の化合物。
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